JP7194497B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
また、吸収性物品は、経血等の液状物を吸収するための長手方向を有する吸収体を備えている。吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートを有する。吸収性コアは、吸収性物品を装着する装着者の肌に沿って変形しやすいように溝が形成されている(例えば特許文献2参照)。
上記本体は、長手方向の両端部側に位置する前方コア部及び後方コア部を含み、上記後方コア部が、上記長手方向と直交する幅方向中心部に対して長手方向に延びる複数の縦溝部が上記幅方向に対称に配列された構造面を有する吸収性コアと、上記吸収性コアの一方の主面を被覆する表面シートと、上記吸収性コアの上記一方の主面とは反対の他方の主面を被覆する裏面シートとを有する。
上記一対の粘着部は、本体に上記長手方向に沿って設けられ、上記複数の縦溝部のうち最も幅方向の中央側に位置する第1の縦溝部の両側に配列された一対の第2の縦溝部に上記裏面シートを挟んで対向する。
図面には、X軸、Y軸、及びZ軸が示されている。
[ナプキンの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品1を示す斜視図である。図1では、X軸方向が前後方向、Y軸方向が左右方向、Z軸方向が上下方向にそれぞれ対応する。
図2は、吸収性物品1の平面図であり、図1に示す吸収性物品1をXY平面に沿って引き延ばした態様を示す。図2に示す吸収性物品1では、X軸方向が長手方向、Y軸方向が幅方向、Z軸方向が厚み方向に対応する。以下、図2に示す態様において吸収性物品1を説明する。
本実施形態の吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
本実施形態のナプキン1は、就寝時に使用されてもよく、例えば長手方向であるX軸方向に沿って30cm以上の長さを有していてもよい。
本体Mは、長手方向に沿って区分された、前方領域M1と、中間領域M2と、後方領域M3とを有する。
前方領域M1は、中間領域M2の前方(装着者の腹側)に配置される領域であり、装着時に装着者の排泄領域の前方に対向するように構成される。
中間領域M2は、装着時に装着者の排泄領域に対向するように構成される。ウイングを有するナプキンの場合には、ウイングの全長と重なる長手方向(X軸方向)の領域が中間領域M2となる。ウイングを有さないナプキンの場合には、ナプキンの全長を3等分したときの中央の領域を中間領域M2とする。なお、中間領域M2は、図示のように本体Mの前方寄りに位置してもよいし、本体Mの長手方向の中央部に位置してもよい。
後方領域M3は、中間領域M2の後方(装着者の背側)に配置される領域であり、装着時に装着者の排泄領域の後方に対向するように構成される。後方領域M3は、本実施形態において、前方領域M1及び中間領域M2の各々より長手方向に長く形成されている。これにより、後方への液の漏れを効果的に防止することができる。
サイドガードGは、中間領域M2を含む本体Mの幅方向周縁において、長手方向に延びるように配置される。
後方フラップ部Fは、後方領域M3から幅方向の外方に膨出するように構成され、装着時に装着者の下着の内面の臀部に面する領域に固定され得る。これにより、後方フラップ部Fは、装着時における装着者の動作に伴う後方領域M3の位置ずれを防止し、後方領域M3による後ろ漏れ防止機能をサポートすることができる。
なお、ナプキン1は、ウイング部W、サイドガードG、及び後方フラップ部Fのうちの少なくとも一つを有さなくてもよい。
図3は、図2のナプキンのIII-III線で切断した断面図である。
図2及び図3に示すように、ナプキン1は、吸収体11と、表面シート12と、裏面シート13と、一対のサイドシート14と、粘着部15と、圧搾溝16と、を備える。
なお、本体Mは、吸収体11と、表面シート12と、裏面シート13と、を有し、これらが積層された構成を有する。
吸収体11は、吸収性コア20とコアラップシート30とを有する。
