JP2016067455A - 体外循環用留置針 - Google Patents

体外循環用留置針 Download PDF

Info

Publication number
JP2016067455A
JP2016067455A JP2014197767A JP2014197767A JP2016067455A JP 2016067455 A JP2016067455 A JP 2016067455A JP 2014197767 A JP2014197767 A JP 2014197767A JP 2014197767 A JP2014197767 A JP 2014197767A JP 2016067455 A JP2016067455 A JP 2016067455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
space
blood
outer peripheral
extracorporeal circulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014197767A
Other languages
English (en)
Inventor
敏昭 千葉
Toshiaki Chiba
敏昭 千葉
寛 二村
Hiroshi Futamura
寛 二村
藤原 真人
Masato Fujiwara
真人 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP2014197767A priority Critical patent/JP2016067455A/ja
Priority to PCT/JP2015/077536 priority patent/WO2016052517A1/ja
Publication of JP2016067455A publication Critical patent/JP2016067455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M1/00Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
    • A61M1/14Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis
    • A61M1/30Single needle dialysis ; Reciprocating systems, alternately withdrawing blood from and returning it to the patient, e.g. single-lumen-needle dialysis or single needle systems for hemofiltration or pheresis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/06Body-piercing guide needles or the like

Abstract

【課題】血管内へ留置する部分を曲げ易くすることができる体外循環用留置針を提供する。
【解決手段】内側管部11と外側管部12との間に形成される外周空間13の後端部と内部空間11aの後端部との間を液密状態に閉塞する第1シール部31と、内針2を挿脱可能な状態で密着保持する第2シール部32と、外側管部12の先端側の外周面に形成され、血管内と外周空間13とを連通する外周開口部17と、外周空間13と血液回路の一端とを連通させる第1接続部と、内部空間11aと血液回路の他端とを連通させる第2接続部とを備え、内針2が穿刺部2aを内側管部11の先端開口から突出した状態で血管内に穿刺され、穿刺後に内針2が内部空間11aおよび第2シール部32から抜去される。
【選択図】図4

