JP2023070630A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】装着が容易なおむつを提供する。【解決手段】吸収体と、吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、幅方向の中心よりも幅方向の外側に配置された一対の防漏壁構成シートと、を、備え、一対の防漏壁構成シートは、肌面側シートの更に肌面側に接合されて、長手方向に延在する起立線を境に幅方向の内側が肌面側に起立する防漏壁を形成し、起立線よりも防漏壁の肌面側の端部である自由端の側に伸張状態で長手方向に延在するように接着された第1の弾性部材と、長手方向の両端部の略全域が肌面側シートと接着された固定部と、を、有し、水平面上に広げて長手方向に5Nで5秒間伸張した10秒後に測定した際、後身頃領域の長手方向の端部の水平面からの高さよりも、前身頃領域の長手方向の端部の水平面からの高さのほうが高い、吸収性物品。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品(おむつ)が知られている(特許文献1)。
特開2018-068464号公報
装着者が被装着者に吸収性物品を装着する場合、被装着者の股下に吸収性物品の股下部を置く。そして、装着をする際に、吸収性物品が長手方向に水平な平板状になっていると、腹部側を持ち上げる必要があり、装着者にとっての負担となるという問題がある。
本発明は、装着する際に腹部側が立ち上がる吸収性物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、装着前に吸収性物品を長手方向に引くと、腹部側端部が立ち上がるようにした。
本発明は、具体的には、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、装着状態において被装着者の腹部側の腰回りに位置する前身頃領域、股下に位置する股下領域、及び背部側の腰回りに位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられた吸収性物品であって、吸収体と、前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、前記幅方向の中心よりも前記幅方向の外側に配置された一対の防漏壁構成シートと、を、備え、前記一対の防漏壁構成シートは、前記肌面側シートの更に前記肌面側に接合されて、前記長手方向に延在する起立線を境に前記幅方向の内側が前記肌面側に起立する防漏壁を形成し、前記起立線よりも前記防漏壁の前記肌面側の端部である自由端の側に伸張状態で前記長手方向に延在するように接着された第1の弾性部材と、前記長手方向の両端部の略全域が前記肌面側シートと接着された固定部と、を、有し、水平面上に広げて前記長手方向に5Nで5秒間伸張した10秒後に測定した際、前記後身頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さよりも、前記前身頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さのほうが高い、吸収性物品である。
また、本発明は、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、装着状態において被装着者の腹部側の腰回りに位置する前身頃領域、股下に位置する股下領域、及び背部側の腰回りに位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられた吸収性物品であって、吸収体と、前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、前記幅方向の中心よりも前記幅方向の外側に配置された一対の防漏壁構成シートと、を、備え、前記一対の防漏壁構成シートは、前記肌面側シートの更に前記肌面側に接合されて、前記長手方向に延在する起立線を境に前記幅方向の内側が前記肌面側に起立する防漏壁を形成し、前記起立線よりも前記防漏壁の前記肌面側の端部である自由端の側に伸張状態で前記長手方向に延在するように接着された第1の弾性部材と、前記長手方向の両端部の略全域が前記肌面側シートと接着された固定部と、を、有し、水平面上に広げて前記長手方向に5Nで5秒間伸張した10秒後に測定した際、前記後身
頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さは、5cm以下である、吸収性物品とすることもできる。
水平面上に広げて前記長手方向に5Nで5秒間伸張した10秒後に測定した際、前記前身頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さは、10cm以上であってよい。
前記前身頃領域における前記固定部から前記第1の弾性部材の端部までの長さは、前記後身頃領域における前記固定部から前記第1の弾性部材の端部までの長さよりも短くてよい。
前記吸収体に、前記股下領域と、前記後身頃領域に跨る高剛性部を備えてよい。
前記吸収体は、パルプ繊維または高吸収性重合体であるSAPの粒子の少なくとも一方を含む吸収マットを有し、前記高剛性部は、前記吸収マットを複数積層することにより形成されていてよい。
前記高剛性部は、前記吸収体を圧搾してなる線状の圧搾溝であってよい。
前記第1の弾性部材の伸縮領域は、前記後身頃領域よりも前記前身頃領域に偏っていてよい。
前記股下領域の前記幅方向の両端部における被装着者の脚周りに沿う脚周り部に、前記長手方向に延在するように伸張状態で接着された第2の弾性部材を有し、前記脚周り部を前記長手方向に伸縮させる一対の脚周り伸縮部を更に備え、前記第2の弾性部材の伸縮領域は、前記後身頃領域よりも前記前身頃領域に偏っていてよい。
一対の前記脚周り伸縮部は、前記防漏壁よりも、伸張率および単位長さあたりの収縮力が小さくてよい。
一対の前記脚周り伸縮部は、前記後身頃領域には延在しないか、前記後身頃領域の前記股下領域の側の端部近傍のみに延在してよい。
前記後身頃領域において、一対の前記脚周り伸縮部の一部又は全部は、前記吸収体と重畳してよい。
前記固定部は、厚み方向から見た場合に、前記吸収体と重畳しない位置に設けられていてよい。
前記固定部のうち、前記前身頃領域または前記後身頃領域のいずれか一方は、厚み方向から見た場合に、前記吸収体と重畳していてよい。
