JP2023072792A - 記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】デザイン性および機械的な強度に優れ、設置スペースを削減する記録装置を提供すること。【解決手段】記録装置１０は、記録部３０と、記録媒体２２を支持する支持部３１と、記録媒体２２を搬送する搬送経路４０と、ロール体２５ａ，２５ｂを保持し、記録媒体２２を供給する記録媒体保持部２０と、記録部３０、支持部３１、搬送経路４０、および記録媒体保持部２０を保持するフレーム６０と、を有し、フレーム６０は、Ｘ方向に沿うと共に、Ｙ方向に沿って延在するロアフレーム６５と、Ｚ方向とＹ方向とに沿って延在し、下端がロアフレーム６５に固定されてＺ方向に立設され、Ｘ方向に所定の間隔を隔てて配置される一対のサイドフレーム６２，６３と、サイドフレーム６２，６３の間に保持され、Ｘ方向に延在する４つの壁面６７ｗを有するベースフレーム６７と、を備え、４つの壁面６７ｗの内側に、記録部３０の記録に関する機能部品が配置される。【選択図】図３

Description

本発明は、記録装置に関する。

従来、記録装置として、ラージフォーマット型のインクジェットプリンターが知られていた。このような記録装置には、ロール状に巻かれた記録媒体を用いるものがある。例えば、特許文献１には、記録前と記録後との２つのロール体を保持する記録装置が開示されている。

特開２０２１－１３３５２７号公報

しかしながら、特許文献１に記載の記録装置では、広い設置スペースが必要になるという課題があった。詳しくは、上記記録装置では、筐体を脚部が支持し、脚部の前後にロール体が配置されている。そのため、前後方向に大きくなって広い設置スペースを要していた。また、新しいロール体を装着する際に、使用者が後方で作業するためのスペースが必要であった。さらに、外観に凹凸が多く、デザイン性を向上させることが難しいという課題もあった。

これに対して、装置全体を直方体の筐体とし、該筐体の内部に印刷部、脚部、およびロール体などを収容すると、記録装置の機械的な強度が低下し易いという課題があった。詳しくは、上記の構成では、サイドフレームを下方に延長することになり、これによってフレームの剛性が不足する場合があった。すなわち、従来よりも、デザイン性および機械的な強度に優れ、設置スペースを削減する記録装置が求められていた。

記録装置は、記録部と、前記記録部に対向する位置にて、前記記録部によって記録される記録媒体を支持する支持面を有する支持部と、前記支持部に前記記録媒体を搬送する搬送経路と、前記記録媒体が巻き重ねられたロール体を保持し、前記記録媒体を前記搬送経路に供給する記録媒体保持部と、前記記録部、前記支持部、前記搬送経路、および前記記録媒体保持部を保持するフレームと、を有し、前記フレームは、第１方向に沿うと共に、前記第１方向と交差する第２方向に沿って延在するロアフレームと、前記第１方向および前記第２方向と交差する第３方向と、前記第２方向と、に沿って延在し、下端が前記ロアフレームに固定されて前記第３方向に立設され、前記第１方向に所定の間隔を隔てて配置される一対のサイドフレームと、一対の前記サイドフレームの間に保持され、前記第１方向に延在する４つの壁面を有するベースフレームと、を備え、前記ベースフレームの４つの前記壁面の内側に、前記記録部の記録に関する機能部品が配置されることを特徴とする。

実施形態に係る記録装置の構成を示す斜視図。 記録装置の内部構成を示す模式断面図。 フレームの構成を示す斜視図。 ベースフレームの外観を示す斜視図。 サイドフレームにおけるベースフレームなどの保持状態を示す模式側面図。 ベースフレームに保持される各部材の配置を示す模式側面図。 支持部および負圧室などの構成を示す斜視断面図。 図７における領域Ｍの拡大図。 軸支持部材および支持部支持部材の配置を示す斜視図。 図９における領域Ｎの拡大図。

以下に述べる実施の形態では、記録装置としてラージフォーマット型のインクジェットプリンターを例示し、図面を参照して説明する。図示の便宜上、各部材の大きさを実際とは異ならせている。ラージフォーマット型のインクジェットプリンターには、例えば、２９７ｍｍ以上の幅の記録媒体が適用可能である。

以下の各図においては、必要に応じて相互に直交する座標軸としてＸＹＺ軸を付し、各矢印が指す方向を＋方向とし、＋方向と反対の方向を－方向とする。記録装置が水平面に設置された場合に、Ｚ軸は鉛直方向に沿う。＋Ｙ方向を前方、－Ｙ方向を後方ということもあり、＋Ｚ方向を上方、－Ｚ方向を下方ということもある。

本発明において、第１方向はＸ軸に沿う方向であり、第１方向と交差する第２方向はＹ軸に沿う方向であり、第１方向および第２方向と交差する第３方向はＺ軸に沿う方向である。Ｘ軸に沿う方向を単にＸ方向といい、Ｙ軸に沿う方向を単にＹ方向といい、Ｚ軸に沿う方向を単にＺ方向という。

