WO2012017817A1

WO2012017817A1 - 使い捨て着用物品およびその製造方法

Info

Publication number: WO2012017817A1
Application number: PCT/JP2011/066328
Authority: WO
Inventors: 梅林　豊志
Original assignee: 株式会社瑞光
Priority date: 2010-08-05
Filing date: 2011-07-19
Publication date: 2012-02-09
Also published as: US10058459B2; CN103002845B; US20130110073A1; US20160022506A1; CN103002845A; DE112011102623T5

Abstract

使い捨て着用物品に関し、液透過性を有するトップシート２６と液不透過性のバックシート２７との間に体液を吸収する吸収性コア２４が積層された吸収性本体２と、吸収性本体２における着用者の胴の前面を覆うフロント部２０に連なり胴回り方向Ｘに延びる一対の前フラップＦｆと、吸収性本体２における着用者の胴の背面を覆うバック部２１に連なり胴回り方向に延びる一対の後フラップＦｂとを備え、前後のフラップＦｆ，Ｆｂは胴回り方向Ｘに伸縮する伸縮性の不織布３１を包含し、吸収性コア２４の部位が伸縮性の不織布３１で本質的に覆われていない。

Description

使い捨て着用物品およびその製造方法

　本発明は、伸縮性の高い不織布を用いた着用物品およびその製造方法に関する。

　使い捨て着用物品の胴回り部に伸縮性が付与される場合、一般に実質的に非伸縮性の２枚の不織布間に、伸長状態の糸状または帯状の弾性部材が接着剤を介して固定される。前記弾性部材は収縮して、胴回り部にギャザーが形成される。
　これに対し、伸縮性の高い不織布を実質的に非伸縮性の不織布に積層して胴回り方向の伸縮性を付与する方法が知られている（特許文献１～３参照）。ここに、下記の３つの特許文献の記述が組み込まれる。

ＪＰ２００４－３５７９５０Ａ（要約）ＪＰ２００７－１０５４５３Ａ（要約）ＪＰ２００９－２０２０２５Ａ（要約）

　しかし、伸縮性の高い伸縮不織布が胴回り方向に引き伸ばされた場合、当該伸縮不織布は前記胴回り方向に直交する縦方向に縮む。また、前記胴回り方向の張力が取り除かれると、前記縦方向に縮んだ伸縮不織布が元の寸法に戻る。そのため、着用物品に製造上の誤差が生じ易い。また、伸縮不織布は材料原価が高く、製品のコストがアップする要因となる。

　したがって、本発明の目的は伸縮性の高い不織布を用いた使い捨て着用物品およびその製造方法において、製造上の誤差が生じにくく、かつ、コストダウンを図ることである。

　本発明の使い捨て着用物品は、液透過性を有するトップシートと液不透過性のバックシートとの間に体液を吸収する吸収性コアが積層された吸収性本体と、前記吸収性本体における着用者の胴の前面を覆うフロント部に連なり胴回り方向に延びる一対の前フラップと、前記吸収性本体における前記着用者の胴の背面を覆うバック部に連なり前記胴回り方向に延びる一対の後フラップとを備え、前記前フラップおよび前記後フラップは、それぞれ、前記胴回り方向に伸縮する少なくとも１つの伸縮性の不織布を包含し、前記吸収性コアの部位が前記伸縮性の不織布で本質的に覆われていない。

　本着用物品の場合、前後のフラップは伸縮性の不織布を包含するが、吸収性コアの部位が前記伸縮性の不織布によって本質的に覆われていない。そのため、前記伸縮性の不織布が胴回り方向に引き伸ばされた際に、吸収性コアのレッグホールの部位は縦方向に縮みにくい。したがって、着用物品に製造上の誤差が生じにくい。

　また、着用物品全体に対する伸縮性不織布の面積の割合が小さい。したがって、コストダウンを図り得る。

　なお、吸収性コアの縦方向の端のみが伸縮性不織布で覆われている場合は、吸収性コアの部位が伸縮性不織布で本質的に覆われていない場合に含まれる。

　本発明において、伸縮性不織布とは１０％～３００％の伸長率を有し、引張応力を取り除くと元の収縮した状態に復元する機械的（物理的）性質を有する不織布をいう。

　つまり、伸縮性不織布とは１０％未満の伸長率および１０％の伸長率において永久歪が実質的に生じず、弾性限界における伸長率δが大きい不織布をいう。

　一般的な不織布や樹脂シートも伸びるが、ゴム弾性を有していない。そのため、これらの不織布は１０％以上延びた場合、不織布に実質的な永久歪が生じる。したがって、これらの不織布は伸縮性不織布ではなく、実質的に非伸縮性の不織布である。

