JP2023091186A - アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの大型化による、アクチュエータの外形および可動体の振幅への影響を少なくするとともに、ケースを精度良く組み立てる。【解決手段】アクチュエータ1の支持体3は、樹脂製の第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16と、コイル10と、金属製の第1プレート11および第2プレート12を備える。第1ホルダ部材15の第1コイル保持部151、および、第2ホルダ部材16の第2コイル保持部161にZ1側から第1プレート11を組み付けて、第1コイル保持部151と第2コイル保持部161の間にコイル10を配置し、コイル10の中心穴10cに接着剤を充填して、Z2側から第2プレート12を組み付ける。ケース2は、第1ホルダ部材15の第1側板部152、および、第2ホルダ部材16の第2側板部162に対してZ方向に当接して位置決めされる。【選択図】図7

Description

本発明は、可動体を振動させるアクチュエータに関する。
特許文献1には、磁石を備えた可動体と、コイルを備えた支持体とを備え、コイルに駆動電流を流すことにより、可動体を支持体に対して振動させるアクチュエータが開示される。この種のアクチュエータは、支持体と可動体とを接続する接続体として弾性体や粘弾性体を用いる。可動体を振動させると、接続体を介して可動体の振動に対応する反力が支持体に加わる。その結果、支持体に触れたユーザは振動を体感することができる。
特許文献1のアクチュエータでは、支持体がコイルホルダを備える。コイルは空芯コイルであり、コイルホルダの板部に設けられたコイル配置穴に配置される。コイルホルダには、板部およびコイルを両側から覆うように金属製のプレートが取り付けられている。可動体は、コイルに一方側から対向する第1ヨークと、コイルに他方側から対向する第2ヨークを備えており、第1ヨークおよび第2ヨークにそれぞれ磁石が固定される。接続体は、プレートとヨークとを接続している。
特開2020-102901号公報
磁気駆動機構を備えるアクチュエータにおいて、推力を向上させるため、コイルを大型化したいという要望がある。しかしながら、コイルを大型化すると、アクチュエータの外形が大型化するという問題がある。例えば、特許文献1の構成では、樹脂製のコイルホルダの各部は、強度を確保するために所定の厚さ以上にする必要がある。そのため、コイルの長辺に沿って延びる樹脂部分を細くしようとしても限界があり、コイル配置穴が設けられた板部の幅を小さくすることは困難である。従って、アクチュエータの外形や可動体の振幅に影響を及ぼさずにコイルを大型化することは困難である。
そこで、樹脂製のコイルホルダを用いず、金属製のプレートに直接、コイルを固定する構造も提案されている。しかしながら、樹脂製のコイルホルダを用いず、金属のプレートとコイルによってコイル組を構成すると、従来のように樹脂製のコイルホルダに位置決め構造を設けることができないため、ケースの位置決めを精度良く行うことが困難である。
本発明の課題は、以上の問題点に鑑みて、コイルの大型化による、アクチュエータの外形および可動体の振幅への影響を少なくするとともに、ケースを精度良く組み立てることが可能な構成を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のアクチュエータは、可動体と、前記可動体を収容するケースを備える支持体と、前記可動体および前記支持体に接続される接続体と、コイルおよび前記コイルに第1方向で対向する磁石を備え、前記可動体を前記支持体に対して前記第1方向に交差する第2方向に振動させる磁気駆動回路と、を有し、前記支持体は、前記コイルに対して前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置される第1コイル保持部、および、前記第1コイル保持部の前記第3方向の一方
側の端から前記第1方向へ延びる第1側板部を備える樹脂製の第1ホルダ部材と、前記コイルに対して前記第3方向の他方側に配置される第2コイル保持部、および、前記第2コイル保持部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向へ延びる第2側板部を備える樹脂製の第2ホルダ部材と、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の一方側から重なる金属製の第1プレートと、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の他方側から重なる金属製の第2プレートと、を備え、前記第1コイル保持部および前記第2コイル保持部に対して、前記第1プレートおよび前記第2プレートが位置決めされ、前記第1側板部および前記第2側板部に対して、前記ケースが位置決めされることを特徴とする。
本発明によれば、第1コイル保持部を備える樹脂製の第1ホルダ部材と、第2コイル保持部を備える樹脂製の第2ホルダ部材をコイルの第3方向の両側に配置し、金属製の第1プレートと第2プレートでコイル、第1コイル保持部、第2コイル保持部を第1方向の両側から覆うことによってコイル組を構成している。このように、コイルホルダを2部材に分割することにより、従来は樹脂で囲まれていたコイルの第2方向の両側が樹脂で囲まれないように構成することができる。従って、コイル組の第2方向の寸法を大型化させることなく、コイルを大型化させることができる。また、ケース、第1プレート、および第2プレートは、いずれも第1ホルダ部材と第2ホルダ部材に対して位置決めされる。従って、ケースを精度良く位置決めできる。
本発明において、前記第1プレートは、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の一方側から重なる第1板部と、前記第1板部の前記第2方向の端から前記第1方向の他方側へ屈曲する第1曲げ部を備え、前記第2プレートは、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の他方側から重なる第2板部と、前記第2板部の前記第2方向の端から前記第1方向の一方側へ屈曲する第2曲げ部を備え、前記第1曲げ部と前記第2曲げ部は、前記コイルの前記第2方向の側面を覆うことが好ましい。このようにすると、第3方向の曲げに対する第1プレートおよび第2プレートの剛性を高めることができる。また、第1曲げ部と第2曲げ部によってコイルの振動方向(第2方向)の側面を覆うことができるため、コイルが可動体に衝突して損傷することを防止できる。
本発明において、前記第1プレートは、前記第1板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の他方側へ屈曲する第1固定部を備え、前記第2プレートは、前記第2板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の一方側へ屈曲する第2固定部を備え、前記第1コイル保持部の第2方向の両側の側面、および、前記第2コイル保持部の第2方向の両側の側面の4箇所に爪部が設けられ、前記第1コイル保持部の前記第2方向の両側、および、前記第2コイル保持部の前記第2方向の両側の4箇所において、前記第1固定部に設けられた第1切欠き部と前記第2固定部に設けられた第2切欠き部が第2方向に重なり、且つ、前記第1切欠き部および前記第2切欠き部に前記爪部が係止されることが好ましい。このようにすると、第1プレートと第2プレートの間から第1コイル保持部および第2コイル保持部が抜けなくなり、第1ホルダ部材と第2ホルダ部材とが第3方向に位置決めされる。また、爪部を介して、第1プレートと第2プレートを第3方向に位置決めすることができる。さらに、溶接や固定部品を用いずにコイル組を組み立てることができる。
