JP2023042320A - 減圧乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気時には、基板の中央部の上部空間と、基板の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を低減し、かつ、給気時には、基板の上面に、気体が局所的に衝突することを抑制できる、減圧乾燥装置を提供する。【解決手段】減圧乾燥装置1は、第1整流板61および第2整流板62を備える。第1整流板61は、ステージ20に支持される基板9の上方に位置する。第2整流板62は、第1整流板61の上方に位置する。第1整流板61および第2整流板62は、複数の貫通孔を有する。2枚の整流板61,62により、排気時の流路抵抗を高めることができる。これにより、基板9の中央部の上部空間と、基板9の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を低減できる。また、2枚の整流板61,62により、給気時に基板9の上面へ向かう気流を分散させることができる。したがって、基板9の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、基板の上面に形成された塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥装置に関する。
従来、有機ELティスプレイの製造工程では、基板の上面に、正孔注入層、正孔輸送層、または発光層となる塗布層を形成する。塗布層は、インクジェット装置により、基板の上面に、部分的に塗布される。そして、塗布層が形成された基板は、減圧乾燥装置のチャンバ内に搬送されて、減圧乾燥処理を受ける。これにより、塗布層に含まれる溶剤が気化して、塗布層が乾燥する。
減圧乾燥装置は、基板を収容するチャンバと、チャンバから気体を排出する減圧機構とを備える。従来の減圧乾燥装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2018-49806号公報
従来の減圧乾燥装置では、基板の上方にパンチング板が設けられている。チャンバ内を減圧するときには、塗布層から気化した溶剤の蒸気が、パンチング板の孔を通って、パンチング板の上方へ流れる。そして、当該蒸気が、チャンバの内面と仕切板との間を通って、チャンバの下面に設けられた排気口から、チャンバの外部へ排出される。
従来の構造では、基板の周縁部の上部空間における排気速度が、基板の中央部の上部空間における排気速度よりも速くなる。このため、基板の周縁部よりも、基板の中央部において、塗布層の乾燥が遅れることにより、乾燥ムラが生じる。この傾向は、パンチング板の孔の径が大きいほど顕著となる。したがって、パンチング板の孔の径を小さくすることで、基板の中央部と周縁部の乾燥速度の差を小さくすることができる。
しかしながら、減圧乾燥装置は、チャンバの内部を目標圧力まで減圧した後に、チャンバ内に気体を供給して、チャンバ内の気圧を大気圧へ戻す。そのとき、パンチング板の孔から基板の上面へ向けて、気体が吹き出す。このため、パンチング板の孔の径を小さくすると、孔から吹き出す気体の流速が速くなる。そして、当該気体が、基板9の上面に局所的に衝突することによって、乾燥ムラが生じる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、排気時には、基板の中央部の上部空間と、基板の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を低減し、かつ、給気時には、基板の上面に、気体が局所的に衝突することを抑制できる、減圧乾燥装置を提供することを目的とする。
本願の第1発明は、基板の上面に形成された塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥装置であって、基板を収容するチャンバと、前記チャンバの内部において基板を支持するステージと、前記チャンバに接続された排気機構と、前記チャンバに接続された給気機構と、前記ステージに支持される基板の上方に位置する第1整流板と、前記第1整流板の上方に位置する第2整流板と、を備え、前記第1整流板は、複数の第1貫通孔を有し、前記第2整流板は、複数の第2貫通孔を有し、前記排気機構の動作により、前記ステージに支持される基板の上部空間から、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を通って、前記チャンバの外部へ気体が排出され、前記給気機構の動作により、前記チャンバの内部へ供給される気体が、前記第2貫通孔および前記第1貫通孔を通って、前記上部空間へ導入される。
本願の第2発明は、第1発明の減圧乾燥装置であって、前記第1貫通孔の開口面積は、前記第2貫通孔の開口面積よりも大きい。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の減圧乾燥装置であって、前記第1整流板における前記複数の第1貫通孔の上面視における位置と、前記第2整流板における前記複数の第2貫通孔の上面視における位置と、が異なる。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記給気機構の動作時において、前記ステージに支持された基板と前記第1整流板との上下方向の間隔は、前記第1整流板と前記第2整流板との上下方向の間隔よりも大きい。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記ステージを、下降位置と、前記下降位置よりも高い上昇位置との間で、昇降させる昇降機構をさらに備え、前記昇降機構は、前記排気機構の動作時に、前記ステージを前記上昇位置に配置し、前記給気機構の動作時に、前記ステージを前記下降位置に配置する。
