JP2023059793A - 回転電機、およびポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を低減できる構造を有する回転電機、およびポンプを提供する。【解決手段】回転電機10は回転可能なロータ41と、コイルを有しロータ41と隙間を介して対向するステータ42と、コイル42cに電気的に接続された基板80と、コイル42cと基板80とを電気的に接続するバスバー52を有するバスバーアセンブリ50と、ステータ42を収容するステータ収容部35および基板80を収容する基板収容部37を有するハウジング30を備える。ハウジング30はステータ収容部35と基板収容部37を繋ぐ接続孔31bと、軸方向一方側に位置する蓋部材33を有する。接続孔31bにはバスバーアセンブリ50が径方向に通される。蓋部材33は軸方向に延びる筒状部33bを有する。バスバーアセンブリ50は筒状部33bの径方向外側でハウジング30に固定される基部と、基部から筒状部33bの外周面に沿って延びる一対の脚部を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機、およびポンプに関する。
ロータおよびステータを有する電動のモータが知られている。例えば、特許文献1には、電動モータおよび電動ポンプが記載されている。
上記のような電動モータおよび電動ポンプにおいては、電動モータおよび電動ポンプが振動する際の、バスバーリングユニットのがたつきを防止するため、バスバーリングユニットをステータ側に向けて付勢するスプリングプレートを備えている。そのため、部品点数が多くなり、電動モータおよび電動ポンプの組立工数が増加する問題があった。
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、部品点数を低減できる構造を有する回転電機、およびポンプを提供することを目的の一つとする。
本発明の回転電機の一つの態様は、軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータと、コイルを有し、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、前記コイルに電気的に接続された基板と、前記コイルと前記基板とを電気的に接続するバスバーを有するバスバーアセンブリと、前記ステータを内部に収容するステータ収容部および前記基板を内部に収容する基板収容部を有するハウジングと、を備える。前記基板収容部は、前記ステータ収容部の径方向外側に位置する。前記ハウジングは、前記ステータ収容部の内部と前記基板収容部の内部とを径方向に繋ぐ接続孔と、前記ステータの軸方向一方側に位置する蓋部材と、を有する。前記接続孔には、前記バスバーアセンブリが径方向に通されている。前記蓋部材は、軸方向に延びる筒状部を有する。前記バスバーアセンブリは、前記筒状部の径方向外側で前記ハウジングに固定される基部と、前記基部から前記筒状部の外周面に沿って延びる一対の脚部と、を有する。一対の前記脚部又は前記筒状部の外周面のいずれか一方は、径方向に窪む凹部を有し、他方は、前記凹部に挿入され前記凹部の内側面に接触する凸部を有する。
本発明のポンプの一つの態様は、上記の回転電機と、前記ロータに接続されたポンプ機構と、を備える。
本発明の一つの態様によれば、回転電機およびポンプにおいて、部品点数を低減できる。
<第1実施形態>
以下の説明において図には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示す。Y軸は、以下に説明する実施形態の回転電機の中心軸Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸Jは、仮想軸線である。以下の説明においては、中心軸Jが延びる方向、つまりY軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
以下の説明において図には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示す。Y軸は、以下に説明する実施形態の回転電機の中心軸Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸Jは、仮想軸線である。以下の説明においては、中心軸Jが延びる方向、つまりY軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
周方向は、各図において矢印θで示されている。周方向のうち矢印θが向く側を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と逆側を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、軸方向一方側(+Y側)から見て中心軸J回りに時計回りに進む側である。周方向他方側は、軸方向一方側から見て中心軸J回りに反時計回りに進む側である。
Z軸と平行な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」と呼ぶ。鉛直方向ZのうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。X軸と平行な方向を「幅方向X」と呼ぶ。幅方向XのうちX軸の矢印が向く側(+X側)を「幅方向一方側」と呼ぶ。幅方向XのうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を「幅方向他方側」と呼ぶ。軸方向と鉛直方向Zと幅方向Xとは、互いに直交する方向である。なお、鉛直方向Z、幅方向X、上側、および下側は、単に各部の配置関係等を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1に示す本実施形態のポンプ100は、車両に搭載される機器に取り付けられる電動ポンプである。ポンプ100が取り付けられる機器は、自動変速機であってもよいし、車両の車軸を駆動する駆動装置であってもよい。ポンプ100は、例えば、車両に搭載される機器にオイルを供給する電動オイルポンプである。
図1に示すように、ポンプ100は、回転電機10と、ポンプ機構20と、を備える。本実施形態において回転電機10は、モータである。回転電機10は、ハウジング30と、ロータ41と、ステータ42と、ベアリング43a,43bと、バスバーアセンブリ50と、基板80と、を備える。
ロータ41は、軸方向に延びる中心軸Jを中心として回転可能である。ロータ41は、シャフト41aと、ロータ本体41bと、を有する。シャフト41aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト41aは、ベアリング43aおよびベアリング43bによって中心軸J回りに回転可能に支持されている。つまり、ベアリング43a,43bは、ロータ41を回転可能に支持している。本実施形態においてベアリング43aおよびベアリング43bは、転がり軸受である。ベアリング43a,43bは、ボールベアリングである。ベアリング43aは、シャフト41aのうちロータ本体41bよりも軸方向一方側(+Y側)に位置する部分を回転可能に支持している。ベアリング43bは、シャフト41aのうちロータ本体41bよりも軸方向他方側(-Y側)に位置する部分を回転可能に支持している。ロータ本体41bは、シャフト41aの外周面に固定されている。図示は省略するが、ロータ本体41bは、ロータコアと、ロータマグネットと、を有する。
ステータ42は、ロータ41と隙間を介して対向している。ステータ42は、ロータ41の径方向外側に位置する。ステータ42は、ステータコア42aと、インシュレータ42bと、複数のコイル42cと、を有する。ステータコア42aは、中心軸Jを中心とする円筒状のコアバック42dと、コアバック42dから径方向内側に延びる複数のティース42eと、を有する。ステータコア42aは、後述するステータ収容部35内に固定されている。より詳細には、コアバック42dの外周面がステータ収容部35の内周面に固定されている。複数のコイル42cは、インシュレータ42bを介して、複数のティース42eのそれぞれに取り付けられている。各コイル42cは、ステータコア42aよりも軸方向一方側(+Y側)に突出したコイルエンド42gをそれぞれ有する。
ハウジング30は、ポンプ機構20、ロータ41、ステータ42、ベアリング43a,43b、バスバーアセンブリ50、および基板80を内部に収容している。ハウジング30は、ハウジング本体部31と、基板カバー32と、蓋部材33と、ポンプカバー34と、を有する。ハウジング本体部31と基板カバー32と蓋部材33とポンプカバー34とは、互いに別部材である。基板カバー32は、ハウジング本体部31の上側に固定されている。蓋部材33は、ハウジング本体部31の軸方向一方側(+Y側)に固定されている。ポンプカバー34は、ハウジング本体部31の軸方向他方側(-Y側)に固定されている。
ハウジング本体部31は、ステータ収容部35と、ポンプ収容部36と、基板収容部37と、取付部38と、を有する。本実施形態において、ステータ収容部35とポンプ収容部36と基板収容部37と取付部38とは、互いに同一の単一部材の一部である。取付部38は、ステータ収容部35およびポンプ収容部36の幅方向他方側(-X側)に位置する。取付部38は、ねじによって車両の機器に固定される部分である。
ステータ収容部35は、ロータ本体41b、ステータ42を内部に収容している。本実施形態においてステータ収容部35は、軸方向に延びる円筒状である。ステータ収容部35の軸方向一方側(+Y側)の端部は、ハウジング本体部31の軸方向一方側の端部であり、軸方向一方側に開口する開口部35aである。つまり、ステータ収容部35は、軸方向一方側に開口する開口部35aを有する。開口部35aは、中心軸Jを中心とする円形状である。開口部35aは、蓋部材33によって塞がれている。
ポンプ収容部36は、ステータ収容部35の軸方向他方側(-Y側)に繋がっている。ポンプ収容部36は、ポンプ機構20を内部に収容している。ポンプ収容部36は、軸方向他方側に開口している。ポンプ収容部36の軸方向他方側の開口は、ポンプカバー34によって塞がれている。
基板収容部37は、ステータ収容部35の径方向外側に位置する。本実施形態において基板収容部37は、ステータ収容部35およびポンプ収容部36の上側に位置する。基板収容部37は、軸方向に延びている。基板収容部37の軸方向他方側(-Y側)の端部は、ポンプ収容部36およびポンプカバー34よりも軸方向他方側に突出している。基板収容部37の軸方向他方側の端部には、コネクタ部90が設けられている。図2に示すように、基板収容部37は、上側に開口する略長方形箱状である。基板収容部37の上側の開口は、基板カバー32によって塞がれている。
