JP2020039509A - 吸収性物品 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、吸収性物品の肌当接面側に、左右圧搾条溝と、前方部圧搾条溝と、後方部圧搾条溝とに分離した圧搾条溝が形成されており、その分離部分において、それらの圧搾条溝の内、最も幅方向内側に位置する圧搾条溝の端部が、長手方向中心線と平行になるか又は幅方向外側に向くように形成された構成が記載されている。
また、特許文献2には、吸収性物品の肌当接面に、長手方向に沿って形成された一対の前方溝と、幅方向に沿って形成された後方溝を有する構成が記載されている。
上記圧搾溝は、
上記本体の上記中間領域に形成され、上記縦方向にそれぞれ延び上記横方向に相互に対向する少なくとも一対の中間溝と、
上記圧搾溝が形成されない領域であって上記横方向に沿って延びる第1非圧搾領域を挟んで、上記中間溝の前記縦方向前方に位置する前方溝と、
上記圧搾溝が形成されない領域であって上記横方向に沿って延びる第2非圧搾領域を挟んで、上記中間溝の前記縦方向後方に位置する後方溝と、を有する。
上記吸収体は、
上記本体の上記中間領域に位置する高坪量部と、
上記高坪量部の周囲に位置し、上記高坪量部よりも坪量の低い低坪量部と、を有する。
上記第1非圧搾領域は、上記高坪量部の前端部上に位置し、かつ個包装時に上記縦方向に折り畳まれることで形成された複数の個装折り線のいずれよりも上記縦方向前方に位置する。
上記第2非圧搾領域は、上記高坪量部の後端部よりも前方に位置する。
上記中間溝は、上記縦方向において、上記ウイング部の上記本体との境界部分である基端部の第1の長さよりも長い第2の長さにわたって形成される。
本発明の第1実施形態の吸収性物品1は、図1に示すように、本体Mと、一対のウイング部Wと、圧搾溝6と、を備える。吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。なお、本明細書では、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側という事がある。
本体Mは、縦方向Xに沿って、前方領域M1と、中間領域M2と、後方領域M3とに区分される。
中間領域M2は、着用時に着用者の排泄領域に対向する領域である。図1において、中間領域M2は、本体Mにおけるウイング部Wの基端部Waが位置する領域である。
前方領域M1は、中間領域M2の前方(着用者の腹側)に配置される領域であり、着用時に着用者の排泄領域の前方に対向するように構成される。
後方領域M3は、中間領域M2の後方(着用者の背側)に配置される領域であり、着用時に着用者の排泄領域の後方に対向するように構成される。
なお、ここでいう着用時は、通常の適正な着用位置(ナプキン1の想定される着用位置)が維持された状態を意味し、ナプキン1が当該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
吸収体4は、液を表面シート2側の面から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。具体的に、吸収体4は、本体吸収性シート41及び中央吸収性シート42の積層体からなり、図2に示すように、中間領域M2に厚みの厚い高坪量部43を有している。吸収体4の詳細については後述する。
裏面シート3は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、当該フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。
図1及び図2に示すように、圧搾溝6は、本体Mの周縁に形成された線状溝であり、本体Mの表面シート2側から厚み方向Zに圧搾加工することによって形成される。これにより、図2に示すように、圧搾溝6は、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥した構成を有する。
圧搾溝6における「線状」は、溝の形状が平面視において直線状の態様に限られず、曲線状の態様を含む。また、圧搾溝6における各線は、連続線でも破線でも良い。例えば、圧搾溝6は、不連続な多数の凹部(例えば、点エンボス)が列をなして形成されていてもよい。
このような構成により、圧搾溝6は、他の領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分となる。このため、圧搾溝6は、ナプキン1が外力を受けた場合に、好ましい変形となりやすい弾性変形の基軸としても機能し得る。
