本開示は、概して、患者の脈管構造内にカテーテルを送達するためのデバイス、システム、及び方法に関する。カテーテルの具体的な例が図面に関して考察されているが、この考察は、具体的に図示又は言及されてない可能性がある追加のタイプのカテーテルに等しく適用される。例えば、図面に示され、本明細書で詳細に説明されるカテーテルの一部は、比較的短くてもよく、これらのより短いカテーテルに関して記載される特徴の一部又は全ては、より長いカテーテルを有するか、又は別の言い方をすれば、患者の血管内でカテーテルを比較的より大きい深さまで展開することが可能である、ある特定の実施形態において、それ以上とは言わないまでも同程度に有利であり得る。
ある特定の既知のカテーテル送達デバイス、システム、及び方法は、オーバーザニードルカテーテルを伴う。そのようなシステムは、カテーテルと、カテーテルの遠位端を通って延在する針とを含むことができる。多くの場合、カテーテルは、針の少なくとも遠位端に取り付けられる。例えば、カテーテルは、押出成形されてもよく、次いでカテーテルの遠位端は、血管により容易に挿入され得る円形遠位端及び/又は狭くなった遠位端を提供するように「チッピング」され得る。チッピングプロセスは、カテーテルの遠位端を加熱することによって、かつ/又は遠位端をマンドレルに対して圧縮することによって実施されてもよく、カテーテルの遠位端は、針の遠位端よりわずかに小さいサイズであってもよい。カテーテルがチッピングされた後、針がチッピングされたカテーテルの遠位開口部を通して挿入されてもよく、次いでカテーテルは、針の遠位端に接着し得る。
しかしながら、カテーテルの遠位端と針との間の接着強度は、管理することが困難であり得る。多くの場合、接着は、針の外径よりもわずかに小さい外径を有するマンドレルを使用することによって達成され、したがって、カテーテルの遠位端は、針の遠位端を把持し得る。接着強度は、カテーテルが形成される材料と針の表面との間の相互作用により、経時的に自然に増加し得る。
カテーテルの遠位端が針の遠位先端部によって形成される挿入部位を通って血管に挿入されるとき、カテーテル及び針の遠位端が互いに取り付けられたままであることを可能にするのに十分な接着力を有することが望ましくあり得る。血管は、カテーテルの遠位先端部の導入に対する著しい抵抗をもたらす可能性がある。場合によっては、接着強度が不十分である場合、針が血管内に更に前進するにつれて(概して、血管の長手方向軸に対してある角度で)、カテーテルの遠位先端部は、ある程度の距離、後方に(即ち、近位に)押される可能性がある。血管壁の外側表面が、血管内へのカテーテルの進入に抵抗するため、針が前進するにつれてカテーテル先端部を針に対してあまりに大きく近位に押す場合、カテーテルの遠位先端部が血管に入る前でさえ、針の遠位先端部が最終的に血管の後壁を穿刺する可能性がある。他の場合又は更なる場合において、皮膚及び組織は、カテーテル本体の遠位先端部を後方に押し、皮膚及び組織全体を通るカテーテルの前進に抵抗する傾向があり得、これにより、針が遠位に前進するにつれて、カテーテル本体は、針に対して近位にアコーディオン又は蛇腹状の様式でしわを作る可能性がある。したがって、不十分な接着強度を有する恐れがあり得る。
しかしながら、過度に強い結合は、カテーテルが針の遠位端を越えて血管内へ更に前進し得るように所望の段階で、例えば、針先端部及びカテーテル先端部が血管管腔内に前進した後、カテーテルが針から分離することを防げる可能性があるため、接着力が強すぎないことも望ましくあり得る。例えば、カテーテルが針に対して遠位に前進する際にカテーテル先端部が針と係合したままであるほど接着力が強すぎる場合、カテーテルのより近位の部分は、アコーディオン状の方式でまとまるか、又は圧縮する可能性があり、これにより、カテーテルが血管内により深く前進することを防げ、かつ/又は血管を損傷する可能性がある。更に、針からのカテーテルからの分離中、カテーテルの遠位先端部が最終的に、過剰なエネルギーで針とのカテーテルの遠位先端部の結合から解放され、前方に押し付け血管壁にぶつかり、それが血管壁を損傷し得るまで張力が作り出されるほど、接着力が強すぎないことが望ましくあり得る。他の場合又は更なる場合において、過度に強い接着は、カテーテルの遠位先端部を損傷、変形、ないしは別の方法で不必要に変化させる可能性があり、かつ/又はカテーテルが血管内に更に前進する際に血管壁を損傷する可能性がある。
したがって、既知のカテーテル送達システムは、過度に弱くも強くもない非常に限られた許容可能な接着条件に対処しなければならない。これらの条件を満たせないことにより、例えば、患者において異なる挿入部位を形成するために追加の針送達システムを使用する必要性に起因する血管の損傷、並びに/又は患者への更なる不快感、患者及び医療専門家の無駄な時間、並びに/又は無駄な費用をもたらす可能性がある。
更に、既知のカテーテル送達システムは、挿入長さの問題への対処の難しさに悩まされ得る。例えば、カテーテルは典型的には、比較的柔軟な材料で形成され、これにより、血管内でカテーテルを単独でかなりの距離まで前進させることが困難である可能性がある。具体的には、特に、例えば深部血管内で、1つ以上の弁にカテーテルを通す試みが行われる場合に、カテーテルは、血管内に深く独立して前進するのに十分な剛性又は柱状強度を欠いている可能性がある。多くの場合、弁に対して押し上げられると、柔軟なカテーテルは、それ自体の上に折り返される。カテーテルの折り畳み又は他の変形は、カテーテルを閉鎖し、流体送達及び/又は収集にとってカテーテルを非効率的又は非効果的にする可能性があり、そうでなければカテーテルを損傷する可能性があり、かつ/又は血管を損傷する可能性がある。カテーテルは、それ自体の上に折り重なる可能性があるか、ないしは別の方法で血管の他の領域においても変形する可能性がある。したがって、様々な場合において、カテーテルを血管内の所望の深さに前進させるために、ガイドワイヤ又は補強スタイレットが使用され得る。
いくつかのシステムでは、ガイドワイヤは、血管内の目標の深さへのカテーテルの前進を補助するために、導入針を通して血管に導入される。ガイドワイヤは、場合によっては、カテーテルがそれ自体の上に後屈し、かつ/又は血管の内壁を削ることを防止することができるが、ガイドワイヤを用いるシステムは、多くの場合、確実に使用されない可能性がある。多くのガイドワイヤシステムは、様々な欠点に悩まされ得る。
例えば、場合によっては、特定のガイドワイヤは、それ自体の上に後屈させる可能性があるわずかな欠陥又は変形に悩まされ得、これにより、ガイドワイヤは、カテーテル前進に対して動作不能になり、かつ/又は血管を損傷する可能性がある。他の場合又は更なる場合において、ガイドワイヤ及びカテーテルの両方を血管内に展開する一体化システムは、制限された長さのガイドワイヤのみを用いることができる。多くの場合、そのようなガイドワイヤの長さは、概して、システムによって展開されるカテーテルの長さほどであり、即ち、ガイドワイヤは、ガイドワイヤが血管内に案内するよう意図されたカテーテルと実質的に同じ長さであるか、又は更に短い場合がある。そのような制限された長さのガイドワイヤの遠位端を越えてカテーテルを前進させる試みは、特に、1つ以上の弁がガイドワイヤ端部を越えて位置付けられる場合、カテーテルの折り返し又は他の望ましくない変形をもたら可能性がある。したがって、展開システムは、概して、ガイドワイヤがカテーテルの前方の所望又は目標の深さまで前進し、次いでカテーテルがガイドワイヤ上を目標の深さまで前進する場合のみ正しく動作する。しかしながら、可能な限り、より大きい挿入深さを達成するために既存のシステムにおけるガイドワイヤの長さを増加させることは、システムをはるかに複雑で、高価で、かつ/又は扱いにくい状態にする。したがって、ガイドワイヤを用いる展開システムは、同様に、挿入長さの問題に悩まされる。
他の場合において、剛性を増大させ、カテーテルを目標の深さまで前進させるのを補助するために、補強スタイレットがカテーテルの管腔内に位置付けられる。しかしながら、そのようなシステムは、かなりの深さまでの標的血管内への拡張器及び導入器の挿入(多くの場合、挿入を可能にするために患者の皮膚を切断することを伴う)、拡張器の取り外し、並びに導入器が血管に挿入されたままである間の導入器を通したカテーテル/スタイレットの組み合わせの挿入を必要とする。そのような手順は、比較的、患者の不快感を増加させる可能性があり、かつ/又は施術者及び患者の両方にとってより複雑で、より侵入的、かつ/又は概してより煩わしい可能性がある。
他の単純なオーバーザニードルカテーテルシステムでは、針は、血管への初期挿入中に、又は場合によっては、目標の深さへのカテーテルの送達中にカテーテルを支持するために使用されてもよい。そのようなシステムはまた、重大な欠点に悩まされる。例えば、そのようなシステムのうちの特定のものは、針ベースの安定性及び制御の考慮事項等の様々な理由のために、比較的短いカテーテル長さに制限される。一例として、いくつかのカテーテル展開システムでは、カテーテルは、針の長さを覆い、針の遠位先端部は、システムが非展開状態にあるとき、カテーテルの遠位端をわずかに越えて延在する。針は、カテーテルを通って、かつカテーテルの近位端に固定されたカテーテルハブを通って近位に延在し、針は、針の近位端で針ハブに固定される。システムが非展開状態にあるとき、針及びカテーテルハブは、互いに対して接近した配向にある。システムを使用するとき、施術者は、針及びカテーテルが一緒に一致して移動し、針先端部が皮膚を切り開き、血管壁を穿孔するように、針ハブ及び/又はカテーテルハブを保持し、システムの全体を遠位に前進させる。カテーテルの遠位先端部は、血管壁を通って血管の管腔内へと針の穿孔先端部に続く。いったんカテーテル先端部が血管管腔内に入ると、施術者は、針ハブを安定した状態に保持しながら、カテーテルハブを遠位に移動させて、カテーテルを針上で更に遠位にかつ更に深く血管内へと、又は別の言い方をすれば、血管内へとより大きい深さまで前進させるよう試みる。いったんカテーテルが定位置に入ると、施術者は、カテーテルハブを安定した状態に保持し、針ハブをカテーテルハブに対して近位に引っ張って、システムから針を取り外す。
そのようなシステムでは、針の遠位先端部がカテーテルハブを通って、カテーテルを通って、かつカテーテルの遠位先端部を越えて延在することを確実にするために、針は、カテーテルより常に長くなければならない。したがって、カテーテルの長さは、針の最大長によって制限される。針の長さが増加するにつれて、血管への針及びカテーテルの挿入を制御することはますます困難になる。例えば、針及びカテーテルハブのうちの1つ以上が挿入中に保持されると、ハブの小さい角運動が針先端部を大幅に揺動させ、この揺動の影響が針の長さの増加と共に増加するため(即ち、同じ大きさの角運動により、針先端部が移動する距離が大きくなる)、ハブを保持しながら挿入部位を正確に標的にすることが困難になる。更に、針は、(例えば、薄い側壁及び/又は小さい直径に起因して)非常に可撓性である可能性があり、屈曲は、針の長さの増加と共により顕著になり得る。
本明細書に開示される様々な実施形態は、今記載したもの等の既知のカテーテル送達デバイス、システム、及び方法の制限のうちの1つ以上を解決、修正、改善、及び/若しくは回避することができ、かつ/又は本開示から明らかになるように、他の理由又は更なる理由のために、これら若しくはカテーテル送達デバイス、システム、及び方法のうちの1つ以上よりも有利であり得る。カテーテル送達システムのいくつかの実施形態は、カテーテルと、補強材と、針とを含む。いくつかの実施形態では、針が最初に患者の血管に導入されるとき、カテーテルの遠位端及び補強材の遠位端は、針の遠位先端部に対して近位に位置付けられる。他の実施形態又は更なる実施形態では、補強材の遠位端及びカテーテルの遠位端は、針の遠位先端部の遠位にある血管内の定位置まで針の外部表面上を通り過ぎることができる。補強材は、カテーテルの遠位端と針の遠位端との間の接着を破壊するのを補助することができ、かつ/又はカテーテルを補強して、カテーテルが血管内のかなりの距離若しくは目標の深さまで供給されるか、若しくは前進することを可能にすることができる。補強材は、血管内の標的部位までずっとカテーテルを前進させることができる。更に、ある特定の実施形態では、比較的軟質のカテーテル先端部が展開全体を通して補強材の遠位先端部より前に(例えば、遠位に)位置付けられ、したがって、挿入のための軟質かつ実質的に非外傷性の先導先端部を提供することができる。場合によっては、カテーテル送達システムは、先導ガイドワイヤを使用することなく、血管内でカテーテルをかなりの距離に位置付けることが可能である。他の実施形態又は更なる実施形態では、場合によっては、比較的短い針の使用を可能にし、かつ/又は支持されていない針の長さを低減し、挿入中に達成可能な安定性及び制御を増大させ、かつ/又は他の利点又は更なる利点を提供することができる2部品ハブが用いられる。様々な実施形態の上記の利点及び/又は他の利点若しくは更なる利点のうちの1つ以上は、以下の考察から明らかになるであろう。
図1を参照すると、ある特定の実施形態では、カテーテル送達システム100は、カテーテル102と、針104と、補強材106とを含む。カテーテル102は、近位先端部112を先端に有する近位端110を含み、遠位先端部116を先端に有する遠位端114を更に含む。同様に、針104は、近位先端部122を先端に有する近位端120を含み、遠位先端部126を先端に有する遠位端124を更に含む。同様に、補強材106は、近位先端部132を先端に有する近位端130を含み、遠位先端部136を先端に有する遠位端134を更に含む。様々な実施形態において、補強材106はまた、支持体、柱、強化材、フレーム、足場、支え、支柱、支持具、スパイン、ロッド、管、及び/若しくはカニューレとも称され得るか、又はそのように称され得る少なくとも1つの構成要素を備える代替形態を有してもよい。例えば、例示した実施形態では、補強材106はまた、シースカニューレ、カニューレ状補強材等と称されてもよい。例示した実施形態では、補強材106は、図1に示されるように、システム100が非展開構成にあるとき、針104の外側表面とカテーテル102の内側表面との間に位置付けられる細長い管から形成される。以下で更に考察されるように、管状補強材106は、横断方向寸法で(例えば、管の長手方向軸に直交する方向で)可撓性であってもよいが、それでもなお軸方向で実質的に剛性又は硬質であり、システム100が血管壁を通って挿入されている間、及びシステム100が血管の管腔を通って前進する間に、カテーテル102の遠位部分によって管状補強材に加えられる軸方向力(即ち、長手方向に向けられた力)に対抗し得る。
システム100は同様に、近位端140と遠位端142とを含む。システム100が非展開構成にあるとき、カテーテル102の遠位端114、124、134、針104、及び補強材106はそれぞれ、システム100の遠位端142に全て位置付けられる。より具体的には、針104の遠位端124の少なくとも一部分は、カテーテル102の遠位先端部116を越えて遠位に延在する。更に、補強材106の遠位先端部136は、カテーテル102の遠位先端部116の近位に位置付けられる。
例示した実施形態では、カテーテル102の近位端110は、カテーテルハブ146と連結される。カテーテルハブ146は、任意の好適な形態であってもよく、任意の好適な医療用流体デバイス(例えば、注射器、静脈ライン、自動注入器等)との1つ以上の流体接続を確立するように構成された1つ以上のコネクタを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルハブ146は、カテーテル102が患者の血管内に位置付けられた後に、吸引及び/又は注射がカテーテル102を介して達成され得る、少なくとも1つのルアーフィッティングを含んでもよい。例えば、カテーテルハブ146は、雌ルアーフィッティングを含んでもよい。カテーテル102は、任意の好適な様式でカテーテルハブ146にしっかりと固定され得る。カテーテル102及びカテーテルハブ146は、一緒にカテーテルアセンブリと称され得る。カテーテルハブ146はまた、カテーテル接続ハブ146とも称され得る。例えば、カテーテルハブ146は、カテーテル102に直接接続されてもよく、かつ/又はカテーテルを他のデバイス(例えば、流体送達デバイス)に連結するための接続特徴を含んでもよい。
例示した実施形態では、針104の近位端120は、針ハブ150と連結される。例えば、針104の近位端120は、任意の好適な様式で針ハブ150の近位部分にしっかりと固定され得る。例示した実施形態では、針ハブ150は、針104が固定される筐体152を含む。他の固定構成が企図される。針ハブ150はまた、ハンドルとも称され得る。
針ハブ150は、筐体152に対して選択的に移動するように構成されたアクチュエータ154を更に含むことができる。例示した実施形態では、筐体152は、アクチュエータ154が近位位置(図1に示される。図4A及び4Cも参照)から遠位位置(図4D及び4F~4Hを参照)に摺動又は並進することができるガイド又はトラック156を画定する。例示した実施形態においてアクチュエータ154を近位から遠位位置に手動で押すこと等によるアクチュエータ154の作動は、以下で更に考察されるように、非展開構成から展開構成にシステム100を移行させることができる。
例示した実施形態では、補強材106の近位端130は、固定関係でアクチュエータ154に連結される。アクチュエータ154はまた、補強材ハブとも称され得る。例示した実施形態では、アクチュエータ154(又は補強材ハブ)は、筐体152の外部に存在する係合可能な部分(例えば、ボタン、スライダ、把持表面)と、トラック156を通って延在するネック(図示せず)と、補強材106の近位端が取り付けられる筐体の内部における収容部(図示せず)とを含む。アクチュエータ154と補強材106との間の任意の好適な固定取り付けが企図される。例えば、補強材106は、アクチュエータ154に被着されるか、ないしは別の方法で接着されてもよい。場合によっては、アクチュエータ154は、針ハブ150の筐体152内に配設された実質的に円筒形の収容部を備え、補強材106の近位端は、アクチュエータ154の円筒形部分内に受容される。当然のことながら、円筒以外の幾何学的形状が可能であり、本開示によって企図される。針ハブ150の筐体152の外部に位置付けられたアクチュエータ154の一部分(例えば、ボタン、スライダ、又は他の係合要素)を前方又は遠位に押すこと等によるアクチュエータ154の遠位移動は、筐体152に対する補強材106の同様の遠位移動をもたらす。例示した実施形態では、針ハブ150、針104、アクチュエータ154、及び補強材106は、挿入アセンブリ、針アセンブリ、針及び補強材アセンブリ、又は展開アセンブリと称されてもよい。
例示した実施形態では、補強材106は、カテーテルハブ146を通ってカテーテル102の内部へと延在する。以下で更に考察されるように、補強材106は、カテーテル102と一致して遠位に移動することが可能であり得るが、カテーテル102から近位に取り外されるように構成されてもよい。更に、例示した実施形態では、針104は、図1に示される動作状態又は非展開状態で、補強材106及びカテーテル102の各々の全体を通って延在する。更に、補強材106は、針104に対して摺動するか、ないしは別の方法で並進する(例えば、自由に並進する)ように構成されてもよい。別の言い方をすれば、補強材106は、針104を補強材106の管腔内に受容するようにサイズ決定されてもよく、針104上を自由に並進し得る。
カテーテルハブ146は、アクチュエータ154の遠位移動が、筐体152に対するカテーテルハブ146及びカテーテル102の両方の遠位移動をもたらし得るように、アクチュエータ154と連結されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、アクチュエータ154の遠位移動は、補強材106及びカテーテル102の同時遠位移動をもたらし得る。別の言い方をすれば、ある特定の実施形態では、補強材106及びカテーテル102は、互いに一致して遠位に移動し得る。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルハブ146は、アクチュエータ154の移動がカテーテルハブ146の同様の移動をもたらすように、アクチュエータ154に直接取り付けられる。取り付けは、カテーテル102が血管内に所望どおり位置付けられた後、アクチュエータ154がカテーテルハブ146から容易に分離され得るように、選択的に解放可能であってもよい。他の実施形態又は更なる実施形態では、カテーテルハブ146は、カテーテル102及び補強材106を介して間接的にアクチュエータ154に付加的又は単独のいずれかで接続される。具体的には、以下で更に考察されるように、カテーテルの遠位端114は、補強材106の遠位先端部136と連動して、補強材106がカテーテル102を遠位方向に前進させることを可能にする捕捉領域を含むことができる。したがって、ある特定の実施形態では、アクチュエータ154は、補強材106に直接取り付けられ、補強材106の遠位先端部は、カテーテル102の遠位端114と連動し、カテーテル102の近位端110は、カテーテルハブ146に直接取り付けられる。したがって、カテーテルハブ146は、アクチュエータ154の遠位移動が、筐体152に対するカテーテルハブ146及びカテーテル102の両方の遠位移動をもたらすように、アクチュエータ154と連結される。具体的には、筐体152に対するアクチュエータ154の遠位前進は、補強材106の遠位先端部136をカテーテル102の遠位端114に対して押圧し、それによりカテーテル102を筐体152に対して遠位に移動させる。カテーテル102の近位端110のカテーテルハブ146への取り付けにより、カテーテルハブ146は、カテーテル102によって筐体152に対して遠位方向に引かれる。即ち、アクチュエータ154を遠位に押すと、補強材106及びカテーテル102の遠位端の相互作用により、カテーテルハブ146が遠位に引っ張られるか、又は引かれる。アクチュエータ154、補強材106、カテーテル102、及びカテーテルハブ146の遠位移動は、実質的に同時であり得、かつ/又は実質的に一致して継続することができる。
針104が針ハブ150の筐体152に対して固定された関係に位置している状態で、補強材106及びカテーテル102は、筐体152に対してだけではなく、針104に対しても遠位に移動し得る。したがって、アクチュエータ154を遠位側に前進させることによるアクチュエータ154の作動は、以下で更に考察されるように、針104の遠位先端部126を越えて遠位に補強材106及びカテーテル102を展開することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルハブ146とアクチュエータ154との間の連結は、選択的に解放可能である。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ154が作動した後のある時点で、アクチュエータ154からカテーテルハブ146を分離することが望ましい場合がある。そのような分離により、針ハブ150をカテーテルハブ146から近位に格納することができる。カテーテルハブ146とアクチュエータ154との間の任意の好適な選択的に解放可能な機械的連結具が企図される。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテルハブ146及びアクチュエータ154は、互いに直接取り付けられ、1つ以上の弾性アーム又はキャッチ(図示せず)を介して一緒に保持され、アームの片持ち部分、ボタン、又は任意の他の好適な機械的連結部の押し下げは、アームを分離配向に移動させることができる。他の実施形態では、カテーテルハブ146及びアクチュエータ154は、互いに直接取り付けられていないが、上述のように、補強材106の遠位端とカテーテル102の遠位端との間の相互作用を介して互いに連結される。そのような実施形態のうちの特定のものにおいて、連結具は、カテーテルハブ146に対してアクチュエータ154を近位に移動させるだけで解放され得、これは、カテーテル102の遠位端114に対して近位に、かつカテーテル102の遠位端114との係合から外れるように補強材106を移動させる。場合によっては、アクチュエータ154は、分離を達成するために、最初にカテーテル展開のためにトラック156に沿って遠位に前進した後に、トラック156内で近位に移動してもよい。他の場合又は更なる場合において、カテーテルハブ146は、アクチュエータ154がトラック156に沿って遠位に前進するとき、筐体152の外部の位置に展開されてもよく、カテーテルハブ146及び筐体152の分離は、カテーテルハブ146を固定位置に保持しながら、筐体152をカテーテルハブ146から離れて近位に格納することによって達成され得る。例えば、場合によっては、アクチュエータ154は、カテーテル102の展開中にトラック156の最遠位端に位置付けられてもよく、その場所で筐体152に接触してもよい。したがって、筐体152を近位に移動させることは、同様に、トラック156の遠位端における筐体152とアクチュエータ154との間の干渉により、アクチュエータ154及びアクチュエータに取り付けられた補強材106を近位に引っ張り得る。
したがって、様々な実施形態では、カテーテルハブ146からの針ハブ150の格納は、カテーテル102及びカテーテルハブ146から補強材106及び針104を格納することができる。上述の例に加えて、いくつかの実施形態では、アクチュエータ154は、任意の好適な様式で(例えば、任意の好適なロック、ラッチ、戻り止め、又は他の好適なロックシステムを介して)、完全作動配向でロックされるように構成されてもよい。このように作動後にアクチュエータ154が筐体152に対してロックされると、補強材106は同様に、筐体152に対する並進移動に対してロックされること等によって、筐体152に対してロックされてもよい。したがって、補強材106及び針104は、互いに対してロックされた関係であってもよく、したがって、以下で更に考察されるように、カテーテル102から互いに一致して格納されるように構成されてもよい。
図1及び2を参照すると(図4Kも参照)、カテーテル102は、システム100が非展開構成にあるとき、針104の遠位端124が通過する遠位ポート160を画定することができる。遠位ポート160は、いったんカテーテル102が患者の血管内に位置付けられると、吸引及び/又は注入のために使用される。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、吸引及び/又は注入に同様に使用され得る複数のサイドポート162を含むことができる。例示した実施形態では、カテーテル102は、カテーテル102の長手方向中心軸に対して実質的に直交して配向される単一平面に沿って、カテーテル102の円周の周囲に等角度に分布された6つのサイドポート162を含む。サイドポート162の任意の他の好適なサイズ、数、及び/又は構成が企図される。例えば、いくつかの実施形態では、より多い又はより少ないサイドポート162が存在し、他の実施形態又は更なる実施形態では、サイドポート162は、カテーテル102の遠位先端部116から異なる距離で配置されてもよい。
引き続き図2を参照すると、針104の遠位端124は、任意の好適な構成を有することができる。例示した実施形態では、遠位端124は、一次斜面127と、後方斜面128とを含む。針104の遠位先端部126は、一次斜面127及び後方斜面128の遠位交点に位置付けられる。他の実施形態では、針104は、単一の斜面、又は単純なバイアス研削を有してもよい。遠位先端部126は、皮膚及び血管壁を貫通するのに特に好適であり得る。
図3は、図1の表示線3-3に沿って取られたカテーテル送達システム100の遠位端142の断面図を示す。この場合もやはり、この図では、システム100は、非展開構成にある。示される寸法は、必ずしも縮尺どおりではない。
