JP2023092628A - フィルムロールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、巻かれているフィルムが薄く、高平滑なものでありながら、フィルムロールとして保管中に発生する外径ムラ変化が小さく、かつシワ発生のないフィルムロール、およびその製造方法を提供することをその課題とする。【解決手段】筒状コア上にフィルムが巻かれたフィルムロールであって、巻取り後の経過時間が25時間でのフィルムロールの幅方向外径変化を測定して得られた外径変化曲線から得られるパラメータY(Y:フィルムロールの外径変化曲線において、フィルムロール幅/2以内の間隔に隣合う2つの凸部を繋いだ接線と、隣合う2つの凸部に挟まれた凹部におけり最小の外径位置での幅方向に垂直な線との交点と当該最小の外径位置との距離)が150μm以下であり、フィルムの厚みが1μm以上30μm以下であり、かつフィルムの少なくとも片面の表面粗さSRaが0.1nm以上10nm以下であることを特徴とするフィルムロール。【選択図】なし

Description

本発明は、経時で発生するシワがなく、かつ巻姿の良好なフィルムロール及びその製造方法に関する。
ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムは、機械特性、耐熱性、及び寸法安定性等に優れることから、その特性を生かして、例えば光学フィルム、記録媒体用フィルム、保護フィルム、及び離型フィルム等として好適に使用されている。そして、フィルムは、巻き取りコアを軸にロール状に巻き取られた状態、すなわちフィルムロールの状態で保管されることが多いが、フィルムをロール状に巻き取ると、フィルムの厚みムラが積層されることによりフィルムロール幅方向に外径ムラが発生し、シワが発生する問題があった。
また、近年ではフィルムを使用する機器(電子機器等)の高性能化や高品質化等に伴ってフィルムの薄膜化や高平滑化に対する要求が高まっている。その一方で薄くかつ高平滑なフィルムをロール状に巻き取ると、フィルムロール幅方向の外径ムラによるシワが発生しやすい上、巻き取り工程でフィルム層間に巻き込まれる空気が抜けにくく、巻き取り直後にはフィルム厚みムラの影響を受けずにフィルムロール外径ムラが発生せず、フィルムロールとして保管中に巻き込まれた空気が抜けることで外径ムラが発生して、ユーザーで使用時にシワによる不良品が発生する問題がある。また、生産性向上の観点からフィルムロールを広幅、長尺化することでこの問題はさらに顕著となる。
上記の問題に対して、特許文献1、2では、フィルムロール幅方向の外径ムラを規定した技術が開示されている。また、特許文献3では、経時変化したフィルムロールの幅方向外径ムラを規定した技術が開示されている。
W01/048061 特開2001-76337号広報 特開2003-266525号広報
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術は、フィルムロールとして保管中に巻き込まれた空気が抜けることで発生する外径ムラ変化については考えられていない。特許文献3に記載の技術を用いても、近年の薄くかつ高平滑なフィルムに対してシワ発生を充分に抑えることは困難である。本発明は上記課題を解決し、巻かれているフィルムが薄く、高平滑なものでありながら、フィルムロールとして保管中に発生する外径ムラ変化が小さく、かつシワのないフィルムロール、およびその製造方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。
(1)筒状コア上にフィルムが巻かれたフィルムロールであって、巻取り後の経過時間が25時間において、フィルムロールの幅方向外径変化を測定して横軸を幅方向、縦軸を外径として得られた外径変化曲線から得られるパラメータY(Y:フィルムロールの外径変化曲線において、フィルムロール幅/2以内の間隔に隣合う2つの凸部を繋いだ接線と、隣合う2つの凸部に挟まれた凹部における最小の外径位置での幅方向に垂直な線との交点と当該最小の外径位置との距離)が150μm以下であり、フィルムの厚みが1μm以上30μm以下であり、かつフィルムの少なくとも片面の表面粗さSRaが0.1nm以上10nm以下であることを特徴とするフィルムロール、
