JP6686255B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつに関する。
一般的に、使い捨ておむつには、テープ止めタイプ、パンツタイプなどの様々な種類がある。例えば、これらのタイプは、着用者が大人の場合には、排泄時における介護の必要度に応じて適宜選択されている。なかでも、テープ止めタイプの使い捨ておむつは、日常的に寝て過ごす時間が多い、自分ではトイレで排泄ができないなど、重度の要介護者への需要が多くなっている。特に、テープ止めタイプの使い捨ておむつは、別体の尿取りパッドを併用することで、使い捨ておむつ交換に要する介護者および被介護者の負担軽減、排泄毎に外側の使い捨ておむつを交換する必要をなくすことによって、経済的負担および廃棄物量の軽減に資するものである。
テープ止めタイプの使い捨ておむつには、おむつ外部への体液漏れを防ぎ、快適に着用できるような身体へのフィット性と、着脱を容易に行うことができる着脱容易性と、が求められている。特に、身体へのフィット性に関しては、臀部のサイズを基準としたS、M、L、LLといったサイズをテープ止めタイプの使い捨ておむつに設定することで実現しているが、実際には、脚周りや腹周りのサイズも、着用者によって大きく異なるため、改善の余地があった。さらに、満腹時と空腹時のような着用者の体形変化、座位と立位、就寝時の上向きと横向きのような着用者の体勢変化、および、複数枚重ねて着用した尿取りパッドの厚さによる使い捨ておむつの形状変化によっても、使い捨ておむつの身体へのフィット性は低下するため、これらの変化に追従した身体へのフィット性に関しても改善の余地があった。
そこで、テープ止めタイプの使い捨ておむつの身体へのフィット性を改善するものとして、特許文献1には、後身頃のサイドフラップの一側縁部に2個の止着テープが配置され、止着テープの各々に締結手段を形成した面とは反対側の面に締結手段を着脱可能に固定するためのターゲットゾーンを形成することにより、2個の止着テープを重ね止めできる使い捨ておむつが開示されている。
また、特許文献2には、後身頃の一側縁部に2個の止着テープが配置され、止着テープを交差して重ね止めできる使い捨ておむつが開示されている。
特開2004−201894号公報 特開2014−28318号公報
しかし、特許文献1および特許文献2に記載の使い捨ておむつは、止着テープの重ね止め部分の位置および角度が限定的であり、身体へのフィット性を十分に得ることはできなかった。
従って、本発明は、止着テープの重ね止め部分の位置や角度に自由度を持たせ、腹周り部および股下部におけるフィット性を高めた使い捨ておむつを提供することを目的とする。
(1)本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつは、展開状態において、腹周り部が定義された前身頃と、前記前身頃と離間して配置された後身頃と、前記前身頃と前記後身頃との間に位置する股下部と、を備え、前記前身頃に前記後身頃を締結するための止着部が、前記後身頃の側縁部に設けられた使い捨ておむつであって、前記止着部は、第1の止着テープと、前記使い捨ておむつの長手方向において、前記第1の止着テープに離間して配置された第2の止着テープと、を有し、前記第1の止着テープの有効長さは、前記第2の止着テープの有効長さよりも長いことを特徴とする。
(2)本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつは、上記(1)記載の使い捨ておむつであって、前記使い捨ておむつの長手方向において、前記第1の止着テープは、前記第2の止着テープよりも前記股下部側に配置されることを特徴としてもよい。
(3)本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつは、上記(1)記載の使い捨ておむつであって、前記使い捨ておむつの長手方向において、前記第1の止着テープは、前記第2の止着テープよりも前記腹周り部側に配置されることを特徴としてもよい。
(4)本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつは、上記(1)から(3)の何れか一項に記載の使い捨ておむつであって、前記第1の止着テープの有効長さ/前記第2の止着テープの有効長さとして定義される前記第2の止着テープの有効長さに対する前記第1の止着テープの有効長さの比率は、1.5以上4.0以下であることを特徴としてもよい。