カテーテル102は、外側表面又は外部表面170と、内側表面又は内部表面171とを含むことができる。カテーテル102の内部表面171は、カテーテル管腔172を画定することができる。針104もまた、外側表面又は外部表面173と、内側表面又は内部表面174とを含むことができる。針104の内部表面174は、針管腔175を画定することができる。例示した実施形態では、補強材106は、外側表面又は外部表面176と、内側表面又は内部表面177とを含む。補強材106の内部表面177は、補強材管腔178を画定することができる。例示した実施形態では、針104は、カテーテル管腔172の近位端(図1を参照)及びカテーテル管腔172の遠位端の両方を通って延在する。別の言い方をすれば、針104(例えば、針104のかなりの部分)は、カテーテル管腔172内に位置付けられ、カテーテル管腔172の全体を通って延在する。補強材106は同様に、カテーテル管腔172内に位置付けられるが、カテーテル管腔172の全体を通って延在しない。具体的には、補強材106の遠位端134は、カテーテル管腔172内に位置付けられ、カテーテルの内部の一部分に係合し、補強材106は、カテーテル管腔172を通って近位に延在し、カテーテル管腔172の近位端から外に延在する(図1を参照)。補強材106は、針104の外部にあると言ってもよい。カテーテル102は、補強材106の外部にあると言ってもよい。
針104は、同様に補強材管腔178内に位置付けられる。例示した実施形態では、針104は、補強材管腔178の近位端(図1を参照)及び補強材管腔178の遠位端の両方を通って延在する。別の言い方をすれば、針104(例えば、針104のかなりの部分)は、補強材管腔178内に位置付けられる。
別の言い方をすれば、針104は、補強材106内に入れ子になり、補強材は、カテーテル102内に入れ子になっている。例示した実施形態では、針104、補強材106、及びカテーテル102は、同軸である。別の言い方をすれば、針104、補強材106、及びカテーテル102の各々は、それ自体の長手方向中心軸を画定し、そのような各軸は、システム100の長手方向中心軸と同一直線上にある。
いくつかの実施形態では、針104の外側表面173は、補強材106の内側表面177内で緩く嵌合する(例えば、近接しているがほとんど若しくは全く触れていない)か、又はぴったりと嵌合する(例えば、接触しているが、それでもなお摺動係合する能力を有する)ようにサイズ決定される。いくつかの実施形態では、補強材106の外側表面176は、カテーテル102の内側表面171内に緩く嵌合する。
例示した実施形態では、針104の側壁は、血液が針管腔175から流動し得るポート180を画定する。補強材106の側壁は同様に、血流の流動を可能にするためのポート182を画定する。ポート180、182は、通路186を画定する。ポート180、182は、通路186を形成するように互いに整合され得る。いくつかの実施形態では、補強材106及び針104は、例示した構成において互いに対して回転をロックされ、これは、ポート180、182がシステム100を使用する方法の少なくとも挿入段階中に整合されたままであることを確実にすることができる。
例えば、図1を再び参照すると、例示した実施形態に関して上述したように、針104の近位端120は、針ハブ150しっかりと固定され、したがって筐体152に対して回転を固定される。更に、補強材106は、トラック156内に位置付けられたアクチュエータ154にしっかりと固定される。したがって、アクチュエータ154が非展開状態にあるとき、アクチュエータ154は、筐体152の長手方向軸を中心に補強材106を回転させる任意の左右の移動からトラック156によって拘束される。したがって、針104及び補強材106の両方は、筐体152に対して、かつ互いに対して回転を固定される。
アクチュエータ154がトラック156に沿って並進するように拘束されることにも留意されたい。トラック156が実質的に直線状であり、システム100の長手方向軸と整合されると、アクチュエータ154は、アクチュエータがトラック156に沿って移動する際にシステム100の長手方向軸を中心とした任意の回転を受けない。したがって、補強材106は、筐体152に対して移動可能であるがそれにもかかわらず、カテーテル102の展開中であっても、アクチュエータ154に課される回転制約により、筐体152に対して回転を固定される。
針104は、例示した実施形態では管腔と共に示されているが、他の実施形態では、針104は、管腔を画定しなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、針104は、固体トロカール、先の尖ったロッド等を備えることができる。
再び図3を参照すると、カテーテル102の内側表面171は、補強材106の外側表面176と協働して、通路186から受容された血液がカテーテル102を通って近位に流動し得る細長い環状管腔188を画定することができる。したがって、通路186及び管腔188は、針104の遠位端124が血管に入ったことを示すために、血液の噴出が通過することができるチャネルを提供する。いくつかの実施形態では、カテーテル102の内側表面171と補強材106の外側表面176との間の間隔は、毛管現象を生じさせるのに十分に小さく、これは、管腔188を通って近位に血液の噴出を引き寄せるか、又は引き寄せを補助することができる。
補強材106の遠位端134は、カテーテル102の遠位端114に係合することができる。カテーテル102は、補強材106の遠位先端部136と連動することができる捕捉領域190を画定することができる。例えば、捕捉領域190は概して、管腔188を画定するカテーテル102の内側表面171の部分に対して遠位に延在する凹部として形成され得る(図4Iも参照)。例示した実施形態では、捕捉領域190は、カテーテル102のより近位の領域に対して、縮小された直径を有する係合表面、当接面、横断方向延長部、棚部、又はレッジ191を含み、これに対して、補強材106の遠位先端部136が遠位に向けられた力を及ぼすことができる。いくつかの実施形態では、補強材106の遠位先端部136及びレッジ191は概して、患者の血管内へのカテーテル102の挿入中等、補強材106がレッジ191に対して遠位に付勢されるか、ないしは別の方法で押圧されるときのみ、互いに相互作用し得る。例示した実施形態では、遠位先端部136は、係合表面、当接表面等とも称され得る。例示した実施形態では、レッジ191は、平面環を画定し、環の平面は、カテーテル102の長手方向軸に直交する。
図示した捕捉領域190はまた、場合によっては、補強材106の遠位端134とカテーテル102との間に比較的弱い接続を提供し得る側面192を含む。例えば、カテーテル102の側面192は、補強材106と直接接触していてもよく、補強材を把持し、かつ/又は補強材に接着し得る。場合によっては、接着は、カテーテル102及び補強材106が形成される材料間の自然な相互作用から生じ得る。場合によっては、カテーテル102は、カテーテル102の遠位端における補強材106の外側表面176と同様であるが、補強材106の外側表面176に対してわずかに縮小された直径を有する表面を含むマンドレル上でチッピングされる。したがって、補強材106の遠位端134が予め形成されたカテーテル102に挿入されると、カテーテル102の側面192は、補強材106を内向きに押圧し得る。そのような構成によって付与される把持力又は摩擦力に加えて、接着結合もまた、カテーテル及び補強材材料の相互作用により経時的に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、補強材106は、ステンレス鋼から形成され、カテーテル102は、ポリマー材料から形成される。
他の実施形態では、補強材106と捕捉領域190の側面192との間の係合がほとんど又は全くないことが望ましくあり得る。例えば、補強材106が近位方向にカテーテルに対して引かれるとき、補強材106がカテーテル102から容易に解放されることが概して望ましくあり得る。即ち、いったん補強材106が患者の血管内のカテーテル102の位置決めを補助すると、カテーテル102から補強材106を取り外すことが望ましくあり得る。更に、カテーテル102の遠位端114を変形させること、著しく変形させること、及び/若しくは永久的に変形させることなく、並びに/又は患者の血管内のカテーテル102の遠位端114の位置決めを実質的に変更することなく、補強材106が取り外されることが望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、カテーテル102の遠位端における補強材106の外側表面176と同様であるが、補強材106の外側表面176の直径と実質的に同じであるか、又はわずかに大きい直径を有する表面を含むマンドレル上でチッピングされる。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、側面192を画定せず、かつ/又は当接面191を介して補強材106の遠位先端部136にのみ接触する。
カテーテル102の側面192と補強材106との間に接着が存在するかどうかにかかわらず、補強材106がカテーテル102の遠位端114に選択的に係合することが望ましくあり得る。具体的には、血管壁を通したカテーテル102の挿入中、及び患者の血管内のカテーテル102の前進中、補強材106が少なくとも遠位に向けられた力をカテーテル102の遠位端114に加えることが望ましくあり得る。更に、補強材106がカテーテルに対して近位方向に引かれるとき、補強材106がカテーテル102の遠位端114から容易に係合解除することが望ましくあり得る。
いくつかの実施形態では、カテーテル102の遠位端114は、針104の外側表面173に接着され得るか、ないしは別の方法で結合され得る。例えば、図示した捕捉領域190は、場合によっては、カテーテル102と針104の遠位端124との間に比較的強い接続を提供し得る側面193を含む。例えば、カテーテル102の側面193は、針104の外側表面173と直接接触していてもよく、針を把持し、かつ/又は針に接着し得る。場合によっては、接着は、カテーテル102及び針104が形成される材料間の自然な相互作用から生じ得る。場合によっては、カテーテル102は、カテーテル102の遠位端における針104の外側表面173と同様であるが、針104の外側表面173に対して縮小された直径を有する表面を含むマンドレル上でチッピングされる。したがって、針104の遠位端124が予め形成されたカテーテル102に挿入されると、カテーテル102の側面193は、針104を内向きに押圧し得る。そのような構成によって付与される把持力又は摩擦力に加えて、接着結合もまた、カテーテル及び補強材材料の相互作用により経時的に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、針104は、ステンレス鋼から形成され、カテーテル102は、ポリマー材料から形成される。
カテーテル102の遠位端と針104の遠位端との間の接着は、針104によって形成された挿入部位において、血管の側壁を通してカテーテル102の遠位端114を挿入するのを補助することができる。例えば、カテーテル102の遠位端114と針104の外側表面173との間のより強い接着は、カテーテル102が挿入中に血管壁によって押し戻され、これにより、カテーテル102が血管に入る前に、針104が血管の後壁を望ましくなく通過させ得る可能性を低減する。より緊密な接着はまた、血管壁を通した挿入中に、フィッシュマウシング等の他の望ましくないカテーテル先端部の変形の可能性を低減することができる。
更に、上記の補強材106とカテーテル102との間の相互作用により、カテーテル102を針104から分離しようと試みたとき、カテーテル102がアコーディオン状の様式でまとまるか、又は変形する恐れなく、カテーテル102と針104との間の比較的強い接着接続が達成され得る。具体的には、補強材106が針104に対して遠位方向に前進して接着接続を分離する際に、補強材106は、カテーテル102を固くする、強化する、締める、支持する、係合する、ないしは別の方法でカテーテル102と相互作用する。前述したように、いくつかの実施形態では、補強材106及びカテーテル102は、針104に対して同時に遠位に前進することができる。補強材106の遠位端134は、カテーテル102の遠位端114に対して遠位に押し、かつカテーテル102の遠位端114に軸方向の支持を提供して、針104からのカテーテル102の分離を補助することができる。そのような構成はまた、カテーテル102が血管壁を通って挿入部位を通過する際に、そうでなければ起こり得るカテーテル102と同様の変形を阻止することができる。
したがって、いくつかの実施形態は、カテーテル/針挿入アセンブリの接着問題を効果的に排除することができる。上述したように、いくつかの従来技術のシステムは、カテーテルと針との間の接着が緩すぎず緊密すぎないことを確実にすることが困難であるため、接着問題の対処に苦労する。しかしながら、カテーテル間のより高いレベルの接着を可能にすることにより、「緩すぎる」及び「緊密すぎる」シナリオの両方を回避する様式で、許容可能な接着強度の範囲を拡大する。例えば、より強い接着強度が使用され、したがって、許容可能な強度範囲の下端を完全に回避することができる。更に、許容可能な強度範囲の上端は、同様にほとんど又は全く懸念事項ではないという点まで上昇し得る。即ち、製造プロセス、材料、保管に費やされる時間の長さ(場合によっては、結合強度を増加させる可能性がある)等から生じ得る変動の存在下でさえ、様々な製造されたシステム100が所望どおり機能することができるような大きい範囲の接着強度にわたって、補強材106は、カテーテル102の針104への接続からカテーテル102を付勢するのを補助することが可能であり得る。
ある特定の実施形態では、補強材106は、カテーテル102の曲げ強度よりも大きい曲げ強度を有することができる。したがって、補強材106は、ガイドワイヤの補助なしで、血管内でカテーテル102をかなりの長さ前進させるのを補助することができる。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテル102は、ガイドワイヤを使用することによって、そうでなければ同じカテーテル構成に対して達成され得る深さ以上の深さまで血管内に前進することができる。様々な実施形態において、補強材106の曲げ強度は、カテーテル102の曲げ強度よりも大きい。
他の実施形態又は更なる実施形態では、補強材106は、針104の曲げ強度未満である曲げ強度を有することができる。即ち、補強材106は、針104よりも柔軟であり得、したがって、血管を通って前進し、既知のオーバーザニードル構成よりも容易に血管の自然形状に適合し得る。
様々な実施形態において、補強材106は、超弾性ニチノールを含むことができる。他の実施形態では、補強材106は、本明細書に開示されるような様式でカテーテル102を前進させるのに十分な長手方向剛性を維持しながら、横方向の曲げを容易に可能にし得るような、形状記憶ニチノール、ポリカーボネート、又は任意の他の好適な材料を含む。
様々な実施形態において、針104は、例えば、304ステンレス鋼等のステンレス鋼を含むことができる。様々な実施形態において、カテーテルは、例えば、医療グレードのポリウレタン等の任意の好適な生体適合性材料から形成される。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、ショアAデュロメータが約91、93、若しくは97であるか、又は約91、93、若しくは97以下のポリウレタンを含む。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、約55であるか、又は約55以下のショアDデュロメータを含む。
図4A~図4Kは、患者Pと共に、システム100を使用する例示的な方法の様々な段階を示す。明確にするために、いくつかの隠れた構成要素又は構成要素の一部分は、これらの図面のうちのいくつかでは図示されていない場合がある。しかしながら、図1~3及び図1~3に関連付けられた前の考察は、図4A~図4Kに示される段階の各々における様々な構成要素間の関係に関して、そのような関係が具体的に示されるか、又は言及されていない限り、読み手に情報提供しているはずである。更に、各図面、又は場合によっては、単一の図面の異なる部分は、必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。
図4Aを参照すると、患者の皮膚50の一部分は、一般に受け入れられている標準治療等に従って、血管52へのカテーテル導入のための任意の好適な方式で準備されてもよい。次いで、システム100は、右方向矢印によって示されるように、遠位方向に一致して前進し得る。したがって、システム100が前進すると、針104の遠位端124は、皮膚挿入部位54において皮膚50を通して挿入され得る。システム100が更に前進すると、針104の遠位端124は、血管挿入部位56において血管52に導入され得る。
図4Aに示される段階では、針104の遠位端124のみが血管52に挿入されている。カテーテル102の遠位端114は、皮膚挿入部位54を通して挿入されているが、血管52の外側に留まる。
システム100は、図示した段階で非展開構成に留まる。即ち、アクチュエータ154は、まだ作動されていない(筐体152に対して遠位に前進していない)。更に、図示した構成にあるカテーテルハブ146は、アクチュエータ154と連結された関係にあり、同様に非展開構成にある。例示した実施形態では、カテーテルハブ146は、非展開構成にあるとき、針ハブ150の筐体152内に収容される。
図4Bは、針104の遠位先端部126が血管壁61を通過し、血管52の管腔63に入った直後の時点におけるシステム100の遠位部分の断面図である。矢印によって示されるように、血液は、針104の管腔175を通って近位に移動する。血液はまた、針104の側壁及び補強材106のそれぞれを通るポート180、182によって画定される通路186を通って流動することも可能である。その後、血液は、カテーテル102及び補強材106によって画定される環状チャネル188を通って近位に流動する。
図4Cは、図4Bに示された直後の段階を示す。初期の血液の噴出(波線によって示される)は、チャネル188を通って近位に流動し続ける。カテーテル102は、血液の噴出の可視化を可能にするのに十分透明又は半透明である少なくとも一部分を含み得る。血液の噴出は、針104が適切に配置されており、送達システム100が針104上でカテーテル102を展開するために使用され得ることを示し得る。
図4D及び図4Eは、システム100を使用する例示的な方法の同じ段階の異なる図を示す。これらの図面に見られるように、アクチュエータ154の作動は、カテーテル102の遠位端114を患者Pの血管52内に展開する。具体的には、図4Dを参照すると、針ハブ150(又はハンドル)が患者Pに対して安定した状態に保持されている一方で、アクチュエータ154は、手動でトラック156の遠位端まで遠位に前進する。上述したように、アクチュエータ154のこの遠位移動は、カテーテル102及び補強材106(図4Eを参照)の両方を遠位方向に一致して前進させる。したがって、カテーテル102及び補強材106のそれぞれの遠位端114、134は、血管挿入部位56を通って血管52の管腔63内に前進する。針ハブ150を患者Pに対して安定した状態に保持することはまた、針104を患者Pに対して安定した状態で維持する。したがって、カテーテル102及び補強材106は、血管52の管腔63内へ、かつ血管52の管腔63を通って前進している間、針104上を遠位に前進する。
図4Dに示されるように、例示した実施形態では、システム100が展開構成にあるとき、カテーテルハブ146は、針ハブ150の筐体152の外側の位置に前進する。いくつかの実施形態では、カテーテルハブ146を移動させることは、針ハブ150からカテーテルハブ146を分離するように作動され得るボタン、スイッチ、レバー、又は任意の他の好適な解放機構等のアクチュエータ147をカテーテルハブ146上に露出させ得る。例えば、アクチュエータ147は、任意の好適な機械的連結部を介して針ハブ150のアクチュエータ154と直接機械的に連結されてもよく、アクチュエータ147の作動は、アクチュエータ147、したがってカテーテルハブ146をアクチュエータ154から、したがって針ハブ150から分離し得る。
他の実施形態では、上述したように、アクチュエータ154とカテーテルハブ146との間には、そのような直接的な機械的連結部は存在しなくてもよい。そのような実施形態のうちの特定のものにおいて、アクチュエータ154(及び針ハブ150)は、針ハブ150をカテーテルハブ146に対して近位に引くだけで、カテーテルハブ146から分離され得る。
図4Eを参照すると、カテーテル102及び補強材106は、針104の遠位先端部126上に展開している。したがって、補強材106は、遠位先端部126を遮蔽するか、又は覆い隠す。この遮蔽は、システム100が血管52の管腔63内に更に前進する際に、針104がカテーテル102及び/又は血管52を損傷することを防止する。
図4Fは、システム100が展開されてカテーテル102を血管52内へと前進させた後、システム100全体が一致して遠位に移動して、カテーテル102を血管52内へと更に前進させることができることを示す。上述したように、カテーテル102、針104、及び補強材106は、この更なる挿入中に、実質的に同時に、又は実質的に一致して移動してもよい。カテーテルハブ146は、この段階中、針ハブ150と連結されたままであり得る。
他の実施形態では(例えば、図6及び関連する説明を参照)、図4Fの前進段階は、省略される。例えば、いくつかの実施形態では、トラック156に沿ったアクチュエータ154の前進は、カテーテル102を血管内の所望の深さまで前進させ、これによりシステム100全体の更なる前進は、所望又は必要とされない。場合によっては、アクチュエータ154の作動がカテーテルを完全に展開する構成は、様々な理由のうちの1つ以上にとって望ましくあり得る。例えば、場合によっては、カテーテル102がこのように完全に前進することにより、血管内へのカテーテル102の前進中の血管への外傷のリスクを低減することができる。これは、例えば、カテーテル102及び補強材106の組み合わせが、カテーテル102、補強材106、及び針104の組み合わせよりも剛性が低くなり得るため、剛性の低下に起因し得る。そのような構成はまた、比較的短い針104を有することができ、これは、システム100の血管への初期挿入を容易にすることができる。例えば、より短い針104、又はより具体的には、筐体152から遠位に延在する支持されていない部分であり得る針のより短い有効長は、筐体152の操作によってより容易に制御され得る。
しかしながら、いくつかの実施形態では、カテーテル102、補強材106、及び針104の組み合わせは、それでもなお、針ハブ150から格納される前に、比較的長い針が血管内のかなりの距離まで前進することを可能にするのに、横方向に(即ち、システムの長手方向軸線を横断する方向に)十分に柔軟であってもよい。例えば、図5に示され、図5に関して以下に記載されるシステムのある特定の実施形態では、カテーテル、補強材、及び針は、針の遠位先端部が管状補強材によって遮蔽されている間、カテーテル、補強材、及び針の組み合わせが針の挿入部位において容易に屈曲し、血管内のかなりの距離まで前進することを可能にするのに、横方向に十分柔軟であり得る。
図4Gは、針ハブ150がカテーテルハブ146から分離される段階を示す。例示した実施形態では、カテーテルハブ146のアクチュエータ147は、作動され(例えば、押し下げられる、回転する、ないしは別の方法で移動する)、これは、例えば、アクチュエータ147と針ハブ150のアクチュエータ154との間の機械的連結具を解放することができる。機械的連結具を解放すると、針ハブ150は、カテーテルハブ146から引き出され得る。例えば、図4Gに示されるように、カテーテルハブ146は、(例えば、施術者の片手を介して)定位置に着実に保持され得、針ハブ150は、(例えば、施術者のもう一方の手を介して)カテーテルハブ146に対して近位に移動し得る。他の実施形態では、アクチュエータ147は、省略されてもよく、カテーテルハブ146は、ねじ等を介して、任意の好適な解放可能な方式で、補強材アクチュエータ154に直接連結されてもよい。したがって、カテーテルハブ146は、補強材アクチュエータ154に対して回転して、ねじを係合解除し、カテーテルハブ146を解放し、したがって、針ハブ150、針104、補強材アクチュエータ154、及び補強材106をカテーテル102及びカテーテルハブ146から近位に取り外すことを可能にし得る。更に他の実施形態では、上述したように、針ハブ150とカテーテルハブ146との間に直接的な機械的連結部は提供されず、したがって、針ハブ150は、カテーテル102が血管内に所望どおり位置付けられた後、単にカテーテルハブ146から近位に引き出され得る。
上述したように、いくつかの実施形態では、針ハブ150のアクチュエータ154は、いったん作動されると定位置にロックされ得る。これは、針ハブ150に対して補強材106を効果的にロックし得る。更に、いくつかの実施形態では、針104は、針ハブ150にしっかりと固定される。したがって、カテーテルハブ146からの針ハブ150の格納によって、針104及び補強材106(図4Hを参照)の両方が、カテーテル102及びカテーテルハブ146から一致して格納し得る。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態では、挿入アセンブリは、カテーテルアセンブリから完全に取り外されてもよい。
図4Hは、カテーテルハブ146から、又はより一般的には、カテーテルアセンブリ149と呼ばれ得るものから完全に引き出された後の針ハブ150、又はより一般的には、挿入アセンブリ109と呼ばれ得るものを示す。いくつかの実施形態では、補強材106は、補強材シールドの遠位端が針104の遠位端を遮蔽するか、又は覆い隠す位置において定位置にロックされる。そのような構成は、不注意な針刺しに対する保護を有利に提供することができる。別の言い方をすれば、補強材106は、針104との不注意な接触を阻止又は防止するために、針104の遠位先端部を被覆する、包囲する、包み隠す、取り囲む、保護する、越えてかなりの距離延在する、ないしは別の方法で遮蔽することができる。したがって、補強材106は、鋭利なものによる損傷及び血液によって感染する病気の付随する伝染を阻害、予防、又は回避することができる。したがって、補強材106は、シース、シールド、突き刺し防止要素等とも称され得る。補強材106は、補強材106の遠位端に開口部を画定することができ、それにより、針先端部は、開口部を通して理論的に見ることができ、ないしは別の方法で開口部を通して空気、昼光等に曝露され得、したがって、ある意味で完全に「被覆される」ことはなく、遠位先端部を越えて延在し、針先端部との接触を防止することにより補強材106によって提供されるシールド106は、それにもかかわらず、本明細書では針先端部を「被覆する」と称され得る。
図4Iは、カテーテル102が血管52の管腔63内に位置付けられた後、かつ補強材106及び針104がカテーテル102から取り外された後のカテーテル102を示す。この図では、捕捉領域190、レッジ191、側面192、及び側面193が見られる。様々な実施形態において、カテーテル102は、任意の好適な吸引及び/又は注射処置に使用され得る。
図4Jは、カテーテルハブ146と連結されている医療用流体構成要素197を示す。例示した実施形態では、連結は、医療用流体構成要素197をカテーテルハブ146に対して回転させることによって達成される。例えば、いくつかの実施形態では、医療用流体構成要素197は、カテーテルハブ146の相補的ルアーフィッティング(例えば、雌ルアーフィッティング)と連結することができるルアーフィッティング(例えば、雄ルアーフィッティング)等の任意の好適な種類の中央接続境界面を含んでもよい。例えば、注射器、静脈ライン、自動注入器等の任意の好適な医療用流体構成要素197が企図される。
図4Kは、医療用流体構成要素197からカテーテル102を通して患者の血管の管腔63内に送達される流体を示す。いくつかの実施形態では、比較的小さい針104がシステム100に使用されてもよい。例えば、場合によっては、補強材106は、既知のカテーテル送達システムで一般に使用される針の外径と実質的に同じ外径を画定し得る。結果として、遠位ポート160は、他のカテーテルシステムの遠位ポートよりも比較的小さくなり得る。別の言い方をすれば、カテーテル102の捕捉領域190は、補強材106を使用せず、かつカテーテルが同じ外径を有する他のオーバーザニードルカテーテルシステムと比較して、遠位ポート160のサイズを低減し得る。しかしながら、カテーテル102は、他のカテーテルシステムによって達成され得るのと実質的に同じ流速をもたらすことが望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、カテーテル102の流速は、サイドポート162の存在によって改良される。
