JP7099877B2 - パッド状吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン等のパッド状吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等のように、着衣(下着)の内側に配して使用するタイプの吸収性物品が知られている。このようなタイプの吸収性物品においては、装着中の吸収性物品のずれを防止するために、吸収性物品に着衣と固定するためのずれ止め材が設けられている(例えば特許文献1参照)。
特開2015-97718号公報
生理用ナプキン等の吸収性物品は、典型的には、人の股間幅よりも広い幅を有する。このため、装着時において左右外側から幅方向内方へ向かう外力が加わると、吸収性コアの中央領域に排泄領域とのフィット性が低下するような変形が生じ、液漏れが生じやすくなる。また、ずれ止め材によって吸収性物品が着衣に固定されていた場合にも、着衣は吸収性コアよりも低剛性であることが多いため、吸収性コアの変形を抑制することが難しい。このため、外力に対して吸収性コアの変形を抑制する技術が望まれている。
本発明の課題は、フィット性が高いパッド状吸収性物品に関する。
本発明の一形態に係るパッド状吸収性物品は、液透過性の表面シートと、裏面シートと、吸収性コアを有し表面シート及び裏面シートの間に配置された吸収体と、上記裏面シートの外面に設けられた粘着部と、を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び上記縦方向に直交する横方向を有する。
上記吸収性コアは、前方コア部及び後方コア部と、上記前方コア部及び上記後方コア部の間に位置し、一対の括れ領域によって上記前方コア部及び上記後方コア部よりも幅狭に形成された中間コア部と、を有する。
上記中間コア部は、上記縦方向に2等分する直線で区分された前半部分及び後半部分が、上記直線に関して相互に非対称になるように構成される。
上記粘着部は、上記前半部分、上記一対の括れ領域各々及び上記後半部分を通って上記縦方向にそれぞれ延びる一対の横方向周縁部を含む。
以上のように、本発明のパッド状吸収性物品によれば、フィット性を高めることが可能である。
本発明の一実施形態のパッド状吸収性物品を示す平面図である。 図1のII-II線で切断した断面図である。 上記パッド状吸収性物品の吸収性コアを示す平面図である。 上記パッド状吸収性物品を裏面シート側から見た平面図である。 上記吸収性コアの中間コア部と上記裏面シートに設けられた粘着部とを示す、模式的な拡大平面図である。 本実施形態の他の構成例に係る吸収性コア及び粘着部の形状を示す模式的な拡大平面図である。 本実施形態の他の構成例に係る吸収性コア及び粘着部の形状を示す模式的な拡大平面図である。 本実施形態の他の構成例に係る吸収性コア及び粘着部の形状を示す模式的な拡大平面図である。 本実施形態の他の構成例に係る吸収性コア及び粘着部の形状を示す模式的な拡大平面図である。 本実施形態の他の構成例に係る吸収性コア及び粘着部の形状を示す模式的な拡大平面図である。 上記吸収性コアの模式的な側面図である。 上記吸収体の平面図である。 上記パッド状吸収性物品の一部の拡大平面図であり、表面シートの構成を模式的に示す図である。 上記表面シートの斜視図である。 図14のXV線で切断した断面の一部を示す拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[ナプキンの全体構成]
図1に示すパッド状吸収性物品1は、本体Mと、一対のウイング部Wと、一対のサイドガードGと、一対の後方フラップ部Fと、圧搾溝部Eと、を備える。パッド状吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。なお、本明細書では、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上、着衣に近い側を下という事がある。ナプキン1は、就寝時に使用されてもよく、例えば縦方向Xに沿って30cm以上の長さを有していてもよい。
本体Mは、縦方向Xに沿って延び、着用時に着用者の着衣の内面に固定される。本体Mは、後述する吸収体11を有しており、着用者の経血等の液状物(以下、「液」とも称する)を吸収する機能を有する。
ウイング部Wは、本体Mから横方向Yの外方に大きく突出するように構成される。
サイドガードGは、本体Mの横方向Y周縁において、縦方向Xに延びるように配置される。
後方フラップ部Fは、本体Mの後方部において横方向Yの外方に膨出するように構成される。
なお、ナプキン1は、ウイング部W、サイドガードG、及び後方フラップ部Fのうちの少なくとも一つを有さなくてもよい。
圧搾溝部Eは、後述する表面シート12から厚み方向Z下方に向かって圧縮されて形成された線状の溝部である。圧搾溝部Eは、例えば、本体Mの周縁部を囲むように構成される。圧搾溝部Eは、高い毛管力によって液を誘導し、本体M外方への液の漏れを防止するとともに、以下で説明する表面シート12及び吸収体11等を接合する機能等を有する。なお、圧搾溝部Eは、図1に示す形状に限定されない。
図2に示すように、ナプキン1は、吸収体11と、表面シート12と、裏面シート13と、一対のサイドシート14と、粘着部15と、を備える。本体Mにおいて、ナプキン1は、裏面シート13、吸収体11、及び表面シート12が厚み方向Zに積層された構成を有する。これらの構成は、例えば、接着剤やヒートシール等による接合、及び圧搾溝部Eによるエンボス加工等によって、適宜接合されて一体化している。
吸収体11は、縦方向Xに沿って延び、表面シート12と裏面シート13との間に配置される。吸収体11は、液を表面シート12側の面から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。
吸収体11は、吸収性コア16と、コアラップシート17と、を有する。
