JP2023065047A - 光触媒コーティング構造、光触媒被覆部材及び光触媒コーティング方法 - Google Patents

光触媒コーティング構造、光触媒被覆部材及び光触媒コーティング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、揮発性有機化合物を発生しやすい基材上に設けることができかつ優れた悪臭物質除去効率を有する光触媒コーティング構造を提供する。【解決手段】本発明の光触媒コーティング構造は、プライマー層と、前記プライマー層上に設けられた光触媒層とを備え、前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂と、前記ポリビニルアルコール系樹脂に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子とを含み、前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度が90mol%以上である場合、前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は28mPa・sより大きく、前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度が90mol%未満である場合、前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は44mPa・sより小さいことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒コーティング構造、光触媒被覆部材及び光触媒コーティング方法に関する。
光触媒は、受光することにより光触媒活性を発揮し有機化合物などを酸化分解する。このため、様々な基材に光触媒コーティングを施しその表面に光触媒層を形成することにより、悪臭物質や汚れなどを酸化除去することができる。特に、酸化タングステンは、可視光を受光することにより光触媒活性を発揮するため、窓からの採光や室内灯の光を利用して室内や車内の悪臭物質や汚れなどを除去することが可能である。
しかし、建材、内装材、家具、電化製品などの多くには合成樹脂、接着剤、塗料、防腐剤などの有機化合物が用いられており、建材、内装材、家具又は電化製品からホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物が発生する場合がある。このような揮発性有機化合物を発生させる建材、内装材、家具又は電化製品に光触媒コーティングを施しその表面に光触媒層を形成した場合、基材である建材、内装材、家具又は電化製品から発生する揮発性有機化合物が光触媒活性により優先的に分解され、空気中の悪臭物質の除去効率が低下する。このような悪臭物質の除去効率の低下を抑制する方法として、粘土鉱物を用いて揮発性有機化合物をバリアする光触媒コーティング構造が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2020-157289号公報 特開2020-196863号公報
従来の光触媒コーティング構造では、基材と光触媒層との間に粘土鉱物層を設ける。この粘土鉱物層に含まれる粘土鉱物粒子の粒間を揮発性有機化合物が通過する場合があり、粘土鉱物層のガスバリア性は低い。また、光触媒層に粘土鉱物を混ぜ込んだ場合、粘土鉱物粒子の間の光触媒粒子付近を揮発性有機化合物が通過する場合があり、ガスバリア性が低い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、揮発性有機化合物を発生しやすい基材上に設けることができかつ優れた悪臭物質除去効率を有する光触媒コーティング構造を提供する。
本発明は、プライマー層と、前記プライマー層上に設けられた光触媒層とを備え、前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂と、前記ポリビニルアルコール系樹脂に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子とを含み、前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度が90mol%以上である場合、前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は28mPa・sより大きく、前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度が90mol%未満である場合、前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は44mPa・sより小さいことを特徴とする光触媒コーティング構造を提供する。