様々な実施形態において、カテーテル102の最大直径は、18、20、若しくは22ゲージ(それぞれ約1.2、1.0、0.8ミリメートル)以下、又は5フレンチ若しくは6フレンチ(それぞれ1.67若しくは2ミリメートル)以下である。更なる実施形態では、カテーテル102は、遠位ポート160のみを含み、破裂することなく、3、4、5、6、又は7ミリリットル/秒以上の流速で、水又は水性流体(例えば、37℃の0.9%生理食塩水)を送達することが可能である。様々な実施形態において、遠位ポート160の直径は、カテーテル102の最大直径の55、60、70、又は75パーセント以下である。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテル102が約1.24ミリメートルの最大直径を有する一方で、遠位ポートは、約0.071ミリメートルの直径を有するが、他の実施形態では、カテーテル102が約1.0ミリメートルの最大直径を有する一方で、遠位ポートは、約0.056ミリメートルの直径を有する。
カテーテル102が上記範囲内の最大直径を有する他の実施形態では、カテーテル102は、遠位ポート160及び複数のポート162を含む。いくつかの実施形態では、ポート160、162の全ては、破裂することなく、3、4、5、6、又は7ミリリットル/秒以上の流速で、水又は水性流体(例えば、37℃の0.9%生理食塩水)を送達することが集合的に可能である。
図5は、カテーテル送達システム200の別の実施形態の平面図である。システム200は、ある特定の点で上記のシステム100に類似し得る。したがって、同様の特徴は、同様の参照番号で指定され、先頭の桁は、「2」に増やされる。したがって、同様に識別された特徴に関する上記の関連する開示は、以下に繰り返されない場合がある。更に、システム200の特定の特徴は、図面中に示されないか、若しくは参照番号によって識別されないか、又は以下の記載される説明で具体的に考察されない場合がある。しかしながら、そのような特徴は明らかに、他の実施形態に図示され、かつ/又はそのような実施形態に関して記載される特徴と同じ又は実質的に同じであってもよい。したがって、そのような特徴の関連する説明は、システム200の特徴に等しく適用される。システム100に関して記載した特徴及び特徴の変化形の任意の好適な組み合わせが、システム200で用いられ得、逆もまた同様である。本開示のパターンは、後の図に示され、以下に記載される更なる実施形態に等しく適用され、先頭の桁は、更に増やされ得る。
システム200は、カテーテル102、針104、及び補強材106のそれぞれよりも実質的に大きい長さを画定するカテーテル202、針204、及び補強材206を含む。様々な実施形態において、システム200は、末梢静脈、正中線、PICC、又は他の用途に使用され得る。
図6は、患者Pの血管52内のカテーテル302の展開中にカテーテル302の横方向の変形を阻止する細長いガイド399を含むカテーテル送達システム300の別の実施形態の平面図である。例示した実施形態では、ガイド399は、針ハブ350の細長い筐体352内に位置付けられる。ガイド399は、任意の好適な種類のものであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ガイド399は、筐体352の一部として成形される側壁を含む。他の実施形態又は更なる実施形態では、ガイド399は、カテーテル302を収容し、管内でのカテーテル302の並進を可能にするのに十分大きい管腔を有する管を含む。
システム300は、上記のもの等の補強材306を含み、これは、血管52内のカテーテル302の配置を補助することができる。補強材306は、アクチュエータ354に結合される。同様に、カテーテル302は、アクチュエータ354と解放可能に連結されたカテーテルハブ346に取り付けられる。
針ハブ350は、アクチュエータ354と、筐体352の実質的に全長を走る細長いトラック356とを含むことができ、針304と連結され得る。針304は、上記のような様式で筐体352にしっかりと固定され得る。
使用中、針304の遠位端は、血管52に挿入される。血液の噴出が観察されると、カテーテル302は、アクチュエータ354を介して展開される。具体的には、アクチュエータ354は、遠位に移動し、これは、針304上で大きい長さのカテーテル302及び補強材306を移動させる。例示した実施形態では、血管に挿入されるカテーテル302及び補強材306の部分は、血管に挿入される針304の部分よりもはるかに長い。
針304の有効長、実効長、又は支持されていない長さは、図5に示される針204の有効長、実効長、又は支持されていない長さよりも実質的に小さい。即ち、筐体352から遠位に延在する針304の長さは、図5の筐体から延在する針204の長さよりも実質的に小さい。上述したように、図6に示されるような構成は、システム300の血管への初期挿入を容易にすることができる。例えば、針304及び針304の遠位先端部は、具体的には、筐体352の操作によってより容易に制御され得、かつ/又は意図しない若しくは望ましくない屈曲が生じにくくなり得る。
カテーテル302の任意の好適な長さが企図される。様々な実施形態において、カテーテル302の長さは、末梢静脈、正中線、PICC、又は他の用途に好適である。
図7A及び7Bは、カテーテル402及び補強材406を針404の遠位端上に自動的に展開するように構成されたカテーテル送達システム400の別の実施形態を示す。図7Aでは、システム400は、非展開状態にあり、図7Bでは、システム400は、展開されている。
システム400は、上記の同様の名称の特徴と同様の針ハブ450とカテーテルハブ446とを含むことができる。しかしながら、針ハブ450は、自動アクチュエータ454を含む。アクチュエータ454は、押し下げ可能なボタン等のユーザインターフェース403と、付勢部材407とを含む。ユーザインターフェース403は、機械的連結部405等を介して、任意の好適な様式で付勢部材407と連結される。したがって、ユーザインターフェース403の起動により、付勢部材407は、カテーテル402及び補強材406を自動的に展開することができる。例示した実施形態では、付勢部材407は、コイルバネ409を含む。任意の他の好適な付勢デバイスが企図される。
例示した実施形態では、針404は筐体452にしっかりと固定され、カテーテル402は、カテーテルハブ446を介して付勢部材407に解放可能に固定され、補強材406は、付勢部材407にしっかりと固定される。したがって、図7Bに示されるように、アクチュエータ454が起動されると、カテーテル402及び補強材406は、針404上に自動的に展開される。このアクチュエータ454は、補強材406に結合され、補強材406の移動を制御するように構成されている。具体的には、アクチュエータ454の作動が補強材406の遠位前進をもたらすように、アクチュエータ454は、補強材406に直接取り付けられた付勢部材407と連結される。
図8A及び8Bは、カテーテル502及び補強材506を針504の遠位端上に自動的に展開するように構成されたカテーテル送達システム500の別の実施形態を示す。図8Aは、非展開状態にあるシステム500を示し、図8Bは、展開状態にあるシステム500を示す。
システム500は、システム500が非展開のとき、針ハブ550の筐体552の外側に配設されるか、又は外部にあるカテーテルハブ546を含む。図8Bに示されるように、システム500の展開は、カテーテルハブ546を針ハブ550から遠位に離れて移動させる。
いくつかの実施形態では、カテーテルハブ546又は補強材506のうちの1つは、カテーテルハブ546を補強材506から分離するように構成されたアクチュエータ547を含む。より一般的には、アクチュエータ547は、カテーテルハブ546を針ハブ550から分離するように起動され得る。上記のもの等の任意の好適なアクチュエータ構成が企図される。例示した実施形態では、アクチュエータ547は、つまみ行為によって起動され得る圧力パッドを補強材506の両側に含む。圧力パッドをつまむと、カテーテルハブ546が補強材506に接続される機械的連結部を分離することができる。
図8Aを参照すると、図示したカテーテルハブ546は、システム500の長手方向軸からある角度で延在するサイドポート511を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体コネクタ513は、サイドポート511の端部に配設される。例えば、いくつかの実施形態では、流体コネクタ513は、ルアーフィッティング(例えば、雌ルアーフィッティング)を含む。
図9は、システム500の遠位端の側面図である。例示した実施形態では、カテーテル502は、カテーテル502の遠位先端部に位置付けられた単一の流体輸送ポート560のみを画定する。カテーテル502は、カテーテル502の側壁等を通る、任意の更なる流体輸送ポートを欠いている。
図10は、図8Aの表示線10-10に沿って取られた図8Aのカテーテル送達システム500の遠位端の断面図である。システム500は、システム100に関して上述した同様の領域よりも著しく長い接着領域521を含む。上述したように、補強材506を含むことにより、カテーテルとカテーテルの遠位端の針との間のより高い接着強度を可能にすることができる。
図11及び12は、カテーテル送達システム600の遠位端の別の実施形態の断面図である。図11に示されるように、システム600は、接着領域521等の延長された接着領域621を含む。図11及び12の両方に示されるように、システム600はまた、カテーテル602の遠位端614と係合するための把持境界面631を遠位先端部に有する補強材606を含む。カテーテル602は、把持境界面631と連動する捕捉領域690を画定することができる。例示した実施形態では、捕捉領域690及び把持境界面631は、実質的に相補的な形状である。
捕捉領域690は、遠位に延在する凹部691を含むことができる。例示した実施形態では、凹部691は、実質的に円筒形の外面と、凹部691の遠位端で接合される実質的に円錐形の内面とを含む。同様に、補強材606の把持境界面631は、実質的に円筒形の面と、把持境界面631の遠位端で接合された実質的に円錐形の面とを含む。凹部691は、補強材606の把持境界面631を受容する。したがって、カテーテル602の遠位端614は、補強材がカテーテル602を遠位方向に付勢するとき、補強材606の遠位端634上にしっかりと保持される。場合によっては、捕捉領域690は、補強材606がカテーテル602から近位方向に引き出されるとき、補強材606の把持境界面631が捕捉領域690から解放することを容易に可能にするように成形されるか、ないしは別の方法で構成されている。
いくつかの実施形態では、凹部691は、補強材606をカテーテル602に挿入する前に完了するチッピングプロセスでマンドレルを介して形成される。他の実施形態では、凹部691は、補強材606を介して直接形成される。例えば、補強材606は、チッピングプロセス中にマンドレルとしての機能を果たし得、カテーテルの遠位端は、相補的形状を達成するために、補強材606上に再成形され得る。場合によっては、カテーテル602が別個のマンドレル上でチッピングされた場合、補強材606がカテーテル602から解放するのがより容易になり得る。
図13及び14は、針704の遠位端724の一次斜面727の近位端まで実質的に延在する先端部716を有するカテーテル702を含む、カテーテル送達システム700の別の実施形態を示す。場合によっては、そのような構成は、血管の側壁を通したカテーテル702の挿入を容易にすることができる。
図15A及び15Bは、カテーテル送達システム800の別の実施形態を示す。システム800は、カテーテル送達システムの他の実施形態に関して上述した特徴のうちの多くを含む。更に、上述の開示の慣例と一致して、本明細書に開示される他のシステム又はシステムの構成要素の特徴の任意の好適な組み合わせが、システム800に関して企図され、システム800又はシステム800の構成要素の特徴のうちのいずれかが、適用できる場合、本明細書に開示される他のシステム又はシステムの構成要素と共に用いられ得る。
以下でより詳細に考察されるように、システム800は、複数部品カテーテルハブを含むことができ、その異なる部分は、カテーテルの展開前に分離された配向にあり、かつ/又は離間していることができ、カテーテルの展開中に一緒に組み立てられ得る。例示した実施形態では、カテーテルハブは、2つの別個の部分を含み、これらの部分のうちの一方は、ハンドルから選択的に取り外し可能であるようにハンドル(又は針ハブ)に固定され、これらの部分のうちのもう一方は、カテーテルにしっかりと固定される。カテーテルが遠位に前進すると、カテーテルに取り付けられた部分は最終的に、ハンドルに取り付けられた部分と接合する。ハンドル及びハンドルに取り付けられた全ての構成要素は、組み立てられたカテーテルハブ及びカテーテルから分離され、引き出され得る。様々な実施形態において、そのような構成は、比較的長いカテーテルの使用を可能にすることができ、かつ/又はカテーテルの遠位先端部を越えて最初に延在する挿入針の有効長又は支持されていない長さを低減すること等によって、血管へのカテーテルの少なくとも初期挿入を容易にすることができる。これらの利点及び/又は他の利点のうちの1つ以上が、本開示から明らかになるであろう。
図15A及び/又は図15Bに示されるように、システム800は、上記のような様式で組み立てられたときに入れ子になり得るカテーテル802と、針804と、補強材806とを含むことができる。システム800は、摩擦嵌合、接着、オーバーモールド、溶接、及び/又は任意の他の好適な技術等を介して、任意の好適な様式で針804にしっかりと固定され得る針ハブ又はハンドル850を更に含むことができる。システム800は、補強材ハブ854とも称され得るアクチュエータ922を更に含むことができる。具体的には、補強材ハブ854は、以下に更に記載されるように、ハブ部分又は本体と、アクチュエータ部分との両方を含む単一部品を備える。補強材ハブ854は、摩擦嵌合、接着、オーバーモールド、溶接、及び/又は任意の他の好適な技術等を介して、任意の好適な様式で補強材806にしっかりと固定され得る。図15Bを参照すると、組み立てられたとき、ハンドル850、針804、補強材ハブ854、及び補強材806は、挿入アセンブリ809とも称され得るか、又は展開アセンブリ、針及び補強材アセンブリ、若しくは針アセンブリとも称され得る。
システム800は、カテーテル802と、複数構成要素又は複数部品カテーテルハブ846とを備えることができる、カテーテルアセンブリ849を更に含むことができる。カテーテルハブ846は、内部又は内側カテーテルハブ構成要素、カテーテルハブシャトル、又は第1のカテーテルハブ部材と代替的に称され得る、カテーテルハブコア841を含むことができる。カテーテルハブコア841は、接着、オーバーモールド、溶接、及び/又は任意の他の好適な技術等を介して、任意の好適な様式でカテーテル802にしっかりと固定され得る。
いくつかの実施形態では、コア841は、Oリング等のシール部材843と連結される。コア841及びシール部材843は一緒に、コアアセンブリ844を形成する。例示した実施形態では、カテーテルハブ846は、外部又は外側カテーテルハブ構成要素、カテーテルハブ筐体、カテーテルハブケーシング、カテーテルハブシェル、又は第2のカテーテルハブ部材と代替的に称され得る、カテーテル接続ハブ845を更に含む。以下で更に詳細に考察されるように、コアアセンブリ844は、システム800が非展開状態にあるときに接続ハブ845から分離され得、コアアセンブリ844は、カテーテル802の展開時にカテーテル接続ハブ845に取り付けられ得る。
カテーテル接続ハブ845は、任意の好適な様式で挿入アセンブリ809のハンドル850に解放可能に、取り外し可能に、又は選択的に接続され得る。例示した実施形態では、接続ハブ845は、ハンドル850の遠位端に解放可能に接続される。以下で更に考察されるように、いくつかの実施形態では、いったんカテーテルハブ846が組み立てられると、又は別の言い方をすれば、カテーテル802の展開時若しくは後に、接続ハブ845は、ハンドル850から離脱され得る。ハンドル850及びハンドル850に接続された全ての構成要素、例えば、針804、補強材806、及び補強材ハブ854は、カテーテルアセンブリ849から引き出され得る。別の言い方をすれば、カテーテル802を患者の脈管構造内の所望の深さまで展開した後、挿入アセンブリ809は、カテーテルアセンブリ849から分離され、取り外され得る。例示した実施形態では、カテーテルアセンブリ849及び挿入アセンブリ809は、接続ハブ845とハンドル850との間のそれぞれの接続境界面(例えば、相補的ねじ)によって接合され、接続境界面において互いから離脱可能である。
図16A及び16Bは、ハンドル850の更なる詳細を示す。ハンドル850は、任意の好適な様式で形成され得る筐体852を含む。筐体852は、図15Aに示されるように、補強材ハブ854の一部分が通って延在するトラック856を画定することができる。例示した実施形態では、トラック856は、筐体852の側壁を通る細長い矩形窓又は開口部901を実質的に画定する。
筐体852は、システム800の様々な構成要素又は構成要素の部分が中に受容され得る空洞902を画定することができる。筐体852は、接続突出部906が空洞902内へと遠位に延在することができる壁904を、空洞902の近位端において更に画定し得る。接続突出部906は、針804の近位端を受容することができる。針804は、任意の好適な様式で接続突出部906に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、接続突出部906は、針804と摩擦嵌合を形成するようにサイズ決定される。他の実施形態又は更なる実施形態では、針804は、突出部906の内側側壁に接着され得る。例示した実施形態では、突出部906は、システム800の組み立て中に突出部906への針804の近位端の挿入を補助することができる漏斗又はテーパ状領域908を画定する。
筐体852は、接続ハブ845と選択的に連結するように構成され得る接続境界面910を更に画定することができる。例示した実施形態では、接続境界面910は、筐体852の遠位端に位置付けられる。図示した接続境界面910は、接続ハブ845上の雄ねじと連結することができる雌ねじ912を備える。例えば、いくつかの実施形態では、ねじ912は、筐体852と接続ハブ845との間の4分の1回転接続に好適であり得る。任意の他の好適な接続境界面910が企図される。
図17A及び17Bは、この場合もやはり、場合によってはアクチュエータと代替的に称され得る補強材ハブ854の更なる詳細を示し、例示した実施形態では、補強材ハブ854は、補強材806の近位端との連結のための収容部部分を含む単一部品から形成され、筐体852に対して収容部部分を移動させるためにユーザによって係合可能なアクチュエータ部分を更に含む。具体的には、補強材ハブ854は、ハンドル850の空洞902内に位置付けられ得る本体920を含むことができ、本体920から横方向に延在するタブ、ボタン、グリップ、スライド若しくはスライダ、隆起、突起、係合要素、又はアクチュエータ922を更に含むことができる。アクチュエータ922は、本体920がハンドル850の空洞902内に位置付けられたとき、ハンドル850のトラック856によって画定された開口部901を通って外向きに延在することができる。したがって、例示した実施形態では、補強材ハブ854のアクチュエータ922は、ハンドル850の外部の位置で操作可能である。例えば、場合によっては、施術者は、ハンドル850を手で保持することができ、アクチュエータ922を遠位に押圧して(例えば、同じ手又はもう一方の手の指で)、アクチュエータ922をハンドル850に対して遠位に前進させる(例えば、摺動させる)ことができる。例示した実施形態では、本体920は、実質的に円筒形であり、筐体852によって画定された円筒形空洞902内で容易に摺動し得、アクチュエータ922は、トラック856によって画定された開口部901内で摺動するようにサイズ決定される。本体920は、トラック856付近にあるときでさえ、空洞902内に留まるようにサイズ決定され得る。別の言い方をすれば、本体920は、トラック856の幅よりも大きい横断方向幅を画定して、筐体852内に留まり、トラック856に沿って摺動することができる。他の構成も企図される。例えば、接触の有無にかかわらず、摺動又は他の相対移動を容易にすることができる筐体852の内部及びアクチュエータ本体920の外側表面に関して、他の相補的形状が企図される。
引き続き図17A及び17Bを参照すると、本体920は、本体920の全体を通って延在し得るチャネル930を画定することができる。チャネル930は、遠位端932と近位端934とを有することができる。遠位端932は、補強材806が遠位端932を通って延在することを可能にするようにサイズ決定され得、近位端934は、針804が近位端934を通って延在することを可能にするようにサイズ決定され得る。したがって、針804が補強材806内に位置付けられると、針804は、チャネル930の全体を通って延在することができる。対照的に、補強材806は、チャネル930の遠位端932のみを通って延在し得る。
チャネル930は、わずかに拡大された内径を有することができる凹部領域936を含むことができる。凹部領域936は、任意の好適な様式(オーバーモールド、接着等)で補強材806の近位端と接続され得る。
いくつかの実施形態では、本体920は、システム800の組み立てを補助することができる漏斗938をチャネル930の遠位端932に含む。例えば、場合によっては、補強材806の近位端は、漏斗938を通って凹部領域936へと近位に挿入されて、凹部領域936と接続される。漏斗938は、補強材806を狭いチャネル930内に方向付けることによって、補強材806の本体920へのそのような挿入を容易にすることができる。
図18A及び18Bは、本体940を含むことができるカテーテルハブコア841の更なる詳細を示す。本体940は、接続領域942と封止領域950とを含むことができる。接続領域942は、以下で更に考察されるように、本体940をカテーテル接続ハブ845に取り付けるように構成され得る。例示した実施形態では、接続領域942は、遠位から近位方向により小さい外径からより大きい外径まで拡大し、ハブコア841がアーム間で遠位に前進する際に、弾性的に可撓性のアームを押し付けるか、又は広げるように構成された分離ノーズ944を含む。図示した分離ノーズ944は、放物面として実質的に成形されているが、他の形状及び構成が企図される(例えば、円錐形、半球形等)。
接続領域942は、カテーテル接続ハブ845の部分と相互作用してカテーテルハブコア841をカテーテル接続ハブ845に固定するように構成された接続境界面946を更に含む。例示した実施形態では、接続領域942は、以下に更に記載されるように、カテーテルハブコア841及びカテーテル接続ハブ845を互いにロックするために、カテーテル接続ハブ845の部分が受容される溝947を含む。溝947は、近位側壁948と遠位側壁949とを含むことができる。いくつかの実施形態では、側壁948、949は、カテーテルハブコア841の長手方向軸に対して実質的に横断している。例えば、側壁948、949は各々、長手方向軸に直交して延在する別個の平面を画定してもよい。
封止領域950は、カテーテルハブコア941とカテーテル接続ハブ845との間に気密、液密、又は流体密シールのうちの1つ以上を形成するか、又は形成を補助するように構成され得る。「流体」という用語は、本明細書ではその通常の意味で使用され、気体(例えば、空気、窒素等)及び液体(例えば、生理食塩水、脱イオン水等)等、固定された形状を有しないか、外圧に容易に凹むか、又は流動性である材料を含む。したがって、流体密シールは、気密シール及び液密シールの両方であり得る。例示した実施形態では、封止領域950は、シール部材843を内部に受容するようにサイズ決定されたチャネル又は溝952を含む。
引き続き図18A及び18Bを参照すると、本体940は、本体940の全体を通って延在し得るチャネル960を画定することができる。チャネル960は、遠位端962と近位端964とを有することができる。近位端964は、補強材806が近位端964を通って延在することを可能にするようにサイズ決定され得、遠位端962は、カテーテル802が遠位端962を通って延在することを可能にするようにサイズ決定され得る。したがって、針が補強材806内に位置付けられ、補強材806がカテーテル802内に位置付けられるように、針804、補強材806、及びカテーテル802が入れ子の配向にあるとき、針804及び補強材806は、チャネル960の全体を通って延在することができる。対照的に、カテーテル802は、カテーテルハブコア841の遠位端962のみを通って延在し得る。
カテーテルハブコア841によって画定されるチャネル960は、わずかに拡大された内径を有することができる凹部領域966を含むことができる。凹部領域966は、任意の好適な様式(オーバーモールド、接着等)でカテーテル802の近位端と接続され得る。例示した実施形態では、カテーテルハブコア841は、カテーテル802上にオーバーモールドされる。
いくつかの実施形態では、本体940は、システム800の組み立てを補助することができる漏斗968をチャネル960の近位端964に含む。例えば、場合によっては、針804の遠位端及び補強材806の遠位端は、カテーテルハブコア841及びカテーテル802を通って遠位に挿入される。漏斗968は、これらの構成要素を狭いチャネル960に方向付けることによって、針804及び補強材806の本体940へのそのような挿入を容易にすることができる。
図19A及び19Bは、カテーテル接続ハブ845の更なる詳細を示す。ハブ845は、医療用境界面又は医療用コネクタ972を画定する本体970を含み、本体970を介して、カテーテル接続ハブ845は、例えば、医療用流体構成要素197に関して上述した医療用流体構成要素のうちのいずれか等、任意の好適な医療用デバイスと連結され得る。例示した実施形態では、医療用コネクタ972は、例えば、相補的雄ルアーフィッティングを含む任意の医療用流体構成要素と連結することができる雌ルアーフィッティング973として形成される。具体的には、医療用コネクタ972は、例示した実施形態における雄ねじ975を備える任意の好適な接続境界面974を含むことができる。更に、本体970は、流体が通過し得る管腔976を画定することができる。例示した実施形態では、接続境界面974に関連付けられた管腔976の部分は、ルアーテーパ977を画定する。
本体970は、医療用コネクタ972の遠位端に基部980を更に画定することができる。いくつかの実施形態では、基部980は、医療用コネクタ972の最遠位部分を備える。例示した実施形態では、基部980は、医療用コネクタ972から遠位に延在する本体970の領域である。本体970は、カテーテルハブコア841の接続境界面946と相互作用してカテーテル接続ハブ845をカテーテルハブコア841に固定するように構成されたハブ接続境界面982を画定することができる。例示した実施形態では、接続境界面982は、基部980から遠位に延在する複数の弾性的に可撓性のアーム984を含む。例示した実施形態は、4つの弾性的に可撓性のアーム984を含む。他の実施形態は、より多い又はより少ないアームを含む。各弾性的に可撓性のアーム984は、接続境界面946と直接相互作用してカテーテル接続ハブ845をカテーテルハブコア841に固定するように構成された内向き突出部又はキャッチ990を含む。具体的には、キャッチ990は、カテーテルハブコア841によって画定された溝947内に内向きに跳ねて、カテーテル接続ハブ845をカテーテルハブコア841に固定することができる。キャッチ990は各々、いったんキャッチ990が溝947内に受容されると、溝947の近位側壁948及び遠位側壁949のそれぞれと相互作用して、接続ハブ845に対するハブコア841の遠位移動又は近位移動のそれぞれを防止することができる近位面992と遠位面994とを含むことができる。
カテーテルハブコア841及びカテーテル接続ハブ845が一緒に接合され得る他の接続境界面もまた企図される。例えば、いくつかの実施形態では、キャッチ及び溝構成は、逆にされ得る。例えば、カテーテルハブコア941の接続境界面946は、1つ以上の外向きのキャッチを含むことができ、カテーテル接続ハブ845の接続境界面982は、1つ以上の外向きの溝を含むことができる。キャッチは、1つ以上の溝内にしっかりと嵌合するようにサイズ決定され得る。