(2)前記フィルムロールの幅が1,000mm以上であり、フィルムの巻取り長が5,000m以上であることを特徴とする、(1)に記載のフィルムロール、
(3)巻取り後の経過時間が25時間でのフィルムロールの幅方向外径変化を測定して得られた外径変化曲線から得られるパラメータYを評価するフィルムロールの評価工程を有することを特徴とする、フィルムロールの製造方法。
本発明により、巻かれているフィルムが薄く、高平滑なものでありながら、フィルムロールとして保管中に発生する外径ムラ変化を小さくすることにより、シワの少ないフィルムロール、およびその製造方法を提供することができる。
本発明のフィルムロールは、筒状コア上にフィルムが巻かれたフィルムロールであって、巻取り後の経過時間が25時間において、フィルムロールの幅方向外径変化を測定して横軸を幅方向、縦軸を外径として得られた外径変化曲線から得られるパラメータY(Y:フィルムロールの外径変化曲線において、フィルムロール幅/2以内の間隔に隣合う2つの凸部を繋いだ接線と、隣合う2つの凸部に挟まれた凹部における最小の外径位置での幅方向に垂直な線との交点と当該最小の外径位置との距離)が150μm以下であり、フィルムの厚みが1μm以上30μm以下であり、かつフィルムの少なくとも片面の表面粗さSRaが0.1nm以上10nm以下であることを特徴とする。以下、本発明のフィルムロールについて具体的に説明する。
本発明において、フィルムロールとは任意の材質の筒状コアにフィルムが巻かれたものをいい、フィルムとは、熱可塑性樹脂若しくは熱可塑性樹脂を主成分とする組成物をシート状に成形した成形体をいう。フィルムを構成する樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、芳香族ナイロン、アラミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、セルロース系樹脂、及びアクリル系樹脂等を単独で又は組み合わせて用いることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アラミド、及びポリイミド系樹脂を用いることが好ましい。なお、各種樹脂は本発明の効果を損なわない範囲で、分子鎖中に共重合成分を含んでいてもよく、帯電防止剤、耐候剤、無機又は有機の粒子、ワックス等の潤滑剤、顔料等の添加剤を含んでもよい。また、フィルムは単層構成であっても、2層以上の積層構造体であってもよい。
本発明のフィルムロールにおいては、フィルムロールとして保管中に発生する外径ムラ変化を小さくしてシワの発生を軽減する観点から、巻取り後の経過時間が25時間において、フィルムロールの幅方向外径変化を測定して横軸を幅方向、縦軸を外径として得られた外径変化曲線から得られるパラメータY(Y:フィルムロールの外径変化曲線において、フィルムロール幅/2以内の間隔に隣合う2つの凸部を繋いだ接線と、隣合う2つの凸部に挟まれた凹部における最小の外径位置での幅方向に垂直な線との交点と当該最小の外径位置との距離)が150μm以下であることが重要であり、130μm以下であることがより好ましい。幅方向とは、フィルムロールの筒状コアの中心軸と平行な方向をいう。フィルムロールの幅方向外径変化は、フィルムロール上に幅方向に並行にスライド可能に設置した変位センサー等を用いた外形測定器で測定し、その外形形状変化をフィルムロールの外径変化としてグラフ化し、外径変化曲線を得ることができる。巻取り後の経過時間が24時間以下のフィルムロールの外径変化を測定した場合、巻取り後の経過時間が25時間において測定した場合と比較して、巻き取り工程でフィルム層間に巻き込まれた空気が残存しているため外径変化曲線から得られるパラメータYが小さくなるが、その後の時間経過によりフィルム層間に巻き込まれた空気は排出されるためパラメータYが大きくなり、フィルムロール保管後にユーザーで使用時する際にシワによる不良品が発生する問題がある。また、巻取り後25時間経過したフィルムロールの外径変化曲線から得られるパラメータYが大きいと外径変化の凹部分周辺でシワが発生しやすいため、巻取り後25時間経過したフィルムロールの外径変化曲線から得られるパラメータYを150μm以下とすることでシワ発生を軽減することができる。上記観点から、パラメータYは130μm以下がより好ましい。
