JP2023103227A - 高級エチレンアミンを作製するためのプロセス - Google Patents

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Nicolas Kantzer Eike
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Jacob Berend Ten Kate Antoon
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Abstract

【課題】高価なまたは危険な出発材料を用いずに、高収率かつ高選択性で高級エチレンアミンを調製するプロセスを提供する。【解決手段】エタノールアミン官能性化合物と、アミン官能性化合物と、酸化炭素供給剤とを反応させることによって、n個のエチレン単位とn+1個のアミン基とを有し、nは少なくとも4であるエチレンアミン、または前記エチレンアミンの尿素誘導体を調製するプロセスであって、エタノールアミン官能性化合物は式HO-(C2H4-NH-)qHのものであり、qは少なくとも1であり、アミン官能性化合物は式H2N-(C2H4-NH-)rHのものであり、rは少なくとも1であり、q+rの和は少なくとも4であり、任意選択により、エタノールアミン官能性化合物またはアミン官能性化合物の1つもしくは複数を、少なくとも部分的に、その環状カルバメート誘導体、または直鎖状もしくは環状の尿素誘導体として用いる、プロセスである。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボニル供給剤の存在下、エタノールアミンとエチレンアミンとを反応さ
せることによって、少なくとも4つのエチレン単位を含有する高級エチレンアミン、また
はその誘導体を作製するためのプロセスに関する。
高級エチレンアミンを製造することができる代替プロセスを開発する必要がある。
本出願が目的とする高級エチレンアミンは、n個のエチレン基とn+1個のアミン基と
を有するアミンを意味し、nは少なくとも4である。
テトラエチレンペンタミンなどの高級エチレンアミンは、国際公開第2011/079
008号パンフレットに開示されているような、例えば油田用途における使用が見出され
ており、テトラエチレンペンタミンは、尿素と反応させることによって尿素対応物に変換
された後、適用される。
エチレンアミンは、エチレン単位によって連結された2つ以上の窒素原子からなる。エ
チレンアミンは、直鎖状HN(-CNH)-Hの形態で存在することができる
。n=1、2、3、4、5、6・・・について、これらはEDA、DETA、L-TET
A、L-TEPA、L-PEHA、L-HEHA・・・と示される。
3つ以上のエチレン単位によって、N(CHCHNH、TAEAなどの分岐
鎖状エチレンアミンを作り出すこともできる。2つのエチレン単位によって連結された、
2つの隣接する窒素原子からなる部分は、ピペラジン環
Figure 2023103227000001
と呼ばれる。ピペラジン環は、長鎖において存在し、対応する環状エチレンアミンを生成
する場合もある。
1つのエチレン単位と1つのカルボニル架橋とによって連結された2つの隣接する窒素
原子は、環状エチレン尿素を形成する。2つの窒素原子がカルボニル架橋によって分子内
で連結されたエチレンアミン(EA)
Figure 2023103227000002
を、ここではUEAと呼ぶ。カルボニル架橋を2つの水素原子で置き換えることによって
、対応するエチレンアミンが生じる。例えば、EU対EDA、UDETA対DETA、U
AEEA対AEEA、UTETA対L-TETA、UTEPA対L-TEPAである。い
くつかの高級アミンは、2つ以上のカルボニル架橋を受け入れることができ、例えばDU
TETA対L-TETAである。カルボニル架橋は、2つの別個の分子上の窒素原子、す
なわち、1つのエチレン単位によって連結されていない窒素原子同士も連結し、それによ
って直鎖状エチレン尿素を形成し得る。例えば、カルボニル架橋を2つの水素原子によっ
て置き換えたHNCNH-CO-NHCNHは、2つのEDAの分子を
生じるであろう。
エチレンアミン中の各アミン官能基、またはエチレン尿素中の各アミド官能基は、第一
級、第二級、または第三級であってもよい。さらに、第二級のアミンまたはアミドは、直
鎖状尿素の一部として、もしくはエチレンアミン基(直鎖状第二級アミン、LSA)の一
部として直鎖状、または環状(環状第二級アミン、CSA)であってもよく、第三級のア
ミンまたはアミドは、分岐鎖状であってもよく、環状エチレン尿素の一部であってもよく
、またはピペラジン環の一部であってもよい。
任意のブレンステッド酸(水など)の存在下、エチレンアミン(EA)はプロトン化(
EAH)され得る。別段の記述がない限り、この文書におけるアミンという用語は、プ
ロトン化された形態と、プロトン化されていない形態との両方を含む。
いくつかのエチレンアミンおよびその尿素誘導体を、図として下に示す。これは当然、
ペンタミン、ヘキサミンなどを含むように拡張することができる。
Figure 2023103227000003
分子の命名に関して、EDAはエチレンジアミンを表し、DETAはジエチレントリア
ミンを表し、TETAはトリエチレンテトラミンを表し、TEPAはテトラエチレンペン
タミンを表し、PEHAはペンタエチレンヘキサミンを表し、HEHAはヘキサエチレン
ヘプタミンを表す。分子内に環状尿素がある場合、これは名前の前にUを加えることによ
って示され、すなわち、UTETAはTETAの環状尿素を意味し、一方、分子内に2つ
の環状尿素がある場合、これはDUによって示され、すなわち、DUTETAはTETA
の内部環状ジウレアを意味する。Uとともに示された数字がある場合、これはU基が位置
するアミノ基を指す。この命名には1つの例外があり、それはUEDAの代わりに、エチ
レン尿素を表す省略形EUを用いることである。
エチレンアミンを生成するための現在の製造プロセスは、一般に、a)エタノールアミ
ンの触媒還元的アミノ化、主としておよそ200℃の温度およびおよそ200barの圧
力における、過剰のアンモニアによる、2-アミノエタノールまたはモノエタノールアミ
ン(MEA)の触媒還元的アミノ化、ならびにb)高温高圧においてEDCをアンモニア
と反応させてエチレンアミンヒドロクロリドを形成し、次いでこれを苛性剤と反応させて
エチレンアミンとNaClとの混合物を発生させることである。
MEAの還元的アミノ化は、水素化/脱水素化触媒と、過剰のアンモニアとの存在下で
進行する。EDAを与えるMEAの還元的アミノ化に次いで、アミノ基転移を含むいくつ
かの副反応によって、多数の異なるエチレンとエタノールアミンとを含む混合物が生成さ
れる。生産物は、モノおよびジエチレン生成物(すなわち、EDA、DETA、PIP、
およびAEEA)が優勢である。高級エチレンおよびエタノールアミンも形成されるが、
混合物は複雑であり、少なくとも4つのエチレン単位を含有する高級エチレンアミンを高
収率で生成することにおいて、この経路は効果的ではなくなる。したがって、高級エチレ
ンアミンを作製するためには、MEAの還元的アミノ化はEDC経路に対抗することはで
きない。
直鎖状エチレンアミンの高級/長鎖を生成するために、アミノ基転移を用いるいくつか
の試みが報告されているが、これらはジエチレン化合物DETAに限られるようであり、
