JP2023097672A - 係止装置 - Google Patents

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隆臣 栗塚
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Abstract

【課題】 スリッターにおいてシートの巻取軸に巻芯を固定するための係止装置において、係止装置を取り付ける巻取軸に設けられた係止部材の数や位置に関わらず係止装置を取り付けられ、係止装置に対して巻芯を固定するための保持部を付勢させるための構造が簡易である係止装置を提供する。【解決手段】 巻取軸aに対して径の異なる巻芯を装着するための係止装置であって、巻取軸aに勘合する軸孔が設けられた係止装置本体10と、係止装置本体10の周方向に複数設計され、軸孔から係止装置本体10の外周面へ向けた内外方向へ移動可能な保持部40と、保持部40を巻芯の内周面に対し押圧させる弾性部20と、弾性部20が、環状にした1枚の板バネ20であることを特徴とする係止装置1。【選択図】 図2

Description

本発明は、スリッターにおいてシートを巻き取るための巻芯を固定するための係止装置に関する。
紙、フィルム、金属箔等の連続したシート状の長尺巻物を巻き戻しながら、任意の縦方向幅に連続して切断して得られる製品シートを巻き取るスリッターと呼ばれる装置がある。
スリッターは、その軸回りに回転される巻取軸を備えており、紙やプラスチックなどから円筒形に形成された巻芯が、巻取軸の外周環に装着され、巻芯で製品シートを巻き取っている。
巻芯は、巻取軸の外周環に備えられた係止部材により巻取軸に固定される。係止部材は、外部から供給される空気の圧力によって巻取軸の径方向外側へ係止部材を突出させ、巻芯を固定する。
巻芯は、径が大きいほうが、製品シートの巻き始めと巻き終わりとの間で引っ張り力の変動が小さいので、巻き取りが行い易いメリットがある。また、巻芯は、径が小さいほうが、巻き取り可能な距離が大きくでき、また、同一距離を巻き取った場合にコンパクトにできるメリットがある。
このように、製品シートの巻き取りに用いられる巻芯は、巻き取るシートの種類や顧客の要望などによって、様々な径のものが使用される。
しかし、多種の巻芯に合わせて様々な径の巻取軸を揃えることは、コストの増大につながることになる。そこで、様々な径の巻芯を取り付けられるように、巻取軸に取り付けるアダプタとして用いられる係止装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2017―171498号公報
このような係止装置では、巻取軸に対して巻芯を固定させるための巻取軸に設けられた複数の係止部材の突出により、係止装置に設けられた保持部を係止装置の径方向外側に押し出して係止装置外周から突出させる。
そして、係止装置外周から突出した保持部が巻芯の内周面を押圧することで、巻取軸に対して係止装置を、係止装置に対して巻芯を固定させている。
したがって、係止装置の保持部の数及び位置を、係止装置を取り付ける巻取軸に設けられた係止部材の数及び位置に合うように、係止装置を製造しなければならないという課題があった。
また、係止装置を巻取軸に装着する際に、係止装置に備えられた保持部材の位置と、巻取軸に備えられた係止部材の位置を合わせるように装着しなければならず、係止装置の巻取軸への装着に時間がかかるという課題があった。
本発明は、こうした課題に鑑みなされたもので、シートの巻取軸に巻芯を固定するための係止装置において、係止装置を取り付ける巻取軸に設けられた係止部材の数や位置に関わらず係止装置を取り付けられ、巻芯を固定するための保持部を付勢させるための構造が簡易である係止装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
[適用例1]
適用例1に記載の発明は、
巻取軸(a)に対して径の異なる巻芯を装着するための係止装置(1)であって、
前記巻取軸(a)に勘合する軸孔が設けられた係止装置本体(10)と、
前記係止装置本体(10)の周方向に複数設計され、前記軸孔から前記係止装置本体(10)の外周面へ向けた内外方向へ移動可能な保持部(40)と、
前記保持部(40)を前記巻芯の内周面に対し押圧させる弾性部(20)と、
