JP2008220027A - バスバー装置、ブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バスバーとコイルの端部とを容易に接続することができるとともに、周囲に配置される部品へのコイルの端部の干渉を抑制することができるバスバー装置を提供する。
【解決手段】バスバー装置21は、長手方向に湾曲されたバスバー本体51、及びバスバー本体51の短手方向の片側端部から径方向に突出した接続部52を有する複数のバスバー36〜39と、バスバー本体51を収容するバスバーホルダ22とを備える。バスバーホルダ22は、バスバー本体51の短手方向とその深さ方向とが一致するように且つバスバー本体51が同心状となるようにバスバー本体51をそれぞれ収容すべく同心状に形成された複数の収容溝47を有する。また、バスバーホルダ22は、該バスバーホルダ22を貫通し、バスバー本体51がそれぞれ収容溝47に収容されたバスバー36〜39の接続部52へコイルU2,U3の端部16を案内する複数の案内孔45を有する。
【選択図】図3
【解決手段】バスバー装置21は、長手方向に湾曲されたバスバー本体51、及びバスバー本体51の短手方向の片側端部から径方向に突出した接続部52を有する複数のバスバー36〜39と、バスバー本体51を収容するバスバーホルダ22とを備える。バスバーホルダ22は、バスバー本体51の短手方向とその深さ方向とが一致するように且つバスバー本体51が同心状となるようにバスバー本体51をそれぞれ収容すべく同心状に形成された複数の収容溝47を有する。また、バスバーホルダ22は、該バスバーホルダ22を貫通し、バスバー本体51がそれぞれ収容溝47に収容されたバスバー36〜39の接続部52へコイルU2,U3の端部16を案内する複数の案内孔45を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ブラシレスモータに備えられる複数のコイルの対応する端部同士を短絡するためのバスバーを有するバスバー装置、該バスバー装置を備えたブラシレスモータ、及び該ブラシレスモータの製造方法に関するものである。
従来、ブラシレスモータには、周方向に配置された複数のコイルの対応する端部同士を短絡するとともに外部から供給される電流を各コイルに供給するためのバスバー装置を備えたものがある。例えば、特許文献1に記載されているバスバー装置は、複数のバスバーと、これらバスバーを保持する樹脂製の保持部とを備えている。バスバーは、帯状の金属材料を湾曲させて形成されたバスバー本体と、該バスバー本体の幅方向の端部から径方向に沿って延びる複数の接続部とから構成されている。各接続部の先端部には、径方向外側若しくは径方向内側に開口しブラシレスモータのコイルの端部が配置される接続溝が形成されている。そして、複数のバスバーは、バスバー本体の板厚方向が径方向と一致するように同心状に配置され、接続部を除く部位が保持部を構成する樹脂材料にて覆われている。尚、保持部は円環状に成形されるとともに、各接続部の先端は、保持部の外周面よりも径方向外側若しくは保持部の内周面よりも径方向内側に突出している。このように、複数のバスバーを、バスバー本体の板厚方向と径方向とが一致するように配置することにより、バスバー装置の径方向の小型化が図られ、ひいては該バスバー装置を備えたブラシレスモータの径方向の小型化を図ることができる。
特許第3489484号公報
ところで、ブラシレスモータに備えられるコイルの端部は紐状をなすため、端部単体ではその位置が定まり難い。そのため、コイルの端部を接続部に接続すべく、径方向に開口する接続溝内にコイルの端部を位置決めすることが困難であるという問題があった。また、特許文献1に記載のバスバー装置の接続部の先端部にコイルの端部を接続する場合、紐状のコイルの端部は、コイルと接続部との間の部分の形状が定まり難い。そのため、コイルと接続部との間で、コイルの端部が、ブラシレスモータにおいてバスバー装置の外周に配置される部品(ハウジングケース等)に干渉する虞がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、バスバーとコイルの端部とを容易に接続することができるとともに、周囲に配置される部品へのコイルの端部の干渉を抑制することができるバスバー装置、該バスバー装置を備えたブラシレスモータ、及び該ブラシレスモータの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、長手方向に円弧状に湾曲された帯状の導電性板材よりなるバスバー本体、及び該バスバー本体の短手方向の片側端部から径方向に突出しコイルの端部が接続される接続部を有する複数のバスバーと、前記バスバー本体を収容するホルダとを備えたバスバー装置であって、前記ホルダは、前記バスバー本体の短手方向とその深さ方向とが一致するように且つ複数の前記バスバー本体が同心状となるように前記バスバー本体をそれぞれ収容すべく同心状に形成された複数の収容溝と、該ホルダを貫通し、前記バスバー本体がそれぞれ前記収容溝に収容された前記バスバーの前記接続部へ前記コイルの端部を案内する複数の案内孔とを有することをその要旨としている。
同構成によれば、コイルの端部をバスバーの接続部に接続する際、接続部が配置された側と反対側の案内孔の開口部から該案内孔にコイルの端部を挿通すると、コイルの端部は案内孔内を通ることにより該案内孔によって接続部に案内される。従って、バスバーの接続部とコイルの端部とを容易に接続することができる。また、コイルの端部は、ホルダに形成された案内孔を貫通した状態に保たれるため、ホルダによって、バスバー装置の周囲に配置される部品(ブラシレスモータのハウジングケース等)へのコイルの端部の干渉が抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバスバー装置において、前記案内孔の前記接続部と逆側の開口部には、該開口部を拡径してなる導入部が設けられたことをその要旨としている。
同構成によれば、導入部は、案内孔における接続部が配置された側と逆側の開口部、即ちコイルの端部が挿入される側の案内孔の開口部に設けられている。そして、コイルの端部を案内孔に挿入する際、コイルの端部は、案内孔よりも拡径された導入部内に入れば該導入部に案内されて案内孔内に挿入される。従って、コイルの端部の案内孔への挿入をより容易に行うことができ、バスバーとコイルの端部とをより容易に接続することができる。尚、本発明において、「拡径」とは、案内孔の開口部を該案内孔の周方向に均一に大きくするだけでなく、例えば断面円形状の案内孔の開口部を楕円形状に拡げる等、不均一に大きくするものも含む。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のバスバー装置において、前記案内孔は、周方向に配置されるコイルの端部の位置に応じて前記ホルダに周方向に複数形成され、前記導入部は、前記案内孔の開口部を前記案内孔の配置方向である周方向に拡げてなる楕円状をなすことをその要旨としている。
同構成によれば、導入部は、案内孔の開口部を案内孔の配置方向である周方向に拡径してなる楕円状をなすため、例えば導入部が円形状をなす場合に比べて、導入部における案内孔の配置方向である周方向と直交する方向の幅が狭い。よって、導入部を備えたホルダの径方向(案内孔の配置方向である周方向と直交する方向)の小型化を図ることが可能となる。また、周方向に配置された複数のコイルの端部の径方向の位置は、環状の治具を用いることにより一度に容易に調整することが可能であるが、各端部の周方向の位置の調整は、各端部の径方向の位置を調整する場合に比べて繁雑となる。そこで、本発明のように導入部の形状を周方向に長い楕円状とすることにより、複数のコイルの各端部の周方向の位置を高精度に調整しなくとも、容易に案内孔に挿入することが可能となる。その結果、バスバーとコイルの端部とを更に容易に接続することができる。尚、本発明において、「楕円状」とは、所謂楕円状(平面上で、二定点からの距離の和が一定の点の軌跡の形状)だけでなく、トラック形状(一対の平行線の両端部をそれぞれ円弧にて連結した形状)も含む。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のバスバー装置において、前記ホルダは、周方向に配置された複数のティースを有するステータコアと前記ティースに巻回された複数の前記コイルとを有する固定子の軸方向の端部に配置され、該固定子に係合される係合部を有することをその要旨としている。
