JPH0686726U - 立体パンツ型使いすておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳児用、失禁者用の立体パンツ型使いすてお
むつを提供する。 【構成】 液透過性トップシートと液不透過性バリヤシ
ートと両シート間に置かれた吸収体を有する吸収性パッ
ド構造と、ウエスト開口部、脚開口部、股部、該股部を
挟んで配置された前身頃と後身頃を有するバクシート
と、バックシートのサイドフラップの両側縁を相互に接
着して形成されているサイドシームからなり、吸収性パ
ッド構造は、該吸収体の横方向両側縁から延出するバリ
ヤシート部分を吸収体上に折り返して形成したフラップ
を有し、バックシートは中央股幅部分を伸縮弾性材料
で、また該サイドフラップ部分を非伸縮弾性部材で構成
し、該サイドフラップ部分を伸縮性弾性特性を有しない
サイドシートで被った構造を有し、その中央部に線状に
設けた接着剤領域で吸収性パッド構造のバリヤシートと
接着されていることを特徴とする立体パンツ型使いすて
おむつ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は乳児用、又は失禁者用おむつとして供される立体パンツ型使いすてお むつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

トップシートとバリヤシートと両シート間におかれた吸収体とからなる吸収性 パッド構造を伸縮弾性特性を有するバックシート上へ取り付けた使いすておむつ が特表平１−５０３４７３号公報において提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術のトップシートとバリヤシートと両シート間におかれた吸収体と からなる吸収性パッド構造を伸縮弾性特性を有するバックシート上へ取り付けた 使いすておむつは、脚開口部に平面的にしか伸縮弾性部材が設置されていないた め、漏れ防止及びフィット性については完全ではなかった。さらにバックシート の全面に伸縮弾性特性を有するシートを使用した使いすておむつは、伸縮弾性特 性を有する素材は非伸縮性の素材に比べ高価であること、また、一般におむつの 形状は着用者の脚周りにフィットするようにバックシート幅方向の股部で最も狭 く、該バックシートの脚開口部及びウエスト開口部の間に延びて形成されたサイ ドフラップ部分で最も広く、このような形状にするためにおむつ製造工程では素 材の一部を切り落としすてているという無駄があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の欠点を解消するために、本考案は、フラップ自由縁に弾性部材を配設し た吸収性パッド構造を細い線状接着領域でバックシート長手方向中央全長にわた って取り付け、更にウエスト開口部及び脚開口部に沿って１本以上の伸縮弾性部 材をバックシート上に配設し、バックシート幅方向のうち少なくとも中央股幅に 伸縮弾性特性を有し、該バックシートの脚開口部及びウエスト開口部の間に延び て形成されたサイドフラップ部分は非伸縮性の素材を使用することを特徴とする 。

【０００５】 上記本考案をより詳細に説明すると、本考案の立体パンツ型使いすておむつは 、ウエスト開口部、脚開口部、股部、該股部を挟んで配置された前身頃と後身頃 を有するバックシートと、液透過性トップシートと液不透過性バリヤシートと両 シート間におかれた吸収体を有する吸収性パッド構造を有し、該吸収性パッド構 造を前記バックシートの長手方向中央域の全長にわたって設けた連続的又は断続 的な細い線状の接着領域で該バックシートに取り付けた後、前記バックシートの 脚開口部及びウエスト開口部の間に延びて形成されたサイドフラップの両側縁を 相互に断続的あるいは連続的に接着してサイドシームを構成することによって形 成されている。

【０００６】 そして、前記立体パンツ型使いすておむつにおける前記吸収性パッド構造は、 さらに、吸収体の横方向両側縁から同方向外側へ延出するバリヤシートの両側縁 を吸収体上に折り返し、折り返し部の縦方向両端部を接合することでフラップを 形成し、該フラップ自由縁に伸縮弾性部材を設けた構造を有するものである。使 用する吸収体としてはフラッフパルプよりなる複数の積層構造を有し、各層間に 不織布を配設したものが好ましい。