前記前身頃領域における非肌面側に、フィルム状の部材を含むシート状の補強部材を有し、前記補強部材の目付は、30g/m以上60g/m以下であり、前記補強部材の延在領域には、前記固定部を含む前後領域が含まれていてよい。
前記吸収体の非肌面側には、前記長手方向に延在するように伸張状態で接着された一対の第3の弾性部材を有し、前記一対の第3の弾性部材の前記前身頃領域の側の端部は、厚み方向から見た場合に、前記補強部材の前記股下領域の側と重畳していてよい。
本発明によれば、被装着者への装着の際に前身頃領域が立ち上がるため、装着者は吸収性物品の前身頃領域を持ち上げる必要がなくなる。
図1は、実施形態に係るおむつの斜視図である。 図2は、実施形態に係るおむつの分解斜視図である。 図3は、実施形態に係る非着用状態のおむつを、長手方向の中心を幅方向に沿って切断した場合の断面図である。 図4は、実施形態に係る伸長した状態のおむつを肌面側から見た平面図である。 図5は、実施形態に係るおむつが取り得る変形例に係る平面図である。 図6は、実施形態に係るおむつの前身頃領域の立ち上がりを示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
<実施形態>
本実施形態では、テープ型使い捨ておむつ(本願でいう「吸収性物品」の一例であり、以下、単に「おむつ」という)について、被装着者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、被装着者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、おむつが被装着者に装着された状態(以下、「装着状態」と略称する)において、被装着者の肌に向かう側(装着状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着状態で外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。おむつは、長手方向に沿った長さと、長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、被装着者の股下に装着される。また、本願で用いる方向に関する用語は、おむつ装着状態において被装着者の前後左右に一致する方向を意味するものとする。例えば、本願で左右方向という場合、おむつ装着状態において被装着者の左右に一致する方向を意味する。
図1は、本実施形態に係るおむつの斜視図である。本実施形態に係るおむつ1は、500mm以上1100mm以下の長手方向長さを有している。このようなおむつ1は、成人用に適している。本開示では、おむつを実際に装着する者を被装着者とし、当該被装着者におむつを装着させる者を装着者とする。一例としては、被装着者は被介護者であり、装着者は介護者である。おむつ1は、装着状態において被装着者の陰部を覆う股下に対応する部位である股下領域1Bと、股下領域1Bの前側に位置し、被装着者の腹部の腰回りに対応する部位である前身頃領域1Fと、股下領域1Bの後ろ側に位置し、被装着者の背部の腰回りに対応する部位である後身頃領域1Rとを有する。後身頃領域1Rの左右両側の縁には、被装着者の肌面側にフック部を有し、前身頃領域1Fに設けられて非肌面側にループ加工を施されたフロントパッチ2Fとメカニカルファスナで貼着可能なテープ2L1,2L2,2R1,2R2が設けられている。前身頃領域1Fが被装着者の腹側に配置され、後身頃領域1Rが被装着者の背側に配置された状態でテープ2L1,2L2,2R1,2R2がフロントパッチ2Fに貼着されると、おむつ1は、被装着者の腹囲と大腿部を取り巻く状態で被装着者の身体に固定される。おむつ1がこのような形態で被装着者の身体に固定されるので、被装着者はおむつ1を装着した状態で体位を自由に変えることができる。テープ2L1,2L2とテープ2R1,2R2の非肌面側には、フロントパッチ2Fの非肌面側と同様にループ加工が施されている。このため、テープ2L1,2L2,2
R1,2R2は、フロントパッチ2F上で重ね貼り可能である。
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体6が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1と被装着者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、被装着者の脚周り部(大腿部)に沿う部位にレグギャザー3AL,3ARが設けられ、レグギャザー3AL,3ARよりもおむつ1の幅方向内側に立体ギャザー3BL,3BRが設けられ、被装着者の腹囲に沿う部位にウェストギャザー3Rが設けられている。レグギャザー3AL,3AR、立体ギャザー3BL,3BR及びウェストギャザー3Rは、弾性部材の弾性力で被装着者の肌に密着する。よって、非着用者から排出される排出液は、おむつ1から漏出することなく吸収体6に吸収される。なお、弾性部材としては糸状や帯状のゴム等を適宜選択できる。おむつ1の非肌面側には、幅方向中央部において長手方向に連続してセンターマークCMが付されており、装着者が被装着者の正中線とおむつ1のセンターマークCMの位置を合わせて、正しい位置で装着させることができる。なお、センターマークCMは、フロントパッチ2F上に印刷されいてもよい。
図2は、おむつ1の分解斜視図である。また、図3は、おむつ1を、長手方向の中心を幅方向に沿って切断した場合の断面図である。図4は、伸長した状態のおむつ1を肌面側から見た平面図である。おむつ1は、装着状態において外表面を形成するカバーシート4を有する。カバーシート4は、長辺に相当する部位に括れ4KL,4KRを設けた略長方形の外観を有するシート状の部材であり、おむつ1の外装面を形成する。括れ4KL,4KRは、被装着者の大腿部が位置する部位(図4に示す脚周り部10L,10R)に設けられる。カバーシート4は、後述するバックシート5の補強や手触りの向上のために設けられ、例えば、排出物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。カバーシート4は、単層構造に限らず、インナーカバーシートおよびアウターカバーシートを有する多層構造であってもよい。