吸収性コア16は、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体で形成されてもよいし、当該繊維集合体に吸水性ポリマーを保持させた構成を有していてもよい。
コアラップシート17は、吸収性コア16を被覆し、例えば吸収性コア16の形状を保持する機能等を有する。コアラップシート17は、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
吸収体11の詳細については後述する。
表面シート12は、液透過性のシート材として構成され、吸収体11の厚み方向Z上方に配置される。なお、表面シート12と吸収体11との間には、表面シート12から吸収体11への液の透過性の向上、吸収体11に吸収された液の表面シート12への液戻りの防止等の観点から、セカンドシート(サブレイヤーシート)が配置されていてもよい。
裏面シート13は、吸収体11の厚み方向Z下方に配置される。裏面シート13は、例えば周縁部において、表面シート12及びサイドシート14と接着剤、熱シール等によって接合される。裏面シート13は、接着剤等によって吸収体11に接合されていてもよい。
裏面シート13は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、当該フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。このような裏面シート13は、吸収性コア16よりも低い剛性を有する。
一対のサイドシート14は、表面シート12を挟んで左右方向に相互に対向し、ナプキン1の横方向Y周縁に配置される。サイドシート14は、本実施形態において、横方向Y周縁部が外側に折り返されて、サイドガードGを構成する。サイドシート14は、サイドガードGの基部において接着剤等により表面シート12に接合される。
粘着部15は、裏面シート13の外面に設けられ、ナプキン1を着衣に対して固定させるずれ止め材としての機能を有する。
粘着部15は、例えば、裏面シート13に所定のパターンで粘着剤を塗工することにより形成される。粘着部15に用いられる粘着剤として、好ましくは、ゴム系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニル(EVA)系等のホットメルト粘着剤が用いられる。
本実施形態において、粘着部15は、本体Mに形成された粘着剤の塗工膜をいうものとする。なお、図2及び図4に示すように、ナプキン1は、粘着部15と同様の粘着剤の塗工膜として、ウイング部Wに設けられたウイング粘着部18を備えていてもよく、さらに後方フラップ部Fに設けられた後方フラップ粘着部19を備えていてもよい。
[吸収性コアの構成]
図3に示すように、吸収性コア16は、前方コア部20と、中間コア部21と、後方コア部22と、を有する。前方コア部20、中間コア部21及び後方コア部22は、縦方向Xに沿って並んでおり、前方コア部20及び後方コア部22の間に中間コア部21が位置する。中間コア部21は、着用者の排泄領域に対向する領域であり、前方コア部20及び後方コア部22は、着用者の排泄領域の前方及び後方にそれぞれ対向する部分である。吸収性コア16は、横方向Yにおいて左右対称な平面形状を有する。
中間コア部21は、一対の括れ領域21sによって前方コア部20及び後方コア部22よりも幅狭に構成される。
括れ領域21sは、図3に示すように吸収性コア16を構成するコア材が存在しない空間領域であり、本実施形態では、後述するようにコアラップシート17によって区画されている。括れ領域21sには、コア材の本体は存在しないが、吸収性コア16の周縁から外方へ突出した繊維や、吸収性コア16から分離したコア材の一部が部分的に存在してもよい。
前方コア部20の横方向Yの幅寸法D1及び後方コア部22の横方向Yの幅寸法D3は同一でも異なっていてもよく、図3に示す例では、略同一の寸法を有する。前方コア部20の幅寸法D1及び後方コア部22の幅寸法D3は、横方向Yにおける最大幅寸法をいうものとする。
また、図3に示す例では、前方コア部20の幅寸法D1及び後方コア部22の幅寸法D3が縦方向Xに沿って一定であるが、一定でなくてもよい。なお、ある領域において「幅が一定」とは、当該領域の横方向Yにおける最小幅を100%としたときに、各領域内の幅寸法の差異が20%以下に収まっていることをいう。
前方コア部20及び後方コア部22の縦方向Xの長さ寸法は同一でも異なっていてもよく、例えば後方コア部22がより長く構成される。
中間コア部21は、図3に示す例において、前後端部にテーパ形状を有し、縦方向Xの中間部に幅寸法が最小となる幅狭領域23を有する。幅狭領域23の幅寸法D2は、前方コア部20の幅寸法D1及び後方コア部22の幅寸法D3よりも小さく、縦方向Xに沿って一定に構成される。
幅狭領域23の幅寸法D2は、例えば、一般的な着用者の股間幅(約30mm)よりも大きく形成される。このような寸法例としては、40mm以上75mm以下であり、好ましくは、50mm以上70mm以下である。これにより、中間コア部21が十分な幅を有して着用者に対して安心感を与えることができるとともに、前方コア部20及び後方コア部22よりも幅狭に構成しやすくすることができる。
中間コア部21が前方コア部20及び後方コア部22よりも幅狭に構成されることで、着用者の脚から横方向Y内方に向かって付加される外力の影響を低減することができる。これにより、中間コア部21が当該外力によって横方向Yに圧縮変形することを抑制することができ、着用者との間に隙間が発生することを防止することができる。したがって、ナプキン1のフィット性を高め、排泄された液が当該隙間を伝ってナプキン1の外方に漏れることを防止できる。
[中間コア部21の平面形状]
図3に示すように、中間コア部21は、縦方向Xに2等分する直線Lで区分された前半部分21a及び後半部分21bが、直線Lに関して相互に非対称になるように構成される。これにより、前半部分21a及び後半部分21bでは、横方向Yの外縁の形状が相互に異なっている。