本発明において、前記第1コイル保持部に設けられた前記爪部は、前記第3方向の一方側へ向かうに従って前記第2方向の突出寸法が増大するテーパ形状であり、前記第2コイル保持部に設けられた前記爪部は、前記第3方向の他方側へ向かうに従って前記第2方向の突出寸法が増大するテーパ形状であることが好ましい。このようにすると、先に第1プレートと第2プレートを組み立てておき、爪部に設けられた傾斜面によって第1プレート
の第1固定部と第2プレートの第2固定部を押圧して撓ませながら、第1コイル保持部と第2コイル保持部を第1プレートと第2プレートの間に挿入して、コイル組を組み立てる組立方法を採用することが可能である。
本発明において、前記第1固定部に設けられた第1開口部の前記第1方向の他方側の縁には、前記第1方向の一方側へ延びてから前記第1板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第1折り曲げ部が設けられ、前記第2固定部に設けられた第2開口部の前記第1方向の一方側の縁には、前記第1方向の他方側へ延びてから前記第2板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第2折り曲げ部が設けられ、前記第1折り曲げ部に前記第2折り曲げ部が前記第1方向の他方側から当接することにより、前記第1プレートに対して前記第2プレートが前記第1方向に係止されることが好ましい。このようにすると、第1開口部と第2開口部とが重なるように第1プレートと第2プレートを位置決めし、外部から治具によって第1開口部の縁と第2開口部の縁を押圧して第1折り曲げ部と第2折り曲げ部を形成する方法で組み立てることができる。従って、コイル組の組立作業が容易である。また、このような固定構造はプレートの所定位置に開口部を形成するだけで可能となるので、部品の製造が容易である。
本発明において、前記第1プレートは、前記第1板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の他方側へ屈曲した第1固定部を備え、前記第2プレートは、前記第2板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の一方側へ屈曲した第2固定部を備え、前記第1固定部に設けられた第1開口部の前記第1方向の他方側の縁には、前記第1方向の一方側へ延びてから前記第1板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第1折り曲げ部が設けられ、前記第2固定部は前記第1固定部と前記第2方向に重なり、前記第2固定部に設けられた第2開口部の前記第1方向の一方側の縁には、前記第1方向の他方側へ延びてから前記第2板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第2折り曲げ部が設けられ、前記第1折り曲げ部に前記第2折り曲げ部が前記第1方向の他方側から当接することにより、前記第1プレートに対して前記第2プレートが前記第1方向に係止されることが好ましい。このようにすると、上記のように、第1開口部と第2開口部とが重なるように第1プレートと第2プレートを位置決めし、外部から治具によって第1開口部の縁と第2開口部の縁を押圧して第1折り曲げ部と第2折り曲げ部を形成する方法で組み立てることができる。従って、コイル組の組立作業が容易である。また、このような固定構造はプレートの所定位置に開口部を形成するだけで可能となるので、部品の製造が容易である。
本発明において、前記第1プレートは、前記第1板部の前記第3方向の両側の縁から前記第1方向の一方側へ延びる第1立ち上がり部を備え、前記第2プレートは、前記第2板部の前記第3方向の両側の縁から前記第1方向の他方側へ延びる第2立ち上がり部を備えることが好ましい。このようにすると、第2方向の曲げに対する第1プレートおよび第2プレートの剛性を高めることができる。
本発明において、前記可動体は、前記磁石を保持するヨークを備え、前記ヨークは、前記第1プレートに対して前記第1方向の一方側から対向する第1対向部、前記第2プレートに対して前記第1方向の他方側から対向する第2対向部、および、前記コイルの前記第2方向の両側に配置される一対の接続部を備え、前記第1側板部は、前記ヨークに前記第3方向の一方側から対向し、前記第2側板部は、前記ヨークに前記第3方向の他方側から対向することが好ましい。このようにすると、落下などの衝撃が加わった際、第1側板部と第2側板部が可動体の第3方向の移動を規制するストッパとして機能する。従って、落下などの衝撃によるアクチュエータの破壊を抑制できる。
本発明において、前記接続体は、前記第1対向部と前記第1プレートとを接続する第1
接続体と、前記第2対向部と前記第2プレートとを接続する第2接続体と、を備えることが好ましい。このようにすると、ヨークの内側に接続体を配置してコイル組とヨークとを接続できる。従って、ケースとヨークとの隙間に接続体を配置するスペースを確保する必要がないので、アクチュエータの第1方向の寸法を小さくすることができる。
本発明によれば、第1コイル保持部を備える樹脂製の第1ホルダ部材と、第2コイル保持部を備える樹脂製の第2ホルダ部材をコイルの第3方向の両側に配置し、金属製の第1プレートと第2プレートでコイル、第1コイル保持部、第2コイル保持部を第1方向の両側から覆うことによってコイル組を構成している。このように、コイルホルダを2部材に分割することにより、従来は樹脂で囲まれていたコイルの第2方向の両側が樹脂で囲まれないように構成することができる。従って、コイル組の第2方向の寸法を大型化させることなく、コイルを大型化させることができる。また、ケース、第1プレート、および第2プレートは、いずれも第1ホルダ部材と第2ホルダ部材に対して位置決めされる。従って、ケースを精度良く位置決めできる。
本発明を適用したアクチュエータをZ2方向およびZ1方向から見た斜視図である。 アクチュエータを長手方向に切断した場合の断面図(図1のA-A位置で切断した断面図)である。 アクチュエータを長手方向と直交する方向に切断した場合の断面図(図1のB-B位置で切断した断面図)である。 Z2方向から見た可動体の分解斜視図である。 Z1方向から見た可動体の分解斜視図である。 コイル組の斜視図である。 コイル組の分解斜視図である。 第1ホルダ部材、第2ホルダ部材、コイル、および第1プレートを組み立てた組立体と第2プレートの分解斜視図である。 第1ホルダ部材、第2ホルダ部材、コイル、および第1プレートを組み立てた組立体の平面図である。 第1プレートと第2プレートの固定構造の説明図であり、第1突出部と第2突出部を折り曲げる前の状態を示す斜視図である。 第1プレートと第2プレートの固定構造の説明図であり、第1突出部と第2突出部をX方向に曲げてZ方向に当接させた状態を示す斜視図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したアクチュエータの実施形態を説明する。
(全体構成)
図1(a)は、本発明を適用したアクチュエータ1をZ2方向から見た斜視図である。図1(b)は、本発明を適用したアクチュエータ1をZ1方向から見た斜視図である。図2は、アクチュエータ1を長手方向に切断した場合の断面図であり、図1のA-A位置で切断した断面図である。図3は、アクチュエータ1を長手方向と直交する方向に切断した場合の断面図であり、図1のB-B位置で切断した断面図である。
