JP2011104297A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上層吸収材と下層吸収材とを含み、腹側部から股下部を介して後側部に亘る長手方向とこれに直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記上層吸収材は前記幅方向の中心線から左右両側における対称の位置に存在する少なくとも一対の厚み方向に貫通した孔部を有しており、前記貫通孔部のうち幅方向最外側におけるものより外方に位置する前記上層吸収材は前記下層吸収材と直接又は他の部材を介して接合され、前記幅方向左右両側の最外側の貫通孔部の間にある前記上層吸収材には、前記下層吸収材と接合されず、弾性部材が前記長手方向に沿って配設されている部分がある吸収性物品。
【選択図】図1
Description
本実施形態1の尿とりパッド10は、液透過性の表面シート1、液不透過性の裏面シート2、両シート間に介在された吸収体5、及び表面シート1の上面(肌当接面側)に配置されるサイドシート8を具備する。本実施形態1の吸収体5は、前記両シート間において、肌当接面側の上層吸収体3と肌非当接面側の下層吸収体4とからなる。このようにして積層された尿とりパッド10は、その平面視において着用者の腹側に配される腹側部F、股間に沿うようにわたす股下部C、及び背側に配される背側部Rの各部位からなり、その全体の展開形状は該股下部Cが括れた砂時計形状である。なお、該尿とりパッドの形状は、通常のおむつ等の内側に沿わして使用することを考慮し、前記の砂時計形状の他、長方形状等としてもよい。
本実施形態1において、上層吸収材33には長手方向に沿う2条の貫通孔部7’,7’が形成され、その位置において上層上側シート31と上層下側シート32とが接合されて長手方向に沿う溝部7,7をなしている(図1参照)。該貫通孔部間ないし溝部間には中央で隆起可能な上層吸収材33の中央部3aとされている。本実施形態1の尿とりパッド10において、前記中央部3aは装着時に独立して変形し、弾性部材6の作用で肌面に向け隆起する。このことにより、装着者に良好な装着感と持続的な吸収性及び液防漏性とを与えることができる。この点につき以下に詳述する。
本実施形態1において、各溝部7は上層吸収材33のある中央部3aとともに、下層吸収体4には固定されておらず、肌面方向への良好な隆起が可能とされている。他方、前記上層吸収体3の上層上側シート31は、上記2条の溝部7以外の部分において表面シート1と接合されている。
本実施形態1においては、2条の弾性部材6,6が前記中央部3aの幅方向両側縁近傍の位置に配置されている。そのため、前記上層下側シート32を介して中央部3aの両側を支持するようにして弾性部材6,6が収縮するので、該中央部3aは、折れ曲がったりよれたりすることなく、その長方形状を実質的に維持しつつ股下部分の曲線にそって隆起する。このとき前記中央部3aの隆起は、主に弾性部材6,6の収縮力によるものであり、溝部7によって分断された幅方向側方の側部3bとは力の作用も断絶されているので、下層吸収体4をはじめ他の部材の動きや変形の影響が少ない独立した動きとなる。これにより、股下部で長手方向には着用者側に曲率半径をもち、股下部の溝部7,7の間で幅方向には着用者の反対側に曲率半径をもつ、シート状物の変形においては矛盾の生じる鞍面形状を取る、着用者の肌面に対するフィット性としては理想的な形状が得られやすく好ましい。
その結果、前記中央部3aは、その隆起によって表面シート1を介して股下部分、特に排尿ポイント(外尿道口)を覆うようにしっかりと当接し、良好なフィット感を実現する。しかもこれと両立しにくい両足の付け根に対するフィット性についても、該中央部3aはむしろ上層吸収体3の他の部分とは独立に動くことで身体の動きに合わせて追随し、着用者に良好な装着感を与え、尿の漏れを効果的に防ぐことができる。
なお、本実施形態1における弾性部材6、6は、中央部3aの幅方向両側縁近傍の位置に配置されているが、これに加えて中央部3aの幅方向両側縁より内側(すなわち、本実施形態1における一対の弾性部材6,6よりも内側)に弾性部材が配置さていてもよい。
また、本実施形態1における上層吸収材33は2条の溝部ないし上層吸収材における2条の貫通孔部を有するが、これに限定されず、3条以上の溝部ないし貫通孔部が設けられる形態であってもよい。したがって、仮想中心線に対して左右それぞれ2条以上の溝部があるようなときには、最外側の溝部の外方の上層吸収材部分(最外側部)のみが下層吸収材と直接又は他の部材を介して接合されていればよい。その中ほどの上層吸収材部分(中央部)のうちのどの部分が下層吸収材と非接合状態であってもよく、またどの部分に弾性部材が配設されていてもよい。例えば、変形例を挙げれば、左右2条ずつの溝部で分断された5条の上層吸収材部分を想定したとき、そのうち2条の最外側部の上層吸収材部分は下層吸収材に直接的もしくは間接的に接合されている。その中ほどの3条の上層吸収材中央部のすべてが非接合状態で、3条の上層吸収材中央部にはそれぞれ弾性部材が配設されている例が挙げられる(例1)。あるいは、非接合状態の3条の中央部のうち中央の正中線にあたる部分には弾性部材が配設されず、溝部を介してその左右両側の上層吸収材部分に弾性部材が配置されている例が挙げられる(例2)。上記例1と例2とでは例1が好ましい。その他、上記中ほどの3条の中央部のうち左右両側の2条を下層吸収材と接合し、正中線にあたる位置にある上層吸収材部分のみを非接合状態としかつ弾性部材を配設してもよい。