図3に示す中間コア部21では、後半部分21bが、前半部分21aよりも緩やかなテーパ形状を有する。これにより、中間コア部21では、後半部分21bが前半部分21aよりも平面視において大きな面積を有する。
なお、「平面視における面積」とは、ナプキン1を縦方向X及び横方向Yからなる平面上に延ばした場合の、当該平面に投影された面積をいうものとする。
中間コア部21は、幅狭領域23に加えて、前方コア部20に向かって幅寸法が漸増する前方テーパ領域24と、後方コア部22に向かって幅寸法が漸増する後方テーパ領域25と、を含む。
前方テーパ領域24は、前半部分21aに形成され、後方テーパ領域25は、後半部分21bに形成される。但しこの構成に限定されず、後方テーパ領域25が前半部分21aから形成されていてもよい(図7参照)。
後方テーパ領域25は、前方テーパ領域24よりも単位長さあたりの幅寸法の増加量が小さくなるように構成される。前方テーパ領域24における単位長さあたりの幅寸法の増加量は、前方テーパ領域24の最大幅寸法(例えば前方コア部20の幅寸法D1)から最小幅寸法(例えば幅狭領域23の幅寸法D2)を減じた値を、前方テーパ領域24の長さ寸法D4で除して算出することができる。同様に、後方テーパ領域25における単位長さあたりの幅寸法の増加量は、後方テーパ領域25の最大幅寸法(例えば後方コア部22の幅寸法D3)から最小幅寸法(例えば幅狭領域23の幅寸法D2)を減じた値を、後方テーパ領域25の長さ寸法D5で除して算出することができる。
図3に示す例では、前方テーパ領域24の最大幅寸法D1及び後方テーパ領域25の最大幅寸法D3は、いずれも同一であり、かつ、前方テーパ領域24及び後方テーパ領域25の最小幅寸法D2も同一である。このため、後方テーパ領域25の長さ寸法D5は、前方テーパ領域24の長さ寸法D4よりも大きく構成される。
このように、図3に示す中間コア部21は、前方テーパ領域24において急激に幅が広がる形状を有し、後方テーパ領域25において緩やかに幅が広がる形状を有する。これにより、前方テーパ領域24は、着用者における幅狭の排泄領域から前方(上方)に向かって急激に幅が広がる鼠径部にフィットする形状となる。一方、後方テーパ領域25は、排泄領域から緩やかに幅が広がる臀部にフィットする形状となる。したがって、ナプキン1を着用者の身体形状に沿った形状とすることができ、ナプキン1のフィット性及び着用感を向上させることができる。
これに加えて、裏面シート13に以下のような粘着部15を設けることで、着用時における吸収性コア16の圧縮変形を効果的に防止し、ナプキン1のフィット性をさらに高めることができる。
[粘着部の構成]
図4及び図5に示すように、粘着部15は、例えば縦方向Xに沿った帯状の2つの粘着パターン15nで構成される。各粘着パターン15nは、横方向Yに離間しつつ、いずれも前方コア部20から後方コア部22まで延びている。
なお、図4では、裏面シート13に設けられた粘着部15を一点鎖線で、吸収性コア16を破線で、それぞれ示している。図5では、吸収性コア16を実線で示しており、それに重なる粘着部15の概形を破線で、粘着部15の形成領域を斜線で、それぞれ示している。また、図5では、粘着部15及び吸収性コア16の横方向Yにおける左右対称性に鑑み、一方の側(図4の紙面向かって右側)のみを拡大して示し、さらに、中間コア部21のテーパ形状を誇張して示している。
粘着部15は、上記の例の他、例えば縦方向Xに沿った帯状の3本以上の粘着パターン15nを有していてもよいし、連続的に塗工された単一の塗工パターンで構成されてもよい。あるいは、横方向Yに沿った複数の帯状のパターン、ドット状のパターン等で構成されてもよい。
図4及び図5に示すように、粘着部15は、前半部分21a、各括れ領域21s及び後半部分21bを通って縦方向Xに延び、横方向Yに対向する一対の周縁部(周縁部)15pを含む。周縁部15pは、各粘着パターン15nの横方向Y外側の周縁部に相当する。
粘着部15の周縁部15pは、以下に説明するように、ナプキン1が受ける横方向Y内方に向かう外力に対して緩衝作用を発揮することができる。
図5に示すように、周縁部15pは、さらに、前方粘着領域15a、括れ粘着領域15s、及び後方粘着領域15bを含む。
前方粘着領域15aは、前半部分21aと厚み方向Zに重なる領域であり、図5では前方テーパ領域24と厚み方向Zに重なる領域である。
括れ粘着領域15sは、括れ領域21sと厚み方向Zに重なる領域である。
後方粘着領域15bは、後半部分21bと厚み方向Zに重なる領域であり、図5では後方テーパ領域25と厚み方向Zに重なる領域である。
括れ粘着領域15sには、剛性の高い吸収性コア16が配置されていない。このため、括れ粘着領域15sは、横方向Y内方に向かう外力によって、剛性の低い裏面シート13及び着衣とともに横方向Yに圧縮されて変形する。当該圧縮変形によって、前方粘着領域15a及び後方粘着領域15bには、縦方向Xの成分を有する引張力(張力)が生じる。前方粘着領域15a及び後方粘着領域15bは、剛性の高い吸収性コア16の存在により変形しにくいため、上記張力に対して抗力を及ぼすことができる。
このように、粘着部15の周縁部15pが横方向Yの外力に対して緩衝作用を発揮し、吸収性コア16に及ぶ外力の影響を低減することができる。
[ナプキンの作用効果]
中間コア部21は、前方コア部20及び後方コア部22に対して幅狭に構成される。これにより、ナプキン1では、着用者の両脚によって付加される横方向Y内方の外力の影響を低減させ、中間コア部21の圧縮変形を防止することができる。
さらに、粘着部15は、中間コア部21の前半部分21a、括れ領域21s及び中間コア部21の後半部分21bを通って縦方向Xに延びる横方向周縁部15pを含む。
これにより、横方向Yの外力によって括れ領域21s下の括れ粘着領域15sが横方向Yに圧縮変形された場合、難変形領域である前半部分21a下の前方粘着領域15a及び後半部分21b下の粘着領域15bが、当該圧縮変形に対する抗力を及ぼす。