　ここに、伸長率δ（％）は下記の（１）式で定義される。
　δ＝１００％＊（ＬA －ＬB ）／ＬB 　…（１）
　ＬA ：伸長後の不織布の長さ
　ＬB ：伸長前の不織布の長さ

　伸縮性の不織布としては、着用物品の製造ライン外において予め長手方向に伸縮性を有する伸縮性不織布として製造された不織布を用いることもできる。あるいは、伸縮性の不織布としては、着用物品の製造工程中に非伸縮性の連続不織布に加工を施して伸縮性が発現した伸縮性不織布を得てもよいし、あるいは、低伸縮性の連続不織布に加工を施して伸縮性の向上した伸縮性不織布を得てもよい。

　伸縮性の発現又は向上は、たとえば歯と溝が噛み合う一対のロールによるインライン加工を行うことにより実現できる。より具体的には、弾性繊維層、ネット状の弾性不織布または弾性フィルム等からなる弾性層の両面又は片面に非弾性繊維層が一体化された帯状不織布が、一対の前記ロールに噛み込まれ、それにより、非弾性繊維層が分断されたり、構成繊維が伸長されたり、繊維同士の熱融着点が破壊されたりして、弾性層の伸縮が阻害されにくい構造の帯状不織布が得られる。非弾性繊維層が弾性層の伸縮を阻害しにくい構造に変化することで、伸縮性が発現するか向上した伸縮性不織布が得られる。
　なお、伸縮性不織布は胴回り方向にのみ伸長し、縦方向には実質的に伸びない異方性を有していてもよい。

　一方、バックシートは本質的に非伸縮性の樹脂シートで形成され、トップシートは本質的に非伸縮性の不織布で形成される。ここで、「非伸縮性」とは“伸びない”という意味ではなく、素材を１０％伸ばすと伸びが元に戻らない永久歪が生じたり、又は材料が破断する性質をいい、一般的な不織布やシートは非伸縮性である。

　本発明のある製造方法は、長手方向に連続し、かつ、本質的に非伸縮性の連続不織布上に間欠的に前記伸縮性の不織布が前記長手方向に伸長された状態で配置された第１および第２積層不織布を得る工程と、前記第１および第２積層不織布を互いに平行に、かつ、前記長手方向に搬送しながら、前記第１積層不織布の前記伸縮性不織布が配置されていない第１部と、前記第２積層不織布の前記伸縮性不織布が配置されていない第２部との間に次々と前記吸収性本体を架設する工程と、個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２積層不織布の前記吸収性本体同士の間において前記第１および第２積層不織布を前記長手方向に直交する幅方向に延びる仮想の切断線に沿って切断する工程とを備える。

　この場合、前後のフラップを形成する部分のみに、伸縮性不織布が配置される。したがって、製造誤差が生じにくく、かつ、コストも安価になるだろう。

　伸縮性不織布を非伸縮性の連続不織布に貼り合わせる際に、一般に伸縮性不織布は１０％～３００％伸長した状態に設定される。この伸長率δは２０％～２００％とするのが好ましく、５０％～１８０％が更に好ましく、７０％～１５０％が最も好ましい。

　両不織布を貼り合わせた積層体の部位は、貼り合わせ時の伸長率の分だけ縮むが、着用時に胴回り方向に収縮力を発揮して着用物品を着用者の胴にフィットさせるだろう。

　伸縮性の不織布がその長手方向に優れた伸縮性を有する不織布であっても、それを伸長状態で、実質的に伸長しない非伸縮性の不織布に貼り合わせることによって得られる伸縮積層体（伸縮性不織布）は、前記伸長状態以上は殆ど伸びないか、あるいは、前記伸長状態よりも僅かに伸びたところでそれ以上の伸びが急激に抑制される（いわゆる伸びどまり）。

　本発明の別の製造方法は、長手方向に連続し、かつ、前記長手方向に伸縮性を有する伸縮連続不織布を前記長手方向に搬送しながら所定の波形の切断線に沿って前記伸縮連続不織布をスリットすることにより、第１凸部および第１凹部を有する第１連続分割不織布と、第２凹部および第２凸部を有する第２連続分割不織布とに分割する工程と、前記第１連続分割不織布と前記第２連続分割不織布とを互いに離間させる工程と、前記第１連続分割不織布の第１凸部と前記第２連続分割不織布の第２凹部または第２凸部の一方との間に前記吸収性本体を次々に架設して配置するか、あるいは、前記第１連続分割不織布の第１凹部と前記第２連続分割不織布の第２凹部または第２凸部の他方との間に前記吸収性本体を次々に架設して配置する工程と、個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２連続分割不織布を前記吸収性本体同士の間において前記長手方向に直交する幅方向に延びる切断線に沿って切断する工程とを備える。

