JP2017128080A - ポリエステルフィルムロール - Google Patents

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陽介 渡邊
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Abstract

【課題】フィルムの特性を変えることなく、巻姿が良好かつ、塗布や蒸着等の加工での不具合が少ないポリエステルフィルムロールを提供すること。【解決手段】円筒状コアに巻かれたポリエステルフィルムロールであって、該ロールの幅方向における巻径分布測定した際、巻径分布曲線の隣接する極大径と極小径の差であるΔR(μm)が、0.1〜200であることを特徴とするポリエステルフィルムロールとする。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムロールに関し、更に詳しくはフィルムにシワの発生のない、巻姿が良好で、かつ、磁気材料塗布加工後のスリットの際に寸法不良率の小さいポリエステルフィルムロールに関する。
ポリエステルフィルムはその優れた熱特性、寸法安定性、機械特性および表面形態の制御のし易さから各種用途に使用されており、特に塗布型デジタル記録方式の磁気記録媒体などの支持体としての有用性がよく知られている。一方、当該磁気記録媒体(磁気テープ)には常に高密度化、高容量化が要求されており、その要求を達成するためには、磁性層の薄膜化や磁性層表面の平滑性を高めることや記録波長を短くし、記録トラックを小さくすることが有効である。
しかしながら、薄く平坦なフィルムは、良好な巻姿でロール状に巻き取ることが難しく、フィルム一枚では僅かな厚み斑であってもロール状に巻くとこの厚み斑が累積され、フィルムの薄い部分はシワ状になり、また厚い部分は延びてフィルムを巻き出した際にタルミとなり、塗布やスリット等の加工に不具合を生じさせていた。
このような問題を解消するために、フィルムの表面特性を改良しようとしたり(特許文献1〜4など)、厚み斑を低減させようとしたり(特許文献5〜9など)、あるいはオシレーションによって厚み斑を幅方向に分散させようとしたり(特許文献10、11など)、様々な提案がなされている。
さらには、ロールの形状を制御すること(特許文献12〜14)により、このような問題を解決する方法が提案されている。
特開昭59−95116号公報 特開昭59−171623号公報 特開平2−194924号公報 特開平3−207727号公報 特開昭48−43772号公報 特開昭52−47070号公報 特開昭54−56674号公報 特開平1−95025号公報 特開平1−295822号公報 特開昭36−22875号公報 特開昭39−14534号公報 国際公開第01/048061号パンフレット 特開2008−243277号公報 特開2003−266525号公報
しかしながら、従来の技術では近年の工程の高速化、製品スリット幅の狭幅化、高精度化に対応しきれておらず、従来技術を満足するロールであっても、フィルムの薄い部分はシワ状になり、また厚い部分は延びてフィルムを巻き出した際にタルミとなり、塗布や蒸着等の加工に不具合を生じさせているのが現状である。
本発明は、かかる問題を改善し、フィルムの特性を変えることなく、巻姿が良好かつ、塗布や蒸着等の加工での不具合が少ないポリエステルフィルムロールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、次の特徴を有している。
円筒状コアに巻かれたポリエステルフィルムロールであって、該ロールの幅方向における巻径分布測定した際、巻径分布曲線の隣接する極大径と極小径の差であるΔR(μm)が、0.1〜200μmであることを特徴とするポリエステルフィルムロール。
本発明によれば、以下に説明するとおり、表面が平滑かつ薄膜なフィルムであっても、シワやタルミがなく、かつ巻姿の良好なポリエステルフィルムロールを提供することを目的とする。
さらには、塗布工程開始から製品幅にスリットして巻き取るまで一貫してシワやタルミがなく、歩留まりの良好なポリエステルフィルムロールを得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムロールを構成するポリエステルフィルムとしては、単層フィルムでも、二層以上の積層フィルムでも良い。また、未延伸フィルムや一軸延伸フィルムであっても構わないが、特に長手方向(縦方向)、幅方向(横方向)に延伸配向された二軸延伸フィルムが好ましい。
本発明において用いるポリエステルとしては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などの酸成分やジオール成分を構成単位(重合単位)とするポリマーで構成されたものを用いることができる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等を好ましく用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコール等を用いることができる。これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリエステルには、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋をせずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分、ジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が損なわれない程度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
