JP2023039734A - 食品具材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水または湯で戻して吸水させることで、柔らかく、口腔内でとろけるようなソフトな食感が得られる食品具材、およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る食品具材は、2%以上20%以下の水分と固形分とからなる食品具材であって、前記固形分は、アルギン酸2価カチオン塩およびアルギン酸1価カチオン塩を含むアルギン酸塩と、前記アルギン酸塩の1/20~1倍の質量のサイリウムシードガムと、アルギン酸塩以外の2価カチオン塩と、アルギン酸塩以外の1価カチオン塩とを含み、前記アルギン酸塩における2価カチオンの含有量が、前記アルギン酸塩のモノマー単位に対し0.04~0.3倍モル、前記アルギン酸塩における1価カチオンの含有量が、前記アルギン酸塩のモノマー単位に対し0.1~0.7倍モル、前記2価カチオンと前記1価カチオンとのモル比(2価カチオン:1価カチオン)が、1.0:0.35~1.0:8.7、前記アルギン酸塩の含有量が、前記アルギン酸以外の2価カチオン塩および1価カチオン塩を除いた固形分全量の25%以上96%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、食品具材およびその製造方法に関する。
食の高級化が進んでいるものの、調理に十分な時間を割くのが難しい場合もあり、簡便に喫食できる美味しい食品原料が望まれている。また、食品ロスの問題や環境、流通に負荷をかけないエコロジーの問題から、保存性の良い食品原料も望まれている。動物性の食材については、菜食主義のために摂取しない人、あるいは宗教上の理由から摂取できない人も増えている。簡単に美味しく喫食でき、なるべく非動物性の食品原料(具材)であれば、より多くの人々の要求に対応できることが期待される。
特許文献1には、寒天及びアルギン酸塩を重量比1:1~1:20で含む乾燥組成物が記載されている。アルギン酸塩には、1価カチオンと2価カチオンが含まれ、アルギン酸塩のモノマー単位に対し、2価カチオンが0.04~0.30倍モル、1価カチオンが0.10~0.70倍モルであり、さらに、2価カチオンと1価カチオンとのモル比が1.0:0.35~1.0:8.70に規定されている。乾燥組成物は、20℃の蒸留水及び90℃の蒸留水に吸水膨潤し、いずれの場合も乾燥組成物の15~100倍の重量のゲルになる。
特許文献2には、寒天、カラギナン、ファーセレラン、ジェランガムから選ばれた一種を主剤とする所定形状のゲル成形体を冷凍して得られる食品具材(乾物)が記載されている。特許文献2は、寒天等の原料海藻から製造する食品具材の食感に着目したものであり。特許文献2の食品具材(乾物)は、容易に水戻しまたは湯戻しすることができ、弾力性を有するソフトな食感である。
特許文献3には、水中において温度変化によりゾル-ゲル転移する成分を含む複数種の多糖類からなる乾物を、熱水に、乾燥成分の一部は溶解せずに吸水して膨潤し残部は溶解するがその溶液成分が実質的に溶出しない時間浸した後、冷水に浸して、吸水膨潤した膨潤物成分とゾル-ゲル転移によりゲル化したゼリー成分とが混在した状態とした食品具材が記載されている。水中において温度変化によりゾル-ゲル転移する成分として、アルギン酸ナトリウムとサイリウムシードガムの混合系である物が記載されている。
特許文献4には、カラギナンキサンタンガム、ファーセレランから選択された少なくとも一種の糊料と、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガムから選択された少なくとも一種の増粘剤とを用いて形成し、乾物状になる食品具材が記載されている。水戻しまたは湯戻しした際には、従来にない食感が得られる食品具材である。この食品具材には、必要に応じてサイリウムシードガムを添加しても良いとされている。
特許文献5には、水において膨潤可能な水溶性多糖類からなる膨潤剤及び該膨潤剤の膨潤を抑制する膨潤抑制剤が溶液状態で混合され均一化された後乾燥された組成物が記載されている。膨潤剤としてはサイリウムシードガムが挙げられており、膨潤抑制剤としてはアルギン酸塩が挙げられている。特許文献6には、寒天とアルギン酸塩を主成分とし、米状に成形された米状食品が記載されている。特許文献6においては、アルギン酸塩を寒天と組み合わせたことにより。適度なカルシウムイオンとの置換を可能として、米と同様の食感及び復元性が実現された。
特開2015-42163号公報 特開平8-173062号公報 特開平9-234004号公報 特開平5-153919号公報 国際公開第2006/013954号 特開2012-80806号公報
特許文献1は、アルギン酸塩と寒天とを併用し、さらにカルシウムイオンおよびナトリウムイオンを制御したものであり、こうした組成物が水や湯で戻された場合にはゲル性が強いものとなる。したがって、柔らかく、口腔内で溶けてしまうような食感は得られない。また、アルギン酸カルシウムと寒天の結合が強く、糖度の高い溶液や、塩濃度の高い溶液には戻すことは困難であった。特許文献2の食品具材の場合も同様であり、水戻しまたは湯戻ししても、柔らかくとろけるような食感にはならなかった。
特許文献3には、アルギン酸ナトリウムとサイリウムシードガムの混合系の具体的な例は記載されておらず、カルシウムの使用量についての記載もない。また、吸水後の食感はクラゲ状と記載されているように、柔らかいソフトなものではない。特許文献4の食品具材は、カラギナンの配合割合が多いことから、吸水後の食感がクラゲ様のように硬めのものとなる。またカラギナンが多いことから、糖度の高い溶液や、塩濃度の高い溶液には戻すことは困難であった。
