JP2023090158A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】食材を斑なく攪拌することが出来る加熱調理器を提供する。【解決手段】加熱調理器1は、内釜3と、蓋体4と、攪拌ユニット5とを備える。蓋体4は、内釜3に蓋をする。攪拌ユニット5は、蓋体4の内釜3側に回転可能に支持される。内釜3は、食材Fを内外に移動可能に構成される。攪拌ユニット5は、ユニット本体52と、第1アーム7と、第2アーム8とを有する。ユニット本体5は、内釜3に蓋をした状態において、蓋体4と交差する方向に延びる中心軸線を中心に回転する。第1アーム7は、ユニット本体52に支持される。第1アーム7は、ユニット本体52が回転することによって、食材Fを攪拌する。第2アーム8は、第1アーム7のユニット本体52に対する第1角度A1とは異なる第2角度A2でユニット本体52に支持される。第2アーム8は、ユニット本体52が回転することによって、食材Fを攪拌する。【選択図】図2
Description
本発明は、加熱調理器に関する。
特許文献1には、食材を攪拌する攪拌ユニットを備えた加熱調理器が開示されている。攪拌ユニットは、加熱調理している食材を攪拌する。食材を攪拌することによって、特許文献1の加熱調理器は、加熱している食材が外部に吹きこぼれることを抑制している。
上記加熱調理器の食材攪拌機能は、加熱調理器の外部に食材が吹きこぼれることを抑制することを目的としたものであるが、加熱調理器に収められた食材を斑なく加熱することにも寄与する。そして、特許文献1の加熱調理器は、食材を斑なく加熱するために、食材を斑なく攪拌することが出来るが、さらに斑を少なく食材を攪拌する構造とする余地がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、食材を斑なく攪拌することが出来る加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明の一局面によれば、加熱調理器は、調理器本体と、内釜と、蓋体と、攪拌ユニットとを備える。調理器本体は、第1内部に通じる第1開口を有する。内釜は、第1開口から調理器本体に収容される。蓋体は、内釜に蓋をする。攪拌ユニットは、蓋体の内釜側に回転可能に支持される。攪拌ユニットは、食材を攪拌する。攪拌ユニットは、蓋体と交差する方向に延びる中心軸線を中心に回転する。内釜は、第2内部に通じる第2開口を有する。内釜は、第2開口を通じて食材を内外に移動可能に構成される。攪拌ユニットは、ユニット本体と、第1アームと、第2アームとを有する。ユニット本体は、内釜に蓋をした状態において、蓋体と交差する方向に延びる中心軸線を中心に回転する。第1アームは、内釜に収められた食材に一部分が埋没するように、ユニット本体に支持される。第1アームは、ユニット本体が回転することによって、食材を攪拌する。第2アームは、内釜に収められた食材に一部分が埋没し、第1アームのユニット本体に対する第1角度とは異なる第2角度でユニット本体に支持される。第2アームは、ユニット本体が回転することによって、食材を攪拌する。
本発明の加熱調理器によれば、第2アームは、第1アームとは異なる軌跡を描いて食材を攪拌するため、第1アームと第2アームとが同一の軌跡を描いて食材を攪拌する場合と比較して、食材の攪拌斑を低減することが出来る。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図1から図4を参照して、実施形態に係る加熱調理器1を説明する。図1は、実施形態に係る加熱調理器1を示す斜視図である。図2は、実施形態に係る加熱調理器1の蓋体4と、攪拌ユニット5とを示す側面図であり、蓋本体41の断面を示す図である。図3は、実施形態に係る加熱調理器1の攪拌ユニット5を示す斜視図であり、攪拌ユニット5の内部を部分的に示した図である。図4は、実施形態に係る加熱調理器1の蓋体4と、攪拌ユニット5とを示す図である。
加熱調理器1は、加熱機能と、攪拌機能とを備える。加熱機能は、内部に収めた食材Fを加熱する機能である。攪拌機能は、加熱調理器1の内部に収めた食材Fを攪拌する機能である。加熱機能と、攪拌機能を組み合わせた加熱調理器1は、食材Fを加熱しながら攪拌することが出来る。結果として、加熱調理器1は、食材Fを斑なく加熱することが出来る。加熱調理器1は、例えば、電気鍋、または炊飯器などに食材Fを攪拌することの出来るユニットを取り付けた調理用家電機器である。
