JP5789423B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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例えば、使い捨ておむつにおいて、吸収体が中央部吸収体とその両側のサイド部吸収体とに隙間部分を設けて分設されており、前記隙間部分に連結部吸収体が複数間欠的に設けられて前記中央部吸収体と両サイド部吸収体とが梯子状に連結し、前記隙間部分の吸収体非設置部の少なくとも1つに弾性部材が配設されたものが知られている(特許文献1)。
特許文献2,3には、中央吸収体と、中央吸収体の左右両側に位置する第2吸収体を有し、第2吸収体の裏面シート側に、おむつ長手方向に沿って弾性部材が配された使い捨ておむつが記載されている。
尿とりパッド(尿取りパッド)は、展開型やパンツ型の使い捨ておむつの交換の頻度や労力の低減を図るために、使い捨ておむつの肌対向面上に配して併用するものである。但し、下着上に配して単独で用いることを妨げるものではない。
本実施形態の尿とりパッド1は、図2に示すように、尿とりパッド1は平面視においてY方向に長い略矩形状をしている。図1及び図2に示すように、表面シート2は、尿とりパッド1の肌当接面側に配されており、尿とりパッド1の肌当接面のうち幅方向中央部の全域を構成している。防漏シート3は、尿とりパッド1の非肌当接面側に配されており、尿とりパッド1の非肌当接面の全域を構成している。表面シート2と防漏シート3との間には、平面視においてY方向に長い略矩形状の吸収体4が介在している。ここで、「肌当接面側」とは、吸収性物品又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌当接面側」は、着用時に着用者の肌側とは反対側(通常、下着側)に向けられる面である。また、肌当接面側又は非肌当接面側からパッド1を見たときに、パッド1が拡がっている方向〔パッド1の幅方向(X方向)及び長手方向(Y方向)からなるXY平面と平行な方向〕を、パッド1の「平面方向」、肌当接面側から非肌当接面側へ向かう方向(「平面方向」と交差する方向)をパッド1の「厚み方向」と呼ぶ。
図3に示すように、吸収性コア5も、吸収体4と同様に、Y方向に長い形状を有している。
吸収性コア5は、幅方向(X方向)に分割されており、中央吸収性コア51と、該中央吸収性コア51の両側に配された側部吸収性コア52,52とに有する。両側の側部吸収性コア52,52どうしは、左右対称の形状を有している。
本実施形態においては、吸収性コア5は、Y方向全長に亘ってX方向に3分割されており、中央吸収性コア51のY方向両端部と側部吸収性コア52のY方向両端部とがほぼ同位置にある。また、中央吸収性コア51の幅L51は、Y方向全長に亘って略一定であり、中央吸収性コア51はY方向に長い略長方形状をしている。
股下部Cにおいて、中央吸収性コア51のX方向の幅L51は、好ましくは60〜180mmであり、より好ましくは、80〜160mmである。また、前記幅L51は、Y方向の同位置における吸収性コア5の幅Lxに対して、好ましくは、30〜75%であり、より好ましくは35〜66%である。
また、吸収性コア5は、後述する隙間部分54及び隙間部分53以外の部分において、厚みが略一定であるが、略一定でなくても良く、例えば中央吸収性コアの厚みが側部吸収性コアの厚みよりも厚くても良い。
前記隙間部分53のX方向の幅(中央吸収性コア51と側部吸収性コア52との間隔に同じ)L53は、5〜60mmであることが好ましく、より好ましくは10〜40mmである。また、前記幅L53は、吸収性コア5の幅Lxに対して、好ましくは1〜10%であり、更に好ましくは2〜8%である。
前記隙間部分53の幅L53は、少なくとも股下部C(吸収性物品の長手方向中央部)において、上記の数値範囲であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、図3に示すように、隙間部分53の前記幅L53が、吸収性コア5のY方向の全長に亘って略一定である。
また、側部吸収性コア52は、股下部C(長手方向中央部)に、Y方向に相互に離間した複数のブロック状吸収性コア55a,55aを有している。ブロック状吸収性コア55aは、分割吸収性コア55のうち、Y方向の前後に隙間部分54を有するものである。