Description

本発明は、血液の体外循環を行う際に患者の血管に穿刺され、留置して使用する体外循環用留置針に関する。
従来、血液の体外循環(例えば、透析などの血液浄化治療のために行われる血液体外循環)においては、患者の血管に留置針(体外循環用留置針)を穿刺して留置し、この留置針に血液回路を接続する。一般的には、動脈および静脈に留置針を1本ずつ留置し、これらの留置針を血液回路の両血液導出入接手部にそれぞれ接続する。
また、2本の留置針の留置を避けるために留置針を外筒針と内針とで構成される二重管構造にしてダブルルーメン化し、穿刺時には内針の先端の穿刺部を外筒針から突出させ、血管内での留置時には外筒針内に内針の穿刺部を収納することが提案されている(特許文献1参照)。この留置針によれば、針先が太くなり過ぎる不都合、ひいては血管への穿刺時に激しい痛みを伴う不都合を避けることができる。また、血管内での留置時には、内針の穿刺部が血管を不用意に傷つける不都合を避けることができる。
特開2014−068762号公報
ところで、上記した特許文献に記載の留置針においては、金属製の内針が外筒針内に収納された状態で血液の循環流路の一部として血管内に留置されるため、留置針の留置部分が柔軟に曲がることができない。このため、患者が動いて血管が変形したときには、留置針の留置部分が血管に沿って曲がることができず、患者が留置針の抵抗を受けて痛みを感じる虞がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、血管内へ留置する部分を曲げ易くすることができる体外循環用留置針を提供しようとするものである。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、可撓性をそれぞれ有する内側管部と外側管部との二重管構造で構成された外筒針と、前記内側管部の内部空間に挿通され、先端に形成された穿刺部を前記内側管部の先端開口から突出可能な金属製の内針と、を備えた体外循環用留置針であって、
前記内側管部と外側管部との間に形成される外周空間の後端部と前記内部空間の後端部との間を液密状態に閉塞する第1シール部と、
前記内針を挿脱可能な状態で密着保持する第2シール部と、
前記外側管部の先端側の外周面に形成され、血管内に穿刺されたときに血管内と前記外周空間とを連通する外周開口部と、
前記外周空間と血液回路の一端とを連通させるための第1接続部と、
前記内部空間と前記血液回路の他端とを連通させるための第2接続部と、を備え、
前記内針が前記穿刺部を前記内側管部の先端開口から突出した状態で血管内に穿刺され、穿刺後には前記内針が前記内部空間および前記第2シール部から抜去されることを特徴とする体外循環用留置針である。
請求項2に記載のものは、前記第2シール部は、前記内針の抜去箇所が当該第2シール部の弾性力により液密状態に閉塞されることを特徴とする請求項1に記載の体外循環用留置針である。
請求項3に記載のものは、前記内側管部は、管径が拡縮可能な弾性管であり、且つ前記内針が挿通していない常態では前記内部空間が前記内針よりも細く構成されており、
前記血管内への穿刺時には、前記内側管部が前記内針の前記内部空間内への挿通により前記常態よりも拡径し、
前記穿刺後に前記内針が前記内部空間から抜去されると、前記内側管部が拡径状態から復元力により縮径して前記外周空間が広がることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体外循環用留置針である。
請求項4に記載のものは、前記拡径状態の内側管部は、当該内側管部の外周面を前記外側管部の内周面に当接するまで拡径することを特徴とする請求項3に記載の体外循環用留置針である。
請求項5に記載のものは、前記内側管部の先端開口は、血管内に留置されたときに血液を血管内から前記内部空間内へ取り込む脱血開口であり、
前記外周開口部は、血管内に留置されたときに血液を前記外周空間内から血管内へ戻す返血開口であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の体外循環用留置針である。
請求項6に記載のものは、前記内側管部の先端部を前記外側管部の先端部から突出し、
前記穿刺後に前記内針が前記内部空間から抜去されると、前記内側管部の外周面が前記外側管部の先端部の内周面から離間して、前記外周空間が前記外側管部の先端において開放されることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の体外循環用留置針である。
請求項7に記載のものは、前記内針は、貫通孔が先端の穿刺部から後端に亘って形成された中空管部材で構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の体外循環用留置針である。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、可撓性を有する外筒針のみを血管内に留置することにより、患者が動いて血管が変形したとしても体外循環用留置針の留置部分が血管に沿って曲がり易い。したがって、患者が体外循環用留置針の抵抗を受けて痛みを感じる虞を抑えることができる。また、従来技術と比較して、体外循環用留置針の留置部分が容易に変形可能であることにより、留置部分を血管内に長く挿し入れた状態で留置し易い。この結果、所謂針抜け(具体的には、留置部分が不用意に血管から脱落する不都合)を起こし難くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、内針を抜去した後に血液が不用意に第2シール部から漏れ出る不都合を避けることができる。
請求項3に記載の発明によれば、外側管部の管径を変えずに内針を内部空間から抜去するだけで、外周空間を血液が十分に通液可能な広さに設定することができ、血液の体外循環の準備を進めることができる。また、針先が太くなり過ぎないダブルルーメン構造の体外循環用留置針を実現することができ、血管への穿刺時に激しい痛みが伴う不都合を抑えることができる。
請求項4に記載の発明によれば、穿刺時に外筒針内のデッドスペースを狭く抑えることができ、針先が太くなり過ぎないダブルルーメン構造の体外循環用留置針を一層実現し易い。
請求項5に記載の発明によれば、内部空間内の血液が血液回路へ吸い込まれ、血液回路を通った血液が外周空間へ送り込まれる状態に設定することができる。したがって、外周空間内の圧力を内部空間内の圧力よりも高くすることができ、内側管部が不用意に拡径する不都合、ひいては外周空間が不用意に狭くなって血液の体外循環が滞ってしまう不都合を避けることができる。
請求項6に記載の発明によれば、外筒針の先端においては外側管部内に内側管部を挿通するだけで済み、体外循環用留置針の製造工程や製造コストの増大を抑制することができる。また、外周開口部とは別個の位置で外周空間を開放することができ、体外循環用留置針の設計の自由度を増すことができる。
請求項7に記載の発明によれば、血管への穿刺作業において、血液が貫通孔を通って内針の後端まで導入されたか否かを確認することで、体外循環用留置針の先端が血管内に到達したか否かを容易に判断することができる。
体外循環用留置針の外観図である。 内針が挿通された状態の体外循環用留置針の概略断面図であり、(a)は各接続部の分岐が確認可能な概略断面図、(b)は(a)から内針を中心にして90度位相をずらした概略断面図である。 (a)は体外循環用留置針から内針を抜去した状態の説明図であり、(a)は断面図、(b)はシール部材の拡大断面図である。 体外循環用留置針の針先の要部説明図であり、(a)は内針が挿通された状態、(b)は内針を抜去した状態である。 シール部材の周辺の構造を説明する拡大断面図であり、(a)は内針が挿通された状態、(b)は内針を抜去した状態である。 第1シール部と第2シール部とを別個にして構成されたシール部材の概略断面図である。 変形例における体外循環用留置針の針先の要部説明図であり、(a)は内針が挿通された状態、(b)は内針を抜去した状態である。 第2実施形態における体外循環用留置針の針先の要部説明図であり、(a)は内針が挿通された状態、(b)は内針を抜去した状態である。 第3実施形態における体外循環用留置針の説明図であり、(a)は内針が挿通された状態の概略断面図、(b)は常態における第1止血弁の切込み部を示す概略図、(c)は血液導出入接手部を接続した第1接続部の断面図、(d)は内針を抜去した第2接続部の断面図、(e)は内針を抜去した状態における第2止血弁の切込み部を示す概略図、(f)は内針抜去後に血液導出入接手部を接続した第2接続部の断面図である。 第3実施形態の第1変形例における体外循環用留置針の要部断面図である。 第3実施形態の第2変形例における体外循環用留置針の概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