アクチュエータ1は、振動によって情報を伝達する触覚デバイスとして用いられる。図1(a)、図1(b)に示すように、アクチュエータ1の外形は直方体形状である。アクチュエータ1は、その外形の短手方向に振動を発生させる。以下の説明では、振動が発生する短手方向をX方向(第2方向)、アクチュエータ1の長手方向であってX方向と直交
する方向をY方向(第3方向)とし、アクチュエータ1の厚み方向(高さ方向)であって、X方向およびY方向と直交する方向をZ方向(第1方向)とする。また、X方向の一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。Y方向の一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。Z方向の一方側をZ1方向、他方側をZ2方向とする。
図1、図2、図3に示すように、アクチュエータ1は、外形を規定するケース2を備える支持体3と、ケース2の内部に収容される可動体5を有する。また、アクチュエータ1は、支持体3と可動体5とを接続する接続体4と、可動体5を支持体3に対してX方向に相対移動させる磁気駆動回路6(図2、図3参照)を備える。
(支持体)
図2、図3に示すように、支持体3は、コイル10と、コイル10のZ1方向に重ねられた第1プレート11と、コイル10のZ2方向に重ねられた第2プレート12を備える。第1プレート11および第2プレート12は、非磁性の金属からなる。コイル10は、ケース2のZ方向の中央に位置する。コイル10は扁平な空芯コイルであり、その厚み方向をZ方向に向けている。コイル10は、Y方向に長い長円状であり、Y方向に平行に延びる一対の長辺部10a、10b(図3、図7参照)を備える。一対の長辺部10a、10bの間には、Y方向に延びる中心穴10cが設けられている。また、コイル10は、長辺部10a、10bのY1側の端部を接続する円弧部10dと、長辺部10a、10bのY2側の端部を接続する円弧部10eを備える(図7、図8参照)。
図2に示すように、支持体3は、コイル10のY1側に配置される第1ホルダ部材15と、コイル10のY12側に配置される第2ホルダ部材16を備える。第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16は、樹脂からなる。第1ホルダ部材15は、第1プレート11と第2プレート12の間に配置される第1コイル保持部151と、第1コイル保持部151のY1側の端からZ1方向およびZ2方向へ延びる第1側板部152を備える。第2ホルダ部材16は、第1プレート11と第2プレート12の間に配置される第2コイル保持部161と、第2コイル保持部161のY1側の端からZ1方向およびZ2方向へ延びる第2側板部162を備える。コイル10は、第1コイル保持部151と第2コイル保持部161の間に配置される。
第1ホルダ部材15には、給電基板14が固定される。本形態では、給電基板14はフレキシブルプリント基板である。なお、給電基板14は、リジッド基板であってもよい。コイル10は、Y1方向に引き出される2本のコイル線(図示せず)を備えており、コイル線は、給電基板14の表面に設けられた配線パターンに接続される。コイル10には、給電基板14を介して、電力が供給される。
アクチュエータ1を組み立てる際、コイル10、第1プレート11、第2プレート12、第1ホルダ部材15、および第2ホルダ部材16を組み立てたコイル組30(図5参照)を構成する。そして、コイル組30を囲むように可動体5を組み立てるとともに、可動体5とコイル組30とを接続体4によって接続する。しかる後に、コイル組30および可動体5をケース2に収容する。
図1、図2、図3に示すように、ケース2は、Z方向に重ねられた第1ケース部材31および第2ケース部材32を備える。第1ケース部材31は、Z1方向から第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16に組み付けられている。第2ケース部材32は、Z2方向から第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16に組み付けられている。
(可動体)
可動体5は、磁石7およびヨーク8を備える。図2、図3に示すように、磁石7は、コ
イル10とZ方向で対向する。コイル10と磁石7とは、磁気駆動回路6を構成する。可動体5は、磁石7として、第1磁石71および第2磁石72を備える。第1磁石71は、コイル10のZ1方向に位置する。第2磁石72は、コイル10のZ2方向に位置する。第1磁石71および第2磁石72は、X方向で2つに分極されている。図3に示すように、可動体5と支持体3とを組み立てると、コイル10の長辺部10a、10bには、Z1方向で第1磁石71が対向し、Z2方向で第2磁石72が対向する。
図4は、Z2方向から見た可動体5の分解斜視図である。図5は、Z1方向から見た可動体5の分解斜視図である。本形態では、ヨーク8は磁性材料からなる。図2-図5に示すように、ヨーク8は、第1ヨーク81および第2ヨーク82を備える。第1ヨーク81は、コイル10にZ1方向から重なる第1内側部材83と、第1内側部材83にZ1方向から重なる第1外側部材84を備える。第2ヨーク82は、コイル10にZ1方向から重なる第2内側部材85と、第2内側部材85にZ1方向から重なる第2外側部材86を備える。
図4、図5に示すように、第1外側部材84は、Y方向に長い第1平板部841と、第1平板部841のX方向の両端のY方向の中央部分からZ2方向に延びる一対の第1連結板部842を備える。第1平板部841のY方向の両端には、第1連結板部842のY方向の両側に配置される一対の接続体固定部843が設けられている。各接続体固定部843のX方向の両側の端には、Z2方向に屈曲した立ち上がり部844が設けられている。図2に示すように、一対の接続体固定部843のそれぞれは、第1接続体9Aを介して第1プレート11に接続される。
第1内側部材83は、Y方向に長い磁石固定部831と、磁石固定部831のX方向の両端からZ2方向に屈曲した一対の立ち上がり部832を備える。磁石固定部831は、第1平板部841のZ1側の面に固定される。すなわち、本形態では、第1平板部841および磁石固定部831が、第1プレート11に対してZ1方向から対向する第1対向部を構成している。図3に示すように、一対の立ち上がり部832は、一対の第1連結板部842の内側に配置され、磁石固定部831に固定される第1磁石71のX方向の両側を囲う。
図4、図5に示すように、第1内側部材83は、磁石固定部831のY方向の両端をY方向の中央へ向かって切り欠いた一対の切欠き部833を備える。各切欠き部833はX方向に長い矩形状であり、磁石固定部831のY方向の中央に設けられている。図2に示すように、第1磁石71のY1側に配置される第1接続体9A、および、第1磁石71のY2側に配置される第1接続体9Aは、それぞれ、切欠き部833に配置される。
図4、図5に示すように、第2外側部材86は、Y方向に長い第2平板部861と、第2平板部861のX方向の両端のY方向の中央部分からZ1方向に延びる一対の第2連結板部862を備える。第2平板部861のY方向の両端には、第2連結板部862の両側に配置される一対の接続体固定部863が設けられている。各接続体固定部863のX方向の両側の端には、Z1方向に屈曲した立ち上がり部864が設けられている。図2に示すように、一対の接続体固定部863のそれぞれは、第2接続体9Bを介して第2プレート12に接続される。