(5)本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつは、上記(1)から(3)の何れか一項に記載の使い捨ておむつであって、前記第1の止着テープの有効長さ/前記第2の止着テープの有効長さとして定義される前記第2の止着テープの有効長さに対する前記第1の止着テープの有効長さの比率は、2.0以上3.0以下であることを特徴としてもよい。
本発明の使い捨ておむつは、止着テープの重ね止め部分の位置や角度に自由度を持たせ、使い捨ておむつの腹周り部および股下部におけるフィット性を高めることができる。
展開状態における本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつを示す展開平面図である。 展開状態における本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつの変形例を示す展開平面図である。 本発明の実施形態に係る使い捨ておむつの止着部を拡大した部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る使い捨ておむつの斜視図であって、(a)は第1の止着テープおよび第2の止着テープを平行に配置して固着した場合を示す斜視図、(b)は第1の止着テープおよび第2の止着テープを交差配置して固着した場合を示す斜視図である。
なお、本実施形態の説明は、特に説明がない限り、全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。なお、本実施形態の説明において、使い捨ておむつ1の長手方向は、使い捨ておむつ1が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、使い捨ておむつ1の短手方向は、長手方向に対して横切り又は直交する方向を意味する。また、本実施形態の説明において、体液とは、尿、血液や軟便中の水分などの体内から体外に排出された液体をいう。本実施形態の使い捨ておむつ1は、尿失禁用、女性の生理用物品など体液吸収用に用いることができる。
次に、図1から図4を参照して、本発明の実施形態に係る使い捨ておむつ1について説明する。図1は、使い捨ておむつ1の展開状態における平面図であり、使い捨ておむつ1の断面を説明するために、各部材の一部を切り取った展開平面図である。図4(a)および図4(b)は使い捨ておむつ1の斜視図である。
使い捨ておむつ1は、いわゆるテープタイプの使い捨ておむつであり、使い捨ておむつ1の着用時において、着用者の腹側に位置付けられる前身頃10と、着用者の背側に位置付けられる後身頃20と、着用者の股間部に配置される股下部30と、後身頃20の両側縁部22に設けられ、前身頃10と後身頃20と締結するための一対の止着部40と、を含む。図1に示すように、展開状態において、前身頃10と後身頃20とは、使い捨ておむつ1の長手方向に離間して位置づけられ、股下部30は、前身頃10と後身頃20との間に位置付けられる。そして、使い捨ておむつ1の使用時には、前身頃10と後身頃20と対向配置して、止着部40を前身頃10に締結することで、図4(a)または(b)に示す使い捨ておむつ1となる。使い捨ておむつ1は、使い捨ておむつ1の短手方向において、前身頃10および後身頃20の幅は、股下部30の幅よりも大きくなるように設けられている。
図1には、肌当接面側から非肌当接面側に至る断面形状を説明するために、各部材の一部を切り取ったものを図示している。図示するように、使い捨ておむつ1は、肌当接面側に液透過性のトップシート112、非肌当接面側に液不透過性のバックシート114、トップシート112とバックシート114との間に吸収体116を備える。このように、使い捨ておむつ1は、肌当接面側から着用者の体液が浸透し、吸収体116に吸収され、バックシート114を超えて、体液が浸透しないように構成されている。バックシート114は、展開状態における使い捨ておむつ1の平面形状を呈するシート状に構成され、トップシート112と吸収体116とは、バックシート114よりも面積を小さく設けて、バックシート114に積層されて設けられている。トップシート112とバックシート114などの各部材の接合は、熱や超音波を用いた溶着やホットメルト接着剤による接着などにより行われてもよい。なお、図1では、図の理解を容易にするために、吸収体116の輪郭を一点鎖線にて描いている。図1に示すように、吸収体116は、使い捨ておむつ1の短手方向において、股下部30の幅が狭まった、いわゆる砂時計型とされている。