図1に示すように、加熱調理器1は、調理器本体2と、内釜3と、蓋体4と、攪拌ユニット5とを備える。内釜3は、調理器本体2に収容される。蓋体4は、内釜3を含む調理器本体2に蓋をするように、調理器本体2に取り付けられる。攪拌ユニット5は、蓋体4の内釜3側に取り付けられる。
図1に示すように、調理器本体2は、広口深底の容器形状である。調理器本体2は、蓋をされるときに、蓋体4と対向する調理器本体天面23を有する。調理器本体天面23には、調理器本体2の第1内部2Aに通じる第1開口2Bが設けられている。第1開口2Bは、例えば、略円形である。第1内部2Aは、例えば、軸心が第1開口2Bの中心を通る略円柱形状である。第1内部2Aは、内釜3を収容するための空間である。第1内部2Aには、内釜3を加熱する加熱部(図示せず)が設けられている。
内釜3は、前述のように調理器本体2の第1内部2Aに収容される釜である。内釜3は、調理器本体2の第1内部2Aに接する壁面(図示せず)に沿った形状である。内釜3は、第2内部3Aに通じる第2開口3Bを有する。第2内部3Aは、例えば、略円形である。第2内部3Aは、例えば、軸心が第2開口3Bの中心を通る略円柱形状である。第2内部3Aは、加熱する食材Fを収めるための空間である。食材Fは、第2開口3Bを通じて内釜3の内外に移動させられる。
また、内釜3は、第2開口3Bと接する縁部から外側に向かって延びる鍔部31を有する。加熱調理器1の操作者(ユーザ)は、鍔部31の端などを保持することによって内釜3を調理器本体2の内外にわたって移動させることが出来る。ユーザに保持された内釜3は、内釜3の胴体部分が第1内部2Aに配置され、かつ鍔部31が、調理器本体2の外部に露出するとともに第1開口2Bの開口縁に引っ掛かった状態で当該開口縁に保持されるように、第1開口2Bを通じて調理器本体2に収容される。調理器本体2に収容された内釜3は、第2開口3Bが調理器本体2の外部と連通する。
外部から見た蓋体4は、蓋本体41と、ヒンジ42とを有する。蓋本体41は、蓋底部411を有する。蓋本体41は、ヒンジ42を介して、調理器本体天面23に、回転可能に支持される。蓋本体41は、ヒンジ42を回転中心として回転することによって、蓋底部411が、調理器本体2の第1開口2Bと、調理器本体2に収容された内釜3の第2開口3Bと、調理器本体天面23とを、調理器本体2の外部から覆う。したがって、蓋本体41は、内釜3を含む調理器本体2に蓋をする。
図2を参照して、蓋体4についてさらに説明する。蓋体4は、モータ(図示せず)と、駆動軸43とを蓋本体41の第3内部4Aに備える。モータは、駆動軸43を回転させることが出来るように、駆動軸43に接続されている。また、蓋体4は、規制装置44を備える。規制装置44は、蓋底部411に取り付けられる。
駆動軸43は、軸心を中心に回転する軸である。駆動軸43は、蓋本体41と交差する方向に沿った姿勢で、駆動軸43の軸心を回転中心として回転可能に、蓋本体41の内側に支持されている。
規制装置44は、棒状の規制ロッド441を有する。規制ロッド441は、蓋本体41と交差する方向に沿って、蓋底部411に設けられている。規制ロッド441は、その長手方向に沿って進退することが出来る。規制ロッド441の進退は、例えば、ソレノイド(図示せず)などを用いることによって行われる。
図2から図4に示すように、攪拌ユニット5は、ユニット本体52と、主回転軸51と、回転伝達機構6(図3及び図4参照)と、第1アーム7と、第2アーム8と、アーム規制部9とを有する。主回転軸51は、ユニット本体52に取り付けられる。ユニット本体52には、主回転軸51と接続する回転伝達機構6が収容されている。第1アーム7及び第2アーム8は、回転伝達機構6に接続されるとともに、ユニット本体52に支持される。アーム規制部9は、ユニット本体52に設けられる。
主回転軸51は、軸心を中心に回転する軸である。主回転軸51は、蓋底部411を貫くように配置される。主回転軸51の一方端部は、駆動軸43と同じ方向に回転するように、駆動軸43に接続される。駆動軸43に接続された主回転軸51は、駆動軸43に保持されるとともに、駆動軸43の回転が伝達される。主回転軸51の他方端部は、ユニット本体52が主回転軸51の軸心を中心に回転可能に、ユニット本体52を支持する。
図3に示すように、ユニット本体52は、箱形状である。ユニット本体52は、底面521(図2及び図4参照)と、第1側面522と、第2側面523と、天面524(図2参照)とを有する。底面521は、天面524と対向して配置される。第1側面522及び第2側面523は、底面521と天面524との間に配置される。