体外循環用留置針1は、図1および図2に示すように、それぞれ管状体で形成された内針2と外筒針3とを備え、外筒針3内に内針2を挿通して、当該体外循環用留置針1の要部となる針4を構成している。そして、針4の先端を尖らせて患者の血管に穿刺可能とし、患者の血液を体外循環させる血液回路5に体外循環用留置針1を接続して、血管と血液回路5との間で血液を循環可能としている。
内針2は、細長い金属製の中空管部材で構成されており、当該内針2の先端には穿刺部2aを形成し、当該内針2の内部には、血液を通液可能とする貫通孔2b(図4(a)参照)を内針2の全長に亘って(先端の穿刺部2aから後端に亘って)形成している。また、内針2の後端(図2(a)中、右端)には、プラスチック製の円筒状部材である内針基部7を備え、該内針基部7内に形成された内針連通空間部8と内針2の貫通孔2bとを連通し、内針基部7の後端(図2(a)中、右端)には、通気可能ではあるが通液不能なフィルター9を装着して内針連通空間部8を閉塞している。
外筒針3は、図3(a)および図4に示すように、可撓性をそれぞれ有する内側管部11と外側管部12とを備えて二重管構造で構成されており、内側管部11と外側管部12との間には、内側管部11の内部空間11aとは区画される円筒状の外周空間13を形成している。そして、内側管部11の内部空間11aには内針2を挿通可能とし、挿通状態の内針2の穿刺部2aを内側管部11の先端開口から突出可能としている(図4(a)参照)。なお、内側管部11は、管径が拡縮可能な弾性管(例えば、シリコン製の管部材)であり、且つ内針2が挿通していない常態では内部空間11aが内針2よりも細く構成されており(図4(b)参照)、内側管部11と外側管部12との間に前述の外周空間13が形成され、内針2を内部空間11a内に挿通することにより拡径する。また、外側管部12は、管径が拡縮不能、または内側管部11よりも拡縮し難い可撓性管(例えば、ポリプロピレンやポリエチレン製の管部材)で構成されている。
また、外筒針3の先端箇所には、図4に示すように、先細り形状を呈した短尺円筒状の外筒針先端部15を外側管部12よりも硬質なプラスチックで構成して備え、外筒針先端部15の内径を内針2の外径と同じ寸法、あるいは内針2の外径よりも極僅かに大きい寸法に設定している。そして、外筒針先端部15に内側管部11の先端部と外側管部12の先端部とを接続して、内側管部11の先端部と外側管部12の先端部とを離間不能にするとともに、外周空間13の先端を液密状態で閉塞している。また、外側管部12のうち外筒針先端部15寄りの外周面には、外周空間13を開放する外周開口部17を複数(本実施形態では4つ)開設し(図1および図4参照)、体外循環用留置針1が血管内に穿刺されたときには、血管内と外周空間13とが外周開口部17を介して連通するように構成されている。
なお、内側管部11の先端部は、図4に示すように、内径が内針2の外径まで拡径された状態で外筒針先端部15に接続されており、当該内側管部11の先端部の内周面と外筒針先端部15の内周面とが連続するように構成されている。また、外筒針先端部15は、例えば、予め外側管部12と内側管部11とで構成された二重管の先端にインサート成型してもよいし、あるいは、予め別個に準備した外筒針先端部15と二重管(外側管部12および内側管部11)とを接着したり溶着したりしてもよい。
そして、外筒針3の後端には外筒針基部19を接続している。外筒針基部19は、図1および図2(a)に示すように、内針2が挿通される基部本体20と、該基部本体20から分岐した第1接続部21および第2接続部22とを一体成型して構成されたプラスチック製部材である。基部本体20は、内針2および外筒針3と同軸上に位置する円筒状を呈しており、当該基部本体20のうち外筒針3が接続される先端部には、挿通空間部24を基部本体20の中心軸に沿って形成している。また、図5(a)および(b)に示すように、挿通空間部24の先端には外側管部12の後端を臨ませて外周空間13の後端を連通可能とし、内側管部11を挿通空間部24の後端まで挿通している。さらに、基部本体20の後端部には、内針2および内針基部7の先端部分が進入可能な進入空間部25を挿通空間部24よりも拡径した状態で形成し、該進入空間部25と挿通空間部24との間には、弾性を有するシール部材27(例えば、合成ゴム製やシリコンゴム製のシール部材)を配置して進入空間部25と挿通空間部24との連通箇所を液密状態で閉塞している。そして、進入空間部25内には、内針挿通孔28aが中心軸上に貫通した円筒状のストッパー28を嵌合し、シール部材27の進入空間部25からの脱落をストッパー28により阻止している。
シール部材27は、当該シール部材27の先端側部分である第1シール部31により、外周空間13の後端部と内部空間11aの後端部との間を液密状態に閉塞し、当該シール部材27の後端側部分である第2シール部32により、内針2を挿脱可能な状態で密着保持している。具体的に説明すると、図5(a)および(b)に示すように、第1シール部31(シール部材27の先端側)には、内針2が挿通可能なシール内空間部31aを基部本体20の中心軸に沿って形成し、シール内空間部31aの内径を内針2の外径と同じ寸法、あるいは内針2の外径よりも極僅かに大きい寸法に設定している。さらに、シール内空間部31aの先端部に内側管部11の後端部をその内径が内針2の外径まで拡径された状態で接続して、内側管部11の後端部の内周面とシール内空間部31aの内周面とが連続するように構成している。また、シール内空間部31aと内部空間11aとを連通するとともに、シール内空間部31aと挿通空間部24との間を液密状態に閉塞している。言い換えると、シール内空間部31aに連通する内部空間11aの後端部と、挿通空間部24に連通する外周空間13の後端部との間を液密状態に閉塞している。なお、内側管部11と第1シール部31(シール部材27)との接続については、例えば、内側管部11の後端部にシール部材27をインサート成型して接続してもよいし、あるいは、予め別個に準備した内側管部11とシール部材27とを接着したり溶着したりして接続してもよい。
また、第2シール部32(シール部材27の後端側)には、図3(b)に示すように、基部本体20の中心軸から放射状に切り込まれた切込み部32aをシール内空間部31aに臨む箇所からシール部材27の後端に亘って形成している。そして、放射状の切込み部32aの中心に内針2を挿通すると、第2シール部32が弾性力により内針2の外周面へ密着して、内針2を保持するとともにシール内空間部31aから進入空間部25への通液を阻止するように構成されている。また、切込み部32aから内針2を抜くと、第2シール部32が弾性力により切込み部32aを液密状態で閉塞するように構成されている。
第1接続部21は、外周空間13と血液回路5の一端(詳しくは血液回路5の両端にそれぞれ設けられた血液導出入接手部5a,5b(図1参照)の一方)とを連通するための円筒状の構成であり、図2および図3(a)に示すように、基部本体20の側面から分岐して基部本体20の側方へ向かって突出した円筒形状を呈している。また、第1接続部21の内部には、挿通空間部24から分岐した第1接続空間部36を第1接続部21の軸方向に沿って形成し、該第1接続空間部36のうち第1接続部21の突出端側に位置する部分を挿通空間部24側に位置する部分よりも拡径するとともに突出端から外方へ開放している。さらに、この開放口の外周部分には、血液回路5の一方の血液導出入接手部5aが螺合可能な第1接続側おねじ部37を形成し、血液導出入接手部5aを第1接続側おねじ部37へ螺合すると、血液回路5と第1接続部21とが液密状態で密着して、血液回路5と外周空間13とが挿通空間部24および第1接続空間部36を介して連通するように構成されている。