したがって、さらに下に記載するEDC経路に対抗することはできない。例えば、米国特
許第8,383,860号明細書、米国特許第8,188,318号明細書、欧州特許第
1654214号明細書、および米国特許第4,568,745号明細書を参照されたい
ニトリルケミストリーに基づくプロセスも、先行技術において記載されている。それに
もかかわらず、今日、EDCベースのプロセスが、少なくとも4つのエチレン単位と少な
くとも5つのアミン基とを有するポリエチレンポリアミンを生成するための主なプロセス
である。
EDC経路は、高温および高圧における、アンモニアおよび/または別のエチレンアミ
ンによるEDC(エチレンジクロリド)の置換反応であり、エチレンアミンヒドロクロリ
ドを形成し、これは次いで苛性剤と反応して、エチレンアミンとNaClとの混合物を発
生させる。
今日、EDCベースのプロセスは、高級ポリエチレンポリアミンを生成するための主な
プロセスである。高級アミンは通常、いわゆる工業用混合物(technical mixtures)とし
て存在する。例えば、いくつかの可能なペンタミンがあり、TEPAと呼ばれるそれらの
工業用混合物は、典型的には、直鎖状ペンタミン、分岐鎖状ペンタミン、および環状ペン
タミン、すなわちピペラジンを含有する混合体を含む。これは、50重量%の直鎖状TE
PAに加えて、約15重量%の分岐鎖状TEPA、および約35重量%の環状TEPAも
含有する、商業的に入手可能なTEPA製品から誘導することができる。REACH登録
によっても、現在販売されているTEPA製品は、最大30重量%の分岐鎖状成分、およ
び最大80重量%の環状成分を含有することが確認される。
EDC経路は、有毒であり、非常に燃えやすく、かつ発がん性があり、高価であり、扱
いが難しく、それゆえ常にどこでも入手できるわけではないエチレンジクロリドの使用に
全面的に依存していることを別にしても、プロセスは常に、分岐および環化の程度が異な
る、異なるサイズの多くの異なるポリエチレンポリアミンの混合物を発生させるので、特
定の高級エチレンアミンに対して低い選択性を有するという欠点を有する。さらに、ED
C経路は1モルEDC当たり2モルのNaClを生じ、実施形態においては相当量の廃棄
物、複雑な分離、腐食の問題、および着色生成物をもたらし、それによっていわゆる漂白
および再蒸留のような追加の精製ステップの必要性が生じる。
ニトリルケミストリーに基づくプロセスは、米国特許第8,440,852号明細書に
開示されているが、このプロセスはラネーニッケルまたはラネーコバルトのような金属を
含有する触媒が必要であるので、不利である。さらに、ニトリル前駆体の水素化は、おそ
らくは望ましくない副生成物の形成を抑制し、早すぎる触媒の失活を抑制するために、高
度に希釈された系を用い、望ましくない有機溶媒を使用して実行しなければならない。
英国特許第1510538号明細書は、TETAおよびTEPAを得るためのプロセス
を開示している。そのプロセスには、EDCとアンモニアとの反応、続いて22%の収率
においてTETAを分離する蒸留、および12%の収率においてTEPAを分離する別の
蒸留が関与する。
米国特許第5,364,971号明細書は、TETAおよびTEPAを脱色するための
プロセスを開示している。EDCプロセスにおける着色生成物は、例えば蒸留の際の熱劣
化、例えば真空蒸留の際の機器の漏れによる酸素との反応、および/または高レベルの塩
によって、特に中和ステップにおいて、NaOHがエチレンアミンヒドロクロリドと反応
するときに形成されるNaClによって悪化する腐食の問題のために形成される。TET
AおよびTEPA化合物は、リン触媒の存在下、アルカノールアミン、アルキレンアミン
を、アンモニアもしくは第二級アミンと反応させることによって、またはEDCをアンモ
ニアと反応させること、またはアルキルハライドをジアミンと反応させることによって、
作製することができるといわれている。
欧州特許出願公開第222934号明細書は、TETAをEDCと、アンモニアと、水
との混合物と反応させることでTEPAの収率が上昇する修正EDCプロセスによって、
ポリアルキレンポリアミンを調製するプロセスを開示している。実施例1~4は、出発材
料にTETAを加える場合に得られる生成混合物を示している。一般的なEDCプロセス
と比較するため、これらの結果を、TETAを加えていない例AおよびBと比較する。a
)TETAはそれ自体価値のある生成物であり、したがってむしろ分離される、b)TE
PAに加えて、より望ましくない、相当量の非常に高級な分子のポリアルキレンポリアミ
ンも生成する、およびc)リサイクルによって滞留時間が増加し、着色生成物の量が増加
するので、EDCプロセスにおけるTETAのリサイクルは不利であり、したがって一般
に実施されていない。修正EDCプロセスにおいてもおそらく、中和ステップ後の水、塩
、およびエチレンアミン相の相分離が、エチレンアミン相の組成に強く影響されるので、
異なる機器が必要となるであろう。
したがって、中間生成物についての多段リサイクルステップのような多くのステップを
用いることなく、高価なまたは危険な出発材料を用いる必要もなく、加えて副生成物とし
て多量の高分子エチレンアミンまたは塩をもたらすことなく、より少ない着色生成物を提
供する、高収率かつ高選択性でTEPAおよび高級エチレンアミンを提供するプロセスが
所望されている。
ここで、本発明は、エタノールアミン官能性化合物と、アミン官能性化合物と、酸化炭
素供給剤(carbon oxide delivering agent)とを反応させることによって、n個のエチレ
ン単位とn+1個のアミン基とを有し、nは少なくとも4であるエチレンアミン、または
該エチレンアミンの尿素誘導体を調製するプロセスであって、エタノールアミン官能性化
合物は式HO-(C-NH-)Hのものであり、qは少なくとも1であり、アミ
ン官能性化合物は式HN-(C-NH-)Hのものであり、rは少なくとも1
であり、q+rの和は少なくとも4であり、任意選択により、エタノールアミン官能性化
合物またはアミン官能性化合物の1つもしくは複数を、少なくとも部分的に、その環状カ
ルバメート誘導体、または直鎖状もしくは環状尿素誘導体として用いる、プロセスを提供
する。
基本的なEDCベースのプロセスとの比較として、本発明は、好適な出発材料と反応条
件とを選択することによって、相当量の他のポリエチレンポリアミンを生成することなく
、高収率の最適な高級エチレンアミンが、同最適な高級エチレンアミンに対する高選択性
で、または単一のポリエチレンポリアミンの異性体の実施形態で得られるという利点を有
する。さらに、本発明のプロセスは、エタノールアミン、例えばMEA、AEEAであっ
ても、TEPAおよびPEHAのようなポリエチレンポリアミンに変換することを可能に
し、EDCの扱いを必要とせず、副生成物としてNaClが発生しないので、NaClの
形成をもたらさず、その結果、腐食による問題がより少なく、したがって、生成物の着色
がより少なくなることを意味し、それによって、再蒸留または漂白のような追加の精製ス
テップの必要性が低減する。
本発明はまた、直鎖状と分岐鎖状と環状異性体との混合物を常に生成するEDCプロセ
スによって得る生成物組成と比較して、より少ない分岐鎖状および環状異性体の形成、な
らびに意図する分子より、より低級または高級なエチレンアミンの形成をも示す、上のプ
ロセスによって得ることが可能な生成物組成をもたらす。