記録媒体が原反のロール体から解かれて記録が成され、記録物が記録装置から排出される記録媒体の経路において、原反側を上流ということもあり、記録物が排出される側を下流ということもあり、上流から下流へ向かう方向を搬送方向ということもある。

図１に示すように、本実施形態に係る記録装置１０は、Ｘ方向に長くＺ方向に高い略直方体形状の筐体１２を有する。筐体１２は、前面１３、背面１４、側面１５，１６、上面１７、および底面１８を含む。

記録装置１０は、筐体１２の内部に、記録部３０、支持部３１、および記録媒体保持部２０を有する。図示を省略するが、記録装置１０は、搬送経路、記録装置１０の骨組みであるフレーム、および制御部も有する。また、記録装置１０は底面１８に４つの脚部１１を備える。

記録部３０は、筐体１２内部の上方に配置される。記録部３０は、キャリッジ３３および記録ヘッド３４を含む。キャリッジ３３は、支持部３１の上方に配置される。記録ヘッド３４は、キャリッジ３３の下方に配置され、支持部３１とＺ方向に対向する。

記録ヘッド３４は、支持部３１と対向する面に図示しないノズル面を有する。ノズル面には複数のノズル列が配置される。複数のノズル列の各々は、複数のノズルから成り、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの色を呈するインクを個別に吐出する。これらのインクは、インクカートリッジ３５から、図示しない配管を介して記録ヘッド３４に供給される。本明細書では、記録部３０が吐出する液体を、上述した各色のインクの他、クリアインクや処理液なども含めて単にインクという。

支持部３１は、図示しない記録媒体に記録ヘッド３４によって記録が成される際に、記録媒体を支持する。支持部３１はＸ方向に細長い略矩形状である。記録ヘッド３４は、後述するフレームの一部に支持されて、支持部３１に対応する範囲をＸ方向に移動する。

筐体１２の前面１３には、排紙口５３、ロール体収容口２７が配置される。排紙口５３は、支持部３１の前方にあって、記録媒体の幅に対応するＸ方向に細長いスリットである。排紙口５３では、記録が成された記録媒体である記録物が、筐体１２の内部から前方の外部に排出される。

ロール体収容口２７は、２つのロール体２５ａ，２５ｂに対応する略矩形状の開口部である。ロール体収容口２７は、Ｚ方向において筐体１２の底面１８の近傍から筐体１２の高さの中ほどまでに及び、Ｘ方向においてロール体２５ａ，２５ｂの長さより長い。＋Ｙ方向からは、ロール体収容口２７を介してロール体２５ａ，２５ｂが視認される。

ロール体２５ａは、芯部材２３ａに記録前の記録媒体２２が巻き重ねられる。ロール体２５ｂは、芯部材２３ｂに記録前の記録媒体２２が巻き重ねられる。ロール体２５ａ，２５ｂは、略円柱状であって、円柱の高さ方向がＸ方向に沿う。筐体１２の底面１８近傍にロール体２５ｂが配置され、ロール体２５ｂの上方にロール体２５ａが配置される。記録媒体２２としては、例えば、コート紙などの紙、塩ビなどの樹脂シート、および布帛などが挙げられる。

記録媒体保持部２０はロール体２５ａ，２５ｂを保持すると共に、搬送経路に記録前の記録媒体２２をロール体２５ａ，２５ｂから供給する。

上面１７の－Ｘ方向かつ＋Ｙ方向には、入力部５９が配置される。入力部５９は、例えば、タッチパネル式の液晶表示装置である。入力部５９は、制御部と電気的に接続される。入力部５９では、記録装置１０の各種操作の入力が成されると共に、記録装置１０の各種情報が表示される。

制御部は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、システムバス、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）などを含む。制御部は、記録装置１０の各構成と電気的に接続されて、記録装置１０の稼働を統合的に制御する。記録装置１０は、パーソナルコンピューターなどの情報機器から制御部を介して操作されてもよい。

図２に示すように、記録装置１０では、ベースフレーム６７の周辺に主要な構成が配置される。ベースフレーム６７はＸ方向に延在する。ここで、図２は、ＹＺ平面に沿い、ダクト７３を分割する断面である。底面１８を成すロアフレーム６５には、４つの脚部１１が配置される。なお、記録装置１０におけるベースフレーム６７を含むフレームの構成については後述する。

記録装置１０は、ロアフレーム６５を支持する４つの脚部１１を介して、設置面Ｓに設置される。脚部１１は、例えば、キャスターやアジャスターなどの重量物の支持や固定が可能な部材である。脚部１１は、４つであることに限定されず、５つ以上であってもよい。また、キャスターおよびアジャスターの双方を含んでもよい。

