JP6067349B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
また、吸収性コアに溝を形成することも知られており、例えば、特許文献1には、着用者の肌側に向けられる肌当接面に溝が形成された突出部を吸収性コアの幅方向中央部付近に備えた吸収性物品が開示されている。
また、特許文献2には、着用者の肌側に向かって突出する突出部を有する吸収性コアの非肌当接面に縦溝を形成した吸収性物品が提案されている。
また、隆起部を形成する技術ではないが、特許文献3には、肌当接面側に高吸水性ポリマーの比率が高い領域、非肌当接面側に高吸水性ポリマーの比率が低い領域を設け、非肌当接面側に、高吸水性ポリマーの比率が高い領域に亘る空間を設けた吸収性コアが記載されている。
特許文献2においては、非肌当接面の縦溝が、吸収性コアの圧搾により形成されているため、肌当接面付近に圧搾により硬化した部分が生じて、着用者に違和感を与える恐れがある。また、圧搾により肌当接面付近の密度が高まり、液を保持し易くなって、ドライ感が低下する可能性がある。
特許文献3は、隆起部を形成する技術ではなく、また、前記空間に、膨潤した高吸水性ポリマーが入ると、空間が失われて、吸収性コアの柔軟性が損なわれる。
本発明の吸収性物品の第1実施形態としての生理用ナプキン1(以下、単にナプキン1ともいう)は、就寝時の使用に適した夜用のナプキンである。
ナプキン1は、図1に示すように、前後方向に長い形状の吸収性本体6と、一対のウイング部7,7と、一対の後方フラップ部8,8とを有している。生理用ナプキン等の吸収性物品に関し、「前後方向」とは、着用時に着用者の前後方向と一致する方向である。
吸収性本体6は、その長手方向に、前方部A、液排泄部対向部B及び後方部Cを有しており、液排泄部対向部Bの左右両側に一対のウイング部7,7、後方部Cの左右両側に一対の後方フラップ部8,8を有している。液排泄部対向部Bは、幅方向の中央部に、着用者の液排泄部(膣口)に対向配置される部分であり、前方部Aは、液排泄部対向部Bより着用者の前側(腹側)に配される部分であり、後方部Cは、液排泄部対向部Bより着用者の背中側に配される部分である。
ナプキン1は、表面シート2aの下に吸収性コア4の突出部5が存在することによって、肌当接面における幅方向中央部に着用者の肌側に向かって突出する隆起部11が形成されている。
また、突出部5の幅W1〔図2(a)参照〕は、吸収性コアの全幅W2に対する割合が、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、また、好ましくは20%以上80%以下であり、より好ましくは30%以上70%以下である。
突出部5及び隆起部11は、ナプキン1(吸収性物品)の前後方向Xにおいて、液排泄部対向部Bから後方部Cの一部に亘って形成されていることが好ましい。また、突出部5及び隆起部11は、ナプキン1の前後方向Xの全長の30%以上の長さに亘って形成されていることが好ましく、ナプキン1の全長の40%以上の長さに亘って形成されていることがより好ましく、ナプキン1の全長の50%以上の長さに亘って形成されていることが更に好ましい。
また、縦溝46も同様であり、該縦溝46の左右両側の隣接部分に比して吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されている。即ち、吸収性コア4の幅方向Yには、側方域45に位置し坪量が低い低坪量部47と、その両側に位置し該低坪量部47より坪量が高い一対の高坪量部48,48とが形成されており、該低坪量部47の厚みが、その両側の高坪量部48,48より薄くなっている。そして、その低坪量部47の非肌当接面側に、縦溝46が形成されている。また、低坪量部47は、坪量がその両側の高坪量部48,48よりも低くなっており、厚みが両側の高坪量部44よりも薄くなっている。
突出部5を含めた中央域41と一対の側方域45,45とが一体成形されていると、吸収する液体が、スムーズに移動し得る連続性を有するようになる。このような構造の吸収性コアの製造方法については後で説明する。
このように、中央域41の縦溝42が、中央域41の突出部5の内部に入り込んでいることによって、中央域41は、肌当接面が凸となるように一層変形し易くなり、身体に対するフィット性が一層向上するとともに、ナプキンの肌当接面にシワが生じにくくなり、着用者がシワにより違和感を覚えることも防止できる。
また、中央域41の縦溝42は、吸収性コアの長手方向Xにおける、突出部5の全長に亘って延在していることが好ましく、吸収性コアの長手方向Xの全長に亘って延在していることがより好ましい。