ポリマーの共重合割合はNMR法(核磁気共鳴法)や顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)を用いて調べることができる。
本発明において用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)が好ましく、また、これらの共重合体や変性体でもよく、他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイでもよい。ここでいうポリマーアロイとは高分子多成分系のことであり、共重合によるブロックコポリマーであってもよいし、混合などによるポリマーブレンドでもよい。本発明のポリエステルとしては特に、結晶子サイズや結晶配向度を高めるプロセスが適用しやすいことから主成分がポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。ここで、主成分とはフィルム組成中80質量%以上であることをいう。
本発明のポリエチレンテレフタレートをポリマーアロイとする場合、他の熱可塑性樹脂は、ポリエステルと相溶するポリマーが好ましく、ポリエーテルイミド樹脂などがより好ましい。
さらに、本発明の目的を阻害しない範囲内で、着色防止剤、安定剤、抗酸化剤、耐光剤、耐候剤、充填剤、核剤、分散剤、カップリング剤等の添加剤を含有しても差し支えなく、フィルムの片面、もしくは両面をコーティングすることも差し支えない。
本発明は、上記ポリエステルを含むポリエステルフィルムを筒状のコアに巻いてなるポリエステルフィルムロールであって、該ロールの直径を幅方向に測定したとき、巻径分布曲線の隣接する極大径と極小径の差であるΔR(μm)が、0.1〜200μmであることが重要である。
上記条件を満たさない場合には、ロール形状の累積厚み斑が大きいことになり、ΔRが200μmを超えた部分の近傍ではエアー排除が不均一となり、シワが発生しやすくなる。また、加工のためにフィルムを巻き出した際にフィルムにタルミが発生しやすく、加工不良に繋がり歩留まりが悪化することがある。また、フィルムに局所的な凹凸が無くても、全体形状が傾いている場合や、全体形状が凹み形状となっている場合には、該ロールにシワが発生したり、該ロールを巻き出して次工程で巻き取る際に巻きずれを起こしたりすることがある。また、ΔRは小さいことが望ましいが、0.1μm以下とすることは現実的に困難である。現実的には、ΔRは10〜150μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。
フィルムロールの巻径分布曲線とは、フィルムロールの外径(巻径)を幅方向に連続的に測定することで、ロールの幅方向の巻径変化を示すものである。フィルムの幅方向ならびに長手方向に存在する厚みの斑などが影響することで、フィルムロールの巻径は分布を持つこととなる。
巻径分布曲線における極大径および極小径とは、巻径変化が増加から減少または減少から増加に変じる点(ピークまたはバレイ)における巻径であり、前者が極大径、後者が極小径である。
さらに、本発明のフィルムロールの巻径分布曲線において、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値が、0.01〜10μm/mmであることが好ましい。隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きとは、隣接する極大径と極小径を示す点を結んだ直線の傾きのことをいい、ΔRを極大径と極小径の幅方向の距離(mm)で除すことにより算出する。この数値が小さいということは、ΔRが小さいか、または、隣接する極大径と極小径の距離が長いことを示している。隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値が10μm/mmを超えると、フィルムを巻き取る際にシワが発生したり、フィルムを巻き出す際にタルミが発生したりすることがある。隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は、小さいことが望ましいが、0.01μm/mm未満にすることは現実的には困難である。現実的には、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.1〜7μm/mmであることが好ましく、0.1〜5μm/mmであることがより好ましい。