記録装置１０では、記録媒体保持部２０から、搬送経路４０、および記録部３０と支持部３１とが対向する位置を経て、上述した排紙口５３まで記録媒体２２が搬送される。

記録媒体保持部２０は、図示を省略するが、ロール体２５ａ，２５ｂの各々に対応して、記録媒体２２の送り出し機構を有する。ロール体２５ａ，２５ｂのうち、どちらの記録媒体２２を用いるかは使用者が選択する。記録媒体２２は、記録媒体保持部２０から後方かつ上方に送り出されて搬送経路４０へ進む。

搬送経路４０は、支持部３１に記録媒体２２を搬送する。搬送経路４０は、下面側経路形成部材４１ａ，４１ｂ、斜面４４ａ，４４ｂ、後面側経路形成部材４５、および上面側経路形成部材４７などにより形成される。これらの搬送経路４０を形成する部材には、記録媒体２２が摺動するため、摩擦係数の小さな樹脂などの材料が採用される。なお、下面側経路形成部材４１ａが本発明の下面側経路形成部材の一例である。

搬送経路４０は、記録媒体２２を搬送方向に搬送する搬送ローラーとして、中間ローラー４２および搬送ローラー４３を有する。中間ローラー４２および搬送ローラー４３では、記録媒体２２が接する面に、ゴムや樹脂系エラストマーなどの摩擦係数の大きな材料が用いられる。

搬送経路４０は、ベースフレーム６７に対して、下方から後方を経由して上方に至る。搬送経路４０では、上流から下流の支持部３１に向かって、下面側経路形成部材４１ａおよび斜面４４ａまたは下面側経路形成部材４１ｂおよび斜面４４ｂ、後面側経路形成部材４５、中間ローラー４２、上面側経路形成部材４７、搬送ローラー４３の順に配置される。

下面側経路形成部材４１ａ，４１ｂおよび斜面４４ａ，４４ｂは、ベースフレーム６７の下方に配置される。ロール体２５ａに対応して、下面側経路形成部材４１ａおよび斜面４４ａが配置される。ロール体２５ｂに対応して、下面側経路形成部材４１ｂおよび斜面４４ｂが配置される。下面側経路形成部材４１ａ，４１ｂは、記録媒体２２の記録面の裏面に対応し、斜面４４ａ，４４ｂは記録媒体２２の記録面に対応する。

後面側経路形成部材４５は、ベースフレーム６７の後方に配置される。記録媒体２２は、後面側経路形成部材４５に沿って、上方へ搬送される。

記録媒体２２の搬送方向は、中間ローラー４２にて略＋Ｙ方向へと変更される。支持部３１の支持面３１ｓに搬送される記録媒体２２の搬送方向において、中間ローラー４２、上面側経路形成部材４７、および搬送ローラー４３は上流側にあって、ベースフレーム６７の上方かつ後方寄りに配置される。

中間ローラー４２および搬送ローラー４３は、図示しないモーターの駆動により、－Ｘ方向からの側面視で反時計回りに回転して記録媒体２２を下流へ搬送する。上面側経路形成部材４７は、中間ローラー４２と搬送ローラー４３との間にあり、記録媒体２２を案内する。

搬送ローラー４３の下流、かつベースフレーム６７の上方に、支持部３１が配置される。支持部３１の上方に記録部３０の記録ヘッド３４が配置される。支持部３１は、負圧室３１ｒ、支持面３１ｓ、および後述する複数の開口を有する。支持面３１ｓは、記録部３０と対向する位置にて記録媒体２２を支持する。当該位置にて、記録媒体２２には記録が成される。

負圧室３１ｒは、支持面３１ｓの下方に配置される。複数の開口は、支持面３１ｓに設けられ、負圧室３１ｒの内部から支持面３１ｓに連通する。支持面３１ｓは、負圧室３１ｒの上方にて、記録部３０とＺ方向に対向して配置される。

記録装置１０は、負圧機構７５およびダクト７３を備える。負圧機構７５は、ベースフレーム６７の前方に配置される。ダクト７３は、ベースフレーム６７の内側にあって、湾曲している。ベースフレーム６７の一端は負圧機構７５の後方に接続され、他端はベースフレーム６７の上方へ突出して負圧室３１ｒに連通する。

ダクト７３は、負圧室３１ｒと負圧機構７５とを連通させる。負圧機構７５は、例えば、吸引ファンを含み、負圧室３１ｒを負圧にする。すなわち、負圧機構７５が発生させる負圧により、記録媒体２２が支持面３１ｓに吸着される。これにより、支持部３１における記録媒体２２の皺や位置ずれの発生を抑えることができる。

記録ヘッド３４は、キャリッジ３３の下方にあって、支持面３１ｓと対向して配置される。図示を省略するが、記録ヘッド３４は、インク吐出の駆動手段であるアクチュエーターを含む。アクチュエーターとしては、圧電素子、振動板を静電吸着により変位させる電気機械変換素子、および加熱によって生じる気泡によってインク滴を吐出させる電気熱変換素子などが挙げられる。