米国特許第4,503,250号明細書は、触媒としてカルボン酸の誘導体または二酸
化炭素誘導体の存在下、アンモニアまたはアルキレンアミンを、アルコールと反応させる
ことによって、直鎖状ポリアルキレンポリアミンを優勢に調製するためのプロセスを記載
していることに注意されたい。実施例5は、300℃において6時間のAEEAとEDA
、および非触媒量の2-イミダゾリジノンの反応、これに続く加水分解(時間は与えられ
ていない)によって、約8重量%のL-TETAを得ることを記載している。生成混合物
における主成分はEDA出発材料(76重量%)である。実施例8は、275℃において
4時間の2-オキサゾリジノンとDETAとの反応、これに続く加水分解において、8重
量%のL-TETA収率を示している。この実施例において、生成混合物における主成分
は、DETA出発材料(56重量%)、およびEDA出発材料(27重量%)である。他
の実施例におけるL-TETA収率はさらに低い。
まったく予想外であるが、本発明のプロセスは、高収率のみならず、直鎖状エチレンア
ミンについての高選択性も同時に与え、または別の言葉で表せば、目的が高収率において
L-TEPAを生成することである場合、同時に、より少ない分岐鎖状および環状TEP
Aが形成され、所与の例においてはTEPAである意図する分子より、より低級もしくは
高級なエチレンアミンも形成される。
本発明のプロセスのある実施形態では、プロセスは、CO基を除去する追加のステップ
を含有し、すなわち、尿素エチレンアミン生成物である、形成されたエチレンアミン前駆
体はいずれも、エチレンアミンに変換される。これは、一実施形態では、NaOH水溶液
もしくはKOH水溶液などの塩基と反応させることによって、またはEDAのような別の
エチレンアミンと、任意選択により水の存在下、および任意選択で反応系から二酸化炭素
を除去しながら反応させることによって、行うことができる。
反応混合物は、反応物質として、エタノールアミン官能性化合物と、アミン官能性化合
物と、酸化炭素供給剤とを含有することを特徴とし、下の非限定スキームによって大まか
に表すことができる。
Figure 2023103227000004
酸化炭素供給源と、エタノールアミン官能性化合物と、アミン官能性化合物との混合物
を加熱するとき、いくつかの反応が並行して起こる。
理論に束縛されるものではないが、これは、2つの主な反応ステップにまとめることが
でき、それぞれ複数のサブステップから構成され、すなわち、1)カルボニル基によるア
ルコール官能基(A)の活性化、オキサゾリジノン(B)が中間体であると考えられる、
2)活性化アルコール官能基がアミン(C)によって置き換わり、鎖が伸長した第一級付
加生成物(D)を与える。アンモニアの存在下、鎖伸長を与えない、アルコール官能基の
アミン官能基への変換も起こり得る。生成物(D)は、反応IVおよび生成物(F)とし
て図示した第二級CO含有生成物をもたらす、さらなる反応も受け得る。このような生成
物としては、限定するものではないが、環状エチレン尿素誘導体が挙げられ、しかし例え
ば下のCO供給剤の例において図示するような、すべての種類のCO含有アミンを含む。
任意選択により、CO基を除去し、エチレンアミン(EA)の形成をもたらすことができ
る。
エタノールアミン官能性化合物は、エチレンを介してアミン基に連結された1つのヒド
ロキシル基を含有する化合物であり、任意選択により、そのカルバメート同等物として存
在してもよい。一般に、エタノールアミン官能性化合物は、次の式のものである。
Figure 2023103227000005
エタノールアミン官能性化合物の例としては、次のものが挙げられる。
Figure 2023103227000006
命名に関して、MEAはモノエタノールアミンを表し、AEEAはアミノエチルエタノ
ールアミンを表し、HE-DETAはヒドロキシエチルジエチレントリアミンを表し、そ
の先はヒドロキシエチルトリエチレンテトラミンを表すHE-TETA等である。Cの文
字を用いることによって、分子内に内部環状カルバメート環が存在することを示す。
酸化炭素供給剤は、カルボニル部分を含有し、カルボニル部分をエタノールアミン官能
性化合物に移動させ、CMEA(2-オキサゾリジノン)などの環状カルバメートの形成
をもたらすことができる、またはエチレンアミン(EA)に移動させ、対応する環状エチ
レン尿素(UEA)の形成をもたらすことができる化合物である。環状化合物に次いで、
直鎖状カルバメートおよび尿素も形成され得る。
本発明の範囲内の酸化炭素供給剤としては、二酸化炭素、およびカルボニル基を上に記
載したように移動させるために利用可能な有機化合物が挙げられる。カルボニル基を利用
可能な有機化合物としては、尿素およびその誘導体、直鎖状および環状アルキレン尿素、
特に環状尿素、モノまたはジ置換アルキレン尿素、アルキルおよびジアルキル尿素、直鎖
状および環状カルバメート、有機カーボネートおよびその誘導体または前駆体が挙げられ
る。このような誘導体または前駆体としては、例えば、本発明のプロセスにおけるいくつ
かの実施形態ではin situで、非イオン性対応物に、例えば直鎖状および環状カル
バメートまたは尿素化合物に変換することができる、炭酸塩または重炭酸塩などのイオン
性化合物を挙げることができる。好ましくは、本発明においてこのようなイオン性化合物
を用いる場合、これらは有機炭化水素系の炭酸塩または重炭酸塩である。好ましくは、C
O供給剤はCO、または酸化炭素供給剤として用いるのに好適な有機化合物であり、ア
ルキレンはエチレンまたは尿素もしくはエチレンカーボネートであり、より好ましくは、
酸化炭素供給剤を少なくとも部分的に、二酸化炭素または尿素として加える。酸化炭素供
給剤はプロセスにおいて、前述の尿素またはカルバメート化合物を用いることによって、
少なくとも部分的に、アミン官能性またはエタノールアミン官能性化合物と同じ分子中に
存在することができる。
酸化炭素供給剤の例としては、次のものが挙げられる。
Figure 2023103227000007
上の図において今一度、CAEEAはアミノエチルエタノールアミンのカルバメートを
表し、UDETAはジエチレントリアミンの尿素を表し、DAEUはジアミノエチル尿素
を表し、AE AEカルバメートはアミノエチルアミノエタノールカルバメートを表し、
CHE-DETAはヒドロキシエチルジエチレントリアミンのカルバメートを表し、U1
TETAはトリエチレンテトラミンの第1のアミン上の尿素を表し、DUTETAはトリ
エチレンテトラミンの1,3-ジウレアを表す。
アミン官能性化合物は、少なくとも2つのアミン基を含有し、アルコール基を含有しな
い化合物であり、少なくとも2つのアミン基は独立に、任意選択により尿素基に変換され
る第一級アミン基であり、第一級、第二級および/または第三級アミンであってもよいよ
り多くのアミン基が任意選択により存在してもよく、化合物中のアミン基はエチレン基を
介して、任意選択によりいくつかはカルボニル基によって、互いに連結され(アミン官能
性化合物に尿素単位を与え)る。
さらに好ましい実施形態では、プロセスにおいて、エタノールアミン官能性化合物は式
HO-(C-NH-)Hのものであり、式中qは少なくとも1であり、アミン官
能性化合物は式HN-(C-NH-)Hのものであり、式中rは少なくとも1
であり、q+rの和は4または5であり、任意選択により、qまたはr単位の1つまたは