本発明のフィルムロールにおいて、最大巻径と最小巻径の差は0.1〜500μmであることが好ましい。最大巻径とは極大径の中で最も大きな巻径であり、最小巻径とは極小径の中で最も小さな巻径である。最大巻径と最小巻径の差が500μmを超えると、フィルムを巻き取る際にシワが発生したり、フィルムを巻き出す際にタルミが発生したりすることがある。最大巻径と最小巻径の差は小さいことが望ましいが、0.1μm未満にすることは現実的には困難である。現実的には、最大巻径と最小巻径の差は0.1〜300μmであることが好ましく、0.1〜200μmであることがより好ましい。
上記ポリエステルフィルムロールは、その製法について特に限定はされないが、連続的に製膜される走行フィルムの厚みを高精度に測定して、本発明のロール形状を満足するようにダイリップ温度や間隙の調整にフィードバックしてフィルム膜厚を調整する方法が好ましい。さらには、製品ロールに巻き取りながら製品ロールの直径を幅方向に測定し、本発明のロール形状を満足するようにフィードバックしてフィルム膜厚を調整することが、より好ましい。さらには、該ロールを巻き取る際に、ダイリップの調整ボルトの間隙と幅方向(横方向)延伸倍率に応じて幅方向にオシレーションすることで厚み斑を分散させることが、特に好ましい。走行フィルムの厚み測定には、オンラインで一般に用いられる非接触方式であるβ線透過減衰方式の厚さ計、赤外線透過減衰方式の厚さ計、光干渉分光方式の厚さ計などが用いられる。また、製品ロール形状の測定については、触針式や非接触のレーザー型測定器などが用いられる。
本発明におけるポリエステルフィルムの幅、長さは特に限定されないが、工業的規模での生産性からして、ロール幅は300mm以上、長さは5,000m以上のものが好ましい。本発明の効果が特に顕著なのが、ロール幅が500mm以上、長さが7,000m以上のフィルムを巻いたロールである。フィルムの厚さは0.5μm以上、20μm以下であることが好ましく、さらには3μm以上15μm以下であることが好ましい。厚みが0.5μm未満のフィルムは剛性が極端に低下するために巻き取り性が劣り、一方20μmを超えるフィルムでは剛性が高く、本発明の効果は発現しにくい。
本発明のポリエステルフィルムロールに巻回されるポリエステルフィルムは、磁性層が設けられる側の面(A面)の表面粗さRaが0.1nm以上10nm以下であることが好ましく、0.3nm以上8nm以下であることがさらに好ましく、0.3nm以上5nm以下であることが特に好ましい。Raが0.1nm未満の平滑なフィルムは、フィルムの滑りが劣り、搬送時にキズが発生しやすくなり、また極めて巻き姿の劣るロールしか得られないため、生産性が著しく低下することがある。一方、Raが10nmを超える粗いフィルムは、本発明のロール形状を満足していなくても巻姿は良好であるが、表面性の観点から磁気テープ用に用いることが難しい。
本発明におけるポリエステルフィルムロールのコアは、ロール径の外径について特に限定されないが、通常100mm〜300mmのものが用いられる。また、コアの材質としては紙やプラスチックなどを用いることができるが、強度の観点から繊維強化プラスチックコアを用いることがより好ましい。繊維強化プラスチックコアとしては、例えば炭素繊維あるいはガラスフィラメントを巻き回して円筒形とし、熱硬化性樹脂を含浸せしめ、硬化させたコアが挙げられる。
上記コアは円周方向曲げ弾性率が13GPa以上であることが好ましく、より好ましくは14GPa以上である。曲げ弾性率がかかる範囲に満たないコアを使用すると、ポリエステルフィルムを巻き取る際にかかる張力と接圧によりコアが変形してしまうことがある。
本発明におけるポリエステルフィルムロールは、平滑性を要求される磁気記録媒体用フィルムロールとして特に有効である。中でもデジタル記録方式の磁気記録媒体用ポリエステルフィルムロールとして有効である。その中でも、磁性層形成面側には究極の平滑性が求められ、かつ非磁性層側には巻取り性を維持しつつ、加工後のキュア工程で磁性面を変形させない程度の平滑性が求められる、磁気記録媒体用ポリエステルフィルムロールとして有効である。
本発明におけるポリエステルフィルムロールは、前述の通り、経時シワや巻きずれを防止するために、巻き硬度を好ましくは90〜100、より好ましくは93〜98とすることが好ましい。このような硬度のロールを得るためには、巻取張力30〜200N/m、巻取接圧100〜800N/m、巻取速度20〜200m/分の条件で、好ましくは40〜200m/分の条件で巻き取ることが好ましい。
次に、本発明のポリエステルフィルムロールの製造方法を積層フィルムとした場合の一例によって説明する。
本発明で用いられるポリエステル原料は、通常用いられる種々のエステル化反応、エステル交換反応およびそれに引き続く重縮合反応により製造することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートは、通常テレフタル酸またはジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エステル化またはエステル交換せしめ、しかる後減圧下に重縮合せしめる方法で製造できる。ここで、触媒として、例えば、マンガン、マグネシウム、カルシウム、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、コバルトなどの元素を含む化合物やリン化合物などを使用することができる。また、安定剤、顔料、染料、核剤、充填剤などを使用してもよい。