ブロック状吸収性コア55aは、パッド1の両側それぞれに、2〜10個設けられていることが好ましく、より好ましくは3〜8個形成されている。
図3に示す例では、股下部Cにおける、パッド1の両側それぞれに、隙間部分54が4つ設けられ、ブロック状吸収性コア55aが3個ずつ設けられている。
本実施形態においては、ブロック状吸収性コア55aは、X方向中央側(中央吸収性コア51側)に位置する辺dが、X方向外側(パッド側縁1a側)に位置する辺cよりも長い台形状をしている。前記辺dは台形の下底に相当し、前記辺cは台形の上底に相当する。台形状には、4つの角のうちの総て又は一部が丸みを帯びているものも含む。4つの角のうち、少なくともX方向外側の2つ角が丸みを帯びていると、パッド1の着用時において、パッド1の側部の肌(特に大腿の肌)への刺激を低減して、パッド1の側部の肌触りを良くする点から好ましい。
本実施形態においては、弾性部材7は、パッド1の長手方向の両側それぞれに、複数本ずつ(図4では2本ずつ)配されている。好ましくは、弾性部材7は、パッド1の平面方向においてブロック状吸収性コア55aと重なる領域又は該領域の近傍に配されている。
弾性部材7は、パッド1の長手方向の両側それぞれに、1〜6本ずつ配されていることが好ましく、より好ましくは2〜4本ずつ配されている。
また、それらの弾性部材7は、側部吸収性コア52と重なる領域Sの非肌当接面側に配されており、より具体的には、防漏シート3と、吸収性コア5の非肌当接面側を覆うコアラップシート62との間に、ホットメルト接着剤等の接着剤を介して接合固定されている。また、弾性部材7は、Y方向に伸長させた状態で固定されており、使用状態のパッド1においては、Y方向に収縮して、ブロック状吸収性コア55aどうし間の隙間部分54を狭める。
弾性部材7を、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域S又は領域Sの近傍に位置するように配することで、後述するカップ形状を形成することができ、弾性部材7の両端が、腹側部A及び背側部Bに位置するように配すると、後述するカップ形状をより確実に形成することができる。
弾性部材7のY方向の長さL7(図3参照)は、好ましくは、吸収性コア5のY方向の全長Ly(図3参照)に対して30〜80%であり、更に好ましくは40〜70%である。
本明細書に記載の好ましい寸法や比は、特に明示のない限り、図3に示すような伸長状態のパッド1や吸収性物品における寸法や比である。
図4に示すように、立体ギャザー9の固定端92は、側部吸収性コア52の上方に位置する。
立体ギャザー9の自由端93は、パッド1のY方向両端部近傍で表面シート2に固定されており、股下部Cを含め、当該固定箇所以外の部分では他のシート材に固定されていない。また図2に示すように、好ましくは、パッド1のY方向両端部近傍において立体ギャザー9の自由端93は、吸収性コア5のX方向両端部5aよりもX方向内側に位置している。更に好ましくは、パッド1のY方向両端部近傍において、立体ギャザー9の自由端93は、側部吸収性コア52のX方向内側の側縁52bよりもX方向内側に位置している。
これにより、本実施形態のパッド1は、股下部Cに、長手方向及び幅方向それぞれの断面が凹状となったボウル状(カップ状)の形状を形成しやすい。また、パッドにおける着用者の鼠径部に当たる部分が、着用者の鼠径に沿うように容易に変形して、着用者の肌との間に隙間が生じにくい。また、着用者の股下部分にパッドがボウル形状にあたることで排泄された体液を一時的に受け止め保持することができる。そのため、実施形態のパッド1は、漏れ防止性及びフィット性に優れている。
特に、側部吸収性コア52の分割により脚廻りの伸縮性が増す点も、フィット性向上に寄与する。また、着用者の鼠径部に沿う変形容易性は、着用者の違和感の低減にも繋がる。
ここで、本実施形態のように、弾性部材7がコアラップシート62に接合されている場合に、コアラップシート62が不織布であると、尿排泄時等に不織布が湿潤しても、弾性部材7のコアラップシート62への接着強度が低下しにくいため好ましい。また、コアラップシート62が不織布であることは、柔軟で伸縮性がよいため、パッド1の変形性を高める点で好ましい。