吸収性コア20は、表面シート12に対向する一方の主面としての第1の面20aと、裏面シート13に対向する他方の主面としての第2の面20bとを有する。本実施形態において、第1の面20aは、凸状構造や溝を有する構造面として構成され、第2の面20bは平坦面として構成される。
表面シート12は、吸収性コア20の第1の面20aを被覆する。
裏面シート13は、吸収性コア20の第2の面20bを被覆する。
圧搾溝16により、装着時に装着者にフィットする形状への変形を誘導できるとともに、ナプキン1の幅方向及び長手方向外方への液漏れ防止効果を高めることができる。
次に、吸収性コアの構成について詳細に説明する。
図2は、ナプキン1における吸収性コア20と粘着部15との位置関係を示す平面図である。
図3は、ナプキン1の後方領域M3の断面図であり、吸収性コア20の後方コア部23に配列される縦溝部27と本体粘着部151との位置関係を示す。
図4は、吸収体11の一部を構成する吸収性コア20の平面図である。図4では、ナプキン1を平面視したときの、吸収性コア20に配列される縦溝部27と、裏面シート13の外面13aに設けられる本体粘着部151との位置関係を説明するために、本体粘着部151を鎖線で図示している。
吸収性コア20は、長手方向(X軸方向)に相互に対向する前方コア部21と後方コア部23と、前方コア部21と後方コア部23の間に位置する中間コア部22とを有する。吸収性コア20は、中間コア部22において括れた平面形状を有する。吸収性コア20の前方コア部21は前方領域M1のみに、中間コア部22は前方領域M1から中間領域M2を介して後方領域M3に亘る範囲に、後方コア部23は後方領域M3のみに、それぞれ配置される。
中間コア部22は、前方コア部21及び後方コア部23の間に位置し、前方コア部21及び後方コア部23よりも狭い幅を有する。
吸収性コア20において、縦溝部27及び横溝部28は、吸収性コア20の幅方向中心部に対して幅方向に対称に設けられる。
複数の横溝部28は、長手方向に配列され、長手方向に直交する幅方向に延びる。
複数の縦溝部27は、幅方向に配列され、長手方向に延びる。
各ブロック部は、平面視したときの頂部の平面形状が、四辺形状、略扇状、或いは矩形の一部が欠けた形状となっている。いずれのブロック部29においても頂部は略平坦面となっている。
受液面52では、高坪量部24が、低坪量部25、前方コア部21及び後方コア部23から厚み方向上方に突出する形状となっている。高坪量部24及び低坪量部25はそれぞれ平坦な面に複数の溝部が形成された形状となっている。
なお、図3の形態に代えて、高坪量部24がZ方向下方に突出する形態であってもよい。その場合、下着に貼り付けた際に裏面シート13を介して下方に突出した凸構造が上方へ押し上げられ、図3の形態と同様の構造となる。
吸収性コア20の厚みと坪量は相関関係にある。溝部を形成する底部は、ブロック部と比較して、相対的に坪量が低くなっている。これにより、溝部の底部は、ブロック部と比較して剛性が低くなる。したがって、吸収性コア20に対して外力が加わったとき、溝部を変形起点として吸収性コア20は変形しやすくなっている。
なお、変形し易さの観点からは、各溝部は、その周囲のブロック部よりも吸収性材料の坪量が小さいことが望ましい。ここで、「低坪量」とは、吸収性コアの材料が存在する形態の他、吸収性コアの材料が存在しない形態も含む概念である。しかしながら、吸収性コアの材料が存在する形態の方が、各溝部を介してその両側に位置する吸収性コアのブロック状部位が接続されているため、吸収性コアが動きによってヨレ・破壊・千切れ等を生じ難く、かつ柔軟性を付与することができるため、より好ましい。
次に、後方構造面53に配置される縦溝部27について詳細に説明する。
後方構造面53において、長手方向と直交する幅方向中心部に対して長手方向に延びる複数の縦溝部27が幅方向に対称に配列される。
5つの縦溝部27は、互いに離間し幅方向に等間隔の配列ピッチで配列される。ここで、配列ピッチとは、隣り合う縦溝部27の中心間距離である。
第1の縦溝部271は、5つの縦溝部のうちの最も幅方向の中央側に位置し、後方構造面53の幅方向中心部に位置する。
一対の第2の縦溝部272は、第1の縦溝部271に隣接してその両側に1つずつ配列される。