かくして得られたポリエステルを、シートカット法、ストランドカット法などにより粒子状(チップ形状)に成形する。チップの形状は任意でよいが、あまりに小さすぎて微粉末状となったものは熱処理工程やその後の成形工程(特に押出工程)でのトラブルの原因となる。また形状が大きい場合には、環状化合物を減少させる意味では特に問題にはならないが、操作性の点からは問題が生じやすい。これらの観点から、ポリエステルチップの大きさは、等価球直径で1mm〜50mmが好ましく、より好ましくは2mm〜20mmである。なお、ここで等価球直径とは粒子と同じ体積を有する球の直径である。
磁性層加工面(A面)側を構成するA層形成のため、乾燥したポリエステルのチップを押出機Aに供給し、走行面(B面)側を構成するB層形成のためポリエステルのチップと平均粒子径150nm以上400nm未満の不活性粒子α、平均粒子径400nm以上1,200nm未満の不活性粒子βのマスターチップとを、不活性粒子αが0.4〜2.0質量%、不活性粒子βが0.01〜0.3質量%となるように混合したものを押出機Bに供給し、溶融してTダイ複合口金内に導入して口金内でA層/B層の2層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとする。A層/B層の厚み比率は2/1〜30/1が好ましい。
この溶融積層シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。該未延伸フィルムを70〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
必要に応じて、長手方向に延伸した積層フィルム表面にそのまま、あるいはコロナ放電処理を施した後、易滑被覆層形成塗液を塗布しても良い。
続いて積層フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜150℃に加熱した雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に2〜5倍に延伸する。
延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5倍とすることが好ましいが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると得られるフィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が20倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
このようにして得られた二軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜230℃で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の積層フィルムを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に1〜12%の弛緩処理(リラックス)を施してもよい。また、二軸延伸は上述の逐次延伸の他に同時二軸延伸でもよく、同時二軸延伸の場合のインラインコートは、溶融シートをドラム上に密着冷却固化した未延伸フィルム表面に必要に応じてコロナ放電処理を施した後、易滑層形成塗液を塗布し、延伸すればよい。また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
このようにして得た二軸延伸積層フィルムを中間製品として、スリッターを用いて製品幅にスリットし、フィルムロールを得る。
本発明のポリエステルフィルムロールは、特に磁気記録媒体としての特性、並びに塗布型磁気記録媒体への加工性が良好であり、該用途のベース基材として好適に使用することができる。
具体的に好ましい用途としては、民生用、業務用を問わず、デジタルビデオカセット、データストレージ、DLT、LTO、デジタルAIT、AITターボ等のデジタルデータ記録方式の磁気テープ用ベースフィルムに好適に用いられ、特に、記録層としてメタル磁性体等の磁性金属薄膜を塗布せしめた、データストレージ用のベース基材として最も好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない範囲で以下の実施例に限定されるものではない。また、各特性値は下記の方法によって測定した。
ポリエチレンテレフタレートの原料を押出機でフィルム状に溶融押出して冷却し、これを長手方向に3〜6倍延伸した後、次いで横方向に3〜6倍延伸する。縦延伸と横延伸の間に塗液をコーティングして塗布層を設けても良い。さらに、これを再縦延伸、再横延伸してもよい。この後熱固定して厚みが0.5〜20μmの範囲、好ましくは厚みが2〜10μmの範囲のポリエステルフィルムを作り、例えばジャンボロールとして巻き取る。その際、前述のようにオンラインで走行フィルムの厚みを精度よく測定したり、巻き取った後の製品ロールの形状を接触式または非接触式の測定器で測定し、フィードバックすることにより調整を実施する。このフィルムをスリッターで所定の幅、長さにスリットする。スリットの際はジャンボロールをオシレーションによって厚み斑を幅方向に分散させてもよい。オシレーションによって、本発明のような厚み斑によるロール形状不良は低減することができる。スリット時、コアへのフィルムの貼り付けは、糊あるいは粘着テープ、或いは水、或いはアルコール等の液体等が用いられる。これをスリッターで所望の巻取張力、巻取面圧をかけながら所定の長さに巻き取る。