第2内側部材85は、Y方向に長い磁石固定部851と、磁石固定部851のX方向の両端からZ2方向に屈曲した一対の立ち上がり部852を備える。磁石固定部851は、第2平板部861のZ2側の面に固定される。すなわち、本形態では、第2平板部861および磁石固定部851が、第2プレート12に対してZ2方向から対向する第2対向部を構成している。図3に示すように、一対の立ち上がり部852は、一対の第2連結板部
862の内側に配置され、磁石固定部851に固定される第2磁石71のX方向の両側を囲う。
図4、図5に示すように、第2内側部材85は、磁石固定部851のY方向の両端をY方向の中央へ向かって切り欠いた一対の切欠き部853を備える。各切欠き部853はX方向に長い矩形状であり、磁石固定部851のY方向の中央に設けられている。図2に示すように、第2磁石71のY1側に配置される第2接続体9B、および、第2磁石71のY2側に配置される第2接続体9Bは、それぞれ、切欠き部853に配置される。
第1ヨーク81は、第1内側部材83と第1外側部材84とを溶接により接合して組み立てられている。また、第2ヨーク82は、第2内側部材85と第2外側部材86とを溶接により接合して組み立てられている。ヨーク8は、第1ヨーク81の一対の第1連結板部842の内側に、第2ヨーク82の一対の第2連結板部862を圧入して固定することにより、コイル10に重ねられた第1プレート11および第2プレート12の外周側を囲む形状に組み立てられている。
(接続体)
図2に示すように、接続体4は、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bを備える。第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、X方向に長い直方体形状である。第1接続体9Aは、コイル10のZ1側に位置する。第2接続体9Bは、コイル10のZ2側に位置する。第1接続体9Aは、第1磁石71のY1側およびY2側の2箇所に配置されており、同一形状の2部材からなる。第2接続体9Bは、第2磁石72のY1側およびY2側の2箇所に配置されており、同一形状の2部材からなる。第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、それぞれ、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備える。
第1接続体9Aは、第1ヨーク81と第1プレート11との間に配置される。第1接続体9Aは、第1ヨーク81のY1方向の端部分、および第1ヨーク81のY2方向の端部分に設けられた2箇所の切欠き部833に配置される。Y1側の第1接続体9Aは、第1外側部材84のY1方向の端に設けられた接続体固定部843と第1プレート11のY1方向の端部分との間に挟まれている。Y2側の第1接続体9Aは、第1外側部材84のY2方向の端に設けられた接続体固定部843と第1プレート11のY2方向の端部分との間の2か所に挟まれている。第1接続体9Aは、接続体固定部843と第1プレート11との間でZ方向に圧縮されている。
第2接続体9Bは、第2ヨーク82と第2プレート12との間に配置される。第2接続体9Bは、第2ヨーク82のY1方向の端部分、および第2ヨーク82のY2方向の端部分に設けられた2箇所の切欠き部853に配置される。Y1側の第2接続体9Bは、第2外側部材86のY1方向の端に設けられた接続体固定部863と第2プレート12のY1方向の端部分との間に挟まれている。Y2側の第2接続体9Bは、第2外側部材86のY2方向の端に設けられた接続体固定部863と第2プレート12のY2方向の端部分との間の2か所に挟まれている。第2接続体9Bは、接続体固定部863と第2プレート12との間でZ方向に圧縮されている。
本形態では、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、シリコーンゲルからなるゲル状部材である。シリコーンゲルは、伸縮方向に変形する際のばね定数が、せん断方向に変形する際のばね定数の3倍程度になる粘弾性体である。粘弾性体は、厚さ方向と交差する方向(せん断方向)に変形する場合、引っ張られて伸びる方向の変形であるため、非線形の成分よりも線形の成分が大きい変形特性を備える。また、厚さ方向に押圧されて圧縮変形する際は、線形の成分よりも非線形の成分が大きい伸縮特性を備える一方、厚さ方向に引っ張られて伸びる場合は、非線形の成分よりも線形の成分が大きい伸縮特性を備える。
あるいは、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bとして、天然ゴム、ジエン系ゴム(例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等)、非ジエン系ゴム(例えば、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)、熱可塑性エラストマー等の各種ゴム材料及びそれらの変性材料を用いてもよい。
(コイル組)
図6は、コイル組30の斜視図である。図7は、コイル組30の分解斜視図である。図8は、第1ホルダ部材15、第2ホルダ部材16、コイル10、および第1プレート11を組み立てた組立体と第2プレート12の分解斜視図であり、コイル組30を組み立てる途中の状態を示す斜視図である。図9は、第1ホルダ部材15、第2ホルダ部材16、コイル10、および第1プレート11を組み立てた組立体の平面図である。上記のように、支持体3は、第1ホルダ部材15、第2ホルダ部材16、コイル10、第1プレート11、および第2プレート12を組み立てたコイル組30を備える。
コイル組30を組み立てる際には、以下の手順により行う。まず、第1ホルダ部材15の第1コイル保持部151、および、第2ホルダ部材16の第2コイル保持部161にZ1側から第1プレート11を組み付ける。次に、第1コイル保持部151と第2コイル保持部161の間にコイル10を配置するとともに、第1ホルダ部材15に給電基板14を固定し(図8、図9参照)、給電基板14をコイル10に接続する。しかる後に、コイル10の中心穴10cに接着剤を充填し、Z2側から第2プレート12を組み付ける。図2、図3に示すように、コイル10の中心穴10cには、接着剤が硬化した接着剤層13が形成される。これにより、コイル組30が完成する。
(ホルダ部材)
図7、図8に示すように、第1ホルダ部材15は、第1コイル保持部151のY2方向の端部に設けられた円弧状凹部153を備える。円弧状凹部153には、コイル10のY1方向の端部に設けられた円弧部10dが配置される。第1ホルダ部材15において、第1コイル保持部151および第1側板部152のX方向の中央部分には、Z1方向に凹んだ第1凹部154が設けられている。
給電基板14は、第1凹部154においてY方向に延びる第1基板部分141と、第1基板部分141からZ1方向に屈曲して第1側板部152に沿ってZ方向に延びる第2基板部分142を備える。第1基板部分141および第2基板部分142は、それぞれ、補強板143を介して第1コイル保持部151および第1側板部152に固定される(図2参照)。
第2ホルダ部材16は、第2コイル保持部161のY1方向の端部に設けられた円弧状凹部163を備える。円弧状凹部163には、コイル10のY2方向の端部に設けられた円弧部10eが配置される。第2ホルダ部材16において、第2コイル保持部161および第2側板部162のX方向の中央部分には、Z1方向に凹んだ第2凹部164が設けられている。本形態では、コイル10のX方向およびY方向の位置は、第1コイル保持部151の円弧状凹部153、および、第2コイル保持部161の円弧状凹部163によって規制される。