なお、中間溝62は、前方領域M1及び後方領域M3まで延在していてもよい。
「縦方向Xに溝が延びる」とは、縦方向Xに平行な態様に限定されず、前方から後方に向かって延びる態様を広く含むものとする。すなわち、中間溝62は湾曲していてもよいし、蛇行していてもよい。また、「縦方向Xに溝が延びる」態様は、縦溝が途中で途切れることなく連続している状態に限られず、比較的短い長さ(概ね4mm未満)の、溝の存在しない途切れ部がある態様も含むものとし、縦溝全体として実質的に縦方向Xに連続していれば良い。なお、概ね4mm未満の短い途切れ部は、後述する非圧搾領域N1,N2に含めないものとする。
同様に、後方溝63は、左右の中間溝62各々から縦方向X後方へ向かって延び、本体Mの後端部近傍でこれらの双方が連結される。
なお、圧搾溝6は、これらの他にも、横方向Yに延びる内方溝64等を適宜有していてもよい。
前方溝61は、第1非圧搾領域N1を挟んで中間溝62の縦方向X前方に位置する。
後方溝63は、第2非圧搾領域N2を挟んで中間溝62の縦方向X後方に位置する。
より詳細に、第1非圧搾領域N1は、前方溝61のうちの最も縦方向X後方に位置する端部を通る横方向Yに平行な直線と、中間溝62のうちの最も縦方向X前方に位置する端部を通る横方向Yに平行な直線の間の領域である。
同様に、第2非圧搾領域N2は、中間溝62のうちの最も縦方向X後方に位置する端部を通る横方向Yに平行な直線と、後方溝63のうちの最も縦方向X前方に位置する端部を通る横方向Yに平行な直線の間の領域である。
図2及び図1に示すように、吸収体4は、本体Mの中間領域M2に位置する高坪量部43と、高坪量部43の周囲に位置し高坪量部43よりも坪量の低い低坪量部44と、を有する。
図1に示すように、高坪量部43は、中央吸収性シート42の前端部及び後端部にそれぞれ対応する、前端部43a及び後端部43bを有する。前端部43a及び後端部43bは、横方向Yにそれぞれ延び、例えば直線状に構成される。
高坪量部43は、中央吸収性シート42の分だけ低坪量部44よりも高い坪量を有し、低坪量部44から厚み方向Zに突出した構成を有する。高坪量部43は、周囲の低坪量部44よりも剛性が高く、変形しにくい領域となる。
図1に示すように、第1非圧搾領域N1は、高坪量部43の前端部43a上に位置する。つまり、高坪量部43の前端部43aが、縦方向Xにおいて、第1非圧搾領域N1の前端部と後端部との間に位置する。
つまり、本体Mが、剛性差が生じる第1非圧搾領域N1において、谷折りされるように湾曲しやすくなる。したがって、ナプキン1が、着用者の排泄領域前方の急峻に湾曲する身体形状に沿って湾曲しやすくなり、排泄領域前方におけるナプキン1のフィット性が高められる。
図1に示すように、本体Mは、個包装時において、表面シート2を上面とした場合に2か所で谷折りされ、3つ折りの状態に保持される。このため、本体Mには、横方向Yに沿った2本の第1個装折り線F1及び第2個装折り線F2が形成される。第1個装折り線F1は、第2個装折り線F2よりも前方に位置する。また、高剛性の高坪量部43の後方部を、使用者の排泄部に効率的にフィットさせる観点から、第2非圧搾領域N2は、第2個装折り線F2よりも前方に位置することが好ましい。
ウイング部Wは、着用時において、本体M(中間領域M2)との境界部分である基端部Waでナプキン1の裏側に折り返され、ショーツ等の着衣の非肌側に固定される。このため、ウイング部Wに挟まれた本体Mの中間領域M2は、着用時に横方向Yに張力が付加された状態となり、縦方向Xに折れ曲がる変形が起こりにくくなる。
そこで、上述の身体形状に沿った好ましい変形を確実に発現させる観点から、中間溝62は、縦方向Xにおいて、ウイング部Wが本体Mに接続する基端部Waの第1の長さD1よりも長い第2の長さD2にわたって形成される。これにより、第1非圧搾領域N1及び第2非圧搾領域N2が、中間領域M2の外側にそれぞれ位置することになる。したがって、第1非圧搾領域N1及び第2非圧搾領域N2における上記変形がより確実に発現される。
また、中間溝62の縦方向Xに沿った長さD2は、好ましくは50mm以上、更に好ましくは80mm以上であり、また、好ましくは130mm以下、更に好ましくは110mm以下である。
