JP6761238B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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図1は、本発明の吸収性物品1の展開図を示す図面であり、図2は、図1におけるX1−X1線による断面図を示す図面であり、図3は、図1におけるY1−Y1線による断面図を示す図面である。本発明の実施形態に係る吸収性物品1としては、図1に示すような軽失禁パッドが例示されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、その他の吸収性物品であってもよい。図1から図3に示すように、吸収性物品1は、身体接触側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類接触側表面に配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を備え、これにより、吸収体20は、トップシート10とバックシート30との間に挟まれた構造となっている。吸収性物品1は、個別包装に際して幅方向に延びる2本の折り線40によって長手方向に折り畳まれるものであり、包装時には長手方向に3つ折りにされる。吸収性物品1は、着用者の前側に位置する前部1aと、着用者の股間に位置する股部1bと、着用者の後側に位置する後部1cとを有し、折り線40は、前部1aと股部1bとの境界部、及び股部1bと後部1cとの境界部に形成されている。
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30と対向して配置されている。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような基材、例えば、エアスルー不織布を代表とするサーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、又はこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
バックシート30は、吸収性物品1の外部に体液が漏れないよう、液不透過性を有し、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。バックシート30は、着用者の股部が位置づけられる長手方向中央に括れ部を有する砂時計形状、略矩形形状等の形状を有していてもよく、吸収体20の側縁より若干外方に延在して設けられていてもよい。バックシート30の衣類接触側表面には、着用時に下着等に吸収性物品1を固着するための粘着剤層60が設けられていてもよい。吸収性物品1が粘着剤層60を有する場合、粘着剤層60を保護するための剥離シート65を有していてもよく、この剥離シート65は、吸収性物品1の包装シートと部分的に接合されていてもよい。トップシート10及びバックシート30は、長手方向端部等、端部の少なくとも一部において、吸収体20を挟まずに、ホットメルト接着剤やヒートシール等により固着されるフラップを形成していてもよい。
吸収体20は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(SAP)と、を含有する。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体20の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m2以上800g/m2以下の坪量とすることが好ましい。
図4は、本発明の吸収性物品1に設けられるエンボス溝21の長手方向断面の形状を示す図面である。図1及び図3に示すように、本発明の吸収性物品においては、前部1aと股部1bとの境界部、及び股部1bと後部1cとの境界部の折り線40が形成される領域の近傍にエンボス溝21が、吸収性物品1の幅方向に沿って形成されている。このようにエンボス溝21が形成されていることにより、折り線40の谷部における吸収体20の嵩が低減されるため、折り線40を谷として折り曲げた際に、吸収性物品1を展開した後においても、折り癖や折りじわが残りにくくなるようになっている。
図1に示すように、本発明の吸収性物品1においては、前部1a、股部1b、及び後部1cのそれぞれにおいて、トップシート10から吸収体20に亘るチャネルエンボス22が形成されている。ここで、まず、股部1bにおいては、チャネルエンボス22は、吸収性物品1の長手方向に沿って、吸収体20の幅方向中央線の左右に一対形成されている。そして、一対のチャネルエンボス22のそれぞれは、幅方向中心線に向かって凸状の曲線となっており、その前後両端部は前部1aと股部1bとの境界部のエンボス溝21、及び股部1bと後部1cとの境界部のエンボス溝21に連通している。股部1bのチャネルエンボスが以上のような構成を採用していることにより、エンボス溝21に滞留しうる体液が、股部1bの吸収体20の表面上を長手方向と幅方向の両方向に亘って拡散するので、体液の股部1bの吸収体への迅速な拡散を促すことができ、エンボス溝21に滞留する体液を、吸収体20で効果的に吸収させることができる。
図2に示すように、吸収性物品1の身体接触側表面には、立体ギャザー50が設けられていてもよい。この立体ギャザー50は、トップシート10とともに体液の閉じ込め空間を形成し、体液の横漏れを防止できるようになっている。立体ギャザー50は、立体ギャザーシート51と、立体ギャザーシート51の自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材52と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材52としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、必要に応じて、液拡散性シート11及び立体ギャザー50をあらかじめトップシート10に配置した上で、エンボス溝21を形成した吸収体20をトップシート10とバックシート30との間に挟持し、トップシート10から吸収体20に亘るチャネルエンボス22を形成させつつ、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。そして、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折り等にして折り畳めばよい。
1a 前部
1b 股部
1c 後部
10 トップシート
11 液拡散性シート
20 吸収体
21 エンボス溝
22 チャネルエンボス
30 バックシート
40 折り線
50 立体ギャザー
51 立体ギャザーシート
52 伸縮性弾性部材
60 粘着剤層
65 剥離シート
A エンボス溝の深さ
B 吸収体の厚さ
Claims (2)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体と、を有し、個別包装に際して幅方向に延びる折り線によって長手方向に折り畳まれる吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、前部、股部、及び後部を有し、
前記折り線は、前記前部と前記股部との境界部、及び前記股部と前記後部との境界部に設けられ、
前記吸収体は、吸収性繊維及び高吸水性ポリマーを主体として構成されるとともに、前記折り線及びその近傍には、前記折り線に重なるように単数のエンボス溝が幅方向に沿って形成されており、かつ前記エンボス溝の長手方向断面の形状は、逆台形状、逆三角形状又は逆半円形状であり、
前記前部、前記股部、及び前記後部のそれぞれにおいて、前記トップシートから前記吸収体に亘るチャネルエンボスを形成し、
前記股部における前記チャネルエンボスは、長手方向に沿って、前記吸収体の幅方向中央線の左右に一対形成されており、それぞれ幅方向中央線に向かって凸状の曲線であって、その前後両端部は前記エンボス溝に連通し、
前記前部における前記チャネルエンボスは、前記吸収体の前側端部に向かって凸状の半円の円弧であって、その両端部は前記エンボス溝に連通し、かつ
前記後部における前記チャネルエンボスは、前記吸収体の後側端部に向かって凸状の半円の円弧であって、その両端部は前記エンボス溝に連通し、
前記エンボス溝の深さが、前記吸収体の厚さに対して50%以上90%以下であり、
前記チャネルエンボスの深さが、前記エンボス溝の深さよりも浅い、
ことを特徴とする、吸収性物品。 - 前記エンボス溝の長手方向断面の寸法であって、身体接触側表面側を上面とし、衣類接触側表面側を下面としたときの上辺の寸法が3mm以上15mm以下であり、底部の寸法が上辺の寸法よりも短い、請求項1に記載の吸収性物品。
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