特許文献5には、膨潤抑制剤としてアルギン酸塩を用いた実施例は示されていない。アルギン酸塩をゲル化させるためにカルシウム水溶液を添加した場合には、瞬間にゲル化し、いわゆるプリセット状態となってしまう。両者の水溶液を混合し均一化するのが困難であることに加え、カルシウム添加量により吸水倍率が大きく異なり所望の物性が得られないためである。実施例に示されているものは、混合溶液をドラムドライヤーで乾燥した粉末状のものだけであり、食感に関しては検討されていない。
特許文献6では、低カロリーであり、食感が米に近く、さらに炊飯の際に溶け出しが可及的に少ない米様食品を目的としており、柔らかくソフトな食感は意図されていない。
水または湯で戻して吸水させるという簡便な方法により、柔らかくソフトな食感が得られる食品具材は、未だ得られていないのが現状である。
そこで本発明は、水または湯で戻して吸水させることで、柔らかく、口腔内でとろけるようなソフトな食感が得られる食品具材、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定の割合で配合されたサイシウムシードガムおよびアルギン酸塩に加えて、所定量かつ所定割合の2価カチオンおよび1価カチオンを含有し、水分含量およびアルギン酸塩含有量が所定範囲内に規定された乾燥物からなる食品具材は、水または湯で戻して吸水させることにより、柔らかく、口腔内でとろけるようなソフトな食感が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る食品具材は、2%以上20%以下の水分と固形分とからなる食品具材であって、前記固形分は、アルギン酸2価カチオン塩およびアルギン酸1価カチオン塩を含むアルギン酸塩と、前記アルギン酸塩の1/20~1倍の質量のサイリウムシードガムと、アルギン酸塩以外の2価カチオン塩と、アルギン酸塩以外の1価カチオン塩とを含み、前記アルギン酸塩における2価カチオンの含有量が、前記アルギン酸塩のモノマー単位に対し0.04~0.3倍モル、前記アルギン酸塩における1価カチオンの含有量が、前記アルギン酸塩のモノマー単位に対し0.1~0.7倍モル、前記2価カチオンと前記1価カチオンとのモル比(2価カチオン:1価カチオン)が、1.0:0.35~1.0:8.7、前記アルギン酸塩の含有量が、前記アルギン酸塩以外の2価カチオン塩および1価カチオン塩を除いた固形分全量の25%以上96%以下であることを特徴とする。
本発明の食品具材の製造方法は、アルギン酸塩とサイリウムシードガムとを水に溶解させて溶解液を得る工程と、前記溶解液に1価カチオンおよび2価カチオンを作用させて、アルギン酸塩およびサイリウムシードガムを含む混合ゲルを得る工程と、前記混合ゲルを乾燥する工程とを備える。
本発明によれば、水または湯で戻して吸水させることで、柔らかく、口腔内でとろけるようなソフトな食感が得られる食品具材、およびその製造方法を提供することができる。
本発明の食品具材は、水分と固形分とからなり、固形分は、アルギン酸2価カチオン塩およびアルギン酸1価カチオン塩を含むアルギン酸塩と、サイリウムシードガムとを所定の配合比で含有する。固形分中には、アルギン酸塩以外の2価カチオン塩、およびアルギン酸塩以外の1価カチオン塩が、さらに含有されている。
アルギン酸2価カチオン塩としては、例えばアルギン酸カルシウムが挙げられる。アルギン酸1価カチオン塩としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、およびアルギン酸アンモニウムが挙げられる。
アルギン酸塩における2価カチオンおよび1価カチオンの含有量は、アルギン酸塩のモノマー単位に対して、それぞれ所定の範囲内に規定される。アルギン酸塩のモノマー単位とは、アルギン酸を構成するβ-D-マンヌロン酸またはα-L-グルロン酸(すなわち、C6107で表すことができる単糖)1モルをさす。1価カチオンおよび2価カチオンのモル数は、ICP(誘電結合プラズマ)発光分析装置を使用して、含有量(質量%)を測定することにより算出することができる。
2価カチオンの含有量は、アルギン酸塩のモノマー単位(C6107)に対し、0.04~0.3倍モルである。2価カチオンの含有量がアルギン酸塩のモノマー単位1モルに対し0.04倍モル未満の場合には、最終製品としての食品具材に十分な耐熱性が付与されず、殺菌工程で溶けだしてしまう。一方、2価カチオンが0.3倍モルより多いと最終製品の吸水性が悪くなり、水または湯で戻しした際に所望の食感が得られない。2価カチオンの含有量は、アルギン酸塩のモノマー単位に対し、0.1~0.25倍モルであることが好ましく、0.15~0.20倍モルであることがより好ましい。
1価カチオンの含有量は、アルギン酸塩のモノマー単位に対し、0.1~0.7倍モルである。1価カチオンの含有量がアルギン酸塩のモノマー単位1モルに対して0.1倍モル未満の場合には、最終製品の吸水性が悪く、水または湯で戻した際に所望の食感が得られない。一方、1価カチオンが0.7倍モルより多い場合には、最終製品の耐熱性が不十分となって殺菌工程で溶け出してしまう。1価カチオンの含有量は、アルギン酸塩のモノマー単位に対し、0.3~0.5倍モルであることが好ましく、0.35~0.5倍モルであることがより好ましい。
さらに、アルギン酸塩における2価カチオンと1価カチオンとのモル比(2価カチオン:1価カチオン)は、1.0:0.35~1.0:8.7に規定される。2価カチオンの割合が多すぎる場合には、最終製品の吸水性が不十分となり、水または湯で戻した際に所望の食感が得られない。一方、2価カチオンの割合が少なすぎる場合には、最終製品の耐熱性が不十分となって殺菌工程で溶け出してしまう。モル比(2価カチオン:1価カチオン)は、1.0:0.9~1.0:5.0であることが好ましく、1.0:0.9~1.0:4.5であることがより好ましい。
