JP2023089706A - 防炎性シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い防水性と防炎性を両立できる、防炎性シートを提供する。【解決手段】紙基材の片面に第一の防炎層、もう一方の面に第二の防炎層を有する防炎性シートであって、前記第一の防炎層の上に水系エマルジョンからなる防水層を有し、前記第一の防炎層は分散体の難燃剤を含む、防炎性シート。【選択図】図1

Description

本発明は、防水性を有する防炎性シートに関する。また、防炎性と防水性が要求される用途のライナーおよび段ボールに関する。
壁紙や内装材、外装材に用いられるシートは防炎性が要求される。加えて、屋外での使用が想定される用途では雨風に対応できる防水性も要求される。例えば、看板や屋外テントや工事現場で用いられるシート、あるいは防災用品などが挙げられる。シートに防炎性を付与する方法としては、難燃剤を含む塗料を含浸又は塗工する方法がある。さらに防水性を得るためには、耐水剤や撥水剤が付与されている。例えば、特許文献1には、紙の少なくとも一方の表面に、難燃剤とアクリル樹脂とを含む塗膜を形成させることで、難燃性(防炎性)と耐水性が得られる段ボール用ライナーおよび段ボールシートが提案されている。
しかし、特許文献1は、耐水性が一定程度はあるもののその効果は限定的であった。例えば、風雨の影響を受ける屋外で防炎性シートが使用するような高い防水性が必要とされる場合では不十分であった。
特開2020-139233号公報
特許文献1に示される発明のように、同一の塗膜に難燃剤と耐水性樹脂が存在すると、一方の成分が他方に溶出するなどの阻害作用が発生し、効果を両立できない問題があった。そこで本発明は、高い防水性と防炎性を両立できる、防炎性シートを提供することを課題とする。
本発明者は、課題を解決するべく鋭意検討した結果、防炎層と防水層とを別に設け、相互に阻害しないように特定の難燃剤を用いることによって、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、紙基材の片面に第一の防炎層、もう一方の面に第二の防炎層を有する防炎性シートであって、
前記第一の防炎層の上に水系エマルジョンからなる防水層を有し、
前記第一の防炎層は分散体の難燃剤を含む、防炎性シートに関する。
前記第二の防炎層に含まれる難燃剤が水溶性であることが好ましい。
前記第一の防炎層は、難燃剤100質量部に対してバインダーを5~15質量部含むことが好ましい。
前記水系エマルジョンが、アクリル系エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョンまたはポリオレフィン系エマルジョンであることが好ましい。
前記紙基材の坪量が140g/m以上であることが好ましい。
前記分散体の難燃剤が有機リン系および/または赤リンを有することが好ましい。
前記防炎性シートは、コッブ吸水度(JIS P8140、浸漬時間300秒)において、10g/m未満であることが好ましい。
前記紙基材が段ボール用ライナーであることが好ましい。
本発明は、前記防炎性シートを備える段ボールにも関する。
本発明は、紙基材の片面に分散体の難燃剤からなる第一の防炎層を形成する工程、
その上に水系エマルジョンからなる防水層を形成する工程、及び、前記紙基材のもう一方の面に水溶性の難燃剤からなる第二の防炎層を形成する工程を含む、防炎性シートの製造方法にも関する。
また本発明は、紙基材の片面に分散体の難燃剤からなる第一の防炎層を形成する工程、
前記紙基材のもう一方の面に水溶性の難燃剤からなる第二の防炎層を形成する工程、及び、前記第一の防炎層の上に水系エマルジョンからなる防水層を形成する工程を含む、防炎性シートの製造方法にも関する。
本発明の防炎性シートによれば、防炎層に分散体の難燃剤を適用することによって、防炎層と防水層とが直接接しても防炎層の難燃剤成分が防水層に溶出することがなく、防炎性と防水性の両方を高度に兼ね備えたシートを得ることができる。
本発明の防炎性シートの一例を示す模式断面図。
本発明は、紙基材の片面に第一の防炎層および防水層を有し、もう一方の面に第二の防炎層を有する防炎性シートである。図1は、本発明の防炎性シートの一例を示す模式断面図であり、防炎性シート10は、紙基材1の一方の表面に第一の防炎層2および防水層をこの順番で備えており、紙基材1のもう一方の面には第二の防炎層3が設けられている。