そして、おむつ1は、カバーシート4の肌面側において順に積層されるバックシート5(非肌面側シート)、吸収体6、トップシート7(本願でいう「肌面側シート」の一例)を有する。バックシート5、トップシート7は、略長方形の外観を有するシート状の部材であり、吸収体6は略砂時計形状の外観を有するマット状の部材である。バックシート5、吸収体6、トップシート7は、長手方向がカバーシート4の長手方向と一致する状態でカバーシート4に順に積層されている。バックシート5は、カバーシート4と同様に、排出液の漏れを抑制するために液不透過性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。バックシート5は、装着状態での蒸れを抑えるため、透湿性を併せもつ材料で構成されることが好ましい。また、トップシート7は、吸収体6の吸水面を被覆するように被装着者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このトップシート7は、その一部又は全部において液体透過性を有する。そのため、おむつ1の装着状態において、被装着者が排出した排出液は、被装着者の肌に接触し得るトップシート7を通って吸収体6に進入し、そこで吸収される。例えば、織布、不織布、多孔質フィルムがトップシート7の材料として材用できる。トップシート7は親水性を有していてもよい。また、吸収体6は、股下領域1Bを含んで配置されている。なお、シート等の接合には、ホットメルト接着剤による接着、超音波融着などが含まれる。
バックシート5、吸収体6、トップシート7は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート5と吸収体6とトップシート7が積層されているカバーシート4で被装着者の陰部を覆うと、バックシート5と吸収体6とトップシート7の各長手方向の両端部は、被装着者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、
被装着者の陰部は、被装着者の腹側から背側まで吸収体6に覆われる状態となる。したがって、被装着者が仰臥位を取っている場合でも、伏臥位を取っている場合でも、排出液はトップシート7を介して吸収体6に接触することになる。
また、おむつ1は、上述したレグギャザー3AL,3ARを形成するための弾性部材4SL,4SRが、後述するサイドシート8L,8Rとバックシート5の間に、おむつ1の長手方向に伸縮するように設けられる。弾性部材4SL,4SRは、おむつ1において設計上要求される弾性力(収縮力)などに応じて決定された適宜の本数(図3に示す形態では、3本)で設けられる。なお、図4に示されるように、レグギャザー3AL,3ARは、股下領域1Bの幅方向の両端部の各々において、おむつ1において被装着者の脚周に沿う部位である脚周り部10L,10Rを含んで配置されている。脚周り部10L,10Rは、股下領域1Bにおいて幅方向の両端部の各々に配置され、弾性部材4SL,4SRは、長手方向に延在するように伸張状態で脚周り部10L,10Rに接着されて、脚周り部10L,10Rを長手方向に伸縮させる。この弾性部材4SL,4SRの配置領域が、レグギャザー3AL,3ARとなる。レグギャザー3AL,3ARは、本開示における一対の脚周り伸縮部の一例である。また、弾性部材4SL,4SRは、本開示における第2の弾性部材の一例である。
また、おむつ1は、細長い帯状のサイドシート8L,8Rを有する。サイドシート8L,8Rは、トップシート7の長辺の部分に設けられる液不透過性のシートである。サイドシート8L,8Rは、おむつ1の幅方向の中心よりも幅方向の外側に配置されている。サイドシート8L,8Rには、カバーシート4と同様、被装着者の大腿部が位置する部位(図4に示す脚周り部10L,10R)に括れ8KL,8KRが設けられる。そして、サイドシート8L,8Rには立体ギャザー3BL,3BRを形成するための弾性部材8EL,8ERが長手方向に沿って、伸張状態で配置されている。おむつ1の装着状態において、サイドシート8L,8Rは、弾性部材8EL,8ERの収縮力で長手方向に引き寄せられてトップシート7から立ち上がり、排出液の幅方向外側への漏洩を防ぐ防漏壁である立体ギャザー3BL,3BRとなる。サイドシート8L,8Rは、本開示の一対の防漏壁構成シートの一例であり、弾性部材8EL,8ERは、本開示の第1の弾性部材の一例である。
レグギャザー3AL,3ARを付勢する弾性部材4SL,4SRの伸張率および単位長さあたりの収縮力は、立体ギャザー3BL,3BRを付勢する弾性部材8EL,8ERの伸張率および単位長さあたりの収縮力よりも小さい。レグギャザー3AL,3ARは、脚周り部10L,10Rを被装着者の脚周りに沿わせる。このため、レグギャザー3AL,3ARは、被装着者の脚周りを過度に締め付けずに装着感を向上させる。一方、立体ギャザー3BL,3BRは排出液の横漏れを防止するため、装着時に確実に立ち上がるように、弾性部材8EL,8ERにより強く付勢されている。
なお、カバーシート4には、おむつ1と被装着者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ弾性部材4Cが弾性部材4SL,4SRよりもおむつ1の幅方向内側に一対設けられている。弾性部材4Cは、おむつ1の長手方向に延在するようにカバーシート4と伸張状態で接着されている。弾性部材4Cは、おむつ1において設計上要求される弾性力(収縮力)などに応じて設けられる。弾性部材4Cは、本開示の一対の第3の弾性部材の一例である。
また、上述したウェストギャザー3Rを形成するための弾性部材9ERは、吸収体6の端部よりも更に背側の位置において、バックシート5とトップシート7との間に設けられる。弾性部材9ERは、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでバックシート5とトップシート7の間に設けられる。よって、弾性部材9ERの左右両側に設
けられるテープ2L1,2L2,2R1,2R2が、被装着者の腹側においてフロントパッチ2Fに貼着されると、弾性部材9ERは、収縮力を発揮しておむつ1を被装着者に密着させ、おむつ1と被装着者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。
吸収体6は、一例としては、吸収コア6Cを、薄いコアラップシート6Wで包んだ構造を有している。本実施形態では、吸収コア6Cは、吸収マットを複数積層して構成されている。一例としては、吸収コア6Cは、肌面側の上層吸収マット6aと、非肌面側の下層吸収マット6bを有している。上層吸収マット6aは、装着状態で被装着者の肌面側に位置する吸収マットであり、平面視すると股下領域1Bに括れを有する砂時計型である。上層吸収マット6aは、長手方向端部付近では、吸収体6の幅方向端部付近にまで延在している。これに対して、下層吸収マット6bは、装着状態で被装着者の非肌面側に位置する吸収マットであり、平面視すると矩形である。下層吸収マット6bは、吸収体6の中央部、被装着者の正中線に対応する部分にのみ延在しており、その全幅は上層吸収マット6aの括れ部分以下である。すなわち、下層吸収マット6bは、肌面側から平面視した場合に上層吸収マット6aにその全てが隠れるように上層吸収マット6aと積層されている。