同構成によれば、係合部が固定子に係合されることにより、ホルダと固定子との相対移動が抑制される。従って、接続部とコイルの端部との電気的な接続を容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のバスバー装置において、前記係合部は、前記固定子と軸方向に係合され、前記ホルダは、前記固定子の外周面に当接する径方向当接部を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、係合部は固定子と軸方向に係合されるため、固定子とホルダとの軸方向の相対移動が抑制される。また、径方向当接部が固定子の外周面に当接することにより、ホルダと固定子との径方向の相対移動が抑制される。従って、接続部とコイルとの端部の電気的な接続をより容易に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のバスバー装置において、前記係合部は、前記ステータコアと前記コイルとの短絡を防止すべく前記ステータコアに装着されるインシュレータに係合され、前記径方向当接部は、金属製の前記ステータコアの外周面に当接することをその要旨としている。
同構成によれば、係合部はインシュレータに係合されるため、係合部を係合させるべくステータコアが複雑な形状となることが防止される。また、ステータコアは金属製であることから、合成樹脂よりなる部材(例えばインシュレータ)よりも剛性が高い。従って、剛性の高いステータコアの外周面に径方向当接部が当接することにより、ステータコアに対するホルダの径方向の位置決めを高精度に行うことができる。その結果、コイルの端部に対する案内孔の位置決めを精度良く行うことができる。従って、接続部とコイルの端部との電気的な接続を更に容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載のバスバー装置において、前記ホルダは、金属製の前記ステータコアの軸方向の端面に当接する軸方向当接部を有することをその要旨としている。
同構成によれば、剛性の高い金属製のステータコアの軸方向の端面に軸方向当接部が当接することにより、ホルダの固定子に対するぐらつきを抑制することができる。その結果、接続部とコイルの端部との電気的な接続を一層容易に行うことができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のバスバー装置において、前記接続部は、その一端開口部が前記案内孔の開口部と対向する筒状をなし前記コイルの端部が挿入される保持部を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、案内孔を貫通したコイルの端部は、筒状の保持部に挿入されて保持される。従って、保持部によってコイルの端部の移動が規制されるため、接続部とコイルの端部との電気的な接続をより一層容易に行うことができる。尚、本発明において、「筒状」とは、コイルの端部の外周を完全に囲む形状だけでなく、コイルの端部の径方向に該端部が抜け出せない程度に該コイルの端部を囲む形状も意味する。
請求項9に記載の発明は、有低円筒状のハウジングケースと、前記ハウジングケースの内周面に固定され、周方向に配置された複数のティースを有するステータコア、及び前記ティースに巻回された複数の前記コイルを有する固定子と、前記固定子の軸方向の端部に配置され、前記コイルの所定の端部同士を短絡する請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のバスバー装置とを備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、コイルの端部をバスバーの接続部に接続する際、接続部が配置された側と反対側の案内孔の開口部から該案内孔にコイルの端部を挿通すると、コイルの端部は案内孔内を通ることにより該案内孔によって接続部に案内される。従って、バスバーの接続部とコイルの端部とを容易に接続することができる。また、コイルの端部は、ホルダに形成された案内孔を貫通した状態に保たれるため、ホルダによって、バスバー装置の周囲に配置される部品(ハウジングケース等)へのコイルの端部の干渉が抑制される。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のブラシレスモータの製造方法であって、複数の前記コイルの端部を、複数種類の長さに整える長さ調整工程と、前記ホルダ及び前記固定子を該固定子の軸方向に沿って相対移動させて、前記コイルの端部を、その長さが長い端部から順に、前記案内孔の前記接続部と逆側の開口部から前記案内孔にそれぞれ挿入する挿入工程と、前記接続部と前記コイルの端部とを電気的に接続する接続工程とを備えたことをその要旨としている。
同方法によれば、長さ調整工程において、複数のコイルの端部の長さが複数種類の長さに整えられる。例えばコイルの端部の長さが全て同じ長さに揃えられていると、挿入工程において全てのコイルの端部を同時にそれぞれ案内孔に挿入することになる。しかしながら、本発明のようにコイルの端部の長さを複数種類の長さに整えると、挿入工程において、各コイルの端部は、長さが長い端部から順に対応する案内孔に挿入される。従って、コイルの端部の案内孔への挿入をより容易に行うことができる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のブラシレスモータの製造方法において、前記長さ調整工程では、前記コイルの端部を、第1の端部と、該第1の端部よりも短い第2の端部とが、周方向に交互に設けられるように整えることをその要旨としている。
同方法によれば、コイルの端部を、第1の端部と、第1の端部よりも短い第2の端部との2種類の端部としている。そのため、コイルの長さを3種類以上とする場合に比べて、コイルの端部の長さを容易に整えることができる。また、第1の端部と第2の端部とは周方向に交互に設けられるため、周方向の全体としてコイルの端部の案内孔への挿入を容易に行うことができる。
本発明によれば、バスバーとコイルの端部とを容易に接続することができるとともに、周囲に配置される部品へのコイルの端部の干渉を抑制することができるバスバー装置、該バスバー装置を備えたブラシレスモータ、及び該ブラシレスモータの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すブラシレスモータ1は、例えば電動パワーステアリング装置(図示略)の駆動源として用いられる。図1に示すように、ブラシレスモータ1を構成する有底円筒状のハウジングケース2の内周面には、略円筒状の固定子3が固定されるとともに、該固定子3の内側には、回転子4が回転可能に配置されている。
図1に示すブラシレスモータ1は、例えば電動パワーステアリング装置(図示略)の駆動源として用いられる。図1に示すように、ブラシレスモータ1を構成する有底円筒状のハウジングケース2の内周面には、略円筒状の固定子3が固定されるとともに、該固定子3の内側には、回転子4が回転可能に配置されている。