【０００７】 本考案において使用する前記バックシートは、該バックシート幅方向の少なく とも中央股幅で伸縮弾性特性を有する素材を使用し、該バックシートの脚開口部 及びウエスト開口部の間に延びて形成されたサイドフラップ部分には非伸縮性の 素材を使用しているものであり、そのウエスト開口部および脚開口部に該両開口 部の少なくとも一部に沿って伸縮弾性部材をバックシート上に配設し、該前後ウ エスト伸縮弾性部材の中央部を除くその他のウエスト伸縮弾性部材および脚開口 部伸縮弾性部材をサイドシートで被った構造を有している。

【０００８】

【作用】

上記本考案の立体パンツ型使いすておむつにおいては、バックシートの長手方 向中央域全長にわたって設けた細い線状の接着領域で取り付けられた吸収性パッ ド構造のフラップが、そのフラップ自由縁に設けた伸縮弾性部材の収縮力で長手 方向中央部が立ち上がりおむつ着用者の体と常に密着し、またフラップの自由縁 とフラップ基端部の間で小袋を形成し漏れを防ぐ役割を果たしている。また、お むつ製造工程で切り落とされるサイドフラップ部分に非伸縮性の安価な素材を使 用することで、フィット性がよく且つより経済的なおむつを製造できる。

【０００９】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を示す図面を参照して更に詳しく説明するが、本考案 はこれらの実施例により何等制限されるものではない。 図１は本考案の実施例を示す立体パンツ型使いすておむつ１の斜視図である。 図１の立体パンツ型使いすておむつ１はウエスト開口部２、脚開口部３とを有 し、バックシート４のウエスト部の少なくとも一部に伸縮弾性部材５を取り付け （図２参照）、前記両開口部の間に延びて形成された前身頃６と後身頃７のサイ ドフラップ８両側縁を接着閉鎖したサイドシーム９からなる。サイドシーム９の 接着閉鎖は、吸収性パッド構造１０が内側になるようにバックシート４の股部を 介して前身頃６と後身頃７を重ね合わせ、両側縁を外側に突き出した状態で、両 側縁の最外部に沿ってホットメルト接着剤、加圧溶融、超音波等により接合する 。両側縁を内側に突き出した状態、片側縁を外側もう片側縁を内側に突き合わせ た状態等いずれの状態であってもよい。

【００１０】 図２は図１で示した本考案の立体パンツ型使いすておむつ１のサイドシーム９ を開放展開した伸長状態における吸収性パッド構造１０とバックシート４の分解 斜視図で、図３は立体パンツ型使いすておむつ１のサイドシーム９を開放展開し た斜視図である。また図４は、図３のＡ−Ａ′線断面図であり、図５は、図３の 立体パンツ型使いすておむつのウエスト部斜視図である。

【００１１】 図２に示すように、本考案の立体パンツ型使いすておむつは、基本的にはバッ クシート４と吸収性パッド構造１０とから構成されている。前記吸収性パッド構 造１０は、液透過性のトップシート１１、液不透過性のバリヤシート１２及び両 シート間に該両シートより小さな長さ及び幅を有する吸収体１３を介在させ、該 吸収体１３より側方に延在する該バリヤシート部分を吸収体上に折り返してフラ ップ１４を形成すると共に、吸収体の前後の吸収体より外側に延在する部分でト ップシート１１と折り返したフラップ１４との重なり部分をそれぞれ貼合せ、吸 収体上面に長手方向にわたって配設されたフラップ１４の各自由縁の少なくとも 長さの一部に沿って１本以上の伸縮弾性部材１５を伸長状態で配設し、この伸縮 弾性部材１５を拘束しないようにして放置すると、伸縮弾性部材１５が自由に収 縮してフラップ１４の各自由縁は前記吸収体１３より離間してギャザーのある開 口部となりバリヤシート１２が吸収体１３と共に小袋を形成する。

【００１２】 ここで使用されるトップシート１１はポリエチレン、ポリプロピレン、その他 の熱可塑性繊維からなる液透過性不織布を用いる。 フラップの自由縁に配設された伸縮弾性部材１５、脚開口部弾性伸縮部材１６ 及びウエスト部伸縮弾性部材５はウレタンフィルム、ウレタン糸、ウレタンフォ ーム、糸ゴム等、通常の紙おむつで使用されるものをそのまま用いることができ る。また前記伸縮弾性部材はそれぞれ伸長状態でフラップ１４の自由端、脚開口 部及びウエスト部に配設され、ホットメルト接着剤により接着固定されている。