さらに、使い捨ておむつ1には、トップシート112上に、使い捨ておむつ1の両側縁に沿って、左右一対の立体ギャザー118が設けられていてもよいし、図示しない補助シートなどの他の部材を含んでもよいことは言うまでもない。使い捨ておむつ1の短手方向における立体ギャザー118の外端部は、バックシート114に固定され、内端部はトップシート112に固着され、中央部はトップシートに固定されない自由端となるように、立体ギャザーシートが配され、糸ゴム等の弾性部材を長手方向に沿って設けることで、起立性を有し、使用者の体型に合わせて変形可能となるように設けられる。また、腰周り部Wには、図示しない弾性部材などによってウエストギャザーが形成され、使い捨ておむつ12が着用者の腰周りに密着するように構成されていてもよい。立体ギャザーシートとしては、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS不織布などが使用される。弾性部材としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が使用される。
なお、トップシート112は、体液が吸収体116へと移動するように液透過性を備えていればよく、例えば、サーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料を所定の形状とすることで形成できる。また、トップシート112には、トップシート112の液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。その加工方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。また、肌への刺激を低減させるために、トップシート112には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
バックシート114は、吸収体116が保持する体液が漏れないように液不透過性を備えたものであればよく、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布、樹脂フィルム、あるいはこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。不織布は、製法が特に限定されることはなく、例えば、スパンボンドやメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布、及びこれらの複合材料が考えられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等を用いることができる。また、装着時の蒸れを防止するために、バックシート114には、透湿性を備えさせてもよい。例えば、バックシート114にフィラーを配合することや、バックシートに穿孔のためのエンボス加工を施すことで、バックシートに透湿性を備えさせることができる。
吸収体116の基材としては、体液を吸収保持できるものを特に制限なく用いることができる。例えば、吸収体116の基材は、パルプ繊維等の液体吸収性繊維を所定形状に成形したものを含み、液体吸収性繊維に高吸水性樹脂(SAP(Super Absorbent Polymer))を含有させたものであってもよい。例えば、吸収体116の基材は、フラッフパルプ、親水性シートおよび高吸水性樹脂を備える。この例の場合、高吸水性樹脂が混入または囲繞された液体吸収性繊維を成形して成形体をなし、高吸水性樹脂粒子の漏洩防止や吸収性部材の形状を安定させるために、この成形体をティシュのような親水性シート(図示せず)によって被覆することで形成される。フラッフパルプとしては、例えば、木材パルプ及び合成繊維、ポリマー繊維および非木材パルプを綿状に解繊したものがある。また、高吸水性樹脂は、吸液により膨潤等して高い液体の保持性能を有した高分子重合体を備える粒状の樹脂体であり、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム系が挙げられる。親水性シートとしては、ティシュ、吸収紙、親水性不織布が例として挙げられる。
吸収体116は、吸収体116の基材を単層あるいは複数層に積層して構成される。さらに、吸収体116は、表面にエンボス加工を施すことで、体液の拡散をコントロールすると共に、着用者の体型に応じて容易に変形可能とすることができる。
止着部40は、図1に示すように、一端が使い捨ておむつ1の後身頃20の側縁部22に接合され、他端が自由端となっている。この接合は、熱や超音波を用いた溶着やホットメルト接着剤による接着などによって行われている。そして、図4(a)および(b)に示すように、腹周り部Wにおいて、後身頃20が、少なくとも部分的に前身頃10と重なる状態となるように、止着部40が前身頃10の両側縁部16に固着される。前身頃10の両側縁部16に止着部40が固着されることにより、後身頃20の両側縁部22が前身頃10の両側縁部16に接続される。止着部40は、使い捨ておむつ1の使用前の状態では、使い捨ておむつ1の短手方向の内側に折り返されており、使い捨ておむつ1の使用時には、図1に示すように、使い捨ておむつ1の後身頃20の両側縁部22から左右方向へと広げられる。