前記ハウジングケース2の上底部中央には、内側に開口する軸受収容凹部2aが形成されるとともに、該軸受収容凹部2a内には軸受5が収容されている。また、ハウジングケース2の開口部には、径方向外側に延びるフランジ部2bが一体に形成されるとともに、該フランジ部2bにはエンドフレーム6が螺子7にて固定されている。
エンドフレーム6の略中央部には、ハウジングケース2の内側に開口する軸受収容凹部6aが凹設されるとともに、該軸受収容凹部6a内には前記軸受5と対をなす軸受8が収容されている。また、エンドフレーム6の略中央部には、ハウジングケース2と反対側に開口するセンサステータ保持凹部6bが凹設されるとともに、該センサステータ保持凹部6b内には円環状のセンサステータ72が固定されている。
図2に示すように、前記固定子3を構成するステータコア11は、周方向に12個配置された分割コア12から構成されている。各分割コア12は、軸方向から見た形状が円弧状をなす連結部12aと、該連結部12aの周方向の中央部から径方向内側に延びるティース12bとが一体に形成されてなり、軸方向から見た形状が略T字状をなしている。また、各連結部12aの径方向外側の面の周方向の中央部には、軸方向に沿って延びる係合溝12cが形成されている。尚、各分割コア12は、磁性金属板材打ち抜いて形成される略T字状のコアシート(図示略)を板厚方向に複数枚積層して形成されている。
図3(a)に示すように、各分割コア12には、絶縁性を有する合成樹脂材料よりなるインシュレータ13が軸方向の両側から装着されている。各インシュレータ13は、分割コア12の軸方向の片側端面を覆う端面被覆部13aと、該端面被覆部13aの周方向の両端から軸方向に沿って延びティース12bの周方向の両側面を覆う一対の側面被覆部13b(図2参照)とが一体に形成されてなる。また、端面被覆部13aの径方向内側の端部には、軸方向に沿って立設される内周側はみ出し防止壁13cが一体に形成されるとともに、端面被覆部13aの径方向外側の端部には、軸方向に沿って立設される外周側はみ出し防止壁13dが一体に形成されている。更に、24個のインシュレータ13において、ステータコア11の軸方向の片側(図1におけるハウジングケース2の開口部側)に装着される12個のインシュレータ13には、図3(c)に示すように、端面被覆部13aの径方向外側の端部に、径方向内側に向かって凹設された係合凹部13eが形成されている。尚、係合凹部13eの内周面のうち、ステータコア11の軸方向の片側端面と対向する面は、軸方向と直交する平坦な係止面13fとなっている。
そして、図2に示すように、インシュレータ13が装着されたステータコア11の各ティース12bに、該インシュレータ13の上から導線14が集中巻にて巻回されることにより12個のコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4が形成されている。各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4は、内周側はみ出し防止壁13cによって径方向内側へのはみ出しが防止されるとともに、外周側はみ出し防止壁13dによって径方向外側へのはみ出しが防止されている。また、図3(a)に示すように、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4を構成する導線14は、絶縁被膜15にて覆われるとともに、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の先端側の所定領域においては、絶縁被膜15は除去されている。更に、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、周方向に等角度間隔となる位置から軸方向に引き出されている(図2参照)。尚、図1及び図3(a)においては、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4のうち、コイルU2,U3のみを図示している。このように構成された固定子3は、ハウジングケース2内に圧入されることにより該ハウジングケース2の内周面に固定されている。
図1に示すように、固定子3のハウジングケース2の開口部側の端部には、前記コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4(図2参照)のうち対応するコイル同士を短絡するとともに外部から供給される電流を各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4に供給するためのバスバー装置21が固定されている。このバスバー装置21は、前記インシュレータ13に対して固定されるホルダとしてのバスバーホルダ22と、該バスバーホルダ22にて保持される複数のバスバー30〜39(図4参照)とから構成されている。
図5(a)に示すように、バスバーホルダ22は、円環状のホルダ本体41と、該ホルダ本体41から径方向外側に向かって延びる略四角形状の延設保持部42とが一体に形成されてなる。
図1に示すように、ホルダ本体41の外径は、前記ステータコア11の外径と略等しく形成されている。また、同ホルダ本体41の内径は、前記ステータコア11の内径と略等しく形成されるとともに、前記エンドフレーム6において軸受収容凹部6aが形成された部位の外径よりも大きく形成されている。このホルダ本体41の外周縁の複数個所(本実施形態では3箇所)には、バスバーホルダ22を固定子3に取着するためのスナップフィット係合部43が一体に形成されている。図5(a)に示すように、スナップフィット係合部43は、ホルダ本体41の外周縁において周方向に等角度間隔(本実施形態では120°間隔)となる位置に形成されている。そして、図3(c)に示すように、スナップフィット係合部43は、軸方向に沿って固定子3側に延び弾性を有する延長部43aと、該延長部43aの先端部からホルダ本体41の径方向内側に突出する係止部43bとが一体に形成されてなる。そして、延長部43aは、インシュレータ13の外周面よりも径方向外側で軸方向に沿って延びるとともに、係止部43bは、インシュレータ13の外周面(最も径方向外側に突出した部分の外周面)よりも径方向内側となる位置まで突出している。また、係止部43bにおける延長部43aの基端側の面は、軸方向と直交する平坦な係止面43cとなっている。
また、図5(a)に示すように、ホルダ本体41の外周縁の複数個所(本実施形態では2箇所)には、当接部44が形成されている。これら当接部44は、ホルダ本体41の外周縁において前記スナップフィット係合部43の周方向の中央部となる2箇所に形成されている。そして、図3(b)に示すように、各当接部44は、ホルダ本体41の外周縁から軸方向に沿って固定子3側に延びる軸方向当接部44aと、該軸方向当接部44aの先端部から軸方向に沿って固定子3側に延びる径方向当接部44bとから構成されている。軸方向当接部44aは、略四角形の板状をなすとともに、ホルダ本体41の外周面に沿って湾曲している。また、図8(a)に示すように、軸方向当接部44aの先端部における周方向の中央部には、軸方向に凹設された非当接凹部44cが形成されるとともに、軸方向当接部44aにおける非当接凹部44cの周方向両側の先端面は、軸方向と直交する平坦な当接面44dとなっている。
径方向当接部44bは、非当接凹部44cの周方向の中央部から軸方向に沿って延びるとともに、その周方向の幅は、前記各分割コア12に形成された係合溝12cの周方向の幅と略等しく形成されている(図8(c)参照)。また、図8(b)に示すように、径方向当接部44bの内周面44e(ホルダ本体41の内周側の面)は、軸方向当接部44aの内周面44fよりもホルダ本体41の外周側に設定されており、該径方向当接部44bの径方向の厚さは、軸方向当接部44aの径方向の厚さよりも薄く形成されている。