図20A~20Dは、組み立てられた非展開状態のアセンブリ800の様々な断面図である。図20Aを参照すると、この構成において、針804の近位端は、ハンドル850にしっかりと取り付けられる。具体的には、針804は、筐体852によって画定された空洞902を通って延在し、筐体852によって画定された接続突出部906内に接着される。
補強材ハブ854は、筐体852の空洞902内の針804上に位置付けられ、補強材ハブ854のアクチュエータ922は、筐体852によって画定されたトラック856を通って延在する。補強材806は、補強材ハブ854内に位置付けられ、補強材ハブ854に取り付けられ、補強材806は、針804上に位置付けられる。別の言い方をすれば、針804は、補強材806内に入れ子になっている。補強材806は、図20Aに示される位置から針804上を近位に摺動、ないしは別の方法で並進することができる。
図20Bを参照すると、コアアセンブリ844は、カテーテル802と一致して移動するようにカテーテル802に固定される。具体的には、カテーテルハブコア841は、筐体852の空洞902内の補強材806上に位置付けられる。カテーテル802は、カテーテルハブコア841内に位置付けられ、カテーテルハブコア841に取り付けられ、針補強材806上に位置付けられる。別の言い方をすれば、補強材806及び針804は、カテーテル802内に入れ子になっている。補強材806及びカテーテル802は、図20Bに示される位置から針804上を(例えば、一緒に、又は一致して)並進することができる。シール部材843は、カテーテルハブコア841によって画定された溝952内に位置付けられる。
図20Cを参照すると、カテーテル接続ハブ845は、筐体852に固定され、針804、補強材806、及びカテーテル802上に位置付けられる。具体的には、筐体852及びカテーテル接続ハブ845の接続境界面910、974はそれぞれ、互いに接合される。例示した実施形態では、この固定は、相補的ねじを介して達成される。カテーテル802、補強材806、及び針804は、管腔976を通って、かつカテーテル接続ハブ845の弾性アーム984の間に延在する。
図20Dを参照すると、システム800が非展開状態にあるとき、針804の遠位端824の少なくとも一部分は、カテーテル802の遠位先端部816を越えて遠位に延在する。本明細書で考察される他の実施形態と同様に、図示された針804は、一次斜面827及び後方斜面828によって形成され得る遠位先端部826を含むことができる。
本明細書に記載される他の実施形態と同様に、カテーテル802の遠位端814は、針804に取り付けられ得る。取り付けは、例えば、カテーテル802の材料と針804の材料との間の摩擦嵌合及び/又は物理的結合であってもよい。具体的には、カテーテル802の内面893は、針804に摩擦係合及び/又は結合することができる。カテーテル802の遠位端814は、上記のような様式で補強材806の遠位先端部836によって係合され得る係合面又は当接表面891を更に含むことができる。
針804は、管腔875及びポート880を画定することができる。補強材806はまた、ポート880と整合されて通路886を形成することができるポート882を画定することができる。カテーテル802及び補強材806は協働して、チャネル888を画定することができる。管腔875、通路886、及びチャネル888は、図示した非展開状態にあるシステム800が上記のような様式で血管に導入されるとき、施術者に血液の噴出を示すことができる。同様に、システム800は、上記のような様式でポート880、882の整合を維持することができる。具体的には、図20Aを再び参照すると、補強材ハブ854は、筐体852に対して回転ロックされ得、これにより、補強材806のポート882と針804のポート880との間の回転をロックされた配向を維持する。例示した実施形態では、アクチュエータ922は、いかなる回転からも拘束されるか、又は筐体852によって画定されたトラック856内でわずかな回転のみに拘束され、これは、補強材ハブ854と筐体852との間の回転のロックを達成する。
図21A~21Dは、部分展開状態のシステム800の様々な断面図である。上述したように、システム800の遠位端は、図20A~20Dに示される非展開構成にあるとき、患者の血管内に前進してもよく、いったん血液の噴出が見られると、システム800は、カテーテルを針上で血管内の更なる距離まで前進させるために展開されてもよい。
図21Aを参照すると、図示された部分展開構成において、補強材ハブ854は、トラック856に沿ってトラック856のほぼ遠位端まで前方又は遠位方向に前進している。場合によっては、施術者は、ハンドル850を片手で保持し、同じ手の指で(例えば、人差し指又は親指で)アクチュエータ922を前方に押して、補強材ハブ854を示される位置まで遠位に前進させ得る。例えば、いくつかの実施形態では、施術者は、ハンドル850を片手の親指と1本以上の指(潜在的に人差し指を含む)との間に保持して、少なくとも針804及びカテーテル802の遠位先端部を患者の血管に挿入することができる。その後、施術者は、ハンドル850を手で保持し続けることができ、その手の人差し指を使用してアクチュエータ922に係合し、補強材ハブ854を遠位に前進させ得る。例えば、場合によっては、施術者は、人差し指を丸め、人差し指を真直ぐにしながら、人差し指の爪の少なくとも一部分(例えば、指の爪の表面)でアクチュエータ922の近位面を遠位に付勢し得る。
他の作動方法も企図される。例えば、片手での展開の他の場合において、指の爪の後面ではなく人差し指の先端部が使用され得る。更に他の場合において、親指が使用され得る。他の実施形態では、施術者は、両手での展開を使用し得る。
図21B及び21Cを参照すると、補強材ハブ854の遠位前進は、カテーテルハブコア841の遠位前進をもたらすことができる。例示した実施形態では、補強材806が補強材ハブ854にしっかりと固定されていることを前提として、補強材ハブ854の遠位前進は、補強材806を遠位に付勢する。図21Cに示されるように、補強材806の遠位先端部836は、カテーテル802の当接表面891に係合することができるか、又は別の言い方をすれば、カテーテル802の当接表面891を遠位に押圧することができる。したがって、カテーテル802の遠位端814に加えられる力は、カテーテル802を遠位に付勢することができる。力は、図20Dに関して上述したように、カテーテル802と針804との間の任意の摩擦を克服し、かつ/又は任意の結合を破壊するのに十分であり得る。
図21Bを参照すると、カテーテルハブコア841がカテーテル802にしっかりと固定されていることを前提として、カテーテル802の遠位移動は、カテーテルハブコア841の同時遠位移動をもたらすことができる。即ち、補強材806は、遠位に向けられた力をカテーテル802の遠位端814に加えることができ(図21Cを参照)、これは、カテーテルハブコア841を遠位に引くことができる。
補強材806は、望ましくは、長手方向の寸法又は方向において実質的に剛性又は非圧縮性であり得る。したがって、補強材806は、カテーテル802を長手方向に増強することが可能であるように、カテーテル802に軸方向の支持を付与するか、ないしは別の方法で柱状剛性を付与し得る。別の言い方をすれば、補強材806は、長手方向寸法において強力であり得、カテーテル802を長手方向に強化することができる。したがって、補強材806は、血管内のカテーテル802の遠位前進を可能にすることができる。場合によっては、内部に配設された補強材806を介して血管内でカテーテル802を前進させる感触は、血管内のガイドワイヤ上で同様の直径及び組成であるが、補強材を欠いているカテーテルを前進させる感触に類似し得る。
補強材806はまた、望ましくは、横方向の寸法又は方向で(例えば、補強材806の長手方向軸に直交する寸法で)、比較的軟質又は可撓性であり得る。別の言い方をすれば、補強材806は、望ましくは、横断寸法で低い曲げ剛性を有し得る。そのような可撓性により、補強材806が血管内で容易に屈曲することを可能にして、血管への補強材806及びカテーテル802の挿入、並びに/又は血管内での補強材806及びカテーテル802の前進を容易にすることができる。例えば、そのような曲げ性は、補強材806(及びカテーテル802)が血管穿刺部位を通って血管内に前進し(概して、血管の管腔に対してある角度で生じ得る)、その後、血管の管腔に沿うための初期の屈曲を容易に行うことを可能にすることが望ましくあり得る。補強材806(及びカテーテル802)はまた、補強材806が血管内でより深い深さまで前進する際に、血管の輪郭により容易に沿うことができる。
様々な実施形態において、今記載した長手方向剛性及び横方向可撓性特性は、補強材806の面積慣性モーメントを調節することによって達成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、補強材806は、薄壁管として形成される。管の厚さは、所望の横方向の可撓性を達成するように調節され得る。場合によっては、可撓性は、全ての横方向において実質的に同じであるか、又は別の言い方をすれば、補強材806は、補強材806の長手方向軸を横断する全ての寸法において実質的に対称的に可撓性である。いくつかの実施形態では、一般的には補強材806、及び/又は補強材806が形成される材料が、カテーテル802を患者の血管内の最終的な目標の深さまで前進させるのに十分な柱状強度を維持しながら、可能な限り軟質であることが望ましくあり得る。
図21Dを参照すると、いくつかの実施形態では、補強材806は望ましくは、耐穿刺性であってもよく、これにより、針804の遠位先端部826は、管状補強材806の側壁等、補強材806を通過しなくてもよい。例えば、上述したように、いくつかの実施形態では、補強材806は、カテーテル802がシステム800を介して展開された後に針804を遮蔽することができる。即ち、補強材806は、カテーテル802からの針804及び補強材806の取り外し中及び後に、補強材806を遮蔽することができる。
補強材806に関して、任意の好適な材料が企図される。様々な実施形態において、補強材806は、超弾性材料から完全に形成され得るか、又は含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、補強材806は、超弾性ニチノール管等の超弾性ニチノールを含む。他の実施形態又は更なる実施形態では、補強材806は、ポリカーボネート等の好適なプラスチック、DELRIN(登録商標)(DuPontから入手可能)、形状記憶ニチノール等から完全に形成されるか、又は含む。
再び図21Bを参照すると、図示した展開状態では、カテーテルハブコア841は、分離ノーズ944がカテーテル接続ハブ845の弾性的に可撓性のアーム984のキャッチ990の近位表面と接触するまで遠位に前進している。カテーテルハブコア841が更に遠位に前進すると、丸みを帯びた分離ノーズ944は、キャッチ990を外向きに押し、したがって、アーム984を半径方向外向きに屈曲させて、それによる分離ノーズ944の通過を可能にする。別の言い方をすれば、分離ノーズ944は、アーム984を外向きに広げるか、変位(例えば、半径方向に変位)させるか、又は拡張して、それによる分離ノーズ944の通過を可能にするように構成されている。
再び図21Dを参照すると、システム800が展開されると、補強材806及びカテーテル802は、針804上で血管内に一致して前進する。上述したように、補強材806は、補強材806の非存在下で達成できない挿入深さを達成するために、カテーテル802の望ましい強化を提供することができる。補強材806は、そうでなければ、ガイドワイヤ上で同様に構成されたカテーテルを前進させることによってのみ達成され得る挿入深さを可能にすることができる。更に、補強材806は、血管内のカテーテル802の展開中、並びに/又はカテーテル802配置後のカテーテル802からの補強材806及び針804の格納中、カテーテル802を針804との接触から、特に針804の遠位先端部826との接触から遮蔽することができる。
図22A及び22Bは、完全展開状態のシステム800の断面図である。例示した実施形態では、補強材ハブ854は、トラック856の遠位端に近接して前進して、カテーテル802を完全に展開する。
図22Bを参照すると、カテーテル802の完全展開を達成するために、カテーテルハブコア841の分離ノーズ944は、カテーテル接続ハブ845の可撓性アーム984をもはや押し開かないほど十分な量だけ遠位に前進する。したがって、カテーテルハブコア841が完全に前進すると、可撓性アーム984は、アーム984のキャッチ990がカテーテルハブコア841の溝947内に入るように、可撓性アーム984の自然な状態に向かって跳ね返るか又は弾性的に戻る。その後、キャッチ990の近位面992及び遠位面994は、溝947の近位側壁948及び遠位側壁949のそれぞれと相互作用(例えば、当接又は干渉)して、カテーテル接続ハブ845とカテーテルハブコア841との間の相対的な並進移動を阻止又は防止する。いくつかの実施形態では、キャッチ990は、溝947の基部壁を十分に把持するか、ないしは別の方法でカテーテルハブコア841と相互作用して、カテーテル接続ハブ845とカテーテルハブコア841との間の相対的な回転移動を阻止又は防止することができる。
より一般的に述べると、カテーテル802を完全に展開すると、カテーテル接続ハブ845のハブ接続境界面982及びカテーテルハブコア841の接続境界面946は、互いと相互作用してカテーテル接続ハブ845及びカテーテルハブコア841を接合する。別の言い方をすれば、カテーテル802の展開は、複数部品カテーテルハブ846を組み立てる。更に別の言い方をすれば、カテーテルハブコア841は、システム800が非展開状態にあるときにカテーテル接続ハブ845から分離され、ある距離において位置付けられ得、システム800の展開状態への移行時、又はカテーテル802の展開時に、カテーテルハブコア841は、カテーテル接続ハブ845と連結されるか、又は直接取り付けられる。いくつかの実施形態では、カテーテルハブコア841及びカテーテル接続ハブ845の単一ハブへの組み立ては、不可逆的であるか、又は別の言い方をすれば、カテーテルハブコア841は、カテーテル接続ハブ845とのカテーテルハブコア841の係合から戻ることが不可能である(例えば、ツールを使用することなく分離を達成することができないか、又は不注意な分離が阻止又は防止される)。
複数部品カテーテルハブ846が組み立てられたとき、シール部材843は、カテーテル接続ハブ845の内部表面及びカテーテルハブコア841の外部表面とシール(例えば、流体密シール)を形成することができる。具体的には、例示した実施形態では、シール部材843は、カテーテルハブコア841の溝952内に位置付けられた弾性的に変形可能なOリングを備える。カテーテルハブ846が組み立てられると、シール部材843は、シール部材843の外側部分がカテーテル接続ハブ845の基部980の内部表面に対して封止するように、かつシール部材843の内側部分がカテーテルハブコア841の外部表面によって画定された溝952対して封止するように、圧縮される。
システム800を完全に展開した後、ハンドル850、補強材ハブ854、補強材806、及び針804は、取り外され得る。前述したように、カテーテルハブ846及びカテーテル802から取り外し可能であるこれらの構成要素は、挿入アセンブリ809と称され得る。具体的には、ハンドル850は、カテーテル接続ハブ845から切断されてもよく、カテーテル接続ハブ845は、例示した実施形態では、筐体852及びカテーテル接続ハブ845のうちの1つ以上をもう一方に対して(例えば、4分の1回転)回転させて、相補的ねじを係合解除することを含む。次いで、ハンドル850及びハンドル850と連結された全ての構成要素は、カテーテルハブ846から引き出され得る。例えば、施術者は、カテーテル接続ハブ845を片手で保持することができ、ハンドル850をもう一方の手で近位に引き、それにより針804及び補強材806をカテーテル802から引き出すことができる。より一般的に述べると、カテーテル802の展開及びカテーテルハブ846の同時の組み立て後、挿入アセンブリ809は、カテーテルアセンブリ849から取り外され得る。
いくつかの実施形態では、補強材ハブ854は、いったん遠位に前進してカテーテル802を展開すると、筐体852に対して戻ることが不可能である。別の言い方をすれば、補強材ハブ854は、完全展開時にハンドル850に対してロックされ得、これは、補強材806を針804に対して遮蔽構成に維持することができる。そのような構成では、施術者は、単にハンドル850を近位に引っ張って、挿入アセンブリ809の全体を取り外すことができる。即ち、針804は、筐体852への針804のしっかりとした固定に起因して近位に引かれ、補強材ハブ854がハンドル850に対して定位置にロックされている(例えば、一定の長手方向の配向で固定されている)ために、補強材ハブ854及び補強材806の両方が同時に近位に引かれる。
カテーテルハブ846から挿入アセンブリ809を取り外した後、任意の好適な医療用流体構成要素197(図4Jを参照)は、上述のような様式でカテーテルハブ846と連結され得る。引き続き図22Bを参照すると、シール部材843によって形成されたシールは、カテーテル接続ハブ845とカテーテルハブコア841との間を通過すること等によって、複数部品カテーテルハブ846から流体が漏れるのを防止することができる。例えば、カテーテル802を通って血管に送達するために医療用流体構成要素197からカテーテルハブ846に導入された流体は、カテーテル接続ハブ845の医療用コネクタ972の端部によって画定された管腔976を通過することができ、次いでカテーテル接続ハブ845のチャネル960の近位端を通過し、カテーテル802に入ることができる。カテーテル接続ハブ845とカテーテルハブコア841との間を通過し得る任意の流体は、シール部材843によって停止される。
いくつかの実施形態では、シール部材843は、カテーテル接続ハブ845及びカテーテルハブコア841を互いに対して固定された関係に維持するのを補助し得る。例えば、シール部材843は、両方の構成要素の表面に摩擦係合して、両方の構成要素の間の相対的な並進及び/又は回転移動を阻止することができる。場合によっては、シール部材843によって提供される移動の阻止は、キャッチ990及び溝947の相互作用によってもたらされる相対的な並進及び/又は回転移動の同様の阻止に補助的である。
図23A~23Cは、挿入アセンブリ809等、本明細書に記載される針アセンブリと共に用いられ得る、戻り止め機構又はロック1000の例示的な実施形態を示す。これらの図面に示される断面図は、図20A~22Bに示される図と比較して、長手方向軸を中心として90度回転した平面に沿って取られる。ロック1000は、ハンドル850の筐体852内に形成された弾性的に可撓性のアーム1002を含む。例えば、いくつかの実施形態では、筐体852は、単一の材料片から形成され、アーム1002は、筐体852の一体型構成要素として形成される。アーム1002は、アーム1002の遠位端にキャッチ1004を含むことができる。キャッチ1004は、傾斜表面1006と停止部1008とを含むことができる。
図23Bに示されるように、補強材ハブ856が筐体852内で遠位に前進すると、補強材ハブ856は、傾斜表面1006に係合し、可撓性アーム1002を外向きに変位させることができる。図23Cに示されるように、補強材ハブ856がアーム1002を越えた後、弾性的に可撓性のアームは、アームの非偏向状態に自動的に戻ることができ、停止部1008が補強材ハブ856の近位移動を防止する。任意の他の好適な戻り止め機構又はロックが企図される。
図24Aは、本明細書に開示される他のシステムに類似し得るカテーテル送達システム1100の別の実施形態を示す。システム1100は、カテーテル1102を自動的に展開するように構成されている。システム1100は、本明細書に記載される他の実施形態と同様の、筐体1152によって少なくとも部分的に形成されるハンドル1150を含む。筐体1152は、トラック1156を画定することができ、トラック1156に沿って、補強材ハブ1154が展開され得る。
補強材ハブ1154は、任意の好適な様式で、図示した格納又は近位位置において筐体1152と解放可能に連結され得る。具体的には、アクチュエータ1222は、任意の好適な様式で筐体1152と機械的に連結され得る。アクチュエータ1222を作動させてアクチュエータ1222を筐体1152から分離又は係合解除すると、補強材ハブ1154は、筐体1152に対して遠位に並進することが可能になり得る。
例示した実施形態では、システム1100は、遠位に向けられた力を補強材ハブ1154に加える付勢部材1107を含む。具体的には、例示した実施形態では、付勢部材1107は、筐体1152によって画定された接続突出部1206に近位端で連結され、補強材ハブ1154に遠位端で連結される、コイルバネ1109を備える。システム1100が非展開状態にあるとき、バネ1109は、圧縮状態にあり、カテーテル1102を展開するのに十分なポテンシャルエネルギーを貯蔵する。
図24Bを参照すると、例示した実施形態では、カテーテル1102は、アクチュエータ1222の作動時に展開され得る。具体的には、アクチュエータ1222の作動により、筐体1152に対して固定された長手方向位置に補強材ハブ1154を維持する機械的連結具を解放することができ、それにより圧縮されたバネ1109が減圧し、補強材1106を遠位に自動的に付勢することを可能にする。補強材1106の遠位移動は同様に、カテーテル1102を遠位に移動させて、上記のような様式でカテーテル1102を展開することができる。
例示した実施形態では、アクチュエータ1222は、補強材ハブ1154から横方向にトラック1156を通って外向きに延在する突出部を含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータ1222は、カテーテル1102の展開を終了するための停止部として更に作用し得る。具体的には、アクチュエータ1222は、トラック1156の遠位端に当接して、補強材ハブ1154の遠位移動を停止し得る。より一般的には、補強材ハブ1154は、筐体1152と相互作用して、補強材ハブ1154の前方移動を停止する。補強材ハブ1154の前方運動を停止するための他の構成も企図される。
システム1100が図24Bに示される完全展開状態にあるとき、バネ1109は、弛緩状態にあってもよく、又はバネ1109は、圧縮状態のままであってもよいが、システム1100が展開されていないときよりも圧縮されていない状態である。
他の実施形態では、バネ1109は、非展開状態にあるとき、代わりに張力がかかった状態に置かれる。例えば、バネ1109の遠位端は、筐体1152の遠位端と連結されてもよく、バネ1109の近位端は、補強材ハブ1154と連結されてもよい。いずれの構成においても、バネ1109は、システム1100が展開されていない変位状態から、システム1100が完全に展開されたあまり変位されていない状態又はより弛緩した状態(又は更には完全に弛緩した状態)に移行し得る。
いくつかの実施形態では、システム1100は、カテーテル1102を滑らかにかつ/又は制御された様式で展開するように構成され得る。別の言い方をすれば、筐体1152に対する補強材ハブ1154の並進速度によって決定され得るようなカテーテルの展開速度は、実質的に一定であり得る。例えば、様々な実施形態では、カテーテル1102の最大展開速度は、カテーテル1102の最終的な展開速度(例えば、カテーテル1102がハンドル1150に対してもはや前進しない、展開の終了直前の時点で)から、わずか5、10、15、20、25、30、40、50、又は75パーセント異なり得る。
いくつかの実施形態では、制御された展開は望ましくは、患者の血管への外傷のリスクを低減することができる。例えば、カテーテル1102の展開速度を制御しないある特定の実施形態では、カテーテル1102は、自動送達システムの初期作動時に最初に遠位方向に急速に加速するか、又は突き出て、展開が進行するにつれて減速し得る。これは、例えば、システムが非展開状態にあるとき、バネ1109がバネ1109の最大圧縮状態にあることに起因し、したがって初期展開時に最大の力を提供し得る。バネ1109によって提供される展開力は、バネ1109が展開の過程全体にわたって弛緩するにつれて減少し得るが、これは、それにより供給される展開力の量がそれに応じて減少するためである。今記載したような初期の飛び出し又は突き出しは、特にカテーテル1102が血管に入ったばかりの初期の展開段階において、血管壁の1つ以上の内層(例えば、内皮)を損傷する可能性がある。典型的には、カテーテル1102及び補強材1106は、血管の長手方向軸に対してある角度で血管に入り、したがって、カテーテル1102及び補強材1106は、この挿入角度で血管壁内に急速に駆動され得る。壁は、カテーテル1102及び補強材1106を角度付き挿入軌道から偏向させることができ、その結果、カテーテル1102及び補強材1106はその後、血管の輪郭に沿う。場合によっては、カテーテル1102が側壁と接触して偏向される力が大きいほど、側壁への損傷がカテーテル1102との初期偏向及び/又は後続の接触に起因し得る可能性が大きい。上記の理由及び/又は他の理由のために、場合によっては、カテーテル1102の制御された展開が望ましくあり得る。
様々な実施形態において、カテーテル1102の制御された自動展開を達成するために制動剤が使用される。例えば、様々な実施形態において、ダンパ用オイル、グリース、化合物、ペースト、及び/又はコーティングが、補強材ハブ1154の外部表面及び/又は筐体1152の内部表面に適用される。例えば、制御された展開を達成するために、ある量のシリコーン系ダンパ用オイルが筐体1152に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、制動剤は、粘弾性材料を含むことができる。様々な実施形態において、制動剤は、バネ1109を介して補強材ハブ1154及び筐体1152により大きい力が加えられる展開の初期段階において、補強材ハブ1154と筐体1152との間の相対移動に対するより大きい抵抗を提供することができ、バネ1109が弛緩するためにバネ1109によって提供される力が低減される展開の後の段階において、相対移動に対してより低い抵抗を提供することができる。したがって、補強材ハブ1154は、筐体1152に対して比較的一定の移動速度を達成することができる。
場合によっては、カテーテル1102の自動展開は、カテーテル1102のより予測可能かつ/又は信頼性の高い送達をもたらすことができる。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテル送達システム1100は、決して上限に達しないか又は超えない速度でカテーテル1102を確実に送達することができる。上限は、血管への損傷が生じ得る速度に対応し得る。別の言い方をすれば、場合によっては、複数の自動カテーテル送達システム1100が製造されてもよく(例えば、大量生産)、システム1100の各々は、上限を満たさないか又は超えない速度で展開が生じることを確実にするために、上限よりも十分に低い指定された許容差内にあり得る。対照的に、ある特定の手動で展開可能な実施形態は、施術者がカテーテルを展開し得る速度を制限しない場合がある。
いくつかの実施形態では、自動システム1100は、カテーテル1102の遠位先端部が血管の内部に位置付けられたときのみ展開するように構成されている。別の言い方をすれば、自動システム1100は、針が血管に入るのにまだ十分に前進していないときに生じ得るように、又は血管壁を通る針の不注意な過度の前進(例えば、後方穿刺)で生じ得るように、カテーテル1102を展開しない場合があり、カテーテル1102の遠位先端部は、血管内にない。そのような場合、カテーテル1102を展開しようとする試みは、カテーテル1102の遠位先端部を血管の管腔内ではなく患者の組織(例えば、脂肪、筋肉)に対して付勢する。カテーテル1102をそのような状況で前進させるために、システム1100は、組織を通してカテーテル1102の遠位先端部を付勢する必要があり、これは、カテーテル先端部が血管内にすでに位置付けられた後、カテーテル1102の遠位先端部を血管内のより深い深さまで付勢するよりも大きい力を必要とする。したがって、バネ1109は、カテーテル1102の遠位先端部がすでに血管内にある後、血管を通して血管内のより大きい距離又は深さまでカテーテル1102を前進させるのに十分な力であるが、患者の組織を通してカテーテル1102の遠位先端部を前進させるのに不十分な力を提供し得る。別の言い方をすれば、バネ1109は、血管の外部に位置付けられ、針1104の遠位先端部を介してまだ穿孔されていない組織を通して、カテーテル1102の遠位先端部を前進させるのに不十分な力を提供し得る。