複数は、環状エチレン尿素および/または環状エチレンカルバメート単位として存在し得
る。
別の好ましい実施形態では、エタノールアミン官能性化合物および酸化炭素供給剤を、
エタノールアミン官能性化合物のカルバメート前駆体もしくは誘導体を用いることによっ
て、少なくとも部分的に、1つの化合物として加え、および/またはアミン官能性化合物
および酸化炭素供給剤を、アミン官能性化合物の尿素前駆体もしくは誘導体を用いること
によって、少なくとも部分的に、1つの化合物として加える。
酸化炭素供給剤を、COとして、尿素化合物として、またはカルバメート化合物とし
て加えてもよいが、好ましくはCO供給剤と、エチレンアミン反応物質および/またはエ
タノールアミン反応物質とは、少なくとも部分的に、プロセスにおける反応物質として、
エチレンアミンおよび/もしくはエタノールアミンの尿素またはカルバメートバージョン
を取ることによって、1つの分子に存在する。
TEPAまたはその尿素前駆体を調製する場合、次の好ましい実施形態、すなわち、エ
タノールアミン官能性化合物とアミン官能性化合物のMEA+TETA;AEEA+DE
TA;またはHE-DETA+EDAそれぞれを反応させることは、本発明のプロセスに
包含される。
PEHAまたはその尿素前駆体を調製する場合、次の好ましい実施形態、すなわち、エ
タノールアミン官能性化合物とアミン官能性化合物のMEA+TEPA;AEEA+TE
TA;HE-DETA+DETA;またはHE-TETA+EDAそれぞれを反応させる
ことは、本発明のプロセスに包含される。
より好ましくは、TEPA、PEHA、またはそれらの尿素前駆体を調製するための上
の実施形態では、エタノールアミン官能性化合物またはアミン官能性化合物の1つもしく
は複数を、少なくとも部分的に、それらの環状カルバメート誘導体、または直鎖状もしく
は環状尿素誘導体として用いる。
さらにより好ましくは、実施形態では、プロセスは、エタノールアミン尿素誘導体をエ
チレンアミンと、例えばUAEEA+DETAを、またはエチレンアミン尿素誘導体をエ
タノールアミンと、例えばAEEA+UDETAを、またはエチレンアミン尿素誘導体を
エチレンアミン尿素誘導体と、例えばUAEEA+UDETAを、またはエタノールアミ
ン、エチレンアミン、およびそれぞれのカルバメート、尿素対応物の混合物、例えばAE
EA、UAEEA、DETA、およびUDETAを反応させ、TEPAおよび高級エチレ
ンアミン同族体の尿素前駆体を形成し、これらは次いで、例えば苛性水による加水分解に
より、それぞれのエチレンアミン化合物に変換できることによって、TEPAおよび高級
エチレンアミン同族体を作製することに関する。
一般に、本発明によるプロセスから得たエチレンアミンの尿素誘導体は、これらを加水
分解に供することによって、対応するエチレンアミンに変換することができる。加水分解
反応を実行するためのプロセスは、当技術分野において公知である。
尿素またはカルバメート誘導体は、エタノールアミンまたはエチレンアミン化合物を、
尿素と、COと、および/または別の尿素誘導体と反応させることによって得ることが
できる。
好ましい実施形態では、酸化炭素供給剤対アミン官能性化合物(CO:アミンとも呼ぶ
)のモル比は、1:1より大きく、さらにより好ましくは1.5:1より大きい。実施形
態では、形成されるエチレンアミン生成物を基準とした酸化炭素供給剤のモル比は、1n
当量(すなわち、nは作製する生成物におけるエチレン基の数であり、出発アミン官能性
化合物と合わせた出発エタノールアミン官能性化合物におけるエチレン単位の数(q+r
)に対応する)より小さいことが好ましく、さらにより好ましくは、0.7n当量より小
さく、かつ0.5nモル当量より大きい。
別の好ましい実施形態では、エタノールアミン官能性化合物対アミン官能性化合物のモ
ル比は、1:0.1から1:10の間、好ましくは1:0.3から1:3の間、最も好ま
しくは1:0.5から1:2の間である。
TEPAを生成するための別の好ましい実施形態では、AEEA+UAEEA+CAE
EA対DETA+UDETAの比率(エタノールアミン官能性化合物対アミン官能性化合
物)は、10:1より小さく、しかし1:10より大きく、好ましくは3:1より小さく
、しかし1:3より大きく、最も好ましくは2:1より小さく、しかし1:2より大きく
;比率MEA+CMEA対TETA+UTETA+DUTETAはそれぞれ、10:1よ
り小さく、しかし1:10より大きく、好ましくは3:1より小さく、しかし1:3より
大きく、最も好ましくは2:1より小さく、しかし1:2より大きく;比率HE-DET
A+CHE-DETA+HE-UDETA+CHE-UDETA対EDA+EUはそれぞ
れ、10:1より小さく、しかし1:10より大きく、好ましくは3:1より小さく、し
かし1:3より大きく、最も好ましくは2:1より小さく、しかし1:2より大きい。
別のより好ましい実施形態では、TEPAを生成する場合、UAEEA+CAEEA+
UDETA対UDETA+DETAの比率(酸化炭素供給剤対アミン)は、1:1より大
きく、さらにより好ましくは1.5:1より大きく;比率CMEA+UTETA+DUT
ETA対TETA+UTETA+DUTETAはそれぞれ、1:1より大きく、さらによ
り好ましくは1.5:1より大きく;比率CHE-DETA+EU+HE-UDETA+
CHE-UDETA対EDA+EUはそれぞれ、1:1より大きく、さらにより好ましく
は2:1より大きい。2つ以上の尿素および/またはカルバメート単位を含有する化合物
、例えばDUTETAおよびCHE-UDETAなど、の当量はいずれも、酸化炭素供給
剤の当量数と考え、尿素および/またはカルバメート単位を含有することに注意するべき
であり、すなわち1モル当量のDUTETAまたはCHE-UDETAは、2モル当量の
酸化炭素供給剤として数える。
別のより好ましい実施形態では、PEHAを生成する場合、(エタノールアミン官能性
化合物対アミン官能性化合物)MEA+CMEA対TEPA+UTEPA+DUTEPA
の比率は、10:1より小さく、しかし1:10より大きく、好ましくは3:1より小さ
く、しかし1:3より大きく、最も好ましくは2:1より小さく、しかし1:2より大き
く;AEEA+UAEEA+CAEEA対TETA+UTETA+DUTETAの比率は
それぞれ、10:1より小さく、しかし1:10より大きく、好ましくは3:1より小さ
く、しかし1:3より大きく、最も好ましくは2:1より小さく、しかし1:2より大き
く;HE-DETA+CHE-DETA+HE-UDETA+CHE-UDETA対DE
TA+UDETAの比率はそれぞれ、10:1より小さく、しかし1:10より大きく、
好ましくは3:1より小さく、しかし1:3より大きく、最も好ましくは2:1より小さ
く、しかし1:2より大きく、HE-TETA+CHE-TETA+HE-UTETA+
CHE-UTETA+HE-DUTETA対EDA+EUの比率はそれぞれ、10:1よ
り小さく、しかし1:10より大きく、好ましくは3:1より小さく、しかし1:3より
大きく、最も好ましくは2:1より小さく、しかし1:2より大きい。
さらに別のより好ましい実施形態では、PEHAを生成する場合、CMEA+UTEP
A+DUTEPA対TEPA+UTEPA+DUTEPAの比率(酸化炭素供給剤対アミ
ン)は、1:1より大きく、さらにより好ましくは1:1.5より大きく;UAEEA+
CAEEA+UTETA+DUTETA対TETA+UTETA+DUTETAの比率は