そして、バスバーホルダ22は、図1に示すように、ホルダ本体41の軸方向と固定子3の軸方向とを一致させた状態で、ハウジングケース2の開口部側の固定子3の軸方向の端部に配置されるとともに、スナップフィット係合部43が固定子3に係合されることにより固定子3に対して固定されている。詳述すると、図3(a)乃至図3(c)に示すように、スナップフィット係合部43の係止部43bは、インシュレータ13に設けられた係合凹部13e内に配置されるとともに、インシュレータ13の係止面13fと該係止面13fに軸方向に対向するステータコア11の軸方向の端面の双方に当接される。これにより、スナップフィット係合部43が固定子3に対して軸方向に係合され、バスバーホルダ22が固定子3に固定されている。
また、バスバーホルダ22が固定子3の軸方向の端部に固定された状態においては、図8(c)に示すように、当接部44の径方向当接部44bが、ステータコア11に設けられた係合溝12c内に挿入されるとともに、該径方向当接部44bは、ステータコア11の外周面(本実施形態では係合溝12cの底面)に当接する。また、当接部44の軸方向当接部44aの当接面44dが、ステータコア11の軸方向の端面に当接する。
また、図5(a)に示すように、ホルダ本体41の外周寄りの部位には、軸方向に貫通する24個(即ちコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16と同数)の案内孔45が、周方向に配置されるコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の位置に応じて周方向に形成されている。詳述すると、24個の案内孔45は、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の周方向位置に応じて周方向に等角度間隔に形成されるとともに、その径方向位置も、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の径方向位置に応じた位置となっている。また、各案内孔45の直径は、前記導線14(図2参照)の直径よりも若干大きく設定されている。そして、各案内孔45における固定子3(図3(a)参照)側の開口部には、該案内孔45の開口部を拡径してなる導入部46が形成されている。
図5(b)及び図5(c)に示すように、各導入部46の内周面は、軸方向に対して傾斜した傾斜面にて構成され、案内孔45の固定子3側(図3(a)参照)の開口端に向かうに連れてその内径が大きくなる略円錐台形状をなしている。また、図5(a)に示すように、各導入部46は、案内孔45の開口部を周方向に拡げて形成されており、各導入部46の固定子3側の開口端における形状は、その長手方向が周方向に沿ったトラック形状(一対の平行線の両端部をそれぞれ円弧にて連結した形状)をなしている。従って、各導入部46は、径方向の幅に比べて周方向の幅が広い形状となっている。
また、図6及び図7に示すように、ホルダ本体41には、24個の案内孔45よりも内周側となる位置に複数(本実施形態では9個)の収容溝47が形成されている。各収容溝47は、固定子3と逆側に開口している(図3(a)参照)。また、各収容溝47は、軸方向から見た形状が円弧状をなすとともに、9個の収容溝47は、ホルダ本体41の中心軸線L1(組付けられた状態においてステータコア11の中心軸線L2と一致する。図4参照)上の一点を中心O1とする同心状に形成されている。更に、図4に示すように、各収容溝47は、その内部に収容される前記バスバー30〜39のバスバー本体51の形状に応じてその周方向の長さが設定されている。また、図3(a)に示すように、各収容溝47の径方向の幅は、バスバー本体51の板厚と等しいか若干広く形成されるとともに、各収容溝47の深さは、バスバー本体51の短手方向の幅よりも若干深く形成されている。尚、図6に示すように、複数の収容溝47のうち、所定の3つの収容溝47には、前記延設保持部42に近い方の周方向の端部から、同延設保持部42まで延びる連結収容部48が一体に形成されている。
図10に示すように、各バスバー30〜39は、帯状の導電性板材よりなるバスバー本体51と、該バスバー本体51と一体に形成される複数の接続部52とを備えている。各バスバー本体51は、長手方向に円弧状に湾曲された形状をなすとともに、各バスバー本体51の短手方向は、円弧の中心O1を通る直線と平行をなしている。また、図4及び図9に示すように、各バスバー本体51の周方向の長さは、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16のうちバスバー30〜39にて互いに接続する端部16の位置に応じて設定されるとともに、各バスバー本体51の短手方向の長さ(軸方向の長さ)は、前記収容溝47の深さと略等しい長さに設定されている。そして、各バスバー本体51は、対応する収容溝47内に収容されるとともに、各バスバー本体51の短手方向の片側端面(収容溝47内に配置された場合に該収容溝47の開口部側となる側の端面)に、径方向外側に突出した前記接続部52が複数設けられている。尚、図9には、内周側から3番目のバスバー37を代表として図示している。
接続部52は、各バスバー本体51の周方向の端部等、バスバー本体51の周方向の所定箇所から径方向外側に延び、更に軸方向に沿ってバスバー本体51と逆側(ホルダ本体41から遠ざかる方向)に延びている。図10に示すように、接続部52は、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の数に応じて複数のバスバー30〜39に合計で24個設けられている。各接続部52の先端部には、軸方向に貫通した筒状をなす保持部52aが形成されるとともに、該保持部52aの内径は前記導線14の直径と略等しく形成されている(図11参照)。尚、本実施形態の保持部52aは、接続部52の先端部に一体に形成された四角形状の板材を湾曲させることにより筒状に形成されている。
そして、図3(a)及び図4に示すように、各バスバー30〜39のバスバー本体51が対応する収容溝47に収容された状態においては、各接続部52は、収容溝47の外部に配置されるとともに、各保持部52aは、その径方向位置及び周方向位置が、ホルダ本体41に設けられた案内孔45にそれぞれ対応している。そして、同状態においては、案内孔45の固定子3側の開口部と保持部52aの一端開口部(接続部52aの基端側の開口部)とが対向している。また、同状態においては、接続部52は、その先端部に形成された保持部52aがホルダ本体41を軸方向に貫通する案内孔45と軸方向に並ぶことから、ホルダ本体41の外周面よりも径方向内側に配置されている。更に、同状態においては、各バスバー本体51は、その板厚方向とホルダ本体41の径方向とが一致するとともに、同心状に配置されている。
また、図4及び図10に示すように、複数のバスバー30〜39のうち、所定の3つのバスバー36,38,39のバスバー本体51における延設保持部42に近い側の端部からは、延設保持部42の連結収容部48内に収容される延設部53が一体に形成されている。この延設部53は、外部の電源装置に電気的に接続される。
図3(a)に示すように、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、それぞれ軸方向に対向するバスバーホルダ22の案内孔45内に、導入部46側から挿入されるとともに、各案内孔45と軸方向に並ぶ保持部52a内に挿入されている。そして、保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16とは、溶接によりそれぞれ電気的に接続されている。そして、図12に示すように、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16のうち所定の端部同士がバスバー30〜39によって短絡されている。