第一の防炎層は、分散体の難燃剤を含む。ここでいう分散体とは、難燃剤成分が水や有機溶媒等の分散媒に分散されたものを指す。難燃剤成分は公知のものが使用できる。例えば、赤リン、リン酸グアニジン系化合物、ポリリン酸アンモニウム、疎水化ポリリン酸アンモニウム、等、有機ホウ素化合物、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸エステル、メタホウ酸等のホウ素系成分、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、ドロマイド、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム又は酸化スズ等の金属系成分、および、ハロゲン系成分等が挙げられる。また、前記難燃性成分として、芳香族リン酸エステル・縮合リン酸エステル・ホスフィン酸塩・リン酸グアニル尿素・ホスホン酸アミド化合物・トリアジン骨格を有するポリリン酸塩・その他リン酸エステル・ホスファゼン・その他炭化水素基を含むリン化合物等の有機リン系化合物も使用できる。特に分散体の難燃剤は、汎用性が高く、人体への影響が少なく、かつ、少量での難燃効果が高いという理由で有機リン系化合物および/または赤リンを有することが好ましい。
仮に第一の防炎層に含まれる難燃剤が分散体ではなく水溶性難燃剤であった場合、第一の防炎層の上層に後述する防水層を塗工すると、水溶性難燃剤が乾燥前の防水層中に容易に溶出する。この結果、防水層が均一とならず十分な防水効果が得られない。従って、本発明では、第一の防炎層が分散体の難燃剤で構成されることによって、後述する防水層と直接接しても難燃剤成分が防水層に溶出することがなく、且つ分散体の難燃剤がバリア層となって塗料の紙内部への浸み込みを抑えることで均一な防水層となり、防炎性と防水性の両方を高度に兼ね備えたシートを得ることができる。
第一の防炎層は、バインダーを含むことが好ましい。バインダーの成分は特に限定はなく、例えば、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンなどの乳化重合または乳化共重合またはこれらにカルボキシル基や水酸基などの官能基を導入した水分散性樹脂(エマルジョンあるいはラテックス)や、カゼイン、澱粉、酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール等の天然あるいは合成の水溶性樹脂やセルロースナノファイバーなどの微細繊維を単独あるいは2種類以上を併用することができる。この際、粘度調整剤、pH調整剤、消泡剤、離型剤、染料、顔料、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤等の助剤を必要に応じて併用することもできる。バインダーは、分散体の難燃剤100質量部あたり、5~15質量部となるように配合することが好ましく、5~12質量部がさらに好ましく、5~10質量部となるように配合することがより好ましい。なお、本発明において「~」の数値範囲の表記は全て「以上、以下」の範囲を指す。例えば「5~15」の表記は「5以上15以下」を意味する。
第一の防炎層全体における分散体の難燃剤は、95%以上であることが好ましく、96質量%以上であることがさらに好ましく、97~100質量%であることがより好ましい。
基材に設ける第一の防炎層の塗布量(乾燥質量)は、防炎性能が得られる量であれば特に限定はないが、原紙の坪量に対して1~10質量%であることが好ましく、1.5~8質量%であることがさらに好ましく、2~6質量%であることがさらにより好ましく、2.5~5質量%であることがより好ましい。
本発明において、防水層は第一の防炎層の上に設けられ、水系エマルジョンからなる。水系エマルジョンは防水性が得られるものであれば特に限定はなく公知のものが使用でき、例えばスチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体。特に、アクリル系エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョンまたはポリオレフィン系エマルジョンが高い防水性が得られるので好ましい。