股下領域1Bは、被装着者の両足に挟まれる状態になるので、幅方向内側に向けて圧縮圧力がかかる。一方で、前身頃領域1Fや後身頃領域1Rにおいては、被装着者の体重がかかることで、吸収コア6Cの厚み方向への圧力がかかる。これらの圧力に対応するため、吸収コア6Cの股下領域1Bには括れが設けられている。更に、上層吸収マット6aと下層吸収マット6bを積層して股下領域1Bの吸収コア6Cを高目付けとする。これにより、股下領域1Bにおいて吸収コア6Cの幅方向内側への型崩れを防止する。また、前身頃領域1Fや後身頃領域1Rにおいては、吸収コア6Cの幅を広げることで体重がかかる面積を増やして厚み方向への型崩れを防止する。このため、吸収コア6Cを略砂時計型とすることが好適である。
吸収コア6Cは、一例としては、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるSAP(高吸収性重合体:Super
Absorbent Polymer)等の粒状の吸収性樹脂を保持させた構造を有する。よって、吸収コア6Cでは、液体を吸収する前後の吸収性樹脂の体積変動は、基本的には吸収性樹脂を隙間に保持する短繊維内で行われることになる。したがって、吸収コア6C全体を俯瞰してみると、液体を吸収した吸収コア6Cの厚みの膨張率は、吸収性樹脂自体の膨張率ほど大きくはないと言える。
本実施形態のSAP粒子とは、SAPを含む樹脂組成物を粒状としたものを指す。ここで言う「SAPを含む樹脂組成物」とは、SAPのみからなる組成物、SAPを主成分とし、これに吸水性に悪影響を及ぼさない程度に他の物質が含まれた組成物、の双方を包含する概念である。「他の物質」としては、添加剤(粒子表面を疎水化する目的で添加される表面改質剤等)、SAPの合成時に残存した未反応のモノマー等を挙げることができる。
コアラップシート6Wは、薄い液透過性のシートであり、吸収コア6Cをコアラップシート6Wで包むことにより、上述の吸収コア6CのSAPが他の構造に混入しにくくなる。また、吸収コア6Cの型崩れが抑制される。コアラップシート6Wは、パルプ繊維で形成することができ、一例としてはティッシュペーパーを用いることができる。なお、吸収体6はバックシート5とトップシート7に包まれており、これらのシートによっても型崩れを抑制できるため、コアラップシート6Wを設けない形態としてもよい。
また、サイドシート8L,8Rと弾性部材8EL,8ERとで形成される立体ギャザー3BL,3BRは、トップシート7の幅方向の両端に沿って配置され、おむつ1の長手方向に延在する。立体ギャザー3BL,3BRは、トップシート7の肌面側に接合された接合部30L,30Rと、接合部30L,30Rから肌面側に起立する起立部31L,31Rと、を、有する。接合部30L,30Rは、サイドシート8L,8Rのうちトップシート7とトップシート7の外側でバックシート5やカバーシート4に接合された部位である。これらの接合にはホットメルト接着剤が用いられる。起立部31L,31Rは、接合部30L,30Rよりもおむつ1の幅方向内側に位置し、おむつ1の装着状態において、弾性部材8EL,8ERの収縮力によって肌面側に起立する部位である。接合部30L,30Rと起立部31L,31Rの境界が、トップシート7と接続し、起立部31L,31Rの起立起点となる起立線32L,32Rとなる。起立部31L,31Rは、接合部30L,30Rと起立部31L,31Rの境界である起立線32L,32Rを境に肌面側に起立可能である。換言すると、起立線32L,32Rを境に幅方向外側には接合部30L,30Rが設けられてトップシート7と接合されており、幅方向内側は非接着のためトップシート7から起立し、起立部31L,31Rを形成する。
起立線32L,32Rと、当該起立線と対向する弾性部材8EL,8ERが付された立体ギャザーの自由端との距離は、立体ギャザー3BL,3BRが形成されている全域において略同一である。よって、おむつ1の装着時、立体ギャザー3BL,3BRは、前身頃領域1F、股下領域1B、後身頃領域1Rにおいて同じ高さで起立して被装着者の肌面に沿う。
サイドシート8L,8Rの起立部31L,31Rの長手方向両端部の略全域は、ホットメルト接着剤によりトップシート7と接着され、固定部33L,33Rを形成している。接合部30L,30Rは、サイドシート8L,8Rの長手方向両端部にまで延在しているため、サイドシート8L,8Rは、長手方向両端部の略全域に渡ってトップシートと接合されることになる。固定部33L,33Rは、前身頃領域1F,後身頃領域1Rに存在している。図4に示す形態では、厚み方向から見た場合、固定部33L,33Rは、前身頃領域1F,後身頃領域1Rの両方において吸収体6と重畳していない。吸収体6は複数の吸収マットが積層して構成されているため厚みがあり、吸収体6と重畳している箇所に固定部33L,33Rを設けると、固定部33L,33Rに弾性部材8EL,8ERの付勢力が伝わりにくくなる。吸収体6が延在していない箇所に固定部33L,33Rを設けると、固定部33L,33Rは、弾性部材8EL,8ERの付勢力に追従しやすくなる。
なお、弾性部材8EL,8ERの配置領域よりも長手方向外側の自由端部分は、固定部33L,33Rにおいてもトップシート7と接着しないことができる。自由端部分がトップシート7と接着されていないことで、弾性部材8EL,8ERの付勢力は固定部33L,33Rの全域に渡って緩やかに伝わり、固定部33L,33Rの長手方向内側への弾性部材8EL,8ERの付勢力の集中を防ぐことができる。
吸収体6は、圧搾加工により形成され、長手方向に延在する2本の線状の圧搾溝Sを有する。2本の圧搾溝Sは、互いに略平行に延在している。圧搾溝Sは、股下領域1Bを中心に形成されている。2本の圧搾溝Sは、谷折りの折れ目となって、被装着者の肌面から見て股下領域1BにV字型の谷を形成している。そして、2本の圧搾溝Sに挟まれた吸収体6の幅方向中心部分は、逆V字状に盛り上がり、被装着者の肌面に当接する。このため、吸収体6は、当該盛り上がり部分で被装着者の尿道口に当接しやすくなり、尿道口から発生する排出液を効果的に吸収し、保持することができる。