図1に示すように、前記回転子4を構成する回転軸61は、前記一対の軸受5,8にて軸支されるとともに、該回転軸61の基端部寄りの部位には、略円筒状のロータヨーク62が固定されている。このロータヨーク62の外周には、複数の永久磁石63が配置されるとともに、これら永久磁石63は、当該永久磁石63の外周に装着された円筒状のカバー64によって、ロータヨーク62の外周面に当接した状態に保たれている。また、これら永久磁石63は、ステータコア11と径方向に対向している。
前記回転軸61の先端は、前記バスバーホルダ22及びエンドフレーム6を貫通してハウジングケース2の外部に突出している。また、回転軸61におけるエンドフレーム6からハウジングケース2の外部に突出した部位であって前記センサステータ72と径方向に対向する部位には、該センサステータ72とともにレゾルバ71を構成するセンサロータ73が固定されている。このレゾルバ71は、固定子3に対する回転子4の回転状態(回転位置、回転速度等)を検出するためのものであり、回転子4の回転状態に応じた位置検出信号をブラシレスモータ1の外部に設けられる駆動回路(図示略)に出力する。
上記のように構成されたブラシレスモータ1では、所定のコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4への通電により回転子4が回転されると、回転軸61とともにセンサロータ73が回転する。そして、レゾルバ71はセンサロータ73の回転状態、即ち回転子4の回転に応じた回転検出信号を駆動回路(図示略)へ出力する。駆動回路は、レゾルバ71から入力される回転検出信号に基づいて、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4への通電の制御を行う。
次に、上記のように構成されたブラシレスモータ1の製造方法を、固定子3に対するバスバー装置21の固定方法を中心に説明する。
図13に示すように、ティース12bに巻回されたコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の長さを2種類の長さに整える長さ調整工程が行われる。この長さ調整工程では、各端部16の先端部が切断されて、第1の端部16aと、第1の端部16aよりも短い第2の端部16bとが周方向に交互に設けられる。その後、環状の治具(図示略)によって、各端部16の径方向の位置合わせが行われる。
図13に示すように、ティース12bに巻回されたコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の長さを2種類の長さに整える長さ調整工程が行われる。この長さ調整工程では、各端部16の先端部が切断されて、第1の端部16aと、第1の端部16aよりも短い第2の端部16bとが周方向に交互に設けられる。その後、環状の治具(図示略)によって、各端部16の径方向の位置合わせが行われる。
次いで、各端部16を対応する案内孔45に挿入する挿入工程が行われる。図3(a)及び図13に示すように、この挿入工程では、バスバー30〜39のバスバー本体51が収容された状態のバスバーホルダ22が、接続部52が配置された側と反対側の面を固定子3の軸方向の端部に対向させた状態で、固定子3に対して軸方向に沿って相対移動される。そして、バスバーホルダ22と固定子3の相対移動に伴って、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16のうち長さが長い方の第1の端部16aが、周方向に1つ置きの対応する案内孔45の固定子3側の開口部から当該案内孔45内に挿入される(図5(a)参照)。その後、端部16のうち長さが短い方の第2の端部16bが、周方向に1つ置きの対応する案内孔45の固定子3側の開口部から当該案内孔45内に挿入される(図5(a)参照)。この時、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、案内孔45に対して周方向にずれたとしても、導入部46内に挿入されることにより該導入部46によって案内孔45内へ案内される。コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16は、各案内孔45を貫通することによりそれぞれ案内孔45に案内されて、案内孔45における固定子3と逆側の開口部と対向する位置に配置された接続部52の保持部52a内に挿入される。そして、スナップフィット係合部43の係止部43bが固定子3のインシュレータ13に設けられた係合凹部13eに係合され、バスバー装置21が固定子3に対して固定される。また、スナップフィット係合部43が固定子3に係合されると同時に、当接部44の径方向当接部44bが、ステータコア11に設けられた係合溝12c内に挿入されるとともに、該径方向当接部44bは、ステータコア11の外周面に当接する。また、当接部44の軸方向当接部44aの当接面44dが、ステータコア11の軸方向の端面に当接する(図8(c)参照)。
次いで、接続部52の保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16とを電気的に接続する接続工程が行われる。この接続工程では、保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16とが溶接により電気的に接続される。そして、図12に示すように、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の対応する端部16同士が電気的に接続される。尚、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16において、保持部52aからバスバーホルダ22と逆側に突出した部分は、所定の長さを残して切断される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16を対応するバスバー30〜39の接続部52にそれぞれ接続する際、接続部52が配置された側と反対側の案内孔45の開口部から該案内孔45にコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16をそれぞれ挿通すると、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は案内孔45内を通ることにより該案内孔45によって接続部52の保持部52aに案内される。従って、バスバー30〜39の接続部52とコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16とを容易に接続することができる。また、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、バスバーホルダ22に形成された案内孔45を貫通した状態に保たれるため、バスバーホルダ22によって、バスバー装置21の周囲に配置される部品(ハウジングケース2等)へのコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の干渉が抑制される。
(1)コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16を対応するバスバー30〜39の接続部52にそれぞれ接続する際、接続部52が配置された側と反対側の案内孔45の開口部から該案内孔45にコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16をそれぞれ挿通すると、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は案内孔45内を通ることにより該案内孔45によって接続部52の保持部52aに案内される。従って、バスバー30〜39の接続部52とコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16とを容易に接続することができる。また、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、バスバーホルダ22に形成された案内孔45を貫通した状態に保たれるため、バスバーホルダ22によって、バスバー装置21の周囲に配置される部品(ハウジングケース2等)へのコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の干渉が抑制される。