一対の第3の縦溝部273は、第1の縦溝部271及び一対の第2の縦溝部272を挟んで両側に1つずつ配列される。
第1の縦溝部271と第2の縦溝部272は同じ溝幅を有する。第3の縦溝部273は、第1の縦溝部271及び第2の縦溝部272の溝幅よりも狭い溝幅を有する。
各ブロック部29は、第1の縦溝部271の溝幅aよりも広い幅寸法を有する。ここでブロック部29の幅寸法とは、幅方向(Y軸方向)における寸法を示す。
後方構造面53の幅方向の中央部に位置する2列のブロック部群のすぐ両側に位置する一対のブロック部群の各ブロック部29の幅寸法は、幅方向の最も外側に位置する一対のブロック部群の各ブロック部29の幅寸法よりも短い。
このように後方構造面53では、幅方向の側端側から中央に向かって徐々にブロック部の幅寸法が短くなっている。
なお、「幅方向の中央部」とは、吸収性物品を幅方向に二等分する中心線を含む中央側の領域のことであり、中間コア部22では装着者の排泄部と対向する部分を含む領域を指し、後方コア部23では臀裂61と対向する部分を含む領域を指している。
次に、吸収性コアの縦溝部と本体粘着部との位置関係について図2から図4を用いて説明する。
一対の本体粘着部151は、互いに離間して略平行に配置される長手方向に延びる第1の本体粘着部151aと、第2の本体粘着部151bと、を含む。第1の本体粘着部151aと第2の本体粘着部151bは、同じ幅(Y軸方向における寸法)、同じ全長を有する矩形状を有し、ナプキン1の幅方向中心線で対称となっている。
一対の本体粘着部151は、本体Mの一対の第2の縦溝部272及び一対の第3の縦溝部273と裏面シート13を挟んで厚み方向で対向する領域に配置される。
粘着部15は例えばホットメルト接着剤からなる。
平面視したときに、第1の縦溝部271は、本体粘着部151が配置される領域内に位置しない。第1の縦溝部271と本体粘着部151とは重なり合わない。
すなわち、図4に示すように、平面視したときに、後方コア部23の幅方向の最も外側に位置する長手方向に沿ったブロック部群の各ブロック部29は、一部が本体粘着部151と重なりあい、他の部分が本体粘着部151と重なり合わない。
吸収性コア20に含まれる親水性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル、ポリアミド等の縮合系繊維等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
吸収性コア20に含まれる吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸-ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、でんぷん-アクリル酸グラフト共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
図5は、本実施形態のナプキン1を着用した際の装着者の臀部60の臀裂61とナプキン1の後方領域M3における後方コア部23の変形状態との関係を説明する模式図である。図5では、図面をわかりやすくするためにナプキン1の一部の構成を省略して図示しており、吸収性コア20及び本体粘着部151のみを図示している。
更に、このような吸収性コア20を有するナプキン1において、複数の縦溝部のうち最も幅方向の中央側に位置する第1の縦溝部271には本体粘着部151を対向配置させず、第1の縦溝部271の両側に位置する第2の縦溝部272には本体粘着部151を対向配置させている。
このため、第1の縦溝部271の底部の変形は、本体粘着部151により阻害されにくく、第2の縦溝部272の底部の変形は、本体粘着部151により阻害されやすくなっている。
したがって、本実施形態のナプキン1の第2の縦溝部272が配列され本体粘着部151が設けられる領域は、鋭角に変形する第1の縦溝部271が配列される領域に追従し、臀裂付近の形状に沿って緩やかに変形しやすくなっている。これにより、臀裂付近とナプキン1との間の隙間が小さくなり、フィット性が向上し、後方部の横漏れが抑制される。