基板収容部37は、基板80を内部に収容している。基板80は、板面が鉛直方向Zを向く基板本体81と、基板本体81に取り付けられた複数の電子部品82と、を有する。電子部品82は、例えば、ステータ42に電力を供給するインバータ回路を構成するトランジスタを含む。基板80は、コイル42cに電気的に接続されている。
基板収容部37は、複数の第1被固定部37aを有する。本実施形態において第1被固定部37aは、基板収容部37の下側の底部から上側に延びる円柱状である。第1被固定部37aは、鉛直方向Zに見て、基板収容部37の外縁部に設けられている。第1被固定部37aは、第1被固定部37aの上側の面から下側に窪む雌ねじ穴37cを有する。第1被固定部37aには、基板80が固定されている。より詳細には、第1被固定部37aには、基板本体81の外縁部が、雌ねじ穴37cに締め込まれたねじで固定されている。図3に示すように、複数の第1被固定部37aは、鉛直方向Zに見て、接続孔31bを幅方向Xに挟んで配置された一対の第1被固定部37aを含む。
基板収容部37は、第2被固定部37bを有する。本実施形態において第2被固定部37bは、基板収容部37の下側の底部から上側に延びる四角柱状の柱部37eにおける軸方向一方側(+Y側)の端部である。第2被固定部37bの上側の面は、柱部37eのうち第2被固定部37bより軸方向他方側(-Y側)に位置する部分における上側の面よりも下側に窪んでいる。第2被固定部37bは、第2被固定部37bの上側の面から下側に窪む雌ねじ穴37dを有する。
第2被固定部37bは、基板収容部37の内部のうち軸方向一方側(+Y側)の部分に設けられている。本実施形態において第2被固定部37bは、幅方向Xに間隔を空けて一対設けられている。図3に示すように、第2被固定部37bには、後述する固定部材53が固定されている。
図1に示すように、ハウジング本体部31は、ステータ収容部35の内部とポンプ収容部36の内部とを軸方向に繋ぐ孔部31aを有する。孔部31a内には、孔部31aの内周面とシャフト41aの外周面との間をシールするオイルシール44が保持されている。孔部31a内には、オイルシール44の軸方向一方側(+Y側)にベアリング43bが保持されている。
ハウジング本体部31は、ステータ収容部35の内部と基板収容部37の内部とを径方向に繋ぐ接続孔31bを有する。つまり、ハウジング30は、接続孔31bを有する。接続孔31bは、ハウジング本体部31の軸方向一方側(+Y側)の部分に設けられている。本実施形態において接続孔31bは、ステータ収容部35の内部と基板収容部37の内部との間の壁部を鉛直方向Zに貫通している。接続孔31bの上側の端部は、基板収容部37の内部における軸方向一方側の端部に開口している。接続孔31bは、コイルエンド42gの上側に位置する。接続孔31bは、鉛直方向Zに見て、ステータコア42aの軸方向一方側の端部と重なっている。図3に示すように、接続孔31b内には、ステータコア42aの軸方向一方側の端部が露出している。より詳細には、接続孔31b内には、コアバック42dの軸方向一方側の端部における外周面の上端部が露出している。
蓋部材33は、開口部35aを塞いでいる。図2に示すように、蓋部材33は、蓋本体部33aと、筒状部33bと、複数の固定部33cと、を有する。蓋本体部33aは、開口部35aを軸方向一方側(+Y側)から塞ぐ部分である。蓋本体部33aの軸方向に見た外形は、中心軸Jを中心とする円形状である。蓋本体部33aは、径方向の中央部に蓋本体部33aを軸方向に貫通する孔部33dを有する。孔部33dには、ブリーザ91が取り付けられている。蓋部材33は、例えば、アルミダイカスト製である。
複数の固定部33cは、蓋本体部33aから径方向外側に突出している。固定部33cは、ステータ収容部35の軸方向一方側の面にねじによって固定されている。複数の固定部33cは、周方向に沿って一周に亘って間隔をあけ複数配置されている。固定部33cは、例えば、4つ設けられている。
筒状部33bは、蓋本体部33aから軸方向他方側に延びる筒状である。つまり、蓋部材33は軸方向に延びる筒状部33bを有する。筒状部33bは、中心軸Jを中心とする円筒状である。図1に示すように、筒状部33bは、軸方向他方側(-Y側)に開口している。筒状部33bの軸方向他方側の端部における径方向内側には、ベアリング43aが嵌め合わされている。これにより、筒状部33bは、シャフト41aを支持するベアリング43aを保持している。筒状部33bの内部は、孔部33dの内部と繋がっている。筒状部33bの軸方向他方側の端部は、鉛直方向Zに見て、接続孔31bと重なっている。筒状部33bの軸方向他方側の端部は、接続孔31bの径方向内側に位置する。
図4に示すように、筒状部33bの外周面には、径方向内側に窪む凹部33eが設けられている。つまり、筒状部33bは、凹部33eを有する。凹部33eは径方向に見て、後述する、バスバーアセンブリ50の一部と重なる。凹部33eは、周方向に延びている。本実施形態では、凹部33eは、筒状部33bの外周面に一周に亘って設けられている。なお、凹部33eは、後述する、バスバーホルダ51が備えるブリッジ部56e,57eが安定して挿入されるのであれば、一周に亘って設ける必要はない。凹部33eは、第1傾斜面33f、第2傾斜面33g、および底面33iを有する。
第1傾斜面33fは、凹部33eの軸方向一方側(+Y側)の内側面である。第1傾斜面33fの径方向外側の端部は、筒状部33bの外周面と繋がる。第1傾斜面33fの径方向内側の端部は、底面33iと繋がる。第1傾斜面33fは、凹部33eの径方向内側、つまり、底方向に向かうにしたがって、軸方向他方側(-Y側)に位置する傾斜面である。第1傾斜面33fは、軸方向他方側(-Y側)と径方向外側の間を向く傾斜面である。つまり、凹部33eは、凹部33eの底方向に向かうにしたがって、軸方向他方側(-Y側)に位置する第1傾斜面33fを有する。
第2傾斜面33gは、凹部33eの軸方向他方側(-Y側)の内側面である。第2傾斜面33gの径方向外側の端部は、筒状部33bの外周面と繋がる。第2傾斜面33gの径方向内側の端部は、底面33iと繋がる。第2傾斜面33gは、凹部33eの径方向内側、つまり、底方向へ向かうにしたがって、軸方向一方側(+Y側)に位置する傾斜面である。第2傾斜面33gは、軸方向他方側(+Y側)と径外側方向の間を向く傾斜面である。つまり、凹部33eは、凹部の底方向に向かうにしたがって、軸方向一方側(+Y側)に位置する第2傾斜面33gを有する。
底面33iは、第1傾斜面33fおよび第2傾斜面33gと繋がる面である。底面33iの軸方向一方側(+Y側)の端部は、第1傾斜面33fの径方向内側の端部と繋がる。底面33iの軸方向他方側(-Y側)の端部は、第2傾斜面33gの径方向内側の端部と繋がる。底面33iは、本実施形態では、径方向内側に窪む円弧形状である。
筒状部33bは、第1筒状部33jと、第2筒状部33kと、を有する。図4に示すように、第1筒状部33jは、筒状部33bの一部のうち、凹部33eよりも軸方向他方側(-Y側)の部分である。第2筒状部33kは、筒状部33bの一部のうち、凹部33eよりも軸方向一方側(+Y側)の部分である。
第1筒状部33jの径方向を向く外周面は、外周傾斜面33lである。本実施形態においては、外周傾斜面33lは、軸方向他方側(-Y側)に向かうにしたがって、径方向内側に位置する傾斜面である。つまり、第1筒状部33jは、軸方向他方側(-Y側)に向かうにしたがって、径方向内側に位置する外周傾斜面33lを有する。第1筒状部33jの軸方向一方側(+Y側)の端部の外径は、第2筒状部33kの軸方向のどの位置の外径より小さい。すなわち、本実施形態においては、軸方向のどの位置同士を比較する場合であっても、第1筒状部33jの外径の方が、第2筒状部33kの外径よりも小さい。
図1に示すように、バスバーアセンブリ50は、接続孔31bに径方向に通されている。本実施形態においてバスバーアセンブリ50は、接続孔31bに鉛直方向Zに通されている。バスバーアセンブリ50は、基板収容部37の上側の開口を介して、上側から接続孔31bに通されている。バスバーアセンブリ50の上側部分、すなわち径方向外側部分は、接続孔31b内に位置する。バスバーアセンブリ50の下側部分、すなわち径方向内側部分は、ステータ収容部35内に位置する。バスバーアセンブリ50の下側部分の幅方向Xの寸法は、接続孔31bの幅方向Xの寸法よりも小さい。バスバーアセンブリ50の下側部分の軸方向の寸法は、接続孔31bの軸方向の寸法よりも小さい。バスバーアセンブリ50の下側部分は、ステータ42の軸方向一方側(+Y側)に位置する。つまり、バスバーアセンブリ50は、ステータ収容部35内においてステータ42の軸方向一方側に位置する。バスバーアセンブリ50は、バスバーホルダ51と、バスバー52と、固定部材53と、を有する。
図2に示すように、バスバーホルダ51は、バスバー52を保持する部材である。つまり、バスバーアセンブリ50は、バスバー52を保持するバスバーホルダ51を備える。バスバーホルダ51は、樹脂製である。本実施形態においてバスバーホルダ51は、バスバー52および固定部材53をインサート部材とするインサート成形によって作られたインサート成形部材である。図5に示すように、バスバーホルダ51は、基部54と、一対の脚部55a,55bと、を有する。つまり、バスバーホルダ51は、一対の脚部55a,55bを有する。基部54は、バスバーホルダ51の上側部分である。基部54の軸方向に見た外形は、幅方向Xに長い略長方形状である。基部54は、ステータ42よりも上側、つまり径方向外側に位置する。
バスバーホルダ51は、一対の脚部55a,55bを有する。一対の脚部55a,55bは、基部54から下側に延びている。一対の脚部55a,55bは、互いに幅方向Xに対称な形状である。脚部55aは、基部54の幅方向他方側(-X側)の端部から下側に延びている。脚部55aは、基部54から下側に延びる第1延伸部55cと、第1延伸部55cの下端部から下側かつ斜め幅方向他方側(-X側)に延びる第2延伸部55dと、第2延伸部55dの下端部から下側に延びる第3延伸部55eと、を有する。脚部55bは、基部54の幅方向一方側(+X側)の端部から下側に延びている。脚部55bは、基部54から下側に延びる第1延伸部55fと、第1延伸部55fの下端部から下側かつ斜め幅方向一方側(+X側)に延びる第2延伸部55gと、第2延伸部55gの下端部から下側に延びる第3延伸部55hを有する。第2延伸部55dと第2延伸部55gとは、下側に向かうにしたがって互いに幅方向Xに離れている。一対の脚部55a,55bは、軸方向に見て、ステータ42の上側部分と重なっている。