　本発明の別の製造方法は、長手方向に連続し、かつ、一対の側縁を有する本質的に非伸縮性の連続不織布上に間欠的に次々に前記吸収性本体を配置する工程と、前記各吸収性本体の間の前記連続不織布にレッグホールとなる孔を形成する工程と、前記レッグホールを間に挟み、かつ、前記長手方向に沿った一対の前記側縁に間欠的に前記伸縮性の不織布が前記長手方向に伸長された状態で配置される工程と、個々の着用物品を生成するために、前記吸収性本体同士の間において前記非伸縮性の不織布を切断する工程とを備える。
　この場合も前述の製造方法と同様な利点が得られるだろう。

　本発明の更に別の製造方法は、長手方向に連続し、かつ、前記長手方向に伸縮性を有する伸縮連続不織布を前記長手方向に搬送しながら所定の波形の仮想の切断線に沿って前記伸縮連続不織布を切断することにより、第１凸部および第１凹部を有する第１連続分割不織布と、第２凹部および第２凸部を有する第２連続分割不織布とに分割する工程と、前記第１連続分割不織布と前記第２連続分割不織布とを互いに離間させる工程と、前記第１凸部と前記第２凸部とが互いに対向するように、かつ、前記第１凹部と前記第２凹部とが互いに対向するように前記第１連続分割不織布と第２連続分割不織布との配置関係を変更する工程と、前記第１凹部と前記第２凹部との間に前記吸収性本体を次々に架設して配置する工程と、個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２連続分割不織布を前記吸収性本体同士の間において前記長手方向に直交する幅方向に延びる仮想の切断線に沿って切断する工程とを備える。

　第１凹部と第２凹部とに吸収性本体が架設（橋渡し）された場合、吸収性コアは第１および第２凹部に本質的に覆われないだろう。
　この場合も、前述の製造方法の利点が発揮されるだろう。

　本発明の別の製造方法は、前記吸収性本体の複数個を前記胴回り方向に互いに離間した状態で搬送する工程と、前記胴回り方向に互いに隣接する吸収性本体の間に前記前フラップの２つ分となる第１伸縮性不織布を架設すると共に、前記後フラップの２つ分となる第２伸縮性不織布を架設する工程と、前記隣り合う吸収性本体の間において、個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２伸縮性不織布を切断する工程とを備える。

　隣り合う吸収性本体の間に架設された各伸縮性不織布は吸収性コアと重ならないように配置される。
　この場合も、前述の製造方法の利点が発揮されるだろう。

図１Ａは本発明の実施例１にかかる着用物品を展開して示す概略平面図、図１Ｂは同ＩＢ－ＩＢ線断面図、図１Ｃは同ＩＣ－ＩＣ線における端面図である。図２は同着用物品の製造方法を示す概略平面図である。図３は同着用物品の製造方法を示す概略平面図である。図４Ａは本発明の実施例２にかかる着用物品を展開して示す概略平面図、図４Ｂは同ＩＶＢ－ＩＶＢ線断面図、図４Ｃは同ＩＶＣ－ＩＶＣ線における端面図である。図５は同着用物品の製造方法を示す概略平面図である。図６は同着用物品の製造工程を示す概略平面図である。図７Ａは本発明の実施例３にかかる着用物品を展開して示す概略平面図、図７Ｂは同ＶＩＩＢ－ＶＩＩＢ線断面図、図７ＣはＶＩＩＣ－ＶＩＩＣ断面図である。図８は同着用物品の製造方法を示す概略平面図である。図９は同着用物品の製造方法を示す概略平面図である。図１０Ａは本発明の実施例６にかかる着用物品を展開して示す概略平面図、図１０Ｂは同ＸＢ－ＸＢ線断面図である。図１１は同着用物品の製造方法を示す概略斜視図である。図１２は同着用物品の製造工程を示す概略平面図である。図１３は実施例４の着用物品の製造方法を示す概略平面図である。図１４は実施例５の着用物品の製造方法を示す概略平面図である。