主回転軸51は、ユニット本体52の天面524を貫くように配置される。したがって、前述の主回転軸51の他方端部が、ユニット本体52の内側に配置されて、ユニット本体52を前述の方向に回転可能に支持する。主回転軸51がユニット本体52を支持することで、ユニット本体52は、蓋底部411と、ユニット本体52の天面524とが対向する姿勢で、蓋本体41から吊り下げられる。すなわち、ユニット本体52は、蓋体4と交差する方向に延びる中心軸線を中心に回転可能に蓋体4に支持される。また、ユニット本体52の天面524には、ユニット本体52が蓋本体41から吊り下げられたとき、規制ロッド441と対向する位置に、規制ロッド441と引っ掛かる凹み形状、または孔である引掛け部525(図2参照)が設けられている。
図3に示すように、回転伝達機構6は、回転軸歯車61と、第1伝動歯車列62と、第1従動歯車63と、第1回転軸64と、第2伝動歯車列65と、第2従動歯車66と、第2回転軸67と有する。回転軸歯車61は、第1伝動歯車列62及び第2伝動歯車列65に回転を伝達する。第1伝動歯車列62及び第2伝動歯車列65は、それぞれ第1従動歯車63及び第2従動歯車66に回転を伝達する。第1従動歯車63及び第2従動歯車66は、それぞれ第1回転軸64及び第2回転軸67とともに回転するよう第1回転軸64及び第2回転軸67のそれぞれに接続される。
回転軸歯車61は、かさ歯車である。回転軸歯車61は、回転軸歯車61の歯がユニット本体52の底面521側に向き、主回転軸51とともに回転するように、主回転軸51に接続される。
第1伝動歯車列62は、第1中間歯車621と、第1中間回転軸622とを有する。第1伝動歯車列62は、第1中間歯車621を2つ有する。第1中間歯車621は、かさ歯車である。第1中間回転軸622は、軸心を中心に回転する軸である。第1中間回転軸622の両端部のそれぞれには、第1中間歯車621の歯が第1中間回転軸622の外側に向き、かつ第1中間回転軸622とともに回転するように、第1中間歯車621が接続される。第1中間回転軸622は、一方の第1中間歯車621が、回転軸歯車61と噛み合い、かつ第1中間回転軸622の軸心を中心に回転可能にユニット本体52に支持される。他方の第1中間歯車621は、かさ歯車である第1従動歯車63と噛み合う。したがって、第1伝動歯車列62は、第1従動歯車63に回転軸歯車61の回転を伝達することが出来る。結果として、第1伝動歯車列62は、主回転軸51を介して接続される駆動軸43の回転方向とは異なる方向に第1従動歯車63を回転させることが出来る。なお、第1伝動歯車列62は、主回転軸51の回転を第1従動歯車63に伝達することができれば、どのような歯車構造であってもよい。また、第1伝動歯車列62を設けずに、回転軸歯車61と第1従動歯車63とが直接噛み合う構造としても構わない。
第1回転軸64は、軸心を中心に回転する軸である。第1回転軸64は、第1側面522を貫くように、ユニット本体52の内外にわたって配置される。第1回転軸64の一方端部は、ユニット本体52の内側に配置される。また、第1回転軸64の一方端部には、第1回転軸64が第1従動歯車63とともに回転するように、第1従動歯車63が接続されている。第1回転軸64の他方端部は、ユニット本体52の外部に配置される。第1回転軸64は、前述のように第1従動歯車63が第1中間歯車621と噛み合い、かつ軸心を中心に回転可能に、ユニット本体52に支持されている。以上のような構造から、第1従動歯車63には、回転軸歯車61の回転が歯車構造を介して伝達される。結果として、回転軸歯車61が回転すると、第1従動歯車63も回転する。
第1アーム7は、棒形状である。第1アーム7の一方端部は、第1回転軸64と交差する姿勢で、前述のようにユニット本体52の外部に配置された第1回転軸64の端部に取り付けられる。これにより、第1アーム7は、第1回転軸64を介して、ユニット本体52に支持される。したがって、回転軸歯車61の回転は、第1アーム7に伝達される。つまり、回転軸歯車61が回転することによって、第1アーム7は、第1回転軸64の軸心を中心に回転する。結果として、図2に示す第1アーム7のユニット本体52に対する第1角度A1が変化する。第1角度A1の定義については、後述する。