サイリウムシードガムは、オオバコの一種であるPlantago種植物種子から採取された多糖類である。加熱により溶解して独特の粘性を示し、増粘剤や食物繊維として健康食品に利用されている。本発明においては、一般に流通している任意のサイリウムシードガムを用いることができ、特に制限されない。アルコール洗浄されたサイリウムシードガム、あるいは溶解ろ過後に粉末化した精製タイプのサイリウムシードガムを用いてもよい。
サイリウムシードガムの含有量は、アルギン酸塩の質量の1/20~1倍に規定される。すなわち、アルギン酸塩とサイリウムシードガムとの質量比は、1:1~20:1である。サイリウムシードガムが少なすぎる場合には、その効果が発揮されず食感の悪いものとなる。一方、サイリウムシードガムが多すぎる場合には、粘性が高くなって作業しにくくなるのに加え、食品具材の耐熱性が低下して殺菌工程で溶け出してしまう。アルギン酸塩とサイリウムシードガムとの割合は、1:1~20:5が好ましく、1:1~20:8が最も好ましい。
アルギン酸塩以外の2価カチオン塩としては、例えば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウム等が挙げられる。また、アルギン酸塩以外の1価カチオン塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および塩化アンモニウム等が挙げられる。
本発明の食品具材における水分含量は、保存上の観点から2%以上20%以下に規定される。水分含量は、3%以上18%以下が好ましく、3%以上16%以下がより好ましい。本発明の食品具材においては、アルギン酸塩以外の2価カチオン塩および1価カチオン塩を除いた固形分全量の25%以上96%以下をアルギン酸塩が占める。アルギン酸塩の含有量が25%未満の場合には、柔らかくソフトな食感が得られない。加えて、最終製品の耐熱性が不十分となり、殺菌工程で溶けだしてしまう。アルギン酸塩の含有量は、40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
アルギン酸塩以外の2価カチオン塩および1価カチオン塩を除いた固形分全量の25%以上96%以下のアルギン酸塩、およびアルギン酸塩の1/20~1倍のサイリウムシードガムが含有されていれば、本発明の食品具材中には、デキストリン、結晶セルロース、馬鈴薯澱粉、グアーガム、またはコンニャク粉が含有されていてもよい。このような成分の含有量は、固形分全量の90%以下が好ましく、75%以下がより好ましい。
本発明の食品具材は、アルギン酸塩およびサイリウムシードガムに加えて、寒天および難消化性デンプンの少なくとも1種を含有することができる。寒天および難消化性デンプンは、サイリウムシードガム同様、アルギン酸塩と2価カチオンとの反応ゲルの食感を改良する作用を有する。このため、寒天および難消化性デンプンの少なくとも1種を所定量添加することで、アルギン酸塩のゲル化をさらに弱めることができ、より柔らかい食感が得られる。
寒天の添加量は、アルギン酸塩に対し70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下が最も好ましい。寒天の種類は特に限定されず、任意の寒天を用いることができる。難消化性デンプンの添加量は、アルギン酸塩に対し200%以下が好ましく、150%以下がより好ましく、100%以下が最も好ましい。難消化性デンプンの種類は特に限定されず、アミロースを多く含むもの、架橋構造、湿熱処理など、任意のものを用いることができる。
寒天と難消化性デンプンとを併用してもよい。その場合、それぞれの添加量は、上述した範囲内とし、これらの合計量が、アルギン酸塩に対して270%以下であることが望まれる。
場合によっては、アルギン酸塩の一部を、カラギナン、ペクチン、ジェランガム、キサンタンガムなどから選択される他の多糖類で置き換えてもよい。ただし、こうした他の多糖類は、食品具材中の含有量が20%以下である。他の多糖類の含有量が食品具材の20%以下であれば、塩類、高糖度での吸水性が悪化することはなく、食感や耐熱性に悪影響を及ぼすおそれはない。
本発明の食品具材は、アルギン酸塩とサイリウムシードガムとを水に溶解させて溶解液を得る工程と、前記溶解液に1価カチオンおよび2価カチオンを作用させて、アルギン酸塩およびサイリウムシードガムを含む混合ゲルを得る工程と、前記混合ゲルを乾燥する工程とを備える方法により製造することができる。混合ゲルを乾燥する工程は、冷凍、解凍、脱水、および乾燥の一連の処理を含むことが好ましい。こうして混合ゲルを乾燥させることによって、水戻しまたは湯戻しにより吸水させた際の食感が、より優れたものとなる。
アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、およびアルギン酸アンモニウムから選択することができる。何れのアルギン酸塩でも同等の効果が得られるが、最も一般に流通しているアルギン酸ナトリウムが好ましい。アルギン酸塩におけるグルロン酸/マンヌロン酸比(G/M比)は特に限定されず、例えば0.5~2.0とすることができる。アルギン酸塩のG/M比は、0.5~1.7が好ましく、0.5~1.3がより好ましい。