第2接続部22は、内側管部11の内部空間11aと血液回路5の他端(前記血液導出入接手部(ロックリング)5a,5b(図1参照)の他方)とを連通するための円筒状の構成であり、図2および図3(a)に示すように、基部本体20の側面のうち挿通空間部24を挟んで第1接続部21とは反対側から分岐して基部本体20の側方へ向かって突出した円筒形状を呈している。また、第2接続部22の内部には、第2接続空間部38を第2接続部22の軸方向に沿って形成してシール部材27のシール内空間部31aから分岐したシール内分岐空間部31b(図5(a)および(b)参照)へ連通し、第2接続空間部38のうち第2接続部22の突出端側に位置する部分をシール部材27側に位置する部分よりも拡径するとともに突出端から外方へ開放している。さらに、この開放口の外周部分には、血液回路5の他方の血液導出入接手部5bが螺合可能な第2接続側おねじ部39を形成し、血液導出入接手部5bを第2接続側おねじ部39へ螺合すると、血液回路5と第2接続部22とが液密状態で密着して、血液回路5と内部空間11aとがシール内空間部31a、シール内分岐空間部31b、第2接続空間部38を介して連通するように構成されている。
このような構成の体外循環用留置針1において内針2を外筒針3内へ挿通するには、内針2の穿刺部2aを進入空間部25からストッパー28の内針挿通孔28a、シール部材27の切込み部32a、およびシール内空間部31aへ通して内側管部11の内部空間11aに挿入する。そして、内針基部7の先端部が進入空間部25内のストッパー28に当接すると、図2(a),(b)および図4(a)に示すように、内針2の穿刺部2aが内側管部11の先端開口および外筒針先端部15から突出して、体外循環用留置針1の針先を血管へ穿刺可能となる。このとき、内側管部11が内針2の内部空間11a内への挿通により常態(詳しくは、内針2が挿通していない常態)よりも拡径し、当該内側管部11の外周面が外側管部12の内周面に当接して外周空間13が形成されなくなる。
また、血管へ穿刺可能な状態(内針2の穿刺部2aが外筒針先端部15から突出した状態)から内針基部7を引き出して内針2を外筒針3および外筒針基部19から抜去すると、図3(a)および図4(b)に示すように、内側管部11(詳しくは、内側管部11のうち外筒針先端部15への接続箇所とシール部材27への接続箇所との間)が拡径状態から復元力により縮径して外側管部12の内周面から離れ、外周空間13が外筒針3の中心軸側へ広がる。
次に、体外循環用留置針1の作用について説明する。なお、体外循環用留置針1においては、予め内針2を内側管部11へ挿通して穿刺部2aが外筒針3から突出した状態に設定しておく。
体外循環用留置針1を用いて患者の血液を体外循環させるには、まず、血液回路5の一端を第1接続部21へ接続するとともに他端を第2接続部22へ接続して、血液回路5の一端には第1接続空間部36を連通する一方、血液回路5の他端には第2接続空間部38を連通する。体外循環用留置針1に血液回路5を接続したならば、体外循環用留置針1の針先(具体的には、内側管部11の先端開口および外筒針先端部15から突出した穿刺部2a)を患者へ穿刺し、外筒針3の外周開口部17が血管内に到達するまで挿入する。
このとき、内針2には貫通孔2bが開設されているので、穿刺部2aが血管内に進入すると、血液が貫通孔2bを通って内針連通空間部8に導入される。そして、穿刺作業者(血液の体外循環を準備する作業者)が内針基部7のフィルター9の見た目の変化(血液の接触による変色)を目視する等して血液の内針連通空間部8内への導入を確認すれば、穿刺部2aが血管内に到達したか否か、さらには体外循環用留置針1をあとどのくらい挿入すれば外周開口部17が血管内に到達するかを容易に判断することができる。
体外循環用留置針1を血管へ穿刺して外周開口部17を血管内に臨ませたならば、内針基部7とともに内針2を引き出して外筒針3の内部空間11aおよび外筒針基部19(詳しくは、内針2を密着保持しているシール部材27)から抜去する。すると、図3(a)および図4(b)に示すように、内側管部11が拡径状態から復元力により縮径して、外側管部12と内側管部11との間に外周空間13が形成されて広がる。また、図3(b)および図5(b)に示すように、第2シール部32のうち内針2の抜去箇所が当該第2シール部32の弾性力により液密状態に閉塞される。この結果、血管が外周開口部17、外周空間13、挿通空間部24、第1接続空間部36を介して血液回路5の一端に連通する一方、外筒針先端部15、内部空間11a、シール内空間部31a、シール内分岐空間部31b、第2接続空間部38を介して血液回路5の他端に連通する。したがって、外側管部12の管径を変えずに内針2を内部空間11aから抜去するだけで、外周空間13を血液が十分に通液可能な広さに設定することができ、血液の体外循環の準備を進めることができる。また、針先が太くなり過ぎないダブルルーメン構造の体外循環用留置針1を実現することができ、血管への穿刺時に激しい痛みが伴う不都合を抑えることができる。さらに、血管への穿刺時には、拡径状態の内側管部11の外周面が外側管部12の内周面に当接しているので、穿刺時に外筒針3内のデッドスペースを狭く抑えることができ、針先が太くなり過ぎないダブルルーメン構造の体外循環用留置針1を一層実現し易い。また、内針2を抜去した後に血液が不用意に第2シール部32から漏れ出る不都合を避けることができる。
体外循環用留置針1を血管に穿刺した状態で内針2を抜去したならば、外筒針基部19を患者の腕に粘着テープなどを用いて固定する。なお、外筒針基部19の固定は、内針2を抜去する前に行ってもよい。そして、血液回路5の途中に接続された血液ポンプ(図示せず)を駆動し、血液を血管と血液回路5との間で体外循環用留置針1(詳しくは、外筒針3および外筒針基部19)を介して循環させる。具体的には、図4(b)および図5(b)において矢印で示すように、血管内の血液を外筒針先端部15および内側管部11の先端開口から取り込み、内部空間11a、シール内空間部31a、シール内分岐空間部31b、第2接続空間部38へ通して血液回路5の他端に流入させる。また、血液回路5内を通って当該血液回路5の一端から流出する血液を、第1接続空間部36、挿通空間部24、外周空間13へ通して外周開口部17から吐出し、血管内に戻す。この血液の流れ、すなわち、外筒針先端部15および内側管部11の先端開口が脱血開口(血液を血管内から内部空間11a内へ取り込む開口)であり、外周開口部17が返血開口(血液回路5を循環した血液を外周空間13内から血管内へ戻す開口)であれば、内部空間11a内の血液が血液ポンプの吸込力により血液回路5へ吸い込まれ、血液回路5を通った血液が血液ポンプの吐出力により外周空間13へ送り込まれる状態に設定することができる。したがって、外周空間13内の圧力を内部空間11a内の圧力よりも高くすることができ、内側管部11が不用意に拡径する不都合、ひいては外周空間13が不用意に狭くなって血液の体外循環が滞ってしまう不都合を避けることができる。
また、内側管部11の先端部と外側管部12の先端部とを外筒針先端部15に接続して離間不能としているので、外周空間13が内側管部11の先端開口の周囲に隣接した箇所で開放されることがない。したがって、外周空間13から流出して血管内へ戻ってきた血液が患者の体内を巡らずに直ちに内部空間11aへ吸い込まれてしまうこと(すなわち、血液の再循環)を抑制し易い。なお、外筒針先端部15および内側管部11の先端開口が脱血開口ではなく返血開口となり、外周開口部17が返血開口ではなく脱血開口となる血液の体外循環であったとしても、血液の再循環(詳しくは、内部空間11aから流出して血管内へ戻ってきた血液が患者の体内を巡らずに直ちに外周空間13へ吸い込まれてしまうこと)を抑制し易い。
そして、金属製の内針2が抜去された体外循環用留置針1においては、可撓性を有する外筒針3のみを血管内に留置することにより、体外循環用留置針1の留置部分を柔軟に曲げ易い。これにより、患者が動いて血管が変形したとしても体外循環用留置針1の留置部分が血管に沿って曲がり易くなり、患者が体外循環用留置針1の抵抗を受けて痛みを感じる虞を抑えることができる。また、従来技術と比較して、体外循環用留置針1の留置部分が容易に変形可能であることにより、留置部分を血管内に長く挿し入れた状態で留置し易い。この結果、所謂針抜け(具体的には、留置部分が不用意に血管から脱落する不都合)を起こし難くすることができる。
また、第2シール部32には切込み部32aを中心から放射状に有するので、内針2を挿脱可能な状態で密着保持する第2シール部32を簡単な構成で実現することができる。なお、上記実施形態では、第1シール部31と第2シール部32とを一体成型してシール部材27を構成しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、外周空間13の後端部と内部空間11aの後端部との間を液密状態に閉塞する第1シール部31と、内針2を挿脱可能な状態で密着保持する第2シール部32とを別個に構成してもよい。しかしながら、第1シール部31と第2シール部32とを一体成型すれば、体外循環用留置針1を構成する部品の増加を抑制することができて好適である。