したがって、括れ粘着領域15sの変形によって上記外力の影響が緩和され、着用時における中間コア部21の圧縮変形を効果的に抑制することができる。これにより、着用者と中間コア部21との間の隙間の発生を抑制でき、ナプキン1のフィット性を向上させることができる。さらに、隙間の発生に伴う排泄された液の伝い漏れや着用時の不快感を抑制することができる。
また、中間コア部21は、縦方向Xに2等分された前半部分21a及び後半部分21bにおいて、後半部分21bが、前半部分21aよりも平面視において大きな面積を有する。
このため、後半部分21bと重なる後方粘着領域15bが、前半部分21aと重なる前方粘着領域15aよりも平面視において大きな面積を有する。これにより、可変領域である括れ粘着領域15sと後方コア部22との間に十分な大きさの難変形領域(後方粘着領域15b)が配置され、括れ粘着領域15sの変形に起因する張力が後方コア部22に伝搬することを防止できる。したがって、後方コア部22の圧縮変形も効果的に抑制することができる。
加えて、中間コア部21は、前方コア部20に向かって幅寸法が漸増する前方テーパ領域24と、後方コア部22に向かって幅寸法が漸増し、前方テーパ領域24よりも単位長さあたりの幅寸法の増加量が小さい後方テーパ領域25と、を含む。
上記構成により、前方テーパ領域24は、着用者における、幅狭の排泄領域から前方(上方)に向かって急激に幅が広がる鼠径部にフィットする形状とすることができる。したがって、大腿部前方からの外力の影響が前方コア部20に伝搬することを抑制することができる。これにより、ナプキン1前方におけるフィット性を高め、隙間の発生を防止することができる。
また、後方テーパ領域25は、排泄領域から緩やかに幅が広がる臀部にフィットする形状とすることができる。さらに、後方テーパ領域25と重なる周縁部15pの後方粘着領域15bを、前方テーパ領域24と重なる周縁部15pの前方粘着領域15aよりも大きな面積で構成することができる。これにより、後方粘着領域15bの非変形性を高め、括れ粘着領域15sの変形が後方コア部22へ伝播することを効果的に抑制することができる。したがって、ナプキン1の後方におけるフィット性も向上させることができる。
例えば、後方テーパ領域25は、前方テーパ領域24よりも縦方向Xに沿って大きな長さ寸法を有していてもよい。これにより、前方コア部20及び後方コア部22の幅が略同一に構成される場合であっても、後方テーパ領域25を前方テーパ領域24よりも緩やかなテーパ形状に構成することができる。
さらに、括れ粘着領域15sも前後非対称に構成されることで、横方向Yの外力が付加された場合に、括れ粘着領域15sの変形を着用者の前後非対称な身体形状に沿った形状に誘導することができる。したがって、ナプキン1のフィット性及び着用感を向上させることができる。
[中間コア部の他の構成例]
中間コア部21の形状は、図6~図10に示すように、種々の形状を採り得る。
例えば図6に示すように、中間コア部21の後半部分21bに、括れ領域21sに向かって突出する凸状部21cが形成されていてもよい。図6では、後半部分21bに、後方テーパ領域25と凸状部21cの双方が形成されている例を示す。凸状部21cは、図6に示すように、複数形成されていてもよいし、単数形成されていてもよい。
凸状部21cにより、後半部分21bの面積を増大させることができ、後半部分21bの平面視における面積を前半部分21aよりも大きくすることができる。したがって、後方コア部22の圧縮変形を効果的に抑制することができる。
図7に示すように、中間コア部21が、前方テーパ領域24と後方テーパ領域25とで構成され、幅寸法が一定の幅狭領域23を有さなくてもよい。
この場合、前方テーパ領域24と後方テーパ領域25との境界部が、前半部分21aに形成されていてもよく、例えば、後方テーパ領域25が前半部分21aから後半部分21bの全長にわたって形成されていてもよい。これによっても、前半部分21a及び後半部分21bを非対称に構成できるとともに、後半部分21bの平面視における面積を前半部分21aよりも大きく構成することができる。したがって、後方コア部22の圧縮変形を効果的に抑制することができる。
図8に示すように、前方テーパ領域24及び後方テーパ領域25の外縁が曲線で構成され、前方テーパ領域24の外縁は後方テーパ領域25の外縁よりも曲率半径が大きくてもよい。これにより、後方テーパ領域25の外縁を前方テーパ領域24の外縁よりも急なカーブで構成でき、後方テーパ領域25を前方テーパ領域24よりも単位長さあたりの幅寸法の増加量が小さい構成とすることができる。また、後方テーパ領域25の長さ寸法を前方テーパ領域24よりも大きくすることができる。
この構成により、前方テーパ領域24は、鼠径部に対応する幅が急激に広がる形状により適した形状となり、後方テーパ領域25は、臀部の形状に沿う幅が緩やかに広がる形状により適した形状となる。
なお、前方テーパ領域24及び後方テーパ領域25各々の外縁の曲率半径が、部分毎に異なっている場合は、各外縁の曲率半径の平均値を各領域の曲率半径の値とする。
あるいは、図9に示すように、後方テーパ領域25の外縁の曲線形状は内方に凸な形状に限定されず、外方に凸な形状であってもよい。つまり、後方テーパ領域25が、後半部分21bに形成された括れ領域21sに向かって突出する凸状部21cとして構成されてもよい。これにより、後方粘着領域15bの面積を増大させることができ、後方コア部22の変形防止効果を高めることができる。
また、図10に示すように、凸状部21cの形状は限定されず、凸状部21cが縦方向X前方に向かって突出していてもよい。
[吸収性コアの坪量分布]
吸収性コア16は、吸収性及びフィット性等の観点から、領域毎の坪量を調整することができる。坪量は、圧搾溝部Eを除く領域において厚みと同義であってもよく、剛性と正の相関を有する。このことから、吸収性コア16の坪量分布によっても、外力が付加された場合の吸収性コア16の変形を制御することができる。