また、被装着者の排泄孔の位置は限定されており、排出液は同じ場所に発生する傾向があるが、同一箇所で吸収体6が保持できる排出液の量には限界がある。圧搾溝Sは、被装
着者から発生した排出液を吸収体6の長手方向に拡散させる役割を有しており、圧搾溝Sにより拡散した排出液は、吸収体6の保持能力に余裕がある部分で吸収される。圧搾溝Sを設けることにより、おむつ1の交換頻度を下げることができる。
また、図3に示されるように、吸収体6を構成する吸収マットの非肌面側に現れる段差も、当該段差部分をコアラップシート6Wと完全に接着しなければ、圧搾溝Sと同様に排出液を拡散させる機能を有する。おむつ1の肌面側と非肌面側の両面で排出液を拡散させることにより、排出液を効果的に吸収することができる。
なお、圧搾溝S付近において吸収体6は厚み方向に圧縮されるため、圧搾溝Sとその近傍における吸収体6の剛性は高くなる。すなわち、圧搾溝Sは高剛性部であると言える。圧搾溝Sが股下領域1Bから後身頃領域1Rにかけて延在していることにより、吸収体6は補強され、股下領域1Bおよび後身頃領域1Rにおいて吸収体6の剛性は高くなる。
本実施形態では、下層吸収マット6bは、股下領域1Bを中心として設けられ、後身頃領域1Rの側に偏在している。また、後身頃領域1R近傍において、上層吸収マット6aの幅は、前身頃領域1Fよりも広く、上層吸収マット6aの面積は、前身頃領域1Fよりも後身頃領域1Rにおいて大きくなっている。よって、吸収体6の体積は、前身頃領域1Fよりも後身頃領域1Rのほうが大きくなる。このため、後身頃領域1Rにおいて、吸収体の剛性は高くなる。なお、後身頃領域1R側において、各吸収マットの目付を高くしてもよい。吸収マットを複数積層したり、目付を高くしたりすることでも高剛性部を形成できる。
このように、後身頃領域1R近傍において、吸収体6は、延在する圧搾溝Sと、吸収体6を複層構造にしたり目付を大きくしたりすることにより、相乗的に補強されている。換言すると、吸収体6は、股下領域1Bと後身頃領域1Rに跨る高剛性部を備えている。よって、何かしらの付勢力がかかっても、後身頃領域1R近傍においておむつ1は容易には屈曲しなくなる。装着時に被装着者の臀部が乗る後身頃領域1R付近において吸収体6の剛性が高いため、吸収体6にはよれが発生しにくくなり、装着者は被装着者におむつ1を適切な形で装着することができる。なお、これらの高剛性部は、前身頃領域1F側には延在していないか、延在している場合には、後身頃領域1R側よりも延在領域が狭い。このため、前身頃領域1Fは後身頃領域1Rよりも立ち上がりやすい。
おむつ1の前身頃領域1F側のカバーシート4の非肌面側には、カバーシート4と接着されたフロントパッチ2Fが設けられている。フロントパッチ2Fは、その非肌面側にループ加工を施されたシートであって、一例としては、肌面側に設けられたフィルム状の部材であるフィルム部と、非肌面側に設けられたループ部とを有している。フィルム部は、ホットメルト等の接着剤で、カバーシート4と接着されている。おむつ1の後身頃領域1Rの幅方向端部には、フック部を有するテープ2L1,2L2,2R1,2R2が設けられている。おむつ1を装着する際、テープ2L1,2L2,2R1,2R2の有するフック部をフロントパッチ2Fに貼付すると、フック部とループ部が噛み合ってメカニカルファスナとして機能し、おむつ1を被装着者の身体に固定できる。
フロントパッチ2Fは、テープ2L1,2L2,2R1,2R2の複数回の貼付に耐え、被着用者の体位によってかかる可能性がある体重を受け止めても破断しない必要があることから、一定の強度を有している。この強度を実現するため、フロントパッチ2Fは、一定の厚みを有している。フロントパッチ2Fの目付量は、具体的には、30g/m以上60g/m以下である。このように、フロントパッチ2Fは高目付けであることから、フロントパッチ2Fは、前身頃領域1Fにおいて補強部分としても機能し、おむつ1の前身頃領域1Fの剛性は、フロントパッチ2Fの延在領域において高くなる。
フロントパッチ2Fは、前身頃領域1Fにおいて、固定部33L,33Rを含む前後領域に設けられている。このため、前身頃領域1Fにおいて、固定部33L,33Rが弾性部材8EL,8ERの収縮による付勢力を受ける際、当該付勢力を、前身頃領域1F全体に分散させることが可能となる。なお、厚み方向から見た場合に、フロントパッチ2Fの延在領域のうち股下領域1B側の一部には、弾性部材4Cの長手方向端部が、重畳している。
図5は、実施形態に係るおむつが取り得る変形例を示す図である。固定部33L,33Rを、必ずしも吸収体6と重畳しない位置に設ける必要はない。本変形例では、固定部33L,33Rは、厚み方向から見て、少なくともそのうちの一方が吸収体6と重畳しない位置に設けられている。例えば、図5に示す例では、図4と同様に、前身頃領域1F側では、固定部33L,33Rは、厚み方向から見て吸収体6と重畳していないが、後身頃領域1R側では、固定部33L,33Rは吸収体6と重畳している。
後身頃領域1R側では、吸収体6と固定部33L,33Rとが厚み方向から見て重畳しているため、吸収体6の剛性によっておむつ1は長手方向に屈曲しにくくなる。一方、前身頃領域1F側では、図4に示す形態と同様に、吸収体6と固定部33L,33Rは厚み方向から見て重畳していない。このため、前身頃領域1F側では、固定部33L,33Rは吸収体6の影響を受けにくくなり、弾性部材8EL,8ERの付勢力を受けて、長手方向に屈曲しやすくなる。
なお、固定部33L,33Rと吸収体6は、前身頃領域1F側のみで重畳していてもよい。また、前身頃領域1Fと後身頃領域1Rの両方において重畳していてもよい。固定部33L,33Rと吸収体6とが厚み方向から見て重畳している場合、固定部33L,33Rは吸収体6の剛性のため、弾性部材8EL,8ERの付勢力を受けても長手方向に屈曲しにくくなる。このため、弾性部材8EL,8ERの付勢力によっておむつ1の長手方向端部が急角度で長手方向内側に屈曲し、広げたおむつ1が装着前に折り畳まれてしまうのを防ぐことができる。固定部33L,33Rと吸収体6を、厚み方向から見ておむつの全後どちら側でどの程度重畳させるかは、他の構成との相乗作用により、後述する立ち上げ効果を最も適切に発揮できるように決定してよい。既に述べた通り、固定部33L,33Rと吸収体6の配置による効果を最大限に利用して前身頃領域1Fの立ち上がりを実現する場合、後身頃領域1Rにおいて固定部33L,33Rと吸収体6とを重畳させ、前身頃領域1Fにおいて固定部33L,33Rと吸収体6とを重畳させない構成が最も大きな効果を発揮し得る。