これにより、後方領域M3において、本体粘着部151が配置されず第1の縦溝部271が配列される幅方向の中央部が最も変形しやすく、中央部から側方部に向かって段階的に変形しやすさが減少するように変化する。これにより、臀裂から臀部の膨らみにかけた領域に対応する本体Mの変形が緩やかとなり、フィット性が向上する。従って、臀部とナプキン1との間の隙間が小さくなり、フィット性が向上し、後方部の横漏れが抑制される。
これにより、第1の縦溝部271が変形起点となりやすく、ナプキン1が装着された際、臀裂に沿って理想的な形状にナプキン1が変形しやすい。
例えば第1の縦溝部271が、ブロック部29の幅寸法と等しい、或いは、ブロック部29の幅寸法よりも広い溝幅を有する場合、変形起点となる範囲が広くなり、変形起点位置が大きくずれやすい。
これに対し、本実施形態のように、第1の縦溝部271の溝幅を、ブロック部29の幅寸法よりも狭くすることにより、変形起点がずれにくく、ナプキン1は所望の形状に変形しやすい。
例えば、後方領域M3の幅方向の両側方部に、本体粘着部151が配置されず縦溝部が配列される領域がある場合、装着時に、この縦溝部を起点として後方フラップ部Fが第1の面20a側に折れ込むように変形する場合がある。
これに対し、本実施形態では、第1の縦溝部271以外の縦溝部27の全てが一対の本体粘着部151と厚み方向で対向配置されるので、両側方部に配列される縦溝部27の底部の変形は本体粘着部151により阻害され、後方フラップ部Fが第1の面20a側に折れ込むように変形するのが抑制される。
以下、本実施形態の説明を補足する。
溝部の幅は、溝部の開口部における幅を測定することにより求める。吸収性コアを水平に置き、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX-1000)により測定倍率を調整して第1の面20aを拡大することで、開口幅を測定する。
或いは、フェザー社製片刃剃刀を用いて吸収性コア20を切断し、切断されたサンプルの断面を、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX-1000)を用いて20~100倍の倍率で観察し、溝幅を測定してもよい。
測定対象である吸収性コア20の厚みの測定は、各々の部位について坪量を測定するために切り出した小片の厚みを測定することで行う。吸収性コアより切り出した小片を5kPaの圧力で10分間加圧し、除重後すぐに測定を行う。除重後のサンプルの中央域に、大きさ20mm×20mm、厚み3mmのアクリルプレートを置き、KEYENCE社製非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK-G30、変位計LK-GD500)を用い、サンプルの厚みを測定する。切り出した小片の大きさが小さく、非接触式レーザー変位計により測定し難い場合には、前記切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX-1000)を用いて20~100倍の倍率で観察し、測定してもよい。
上記吸収性コア20及び本体粘着部151の数値例について説明する。尚、ここに記載する数値に限定されない。
縦溝部27の溝幅、本体粘着部151の幅等は、吸収性コア20の幅、縦溝部27の深さ、縦溝部27の底部及びブロック部29の厚みに応じて適宜設定される。
本体粘着部151の全長寸法は、吸収性コア20の全長及びナプキン1の全長に応じて適宜設定される。
一対の本体粘着部151の間隔は、第1の縦溝部271の幅に応じて適宜設定される。
溝部27、28の底部及びブロック部29の厚みは坪量と相関関係にある。溝部27、28の底部及びブロック部29の厚み、坪量は、装着者に違和感を与えにくい適度な厚みで快適な装着感を提供しつつ十分な吸収量が得られるように適宜設定される。
細縦溝部である第3の縦溝部273の幅aは、後方部が臀部に沿って柔らかく変形し易くするために、好ましくは0.5mm以上2.5mm以下、更に好ましくは1mm以上2mm以下であり、本実施形態では1.5mmとした。
後方コア部23に配列される縦溝部27の配線ピッチは、例えば11mm以上15mm以下であり、本実施形態では13mmとした。
一対の本体粘着部151の間隔bは、例えば3mm以上20mm以下であり、本実施形態においては10mmとした。