防水層における水系エマルジョンの量は、94質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、97~100質量%であることがより好ましい。防水層には、水系エマルジョンの他にも各種バインダー、粘度調整剤、pH調整剤、消泡剤、離型剤、染料、顔料、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤等の助剤を必要に応じて併用することもできる。また、防水層の塗布量は、防水性が得られる量であれば特に限定はないが、乾燥質量として2g/m以上であることが好ましく、2~10g/mであることがさらに好ましく、3~7g/mであることがさらにより好ましく、4~6g/mであることがより好ましい。
本発明において、第二の防炎層は、基材に第一の防炎層が設けられた面とは反対の面に設けられる。第二の防炎層を設けることで、反対の面でも防炎性を向上させることができ、紙基材の両面どちらも防炎機能を備える。第二の防炎層は、水溶性の難燃剤を含むことが好ましい。水溶性の難燃剤は、紙基材内部に浸透しやすく、塗工層を厚くすることなく防炎性を得ることができる。例えば、水溶性の難燃剤ではなく分散体の難燃剤の場合は、紙基材内部に浸透しないために塗工層が厚くなり、その結果、塗工層の割れといった不具合が発生するおそれがある。そのため、防炎性を高めるために塗布量を増やす場合は、水溶性の難燃剤が売りとなる。このような難燃剤は水溶性であれば特に限定はなく公知のものが採用できる。例えばスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、塩酸グアニジン、硫酸グアニジン等のグアニジン塩類や、スルファミン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が採用できる。
第二の防炎層には、必要に応じて粘度調整剤、pH調整剤、消泡剤、離型剤、染料、顔料、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤等の助剤を含めてもよい。
第二の防炎層全体における水溶性の難燃剤は、95質量%以上であることが好ましく、96質量%以上であることがさらに好ましく、97~100質量%であることがより好ましい。
基材に設ける第二の防炎層の塗布量(乾燥質量)は、防炎性能が得られる量であれば特に限定はないが、原紙の坪量に対して5~20質量%であることが好ましく、7~17質量%であることがさらに好ましく、9~15質量%であることがさらにより好ましく、10~14質量%であることがより好ましい。特に紙基材の坪量が高くなる場合は、それに応じた防炎性が要求されるため、第二の防炎層の塗布量が高くなるように調整するとよい。
本発明では、紙基材を用いる。紙基材を構成する繊維材料は木材パルプが好ましく、バージンパルプ若しくは古紙パルプ又はこれらの混合物を使用することができ、これらが繊維材料全体の90%以上であることが好ましい。木材パルプは、例えば、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、NUKP(針葉樹未晒しパルプ)等の針葉樹パルプ、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、LUKP(広葉樹未晒しパルプ)等の広葉樹パルプ、並びに、TMP(サーモメカニカルパルプ)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ、およびこれらの混合物を使用することができる。その他、麻、竹、藁、ケナフ、三椏、楮、木綿等の非木材パルプ;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを叩解度150~800mLC.S.F.で叩解して公知の抄紙薬品や塗料を付与して抄紙する。