本発明の光触媒コーティング構造に含まれるプライマー層では、ポリビニルアルコール系樹脂により板状の粘土鉱物粒子の隙間を埋めることができ、プライマー層が優れたガスバリア特性を有することができる。このため、揮発性有機化合物を発生しやすい基材上に本発明の光触媒コーティング構造を設けた場合であっても、揮発性有機化合物が光触媒層の光触媒活性に影響を与えることを抑制することができ、光触媒層が優れた悪臭物質除去効率を有することができる。
本発明の一実施形態の光触媒コーティング構造を有する光触媒被覆部材の概略断面図である。 実施例1~5、比較例1~5の試料のプライマー層に含まれるポリビニルアルコール樹脂(PVA)のけん化度(mol%)と、20℃における4%水溶液粘度(mPa・s)との関係を、ガス分解性能の評価と共に示しているグラフである。
本発明の光触媒コーティング構造は、プライマー層と、前記プライマー層上に設けられた光触媒層とを備え、前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂と、前記ポリビニルアルコール系樹脂に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子とを含むことを特徴とする。
前記粘土鉱物粒子は、層状珪酸塩を含む粒子であることが好ましい。また、前記粘土鉱物粒子は、ベントナイト粒子、サポナイト粒子及びマイカ粒子のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は、90mol%以上であり、かつ、前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は、28mPa・sより大きいことが好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は、90mol%未満であり、かつ、前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は、44mPa・sより小さいことが好ましい。
前記プライマー層におけるポリビニルアルコール系樹脂の割合は、5重量%以上95重量%以下であり、前記プライマー層における粘土鉱物粒子の割合は、5重量%以上95重量%以下であることが好ましい。
前記プライマー層におけるポリビニルアルコール系樹脂の重量に対する粘土鉱物粒子の重量の比は、0.05以上20以下であることが好ましい。
前記プライマー層の厚さは、0.5μm以上50μm以下であることが好ましい。
本発明は、本発明の光触媒コーティング構造と、基材とを備えた光触媒被覆部材も提供する。前記基材は、有機化合物を含み、かつ、前記光触媒コーティング構造によりコーティングされている。
本発明は、有機化合物を含む基材上に、ポリビニルアルコール系樹脂と、前記ポリビニルアルコール系樹脂に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子とを含むプライマー層を形成する工程と、前記プライマー層上に光触媒層を形成する工程とを含むことを特徴とする光触媒コーティング方法も提供する。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
図1は、本実施形態の光触媒コーティング構造を有する光触媒被覆部材の概略断面図である。
本実施形態の光触媒コーティング構造7は、プライマー層3と、プライマー層3上に設けられた光触媒層6とを備え、プライマー層3は、ポリビニルアルコール系樹脂4と、ポリビニルアルコール系樹脂4に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子5とを含むことを特徴とする。
光触媒コーティング構造7は、基材2をコーティングするように設けることができる。
基材2は、プライマー層3及び光触媒層6によりコーティングされる対象物であり、有機化合物を含む。例えば、基材2は、壁紙、化粧板、樹脂板、カーテン、木質フローリング、樹脂系フローリング、畳、絨毯、木製家具、プラスチック製家具、内装材、電化製品のプラスチック製筐体、断熱材、布、皮革、プラスチック、ゴム、木、紙、樹脂塗膜などである。また、基材2は、接着剤、塗料、防腐剤、殺虫剤などを含んでもよい。
プライマー層3は、基材2をコーティングする層であり、光触媒層6を形成するための下塗りで形成される層である。プライマー層3は、ポリビニルアルコール系樹脂4と、ポリビニルアルコール系樹脂4に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子5とを含む。このようなプライマー層3を設けることにより、基材2から発生する揮発性有機化合物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなど)がプライマー層3を通過し光触媒層6に達することを抑制することができ、基材2から発生する揮発性有機化合物により光触媒層6の悪臭物質除去効果が低下することを抑制することができる。