ところで、上記第1実施形態における外筒針3では、内針2を内部空間11aに挿通すると、内側管部11が拡径して外側管部12に当接したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7(a)および(b)に示す変形例において、外筒針3は、外側管部12の内径と内側管部11の外径とを当接不能としている。具体的には、管径が拡縮不能であり、且つ内部空間11aが内針2よりも極僅かに太い可撓性管で内側管部11を構成し、外側管部12の内径を内側管部11の外径よりも太く設定して、内側管部11と外側管部12との間には内針2の挿脱に拘らず外周空間13を常時形成するように構成されている。
このように内側管部11の管径を拡縮不能とすれば、外周空間13や内部空間11aが不用意に狭くなったり広くなったりする不都合、ひいては、血液の流路が変化して血液の循環に支障を来す不都合を抑え易い。しかしながら、上記変形例において、内針2の太さ、内側管部11の肉厚、外側管部12の肉厚を上記第1実施形態と同じ寸法に設定した場合には、外周空間13を常時形成するために外側管部12を第1実施形態よりも太くする必要がある。例えば、内針2の外径をφ1.1mmとし、内側管部11の肉厚を0.05mmとし、外側管部12の肉厚を0.15mmとした場合、第1実施形態における外側管部12の外径はφ1.5mmとなる。一方、変形例においては、常時形成される外周空間13の隙間寸法(肉厚に相当する寸法)を考慮して外側管部12を太くする必要があり、例えば、外周空間13の隙間寸法を0.3mmに設定しようとすると、外側管部12の外径がφ2.1mmになってしまう。したがって、穿刺時に患者が痛みを感じ難い体外循環用留置針1を実現するためには、内側管部11の管径が拡縮可能である上記第1実施形態を採用して外筒針3が太くなることを抑制することが好適である。
ところで、上記第1実施形態およびその変形例においては、外筒針先端部15に内側管部11の先端部と外側管部12の先端部とを接続して、内側管部11の先端部と外側管部12の先端部とを離間不能にしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示す第2実施形態の体外循環用留置針1は、基本的には第1実施形態と同じであるが、内側管部11の先端部と外側管部12の先端部とを離間可能とした点で異なる。具体的に説明すると、第2実施形態における外筒針3′は、外側管部12内に挿通された内側管部11の先端部を外側管部12の先端開口から突出させ、内側管部11の先端部および外側管部12の先端部をそれぞれ先細り形状に設定している。
そして、内部空間11aに内針2を挿通すると、図8(a)に示すように、内側管部11が拡径して外周面を外側管部12の内周面に当接する。一方、内部空間11aから内針2を抜去すると、図8(b)に示すように、内側管部11が拡径状態から復元力により縮径して外側管部12の内周面から離間し、外周空間13が中心軸側へ広がる。さらに、内側管部11の先端部が外側管部12の先端部から離間することにより、外周空間13が外周開口部17において開放されるだけではなく、外側管部12の先端においても開放される。このような構成の外筒針3′を体外循環用留置針1に採用すれば、外筒針3の先端においては外側管部12内に内側管部11を挿通するだけで済み、体外循環用留置針1の製造工程や製造コストの増大を抑制することができる。また、外周開口部17とは別個の位置で外周空間13を開放することができ、体外循環用留置針1の設計の自由度を増すことができる。
ところで、上記各実施形態および変形例においては、内針2を中空管部材で構成したが、本発明はこれに限定されない。要は、先端に穿刺部が形成されており、内側管部11の内部空間11aに挿通可能な内針であればよい。例えば、貫通孔が開設されていない中実軸部材で内針を構成してもよい。また、上記した血液の体外循環の準備作業において、血管への穿刺前に体外循環用留置針1と血液回路5とを接続したが、血管への穿刺後に体外循環用留置針1と血液回路5とを接続してもよい。ただし、第1接続空間部36および第2接続空間部38の各開放口には、当該開放口を開閉可能なバルブや、通気可能ではあるが通液不能なフィルター等を備え、血管への穿刺後から血液回路5の接続までの間に血液が第1接続空間部36や第2接続空間部38から流出することをバルブやフィルター等で阻止することが必要である。そして、体外循環用留置針1と血液回路5とを接続した後には、バルブを開放したりフィルターを破壊したりして、第1接続空間部36および第2接続空間部38を血液回路5へ連通すればよい。しかしながら、家庭透析等のように、患者が体外循環用留置針1を片腕に穿刺した状態で自ら血液回路5の接続作業を行おうとする場合には、体外循環用留置針1を穿刺していない側の片手のみで複雑な操作をしなければならず、患者への負担が大きいので、血管への穿刺作業の前に予め体外循環用留置針1と血液回路5とを接続しておくことが好適である。
ところで、上記各実施形態および変形例においては、外筒針基部19の基部本体20から第1接続部21および第2接続部22を分岐し、基部本体20の後端部の進入空間部25から内針2を抜去する構成を採用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示す第3実施形態における体外循環用留置針1′は、基本的には上記各実施形態および変形例と同じであるが、内針2が挿入される基部本体20′の後端部に第2接続部42を備え、内針2の抜去後に血液回路5の端部を第2接続部42へ接続するように構成されている点、および、血液回路5を接続せずに血管へ穿刺しても血液が各接続部21,42から漏出しないように構成されている点で異なる。
具体的に説明すると、第3実施形態における外筒針基部19′は、図9に示すように、基部本体20′の側部から第1接続部21のみを分岐したy字状を呈しており、基部本体20′の後端部に円筒状の第2接続部42を装着している。また、第2接続部42の内部には、内針2が遊嵌状態で挿通可能な第2接続空間部43をシール部材27′の中心軸の延長線上に形成して、第2接続空間部43とシール内空間部31aとが内針2の軸方向に並んで連通し得るように構成されている。さらに、第2接続空間部43の開放後部(図9(a)中、右部)をシール部材27′側となる前部(図9(a)中、左部)よりも拡径して内針基部7の先端部分を進入可能とし、第2接続空間部43の開放口の外周部分に第2接続側おねじ部44を形成している。
シール部材27′の第2シール部47においては、上記実施形態では形成されていたシール内分岐空間部31bおよび切込み部32aを形成せず、その代わりに、内針2が挿通可能なシール内連通部47a(図9(a)および(d)参照)を第2シール部47の中心軸上に形成し、該シール内連通部47aを介してシール内空間部31aと第2接続空間部43とを連通可能としている。さらに、シール内連通部47aの内径を内針2が挿脱可能な状態で密着保持可能となる寸法(例えば、内針2の外径と同じ寸法)に設定して、内針2が抜去されてもシール内連通部47aが閉塞されないように構成されている。
また、第2接続部42の先端部には、内針挿通孔48aが中心軸上に貫通した円筒状のストッパー48を一体成型しており、該ストッパー48を進入空間部25内に嵌合することで第2接続部42を基部本体20′へ装着できるように構成されている。なお、ストッパー48と第2接続部42とを別個に形成して基部本体20′へ装着してもよいし、あるいは、第2接続部42と基部本体20′とを一体成型し、第2接続部42とは別個に形成されたストッパー48を第2接続部42内へ通して基部本体20′内へ嵌合してもよい。
そして、第1接続空間部36および第2接続空間部43には、血液が不用意に開放口から漏れ出ることを阻止するための止血弁を備えている。具体的に説明すると、第1接続空間部36の拡径箇所の内部には、図9(a)に示すように、弾性を有する第1止血弁51(例えば、合成ゴム製やシリコンゴム製の止血弁)を配置している。第1止血弁51には、図9(b)に示すように、第1接続部21の中心軸から放射状に切り込まれた切込み部51aを形成しており、血液導出入接手部5aが接続されていない常態においては、第1止血弁51が切込み部51aを液密状態で閉塞するように構成されている(図9(a)参照)。さらに、血液導出入接手部5aを第1接続側おねじ部37へ螺合すると、図9(c)に示すように、血液導出入接手部5a内から突出した接手管部5cが第1接続空間部36内に挿入されるとともに第1止血弁51の切込み部51aを押し広げて第1止血弁51を開放し、血液回路5と外周空間13(図4(b),図7,図8(b)参照)とが挿通空間部24、第1接続空間部36、接手管部5cの内部流路を介して連通するように構成されている。