食材Fが収められた内釜3に蓋体4が蓋をした状態において、第1アーム7は、第1アーム7の第1先端部71を含む一部分が食材Fに埋没する姿勢となるように、ユニット本体52に支持される。食材Fに一部分が埋没する姿勢の第1アーム7は、ユニット本体52が回転することによって、内釜3に収められた食材Fを攪拌することが出来る。
図3に示すように、第2伝動歯車列65は、第2中間回転軸652と、第2中間歯車651とを有する。第2伝動歯車列65は、第2中間歯車651を2つ有する。第2中間歯車651は、第1中間歯車621と同数の歯を有するかさ歯車である。第2中間回転軸652は、軸心を中心に回転する軸である。第2中間回転軸652の両端部のそれぞれには、第2中間歯車651の歯が第2中間回転軸652の外側に向き、かつ第2中間歯車651が第2中間回転軸652とともに回転するように、第2中間歯車651が接続される。第2中間回転軸652は、一方の第2中間歯車651が回転軸歯車61と噛み合い、かつ第2中間回転軸652の軸心を中心に回転可能にユニット本体52に支持される。当該構造の第2伝動歯車列65は、第1伝動歯車列62が回転した場合に、第1伝動歯車列62と同じ回転速度で回転する。一方で、他方の第2中間歯車651は、かさ歯車である第2従動歯車66と噛み合う。したがって、第2伝動歯車列65は、第2従動歯車66に回転軸歯車61の回転を伝達することが出来る。結果として、第2伝動歯車列65は、主回転軸51に接続された駆動軸43の回転方向とは異なる方向に第2従動歯車66を回転させることが出来る。なお、第2伝動歯車列65は、主回転軸51の回転を第2従動歯車66に伝達することができれば、どのような歯車構造であってもよい。また、第2伝動歯車列65を設けずに、回転軸歯車61と第2従動歯車66とが直接噛み合う構造としても構わない。
第2回転軸67は、軸心を中心に回転する軸である。第2回転軸67は、第2側面523を貫くように、ユニット本体52の内外にわたって配置される。第2回転軸67の一方端部は、ユニット本体52の内側に配置される。第2回転軸67の一方端部には、第2回転軸67が第2従動歯車66とともに回転するように、第2従動歯車66が接続されている。第2回転軸67の他方端部は、ユニット本体52の外部に配置される。第2回転軸67は、前述のように第2従動歯車66が第2中間歯車651と噛み合い、かつ軸心を中心に回転可能に、ユニット本体52に支持されている。以上のような構造から、第2従動歯車66には、回転軸歯車61の回転が歯車構造を介して伝達される。結果として、回転軸歯車61が回転すると、第2従動歯車66も回転する。
第2アーム8は、棒形状である。第2アーム8の一方端部は、第2回転軸67と交差する姿勢で、前述のようにユニット本体52の外部に配置された第2回転軸67の端部に取り付けられる。これにより、第2アーム8は、第2回転軸67を介して、ユニット本体52に支持される。したがって、回転軸歯車61の回転は、第2アーム8に伝達される。つまり、回転軸歯車61が回転することによって、第2アーム8は、第2回転軸67の軸心を中心に回転する。結果として、図2に示す第2アーム8のユニット本体52に対する第2角度A2が変化する。第2角度A2の定義については、後述する。
食材Fが収められた内釜3に蓋体4が蓋をした状態において、第2アーム8は、第2アーム8の第2先端部81を含む一部分が食材Fに埋没し、かつユニット本体52に対する第1アーム7の第1角度A1とは異なる第2角度A2となるように、ユニット本体52に支持される。ここで、ユニット本体52に対する第1アーム7に対する第1角度A1は、水平面HPと、第1アーム面AP1とのなす角度である。また、第1角度A1は、0度から90度の範囲で定義する角度である。水平面HPとは、ユニット本体52の天面524と平行、かつ第1回転軸64及び第2回転軸67を通る仮想の面である。第1アーム面AP1は、第1側面522から第2側面523に向かう方向に沿い、かつ第1アーム7の長手方向の中心を通る仮想の面である。また、ユニット本体52に対する第2アーム8に対する第2角度A2は、水平面HPと、第2アーム面AP2とのなす角度である。また、第1角度A1と同様に、第2角度A2も、0度から90度の範囲で定義する角度である。第2アーム面AP2は、第1側面522から第2側面523に向かう方向に沿い、かつ第2アーム8の長手方向の中心を通る仮想の面である。