キャリッジ３３は、メインフレーム６１の図示しないガイドレールに支持される。メインフレーム６１は、断面が略矩形の四角柱状である。メインフレーム６１は、四角柱の高さ方向がＸ方向に沿って、中間ローラー４２の上方に配置される。

メインフレーム６１は、ガイドレールを介して、記録部３０のキャリッジ３３をＸ方向へ移動可能に支持する。すなわち、キャリッジ３３は、メインフレーム６１に支持されながら、図示しないモーターの駆動によってＸ方向に走査される。キャリッジ３３を走査しながら記録媒体２２を搬送して、記録ヘッド３４から記録媒体２２にインクを付着させることにより、記録媒体２２に画像、色彩、テキストなどが記録されて記録物が作製される。

記録装置１０は、縁なし印刷などの際に、支持面３１ｓに打ち捨てられたインクを回収するメンテナンスタンク８３を備える。メンテナンスタンク８３は、ベースフレーム６７の上方かつ前方に配置される。図示を省略するが、メンテナンスタンク８３には、支持面３１ｓから樋部が接続される。当該樋部を介して、支持面３１ｓからメンテナンスタンク８３内にインクが導かれる。メンテナンスタンク８３の内部には、インクを吸収して保持する吸収材が配置される。

支持部３１の下流には切断部５０が配置される。切断部５０は、記録媒体２２を所望の位置でＸ方向に沿って切断する。そして、記録媒体２２は、記録物として上述した排紙口５３から前方に排出される。

図３に示すように、記録装置１０のフレーム６０は、メインフレーム６１、ベースフレーム６７、ロアフレーム６５、一対のサイドフレーム６２，６３、サブフレーム６９、サブベースフレーム６８を備える。これらが組み立てられてフレーム６０が形成される。フレーム６０は、上述した記録部３０、支持部３１、搬送経路４０、記録媒体保持部２０を保持する。

ロアフレーム６５は、フレーム６０の最も下方に位置する。ロアフレーム６５は、Ｘ方向に長い部材であり、Ｘ方向に沿うと共にＹ方向に沿って延在する。図示を省略するが、ロアフレーム６５は、Ｘ方向に沿って延在する複数のリブや屈曲部を有する。Ｘ方向において、ロアフレーム６５の長さは、上記記録装置１０の筐体１２の長さに略等しい。

一対のサイドフレーム６２，６３は、各々下端がロアフレーム６５の上方の面に固定されて、Ｚ方向に立設される。Ｙ方向から見たとき、＋Ｘ方向にサイドフレーム６２が配置され、－Ｘ方向にサイドフレーム６３が配置される。サイドフレーム６２は、第１部分６２ａおよび第２部分６２ｂを有する。サイドフレーム６３は、第１部分６３ａおよび第２部分６３ｂを有する。

第１部分６２ａ，６３ａは、Ｚ方向およびＹ方向に延在する。第２部分６２ｂは、第１部分６２ａからＸ方向、詳しくは－Ｘ方向に屈曲して延在する。第２部分６３ｂは、第１部分６３ａからＸ方向、詳しくは＋Ｘ方向に屈曲して延在する。一対のサイドフレーム６２，６３は、所定の間隔を隔ててＸ方向に対向して配置される。所定の間隔とは、例えば、上述したロール体２５ａのＸ方向の長さより長い距離である。

４つの脚部１１は、Ｚ方向から見て、それぞれ第１部分６２ａ，６３ａと第２部分６２ｂ，６３ｂとのいずれかと重ねて配置される。詳しくは、－Ｘ方向かつ前方の脚部１１が第１部分６３ａと重なり、－Ｘ方向かつ後方の脚部１１が第２部分６３ｂと重なる。また、＋Ｘ方向かつ前方の脚部１１が第１部分６２ａと重なり、＋Ｘ方向かつ後方の脚部１１が第２部分６２ｂと重なる。

これにより、ロアフレーム６５がサイドフレーム６２，６３を固定する位置に脚部１１が設けられるため、ロアフレーム６５がサイドフレーム６２，６３によって補強され、ロアフレーム６５の変形を抑えることができる。また、４つの脚部１１により、記録装置１０を安定して設置することができる。

ベースフレーム６７は、略四角柱状の箱型であり、四角柱の高さ方向がＸ軸に沿う。ベースフレーム６７は、Ｚ方向において、一対のサイドフレーム６２，６３の中ほどより上方にて、一対のサイドフレーム６２，６３の間に保持される。ベースフレーム６７は、記録装置１０の主要な構成の一部を保持する。