一対の本体粘着部151の全長、すなわちX軸方向の寸法は、例えば吸収性コア20の全長に満たない長さとすることができる。
一対の本体粘着部151の間隔bは、例えば第1の縦溝部271の幅aの寸法以上の大きさであり、一対の第2の縦溝部272の間隔よりも小さいことが好ましい。すなわち、平面視したときに、少なくとも本体粘着部151が設けられる領域内に第2の縦溝部272が位置するように、本体粘着部151と第2の縦溝部272とが重なりあえばよい。
ナプキン1を平面視したときに、一対の本体粘着部151の間に第1の縦溝部271が配列されるように、一対の本体粘着部151の間隔bは、第1の縦溝部271の溝幅、本体粘着部151となるホットメルト接着剤の裏面シート13への塗布時の幅方向の位置ずれやナプキン1の組立時の幅方向の位置ずれ等のマージンを見込んで例えば設定される。
幅eは、後方コア部23の幅D、後方コア部23に配列される幅方向で最も外側に配列される縦溝部27の位置に応じて適宜設定される。
一対の本体粘着部151の幅eは、後方コア部23において、一対の本体粘着部151が第1の縦溝部271以外の縦溝部27と厚み方向で対向配置されるように設定される。
後方コア部23のブロック部29の厚みは、例えば2mm以上10mm以下である。
後方コア部23の中央2列のブロック部群に隣接し、中央2列のブロック部群を介して対向配置される一対のブロック部群の各ブロック部29の幅方向の寸法は、例えば10mm以上11.5mm以下であり、本実施形態では11mmとした。
後方コア部23の最も外側に位置する一対のブロック部群の各ブロック部29の幅方向の寸法は、例えば10.7mm以上12.3mm以下であり、本実施形態では11.5mmとした。
後方コア部の後方構造面に配列される溝部の形態は第1の実施形態に限定されない。
以下、他の実施形態例として、第2~第4の実施形態を例にあげて説明する。
各実施形態の説明で用いる吸収性コアの平面図は、溝部が配列される第1の面側の平面図に相当する。
第1の縦溝部271は、5つの縦溝部のうち最も幅方向の中央側に位置する。
一対の第2の縦溝部272は、第1の縦溝部271の両側に1つずつ配列される。
一対の第3の縦溝部273は、第1の縦溝部271及び一対の第2の縦溝部272を挟んで両側に1つずつ配列される。
すなわち、平面視したときに、第2の縦溝部272及び第3の縦溝部273と、本体粘着部151とは重なり合うが、第1の縦溝部271と本体粘着部151とは重なり合わない。
したがって、ナプキンの第2の縦溝部272が配列され本体粘着部151が設けられる領域は、優先的に鋭角に変形する第1の縦溝部271が配列される領域に追従し、臀裂付近の形状に沿って緩やかに変形しやすくなっている。これにより、臀裂付近とナプキンとの間の隙間が小さくなり、フィット性が向上し、後方部の横漏れが抑制される。
これにより、第1の実施形態と同様に、第1の縦溝部271が変形起点となりやすく、ナプキン1が装着された際、臀裂に沿って理想的な形状にナプキン1が変形しやすい。
例えば、後方領域M3の幅方向の両側方部に、本体粘着部151が配置されず縦溝部が配列される領域がある場合、装着時に、この縦溝部を起点として後方フラップ部Fが第1の面20a側に折れ込むように変形する場合がある。
これに対し、下記の各実施形態の吸収性コアを備えるナプキンでは、第1の縦溝部271以外の縦溝部27の全てが一対の本体粘着部151と厚み方向で対向配置されるので、両側方部に配列される縦溝部27の底部の変形は本体粘着部151により阻害され、後方フラップ部Fが第1の面20a側に折れ込むように変形するのが抑制される。
第1の実施形態の吸収性コア20では溝幅が異なる縦溝部27が配列されていたが、第2の実施形態の吸収性コア120では複数の縦溝部27の溝幅が同じとなるように構成される。
図6は、吸収性コア120の平面図であり、後方コア部23に配列される縦溝部27と本体粘着部151との位置関係を示す。図6において、本体粘着部151は鎖線で示している。