(2)導入部46は、案内孔45における接続部52が配置された側と逆側の開口部、即ちコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16が挿入される側の案内孔45の開口部に設けられている。そして、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16を案内孔45に挿入する際、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部は、案内孔45よりも拡径された楕円状の導入部46内に入れば該導入部46に案内されて案内孔45内に挿入される。従って、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の案内孔45への挿入をより容易に行うことができ、バスバー30〜39とコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16とをより容易に接続することができる。
(3)導入部46は、案内孔45の開口部をホルダ本体41の周方向に拡げてなるトラック形状をなすため、例えば導入部46が円形状をなす場合に比べて、ホルダ本体41の径方向の幅が狭い。よって、導入部46を備えたバスバーホルダ22の径方向の小型化を図ることが可能となる。また、周方向に配置された複数のコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の径方向の位置は、環状の治具を用いることにより一度に容易に調整することが可能であるが、各端部16の周方向の位置の調整は、各端部16の径方向の位置を調整する場合に比べて繁雑となる。そこで、本実施形態のように導入部46の形状を周方向に長い楕円状とすることにより、複数のコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の周方向の位置を高精度に調整しなくとも、容易に案内孔45に挿入することが可能となる。その結果、バスバー30〜39とコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16とを更に容易に接続することができる。
(4)スナップフィット係合部43が固定子3に係合されることにより、バスバーホルダ22と固定子3との相対移動が抑制される。従って、接続部52の保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16との電気的な接続を容易に行うことができる。
(5)スナップフィット係合部43は固定子3と軸方向に係合されるため、固定子3とバスバーホルダ22との軸方向の相対移動が抑制される。また、当接部44の径方向当接部44bがステータコア11の外周面(係合溝12cの底面)に当接することにより、バスバーホルダ22と固定子3との径方向の相対移動が抑制される。従って、接続部52の保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16との電気的な接続をより容易に行うことができる。
(6)スナップフィット係合部43はインシュレータ13に係合されるため、スナップフィット係合部43を係合させるべくステータコア11が複雑な形状となることが防止される。また、ステータコア11は金属製であることから、合成樹脂よりなる部材(例えばインシュレータ13)よりも剛性が高い。従って、剛性の高いステータコア11の外周面に当接部44の径方向当接部44bが当接することにより、ステータコア11に対するバスバーホルダ22の径方向の位置決めを高精度に行うことができる。その結果、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16に対する案内孔45の位置決めを精度良く行うことができる。従って、接続部52の保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16との電気的な接続を更に容易に行うことができる。
(7)剛性の高い金属製のステータコア11の軸方向の端面に軸方向当接部44aの当接面44dが当接することにより、バスバーホルダ22の固定子3に対するぐらつきを抑制することができる。その結果、接続部52の保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16との電気的な接続を一層容易に行うことができる。
(8)案内孔45を貫通したコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、筒状の保持部52aに挿入されて保持される。従って、保持部52aによってコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の移動が規制されるため、接続部52の保持部52aとコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16との電気的な接続をより一層容易に行うことができる。
(9)長さ調整工程において、複数のコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の長さが2種類の長さに整えられる。例えばコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の長さが全て同じ長さに揃えられていると、挿入工程において全てのコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16を同時にそれぞれ案内孔45に挿入することになる。しかしながら、本実施形態のようにコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の長さを2種類の長さに整えると、挿入工程において、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、長さが長い第1の端部16aから順に対応する案内孔45に挿入される。従って、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の案内孔45への挿入をより容易に行うことができる。
(10)コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16を、第1の端部16aと、第1の端部16aよりも短い第2の端部16bとの2種類の端部としている。そのため、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16長さを3種類以上とする場合に比べて、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の長さを容易に整えることができる。また、第1の端部16aと第2の端部16bとは周方向に交互に設けられるため、周方向の全体としてコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の案内孔45への挿入を容易に行うことができる。