上述した記録媒体保持部２０は、Ｘ方向において一対のサイドフレーム６２，６３の間に、Ｚ方向においてベースフレーム６７とロアフレーム６５との間に配置される。

メインフレーム６１は、一対のサイドフレーム６２，６３の上端部に支持される。メインフレーム６１は、サイドフレーム６２よりも＋Ｘ方向に延在し、サイドフレーム６３よりも－Ｘ方向に延在する。Ｘ方向において、メインフレーム６１の長さは、ロアフレーム６５の長さに略等しい。一対のサイドフレーム６２，６３に対して、メインフレーム６１が、ロアフレーム６５と共にＸ方向に固定されるため、フレーム６０の剛性がより向上する。

サブフレーム６９およびサブベースフレーム６８は、Ｘ方向の一方である－Ｘ方向に配置される。サブフレーム６９およびサブベースフレーム６８は、－Ｘ方向に配置されることに限定されず、Ｘ方向において、一方の－Ｘ方向および他方の＋Ｘ方向の両側または片側に配置されてもよい。

サブフレーム６９は、下端がロアフレーム６５の上方の面に固定されて、Ｚ方向に立設される。サイドフレーム６３とサブフレーム６９とは、サブベースフレーム６８を介してＸ方向に対向して配置される。サブフレーム６９の上端は、メインフレーム６１を支持する。

サブベースフレーム６８は、Ｘ方向に延在する３つの壁面６８ａ，６８ｃ，６８ｄを有する。壁面６８ａはＸＹ平面に沿い、壁面６８ｃ，６８ｄはＸＺ平面に沿う。サブベースフレーム６８の上方には、上述したインクカートリッジ３５が収載される。これによれば、フレーム６０の剛性が向上すると共に、フレーム６０の内側のスペースを有効に活用することができる。なお、サブベースフレーム６８とロアフレーム６５との間に、インクカートリッジ３５よりも大容量のインクタンクなどを収載してもよい。

Ｙ方向から見たとき、ベースフレーム６７とサブベースフレーム６８とは、Ｚ方向において異なる位置にある。そのため、フレーム６０の剛性がより向上する。

サイドフレーム６２，６３、ロアフレーム６５、ベースフレーム６７、サブベースフレーム６８、およびサブフレーム６９などは、鉄、アルミニウム、合金などの平板から成り、穴あけ、折り曲げなどの加工を経て成形される。フレーム６０の組み立てには、勘合、ネジやリベットなどによる締結、および接合などの手段が、単独または組み合わされて採用される。フレーム６０は、上述した各フレームの他に、さらに追加の構造部材を有してもよい。

図４に示すように、ベースフレーム６７は、Ｘ方向に延在する４つの壁面として、上壁面６７ａ、下壁面６７ｂ、前壁面６７ｃ、および後壁面６７ｄを有する。以降の説明では、これら４つの壁面を総称して４つの壁面６７ｗということもある。

４つの壁面６７ｗは、Ｘ方向に細長い略矩形状である。上壁面６７ａと下壁面６７ｂとは、ＸＹ平面に沿い、互いにＺ方向に対向する。前壁面６７ｃと後壁面６７ｄとは、ＸＺ平面に沿い、互いにＹ方向に対向する。

上壁面６７ａにおいて、＋Ｘ方向の端部を端部６７ａ１とし、－Ｘ方向の端部を端部６７ａ２とする。下壁面６７ｂにおいて、＋Ｘ方向の端部を端部６７ｂ１とし、－Ｘ方向の端部を端部６７ｂ２とする。前壁面６７ｃにおいて、＋Ｘ方向の端部を端部６７ｃ１とし、－Ｘ方向の端部を端部６７ｃ２とする。後壁面６７ｄにおいて、＋Ｘ方向の端部を端部６７ｄ１とし、－Ｘ方向の端部を端部６７ｄ２とする。

上壁面６７ａには、Ｘ方向の中央より端部６７ａ２寄りに貫通孔６７ｈ１が配置される。前壁面６７ｃには、Ｘ方向の中央より端部６７ｃ２寄りに貫通孔６７ｈ２が配置される。貫通孔６７ｈ１，６７ｈ２は、破線で図示したダクト７３に対応する。ダクト７３は、貫通孔６７ｈ１から上方へ突出して、上述した負圧室３１ｒに接続される。また、ダクト７３は、貫通孔６７ｈ２を介して、上述した負圧機構７５に接続される。

図５に示すように、ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗは、Ｘ方向の一方である－Ｘ方向において、端部６７ａ２，６７ｃ２，６７ｄ２の３つが、一対のサイドフレーム６２，６３の一方であるサイドフレーム６３に＋Ｘ方向から固定される。なお、サイドフレーム６３に対して、４つの壁面６７ｗの４つの端部６７ａ２，６７ｂ２，６７ｃ２，６７ｄ２のすべてが固定されてもよいが、４つの端部６７ａ２，６７ｂ２，６７ｃ２，６７ｄ２うちの少なくとも２つが固定されればよい。