【００１３】 吸収体１３はフラッフパルプを主材に高吸水性ポリマーを併用したものが好ま しく、その他吸収紙単独または熱融着性繊維などの混合物や積層物が用いられる 。また上層１８にフラッフパルプ、下層１９にフラッフパルプと高吸水性ポリマ ーを混合または積層した積層構成とし、層間には吸収体の型くずれを防止するた めに不織布２０を配設したものがより好ましい。また吸収体１３の形状は砂時計 型でも矩型でもよいが、砂時計型の方がより良好なフィット性を得られる。

【００１４】 バリヤシート１２は液不透過性ポリエチレンシート、熱可塑性樹脂にフィラー を加えて延伸した透湿性のある液不透過性シート、肌触りをよくするためにフィ ルム全面に不織布を貼り合わせた複合材、フィルムの両側縁に不織布を貼合わせ た複合材等が用いられる。またフィルムの側縁と不織布の側縁が一致した貼合わ せ、フィルムの両側縁より外側に不織布が存在するように貼合わせ等いずれであ ってもよい。

【００１５】 バックシート４の伸縮弾性特性を有する中央股幅部分２１に使用する素材とし て、エラストマ不織ウエブ単体か、エラストマ不織ウエブの少なくとも片面にポ リエチレンテレフタレート繊維のようなポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維 、ナイロン繊維のようなポリアミド繊維、コットン繊維のようなセルロース繊維 、パルプ繊維及びその混合物を含むグループから選択された材料から作られた繊 維層を水流交絡または積層させたウエブ等が用いられる。また５〜４０μ厚さの 透湿・伸縮性を有するポリウレタン系のフィルム、オレフィン系のフィルム、天 然ゴムシート、発泡シートの少なくとも片面に前記エラストマ不織ウエブに前記 繊維層を水流交絡または積層させたウエブや、水流交絡不織布を積層貼合わせた ものでもよい。 該積層貼合わせはウエブの中央域、片側縁等部分的であってもよい。積層貼合 わせの方法は、熱エンボスによる加圧溶融接合、ホットメルト接着剤による接合 、超音波接合等いずれであってもよい。

【００１６】 またバックシート４の伸縮弾性特性を有する中央股幅部分２１に使用する素材 は、目付量が３０〜７０ｇ／ｍ² 、５０％伸長時の弾性応力が縦横方向ともに３ ００ｇ／２５ｍｍ幅以下であり、応力緩和時の回復率が８０％以上であることが 好ましい。 バックシート４の伸縮弾性特性を有さないサイドフラップ部分２２に使用する 素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる不織布 等を用いる。

【００１７】 非伸縮弾性サイドシート１７としては、ポリエチレンテレフタレート繊維のよ うなポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ナイロン繊維のようなポリアミド 繊維、コットン繊維のようなセルロース繊維、パルプ繊維及びそれらの混合物を 含む材料から選択される繊維を水流交絡して得られる、親水性又は撥水性の不織 布が用いられる。これらの不織布は、引張力が加わると伸びるが、引張力から解 放されても元に戻る収縮性はない。

【００１８】 吸収性パッド構造１０のバックシート４への取り付けは、バックシート４の長 手方向中央全長にわたって設けた連続的または断続的な線状の接着領域２３でホ ットメルト接着剤を用いて接着固定される。

【００１９】 図４に示すようにフラップ１４は脚開口部の伸縮弾性部材１６よりも内側に位 置している。バリヤーシート１２にフィルムの両側縁より外側に不織布２４が存 在するように貼合わせた複合材を用い、フィルムより側方に延在する不織布部分 に伸縮弾性部材１５を設けてフラップ１４を形成すると、より股触りが良くかつ 優れた通気性を得ることができる。また脚開口部に複数本の伸縮弾性部材１６を 配設することで、幅のある面状領域を脚周りによくフィットさせ、脚周りからの 漏れを最小限に抑えることができる。 図５に示すようにウエスト部伸縮弾性部材５はバックシートと吸収性パッド構 造１０の長手方向両端部のバリヤシート１２およびサイドシート１７の間に配設 されている。

【００２０】

【考案の効果】

以上、本考案により、排泄物の漏れがなく、良好なフィット性を有しさらに透 湿性に優れ、肌触りが良好な被装着者が快適に装着することが可能なおむつを提 供することが可能となる。