それぞれ、1:1より大きく、さらにより好ましくは1:1.5より大きく;CHE-D
ETA+HE-UDETA+CHE-UDETA+UDETA対DETA+UDETAの
比率はそれぞれ、1:1より大きく、さらにより好ましくは1:1.5より大きく;CH
E-TETA+HE-UTETA+HE-DUTETA+CHE-UTETA対EDA+
EUの比率はそれぞれ、1:1より大きく、さらにより好ましくは1:1.5より大きい
。2つ以上の尿素および/またはカルバメート単位を含有する化合物、例えばDUTET
A、CHE-UDETA、HE-DUTETA、およびCHE-UTETAなど、の当量
はいずれも、酸化炭素供給剤の当量数と考え、尿素および/またはカルバメート単位を含
有することに注意するべきであり、すなわち1モル当量のDUTETA、CHE-UDE
TA、HE-DUTETA、またはCHE-UTETAは、2モル当量の酸化炭素供給剤
として数える。
生成混合物をさらに、それぞれ独立に純粋な化合物または化合物の混合物のいずれかで
あるいくつかの生成物に、加工または分別することができ、それらのいくつかをリサイク
ルしてもよい。
本発明のプロセスは、任意の追加の液体が存在して、または存在せずに行うことができ
る。液体を反応系に加える場合、液体は好ましくは、アルコールまたは水などの極性液体
である。液体として水の存在下、またはいずれの追加の液体もなく、本発明のプロセスを
行うことが好ましい。
使用する反応器は、連続撹拌槽型反応器、パイプライン反応器、管型または多段管型反
応器を含む、任意の好適な反応器であり得る。反応器は、断熱性であり、または外部もし
くは内部熱交換装置を装備していてもよい。供給は、一点でもよく、または多点に分割さ
れてもよい。反応器は、段階間熱交換がある多段階からなってもよい。
プロセスは好ましくは、少なくとも100℃の温度において実行する。温度は、好まし
くは400℃より低くするべきである。より好ましくは、温度は200から360℃の間
である。さらにより好ましくは、温度は230から340℃の間である。最も好ましくは
、温度は250から310℃の間である。エタノールアミン官能性化合物がモノエタノー
ルアミンである実施形態では、最も好ましい温度範囲は230から290℃の間である。
プロセス中の反応時間は、ある実施形態では、少なくとも5分、好ましくは少なくとも
0.5時間、より好ましくは少なくとも1時間である。別の実施形態では、プロセス中の
反応時間は、最大40時間、好ましくは最大20時間、より好ましくは最大12時間であ
る。1時間を超える、より長い反応時間は、酸化炭素供給剤対アミン官能性化合物のモル
比が1.5:1より大きい場合、特に好ましい。
プロセスは、回分反応器、好ましくは流加回分操作において、または1つの反応器にお
ける連続操作系において、または連続流通反応器のカスケードにおいて、実施することが
できる。反応と分離とは、別々のステップにおいて、または少なくとも部分的に同時に実
行することができる。反応および分離には、間に分離ステップを伴う複数の反応ステップ
が関与してもよい。
化学物質の大規模生成においては、連続プロセスを使用することが好ましい。連続プロ
セスは、例えば、単回通過またはリサイクルプロセスであり得る。単回通過プロセスでは
、試薬の1つまたは複数がプロセス機器を1回通過し、次いで得られた反応器からの排出
物は、精製またはさらなる加工のために送られる。好ましい実施形態では、プロセスは、
短行程蒸留のような追加の分離ステップを含有する。
当業者は、全体収率、エネルギー消費、および廃棄生成物を決定することによって、適
切な反応器および分離単位スキームを選択することができる。
さらに別のより好ましい実施形態では、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)お
よびジエチレントリアミン(DETA)、またはMEA(モノエタノールアミン)および
TETA(トリエチレンテトラミン)、またはHE-DETAおよびEDAを、酸化炭素
供給剤として尿素またはCOまたはエチレンカーボネートと反応させ、高級エチレンポ
リアミン、主としてテトラエチレンペンタミン(TEPA)を形成する。上の実施形態で
は、エタノールアミン官能性化合物またはアミン官能性化合物の一部が、その誘導尿素/
カルバメートであるUAEEA、CAEEA、UDETA、CMEA、UTETA、DU
TETA、CHE-DETA、HE-UDETA、CHE-UDETA、および/または
EUとして既に存在する場合もある。
本発明はまた、テトラエチレンペンタミンおよびペンタエチレンヘキサミンの新規尿素
誘導体を対象とする。これらの化合物は、例えば出発材料として、または反応性成分とし
て、化学産業における使用に好適となる、興味深い官能基を有する。これらは、本明細書
において記載する、式HO-(C-NH-)Hのエタノールアミン官能性化合物
を、式HN-(C-NH-)Hのアミン官能性化合物および酸化炭素供給剤と
反応させるプロセスによって調製することができ、式中、qは少なくとも1であり、rは
少なくとも1であり、qとrとの合計は少なくとも4である。
上の式の出発材料からこれらの化合物を得ることも可能であり、式中、qとrとの合計
は4より小さく、例えば3または2である。この場合、第1のステップにおいて、2つま
たは3つのエチレン部分を含有する中間生成物が得られ、これらの化合物が、少なくとも
4つのエチレン部分を有するさらなる化合物と反応するであろう。これは、本発明の化合
物を、qとrとの合計が4より小さい出発材料から得る場合、これらの生成物を得るため
に必要な2つのステップが行われ得るように、反応条件、特に反応時間を選択するべきで
あることを意味する。
一実施形態において、本発明は、下記式の2-モノウレアテトラエチレンペンタミンに
関係する。
Figure 2023103227000008
この化合物は、2つの第一級アミン基を有するエチレン尿素官能基と、非環状第二級ア
ミン基とが組み合わさっている。この組合せは、環状エチレン尿素基および隣接する第二
級アミン基による興味深い官能基と合わせて、2つの第一級アミン基による高い反応性を
生み出す。これは、例えばポリマー製造の分野において魅力的であり得る。
一実施形態では、本発明は、テトラエチレンペンタミンのジウレア誘導体に関係する。
これは、次の化合物:1,3-ジウレアテトラエチレンペンタミン、および、1,4-ジ
ウレアテトラエチレンペンタミンに関係する。
Figure 2023103227000009
Figure 2023103227000010
これらの化合物は、2つのエチレン尿素部分と、遊離第一級または非環状第二級アミン
とが組み合わさっているので、魅力的である。第一級または非環状第二級アミンは比較的
高い反応性を生み出す一方、2つの尿素部分は分子間水素結合などの興味深い特性を呈し
、これは例えば、ポリマー製造の分野に関係し得る。
一実施形態では、本発明はペンタエチレンヘキサミンのモノウレア誘導体に関係し、誘
導体は1-モノウレアペンタエチレンヘキサミン、および、2-モノウレアペンタエチレ
ンヘキサミンの群から選択される。
Figure 2023103227000011
Figure 2023103227000012
尿素基が分子の1位または2位にあるモノウレアペンタエチレンヘキサミンは、尿素部
分と、スペーサーとして作用することができる比較的長い遊離エチレンアミンテールとが