アルギン酸塩の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)が100000以上800000未満であれば、成型性や戻りに問題のない食品具材が得られる。アルギン酸塩の重量平均分子量は、130000以上800000未満が好ましく、200000以上600000未満がより好ましい。
1価カチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、およびアンモニウムイオンなどが挙げられる。1価カチオンは、アルギン酸塩と2価カチオンとの反応を調整して、得られるゲルに適切な吸水性を付与する。1価カチオンの供給源物質としては、金属封鎖作用(キレート効果)を有しないものが好ましく、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、および塩化アンモニウムが挙げられる。
2価カチオンとしては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、および鉄イオンなどが挙げられる。2価カチオンは、水溶液中のアルギン酸塩と反応して、耐熱性で吸水膨潤しないゲルを生成する。アルギン酸塩との反応性が優れていることから、カルシウムイオンが2価カチオンとして好ましい。カルシウムイオンの供給源物質としては、水溶性および水不溶性のいずれの物質を用いてもよい。
水に溶けてイオン化する物質としては、例えば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、硫酸カルシウム、およびクエン酸カルシウムなどが挙げられる。水に不溶性のカルシウムとしては、例えば炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムなどが挙げられる。水に不溶性のカルシウムは、グルコノデルタラクトンなどの酸性物質と併用することにより徐々に溶解し、アルギン酸塩と反応して均一なゲルが作製される。
1価カチオンおよび2価カチオンは、種々の方法でアルギン酸塩とサイリウムシードガムを含む溶解液に作用させることができる。例えば以下のような方法が挙げられる。
・溶解液を、2価カチオンおよび1価カチオンを含有する混合カチオン溶液中に添加する方法
・溶解液を2価カチオンの溶液中に添加した後、ここに1価カチオンを添加する方法
・溶解液を2価カチオンの溶液中に添加した後、2価カチオン溶液を除去し、次いで、1価カチオンを添加する方法
・溶解液と2価カチオンとを反応させてゲル化物を作製後、ゲル化物を乾燥して乾燥物としたものに1価カチオンをスプレー等により添加する方法
最終製品における2価カチオン、1価カチオンの含有量やそれらの比が所定範囲内となれば、他の方法により作用させてもよい。
カチオンと反応した混合ゲルを乾燥させて、本発明の食品具材が製造される。乾燥物が得られる任意の方法により乾燥することができるが、なかでも冷凍脱水法が好ましい。冷凍脱水により乾燥させた食品具材は、水戻しした際の食感が特に優れたものとなる。冷凍脱水するにあたっては、まず、生成した混合ゲルを冷凍させることにより氷晶を発達させる。こうして水分を分離した後、解凍することにより氷を溶解して脱水する。その後、必要に応じて熱風により最終乾燥してもよい。最終製品の水分含量は、2%以上20%以下とする。
本発明の食品具材は、目的とする食品に合わせて任意の形状とすることができる。形状としては、例えば、平均粒子径が150μm以上の粒子状、サイコロ状、フレーク状、板状、および短冊状等が挙げられる。粒子状の食品具材は、解砕機等を用いて整粒することにより製造することができる。サイコロ状のものは、混合ゲルの製造後、サイコロ状に切断することにより製造することができる。粒子状やサイコロ状の食品具材は、飲料に加えた際に、柔らかい白桃が添加されているようになり口腔内で崩れて、優れたのど越しとなる。
特に、平均粒子径が150μm以上であることにより、粒子状の食品具材は、食感が良好となる。粒子状とする場合、食品具材の平均粒子径は、500μm以上が好ましく、5000μm以上がより好ましい。
粒子径は、任意の形状で作製した食品具材を、粉砕機等により粉砕して調整することができる。粉砕機としては、目的の粒子径に調整可能な任意のものを用いることができ、特に選定されない。ハンマーミル、ジェットミル、スピードミル、摩砕式、衝撃型など目的とする平均粒子径に合わせて選択し、適切な篩でふるい分けして、粒子状の食品具材を得ることができる。
フレーク状のものは、混合ゲルの製造後、適切な形に切断することにより製造することができ、板状のものは、混合ゲルの製造後、板状に切断することにより製造することができる。フレーク状や板状のものは、吸水により柔らかい魚肉や畜肉風になって、口腔内で崩れて無くなる脂肪分を多く含むトロや和牛をイメージさせる食感となる。短冊状のものは、混合ゲルの製造後、短冊状に切断することにより製造することができる。短冊状にすれば、くちどけの良い和菓子や洋菓子に応用できる。
このように用途に合わせて、自由に形状を変えることができるのも本発明の食品具材の利点の一つである。
なお、寒天を含有する組成とする場合には、アルギン酸塩とサイリウムシードガムと寒天との混合物をゲル化させた後、2価カチオンおよび1価カチオンを作用させることができる。この場合には、様々な形状に容易に調整することができる。所望の形状に成型した後、2価カチオンおよび1価カチオンを作用させればよい。
本発明の食品具材は、アルギン酸塩とサイリウムシードガムとを特定の割合で含有する溶解液を調製し、特定の割合の2価カチオン(例えばカルシウムイオン)と1価カチオン(例えばナトリウムイオン)を作用させた後、乾燥させることによって製造される。アルギン酸の2価カチオン塩(例えばアルギン酸カルシウム)と1価カチオン(例えばナトリウムイオン)との平衡作用により、ゲルにおけるアルギン酸と2価カチオンとの結合力が低下する。こうしたゲルを乾燥して得られた食品具材は、水やお湯でも吸水膨潤して戻ることができる。