(1)ポリエステルフィルムロール、コアの幅方向の形状
キタノ企画(株)製原反形状測定器(バルク形状測定器)を用いてフィルムロールを幅方向にロール形状を測定した。具体的には、該測定装置の検出器であるリニアゲージをロール表面に接触させて専用のレール上を速度12.5m/秒で走行させて測定を行った。リニアゲージからのデータを0.01秒間隔でデジタルレコーダーを用いてデジタルデータとして採取した。ここで、ハイエッジの影響を除外するため、両端から10mmのデータは削除する。
採取したデジタルデータを表計算ソフトウェア上で、隣接平均法により、前後20点の合計41点の平均値を採用してスムージングすることにより巻径分布曲線としてグラフ化し、巻径分布曲線のデータ(上記のスムージング処理後のデジタルデータ)から外径の極大点、極小点を読み取り、隣り合った極大点の外径(極大径)と極小点の外径(極小径)の差ΔRを算出した。また隣接する極大点と極小点の幅方向の距離をスムージング後のデジタルデータから読み取り、ΔRを当該距離で除すことで、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値を算出した。
さらに、極大径の中で最も大きな巻径を最大巻径、極小径の中で最も小さな巻径を最小巻径として、その差を算出した。
なお、巻径分布曲線の極大径および極小径とは、巻径変化が増加から減少または現象から増加に変じる点であり、前者に対応する径が極大径、後者に対応する径が極小径である。
(2)3次元中心線表面粗さsRa−A、sRa−B
3次元粗さ計((株)小坂研究所製 ET-4000A)を用い、スタイラスモード(針接触式粗さ測定)で、フィルムの平滑面(表面A、A層側表面)のsRa−Aと粗面(表面B、B層側表面)のsRa−Bについて測定した(単位:nm)。なお、測定条件は以下の通りとし、フィルムA層側表面(表面A)、B層側表面(表面B)から各々任意に選んだ5箇所で測定した平均値をsRa−A、sRa−Bとした。
走査速度 0.1mm/秒
測定長 0.5mm
cut off 0.25mm
針圧 4 mgr
針径 2μm
走行ピッチ(Xピッチ) 1.00μm
送りピッチ(Yピッチ) 5μm
縦倍率(Z測定倍率) 50,000倍
測定本数 80本
(3)フィルムの厚み
フィルムの厚みはマイクロメーターにてランダムに10点測定し、その平均値を用いた。1点の測定に当たっては10枚を採取した試験片を全て重ねた状態で測定した。最終的に平均値を試験片の重ね合わせ枚数(10)で除した値をフィルム厚みとした。
(4)ポリエステルフィルムロールの表面硬度
高分子計器(株)製のアスカーゴム硬度計C型を押し当てて測定する。測定値はポリエステルフィルムロールの幅方向に10点(ロール端部の10mmずつを除いた全幅を10等分して、各等分の中央部を測定する)測定した平均で表す。
(5)巻姿
スリット工程においてポリエステルフィルムの巻姿を観察し、スリット中のシワ発生状況に応じて、以下の3段階の判定基準で判定した。
○:シワの発生がなかった
△:実用上差し支えないレベルの薄いシワが発生した
×:実用上問題があるレベルの強いシワが発生した
(6)寸法不良・歩留まり
塗布加工後、磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の、寸法不良の発生率について、以下の3段階の判定基準で判定した。
○:寸法不良率が低く、工程全体の歩留まりが良好(望ましい)
△:寸法不良率がやや増加し、工程全体の歩留まりが若干悪化(実用的に生産可能)
×:寸法不良率が著しく増加し、工程全体の歩留まりが著しく悪化(実用的に生産不可)
(実施例1)
A層として不活性粒子を実質的に含有しないポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で3時間減圧乾燥した後、押出機E1に供給して280℃で溶融し、この溶融ポリマーを公知の方法で濾過した。
またB層として数平均粒径(材料平均粒径)が0.8μmの架橋ポリスチレン粒子を0.01質量部、数平均粒径(材料平均粒径)が0.3μmの架橋ポリスチレン粒子を0.5質量部含有したポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で3時間減圧乾燥した後、押出機E2に供給して280℃で溶融し、この溶融ポリマーを公知の方法で濾過した。
次いでA層とB層を2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=10:1とし、B層側がキャストドラム側となるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