組み合わさっているので、魅力的であることがわかっている。
一実施形態では、本発明は、ペンタエチレンヘキサミンのジまたはトリウレア誘導体に
関係する。
ペンタエチレンヘキサミンのジまたはトリウレア誘導体は、次の式:
Figure 2023103227000013
1,3-ジウレアペンタエチレンヘキサミン
Figure 2023103227000014
1,4-ジウレアペンタエチレンヘキサミン
Figure 2023103227000015
1,5-ジウレアペンタエチレンヘキサミン
Figure 2023103227000016
1,3,5-トリウレアペンタエチレンヘキサミン
の化合物である。
ここで利用可能となるジおよびトリウレアペンタエチレンヘキサミン化合物は、比較的
長いエチレンアミン鎖と合わせて、多数の比較的親水性の尿素部分との魅力的な組合せを
示すことが見出されている。この特定の組合せによって、化学産業における使用に好適と
なる。
本発明は次の実施例によって説明されるが、それに対して、またはそれによって限定さ
れるものではない。
実施例において、ΣTETAはすべてのTETA異性体の総和を表し;(U)TEPA
はU1TEPA、U2TEPA、DUTEPA、またはL-TEPAを表し;Σ(U)T
EPAはすべてのTEPA異性体およびその尿素前駆体の総和を表す。Σ(U)PEHA
は同様に、すべてのPEHA異性体およびその尿素前駆体の総和を表す。
[比較例A]
高級エチレンアミン生成混合物を調製するためのEDCプロセス(欧州特許出願公開第
222934号明細書におけるもの)
周囲温度において、2l反応器に340gの水を投入する。20モル(340g)のア
ンモニアを加える。撹拌機を起動し、混合物を130℃に加熱する。次いで、1モル(6
0g)のエチレンジクロリド(EDC)を加える。混合物を60分反応させ、完全なED
Cの変換を達成する。(反応物質のモル比、NH:EDC=20:1)
生成混合物を分析するため、過剰のアンモニアを、40℃において注意深く蒸発分離し
た。次いで、反応生成物に50%NaOH水溶液をゆっくりと加える。最後に、アミン層
が形成されるまで、NaOHペレットを加える。アミン層をガスクロマトグラフによって
分析し、約50重量%のL-TEPA、15重量%の分岐鎖状TEPA、および35重量
%の環状TEPAからなる。合計TEPA収率は約4%である。
[比較例B]
高級エチレンアミン生成混合物を調製するためのEDCプロセス(欧州特許出願公開第
222934号明細書におけるもの)
例Aの手順を使用するが、272gの水、16モル(272g)のアンモニアを、2モ
ル(198g)のEDCと反応させる(反応物質のモル比、NH:EDC=8:1)。
分析については、例Aにおけるものと同じ手順を用いる。
生成物は、約40重量%のL-TEPA、15重量%の分岐鎖状TEPA、および45
重量%の環状TEPAからなる。合計TEPA収率は約8%である。
[実施例1~7]
下の実施例1~6では、次の化合物を用いた。
UAEEA:1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリジン-2-オン
DETA:2,2’-ジアミノジエチルアミン (ジエチレントリアミン)
UDETA:1-(2-アミノエチル)イミダゾリジン-2-オン
L-TETA:N,N’-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミン (トリ
エチレンテトラミン)
DUTETA:1,1’-(エタン-1,2-ジイル)ビス(イミダゾリジン-2-オン
[実施例1]
UAEEAとDETAとを反応させることにより(U)TEPAを調製するプロセス
UAEEA(10.0g、77mmol)とDETA(7.9g、77mmol)とを
、45mLのParr圧力オートクレーブに加えた。酸化炭素供給剤対エチレンアミン化
合物のモル比は、したがって1:1であり、エタノールアミン化合物(UAEEA)対エ
チレンアミン(DETA)化合物のモル比は1:1である。オートクレーブをNの雰囲
気下に載置した(3.3bar、3サイクル)。オートクレーブを、60分の傾斜期間で
270℃の内部温度に加熱し、次いで270℃において5時間加熱した。圧力は9.5b
arに上昇した。反応器を周囲温度に冷却し、秤量して質量が放出されていないことを確
認した。黄色混合物が得られ、これを内部標準を用いてGC-FIDによって分析した。
この実施例において生成したTEPAの収率は、比較例BにおけるEDCプロセスを用い
て得た収率に匹敵したが、比較例Bとは異なり、検出可能な量のTETAは生成せず、こ
れはTEPAに対する生成物選択性が高いことを意味し、非常に有利である。さらに、比
較例AおよびBでは、L-TEPAに次いで、分岐鎖状異性体およびピペラジン含有異性
体も形成されたが、この実施例1ではUAEEAとDETAとの反応は、専らL-TEP
Aの尿素を生じ、すなわち、分岐鎖状またはピペラジンを含有するTEPA異性体を含有
しなかった。
[実施例2]
UAEEAとUDETAとDETAとを反応させることによりTEPAを調製するプロ
セス
UAEEA(6.0g、46mmol)と、DETA(1.9g、19mmol)と、
UDETA(9.0g、65mmol)とを、45mLのParr圧力オートクレーブに
加えた。酸化炭素供給剤の総量(U化合物合計)は、84mmol(19mmol+65
mmol)のエチレンアミン(DETA+UDETA)化合物に対して、111mmol
(46mmol+65mmol)であり、すなわち、1.3:1の酸化炭素供給剤対エチ
レンアミン官能性化合物のモル比を用い、エタノールアミン化合物(UAEEA)対エチ
レンアミン(DETA+UDETA)化合物のモル比は46mmol対84mmol、す
なわち、0.55(すなわち、1:1.8)のモル比である。オートクレーブをNの雰
囲気下に載置した(4.5bar、3サイクル)。オートクレーブを、60分の傾斜期間
で270℃の内部温度に加熱し、次いで270℃において10時間加熱した。反応器を周
囲温度に冷却し、秤量して質量が放出されていないことを確認した。黄色混合物が得られ
、これを内部標準を用いてGC-FIDによって分析した。
[実施例3]
UAEEAとUDETAとを反応させることにより(U)TEPAを調製するプロセス
UAEEA(10.0g、77mmol)とUDETA(10.7g、77mmol)
とを、45mLのParr圧力オートクレーブに加えた。酸化炭素供給剤の総量(U化合
物合計)は、77mmolのエチレンアミン(UDETA)化合物に対して、154mm
ol(77mmol+77mmol)であり、すなわち、2:1の酸化炭素供給剤対エチ
レンアミン官能性化合物のモル比を用い、エタノールアミン化合物(UAEEA)対エチ
レンアミン(UDETA)化合物のモル比は77mmol対77mmol、すなわち、1
:1のモル比である。オートクレーブをNの雰囲気下に載置した(3.5bar、3サ
イクル)。オートクレーブを、60分の傾斜期間で270℃の内部温度に加熱し、次いで
270℃において5時間加熱した。圧力は9.0barに上昇した。反応器を周囲温度に
冷却し、秤量して質量が放出されていないことを確認した。黄色混合物が得られ、これを
内部標準を用いてGC-FIDによって分析した。
[実施例4]
UAEEAとDETAとを反応させることにより(U)TEPAを調製するプロセス