なお、上述したように、本実施形態においては、防漏シート3の折り返し部31を立体ギャザー形成シート10の肌当接面側(外面側)に接合させていた。しかしながら、折り返し部31を、図6に示すように、立体ギャザー形成用シート10の非肌当接面側(内面側)に接合させてもよい。これは第2実施形態においても同様である。
表面シート2、防漏シート3、吸収体4及び立体ギャザー形成用シート10等としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。防漏シート3としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。防漏シート3は、透湿性を有するものでも有しないものでも良いが、透湿性を有する方が好ましく、特に、透湿性フィルムと不織布を積層した複合シートであり、複合シートの不織布面が非肌当接面とすることがパッドの肌触りや装着時のムレを防止する観点から好ましい。さらに、折り返し部31では、複合シートの不織布面が肌当接面となるため、着用者の肌との必要以上の密着を防ぐことができ尿とりパッドの装着感を良好に保つことができる。防漏シート3が、樹脂フィルムと不織布の積層体である場合や透湿性フィルムと不織布の積層体である場合、不織布のX方向幅が、フィルムのX方向幅よりも大きいことが好ましい。これは防漏シートの折り返し部31を立体ギャザー形成用シート10に接合させる際に、フィルムより通気性の高い不織布を、シート10の高い位置に接合させることができ、立体ギャザー9の通気性を損ねずに耐水性を高めモレを防止することができ、さらにその付け根を補強できるためである。
なお、図8に示すように、第2実施形態において、吸収性コア5の肌当接面側を被覆するコアラップシート61、及び非肌当接面側を被覆するコアラップシート62は、いずれも吸収性コア5の周縁よりも外方に延出している延出部を有しており、その延出部において重なりあっている。
このように立体ギャザー9の固定端92が、側部吸収性コア52のX方向外側に位置している場合、側部吸収性コア52の上方に位置している場合と同様に、立体ギャザー9(弾性部材91)の伸縮により側部吸収性コア52が起立しやすいと共に分割吸収性コア55が寄り集まりやすく、大きなカップ形状が形成されやすい。
以上説明したように、第2実施形態のパッド1Aにおいても、第1実施形態のパッド1と同様の構成を有しているため、第1実施形態のパッド1と同様の効果が奏される。
このように、第3実施形態のパッド1Bは、防漏シート3がパッド1の両側部において表面シート2側に折り返されていることによる効果は有しないが、その他は第1実施形態と同様の構成を有するから、第1実施形態と同様の効果を有している。
例えば、上記実施形態において、弾性部材7がパッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されているとは、弾性部材7が側部吸収性コア52に配されている場合を含む。弾性部材7が側部吸収性コア52に配されている実施態様としては、弾性部材7が、側部吸収性コア52の内部を貫通して配されている場合や、側部吸収性コア52の肌当接面や非肌当接面等の表面に固定された状態で配されている場合が挙げられる。
図10(a)に示す例では、複数本の弾性部材7はいずれも、領域Sの近傍に配されている。具体的には、弾性部材7はいずれも、側部吸収性コア52よりもX方向外側(パッド側縁1a側)の近傍に配設されている。図10(b)に示す例では、複数の弾性部材7の一部(各図では1本の弾性部材7)が、側部吸収性コア52と重なる領域Sにあり、残りの弾性部材7が、側部吸収性コア52よりもX方向外側におけるパッド側縁1aに配されている。図10(c)に示す例では、パッド1の平面方向において、弾性部材7の一部(各図では1本の弾性部材7)が側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されており、残りの弾性部材7が、側部吸収性コア52の中央吸収性コア51側近傍に配されている。