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記複数の第2貫通孔は、前記第2整流板の中央に位置する1つ以上の中央貫通孔と、前記中央貫通孔の周囲に位置する複数の周縁貫通孔と、を有し、前記中央貫通孔の開口面積は、前記周縁貫通孔の開口面積よりも大きい。
本願の第7発明は、第1発明から第6発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記上部空間の周囲を囲む側面整流板をさらに備える。
本願の第1発明~第7発明によれば、2枚の整流板により、排気時の流路抵抗を高めることができる。したがって、基板の中央部の上部空間と、基板の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を低減できる。これにより、基板の上面に形成された塗布層を、均一に乾燥させることができる。また、2枚の整流板により、給気時に基板の上面へ向かう気流を分散させることができる。したがって、基板の上面に、気体が局所的に衝突することを抑制できる。その結果、基板の上面に形成された塗布層に、乾燥ムラが生じることを抑制できる。
特に、本願の第2発明によれば、給気時に、第1貫通孔を通って基板の上面へ向かう気体の速度を低減できる。これにより、基板の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを、より抑制できる。
特に、本願の第3発明によれば、給気時に、第2整流板の第2貫通孔を通過した気体が、第1整流板の上面に当たる。これにより、気流をより分散させることができる。したがって、基板の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを、より抑制できる。
特に、本願の第4発明によれば、給気時に、第1整流板の第1貫通孔から基板の上面へ向かう気流を、より分散させることができる。したがって、基板の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを、より抑制できる。
特に、本願の第5発明によれば、排気時には、ステージを上昇位置に配置する。これにより、基板と第1整流板との間の空間を狭くする。これにより、当該空間における溶剤濃度のムラを低減できる。その結果、基板の上面をより均一に乾燥できる。また、給気時には、ステージを下降位置に配置する。これにより、基板の上面へ向かう気流を、より分散させることができる。したがって、基板の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを、より抑制できる。
特に、本願の第6発明によれば、基板の中央部の上部空間と、基板の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を、より低減できる。これにより、基板の上面に形成された塗布層を、より均一に乾燥させることができる。
特に、本願の第7発明によれば、排気時に、基板の上部空間から側方へ気体が流れることを抑制できる。これにより、基板の上面に形成された塗布層を、より均一に乾燥させることができる。
減圧乾燥装置の縦断面図である。 減圧乾燥装置の横断面図である。 基板の斜視図である。 第1整流板の平面図である。 第2整流板の平面図である。 制御部において実現される機能を概念的に示したブロック図である。 減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。 チャンバ内の気圧の変化を示すグラフである。 第1減圧処理~第4減圧処理のときの、基板、第1整流板、および第2整流板の部分縦断面図である。 基板の部分縦断面図である。 給気処理のときの、基板、第1整流板、および第2整流板の部分縦断面図である。 第1変形例に係る第2整流板の上面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.減圧乾燥装置の構成について>
図1は、本発明の一実施形態に係る減圧乾燥装置1の縦断面図である。図2は、減圧乾燥装置1の横断面図である。この減圧乾燥装置1は、有機ELディスプレイの製造工程において、基板9に対して、減圧乾燥処理を行う装置である。基板9には、矩形のガラス基板が使用される。基板9の上面には、予め、有機材料および溶剤を含む塗布層が、形成されている。塗布層は、減圧乾燥装置1で乾燥されることにより、有機ELディスプレイの正孔注入層、正孔輸送層、または発光層となる。
図3は、基板9の斜視図である。基板9は、上面視において、縦横の長さが異なる長方形状である。図3に示すように、基板9の上面には、有機ELディスプレイの回路パターンを形成する回路領域A1が、複数配列されている。図3の例では、基板9の上面に、4つの矩形の回路領域A1が、2行2列のマトリクス状に配列されている。ただし、回路領域A1の形状、数、配置は、この例に限定されるものではない。
塗布層は、減圧乾燥工程よりも前の塗布工程において、インクジェット装置により、各回路領域A1内に、回路パターンに従って形成される。したがって、各回路領域A1は、塗布層に覆われた部分と、塗布層から露出した部分とを有する。また、隣り合う回路領域A1の間の境界領域A2は、塗布層から露出した部分となる。
図1および図2に示すように、減圧乾燥装置1は、チャンバ10、ステージ20、排気機構30、底面整流板40、側面整流板50、第1整流板61、第2整流板62、給気機構70、および制御部80を備えている。