紙基材の坪量は特には限定されるものではなく、用途によって基板の厚み、コシなどの要求性能が異なるが、例えば、坪量30g/m2~500g/m2が好ましく、35g/m2~400g/m2がより好ましく、40g/m2~350g/m2がより好ましい。特に、第二の防炎層が水溶性の難燃剤を含む場合は、前記のように坪量を高くすることができ、例えば紙基材の坪量が140g/m2以上とすることが好ましい。また、紙基材の厚さも用途によって任意に選択されるため特には限定されるものではないが、40μm~500μmが好ましく、55μm~400μmがより好ましい。
紙基材に各層を形成する方法は、公知の塗工方法を利用できる。例えばロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ニップコーター等が挙げられる。紙基材に設ける層は、第一の防炎層、第二の防炎層および防水層のみに限定されるものではなく、本発明の性能に影響のない範囲で、他の層を設けてもよい。
なお、防炎性シートや紙基材は、製造途中および/または製造後でカレンダー処理、スーパーカレンダー処理、ソフトニップカレンダー処理、エンボス等の加工を行っても構わない。加工処理により、表面性や厚さを調整することができる。
紙基材または防炎性シートが段ボール用ライナーであることが好ましい。この場合、本発明の防炎性シートを備える段ボールを製造することができる。段ボール用ライナーは公知のものが使用でき、段ボールの製造方法も特に限定されず公知の手法が採用できる。例えば、シングルフェーサで中芯原紙を波状に形成(段繰り加工)し、この中芯原紙の一方段頂部に貼合用の接着剤(接着剤溶液)を塗布した後、本発明の防炎性シートをライナーとして貼り合せて片面段ボールを作成する。また、必要に応じて、中芯原紙の他方段頂部にグルーマシンで貼合用の接着剤(接着剤溶液)を塗布してダブルフェーサに送り、ヒーティングパートで中芯原紙の他方段頂部側に防炎性シートを貼りあわせ、熱板等で加熱した後、クーリングパートで冷却することにより段ボールを得ることができる。中芯原紙や接着剤は、特に制限はなく公知のものが使用できる。
本発明において防水層の効果を評価する場合、コッブ吸水度および撥水性試験の両方を用いる。コッブ吸水度はシートが水に触れている状態での浸水の度合いを測定する試験であり、いわゆる耐水性の評価である。一方、撥水性試験はシートが瞬間的に水に触れた場合にどのくらい水をはじくか否かを測定する試験であり、撥水性の評価である。防炎性シートの表面についてJIS-P8140で規定される接触時間300秒のコッブ吸水度が10g/m未満あることが好ましく、7g/m未満であることがさらに好ましく、5g/m未満であることがさらにより好ましく、3g/m未満あることがより好ましい。コッブ吸水度は値が小さいほど防炎性シートの防水性を保たれ、5g/m以上の場合は好ましくない。撥水性試験はJapan TAPPI No.68紙及び板紙―はっ水度試験方法でR7以上であることが好ましく、R8以上であることがさらに好ましく、R9以上であることがより好ましい。
本発明の別の態様は、防炎性シートの製造方法である。これは、紙基材の片面に分散体の難燃剤からなる第一の防炎層を形成する工程、その上に水系エマルジョンからなる防水層を形成する工程、及び前記紙基材のもう一方の面に水溶性の難燃剤からなる第二の防炎層を形成する工程を含む、防炎性シートの製造方法である。ここでの紙基材、分散体の難燃剤、第一の防炎層、防水層、第二の防炎層、各層を形成する方法は全て前記のものが適用できる。また、防水層を形成する工程と第二の防炎層を形成する工程は順不同である。したがって、紙基材の片面に分散体の難燃剤からなる第一の防炎層を形成する工程、前記紙基材のもう一方の面に水溶性の難燃剤からなる第二の防炎層を形成する工程、及び前記第一の防炎層の上に水系エマルジョンからなる防水層を形成する工程、の順にて防炎性シートを製造する方法としてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
〔実施例1〕
紙基材として坪量170g/mの段ボール用ライナーを用意し、この片面に第一の防炎層として、リン・窒素系化合物を分散させた難燃剤(大和化学工業製「フランCM-DR」)を100質量部およびポリビニルアルコール(クラレ製「エクセバールRS-2117」)5質量部を混合した塗料をエアーナイフコーターにて乾燥質量が5g/mとなるように塗工した。この第一の防炎層の上に、防水層として、アクリル系エマルジョンポリマー(アークロマ社製「カルタシールHFUリキッド」)をエアーナイフコーターにて乾燥質量が4g/mとなるように塗工した。さらに、紙基材のもう一方の面に第二の防炎層として、水溶性の難燃剤(大和化学工業製「フラン2025Bnf」)をエアーナイフコーターにて乾燥質量が20g/mとなるように塗工した。このようにして、防炎性シートを得た。