フィルムロールの巻取り後の経過時間が25時間でのフィルムロールの幅方向外径変化を測定して得られた外径変化曲線から得られるパラメータYを150μm以下とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、フィルムロールの外径変化はフィルム厚みにより変化するため、これを制御する方法を用いることが好ましい。このような方法としては、例えば、溶融樹脂を押し出す口金のスリット幅を調整する方法が挙げられる。また、搬送フィルムを幅方向に揺動しながら巻取るオシレーション操作を実施することにより厚みムラを分散しながら巻取る方法も用いることが出来る。
本発明のフィルムロールにおいては、フィルムの厚みが1.0μm以上30μm以下であることが重要である。厚みが1.0μm未満のフィルムは剛性が極端に低下するため巻き取り性が劣り、30μmを超えるフィルムではフィルムの剛性が高く、本発明の効果は発現しにくい。なお、フィルムの厚みは公知のデジタルマイクロメータで測定することができ、測定には、例えばデジタルマイクロメータMDC-25MJ((株)ミツトヨ製)等を好適に用いることができる。
フィルムの厚みを1.0μm以上30μm以下とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、単位時間あたりの溶融樹脂の押し出し量を調整する方法、溶融樹脂を押し出す口金のスリット幅を調整する方法、及び延伸倍率を調整する方法等が挙げられる。より具体的には、単位時間あたりの溶融樹脂の押し出し量を減らすこと、スリット幅を小さくすること、及び延伸倍率を大きくすること等により、フィルムの厚みを小さくすることができる。
本発明のフィルムロールにおいては、フィルムの少なくとも片面の表面粗さSRaが0.1nm以上10nm以下であることが重要である。一般的に、フィルムロールの外径ムラによって発生するシワはフィルム表面が平滑であるほど生じやすく、SRaが10nmを超えると平滑性が求められるフィルムの用途に対して使用することができなくなることがある。また、表面粗さSRaの下限は、実現可能性の観点から0.1nmとなる。なお、本発明のフィルムロールにおいては、フィルムの片面の表面粗さSRaが0.1nm以上10nm以下であれば他方の面の表面粗さについては特に制限されず、想定しているフィルムの用途等に応じて任意に定めることができる。
フィルムの表面粗さSRaは、三次元微細表面形状測定器により得られた表面のプロファイル曲線より、JIS B0601(1994)に準じ、算術平均粗さ(中心線粗さ)SRa(nm)を求めることで測定することができる。三次元微細表面形状測定器は、測定が可能なものであれば特に制限されることなく、公知のもの(例えば、ET-350K(小坂製作所製)等)を好適に使用することができる。
フィルムの表面粗さSRaを0.1nm以上10nm以下とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、シート状に押し出された溶融樹脂を冷却固化する回転冷却ドラムの表面粗さを調整する方法、フィルム(積層構成の場合はその最表層)が粒子を含む態様とする方法、及び粒子を含む塗液をフィルム表面に塗布して層を形成する方法等が挙げられる。より具体的には、回転冷却ドラムの表面粗さを大きくすること、フィルムやフィルムに塗布する塗液に含有させる粒子の粒径を大きくすること、及び粒子量を増やすこと等により、フィルムの表面粗さSRaを大きくすることができる
本発明はフィルム幅が1,000mm以上のフィルムロールに好適に用いる事が出来る。フィルムロールの幅が広くなると工業的規模での生産性の観点で好ましい一方、一般的に巻き取り工程でフィルム層間に巻き込まれる空気が抜けにくく、特に高平滑フィルムではシワ発生が顕著となる問題があるが、本発明の適用によりフィルムロールの幅を1,000mm以上としてもシワ発生のない良好な巻姿のフィルムロールを得ることが出来る。フィルム幅の上限は2,000mm程度までが一般的である。