例示した実施形態では、カテーテル1102を展開するための失敗に終わった試みは、以下のように進行し得る。カテーテル1102の先端部が血管内にない場合、施術者は、アクチュエータ1222を起動して、補強材ハブ1154を筐体1152とのロック係合から解放し得る。バネ1109は、遠位に向けられた力を補強材ハブ1154に加え、この力は、補強材1106の遠位先端部に、それによってカテーテル1102の遠位先端部に伝達される。しかしながら、カテーテル1102の先端部が血管内にないため、またバネ1109によって提供される力が、カテーテル1102の遠位先端部が接触している組織を貫通するのに不十分であるため、補強材ハブ1154は、実質的にトラック1156の近位端に留まることができ、カテーテル1102は、非展開状態に留まることができ、例えば、カテーテル1102の遠位先端部は、針1104の遠位端に対して近位に位置付けられたままであり得る。自動展開が生じていないことに気づくと、施術者は次いで、カテーテル先端部が血管内にあり、展開されることが可能になるまで、システム1100を後方に、前方に、ないしは別の方法で操作し得る。
例えば、針1104の先端部が潜在的にカテーテル1102の先端部と共に血管の後壁を貫通している場合(例えば、後方穿刺事象)、システム1100は、針1104及びカテーテル1102の先端部が血管の管腔内に入るまで、ハンドル1150を後方に引っ張ることによって近位に格納され得る。いったんカテーテル1102の遠位先端部が血管内に入り、針1104の先端部上を遠位に前進することが可能になると、バネ1109の遠位に向けられた力は、カテーテル1102を血管内に展開するのに十分であり得、これは、いったん針1104が適切な位置まで引かれると自動的又は自発的に生じ得る。
他の場合、針1104の先端部がまだ血管壁を貫通していない場合、システム1100は、血管内へと遠位に前進することができる。システム1100を血管内へと十分に前進させると、バネ1109の力は、カテーテル1102を血管内に展開するのに十分であり得る。
様々な実施形態において、付勢部材に蓄えられたエネルギーの量、及び展開事象全体を通して付勢部材1107によって提供される展開力は、(1)カテーテル1102の遠位先端部と針1104の遠位先端部との間に存在し得る任意の結合を破壊するのに、(2)カテーテル先端部が血管内に適切に位置付けられたとき、患者の皮膚を通る挿入路を通して、かつ針1104本体上で血管の管腔内へと、カテーテル1102を前進させるのに、(3)上述のような様式で(例えば、カテーテル接続ハブ1145の弾性的に可撓性のアームを、カテーテルハブコア1141内の溝と係合するように跳ね返るまで、分離して偏向させることによって)、カテーテルハブコア1141をカテーテル接続ハブ1145と接続するように付勢するのに、及び/又は(4)補強材ハブ1154の格納を防止するために、戻り止め機構を展開、ないしは別の方法で起動するのに(図23A~23Cに関する上記のように)、十分であり得る。他の実施形態又は更なる実施形態では、展開事象の任意の段階で付勢部材1107によって提供される展開力は、カテーテル1102及び補強材1106の遠位先端部を患者の組織を通して付勢して、それにより組織を穿刺するのに不十分であり得る。別の言い方をすれば、展開力は、針1104の遠位先端部によってまだ穿刺されていない組織(例えば、脂肪、筋肉)を通してカテーテル1102の遠位先端部を押すのに不十分であり得る。
針が血管内に適切に位置していないときにカテーテル1102を針1104上に展開することが設計によってできない自動システム1100のある特定の実施形態に関する上記の考察は、例えば、システム800の実施形態等の手動システムのある特定の実施形態に同様に適用可能である。具体的には、補強材1106の存在は、カテーテル1102の遠位先端部が遠位に前進することが不可能であることか、又はカテーテル1102を血管内に展開するのに必要とされる力よりも著しく大きい力を加えることによってのみ遠位に前進し得ることのいずれかを示す触覚フィードバックを、施術者に有利に提供することができる。この触覚フィードバックは、システムがカテーテル展開のために適切に位置付けられていないことを施術者に示すことができる。そのような触覚フィードバックは、針が適切に位置付けられていないときに施術者がカテーテルを針に対して遠位に前進させる際に、カテーテルの柔軟性により、カテーテルが患者内で容易にまとまるか、又は折り畳むことが可能になり得るため、単にオーバーザニードルカテーテルを含む従来技術のシステムよりも有利であり得る。そのようなオーバーザニードルカテーテルは、触覚フィードバックを提供しない場合があるか、又はカテーテルの比較的低い長手方向の剛性により、カテーテルが結果として早期又は不適切に展開されたときに検出が困難である触覚フィードバックを提供する可能性がある。即ち、ある特定の従来技術の構成において、カテーテルが、針に対してカテーテルが遠位に前進するにつれて容易にまとまり、したがって、不適切な配置に関してユーザに触覚指示をほとんど又は全く提供しない一方で、補強材1106を用いるある特定の実施形態では、補強材1106は、カテーテル1102の遠位端が好ましくない前進条件に遭遇し、カテーテル展開のために適切に位置していないことを施術者に伝える。
図25は、自動システム1100において、補強材ハブ1154をハンドル1150の筐体1152に選択的に固定することができる機械的連結具1300の一実施形態の例示的な例を示す。例示した実施形態では、機械的連結具1300は、筐体1152から内向きに延在するキャッチ1302を含む。例示した実施形態では、キャッチ1302は、筐体1152と一体的に形成される。
機械的連結具1300は、アクチュエータ1222を更に含む。例示した実施形態では、アクチュエータ1222は、システム1100が非展開状態にあるときにキャッチ1302が中に受容される凹部1306を画定する弾性的に可撓性のアーム1304を含む。可撓性アーム1304は、施術者がカテーテル1102の展開を開始するために押し下げることができる係合表面1308を含む。例示した実施形態では、アーム1304は、補強材ハブ1154の本体1320と一体的に形成され、放射状に内向きの変形が可能である。
自動システム1100を作動させるために、施術者は、係合表面1308を内向きに押すことができ、これは、アーム1304を内向きに、かつキャッチ1302とのアーム1304の係合から外れて偏向させることができる。次いで、補強材ハブ1154は、上述のような方法で付勢部材1107の影響下で自由に遠位に移動する。
図26A及び26Bは、複数部品カテーテル1402を含むカテーテル展開システム1400の別の実施形態を示す。具体的には、カテーテル1402は、本体1403と先端部1405とを含む。いくつかの実施形態では、本体1403は、先端部1405よりも比較的剛性又は硬質である。先端部1405は、血管の内側表面を損傷することを回避するために、本体1403よりもはるかに軟質であってもよいか、又は非外傷性であってもよい。比較的硬質な本体1403は、まとまること又は折り畳むことに対してより抵抗があり得る。本体1403及び先端部1405は、いくつかの実施形態では、異なる材料から形成されてもよい。
本体1403及び先端部1405は、1つ以上の接着剤、射出成形、溶接(例えば、超音波溶接又はRF溶接)等を介して、任意の好適な様式で一緒に接合され得る。例示した実施形態では、先端部1405は、本体1403によって画定された管腔内に近位に延在し、本体1403に固定されるフランジ1407又は突出部を含む。
他の実施形態では、例えば、図2及び3に示されるカテーテル102のある特定の実施形態では、カテーテルのシャフトと比較して比較的軟質な先端部が、押出中にブレンド勾配を用いることによって、代わりに達成され得る。
図27は、本体1503と先端部1505とを有する複数部品カテーテル1502を含み、先端部1505を通って延在する複数のサイドポート1511を更に含む、カテーテル展開システム1500の別の実施形態である。具体的には、例示した実施形態では、サイドポート1511の各々は、カテーテル1502の長手方向軸に対して角度aで延在する。様々な実施形態において、角度aは、約10~約120度、約15~約105度、約45~約90度の範囲内、又は約15、30、45、60、90、又は120度以下である。サイドポート1511の任意の好適な数及び構成が企図される。
いくつかの実施形態では、サイドポート1511は、先端部1505を通して穿設される。他の実施形態では、サイドポート1511は、成形プロセス中にコアピンを介して形成される。サイドポート1511を形成するための任意の他の好適な技術が企図される。
いくつかの実施形態では、サイドポート1511は、先端部1505の周囲に対称的に配置される。サイドポート1511は、いくつかの構成では、注射中のカテーテル1502の遠位端の安定性を高めることができ、これにより、血管への外傷を阻止することができる。
図28は、カテーテル1502と同様のカテーテル1602の別の実施形態を示す。しかしながら、先端部1605及び本体1603のうちの1つ以上を通って延在することができるサイドポート1611の近位開口部は、先端部1605の近位端によって画定された当接面1691上に位置付けられる。近位開口部は、本体1603を通って遠位に流動する流体の経路内に直接存在することができる。
図29は、複数のサイドポート1711を有するカテーテル1702を備えるカテーテル送達システム1700の別の実施形態を示す。例示した実施形態では、サイドポート1711は、サイドポート1711を通る流体の流動を可能にするように開くことができ、カテーテル1702の内部と外部との間の圧力差が十分に小さいときに閉じることができるスリットとして形成される。図示したサイドポート1711は、魚のえらに似たスリットとして実質的に形成される。サイドポート1711の任意の他の好適な構成が企図される。
図30は、カテーテル送達システム1800の別の実施形態の一部分を示し、任意の好適な種類のキャッチ又は係合部材1813が補強材1806にしっかりと固定され、補強材1806は、カテーテルハブコア1841の遠位移動を達成することができるか、又は達成を補助することができる。例示した実施形態では、係合部材1813は、補強材1806にしっかりと固定されたリングを備えるが、任意の他の好適な突出部又は他の構成が企図される。係合部材1813は、カテーテルハブコア1841の近位端と接触し、補強材1806の前方前進中に同じ前方に付勢することができる。そのような構成は、場合によっては、補強材1806の遠位先端部によってカテーテル1802の遠位先端部に加えられる力の量を低減することができる。例えば、いくつかの構成では、補強材1806の遠位端は、カテーテル1802の遠位端と主に相互作用して、血管への挿入中にカテーテル先端部が近位に折り畳むことに抵抗し、カテーテルを針から押し出し、かつカテーテルを血管内へとより深く前進させる。カテーテル1802の遠位端と補強材1806の遠位端のそのような相互作用はまた、図21B及び22Bに示され、図21B及び22Bに関して記載されるように、カテーテルハブコア1841を前方に引っ張り、カテーテル接続ハブと連結係合させることができる。しかしながら、係合部材1813はまた、カテーテルハブのそのような組み立て中に補強材1806からカテーテルハブコア1841に力を直接伝達することができ、これは、カテーテルハブ組み立て中のカテーテル1802の歪み及び遠位端を低減することができる。
図31及び32は、本明細書に開示される他のシステムと同様のカテーテル送達システム2000の別の実施形態を示す。例えば、カテーテル送達システム2000は、多くの点で上述したシステム800に類似し得、前述のように、システム800並びに本明細書に開示される他のシステムに関して記載される特徴及び変化形の任意の好適な組み合わせが、システム2000で用いられ得、逆もまた同様である。本開示のパターンは、後の図に示され、以下に記載される更なる実施形態に等しく適用され、先頭の桁は、更に増やされ得る。
カテーテル送達システム2000は、人間工学的輪郭を有するハンドル2050又は針ハブを含む。例示した実施形態では、ハンドル2050は、頂部又は上部筐体要素2052tと、底部又は下部筐体要素2052bとを含む、筐体2052から形成される。アクチュエータが補強材を遠位に前進させるために沿って通る長手方向に延在するトラックを画定するのではなく、筐体2052は代わりに、補強材ハブ2054の一部が通って延在する筐体2052の中央領域又は中間領域においてチャネル又は開口部2051を画定する。アクチュエータ2022は、(例えば、ユーザの片手によって)係合されて、(例えば、ユーザのもう一方の手によって保持され得る)筐体2052に対して補強材ハブ2054を遠位に前進させて、カテーテル2002を展開することができる。本明細書の他の実施形態と同様に、アクチュエータ2022は、任意の好適な様式で補強材ハブ2054と連結され得る。例示した実施形態では、アクチュエータ2022は、補強材ハブ2054と一体的に形成される。場合によっては、補強材ハブ2054は、それ自体がより一般的に、アクチュエータと称され得る。別の言い方をすれば、補強材ハブ2054の本体部分から長手方向に後方に突出する細長い延長部を含むことができるアクチュエータ2022は、筐体2052内に前進して、補強材ハブ2054が連結される補強材2006を遠位方向に前進させ、それによりカテーテル2002を遠位方向に前進させることができる。図32に示されるように、補強材ハブ2054の本体部分は、筐体2052によって画定された空洞内に位置付けられる。
システム2000の頂部に位置付けられるのではなく、アクチュエータ2022は、上部筐体要素2052tに対して下向きに延在する。そのような構成は有利に、施術者がハンドル2050の上及び針2004に近接して位置付けられた片手でハンドル2050を保持しながら、もう一方の手がハンドル2050の下に伸びてアクチュエータ2022を前方に前進させることを可能にし得る。最初にシステム2000の後方端に位置付けられ、かつ/又は下方に延在することによって、アクチュエータ2022は、針2004及びカテーテル2002を患者の血管に最初に導入する間に不注意な作動が生じにくくなり得る。例示した実施形態では、アクチュエータ2022が開始位置にあるとき、又は別の言い方をすれば、システム2000が非展開状態にあるとき、アクチュエータ2022は、筐体2052の近位端のわずかに前方又は遠位にある位置にある。
システム2000は、上述の同様の番号及び同様の名称の構成要素(例えば、同様の番号の構成要素841、843、845;1141、1145)に実質的に類似するカテーテルハブコア2041、シール部材2043、及びカテーテル接続ハブ2045を更に含むことができる。カテーテル2002、カテーテルハブコア2041、シール部材2043、及びカテーテル接続ハブ2045は、カテーテルアセンブリ2049と集合的に称され得る。システム2000の残りの構成要素は、挿入アセンブリ2009と集合的に称され得る。本明細書に記載される他の実施形態と同様に、カテーテルアセンブリ2049は、カテーテル2002の展開中に組み立てられ得、挿入アセンブリ2009は、患者の血管内の所望の深さまでカテーテル2002を展開した後に、カテーテルアセンブリ2049から選択的に取り外され得る。
図33及び34は、本明細書に開示される他のシステムと同様のカテーテル送達システム2100の別の実施形態を示す。具体的には、システム2100は、すでに開示した実施形態(例えば、システム800及び2000)に関して記載したような様式で動作することができ、以下に記載されるような他の特徴又は更なる特徴を含んでもよい。システム2100は、カテーテルアセンブリ2149に選択的に取り付けられた挿入アセンブリ2109を含む。上述の他の実施形態と同様に、挿入アセンブリ2109は、患者の血管内の所望の深さまでカテーテル2102を展開するように構成されている。その際、挿入アセンブリ2109は、カテーテルアセンブリ2149を分解状態から組み立て状態に移行させる。カテーテル2102の展開後、かつカテーテルアセンブリ2149の組み立て状態への移行後、挿入アセンブリ2109は、カテーテルアセンブリ2149から離脱され、カテーテルアセンブリ2149から引き出され、したがって、カテーテルアセンブリ2149を患者の脈管構造内の定位置に残すことができる。カテーテル2012の展開及びカテーテルアセンブリ2149の組み立て状態への移行は、少なくとも一部分が同時に生じ得る事象である。例えば、カテーテルアセンブリ2149のハブ部分の組み立ては、システム800に関する上記のような様式でカテーテル2102の展開の最終段階中に生じ得る。
図示したカテーテルアセンブリ2149は、上述の他のカテーテルアセンブリに類似する。具体的には、カテーテルアセンブリ2149は、カテーテル2102と、カテーテルハブコア2141と、シール部材2143と、カテーテル接続ハブ2145とを含み、これらの各々は、上記の同様の名称及び同様の番号の構成要素に類似する。カテーテルハブコア2141は、カテーテル2102に固定される(例えば、カテーテル2102の近位端上にオーバーモールドされる)。シール部材2143は、上記のようにカテーテルハブコア2141によって画定された溝内に位置付けられること等によって、任意の好適な様式でカテーテルハブコア2141と連結され得る。システム2100の非展開状態に対応するカテーテルアセンブリ2149の図示した分解状態では、カテーテルハブコア2141は、カテーテル接続ハブ2145から離間し、カテーテル接続ハブ2145の後方(近位)に位置付けられ、カテーテル2102は、カテーテル接続ハブ2145の全体を通って延在する。カテーテルハブコア2141、シール部材2143、及びカテーテル接続ハブ2145は、一緒に組み立てられてカテーテルハブ2146を形成することができる。
例示した実施形態では、挿入アセンブリ2109は、筐体2152を備えることができるハンドル2150を含む。筐体2152は、ユーザの手によって容易に把持され得る人間工学的輪郭を有するように成形され得る。図示した筐体2152は、頂部又は上部筐体要素2152tと、底部又は下部筐体要素2152bとを含む。筐体要素2152t、2152bは協働して、補強材ハブ2154が通って延在する開口部、ポート、又はチャネル2151を画定することができる。チャネル2151は、筐体2152の中央領域又は中間領域に位置付けられる。
図33及び34に示される使用前、展開前、初期、又はパッケージ化されたままの状態において、筐体2152は、カテーテル接続ハブ2145と遠位端で接続される。他の実施形態と同様に、カテーテル接続ハブ2145は、筐体2152から選択的に解放可能であり得る。
上述のもの(例えば、シースカニューレ)等の様々な他の様式で言及され得る補強材2106は、上記のような様式でカテーテル2102内に位置付けられる。補強材2106は、補強材ハブ2154にしっかりと固定される。
挿入針2104は、補強材2106内に位置付けられ、カテーテル2102の全体を通って(例えば、カテーテル2102の前方端を越えて遠位に延在し、カテーテル2102の後方端を越えて近位に延在する)、補強材2106の全体を通って、かつ筐体2152の大部分を通って延在する。具体的には、針2104は、筐体2152の遠位端を通って延在し、針2104の近位端は、内部で、上部筐体要素2152tの近位端に取り付けられる。
本明細書に記載される他の実施形態と同様に、補強材2106は、補強材ハブ2154に近位端で固定され、補強材ハブ2154は、筐体2152に対して移動可能である。補強材ハブ2154は、以下で更に考察されるように、補強材ハブ2154の近位端で横方向に(例えば、下向きに)延在する突出部(例えば、プッシュ要素)等の作動要素2222を含むことができる。作動要素2222は、筐体2152から離れて突出して、ユーザの手(例えば、1本以上の指)によって係合可能になり得る。補強材ハブ2154は概して、補強材ハブ2154及び作動要素2222が単一の本体として一致して移動するように、補強材ハブ2154が作動要素2222にしっかりと固定される(例えば、一体的に形成される)例示した実施形態等において、アクチュエータと称され得る。代替的に、補強材ハブ2154は、アクチュエータに連結される(例えば、一体的に形成されるか、ないしは別の方法)と言ってもよい。したがって、例示した実施形態では、補強材ハブ2154の本体部分は、作動要素2222に取り付けられると言ってもよい。作動要素2222はまた、アクチュエータ、展開アクチュエータ、前進アクチュエータ、一次アクチュエータ、第1のアクチュエータ、直接補強材ハブアクチュエータ、下部アクチュエータ、後方アクチュエータ等とも称され得る。更に、多くの場合、アクチュエータ2222への言及は、より一般的に、補強材ハブ2154を全体として参照するものと理解され得る。
挿入アセンブリ2109は、以下に更に記載される開始アクチュエータ2155を更に含むことができる。開始アクチュエータ2155はまた、挿入アクチュエータ、安定化アクチュエータ、補助アクチュエータ、任意のアクチュエータ、第2のアクチュエータ、間接補強材ハブアクチュエータ、上部アクチュエータ、前方アクチュエータ等とも称され得る。下部又は上部アクチュエータとしてのアクチュエータ2222、2155の指定に関して、これらの用語は、図33及び34に示される図に図示した位置を指し、他の構成に関して限定されないことを理解されたい。即ち、「上部」及び「下部」という用語は、便宜上、本明細書で例示的に使用され、これらの用語は、上記のもの等のアクチュエータ2222、2155の他の好適な名称で容易に置き換えられることが理解される。例えば、他の実施形態では、アクチュエータ2222、2155は、アクチュエータ2222が筐体2152の上端でアクセス可能であり、アクチュエータ2155が筐体2152の下端でアクセス可能であるように、逆にされる。更に他の実施形態では、アクチュエータ2222、2155の位置は、横方向位置にあること等によって、完全に変更されてもよい。例えば、筐体2152の対向する又は反対側の上部及び下部にあるのではなく、アクチュエータ2222、2155は、筐体2152の他の対向する側面(例えば、左側及び右側)に位置付けられ得る。
開始アクチュエータ2155は、以下で更に考察されるように、補強材ハブ2154と選択的に結合して、補強材ハブ2154を初期量だけ前方に移動させることができる。例示した実施形態では、システム2100が使用前又は展開前構成にあるとき、アクチュエータ2155の前方又は遠位移動が、補強材ハブ2154の即時(若しくは開始アクチュエータ2155が補強材ハブ2154に係合する前に短距離移動する場合等、ほぼ即時)、同時、又は並行の前方移動(それにより、補強材2106及びカテーテル2012の前方移動)をもたらすように、開始アクチュエータ2155は、補強材ハブ2154(図34を参照)に隣接し得るか、又は補強材ハブ2154と連結接触し得る。
以下で更に考察されるように、システム2100は、システム800に関する上記と同様の様式で動作することができる。例えば、場合によっては、システム2100は、下部アクチュエータ2222のみを使用して完全に展開され得る。したがって、システム800のアクチュエータ922が筐体852の上部部分に沿って作動可能であるのとは対照的に、下部アクチュエータ2222が筐体2152の下の位置で作動されるということを著しい例外として、図20A~22Bに示される同じ展開段階がシステム2100で達成され得る。しかしながら、他の場合、システム2100は、2つの別々の段階で、第1に、上部アクチュエータ2155を前進させて、カテーテル2102を患者の血管内の第1の深さまで挿入することによって、かつ第2に、下部アクチュエータ2222を前進させて、カテーテル2102を第1の深さよりも深い血管内の第2の深さまで更に前進させることによって展開され得る。いずれの場合も、補強材2106を介したカテーテル2102の展開、及び複数部分カテーテルハブ2146の組み立ては、実質的にシステム800に関する上記のように進行する。実際、システム2100の様々な使用段階中の針2104、補強材2106、及びカテーテルアセンブリ2149の様々な構成要素の構成及び相対的な配向は、図20B、20C、20D、21B、21C、21D、及び22Bのシステム800に関して図示したものと実質的に同じである。したがって、システム2100の動作に関してこれらの図面を参照し得る。
上部筐体要素2152tの更なる詳細が図35A及び35Bに示される。いくつかの実施形態では、上部筐体要素2152tは、摺動表面2201と、トラック又はガイドチャネル2302とを含む。ガイドチャネル2302は、摺動表面2201の後端から始まり、摺動表面2201の遠位端に向かって終端する。即ち、ガイドチャネル2302の遠位端2303は、摺動表面2201の遠位端の後方に位置付けられる。例示した実施形態では、摺動表面2201は概して、上部筐体要素2152tの前端にあり、上部筐体要素2152tの前面に延在し、前面で終端する。開始アクチュエータ2155は、摺動表面2201上又は摺動表面2201に対して摺動することができ、そのような摺動の経路は、ガイドチャネル2302によって制御され得る。
図35Bに示されるように、上部筐体要素2152tはまた、内部トラック2307を画定することができ、内部トラック2307は、以下で更に考察されるように、開始アクチュエータ2155の一部分を内部に受容するように構成され得る。内部トラック2307は、ガイドチャネル2302と整合され得る(例えば、同一線上にあり得る)。内部トラック2307は、ガイドチャネル2302の近位端から後方に延在する。内部トラック2307は、上部筐体要素2152tの側壁内の凹部として形成されてもよい。
上部筐体要素2152tは、針2104の近位部分が中に受容される針チャネル2304を更に画定することができる。針チャネル2304は、例示した実施形態において溝として形成される。針チャネル2304の遠位端は、テーパ状領域908に関する上記のような、システム2100の組み立てを補助するためのフレア状入口ポート又はテーパ状領域2308を画定することができる。針チャネル2304の前方部分は、場合によっては、針2104の上部(例えば、上半分又は他の画分)のみを内部に受容するようにサイズ決定された半円形の外形を画定することができる。図34に示されるように、針チャネル2304の後端は、上部筐体要素2152tの後方部分2370内に延在し、後方部分2370内で終端することができる。後方部分2370内の針チャネル2304の断面外形は、実質的に円形であり得る。後方部分2370は、針2104の近位端を完全に包囲するか、又は取り囲むと言うことができる。針2104は、任意の好適な様式で後方部分2370内に固定され得る。
上部筐体要素2152tの後方部分2370は、停止表面又は停止部2371を画定することができる。例示した実施形態では、停止部2371は、組み立て状態にあるとき、上部筐体要素2152tの長手方向軸に対して、又はより一般的には、システム2100の長手方向軸に対して実質的に直交して延在する、実質的に平面的な面として形成される。例えば、図34に示されるように、停止部2371は、下部アクチュエータ2222の後端と相互作用して、補強材ハブ2154の後方移動を区切ることができる。場合によっては、下部アクチュエータ2222は同様に、任意の好適な種類の停止部2372を含む(図38Bも参照)。例示した実施形態では、停止部2372は同様に、組み立てられたシステム2100の長手方向軸に対して実質的に直交して延在する、アクチュエータ2222の実質的に平面的な後面として画定される。停止部2371、2372は、図34に示されるように、システム2100が初期状態、パッケージ化状態、又は非展開状態にあるとき、互いに近接していてもよい(例えば、互いに接触しているか、又は非常に近い)。
上部筐体要素2152tは、配向表面2373を画定することができ、配向表面2373は、筐体2152と補強材ハブ2154との間の回転ロックを達成すること、したがって(筐体2152にしっかりと締結された)針2104と(補強材ハブ2154にしっかりと締結された)補強材2106との間の回転ロックを達成することを補助することができる。別の言い方をすれば、配向表面2373は、システム2100の特定の構成要素間の固定された角度配向を維持するのを補助することができ、この構成要素は、ハンドル2150と、ハンドル2150に取り付けられた針2104と、補強材ハブ2154と、補強材ハブ2154に取り付けられた補強材2106とを含む。そのような固定された角度配向を維持することにより、システム2100が予め展開された状態にあるときに、針2104及び補強材2106の遠位端における開口部又はポートが整合されて、システム800に関して前述したように、血液の噴出が通過することができる連続的な通路を画定することを確実にすることができる(図20Dのポート880、882、及び通路886を参照)。