また、第2接続空間部43の拡径箇所の内部には、図9(a)および(d)に示すように、弾性を有する第2止血弁52(例えば、合成ゴム製やシリコンゴム製の止血弁)を配置している。第2止血弁52には、図9(e)に示すように、基部本体20′の中心軸から放射状に切り込まれた切込み部52aを形成しており、放射状の切込み部52aの中心に内針2を挿通すると、第2止血弁52が弾性力により内針2の外周面へ密着して、内針2を保持するとともにシール内空間部31aから内針基部7までの通液を阻止する(図9(a)参照)。また、切込み部52aから内針2を抜くと、第2止血弁52が弾性力により切込み部52aを液密状態で閉塞する(図9(d)および(e)参照)。したがって、第2止血弁52が本発明における第2シール部の一部として機能するように構成されている。さらに、血液導出入接手部5bを第2接続側おねじ部44へ螺合すると、図9(f)に示すように、血液導出入接手部5b内から突出した接手管部5dが第2接続空間部43内に挿入されるとともに第2止血弁52の切込み部を押し広げて第2止血弁52を開放し、血液回路5と内部空間11a(図9(a)参照)とがシール内空間部31a、シール内連通部47a、第2接続空間部43、接手管部5dの内部流路を介して連通するように構成されている。
このような構成を備えた第3実施形態の体外循環用留置針1′を用いて患者の血液を体外循環させるには、まず、図9(a)に示すように、予め内針2を内側管部11へ挿通して穿刺部2aが外筒針3から突出した状態に設定しておき、この状態で体外循環用留置針1′の針先(具体的には、内側管部11の先端開口および外筒針先端部15から突出した穿刺部2a)を患者へ穿刺し、外筒針3の外周開口部17が血管内に到達するまで挿入する。なお、第1接続部21の開放口にはキャップ(図示せず)を装着して開放口を塞ぎ、異物が開放口から第1接続空間部36内へ不用意に侵入することを阻止しておく。
体外循環用留置針1′を血管へ穿刺して外周開口部17を血管内に臨ませたならば、内針基部7とともに内針2を引き出して外筒針3の内部空間11a、外筒針基部19′(詳しくは、内針2を密着保持しているシール部材27′)、第2接続空間部43から抜去する。すると、第2止血弁52のうち内針2の抜去箇所が当該第2止血弁52の弾性力により液密状態に閉塞される。したがって、血液が内部空間11aを通って第2接続空間部43内に流入してきたとしても、この血液が不用意に第2接続空間部43から外方へ漏れ出ることがない。また、第1接続部21においては、第1止血弁51が液密状態に閉塞された状態が維持されているので、血液が外周空間13(図4(b),図7,図8(b)参照)を通って第1接続空間部36内に流入してきたとしても、この血液が不用意に第1接続空間部36から外方へ漏れ出ることがない。
体外循環用留置針1′を血管に穿刺した状態で内針2を抜去したならば、外筒針基部19′を患者の腕に粘着テープなどを用いて固定する。なお、外筒針基部19′の固定は、内針2を抜去する前に行ってもよい。そして、第1接続部21からキャップを外し、第1接続部21に血液導出入接手部5aを接続して第1止血弁51を開放するとともに、第2接続部42に血液導出入接手部5bを接続して第2止血弁52を開放すると、血管が外周開口部17、外周空間13、挿通空間部24、第1接続空間部36を介して血液回路5の一端に連通する一方、外筒針先端部15、内部空間11a、シール内空間部31a、シール内分岐空間部31b、第2接続空間部43を介して血液回路5の他端に連通する。このようにして血液の体外循環の準備を完了した後、血液ポンプを駆動すれば、血液の体外循環が開始される。
このような手順により使用される第3実施形態の体外循環用留置針1′は、内針2を抜去する箇所と血液回路5が接続される箇所とを共通にしているので、体外循環用留置針1′のサイズのコンパクト化を図り易い。また、患者への穿刺後に内針2の抜去および血液回路5の接続を行うように構成されていることから、施設透析等のように、看護師等の作業者が患者の血液の体外循環の準備を行う場合に用いられることが好適である。
なお、第3実施形態においては、各接続部21,42内に止血弁を設けず、その代わりに外筒針基部19′の所定箇所を押し潰して血液の各接続部21,42からの漏出を阻止することができるように構成してもよい。例えば、図10に示す第3実施形態の第1変形例においては、第1接続部21の長手方向の途中部分を可撓性の第1クランプチューブ56で構成し、該第1クランプチューブ56内に第1接続空間部36の一部を形成している。また、第2接続部42と基部本体20′とを可撓性の第2クランプチューブ57で接続し、該第2クランプチューブ57内の空間を介してシール部材27′のシール内連通部47aと第2接続部42の第2接続空間部43とを連通している。
そして、体外循環用留置針1′の患者への穿刺時には、第1クランプチューブ56および第2クランプチューブ57をそれぞれ外側からクランプ(図示せず)により挟み潰して第1接続空間部36および第2接続空間部43を液密状態で閉塞し、血液の各接続部21,42からの漏出を阻止し、第1接続部21の開放口をキャップ(図示せず)で塞いでおく。また、体外循環用留置針1′の患者への穿刺、内針2の抜去およびキャップの除去、血液回路5への接続が全て完了した後には、各クランプを各クランプチューブ56,57から外して各接続空間部36,43の閉塞を解除する。なお、クランプの挟み潰しの力が強くて内針2の抜去がスムーズに行えない場合には、一時的にクランプを外して内針2を抜去してもよいし、あるいは内針2を抜去するまでは第2クランプチューブ57を挟み潰さず、内針2を抜去してから速やかに第2クランプチューブ57をクランプで挟み潰してもよい。このように、外筒針基部19′の一部を押し潰して止血する構成を採用すれば、患者への穿刺時に血液が各接続部21,42から漏出不能な状態であるか否かを、体外循環用留置針1′の外観を目視することで容易に確認することができる。
ところで、第3実施形態においては、血液の体外循環の準備時に血管を指で押す等して血流を抑えて、穿刺後の体外循環用留置針1′の針先に血液が勢いよく流入することを阻止してもよい。この場合には、図11の第2変形例に示すように、外筒針基部19′に止血弁やクランプチューブを設けずに構成された体外循環用留置針1′を用いてもよい。すなわち、本発明における体外循環用留置針は、内針2の抜去箇所を液密状態で閉塞するための構造を省略して構成してもよい。
そして、本発明における体外循環用留置針は、例示した人工透析における血液の体外循環に用いられることに限定されない。要は、患者の血液を体外循環させるためであれば、どのような場面で用いられてもよく、例えば、血液から特定成分を分離除去するアフェレシス療法にも適用可能である。また、本発明における体外循環用留置針を患者にテープで固定し易くするために、体外循環用留置針の側部から平板状の突出片(所謂「羽根」)を突設してもよい。
さらに、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
1,1′ 体外循環用留置針
2 内針
2a 穿刺部
3,3′ 外筒針
4 針
5 血液回路
5a,5b 血液導出入接手部
5c,5d 接手管部
7 内針基部
8 内針連通空間部
9 フィルター
11 内側管部
11a 内部空間
12 外側管部
13 外周空間
15 外筒針先端部
17 外周開口部
19,19′ 外筒針基部
20,20′ 基部本体
21 第1接続部
22 第2接続部
24 挿通空間部
25 進入空間部
27,27′ シール部材
28 ストッパー
28a 内針挿通孔
31 第1シール部
31a シール内空間部
31b シール内分岐空間部
32 第2シール部
32a 切込み部
36 第1接続空間部
37 第1接続側おねじ部
38 第2接続空間部
39 第2接続側おねじ部
42 第2接続部
43 第2接続空間部
44 第2接続側おねじ部
47 第2シール部
47a シール内連通部
48 ストッパー
48a 内針挿通孔
51 第1止血弁
51a 切込み部
52 第2止血弁
56 第1クランプチューブ
57 第2クランプチューブ