　本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。

　実施例１
　以下、本発明の実施例１にかかる着用物品１の構造が図面にしたがって説明される。
　図１～図３は実施例１を示す。

　図１Ａ～図１Ｃに示すように、本実施例１の着用物品１は、吸収性本体２、前胴回り部材３Ｆおよび後胴回り部材３Ｂを備えている。前記吸収性本体２は、着用者の前胴を覆い胴回り方向Ｘに延びるフロント部（前胴回り部）２０、着用者の後胴を覆い胴回り方向Ｘに延びるバック部（後胴回り部）２１、ならびに、前記フロント部２０とバック部２１との間の着用者の股間を覆う股部２２を有している。

　前記股部２２はフロント部２０およびバック部２１に連なり前記胴回り方向Ｘに直交する縦方向Ｙに延びる。前記吸収性本体２は股部２２の一部又は全部を構成する。

　図１Ａにおいて、着用時、前記股部２２は前記胴回り方向Ｘに平行なラインにおいて２つに折られる。これにより、前記前胴回り部材３Ｆと前記後胴回り部材３Ｂの胴回り方向Ｘの端部同士が互いに重なる。

　図１Ａに示すように、前記吸収性本体２には破線で示す吸収コア２４が設けられており、この吸収コア２４は体液を吸収する。図１Ｂに示すように、前記吸収コア２４は、トップシート２６とバックシート２７との間で挟まれていると共に、各シート２６，２７および吸収コア２４は互いに積層されてなる。

　図１Ｂにおいて、前記トップシート２６は透液性の薄い不織布からなり、吸収コア２４の肌面を覆う。このトップシート２６の上には、図１Ａのカフ２５が設けられていてもよい。図１Ｂのトップシート２６は本質的に非伸縮性の不織布からなる。
　本発明において「肌面」とは、オムツの着用時に直接的または間接的に着用者の肌に接する内側の面をいう。

　前記バックシート２７は吸収コア２４の非肌面を覆い、液不透過性の樹脂シートからなる。前記バックシート２７の非肌面には図示しない外装不織布が接着されて積層されていてもよい。前記樹脂シートおよび外装不織布は本質的に非伸縮性である。
　本発明において「非肌面」とは、前記肌面とは反対側のオムツの着用時に着用者の肌に接しない外側の面をいう。

　図１Ａにおいて、吸収性本体２は前胴回り部材３Ｆと後胴回り部材３Ｂとの間に架設されている。すなわち、前記吸収性本体２のフロント部２０の前記縦方向Ｙの端部には、前記前胴回り部材３Ｆが貼り付けられている。一方、吸収性本体２のバック部２１の前記縦方向Ｙの端部には、前記後胴回り部材３Ｂが貼り付けられている。

　前記前後の胴回り部材３Ｆ，３Ｂは、それぞれ、前記吸収性本体２から胴回り方向Ｘに突出する一対の前フラップＦｆおよび後フラップＦｂを形成し、前記各フラップＦｆ、Ｆｂは前後の胴回り部の一部を構成する。つまり、図１Ａに示すように、前記各フラップＦｆ，Ｆｂは、股部２２よりも胴回り方向Ｘに突出し吸収性本体２（股部２２）の両縁Ｅ１から胴回り方向Ｘに延び出している。

　前記前後の各胴回り部材３Ｆ，３Ｂは、たとえば、図１Ａ～図１Ｃに示す一対の不織布３０，３１が積層されてなる。これらの不織布３０，３１は通気性を有する。

　図１において、前記前後の胴回り部材３Ｆ，３Ｂには、図１の破線で示すように、着用物品１を着用者にフィットさせるための弾性部材３２が設けられていてもよい。この弾性部材３２としては、たとえば、複数本の糸ゴムや平ゴム、フィルムまたは熱可塑性樹脂を含む材料などを採用することができる。また、弾性部材３２はフロントおよびバックの中央において無効化され（収縮力がない状態とされ）ていてもよい。

　また、吸収性本体２には、着用者の脚部に沿って括れた脚回り部を形成してもよい。前記脚回り部や、前記胴回り部材３Ｆ，３Ｂの脚回り部に連なる部位には、着用者の脚回りに沿うように、たとえば、糸ゴムなどからなる弾性部材が設けられていてもよい。

　着用物品がオムツである場合、前記一対の後胴回り部材３Ｂには、図示しない雄面ファスナが固着され、一方、前胴回り部材３Ｆには雌面ファスナが固着されていてもよい。

　なお、雄面ファスナに代えて止着剤が塗布されたテープ剤を用いてもよく、この場合、前記止着剤が粘着し易い面を前記前胴回り部材３Ｆ等に形成する必要がある。
　また、着用物品がパンツ型である場合、前フラップＦｆと後フラップＦｂの胴回り方向Ｘの端部同士が溶着されていてもよい。