図6は、実施形態に係るおむつの前身頃領域の立ち上がりを示す図である。前述の通り、おむつ1のサイドシート8L,8Rには、長手方向に向けて弾性部材8EL,8ERが付されている。弾性部材8EL,8ERは立体ギャザー3BL,3BRを立ち上げると共に、おむつ1を長手方向内側に向けて付勢する。図4,図5に示すように、弾性部材8EL,8ERは、長手方向に対称に設けられているのではなく、股下領域1Bから前身頃領域1Fに偏在しており、弾性部材8EL,8ERの長手方向端部と固定部33L,33Rとの距離も、背側よりも腹側のほうが短くなっている。すなわち、弾性部材8EL,8ERの伸縮領域は、背部側よりも腹部側に偏っている。なお、弾性部材8EL,8ERの収縮力を、背部側よりも腹部側において強くしてもよく、弾性部材8EL,8ERの伸縮領域を腹部側に偏らせつつ、収縮力を腹部側において強くしてもよい。
図6(A)は、広げた状態のおむつ1を示す図である。図6(B)は、おむつ1の前身頃領域1F側が立ち上がった状態を示す図である。装着者がおむつ1の長手方向両端部を持って長手方向に引くと、弾性部材8EL,8ERが延在しているか収縮力が偏在してい
る前身頃領域1Fにおいて、弾性部材8EL,8ERの付勢力により固定部33L,33Rが引き寄せられて、前身頃領域1Fの長手方向端部側が立ち上がる。
一方で、後身頃領域1Rにおいては、弾性部材8EL,8ERは固定部33L,33R付近にまで延在していないか、前身頃領域1F付近と比較すると弾性部材8EL,8ERの収縮力が低い。また、吸収体6の剛性が高いため、弾性部材8EL,8ERの付勢力によっても殆ど立ち上がらない。すなわち、おむつ1の前身頃領域1F側の端部が立ち上がった状態において、長手方向端部の水平面からの距離は、背側よりも腹側のほうが長くなる。
具体的には、おむつ1を水平面上に広げた状態で、長手方向に5Nで5秒間伸張力を与える。すると、弾性部材8EL,8ERの付勢力により、徐々に前身頃領域1F側が起立し、10秒後に、図6(B)に示す形態で静止する。上述の通り、おむつ1を被装着者に装着する際には、おむつ1を広げ、後身頃領域1Rに被装着者を乗せ、前身頃領域1Fを持ち上げて後身頃領域1Rからテープ2L1,2L2,2R1,2R2を引き出してフロントパッチ2Fに貼り付ける。本実施形態に係るおむつ1では、おむつ1を広げる際に長手方向に5Nで5秒間伸張力を与えておくと、弾性部材8EL,8ERの付勢力によりおむつ1の前身頃領域1Fの側が徐々に起立し、被装着者の下腹部に沿う。また、被装着者の臀部が当接する後身頃領域1Rについては、弾性部材8EL,8ERの付勢力は弱く、また吸収体6の剛性が高いため、殆ど起立しない。
更に具体的には、図6(B)に示す形態で静止したおむつ1を測定した場合、起立した前身頃領域1Fの側の端部の水平面からの高さは、10cm以上である。また、同じ状態において、起立していない後身頃領域1Rの側の端部の水平面からの高さは、5cm以下となる。すなわち、前身頃領域1Fの側では、おむつ1の長手方向端部は、弾性部材8EL,8ERの付勢力により大きく起立するが、後身頃領域1Rの側は、弾性部材8EL,8ERの前身頃領域1F側への延在および後身頃領域1R側で吸収体6の剛性が高いこと、また、後身頃領域1Rにおいて固定部33L,33Rの一部が吸収体6と重畳していることにより、殆ど起立しない。
おむつ1の前身頃領域1Fが装着前に起立するため、装着者はおむつ1の後身頃領域1Rからテープ2L1,2L2,2R1,2R2を引き出して起立した前身頃領域1Fのフロントパッチ2Fに貼り付けて、おむつ1を被装着者に容易に装着することができる。装着者は、おむつの前身頃領域を持ち上げながらテープ2L1,2L2,2R1,2R2を引き出してフロントパッチ2Fに貼り付ける必要がなくなるため、装着作業の困難性が格段に低下する。
おむつ1の立ち上がり位置は、幅方向に延在し、おむつ1を長手方向に略三等分する2本の仮想線となる。当該仮想線は、おむつ1を、長手方向に10%から40%、例えば15%から30%、例えば17%から27%の長手方向長さを有する前部領域と、長手方向に10%から40%、例えば15%から30%、例えば17%から27%の長手方向長さを有する後部領域と、前部領域と後部領域との間の中央領域とを分割する場合の各領域を隔てる境界線である。水平面上に広げ、長手方向に伸張力を受けたおむつ1は、中央領域を長手方向に延長した仮想線と交差する水平規定線と、起立した前部領域側の端部と仮想線とを結ぶ立ち上がり線との間に形成される角度が30度以上90度以下となる立ち上がり角度で立ち上がる。より好適には、立ち上がり角度は、70度以上90度以下であることが望ましい。
立ち上がり角度が鋭角でかつ90度に近い場合、装着者はテープ2L1,2L2,2R1,2R2を非常に容易にフロントパッチ2Fに貼り付けることができる。立ち上がり角
度が30度を下回ると、前部領域が立ち上がっても被装着者の肌面に沿わず、前部領域端部の高さも十分ではない。このため、装着者はおむつ1を被装着者に装着するために前部領域を更に持ち上げる必要があり、装着作業は依然困難である。立ち上がり角度が90度を上回ってしまうと、被装着者をおむつ1の上に乗せる際に前部領域が作業を阻害する。また、自重により前部領域の端部が中央領域方向に折れ曲がってしまう虞がある。このため、立ち上がり角度は30度以上90度以下、好ましくは70度以上90度以下とすることが好適である。
おむつ1のサイズ等を勘案して適切な立ち上がり角度を得るため、前身頃領域1F、後身頃領域1Rの各部分において厚み方向から見た場合に、固定部33L,33Rと吸収体6を重畳させるかについては適切に決定できる。
一例としては、前身頃領域1Fにおける固定部33L,33Rは、平面視した際に吸収体6と重ならない位置に設けられていてよい。吸収体6は厚みを有しており剛性が高く、吸収体6の延在領域では起立は阻害される。上述の起立角度を得るため、前身頃領域1F側の固定部33L,33Rを吸収体6の延在領域外とする。この場合、起立させない側、具体的には後身頃領域1R側については、固定部33L,33Rを吸収体6と重畳させることで、吸収体6の剛性により起立を阻害する。
おむつ1の前身頃領域1Fには、フロントパッチ2Fが設けられている。フロントパッチ2Fは、非肌面側にループ部、肌面側にフィルム部を有している。フロントパッチ2Fは高目付であり、剛性を有している。このため、フロントパッチ2Fは、前身頃領域1Fにおいて補強部材として機能する。フロントパッチ2Fは、前身頃領域1Fにおいて、固定部33L,33Rを含む前後領域に配置されている。このため、前身頃領域1Fは、フロントパッチ2Fの延在領域においては、途中で大きく屈曲せずに立ち上がる。このため、立ち上がった前部領域の端部は、フロントパッチ2Fが存在することで中央領域方向に折れ曲がりにくくなり、おむつ1の装着はより容易になる。