Claims (7)

  1. 可撓性をそれぞれ有する内側管部と外側管部との二重管構造で構成された外筒針と、前記内側管部の内部空間に挿通され、先端に形成された穿刺部を前記内側管部の先端開口から突出可能な金属製の内針と、を備えた体外循環用留置針であって、
    前記内側管部と外側管部との間に形成される外周空間の後端部と前記内部空間の後端部との間を液密状態に閉塞する第1シール部と、
    前記内針を挿脱可能な状態で密着保持する第2シール部と、
    前記外側管部の先端側の外周面に形成され、血管内に穿刺されたときに血管内と前記外周空間とを連通する外周開口部と、
    前記外周空間と血液回路の一端とを連通させるための第1接続部と、
    前記内部空間と前記血液回路の他端とを連通させるための第2接続部と、を備え、
    前記内針が前記穿刺部を前記内側管部の先端開口から突出した状態で血管内に穿刺され、穿刺後には前記内針が前記内部空間および前記第2シール部から抜去されることを特徴とする体外循環用留置針。
  2. 前記第2シール部は、前記内針の抜去箇所が当該第2シール部の弾性力により液密状態に閉塞されることを特徴とする請求項1に記載の体外循環用留置針。
  3. 前記内側管部は、管径が拡縮可能な弾性管であり、且つ前記内針が挿通していない常態では前記内部空間が前記内針よりも細く構成されており、
    前記血管内への穿刺時には、前記内側管部が前記内針の前記内部空間内への挿通により前記常態よりも拡径し、
    前記穿刺後に前記内針が前記内部空間から抜去されると、前記内側管部が拡径状態から復元力により縮径して前記外周空間が広がることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体外循環用留置針。
  4. 前記拡径状態の内側管部は、当該内側管部の外周面を前記外側管部の内周面に当接するまで拡径することを特徴とする請求項3に記載の体外循環用留置針。
  5. 前記内側管部の先端開口は、血管内に留置されたときに血液を血管内から前記内部空間内へ取り込む脱血開口であり、
    前記外周開口部は、血管内に留置されたときに血液を前記外周空間内から血管内へ戻す返血開口であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の体外循環用留置針。
  6. 前記内側管部の先端部を前記外側管部の先端部から突出し、
    前記穿刺後に前記内針が前記内部空間から抜去されると、前記内側管部の外周面が前記外側管部の先端部の内周面から離間して、前記外周空間が前記外側管部の先端において開放されることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の体外循環用留置針。
  7. 前記内針は、貫通孔が先端の穿刺部から後端に亘って形成された中空管部材で構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の体外循環用留置針。
JP2014197767A 2014-09-29 2014-09-29 体外循環用留置針 Pending JP2016067455A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014197767A JP2016067455A (ja) 2014-09-29 2014-09-29 体外循環用留置針
PCT/JP2015/077536 WO2016052517A1 (ja) 2014-09-29 2015-09-29 体外循環用留置針