図示を省略するが、上記と同様にして、４つの壁面６７ｗは、Ｘ方向の他方である＋Ｘ方向において、端部６７ａ１，６７ｃ１，６７ｄ１の３つが、一対のサイドフレーム６２，６３の他方であるサイドフレーム６２に－Ｘ方向から固定される。なお、サイドフレーム６３に対して、４つの壁面６７ｗの４つの端部６７ａ１，６７ｂ１，６７ｃ１，６７ｄ１のすべてが固定されてもよいが、４つの端部６７ａ１，６７ｂ１，６７ｃ１，６７ｄ１のうちの少なくとも２つが固定されればよい。

以上により、４つの壁面６７ｗのうち少なくとも２つが、一対のサイドフレーム６２，６３に挟まれて固定される。そのため、フレーム６０の剛性をさらに向上させることができる。

中間ローラー４２および搬送ローラー４３は、－Ｘ方向における軸の端がサイドフレーム６３に回転自在に保持される。図示を省略するが、中間ローラー４２および搬送ローラー４３は、＋Ｘ方向における軸の端がサイドフレーム６２に回転自在に保持される。

メインフレーム６１は、Ｘ方向から見たとき、ベースフレーム６７より後方、かつ上方に配置される。これにより、メインフレーム６１に支持されてＸ方向に移動する、図示しない記録部３０の可動域が確保される。

記録媒体保持部２０は、Ｚ方向から見たとき、Ｙ方向においてベースフレーム６７の前壁面６７ｃ側にある。また、記録媒体保持部２０は、Ｚ方向から見たとき、Ｙ方向において少なくとも一部がベースフレーム６７と重ねて配置される。そのため、前後方向の長さが短縮されて、記録装置１０を小型化することができる。

図６に示すように、ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗの内側に、記録部３０の記録に関する機能部品であるダクト７３が配置される。そのため、ベースフレーム６７の内部が有効に活用されて、記録装置１０を小型化することができる。なお、４つの壁面６７ｗの内側に配置される上記機能部品は、ダクト７３に限定されない。ここで、上記機能部品とは、ベースフレーム６７に取り付けられる全ての構成を含み、例えば、負圧室３１ｒ、負圧機構７５、およびメンテナンスタンク８３などが挙げられる。

ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗのうち、上壁面６７ａの上方に負圧室３１ｒが保持される。そのため、支持面３１ｓから負圧室３１ｒに連通する、図示しない複数の開口がベースフレーム６７の外側に配置される。これにより、ベースフレーム６７に複数の開口に対応する穴を設けなくてすみ、ベースフレーム６７の剛性が向上する。また、負圧室３１ｒがベースフレーム６７の外側にあるため、負圧室３１ｒの整備性を向上させることができる。

負圧室３１ｒは、一部または全部がベースフレーム６７の内部に配置されてもよい。すなわち、例えば、負圧室３１ｒは、上壁面６７ａの下方に保持されてもよい。これにより、ベースフレーム６７の内部が有効に活用されて、記録装置１０を小型化することができる。

ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗのうち、前壁面６７ｃの＋Ｙ方向に負圧機構７５が保持される。そのため、前壁面６７ｃを介して、記録装置１０の前方へ負圧機構７５から空気を流すことができる。

負圧機構７５は、一部または全部がベースフレーム６７の内部に配置されてもよい。すなわち、例えば、負圧機構７５は、前壁面６７ｃの－Ｙ方向に保持されてもよい。これにより、ベースフレーム６７の内部が有効に活用されて、記録装置１０を小型化することができる。

メンテナンスタンク８３は、ベースフレーム６７の上壁面６７ａと負圧室３１ｒとの間に配置される。

下面側経路形成部材４１ａは、ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗのうち、下壁面６７ｂに保持される。後面側経路形成部材４５は、ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗのうち、後壁面６７ｄに保持される。上面側経路形成部材４７は、ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗのうち、上壁面６７ａに保持される。

上述したように、ベースフレーム６７の４つの壁面６７ｗに各部材が保持されて、４つの壁面６７ｗが有効に活用される。

図７に示すように、支持部３１はＸ方向に細長い形状を有する。ダクト７３の上方は負圧室３１ｒに連通する。なお、図７では、ＹＺ平面に沿い、ダクト７３をＸ方向に等分する面で切断した状態を示す。

負圧室３１ｒは、Ｘ方向に細長い小部屋状の空間である。負圧室３１ｒの上方に、支持面３１ｓが配置される。負圧室３１ｒにおいて、ダクト７３と連通する領域、および後述する支持面３１ｓの複数の開口以外は閉塞されている。

支持面３１ｓの＋Ｙ方向には、樋部８５が接続される。樋部８５の上方の面は、＋Ｙ方向が下方へ傾斜している。これにより、樋部８５は、支持面３１ｓに打ち捨てられたインクを上述したメンテナンスタンク８３へ導く。

図８に示すように、支持面３１ｓには、負圧室３１ｒに連通する複数の開口３１ｈが配置される。負圧室３１ｒが負圧にされると、空気が複数の開口３１ｈから負圧室３１ｒへ吸引される。これにより、図示しない記録媒体２２が支持面３１ｓに吸着される。