チャンバ10は、基板9が収容される内部空間を有する耐圧容器である。チャンバ10は、図示を省略した装置フレーム上に固定される。チャンバ10の形状は、扁平な直方体状である。チャンバ10は、略正方形状の底板部11、4つの側壁部12、および略正方形状の天板部13を有する。4つの側壁部12は、底板部11の4つの端辺と、天板部13の4つの端辺とを、上下方向に接続する。
4つの側壁部12のうちの1つには、搬入出口14と、搬入出口14を開閉するシャッタ15とが設けられている。シャッタ15は、エアシリンダ等により構成されるシャッタ駆動機構16と接続されている。シャッタ駆動機構16を動作させると、シャッタ15は、搬入出口14を閉鎖する閉鎖位置と、搬入出口14を開放する開放位置との間で、移動する。シャッタ15が閉鎖位置に配置された状態では、チャンバ10の内部空間が密閉される。シャッタ15が開放位置に配置された状態では、搬入出口14を介して、チャンバ10への基板9の搬入およびチャンバ10からの基板9の搬出を行うことができる。
また、減圧乾燥装置1は、圧力計17を有する。圧力計17は、チャンバ10内の気圧を計測するセンサである。図1に示すように、圧力計17は、チャンバ10の一部分に取り付けられている。圧力計17は、チャンバ10内の気圧を計測し、その計測結果を、制御部80へ出力する。
ステージ20は、チャンバ10の内部において、基板9を支持する支持部である。ステージ20は、複数の支持プレート21を有する。複数の支持プレート21は、水平方向に間隔をあけて配列されている。各支持プレート21の上面には、複数の支持ピン22が立設されている。基板9は、複数の支持プレート21の上部に配置される。そして、複数の支持ピン22の上端部が基板9の下面に接触することにより、基板9が水平姿勢で支持される。
ステージ20の複数の支持プレート21は、昇降機構23に接続されている。図面の煩雑化を避けるため、昇降機構23は、図1において概念的に示されているが、実際には、昇降機構23は、エアシリンダ等のアクチュエータにより構成される。昇降機構23を動作させると、ステージ20は、下降位置H1(図1において実線で示した位置)と、下降位置H1よりも高い上昇位置H2(図1において二点鎖線で示した位置)との間で、上下方向に昇降移動する。このとき、複数の支持プレート21は、一体として昇降移動する。
排気機構30は、チャンバ10の内部空間から気体を排出して、チャンバ10内の気圧を低下させる機構である。図1および図2に示すように、チャンバ10の底板部11には、複数の排気口18が設けられている。複数の排気口18は、ステージ20および後述する底面整流板40の下方に位置する。排気機構30は、複数の排気口18に接続された排気配管31と、排気バルブV1と、真空ポンプ32とを有する。
排気配管31は、複数の分岐配管311と、1本の主配管312とを有する。複数の分岐配管311の一端は、複数の排気口18に、それぞれ接続されている。複数の分岐配管311の他端は、1本に合流して、主配管312の一端に接続されている。主配管312の他端は、真空ポンプ32に接続されている。排気バルブV1は、主配管312の経路上に設けられている。
シャッタ15により搬入出口14を閉鎖した状態で、排気バルブV1を開放し、真空ポンプ32を動作させると、チャンバ10内の気体が、排気配管31を通って、チャンバ10の外部へ排出される。これにより、チャンバ10内の気圧を低下させることができる。
排気バルブV1は、開度を調節可能な開度制御弁である。排気バルブV1は、制御部80からの指令に基づいて、開度を調節する。これにより、複数の排気口18からの排気量を調整することができる。
底面整流板40は、チャンバ10内の気体の流れを規制するためのプレートである。底面整流板40は、ステージ20とチャンバ10の底板部11との間に位置する。より具体的には、底面整流板40は、下降位置H1のステージ20から間隔をあけて下側、かつ、底板部11の上面から間隔をあけて上側に位置する。また、底面整流板40は、底板部11の上面に沿って、水平に拡がる。底面整流板40は、チャンバ10の底板部11に、複数の支柱(図示省略)を介して固定されている。
側面整流板50は、底面整流板40とともに、チャンバ10内の気体の流れを規制するためのプレートである。側面整流板50は、ステージ20に支持される基板9と、チャンバ10の側壁部12との間に位置する。より具体的には、側面整流板50は、ステージ20に支持される基板9の端部から間隔をあけて外側、かつ、側壁部12の内面から間隔をあけて内側に位置する。本実施形態の減圧乾燥装置1は、4つの側面整流板50を有する。各側面整流板50は、側壁部12の内面に沿って拡がる。したがって、4つの側面整流板50は、全体として、基板9を包囲する四角筒状の整流板を形成している。ステージ20に支持される基板9の上部空間は、4つの側面整流板50により囲まれる。
3つの側面整流板50は、チャンバ10の側壁部12に固定されている。ただし、残りの1つの側面整流板50は、基板9の搬入および搬出の経路を確保するために、側壁部12および底面整流板40に対して移動可能となっている。当該1つの側面整流板50は、例えば、シャッタ15とともに移動するように構成される。そうすれば、シャッタ15が閉鎖位置から開放位置へ移動すると、当該側面整流板50も移動し、基板9の搬入および搬出の経路を確保することができる。