また、プライマー層3は、マトリクスであるポリビニルアルコール系樹脂4に粘土鉱物粒子5が分散した粒子分散型複合材料から構成されてもよい。
プライマー層3の厚さは、好ましくは0.5μm以上50μm以下であり、より好ましくは10μm以上50μm以下である。
プライマー層3は、例えば、粘土鉱物粒子5が混ぜ込まれたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を基材2に塗布し、塗布膜を乾燥させることにより形成することができる。用いられる塗布法としては、例えば、ブレードコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、バーコーティング、刷毛塗り、ローラブラシ塗り、ロールコーター塗装、カーテンフローコーター塗装などである。
プライマー層3に含まれる板状の粘土鉱物粒子5は、例えば、層状珪酸塩を含む粒子である。また、プライマー層3に含まれる粘土鉱物粒子5は、ベントナイト粒子、サポナイト粒子及びマイカ粒子のうち少なくとも1つを含むことができる。すなわち、プライマー層3は、複数種の粘土鉱物粒子5を含むことができる。
プライマー層3における粘土鉱物粒子5の割合は、好ましくは5重量%以上95重量%以下であり、より好ましくは30重量%以上80重量%以下である。また、プライマー層3におけるポリビニルアルコール系樹脂4の重量に対する粘土鉱物粒子5の重量の比は、好ましくは0.05以上20以下であり、より好ましくは0.42以上4以下である。
粘土鉱物粒子5のアスペクト比は、例えば、20以上500以下である。また、粘土鉱物粒子5の厚さは、例えば、1nm以上200nm以下である。プライマー層3がこのような粘土鉱物粒子5を含むことにより、プライマー層3のガスバリア性を向上させることができる。また、粘土鉱物粒子5がポリビニルアルコール系樹脂4に混ぜ込まれるため、粘土鉱物粒子5の粒子間もポリビニルアルコール系樹脂4によりバリアすることができ、プライマー層3が高いガスバリア性を有することができる。
プライマー層3に含まれるポリビニルアルコール系樹脂4は、例えば、無変性ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールなどである。
プライマー層3におけるポリビニルアルコール系樹脂4の割合は、好ましくは5重量%以上95重量%以下であり、より好ましくは20重量%以上70重量%以下である。
また、ポリビニルアルコール系樹脂4のけん化度は、例えば、70mol%以上である。また、ポリビニルアルコール系樹脂4の20℃における水溶液粘度は、例えば、5mPa・s以上150mPa・s以下である。
ポリビニルアルコール樹脂(PVA)は、通常、ポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に置き換えるけん化反応を経て合成される。このけん化反応の反応進行度の違いにより、PVAに含まれる酢酸基と水酸基の合計数に対する水酸基の割合(けん化度)が異なる。けん化度が高いほどPVA中の水酸基の割合が高くなる。PVAのけん化度は、日本工業規格JIS K 6726-1994の記載の試験方法及び算出方法により測定・算出することができる。
PVA水溶液の粘度は、PVAの重合度、分子量に依存して変化するため、20℃における4%水溶液粘度(mPa・s)は、PVAの重合度、分子量を示す指標として用いられている。PVAの20℃における4%水溶液粘度は、日本工業規格JIS K 6726-1994の記載の試験方法及び算出方法により測定・算出することができる。
プライマー層3に含まれるポリビニルアルコール系樹脂4のけん化度が90mol%以上である場合、このポリビニルアルコール系樹脂4の20℃における4%水溶液粘度は、28mPa・sより大きいことが好ましい。このことにより、プライマー層3が高いガスバリア性を有することができる。
プライマー層3に含まれるポリビニルアルコール系樹脂4のけん化度が90mol%未満である場合、このポリビニルアルコール系樹脂4の20℃における4%水溶液粘度は、44mPa・sより小さいことが好ましい。このことにより、プライマー層3が高いガスバリア性を有することができる。
光触媒層6は、光触媒を含む層であり、光触媒層6が受光することにより生じる光触媒活性により空気中の有機化合物(例えば、悪臭物質)を除去する機能を有する。光触媒層6に含まれる光触媒は、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(WO3)などである。光触媒層6に含まれる酸化タングステンは、光触媒活性を有すれば、化学量論的組成からずれていてもよい。また、光触媒層6は、光触媒粒子(例えば、酸化タングステン粒子)の表面に助触媒を有してもよい。助触媒は、例えば、Pt、Pd、Rh、Ru、Os、Irなどである。