なお、吸収性コアの幅方向Yの外方側の縦溝から中央側の縦溝に向かって深さが漸次深くなっていると言えるためには、吸収性本体の幅方向Yの最も外側の縦溝と最も中央寄りの縦溝との間に、それらの中間の深さの縦溝が存在すれば良い。この場合、最も外側の縦溝と最も中央寄りの縦溝との間に深さが等しい複数の縦溝が存在していても良いが、着用者の身体により理想的にフィットさせるようにナプキンを肌当接面側に向かって凸状に形状誘導させるためには、図2に示すように、最も外側の縦溝と最も中央寄りの縦溝との間に深さが等しい複数の縦溝が存在しないことがより好ましい。
これにより、吸収性コア4の、平面方向(長手方向X及び幅方向Y)の変形性が一層向上し、着用者の身体に対するフィット性が一層向上する。
なお、本実施形態のナプキン1における横溝49の深さは、吸収性コア4の中央域41と側方域45とで同じであるが、横溝49の中央域41における深さと側方域45における深さとを異ならせても良い。例えば、中央域41における深さは、側方域45の表面S2よりも上方まで達していても良し、中央域の縦溝の深さと同じとしても良い。
ここで、深さ方向に亘って幅が略均一であるか否かは、以下のようにして判別する。例えば、ナプキン1より吸収性コア4を取り出し、マイクロスコープ(KEYENCE社性VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で吸収性コア4を断面から観察し、縦溝42及び縦溝46において各々の開口部と底部の幅の距離を測定する。各々の開口部と底部の幅の距離が同じであれば、縦溝42及び縦溝46が深さ方向に沿って幅が略均一であるといえる。
ただし、横溝49を配した本実施形態のナプキン1のような場合には、横溝49が存在しない高坪量部において、上述した関係であればよい。
吸収性コアを、高坪量部と低坪量部の境界線に沿ってフェザー社製片刃剃刀を用いて切断して、高坪量部及び低坪量部の小片を得る。高坪量部は、中央域41における低坪量部43,43に挟まれた部分を小片として切り出す。また、当該小片が、横溝49を含まないように切り出す。低坪量部の小片は、中央域41における一対の高坪量部44,44間に挟まれた細幅の部分を小片として切り出す。
それらの小片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を高坪量部又は低坪量部の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。高坪量部及び低坪量部のそれぞれについて、小片5個の坪量の平均を坪量とする。
高坪量44及び低坪量43の厚みの測定は、各々の部位において坪量を測定するために切り出した小片の厚みを測定することで行う。吸収性物品より切り出した高坪量44と低坪量部43の小片の測定部を5kPaの圧力で10分間加圧し、除重後すぐに測定を行う。徐重後のサンプルの中央域に、大きさ20mm×20mm、厚み3mmのアクリルプレートを吸収体3の上に置き、KEYENCE社製非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK−G30、変位計LK−GD500)を用い、サンプルの厚みを測定する。非接触式レーザー変位計により測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察し、測定してもよい。高坪量部及び低坪量部の厚みや縦溝の深さは、横溝が存在しない部位の断面における厚みや深さを測定する。
高坪量部及び低坪量部の密度は、上述のようにして測定した坪量及び厚みから算出する。
積繊ドラム54の集積用凹部55は、積繊ドラム54の外周面の周方向に一定の間隔で複数個形成されている。集積用凹部55の底面56は、メッシュプレート等からなり、吸引孔として機能する多数の細孔を有している。
積繊ドラムを備えた公知の積繊装置と同様に、集積用凹部55の底面から吸引しつつ、ダクト53内に吸収性コアの形成材料40を供給することによって、図5及び図6(b)に示すように、吸収性コアの形成材料40が集積用凹部55内に所定形状に堆積する。集積用凹部55から離型した堆積物4’は、図5及び図7(a)に示すように、搬送方向MC及びその直交方向CDそれぞれの中央部に肉厚部分41’を有し、その周囲に薄肉部分45’を有しており、肉厚部分41’における薄肉部分45’から突出する部分に、難通気性部材57,58に対応する溝を有している。
堆積物4’を、両ロール61,63間に通すことにより、図7(a)及び図7(b)に示すように、堆積物4’の薄肉部分45’が、第1ロール61の凹部62以外の部分に加圧されて第2ロール63側へと押し下げられ、薄肉部分45’から肉厚部分41’が突出する方向が、図7(a)に示す第2ロール側から図7(b)に示す第1ロール側へと変化する。このようにして、突出方向の矯正を加えることで、前述した形態の吸収性コア4が得られる。