例示した実施形態では、配向表面2373は、実質的に平面的な表面を備える。様々な実施形態において、配向表面2373の平面は、組み立てられたシステム2100の長手方向軸を通過するか、又は長手方向軸に近接し、かつ平行に通る。以下で更に考察されるように、配向表面2373は、補強材ハブ2154の配向表面と相互作用して、上記の回転又は角度ロックを達成することができる。
図36A及び36Bを参照すると、下部筐体要素2152bは、下部筐体要素2152bの近位端に延在することができる湾曲内側表面2375を画定することができる。湾曲内側表面2375の近位端は、上部筐体要素2152tの配向表面2373と協働して、補強材ハブ2154が通過するチャネル2151を画定することができる。したがって、チャネル2151は、キー形状を画定し得る。チャネル2151を通って延在する補強材ハブ2154の部分は、チャネル2151に相補的であってもよく、ないしは別の方法で、単一の角度配向のみでチャネル2151を通過するように成形されてもよい。例示した実施形態では、チャネル2151は、実質的に半円形である。他の構成が企図される。
図35A~36Bを参照すると、上部筐体要素2152tは、下部筐体要素2152bによって画定された凹部2102bと協働して、上述の空洞902等の空洞2202(図34を参照)を画定する凹部2102bを含むことができる。例示した実施形態では、空洞902は、空洞902の実質的に全長に沿って略円筒形の外形を備える。
上部筐体要素2152tは、下部筐体要素2152bと連結するための連結要素を更に画定することができる。例示した実施形態では、上部筐体要素2152tは、下部筐体要素2152bによって画定された2つの収容部又はスロット2310に挿入されて上部要素及び下部要素を一緒に固定する、4つのスナップ、キャッチ、又はタブ2305を含む。更なる連結特徴は、上部筐体要素2152tによって画定された2つの長手方向に延在する凹部2306(図35B)と、凹部2306内に嵌合するように構成された、下部筐体要素2152bによって画定された2つの相補的な長手方向に延在する突出部2312(図36A及び36B)とを含む。タブ及びスロット並びに/又は突出部及び凹部は、逆にされ得、かつ/又は他の連結特徴若しくは更なる連結特徴が使用され得る。いくつかの実施形態では、筐体2152は、接着剤なしで組み立てられる。
図33、34、35B、及び36Bに示されるように、上部筐体要素2152t及び下部筐体要素2152bは、カテーテル接続ハブ2145と選択的に連結するように構成された接続境界面2210を画定することができる。具体的には、上部筐体要素2152t及び下部筐体要素2152bは各々、協働して接続境界面2210を画定する接続境界面部分2210t、2210bをそれぞれ画定する。例示した実施形態では、接続境界面2210は、カテーテル接続ハブ2145上の相補的な雄ねじと連動するように構成された雌ねじ2212、具体的には、ねじ部分2212t、2212bを備える。例示した実施形態では、接続境界面2210は、筐体2152の遠位端に位置付けられる。我々の接続境界面の任意の好適な選択的連結が企図される。例えば、他の実施形態では、筐体2152は、カテーテル接続ハブ2145から選択的に係合解除するように構成されたラッチシステムを画定してもよい。
図33~35Bに示されるように、上部筐体要素2152tは、上部筐体要素2152tの前端から後端まで先細りになる細長い略半円錐形状を画定することができる。上部筐体要素2152tの外側表面は、丸みを帯びていてもよい。同様に、図33、34、36A、及び36Bに示されるように、下部筐体要素2152bは、細長い略円錐台形状を画定することができる。下部筐体要素2152bの少なくとも側縁部に沿って、下部筐体要素2152bの輪郭は、上部筐体要素2152tのテーパと実質的に又は滑らかに一致する。下部筐体要素2152bは、上部筐体要素2152tよりも著しく短くてもよい。上部筐体要素2152t及び下部筐体要素2152bは協働して、片手でユーザによって容易に把持及び操作され得るハンドル2150を画定することができる。
例示した実施形態では、下部筐体要素2152bは、複数の把持特徴2180を画定する(図33、34、42を参照)。例示した実施形態では、把持特徴2180は、横方向に延在する溝である。任意の好適な摩擦強化表面特徴、層、又はコーティングが企図される。
いくつかの実施形態では、上部筐体要素2152t及び下部筐体要素2152bは、ポリカーボネート(PC)及びアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)ブレンド(即ち、PC/ABS)から形成される。他の実施形態では、上部筐体要素2152t及び下部筐体要素2152bは、ポリカーボネート、アセタール等から形成される。任意の好適な材料が企図される。
図37A及び37Bを参照すると、上部アクチュエータ2155は、グリップ2320とキャッチ2322とを含む作動領域2327を含むことができる。グリップ2320は、摩擦を強化するために、横方向溝等の把持特徴を含むことができる。グリップ2320は、人差し指又は親指の先端部等の指先によって作動されるようにサイズ決定され得る。グリップ2320は、指先がグリップ2320との接触を維持しながら、グリップ2320上を前方及び後方に転がることを可能にするように、長手方向に延在することができる。他の場合、指先は、グリップ2320に対してしっかりと押圧され、上部アクチュエータ2155を前方に(かつ/又は場合によっては、後方に)摺動させるために、グリップ2320に対して実質的に固定された配向を維持し得る。グリップ2320に関して、任意の好適な摩擦強化表面特徴、層、又はコーティングが企図される。
キャッチ2322は、グリップ2320の遠位端で上向きに延在することができる。場合によっては、キャッチ2322の近位面は、指の爪(例えば、指の爪の上面)によって係合され得、指は、前方に移動して上部アクチュエータ2155を前方に前進させることができる。場合によっては、この構成は、人差し指を弾くことによる、又はキャッチ2322に対して丸めた、若しくは半分丸めた人差し指をより制御して前方に広げることによる作動に特によく適しており、いずれの場合においても、指の爪の上面は、キャッチ2322の後面を前方に押圧してアクチュエータ2155を前方に移動させることができる。他の場合、ユーザは、指先でキャッチ3233上の角度に係合して上部アクチュエータ2155を前方に移動させることができる。したがって、上部アクチュエータ2155は、上部アクチュエータ2155の移動をもたらすための様々な様式で係合され得る。
上部アクチュエータ2155は、作動領域2327を係合突出部2325と接続する長手方向ステム2324を更に含むことができる。ステム2324はまた、ガイド又はスライダとも称され得る。ステム2324から延在する係合突出部2325は、以下で更に考察されるように、筐体2152内の補強材ハブ2154と係合するように構成され得る。例えば、例示した実施形態では、係合突出部2325は、上部アクチュエータ2155が遠位方向に前進するとき、補強材ハブ2154の表面と干渉する係合面2326を含む。図示した係合面2326は、組み立てられたシステム2100内に位置付けられたとき、システム2100の長手方向軸に対して実質的に横断又は直交して延在する係合突出部2325の遠位端において、実質的に平面的な面である。
長手方向ステム2324は、上部筐体要素2152tのトラック2307(図35B)内に嵌合するようにサイズ決定され得る(例えば、幅を画定することができる)。上部アクチュエータ2155が上部筐体要素2152tのガイドチャネル2302に沿って前進又は格納すると、長手方向ステム2324は、トラック2307内で摺動するか、ないしは別の方法で並進することができる。トラック2307及び/又はガイドチャネル2302は、上部アクチュエータ2155の移動を拘束することができ、具体的には、長手方向ステム2324の移動を拘束することができる。例えば、トラック2307及び/又はガイドチャネル2302は、長手方向ステム2324の横方向移動を阻止又は防止することができる。
図37Bに示されるように、長手方向ステム2324は、遠位端2328及び近位端2329を画定することができる。上部筐体要素2152tのトラック2307は、上部アクチュエータ2155の完全格納状態(例えば、最近位状態)と完全前進状態(例えば、最遠位状態)との間、及びそれらの状態を含む全ての位置に、長手方向ステム2324を収容するのに十分長くあり得る。いくつかの実施形態では、上部アクチュエータ2155が完全格納状態にあるとき、長手方向ステム2324の近位端2329は、トラック2307(図34を参照)の近位端に近接していてもよい(例えば、接触するか、又は隣接していてもよい)。上部アクチュエータ2155が完全前進状態にあるとき、長手方向ステム2324の遠位端2328は、ガイドチャネル2302の遠位端2303(図34、35A、37Bを参照)と接触し得る。したがって、長手方向ステム2324の遠位端2328は、上部アクチュエータ2155の前方移動を区切るための停止部として作用し得る。
いくつかの実施形態では、上部アクチュエータ2155は、PC/ABSから形成される。他の実施形態では、上部アクチュエータ2155は、ポリカーボネート、アセタール等から形成される。任意の好適な材料が企図される。
図38A、38B、及び38Cを参照すると、補強材ハブ2154は、多くの点で上述の本体920に類似した本体2220を含む。例えば、図38Cに示されるように、本体2220は、上述のチャネル930及び凹部領域936と同様の、補強材2106と連結するための凹部領域2236を含む内部チャネル2230を画定することができる。
しかしながら、本体2220は、上部アクチュエータ2155の係合突出部2325(図37A、37B)が通過することができるトラック、ガイド経路、又はチャネル2230を上端に更に画定することができる。係合突出部2325は、阻止されていない様式でチャネル2230内を並進するようにサイズ決定され得る。係合突出部2325の係合面2326(図37B)は、チャネル2230の遠位端における係合面2381と連動して(例えば、干渉して)、補強材ハブ2154の前方移動をもたらすことができる。例えば、例示した実施形態では、係合面2381は、組み立てられたシステム2100の長手方向軸に対して実質的に直交して延在する実質的に平面的な表面を画定する。したがって、補強材ハブ2154のチャネル2230及び上部アクチュエータ2155の係合突出部2325の対向する係合面2326、2381はそれぞれ、上部アクチュエータ2155が遠位に前進するとき、互いに干渉するか、又は互いと選択的に係合することができる。係合面2326、2381は、上部アクチュエータ2155が近位に格納されたとき、互いに係合解除することができる。
補強材ハブ2154は、本体2220から遠位に延在する突出部2332を更に含むことができる。突出部2332は、カテーテルハブコア2141(図34及び39を参照)のテーパ状口2264内に嵌合するテーパ状先端部2334を遠位端に含むことができる。補強材ハブ2154のテーパ状先端部2334は、カテーテルハブコア2141に直接係合することができ、例えば、上述の係合部材1813等の係合部材として機能し得る(かつ係合部材と称され得る)。
補強材ハブ2154は、本体2220をアクチュエータ2222に連結するために本体2220から後方に延在するステム、柱、ブリッジ、又は延長部2336を更に含むことができる。延長部2336はまた、アクチュエータ2222に加えられた力を本体2220に伝達するアクチュエータ2222の前方延長部として見ることもできる。延長部2336は、針チャネル2230の一部分を画定することができる。例示した実施形態では、延長部2336によって画定された針チャネル2230の部分は、針2104が中を即時に通過することを可能にするようにサイズ決定された溝である。いくつかの実施形態では、チャネル2230及び針2104の相互作用は、組み立てられたシステム2100の長手方向軸と一直線になって、補強材ハブ2154の長手方向軸を維持するか、又は維持を補助することができる。
延長部2336は、上部筐体要素2152tの配向表面2373と連動して回転ロックを達成するように構成された配向表面2382を画定することができる。例示した実施形態では、配向表面2382は、組み立てられたシステム2100の長手方向軸を通過するか、又は長手方向軸に近接し、かつ平行に通る平面を実質的に画定する。配向表面2382、2373は、補強材ハブ2154と上部筐体要素2152tとの間の固定された角度関係を維持するために、互いに沿って又は互いを越えて摺動することができる。
延長部2336の断面又は外側輪郭は、上述したように、筐体2152によって画定された後方チャネル2151(図34を参照)の形状に調和され得る。例示した実施形態では、延長部2336の外側輪郭は、半円を実質的に画定する。
いくつかの実施形態では、補強材ハブ2154は、下部筐体要素2152bの溝2314(図36A、36B、42Cを参照)と連動することができる角度付きリブ2339を画定する。例えば、リブ2339は、補強材ハブ2154が完全展開状態へと前方に前進したとき、溝2314内に受容され得る。場合によっては、リブ2339は、以下で更に考察されるように、筐体2152に対する補強材ハブ2154の前方移動を停止することができる。リブ2339は、アクチュエータ2222を増強することができるか、又は延長部2336に対してアクチュエータ2222を安定化することができる。
補強材ハブ2154の本体2220は、筐体2152のチャンバ2202を容易に通過するように構成され得る。例示した実施形態では、本体2220は、略円筒形の外側表面を画定し、その外側表面に対してチャネル2330が凹んでいる。円筒形の外側表面は、筐体2152の略円筒形の内側表面内で並進する(例えば、内部で摺動する)ようにサイズ決定され得る。本体2220及びチャンバ2202に関して、任意の他の好適な構成が企図される。例えば、本体2220及びチャンバ2202は、他の実施形態では相補的な形状でなくてもよい。チャンバ2202は、システム2100の長手方向軸と実質的に整合される実質的に直線の移動経路を確実にする等のために、本体2220の内部の移動を拘束すると言ってもよい。
例示した実施形態では、補強材ハブ2154の本体2220は、当接表面とも称され得る停止部2384を画定する。図示した停止部2384は、本体2220の近位端に実質的に平面的な面を備える。面の平面は、組み立てられたシステム2100の長手方向軸に対して実質的に横断又は直交する。以下で更に考察されるように、停止部2384は、筐体2152からの補強材ハブ2154の取り外しを防止又は阻止することができる。
様々な実施形態において、補強材ハブ2154は、アセタール、ポリカーボネート、PC/ABS等のうちの1つ以上から形成される。任意の好適な材料が企図される。
図39を参照すると、カテーテルハブコア2141は、上述の他の同様の名称及び同様の番号の構成要素に実質的に類似し得る。例えば、カテーテルハブコア2141は、図18A及び18Bに示されるカテーテルハブコア841と実質的に同一であり得る。前述のように、カテーテルハブコア2141の近位端にあるテーパ状口2264は、補強材ハブ2154のテーパ状先端部2334を受容し、テーパ状先端部2334と干渉することができる。それにより、補強材ハブ2154は、カテーテルハブコア2141をカテーテル接続ハブ2145に連結する間等、カテーテルハブコア2141に力を直接伝達することができる。本開示内の他の同様の名称及び同様の番号の構成要素と同様に、カテーテルハブコア841、1141、1841、2041の以前の考察は、カテーテルハブコア2141に等しく適用可能である。
いくつかの実施形態では、カテーテルハブコア2141は、例えば、Lubrizol(Wickliffe,Ohio)から入手可能なIsoplast(登録商標)等のポリウレタンから形成される。好適な材料の別の例示的な例としては、ポリカーボネートが挙げられる。任意の好適な材料が企図される。
図40を参照すると、カテーテル接続ハブ2145は、上述の他の同様の名称及び同様の番号の構成要素に実質的に類似し得、したがって、そのような構成要素に関する前の開示は、カテーテル接続ハブ2145に等しく適用可能である。例えば、カテーテル接続ハブ2145は、すでに開示したような様式で、カテーテル接続ハブ2145を筐体2152に選択的に連結し、カテーテル接続ハブ2145を筐体2152から選択的に分離するように構成された接続境界面2274を含む。例示した実施形態では、接続境界面2274は、雄ねじ2275を備える。他の実施形態では、筐体2142のねじ2212と好適に連結することができる1つ以上の外部ラグ又は突出部が、ねじ2275の代わりに使用されてもよい。任意の好適な接続境界面2274が企図される。
例示した実施形態では、カテーテル接続ハブ2145は、ハンドル2150からのカテーテルアセンブリ2149の分離、具体的にはカテーテル接続ハブ2145の分離を容易にするために、任意の好適な種類の摩擦強化特徴6を含むことができる。例示した実施形態では、摩擦強化特徴2362は、カテーテル接続ハブ2145の回転を容易にすることができる刻み付き環2360を備える。他の構成も企図される。
いくつかの実施形態では、カテーテル接続ハブ2145は、例えば、Lubrizolから入手可能なIsoplast(登録商標)等のポリウレタンから形成される。好適な材料の別の例示的な例としては、ポリカーボネートが挙げられる。任意の好適な材料が企図される。
図41A~41Cは、システム2100の様々な動作段階を示す。別の言い方をすれば、図41A~41Cは、システム2100を使用する方法等の例示的な方法の様々な段階又は工程を示す。したがって、これらの図面の以下の考察は、システム2100の実施形態の動作詳細、並びにシステム2100の実施形態を具体的に用いる方法を含む例示的な方法を開示する。
図41Aは、非展開、使用前、パッケージ化されたまま、又は初期状態のシステム2100を示す。例えば、システム2100は、システム2100が滅菌され、パッケージ化され、ユーザに送達され、かつ/又はユーザによってパッケージから取り外され得る状態で示される。別の言い方をすれば、ユーザは、場合によっては、システム2100を実質的に図示した構成でパッケージから取り出し得る。
いくつかの実施形態では、システム2100は、目的とする使用前に不注意による突き刺しを防止するために、針2104の遠位先端部を被覆することができるキャップ(図示せず)を含む。上部アクチュエータ2155及び下部アクチュエータ2222をそれぞれの格納状態に維持するために、任意の好適な機構も用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、キャップ及び/又は別個のスペーサ若しくは停止要素(図示せず)は、上部アクチュエータ2155を完全格納又は非展開配向に維持するように構成され得る。更に、いくつかの実施形態では、システム2100のための別個のキャップ、スペーサ、若しくは停止要素及び/又はパッケージは、輸送中等に下部アクチュエータの作動を防止することができる。
前述したように、図示した使用前構成におけるカテーテル2102、針2104、及び補強材2106の一般的な配置、並びにカテーテル2102と、針2104と、補強材2106との間の関係は、図20A~20D中のカテーテル802、針804、及び補強材806に関して図示及び記載したものと実質的に同じである。更に、カテーテル2102、針2104、及び補強材2106には、(例えば、カテーテル102、針104、及び補強材106に関する)上記のように、任意の好適な材料が使用されてもよい。
使用前構成では、上部アクチュエータ2155及び下部アクチュエータ2222の各々は、完全格納位置にある。別の言い方をすれば、上部アクチュエータ2155及び下部アクチュエータ2222の各々は、最近位又は完全後方位置にある。したがって、補強材ハブ2154もまた、完全格納位置にある。例示した実施形態では、補強材ハブ2154の本体2220によって画定された停止部2384は、上部筐体要素2152tの内側表面に当接し、これは、筐体2152からの補強材ハブ2154の取り外しを防止又は阻止することができる。同様に、下部アクチュエータ2222の停止部2372は、上部筐体要素2152tの近位部分によって画定された停止部2371と接触し、これは同様に、筐体2152からの補強材ハブ2154の取り外しを防止又は阻止することができる。他の実施形態では、補強材ハブ2154の停止部2372、2384のうちの1つのみが、許容可能な許容差範囲内の変動から生じ得るように、補強材ハブ2154が格納されるときに上部筐体要素2152tと接触し得る。複数の停止部2372、2384は、格納時に補強材ハブ2154が筐体2152内に留まることを確実にするための冗長性を提供し得る。
例示した実施形態では、上部アクチュエータ2155は、両方の構成要素が格納配向にあるとき、最初に補強材ハブ2154に係合しない。具体的には、図41Aに見られるように、上部アクチュエータ2155の係合突出部2325の係合面2326と、補強材ハブ2154の係合面2381との間に小さい空間又は間隙が存在する。したがって、上部アクチュエータ2155は、補強材ハブ2154に最初に係合するために短い距離前方に前進する。
他の実施形態では、上部アクチュエータ2155及び補強材ハブ2154の係合面2326、2381は、システム2100の使用前状態において当接接触しており、それにより上部アクチュエータ2155の前方移動は、補強材ハブ2154の同時の前方移動をすぐに達成する。場合によっては、本明細書の範囲内で製造されるシステム2100のうちのいずれに対しても、上部アクチュエータ2155が補強材ハブ2154に係合する前に、上部アクチュエータ2155の前方移動が必要とされないか、又はわずかな移動のみが必要とされるように、係合面2326と2381との間の任意の初期間隙の存在及び/又はサイズは、許容可能な許容差範囲内でシステム2100によって変化し得る。
前述したように、補強材ハブ2154の遠位先端部2334は、カテーテルハブコア2141のテーパ状近位口2264に相補的であり、テーパ状近位口2264の中にぴったりと嵌合して、遠位方向への展開力を補強材ハブ2154に効率的に加えることができる。例示した実施形態では、システム2100が使用前又は展開前状態にある間、補強材ハブ2154の遠位先端部2334は、カテーテルハブコア2141の近位口2264に係合する。場合によっては、補強材ハブ2154がシステム2100のこの初期状態でカテーテルハブコア2141に係合することを確実にして、補強材ハブ2154が作動してすぐに、補強材2106及びカテーテル2102が実質的に一致して移動することを確実にすることが望ましくあり得る。即ち、補強材ハブ2154は、カテーテルハブコア2141に力をすぐに伝達し、これにより両方の構成要素が一致して前方に移動する。そのような構成は、カテーテルハブコア2141を前方に押す補強材ハブ2154の非存在下でそうでなければ生じ得る、カテーテル2102の長さに沿った歪み力を軽減することができる。
例えば、(他の実施形態に関して)上述したように、補強材2106の前進により、補強材2106の遠位先端部は、カテーテル2102の遠位先端部を前方に押す。これは、カテーテル2102の遠位先端部を前方に移動させるだけでなく、カテーテル2102の長さに沿って加えられる応力により、カテーテル2102の残りの部分も同様に前方に引く。カテーテルハブコア2141の前方移動が妨げられた場合、カテーテル2102の長さに沿った歪みが増加し得る。
カテーテル2102の近位端が取り付けられたカテーテルハブコア2141を前方に付勢することによって、補強材ハブ2154は、カテーテル2102の長さの少なくとも一部分に沿った応力を軽減する。この応力軽減は、ある特定の実施形態のカテーテル展開の後の段階において特に顕著であり、かつ特に有用であり得、(上述のような様式で)カテーテルハブコア2141をカテーテル接続ハブ2145に連結する間に、カテーテル接続ハブ2145の遠位端で弾性アームを広げるために、カテーテルハブコア2141に増加した力が提供される必要がある場合がある。そのような場合、カテーテルハブコア2141をカテーテル接続ハブ2145に連結するのに必要な全ての又は実質的に全ての力は、補強材ハブ2154によってカテーテルハブコア2141に直接提供され得る。
カテーテルハブコア2141との補強材ハブ2154の連動によってカテーテル2102に提供される歪み緩和は、他の用語で説明され得る。例えば、システム2100の初期の使用前状態において、補強材ハブ2154とカテーテルハブコア2141との間の直接連結が存在することを確実にすることによって、カテーテル2102及び補強材2106の近位端及び遠位端の両方は、同じ速度で前方に移動する。別の言い方をすれば、カテーテル2102の長さ及び補強材2106の長さは各々、展開全体にわたって実質的に一定であり、更にカテーテル2102及び補強材2106は、一致して前方に移動する。
他の実施形態では、空間又は間隙は、システムが初期又は使用前配向にあるとき、かつ潜在的に後続の展開段階のうちの少なくとも一部を通して、補強材ハブ2154の遠位先端部2334とカテーテルハブコア2141のテーパ状近位口2264との間に存在し得る。例えば、製作公差等により、小さい間隙が存在し得る。そのような場合の特定のものにおいて、補強材ハブ2154は、カテーテル2102上の十分な歪みがカテーテル2102を伸長して補強材ハブ2154と接触するまで、カテーテルハブコア2141を前方に並進させるのを補助しない。例えば、そのような実施形態の特定のものにおいて、カテーテルハブコア2141がカテーテル接続ハブ2145の弾性アームと接触するまで、カテーテルハブコア2141は、カテーテル本体2102によって遠位に引っ張られてもよい。カテーテル接続ハブ2145によって提供される遠位移動に対する抵抗の増加により、補強材2106が、補強材ハブ2154がカテーテルハブコア2141の近位端に係合する点まで遠位に付勢される際に、カテーテル本体2102は、伸長し得る。この時点で、補強材ハブ2154は、カテーテルハブコア2141を直接押すことができ、それにより、間接的な経路を介してカテーテルハブコア2141にも提供されるカテーテルハブコア2141上の遠位力を補完することができ、具体的には、補強材ハブ2154は、補強材2106を前方に付勢し、これは、カテーテル2102の遠位先端部を前方に付勢し、これは、カテーテル2102の近位端及び近位端が取り付けられるカテーテルハブコア2141を前方に引っ張る。
引き続き図41Aを参照すると、例示した実施形態では、システム2100が使用前又は非展開状態にあるとき、カテーテルハブコア2141は、カテーテル接続ハブ2145から離間している。具体的には、カテーテルハブコア2141は、カテーテル接続ハブ2145と完全に分離しており、カテーテル接続ハブ2145とは接触しておらず、かつカテーテル接続ハブ2145からかなりの長さ離れている。カテーテルハブコア2141は、カテーテル接続ハブ2145の後方又は近位に位置付けられる。カテーテルハブコア2141は、筐体2142の内部に位置付けられるか、又は別の言い方をすれば、筐体2142の空洞2202内に完全に受容される。筐体2142は、カテーテルハブコア2141を包囲するか、取り囲むか、又は囲い込むと言ってもよい。更に、例示した実施形態では、システム2100が展開前状態にあるとき、カテーテルハブコア2141のどの部分も、カテーテル接続ハブ2145によって包囲されないか、取り囲まれないか、又は囲い込まれない。
対照的に、例示した実施形態では、カテーテル接続ハブ2145は、すでに開示したような様式で筐体2152の遠位端に連結される。したがって、カテーテル接続ハブ2145は、接続境界面2210を介して筐体2152に接続される。接続境界面2210を除いて、カテーテル接続ハブ2145の実質的に外部表面全体が筐体2142の外部にある。しかしながら、カテーテル接続ハブ2145の内部は、筐体2142の空洞2202と流体連通している。更に、例示した実施形態では、接続境界面2210を画定するカテーテル接続ハブ2145の近位部分を除いて、カテーテル接続ハブ2145のかなりの部分又は大部分は、筐体2142から離れて遠位に延在し、筐体2142の外部にある。