上記のように第1アーム7及び第2アーム8のユニット本体52に対する第1角度A1及び第2角度A2が異なることで、ユニット本体52が回転したとき、第2アーム8は、第1アーム7と異なる軌跡を描いて、内釜3に収められた食材Fを攪拌することが出来る。結果として、第1アーム7及び第2アーム8は、第1アーム7と第2アーム8とが同一の軌跡を描いて食材Fを攪拌する場合と比較して、広範囲に食材Fを攪拌することが出来る。よって、第1アーム7及び第2アーム8は、食材Fを斑なく攪拌することが出来る。
好ましくは、図2に示すように、第1角度A1は、第2角度A2よりも大きい。かつ、第2アーム8は、第1アーム7よりも長い。ここで、第1アーム7の第1長さL1は、第1アーム7及び水平面HPが交わる部分から第1先端部71までの長さで定義される。また、第2アーム8の第2長さL2は、第2アーム8及び水平面HPが交わる部分から第2先端部81までの長さで定義される。第2長さL2が第1長さL1よりも大きいため、ユニット本体52の底面521から第2アーム8の第2先端部81までの長さは、ユニット本体52の底面521から第1アーム7の第1先端部71までの長さと略同一となる。結果として、ユニット本体52を回転させると、第1アーム7だけでなく、第2アーム8も内釜3の底部付近の食材Fを攪拌することが出来る。
なお、上記にて第1アーム7の形状及び第2アーム8の形状は、ともに棒形状であると説明したが、第2アーム8の形状は、第1アーム7の形状と異なっていてもよい。第2アーム8の形状が、第1アーム7の形状と異なると、ユニット本体52が回転したとき、第2アーム8は、第1アーム7と異なる軌跡を描いて、内釜3に収められた食材Fを攪拌することが出来る。結果として、第1アーム7及び第2アーム8は、第1アーム7と第2アーム8とが同一の軌跡を描いて食材Fを攪拌する場合と比較して、広範囲に食材Fを攪拌することが出来る。よって、第1アーム7及び第2アーム8は、食材Fを斑なく攪拌することが出来る。
図2及び図3に示すように、アーム規制部9は、第1アーム7近傍の第1側面522端部から突出する。アーム規制部9は、天面524から底面521に向かう方向に厚みを有する。ユニット本体52に設けられたアーム規制部9は、第1アーム7と当接することによって、第1回転軸64の軸心を中心とする第1アーム7の回転を規制する。また、第2アーム8は、第1アーム7と歯車構造を有する回転伝達機構6を介して接続されているため、第1回転軸64の軸心を中心とする第1アーム7の回転が規制されることによって、第2回転軸67の軸心を中心とする第2アーム8の回転も規制される。結果として、第1アーム7のユニット本体52に対する角度変化、及び第2アーム8のユニット本体52に対する角度変化が同時に規制される。一方で、主回転軸51に接続されている駆動軸43の回転は規制されないため、ユニット本体52は、駆動軸43とともに回転する。すなわち、第1アーム7及び第2アーム8は、駆動軸43の軸心を回転中心として回転する。
なお、アーム規制部9は、ユニット本体52の第1側面522から突出すると説明したが、第1アーム7及び第2アーム8の回転を規制することが出来ればどのような構造であっても構わない。例えば、アーム規制部9は、第1従動歯車63の歯が設けられていない裏面に設けられる凸状の第1歯車凸部(図示せず)と、ユニット本体52の内側、かつ第1歯車凸部に向かって、ユニット本体52の内側から突出する本体側突出部(図示せず)により構成されていてもよい。当該構造によると、回転する第1従動歯車63に設けられた第1歯車凸部が、ユニット本体突出部に引っ掛かることによって、第1従動歯車63の回転が規制される。したがって、第1従動歯車63と接続されている第1アーム7、及び第1従動歯車63と歯車構造を介して接続されている第2アーム8の回転が規制される。
また、アーム規制部9は、第2側面523から突出して、第2回転軸67の軸心を中心とする第2アーム8の回転を規制する構造であっても構わない。当該構造であれば、第2回転軸67を中心とする第2アーム8の回転が規制された場合に、第2アーム8と歯車構造を介して接続されている第1アーム7も、第1回転軸64の軸心を中心とする第1アーム7の回転が規制される。また、アーム規制部9は、第1アーム7及び第2アーム8の両方の回転を規制する構造であっても構わない。具体的には、アーム規制部9を2つ設け、一方のアーム規制部9が第1回転軸64の軸心を中心とする第1アーム7の回転を規制し、他方のアーム規制部9が第2回転軸67の軸心を中心とする第2アーム8の回転を規制するような構造としてもよい。