光触媒層6は、バインダーを含んでもよい。バインダーは、例えば、シランカップリング剤などのシラン系バインダーである。シラン系バインダーは、プライマー層3の表面のポリビニルアルコール系樹脂4と反応し結合するため、光触媒層6とプライマー層3との密着性を向上させることができる。
光触媒層6は、分散媒に光触媒粒子が分散した光触媒塗布液をプライマー層3上に塗布することにより塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥させることにより形成することができる。用いられる塗布法としては、例えば、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、バーコーティング、刷毛塗り、ローラブラシ塗り、ロールコーター塗装、カーテンフローコーター塗装などである。
光触媒塗布液に含まれる光触媒微粒子の平均粒子径は、例えば、0.01μm以上10.0μm以下である。
また、光触媒層6に含まれる光触媒が0.1g/m2以上10g/m2以下となるように光触媒層6を形成することができる。
光触媒被覆部材の作製
実施例1~5、比較例1~5の試料(光触媒被覆部材)を作製した。各試料の作製では、表1に示すようなけん化度及び4%水溶液粘度が異なるポリビニルアルコール樹脂(PVA)を用いた。
まず、PVA粉末を90℃以上に加温したお湯に重量割合10wt%になるように加え、1時間以上スターラーを用いて攪拌し、PVA粉末をお湯に溶解させた。そして攪拌しながら冷却し、10wt%PVA水溶液を調製した。
PVA粉末には、クラレ株式会社製のクラレポバール(登録商標)60-98、クラレポバール9-88、クラレポバール22-88、クラレポバール30-88、クラレポバール32-80、クラレポバール28-98、クラレポバール11-98、クラレポバール44-88、クラレポバール95-88、又はクラレポバール48-80を用いた。表1には、これらのPVA粉末のけん化度(mol%)と、20℃における4%水溶液粘度(mPa・s)も示している。
Figure 2023065047000002
次に、10wt%PVA水溶液に水及び片倉コープアグリ株式会社製のソマシフ(登録商標)MEB-3(合成マイカ、粘土鉱物)を加え、攪拌することによりプライマー層用の塗布液(PVA:2wt%、粘土鉱物:2wt%)を調製した。このプライマー層用塗布液を株式会社サンゲツ製の塩化ビニル樹脂系壁紙(5.2cm×7.6cm)(基材)に滴下し、塗布液をブレードで均一にならすことにより、壁紙の一面を覆う塗布液層を形成した。そして、この塗布液層を145℃のオーブンで10分間乾燥させることにより、壁紙(基材)上にプライマー層を形成した。
次に、2wt%酸化タングステンスラリー液(分散媒:水)をプライマー層上にスプレー塗布しスラリー液層を形成し、このスラリー液層を80℃で1時間乾燥させ光触媒層(酸化タングステン:0.8g/m2)を形成した。
このようにして、壁紙(基材)上にプライマー層と光触媒層とがこの順で積層された実施例1~5、比較例1~5の試料(光触媒被覆部材)を作製した。
ガス分解性能評価実験
実施例1~5、比較例1~5の試料のガス分解性能を評価する実験を行った。
作製した試料から4cm×6cmの大きさの試験片を切り出し、この試験片の周縁をガラス板に貼り付けることによりガス分解性能評価用サンプルを作製した。このガス分解性能評価用サンプルを透明なガスバック(容量:0.5L)の中に入れ、その後、ガスバック中に18ppmアセトアルデヒドを含む乾燥空気を充填し、ガスバックの開口部を密封した。そして、ガスバッグの外から青色のLED光(中心波長:450nm、照度13,000ルクス)をガス分解性能評価用サンプルの光触媒層に24時間照射した。照射開始から24時間後にガスバック内の気体のアセトアルデヒド濃度を測定しガスバック内のアセトアルデヒド濃度の減少率を算出した。アセトアルデヒド濃度の測定には、アセトアルデヒド用ガス検知管(株式会社ガステック製「92L」)を用いた。アセトアルデヒド濃度の減少率(%)は、式:{(18ppm-測定濃度)/18ppm}×100を用いて算出した。
また、実施例1~5の試料については、壁紙(基材)上にプライマー層及び光触媒層を形成した後、試料を20日間放置し、その後、ガス分解性能評価用サンプルを作製した。そして、上記と同様の方法でアセトアルデヒド濃度測定を行い、アセトアルデヒド濃度の減少率を算出した。
各試料のアセトアルデヒド濃度の減少率及びガス分解性能の評価を表1に示す。ガス分解性能の評価は、アセトアルデヒド濃度の減少率が50%以上であった試料の評価を「○」とし、アセトアルデヒド濃度の減少率が50%未満であった試料の評価を「×」とした。