第1整流板61および第2整流板62は、底面整流板40および側面整流板50とともに、チャンバ10内の気体の流れを規制するためのプレートである。第1整流板61および第2整流板62は、ステージ20に支持される基板9と、チャンバ10の天板部13との間に位置する。第1整流板61および第2整流板62は、それぞれ、天板部13の下面に沿って、水平に拡がる。すなわち、第1整流板61および第2整流板62は、互いに平行な姿勢で配置される。第1整流板61および第2整流板62は、チャンバ10の天板部13に、複数の支柱(図示省略)を介して固定されている。
第1整流板61は、上昇位置H2のステージ20に支持される基板9から間隔をあけて上方に位置する。図4は、第1整流板61の平面図である。図4に示すように、第1整流板61は、上面視において矩形状のプレートである。第1整流板61の上面視における各辺の長さは、長方形状の基板9の長辺および短辺のいずれよりも長い。このため、ステージ20上に配置される基板9の向きに拘わらず、上面視において、第1整流板61は、基板9よりも大きい。
図4に示すように、第1整流板61は、複数の第1貫通孔610を有する。複数の第1貫通孔610は、それぞれ、第1整流板61を上下方向に貫通する。図4の例では、各第1貫通孔610の形状は、上面視において円形である。ただし、各第1貫通孔610の形状は、楕円や矩形などの他の形状であってもよい。また、第1整流板61が有する第1貫通孔610の数も、図4の例には限定されない。複数の第1貫通孔610は、互いに間隔をあけて、規則的に配列されている。図4の例では、複数の第1貫通孔610は、互いに均等な間隔をあけて、グリッド状に配列されている。
第2整流板62は、第1整流板61から間隔をあけて上方、かつ、天板部13の下面から間隔をあけて下方に位置する。図5は、第2整流板62の平面図である。図5に示すように、第2整流板62は、上面視において矩形状のプレートである。第2整流板62は、上面視において、第1整流板61と同等の大きさを有する。
図5に示すように、第2整流板62は、複数の第2貫通孔620を有する。複数の第2貫通孔620は、それぞれ、第2整流板62を上下方向に貫通する。図5の例では、各第2貫通孔620の形状は、上面視において円形である。ただし、各第2貫通孔620の形状は、楕円や矩形などの他の形状であってもよい。また、第2整流板62が有する第2貫通孔620の数も、図5の例には限定されない。複数の第2貫通孔620は、互いに間隔をあけて、規則的に配列されている。図5の例では、複数の第2貫通孔620は、互いに均等な間隔をあけて、グリッド状に配列されている。
各第1貫通孔610の開口径r1は、各第2貫通孔620の開口径r2よりも、大きい。したがって、各第1貫通孔610の開口面積は、各第2貫通孔620の開口面積よりも、大きい。第1貫通孔610の開口径r1は、例えば、8mm以上かつ12mm以下とされる。第2貫通孔620の開口径r2は、例えば、3mm以上かつ5mm以下とされる。ただし、第1貫通孔610の開口径r1および第2貫通孔620の開口径r2は、上記の数値範囲に限定されるものではない。
本実施形態では、複数の第1貫通孔610と、複数の第2貫通孔620とは、同一のピッチで配列されている。ただし、複数の第1貫通孔610と、複数の第2貫通孔620とは、上面視においてずれた位置に設けられている。したがって、第1整流板61における複数の第1貫通孔610の上面視における位置と、第2整流板62における複数の第2貫通孔620の上面視における位置とは、異なる。より具体的には、各第1貫通孔610の中心と、各第2貫通孔620の中心とは、上面視において異なる位置に存在する。
給気機構70は、減圧乾燥処理の最後に、チャンバ10内を大気圧に戻すための機構である。図1に示すように、チャンバ10の底板部11には、給気口19が設けられている。給気口19は、底面整流板40の下方に位置する。給気機構70は、給気口19に接続された給気配管71と、給気バルブV2と、給気源72とを有する。給気配管71の一端は、給気口19に接続されている。給気配管71の他端は、給気源72に接続されている。給気バルブV2は、給気配管71の経路上に設けられている。
給気バルブV2を開放すると、給気源72から給気配管71および給気口19を通ってチャンバ10の内部空間へ、気体が供給される。これにより、チャンバ10内の気圧を上昇させることができる。なお、給気源72から供給される気体は、窒素ガス等の不活性ガスであってもよく、あるいは、クリーンドライエアであってもよい。
制御部80は、減圧乾燥装置1の各部を動作制御するためのユニットである。制御部80は、CPU等のプロセッサ801、RAM等のメモリ802、およびハードディスクドライブ等の記憶部803を有するコンピュータにより構成される。記憶部803には、減圧乾燥処理を実行するためのコンピュータプログラムおよび各種データが記憶されている。制御部80は、記憶部803からメモリ802にコンピュータプログラムおよび各種データを読み出し、当該コンピュータプログラムおよびデータに従ってプロセッサ801が演算処理を行うことにより、減圧乾燥装置1内の各部を動作制御する。
図6は、制御部80において実現される機能を概念的に示したブロック図である。図6に示すように、制御部80は、シャッタ駆動機構16、圧力計17、昇降機構23、排気バルブV1、真空ポンプ32、および給気バルブV2と、それぞれ電気的に接続されている。制御部80は、圧力計17から出力される計測値を参照しつつ、上記各部の動作を制御する。これにより、減圧乾燥装置1における基板9の減圧乾燥処理が進行する。
図6に概念的に示したように、制御部80は、シャッタ制御部81、昇降制御部82、排気制御部83、ポンプ制御部84、および給気制御部85を有する。シャッタ制御部81は、シャッタ駆動機構16の動作を制御する。昇降制御部82は、昇降機構23の動作を制御する。排気制御部83は、排気バルブV1の開閉状態および開度を制御する。ポンプ制御部84は、真空ポンプ32の動作を制御する。給気制御部85は、給気バルブV2の開閉状態を制御する。これらの各部の機能は、上述したコンピュータプログラムおよび各種データに基づいて、プロセッサ801が動作することにより実現される。