例えば、図11に示すように、後方テーパ領域25は、前方テーパ領域24よりも厚み方向Zの厚み寸法が大きく、大きな坪量を有していてもよい。これにより、前方テーパ領域24は、後方テーパ領域25よりも変形しやすく、着用者の上方(腹側)に向かって容易に湾曲可能な構成となり、後方テーパ領域25は、変形が抑えられ、着用者の臀部に向かって緩やかに湾曲可能な構成となる。すなわち、前方テーパ領域24及び後方テーパ領域25に対して、それぞれに適した変形性を付与し、ナプキン1のフィット性を高めることができる。
さらに、後方テーパ領域25の坪量を大きくすることで、横方向Yの外力が付加された場合の後方テーパ領域25の圧縮変形を抑制し、後方コア部22への変形の伝搬を効果的に防止することができる。
中間コア部21は、他の領域よりも坪量が高く厚く形成された高坪量部26を含んでいてもよい。図4では、高坪量部26をドットパターンで示している。高坪量部26の構成については、後述する。
また、各部の坪量(厚み寸法)の関係は図11に示す例に限定されない。例えば、前方コア部20は、前方テーパ領域24よりも小さい坪量を有していてもよく、大きい坪量を有していてもよい。同様に、後方コア部22は、後方テーパ領域25よりも小さい坪量を有していてもよく、大きい坪量を有していてもよい。
[境界溝部の構成]
図3に示すように、吸収性コア16は、中間コア部21の後方コア部22との境界部分21dに形成された横方向Yに延びる境界溝部27をさらに有する。
境界部分21dは、中間コア部21の後半部分21bをさらに縦方向Xに2等分したうちの、後方側の領域をいうものとする。図3では、境界溝部27は、幅狭領域23と後方テーパ領域25との間に形成されている。
境界溝部27には、吸収性コア16の厚み方向Zの上面から下方に向かって沈み込む溝が形成されており、周囲より低い坪量を有する。坪量と厚みとは相関関係を有することから、境界溝部27の底部の厚みは、境界溝部27の周囲と比較して相対的に薄く構成される。なお、図11では、各溝部を省略して記載している。
境界溝部27は、中間コア部21の横方向Y全長にわたって形成されている。これに限られず、境界溝部27は、中間コア部21の横方向Yの一部に形成されていてもよい。
また、境界溝部27の幅や深さ(底部の厚み)は、後述する作用効果が得られるように適宜設定することができる。
境界溝部27により、境界部分21dが低坪量で薄く形成される。このため、中間コア部21に変形が生じた場合、境界溝部27によって、当該変形に起因する張力が後方コア部22に伝搬することを防止することができる。したがって、就寝時等に生じやすい後方コア部22の圧縮変形やヨレをより確実に抑制し、ナプキン1の後方におけるフィット性をさらに向上させることができる。
さらに、吸収性コア16は、中間コア部21の前方コア部20との境界部分21eに形成された横方向Yに延びる境界溝部28をさらに有していてもよい。
境界部分21eは、中間コア部21の前半部分21aをさらに縦方向Xに2等分したうちの、前方側の領域をいう。図3に示す例では、境界溝部28は、幅狭領域23と前方テーパ領域24との境界に位置している。境界溝部28により、前方コア部20の変形をより確実に抑制し、ナプキン1の前方におけるフィット性をさらに向上させることができる。
さらに、図3に示すように、吸収性コア16は、境界溝部27,28の他にも低坪量の溝部を有していてもよい。
吸収性コア16は、縦溝部29と、横溝部30と、環状溝部31とをさらに有する。縦溝部29、横溝部30、及び環状溝部31は、吸収性コア16の厚み方向Zの上面から下方に向かって沈み込む溝を含む。前方コア部20、中間コア部21及び後方コア部22は、それぞれ、これらの溝によって分割されている。低坪量で変形しやすい縦溝部29、横溝部30、及び環状溝部31を設けることで、吸収性コア16の柔軟性を高めることができる。
縦溝部29、横溝部30、及び環状溝部31の構成については、後述する。
[コアラップシートの構成]
図2及び図12に示すように、吸収体11は、吸収性コア16の他、コアラップシート17を有する。コアラップシート17は、吸収性コア16の表裏を被覆するように、吸収性コア16の横方向Yに巻き付けられる。コアラップシート17を設けることにより、流通時や着用時において吸収性コア16の構造を保護することができるとともに、上述の外力に対する緩衝作用を高める作用も有する。以下、詳細について説明する。
コアラップシート17は、上述のように、紙、不織布等により形成される。つまり、コアラップシート17は、吸収性コア16よりも剛性が十分に低いシート材で構成されている。コアラップシート17は、1枚のシート材で構成されてもよいし、複数のシート材で構成されてもよい。コアラップシート17は、例えば所定のパターンに塗工された接着剤等によって、表面シート12及び裏面シート13に接合されてもよい。
コアラップシート17の横方向Yに沿った幅寸法は、例えば縦方向Xに沿って均一に構成されるが、これに限定されず、例えば後述する括れ被覆部36において他の領域よりも小さい幅寸法を有するように構成されてもよい。
コアラップシート17の縦方向Xに沿った長さ寸法は、吸収性コア16の縦方向Xの長さ寸法(全長)と同等に形成されるが、これに限られず、吸収性コア16の全長よりも長くてもよいし短くてもよい。
図12に示すように、コアラップシート17は、吸収性コア16の各部を被覆するコア被覆部33,34及び35と、吸収性コア16の一対の括れ領域21sを被覆する一対の括れ被覆部36とを有する。
コア被覆部は、前方コア部20を被覆する前方コア被覆部33と、中間コア部21を被覆する中間コア被覆部34と、後方コア部22を被覆する後方コア被覆部35とを含む。中間コア被覆部34は、さらに、前半部分21aを被覆する前半被覆部34aと、後半部分21bを被覆する後半被覆部34bと、を含む。図12には、吸収性コア16の概形が破線で、各々のコア被覆部33~35,34a,34bと括れ被覆部36との境界が一点鎖線で示される。