UAEEA(8.0g、62mmol)と、UDETA(8.8g、62mmol、9
2.8%アッセイ)と、DETA(1.6g、15mmol)とを、45mLのParr
圧力オートクレーブに加えた。酸化炭素供給剤の総量(U化合物合計)は、77mmol
のエチレンアミン(UDETA+DETA)化合物に対して、124.0mmol(62
mmol+62mmol)であり、すなわち、1.6:1の酸化炭素供給剤対エチレンア
ミン官能性化合物のモル比を用い、エタノールアミン化合物(UAEEA)対エチレンア
ミン(UDETA+DETA)化合物のモル比は62mmol対77mmol(62mm
ol+15mmol)、すなわち、1:1.2のモル比である。オートクレーブをN
雰囲気下に載置した(4.5bar、3サイクル)。オートクレーブを、60分の傾斜期
間で270℃の内部温度に加熱し、次いで270℃において8時間加熱した。圧力は14
barに上昇した。反応器を周囲温度に冷却し、秤量して質量放出がないことを確認した
。褐色混合物が得られ、これを内部標準を用いてGC-FIDによって分析した。
比較例AおよびB、ならびに実施例2~4において得た結果を、下の表1にまとめる。
本発明のプロセスは、例AおよびBの場合とは異なり、所望のTEPA生成物を優勢に含
有する異なる生成混合物を与え、測定可能な量の高級エチレンアミンTETAを与えず、
さらに、実施例2~4の場合のように、CO:アミンのモル比が1:1より大きい場合、
反応物質間の比率を最適化することによって、選択性および収率をさらに向上させること
ができることを、表1は明瞭に示している。
Figure 2023103227000017
収率はすべて重量%
n.d.=不検出(検出限界未満)
より高級=TEPAより大きい分子量を有するエチレンアミンおよび誘導体
ΣTETA=TETA化合物の総和
Σ(U)TEPA=TEPA化合物およびTEPA尿素誘導体の総和
U1TEPAは、1-モノウレアテトラエチレンペンタミン
U2TEPAは、2-モノウレアテトラエチレンペンタミン
DU1,3TEPAは、1,3-ジウレアテトラエチレンペンタミン
DU1,4TEPAは、1,4-ジウレアテトラエチレンペンタミン
[実施例5]
実施例4の生成混合物の加水分解
実施例4からの反応混合物(3.0g)と、NaOH(3.0g)と、水(12.0g
)とを、Parr圧力オートクレーブに加えた。オートクレーブをNの雰囲気下に載置
した(3.4bar、3サイクル)。オートクレーブを、60分の傾斜期間で200℃の
内部温度に加熱し、次いで200℃において4時間加熱した。反応器を周囲温度に冷却し
、秤量して質量が放出されていないことを確認した。得られた混合物をGC-FIDによ
って分析し、L-TEPAを含有することがわかった。
[実施例6]
UAEEAとDUTETAとL-TETAとを反応させることにより(U)PEHAを
調製するプロセス
UAEEA(8.0g、61.5mmol)と、DUTETA(3.0g、15.37
mmol)と、L-TETA(7.0g、46.1mmol)とを、45mLのParr
圧力オートクレーブに加えた。カルボニル供給剤の総量(U化合物合計)は、61.47
mmol(15.37mmol+46.1mmol)のエチレンアミン(DUTETA+
L-TETA)化合物に対して、92.24mmol(61.5mmol+2×15.3
7mmol)であり、すなわち、1.50:1のカルボニル供給剤対エタノールアミン官
能性化合物のモル比を用い、エタノールアミン化合物(UAEEA)対エチレンアミン(
DUTETA+L-TETA)化合物のモル比は61.5mmol対61.47mmol
(15.37mmol+46.1mmol)、すなわち、1:1のモル比である。オート
クレーブをNの雰囲気下に載置した(4.2bar、3サイクル)。オートクレーブを
、60分の傾斜期間で270℃の内部温度に加熱し、次いで270℃において5時間加熱
した。圧力は7.5barに上昇した。反応器を周囲温度に冷却し、秤量して質量が放出
されていないことを確認した。灰色スラリーが得られ、これを内部標準を用いてGC-F
IDによって分析した。結果を下の表2にまとめる。
Figure 2023103227000018
収率はすべて重量%
n.d.=不検出(検出限界未満)
Σ(U)PEHA=PEHA化合物およびPEHA尿素誘導体の総和
[実施例7]
COとAEEAとDETAとを反応させることにより(U)TEPAを調製するプロ
セス
AEEA(8.8g、85mmol)とDETA(10.5g、102mmol)とを
、窒素雰囲気下、45mLのParr圧力オートクレーブに加えた。容器にCO(ガス
状、7.2g、165mmol)を導入した。酸化炭素供給剤の総量は、102mmol
のエチレンアミン(DETA)化合物に対して、165mmolであり、すなわち、1.
6:1の酸化炭素供給剤対エチレンアミン官能性化合物のモル比を用い、エタノールアミ
ン化合物(AEEA)対エチレンアミン(DETA)化合物のモル比は85mmol対1
02mmol、すなわち、1:1.2のモル比である。オートクレーブを、50分の傾斜
期間で240℃の内部温度に加熱し、次いで240℃において2時間加熱した。反応器を
90℃に冷却し、約10mbarにおいて30分、揮発性物質(主に水)を除去した。窒
素ガスを導入し、オートクレーブを50分の傾斜期間で270℃の内部温度に加熱し、次
いで270℃において8時間加熱した。黄色混合物が得られ、これを内部標準を用いてG
C-FIDによって分析した。結果を表3に提示する。
Figure 2023103227000019
収率はすべて重量%
n.d.=不検出(検出限界未満)
より高級=TEPAより大きい分子量を有するエチレンアミンおよび誘導体
ΣTETA=TETA化合物の総和
Σ(U)TEPA=TEPA化合物およびTEPA尿素誘導体の総和
U1TEPAは、1-モノウレアテトラエチレンペンタミン
U2TEPAは、2-モノウレアテトラエチレンペンタミン
DU1,3TEPAは、1,3-ジウレアテトラエチレンペンタミン
DU1,4TEPAは、1,4-ジウレアテトラエチレンペンタミン
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
エタノールアミン官能性化合物と、アミン官能性化合物と、酸化炭素供給剤とを反応させることによって、n個のエチレン単位とn+1個のアミン基とを有し、nは少なくとも4であるエチレンアミン、または前記エチレンアミンの尿素誘導体を調製するプロセスであって、前記エタノールアミン官能性化合物は式HO-(C-NH-)Hのものであり、qは少なくとも1であり、前記アミン官能性化合物は式HN-(C-NH-)Hのものであり、rは少なくとも1であり、q+rの和は少なくとも4であり、任意選択により、前記エタノールアミン官能性化合物またはアミン官能性化合物の1つもしくは複数を、少なくとも部分的に、その環状カルバメート誘導体、または直鎖状もしくは環状の尿素誘導体として用いる、プロセス。
項2.
エタノールアミン官能性化合物対アミン官能性化合物のモル比が、1:0.1から1:10の間である、項1に記載のプロセス。
項3.
酸化炭素供給剤対アミン官能性化合物のモル比が、1:1より大きい、項1または2に記載のプロセス。
項4.
酸化炭素供給剤対アミン官能性化合物のモル比が、1.5:1より大きい、項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
項5.