<2.減圧乾燥処理について>
続いて、上記の減圧乾燥装置1を用いた基板9の減圧乾燥処理について、説明する。図7は、減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。図8は、チャンバ10内の気圧の変化を示すグラフである。
減圧乾燥処理を行うときには、まず、基板9をチャンバ10内に搬入する(ステップS1)。基板9の上面には、未乾燥の塗布層90が形成されている。ステップS1では、まず、シャッタ制御部81が、シャッタ駆動機構16を動作させる。これにより、シャッタ15を閉鎖位置から開放位置へ移動させて、搬入出口14を開放する。そして、図示を省略した搬送ロボットが、フォーク状のハンドに基板9を載置しつつ、チャンバ10の搬入出口14を介して、チャンバ10の内部へ、基板9を搬入する。
この時点では、ステージ20は、下降位置H1に配置されている。搬送ロボットは、ステージ20の複数の支持プレート21の間へフォーク状のハンドを挿入しつつ、ステージ20の上面に基板9を載置する。ステージ20上に基板9が載置されると、搬送ロボットは、チャンバ10の外部へ退避する。そして、シャッタ制御部81が、再びシャッタ駆動機構16を動作させて、シャッタ15を開放位置から閉鎖位置へ移動させることにより、搬入出口14を閉鎖する。これにより、チャンバ10の内部空間に基板9が収容される。
次に、減圧乾燥装置1は、ステージ20を上昇させる(ステップS2)。具体的には、昇降制御部82が、昇降機構23を動作させることにより、ステージ20を、下降位置H1から上昇位置H2へ移動させる。図1に示すように、ステージ20が上昇位置H2に配置されると、基板9の上面は、第1整流板61と、僅かな隙間を介して対向する。
続いて、減圧乾燥装置1は、チャンバ10内の減圧を開始する。すなわち、ポンプ制御部84が、真空ポンプ32の動作を開始する。また、排気制御部83が、排気バルブV1を開放する。これにより、チャンバ10から排気配管31への気体の排出を開始する。減圧乾燥装置1は、まず、チャンバ10の内部空間を緩やかに減圧する、第1減圧処理を行う(ステップS3)。この第1減圧処理では、排気制御部83が、排気バルブV1の開度を、後述する第2減圧処理~第4減圧処理よりも小さい開度に調整する。これにより、図8の時刻t1~t2のように、チャンバ10内の気圧が、大気圧P0から緩やかに低下する。
チャンバ10の内部空間の気圧が、大気圧P0よりも低い所定の第1圧力P1まで低下すると、次に、減圧乾燥装置1は、チャンバ10の内部空間を急速に減圧する、第2減圧処理を行う(ステップS4)。この第2減圧処理では、排気制御部83が、排気バルブV1の開度を、第1減圧処理よりも大きい開度に変更する。これにより、図8の時刻t2~t3のように、チャンバ10内の気圧が、第1減圧処理よりも急速に低下する。
チャンバ10の内部空間の気圧が、第1圧力P1よりも低い所定の第2圧力P2まで低下すると、塗布層からの溶剤の気化がさらに活発になる。そこで、減圧乾燥装置1は、塗布層の沸騰を抑制するために、チャンバ10の内部空間を緩やかに減圧する、第3減圧処理を行う(ステップS5)。この第3減圧処理では、排気制御部83が、排気バルブV1の開度を、第2減圧処理よりも小さい開度に変更する。これにより、図8の時刻t3~t4のように、チャンバ10内の気圧が、第2減圧処理よりも緩やかに低下する。
やがて、チャンバ10内の気圧が、第2圧力P2よりも低い所定の第3圧力P3まで低下し、塗布層からの溶剤の気化がほぼ終了すると、次に、減圧乾燥装置1は、チャンバ10の内部空間を再び急速に減圧する、第4減圧処理を行う(ステップS6)。この第4減圧処理では、排気制御部83が、排気バルブV1の開度を、第3減圧処理よりも大きい開度に変更する。これにより、図8の時刻t4~t5のように、チャンバ10内の気圧が、再び急速に低下する。
そして、チャンバ10内の気圧が、第3圧力P3よりも低い所定の第4圧力P4に到達すると、排気制御部83は、排気バルブV1を閉鎖する。これにより、チャンバ10からの気体の排出が終了し、塗布層の乾燥が完了する。
図9は、第1減圧処理~第4減圧処理のときの、基板9、第1整流板61、および第2整流板62の部分縦断面図である。図9中に破線矢印で示したように、第1減圧処理~第4減圧処理では、基板9の上部空間に存在する気体が、第1整流板61の複数の第1貫通孔610へ吸い込まれる。このため、基板9の上部空間に存在する気体は、上方へ向けて流れる。これにより、基板9の上面に沿って水平方向に気体が流れることを、抑制できる。したがって、基板9の中央部と周縁部との間で、溶剤の気化の速さに差が生じることを、抑制できる。その結果、基板9の上面に形成された塗布層を、均一に乾燥させることができる。
また、図9の破線矢印のように、第1整流板61の複数の第1貫通孔610を通過した気体は、第2整流板62の複数の第2貫通孔620を通って、第2整流板62の上方へ流れる。このとき、複数の第2貫通孔620の開口面積は、複数の第1貫通孔610の開口面積よりも、小さい。このため、基板9の上部空間から上方へ向かう気体の速度は、複数の第2貫通孔620によって律速される。したがって、基板9の中央部の上部空間においても、基板9の周縁部の上部空間においても、上方へ向かう気体の速度は、複数の第2貫通孔620によって律速された速さとなる。これにより、基板9の中央部の上部空間と、基板9の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を低減できる。その結果、基板9の上面に形成された塗布層を、より均一に乾燥させることができる。