第1コイル保持部151には、第1凹部154のX方向の両側においてY方向に延びる受け面155が設けられている。また、第2コイル保持部161には、第2凹部164のX方向の両側においてY方向に延びる受け面165が設けられている。受け面155、1
65には、第2プレート12がZ2方向から当接する。本形態では、コイル10のZ2方向の表面よりも受け面155、165の方がZ2方向に位置する。
第1ホルダ部材15において、第1側板部152は、Y1方向の側面から突出する第1凸部156を備える。第1凸部156は、第1凹部154のX方向の両側においてX方向に延びている。また、第2ホルダ部材16において、第2側板部162は、Y1方向の側面から突出する第2凸部166を備える。第2凸部166は、第2凹部164のX方向の両側においてX方向に延びている。図1(a)、図1(b)に示すように、ケース2を組み立てる際、第1ケース部材31は、第1凸部156および第2凸部166に対してZ1方向から当接する。また、第2ケース部材32は、第1凸部156および第2凸部166に対してZ2方向から当接する。従って、第1側板部152の第1凸部156、および、第2側板部162の第2凸部166は、ケース2をZ方向に位置決めする位置決め部として機能している。
図2に示すように、第1側板部152は、ヨーク8に対してY1方向から対向する。また、第2側板部162は、ヨーク8に対してY2方向から対向する。従って、第1側板部152および第2側板部162は、アクチュエータ1に落下等による衝撃が加わった際、可動体5のY方向の移動を規制する。
(プレート)
図2、図3、図7に示すように、第1プレート11は、コイル10にZ1側から重なる第1板部111と、第1板部111のX方向の両端からZ2方向に屈曲した第1曲げ部112を備える。第1曲げ部112は、第1プレート11のY方向の中央部分に設けられており、各第1曲げ部112のY1側およびY2側には、第1板部111からZ2方向に屈曲した第1固定部113が設けられている。さらに、第1板部111のY方向の両側の縁には、Z1方向に屈曲した第1折り曲げ部114が設けられている。
図2、図3、図7に示すように、第2プレート12は、コイル10にZ2側から重なる第2板部121と、第2板部121のX方向の両端からZ1方向に屈曲した第2曲げ部122を備える。第2曲げ部122は、第2プレート12のY方向の中央部分に設けられており、各第2曲げ部122のY1側およびY2側には、第2板部121からZ1方向に屈曲した第2固定部123が設けられている。さらに、第2板部121のY方向の両側の縁には、Z2方向に屈曲した第2折り曲げ部124が設けられている。
図7に示すように、第1プレート11の第1固定部113と、第2プレート12の第2固定部123は、Z方向の高さが略同一であるとともに、Y方向の長さおよび位置が略同一である。一方、第1プレート11の第1曲げ部112と、第2プレート12の第2曲げ部122は、Z方向の高さが第1固定部113および第2固定部123よりも低い。第2プレート12において、第2固定部123は第2曲げ部122のY方向の両端に連続している。一方、第1プレート11では、第1固定部113と第1曲げ部112のX方向の位置が異なっており、第1固定部113の方が第1曲げ部112よりも第1プレート11のX方向の中央に近い位置に配置される(図9参照)。
従って、図6に示すように、第1プレート11と第2プレート12を第1コイル保持部151および第2コイル保持部161に対してZ方向の両側から組み付けた状態では、第2プレート12のY方向の両端に設けられた2箇所の第2固定部123の間に第1プレート11の第1曲げ部112が配置され、第1曲げ部112の先端と第2曲げ部122の先端とがZ方向に対向する。これにより、図3に示すように、第1曲げ部112と第2曲げ部122は、コイル10の長辺部10a、10bを覆う。なお、本形態では、コイル10と第1曲げ部112および第2曲げ部122との間にはX方向の隙間があるが、コイル1
0と第1曲げ部112および第2曲げ部122がX方向に接触していてもよい。
第1プレート11および第2プレート12のY方向の両端部においては、コイル10の円弧部10dのX方向の両側、および、円弧部10eのX方向の両側の4箇所において、それぞれ、第1プレート11の第1固定部113の外側に第2プレート12の第2固定部123が重なる。上記のように、第1固定部113は、第1曲げ部112よりも第1プレート11のX方向の中央に近い位置に配置されているが、第1固定部113は長辺部10a、10bのX方向の外側でなく円弧部10d、10eのX方向の外側に配置されているため、コイル10とは接触しない。
図7に示すように、第1プレート11に設けられた4箇所の第1固定部113には、それぞれ、Z1方向に切り欠いた矩形の第1切欠き部115、および、第1固定部113と第1板部111とが繋がる角部まで拡がる第1開口部116がY方向に並んで設けられている。第1開口部116のZ2方向の縁の中央には、Z1方向に延びる第1突出部117が設けられている。また、第2プレート12に設けられた4箇所の第2固定部123には、それぞれ、Z2方向に切り欠いた矩形の第2切欠き部125、および、第2固定部123と第2板部121とが繋がる角部まで拡がる第2開口部126がY方向に並んで設けられている。第2開口部126のZ1方向の縁の中央には、Z2方向に延びる第2突出部127が設けられている。
図6に示すように、第1プレート11と第2プレート12を第1コイル保持部151および第2コイル保持部161に対してZ方向の両側から組み付けた状態では、第1固定部113の第1切欠き部115と第2固定部123の第2切欠き部125が重なる。図7、図9に示すように、第1コイル保持部151のX方向の両側の側面からは、爪部157が突出しており、第2コイル保持部161のX方向の両側の側面からは、爪部167が突出している。2箇所の爪部157は、それぞれ、第1切欠き部115および第2切欠き部125に嵌合しており、第1切欠き部115および第2切欠き部125のY1側の縁に爪部157のY1側の端面が当接する。同様に、2箇所の爪部167は、それぞれ、第1切欠き部115および第2切欠き部125に嵌合しており、第1切欠き部115および第2切欠き部125のY2側の縁に爪部167のY2側の端面が当接する。これにより、第1コイル保持部151および第2コイル保持部161は、第1プレート11と第2プレート12の間から抜けなくなり、第1プレート11と第2プレート12によってY方向に離間した位置に保持される。
第1コイル保持部151に設けられた爪部157は、Y1方向に向かうにしたがってX方向の突出寸法が増大するテーパ形状である。従って、先に第1プレート11と第2プレート12をコイル10に対してZ方向に重ねた状態に組み立てておき、しかる後に、第1板部111と第2板部121の間に第1コイル保持部151をY1方向から挿入する手順で組み立てることも可能である。この場合、爪部157のX方向の側面が傾斜面であるため、第1固定部113および第2固定部123を爪部157の傾斜面に沿ってX方向に撓ませながら第1コイル保持部151を挿入し、爪部157を第1切欠き部115および第2切欠き部125に係止することができる。