コアラップシート17は、吸収性コア16よりも剛性が十分に低いシート材で構成されているため、吸収性コア16の形状に対応する形状で吸収性コア16を被覆する。
一方、括れ被覆部36は、前方コア被覆部33から縦方向Xに延出し、後方コア被覆部35に達するように延びている。このため、括れ被覆部36は、前方コア被覆部33と後方コア被覆部35によって縦方向Xに一定の張力を付与された状態で維持される。
括れ被覆部36は、横方向Yから外力を受けると、縦方向Xに所定の張力を発生させ、これが横方向Yからの外力に対する抗力として働く。つまり、ナプキン1では、括れ粘着領域15sによって裏面シート13及び着衣が外力に対する緩衝作用を発揮するのに加え、括れ被覆部36も同様の緩衝作用を発揮することができる。その結果、外力に対する緩衝効果が高まり、吸収性コア16の圧縮変形を効果的に防止し、ナプキン1のフィット性をさらに高めることができる。
括れ被覆部36は、接着剤やヒートシール等によって表面シート12及び裏面シート13に接合されてもよい。これにより、括れ領域21sに外力が付加された場合、粘着部15が設けられた裏面シート13、コアラップシート17及び表面シート12が一体となって変形し、緩衝作用を発揮することができる。したがって、吸収性コア16の圧縮変形をさらに効果的に防止することができる。
なお、括れ被覆部36だけでなく、コアラップシート17の他の領域も表面シート12及び裏面シート13に接合されてもよく、コアラップシート17の全面が接合されてもよい。
[表面シートの構成]
表面シート12は、上述のように、括れ被覆部36に接合され、コアラップシート17及び裏面シート13等とともに外力に対する緩衝作用を発揮し得る。そこで、より高い緩衝作用を得る観点から、表面シート12を以下のように形成することができる。
図13及び図14に示すように、表面シート12は、厚み方向Zに圧縮されている線状エンボス部37と、線状エンボス部37に囲まれて厚み方向Z外方に突出する凸部38と、を有する。
線状エンボス部37及び凸部38は、括れ被覆部36に接合されている領域に形成されていればよいが、表面シート12全体に形成されていてもよい。
なお、表面シート12は、ナプキン1において、その厚み方向とナプキン1の厚み方向とが一致するように配置される。このため、以下では、厚み方向Zを表面シート12の厚み方向Zと同義に用いる。
線状エンボス部37は、横方向Yに対してそれぞれ鋭角α、βをなして傾斜し、相互に交差する第1線状エンボス群39及び第2線状エンボス群40を含む。第1線状エンボス群39及び第2線状エンボス群40は、延在方向が平行で、かつ一定の間隔で配列された複数の線状エンボス39a,40aをそれぞれ含む。
第1線状エンボス群39の横方向Yに対する角度αは、0度より大きく90度未満であり、20度以上70度以下がさらに好ましい。同様に、第2線状エンボス群40の横方向Yに対する角度βは、0度より大きく90度未満であり、20度以上70度以下がさらに好ましい。また、第1線状エンボス群39及び第2線状エンボス群40の各線状エンボス39a,40aの交差する角度は、鋭角(鈍角)でも、90度でもよく、限定されない。
表面シート12は、例えば、所定の繊維を材料とした不織布ウェブに対してエンボス加工を行うことで形成される。エンボス加工は、例えば、格子状パターンのエンボス形成用凸部が周面に形成されたエンボスロールと、平滑な周面を有し当該エンボスロールに対向して配置されたフラットロールとを用いて行うことができる。
表面シート12を構成する繊維は、好適には、芯鞘型の熱接着性複合繊維を用いることができる。当該熱接着性複合繊維は、例えば、鞘部がポリエチレン樹脂(PE)、芯部がポリプロピレン樹脂(PP)からなる繊維、鞘部がポリエチレン樹脂(PE)、芯部がポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなる繊維等である。但し、表面シート12を構成する繊維は、これらに限定されない。
凸部38は、平面視において、第1線状エンボス群39のうちの2本の線状エンボス39aと、第2線状エンボス群40のうちの2本の線状エンボス40aとによって形成された矩形状の領域内に形成される。なお、表面シート12は、一方の面にのみ凸部38が形成されていればよく、他方の面は平坦又は起伏がより緩やかであってもよい。
図15に示すように、凸部38は、中実な凸状の繊維集合体として構成される。凸部38の表面は、巨視的には曲面で構成されるが、微視的には繊維に起因する凹凸が形成されていてもよく、各凸部38の形状が同一でなくてもよい。凸部38の構造は図15の例に限定されず、中空であってもよく、また角柱状、角錐台状等の種々の形状を採り得る。
線状エンボス部37は、厚み方向Zに圧縮されているため、凸部38と比較して密度が高く、剛性が高い。つまり、表面シート12がナプキン1の横方向Yに平行な外力を受けた場合、線状エンボス部37が変形の起点となり、線状エンボス部37間の凸部38が厚み方向Zに隆起して変形する。これにより、横方向Yの外力のエネルギが、表面シート12の変形によって消費される。したがって、表面シート12が、括れ領域21s上において、裏面シート13(及びコアラップシート17)とともに緩衝作用を発揮することができる。
さらに、線状エンボス部37は、各線状エンボス39a,40aが横方向Yに対してそれぞれ鋭角をなしている。このため、横方向Yにおける外力のうち、線状エンボス39a,40aのエンボス幅方向の分力が凸部38の変形に寄与することとなる。すなわち、この構成により、凸部38の変形に寄与する外力のエネルギを低減させることができる。さらに、各線状エンボス39a,40aが相互に交差していることで、一方の線状エンボス39a,40aの延在方向の分力が、他方の線状エンボス39a,40aによって支持される。これにより、表面シート12によって括れ領域21sに付加される外力を緩和することができ、吸収性コア16の圧縮変形をより効果的に抑制することができる。