フロントパッチ2Fの延在領域の股下領域1B側の一部の領域には、弾性部材4Cの前身頃領域1F側における長手方向端部が延在し、厚み方向から見た場合に両者は重畳している。おむつ1の前身頃領域1Fにおけるフロントパッチ2Fの延在領域が、弾性部材8EL,8ERの付勢力によって立ち上がる際、弾性部材4Cは、フロントパッチ2Fの股下領域1B側において弱い付勢力を与えて、前身頃領域1Fの立ち上がりを阻害する。フロントパッチ2Fが長手方向端部側で、弾性部材8EL,8ERの働きにより前身頃領域1F側が立ち上がるように強い付勢力を受け、弾性部材4Cにより立ち上がりを抑制するように弱い付勢力を受けることで、前身頃領域1Fの立ち上がり角度は調整され、30度以上90度以下、好ましくは70度以上90度以下に収まりやすくなる。
立ち上がった場合のおむつ1の前身頃領域1Fにおける固定部33L,33Rの股下側端部の水平面からの距離と、股下領域1Bにおけるトップシート7の水平面からの高さの差は、立体ギャザー3BL,3BRにおける起立線と自由端との距離よりも大きい。すなわち、固定部33L,33Rの股下側端部は立体ギャザー3BL,3BRの幅以上の高さである。おむつ1は、この構成を取ることにより、少なくとも水平面と接している領域において、立体ギャザー3BL,3BRを水平面からほぼ鉛直な方向に立ち上げることができる。このため、おむつ1は、上述の起立角度を得やすくなる。
更に、レグギャザー3AL,3ARについても、その収縮力を前身頃領域1Fの側に偏らせることができる。上述の通り、レグギャザー3AL,3ARを構成する弾性部材4SL,4SRの伸張率および単位長さあたりの収縮力は、立体ギャザー3BL,3BRを構成する弾性部材8EL,8ERよりも小さいため、おむつ1の前身頃領域1F側は、主に
弾性部材8EL,8ERの付勢力により立ち上がる。しかし、弾性部材8EL,8ERに弾性部材4SL,4SRの付勢力を組み合わせれば、その相乗効果により、おむつ1の前身頃領域1Fの側をより効果的に立ち上げることが可能となる。一例として、おむつ1の腹部側を起立させる場合、弾性部材8EL,8ERと同様に、弾性部材4SL,4SRも腹部側に偏在させ、後身頃領域1R側にはレグギャザー3AL,3ARを延在させないか、或いはレグギャザー3AL,3ARが後身頃領域1Rの股下領域1B側端部近傍にのみに延在するように設けることができる。なお、レグギャザー3AL,3ARは前身頃領域1Fと後身頃領域1Rに均等に設けつつ、弾性部材4SL,4SRの収縮力を調整し、腹部側をより強く収縮させてもよい。レグギャザー3AL,3ARの収縮力を調整することにより、後身頃領域1R側の立ち上がりを抑制するとともに、後身頃領域1Rが立ち上がった場合に発生する吸収体6のよれを抑制することができる。
なお、後身頃領域1Rにおいて弾性部材4SL,4SRの一部又は全部を、吸収体6と重畳させることでも、レグギャザー3AL,3ARの収縮力を後身頃領域1Rにおいて低下させることができる。具体的には、図4に示すように、レグギャザー3AL,3ARを構成する弾性部材4SL,4SRの後身頃領域1R側を、吸収体6の拡幅部分と重畳させることができる。弾性部材4SL,4SRが複数の弾性部材から構成されている場合には、吸収体6の拡幅部分と重畳するのは、弾性部材4SL,4SRのうちの一部であってよい。吸収体6の剛性により、後身頃領域1R側のレグギャザー3AL,3ARの付勢力は更に減少する。このため、後身頃領域1R側の立ち上がりが抑制される。
以上、本実施形態について説明したが、本発明の内容は上記実施の形態に限られるものではない。本実施形態では、弾性部材8EL,8ER,4SL,4SRの配置を、起立させる側に偏在させるか、収縮力を起立させる側に偏らせる例を示したが、弾性部材4Cについては、起立させない側に偏在させるか、起立側の収縮力を弱めてよい。弾性部材4Cはおむつ1の非肌面側を付勢するため、例えば肌面側を付勢する弾性部材8EL,8ERよりも弾性部材4Cの付勢力が強いと、おむつ1は反りやすくなる。そこで、起立させない側では、弾性部材4Cと弾性部材8EL,8ERの付勢力を均衡させることで、おむつ1は平板状に広がり、被装着者を乗せやすくなる。一方、弾性部材4Cの付勢力よりも弾性部材8EL,8ERの付勢力が十分に強ければ、弾性部材8EL,8ERの付勢力が強く働き、おむつは起立しやすくなる。よって、弾性部材4Cの付勢力を調整することでも、特定の方向に起立しやすいおむつを提供することができる。
また、上記実施形態では、テープ型のおむつを例にして説明したが、本開示の内容は、下着またはおむつの内側に挿入して用いる吸収性物品である、インナーパッドに適用することも可能である。インナーパッドにおいても、長手方向端部が起立すれば、装着が非常に容易になる。
また、上記実施形態において、吸収コア6Cは、パルプ繊維などの隙間にSAPの粒子を保持させた構造を有していたが、これに限られない。例えば、吸収コア6Cは、エアスルー法やニードルパンチ法等で製造された厚さが約1mm~10mmの嵩高の不織布の表面または裏面にSAPの粒子が配置された構造を有していてもよい。
以上で開示した実施形態やその応用例は、それぞれ組み合わせることができる。
1・・おむつ
1B・・股下領域
1F・・前身頃領域
1R・・後身頃領域
2F・・フロントパッチ
2L1,2L2,2R1,2R2・・テープ
3AL,3AR・・レグギャザー
3BL,3BR・・立体ギャザー
3R・・ウェストギャザー
30L,30R・・接合部
31L,31R・・起立部
32L,32R・・起立線
33L,33R・・固定部
4・・カバーシート
4KL,4KR・・括れ
4C,4SL,4SR,8EL,8ER,9ER,22,24・・弾性部材
5・・バックシート
6・・吸収体
6C・・吸収コア
6a・・上層吸収マット
6b・・下層吸収マット
6W・・コアラップシート
7・・トップシート
8・・サイドシート
10L,10R・・脚周り部
S・・圧搾溝

Claims (16)

  1. 長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、
    装着状態において被装着者の腹部側の腰回りに位置する前身頃領域、股下に位置する股下領域、及び背部側の腰回りに位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられた吸収性物品であって、