しかも、本発明の食品具材には、独特の食感を有するゲルとなるサイリウムシードガムが含有されている。サイリウムシードガム分子は、アルギン酸分子中に入り込んで、混合マトリックスを生成する。本発明においては、アルギン酸の2価カチオン塩と1価カチオンとの平衡作用に加えて、アルギン酸の2価カチオン塩とサイリウムシードガムとを含む混合ゲルマトリックス混合作用が生じる。こうした相乗作用によって、水、熱湯、高糖度、高塩度、低pHのいずれの溶液においても吸水し、サイリウムシードガムに起因した食感を有する柔らかく、口腔内で溶けるような食感が達成される。
寒天が含有される組成の場合には、アルギン酸の2価カチオン塩とサイリウムシードガムとの混合ゲルマトリックス中に、さらに寒天が取り込まれて、アルギン酸の2価カチオン塩とサイリウムシードガムと寒天との混合ゲルマトリックス混合作用が生じる。これにより、前述の相乗効果がよりいっそう高められて、より柔らかい優れた食感を得ることができる。
難消化性デンプンが含有される組成の場合には、アルギン酸の2価カチオン塩とサイリウムシードガムとの混合ゲルマトリックス中に、さらに難消化性デンプンが取り込まれて、アルギン酸の2価カチオン塩とサイリウムシードガムと難消化性デンプンとの混合ゲルマトリックス混合作用が生じる。これにより、前述の相乗作用がよりいっそう高められて、より柔らかい優れた食感が得られる。
特に難消化性デンプンは、アミロース含量が多く、加熱により溶解し難い構造を有していることにより、優れた特性を付与することができる。すなわち、一部が溶解しているだけなので、溶解時に粘性が生じることはなく作業性が良好である。しかも、溶解した部分が、アルギン酸の2価カチオン塩と1価カチオンとの反応によるゲル中に入り込むだけなので、澱粉の粘りのある食感とはならない。その結果、水、お湯、高糖度、高塩度溶液でも戻りの良い乾燥物が得られる。
本発明の食品具材は、水や湯を加えることにより吸水膨潤し、柔らかな口腔内でとろけるような食感のゲル状となる。吸水膨潤させる方法としては、浸漬、噴霧などがあるが特に限定されない。本発明の食品具材は、糖度50以上の高糖度溶液、食塩濃度3%以上の高塩度溶液、pH4.0以下という低pH溶液でも戻すことが可能である。例えば、糖度60、食塩濃度5%、あるいはpH3.0のような条件の溶液にも戻すことができる。これらは、サイリウムシードガムの効果、2価および1価のカチオンバランス、アルギン酸塩の割合等の本発明の食品具材の構成に起因するものである。
本発明の食品具材を水戻しまたは湯戻しして吸水膨潤させた場合、食品具材の形状や戻す条件等に応じて、果肉様、肉様、麺様など様々な食感の食品とすることができる。さらに、本発明の食品具材は、耐熱性や耐酸性を有するため、殺菌工程を伴う様々な食品にも応用可能である。具体的には、柔らかい果肉(桃果肉様)、口腔内で物理的に崩壊し溶けるような食感(トロ等)、柔らかいぶどう果肉、トロピカルカットフルーツなど様々な食感が得られる。本発明の食品具材は、吸水膨潤させるために用いる液体の糖度やpHも任意に設定できるため、応用範囲が広い。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。特に指定がない限り、%は質量%を示している。
種々の食品具材を製造し、得られた食品具材を評価した。食品具材の製造に用いる資材は、以下のとおりである。
・サイリウムシードガム1:イナゲルA-400(伊那食品工業)
・サイリウムシードガム2:イナゲルA-410(伊那食品工業)精製品
・アルギン酸ナトリウム1:イナゲルGS-20(伊那食品工業)Mw:200000
・アルギン酸ナトリウム2:イナゲルGS-30(伊那食品工業)Mw:250000
・アルギン酸ナトリウム3:イナゲルGS-50(伊那食品工業)Mw:500000
・アルギン酸カリウム :イナゲルGP-20(伊那食品工業)Mw:200000
・アルギン酸アンモニウム:イナゲルGA-20(伊那食品工業)Mw:200000
・寒天:伊那寒天カリコリカン(伊那食品工業)
・カラギナンκタイプ:イナゲルE―150(伊那食品工業)
・LMペクチン:イナゲルJM-15(伊那食品工業)
・ジェランガム(脱アシル):イナゲルGP-10(伊那食品工業)
・キサンタンガム:イナゲルV-10(伊那食品工業)
・難消化性デンプン1:パインスターチRT(松谷化学工業)
・難消化性デンプン2:アミロジェルHB400(三和澱粉)
・塩化ナトリウム:食卓塩(JT)
・塩化カリウム:(富田製薬)
・塩化カルシウム:(富田製薬)
・塩化アンモニウム:(赤穂化成)
・デキストリン:パインデックス#2(松谷化学工業)
・結晶セルロース:セオラスFD101(旭化成)
・馬鈴薯澱粉:スタビローズ1000(松谷化学工業)
・グアーガム:イナゲルGR-10(伊那食品工業)
・コンニャク粉:イナゲルマンナン100(伊那食品工業)
また、各成分等について、以下の略称を用いる場合がある。
(ALN):アルギン酸塩
(PSG):サイリウムシードガム
(ALN・PSG)乾燥物:アルギン酸塩・サイリウムシードガム乾燥物
以下、実施例における物性の測定は下記の通りである。
(1)アルギン酸塩のモノマー単位に対する2価カチオンおよび1価カチオンのモル比
ICP(ICPE-9000 (株)島津製作所製)を使用して、アルギン酸塩・サイリウムシードガム乾燥物中のカルシウム量(質量%)およびナトリウム量(質量%)を測定した。以下においては、これらをそれぞれ(I)および(III)とする。アルギン酸塩(ALN)の重量平均分子量(Mw)は、HPLCを使用してGPC法により測定した。