同様に、第2コイル保持部161に設けられた爪部167は、Y2方向に向かうにしたがってX方向の突出寸法が増大するテーパ形状である。従って、先に第1プレート11と第2プレート12をコイル10に対してZ方向に重ねた状態に組み立てておき、しかる後に、第1板部111と第2板部121の間に第2コイル保持部161をY2方向から挿入する手順で組み立てることも可能である。この場合、爪部167のX方向の側面が傾斜面であるため、第1固定部113および第2固定部123を爪部167の傾斜面に沿ってX方向に撓ませながら第2コイル保持部161を挿入し、爪部167を第1切欠き部115
および第2切欠き部125に係止することができる。
図10、図11は、第1プレート11と第2プレート12の固定構造の説明図である。図10は、第1突出部117と第2突出部127を折り曲げる前の状態を示す斜視図である。図11は、第1突出部117と第2突出部127をX方向に曲げてZ方向に当接させた状態を示す斜視図である。図7に示すように、第1プレート11と第2プレート12を組み立てる前の状態では、第1突出部117と第2突出部127は曲げられておらず、Z方向に延びている。図6に示すように、第1プレート11と第2プレート12を第1ホルダ部材15と第2ホルダ部材16に対してZ方向の両側から組み付けると、4箇所の第1固定部113は、それぞれ、第2固定部123と重なる。
このとき、図10に示すように、第1固定部113の第1開口部116と第2固定部123の第2開口部126とが重なり、第1突出部117と第2突出部127とが重なる。第1突出部117と第2突出部127とが重なり合った部分を治具によって内側に向かって押圧することにより、図11に示すように、第1突出部117の先端をX方向に屈曲させた第1折り曲げ部118が形成されるとともに、第2突出部127の先端をX方向に屈曲させた第2折り曲げ部128が形成されて、第1折り曲げ部118と第2折り曲げ部128とがZ方向に当接した状態が形成される。これにより、第1プレート11と第2プレート12がZ方向に係止され、第1プレート11から第2プレート12が外れなくなる。
第1開口部116および第2開口部126は、コイル10の円弧部10d、10eのX方向の両側に配置される。従って、第1突出部117および第2突出部127を内側に曲げたとき、円弧部10d、10eの外周面に第1折り曲げ部118および第2折り曲げ部128の先端が当たることがないので、コイル組30の組立時にコイル10が損傷することを避けることができる。
図7、図9に示すように、第2ホルダ部材16において、第2側板部162のY1側の表面からは、第2コイル保持部161を囲むように第2段部168がY1方向に突出している。同様に、第1ホルダ部材15において、第1側板部152のY2側の表面からは、第1コイル保持部151を囲むように第1段部158がY2方向に突出している。
図6、図7に示すように、第1プレート11のY2方向の端部において、第1固定部113は、第1切欠き部115に対してY2方向で隣り合う位置においてZ2方向に延びる第1端部119を備える。第1プレート11に対してZ2側から第2ホルダ部材16を組み付けると、第1切欠き部115に爪部167が配置され、爪部167と第2段部168との隙間に第1端部119が嵌まる。第1端部119の幅は、爪部167と第2段部168との隙間に第1端部119が軽圧入される状態となる寸法である。
第1プレート11のY1方向の端部に設けられた第1固定部113においても、同様に、第1切欠き部115に対してY1方向で隣り合う位置においてZ2方向に延びる第1端部119が設けられている。第1ホルダ部材15の爪部157が第1切欠き部115に配置されると、爪部157と第1段部158との隙間には第1端部119が軽圧入される。
第2プレート12のY2方向の端部、および、Y1方向の端部に設けられた第2固定部123においても、同様に、第2切欠き部125に対して隣り合う位置に第2端部129が設けられている。第2プレート12のY2方向の端部に設けられた第2端部129は、第1端部119に重なり、爪部167と第2段部168との隙間に軽圧入される。第2プレート12のY1方向の端部に設けられた第2端部129は、第1端部119に重なり、爪部157と第1段部158との隙間に軽圧入される。これにより、第1プレート11および第2プレート12に対して、第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16がY方向
に位置決めされる。
(アクチュエータの動作)
給電基板14を介してコイル10に所定方向の電流が供給されると、支持体3に支持された可動体5は、磁気駆動回路6の駆動力により、支持体3に対してX方向の一方側に相対移動する。その後、電流の向きが反転すると、可動体5は、支持体3に対してX方向の他方側に相対移動する。コイル10に供給される電流の向きの反転が繰り返されることにより、可動体5は振動する。可動体5がX方向に振動するとき、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bはせん断方向に変形する。
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のアクチュエータ1は、可動体5と、可動体5を収容するケース2を備える支持体3と、可動体5および支持体3に接続される接続体4と、コイル10およびコイル10にZ方向(第1方向)で対向する磁石7を備え、可動体5を支持体3に対してX方向(第2方向)に振動させる磁気駆動回路6を有する。支持体3は、コイル10に対してY1方向(第3方向の一方側)に配置される第1コイル保持部151、および、第1コイル保持部151のY1方向の端からZ方向へ延びる第1側板部152を備える樹脂製の第1ホルダ部材15と、コイル10に対してY2方向(第3方向の他方側)に配置される第2コイル保持部161、および、第2コイル保持部161のY2方向の端からZ方向へ延びる第2側板部162を備える樹脂製の第2ホルダ部材16を備える。また、支持体3は、コイル10、第1コイル保持部151、および第2コイル保持部161にZ1方向(第1方向の一方側)から重なる金属製の第1プレート11と、コイル10、第1コイル保持部151、および第2コイル保持部161にZ2方向(第1方向の他方側)から重なる金属製の第2プレート12を備える。第1コイル保持部151および第2コイル保持部161に対して、第1プレート11および第2プレート12が位置決めされ、第1側板部152および第2側板部162に対して、ケース2が位置決めされる。
本形態では、コイルを保持する樹脂部品(従来のコイルホルダ)を2部材に分割することにより、従来は樹脂で囲まれていたコイル10のX方向の両側が樹脂で囲まれていない。従って、コイル組30のX方向の寸法を大型化させることなく、コイル10を大型化させることができる。これにより、磁気駆動回路6は大きな駆動力を発生させることができるので、アクチュエータ1は、大きな振動を出力できる。また、ケース2、第1プレート11、および第2プレート12は、いずれも第1ホルダ部材15と第2ホルダ部材16に対して位置決めされる。従って、ケース2を精度良く位置決めできる。また、第1プレート11および第2プレート12を介して、コイル10を精度良く位置決めできる。
本形態では、第1プレート11は、コイル10、第1コイル保持部151、および第2コイル保持部161にZ1方向から重なる第1板部111と、第1板部111のX方向の端からZ2方向へ屈曲する第1曲げ部112を備える。第2プレート12は、コイル10、第1コイル保持部151、および第2コイル保持部161にZ2方向から重なる第2板部121と、第2板部121のX方向の端からZ1方向(第1方向の一方側)へ屈曲する第2曲げ部122を備え、第1曲げ部112と第2曲げ部122は、コイル10のX方向の側面を覆う。このように、Y方向に延びる曲げ部を設けることにより、Y方向の曲げに対する剛性が高まる。従って、第1プレート11および第2プレート12の剛性を高めることができる。また、第1曲げ部112と第2曲げ部122によってコイル10の振動方向(X方向)の側面を覆うことができるため、コイル10が可動体5に衝突して損傷することを防止できる。