図5Aから図5Cを参照して、加熱調理器1が、内釜3に収められた食材Fを攪拌する工程について説明する。図5Aは、実施形態に係る加熱調理器1において、第1収納位置に配置された状態の第1アーム7、及び、第2収納位置に配置された状態の第2アーム8を示す図である。図5Bは、実施形態に係る加熱調理器1において、第1収納位置から第1攪拌位置に移動する途中の第1アーム7、及び、第2収納位置から第2攪拌位置に移動する途中の第2アーム8を示す図である。図5Cは、実施形態に係る加熱調理器1において、第1攪拌位置に配置された第1アーム7、及び、第2攪拌位置に配置された第2アーム8が、食材Fを攪拌する状態を示す図である。
図5Aに示すように、まず、加熱調理器1は、内釜3の第2内部3Aに食材Fが収められる。内釜3の第2内部3Aに収められる食材Fの量は、蓋体4が内釜3に蓋をしたときに、蓋本体41から吊り下げられる攪拌ユニット5が、食材Fに接触しない程度である。一方、蓋本体41に吊り下げられた攪拌ユニット5は、第1アーム7の第1先端部71及び第2アーム8の第2先端部81が、ユニット本体52の第1側面522及び第2側面523のそれぞれと対向する位置に配置されている。すなわち、第1アーム7は、攪拌ユニット5に収納された位置である第1収納位置に配置されている。同様に、第2アーム8も、攪拌ユニット5に収納された位置である第2収納位置に配置されている。さらに、ユニット本体52の引掛け部525には、規制ロッド441が引っ掛かっている。したがって、ユニット本体52の回転が規制されている。第2内部3Aに食材Fが収められた内釜3は、蓋本体41により蓋をされる。内釜3に蓋をすることで、蓋本体41に吊り下げられた攪拌ユニット5は、内釜3の第2内部3Aに配置される。
図5Bに示すように、蓋体4が内釜3に蓋をした後、駆動軸43が回転する。駆動軸43の回転は、主回転軸51及びユニット本体52に設けられた歯車構造(図3及び図4参照)を介して、第1アーム7及び第2アーム8に伝達される。第1アーム7及び第2アーム8のそれぞれは、第1回転軸64及び第2回転軸67の軸心を中心に回転する。したがって、第1アーム7の第1先端部71及び第2アーム8の第2先端部81が、内釜3の第2内部3Aに収められた食材Fの方向に向かって移動する。
図5Cに示すように、第1アーム7は、第1先端部71を含む一部分が食材Fに埋没する。第1回転軸64の軸心を中心として回転する第1アーム7は、やがてアーム規制部9と当接する。第1アーム7は、第1回転軸64の軸心を中心とする回転を規制される位置に配置されることで、食材Fを攪拌できる状態となる。すなわち、第1アーム7は、第1攪拌位置に配置された状態となる。また、第1アーム7の第1回転軸64の軸心を中心とする回転が規制されると、第1アーム7と歯車構造を介して接続されている第2アーム8の第2回転軸67の軸心を中心とする回転も規制される。第2アーム8も、第1アーム7と同様に、第2回転軸67の軸心を中心とする回転を規制される位置に配置されることで、食材Fを攪拌できる状態となる。すなわち、第2アーム8は、第2攪拌位置に配置された状態となる。
第1アーム7及び第2アーム8が、それぞれ第1回転軸64及び第2回転軸67の軸心を中心とする回転が規制された後、規制ロッド441が引掛け部525から離れて、ユニット本体52に対する回転の規制が解除される。したがって、ユニット本体52は、駆動軸43とともに回転する。結果として、第1アーム7及び第2アーム8が、内釜3の第2内部3Aに収められた食材Fを攪拌する。
以上のような工程を経て内釜3の第2内部3Aに収められた食材Fを攪拌する加熱調理器1において、図3に示す第2従動歯車66の歯数は、第1従動歯車63の歯数と異なる。したがって、第2アーム8の第2回転軸67の軸心を中心とした回転の回転速度は、第1アーム7の第1回転軸64の軸心を中心とした回転の回転速度とは異なる。よって、第1アーム7及び第2アーム8が、それぞれ第1回転軸64及び第2回転軸67の軸心を中心に回転し、やがて図5Cに示すように第1アーム7の第1回転軸64を中心とした回転が規制されたとき、第2角度A2は、第1角度A1とは異なる。すなわち、第2アーム8は、ユニット本体52に対する第1アーム7とは異なる第2角度A2で、ユニット本体52に支持される。結果として、第1アーム7の回転が規制されたとき、第2アーム8は、ユニット本体52に対する第1アーム7とは異なる第2角度A2でユニット本体52に支持される。結果として、第1アーム7及び第2アーム8は、食材Fを斑なく攪拌することが出来る。