図6に示すように、第2延伸部55dは、筒状部33bの外周面に沿って、第1延伸部55cの下端部から下側かつ斜め幅方向他方側(-X側)に延びている。第3延伸部55eは、筒状部33bの外周面に沿って、第2延伸部55dの下端部から下側に延びている第2延伸部55gは、筒状部33bの外周面に沿って、第1延伸部55fの下端部から下側かつ斜め幅方向一方側に延びている。第3延伸部55hは、筒状部33bの外周面に沿って、第2延伸部55gの下端部から下側に延びている。つまり、バスバーアセンブリ50は、基部54から筒状部33bの外周面に沿って延びる一対の脚部55a,55bを有する。
バスバー52の一部は、バスバーホルダ51に埋め込まれている。バスバー52は、複数設けられている。本実施形態においてバスバー52は、バスバー52Aとバスバー52Bとバスバー52Cとの3つ設けられている。バスバー52A,52B,52Cは、幅方向Xに並んで配置されている。バスバー52Aとバスバー52Bとは、バスバー52Cを幅方向Xに挟んで配置されている。バスバー52Aは、バスバー52Cの幅方向他方側(-X側)に位置する。バスバー52Bは、バスバー52Cの幅方向一方側(+X側)に位置する。バスバー52Aとバスバー52Cとは、幅方向Xに対称な形状である。
バスバー52Aは、バスバー本体部52Amと、コイル接続部52Aeと、基板接続部52Afと、を有する。バスバー本体部52Amは、コイル接続部52Aeと基板接続部52Afとを繋いでいる。バスバー本体部52Amは、全体として鉛直方向Zに延びている。バスバー本体部52Amは、第1部分52Aaと、第2部分52Abと、第3部分52Acと、第4部分52Adと、を有する。
第1部分52Aaは、鉛直方向Zに延びている。第1部分52Aaは、基部54と第1延伸部55cとに跨って埋め込まれて保持されている。第1部分52Aaの上側の端部は、基部54よりも上側に突出し、バスバーホルダ51の外部に露出している。第2部分52Abは、第1部分52Aaの上側の端部から軸方向他方側(-Y側)に延びている。第3部分52Acは、第1部分52Aaの下側の端部から下側かつ斜め幅方向他方側(-X側)に延びている。第3部分52Acは、第2延伸部55dに埋め込まれて保持されている。第4部分52Adは、第3部分52Acの下側の端部から下側に延びている。第4部分52Adは、上側の部分が第3延伸部55eに埋め込まれて保持され、下側の部分が脚部55aよりも下側に突出し、バスバーホルダ51の外部に露出している。第1部分52Aaの板面、第3部分52Acの板面、および第4部分52Adの板面は、軸方向を向いている。第2部分52Abの板面は、鉛直方向Zを向いている。
コイル接続部52Aeは、第4部分52Adの下側の端部に繋がっている。コイル接続部52Aeは、ステータ収容部35内においてステータ42の軸方向一方側(+Y側)に位置する。コイル接続部52Aeは、軸方向一方側(+Y側)から見て開口部35aと重なっている。コイル接続部52Aeは、バスバー本体部52Amよりも軸方向一方側に突出している。コイル接続部52Aeの板面は、軸方向に沿っている。本実施形態においてコイル接続部52Aeは、軸方向に見て、コイル42cから軸方向一方側に引き出された引出線42f挟むU字形状である。コイル接続部52Aeは、軸方向に見て、上側に開口するU字形状である。つまり、バスバー52Aは、コイル接続部52Aeが鉛直方向Zの上側に開口するバスバー52である。
なお、本明細書において「或る対象がU字形状である」とは、或る対象が厳密にU字形状である場合に加えて、或る対象が略U字形状である場合も含む。「略U字形状」とは、対向する2辺の長さが異なる形状、対向する2辺が互いに傾いている形状などを含む。「或る対象がU字形状である」とは、2つの辺の一端同士が互いに繋がり、かつ、2つの辺の他端同士が隙間を空けて対向する形状であればよい。
コイル接続部52Aeは、バスバー本体部52Amに繋がる第1挟持部52gと、第1挟持部52gとの間で引出線42fを挟む第2挟持部52hと、を有する。第1挟持部52gおよび第2挟持部52hは、鉛直方向Zに対して僅かに傾いて延びている。第2挟持部52hは、第1挟持部52gの径方向内側に位置する。第1挟持部52gの下端部と第2挟持部52hの下端部とは、互いに繋がっている。本実施形態においてコイル接続部52Aeには、2本の引出線42fが把持されている。引出線42fは、コイル接続部52Aeに例えば溶接などにより固定されている。これにより、コイル接続部52Aeは、ステータ収容部35内においてコイル42cに電気的に接続されている。
基板接続部52Afは、第2部分52Abの軸方向他方側(-Y側)の端部から上側に延びている。本実施形態において基板接続部52Afは、細長の四角柱状である。図1に示すように、基板接続部52Afは、基板収容部37内に位置する。基板接続部52Afは、基板本体81に設けられた貫通孔81aに下側から通されている。基板接続部52Afは、基板本体81に例えばはんだ付けなどにより固定されている。これにより、基板接続部52Afは、基板収容部37内において基板80に電気的に接続されている。したがって、バスバー52Aは、コイル42cと基板80とを電気的に接続している。
図5に示すように、バスバー52Bは、基部54および脚部55bに跨って設けられている点、およびバスバー52Aに対して幅方向Xに対称な形状である点を除いて、バスバー52Aと同様の構成である。バスバー52Bは、バスバー本体部52Bmと、コイル接続部52Beと、基板接続部52Bfと、を有する。バスバー本体部52Bmは、第1部分52Baと、第2部分52Bbと、第3部分52Bcと、第4部分52Bdと、を有する。バスバー52Bの各部は、バスバー52Aにおける同様の名称を有する各部に対して、それぞれ幅方向Xに対称な形状および配置となっている。
バスバー52Cは、バスバー本体部52Cmと、コイル接続部52Ceと、基板接続部52Cfと、を有する。バスバー本体部52Cmは、第1部分52Caと、第2部分52Cbと、を有する。第1部分52Caは、鉛直方向Zに延びている。第1部分52Caは、基部54のうち一対の脚部55a,55b同士の幅方向Xの間に位置する部分に保持されている。第1部分52Caの鉛直方向Zの両端部は、基部54から鉛直方向Zに突出している。第1部分52Caのうち基部54に保持された部分の一部は、幅方向一方側(+X側)に屈曲している。第2部分52Cbは、第1部分52Caの上側の端部から軸方向他方側(-Y側)に延びている。基板接続部52Cfは、第2部分52Cbの軸方向他方側の端部から上側に延びている。各バスバー52A,52B,52Cの各基板接続部52Af,52Bf,52Cfは、幅方向Xに間隔を空けて並んで配置されている。
コイル接続部52Ceは、第1部分52Caの下側の端部に繋がっている。本実施形態においてコイル接続部52Ceは、軸方向に見て、幅方向一方側(+X側)に開口するU字形状である。コイル接続部52Ceは、バスバー本体部52Cmに繋がる第1挟持部52iと、第1挟持部52iとの間で引出線42fを挟む第2挟持部52jと、を有する。第1挟持部52iおよび第2挟持部52jは、ほぼ幅方向Xに延びている。第1挟持部52iと第2挟持部52jとは、鉛直方向Zに対向して配置されている。第2挟持部52jは、第1挟持部52iの径方向内側、つまり下側に位置する。第1挟持部52iの幅方向他方側(-X側)の端部と第2挟持部52jの幅方向他方側(-X側)の端部とは、互いに繋がっている。コイル接続部52Ceのその他の構成は、コイル接続部52Ae,52Beのその他の構成と同様である。
固定部材53は、一部がバスバーホルダ51に埋め込まれてバスバーホルダ51に保持されている。より詳細には、固定部材53の一部は、バスバーホルダ51の基部54に保持されている。本実施形態において固定部材53は、金属製の板状部材である。固定部材53は、複数のバスバー52A,52B,52Cの軸方向他方側(-Y側)に位置する。図5に示すように、固定部材53は、連結部53gと、一対の腕部53a,53bと、を有する。連結部53gは、幅方向Xに延びている。連結部53gの板面は、軸方向を向いている。連結部53gは、基部54に保持されている。連結部53gの幅方向Xの両端部は、基部54よりも幅方向Xに突出している。連結部53gは、第1部分52Aa,52Ba,52Caの軸方向他方側に位置する。
一対の腕部53a,53bは、連結部53gの幅方向Xの両端部にそれぞれ繋がっている。腕部53aは、連結部53gの幅方向他方側(-X側)の端部から上側に延びる第1延伸部53cと、第1延伸部53cの上側の端部から軸方向他方側(-Y側)に延びる第2延伸部53dと、を有する。腕部53bは、連結部53gの幅方向一方側(+X側)の端部から上側に延びる第1延伸部53eと、第1延伸部53eの上側の端部から軸方向他方側に延びる第2延伸部53fと、を有する。第1延伸部53c,53eの板面は、軸方向を向いている。第2延伸部53d,53fの板面は、鉛直方向Zを向いている。第2延伸部53d,53fは、第2部分52Ab,52Bb,52Cbよりも下側に位置する。第2延伸部53d,53fの軸方向他方側の端部には、第2延伸部53d,53fを鉛直方向Zに貫通する貫通孔53kがそれぞれ設けられている。
図3に示すように、一対の腕部53a,53bは、基板収容部37の内部に位置する。一対の腕部53a,53bは、一対の第2被固定部37bにそれぞれねじ92で固定されている。より詳細には、第2延伸部53d,53fに設けられた貫通孔53kに上側から通されたねじ92が雌ねじ穴37dに締め込まれることで、第2延伸部53d,53fがそれぞれ第2被固定部37bに固定されている。つまり、本実施形態において固定部材53は、第2被固定部37bに対して径方向外側から締め込まれたねじ92によって固定されている。これにより、固定部材53は、ハウジング30に固定されている。つまり、バスバーアセンブリ50は、筒状部33bの径方向外側でハウジング30に固定される基部54を有する。すなわち、バスバーアセンブリ50の上端側は、ハウジング30に固定される。
図7に示すように、バスバーホルダ51の脚部55aは、被保持部56を有する。また、バスバーホルダ51の脚部55bは、被保持部57を有する。被保持部56,57は、幅方向Xに対称な形状である。被保持部56は、第1リブ56a、第1連結部56b、第2リブ56c、第2連結部56d、およびブリッジ部56eを有する。第1リブ56aは、第1延伸部55cと第2延伸部55dとの接続部の幅方向一方側(+X側)の縁部から、軸方向一方側(+Y側)に延びている。第1連結部56bは、第1リブ56aの軸方向一方側(+Y側)の端部から、下側に延びている。第2リブ56cは、第2延伸部55dと第3延伸部55eとの接続部の幅方向一方側(+X側)の縁部から、軸方向一方側(+Y側)に延びている。第2連結部56dは、第2リブ56cの軸方向一方側(+Y側)の端部から、幅方向一方側(+X側)に延びている。つまり、脚部55aは、筒状部33bの方向に延びる一対の連結部56b、56dを有する。