システム2100の初期状態では、カテーテルハブコア2141は、すでに開示したような様式で筐体2142内を自由に並進する(例えば、回転がロックされたままである一方で長手方向に摺動する)。対照的に、カテーテル接続ハブ2145は、筐体2142に対して選択的に固定された関係にある。
以下で更に考察されるように、システム2100が非展開状態にあるとき、システム2100の遠位端(例えば、針2104、カテーテル2102、及び補強材2106の遠位先端部)は、患者の皮膚を通って前進し、それにより皮膚の挿入部位(例えば、図4Aで特定された挿入部位54)を確立することができ、針2104の少なくとも遠位先端部は、患者の血管内へと更に前進し、それにより血管挿入部位(例えば、図4Aで特定された血管挿入部位56)を確立することができる。場合によっては、システム2100の展開は、針2104の先端部のみが血管内に前進した後に開始する。他の場合、カテーテル2102の遠位先端部、及び更なる場合において、補強材2106の遠位先端部も同様に、システム2100が非展開状態にある間、血管挿入部位を通って血管の管腔に比較的小さい量だけ入る。
いったんシステム2100の遠位端の好適な部分が血管の管腔内に入ると、すでに開示したような様式での血液の噴出によって示されるように、システム2100は次いで、作動又は展開されて、カテーテル2102を血管に挿入し、その後カテーテル2102を血管内の最終又は最大深さまで前進させることができるか(例えば、針2104の遠位先端部のみが最初に血管管腔に挿入された場合)、又はカテーテル2102を血管内の最終深さまで前進させることができる(例えば、カテーテル2102の少なくとも先端部も最初に血管管腔に挿入された場合)。
図41Bは、後続の動作状態にあるシステム2100を示す。具体的には、システム2100は、上部アクチュエータ2155を介して部分的に展開されているか、又は中間の量、展開されている。システム2100の部分的又は中間的な展開の範囲は、アクチュエータ2155を介して可能である。図示した段階では、上部アクチュエータ2155は、上部アクチュエータ2155の最大前方位置まで前進されており、これは、補強材ハブ2154の前方移動、したがって、距離D1を通る補強材2106及びカテーテル2102の同時の前方移動をもたらしている。いくつかの実施形態では、以下で更に考察されるように、距離D1は、カテーテル2102及び補強材2106が下部アクチュエータ2222を介して最大展開深さまで最終的に展開する前の一時的な期間にわたって、カテーテル2102及び補強材2106を維持するのに十分な深さまで、血管の管腔を通して、補強材2106及びカテーテル2102を前進させることを確実にするように選択され得る。
別の言い方をすれば、上述したように、上部アクチュエータ2155は、上部アクチュエータ2155の表面(具体的には、ステム2324の遠位端2328の停止表面)が、筐体2152によって画定されたトラック2302の遠位端2303に当接するまで前方に移動することができる。その際、上部アクチュエータ2155は、距離D1を通る補強材ハブ2154の移動を達成することができる。即ち、上部アクチュエータ2155と下部アクチュエータ2222との間の係合により、下部アクチュエータ2222は、上部アクチュエータ2155と同じ又は実質的に同じ距離を通って上部アクチュエータ2155と一致して移動し得る。場合によっては、上部アクチュエータ2155及び下部アクチュエータ2222は、システム2100の非展開状態ですでに互いと係合されており、上部アクチュエータ2155が移動する距離は、D1に等しい。アクチュエータ2155、2222が最初からこのように係合されていない場合、上部アクチュエータ2155が移動する距離は、D1未満であり得る。
更に別の言い方をすれば、図41Bに示される動作段階では、上部アクチュエータ2155は、トラック2302の全体に沿って、したがって所定の距離に沿って前進している。上部アクチュエータ2155のこの前方移動は、対応する又はほぼ対応する量だけ前方に補強材ハブ2154を引っ張る。具体的には、示されるように、上部アクチュエータ2155が上部アクチュエータ2155の完全格納位置から上部アクチュエータ2155の完全前進位置に移動するとき、補強材ハブ2154もまた、所定の距離移動し、これは、上部アクチュエータ2155が移動する所定の距離と同じ又は実質的に同じであり得る。
以下で更に考察される理由から、補強材ハブ2154が移動する第1の展開距離D1はまた、安定化距離、固定距離、及び/又は保持距離とも称され得、これは、カテーテル2102を血管内にこの距離まで前進させることが、カテーテル2102が少なくとも中間期間にわたって血管内に位置付けられたままであることを確実にするのに役立つことができるためである。中間期間は、上部アクチュエータ2155を介して達成された初期展開段階が停止した後に開始することができ、いったんシステム2100の最終展開を達成するために下部アクチュエータ2222の作動が開始すると、終了することができる。
上述したように、場合によっては、上部アクチュエータ2155は便利に、手の単一の指(例えば、人差し指)を使用して、その同じ手でハンドル2150を保持しながら、様々な方法で前方に前進することができる。例示した実施形態では、上部アクチュエータ2155は、ハンドル2150の前端にあり、これは、この形態の作動を容易にすることができる。
前述したように、様々な展開段階におけるカテーテル2102、針2104、及び補強材2106の一般的な配置、並びにカテーテル2102と、針2104と、補強材2106との間の関係は、本明細書の別の箇所に示されるものに類似し得る。例えば、図41Bに示される動作段階における、カテーテル2102、補強材2106、及び針先端部2104の遠位端の相対位置は、針先端部2104とカテーテル先端部2102との間の距離が、カテーテル2102の全長に応じてより大きくても小さくてもよいことを除いて、実質的に図21C及び図21Dに示され、かつ図21C及び図21Dに関して記載されるとおりであり得る。
図41Cは、後続の動作状態にあるシステム2100を示す。具体的には、システム2100は、完全に展開されているか、又は完全量若しくは最大量、展開されている。最終作動量は、下部アクチュエータ2222を介して達成されている。システム2100の部分的又は中間的な展開の範囲はまた、下部アクチュエータ2222を介して可能である。しかしながら、図示した段階では、下部アクチュエータ2222は、下部アクチュエータ2222の最大前方位置まで前進されており、これは、補強材ハブ2154の前方移動、したがって、追加距離D2を通る補強材2106及びカテーテル2102の同時の前方移動をもたらしている。したがって、システム2100、具体的にはシステム2100の補強材ハブ2154は、D1(上部アクチュエータ2155を介した補強材ハブ2154の間接的作動から生じる)及びD2(下部アクチュエータ2222を介した補強材ハブ2154の直接作動から生じる)の合計である総距離D3を通して作動されている。
別の言い方をすれば、上部アクチュエータ2155を介したシステム2100の初期作動後、下部アクチュエータ2222は、利用可能な前方経路の残りを前進して、針2104上にカテーテル2102/補強材2106の組み合わせを展開し終えることができる。したがって、下部アクチュエータ2222は、D2の最大追加距離まで任意の追加距離、前進し得る。
例示した実施形態では、上部アクチュエータ2155の更なる前方移動は、下部アクチュエータ2222の直接作動中に生じない。別の言い方をすれば、上部アクチュエータ2155は、補強材ハブ2154から係合解除し、補強材ハブ2154の更なる前方への前進中に筐体2152に対して静止したままであり得る。
補強材ハブ2154が移動する前方経路は、カテーテル接続ハブ2145によって区切られ得る。別の言い方をすれば、カテーテル接続ハブ2145とのカテーテルハブコア2141の連結は、補強材ハブ2154の前方への前進を終了することができる。具体的には、例示した実施形態では、下部アクチュエータ2222は、前方に付勢されて(例えば、押圧されて)、補強材ハブ2154を前方に直接前進させる。上述したように、補強材ハブ2154のこの前方への前進の一部又は全体のいずれか全体を通して、補強材ハブ2154は、カテーテルハブコア2141の近位端に係合し、近位端を押圧し、したがってカテーテルハブコア2141を前方に付勢することができる。ユーザは、補強材ハブ2154の前方移動に対する抵抗が増加し得るため、カテーテルハブコア2141がカテーテル接続ハブ2145の弾性アームに係合し始めたという触覚フィードバックを提供され得る。最終的に、カテーテルハブコア2141は、図21B及び22Bに関するより詳細な上記のように、カテーテル接続ハブ2145の偏向された係合アームが、カテーテルハブコア2141の溝内にスナップ嵌合し、カテーテルハブコア2141をしっかりと保持することを可能にするのに十分な量だけ遠位に前進する。この時点で、カテーテル接続ハブ2145が筐体2152にしっかりと接続され、カテーテルハブコア2141がカテーテル接続ハブ2145にしっかりと接続されているため、ユーザは、筐体2152に対して更に補強材ハブ2154を前進させることを防止され得る。筐体2152に対する補強材ハブ2154の更なる前進に対するこの著しい抵抗又は完全な反対は、ユーザに更なる触覚フィードバックを提供することができ、今回は、展開が完了し、カテーテルアセンブリ2149が完全に組み立てられていることを示す。
いくつかの実施形態では、ユーザはまた、展開が完了したという聴覚フィードバックを受信してもよい。例えば、カテーテル接続ハブ2145及び/又はカテーテルハブコア2141は、個々に又は協働して、連結時に聴覚信号を生成してもよい。例示した実施形態では、カテーテル接続ハブ2145のカテーテルハブコア2141への接続は、連結が完了したことを示す可聴「クリック音」を生成する。
他の場合又は更なる場合において、前方経路は、補強材ハブ2154と下部筐体要素2152bとの間の直接接触によって区切られ得る。いずれの場合も、補強材ハブ2154は、筐体2152と直接的又は間接的に協働して、補強材ハブ2154の前方移動を区切り得、補強材ハブ2154の完全な作動全体を通して移動する総距離は、D3(即ち、D1+D2)である。
上述したように、場合によっては、下部アクチュエータ2222は便利に、ユーザの片手で前方に前進することができると同時に、ユーザは、筐体2152をもう一方の手で保持している。場合によっては、下部アクチュエータ2222は、下部筐体要素2152bの後方、上部アクチュエータ2155の略後方に位置付けられ、かつ/又は筐体2152に対して略下方に延在することが便利であり得か、ないしは別の方法で有利であり得る。場合によっては、そのような構成は、下部アクチュエータ2222が下部筐体要素2152bの下部外形を著しく超えて延在しないため、コンパクトシステム2100を得ることができる。それにもかかわらず、図示したアクチュエータ2222は、容易に把持され、かつ/又は容易に押されてシステム2100を展開するか、又は更に展開するのに十分に大きい。場合によっては、そのような下部アクチュエータ2222のかなり後方の位置により、ハンドル2150は、患者の皮膚に近接して位置付けられることができ、これにより、浅い挿入角度が可能になり得る。
前述したように、様々な展開段階におけるカテーテル2102、針2104、及び補強材2106の一般的な配置、並びにカテーテル2102と、針2104と、補強材2106との間の関係は、本明細書の別の箇所に示されるものに類似し得る。例えば、図41Cに示される動作段階における、カテーテル2102、補強材2106、及び針先端部2104の遠位端の相対位置は、針先端部2104とカテーテル先端部2102との間の距離が、カテーテル2102の全長に応じてより大きくても小さくてもよいことを除いて、実質的に図21C及び図21Dに示され、かつ図21C及び図21Dに関して記載されるとおりであり得、いずれの場合も、針先端部2104とカテーテル先端部2102との間の距離は、図41Bの動作段階と比較して増加している。
図41A~41Cを更に参照すると、今記載した2アクチュエータシステム2100及び2段階展開プロセスは、場合によっては有利であり得る。第1の作動段階(例えば、人差し指を弾くこと、又は上部アクチュエータ2155の他の前進)は、血管を最初に捕捉するのを補助することができ、次いで、第2の作動段階は、カテーテル2102をカテーテル2102の最終位置又は完全挿入位置に前進させることができる。
これは、カテーテル2102の深部静脈内配置において特に有用であり得る。そのような配置では、施術者は、例えば、非利き手を使用して、血管の上の皮膚を押圧して、その領域に張力を提供し、血管の位置決め及び/又はシステム2100と血管との整合を補助し得る。もう一方の手(例えば、利き手)は、システム2100(又はハンドル2150等のシステム2100の任意の所望の部分)を把持し、システム2100全体を前方に前進させて、血液の噴出が見えるまで、針先端(及びこの段階では、潜在的にカテーテル先端部も)を血管に導入することができる。
針2104上で血管内にカテーテル2102を展開する前に、この時点で患者の皮膚から非利き手を除去することにより、針2104及びカテーテル2102が血管から不注意に出現するような形で、血管及び周囲組織を十分にずらしてしまう可能性があるか、ないしは別の方法でその領域を不安定化する可能性があり、かつ/又は利き手及び利き手がその領域に対して保持しているシステム2100を不注意に移動させてしまう可能性がある。これを防止するために、血管内に針先端部を配置した後、カテーテル2102を(例えば、シースカニューレ2106を介して)血管内へ、例えば、少なくとも1/2インチほどまで前進させて、それにより下部アクチュエータ2222を作動させるために非利き手が除去されたときに、血管からカテーテル2102が不注意に取り外されるのを防止することが望ましくあり得る。これは、非利き手による患者への圧力及び利き手によるシステム2100の把持等、両手が安定した位置決めを維持しながら、上部アクチュエータ2155を前方に前進させることによって達成される。このように血管を最初に捕捉し、非利き手を患者の皮膚から除去した後、次いで、下部アクチュエータ2222を前進させて、カテーテル2012を患者内の目標の深さまで、又は別の言い方をすれば、完全展開位置まで前進させ終えるために、非利き手が使用され得る。
上記の様式で血管を捕捉することは、様々な方法で参照され得る。例えば、そのような血管捕捉はまた、血管に対するシステム2100の安定化又は固定とも称され得る。即ち、カテーテル2102は望ましくは、血管とシステム2100との間の小さい又は不注意な相対運動にもかかわらず、血管内のカテーテル2102の保持を可能にする血管内の位置まで前進する。したがって、カテーテル2102が血管内の針上を前進する初期距離(例えば、距離D1)は、捕捉距離、安定化距離、固定距離、又は保持距離と称され得る。カテーテル2102のそのような前進は、血管内のカテーテル2102の最終位置へのカテーテル2102の最終展開の準備であり、これは、留置位置、完全前進位置、又は常在位置等とも称され得る。
場合によっては、ハンドル2150の下に下部アクチュエータ2222を配置することにより、血管内へのカテーテル2102の初期導入、及び血管内の最終深さへのカテーテル2102の更なる展開のためのシステム2100の後続の作動の両方全体を通して、利き手がハンドル2150との連続的な接触を維持することが可能になる。例えば、ハンドル2150を利き手で把持することによって、指は、筐体2152に巻き付くが、下部アクチュエータ2222、又はより一般的には補強材ハブ2154が沿って摺動する経路上には延在しなくてもよい。人差し指が片側及び他の指が反対側にある状態で利き手が筐体2152を把持するため、非利き手は、下部アクチュエータ2222に係合し、利き手の親指及び他の指の配置を妨げることなく、利き手の親指と他の指との間で下部アクチュエータ2222を前方に移動させることができる。他の場合、利き手及び非利き手の役割は、逆にされ得る。
例示した実施形態では、上部アクチュエータ2155は、近位方向に引っ張られるときではなく遠位方向に前進するときに、補強材ハブ2154を捕捉又は係合する。補強材ハブ2154は、前方方向に移動するときに上部アクチュエータ2155を捕捉又は係合しないが、補強材ハブ2154が後方方向に引っ張られる場合(上部アクチュエータ2155がすでに遠位に前進している場合)、補強材ハブ2154は、上部アクチュエータ2155を捕捉又は係合してもよい。
再び図41Aを参照すると、場合によっては、ユーザは、上部アクチュエータ2155を使用しなくてもよく、代わりに、下部アクチュエータ2222のみを使用してカテーテル2102を展開することを選択し得る。即ち、図41Cを参照すると、下部アクチュエータ2222は、完全展開距離D3を直接、又は上部アクチュエータ2155を使用せずに移動し得る。図示した構成では、図41Aに示される位置からの補強材ハブ2154のみの前方移動中に、補強材ハブ2154と上部アクチュエータ2155との間の相互作用がないため、上部アクチュエータ2155は、そのような展開中に上部アクチュエータ2155の初期位置に留まり得る。したがって、システム2100が完全展開状態にあるとき、上部アクチュエータ2155は、完全前進状態ではなく完全格納状態に位置付けられてもよい。図41Cを参照すると、次いで、このようにシステム2100が完全に展開されると、アクチュエータ2155は、アクチュエータ2155の最も右側ではなく最も左側の配向に位置付けられる。
場合によっては、施術者は、末梢配置等の状況でそのような1段階作動を使用することを選択し得る。例えば、施術者は、場合によっては、血管アクセスが比較的真っ直ぐである場合、下部アクチュエータ2222のみを使用してカテーテル2102を展開することを好み得る。施術者は、末梢血管の相対的な近接性により(例えば、浅い位置により)、張力/位置決めの目的のためにもう一方の手を使用することなく、針2104の先端部(及び潜在的にカテーテルの先端部)を血管内に所望の初期量、挿入し得る(例えば、システム2100が非展開状態にある間に)。いったんシステム2100が血管内の初期深さ(導入深さとも称され得る)まで挿入されると、施術者は次いで、下部アクチュエータ2222のみを摺動させて、カテーテル2102を血管内の最終又は留置深さまで前進させ得る。
したがって、システム2100は、2つの異なる展開モードで、即ち、2段階展開モード又は1段階展開モードで使用可能であり得る。したがって、ユーザは、選好、アクセスされる血管の種類等に基づいて、どのモードを使用するか選択することができる。
システム2100を使用する例示的な方法は、すでに記載されている。これらの方法又は他の方法の特定のものに関する更なる詳細が、ここで説明される。
システム2100のユーザは、システム2100をパッケージから取り出すことができ、この時点で、システム2100は、図41Aに示される展開前状態にあり得る。ユーザは、標準的な手術手順に従って挿入部位が形成される患者の皮膚を準備し得る。次いで、ユーザは、上記のような様式で、(図20Dに示されるような)システム2100の遠位端を患者の皮膚を通して、かつ血管内に前進させ得る。更に、上記のように、補強材2106は、皮膚を通した並びに血管壁を通したそのような挿入中のカテーテル2102の遠位先端部の変形を容易にし、かつ/又は低減若しくは回避することができる。いったんシステム2100の遠位端が十分な量だけ血管に挿入されると、血管への適切な導入が達成されたことを示す血液の噴出が見られるようになる。この時点で、針2104の先端部は血管に入っており、場合によってはカテーテル2102の遠位先端部及び補強材2106の遠位先端部も同様に血管に入っていてもよい。カテーテル2102がこの時点で血管に入っている限りにおいて、カテーテル2102が血管の管腔に挿入された深さは、導入深さ、開始深さ、予備深さ等と称され得る。
血液の噴出を見た後、ユーザは次いで、上記の様式のいずれかで針2104上にカテーテル2102を展開し得る。例えば、いくつかの方法において、ユーザは最初に、(患者に対して及び/又は血管に対して実質的に静止、一定、安定、固定、又は動かない状態に保持され得る)筐体2152に対して上部アクチュエータ2155を前方に前進させて、カテーテル2102を血管内の捕捉深さまで展開し得、その後、(患者に対して及び/又は血管に対して実質的に静止、一定、安定、固定、又は動かない状態に保持され得る)筐体2152に対して下部アクチュエータ2222を前方に前進させて、カテーテルを血管内の最終留置深さまで更に展開し、またカテーテルアセンブリ2149を組み立て得る。他の方法では、ユーザは、下部アクチュエータ2222のみを利用して、カテーテルを最終留置深さまで完全に展開し、またカテーテルアセンブリ2149を組み立てる。いずれの場合も、ユーザは、触覚フィードバック(例えば、下部アクチュエータ2222を前進させることが困難、若しくは前進させることが不可能)、並びに/又は聴覚フィードバック(例えば、定位置におけるカテーテルアセンブリ2149のクリック音)を介して、留置深さに達したことを警告され得る。
図42は、完全前進位置にある補強材ハブ2154を示す。多くの実施形態では、補強材ハブ2154の前方移動は、筐体2152によって直接区切られず、むしろ筐体2152とカテーテルアセンブリ2149との相互作用及び接続により間接的に、筐体2152によって区切られる。しかしながら、場合によっては、補強材ハブ2154は、補強材ハブ2154の前方移動を区切る方式で、図示した動作状態で下部筐体要素2152bと直接接触してもよい。場合によっては、そのような接触は、製作公差の極端な限界における状況でのみ生じ得る。他の場合又は更なる場合において、カテーテルハブの完全な組み立てを可能にするために十分な進路が存在することを確実にするために、補強材ハブ2154が完全に前進したときに、筐体2152及び補強材ハブ2154の任意の停止表面間に少なくともある程度の空間が存在することを確実にすることが望ましくあり得る。
前述したように、補強材ハブ2154が完全前進状態まで前進したときに、補強材ハブ2154のリブ2339は、下部筐体要素2152bの溝2314内に受容され得る。多くの実施形態では、リブ2339と補強材ハブ2154との間のこの相互作用は、補強材ハブ2154の後方移動を防止せず、又は別の言い方をすれば、筐体2152に対する補強材ハブ2154の格納を可能にする。他の実施形態では、補強材ハブ2154は、筐体2152と協働して、完全前進位置に留まることができるか、又はより一般的には、前進位置に留まることができる(例えば、最終の最遠位位置に対して完全に前進しているか部分的に前進しているかにかかわらず)。そのような前方位置に制限されることによって、補強材ハブ2154は、針2104の遠位先端部上で、又はそれを越えて補強材2106を効果的にロックして、それにより上記のような様式で針を不注意な接触から遮蔽することができる。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態(以下で考察されるある特定の実施形態等)では、補強材ハブ2154は、筐体2152と協働して、展開事象後に補強材2106が針先端部を露出することを防止することができる。別の言い方をすれば、補強材ハブ2154及び取り付けられた補強材2106は、針2104の先端部に対して遮蔽配向に補強材2106を維持する筐体2152に対する位置、例えば、補強材2106が針先端部との不注意な接触を阻止又は防止するのに十分な量だけ、針2104の遠位先端部を越えて遠位に延在する位置に拘束され得る。
図43は、今記載したような戻り止め、ロック、遮蔽、又は安全特徴を含むカテーテル送達システム2300の別の実施形態の拡大底面図である。即ち、戻り止め特徴は、システム2300の完全な展開後の筐体に対するシステム2300の補強材の格納を防止する。システム2300の完全な展開の直前のシステム2300が示される。具体的には、システム2300は、一対の内向きに突出するキャッチ2484を含む溝2414を画定する下部筐体要素2352bを含む。キャッチ2484は、補強材ハブ2354のリブ2439によって画定されたロック突出部2482の近位表面と連動する。いったんこれらの特徴が一緒にロックされると、補強材ハブ2354を筐体に対して格納することはできない。したがって、下部アクチュエータが取り付けられる補強材は、針先端部上の固定された遮蔽位置に(例えば、図51Gに示されるものと同様の遮蔽位置に)維持される。
例示した実施形態では、補強材は、完全展開位置に維持され、したがって針先端部を越えて最大長延在する。他の実施形態では、戻り止め特徴は、展開後の筐体に対する補強材ハブ及び補強材のある程度の近位移動を可能にし得るが、針上からの補強材の完全な格納を防止し得る。即ち、システムは、針先端部を不注意な接触から遮蔽するのに十分な量で、針の遠位端を越えた補強材の少なくともある程度の長さを維持することができる。別の言い方をすれば、システムは、少なくとも部分的に展開された状態で補強材を保持することができる。そのようなシステムの例示的な例は、以下で更に考察される。
図44は、可撓性強化遠位端を含む、本明細書に記載されるカテーテル送達システムと適合する補強材2506の一実施形態の側面図である。多くの実施形態では、補強材2506又はシースカニューレは、すでに開示したように非常に可撓性であり得る。例えば、シースカニューレは、超弾性材料(例えば、超弾性ニチノール)から形成されてもよい。長手方向支持体に(例えば、カテーテルの遠位端のステップ特徴に)悪影響を及ぼすことなく、シースカニューレの可撓性(例えば、横断方向可撓性)を高めるために、一連のノッチ、切り込み、又は他の屈曲特徴2511が、カニューレの遠位端における、又はカニューレの遠位端に向かう特定の領域/配向に配置されてもよい。場合によっては、横断方向の可撓性強化特徴は、血管によって画定された管腔に対してある角度での血管への初期導入中、及びその後の血管の管腔内の前進に起因する即時の方向転換中等、大量の横方向屈曲が予想される遠位端付近の領域内に位置付けられ得る。
別の言い方をすれば、血管は、長手方向に延在するか、又は長手方向軸を画定する管腔を画定することができる。長手方向軸は、血管の中心に沿って、かつ血管の中心を通って長手方向に延在することができ、したがって血管の輪郭に沿うことができる。輪郭は、いくつかの領域において実質的に直線であり得、かつ/又は他の領域において実質的に曲線であり得る。概して、上述したシステム2100等のシステムの長手方向軸は、概して血管の長手方向軸と整合しているが、血管の長手方向軸に対してある角度(例えば、アプローチ角度)で血管に挿入される。多くの場合、このアプローチ角度は、針(概して、システムの長手方向軸と整合し得る)及びカテーテルの血管への挿入を容易にするために可能な限り浅い。それにもかかわらず、この角度により、システムのカテーテル/補強材の対は、アプローチ角度で血管に入ることができる。カテーテル/補強材の対は、血管内又は管腔内展開のために最初に針の先端部上を前進すると、実質的にアプローチ角度で血管壁の内側表面に接近又は接触し得る。次いで、カテーテル/補強材の対は、血管の管腔に実質的に沿うように屈曲してもよく、血管の内部の管腔に沿って縫うように進んでもよく、かつ/又は血管の長手方向軸の方向に概して前進してもよい。この初期屈曲はまた、進入屈曲又は一次屈曲とも称され得る。初期屈曲が行われた後、カテーテル/補強材アセンブリは、血管を通って血管内の標的部位又は目標の深さまで長手方向に前進することができ、この標的部位は、血管挿入部位及び一次屈曲から比較的遠く離れていてもよい。
再び図44を参照すると、屈曲特徴2511は、カテーテル/補強材の対の進入屈曲の初期形成を容易にすることができ、又はより一般的に述べると、カテーテル/補強材の対の血管内への導入及び/又は初期前進を容易にすることができる。例示した実施形態では、屈曲特徴2511(例えば、ノッチ)は、図示されるような交互のパターンで、又は任意の他の好適なパターン若しくは構成で配置されてもよい。ノッチ2511は、例えばレーザー切断等の任意の好適な様式で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ノッチ2511は、補強材2506の遠位先端部から約0.75、1.0、又は1.5インチ以下に位置付けられる。様々な実施形態において、各ノッチ2511の深さは、補強材2506の半径の約0.7、0.8、又は0.9倍以下である。