食材Fの攪拌が終了した後、駆動軸43の回転は停止する。駆動軸43の回転が停止した後も、ユニット本体52は慣性により回転を継続する。したがって、ユニット本体52の回転を止めるために、規制ロッド441が引掛け部525に引っ掛かり、ユニット本体52の回転を規制する。そして、第1アーム7及び第2アーム8は、前述とは逆の工程を経てそれぞれ第1攪拌位置及び第2攪拌位置から、第1収納位置及び第2収納位置に移動する。したがって、ユーザが蓋体4を開けるとき、第1アーム7及び第2アーム8は、それぞれ第1収納位置及び第2収納位置に配置された状態となる。結果として、ユーザは、蓋体4を開けた後、第1アーム7及び第2アーム8に妨げられることなく、食材Fまたは内釜3を取り出すことが出来る。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
なお、本発明の実施形態では、第2従動歯車66の歯数は、第1従動歯車63の歯数と異なると説明した。しかしながら、第1従動歯車63の歯数と、第2従動歯車66の歯数と同一としてもよい。第1従動歯車63の歯数と第2従動歯車66の歯数を同一とする場合、図5Aに示す第1収納位置における第1アーム7のユニット本体52に対する角度は、第2収納位置における第2アーム8のユニット本体52に対する角度と異なる。ここで、前述のように第1伝動歯車列62は、第2伝動歯車列65と同一の回転速度で回転する。主回転軸51が回転すると、第1アーム7及び第2アーム8が、それぞれ第1回転軸64及び第2回転軸67の軸心を中心に回転し、やがて図5Cに示すように第1アーム7の回転が規制される。第1アーム7及び第2アーム8が、それぞれ第1回転軸64及び第2回転軸67の軸心を中心とする回転を規制されたとき、第1角度A1と、第2角度A2とは異なる。すなわち、第2アーム8は、ユニット本体52に対する第1アーム7とは異なる角度で、ユニット本体52に支持される。したがって、第1角度A1と、第2角度A2とが異なる状態でユニット本体52が回転した場合に、第1アーム7の一方端部が描く軌跡と、第2アーム8の一方端部が描く軌跡とが異なる。つまり、第2アーム8は、第1アーム7とは異なる位置を攪拌する。結果として、第1アーム7及び第2アーム8は、第1アーム7と第2アーム8とが同一の軌跡を描いて食材Fを攪拌する場合と比較して、広範囲に食材Fを攪拌することが出来る。よって、第1アーム7及び第2アーム8は、食材Fを斑なく攪拌することが出来る。
本発明の実施形態では、1つのモータを使用して、第1アーム7及び第2アーム8を、それぞれ第1回転軸64及び第2回転軸67の軸心を中心に回転させた。しかし、モータの個数は1つでなくても構わない。例えば、モータを2つ設け、一方のモータが第1回転軸64の軸心を中心に第1アーム7を回転させ、他方のモータが第2回転軸67の軸心を中心に第2アーム8を回転させるような構造としても構わない。当該構造であれば、一方のモータの回転速度が、他方のモータの回転速度と異なるように制御することができる。したがって、第1アーム7の第1回転軸64の軸心を中心とした回転の回転速度と、第2アーム8の第2回転軸67の軸心を中心とした回転速度が異なる。結果として、第1アーム7及び第2アーム8が、それぞれ第1攪拌位置及び第2攪拌位置に配置されたとき、第1角度A1と、第2角度A2は異なる。
本発明は、加熱調理器を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1 :加熱調理器
2 :調理器本体
3 :内釜
4 :蓋体
5 :攪拌ユニット
6 :回転伝達機構
7 :第1アーム
8 :第2アーム
9 :アーム規制部
2A :第1内部
2B :第1開口
3A :第2内部
3B :第2開口
41 :蓋
51 :主回転軸
52 :ユニット本体
61 :回転軸歯車
62 :第1伝動歯車列
63 :第1従動歯車
64 :第1回転軸
65 :第2伝動歯車列
66 :第2回転軸
67 :第2従動歯車
522 :第1側面
523 :第2側面
A1 :第1角度
A2 :第2角度
F :食材
2 :調理器本体
3 :内釜
4 :蓋体
5 :攪拌ユニット
6 :回転伝達機構
7 :第1アーム
8 :第2アーム
9 :アーム規制部
2A :第1内部
2B :第1開口
3A :第2内部
3B :第2開口
41 :蓋
51 :主回転軸
52 :ユニット本体
61 :回転軸歯車
62 :第1伝動歯車列
63 :第1従動歯車
64 :第1回転軸
65 :第2伝動歯車列
66 :第2回転軸
67 :第2従動歯車
522 :第1側面
523 :第2側面
A1 :第1角度
A2 :第2角度
F :食材