　つぎに、本実施例の要部について説明する。
　本実施例においては、前後のフラップＦｆ，Ｆｂの一部は、非伸縮性の不織布３０の上に伸縮性の不織布３１が貼り合わされてなる。伸縮性の不織布３１は吸収性本体２に重ならず、かつ、胴回り部材３Ｆ，３Ｂの縦方向Ｙの端（つまり側縁部３４）において非伸縮性の不織布３０に重なっていない。
　なお、各図において伸縮性の不織布３１の部位は網点を施して示している。

　つぎに、実施例１の着用物品の製造方法が説明される。
　図２に示すように、非伸縮性の連続不織布Ｗ１の長手方向Ｘに当該連続不織布Ｗ１が搬送されながら、伸縮性の不織布Ｂ１が前記連続不織布上Ｗ１上に間欠的に配置されて貼り合わされる。

　前記伸縮性の不織布Ｂ１を配置するピッチＰは、着用物品１の長手方向（胴回り方向）Ｘの長さに等しい。また、前記伸縮性の不織布Ｂ１を非伸縮性の連続不織布Ｗ１上に貼り合わせる際には、伸縮性の不織布Ｂ１が長手方向Ｘに予め１０％～３００％伸長された状態で貼り合わされる。

　一方、前記非伸縮性の連続不織布Ｗ１の一対の側縁部３４は二重に折り返されながら、当該側縁部３４に張力の付加された状態で弾性部材３２が長手方向Ｘに沿って配置される。その後、前記両不織布Ｗ１，Ｂ１は長手方向Ｘに延びる仮想の切断線ＣＬ１に沿って切断され、第１積層不織布Ｗ１１および第２積層不織布Ｗ１２が生成される。

　前記切断後、非伸縮性の第１および第２積層不織布Ｗ１１，Ｗ１２の前記側縁部３４，３４同士が互いに離間するように、前記不織布Ｗ１１および不織布Ｗ１２の幅方向Ｙの配置関係が変更される。

　図３に示すように、前記配置の変更後に、前記第１積層不織布Ｗ１１の前記伸縮性不織布Ｂ１が配置されていない第１部１０１と、前記第２積層不織布Ｗ１２の前記伸縮性の不織布Ｂ１が配置されていない第２部１０２とに次々と前記吸収性本体２が架設されて配置される。前記配置後、前記第１および第２積層不織布Ｗ１１，Ｗ１２の前記吸収性本体２，２同士の間において前記第１および第２積層不織布Ｗ１１，Ｗ１２が前記長手方向Ｘに直行する幅方向Ｙ方向に延びる仮想の切断線Ｌに沿って切断される。これにより、個々の着用物品１が得られる。
　なお、個々の着用物品１に切り取る前の連続した状態で吸収性本体２が２つに折られてもよい。

　以下、本発明の実施例２～６にかかる着用物品１の構造や製造方法が図面にしたがって説明される。以下の説明においては主として実施例１と相違する構造や方法について説明され、実施例１と同様の構造や方法については説明が省略される。

　実施例２
　図４～図６は実施例２を示す。
　本実施例の場合、脚回り部が括れた１つの非伸縮性の不織布３０に吸収性本体２および４枚の伸縮性の不織布３１が貼り合わされている。

　すなわち、非伸縮性の不織布３０は吸収性本体２の全部の背面を覆っており、前胴回り部材３Ｆと後胴回り部材３Ｂとは１つの非伸縮性の不織布３０で縦方向Ｙに連なって形成されている。

　つぎに、実施例２の着用物品１の製造方法について説明する。
　長手方向Ｘに連続し、かつ、一対の側縁３４，３４を有する本質的に非伸縮性の連続不織布Ｗ２に間欠的に次々にレッグホールとなる孔Ｈを形成する。ついで、前記非伸縮性の連続不織布Ｗ２に形成された前記孔Ｈ，Ｈ間に吸収性本体２を次々に配置する。

　一方、前記レッグホールとなる孔Ｈを間に挟み、かつ、前記長手方向Ｘに沿った一対の側縁３４，３４に間欠的に伸縮性の不織布Ｂ２，Ｂ２が前記長手方向Ｘに１０％～３００％伸長した状態で配置され、連続積層体が生成される。この伸縮性の不織布Ｂ２は、図６のように後に２つに切断されて前記伸縮性の不織布３１となるが、予め、伸縮性の不織布３１ごとに伸縮性の不織布Ｂ２が配置されてもよい。

　図６に示すように、前記一対の側縁３４には弾性部材３２が配置され、前記側縁３４は二重に折り返される。
　なお、以上の工程は順序が変わってもよく、たとえば、吸収性本体２の配置、弾性部材３２の配置、孔Ｈの形成、伸縮性の不織布Ｂ２の配置の順に行われてもよい。