止着部40は、着用時に使い捨ておむつ1の腹周り部Wに張力を与えて使い捨ておむつ1を着用者に保持する。よって、止着部40は、ポリオレフィンフィルムやポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム、不織布等を単独または組み合わせた材料を用いて形成することができ、伸縮性を有する素材により形成することができる。
図1に示すように、止着部40は、第1の止着テープ42と、使い捨ておむつ1の長手方向において、第1の止着テープ42に離間して配置された第2の止着テープ44とを有する。そして、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44とは、第1の止着テープ42の有効長さL1が、第2の止着テープ44の有効長さL2よりも長くなるように設けられている。そして、図1、図4(a)および図4(b)に示すように、第1の止着テープ42には、前身頃10と後身頃20とを締結するための締結要素46が形成され、第2の止着テープ44には、前身頃10と後身頃20とを締結するための締結要素48と、が設けられ、前身頃10の側縁部16の非肌当接面側の表面には、締結要素46と締結要素48とを係合する係合要素12が設けられている。そして、使い捨ておむつ1の着用時に、締結要素46と締結要素48とを係合要素12に固着することで、前身頃10と後身頃20とが締結される。なお、本明細書において、有効長さとは、締結要素46および締結要素48が表面に露出するように広げた第1の止着テープ42または第2の止着テープ44の長さであって、力を印加せずに自然状態とした場合の長さをいう。
これによって、止着部40は、図4(a)に示すように、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44とを平行に配置して、前身頃10の側縁部16の係合要素12に締結要素46,48を固着することができるとともに、図4(b)に示すように、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44とが交差するように配置して、前身頃10の係合要素12に締結要素46,48を固着することもできる。特に、使い捨ておむつ1は、図4(b)に示すように、有効長さが長い第1の止着テープ42を、有効長さが短い第2の止着テープ44に跨いで交差させて、締結要素46,48を固着することができる。すなわち、使い捨ておむつ1は、長い有効長さL1を有する第1の止着テープ42を、第1の止着テープ42よりも短い有効長さL2を有する第2の止着テープ44に重ねて固定する際に、第1の止着テープ42および第2の止着テープ44の重ね止めによる係止位置の自由が高い。このため、使い捨ておむつ1は、各止着テープ42,44の調整範囲が広く、股下部Lや腹周り部Wにおけるフィット性に優れ、特に、体液の漏れ防止効果に優れている。図1には、使い捨ておむつ1の長手方向において、第1の止着テープ42が、第2の止着テープ44よりも股下部30の側に配置されているものが示されている。これによれば、使い捨ておむつ1は、股下部30へのフィット性をより容易に調節することができ、脚周り部Lからの体液の漏れをより良好に防止できる。なお、第1の止着テープ42および第2の止着テープ44の重ね止めをする場合には、第2の止着テープ44が前身頃10の側縁部16に止着された後、第1の止着テープ42が第2の止着テープ44を跨ぐように側縁部16に止着されることが好ましい。
止着テープ42,44の重ね止めの際には、図4(b)に示す「第1止着テープ42の中心線と第2止着テープ44の中心線とのなす角度θ」は限定されないが、例えば、角度θが30°以上90°以下となるように、第1止着テープ42と第2止着テープ44とが重ねられてもよい。