これにより、側方域45に比べて厚みが厚く断面二次モーメントの大きい中央域41において、縦溝42a,42bの底部をなす低坪量部の領域が大きくなることで、中央域41の坪量を低減することができ、それによって曲げ剛性が低減するため、着用者により柔らかな装着感を提供できる。
しかも、第2実施形態における吸収性コア4Aは、図8に示すように、吸収性コアの幅方向Yの外方側の縦溝42dから中央寄りの縦溝42aに向かって幅が増大している。これにより、特に厚みが厚く曲げ剛性が高くなる中央域41に向かって縦溝の底部をなす低坪量部の領域が漸次大きくなるため、中央域の幅方向の圧縮に対する可撓性をより高めることができ、着用者の身体に沿った形状への変形を誘導することが可能となる。
例えば、第1,第2実施形態における吸収性コア4,4Aにおいては、中央域41の縦溝42に加えて、側方域45にも縦溝46が形成されていたが、本発明における吸収性コアは、突出部5を有する中央域41の非肌当接面のみに縦溝が形成されていても良い。また、吸収性コアの中央域41と側方域45とに、深さが均一な縦溝のみが形成されていても良い。また、吸収性コアの中央域41と側方域45とに、深さが均一である一方、幅を第2実施形態のように異ならせた縦溝を設けても良い。また、第1,第2実施形態における吸収性コア4,4Aには、吸収性コアの幅方向に延びる横溝49が形成されていたが、本発明の吸収性コアには、横溝が形成されていなくても良い。また、吸収性コアの中央域の非肌当接面に横溝を形成する場合、側方域に達しない長さの横溝のみを形成しても良い。また、縦溝及び横溝は、それぞれ、吸収性コアの液排泄部対向部及び後方部の何れか一方のみに形成されていても良い。また、吸収性コアの突出部は、液排泄部対向領域のみに形成されていても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である
<1>吸収性物品の前後方向に長い形状の吸収性コアを備えた吸収性物品であって、前記吸収性コアは、その幅方向に、中央域及びその両側に位置する側方域を有し、該中央域は、該側方域それぞれの上面より上方に突出した突出部を有しており、前記吸収性コアは、前記中央域と前記側方域とが一体成形されており、前記中央域の非肌当接面に、該吸収性コアの長手方向に沿う縦溝が形成されており、該縦溝は、該縦溝の左右両側の隣接部分に比して吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されている吸収性物品。
<2>前記縦溝は、深さ方向に亘って幅が略均一である、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>前記縦溝と重なる低坪量部の坪量は、その両側に位置する高坪量部の坪量に対する割合が5%以上50%以下である前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記吸収性コアの突出部は、吸収性物品の前後方向の全長の40%以上の長さに亘って形成されている前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>前記中央域の前記縦溝の肌当接面側の底部が、前記側方域の上面よりも上方に位置している前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>前記底部が、吸収性コアの長手方向の30mm以上の長さに亘って側方域の上面より上方に位置する前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>前記突出部は、液排泄部対向部及び後方部の何れにおいても、側方域の上面から突出する高さの、中央域41の全厚に対する割合が20%以上90%以下である前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品。
<8>前記側方域にも、前記吸収性コアの長手方向に沿う縦溝が形成されている前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>前記中央域及び前記側方域の前記縦溝は、吸収性コアの幅方向外方側の縦溝から幅方向中央側の縦溝に向かって深さが漸次深くなっている前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>前記中央域の前記縦溝と前記側方域の前記縦溝の幅が同じである前記<8>又は<9>に記載の吸収性物品。
<12>前記中央域及び前記側方域の縦溝のうち、最も中央寄りの縦溝の幅は、最も外方側の縦溝の幅の1.5倍以上5倍以下である前記<11>に記載の吸収性物品。