また、本発明はフィルムの巻長さが5,000m以上のフィルムロールであることが好ましい。フィルムの巻長さが長くなると工業的規模での生産性の観点で好ましい一方、フィルムロールとしたときのフィルムの厚みムラ積層回数が増加するためフィルムロールの幅方向外径ムラが大きくなり、特に高平滑フィルムではシワ発生が顕著となる問題があるが、本発明の適用によりフィルムの巻長さを5,000m以上としてもシワ発生のない良好な巻姿のフィルムロールを得ることが出来る。フィルムの巻長さの上限は30,000m程度までが一般的である。
本発明のフィルムロールの製造方法は、経時でシワの発生しやすいフィルムロールを特定し、フィルム厚みの制御が必要な箇所と制御量を検出する観点から、巻き取り後の経過時間が25時間でのフィルムロールの幅方向外径変化を測定して得られた外径変化曲線から得られるパラメータYを評価することを特徴とする評価工程を有する。
フィルムロールの幅方向外径変化曲線においてフィルムロール幅/2以内の間隔に隣合う2つの凸を繋いだ線と、隣合う2つの凸に挟まれた最大凹の垂直距離であるパラメータYを評価することで、シワの生じやすいフィルムロールを特定することが可能となり、フィルムロールの幅方向外径ムラの原因であるフィルム厚みムラの制御が必要な箇所を明確にすることができる。
また、本発明のフィルムロールの製造方法における、前記評価工程は、フィルムロール保管中の外径ムラ変化を小さくし、経時でシワの発生を抑制する観点から、幅方向外径変化の測定はフィルムロール巻取り後25時間で実施し、前記パラメータYを評価することを特徴とする。巻き取り後の経過時間が25時間でのフィルムロールの外径変化を測定して得られた外径変化曲線から得られるパラメータYを評価することで、巻取り工程でフィルム層間に巻き込まれた空気の影響を排除した正確なフィルムの厚みムラを評価することができる。そのため、このような評価工程を設けることで、正確なフィルムの厚みムラ評価結果に基づいた厚みムラ調整が可能となり、ユーザーで使用時にシワによる不良品の発生を軽減することができる。
以下、本発明のフィルムの製造方法について、逐次延伸方式による二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある。)フィルムを例に挙げて具体的に説明する。但し、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
先ず、押出機を用いてPETのペレットを融点以上の温度で溶融混練し、口金からシート状に押し出して、表面温度が15℃~25℃である回転冷却ドラムに密着させて固化する。このとき、PETペレットに粒子を加えることや回転冷却ドラムの表面粗さを調節することにより、最終的に得られる二軸配向フィルムの表面粗さSRaを調節することができ、また、樹脂の押し出し量、口金のスリット幅、及び後述する延伸倍率等を調節することにより、最終的に得られる二軸配向フィルムの厚みを調節することができる。
続いて、このようにして得られた無配向フィルムを、温度80℃~130℃、延伸倍率2倍~8倍の条件で搬送方向に延伸して一軸配向フィルムを得る。このとき、搬送方向への延伸には公知の方法(例えば、ロールの周速差による方法等)を好適に用いることができる。その後、得られた一軸配向フィルムの両端部をクリップで把持してテンターオーブンに導き、温度80℃~130℃で予熱した後、延伸倍率2倍~5倍で幅方向に延伸して、温度180℃~250℃で熱処理を行う。このとき、熱処理の後に必要に応じて幅方向に0%を超え8%以下の弛緩処理を施してもよい。さらに、熱処理(又は、熱処理及び弛緩処理)を施したフィルムを室温まで冷却し、厚みが1.0μm以上30μm以下であり、かつ少なくとも片面の表面粗さSRaが0.1nm以上10nm以下である二軸配向フィルムを得る。
次いで、得られた二軸配向フィルムを搬送し、その幅方向両側のエッジ部分を切断除去して筒状コアに巻き取って中間ロールを得る。その後、中間ロールよりフィルムを巻き出して搬送し、用途に応じてフィルム幅1,000mm以上2,000mm以下、長さは5,000m以上30,000m以下にスリットし、再度筒状コアに巻き取ることによりフィルムロールを得るが、この際、巻き取り後の経過時間が25時間でのフィルムロールの幅方向外径変化を測定して得られた外径変化曲線から得られるパラメータYを評価することを特徴とするフィルムの厚みムラ判定方法を用いた評価工程を有することが好ましい。この検査工程でパラメータYが150μmを超えるフィルムロールが観察された際に、該当部分の口金スリット幅を調整することで、ユーザーで使用時にシワによる不良品の発生を軽減することができる。なお、一本の中間ロールから取得するフィルムロールの本数は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、一本であっても複数本であってもよい。