本形態では、第1プレート11は、第1板部111のY方向(第3方向)の両端におけるX方向の両側の縁からZ2方向へ屈曲する第1固定部113を備える。第2プレート1
2は、第2板部121のY方向の両端におけるX方向の両側の縁からZ1方向へ屈曲する第2固定部123を備える。第1コイル保持部151のX方向の両側の側面に爪部157が設けられ、第2コイル保持部161のX方向の両側の側面に爪部167が設けられている。第1コイル保持部151のX方向の両側、および、第2コイル保持部161のX方向の両側の4箇所において、第1固定部113に設けられた第1切欠き部115と第2固定部123に設けられた第2切欠き部125がX方向に重なる。X方向に重なり合った4箇所の第1切欠き部115および第2切欠き部125には、それぞれ、爪部157または爪部167が係止される。これにより、第1プレート11および第2プレート12の間から第1コイル保持部151および第2コイル保持部161が抜けなくなり、第1ホルダ部材15と第2ホルダ部材16とがY方向に位置決めされる。また、爪部157、167を介して、第1プレート11と第2プレート12をY方向に位置決めすることができる。さらに、溶接や固定部品を用いずにコイル組30を組み立てることができる。
本形態では、第1固定部113に設けられた第1開口部116のZ2方向の縁には、Z1方向へ延びてから第1板部111のX方向の中央へ向かって屈曲した第1折り曲げ部118が設けられている。第2固定部123に設けられた第2開口部126のZ1方向の縁には、Z2方向へ延びてから第2板部121のX方向の中央へ向かって屈曲した第2折り曲げ部128が設けられている。コイル組30を組み立てる際、第1折り曲げ部118に対して第2折り曲げ部128がZ2方向から当接するように組み立てており、これによって第1プレート11に対して第2プレート12がZ方向に係止される。このような係止構造を採用したことにより、本形態では、第1開口部116と第2開口部126とが重なるように第1プレート11と第2プレート12を位置決めし、外部から治具によって第1開口部116の縁と第2開口部126の縁を押圧して第1折り曲げ部118と第2折り曲げ部128を形成する方法でコイル組30を組み立てることができる。従って、コイル組30の組立作業が容易である。また、このような固定構造はプレートの所定位置に開口部を形成するだけで可能となるので、部品の製造が容易である。
本形態では、第1コイル保持部151に設けられた爪部157は、Y1方向へ向かうに従ってX方向の突出寸法が増大するテーパ形状である。また、第2コイル保持部161に設けられた爪部167は、Y2方向へ向かうに従ってX方向の突出寸法が増大するテーパ形状である。このように、爪部157、167をテーパ形状にすることにより、先に第1プレート11と第2プレート12を組み立てておき、爪部157、167に設けられた傾斜面によって第1プレート11の第1固定部113と第2プレート12の第2固定部123を押圧して撓ませながら、第1コイル保持部151と第2コイル保持部161を第1プレート11と第2プレート12の間に挿入して、コイル組30を組み立てる組立方法を採用することが可能となる。
本形態では、第1プレート11は、第1板部111のY方向(第3方向)の両側の縁からZ1方向(第1方向の一方側)へ延びる第1立ち上がり部を備え、第2プレート12は、第2板部121のY方向(第3方向)の両側の縁からZ2方向(第1方向の他方側)へ延びる第2立ち上がり部を備える。このように、Y方向に延びる立ち上がり部を設けることにより、X方向の曲げに対する第1プレート11および第2プレート12の剛性を高めることができる。
本形態では、可動体5は、磁石7を保持するヨーク8を備える。ヨーク8は、第1プレート11に対してZ1方向から対向する第1対向部(第1平板部841および磁石固定部831)、第2プレート12に対してZ2方向から対向する第2対向部(第2平板部861および磁石固定部851)、および、コイル10のX方向(第2方向)の両側に配置される一対の接続部(第1連結板部842および第2連結板部862)を備える。第1側板部152は、ヨーク8にY1方向から対向し、第2側板部162は、ヨーク8にY2方向
から対向する。このように、コイル組30のY方向の中央部分の周りを囲むヨーク8に対して、第1側板部152と第2側板部162がY方向の両側から対向するように構成されているので、落下などの衝撃が加わった際、第1側板部152と第2側板部162が可動体5のY方向(第3方向)の移動を規制するストッパとして機能する。従って、落下などの衝撃によるアクチュエータ1の破壊を抑制できる。
本形態では、接続体4は、第1対向部(第1平板部841の接続体固定部843)と第1プレート11とを接続する第1接続体9Aと、第2対向部(第2平板部861の接続体固定部863)と第2プレート12とを接続する第2接続体9Bを備える。このようにすると、ヨーク8の内側に接続体4を配置してコイル組30とヨーク8とを接続できるので、ケース2とヨーク8との隙間に接続体4を配置するスペースを確保する必要がない。従って、アクチュエータのZ方向(第1方向)の寸法を小さくすることができる。
(他の実施形態)
本形態では、磁石7として第1磁石71と第2磁石72を備えているが、第1磁石71と第2磁石72の一方のみを備えている構成であってもよい。また、接続体4として、第1接続体9Aと第2接続体9Bの一方のみが設けられている構成を採用することができる。さらに、ヨーク8は、内側部材と外側部材を積層して構成されているが、外側部材のみでヨーク8を構成する構成を採用してもよい。
1…アクチュエータ、2…ケース、3…支持体、4…接続体、5…可動体、6…磁気駆動回路、7…磁石、8…ヨーク、9A…第1接続体、9B…第2接続体、10…コイル、10a、10b…長辺部、10c…中心穴、10d、10e…円弧部、11…第1プレート、12…第2プレート、13…接着剤層、14…給電基板、15…第1ホルダ部材、16…第1ホルダ部材、30…コイル組、31…第1ケース部材、32…第2ケース部材、71…第1磁石、72…第2磁石、81…第1ヨーク、82…第2ヨーク、83…第1内側部材、84…第1外側部材、85…第2内側部材、86…第2外側部材、111…第1板部、112…第1曲げ部、113…第1固定部、114…第1立ち上がり部、115…第1切欠き部、116…第1開口部、117…第1突出部、118…第1折り曲げ部、119…第1端部、121…第2板部、122…第2曲げ部、123…第2固定部、124…第2立ち上がり部、125…第2切欠き部、126…第2開口部、127…第2突出部、128…第2折り曲げ部、129…第2端部、141…第1基板部分、142…第2基板部分、143…補強板、151…第1コイル保持部、152…第1側板部、153…円弧状凹部、154…第1凹部、155…受け面、156…第1凸部、157…爪部、158…第1段部、161…第2コイル保持部、162…第2側板部、163…円弧状凹部、164…第2凹部、165…受け面、166…第2凸部、167…爪部、168…第2段部、831…磁石固定部、832…立ち上がり部、833…切欠き部、841…第1平板部、842…第2連結板部、843…接続体固定部、844…立ち上がり部、851…磁石固定部、852…立ち上がり部、853…切欠き部、861…第2平板部、862…第2連結板部、863…接続体固定部、864…立ち上がり部