この積層未延伸フィルムをロール式延伸機にて113℃で長手方向に3.3倍延伸した(MD延伸1)。この延伸は2組ずつのロールの周速差を利用して行った。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に92℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.8倍延伸した(TD延伸1)。
得られた二軸延伸フィルムをロール式延伸機にて150℃で長手方向に1.55倍延伸した(MD延伸2)。この延伸は2組ずつのロールの周速差を利用して行った。
さらに続いて195℃の温度の加熱ゾーンでに幅方向に1.2倍延伸した(TD延伸2)。引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで210℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに150℃の温度で2%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、25℃に均一に冷却後、フィルムエッジを除去し、コア上に巻き取って厚さ4.9μmの二軸延伸ポリエステルフィルムジャンボロールを得た。
二軸に延伸されたフィルムの厚みはオンラインでβ線透過減衰方式の厚さ計によって幅方向に走査しながら測定し、ダイリップ間隙にフィードバックしてフィルム膜厚調整を実施した。
このジャンボロールを、幅が1,200mm、直径167mmの繊維強化プラスチック(FWP)コアに、スリッターにより巻取張力50N/m、巻取面圧100N/m、巻取速度100m/分、オシレーション幅100mm、オシレーション速度0.010m/分の条件で、幅1,000mm、長さ15,000mのフィルムロールに巻き上げ、フィルムロールの巻き硬度を97°とした。また表面粗さは表1の通りだった。
フィルムロールの幅方向の形状を測定し、得られたロール形状の曲線の凸部および凹部の位置に相当するダイリップ間隙を調整し、オンラインでのβ線透過減衰方式の厚さ計の自動制御にあわせて行った。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは30〜75μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.1〜2μm/mmであった。スリット中にシワの発生はなく、また24時間経時した後であってもフィルムの外観形状はシワが無く、引き出したフィルムも平面性が良く、シワ、タルミの発生がなかった。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後に再度巻き取ったロールの巻径分布曲線は、ポリエステルフィルムロールとほぼ同様の形状を維持しており、ΔRは30〜75μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.2〜4μm/mmであった。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRの最大値となる極小径付近でも他の部分と比較して増加傾向になく、工程全体の歩留まりが良好であった。
(実施例2)
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、スリッターでの製品ロール長を30,000mとした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムロールを得た。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは60〜180μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.5〜3.5μm/mmであった。スリット中にシワの発生はなく、また24時間経時した後であってもフィルムの外観形状はシワが無く、引き出したフィルムも平面性が良く、シワ、タルミの発生がなかった。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後に再度巻き取ったロールの巻径分布曲線は、ポリエステルフィルムロールとほぼ同様の形状を維持しており、ΔRは60〜180μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.5〜3.5μm/mmであった。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRの最大値となる極小径付近でも他の部分と比較して増加傾向になく、工程全体の歩留まりが良好であった。
(実施例3)