下記に示すとおり、アルギン酸塩を含まない以外は同様にして、アルギン酸塩以外の成分のみの乾燥物を作製した。こうして得られた乾燥物について、カルシウム量(質量%)およびナトリウム量(質量%)を測定した。以下においては、これらをそれぞれ(II)および(IV)とする。得られた値から、乾燥物中のアルギン酸塩に含まれるカルシウム量およびナトリウム量を算出した。
測定されたカルシウム量およびナトリウム量は、それぞれ2価カチオン(Ca2+)量および1価カチオン(Na+)量に対応する。さらに、含有量に関しても質量%で表した。
アルギン酸塩中に含まれる1価カチオン量、2価カチオン量、アルギン酸塩の重量平均分子量(Mw)から、乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムイオン及びナトリウムイオンのモル比を算出した。
なお、カルシウムイオン等のカチオンの質量は、測定されたカルシウム等の質量と実質的に同等であるので、(Ca:Na)を用いてモル比を表記する。以降の他のカチオンについても同様であり、(Ca:K)、(Ca:NH3)を用いてモル比を表記する。
(数式1)
(ALN・PSG)乾燥物中の(ALN)中カルシウム量(2価カチオン量)(質量%)=I-II
(数式2)
(ALN・PSG)乾燥物中の(ALN)中ナトリウム量(1価カチオン量)(質量%)=III-IV
I:(ALN・PSG)乾燥物中のカルシウム含量(2価カチオン量)(質量%)
II:アルギン酸塩を含有しない以外はIと同様に作製した乾燥物中のカルシウム含量(2価カチオン量)(質量%)
III:(ALN・PSG)乾燥物中のナトリウム含量(1価カチオン量)(質量%)
IV:アルギン酸塩を含有しない以外はIIIと同様に作製した乾燥物中のナトリウム含量(1価カチオン量)(質量%)
(2)吸水量
乾燥物からなる食品具材各3.0gを90℃の蒸留水500gに3分間浸漬し、復元膨潤させて質量を測定した。復元膨潤後のゲル質量を乾燥物質量で除して、吸水量(倍)を算出した。蒸留水の替わりに各種溶液を使用した場合はその都度記載したが、特に記載のない場合は蒸留水を使用した時の値である。
吸水量は、25倍以上であれば合格である。
さらに、90℃の蒸留水で復元膨潤後のゲルを沸騰水中に3分間入れ、ゼリー状物が溶液とならず形状が維持されているか、さらにその食感を確認した。
(3)食品具材を吸水させた時の食感、溶け出し、水分含量の評価
<食感>
吸水させた食品具材をパネラー10名に試食させ、以下の指標で評価した。結果には最も多かった評価を記載した。
A:柔らかいが形状を維持しており、口腔内では溶けるような食感
B:Aより劣るが柔らかく良好な食感
C:Bより若干硬いが問題ない程度である
D:柔らかすぎて形状物としての存在感がない
E:クラゲ様の食感であり柔らかさに欠け、口腔内でとろける食感がない
F:硬く粘弾性に欠ける
G:形状は維持しているがサイリウムシードガムが溶けだし、ぬるつき感が激しい
H:溶け出しが激しい
食感の評価は、A、B、またはCであれば合格である。
<溶け出し>
ショ糖濃度10%、pH3.8(クエン酸0.3%、クエン酸Naで調整)の溶液に食品具材を2%添加し、90℃で30分加熱処理した。その際の食品具材の溶け出し(形状の崩れ)を、10名のパネラーが目視により確認し、以下の指標で評価した。最も多かった評価を結果として記載した。
a:溶け出しが無く形状を維持している
b:aに比べ若干溶け出しがあり形状が崩れているが問題ない程度である
c:溶け出しがあり、形状が崩れている
d:cより溶け出しがあり、形状が崩れている
溶けだしの評価は、aまたはbであれば合格である。
<水分含量>
各食品具材を検体として準備した。この検体10gを105℃で6時間乾燥して、減量した分を水分含量(%)とした。
<実験例1:アルギン酸塩とサイリウムシードガムの割合>
下記表1に示した処方でアルギン酸塩(ALN)とサイリウムシードガム(PSG)とを用いて、乾燥物からなる食品具材を作製した。具体的には、アルギン酸ナトリウム2(SAG2)とサイリウムシードガム1(PSG1)を水に分散後、沸騰させて加熱溶解した(作製量1000g)。この溶液を、0.12%の塩化カルシウム溶液1000gに滴下し、直径約5mmの粒状物を作製した。その後、さらに5時間浸漬してゲル化させ、粒状ゲルを得た。
浸漬後、粒状ゲルを取り出し冷凍後、解凍して脱水後60℃にて乾燥した。得られた乾燥物に、食塩0.5gを水10gに溶解した溶液を噴霧した後、さらに乾燥させて、食品具材としての乾燥物を作製した。食品具材における水分値は、10.2%であった。これらについて吸水量、食感を確認し表1に示した。
Figure 2023039734000001

ALN:アルギン酸塩, PSG:サイリウムシードガム
SAG2:アルギン酸ナトリウム2, PSG1:サイリウムシードガム1
SAG2、PSG1についての数値は“%”であり、(ALN:PSG)についての数値はアルギン酸塩とサイリウムシードガムとの質量比である。
SAG2とPSG1との総量に対するSAG2の割合をALN含量(%)とした。
*1:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカルシウムのモル比
*2:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するナトリウムのモル比
*3:乾燥物中Ca:Na(モル比),