ブリッジ部56eは、第1連結部56bと、第2連結部56dを繋ぐ部材である。より詳細には、ブリッジ部56eは、第1連結部56bの下側の端部から、周方向一方側(+θ側)に延びて、第2連結部56dの幅方向一方側(+X側)の端部と繋がる。つまり、脚部55aは、一対の連結部56b、56dを繋ぐブリッジ部56eを有する。ブリッジ部56eは、中心軸Jを中心とする円弧状である。より詳細には、後述するブリッジ部56eの先端面56iの曲率半径は、底面33iの曲率半径と同じである。なお、ブリッジ部56eの先端面56iの曲率半径が、底面33iの曲率半径と完全に一致しない場合は、ブリッジ部56eが底面33iから受ける応力による、ブリッジ部56eの撓みを低減するため、ブリッジ部56eの先端面56iの曲率半径は、底面33iの曲率半径よりも小さい方が好適である。軸方向に見て、ブリッジ部56eは、筒状部33bの凹部33eと重なる。なお、本実施形態では、被保持部56は、弾性を有する。より詳細には、径方向内側からブリッジ部56eに応力が加わると、第1リブ56aおよび第2リブ56cが径方向外側に変形する。
図4に示すように、ブリッジ部56eの径方向内側を向く面には、径方向に突出する凸部56fが設けられる。つまり、脚部55aは、凸部56fを有する。凸部56fは、ブリッジ部56eの周方向他方側(-θ側)の端部から、ブリッジ部56eの周方向一方側(+θ側)の端部の端部に向けて、周方向に延びている。凸部56fは、凹部33eに径方向外側から挿入されている。凸部56fは、第3傾斜面56g、第4傾斜面56h、および先端面56iを有する。
第3傾斜面56gは、凸部56fの軸方向一方側(+Y側)の側面である。第3傾斜面56gの径方向外側の端部は、ブリッジ部56eの軸方向一方側(+Y側)を向く面の径方向内側の端部と繋がる。第3傾斜面56gの径方向内側の端部は、先端面56iと繋がる。第3傾斜面56gは、凸部56fの径方向内側、つまり、先端方向へ向かうにしたがって、軸方向他方側(-Y側)に位置する傾斜面である。第3傾斜面56gは、軸方向一方側(-Y側)と径方向内側の間を向く傾斜面である。つまり、凸部56fは、凸部の先端方向に向かうにしたがって、軸方向他方側(-Y側)に位置する第3傾斜面56gを有する。
第4傾斜面56hは、凸部56fの軸方向他方側(-Y側)の側面である。第4傾斜面56hの径方向外側の端部は、ブリッジ部56eの軸方向他方側(-Y側)を向く面の径方向内側の端部と繋がる。第4傾斜面56hの径方向内側の端部は、先端面56iと繋がる。第4傾斜面56hは、凸部56fの径方向内側、つまり、先端方向へ向かうにしたがって、軸方向一方側(+Y側)に位置する傾斜面である。第4傾斜面56hは、軸方向他方側(-Y側)と径方向内側の間を向く傾斜面である。つまり、凸部56fは、凸部の先端方向に向かうにしたがって、軸方向一方側(+Y側)に位置する第4傾斜面56hを有する。
先端面56iは、第3傾斜面56gおよび第4傾斜面56hと繋がる径方向内側を向く円筒状の面である。先端面56iの軸方向一方側(+Y側)の端部は、第3傾斜面56gの軸方向他方側(-Y側)の端部と繋がる。先端面56iの軸方向他方側(-Y側)の端部は、第4傾斜面56hの軸方向一方側(+Y側)端部と繋がる。
凸部56fは、径方向外側から凹部33eに挿入され、凹部33eの一部と接触している。より詳細には、第3傾斜面56gは、周方向に亘って、凹部33eの内側面である第1傾斜面33fと接触している。第4傾斜面56hは、周方向に亘って、凹部33eの内側面である第2傾斜面33gと接触している。また、本実施形態では、先端面56iと底面33iとは非接触であり、先端面56iと底面33iとの間には隙間が設けられる。つまり、脚部55aは、凹部33eに挿入され、凹部33eの内側面33f,33gに接触する凸部56fを有する。
また、凸部56fは、凹部33eの第1傾斜面33fおよび第2傾斜面33gから径方向外側方向に応力を受けている。上述のとおり、被保持部56は弾性を有しており、第1リブ56aおよび第2リブ56cは径方向外側に弾性変形している。そのため、凸部56fは反力(スプリングバック)によって、凹部33eに向けて加圧される。したがって、本実施形態では、凸部56fは、安定的に凹部33e内に保持され、ブリッジ部56eの軸方向の位置は安定する。すなわち、バスバーアセンブリ50の下端側は、蓋部材33に支持される。
図7に示すように、被保持部57は、脚部55bに設けられている点、および被保持部56に対して幅方向Xに対称な形状である点を除いて、被保持部56と同様の構成である。被保持部57は、第1リブ57a、第1連結部57b、第2リブ57c、第2連結部57d、およびブリッジ部57eを有する。ブリッジ部57eの径方向内側を向く面には、径方向に突出する凸部57fが設けられている。凸部57fは、径方向外側から凹部33eに挿入され、凹部33eの一部と接触している。凸部57fは、凸部57fの先端方向に向かうにしたがって、軸方向他方側(-Y側)に位置する図示しない第3傾斜面57gを有する。凸部57fは、凸部57fの先端方向に向かうにしたがって、軸方向一方側(+Y側)に位置する図示しない第4傾斜面57hを有する。凸部57fは、図示しない先端面57iを有する。凸部57fは、凹部33eから径方向外側に応力を受け、第1リブ57aおよび第2リブ57cが径方向外側に弾性変形している。したがって、脚部55a,55bは、筒状部33bの外周面から応力を受け互いに離間する方向に弾性変形している。凸部57fは反力(スプリングバック)によって、凹部33eに向けて加圧されている。したがって、本実施形態では、凸部57fは、安定的に凹部33e内に保持され。ブリッジ部57eの軸方向の位置は安定する。被保持部57の各部は、被保持部56における同様の名称を有する各部に対して、それぞれ幅方向Xに対称な形状および配置となっている。
本実施形態において、被保持部56,57は、それぞれ、樹脂製である。また、本実施形態において、第1リブ56a、第1連結部56b、第2リブ56c、第2連結部56d、およびブリッジ部56eは、同一の単一部材の一部である。つまり、被保持部56は、同一の単一部材である。なお、第1リブ56a、第1連結部56b、第2リブ56c、第2連結部56d、およびブリッジ部56eは、互いに別体であってもよい。本実施形態において、第1リブ57a、第1連結部57b、第2リブ57c、第2連結部57d、およびブリッジ部57eは、同一の単一部材の一部である。つまり、被保持部57は、同一の単一部材である。なお、第1リブ57a、第1連結部57b、第2リブ57c、第2連結部57d、およびブリッジ部57eは、互いに別体であってもよい。
ポンプ機構20は、ポンプ収容部36内に収容されている。ポンプ機構20は、インナーロータ21と、アウターロータ22と、を有する。インナーロータ21は、シャフト41aのうちポンプ収容部36内に突出した部分に連結されている。これにより、ポンプ機構20は、ロータ41に連結されている。アウターロータ22は、インナーロータ21を囲む環状である。インナーロータ21とアウターロータ22とは、互いに噛み合っている。シャフト41aによってインナーロータ21が回転させられることで、アウターロータ22も回転する。
本実施形態の回転電機10を組み立てる作業者等は、ステータ収容部35内に開口部35aからステータ42を挿入して配置した後に、基板収容部37の上側の開口から接続孔31b内に上側からバスバーアセンブリ50を挿入する。作業者等は、基板収容部37の上側の開口から、ねじ92によってバスバーアセンブリ50の固定部材53を第2被固定部37bに固定する。次に作業者等は、開口部35aを介して、バスバーアセンブリ50の各コイル接続部52Ae,52Be,52Ceに引出線42fを溶接して固定する。
次に作業者等は、開口部35aを介して、ステータ収容部35の内部にロータ41を収容する。ロータ41を収容した後、作業者等は、開口部35aを介して、ステータ収容部35の内部に蓋部材33を挿入する。筒状部33bは、バスバーアセンブリ50の一対の脚部55a,55bの間を通る。このとき、図4に示すように、ブリッジ部56e,57eは、筒状部33bの外周傾斜面33lと接触し、ブリッジ部56e,57eは、径方向外側に向く応力を受ける。そのため、一対の被保持部56,57は、互いに離間する方向に弾性変形する。その後、外周傾斜面33lと、凸部56f,57fとが接触しつつ、蓋部材33は軸方向他方側(-Y側)に向かって挿入される。外周傾斜面33lは、軸方向他方側(-Y側)に向かうにしたがって、径方向内側に位置する傾斜面である。すなわち、蓋部材33が軸方向他方側(-Y側)に挿入されるにしたがって、凸部56f,57fと外周傾斜面33lとの接触位置は、径方向外側に移動し、一対の被保持部56、57の弾性変形量が大きくなる。
さらに、蓋部材33が軸方向他方側(-Y側)に挿入されると、凸部56f,57fは凹部33eに径方向外側から挿入される。第3傾斜面56g,57gは、第1傾斜面33fと接触し、第4傾斜面56h,57hは、第2傾斜面33gと接触する。その後、作業者等は、ステータ収容部35に対して蓋部材33を固定して、開口部35aを塞ぐ。
次に作業者等は、基板80を基板収容部37内に固定する。このとき、作業者等は、各基板接続部52Af,52Bf,52Cfを基板80の各貫通孔81aに通す。作業者等は、各基板接続部52Af,52Bf,52Cfを基板80上にはんだ付けにより固定する。各基板接続部52Af,52Bf,52Cfを基板80に接続した後、作業者等は、基板カバー32を基板収容部37の上側に固定し、基板収容部37の上側の開口を塞ぐ。
なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
本実施形態によれば、ハウジング30は、ステータ収容部35の内部と基板収容部37の内部とを径方向に繋ぐ接続孔31bを有する。接続孔31bには、バスバー52を有するバスバーアセンブリ50が径方向に通されている。バスバー52は、ステータ収容部35内においてコイル42cに電気的に接続されたコイル接続部52Ae,52Be,52Ceと、基板収容部37内において基板80に電気的に接続された基板接続部52Af,52Bf,52Cfと、を有する。このように、本実施形態では、コイル42cと基板80とにそれぞれ接続されるバスバー52を有するバスバーアセンブリ50が、接続孔31bに通されている。つまり、複数のバスバー部材同士をねじで連結するなどしてコイル42cと基板80とを電気的に繋ぐ必要がない。そのため、1つのバスバー52を複数のバスバー部材で構成する必要がない分、回転電機10の部品点数を低減できる。また、ポンプ100の部品点数を低減できる。そのため、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数を低減できる。