図1に示すように、高坪量部43は、平面視において、長方形状に折り畳まれた中央吸収性シート42の外縁に沿って略長方形状に構成される。なお、「平面視」とは、厚み方向Zから見た平面形状をいう。
具体的には、高坪量部43は、前端部43a及び後端部43bから構成された横方向Yに延びる2つの短辺46と、縦方向Xに延びる2つの長辺47と、を有する。各短辺46は、横方向Yに平行な直線状に構成され、各長辺47は、縦方向Xに平行な直線状に構成される。各短辺46及び各長辺47を接続する部分は、角を構成していてもよく、丸みを帯びていてもよい。なお、本実施形態では、各長辺47は吸収体4の横方向Y両端部よりも内側に位置していたが、各長辺47は、吸収体4の横方向Yの左右両端部と重なっていても良い。
図1に示すように、対をなす中間溝62は、横方向Yに沿った対向幅が縦方向X中央部(中央部)62cにおいて最も狭くなるように構成される。つまり、中間溝62は、中央部62cにおいて横方向Y内方に括れた形状をなす。
なお、中央部62cは、例えば中間溝62を縦方向Xに3等分割した場合の前後から2番目の領域に含まれていればよい。
中間溝62が括れた形状を有することで、中間溝62を基軸として大腿部の形状に沿った形状に変形しやすくなる。これにより中間溝62における外力の緩衝作用がより確実に発揮され、非圧搾領域N1,N2への変形の伝搬が抑制される。したがって、上述の非圧搾領域N1,N2における好ましい変形がより確実に発現される。
なお、上記作用効果を確実に発現させる観点から、中間溝62の中央部62cの対向幅は、好ましくは30mm以上、更に好ましくは40mm以上であり、また、好ましくは90mm以下、更に好ましくは80mm以下である。
図2に示すように、吸収体4は、中間領域M2において厚み方向Zに形成され、横方向Yに相互に離間する複数のスリットSを有する。スリットSは、吸収体4を厚み方向Zに切断することで形成されており、それぞれ縦方向Xに延びている。図2の例において、スリットSが、吸収体11の厚み方向Z全体に形成されているが、厚み方向Zの一部に形成されてもよい。
スリットSは、高坪量部43及び低坪量部44の双方に形成されている。スリットSは、中間領域M2の他、前方領域M1及び後方領域M3に形成されていてもよい。
以下、本実施形態の説明を補足する。
第1非圧搾領域N1及び第2非圧搾領域N2の縦方向Xにおける長さは、上記変形を確実に発現させる観点から、好ましくは4mm以上、更に好ましくは6mm以上であり、また、好ましくは20mm以下、更に好ましくは15mm以下である。
図1に示すように、圧搾溝6は、上述の各構成の他、後方領域M3において後方溝63よりも横方向Yの内方に位置する内方溝64をさらに有してもよい。内方溝64は、ナプキン1の着用時に着用者の臀部の溝に沿うことで、後ろ漏れを効果的に防止し得る。
また、圧搾溝6は、横方向Yにおける液漏れ防止等の観点から、中間領域M2において中間溝62よりも横方向Yの内方に位置し縦方向Xに延びる補助溝をさらに有していてもよい(図示せず)。この補助溝は、例えば左右に1対又は複数対形成されていてもよい。なお、中間溝62を含めて中間領域M2に複数対の縦溝が存在する場合は、最も横方向Y外方に位置する一対の縦溝を中間溝62とする。
吸収体4の高坪量部43の坪量は、好ましくは160g/m2以上800g/m2以下であり、より好ましくは250g/m2以上650g/m2以下である。
また、低坪量部44の坪量は、好ましくは100g/m2以上400g/m2以下であり、より好ましくは150g/m2以上250g/m2以下である。
吸収体4の測定対象領域を、フェザー社製片刃剃刀を用いて切断し、あらかじめ定めた面積となるように小片を得る。それらの小片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を各部の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。各部のそれぞれについて、小片5個の坪量の平均を坪量とする。
吸収体4は、高坪量部43の厚みが、好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下、更に好ましくは4mm以下である。より具体的には、高坪量部43の厚みは0.7mm以上5mm以下が好ましく、更には1mm以上4mm以下であることが好ましい。高坪量部43の厚みをこの範囲とすることで、高坪量部43が形成されている中間領域M2における良好な着用感と高い吸収性能とを両立することが容易となる。