なお、止着部40は、図1に示すように、使い捨ておむつ1の後身頃20の側縁部22に接合された一端が、共通基部となり、自由端となった他端が、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44に分かれたものであってもよいし、図示しないが、第1の止着テープ42の基部と第2の止着テープ44の基部がそれぞれ、使い捨ておむつ1の後身頃20の側縁部22に接合されていてもよい。また、図1に示すように、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44とは基部側から自由端側に行くに従って幅が漸減する先細り形状であってもよい。止着部40の基部は少なくとも一部が、立体ギャザー118の立体ギャザーシートとバックシート114との間またはトップシート112とバックシート114との間に挟まれて接合されることで、後身頃20に固着されてもよく、この接合部以外の部位は、後身頃20から使い捨ておむつ1の短手方向外側に向かって突出する。また、図示するように、締結要素46と締結要素48とは、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44の自由端部近傍において、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44の一部に配設されて、自由端と基部との間に締結要素46と締結要素48とが設けられない中間部が設けていてもよいし、図示しないが、第1の止着テープ42と第2の止着テープ44の全面に締結要素46と締結要素48とが配設されていてもよい。
図3は、図1の止着部40のみを拡大した部分拡大図である。「第1の止着テープ42の有効長さL1/第2の止着テープ44の有効長さL2」として定義される第2の止着テープ44の有効長さL2に対する第1の止着テープ42の有効長さL1の比率は、1.5以上4.0以下であることが好ましく、2.0以上3.0以下であることがより好ましい。次に、前身頃10と後身頃20とを締結するファスニングシステムについて説明する。締結要素46,48としては、面ファスナなどのメカニカルファスニングシステムのフック材を用いることができ、係合要素12としては、締結要素46,48に対する相手材、フロンタルパッチなどのメカニカルファスニングシステムのループ材や不織布を用いることができる。締結要素46,48がメカニカルファスニングシステムのフック材である場合、締結要素46,48としては、マジックテープ(登録商標)(クラレ社製)、クイックロン(登録商標)(YKK社製)、マジクロス(登録商標)(カネボウベルタッチ社製)等、公知のものを特に制限無く用いることができる。また、締結要素46,48は、大きさや形状に関して、係合要素12との充分な係合力が得られれば、特に制限なく用いることができる。上記以外、例えば、締結要素46,48と係合要素12としては、締結要素46,48として接着シートを用い、係合要素12として接着シートのフィルム系基材を用いることもできるように、その他公知の締結システムを用いることができる。なお、メカニカルファスニングシステムのループ材は、樹脂等により形成されたループ材ベースシート、および、ループ材ベースシートの表面に設けられる微細ループ構造を有し、メカニカルファスニングシステムのフック材は、樹脂等により形成されたフック材ベースシート、および、フック材ベースシートの表面に設けられる鍵状やキノコ形状などの凸状のフック構造を有する。締結要素46,48は、第1の止着テープ42および第2の止着テープ44の基材に、接着や溶着などの方法によって接合されることで、第1の止着テープ42および第2の止着テープ44に含まれてもよい。同様に、係合要素12は、前身頃10の非肌当接面側の表面に、接着や溶着などの方法によって接合されることで、前身頃10に含まれてもよい。
そして、図4(a)および(b)に図示するように、第2の止着テープ44には、締結要素48を形成した面の裏面に、締結要素46を含む第1の止着テープ42を着脱可能に固着するためのターゲット要素50が形成されてもよい。ターゲット要素50としては、例えば、締結要素46又は締結要素46形成領域外の第1の止着テープ42に対する相手材、フロンタルパッチなどのメカニカルファスニングシステムのループ材やフック材、不織布や接着シートのフィルム系基材などを用いることができる。第1の止着テープ42と第2の止着テープ44とを重ね止めする際に、締結要素46を含む第1の止着テープ42は、ターゲット要素50と係合要素12との少なくとも一部に固着されるように構成することができる。