複数の第2貫通孔620を通過した気体は、その後、第2整流板62と天板部13との間の空間、側面整流板50と側壁部12との間の空間、底面整流板40と底板部11との間の空間、および複数の排気口18を通って、チャンバ10の外部へ排出される。このように、気体が基板9から離れた空間を流れることで、基板9の近傍に形成される気流を低減できる。特に、基板9の周縁部において気流が集中することを抑制できる。その結果、基板9の上面に形成された塗布層を、より均一に乾燥させることができる。
本実施形態では、図10のように、基板9の上面が、塗布層90に覆われた塗布領域A3と、塗布層90から露出した非塗布領域A4とを有する。塗布領域A3からは溶剤が気化するのに対し、非塗布領域A4からは溶剤が気化しない。このため、仮に、基板9の上面に沿って水平に流れる気流が存在すると、塗布領域A3から非塗布領域A4へ向けて気体が流れる部分と、非塗布領域A4から塗布領域A3へ向けて気体が流れる部分とで、溶剤の蒸気の影響で、塗布領域A3の端縁部における乾燥の進行度合いに差が生じる。しかしながら、この減圧乾燥装置1では、基板9の上面に沿って気流が生じることを、抑制できる。したがって、溶剤の蒸気に起因する塗布層90の乾燥ムラを抑制できる。
また、第1減圧処理~第4減圧処理の間、ステージ20は、上昇位置H2に配置されている。これにより、ステージ20に支持された基板9と、第1整流板61との間の空間が狭くなっている。このようにすれば、基板9の上部空間における溶剤濃度のムラを、より低減できる。その結果、基板9の上面に形成された塗布層を、より均一に乾燥させることができる。
第1減圧処理~第4減圧処理が完了すると、減圧乾燥装置1は、ステージ20を下降させる(ステップS7)。具体的には、昇降制御部82が、昇降機構23を動作させることにより、ステージ20を、上昇位置H2から下降位置H1へ移動させる。図1に示すように、ステージ20が下降位置H1に配置されると、上昇位置H2の場合と比べて、基板9の上面と第1整流板61との間に、広い空間が形成される。
この状態で、減圧乾燥装置1は、チャンバ10内の空間を大気圧P0へ戻すための給気処理を行う(ステップS8)。具体的には、給気制御部85が、給気バルブV2を開放する。そうすると、給気源72から給気配管71および給気口19を通ってチャンバ10の内部へ、気体が供給される。これにより、図8の時刻t5~t6のように、チャンバ10内の気圧が、再び大気圧P0まで上昇する。このとき、給気口19から供給される気体は、底面整流板40と底板部11との間、および側面整流板50と側壁部12との間を通って、第2整流板62と天板部13との間へ流れる。そして、当該気体が、第2整流板62の複数の第2貫通孔620と、第1整流板61の複数の第1貫通孔610とを通って、基板9の上部空間へ導入される。
このように、給気口19から供給される気体は、基板9から離れた空間を通って、第2整流板62の上方へ流れる。そして、第1整流板61の複数の第1貫通孔610から、基板9の上部空間へ向けて、下向きに気体が供給される。これにより、基板9の上面に沿って気体が流れることを、抑制できる。
図11は、給気処理のときの、基板9、第1整流板61、および第2整流板62の部分縦断面図である。上述の通り、第1整流板61における複数の第1貫通孔610の上面視における位置と、第2整流板62における複数の第2貫通孔620の上面視における位置とが、異なる。このため、図11中に破線矢印で示したように、給気処理のときには、第2貫通孔620を通過した気体が、第1整流板61の上面に当たる。これにより、気流を分散させることができる。したがって、基板9の上面に、気体が局所的に衝突することにより生じる乾燥ムラを、低減できる。
特に、この減圧乾燥装置1では、第2貫通孔620の開口面積が、第1貫通孔610の開口面積よりも小さい。このため、気体は、第2貫通孔620から下方へ向けて、勢いよく吹き出す。しかしながら、第2貫通孔620から吹き出した当該気体は、第1整流板61の上面に当たることにより、分散される。したがって、第2貫通孔620から吹き出す高速の気体が、直接基板9の上面に当たることがない。これにより、基板9の上面における塗布層の乾燥ムラを、抑制できる。
チャンバ10内の気圧が大気圧P0に到達すると、給気制御部85は、給気バルブV2を閉鎖する。そして、シャッタ制御部81が、シャッタ駆動機構16を動作させる。これにより、シャッタ15を閉鎖位置から開放位置へ移動させて、搬入出口14を開放する。そして、図示を省略した搬送ロボットが、ステージ20に支持された乾燥済みの基板9を、チャンバ10の外部へ搬出する(ステップS9)。以上をもって、1枚の基板9に対する減圧乾燥処理を終了する。
以上のように、この減圧乾燥装置1では、第1減圧処理~第4減圧処理において、排気機構30を動作させて、チャンバ10から気体を排出する。このとき、ステージ20に支持される基板9の上部空間に存在する気体が、第1貫通孔610および第2貫通孔620を通って、排気される。このように、2枚の整流板61,62の貫通孔を通過させることで、排気時の流路抵抗を高めることができる。したがって、基板9の中央部の上部空間と、基板9の周縁部の上部空間とのいずれにおいても、排気速度は、上記の流路抵抗に律速された速さとなる。これにより、基板9の中央部の上部空間と、基板9の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を低減できる。その結果、基板9の上面に形成された塗布層を、均一に乾燥させることができる。