　その後、前記吸収性本体２、２同士の間において、前記伸縮性の不織布Ｂ２および非伸縮性の連続不織布Ｗ２の双方が長手方向Ｘに直交する幅方向Ｙに延びる仮想の切断線Ｌに沿って切断される。これにより、前記連続積層体から個々の着用物品１が切り取られて生成される。
　なお、前記各着用物品１が切り取られる前に、連続積層体が２つに折られてもよい。

　実施例３
　図７Ａ～図９は実施例３を示す。
　本実施例３において、図７Ａの前後の胴回り部３Ｆ，３Ｂは、それぞれ、胴回り方向の全域において図７Ｂおよび図７Ｃのように非伸縮性の不織布３０と伸縮性の不織布３１とが二重に重なっているが、伸縮性の不織布３１のみで形成されていてもよい。

　前後の胴回り部材３Ｆ，３Ｂは、それぞれ、胴回り方向Ｘの中央において凹んだ凹部４０１，４０２を有している。前記一対の凹部４０１，４０２の縁部に吸収性本体２が架設されており、前記凹部４０１，４０２の縁部に吸収性本体２の端部が重なっている。

　つぎに、本着用物品１の製造方法が図８および図９にしたがって説明される。
　図８に示すように、前記胴回り部材３Ｆ，３Ｂ（図７Ａ）を形成する伸縮性の連続不織布Ｂ３が長手方向Ｘに伸長した状態で長手方向Ｘに搬送される。この連続不織布Ｂ３を長手方向Ｘに搬送しながら矩形の波形の切断線ＣＬ２に沿って当該不織布Ｂ３がスリットされる。これにより、前記連続不織布Ｂ３は第１凸部４２１および第１凹部４０１を有する第１連続分割不織布Ｂ３１と、第２凹部４０２および第２凸部４２２を有する第２連続分割不織布Ｂ３２とに分割される。

　ついで、前記第１連続分割不織布Ｂ３１と第２連続分割不織布Ｂ３２とが前記長手方向Ｘに直交する幅方向Ｙに離間するように、前記２つの連続分割不織布Ｂ３１，Ｂ３２が前記幅方向Ｙに相対移動される。

　その後、前記第１凸部４２１と前記第２凸部４２２とが互いに対向するように、かつ、前記第１凹部４０１と前記第２凹部４０２とが互いに対向するように前記第１連続分割不織布Ｂ３１と第２連続分割不織布Ｂ３２の長手方向Ｘの配置関係が変更される。つまり、一対の連続分割不織布Ｂ３１，Ｂ３２は前記波形の半波長ないし（ｎ＋１／２）波長（ｎは自然数）だけ相対的に移動されて、両者の凹凸の位相が一致される。

　図９に示すように、前記位相の変更後に、前記各不織布Ｂ３１，Ｂ３２が長手方向Ｘに１０％～３００％の伸長率で伸長された状態で前記第１凹部４０１と前記第２凹部４０２の縁部に吸収性本体２が次々に配置されて架設される。

　前記架設後、前記不織布Ｂ３１，Ｂ３２が個々の着用物品１の長さとなるように互いに隣接する吸収性本体２，２同士の間において幅方向Ｙに延びる仮想の切断線Ｌに沿って切断される。これにより、前記凸部４２１，４２２がフラップＦｆ，Ｆｂとなる個々の着用物品１が得られる。
　なお、個々の着用物品１に切り取る前の連続した状態で吸収性本体２が２つに折られてもよい。

　本実施例の場合、伸縮性の不織布Ｂ３は伸縮性の不織布を長手方向Ｘに伸長させた状態で、非伸縮性の不織布に貼り合わせており、貼り合わせる前の伸縮性の不織布はその伸長により幅が小さくなるであろう。したがって、伸縮性の不織布の原反の幅は非伸縮性の不織布の原反の幅の１１０％～１３０％程度が好ましいだろう。

　実施例４，５
　つぎに、実施例４，５の着用物品１の製造方法を説明する。
　図１３および図１４において、本実施例４，５の場合、前記伸縮性の連続不織布Ｂ３が滑らかな波形の仮想の切断線ＣＬ２に沿ってスリットされる。

　図１３において、一対の連続分割不織布Ｂ３１，Ｂ３２は、長手方向Ｘに相対移動されることなく、凸部と凹部とが互いに対向している。第１凹部４０１と第２凸部４２２との間に吸収性本体２が次々に架設される。
　なお、その他の工程については前記第３実施例と同様である。