前記弾性部(20)が、環状にした1枚の板バネ(20)であることを要旨とする。
このような係止装置(1)では、複数の保持部(40)が環状に巻かれた板バネ(20)の周方向に板バネ(20)の外側に配置されている。
複数の保持部(40)は、板バネ(20)が元の状態、つまり巻かれる前の状態に戻ろうとする復元力により係止装置(1)の径方向外側で付勢され、係止装置(1)の外周面から突出し、係止装置(1)の外周に勘合するように取り付けられる巻芯の内周面を押圧させることにより、係止装置(1)に対して巻芯を固定する。
すなわち、一つの保持部(40)に一つの弾性部(20)を儲ける必要がなくなり、一つの弾性部(20)で係止装置(1)の周方向に配置された複数の保持部(40)を係止装置(1)の外周から、同時に突出させることができるようになる。
これにより、係止装置(1)を取り付ける巻取軸(a)に設けられた係止部材(e)の数や位置に関わらず係止装置(1)を取り付けられ、係止装置(1)を巻芯軸に容易に装着することが可能となる。
[適用例2]
適用例2に記載の発明は、
適用例1に記載の係止装置(1)において、
前記板バネ(20)が、少なくても1巻き巻かれていることを要旨とする。
このような係止装置(1)では、1枚の板バネ(20)が少なくとも1巻き巻かれているため、巻かれた板バネ(20)の周方向外側に設置された複数の保持部(40)全てに対して、一様に付勢力を与えることが可能となる。
スリッターにおける巻取軸の概略の形状を示す外観図である。 係止装置の概略の形状を示す外観図である。 係止装置本体に板バネを巻いた状態の概略の形状を示す外観図である。 係止装置カバーの概略の形状を示す外観図である。 係止装置を巻取ユニットとして用いた場合の巻取軸の概略の形状を示す外観図である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を取りうる。
[第1実施形態]
図1に基づき、係止装置1が勘合される巻取軸100の構成について説明する。図1は、スリッターにおける巻取軸100の概略の外観を示す外観図である。
図1に示すように、本実施例に係る係止装置1が装着される巻取軸100は、スリッターなどのロール巻取装置に用いられるものであって、円柱形の軸心部101の外周に嵌め合わせられた円筒形の巻取ユニット102が、軸心部101の軸方向に並べて複数装着されている。
巻取ユニット102は、シリンダブロックに軸受を介して回転可能に取り付けられた外周環に、内外へ出入りするように設けられた係止部材103を備えている。
巻取軸100には、巻取ユニット102の係止部材103が外周環の外周面からの突出量が小さくなるように内方へ退避した位置で、巻芯が外周環の外側に装着される。
そして、巻取軸100は、軸心部101を介して供給される空気または巻取ユニット102に内蔵されたバネ等の付勢手段によって、複数の係止部材103のそれぞれを径方向外側へ移動して突出位置とすることで、係止部材103の先端を巻芯の内側に押しつけて、巻取ユニット102に対して巻芯を固定する。
本実施例に係る係止装置1は、巻取軸100に対して径の異なる巻芯を装着させるためにアダプタとして用いられ、巻取ユニット102の外周環の外側に嵌め合わせて巻取軸100に取り付けられ、該係止装置1の外周に巻芯が装着される。
図2、図3及び図4に基づき係止装置1の構成について説明する。図2は、係止装置1の概略の形状を示す外観図である。図3は、係止装置本体に板バネを巻いた状態の概略の形状を示す外観図である。図4は、係止装置カバーの概略の形状を示す外観図である。
図2に示すように、係止装置1は、係止装置本体10、板バネ20、係止装置カバー30、保持部40を備えている。
図3に示すように、係止装置本体10は、短円筒形状をなしており、その正面内側の中心部に巻取ユニット102の外周環が嵌る軸孔11を備えている。また、その外周面全周に凹陥部12を備えている。係止装置本体10は、プラスチックや金属などの部材を用いて形成されている。
係止装置本体10の軸線方向の幅は、取り付ける巻取ユニット102の幅に合わせて形成され、凹陥部12の係止装置本体10の軸線方向の幅は、後述する板バネ20の幅と同等又は若干大きくなるように形成されている。