なお、弾性部材7が、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52と重なる領域Sに配されていない場合、股下部Cにおいて、該弾性部材7と、側部吸収性コア52のX方向端部とのX方向距離L57(図10(a),(c)参照)は、吸収性コア5のX方向の幅Lx(図3参照)に対して、好ましくは10%以下であり、更に好ましくは、5%以下である。また、いずれの場合においても、弾性部材7が、パッド1の平面方向において側部吸収性コア52のブロック状吸収性コア55aと重なる領域に存在していることが好ましい。弾性部材7が複数本の場合には、パッド1の平面方向において少なくとも1本がブロック状吸収コア55aと重なる領域に存在することが好ましく、弾性部材7の全本数が重なる領域に存在することが特に好ましい。
また、本発明の吸収性物品は、尿とりパッドに限られず、失禁パッドや、生理用ナプキン、使い捨ておむつ(パンツ型紙おむつ及びテープ型紙おむつ)等であっても良い。中でも、尿とりパッドや使い捨ておむつ等の吸収体が比較的大きな吸収性物品であることが好ましい。
2 表面シート
3 防漏シート
4 吸収体
5,5A〜5E 吸収性コア
51 中央吸収性コア
52 側部吸収性コア
55 分割吸収性コア
55a ブロック状吸収性コア
53 隙間部分
54 隙間部分
6(61,62) コアラップシート
7 弾性部材
9 立体ギャザー
92 固定端
93 自由端
C 股下部(長手方向中央部)
Claims (8)
- 液透過性の表面シート、防漏シート、及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収性コアを有する縦長の吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、前記吸収性物品の幅方向中央部に位置する中央吸収性コアを有すると共に、該中央吸収性コアの両側に配された側部吸収性コアを有しており、
前記側部吸収性コアは、前記吸収性物品の長手方向の中央部に、該長手方向に相互に離間した複数のブロック状吸収性コアを有し、複数の該ブロック状吸収性コアは、それぞれ、前記中央吸収性コアと連続しておらず、
吸収性物品の平面方向において前記側部吸収性コアと重なる領域に、弾性部材が前記長手方向に沿って配されており、前記弾性部材は、前記側部吸収性コアに配されているか又は該側部吸収性コアよりも非肌当接面側に配されており、前記弾性部材は、前記長手方向において、複数の前記ブロック状吸収性コア間に亘るように配されている、吸収性物品。 - 前記弾性部材は、前記吸収性コアの非肌当接面側の面を被覆するコアラップシートに固定されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記弾性部材は、前記コアラップシートの非肌当接面側の面に固定されている、請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記側部吸収性コアは、前記長手方向の長さが前記吸収性物品の幅方向中央側から幅方向外側に向かうにつれて短くなる形状のブロック状吸収性コアを、前記長手方向の中央部に有している、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記防漏シートは、前記吸収性物品の両側部において、前記吸収性コアの肌当接面側に折り返されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の両側部に一対の立体ギャザーが設けられており、該立体ギャザーを形成している立体ギャザー形成用シートの幅方向外側の側縁が、前記表面シートと、前記防漏シートにおける前記吸収性コアの肌当接面側に折り返された部分である折り返し部との間に挟まれている、請求項5に記載の吸収性物品。
- 前記中央吸収性コアと前記側部吸収性コアとの間に隙間部分が形成されており、該隙間部分は、吸収性コアの構成材料が存在しない部分である、請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品が尿とりパッドである、請求項1〜7の何れか1項記載の吸収性物品。
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