<13>前記中央域及び前記側方域の前記縦溝は、吸収性コアの幅方向外方側の縦溝から幅方向中央側の縦溝に向かって幅が増大している前記<11>又は<12>に記載の吸収性物品。
<14>前記吸収性コアの非肌当接面に、該吸収性コアの幅方向に沿う複数の横溝が、それぞれ、前記中央域から前記側方域に亘って連続して形成されており、前記横溝は、該横溝の前後の隣接部分に比して吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されている前記<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>前記突出部の幅の、吸収性コアの全幅に対する割合が、20%以上80%以下である前記<1>〜<14>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<16>前記高坪量部と低坪量部の密度が均一である前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>前記高坪量部の方が前記低坪量部よりも密度が高い前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
2 肌側シート
2a 表面シート
2b 立体ガード形成用シート
3 非肌側シート
4,4A 吸収性コア
41 中央域
42 中央域の縦溝
43 低坪量部
44 高坪量部
45 側方域
46 側方域の縦溝
49 横溝
S2 側方域の上面
4’ 堆積物
5 突出部
6 吸収性本体
7 ウイング部
8 後方フラップ部
11 隆起部
50 積繊装置
54 積繊ドラム
55 集積用凹部
56 集積用凹部の底面
56a 凹部
57,58 難通気性部材
60 突出方向矯正装置
A 前方部
B 液排泄部対向部
C 後方部
Claims (7)
- 吸収性物品の前後方向に長い形状の吸収性本体を備えた吸収性物品であって、
生理用ナプキンであり、
前記吸収性本体は、前記前後方向に長い形状の吸収性コアを含み、該前後方向に、着用時に着用者の液排泄部に対向配置される液排泄部対向部、該液排泄部対向部よりも前側に配される前方部及び該液排泄部対向部よりも背中側に配される後方部を有しており、
前記吸収性コアは、該吸収性コアの幅方向に、中央域及びその両側に位置する側方域を有し、該中央域は、該側方域それぞれの上面より上方に突出した突出部を有する部分であり、該側方域それぞれよりも厚い厚みを有し、且つ前記液排泄部対向部から前記後方部の一部に亘って形成されており、
前記吸収性コアは、前記中央域と前記側方域とが一体成形されており、
前記中央域の非肌当接面に、該吸収性コアの長手方向に沿う縦溝が形成されており、該縦溝は、該縦溝の左右両側の隣接部分に比して吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されており、
前記側方域の非肌当接面にも、前記吸収性コアの長手方向に沿う縦溝が形成されており、該側方域の縦溝も、該縦溝の左右両側の隣接部分に比して吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されている、吸収性物品。 - 前記中央域の前記縦溝の肌当接面側の底部が、前記側方域の上面よりも上方に位置している、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記中央域及び前記側方域の前記縦溝は、吸収性コアの幅方向外方側の縦溝から幅方向中央側の縦溝に向かって深さが漸次深くなっている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記中央域の前記縦溝は、前記側方域の前記縦溝よりも幅が広い、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記中央域及び前記側方域の前記縦溝は、吸収性コアの幅方向外方側の縦溝から幅方向中央側の縦溝に向かって幅が増大している、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性コアの非肌当接面に、該吸収性コアの幅方向に沿う複数の横溝が、それぞれ、前記中央域から前記側方域に亘って連続して形成されており、前記横溝は、該横溝の前後の隣接部分に比して吸収性コアの形成材料の坪量を減らして形成されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記中央域の前記縦溝は、深さ方向に亘って幅が略均一である、請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
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