(11)複数のバスバー本体51は、バスバーホルダ22の収容溝47に収容されると、その板厚方向が径方向と一致するように同心状に配置される。従って、バスバー本体が、その短手方向が径方向と一致するように湾曲され、板厚方向が軸方向と一致するように配置された場合に比べて、バスバー30〜39を配置するためのスペースを径方向に小さくすることができる。よって、ブラシレスモータ1の径方向の小型化が可能となる。
(12)導入部46の内周面は、軸方向に対して傾斜した傾斜面にて構成され、案内孔45の固定子3側の開口端に向かうに連れてその内径が大きくなる略円錐台形状をなしている。従って、導入部46の内周面に当接したコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は、該導入部46によってより容易に案内孔45内へ案内される。
(13)接続部52は、ホルダ本体41の外周面よりも径方向内側に配置されている。従って、バスバー装置21の周囲に配置された部品(ハウジングケース2等)への接続部52の干渉を抑制することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、固定子3の軸方向の端部にバスバー装置21を固定する際、長さ調整工程において、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16は、それぞれ長さの長い第1の端部16aと、長さの短い第2の端部16bとが周方向に交互となるように切断される。しかしながら、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の長さは、これに限らない。例えば、端部16は全て同じ長さとされてもよいし、3種類以上の長さとされてもよい。そして、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の長さを3種類以上とすると、挿入工程において、長さが長い端部16から順に対応する案内孔45に挿入されるため、例えばコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の長さが全て同じ長さに揃えられている場合に比べて、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の案内孔45への挿入をより容易に行うことができる。
・上記実施形態では、固定子3の軸方向の端部にバスバー装置21を固定する際、長さ調整工程において、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16は、それぞれ長さの長い第1の端部16aと、長さの短い第2の端部16bとが周方向に交互となるように切断される。しかしながら、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の長さは、これに限らない。例えば、端部16は全て同じ長さとされてもよいし、3種類以上の長さとされてもよい。そして、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の長さを3種類以上とすると、挿入工程において、長さが長い端部16から順に対応する案内孔45に挿入されるため、例えばコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の各端部16の長さが全て同じ長さに揃えられている場合に比べて、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の案内孔45への挿入をより容易に行うことができる。
・上記実施形態では、接続部52の先端部には、その一端開口部が案内孔45の開口部(固定子3と逆側の開口部)と対向する筒状の保持部52aが形成されており、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16は当該保持部52aに電気的に接続される。しかしながら、接続部52において、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16が接続される部位の形状は、これに限らない。例えば、接続部52の先端に、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16の外周を完全に囲む保持部52aを形成してもよいし、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16がその径方向に抜け出ない程度の開口を有する保持部52aを形成してもよい。また例えば、バスバー本体51の短手方向の端部から径方向外側に延びる板状の接続部52の先端部に、径方向外側に開口する凹部を形成し、該凹部内にコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16が配置される構成としてもよい。
・上記実施形態では、バスバーホルダ22に設けられる当接部44は、ステータコア11の軸方向の端面に当接する軸方向当接部44aを備えているが、ステータコア11の外周面に当接する径方向当接部44bのみから構成されてもよい。逆に、当接部44において、径方向当接部44bを省略してもよい。
・上記実施形態では、径方向当接部44bは、係合溝12cの底面に当接する。しかしながら、径方向当接部44bは、ステータコア11の外周面に径方向から当接するのであれば、係合溝12cの底面以外の部分に当接してもよい。また、径方向当接部44bは、ステータコア11の外周面を圧接するように構成されてもよい。このようにすると、固定子3に対するバスバーホルダ22のぐらつきをより抑制することができる。
・上記実施形態では、当接部44は、ホルダ本体41の外周縁の2箇所に設けられているが、ホルダ本体41の外周縁の1箇所に設けられてもよいし、3箇所以上の複数箇所に設けられてもよい。また、バスバーホルダ22は、当接部44を備えない構成であってもよい。
・上記実施形態では、スナップフィット係合部43は、ステータコア11に装着されるインシュレータ13に対して係合される。しかしながら、スナップフィット係合部43は、ステータコア11に係合されるものであってもよい。この場合、ステータコア11には、スナップフィット係合部43の係止部43bが係止される係合凹部が形成される。
・上記実施形態では、スナップフィット係合部43は、径方向内側に突出する係止部43bを有するとともに、該係止部43bは、インシュレータ13に形成された係合凹部13eに係合される。しかしながら、固定子3に対してバスバーホルダ22を固定するための構成はこれに限らない。例えば、スナップフィット係合部43側に凹部を形成し、インシュレータ13側に当該凹部に係合する凸部を形成し、当該凹部と凸部とを係合させることにより、固定子3に対してバスバーホルダ22を固定する構成としてもよい。
・上記実施形態では、スナップフィット係合部43は、ホルダ本体41の外周縁の3箇所に設けられているが、ホルダ本体41の外周縁の1箇所若しくは2箇所に設けられてもよい。また、スナップフィット係合部43は、ホルダ本体41の外周縁の4箇所以上の複数箇所に設けられてもよい。更に、バスバーホルダ22は、固定子3に対してバスバー装置21を固定するスナップフィット係合部43を備えない構成であってもよい。
・上記実施形態では、導入部46は、その固定子3側の開口端における形状が、その長手方向がホルダ本体41の周方向に沿ったトラック形状をなしている。しかしながら、導入部46の形状はこれに限らない。各導入部46は、案内孔45における固定子3側の開口部を拡径した形状であればよい。従って、例えば、各導入部46は、その固定子3側の開口端における形状が円形状、楕円状、多角形状等をなすように形成されてもよい。また、上記実施形態では、各導入部46は、その内周面が案内孔45の固定子3側の開口端に向かうに連れてその内径が大きくなる略円錐台形状をなしている。しかしながら、各導入部46は、案内孔45の開口端に向かうに連れて徐々に拡径されてなる階段状に形成されてもよい。また、導入部46を省略してもよい。