Claims (6)
- 第1内部に通じる第1開口を有する調理器本体と、
前記第1開口から前記調理器本体に収容される内釜と、
前記内釜に蓋をする蓋体と、
前記蓋体の前記内釜側に回転可能に支持され、食材を攪拌する攪拌ユニットと
を備え、
前記攪拌ユニットは、前記蓋体と交差する方向に延びる中心軸線を中心に回転し、
前記内釜は、第2内部に通じる第2開口を有し、前記第2開口を通じて前記食材を内外に移動可能に構成され、
前記攪拌ユニットは、
前記内釜に蓋をした状態において、前記中心軸線を中心に回転するユニット本体と、
前記内釜に収められた前記食材に一部分が埋没するように、前記ユニット本体に支持され、前記ユニット本体が回転することによって、前記食材を攪拌する第1アームと、
前記内釜に収められた前記食材に一部分が埋没し、前記第1アームの前記ユニット本体に対する第1角度とは異なる第2角度で前記ユニット本体に支持され、前記ユニット本体が回転することによって、前記食材を攪拌する第2アームと
を有する、加熱調理器。 - 前記第1アーム及び前記第2アームは、棒形状であり、
前記第1角度は、前記第2角度よりも大きく、
前記第2アームは、前記第1アームよりも長い、請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記ユニット本体は、第1側面及び第2側面を有し、
前記第1アームは、前記ユニット本体の前記第1側面から突出するとともに前記第1側面と交差する方向に延びる第1回転軸を介して、前記ユニット本体に支持され、
前記第2アームは、前記ユニット本体の前記第2側面から突出するとともに前記第2側面と交差する方向に延びる第2回転軸を介して、前記ユニット本体に支持され、
前記内釜に前記蓋体が蓋をした状態において、前記第1アームは、前記第1回転軸を中心に、前記第1アームの第1先端部が前記ユニット本体の前記第1側面と対向する第1収納位置から前記食材に埋没する第1攪拌位置に配置されるように移動し、
前記内釜に前記蓋体が蓋をした状態において、前記第2アームは、前記第2回転軸を中心に、前記第2アームの第2先端部が前記ユニット本体の前記第2側面と対向する第2収納位置から前記食材に埋没する第2攪拌位置に移動する、請求項2に記載の加熱調理器。 - 前記攪拌ユニットは、
回転が伝達される回転軸歯車と、
前記回転軸歯車の回転が、歯車構造を有する回転伝達機構を介して伝達され、前記第1回転軸とともに回転する第1従動歯車と、
前記回転軸歯車の回転が前記回転伝達機構を介して伝達され、前記第2回転軸とともに回転する第2従動歯車と
をさらに有する、請求項3に記載の加熱調理器。 - 前記第2従動歯車の歯数は、前記第1従動歯車の歯数と異なる、請求項4に記載の加熱調理器。
- 前記回転伝達機構は、
前記回転軸歯車の回転を前記第1従動歯車に伝達する第1伝動歯車列と、
前記回転軸歯車の回転を前記第2従動歯車に伝達する第2伝動歯車列と
を有する、請求項4または請求項5に記載の加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021204969A JP2023090158A (ja) | 2021-12-17 | 2021-12-17 | 加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021204969A JP2023090158A (ja) | 2021-12-17 | 2021-12-17 | 加熱調理器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023090158A true JP2023090158A (ja) | 2023-06-29 |
Family
ID=86937244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021204969A Pending JP2023090158A (ja) | 2021-12-17 | 2021-12-17 | 加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023090158A (ja) |
-
2021
- 2021-12-17 JP JP2021204969A patent/JP2023090158A/ja active Pending
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