*7:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するカリウムのモル比
*8:乾燥物中に含まれるアルギン酸塩のモノマー単位に対するアンモニウムのモル比
*9:乾燥物中Ca:K又はNH(モル比)
上記表1に示されるように、実施例の食品具材は、アルギン酸塩(ALN)とサイリウムシードガム(PSG)との質量比(ALN:PSG)が1:1~20:1なので、良好な特性を備えている。具体的には、吸水量は25倍以上であり、食感の評価はA,BまたはCであり、溶け出しの評価は“a”である。
これに対して、サイリウムシードガムの割合が多すぎる比較例1では、食感が著しく劣っており、溶け出しにより形状の崩れが確認された。一方、サイリウムシードガムの割合が少なすぎる比較例2では、所望の食感を得ることができない。
<実験例2:2価カチオン量を変える(1価カチオン量一定)>
用いる2価カチオンの濃度を変更して、種々の乾燥物からなる食品具材を作製した。まず、1.2%のアルギン酸ナトリウム1と0.5%のサイリウムシードガム2とを水に分散し、沸騰させて加熱溶解した。一方、所定濃度の塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを含有する混合カチオン溶液を調製した。混合カチオン溶液中に、前述の溶解液を滴下して直径約0.4mmの粒状物を作製し、5時間浸漬して粒状ゲルを得た。
混合カチオン溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、粒状ゲルを取り出し、-20℃で冷凍した後、解凍して脱水した。さらに、60℃で乾燥して、実施例7~10、比較例3~5の食品具材としての乾燥物を作製した。また、塩化ナトリウムを使用しなかったもの(比較例3)も同様に作製した。得られた乾燥物の物性を前述と同様に測定し、その結果を処方とともに下記表2にまとめる。なお、ALN含量は、いずれも71%である。
Figure 2023039734000002
上記表2に示されるように、実施例の食品具材は、2価カチオンおよび1価カチオンが、所定のモル比かつ所定の割合で含有されているので、良好な物性を備えている。具体的には、吸水量は25倍以上であり、食感の評価はAまたはCであり、溶け出しの評価は“a”または“b”である。
これに対して、塩化ナトリウムを使用しない場合(比較例3)には、2価カチオンに対する1価カチオンの割合が小さすぎる。このため、吸水量が8倍にとどまっており、食感も悪い。2価カチオンと1価カチオンとの割合が所定範囲内であっても、2価カチオンのモル比が大きすぎる場合(比較例4)にも同様であり、食感が悪く吸水率は7倍にとどまっている。また、2価カチオンのモル比が小さく、2価カチオンに対する1価カチオンに対する割合が大きすぎる場合(比較例5)には、吸水量や食感はさらに悪化するのに加え、溶け出しによる形状の崩れも確認された。
<実験例3:1価カチオン量を変える(2価カチオン量一定)>
混合カチオン溶液中の1価カチオンの濃度を変更して、種々の乾燥物からなる食品具材を作製した。まず、1.2%のアルギン酸ナトリウム1と0.5%のサイリウムシードガム2を水に分散し、沸騰させて加熱溶解した。一方、所定濃度の塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを含有する混合カチオン溶液を調製した。混合カチオン溶液中に、前述の溶解液を滴下して直径約0.4mmの粒状物を作製し、5時間浸漬して粒状ゲルを得た。
混合カチオン溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、粒状ゲルを取り出し、-10℃で冷凍した後、解凍して脱水した。さらに、60℃で乾燥して、実施例11~14、比較例6~8の食品具材としての乾燥物を作製した。得られた乾燥物の物性を前述と同様に測定し、その結果を処方とともに下記表3にまとめる。なお、ALN含量は、いずれも71%である。
Figure 2023039734000003
上記表3に示されるように、実施例の食品具材は、2価カチオンおよび1価カチオンが、所定のモル比かつ所定の割合で含有されているので、良好な物性を備えている。具体的には、吸水量は25倍以上であり、食感の評価はAまたはCであり、溶け出しの評価は“a”または“b”である。
これに対して、1価カチオンのモル比が0.1倍未満と小さく、しかも2価カチオンに対する割合が小さすぎる場合(比較例6)には、食感が悪く、吸水量は4倍にとどまっている。一方、1価カチオンのモル比が0.7倍超と大きすぎる場合(比較例7,比較例8)には、食感が悪いのに加えて、激しい溶け出しが確認された。
<実験例4:2価カチオンと1価カチオンの割合>
まず、1.4%のアルギン酸ナトリウム1と0.6%のサイリウムシードガム2を水に分散し、沸騰させて加熱溶解した。一方、所定濃度の塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを含有する混合カチオン溶液を調製した。混合カチオン溶液中に、前述の溶解液を滴下して直径約0.4mmの粒状物を作製し、5時間浸漬して粒状ゲルを得た。
混合カチオン溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、粒状ゲルを取り出し、60℃で乾燥して、実施例15~19、比較例9~10の食品具材としての乾燥物を作製した。得られた乾燥物の物性を前述と同様に測定し、その結果を処方とともに下記表4にまとめる。なお、ALN含量は、いずれも70%である。
Figure 2023039734000004