低坪量部44の厚みは、好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは3mm以下、更に好ましくは2.5mm以下である。より具体的には、低坪量部44の厚みは、0.5mm以上3mm以下、更には0.6mm以上2.5mm以下であることが、高い吸収性能と着用者の動きへの追従性を高める観点から好ましい。
測定対象物である吸収体4を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、5cN/cm2の荷重下での厚みを測定する。本発明における厚みの測定には、厚み計PEACOCKDIAL UPRIGHT GAUGES R5-C(OZAKI MFG.CO.LTD.製)を用いた。このとき、厚み計の先端部と測定対象物における測定部分との間に、平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、荷重が5cN/cm2となるようにプレートの大きさを調整する。
図1に示すように、一対のサイドシート5は、それぞれ、中間領域M2に位置する線状の第1接合線51と、第1接合線51の縦方向Xの前後(前方領域M1及び後方領域M3)に位置する線状の第2接合線52とで表面シート2に接合されている。第1接合線51は、平面視において横方向Yの外方に向けて凸の曲線状であり、第2接合線52は、平面視において縦方向Xに交差するように延びる線状(ジグザグ線状)である。このように、サイドシート5が接合線51,52にて本体Mの肌対向面(表面シート2)に接合されていると、図2に示すように、接合線51,52よりも横方向Yの内方に、サイドシート5と表面シート2とにより空間部Pが形成される。この空間部Pは、本体Mの横方向Yの中央に向けて開口しているので、横方向Yの中央から外方へ流れる経血等の排泄液は空間部Pに収容されるようになり、結果として液の漏れが効果的に防止される。
2…表面シート
3…裏面シート
4…吸収体
6…圧搾溝
61…前方溝
62…中間溝
63…後方溝
N1…第1非圧搾領域
N2…第2非圧搾領域
F1,F2…個装折り線
W…ウイング部
Wa…基端部
M…本体
Claims (4)
- 表面シート、吸収体及び裏面シートを有し縦方向に沿って前方領域、中間領域及び後方領域に区分される本体と、前記本体の前記表面シート側に形成され前記縦方向に沿って延びる圧搾溝と、前記本体から前記縦方向と直交する横方向に突出するウイング部と、を備えた吸収性物品であって、
前記圧搾溝は、
前記本体の前記中間領域に形成され、前記縦方向にそれぞれ延び前記横方向に相互に対向する一対の中間溝と、
前記圧搾溝が形成されない領域であって前記横方向に沿って延びる第1非圧搾領域を挟んで、前記中間溝の前記縦方向前方に位置する前方溝と、
前記圧搾溝が形成されない領域であって前記横方向に沿って延びる第2非圧搾領域を挟んで、前記中間溝の前記縦方向後方に位置する後方溝と、を有し、
前記吸収体は、
前記本体の前記中間領域に位置する高坪量部と、
前記高坪量部の周囲に位置し、前記高坪量部よりも坪量の低い低坪量部と、を有し、
前記第1非圧搾領域は、前記高坪量部の前端部上に位置し、かつ個包装時に前記縦方向に折り畳まれることで形成された複数の個装折り線のいずれよりも前記縦方向前方に位置し、
前記第2非圧搾領域は、前記高坪量部の後端部よりも前方に位置し、
前記中間溝は、前記縦方向において、前記ウイング部の前記本体との境界部分である基端部の第1の長さよりも長い第2の長さにわたって形成される
吸収性物品。 - 前記高坪量部は、前記前端部及び前記後端部から構成された前記横方向に延びる2つの短辺と、前記縦方向に延びる2つの長辺と、を有する
請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記対をなす中間溝は、横方向に沿った対向幅が、前記縦方向中央部において最も狭くなるように構成される
請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 前記吸収体は、前記中間領域において前記吸収体の厚み方向に形成され、前記横方向に相互に離間する複数のスリットを有する
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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