・上記実施形態では、案内孔45は、ホルダ本体41の軸方向から見た形状が円形状をなしているが、多角形状等をなすものであってもよい。
・上記実施形態では、接続部52は何れも径方向外側に突出している。しかしながら、接続部52は、バスバー本体51の短手方向の片側端部から径方向内側に突出してもよい。この場合、ホルダ本体41には、接続部52におけるコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16が接続される部位と対向する位置に軸方向に貫通する案内孔45が形成される。
・上記実施形態では、接続部52は何れも径方向外側に突出している。しかしながら、接続部52は、バスバー本体51の短手方向の片側端部から径方向内側に突出してもよい。この場合、ホルダ本体41には、接続部52におけるコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部16が接続される部位と対向する位置に軸方向に貫通する案内孔45が形成される。
・上記実施形態では、ステータコア11を構成する分割コア12は、磁性金属板材を打ち抜いて形成されるコアシートを積層して形成されている。しかしながら、分割コア12は、磁性粉体を焼結して形成されるものであってもよい。また、ステータコア11は、全てのティースが周方向に一体に連結された構成(周方向に分割されない構成)であってもよい。
・上記実施形態のブラシレスモータ1の固定子3は、12個のティース12bと、該ティース12bに集中巻にて巻装された12個のコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4を備えている。しかしながら、固定子3を構成するティース及びコイルの数はこれに限らず、適宜変更してもよい。
上記実施形態、及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項2に記載のバスバー装置において、前記導入部の内周面は、前記案内孔の前記接続部と逆側の開口端に向かうに連れてその内径が大きくなる傾斜面よりなることを特徴とするバスバー装置。同構成によれば、導入部の内周面に当接したコイルの端部は、該導入部によってより容易に案内孔内へ案内される。
(イ)請求項2に記載のバスバー装置において、前記導入部の内周面は、前記案内孔の前記接続部と逆側の開口端に向かうに連れてその内径が大きくなる傾斜面よりなることを特徴とするバスバー装置。同構成によれば、導入部の内周面に当接したコイルの端部は、該導入部によってより容易に案内孔内へ案内される。
(ロ)請求項1乃至請求項8及び前記(イ)の何れか1項に記載のバスバー装置において、前記接続部の先端は、前記ホルダの外周面よりも内側に配置されていることを特徴とするバスバー装置。同構成によれば、接続部の先端は、ホルダの外周面よりも内側に配置されていることから、バスバー装置の周囲に配置された部品(ブラシレスモータのハウジングケース等)への接続部の干渉を抑制することができる。
1…ブラシレスモータ、2…ハウジングケース、3…固定子、11…ステータコア、12b…ティース、13…インシュレータ、16…端部、16a…第1の端部、16b…第2の端部、21…バスバー装置、22…ホルダとしてのバスバーホルダ、30〜39…バスバー、43…係合部としてのスナップフィット係合部、44a…軸方向当接部、44b…径方向当接部、45…案内孔、46…導入部、47…収容溝、51…バスバー本体、52…接続部、52a…保持部、U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4…コイル。
Claims (11)
- 長手方向に円弧状に湾曲された帯状の導電性板材よりなるバスバー本体、及び該バスバー本体の短手方向の片側端部から径方向に突出しコイルの端部が接続される接続部を有する複数のバスバーと、
前記バスバー本体を収容するホルダと
を備えたバスバー装置であって、
前記ホルダは、前記バスバー本体の短手方向とその深さ方向とが一致するように且つ複数の前記バスバー本体が同心状となるように前記バスバー本体をそれぞれ収容すべく同心状に形成された複数の収容溝と、該ホルダを貫通し、前記バスバー本体がそれぞれ前記収容溝に収容された前記バスバーの前記接続部へ前記コイルの端部を案内する複数の案内孔とを有することを特徴とするバスバー装置。 - 請求項1に記載のバスバー装置において、
前記案内孔の前記接続部と逆側の開口部には、該開口部を拡径してなる導入部が設けられたことを特徴とするバスバー装置。 - 請求項2に記載のバスバー装置において、
前記案内孔は、周方向に配置されるコイルの端部の位置に応じて前記ホルダに周方向に複数形成され、
前記導入部は、前記案内孔の開口部を前記案内孔の配置方向である周方向に拡げてなる楕円状をなすことを特徴とするバスバー装置。 - 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のバスバー装置において、
前記ホルダは、周方向に配置された複数のティースを有するステータコアと前記ティースに巻回された複数の前記コイルとを有する固定子の軸方向の端部に配置され、該固定子に係合される係合部を有することを特徴とするバスバー装置。 - 請求項4に記載のバスバー装置において、
前記係合部は、前記固定子と軸方向に係合され、
前記ホルダは、前記固定子の外周面に当接する径方向当接部を備えたことを特徴とするバスバー装置。 - 請求項5に記載のバスバー装置において、
前記係合部は、前記ステータコアと前記コイルとの短絡を防止すべく前記ステータコアに装着されるインシュレータに係合され、
前記径方向当接部は、金属製の前記ステータコアの外周面に当接することを特徴とするバスバー装置。 - 請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載のバスバー装置において、
前記ホルダは、金属製の前記ステータコアの軸方向の端面に当接する軸方向当接部を有することを特徴とするバスバー装置。 - 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のバスバー装置において、
前記接続部は、その一端開口部が前記案内孔の開口部と対向する筒状をなし前記コイルの端部が挿入される保持部を備えたことを特徴とするバスバー装置。 - 有低円筒状のハウジングケースと、
前記ハウジングケースの内周面に固定され、周方向に配置された複数のティースを有するステータコア、及び前記ティースに巻回された複数の前記コイルを有する固定子と、
前記固定子の軸方向の端部に配置され、前記コイルの所定の端部同士を短絡する請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のバスバー装置と
を備えたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項9に記載のブラシレスモータの製造方法であって、
複数の前記コイルの端部を、複数種類の長さに整える長さ調整工程と、
前記ホルダ及び前記固定子を該固定子の軸方向に沿って相対移動させて、前記コイルの端部を、その長さが長い端部から順に、前記案内孔の前記接続部と逆側の開口部から前記案内孔にそれぞれ挿入する挿入工程と、
前記接続部と前記コイルの端部とを電気的に接続する接続工程と
を備えたことを特徴とするブラシレスモータの製造方法。 - 請求項10に記載のブラシレスモータの製造方法において、
前記長さ調整工程では、前記コイルの端部を、第1の端部と、該第1の端部よりも短い第2の端部とが、周方向に交互に設けられるように整えることを特徴とするブラシレスモータの製造方法。
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