また、例えば、複数のバスバー部材同士をねじで連結してコイル42cと基板80とを接続するバスバーを構成する場合、開口部35aからステータ収容部35内に配置したバスバー部材と基板収容部37の上側の開口から基板収容部37内に配置したバスバー部材とを繋ぐことになる。この場合、2つのバスバー部材同士の位置がずれやすく、バスバー部材同士をねじ止めなどで固定しにくい場合があった。これに対して、本実施形態によれば、バスバー部材同士をねじ止めなどで固定する必要がない。したがって、回転電機10の組み立て作業性を向上できる。また、ポンプ100の組み立て作業性を向上できる。
また、本実施形態によれば、バスバーアセンブリ50は、バスバーホルダ51に保持されハウジング30に固定された固定部材53を有する。そのため、ハウジング30に対してバスバーアセンブリ50を位置精度よく容易に固定できる。これにより、バスバー52におけるコイル接続部52Ae,52Be,52Ceおよび基板接続部52Af,52Bf,52Cfを容易に位置精度よく配置できる。したがって、コイル42cとコイル接続部52Ae,52Be,52Ceとを接続する作業、および基板80と基板接続部52Af,52Bf,52Cfとを接続する作業を行いやすくできる。また、バスバー52とは別体の固定部材53をハウジング30に固定しているため、バスバーアセンブリ50の径方向外側の端部、つまり、バスバーアセンブリ50の一端が安定的にハウジング30に固定される。したがって、バスバーアセンブリ50に力が加えられた場合であってもバスバー52が変形することを抑制できる。これにより、バスバー52によるコイル42cと基板80との接続状態を好適に維持しやすい。
本実施形態において、固定部材53は、基板収容部37の上側の開口側からハウジング30にネジ止めされる。このような構成を採用することで、バスバーアセンブリ50の組み立て工程を簡素化できる一方で、バスバーアセンブリ50がハウジング30に対して上側から片持ち支持されることとなる。しかしながら、本実施形態によれば、バスバーアセンブリ50は、脚部55a、55bにおいて蓋部材33にも支持されている。すなわち、バスバーアセンブリ50が、上下方向の両端部において両持ち支持されており、バスバーアセンブリ50の振動を抑制できる。
また、本実施形態によれば、筒状部33bは、外周面に径方向に窪む凹部33eを有し、バスバーアセンブリ50の脚部55a,55bは、凹部33eに挿入され、凹部33eの内側面に接触する凸部56f,57fを有する。より詳細には、凸部56f,57fの第3傾斜面56g,57gそれぞれは、凹部33eの一方の内側面である第1傾斜面33fと接触する。凸部56f,57fの第4傾斜面56h,57hそれぞれは、凹部33eの他方の内側面である第2傾斜面33gと接触する。よって、凸部56f,57fは安定的に凹部33eに保持され、ブリッジ部56e,57eの軸方向の位置が安定する。つまり、バスバーアセンブリ50の径方向内側の端部、つまり、バスバーアセンブリ50の他端が安定的に蓋部材33に保持される。そのため、回転電機10およびポンプ100が振動したときのバスバーアセンブリ50のがたつきを抑制でき、バスバーアセンブリ50をステータ42側に向けて付勢する、スプリングプレート等の部材が不要となる。したがって、回転電機10の部品点数を低減できる。また、ポンプ100の部品点数を低減できる。そのため、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数を低減できる。また、バスバーアセンブリ50の振動が抑制されるため、バスバー52に接続されるコイル42cの断線の発生が抑制される。これにより、バスバー52によるコイル42cと基板80との接続状態を好適に維持しやすい。
また、本実施形態によれば、バスバーアセンブリ50の脚部55a,55bが有する凸部56f,57fを、筒状部33bの外周面に設けた凹部33eに挿入する簡易な構成によって、バスバーアセンブリ50の他端が、安定的に蓋部材33に保持される。したがって、回転電機10の部品点数を低減できる。また、ポンプ100の部品点数を低減できる。そのため、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数を低減できる。
また、本実施形態によれば、脚部55a,55bが有する被保持部56,57は、筒状部33bの外周面から応力を受け、互いに離間する方向に弾性変形する。より詳細には、凸部56f,57fが、凹部33eを含む筒状部33bの外周面から、径方向外側に応力を受け、第1リブ56a,57a、および第2リブ56c,57cが径方向外側に弾性変形する。そのため、凸部56f,57fは反力によって、凹部33eに向けて加圧されるため、バスバーアセンブリ50の他端は、より安定的に蓋部材33に保持される。したがって、回転電機10の部品点数を低減できる。また、ポンプ100の部品点数を低減できる。そのため、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数を低減できる。
また、本実施形態によれば、脚部55a,55bが有する被保持部56,57は、筒状部33bの外周面から応力を受け、互いに離間する方向に弾性変形する。より詳細には、凸部56fが外周傾斜面33lから径方向外側に向く応力を受けると、脚部55aの一対の第1リブ57aと第2リブ56cが径方向外側方向に弾性変形する。凸部57fが、外周傾斜面33lから径方向外側に向く応力を受けると脚部55bの一対の第1リブ57aと第2リブ57cが径方向外側方向に弾性変形する。そのため、回転電機10およびポンプ100の組立において、ステータ収容部35内に、筒状部33bが軸方向他方側(-Y側)に向けて挿入され、一対の脚部55a,55bの間を通る際には、ブリッジ部56e,57eが外周傾斜面33lから径方向外側に向く応力を受け、一対の被保持部56,57は、互いに離間する方向に弾性変形する。そのため、筒状部33bを容易に、一対の脚部55a,55bの間に挿入できるため、蓋部材33を容易にハウジング30に固定できる。したがって、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数を低減できる。
本実施形態によれば、ブリッジ部56e,57eが有する凸部56f,57fは、それぞれ、周方向に延びる。また、筒状部33bが備える凹部33eも、周方向に延びる。そのため、凸部56f,57fは周方向に亘って、凹部33eに挿入されるため、バスバーアセンブリ50の他端は、より安定的に蓋部材33に保持される。したがって、回転電機10の部品点数を低減できる。また、ポンプ100の部品点数を低減できる。そのため、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数を低減できる。
また、本実施形態によれば、凹部33eは、底方向へ向かうにしたがって、軸方向他方側(-Y側)に位置する内側面である第1傾斜面33fと、底方向へ向かうにしたがって、軸方向一方側(+Y側)に位置する内側面である第2傾斜面33gと、を有する。一方、凸部56f,57fは、先端方向に向かうにしたがって、軸方向他方側(-Y側)に位置する第3傾斜面56g,57gと、先端方向に向かうにしたがって、軸方向一方側(+Y側)に位置する第4傾斜面56h,57hと、を有する。第1傾斜面33fと第3傾斜面56g,57gとは互いに接触し、第2傾斜面33gと第4傾斜面56h,57hとは互いに接触する。凸部56f,57fと凹部33eは、それぞれ、2つの傾斜面で接触するため、凸部56f,57fは安定的に凹部33e内に保持され、ブリッジ部56e,57eの軸方向の位置は安定する。つまり、バスバーアセンブリ50の他端が、安定的に蓋部材33に保持される。そのため、回転電機10およびポンプ100が振動したときのバスバーアセンブリ50のがたつきを抑制できるため、バスバーアセンブリ50をステータ42側に向けて付勢する、スプリングプレート等の部材が不要となる。したがって、回転電機10の部品点数を低減できる。また、ポンプ100の部品点数を低減できる。そのため、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数を低減できる。
また、本実施形態では、樹脂製の脚部55a,55bが凸部56f,57fを有する。より詳細には、樹脂製のブリッジ部56e,57eに、凸部56f,57fが設けられる。また、金属製の筒状部33bに凹部33eが設けられる。そのため、樹脂製のブリッジ部56e,57eに凹部を設ける場合と比較して、ブリッジ部56e,57eの強度を確保しやすい。また、金属製の筒状部33bに凸部を設ける場合と比較して、樹脂製のブリッジ部56e,57eには、凸部56f,57fを容易に設けることができる。したがって、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数をより低減できる。
また、本実施形態では、筒状部33bは、軸方向において凹部33eよりも他方側(-Y側)に位置する第1筒状部33jと、軸方向において凹部33eよりも一方側(+Y側)に位置する第2筒状部33kと、を有し、第1筒状部33jの外径の方が、第2筒状部33kの外径よりも小さい。そのため、回転電機10の組み立てにおいて、軸方向一方側(+Y側)から、ステータ収容部35の内部に、蓋部材33を挿入する際に、第1筒状部33jの外周面からブリッジ部56e,57eが受ける、径方向外側に向く応力が低減される。一方、筒状部33bがブリッジ部56e,57eから受ける反力も低減される。そのため、蓋部材33を容易に軸方向一方側(+Y側)から挿入できる。つまり、組み立て性がより向上する。したがって、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数をより低減できる。加えて、この構成によれば、第2筒状部33kの外径を十分に大きくすることができ、筒状部33b全体の剛性を確保し易く、筒状部33bによるベアリング43aの保持を安定させることができる。
また、本実施形態では、第1筒状部33jの外周傾斜面33lは、軸方向他方側(-Y側)に向かうにしたがって、径方向内側に位置する傾斜面である、外周傾斜面33lを有する。そのため、回転電機10の組み立てにおいて、軸方向一方側(+Y側)から、ステータ収容部35の内部に、蓋部材33が挿入される際に、第1筒状部33jの最も外径が小さい部分が、最初に、ブリッジ部56e,57eと接触する。つまり、第1筒状部33jの軸方向他方側(-Y側)の先端が、一対の脚部55a,55bの間を通過する際に、外周傾斜面33lからブリッジ部56e,57eが受ける、径方向外側に向く応力を低減できる。そのため、回転電機10の組み立てにおいて、軸方向一方側(+Y側)から、ステータ収容部35の内部に、蓋部材33を挿入する際に、第1筒状部33jの外周面からブリッジ部56e,57eが受ける、径方向外側に向く応力が低減される。一方、筒状部33bがブリッジ部56e,57eから受ける反力も低減される。そのため、蓋部材33を容易に軸方向一方側(+Y側)から挿入できる。つまり、組み立て性がより向上する。したがって、回転電機10の組立工数およびポンプ100の組立工数をより低減できる。