上述したように、システムの実施形態は、補強材2506がシステムのハンドル又は筐体に対して固定された角度関係を維持する回転ロック機構を含むことができる。そのような回転ロックは、補強材2506が屈曲特徴2511に対して適切に配向されていることを確実にするために使用され得る。例えば、例示した実施形態では、屈曲特徴2511は、挿入中にシステムの長手方向軸に対して実質的に垂直に(例えば、システム2100等のシステムの上部アクチュエータ及び下部アクチュエータの両方を通過する垂直平面内で)配向されることが望ましくあり得る。別の言い方をすれば、患者の挿入部位付近では、血管は、実質的に直線的に延在し得る。場合によっては、システムの長手方向軸(例えば、システムの針の長手方向軸)を、血管の挿入領域部分の長手方向軸と実質的に整合することが望ましくあり得る。2つの長手方向軸は、実質的に同一平面上にあり得る。図44に示される実施形態では、上部屈曲特徴及び下部屈曲特徴2511は各々、この平面によって交差されてもよく、これは、血管の長手方向軸と整合するための補強材2506の屈曲を容易にし得る。
図45は、可撓性強化遠位端を含む、本明細書に記載されるカテーテル送達システムと適合する補強材2606の別の実施形態の側面図を示す。この実施形態では、単一の屈曲特徴2611が提供される。具体的には、屈曲特徴2611は、カニューレ補強材2606の片側に細長いノッチを備える。いくつかの実施形態では、屈曲特徴2611は、カテーテル送達システムと共に上向きに配向され得、これにより、補強材2606が血管への進入時に屈曲する(例えば、血管内で一次屈曲を最初に形成する)と、ノッチの前端及び後端が互いに向かってわずかに角度をなす。
図46は、本明細書に開示される他のシステムと同様のカテーテル送達システム2700の別の実施形態を示す。具体的には、システム2700は、すでに開示した実施形態(例えば、システム800、2000、及び2100)に関して記載したような様式で動作することができ、以下に記載されるような他の特徴又は更なる特徴を含んでもよい。前の実施形態の全ての関連する開示は、すでに概説した開示の慣例と一致して、必要な変更を加えて、システム2700に関して本明細書に組み込まれる。システム2700は、カテーテルアセンブリ2749に選択的に取り付けられた挿入アセンブリ2709を含む。上述の他の実施形態と同様に、挿入アセンブリ2709は、患者の血管内の所望の深さまでカテーテル2702を展開するように構成されている。
カテーテル送達システム2700は、上記の同様の名称及び同様の番号の構成要素等のカテーテル2702と、針2704と、補強材2706(図51G)とを含む。システム2700は、補強材2706を針2704に対して遮蔽配向に維持するために、補強材ハブ2754を中間位置に維持することができる戻り止め特徴を含む。システム2700は、上部アクチュエータ2755が筐体2752によって形成され得るハンドル2750から不注意に分離されることを防止するためのキャッチを更に含むことができる。
図47を参照すると、いくつかの実施形態では、システム2700は、異なる形状の摩擦強化特徴2962を含むカテーテル接続ハブ2745を含む。具体的には、摩擦強化特徴2962は、ユーザによって容易に操作され得る、実質的に立方体又は平行六面体形状の領域2961を含む。更に、領域2961は、印で容易に印刷され得る複数の実質的に平面的な表面を含むことができる。
図48を参照すると、上部筐体要素2752tは、トラック2302等のトラック2902を画定することができる。トラック2902は、第1の幅を画定することができる。筐体要素2752tは、近位部分と遠位部分とを有することができる内部トラック2907を更に画定することができる。近位部分は、場合によっては、トラック2902と実質的に同じ幅を有してもよい。トラック2907の遠位部分は、より広い幅を画定する拡大領域2990を含むことができる。領域2990の拡大された幅は、以下で更に考察される上部アクチュエータ2755のキャッチの収容を可能にする。
上部筐体要素2752tは、一対の凹部2991を含むことができ、これは例えば、上部筐体要素2752tに使用される材料の量を低減し、かつ製造コストを低減することができる。
図48Aを参照すると、上部筐体要素2752tは、停止部2992を画定することができ、停止部2992は、以下で更に考察されるように、補強材2706の戻りを防止することができる。例示的な停止部2992は、一対の傾斜表面2993を含み、各々は、傾斜表面2993と、当接表面又は係合表面2994とを含む。停止部2992は、実質的に平面的な配向表面2373から離れて突出することができる。
図49を参照すると、いくつかの実施形態では、補強材ハブ2754は、停止境界面2995を含むことができ、この停止境界面2995は、例示した実施形態では、空洞2997と傾斜表面2996とを含む。停止境界面2995は、延長部2936(上記の延長部2336等)によって画定される。
図50を参照すると、かつ前述したように、上部アクチュエータ2775は、ステム2974から外向き又は横方向に延在する一対のキャッチ2998を含むことができる。キャッチ2998は、上部筐体要素2752tによって画定された内部トラック2907の拡大領域2990内に受容されるようにサイズ決定されるが、アクチュエータ2775が筐体2752内の補強材ハブ2757の存在によってそうでなければ阻止される配向にねじられない限り、トラック2902を通り抜けることが不可能であるように十分な量だけ外向きに延在する。
図51E~図51Hは、システム2700の様々な動作段階を示す。図51Eは、非展開状態にあるシステム2700を示す。この状態では、上部アクチュエータ2755及び補強材ハブ2754は各々、完全格納位置にある。上部筐体要素2752tによって画定される停止部2992は、補強材ハブ2754によって画定された空洞2997内に位置付けられる。
図51B中、上部アクチュエータ2755は、上部アクチュエータ2755の最遠位の前進位置まで完全に前進している。上部アクチュエータ2755は、補強材ハブ2754を同じ量だけ前方に引っ張っているが、補強材ハブ2754は、部分作動状態又は部分展開状態のみにとどまる。この動作状態では、停止部2992の傾斜表面2993は、補強材ハブ2754の傾斜表面2996とまだ接触していない。したがって、傾斜表面2993、2996が互いと相互作用するときに作用し始める追加の力は、上部アクチュエータ2755の展開といかなる関係もなくてもよい。
図48Aに示されるように、いくつかの実施形態では、傾斜表面2993、2996は、補強材ハブ2754の前方移動に対する抵抗がほとんどないことが、傾斜表面2993、2996の相互作用から生じ得るように浅い角度であってもよい。例示した実施形態では、上部筐体要素2752t及び補強材ハブ2754は、可撓性(例えば、弾性的に可撓性の)材料から形成され、また長手方向に長いモーメントアームを画定し、したがって傾斜表面2993、2996が互いを越えて前進するにつれて、小さい量だけ、互いから離れて容易に屈曲することができる。そのような相互作用は、システム2700の展開を継続するために、補強材ハブ2754がユーザによって係合された直後に生じ得る。傾斜表面2993、2996が相互作用し、上部筐体要素2752t及び補強材ハブ2754を反対方向に(わずかな程度に)外向きに屈曲する段階は、示されていない。
図51Cは、補強材ハブ2754が停止部2992をわずかに越えて前進し、筐体2752及び補強材ハブ2754の両方が、互いに対して実質的に平行な配向に跳ね返った、後続の段階を示す。場合によっては、カテーテルハブコア2741がカテーテル接続ハブ2745内に聞こえるようにスナップ嵌合する点まで、システム2700が完全に展開されたときに関するいかなる混乱も回避するために、この跳ね返りが生じたとき、小さい音のみが作られ得るか、若しくは認識できる音は作られなくてもよく、かつ/又は押す力のわずかな違いのみがユーザによって検出可能であり得る。実際に、例示した実施形態では、カテーテルハブコア2741がカテーテル接続ハブ2745の弾力性のある可撓性把持アームと接触する前に、傾斜表面2993と2996との間の全ての相互作用が完了する。
図51Dは、補強材ハブ2754が更に前方に前進して、カテーテル接続ハブ2745の把持アームの内側表面と接触していることを示す。場合によっては、アームの内側突出部を越えて押すのに必要とされる力の増加は、カテーテルアセンブリ2149の構築の状態に関してユーザに触覚フィードバックを提供するために、全ての前の展開段階中に使用された力に対して知覚可能であり得る。
図51Eは、カテーテル接続ハブ2745の弾性アームがスナップ嵌合されてカテーテルハブコア2741と係合している動作状態を示す。この実施形態では、システム2700の完全展開配向が示される。
図51Fは、上部アクチュエータ2755がカテーテル接続ハブ2745から離れて格納されている別の動作段階を示す。場合によっては、このように上部アクチュエータ2755を移動させることにより、筐体2752からのカテーテル接続ハブ2745の取り外しを容易にすることができる。この図はまた、上部アクチュエータ2755が後方に移動するときに補強材ハブ2754と係合せず、したがって補強材ハブ2754が補強材ハブ2754の前方の完全展開位置に留まることを示す。
図51G及び51Hは、挿入アセンブリ2709がカテーテルアセンブリ2749から取り外されている一方で、後者のアセンブリが定位置に保持され、カテーテルが血管内のカテーテルの留置位置に位置付けられている、後の動作段階を示す。例えば、場合によっては、ユーザは、カテーテルアセンブリ2749を片手で患者に対して安定又は静止して保持しながら、もう一方の手でカテーテルアセンブリ2749から挿入アセンブリ2709を引き出すことができる。
図51Gに示されるように、この実施形態では、補強材ハブ2754は、筐体2752に対して幾分近位に移動することが可能であり得るが、停止部2992によって、具体的には停止部2992の係合表面2994によって開始位置へと完全に格納することを防止される。このようにして、補強材2706のかなりの長さが針2704の遠位先端部2726を越えて遠位に延在して、針先端部を不注意な接触から遮蔽する(例えば、ユーザの不注意な針刺しを防止する)。
図51Hに示されるように、患者内に留まり得るカテーテルアセンブリ2749は、展開カテーテル2702と、カテーテルハブコア2741と、シール部材2743と、カテーテル接続ハブ2745とを含むことができる。
再び図51Cを参照すると、いくつかの実施形態では、システム2700は、再設定可能であり得る。別の言い方をすれば、戻り止め特徴又は停止部2992は、デバイスの再設定を可能にするように選択的にオーバーライド可能であり得る。例示した実施形態では、デバイスの再設定は、上部筐体要素2752t及び補強材ハブ2754を互いから離れるように屈曲して、補強材ハブ2754を、停止部2992を越えて近位に、かつ図51Aの初期位置に戻るように移動させることによって達成され得る。場合によっては、システム2700は、カテーテル先端部と針との間の結合が破壊された後でさえ、カテーテルを血管内に前進させるためにリセット状態で使用され得る。例えば、場合によっては、補強材2706によって提供される支持体は、血管壁を通るカテーテル先端部の付勢を補助するのに十分であり得る。
図52は、カテーテルを患者の血管内に展開するためのキット3000の一実施形態を示し、又は別の言い方をすれば、カテーテル送達キット3000の一実施形態を示す。キット3000は、本明細書に開示されるカテーテル送達システム及び/若しくはカテーテル送達システムの構成要素、又はその構成要素の代替の構成要素のうちのいずれかを含むことができる。例えば、例示した実施形態では、キット3000は、カテーテル送達システム2700を含む。
キット3000は、本明細書に開示される方法又はプロセスのうちのいずれかに関する指示を提供し得る、使用説明書3002を含むことができる。例えば、使用説明書3002は、本開示の任意の方法及び/又は他の部分を列挙し得る。
様々な実施形態において、キット3000、具体的には、キット3000の中の使用説明書3002は、特定の管轄の規制機関によって承認又は認可され得る。例えば、キット3000及びキット3000の使用説明書3002は、Food and Drug Administration of the United States of Americaによって承認若しくは許可され得、かつ/又は欧州連合のCEマークの資格がること等によって、他の管轄の規制に準拠し得る。使用説明書3002及びシステム2700は、任意の好適なパッケージ3004に組み込まれ得る。
様々な実施形態の他の特徴及び利点が、ここで考察される。いくつかの実施形態では、シースカニューレの存在により、カテーテルの遠位先端部(例えば、シースカニューレの遠位端の遠位の領域内)は、より多くの材料を含む。別の言い方をすれば、カテーテルの所与の外径に関して、標準的なオーバーザニードルカテーテルデバイスと比較して、本明細書に開示されるある特定の実施形態は、より小さい開口部を有し、更にチッピング領域内により多くの材料を有する。上述したように、流動は潜在的に、そのような構成の特定のものにおいて制限され得るが、そのような実施形態は、他の利点から恩恵を受けることができる。
例えば、標準的なオーバーザニードルカテーテルシステムでは、カテーテル壁の厚さは、近位領域から遠位先端部までずっと実質的に一定である。しかしながら、本明細書に開示されるある特定の実施形態では、カテーテルは、実質的に(断面が)鋭い先端部から後方に、横断シースカニューレ係合レッジ(この点で、壁厚は、他のカテーテルデバイスと同様に実質的に一定になり得る)まで(近位方向に)延在する内部段付き領域を遠位端に含み、これは、遠位端により多くの材料をもたらし、即ち、遠位端のカテーテル壁は、遠位端の長手方向の長さに沿って(例えば、横断方向に)より厚い。
フィッシュマウシングを回避するために、いくつかの標準的なカテーテルデバイスは、この遠位先端部において強力なカテーテル-針接着を有する。これにより、カテーテルを針から押し出すことが困難になる。施術者は、結合が破壊するまで力を加えなければならず、したがって、施術者は、挿入事象中にカテーテルの遠位端で起こっているものに対する触感が良好ではない。例えば、針からのカテーテルの分離を開始するための結合破壊による力の突然の変化は、カテーテルが血管内に前進する際に、初期の挿入段階中の他の作用している力を不明瞭にする。
本明細書に開示されるある特定の実施形態は、フィッシュマウシングを回避するために強力な接着を必要としない。即ち、本明細書に開示されるカテーテルのうちの少なくともいくつかの遠位端の追加の材料及び幾何学的構成は、フィッシュマウシング等による変形を受けにくい、より強い遠位先端部(より大きいフープ強度等を有する)をもたらす。したがって、はるかに小さい結合強度が使用され得/存在し得、これは、より滑らかな展開、又はより少ない力変動を有する展開をもたらすことができる。これにより、施術者にとって改善された触覚フィードバックを提供することができ、これは、結合の初期破壊によってあまり不明瞭にならない。
更に、より強力な遠位先端部は、吸引中に崩壊しにくい可能性がある。カテーテルが比較的軟質の材料から形成されている場合でさえ、追加の材料及びカテーテルの構造によって提供される強度は、吸引中の遠位先端部の閉鎖に抵抗することができる。崩壊する傾向がある限り、効果は、標準的なカテーテルシステムよりもはるかに顕著ではない可能性がある。
概して、標準的なオーバーザニードルカテーテルシステムにおいて、例えば、噴出検出の目的のためにノッチ付き針を含むことは、針先端部を弱めるため不利である。標準的なカテーテルシステムは、そのような小さい針を使用し、そのようなノッチによってもたらされる脆弱性は、配置中に針先端部の望ましくない移動(例えば、横方向の偏向)を可能にする。脆弱性は、破損につながる可能性さえある。この影響は、血管壁の強靭性を考慮して有意であり得る。
しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、噴出検出のためにノッチが付けられた針を強化する。例えば、ある特定の実施形態では、シースカニューレは、例えば、針のノッチの近位、及び重要なことには遠位の両方の領域において、針を包囲する。したがって、そうでなければノッチ付き針を偏向させ得る力は、シースカニューレによって弱められる。これにより、より強力で、より正確で、より使いやすいシステムをもたらすことができる。
ある特定の実施形態は、非常に軟質のカテーテルの使用を可能にすることができる。ガイドワイヤ上で血管内に押されるのではなく、したがってそのような近位前進に十分な固有の剛性を必要とするのではなく、ある特定の実施形態は代わりに、シースカニューレを介してその実施形態の遠位端から血管に引き込まれ、したがって血管内に前進するための任意の剛性要件は、カテーテルではなくシースカニューレによって達成される。
ある特定の実施形態は、1つ以上の弁を中に含む血管を通してカテーテルを送達するのに非常に好適であり得る。実際に、弁は、カテーテルより前にガイドワイヤ又は他のガイド要素を最初に前進させることなく貫通され得る。補強材によって強化されたカテーテルは、そうでなければ補助なしで弁を通過するのに十分な剛性であり得る。上述のように、いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位先端部は、血管内の最終標的部位への針上でのカテーテルの展開の全期間全体を通して、システムの最遠位端にあり得る(例えば、補強材の遠位端の遠位に位置付けられ得る)。場合によっては、カテーテル先端部は、比較的軟質、かつ実質的に非外傷性であり得る。
本明細書に提示される基本原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細に変更が行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、様々な実施形態の任意の好適な組み合わせ、又は組み合わせの特徴が企図される。
上記の詳細な説明は、例示の目的のために多くの詳細を包含しているが、当業者は、以下の詳細に対する多くの変化及び変更が行われ得、本明細書に含まれると考えられることを理解するであろう。したがって、上記の実施形態は、記載される任意の特許請求の範囲の一般性を失うことなく、かつ記載される任意の特許請求の範囲に制限を課すことなく記載されている。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図していないことも理解されたい。特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書に開示される任意の方法は、記載された方法を実施するための1つ以上の工程又は行為を含む。方法の工程及び/又は行為は、互いに交換されてもよい。換言すれば、特定の順序の工程又は行為が実施形態の適切な動作に必要でない限り、特定の工程及び/又は行為の順序及び/又は使用は、修正され得る。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「層(a layer)」への言及は、複数のそのような層を含むことができる。
本開示では、「備える」、「備えること」、「含有すること」、及び「有すること」等は、米国特許法におけるそれらの用語に帰属する意味を有することができ、「含む」、「含むこと」等を意味することができ、概して、オープンエンドな用語であると解釈される。「からなること」又は「からなる」という用語は、閉じた用語であり、そのような用語と併せて具体的に列挙される構成要素構造、工程等、並びに米国特許法に従っているもののみを含む。
本記載及び特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等という用語は、もしあれば、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順序又は時系列を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、これにより、本明細書に記載される実施形態は、例えば、本明細書に例示ないしは別の方法で記載されるもの以外の順序で動作可能であることを理解されたい。同様に、方法が一連の工程を含むものとして本明細書に記載されている場合、本明細書に提示されるそのような工程の順序は、必ずしもそのような工程が実施され得る唯一の順序ではなく、述べられた工程のうちの特定のものが場合によっては省略され得、かつ/又は本明細書に記載されていないある特定の他の工程が、場合によっては方法に追加され得る。
本記載及び特許請求の範囲における「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上」、「下」等という用語は、記述目的のために使用され、必ずしも永久的な相対位置を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、これにより、本明細書に記載される実施形態は、例えば、本明細書に例示ないしは別の方法で記載されるもの以外の配向で動作可能であることを理解されたい。本明細書で使用される場合、「連結された」という用語は、任意の好適な様式で直接的又は間接的に接続されたものとして定義される。互いに「隣接して」いるものとして本明細書に記載される物体は、その語句が使用される文脈に適切であるように、互いと物理的に接触していても、互いにごく近接していても、又は互いと同じ一般的領域若しくは範囲内にあってもよい。本明細書における「一実施形態では」又は「一態様では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態又は態様を指すわけではない。
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、行為、特性、性質、状態、構造、項目、又は結果の完全な又はほぼ完全な程度又は度合いを指す。例えば、「実質的に」囲い込まれた物体は、物体が完全に囲い込まれているか、又はほぼ完全に囲い込まれていることのいずれかを意味する。絶対的な完全性からの正確な許容可能な逸脱度は、場合によっては、特定の文脈に依存し得る。しかしながら、一般的に言えば、完全に近いことは、あたかも絶対的かつ総合的な完全が得られた場合と同じ全体的な結果を有するようになる。「実質的に」の使用は、行為、特性、性質、状態、構造、項目、又は結果の完全な又はほぼ完全な欠如を指すために、否定的な意味合いで使用される場合に等しく適用可能である。例えば、粒子を「実質的に含まない」組成物は、粒子を完全に欠いているか、又はその効果があたかも粒子を完全に欠いている場合と同じであるほどほぼ完全に粒子を欠いているかのいずれかである。換言すれば、成分又は要素を「実質的に含まない」組成物は、そのような項目の測定可能な効果が存在しない限り、そのような項目をなおも実際に含有し得る。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、所与の値が、端点の「わずかに上」又は「わずかに下」であり得ることを提供することによって、数値範囲の端点に柔軟性を提供するために使用される。更に、「約」若しくは「およそ」という用語又は他の用語を使用すること等による、(本明細書全体を通して行われる)近似値への言及に関して、いくつかの実施形態では、値、特徴、又は特性は、近似値なしで指定されてもよいことを理解されたい。例えば、「約」、「実質的に」、及び「概して」等の修飾語句が使用される場合、これらの用語は、それらの修飾語句の非存在下で修飾された単語をこれらの用語の範囲内に含む。例えば、「実質的に垂直の」という用語が特徴に関して列挙される場合、更なる実施形態では、その特徴は、正確に垂直な配向を有することができることが理解される。
本明細書で使用される場合、複数の項目、構造要素、組成要素、及び/又は材料は、便宜上、共通のリストで提示されてもよい。しかしながら、これらのリストは、あたかもリストの各メンバーが別個かつ固有のメンバーとして個々に識別されるかのように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストのどの個々のメンバーも、反対の指示のない共通のグループ内のそれらの提示にのみ基づいて、同じリストの任意の他のメンバーの事実上の同等物として解釈されるべきではない。
濃度、量、及び他の数値データは、本明細書では範囲形式で表現又は提示されてもよい。そのような範囲形式は、単に便宜上及び簡潔さのために使用され、したがって、範囲の限界として明示的に列挙される数値を含むだけではなく、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に列挙されるかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲を含むように、柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例示として、「約1~約5」の数値範囲は、約1~約5の明示的に列挙された値を含むだけではなく、示された範囲内の個々の値及び部分範囲も含むと解釈されるべきである。したがって、この数値範囲に含まれるのは、2、3、及び4等の個々の値、及び1~3、2~4、及び3~5等の部分範囲、並びに個々に1、2、3、4、及び5である。
この同じ原理は、最小値又は最大値として1つの数値のみを列挙する範囲に適用される。更に、そのような解釈は、記載されている範囲又は特性の幅にかかわらず適用されるべきである。
本明細書全体を通した「一例」への言及は、もしあれば、その例に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した様々な場所における「一例では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
本明細書全体を通した「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して列挙されるような引用された語句又語句の変化形は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
同様に、上記の実施形態の説明において、様々な特徴が、本開示を合理化する目的で、単一の実施形態、単一の実施形態の図又は説明に一緒にグループ化される場合があることが理解されるべきである。しかしながら、この開示方法は、任意の特許請求の範囲が、その特許請求の範囲に明示的に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、上記に開示された任意の単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない組み合わせにある。
書面による本開示に続く特許請求の範囲は、本明細書により、書面による本開示に明示的に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立している。本開示は、本開示は、独立請求項及びそれらの従属請求項の全ての並べ替えを含む。更に、以下の独立請求項及び従属請求項から派生することが可能な追加の実施形態もまた、本明細書に明示的に組み込まれる。これらの追加の実施形態は、所与の従属請求項の従属関係を、「請求項[x]~この請求項の直前の請求項のいずれか」という語句で置き換えることによって決定され、括弧の付いた「[x]」という用語は、ごく最近列挙された独立請求項の番号で置き換えられる。例えば、独立請求項1から始まる第1の請求項のセットについて、請求項3は、請求項1及び2のいずれかに従属することができ、これらの別々の従属関係は、2つの別個の実施形態をもたらし、請求項4は、請求項1、2、又は3のうちのいずれか一項に従属することができ、これらの別々の従属関係は、3つの別個の実施形態をもたらし、請求項5は、請求項1、2、3、又は4のうちのいずれか一項に従属することができ、これらの別々の従属関係は、4つの別個の実施形態をもたらす等である。
特徴又は要素に関する「第1の」という用語の特許請求の範囲における記述は、必ずしも第2又は追加のそのような特徴又は要素の存在を暗示するわけではない。手段プラス機能形式で具体的に列挙されている要素は、もしあれば、35 U.S.C.§ 112(f)に従って解釈されることが意図される。必須の手段プラス機能形式で示されていない要素は、35 U.S.C.§ 112(f)に従って解釈されることを意図するものではない。独占的所有又は独占権が特許請求される本発明の実施形態は、以下のように定義される。