Claims (9)

  1. 可動体と、
    前記可動体を収容するケースを備える支持体と、
    前記可動体および前記支持体に接続される接続体と、
    コイルおよび前記コイルに第1方向で対向する磁石を備え、前記可動体を前記支持体に対して前記第1方向に交差する第2方向に振動させる磁気駆動回路と、を有し、
    前記支持体は、
    前記コイルに対して前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向の一方側に配置される第1コイル保持部、および、前記第1コイル保持部の前記第3方向の一方側の端から前記第1方向へ延びる第1側板部を備える樹脂製の第1ホルダ部材と、
    前記コイルに対して前記第3方向の他方側に配置される第2コイル保持部、および、前記第2コイル保持部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向へ延びる第2側板部を備える樹脂製の第2ホルダ部材と、
    前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の一方側から重なる金属製の第1プレートと、
    前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の他方側から重なる金属製の第2プレートと、を備え、
    前記第1コイル保持部および前記第2コイル保持部に対して、前記第1プレートおよび前記第2プレートが位置決めされ、
    前記第1側板部および前記第2側板部に対して、前記ケースが位置決めされることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記第1プレートは、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の一方側から重なる第1板部と、前記第1板部の前記第2方向の端から前記第1方向の他方側へ屈曲する第1曲げ部を備え、
    前記第2プレートは、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の他方側から重なる第2板部と、前記第2板部の前記第2方向の端から前記第1方向の一方側へ屈曲する第2曲げ部を備え、
    前記第1曲げ部と前記第2曲げ部は、前記コイルの前記第2方向の側面を覆うことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記第1プレートは、前記第1板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の他方側へ屈曲する第1固定部を備え、
    前記第2プレートは、前記第2板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の一方側へ屈曲する第2固定部を備え、
    前記第1コイル保持部の第2方向の両側の側面、および、前記第2コイル保持部の第2方向の両側の側面の4箇所に爪部が設けられ、
    前記第1コイル保持部の前記第2方向の両側、および、前記第2コイル保持部の前記第2方向の両側の4箇所において、前記第1固定部に設けられた第1切欠き部と前記第2固定部に設けられた第2切欠き部が第2方向に重なり、且つ、前記第1切欠き部および前記第2切欠き部に前記爪部が係止されることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記第1コイル保持部に設けられた前記爪部は、前記第3方向の一方側へ向かうに従って前記第2方向の突出寸法が増大するテーパ形状であり、
    前記第2コイル保持部に設けられた前記爪部は、前記第3方向の他方側へ向かうに従って前記第2方向の突出寸法が増大するテーパ形状であることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記第1固定部に設けられた第1開口部の前記第1方向の他方側の縁には、前記第1方向の一方側へ延びてから前記第1板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第1折り曲げ部が設けられ、
    前記第2固定部に設けられた第2開口部の前記第1方向の一方側の縁には、前記第1方向の他方側へ延びてから前記第2板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第2折り曲げ部が設けられ、
    前記第1折り曲げ部に前記第2折り曲げ部が前記第1方向の他方側から当接することにより、前記第1プレートに対して前記第2プレートが前記第1方向に係止されることを特徴とする請求項3または4に記載のアクチュエータ。
  6. 前記第1プレートは、前記第1板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の他方側へ屈曲した第1固定部を備え、
    前記第2プレートは、前記第2板部の前記第3方向の両端における前記第2方向の両側の縁から前記第1方向の一方側へ屈曲した第2固定部を備え、
    前記第1固定部に設けられた第1開口部の前記第1方向の他方側の縁には、前記第1方向の一方側へ延びてから前記第1板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第1折り曲げ部が設けられ、
    前記第2固定部は前記第1固定部と前記第2方向に重なり、
    前記第2固定部に設けられた第2開口部の前記第1方向の一方側の縁には、前記第1方向の他方側へ延びてから前記第2板部の前記第2方向の中央へ向かって屈曲した第2折り曲げ部が設けられ、
    前記第1折り曲げ部に前記第2折り曲げ部が前記第1方向の他方側から当接することにより、前記第1プレートに対して前記第2プレートが前記第1方向に係止されることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  7. 前記第1プレートは、前記第1板部の前記第3方向の両側の縁から前記第1方向の一方側へ延びる第1立ち上がり部を備え、
    前記第2プレートは、前記第2板部の前記第3方向の両側の縁から前記第1方向の他方側へ延びる第2立ち上がり部を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のアクチュエータ。
  8. 前記可動体は、前記磁石を保持するヨークを備え、
    前記ヨークは、前記第1プレートに対して前記第1方向の一方側から対向する第1対向部、前記第2プレートに対して前記第1方向の他方側から対向する第2対向部、および、前記コイルの前記第2方向の両側に配置される一対の接続部を備え、
    前記第1側板部は、前記ヨークに前記第3方向の一方側から対向し、
    前記第2側板部は、前記ヨークに前記第3方向の他方側から対向することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のアクチュエータ。
  9. 前記接続体は、
    前記第1対向部と前記第1プレートとを接続する第1接続体と、
    前記第2対向部と前記第2プレートとを接続する第2接続体と、を備えることを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
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