支持面３１ｓにおいて、複数の開口３１ｈが配置される領域の隣には、溝部３１ｇが設けられる。溝部３１ｇはＹ方向に延在する複数の溝を含む。溝部３１ｇでは、支持面３１ｓに吐出されたインクが＋Ｙ方向の樋部８５へと導かれる。

図９に示すように、ベースフレーム６７には、複数の軸支持部材９１および一対の支持部支持部材９３が配置される。

軸支持部材９１は、ベースフレーム６７の上壁面６７ａにおいて、中間ローラー４２および搬送ローラー４３の軸のＸ方向の両端よりも内側に２つ配置される。軸支持部材９１は、中間ローラー４２および搬送ローラー４３の下方にあって、上記軸を回転自在に支持する。上記軸を２個所で軸支持部材９１が支持するため、中間ローラー４２および搬送ローラー４３におけるたわみの発生を抑えて、記録媒体２２の搬送性が向上する。軸支持部材９１の個数は、２つに限定されず、３つ以上であってもよい。

一対の支持部支持部材９３の各々は、２つの軸支持部材９１に対応して、図示しない負圧室３１ｒのＺ方向である上方に配置される。図１０に示すように、各支持部支持部材９３は、ベースフレーム６７の上壁面６７ａに支持されてＹ方向に延在し、－Ｙ方向の端付近で軸支持部材９１を支持する。また、図示しない支持部３１は、一対の支持部支持部材９３の上方にあって、一対の支持部支持部材９３に下方が支持される。すなわち、一対の支持部支持部材９３は、支持部３１および２つの軸支持部材９１を支持する。

図９に戻り、上面側経路形成部材４７は、Ｘ方向に３つ並んで配置される。３つの上面側経路形成部材４７は、Ｘ方向において、軸支持部材９１および支持部支持部材９３が配置される位置以外でベースフレーム６７の上壁面６７ａに保持される。これによれば、上面側経路形成部材４７と、軸支持部材９１および支持部支持部材９３との干渉を防ぐことができる。

上述したように、ベースフレーム６７の上壁面６７ａに各部材が保持されて、上壁面６７ａが有効に活用される。

本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。

記録装置１０において、機械的な強度が向上すると共に、設置スペースを削減することができる。詳しくは、フレーム６０は、ロアフレーム６５、一対のサイドフレーム６２，６３、およびベースフレーム６７などが組み立てられて成る。ベースフレーム６７は、４つの壁面６７ｗを有するため剛性に優れる。一対のサイドフレーム６２，６３は、ベースフレーム６７を間に挟んで支持する。ロアフレーム６５は、一対のサイドフレーム６２，６３の下端を支持する。これらにより、小型で剛性に優れるフレーム６０か形成される。

フレーム６０が組み立て式であり、主要な構成がフレーム６０に保持される。そのため、外形の凹凸が低減されて、記録装置１０の外観のデザイン性を向上させることができる。以上から、デザイン性および機械的な強度に優れ、設置スペースを削減する記録装置１０を提供することができる。

１０…記録装置、１１…脚部、２０…記録媒体保持部、２２…記録媒体、２５ａ，２５ｂ…ロール体、３０…記録部、３１…支持部、３１ｈ…開口、３１ｓ…支持面、３１ｒ…負圧室、４０…搬送経路、４１ａ…下面側経路形成部材、４２…中間ローラー、４３…搬送ローラー、４５…後面側経路形成部材、４７…上面側経路形成部材、６０…フレーム、６１…メインフレーム、６２，６３…サイドフレーム、６２ａ，６３ａ…第１部分、６２ｂ、６３ｂ…第２部分、６５…ロアフレーム、６７…ベースフレーム、６７ａ…上壁面、６７ａ１，６７ａ２，６７ｂ１，６７ｂ２，６７ｃ１，６７ｃ２，６７ｄ１，６７ｄ２…端部、６７ｃ…前壁面、６７ｗ…４つの壁面、６８…サブベースフレーム、６９…サブフレーム、７３…ダクト、７５…負圧機構、８３…メンテナンスタンク、９１…軸支持部材、９３…支持部支持部材。

Claims (15)