特に、本実施形態では、上段に配置される第2貫通孔620の開口面積が、下段に配置される第1貫通孔610の開口面積よりも小さい。このため、排気時における気体の速度は、第2貫通孔620によって律速された速さとなる。
一方、減圧乾燥装置1は、給気処理のときには、給気機構70を動作させて、チャンバ10の内部へ気体を供給する。このとき、チャンバ10の内部へ供給される気体は、第2貫通孔620および第1貫通孔610を通って、基板9の上部空間へ導入される。このように、2枚の整流板61,62の貫通孔を通過させることで、給気時に基板9の上面へ向かう気流を分散させることができる。したがって、基板9の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを抑制できる。
特に、本実施形態では、第1整流板61における複数の第1貫通孔610の上面視における位置と、第2整流板62における複数の第2貫通孔620の上面視における位置とが、異なる。このため、給気処理のときには、第2整流板62の第2貫通孔620を通過した気体が、第1整流板61に当たる。これにより、気流をより分散させることができる。したがって、基板9の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを、より抑制できる。
また、本実施形態では、下段に配置される第1貫通孔610の開口面積が、上段に配置される第2貫通孔620の開口面積よりも大きい。このため、給気時に、下段の第1貫通孔610から基板9の上面へ向かう気体の速度を低減できる。したがって、基板9の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを、より低減できる。
また、本実施形態では、給気機構70の動作時において、ステージ20に支持された基板9と第1整流板61との上下方向の間隔が、第1整流板61と第2整流板62との上下方向の間隔よりも大きい。このように、基板9と第1整流板61との距離を大きくすれば、第1整流板61の第1貫通孔610から基板9の上面へ向かう気流を、より分散させることができる。したがって、基板9の上面に、気体の衝突による乾燥ムラが生じることを、より抑制できる。
また、本実施形態では、昇降機構23が、排気機構30の動作時には、ステージ20を上昇位置H2に配置し、給気機構70の動作時には、ステージ20を下降位置H1に配置する。このようにすれば、第1減圧処理~第4減圧処理のときには、基板9と第1整流板61との間の空間を狭くして、当該空間における溶剤濃度のムラを低減できるとともに、給気処理時には、当該空間を広くして、基板9の上面へ向かう気流を、より分散させることができる。これにより、基板9の上面における乾燥ムラを、さらに低減できる。
また、本実施形態の減圧乾燥装置1は、第1整流板61および第2整流板62だけではなく、基板9の上部空間の周囲を囲む側面整流板50を備える。このようにすれば、第1減圧処理~第4減圧処理のときに、基板9の上部空間から側方へ気体が流れることを、抑制できる。また、給気処理時に、基板9の上部空間へ向けて側方から気体が流れることを、抑制できる。その結果、基板9の上面における乾燥ムラを、より抑制できる、
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記実施形態との差異点を中心として説明する。
<3-1.第1変形例>
図12は、第1変形例に係る第2整流板62の上面図である。図12の例では、複数の第2貫通孔620が、1つの中央貫通孔620Aと、複数の周縁貫通孔620Bとを有する。中央貫通孔620Aは、第2整流板62の中央に位置する。複数の周縁貫通孔620Bは、中央貫通孔620Aの周囲に位置する。中央貫通孔620Aの開口面積は、周縁貫通孔620Bの開口面積よりも大きい。このようにすれば、排気口18に比較的近い周縁貫通孔620Bを経由する排気経路と、排気口18から比較的遠い中央貫通孔620Aを経由する排気経路との間で、流路抵抗がより均等となる。したがって、基板9の中央部の上部空間と、基板9の周縁部の上部空間との間で、排気速度の差を、より低減できる。これにより、基板9の上面を、より均一に乾燥できる。
なお、図12の例では、第2整流板62に設けられる中央貫通孔620Aの数が、1つであった。しかしながら、第2整流板62に設けられる中央貫通孔620Aの数は、2つ以上であってもよい。
<3-2.第2変形例>
複数の排気口18は、チャンバ10の底板部11ではなく、天板部13に設けられていてもよい。この場合、底面整流板40および側面整流板50を省略できる。排気機構30の動作時には、基板9の上部空間に存在する気体が、複数の第1貫通孔610および複数の第2貫通孔620を通過し、そのまま、天板部13に設けられた複数の排気口18を通って、チャンバ10の外部へ排出される。また、給気機構70の動作時には、天板部13に設けられた複数の給気口19を通って、チャンバ10内に気体が供給され、そのまま、複数の第2貫通孔620および複数の第1貫通孔610を通って、基板9の上部空間へ、気体が導入される。
<3-3.他の変形例>
上記の実施形態では、ステージ20に支持される基板90の上方に、第1整流板61および第2整流板62の2枚の整流板が配置されていた。しかしながら、ステージ20に支持される基板90の上方に、複数の貫通孔を有する整流板が、3枚以上配置されていてもよい。その場合、貫通孔の開口面積は、下側に配置される整流板ほど、大きくすることが望ましい。また、上下方向に隣り合う2枚の整流板においては、貫通孔の中心が異なる位置に存在することが望ましい。