[本実施形態の追加説明]
以下、本実施形態の説明を補足する。
(吸収性コアの各部の幅)
前方コア部20及び後方コア部22の幅寸法D1,D3は、好ましくは60mm以上100mm以下であり、より好ましくは70mm以上90mm以下である。
中間コア部21の最も狭い部分(例えば幅狭領域23)の幅寸法D2は、好ましくは40mm以上75mm以下であり、より好ましくは50mm以上70mm以下である。
(高坪量部の構成)
高坪量部26は、他の領域よりも坪量が高く、図3及び図11に示すように厚み方向Z上方に突出する。本実施形態では、高坪量部26は、中間コア部21の幅狭領域23の縦方向X全長にわたって延びている。しかし、高坪量部26は、幅狭領域23の縦方向Xの長さより短くてもよい。また、高坪量部26は、幅狭領域23の縦方向Xの長さより長くてもよく、更には、前方コア部20及び後方コア部22の少なくとも一方まで延在していてもよい。
着用時に着用者の排泄領域に対向して高坪量部26を設けることで、排泄領域に対向する部分の剛性を高めることができる。これにより、高坪量部26が、着用時に付加される横方向Yの外力に対して変形しにくくなる。したがって、ナプキン1において、着用者の排泄領域に対するフィット性を高め、縦方向Xの液の漏れを防止することができる。なお、図11の形態に代えて、高坪量部26が厚み方向Z下方に突出する形態としてもよい。
(吸収性コアの坪量)
境界溝部27,28、縦溝部29、横溝部30及び環状溝部31を除く吸収性コア16の坪量は、好ましくは100g/m以上1000g/m以下であり、より好ましくは150g/m以上900g/m以下である。
また、高坪量部26の坪量は、好ましくは400g/m以上1000g/m以下であり、より好ましくは500g/m以上900g/m以下である。
(吸収性コアの坪量の測定方法)
吸収性コア16の測定対象領域を、フェザー社製片刃剃刀を用いて切断し、あらかじめ定めた面積となるように小片を得る。それらの小片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR-300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を各部の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。各部のそれぞれについて、小片5個の坪量の平均を坪量とする。
(縦溝部、横溝部及び環状溝部の構成)
縦溝部29は、縦方向Xに沿って延び、横方向Yに沿って間隔をあけて配列されている。縦溝部29は、前方コア部20、中間コア部21及び後方コア部22のそれぞれに、縦方向Xの全長にわたって形成されている。
横溝部30は、横方向Yに沿って延び、縦方向Xに沿って間隔をあけて配列されている。横溝部30は、前方コア部20、中間コア部21及び後方コア部22のそれぞれに、横方向Yの全長にわたって形成されている。
縦溝部29及び横溝部30を設けることで、吸収性コア16の柔軟性を高めることに加え、縦溝部29及び横溝部30の内部に液を引き込むことで吸収性コア16の液吸収速度を高めることができる。
環状溝部31は、高坪量部26の外縁に沿って形成されている。低坪量で変形しやすい環状溝部31を設けることによって、高坪量部26の周囲の変形が環状溝部31に吸収されるため、高坪量部26が周囲の変形の影響を受けにくくなる。
縦溝部29、横溝部30、及び環状溝部31の形状や配置などの構成は、図3に記載された構成に限定されず、吸収性コア16の形状や要求される機能等に基づいて適宜設定され得る。また、ナプキン1では、吸収性コア16が、縦溝部29、横溝部30、環状溝部31のうち少なくとも一つを有していなくてもよい。
なお、境界溝部27,28を含む各溝部27~31の「低坪量」とは、吸収性コア16の材料が存在する形態の他、吸収性コア16の材料が存在しない形態も含む概念である。各溝部27~31で吸収性コア16の材料が存在する形態では、各溝部27~31を介してその両側に位置する吸収性コア16のブロック状部位が接続されているため、吸収性コア16が動きによってヨレ・破壊・千切れ等が生じ難く、かつ柔軟性を付与することが出来るためより好ましい。
縦溝部29、横溝部30及び環状溝部31の幅は、好ましくは、0.5mm以上10mm以下であり、より好ましくは、1mm以上5mm以下である。環状溝部31の深さは、例えば、0.5mm以上10mm以下であり、縦溝部29及び横溝部30の深さは、例えば、0.5mm以上10mm以下である。
なお、中間コア部21において、縦溝部29は、環状溝部31よりも幅が太くても良い。その場合には、着用中に排泄領域に沿って吸収性コア16が変形し易くなるとともに、排泄された液が縦方向Xに沿って拡散され易くなるという特長がある。縦溝部29は環状溝部31よりも0.5mm以上5mm以下大きいことが好ましく、1mm以上3mm以下大きいことがより好ましい。
表面シート12を構成する不織布の坪量は、10~80g/m、特に15~60g/mであることが好ましい。
表面シート12の凸部38における厚み寸法は、乾燥状態において0.5~3mm,特に0.7~3mmであることが好ましい。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
以上の実施形態では、パッド状吸収性物品として生理用ナプキンの例を示したが、これに限定されない。本発明の吸収性物品は、例えば、尿取りパッドやおりものシート等であってもよい。
1…ナプキン(パッド状吸収性物品)
11…吸収体
12…表面シート
13…裏面シート
15…粘着部
15p…横方向周縁部
16…吸収性コア
20…前方コア部
21…中間コア部
21a…前半部分
21b…後半部分
21s…括れ領域
22…後方コア部

Claims (8)