【提出日】平成５年７月６日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１６

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１６】 またバックシート４の伸縮弾性特性を有する中央股幅部分２１に使用する素材 は、目付量が２０〜７０ｇ／ｍ^２、５０％伸長時の弾性応力が縦横方向ともに３ ００ｇ／２５ｍｍ幅以下であり、応力緩和時の回復率が８０％以上であることが 好ましい。 バックシート４の伸縮弾性特性を有さないサイドフラップ部分２２に使用する 素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる不織布 等を用いる。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１９

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１９】 図４に示すようにフラップ１４は脚開口部の伸縮弾性部材１６よりも内側に位 置している。バリヤーシート１２にフィルムの両側縁より外側に不織布２４が存 在するように貼合わせた複合材を用い、フィルムより側方に延在する不織布部分 に伸縮弾性部材１５を設けてフラップ１４を形成すると、より肌触りが良くかつ 優れた通気性を得ることができる。また脚開口部に複数本の伸縮弾性部材１６を 配設することで、幅のある面状領域を脚周りによくフィットさせ、脚周りからの 漏れを最小限に抑えることができる。 図５に示すようにウエスト部伸縮弾性部材５はバックシートと吸収性パッド構 造１０の長手方向両端部のバリヤシート１２およびサイドシート１７の間に配設 されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の立体パンツ型使いすておむつの斜視
図。

【図２】図１の立体パンツ型使いすておむつの吸収性パ
ッド構造とバックシートの分解斜視図。

【図３】図１の立体パンツ型使いすておむつのサイドシ
ームを解放した状態を示す斜視図。

【図４】図３の立体パンツ型使いすておむつのＡ−Ａ′
線断面図。

【図５】図３の立体パンツ型使いすておむつのウエスト
部斜視図。

【符号の説明】

１：立体パンツ型使いすておむつ ２：ウエスト開口部 ３：脚開口部 ４：バックシート ５：ウエスト開口部伸縮弾性部材 ６：前身頃 ７：後身頃 ８：サイドフラップ ９：サイドシーム １０：吸収性パッド構造 １１：トップシート １２：バリヤシート １３：吸収体 １４：フラップ １５：伸縮弾性部材 １６：脚開口部伸縮弾性部材 １７：サイドシート １８：上層吸収体 １９：下層吸収体 ２０：層間不織布 ２１：バックシートの伸縮弾性特性を有する中央股幅部
分 ２２：バックシートの伸縮弾性特性を有さないサイドフ
ラップ部分 ２３：吸収性パッド構造の長手方向中央域の線状接着領
域 ２４：バリヤーシート側縁に貼合わせた不織布

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成５年７月６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 木村 美雪 東京都江東区東雲１丁目10番６号 王子製 紙株式会社研究センター内 (72)考案者 高橋 美江 東京都江東区東雲１丁目10番６号 王子製 紙株式会社研究センター内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液透過性トップシートと液不透過性バリ
   ヤシートと両シート間に置かれた吸収体を有する吸収性
   パッド構造と、ウエスト開口部、脚開口部、股部、該股
   部を挟んで配置された前身頃と後身頃を有するバックシ
   ートと、バックシートの脚開口部及びウエスト開口部の
   間に延びて形成されたサイドフラップの両側縁を相互に
   接着しているサイドシームからなる立体パンツ型使いす
   ておむつにおいて、前記吸収性パッド構造は、該吸収体
   の横方向両側縁から同方向外側へ延出するバリヤシート
   を吸収体上に折り返し、折り返し部の縦方向両端部を接
   合し、その自由縁に伸縮弾性部材を設けたフラップを有
   し、前記バックシートは、伸縮弾性特性を有する中央股
   幅部分と伸縮弾性特性を有しないサイドフラップ部分と
   からなり、そのウエスト開口部及び脚開口部に伸縮弾性
   部材を配設し、該ウエスト開口部に配設された伸縮性弾
   部材の中央部を除くその他の部分及び脚開口部に配設さ
   れた伸縮性弾性部材を伸縮弾性特性を有しないサイドシ
   ートで被った構造を有し、前記の吸収性パッド構造は、
   前記バックシートの中央域の長手方向中央部全長にわた
   って設けられた線状の接着領域で前記バックシートに取
   り付けられていることを特徴とする立体パンツ型使いす
   ておむつ。