減圧乾燥処理を行うときのチャンバ10内の気圧の変化は、必ずしも図8の通りでなくてもよい。減圧乾燥装置1は、上述した第1減圧処理~第4減圧処理とは異なる手順で、チャンバ10内を減圧するものであってもよい。
また、上記の実施形態の減圧乾燥装置1は、基板9上の塗布層90を、減圧のみにより乾燥させるものであった。しかしながら、減圧乾燥装置1は、減圧および加熱により、基板9上の塗布層90を乾燥させるものであってもよい。
また、上記の実施形態では、チャンバ10の側壁部12に、基板9の搬入出口14が設けられていた。しかしながら、減圧乾燥装置1は、チャンバ10の天板部13を開くことにより、チャンバ10を開放して、基板9を搬入および搬出する構造であってもよい。また、減圧乾燥装置1は、チャンバ10の4つの側壁部12および天板部13が、一体の蓋部を構成し、当該蓋部を開くことにより、チャンバ10を開放して、基板9を搬入および搬出する構造であってもよい。
また、上記の実施形態の減圧乾燥装置1は、有機ELディスプレイ用の基板を処理するものであった。しかしながら、本発明の減圧乾燥装置は、液晶ディスプレイや半導体ウェハなどの他の精密電子部品用の基板を処理するものであってもよい。
また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 減圧乾燥装置
9 基板
10 チャンバ
11 底板部
12 側壁部
13 天板部
14 搬入出口
15 シャッタ
16 シャッタ駆動機構
17 圧力計
18 排気口
19 給気口
20 ステージ
21 支持プレート
22 支持ピン
23 昇降機構
30 排気機構
31 排気配管
32 真空ポンプ
40 底面整流板
50 側面整流板
61 第1整流板
62 第2整流板
70 給気機構
71 給気配管
72 給気源
80 制御部
81 シャッタ制御部
82 昇降制御部
83 排気制御部
84 ポンプ制御部
85 給気制御部
90 塗布層
311 分岐配管
312 主配管
610 第1貫通孔
620 第2貫通孔
620A 中央貫通孔
620B 周縁貫通孔
H1 下降位置
H2 上昇位置
V1 排気バルブ
V2 給気バルブ

Claims (8)

  1. 基板の上面に形成された塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥装置であって、
    基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバの内部において基板を支持するステージと、
    前記チャンバに接続された排気機構と、
    前記チャンバに接続された給気機構と、
    前記ステージに支持される基板の上方に位置する第1整流板と、
    前記第1整流板の上方に位置する第2整流板と、
    を備え、
    前記第1整流板は、複数の第1貫通孔を有し、
    前記第2整流板は、複数の第2貫通孔を有し、
    前記排気機構の動作により、前記ステージに支持される基板の上部空間から、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を通って、前記チャンバの外部へ気体が排出され、
    前記給気機構の動作により、前記チャンバの内部へ供給される気体が、前記第2貫通孔および前記第1貫通孔を通って、前記上部空間へ導入される、減圧乾燥装置。
  2. 請求項1に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記第1貫通孔の開口面積は、前記第2貫通孔の開口面積よりも大きい、減圧乾燥装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記第1整流板における前記複数の第1貫通孔の上面視における位置と、
    前記第2整流板における前記複数の第2貫通孔の上面視における位置と、
    が異なる、減圧乾燥装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記給気機構の動作時において、前記ステージに支持された基板と前記第1整流板との上下方向の間隔は、前記第1整流板と前記第2整流板との上下方向の間隔よりも大きい、減圧乾燥装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記ステージを、下降位置と、前記下降位置よりも高い上昇位置との間で、昇降させる昇降機構
    をさらに備え、
    前記昇降機構は、前記排気機構の動作時に、前記ステージを前記上昇位置に配置し、前記給気機構の動作時に、前記ステージを前記下降位置に配置する、減圧乾燥装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記複数の第2貫通孔は、
    前記第2整流板の中央に位置する1つ以上の中央貫通孔と、
    前記中央貫通孔の周囲に位置する複数の周縁貫通孔と、
    を有し、
    前記中央貫通孔の開口面積は、前記周縁貫通孔の開口面積よりも大きい、減圧乾燥装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記上部空間の周囲を囲む側面整流板
    をさらに備える、減圧乾燥装置。
  8. 請求項7に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記ステージの下方に位置する排気口
    をさらに備え、
    前記排気機構は、前記排気口を介して前記チャンバから気体を排出する、減圧乾燥装置。
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