1. 記録部と、
   前記記録部に対向する位置にて、前記記録部によって記録される記録媒体を支持する支持面を有する支持部と、
   前記支持部に前記記録媒体を搬送する搬送経路と、
   前記記録媒体が巻き重ねられたロール体を保持し、前記記録媒体を前記搬送経路に供給する記録媒体保持部と、
   前記記録部、前記支持部、前記搬送経路、および前記記録媒体保持部を保持するフレームと、を有し、
   前記フレームは、
   第１方向に沿うと共に、前記第１方向と交差する第２方向に沿って延在するロアフレームと、
   前記第１方向および前記第２方向と交差する第３方向と、前記第２方向と、に沿って延在し、下端が前記ロアフレームに固定されて前記第３方向に立設され、前記第１方向に所定の間隔を隔てて配置される一対のサイドフレームと、
   一対の前記サイドフレームの間に保持され、前記第１方向に延在する４つの壁面を有するベースフレームと、を備え、
   前記ベースフレームの４つの前記壁面の内側に、前記記録部の記録に関する機能部品が配置されることを特徴とする記録装置。
2. 前記ベースフレームの４つの前記壁面は、
   前記第１方向の一方における４つの端部のうち少なくとも２つの前記端部が、一対の前記サイドフレームの一方に固定され、
   前記第１方向の他方における４つの端部のうち少なくとも２つの前記端部が、一対の前記サイドフレームの他方に固定されることを特徴とする、請求項１に記載の記録装置。
3. 負圧機構と、ダクトと、を備え、
   前記支持部は、
   前記支持面の下方に配置される負圧室と、
   前記支持面に設けられ、前記負圧室の内部から前記支持面に連通する複数の開口と、を有し、
   前記負圧機構は、前記負圧室を負圧にし、
   前記ダクトは、前記負圧室と前記負圧機構とを連通させ、前記ベースフレームの４つの前記壁面の前記内側に配置されることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の記録装置。
4. 前記ベースフレームの４つの前記壁面のうち、上壁面に前記負圧室が保持され、
   前記負圧室の上方にて、前記支持面が前記記録部に対向して配置されることを特徴とする、請求項３に記載の記録装置。
5. 前記ベースフレームの４つの前記壁面のうち、前壁面に前記負圧機構が保持されることを特徴とする、請求項３または請求項４に記載の記録装置。
6. 前記記録部が吐出する液体を回収するメンテナンスタンクを備え、
   前記メンテナンスタンクは、前記ベースフレームの前記上壁面と、前記負圧室との間に配置されることを特徴とする、請求項４または請求項５に記載の記録装置。
7. 前記搬送経路は、前記支持面に搬送される前記記録媒体の搬送方向における上流側に、前記記録媒体を前記搬送方向に搬送する搬送ローラーを有し、
   前記搬送ローラーは、軸の両端が前記サイドフレームに回転自在に保持され、
   前記ベースフレームの前記上壁面における、前記軸の前記両端よりも前記第１方向の内側に前記軸を回転自在に支持する軸支持部材が複数配置されることを特徴とする、請求項４から請求項６のいずれか１項に記載の記録装置。
8. 前記負圧室の前記第３方向に配置され、前記軸支持部材を支持して前記第２方向に延在する一対の支持部支持部材を有し、
   前記支持部支持部材に前記支持部が支持されることを特徴とする、請求項７に記載の記録装置。
9. 前記ベースフレームは、４つの前記壁面のうち前記上壁面で前記搬送経路を形成する上面側経路形成部材を保持し、
   前記上面側経路形成部材は、前記第１方向において、前記軸支持部材が配置される位置以外で前記ベースフレームに保持されることを特徴とする、請求項７または請求項８に記載の記録装置。
10. 前記記録媒体保持部は、前記ベースフレームと前記ロアフレームとの間に配置され、
    前記ベースフレームは、４つの前記壁面のうち、下壁面で前記搬送経路を形成する下面側経路形成部材を保持し、後壁面で前記搬送経路を形成する後面側経路形成部材を保持することを特徴とする、請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の記録装置。
11. 前記記録媒体保持部は、前記第３方向から見たとき、
    前記ベースフレームの前壁面側にあって、
    前記第２方向において、少なくとも一部が前記ベースフレームと重ねて配置されることを特徴とする、請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載の記録装置。
12. 前記フレームは、前記記録部を前記第１方向へ移動可能に支持するメインフレームを備え、
    前記メインフレームは、
    一対の前記サイドフレームの上端部に支持されて前記第１方向に延在し、
    前記第２方向から見たとき、前記ベースフレームより後方、かつ上方に配置されることを特徴とする、請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載の記録装置。
13. 前記フレームは、前記第１方向の前記一方および前記他方の両側または片側に、サブフレームと、サブベースフレームと、を備え、
    前記サイドフレームと、前記サブフレームとは、前記サブベースフレームを介して対向して配置され、
    前記サブベースフレームは、前記第１方向に延在する３つの壁面を有することを特徴とする、請求項２から請求項１２のいずれか１項に記載の記録装置。
14. 前記第２方向から見たとき、前記ベースフレームと、前記サブベースフレームとは、異なる位置にあることを特徴とする、請求項１３に記載の記録装置。
15. 前記ロアフレームを支持する４つの脚部を備え、
    前記サイドフレームは、前記第２方向に延在する第１部分と、前記第１部分から前記第１方向に屈曲して延在する第２部分と、を有し、
    ４つの前記脚部は、前記第３方向から見て、それぞれ前記第１部分と前記第２部分とのいずれかに重ねて配置されることを特徴とする、請求項１から請求項１４のいずれか１項に記載の記録装置。

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