<第2実施形態>
図8に示すように、本実施形態の蓋部材233において、筒状部233bの外周面に設けられる凹部233eの軸方向の位置は、第1実施形態の凹部33eの軸方向の位置(図4参照)よりも、軸方向他方側(-Y側)に設けられる。また、図9に示すように、本実施形態において、筒状部233bは、筒状部中心軸Jcを中心として軸方向に延びる円筒状である。筒状部中心軸Jcは、中心軸Jと平行な仮想軸線である。本実施形態では、軸方向に見て、筒状部中心軸Jcと、中心軸Jとは重なっている。
図8に示すように、本実施形態の蓋部材233において、筒状部233bの外周面に設けられる凹部233eの軸方向の位置は、第1実施形態の凹部33eの軸方向の位置(図4参照)よりも、軸方向他方側(-Y側)に設けられる。また、図9に示すように、本実施形態において、筒状部233bは、筒状部中心軸Jcを中心として軸方向に延びる円筒状である。筒状部中心軸Jcは、中心軸Jと平行な仮想軸線である。本実施形態では、軸方向に見て、筒状部中心軸Jcと、中心軸Jとは重なっている。
図8および図9に示すように、凹部233eには、後述する、バスバーホルダ251が備える被保持部256,257が挿入される。凹部233eは、第1傾斜面233f、第2傾斜面233g、および底面233iを有する。第1傾斜面233f、第2傾斜面233g、および底面233iの構成は、それぞれ、第1実施形態の第1傾斜面33f、第2傾斜面33g、および底面33iの構成と同様である。
図8に示すように、筒状部233bは、第1筒状部233jと、第2筒状部233kと、を有する。第1筒状部233jの軸方向一方側(+Y側)の端部は、第1実施形態の第1筒状部33jの軸方向一方側(+Y側)の端部よりも、軸方向他方側(-Y側)に位置している。第1筒状部233jの径方向を向く外周面は、軸方向他方側(-Y側)に向かうにしたがって、径方向内側に位置する外周傾斜面33lである。第2筒状部233kの軸方向他方側(-Y側)の端部は、第1実施形態の第2筒状部33kの軸方向他方側(-Y側)の端部よりも、軸方向他方側(-Y側)に位置している。本実施形態の蓋部材233のその他の構成は、第1実施形態の蓋部材33のその他の構成と同様である。
図9および図10に示すように、本実施形態のバスバーホルダ251の一対の脚部255a,255bは、それぞれ、被保持部256,257を有している。また、被保持部256,257は、それぞれ、爪部256b,257bを有している。本実施形態のバスバーアセンブリ250のその他の構成は、第1実施形態のバスバーアセンブリ50のその他の構成と同様である。
図10に示すように、被保持部256,257は、互いに幅方向Xに対称な形状である。被保持部256は、接続部256aと爪部256bとを有する。被保持部257は、接続部257aと爪部257bとを有する。つまり、一対の脚部255a,255bのそれぞれは、爪部256b,257bを含む。本実施形態において、被保持部256,257は、それぞれ、樹脂製である。なお、本実施形態において、被保持部256,257は、それぞれ脚部255a,255bに設けられている点、および、幅方向Xに互いに対称な形状である点を除いて同一の構成である。そのため、以下の説明では、被保持部256,257において互いに重複する構成については、被保持部256についてのみ説明を行う場合がある。
接続部256aは、第2延伸部55dおよび第3延伸部55eそれぞれの幅方向一方側(+X側)の縁部から、幅方向他方側(-X側)に向けて突出する板状である。接続部256aの板面は、軸方向を向いている。図9に示すように、接続部256aの径方向内側の縁部は、筒状部233bの外周面に沿って周方向延びる円弧状である。径方向において、接続部256aは、筒状部233bと間隔をあけて対向している。
図9および図10に示すように、爪部256bは、接続部256aの下側の端部から筒状部233bに向けて延びる板状である。つまり、脚部255aは、筒状部233bに向けて延びる爪部256bを有する。爪部256bの板面は、軸方向を向いている。図9に示すように、爪部256bは、筒状部233bの幅方向他方側(-X側)に配置されている。図10に示すように、爪部256bは、爪本体部256cと、爪先端部256dと、を有している。なお、本実施形態では、被保持部256は弾性を有する。より詳細には、径方向内側から爪部256bに応力が加わると、爪部256bが径方向外側に弾性変形する。
図10に示すように、爪本体部256cは、爪部256bの上側の部分である。爪本体部256cは、接続部256aの下側の端部から、略下側に向いて突出している。爪本体部256cの径方向内側の縁部は、中心軸Jを中心とする円弧状である。図8に示すように、軸方向に見て、爪本体部256cの径方向内側の部分は、筒状部233bの凹部233eと重なる。爪本体部256cの径方向内側を向く面には、径方向内側に突出する凸部256fが設けられる。つまり、爪部256bは、凸部256fを有する。また、脚部255aは、凸部256fを有する。
図10に示すように、凸部256fは、爪本体部256cの周方向他方側(-θ側)の端部から、爪本体部256cの周方向一方側(+θ側)の端部に向けて、周方向に延びる円弧状である。本実施形態において、凸部256fの曲率半径は、底面233iの曲率半径と同じである。図8に示すように、凸部256fは、凹部233eに径方向外側から挿入されている。凸部256fは、第3傾斜面256g、第4傾斜面256h、および先端面256iを有する。
第3傾斜面256gは、凸部256fの軸方向一方側(+Y側)の側面である。第3傾斜面256gの径方向外側の端部は、爪本体部256cの軸方向一方側(+Y側)を向く面の径方向内側の端部と繋がる。第3傾斜面256gの径方向内側の端部は、先端面256iと繋がる。第3傾斜面256gは、軸方向一方側(-Y側)と径方向内側の間を向く傾斜面である。
第4傾斜面256hは、凸部256fの軸方向他方側(-Y側)の側面である。第4傾斜面256hの径方向外側の端部は、爪本体部256cの軸方向他方側(-Y側)を向く面の径方向内側の端部と繋がる。第4傾斜面256hの径方向内側の端部は、先端面256iと繋がる。第4傾斜面256hは、軸方向他方側(-Y側)と径方向内側の間を向く傾斜面である。
先端面256iは、第3傾斜面256gおよび第4傾斜面256hと繋がる。先端面256iは、径方向内側を向く。先端面256iは、中心軸Jを中心とする円弧状の面である。先端面256iと底面233iとは非接触であり、先端面256iと底面233iとの間には隙間が設けられる。
図8および図9に示すように、凸部256fは、凹部233eの一部と接触している。より詳細には、第3傾斜面256gは、周方向に亘って、第1傾斜面233fと接触している。第4傾斜面256hは、周方向に亘って、第2傾斜面233gと接触している。つまり、筒状部233bの凹部233eは、爪部256bの凸部256fと周方向に亘って線接触する。本実施形態において、筒状部233bが爪部256bと接触する部分は第1接触部233mである。図9に示すように、軸方向に見て、第1接触部233mは、凹部233eのうち、幅方向他方側(-X側)の端部よりも周方向他方側(-θ側)から、幅方向他方側(-X側)の端部よりも周方向一方側(+θ側)に亘る部分である。
また、凸部256fは、凹部233eの第1傾斜面233fおよび第2傾斜面233gから径方向外側方向に向く応力を受けている。上述のとおり、被保持部256は弾性を有しており、爪部256bは径方向外側に弾性変形している。そのため、凸部256fは反力(スプリングバック)によって、凹部233eに向けて加圧される。したがって、凸部256fは安定的に凹部233e内に保持され、爪部256bの軸方向の位置は安定する。すなわち、バスバーアセンブリ250の下端側は、蓋部材233に支持される。なお、本実施形態において、爪部256bの凸部256fが、筒状部233bの凹部233eを径方向に加圧する反力F1は、幅方向一方側(+X側)を向く。つまり、反力F1は、筒状部233bの幅方向他方側(-X側)の端部から、筒状部中心軸Jcを向く力である。
図10に示すように、爪先端部256dは、爪部256bの下側の部分である。爪先端部256dは、爪本体部256cの下側の端部から下側に突出している。爪先端部256dの径方向内側の縁部は、下側に向かうにしたがって径方向外側に位置している。図9に示すように、爪先端部256dと、筒状部233bとは非接触である。
図10に示すように、接続部257aは、第2延伸部55gおよび第3延伸部55hそれぞれの幅方向他方側(-X側)の縁部から、幅方向他方側(-X側)に向けて突出する板状である。爪部257bは、接続部257aの下側の端部から筒状部233bに向けて突出する板状である。つまり、脚部255bは、筒状部233bに向けて延びる爪部257bを含む。爪部257bは、爪本体部257cと、爪先端部257dと、を有している。爪本体部257cは、接続部257aの下側の端部から、略下側に向いて突出している。爪本体部257cの径方向内側の縁部は、中心軸Jを中心とする円弧状である。爪本体部257cの径方向内側を向く面には、径方向内側に突出する凸部257fが設けられる。つまり、爪部257bは、凸部257fを有する。また、脚部255bは、凸部257fを有する。
図10に示すように、凸部257fは、爪本体部257cの周方向一方側(+θ側)の端部から、爪本体部257cの周方向他方側(-θ側)に向けて、周方向に延びる円弧状である。本実施形態において、凸部257fの曲率半径は、底面233iの曲率半径と同じである。凸部257fは、凹部233eに径方向外側から挿入されている。凸部257fは、図示しない、第3傾斜面257g、第4傾斜面257h、および先端面257iを有する。第3傾斜面257gは、周方向に亘って、凹部233eの第1傾斜面233fと接触している。第4傾斜面257hは、周方向に亘って、凹部233eの第2傾斜面233gと接触している。つまり、筒状部233bの凹部233eは、爪部257bの凸部257fと周方向に亘って線接触する。先端面257iと底面233iとは非接触であり、先端面257iと底面233iとの間には隙間が設けられる。なお、本実施形態において、筒状部233bが爪部257bと接触する部分は第2接触部233nである。図9に示すように、軸方向に見て、第2接触部233nは、凹部233eのうち、幅方向一方側(+X側)の端部よりも周方向一方側(+θ側)から、幅方向一方側(+X側)の端部よりも周方向他方側(-θ側)に亘る部分である。したがって、第1接触部233mの一部分と、第2接触部233nの一部分同士を繋ぐ直線Lcは筒状部中心軸Jcを通る。例えば、図9に示すように、第1接触部233mの一部分が筒状部中心軸Jcから幅方向他方側(-X側)に位置する部分であり、第2接触部233nの一部分が筒状部中心軸Jcから幅方向他方側(+X側)に位置する部分である場合、直線Lcは筒状部中心軸Jcを通る。つまり、筒状部233bが爪部256b,257bのそれぞれと接触する接触部233m,233nの一部分同士を繋ぐ直線Lcが、筒状部中心軸Jcを通る。