　図１４においては、第３実施例と同様に一対の連続分割不織布Ｂ３１，Ｂ３２が滑らかな波形の切断線ＣＬ２に沿ってスリットされた後、長手方向Ｘに相対移動される。第１凸部４２１と第２凸部４２２との間に吸収性本体２が次々に架設される。
　なお、その他の工程については前記第３実施例と同様である。

　実施例６
　図１０Ａ～図１２は実施例６を示す。
　本実施例４において、図１０Ａの前後のフラップＦｆ，Ｆｂは、吸収性本体２の端部から長手方向（胴回り方向）Ｘに突出するように固着されている。すなわち、各フラップＦｆ，Ｆｂは吸収性本体２を介してのみ互いに連なっている。図１０Ｂに示すように、各フラップＦｆ，Ｆｂは、非伸縮性の不織布３０と伸縮性の不織布３１とが二重に重なった積層体で形成されているが、伸縮性の不織布３１のみで形成されてもよい。

　つぎに、実施例４の着用物品１の製造方法が図１１および図１２にしたがって説明される。

　図１１に示すように、前記吸収性本体２の複数個を胴回り方向Ｘに互いに離間した状態で搬送しながら、前記胴回り方向Ｘに互いに隣接する吸収性本体２，２の間に前記前フラップＦｆの２つ分となる第１伸縮性不織布Ｂ４ｆが架設されると共に、前記後フラップＦｂの２つ分となる第２伸縮性不織布Ｂ４ｂが架設される。

　前記伸縮性不織布Ｂ４ｆ，Ｂ４ｂは、たとえば１つの帯状に長い連続伸縮不織布Ｂ４を２つにスリットし、その先端部分を切り取ることにより生成されてもよい。また、伸縮性不織布Ｂ４ｆ，Ｂ４ｂは非伸縮性不織布と長手方向Ｘに伸長された伸縮性不織布とが予め互いに積層されて形成されてもよいし、伸縮性不織布のみで形成されてもよい。

　図１２に示すように、その後、前記隣り合う吸収性本体２，２の間において、前記第１および第２伸縮性不織布Ｂ４ｆ，Ｂ４ｂが幅方向Ｙに延びる仮想の切断線Ｌに沿って切断される。これにより、個々の着用物品１が得られる。
　なお、この切断は連続積層体を２つに折った後に行われてもよい。

　本発明はオムツ型およびパンツ型の使い捨て着用物品およびその製造方法に適用し得る。

　１：着用物品
　２：吸収性本体
　２０：フロント部
　２１：バック部
　２４：吸収性コア
　２６：トップシート
　２７：バックシート
　３０：非伸縮性の不織布
　３１：伸縮性の不織布
　Ｆｆ：前フラップ
　Ｆｂ：後フラップ
　Ｂ１，Ｂ２，Ｂ３，Ｂ４：伸縮性の不織布
　Ｗ１，Ｗ２：非伸縮性の不織布