係止装置本体10の外周面において凹陥部12を挟み込む形となる2つの外周面には、周方向に均等位置に6個の本体凸部13を備えている。
板バネ20は、後述する保持部40を係止装置1の径方向外側へ向けて付勢させるためのもので、バネ用ステンレス鋼体や特殊鋼(炭素鋼、炭素工具鋼)などの部材を用いて形成されている。
板バネ20の幅は、係止装置本体10の凹陥部12の幅と同等又は若干小さくなるように形成され、その長さは、凹陥部12に巻いたときに、1巻以上巻くことのできる長さになるように形成されている。
図4に示すように、係止装置カバー30は、短円筒形状をなしており、その内径は、係止装置本体10の外径に合わせて、係止装置本体10を嵌合させることが可能な円形を基本とする形状で形成されている。
また、外径は、係止装置1に装着する円筒形状の巻芯において円形に形成される内周面に合わせて形成される。また、短円筒形状の軸方向の長さは、取り付ける巻取ユニット102の幅に合わせて形成される。
係止装置カバー30の短円筒形状側面は、周方向に等間隔に6個の切り欠き31を備えている。切り欠き31は、係止装置カバー30の外周面と内周面を貫通するように形成されており、係止装置カバー30の軸方向の一方の端面だけ開口している。
切り欠き31の形状は、係止装置カバー30の軸方向に対して平行な幅で切り欠き31が形成され、係止装置カバー30の径方向に対しては、径方向外側に向かって切り欠き31の幅が狭くなっていくように形成されている。
すなわち、径方向における切り欠き31の最小幅、すなわち係止装置カバー30の外周面における切り欠き31の幅は、保持部40の直径よりも若干小さくなるように形成され、保持部40が切り欠き31を通って、係止装置カバー30の内周面側から外周面側への移動することを制限している。
さらに、係止装置カバー30の径方向の厚みは、後述する保持部40の直径よりも小さくなるように形成される。ただし、係止装置カバー30の周方向における切り欠き31の周辺以外の径方向の厚みは、切り欠き31周辺の厚みよりも薄くなるように形成されている。
すなわち、係止装置カバー30の内周面において、6つの切り欠き31の内周方向左右に1つずつカバー凸部32が形成され、合計で12個のカバー凸部32が形成されている。
係止装置カバー30は、プラスチックや金属などの部材を用いて形成されている。
保持部40は、プラスチックや金属などの部材を用いて形成されており、円柱状をなしている。保持部40は、係止装置カバー30に設けられた6個の切り欠き31それぞれに設置され、保持部40の軸線方向の長さは、切り欠き31の係止装置カバー30の軸線方向の長さと同等もしくは若干小さくなるように形成されている。
さらに、係止装置カバー30の外周面における切り欠き31の周方向の幅よりも小さくなるように形成されている。
(係止装置1の使用方法)
次に、係止装置1を使用する場合について説明する。係止装置1の使用手順は、以下の(ア)~(オ)に示す通りである。
(ア)係止装置カバー30の6箇所の切り欠き31にそれぞれ保持部40を設置する。
(イ)係止装置本体10の凹陥部12に板バネ20を巻きつける。
(ウ)係止装置本体10の凹陥部12に板バネ20が巻きつけられた状態を保持しつつ、係止装置本体10を係止装置カバー30の内周面に嵌め込み、係止装置1を組み上げる。
(エ)組み上げられた係止装置1を巻取ユニット102の外周環に嵌め込む。
(オ)巻芯を、係止装置1を構成する係止装置カバー30の外周面に嵌め込む。
(係止装置1の特徴)
このような係止装置1では、板バネ20を凹陥部12に巻いた係止装置本体が、保持部40を全ての切り欠き31に設置した係止装置カバー30に嵌め込まれることで、巻かれた板バネ20の外側に複数の保持部40が位置することになる。
これにより、板バネ20が元の状態、つまり巻かれる前の状態に戻ろうとする復元力が、係止装置1の径方向外側に働き、結果として、巻かれた板バネ20の外側に設置された保持部40を係止装置カバー30の径方向外側に押し出すように働き、係止装置本体外周から突出する位置まで移動される。
このとき、切り欠き31の係止装置カバー30周方向の幅は、保持部40の直径よりも小さくなるように形成されているので、保持部40の係止装置カバー30の径方向への移動は、保持部40が係止装置カバー30から飛び出ることない。