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、フィルムの厚みを6.5μmとし、スリッターにより巻取張力80N/m、巻取面圧120N/m、巻取速度150m/分、オシレーション幅100mm、オシレーション速度0.010m/分の条件で、幅1,000mm、長さ10,000mのフィルムロールに巻き上げ、フィルムロールの巻き硬度を96°とした。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは20〜100μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.5〜2.5μm/mmであった。スリット中にシワの発生はなく、また24時間経時した後であってもフィルムの外観形状はシワが無く、引き出したフィルムも平面性が良く、シワ、タルミの発生がなかった。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後のロール形状は、ポリエステルフィルムロールの形状を維持しており、ΔRは20〜100μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.5〜2.5μm/mmであった。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRの最大値となる極小径付近でも他の部分と比較して増加傾向になく、工程全体の歩留まりが良好であった。
(実施例4)
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、フィルムの厚みを9.7μmとし、スリッターにより巻取張力90N/m、巻取面圧150N/m、巻取速度150m/分、オシレーション幅100mm、オシレーション速度0.010m/分の条件で、幅1,000mm、長さ10,000mのフィルムロールに巻き上げ、フィルムロールの巻き硬度を97°とした。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは35〜150μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.7〜4.5μm/mmであった。スリット中にシワの発生はなく、また24時間経時した後であってもフィルムの外観形状はシワが無く、引き出したフィルムも平面性が良く、シワ、タルミの発生がなかった。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後のロール形状は、ポリエステルフィルムロールの形状を維持しており、ΔRは35〜150μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.7〜4.5μm/mmであった。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRの最大値となる極小径付近でも他の部分と比較して増加傾向になく、工程全体の歩留まりが良好であった。
(比較例1)
実施例1と同様の幅、長さにスリットし、フィルムロールを得た。フィルムロールの幅方向の形状をダイリップ間隙にフィードバックせず、オンラインでのβ線透過減衰方式の厚さ計の自動制御のみを行った。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは45〜220μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.8〜5.5μm/mmであった。スリット中に形状の凹部でシワが発生し、24時間経時した後でも縦シワは残存し、また引き出したフィルムも平面性が悪く、形状凹部でシワ、形状凸部にてタルミの発生がみられた。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後のロール形状は、ポリエステルフィルムロールの形状を維持しており、ΔRは45〜220μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.8〜5.5μm/mmであった。また、塗布の際にシワの発生したフィルムロールではシワ部で塗布抜けが発生し、歩留まりが悪化した。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRが200μmを超える極小値付近で他の部分と比較して悪化しており、工程全体の歩留まりが実施例1と比較して著しく悪化した。
(比較例2)
実施例2と同様の幅、長さにスリットし、フィルムロールを得た。フィルムロールの幅方向の形状をダイリップ間隙にフィードバックせず、オンラインでのβ線透過減衰方式の厚さ計の自動制御のみを行った。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは65〜250μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.8〜6.5μm/mmであった。スリット中に形状の凹部でシワが発生し、24時間経時した後でも縦シワは残存し、また引き出したフィルムも平面性が悪く、形状凹部でシワ、形状凸部にてタルミの発生がみられた。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後のロール形状は、ポリエステルフィルムロールの形状を維持しており、ΔRは65〜250μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.8〜6.5μm/mmであった。また、塗布の際にシワの発生したフィルムロールではシワ部で塗布抜けが発生し、歩留まりが悪化した。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRが200μmを超える極小値付近で他の部分と比較して悪化しており、工程全体の歩留まりが実施例2と比較して著しく悪化した。