第1の実施形態の吸収性コア20では、幅方向の中央部に配列される第1の縦溝部271及び第2の縦溝部272の溝幅が広く、両側方部に配列される第3の縦溝部273の溝幅が狭くなるように構成されていた。これに対し、第3の実施形態の吸収性コア220では、最も幅方向の中央側に配列される第1の縦溝部271のみ溝幅が広く、第2の縦溝部272及び第3の縦溝部273の溝幅が第1の縦溝部271よりも狭くなるように構成される。
第1の縦溝部271は、第2の縦溝部272及び第3の縦溝部273よりも幅広の溝幅を有し、例えば第1の実施形態の第1の縦溝部271と同じ4mmの溝幅を有する。
第2の縦溝部272及び第3の縦溝部273はいずれも同じ溝幅を有し、例えば第1の実施形態の第2の縦溝部272の溝幅と同じ1.5mmの溝幅を有する。
配列ピッチは例えば13mmである。
中央に位置する2列のブロック部群の各ブロック部29の幅寸法は、例えば10.25mmである。
後方構造面53の中央に位置する2列のブロック部群以外の4列のブロック部群の各ブロック部29の幅寸法は、例えば11.5mmである。
第4の実施形態の吸収性コア320は、第2の実施形態の吸収性コア120と同様に、複数の縦溝部27の溝幅が同じとなるように構成される。第2の実施形態の吸収性コア120では縦溝部27が細縦溝部であったが、第4の実施形態での吸収性コア320では、縦溝部27が太縦溝部である点で相違する。
上述の第1の実施形態のナプキン1、第2~第4の各実施形態の吸収性コア120、220、320を備えたナプキン、比較用ナプキンの計5種類のサンプルに対して同様の液流れ性試験を行い、評価した。
吸収性コア20には、パルプ繊維(「NB416」(商品名)、ウエハウザー社製)と吸収性ポリマー(「CAW151」(商品名)、株式会社日本触媒社製)とを混合積繊した混合積繊体を用いた。後方コア部23のブロック部29において、パルプ繊維の坪量を240g/m2とし、吸収性ポリマーの坪量を16g/m2とした。
コアラップシート30には坪量16g/m2の吸収紙(伊野紙株式会社製)を用いた。
裏面シート13には、厚み25μmのポリエチレン製フィルムを用いた。
女性がたっている状態の腰部部分を再現したアクリル樹脂製の透明なモデルに、上述の生理用ナプキンのサンプルを、生理用ショーツ(花王株式会社製、製品名ロリエアクティブガード(しっかりモード)、Lサイズ)を用いて疑似的に装着した。このナプキンを装着した透明なモデルを、評価台に仰向けに寝た姿勢をとるように置いた。
液流れ性の評価基準は、液流れ距離が50mm未満を○、50mm以上80mm未満を△、80mm以上を×とした。
第1から第4の実施形態におけるナプキンは、比較例のナプキンと比較して、ナプキンの後方領域の幅方向中心に第1の縦溝部271が配列され、この第1の縦溝部271の裏面シート13を介して対向する領域に本体粘着部151は存在しない。したがって、第1の縦溝部271の底部の変形は本体粘着部151により阻害されない。
これにより第1から第4の実施形態のナプキンでは、装着されたときに、後方領域M3で幅方向中心に配列される第1の縦溝部271が変形起点となって臀裂に向かってナプキンの後方領域M3が突出するように変形しやすい構造となっている。
第1の実施形態のナプキン1では、後方構造面53の一対の本体粘着部151が対向配置される領域には、幅方向の中央部から側方部に向かって順に太縦溝部(第2の縦溝部272)、細縦溝部(第3の縦溝部273)が配列される。太縦溝部が配列される領域は細縦溝部が配列される領域よりも剛性が低く、変形しやすくなる。これにより、ナプキン1の一対の本体粘着部151が配置される領域では、幅方向に変形しやすさが変化している。
これにより、臀裂から臀部の膨らみにかけた領域に対応する本体Mの変形が緩やかとなり、フィット性が向上する。
このため、第1の実施形態のナプキンは、臀部とナプキンとの間の隙間が小さくなりやすく、第2~第4の実施形態のナプキンと比較して更にフィット性が向上し、液流れ性が特に良好となる結果が得られた。
これは、第1の縦溝部271の溝幅をより広くすることにより、第1の縦溝部271における変形領域が幅方向に広くなってナプキンの後方の幅方向の中央部の変形度合いが増し、変形によるナプキンの突出部分がより鋭角になって臀裂に入り込むようにナプキンが変形したためであり、液流れ性がより良好となる結果が得られた。