表面シート1としては、親水性不織布が好ましく、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布で、その繊維がポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましく、その坪量15〜50g/m2のものが好適に使用できる。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。
裏面シート2としては、ポリエチレンフィルム、透湿性フィルム、不織布とフィルム(透湿性/非透湿性)をラミネートした複合シートを使用することができ、中でも不織布と透湿性フィルムをホットメルトで接着した複合シートが肌触り、強度の点から好ましい。また、前記裏面シート2は、その非肌当接面側に尿とりパッドをおむつや下着に固定するためのズレ止めテープを配している。ズレ止めテープとしては、ホットメルト接着と剥離紙を使用したズレ止めテープ、フック材の係合によるフックテープ等を使用することができる。
前記サイドシート8としては、撥水性不織布が好ましく、具体的には、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。
前記弾性部材6を覆うカバーシート9としては、親水性のシート材料であることが下層吸収体を有効に使用する観点から好ましい。具体的には、紙、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、SM不織布、スパンレース不織布やエアレイド不織布が挙げられる。また、前記弾性部材6としては、上述したゴムに代えて、伸縮性シート材料であってもよい。これらシートまたは伸縮性シート材料は、その坪量が8〜30g/m2であることが風合いを良好にできる点から好ましい。
尿とりパッドの下層吸収体4は、前記上層吸収体3と同様のものを使用することができる。
本実施形態2における尿とりパッド20は、前述のような弾性部材6の配置により、カバーシート9を削減することで、中央部3aがより柔軟になり伸縮性がアップすることが期待される。さらにコストも削減することができる。
本実施形態3の尿とりパッド30においては、溝部7が切り欠き部17を有するために、中央部3aは、これを挟持する上層上側シート31及び上層下側シート32によって側部3bと連結されることがないので、より厚み方向に隆起しやすくなる。そのため前記中央部3aは、着用者の股下部の動きにより追随しやすくなり、より良好な装着感と尿漏れ防止性をもたらす。本実施形態3において、前記切り欠き部17の幅方向の幅は、溝部7の幅にもよるが、0.5〜10mmが好ましく、2〜10mmがさらに好ましい。また、カッターによるスリットのみでも構わない。また、前記切り欠き部17の長さ方向の位置は排尿部に近い腹側部から股下部であることが好ましい。
本実施形態4の尿とりパッド40は、前記欠落部sによって下層吸収体4が2分割されより柔軟に肌の起伏や動きにフィットしやすくなり、身体適合性及び動作追随性が高められるので好ましい。本実施形態4において、前記欠落部sの幅方向の幅は、1〜20mmが好ましく、3〜15mmがさらに好ましい。
本実施形態5の尿とりパッド50においては、前記吸水ポリマーが薄い素材で優れた吸収性を有することから、これを含む中央部3aは、隆起してより股下部に良好にフィットしやすくなり、かつ表面シート1からの排泄液をより素早く多く取り込んで吸収保持することができるので、装着者に良好な装着感を与えることができる点で好ましい。さらに、前記中央部3aは、その仮想中心線(正中線)Lの位置に配設された欠落部tがちょうど股下部の排泄ポイントに対応していることから、より多くの排泄液を該欠落部tの長手方向に沿って拡散させつつ同時に内部の吸収材33に吸収保持させることができる。
2 裏面シート
3 上層吸収体
3a 中央部
3b 側部
33 上層吸収材
4 下層吸収体
43 下層吸収材
5 吸収体
6 弾性部材
7 溝部(吸収材の貫通孔部)
9 カバーシート
L 正中線(仮想中心線)
10,20,30,40,50 尿とりパッド
Claims (5)
- 上層吸収材と下層吸収材とを含み、腹側部から股下部を介して後側部に亘る長手方向とこれに直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、
前記上層吸収材は前記幅方向の中心線から左右両側における対称の位置に存在する少なくとも一対の厚み方向に貫通した孔部を有しており、前記貫通孔部のうち幅方向最外側におけるものより外方に位置する前記上層吸収材は前記下層吸収材と直接又は他の部材を介して接合され、
前記幅方向左右両側の最外側の貫通孔部の間にある前記上層吸収材には、前記下層吸収材と接合されず、弾性部材が前記長手方向に沿って配設されている部分がある吸収性物品。 - 前記弾性部材は、少なくとも前記腹側部から股下部に渡って存在する、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記上層吸収材及び/又は下層吸収材は、さらに吸収性物品を幅方向に二等分する中心線に対応する位置に厚み方向に貫通した欠落部を有する請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記上層吸収材は上層上側シートと上層下側シートとの間に挟持されており、前記下層吸収材は下層上側シートと下層下側シートとの間に挟持されており、前記上層吸収材の前記貫通孔部の位置では、前記上層上側シートと上層下側シートとが面状に接合されて溝部をなしている請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記上層上側シート及び前記上層下側シートはそこに介在された前記上層吸収材の貫通孔部にあたる位置に切り欠き部を具備する請求項4記載の吸収性物品。
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