  1. 液透過性の表面シートと、裏面シートと、吸収性コアを有し表面シート及び裏面シートの間に配置された吸収体と、前記裏面シートの外面に設けられた粘着部と、を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び前記縦方向に直交する横方向を有するパッド状吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、
    前方コア部及び後方コア部と、前記前方コア部及び前記後方コア部の間に位置し、一対の括れ領域によって前記前方コア部及び前記後方コア部よりも幅狭に形成された中間コア部と、を有し、
    前記中間コア部は、前記縦方向に2等分する直線で区分された前半部分及び後半部分が、前記直線に関して相互に非対称になるように構成され、
    前記粘着部は、前記前半部分、前記一対の括れ領域各々及び前記後半部分を通って前記縦方向にそれぞれ延びる一対の横方向周縁部を含み、
    前記中間コア部では、前記後半部分が、前記前半部分よりも平面視において大きな面積を有し、
    前記中間コア部は、
    前記前方コア部に向かって幅寸法が漸増する前方テーパ領域と、
    前記後方コア部に向かって幅寸法が漸増し、前記前方テーパ領域よりも単位長さあたりの幅寸法の増加量が小さい後方テーパ領域と、を含み、
    前記前方テーパ領域及び前記後方テーパ領域の外縁は曲線で構成され、
    前記前方テーパ領域の外縁は、前記後方テーパ領域の外縁よりも大きな曲率半径を有する
    パッド状吸収性物品。
  2. 液透過性の表面シートと、裏面シートと、吸収性コアを有し表面シート及び裏面シートの間に配置された吸収体と、前記裏面シートの外面に設けられた粘着部と、を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び前記縦方向に直交する横方向を有するパッド状吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、
    前方コア部及び後方コア部と、前記前方コア部及び前記後方コア部の間に位置し、一対の括れ領域によって前記前方コア部及び前記後方コア部よりも幅狭に形成された中間コア部と、を有し、
    前記中間コア部は、前記縦方向に2等分する直線で区分された前半部分及び後半部分が、前記直線に関して相互に非対称になるように構成され、
    前記粘着部は、前記前半部分、前記一対の括れ領域各々及び前記後半部分を通って前記縦方向にそれぞれ延びる一対の横方向周縁部を含み、
    前記中間コア部では、前記後半部分が、前記前半部分よりも平面視において大きな面積を有し、
    前記中間コア部は、
    前記前方コア部に向かって幅寸法が漸増する前方テーパ領域と、
    前記後方コア部に向かって幅寸法が漸増し、前記前方テーパ領域よりも単位長さあたりの幅寸法の増加量が小さい後方テーパ領域と、を含み、
    前記前方テーパ領域及び前記後方テーパ領域の外縁は曲線で構成され、
    前記後方テーパ領域は、前記前方テーパ領域よりも大きな坪量を有する
    パッド状吸収性物品。
  3. 液透過性の表面シートと、裏面シートと、吸収性コアを有し表面シート及び裏面シートの間に配置された吸収体と、前記裏面シートの外面に設けられた粘着部と、を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び前記縦方向に直交する横方向を有するパッド状吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、
    前方コア部及び後方コア部と、前記前方コア部及び前記後方コア部の間に位置し、一対の括れ領域によって前記前方コア部及び前記後方コア部よりも幅狭に形成された中間コア部と、を有し、
    前記中間コア部は、前記縦方向に2等分する直線で区分された前半部分及び後半部分が、前記直線に関して相互に非対称になるように構成され、
    前記粘着部は、前記前半部分、前記一対の括れ領域各々及び前記後半部分を通って前記縦方向にそれぞれ延びる一対の横方向周縁部を含み、
    前記中間コア部では、前記後半部分が、前記前半部分よりも平面視において大きな面積を有し、
    前記中間コア部は、
    前記前方コア部に向かって幅寸法が漸増する前方テーパ領域と、
    前記後方コア部に向かって幅寸法が漸増し、前記前方テーパ領域よりも単位長さあたりの幅寸法の増加量が小さい後方テーパ領域と、を含み、
    前記前方テーパ領域及び前記後方テーパ領域の外縁は曲線で構成され、
    前記中間コア部は、前記後半部分に形成され、前記括れ領域に向かって凸状に突出する凸状部を含む
    パッド状吸収性物品。
  4. 前記後方テーパ領域は、前記前方テーパ領域よりも前記縦方向に沿って大きな長さ寸法を有する
    請求項1からのいずれか一項に記載のパッド状吸収性物品。
  5. 前記吸収性コアは、前記中間コア部における前記後方コア部との境界部分に形成され前記横方向に延びる境界溝部をさらに有する
    請求項1からのいずれか一項に記載のパッド状吸収性物品。
  6. 前記吸収体は、前記吸収性コアを被覆するコアラップシートをさらに有し、
    前記コアラップシートは、前記吸収性コアを被覆するコア被覆部と、前記一対の括れ領域を被覆する一対の括れ被覆部と、を有する
    請求項1からのいずれか一項に記載のパッド状吸収性物品。
  7. 前記一対の括れ被覆部は、前記表面シート及び前記裏面シートに接合される
    請求項に記載のパッド状吸収性物品。
  8. 前記表面シートは、少なくとも前記一対の括れ被覆部上の領域に形成された、厚み方向に圧縮された線状エンボス部と、前記線状エンボス部に囲まれて前記厚み方向外方に突出する凸部と、を有し、
    前記線状エンボス部は、前記横方向にそれぞれ傾斜し、相互に交差する第1線状エンボス群及び第2線状エンボス群を含む
    請求項に記載のパッド状吸収性物品。
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