次に、本実施形態に係る使い捨ておむつ1の変形例である使い捨ておむつ1Aを、図2を参照して説明する。図2に示すように、使い捨ておむつ1Aは、止着部40において、第1の止着テープ42の代わり第1の止着テープ42a、第2の止着テープ44の代わりに第2の止着テープ44aを有し、有効長さが長い第1の止着テープ42aは第2の止着テープ44aよりも腹周り部W側に配置されている点でのみ、本実施形態に係る使い捨ておむつ1と異なる。第1の止着テープ42aの有効長さは第2の止着テープ44aの有効長さよりもが長い。使い捨ておむつ1Aは、これ以外の点は、本実施形態に係る使い捨ておむつ1と同様の構成を有する。これによれば、使い捨ておむつ1は、腹周り部Wへのフィット性をより容易に調節することができ、腹周り部Wからの体液の漏れをより良好に防止できる。なお、第1の止着テープ42aおよび第2の止着テープ44aの重ね止めをする場合には、第2の止着テープ44aが前身頃10の側縁部16に止着された後、第1の止着テープ42aが第2の止着テープ44aを跨ぐように前身頃10の側縁部16に止着されることが好ましい。
本実施形態およびその変形例では、止着部40が第1の止着テープ42,42aおよび第2の止着テープ44,44aを有する例を用いて示したが、これに限定されず、止着部40は、3以上の複数の止着テープを有するものであってもよい。
また、本実施形態およびその変形例では、使い捨ておむつ1,1Aにおいて、第1の止着テープ42,42aおよび第2の止着テープ44,44aが広がった状態を用いて説明したが、使い捨ておむつ1の使用前の状態においては、各第1の止着テープ42および第2の止着テープ44の少なくとも一部が折り返され、第1の止着テープ42および第2の止着テープ44の締結部材46,48が設けられた表面に折り返し部が仮止着されてもよい。仮止着されることにより、第1の止着テープ42および第2の止着テープ44のメカニカルファスニングシステムが使用前に破損することを防止できる。
以上、実施形態および変形例を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態および変形例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態および変形例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1,1A 使い捨ておむつ
10 前身頃
12 係合要素
16 前身頃の側縁部
20 後身頃
22 後身頃の側縁部
30 股下部
40,40a 止着部
42,42a 第1の止着テープ
44,44a 第2の止着テープ
46,48 締結部材
50 ターゲット要素
112 トップシート
114 バックシート
116 吸収体
118 立体ギャザー
L1 第1の止着テープの有効長さ
L2 第2の止着テープの有効長さ

Claims (4)

  1. 展開状態において、腹周り部が定義された前身頃と、前記前身頃と離間して配置された後身頃と、前記前身頃と前記後身頃との間に位置し、脚周り部が定義された股下部と、を備え、前記前身頃に前記後身頃を締結するための止着部が、前記後身頃の側縁部に設けられた使い捨ておむつであって、
    前記止着部は、第1の止着テープと、前記使い捨ておむつの長手方向において、前記第1の止着テープに離間して配置された第2の止着テープと、を有し、
    前記第1の止着テープと前記第2の止着テープは、1枚のテープが共通基部から枝分かれして出来ており、
    前記第1の止着テープと前記第2の止着テープの全面に締結要素が配設され、
    前記第2の止着テープには、前記締結要素を形成した面の裏面に、前記締結要素を含む前記第1の止着テープを着脱可能に固着するためのターゲット要素が形成され、
    前記第1の止着テープの有効長さ/前記第2の止着テープの有効長さとして定義される前記第2の止着テープの有効長さに対する前記第1の止着テープの有効長さの比率は、1.5以上4.0以下であることを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 請求項1記載の使い捨ておむつであって、
    前記使い捨ておむつの長手方向において、前記第1の止着テープは、前記第2の止着テープよりも前記股下部側に配置されることを特徴とする使い捨ておむつ。
  3. 請求項1記載の使い捨ておむつであって、
    前記使い捨ておむつの長手方向において、前記第1の止着テープは、前記第2の止着テープよりも前記腹周り部側に配置されることを特徴とする使い捨ておむつ。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の使い捨ておむつであって、
    前記第1の止着テープの有効長さ/前記第2の止着テープの有効長さとして定義される前記第2の止着テープの有効長さに対する前記第1の止着テープの有効長さの比率は、2.0以上3.0以下であることを特徴とする使い捨ておむつ。
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