また、図2に、実施例1~5、比較例1~5の試料のプライマー層に含まれるポリビニルアルコール樹脂(PVA)のけん化度(mol%)と、20℃における4%水溶液粘度(mPa・s)との関係を、ガス分解性能の評価と共に示している。
これらの結果から、ポリビニルアルコール樹脂のけん化度が90mol%以上であり、かつ、ポリビニルアルコール樹脂の20℃における4%水溶液粘度が28mPa・sより大きい場合、光触媒被覆部材のガス分解性能が高くなることがわかった。この理由は明らかではないが、PVAは水酸基間の水素結合により部分的な結晶構造を形成し、この結晶構造は湿度(水分子)の影響を受けにくいと考えられる。このため、けん化度が高く4%水溶液粘度(重合度、分子量)が大きい場合、この結晶構造がプライマー層の広範囲に隙間なく形成されPVAの結晶化度が高くなり、プライマー層のバリア性が高くなると考えられる。
また、ポリビニルアルコール樹脂のけん化度が90mol%未満であり、かつ、ポリビニルアルコール樹脂の20℃における4%水溶液粘度が44mPa・sより小さい場合、光触媒被覆部材のガス分解性能が高くなることがわかった。この理由は明らかではないが、けん化度が低い場合PVA中に酢酸基が残りその分だけ水酸基が少なくなるため、プライマー層が湿度(水分子)の影響を受けにくいと考えられる。また、けん化度が低く酢酸基が残っているPVAでは、4%水溶液粘度(重合度、分子量)が小さいほうが、PVA分子の自由度が高くなり前記結晶構造が形成されやすくなると考えられる。このため、PVAの結晶化度が高くなりプライマー層のバリア性が高くなると考えられる。
2:基材 3:プライマー層 4:ポリビニルアルコール系樹脂 5:粘土鉱物粒子 6:光触媒層 7:光触媒コーティング構造 8:光触媒被覆部材

Claims (9)

  1. プライマー層と、前記プライマー層上に設けられた光触媒層とを備え、
    前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂と、前記ポリビニルアルコール系樹脂に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子とを含み、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は、90mol%以上であり、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は、28mPa・sより大きいことを特徴とする光触媒コーティング構造。
  2. プライマー層と、前記プライマー層上に設けられた光触媒層とを備え、
    前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂と、前記ポリビニルアルコール系樹脂に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子とを含み、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は、90mol%未満であり、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂の20℃における4%水溶液粘度は、44mPa・sより小さいことを特徴とする光触媒コーティング構造。
  3. 前記粘土鉱物粒子は、層状珪酸塩を含む粒子である請求項1又は2に記載の光触媒コーティング構造。
  4. 前記粘土鉱物粒子は、ベントナイト粒子、サポナイト粒子及びマイカ粒子のうち少なくとも1つを含む請求項1~3のいずれか1つに記載の光触媒コーティング構造。
  5. 前記プライマー層における前記ポリビニルアルコール系樹脂の割合は、5重量%以上95重量%以下であり、
    前記プライマー層における前記粘土鉱物粒子の割合は、5重量%以上95重量%以下である請求項1~4のいずれか1つに記載の光触媒コーティング構造。
  6. 前記プライマー層における前記ポリビニルアルコール系樹脂の重量に対する前記粘土鉱物粒子の重量の比は、0.05以上20以下である請求項1~5のいずれか1つに記載の光触媒コーティング構造。
  7. 前記プライマー層の厚さは、0.5μm以上50μm以下である請求項1~6のいずれか1つに記載の光触媒コーティング構造。
  8. 請求項1~7のいずれか1つに記載の光触媒コーティング構造と、基材とを備え、
    前記基材は、有機化合物を含み、かつ、前記光触媒コーティング構造によりコーティングされている光触媒被覆部材。
  9. 有機化合物を含む基材上に、ポリビニルアルコール系樹脂と、前記ポリビニルアルコール系樹脂に混ぜ込まれた板状の粘土鉱物粒子とを含むプライマー層を形成する工程と、
    前記プライマー層上に光触媒層を形成する工程とを含むことを特徴とする光触媒コーティング方法。
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