Claims

　使い捨て着用物品であって、
　液透過性を有するトップシートと液不透過性のバックシートとの間に体液を吸収する吸収性コアが積層された吸収性本体と、
　前記吸収性本体における着用者の胴の前面を覆うフロント部に連なり胴回り方向に延びる一対の前フラップと、
　前記吸収性本体における前記着用者の胴の背面を覆うバック部に連なり前記胴回り方向に延びる一対の後フラップとを備え、
　前記前フラップおよび前記後フラップは、それぞれ、前記胴回り方向に伸縮する少なくとも１つの伸縮性の不織布を包含し、
　前記吸収性コアの部位が前記伸縮性の不織布で本質的に覆われていない着用物品。
　請求項１の着用物品を製造する方法であって、
　長手方向に連続し、かつ、本質的に非伸縮性の連続不織布上に間欠的に前記伸縮性の不織布が前記長手方向に伸長された状態で配置された第１および第２積層不織布を得る工程と、
　前記第１および第２積層不織布を互いに平行に、かつ、前記長手方向に搬送しながら、前記第１積層不織布の前記伸縮性不織布が配置されていない第１部と、前記第２積層不織布の前記伸縮性不織布が配置されていない第２部との間に次々と前記吸収性本体を架設する工程と、
　個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２積層不織布の前記吸収性本体同士の間において前記第１および第２積層不織布を前記長手方向に直交する幅方向に延びる仮想の切断線に沿って切断する工程とを備える。
　請求項２の製造する方法において、
　前記一対の前フラップと前記一対の後フラップを形成する胴回り用の本質的に非伸縮性の連続不織布を長手方向に搬送する工程と、
　前記胴回り用の連続不織布の長手方向に間欠的に前記一対の前および後フラップを形成する伸縮性の不連続不織布が前記長手方向に伸長された状態で前記胴回り用の連続不織布に積層される工程と、
　前記積層後に、前記胴回り用の連続不織布を前記伸縮性の不連続不織布と共に前記長手方向に延びる仮想の切断線に沿って切断して前記第１および第２積層不織布を得る工程とを更に備える。
　請求項１の着用物品を製造する方法であって、
　長手方向に連続し、かつ、一対の側縁を有する本質的に非伸縮性の連続不織布上に間欠的に次々に前記吸収性本体を配置する工程と、
　前記各吸収性本体の間の前記連続不織布にレッグホールとなる孔を形成する工程と、
　前記レッグホールを間に挟み、かつ、前記長手方向に沿った一対の前記側縁に間欠的に前記伸縮性の不織布が前記長手方向に伸長された状態で配置される工程と、
　個々の着用物品を生成するために、前記吸収性本体同士の間において前記非伸縮性の不織布を前記長手方向に直交する幅方向に延びる仮想の切断線に沿って切断する工程とを備える。
　請求項１の着用物品を製造する方法であって、
　長手方向に連続し、かつ、前記長手方向に伸縮性を有する伸縮連続不織布を前記長手方向に搬送しながら所定の波形の仮想の切断線に沿って前記伸縮連続不織布を切断することにより、第１凸部および第１凹部を有する第１連続分割不織布と、第２凹部および第２凸部を有する第２連続分割不織布とに分割する工程と、
　前記第１連続分割不織布と前記第２連続分割不織布とを互いに離間させる工程と、
　前記第１凸部と前記第２凸部とが互いに対向するように、かつ、前記第１凹部と前記第２凹部とが互いに対向するように前記第１連続分割不織布と第２連続分割不織布との配置関係を変更する工程と、
　前記第１凹部と前記第２凹部との間に前記吸収性本体を次々に架設して配置する工程と、
　個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２連続分割不織布を前記吸収性本体同士の間において前記長手方向に直交する幅方向に延びる仮想の切断線に沿って切断する工程とを備える。
　請求項１の着用物品を製造する方法であって、
　長手方向に連続し、かつ、前記長手方向に伸縮性を有する伸縮連続不織布を前記長手方向に搬送しながら所定の波形の仮想の切断線に沿って前記伸縮連続不織布を切断することにより、第１凸部および第１凹部を有する第１連続分割不織布と、第２凹部および第２凸部を有する第２連続分割不織布とに分割する工程と、
　前記第１連続分割不織布と前記第２連続分割不織布とを互いに離間させる工程と、
　前記第１凸部と前記第２凸部とが互いに対向するように、かつ、前記第１凹部と前記第２凹部とが互いに対向するように前記第１連続分割不織布と第２連続分割不織布との配置関係を変更する工程と、
　前記第１凸部と前記第２凸部との間に前記吸収性本体を次々に架設して配置する工程と、
　個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２連続分割不織布を前記吸収性本体同士の間において前記長手方向に直交する幅方向に延びる仮想の切断線に沿って切断する工程とを備える。
　請求項１の着用物品を製造する方法であって、
　長手方向に連続し、かつ、前記長手方向に伸縮性を有する伸縮連続不織布を前記長手方向に搬送しながら所定の波形の仮想の切断線に沿って前記伸縮連続不織布を切断することにより、第１凸部および第１凹部を有する第１連続分割不織布と、第２凹部および第２凸部を有する第２連続分割不織布とに分割する工程と、
　前記第１連続分割不織布と前記第２連続分割不織布とを互いに離間させる工程と、
　前記第１凹部と前記第２凸部との間に、あるいは、前記第１凸部と前記第２凹部との間に、前記吸収性本体を次々に架設して配置する工程と、
　個々の着用物品を生成するために、前記第１および第２連続分割不織布を前記吸収性本体同士の間において前記長手方向に直交する幅方向に延びる仮想の切断線に沿って切断する工程とを備える。
　請求項１の着用物品を製造する方法であって、
　前記吸収性本体の複数個を前記胴回り方向に互いに離間した状態で搬送する工程と、
　前記胴回り方向に互いに隣接する吸収性本体の間に前記前フラップの２つ分となる第１伸縮性不織布を架設すると共に、前記後フラップの２つ分となる第２伸縮性不織布を架設する工程と、
　個々の着用物品を生成するために、前記隣り合う吸収性本体の間において、前記第１および第２伸縮性不織布を切断する工程とを備える。