〔実施例2〕
第一の防炎層として、リン酸エステルアミド化合物を分散させた難燃剤(大京化学製「ビゴールFV-1010」)を用いた以外は実施例1と同様にして、防炎性シートを得た。
〔比較例1〕
第一の防炎層として、スルファミン酸塩の非分散系難燃剤(大和化学工業製「フラン2025Bnf」)を用いた以外は実施例1と同様にして、防炎性シートを得た。
〔比較例2〕
第一の防炎層として、リン窒素系化合物の非分散系難燃剤(大和化学工業製「フランPTW」)を用いた以外は実施例1と同様にして、防炎性シートを得た。
〔評価方法〕
以下の基準に基づき防炎性シートを評価した。

コッブ吸水度:JIS P8140(1998)、浸漬時間300秒

撥水性試験:JAPAN TAPPI No68(2000)「紙及び板紙-撥水性試験方法」

防炎性能:公益財団法人日本防炎協会が規定した防炎物品の防炎性能試験基準における45°メッケルバーナー法により評価した。測定結果から、以下の基準で防炎性能を判定した。
○:炭化面積が50cm以下、残炎時間が10秒以下、残じん時間30秒以下、の全てを満たす。
△:炭化面積が50cm以下、残炎時間が10秒以下、残じん時間30秒以下、のうち、二つ以上を満たす。
×:炭化面積が50cm以下、残炎時間が10秒以下、残じん時間30秒以下、の全てを満たさない。
Figure 2023089706000002
実施例と比較例の結果、実施例はコッブ吸水度および撥水性試験のいずれも良好な結果が得られ、高い防水性を有することが判った。一方、比較例1および2は均一な防水層が形成できず、コッブ吸水度および撥水性試験のいずれも実施例に劣る結果となり、防水性が不足していることが判った。
1 紙基材
2 第一の防炎層
3 第二の防炎層
4 防水層
10 防炎性シート

Claims (11)

  1. 紙基材の片面に第一の防炎層、もう一方の面に第二の防炎層を有する防炎性シートであって、
    前記第一の防炎層の上に水系エマルジョンからなる防水層を有し、
    前記第一の防炎層は分散体の難燃剤を含む、防炎性シート。
  2. 前記第二の防炎層に含まれる難燃剤が水溶性である、請求項1記載の防炎性シート。
  3. 前記第一の防炎層が、難燃剤100質量部に対してバインダーを5~15質量部含む、請求項1または2記載の防炎性シート。
  4. 前記水系エマルジョンが、アクリル系エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョンまたはポリオレフィン系エマルジョンである、請求項1~3のいずれかに記載の防炎性シート。
  5. 前記紙基材の坪量が140g/m以上である、請求項1~4のいずれかに記載の防炎性シート。
  6. 前記分散体の難燃剤が有機リン系および/または赤リンを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の防炎性シート。
  7. コッブ吸水度(JIS P8140、浸漬時間300秒)が10g/m未満である、請求項1~6のいずれかに記載の防炎性シート。
  8. 前記紙基材が段ボール用ライナーである、請求項1~7のいずれか1項に記載の防炎性シート。
  9. 請求項8記載の防炎性シートを備える段ボール。
  10. 紙基材の片面に分散体の難燃剤からなる第一の防炎層を形成する工程、
    その上に水系エマルジョンからなる防水層を形成する工程、及び
    前記紙基材のもう一方の面に水溶性の難燃剤からなる第二の防炎層を形成する工程
    を含む、防炎性シートの製造方法。
  11. 紙基材の片面に分散体の難燃剤からなる第一の防炎層を形成する工程、
    前記紙基材のもう一方の面に水溶性の難燃剤からなる第二の防炎層を形成する工程、及び
    前記第一の防炎層の上に水系エマルジョンからなる防水層を形成する工程
    を含む、防炎性シートの製造方法。
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