(比較例3)
実施例3と同様の幅、長さにスリットし、フィルムロールを得た。フィルムロールの幅方向の形状をダイリップ間隙にフィードバックせず、オンラインでのβ線透過減衰方式の厚さ計の自動制御のみを行った。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは45〜310μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.8〜7.5μm/mmであった。スリット中に形状の凹部で薄いシワが発生し、24時間経時した後でもシワが残存し、また引き出したフィルムも平面性が悪く、形状凹部でシワ、形状凸部にてタルミの発生がみられた。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後のロール形状は、ポリエステルフィルムロールの形状を維持しており、ΔRは45〜310μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は0.8〜8.5μm/mmであった。また、塗布の際にシワの発生したフィルムロールではシワ部でわずかに塗布抜けが発生し、歩留まりが悪化した。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRが200μmを超える極小値付近で他の部分と比較して悪化しており、工程全体の歩留まりが実施例3と比較して悪化した。
(比較例4)
実施例4と同様の幅、長さにスリットし、フィルムロールを得た。フィルムロールの幅方向の形状をダイリップ間隙にフィードバックせず、オンラインでのβ線透過減衰方式の厚さ計の自動制御のみを行った。
こうして得られたフィルムロールの幅方向の形状を測定したところ、ΔRは90〜330μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は1.5〜10.5μm/mmであった。スリット中に形状の凹部で薄いシワが発生し、24時間経時した後でもシワは残存し、また引き出したフィルムも平面性が悪く、形状凹部で薄いシワ、形状凸部にてわずかなタルミの発生がみられた。
このフィルムロールに磁気材料を塗布加工した後のロール形状は、ポリエステルフィルムロールの形状を維持しており、ΔRは90〜330μm、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値は1.5〜10.5μm/mmであった。また、塗布の際にシワの発生したフィルムロールではシワ部で塗布抜けが発生し、歩留まりがわずかに悪化した。このロールを磁気記録テープとしての最終製品幅にスリットした際の寸法不良の発生率は、ΔRが200を超える極小値付近と、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値が10μm/mmを超える極小値付近で他の部分と比較して悪化しており、工程全体の歩留まりが実施例4と比較して悪化した。
Figure 2017128080
Figure 2017128080

Claims (7)

  1. 円筒状コアに巻かれたポリエステルフィルムロールであって、該ロールの幅方向における巻径分布測定した際、巻径分布曲線の隣接する極大径と極小径の差であるΔR(μm)が、0.1〜200であることを特徴とするポリエステルフィルムロール。
  2. 前記巻径分布曲線において、隣接する極大径と極小径を結ぶ直線の傾きの絶対値が、0.01〜10μm/mmであることを特徴とする、請求項1に記載のポリエステルフィルムロール。
  3. 前記フィルムロールの最大巻径と最小巻径の差が0.1〜500μmであることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のポリエステルフィルムロール。
  4. フィルムの厚さが0.5〜20μmであり、ロール幅が300mm以上、かつ、巻かれたフィルムの長さが5,000m以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルムロール。
  5. デジタル記録方式の磁気テープ用に用いられるポリエステルフィルムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルムロール。
  6. ポリエステルの主成分がポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルムロール。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルムロールから供給されたフィルムをベースフィルムとした、塗布型デジタル記録方式の磁気記録テープ。
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