また、本実施形態において、爪部257bの凸部257fが、筒状部233bの凹部233eを径方向に加圧する反力F2は、幅方向他方側(-X側)を向く。つまり、反力F2は、筒状部233bの幅方向一方側(+X側)の端部から、筒状部中心軸Jcを向く力である。また、反力F1と反力F2とは、筒状部中心軸Jcを挟んで反対方向を向く。
本実施形態によれば、一対の脚部255a,255bのそれぞれは、筒状部233bに向けて延びる爪部256b,257bを含み、爪部256b,257bに、それぞれ、凸部256f,257fが設けられる。また、筒状部233bの外周面には、径方向に窪む凹部233eが設けられ、凸部256f,256fのそれぞれは、凹部233eに挿入され凹部233eの内側面に接触する。よって、凸部256f,257fは安定的に凹部233eに保持され、爪部256b,257bの軸方向の位置が安定する。そのため、回転電機210およびポンプ200が振動した際に、バスバーアセンブリ250のがたつきを抑制でき、バスバーアセンブリ250をステータ42側に向けて付勢する、スプリングプレート等の部材が不要となる。したがって、回転電機210およびポンプ200の部品点数を低減できる。よって、回転電機210およびポンプ200の組立工数を低減できる。また、バスバーアセンブリ250の振動が抑制されるため、バスバー52に接続されるコイル42cの断線の発生が抑制される。これにより、バスバー52によるコイル42cと基板80との接続状態を好適に維持できる。
本実施形態によれば、筒状部233bは、筒状部中心軸Jcを中心として軸方向に延びる円筒状であり、筒状部233bが爪部256b,257bのそれぞれと接触する接触部233m,233nの一部分同士を繋ぐ直線が、筒状部中心軸Jcを通る。そのため、爪部256bが筒状部233bを径方向に加圧する反力F1と、爪部257bが筒状部233bを径方向に加圧する反力F2が、筒状部中心軸Jcを挟んで互いに反対方向を向く。よって、2つの爪部256b,257bそれぞれが、筒状部233bに与える反力を足し合わせた合力を低減できる。そのため、筒状部233bをステータ収容部35に挿入する際に、筒状部233bがバスバーホルダ251から受ける合力を低減できる。したがって、蓋部材233を軸方向他方側(-Y側)に向けて容易に挿入できる。また、バスバーホルダ251から筒状部233bに付与される反力F1とF2とが互いに打ち消し合うため、バスバーホルダ251から筒状部233bに対し径方向に偏った力が付与され難い。結果的に、蓋部材233をハウジング本体部31に挿入した状態で、ハウジング本体部31に対する蓋部材233の径方向の位置を好適に決めることができる。より詳細には、軸方向に見て、筒状部中心軸Jcの位置と、中心軸Jの位置とのずれをより好適に低減できる。そのため、回転電機210およびポンプ200の組み立て性の向上を図ることができる。
本実施形態によれば、凸部256f,257f、および凹部233eは、それぞれ、周方向に延びる。よって、周方向に亘って、凸部256f,257fを、凹部233eに挿入できるため、バスバーアセンブリ250の他端をより安定的に蓋部材233に保持できる。したがって、回転電機210およびポンプ200の部品点数を低減できる。そのため、回転電機210の組立工数およびポンプ200の組立工数を低減できる。また、バスバーアセンブリ250の振動を好適に抑制できるため、バスバー52に接続されるコイル42cの断線の発生をより好適に抑制できる。これにより、バスバー52によるコイル42cと基板80との接続状態をより好適に維持できる。
本実施形態によれば、ロータ41は、中心軸Jを中心として軸方向に延びるシャフト41aを有し、筒状部233bは、シャフト41aを支持するベアリング(軸受)43aを保持する。本実施形態では、上述のように、軸方向他方側(-Y側)に向けて筒状部233bをステータ収容部35に挿入する際に、筒状部233bがバスバーホルダ251から受ける合力を低減でき、ハウジング本体部31に対する蓋部材233の径方向の位置を好適に決めることができる。そのため、ハウジング本体部31に対するベアリング43aの径方向の位置を好適に決めることができる。よって、回転電機210およびポンプ200の組み立てにおいて、シャフト41aの回転軸が傾くことを抑制できる。したがって、回転電機210およびポンプ200の組立工数を低減できるとともに、回転電機210およびポンプ200を安定して動作させることができる。
<変形例>
図11および図12に示すように、本変形例のバスバーホルダ351の一対の脚部355a,355bのそれぞれは、被保持部356,357を有している。本変形例のバスバーアセンブリのその他の構成は、第2実施形態のバスバーアセンブリ250のその他の構成と同様である。
図11および図12に示すように、本変形例のバスバーホルダ351の一対の脚部355a,355bのそれぞれは、被保持部356,357を有している。本変形例のバスバーアセンブリのその他の構成は、第2実施形態のバスバーアセンブリ250のその他の構成と同様である。
図12に示すように、被保持部356,357は、互いに幅方向Xに対称な形状である。被保持部356は、接続部356aと爪部356bとを有する。被保持部357は、接続部357aと爪部357bとを有する。つまり、一対の脚部355a,355bのそれぞれは、爪部356b,357bを含む。本変形例において、被保持部356,357は、それぞれ、樹脂製である。なお、本変形例において、被保持部356,357は、それぞれ脚部355a,355bに設けられている点、および、幅方向Xに互いに対称な形状である点を除いて同一の構成である。そのため、以下の説明では、被保持部356,357において互いに重複する構成については、被保持部356についてのみ説明を行う場合がある。なお、接続部356a,357aの構成は、それぞれ、第2実施形態の接続部256a,257aの構成と同様である。
図12に示すように、爪部356bは、接続部356aの下側の端部から筒状部233bに向けて延びる板状である。つまり、脚部355aは、筒状部233bに向けて延びる爪部356bを含む。爪部356bの板面は、軸方向を向いている。図11に示すように、爪部356bは、筒状部233bの幅方向他方側(-X側)に配置されている。なお、本変形例では、被保持部356は弾性を有する。より詳細には、径方向内側から爪部356bに応力が加わると、爪部356bが径方向外側に弾性変形する。
図12に示すように、爪部356bの径方向内側の縁部は、鉛直方向Zに延びる直線状である。図11に示すように、軸方向に見て、爪部356bの幅方向一方側(+X側)の部分の一部は、筒状部233bの凹部233eと重なる。図12に示すように、爪部356bの幅方向一方側(+X側)を向く面には、幅方向一方側(+X側)に突出する凸部356fが設けられる。つまり、爪部356bは、凸部356fを有する。また、脚部355aは、凸部356fを含む。本変形例において、凸部356fは、爪部356bの上側の端部から、爪部356bの下側の端部に向けて、鉛直方向Zに直線状延びている。つまり、脚部355aが有する凸部356fは、直線状に延びる。図11に示すように、凸部356fは、凹部233eに径方向外側から挿入されている。凸部356fは、図示しない第3傾斜面、第4傾斜面、および先端面を有する。
凸部356fは、凹部233eの一部と接触している。より詳細には、図示しない第3傾斜面は、第1傾斜面233fと点接触に近い局所的な接触状態で接触している。図示しない第4傾斜面は、第2傾斜面233gと点接触に近い局所的な接触状態で接触している。本変形例において、筒状部233bが爪部356bと接触する部分は第1接触部333mである。図11に示すように、軸方向に見て、第1接触部333mは、凹部233eのうち、幅方向他方側(-X側)の端部に位置する。本変形例において、爪部356bの凸部356fが、筒状部233bの凹部233eを径方向に加圧する反力F31は、幅方向一方側(+X側)を向く。つまり、反力F31は、筒状部233bの幅方向他方側(-X側)の端部から、筒状部中心軸Jcを向く力である。
図12に示すように、爪部357bは、接続部357aの下側の端部から筒状部233bに向けて突出する板状である。つまり、脚部355bは、筒状部233bに向けて延びる爪部357bを含む。爪部357bの径方向内側の縁部は、鉛直方向Zに延びる直線状である。爪部357bの幅方向他方側(-X側)を向く面には、幅方向他方側(-X側)に突出する凸部357fが設けられる。つまり、爪部357bは、凸部357fを有する。また、脚部355bは、凸部357fを有する。
図12に示すように、凸部357fは、爪部357bの上側の端部から、爪部357bの下側の端部に向けて、鉛直方向Zに直線状延びている。つまり、脚部355bが有する凸部357fは、直線状に延びる。図11に示すように、凸部357fは、凹部233eに径方向外側から挿入され、凹部233eの一部と接触している。凸部357fは、凹部233eと点接触に近い局所的な接触状態で接触している。本変形例において、筒状部233bが爪部357bと接触する部分は第2接触部333nである。軸方向に見て、第2接触部333nは、凹部233eのうち、幅方向一方側(+X側)の端部に位置する。したがって、第1接触部333mの一部分と、第2接触部333nの一部分同士を繋ぐ直線Lc3は筒状部中心軸Jcを通る。つまり、筒状部233bが爪部356b,357bのそれぞれと接触する接触部333m,333nの一部分同士を繋ぐ直線Lcが、筒状部中心軸Jcを通る。
また、本変形例において、爪部357bの凸部357fが、筒状部233bの凹部233eを径方向に加圧する反力F32は、幅方向一方側(+X側)を向く。つまり、反力F32は、筒状部233bの幅方向他方側(-X側)の端部から、筒状部中心軸Jcを向く力である。また、反力F31と反力F32とは、筒状部中心軸Jcを挟んで反対方向を向く。