本発明のフィルムロールの製造方法により得られるフィルムロールは、高平滑かつ厚みの薄いフィルムを巻き取った際の、巻きズレ及びシワ欠点の発生が軽減されている。そのためこのフィルムロールを構成するフィルムは、特に基材フィルムに薄さと平滑性が求められる、デジタルビデオテープやデータストレージテープ等の磁気媒体用フィルム、及びドライフィルムフォトレジスト等の回路用離型フィルム等に好適に用いることができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。各実施例及び各比較例について、下記に示す方法で各項目の測定や評価を行った。
[測定方法]
A.フィルムの厚み
フィルムロールよりフィルムを巻き出して、デジタルマイクロメータMDC-25MJ((株)ミツトヨ製)を用いてフィルム幅方向と平行に引いた直線上にある10点の厚みを測定し、その平均値をフィルム厚み(μm)とした。
B.フィルムの表面粗さSRa
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET-350K)を用いてフィルム両面を測定し、得られた各表面のプロファイル曲線より、JIS B0601(1994)に準じ、各面の算術平均粗さ(中心線粗さ)SRa(nm)を求めた。なお、測定条件は下記のとおりとし、X方向はサンプルの幅方向、Y方向はサンプルの長手方向とした。
X方向測定長さ:0.5mm
X方向送り速度:0.1mm/秒
Y方向送りピッチ:5μm
Y方向ライン数:40本
カットオフ:0.25mm
触針圧:0.02mN
高さ(Z方向)拡大倍率:5万倍
C.フィルムロールの外径変化曲線から得られるパラメータY
ハマノ精機株式会社製原反形状測定器(バルク形状測定器)を用いて、フィルムロール端部より5mm内側の測定開始点から、測定開始点と反対のフィルムロール端部から5mm内側の測定終了点まで、幅方向に連続的な外径データを測定し、幅方向をx軸に、外径をy軸にプロットして得た外径変化曲線において、フィルムロール幅/2以内の間隔に隣合う2つの凸部を繋いだ接線と、隣合う2つの凸部に挟まれた凹部における最小の外径位置での幅方向に垂直な線との交点と当該最小の外径位置との距離をパラメータYとした。
D.フィルムロールのシワ欠点
フィルムロールを目視により観察し、以下の基準により評価した。なお、評価は○と△の場合を合格とした。
○:シワの発生が全くなかった。
△:指で引っぱれば目視できなくなる程度のシワが発生した。
×:指で引っぱっても目視できる程度のシワが発生した。
[原料樹脂組成物]
各実施例及び各比較例のフィルムの製造には、以下のものを使用した。
PET1:ポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製)。
PET2:PET1に、平均粒子径0.3μmの高架橋ポリスチレン粒子を0.05質量%、平均粒子径0.45μmの高架橋ポリスチレン粒子を0.01質量%、及び平均粒子径0.015μmのアルミナ粒子を0.71質量%添加したもの。
PET3:PET1に、平均粒子径0.06μmの合成コロダイルシリカ粒子を0.1質量%添加したもの。
PET4:PET1に、平均粒子径0.3μmの高架橋ポリスチレン粒子を0.19質量%、平均粒子径0.45μmの高架橋ポリスチレン粒子を0.01質量%、平均粒子径0.06μmの合成コロダイルシリカ粒子を0.09質量%添加したもの。
[実施例1]