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014197767A JP2016067455A (ja) 2014-09-29 2014-09-29 体外循環用留置針

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016067455A true JP2016067455A (ja) 2016-05-09

Family

ID=55630544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014197767A Pending JP2016067455A (ja) 2014-09-29 2014-09-29 体外循環用留置針

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2016067455A (ja)
WO (1) WO2016052517A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018064785A (ja) * 2016-10-20 2018-04-26 株式会社八光 分岐管

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102615489B1 (ko) 2017-05-26 2023-12-18 파이퍼 액세스 엘엘씨 카테터 전달 장치, 시스템 및 방법
CN108992738A (zh) * 2018-08-11 2018-12-14 闫红魁 隔离塞组件及无胶水连接的留置针
CN110141255A (zh) * 2019-06-19 2019-08-20 北京光耀世纪医疗科技有限公司 采血器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5740997Y2 (ja) * 1977-06-03 1982-09-08
JPH0426110Y2 (ja) * 1987-08-10 1992-06-23
CA2013877C (en) * 1990-04-04 2000-09-19 Geoffrey S. Martin Pre-curved dual lumen catheter
JP4567847B2 (ja) * 2000-05-30 2010-10-20 ユニチカ株式会社 ダブルルーメンカテーテル
JP5528519B2 (ja) * 2012-09-28 2014-06-25 日機装株式会社 体外循環用留置針

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018064785A (ja) * 2016-10-20 2018-04-26 株式会社八光 分岐管

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016052517A1 (ja) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190192823A1 (en) Vascular Access Devices and Methods
KR101392608B1 (ko) 혈관에 카테터 안내선을 삽입하기 위한 삽입 장치
CN105530989A (zh) 采用具有挠性固位臂的致动器的血液控制导管阀
JP5952415B2 (ja) 弁体及びこの弁体を有するコネクタ
WO2016052517A1 (ja) 体外循環用留置針
JP5973669B2 (ja) 可撓性チューブのクランプ装置
JPS6027538B2 (ja) 血液の抽出・注入を同時に行なう装置
TW200946159A (en) Tearaway introducer sheath with hemostasis valve
JPWO2016125820A1 (ja) クランプ装置
JP2021515687A (ja) 静脈内カテーテル組立品
US10279100B2 (en) Indwelling needle for extracorporeal circulation
US20160113677A1 (en) Hemodialysis double lumen needle angio catheter
JP6280373B2 (ja) 医療用体外回路との接続に利用される留置針
JP6321431B2 (ja) 医療用のライン接続コネクタ
JP6889820B2 (ja) 留置針組立体
JP2017153658A (ja) 留置針
JP2012045156A (ja) 穿刺針及びその穿刺針を備えた穿刺針導入具
JPWO2006061895A1 (ja) 医療用ホルダ
JP6344944B2 (ja) 体外循環用留置針
JP7053978B2 (ja) 留置針
CN207856028U (zh) 一种穿刺针防护装置和套管针
US6042566A (en) Intravenous injection apparatus
JP2019088580A (ja) 留置針
KR101618824B1 (ko) 벌룬 카테터
JP2015000270A (ja) 体外循環用留置針