これに対し、例えば吸収性コア20の括れ形状の平面外形と同様に、一対の本体粘着部全体の外形が、中間コア部22に対応する領域で幅が狭く、前方コア部21及び後方コア部23に対応する領域で幅が広くなるように、長手方向の全長にわたって幅が変化する括れ形状としてもよい。
また、上述の各実施形態の吸収性コアは、中間コア部22が、前方コア部21及び後方コア部23よりも幅狭となった括れのある平面形状であった。これに対し、吸収性コアの長手方向において幅の寸法が変化しない、括れのない平面形状の吸収性コアとしてもよい。
第2から第4の各実施形態において、前方コア部21に配列される縦溝部27の溝幅を、後方コア部23に配列される同一直線上に位置する縦溝部27の溝幅と同じとなるようにしてもよい。
3種類の溝幅の縦溝部をそれぞれ幅の広いものから順に、太縦溝部、中太縦溝部、細縦溝部とした場合、例えば幅方向中心部に位置する第1の縦溝部を太縦溝部、第1の縦溝部の両側に位置する第2の縦溝部を中太縦溝部、最も外側に位置する第3の縦溝部を細縦溝部として配列することができる。
或いは、幅方向中心部に位置する第1の縦溝部を太縦溝部、第1の縦溝部の両側に位置する第2の縦溝部最を細縦溝部、最も外側に位置する第3の縦溝部を中太縦溝部として配列することができる。
3種類以上の溝幅の縦溝部が配列される場合、最も幅が広い太縦溝部が後方コア部の幅方向中心に配列されるのが望ましく、変形起点になりやすい。
12…表面シート
13…裏面シート
20、120、220、320…吸収性コア
20a…第1の面(一方の主面)
20b…第2の面(他方の主面)
27…縦溝部
28…横溝部
29…ブロック部
53…後方構造面(構造面)
151…本体粘着部(粘着部)
271…第1の縦溝部
272…第2の縦溝部
273…第3の縦溝部
M…本体
Claims (4)
- 長手方向の両端部側に位置する前方コア部及び後方コア部と、前記前方コア部と前記後方コア部との間に位置する中間コア部とを含み、前記長手方向と直交する幅方向中心部に対して前記長手方向に延びる複数の縦溝部が前記幅方向に対称に配列された吸収性コアと、前記吸収性コアの一方の主面を被覆する表面シートと、前記吸収性コアの前記一方の主面とは反対の他方の主面を被覆する裏面シートとを有する本体と、
前記本体に前記長手方向に沿って設けられた一対の粘着部と、
前記本体の後方領域から前記幅方向の外方に膨出する後方フラップ部と、
を具備し、
前記後方コア部は前記複数の縦溝部を有する構造面を有し、
前記構造面は、
前記複数の縦溝部のうち最も幅方向の中央側に位置し、前記中間コア部に設けられる縦溝部よりも溝幅が広い1つの第1の縦溝部と、
前記第1の縦溝部の両側に配列され、前記第1の縦溝部と同じ溝幅或いは前記第1の縦溝部よりも狭い溝幅を有する、一対の第2の縦溝部と、
前記第1の縦溝部及び前記一対の第2の縦溝部を挟んでその両側に配列され、前記第2の縦溝部よりも狭い溝幅を有する、一対の第3の縦溝部と
を有し、
前記一対の粘着部は、前記一対の第2の縦溝部及び前記一対の第3の縦溝部に前記裏面シートを挟んで対向して位置し、前記第1の縦溝部に前記裏面シートを挟んで対向して位置せず、平面視で前記第2の縦溝部及び前記第3の縦溝部は、幅方向において前記粘着部が配置される領域内に位置する
吸収性物品。 - 請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記構造面は、前記長手方向に配列され前記複数の縦溝部と直交する複数の横溝部を更に有し、
前記複数の縦溝部と前記複数の横溝部とにより区画される各ブロック部は、前記第1の縦溝部の溝幅よりも広い幅寸法を有する
吸収性物品。 - 請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記後方コア部が位置する領域に、前記吸収性コア及び前記表面シートを圧搾加工して形成され、平面視で前記粘着部と重なって位置する圧搾溝
を更に具備する吸収性物品。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
前記構造面は、前記表面シート側に位置する
吸収性物品。
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