PET1とPET2を別々の押出機にて温度285℃で溶融して押し出し、PET2/PET1/PET2の順に2種3層積層(厚み比=1:23:1)した後、口金からシート状に押し出し、25℃の回転冷却ドラムに密着させて固化することにより無配向フィルムを得た。次いで、得られた無配向フィルムを、温度120℃、延伸倍率5.0倍の条件でロールの周速差を用いて長手方向に延伸し、一軸配向フィルムを得た。次に、この一軸配向フィルムの両端部をクリップで把持してテンターオーブンに導き、105℃で予熱した後、幅方向に4.0倍に延伸した。その後、さらに230℃で熱処理して150℃で幅方向に3.0%弛緩させた後に冷却し、二軸配向フィルムを得た。こうして得られた二軸延伸フィルムを搬送し、フィルムの幅方向両側のエッジ部分を切断除去して筒状コアに巻き取り、幅5,000mm、巻き長さ30,000mの中間ロールを得た。次に、得られた中間ロールより搬送速度400m/minでフィルムを巻き出し、フィルム幅1,600mmにスリットし、再度筒状コアに巻き取って、幅1,600mm、巻き長さ15,000mのフィルムロールを得た。得られたフィルムロールについて、巻取り後25時間経過してから評価工程にてフィルムロールの外径変化曲線から得られるパラメータYとシワ評価を実施し、さらにフィルムロールとして1ヶ月保管後に再度パラメータYとシワ評価を実施した。各項目の評価結果を表1に示す。
[実施例2、比較例1]
パラメータYを表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。各項目の評価結果を表1に示す。パラメータYは口金のスリット幅を調整することにより変更した。
[実施例3、比較例2]
フィルムの厚みを25μとし、評価工程で得られるパラメータYを表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。各項目の評価結果を表1に示す。なお、フィルムの厚みは単位時間あたりの樹脂の押し出し量を厚みと比例して増やすことで調整し、層構成はPET2/PET1/PET2の積層厚み比を1:37:1とした。
[実施例4、実施例5、比較例3]
層構成、フィルムの厚み、評価工程で得られるパラメータYを表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。各項目の評価結果を表1に示す。なお、層構成はPET3とPET4の積層厚み比を7:1とし、PET4側が回転冷却ドラムに接する面となるようにした。フィルムの厚みは単位時間あたりの樹脂の押し出し量を厚みと比例して減らすことで調整した。
[実施例6]
原料樹脂、評価工程で得られるパラメータYを表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。各項目の評価結果を表1に示す。
Figure 2023092628000001
表中、P1~P4は順にPET1~PET4を意味する。
本発明によれば、高平滑かつフィルム厚みの薄いフィルムを巻き取った際の、フィルムロール保管中に経時で発生する外径ムラ変化を小さくすることができ、シワの発生を抑制することができる。本発明は、特に基材フィルムに薄膜、平滑性が求められるデジタルビデオテープやデータストレージテープ等の磁気媒体用フィルムロール、ドライフィルムフォトレジスト等の回路用離型フィルムロールを製造する際に、きわめて好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 筒状コア上にフィルムが巻かれたフィルムロールであって、巻取り後の経過時間が25時間において、フィルムロールの幅方向外径変化を測定して横軸を幅方向、縦軸を外径として得られた外径変化曲線から得られるパラメータY(Y:フィルムロールの外径変化曲線において、フィルムロール幅/2以内の間隔に隣合う2つの凸部を繋いだ接線と、隣合う2つの凸部に挟まれた凹部における最小の外径位置での幅方向に垂直な線との交点と当該最小の外径位置との距離)が150μm以下であり、フィルムの厚みが1μm以上30μm以下であり、かつフィルムの少なくとも片面の表面粗さSRaが0.1nm以上10nm以下であることを特徴とするフィルムロール。
  2. 前記フィルムロールの幅が1,000mm以上であり、フィルムの巻取り長が5,000m以上であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムロール。
  3. 巻取り後の経過時間が25時間でのフィルムロールの幅方向外径変化を測定して得られた外径変化曲線から得られるパラメータYを評価するフィルムロールの評価工程を有することを特徴とする、フィルムロールの製造方法。
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