このように、係止装置本体10に巻かれた板バネ20の復元力により係止装置カバー30の全周均等な位置に設けられた切り欠き31に設置された保持部40が係止装置カバー30の径方向外側に付勢され、係止装置カバー30の外周面から突出されることで、係止装置カバー30の外周面に嵌められる巻芯の内周面を押さえつけることにより、係止装置カバー30に対して巻芯を固定する。
また、係止装置本体10の外周面に設けられた本体凸部13と係止装置カバー30の切り欠き31の周方向左右に設けられたカバー凸部32が干渉することにより、係止装置本体10の回転に伴い、係止装置カバー30も回転することになる。
さらに、巻取ユニット102の外周環に嵌め込まれる係止装置本体10の内周面は、巻取ユニット102に設けられた係止部材103により押さえつけられるので、巻取ユニット102に対して係止装置本体10が固定される。これにより、巻取ユニット102に対して、係止装置1及び巻芯が固定されることになり、巻取ユニット102の回転にともない、巻芯も回転することになる。
このように、係止装置1を取り付ける巻取ユニット102に設けられた係止部材の数や位置に関わらず係止装置1を取り付けられ、係止装置1に対して巻芯を固定するための保持部40を付勢させるために、複数の保持部40ごとに付勢手段を用いる必要がなく、一個の板バネ20で全ての保持部40を付勢させる事が可能となり、簡易な構造とすることができる。
[第2実施形態]
図5に基づき、係止装置1をスリッターにおける巻取ユニット102として用いる場合について説明する。図5は、係止装置1を巻取ユニットとして用いた場合の巻取軸の概略の形状を示す外観図である。
なお、第2実施形態における係止装置は、第1実施形態において、係止装置1を巻取ユニット102に巻芯を固定するためのアダプタとして用いているのに対し、係止装置1を巻取ユニット102として用いるものである。その構成、構造は同等であるため、各部の説明は省略する。また、使用方法についても、第1実施形態と同様であり、第2実施形態における係止装置の使用方法の説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態における係止装置は、係止装置1を巻取ユニット102として用い、軸心部101の軸方向に並べて複数装着される。
従来の巻取ユニット102では、巻芯を固定するために、軸心部101を介して供給される空気の力によって、巻取ユニット102の外周側面に設けられた係止部材103を巻取ユニットの外周面から突出させるというような複雑で大掛かりな機構が必要であった。
しかし、第2実施形態においては、第1実施形態における係止装置1を巻取ユニット102として用いることにより、巻芯を固定できるので、一枚の板バネ20という簡単な構成で、係止装置1の外周面から複数の保持部40を突出させ、巻取軸100に対し巻芯を固定することができる。
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、係止装置カバー30の切り欠き31、及び保持部40の数を6個としているが、6個以下でも6個以上としても良い。また、切り欠き31の位置も、係止装置カバー30の外周方向に均等な位置とする必要はなく、不均等な位置関係としても良い。
1…係止装置 10…係止装置本体 11…軸孔 12…凹陥部 13…本体凸部 20…板バネ 30…係止装置カバー 31…切り欠き 32…カバー凸部 40…保持部 100…巻取軸 101…軸心部 102…巻取ユニット 103…係止部材

Claims (2)

  1. 巻取軸に対して径の異なる巻芯を装着するための係止装置であって、
    前記巻取軸に勘合する軸孔が設けられた係止装置本体と、
    前記係止装置本体の周方向に複数設計され、前記軸孔から前記係止装置本体の外周面へ向けた内外方向へ移動可能な保持部と、
    前記保持部を前記巻芯の内周面に対し押圧させる弾性部と、
    前記弾性部が、環状にした1枚の板バネであることを特徴とする係止装置。
  2. 請求項1に記載の係止装置において、
    前記板バネが、少なくても1巻き巻かれていることを特徴とする係止装置。
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