    吸収体と、
    前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、
    前記幅方向の中心よりも前記幅方向の外側に配置された一対の防漏壁構成シートと、
    を、備え、
    前記一対の防漏壁構成シートは、
    前記肌面側シートの更に前記肌面側に接合されて、前記長手方向に延在する起立線を境に前記幅方向の内側が前記肌面側に起立する防漏壁を形成し、
    前記起立線よりも前記防漏壁の前記肌面側の端部である自由端の側に伸張状態で前記長手方向に延在するように接着された第1の弾性部材と、
    前記長手方向の両端部の略全域が前記肌面側シートと接着された固定部と、
    を、有し、
    水平面上に広げて前記長手方向に5Nで5秒間伸張した10秒後に測定した際、前記後身頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さよりも、前記前身頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さのほうが高い、
    吸収性物品。
  2. 長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、
    装着状態において被装着者の腹部側の腰回りに位置する前身頃領域、股下に位置する股下領域、及び背部側の腰回りに位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられた吸収性物品であって、
    吸収体と、
    前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、
    前記幅方向の中心よりも前記幅方向の外側に配置された一対の防漏壁構成シートと、
    を、備え、
    前記一対の防漏壁構成シートは、
    前記肌面側シートの更に前記肌面側に接合されて、前記長手方向に延在する起立線を境に前記幅方向の内側が前記肌面側に起立する防漏壁を形成し、
    前記起立線よりも前記防漏壁の前記肌面側の端部である自由端の側に伸張状態で前記長手方向に延在するように接着された第1の弾性部材と、
    前記長手方向の両端部の略全域が前記肌面側シートと接着された固定部と、
    を、有し、
    水平面上に広げて前記長手方向に5Nで5秒間伸張した10秒後に測定した際、前記後身頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さは、5cm以下である、
    吸収性物品。
  3. 水平面上に広げて前記長手方向に5Nで5秒間伸張した10秒後に測定した際、前記前身頃領域の前記長手方向の端部の水平面からの高さは、10cm以上である、
    請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記前身頃領域における前記固定部から前記第1の弾性部材の端部までの長さは、
    前記後身頃領域における前記固定部から前記第1の弾性部材の端部までの長さよりも短い、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収体に、前記股下領域と、前記後身頃領域に跨る高剛性部を備える、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収体は、パルプ繊維または高吸収性重合体であるSAPの粒子の少なくとも一方を含む吸収マットを有し、
    前記高剛性部は、前記吸収マットを複数積層することにより形成されている、
    請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 前記高剛性部は、前記吸収体を圧搾してなる線状の圧搾溝である、
    請求項5に記載の吸収性物品。
  8. 前記第1の弾性部材の伸縮領域は、前記後身頃領域よりも前記前身頃領域に偏っている、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  9. 前記股下領域の前記幅方向の両端部における被装着者の脚周りに沿う脚周り部に、前記長手方向に延在するように伸張状態で接着された第2の弾性部材を有し、前記脚周り部を前記長手方向に伸縮させる一対の脚周り伸縮部を更に備え、
    前記第2の弾性部材の伸縮領域は、前記後身頃領域よりも前記前身頃領域に偏っている、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  10. 前記一対の脚周り伸縮部は、前記防漏壁よりも、伸張率および単位長さあたりの収縮力が小さい、
    請求項9に記載の吸収性物品。
  11. 前記一対の脚周り伸縮部は、前記後身頃領域には延在しないか、前記後身頃領域の前記股下領域の側の端部近傍のみに延在する、
    請求項9に記載の吸収性物品。
  12. 前記後身頃領域において、前記一対の脚周り伸縮部の一部又は全部は、前記吸収体と重畳する、
    請求項9に記載の吸収性物品。
  13. 前記固定部は、前記吸収体と重畳しない位置に設けられている、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  14. 前記固定部のうち、前記前身頃領域または前記後身頃領域のいずれか一方は、
    前記吸収体と重畳している、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  15. 前記前身頃領域における非肌面側に、フィルム状の部材を含むシート状の補強部材を有し、
    前記補強部材の目付は、30g/m以上60g/m以下であり、
    前記補強部材の延在領域には、前記固定部を含む前後領域が含まれている、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  16. 前記吸収体の更に非肌面側には、前記長手方向に延在するように伸張状態で接着された一対の第3の弾性部材を有し、
    前記一対の第3の弾性部材の前記前身頃領域の側の端部は、前記補強部材の前記股下領
    域の側と重畳している、
    請求項15に記載の吸収性物品。
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