前記エタノールアミン官能性化合物および前記酸化炭素供給剤を、前記エタノールアミン官能性化合物のカルバメート前駆体または誘導体を用いることによって、少なくとも部分的に、1つの化合物として加える、項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
項6.
前記アミン官能性化合物および前記酸化炭素供給剤を、前記アミン官能性化合物の尿素前駆体または誘導体を用いることによって、少なくとも部分的に、1つの化合物として加える、項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
項7.
前記酸化炭素供給剤を、少なくとも部分的に、二酸化炭素または尿素として加える、項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
項8.
次に、得たエチレン尿素を少なくとも部分的に、加水分解によって対応するエチレンアミンに変換するステップを実行する、項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
項9.
q+rの和が4または5である、項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
項10.
前記エタノールアミン官能性化合物および前記アミン官能性化合物がそれぞれ、
モノエタノールアミン(MEA)およびトリエチレンテトラミン(TETA);
アミノエチルエタノールアミン(AEEA)およびジエチレントリアミン(DETA);もしくは
ヒドロキシエチルジエチレントリアミン(HE-DETA)およびエチレンジアミン(EDA)であって、
反応させて、エチレンアミンテトラエチレンペンタミン(TEPA)もしくはその尿素誘導体にするか、または、
前記エタノールアミン官能性化合物および前記アミン官能性化合物がそれぞれ、
モノエタノールアミン(MEA)およびテトラエチレンペンタミン(TEPA);
アミノエチルエタノールアミン(AEEA)およびトリエチレンテトラミン(TETA);
ヒドロキシエチルジエチレントリアミン(HE-DETA)およびジエチレントリアミン(DETA);もしくは
ヒドロキシエチルトリエチレンテトラミン(HE-TETA)およびエチレンジアミン(EDA)であって、
反応させて、エチレンアミンペンタエチレンヘキサミン(PEHA)もしくはその尿素誘導体にする、
項1から9のいずれか一項に記載の、エチレンアミンを調製するプロセス。
項11.
前記エタノールアミン官能性化合物またはアミン官能性化合物の1つもしくは複数を、少なくとも部分的に、その環状カルバメート誘導体、または直鎖状もしくは環状の尿素誘導体として用いる、項9に記載のプロセス。
項12.
下記式の2-モノウレアテトラエチレンペンタミン、およびテトラエチレンペンタミンのジウレア誘導体の群から選択される、ペンタエチレンヘキサミンの尿素誘導体。






項13.
下記1-モノウレアペンタエチレンヘキサミンおよび下記2-モノウレアペンタエチレンヘキサミンの群から選択される、ペンタエチレンヘキサミンのモノウレア誘導体、ならびにペンタエチレンヘキサミンのジおよびトリウレア誘導体の群から選択される、ペンタエチレンヘキサミンの尿素誘導体。
項14.
特にポリマー製造における、例えば出発材料としての、または反応性成分としての、化学産業における項12または13に記載の尿素誘導体の使用。

本発明は次の実施例によって説明されるが、それに対して、またはそれによって限定されるものではない。

Claims (14)

  1. エタノールアミン官能性化合物と、アミン官能性化合物と、酸化炭素供給剤とを反応さ
    せることによって、n個のエチレン単位とn+1個のアミン基とを有し、nは少なくとも
    4であるエチレンアミン、または前記エチレンアミンの尿素誘導体を調製するプロセスで
    あって、前記エタノールアミン官能性化合物は式HO-(C-NH-)Hのもの
    であり、qは少なくとも1であり、前記アミン官能性化合物は式HN-(C-N
    H-)Hのものであり、rは少なくとも1であり、q+rの和は少なくとも4であり、
    任意選択により、前記エタノールアミン官能性化合物またはアミン官能性化合物の1つも
    しくは複数を、少なくとも部分的に、その環状カルバメート誘導体、または直鎖状もしく
    は環状の尿素誘導体として用いる、プロセス。
  2. エタノールアミン官能性化合物対アミン官能性化合物のモル比が、1:0.1から1:
    10の間である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 酸化炭素供給剤対アミン官能性化合物のモル比が、1:1より大きい、請求項1または
    2に記載のプロセス。
  4. 酸化炭素供給剤対アミン官能性化合物のモル比が、1.5:1より大きい、請求項1か
    ら3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記エタノールアミン官能性化合物および前記酸化炭素供給剤を、前記エタノールアミ
    ン官能性化合物のカルバメート前駆体または誘導体を用いることによって、少なくとも部
    分的に、1つの化合物として加える、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記アミン官能性化合物および前記酸化炭素供給剤を、前記アミン官能性化合物の尿素
    前駆体または誘導体を用いることによって、少なくとも部分的に、1つの化合物として加
    える、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記酸化炭素供給剤を、少なくとも部分的に、二酸化炭素または尿素として加える、請
    求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 次に、得たエチレン尿素を少なくとも部分的に、加水分解によって対応するエチレンア
    ミンに変換するステップを実行する、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. q+rの和が4または5である、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記エタノールアミン官能性化合物および前記アミン官能性化合物がそれぞれ、
    モノエタノールアミン(MEA)およびトリエチレンテトラミン(TETA);
    アミノエチルエタノールアミン(AEEA)およびジエチレントリアミン(DETA)
    ;もしくは
    ヒドロキシエチルジエチレントリアミン(HE-DETA)およびエチレンジアミン(
    EDA)であって、
    反応させて、エチレンアミンテトラエチレンペンタミン(TEPA)もしくはその尿素
    誘導体にするか、または、
    前記エタノールアミン官能性化合物および前記アミン官能性化合物がそれぞれ、
    モノエタノールアミン(MEA)およびテトラエチレンペンタミン(TEPA);
    アミノエチルエタノールアミン(AEEA)およびトリエチレンテトラミン(TETA
    );
    ヒドロキシエチルジエチレントリアミン(HE-DETA)およびジエチレントリアミ
    ン(DETA);もしくは
    ヒドロキシエチルトリエチレンテトラミン(HE-TETA)およびエチレンジアミン
    (EDA)であって、
    反応させて、エチレンアミンペンタエチレンヘキサミン(PEHA)もしくはその尿素
    誘導体にする、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の、エチレンアミンを調製するプロセス。
  11. 前記エタノールアミン官能性化合物またはアミン官能性化合物の1つもしくは複数を、
    少なくとも部分的に、その環状カルバメート誘導体、または直鎖状もしくは環状の尿素誘
    導体として用いる、請求項9に記載のプロセス。
  12. 下記式の2-モノウレアテトラエチレンペンタミン、およびテトラエチレンペンタミン
    のジウレア誘導体の群から選択される、ペンタエチレンヘキサミンの尿素誘導体。
    Figure 2023103227000020
  13. 下記1-モノウレアペンタエチレンヘキサミンおよび下記2-モノウレアペンタエチレ
    ンヘキサミンの群から選択される、ペンタエチレンヘキサミンのモノウレア誘導体、なら
    びにペンタエチレンヘキサミンのジおよびトリウレア誘導体の群から選択される、ペンタ
    エチレンヘキサミンの尿素誘導体。
    Figure 2023103227000021
  14. 特にポリマー製造における、例えば出発材料としての、または反応性成分としての、化
    学産業における請求項12または13に記載の尿素誘導体の使用。
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