本変形例によれば、脚部355a,355bが有する凸部356f,357fは直線状に延び、筒状部233bが有する凹部233eが周方向に延びる。そのため、凹部233eと爪部356b,357bとはそれぞれ点接触に近い局所的な接触状態で接触する。よって、2つの爪部356b,357bのそれぞれが筒状部233bに与える反力F31,F32を低減できる。よって、2つの爪部356b,357bそれぞれが、筒状部233bに与える反力を足し合わせた合力を低減できる。そのため、筒状部233bをステータ収容部35に挿入する際に、筒状部233bがバスバーホルダ351から受ける合力をより低減できる。したがって、蓋部材233を軸方向他方側(-Y側)に向けてより容易に挿入できる。また、バスバーホルダ351から筒状部233bに付与される反力F31とF32とが互いに打ち消し合うため、バスバーホルダ351から筒状部233bに対し径方向に偏った力が付与され難い。結果的に、蓋部材233をハウジング本体部31に挿入した状態で、ハウジング本体部31に対する蓋部材233の径方向の位置を好適に決めることができる。そのため、回転電機310およびポンプ300の組み立て性の向上を図ることができる。
また、本変形例では、筒状部233bが爪部356b,357bのそれぞれと接触する接触部333m,333nの一部分同士を繋ぐ直線が、筒状部中心軸Jcを通る。そのため、爪部356bが筒状部233bを径方向に加圧する反力F31と、爪部357bが筒状部233bを径方向に加圧する反力F32が、筒状部中心軸Jcを挟んで互いに反対方向を向く。よって、2つの爪部356b,357bそれぞれが、筒状部233bに与える反力を足し合わせた合力をより低減できる。したがって、回転電機310およびポンプ300の組み立て性の向上を図ることができる。
なお、本変形例において、爪部356b,357bには、それぞれ、直線状の凸部356f,357fが設けられているが、凸部356f,357fの形状はこれに限定されず、例えば、筒状部233bの凹部233eの曲率半径よりも、大きな曲率半径である円弧状であってもよい。この場合においても、凹部233eと接触する爪部356b,357bの周方向の長さを短くできるため、2つの爪部356b,357bのそれぞれが筒状部233bに与える反力F31,F32を低減できる。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。バスバーアセンブリは、バスバーとバスバーホルダと固定部材とを有し、接続孔に径方向に通されているならば、どのような構成であってもよい。バスバーおよび固定部材は、バスバーホルダに対してどのように保持されてもよい。コイル接続部は、軸方向一方側から見てステータ収容部の開口部と重なっていなくてもよい。コイル接続部の形状は、特に限定されない。
固定部材は、バスバーホルダに保持され、ハウジングに固定されるならば、どのような構成であってもよい。固定部材は、ステータ収容部に固定されてもよい。固定部材は、板状の部材でなくてもよい。固定部材は、例えば溶接などのねじ止め以外の方法によってハウジングに固定されてもよい。バスバーアセンブリは、ハウジングに軸方向一方側から接触してもよい。
被保持部は、凸部が筒状部の凹部に安定的に保持されるのであれば、どのような形状でもよいし、弾性を有していなくてもよい。例えば、凸部は傾斜面を有していなくてもよく、矩形状であってもよい。また、先端面を有していなくてもよい。また、一対の被保持部は、互いに同一形状でもよいし、互いに異なる形状でもよい。
筒状部は、バスバーアセンブリが有する凸部が、凹部に安定的に保持されるのであれば、どのような形状でもよい。例えば、凹部は周方向に沿って一周に亘って設けられなくてもよい。凹部は傾斜面を有していなくてもよく、例えば矩形状であってもよい。底面の形状は、円弧形状でなくてもよく、軸方向を向く平面であってもよい。また、筒状部は、組み立て性が良好であれば、第1筒状部の外径は、第2筒状部の外径と同じでもよいし、第2筒状部の外径より大きくてもよい。また、第1筒状部の外周面は、傾斜面でなくてもよい。
また、凸部が安定的に凹部に挿入され、保持されるのであれば、つまり、バスバーアセンブリの他端が蓋部材に安定的に保持されるのであれば、バスバーアセンブリに凹部を、蓋部材に凸部を、設けてもよい。
本発明が適用される回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、ポンプ以外の機器に搭載されてもよい。回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機を備えるポンプの用途は、特に限定されない。ポンプによって送られる流体の種類は、特に限定されず、水などであってもよい。回転電機およびポンプは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
10,210,310…回転電機、20…ポンプ機構、30…ハウジング、31b…接続孔、33,233…蓋部材、33b,233b…筒状部、33e,233e…凹部、33f,233f…第1傾斜面、33g,233g…第2傾斜面、33j,233j…第1筒状部、33k,233k…第2筒状部、33l,233l…外周傾斜面、35…ステータ収容部、37…基板収容部、41…ロータ、41a…シャフト、42…ステータ、42c…コイル、43a…軸受(ベアリング)、50,250…バスバーアセンブリ、51,251,351…バスバーホルダ、52,52A,52B,52C…バスバー、54…基部、55a,55b,255a,255b,355a,355b…脚部、56b,56d,57b,57d…連結部、56e,57e…ブリッジ部、56f,57f,256f,257f,356f,357f…凸部、56g,57g,256g,257g…第3傾斜面、56h,57h,256h,257h…第4傾斜面、80…基板、100,200,300…ポンプ、233m,233n,333m,333n…接触部、256b,257b,356b,357b…爪部、J…中心軸、Jc…筒状部中心軸
Claims (14)
- 軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータと、
コイルを有し、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、
前記コイルに電気的に接続された基板と、
前記コイルと前記基板とを電気的に接続するバスバーを有するバスバーアセンブリと、
前記ステータを内部に収容するステータ収容部および前記基板を内部に収容する基板収容部を有するハウジングと、
を備え、
前記基板収容部は、前記ステータ収容部の径方向外側に位置し、
前記ハウジングは、
前記ステータ収容部の内部と前記基板収容部の内部とを径方向に繋ぐ接続孔と、
前記ステータの軸方向一方側に位置する蓋部材と、
を有し、
前記接続孔には、前記バスバーアセンブリが径方向に通されており、
前記蓋部材は、軸方向に延びる筒状部を有し、
前記バスバーアセンブリは、
前記筒状部の径方向外側で前記ハウジングに固定される基部と、
前記基部から前記筒状部の外周面に沿って延びる一対の脚部と、
を有し、
一対の前記脚部又は前記筒状部の外周面のいずれか一方は、径方向に窪む凹部を有し、他方は、前記凹部に挿入され前記凹部の内側面に接触する凸部を有する回転電機。 - 一対の前記脚部の少なくとも一部は、前記筒状部の外周面から応力を受け互いに離間する方向に弾性変形する、請求項1に記載の回転電機。
- 前記バスバーアセンブリは前記バスバーを保持するバスバーホルダを備え、
前記バスバーホルダは、一対の前記脚部を有する、請求項1または2に記載の回転電機。 - 一対の前記脚部のそれぞれは、
少なくとも、前記筒状部方向に延びる部分を備える一対の連結部と、
一対の前記連結部を繋ぐブリッジ部と、
を有し、
前記ブリッジ部に、前記凸部または前記凹部の一方が設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。 - 一対の前記脚部のそれぞれは、前記筒状部に向けて延びる爪部を含み、
前記爪部に、前記凸部または前記凹部の一方が設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記筒状部は、筒状部中心軸を中心として軸方向に延びる円筒状であり、
前記筒状部が前記爪部のそれぞれと接触する接触部の一部分同士を繋ぐ直線が、前記筒状部中心軸を通る、請求項5に記載の回転電機。 - 前記凸部および前記凹部は周方向に延びる、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記脚部が有する前記凸部もしくは前記凹部は直線状に延び、
前記筒状部が有する前記凸部もしくは前記凹部が周方向に延びる、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記凹部は、
前記凹部の底方向に向かうにしたがって、軸方向他方側に位置する第1傾斜面と、
前記凹部の底方向に向かうにしたがって、軸方向一方側に位置する第2傾斜面と、
を、少なくとも、有し
前記凸部は、
前記凸部の先端方向に向かうにしたがって、軸方向他方側に位置する第3傾斜面と、
前記凸部の先端方向に向かうにしたがって、軸方向一方側に位置する第4傾斜面と、
を、少なくとも、有し
前記第1傾斜面と前記第3傾斜面とが互いに接触し、前記第2傾斜面と前記第4傾斜面とが互いに接触する、請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電機。 - 前記脚部が前記凸部を、前記筒状部が前記凹部を有する請求項1から9のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記筒状部は、
軸方向において前記凹部よりも他方側に位置する第1筒状部と、
軸方向において前記凹部よりも一方側に位置する第2筒状部と、
を、有し、
前記第1筒状部の外径の方が、前記第2筒状部の外径よりも小さい、請求項10に記載の回転電機。 - 前記第1筒状部は、軸方向他方側に向かうにしたがって、径方向外周面が径方向内側に位置する外周傾斜面を有する、請求項11に記載の回転電機。
- 前記ロータは、中心軸を中心として軸方向に延びるシャフトを有し、
前記筒状部は、前記シャフトの外周面を支持する軸受を保持する、請求項1から12のいずれか一項に記載の回転電機。 - 請求項1から13のいずれか一項に記載の回転電機と、
前記ロータに接続されたポンプ機構と、
を備える、ポンプ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022034579A Pending JP2023059793A (ja) | 2021-10-15 | 2022-03-07 | 回転電機、およびポンプ |
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