上記表4に示されるように、実施例の食品具材は、2価カチオンと1価カチオンとが所定の割合で含有されているので、良好な物性を備えている。具体的には、吸水量は25倍以上であり、食感の評価はA,BまたはCであり、溶け出しの評価は“a”または“b”である。
これに対して、1価カチオンの割合が小さすぎる場合(比較例9)には、吸水量が7倍にとどまり、食感も悪い。一方、1価カチオンの割合が大きすぎる場合(比較例10)には、食感が悪く、溶け出しによる形状の崩れが確認された。
<試験例5:最終製品に含まれるアルギン酸塩の量>
アルギン酸ナトリウム2およびサイリウムシードガム2とともに各種多糖類を用い、種々の割合で配合して乾燥物からなる食品具材を作製した。多糖類としては、デキストリン、結晶セルロース、馬鈴薯澱粉、グアーガム、およびコンニャク粉を用意した。まず、アルギン酸ナトリウム2、サイリウムシードガム2および多糖類を水に分散し、沸騰させて加熱溶解した。一方、所定濃度の塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを含有する混合カチオン溶液を調製した。混合カチオン溶液中に、前述の溶解液を滴下して直径約0.4mmの粒状物を作製し、5時間浸漬して粒状ゲルを得た。
混合カチオン溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、粒状ゲルを取り出し、60℃にて乾燥して、実施例20~39、比較例11~15の食品具材としての乾燥物を作製した。得られた乾燥物の物性を前述と同様に測定し、その結果を処方とともに下記表5~9にまとめる。表中、SAG2はアルギン酸ナトリウム2を表し、PSG2はサイリウムシードガム2を表している。表中のSAG2の含量(%)が、ALN含量(%)に相当する。
Figure 2023039734000005
Figure 2023039734000006
Figure 2023039734000007
Figure 2023039734000008
Figure 2023039734000009
上記表に示されるように、アルギン酸塩の含有量が固形分全量の25%以上である実施例の食品具材は、いずれも良好な特性を備えている。具体的には、吸水量は25倍以上であり、食感の評価はAまたはBであり、溶け出しの評価は“a”である。
これに対して、アルギン酸塩の含有量が固形分全体の20%の場合には、吸水量は測定不能で食感は著しく悪く、溶け出しによる形状の崩れが確認された。
<試験例6:アルギン酸の変更>
アルギン酸塩として、アルギン酸カリウムまたはアルギン酸アンモニウムを用いて、乾燥物からなる食品具材を作製した。具体的には、下記表10に示す配合(質量%)にて、サイリウムシードガム1およびアルギン酸塩を水に分散溶解した後、加温して沸騰溶解した(作製量各1000g)。これを、0.48%濃度の乳酸カルシウム溶液1000gに粒状に滴下して直径約3mmの粒状物を作製し、10時間浸漬して粒状ゲルを得た。
浸漬後、粒状ゲルを取り出し、所定のカチオン溶液に所定時間浸漬した。具体的には、実施例40においては、0.36%塩化カリウム溶液1000gに5時間浸漬し、実施例41においては0.3%塩化アンモニウム溶液1000gに5時間浸漬した。その後、粒状ゲルを取り出して冷凍した後、50℃で乾燥して、実施例40、41の食品具材としての乾燥物を作製した。粒状ゲルを塩化カリウム溶液または塩化アンモニウム溶液に浸漬しない以外は、実施例40および41と同様にして、比較例16、17の乾燥物を作製した。得られた乾燥物の物性を前述と同様に測定し、その結果を処方とともに下記表10にまとめる。なお、ALN含量は、いずれも65%である。
Figure 2023039734000010
上記表10に示されるように、2価カチオンと1価カチオンとが所定の割合であれば、アルギン酸塩の種類によらず、良好な結果が得られている(実施例40、41)。これに対し、Ca:Kが1:0.19の比較例16,およびCa:NHが1:0.2の比較例17の場合には、いずれも吸水量が25倍未満であり、食感も悪かった。
<試験例7:寒天でゲル化させ、カルシウム含量を変える>
下記表11に示す配合の寒天、サイリウムシードガムおよびアルギン酸塩を用いて、乾燥物からなる食品具材を作製した。まず、寒天、サイリウムシードガム1およびアルギン酸ナトリウム1を水に分散溶解させた後、加温して溶解した。さらに、所定量の塩化ナトリウムを加え、容器に流し込んでゲル化させた。これを、5mm各のダイス状にカットし、所定濃度の塩化カルシウム溶液に5時間浸漬した。
塩化カルシウム溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、ダイス状ゲルを取り出し、-20℃にて冷凍後解凍脱水した。さらに60℃にて乾燥させ、実施例42,43及び比較例19,20の食品具材としての乾燥物を作製した。塩化ナトリウムを使用しなかったものも同様に作製した(比較例18)。得られた乾燥物の物性を前述と同様に評価して、その結果を処方とともに下記表11にまとめる。なお、ALN含量は、いずれも50%である。
Figure 2023039734000011
上記表11に示すように、アルギン酸塩のモノマー単位に対する2価カチオンのモル比が0.04~0.30倍であって、かつ2価カチオンと1かカチオンとのモル比が1.0:0.35~1.0:8.70のものは、吸水量が25倍以上と高く、食感が優れ、溶け出しも問題ない程度であった(実施例42,実施例43)。
これに対し、2価カチオンのモル比が、アルギン酸塩のモノマー単位の0.30倍を超える場合(比較例18,比較例19)には、吸水量は9倍以下であり、食感も悪い。2価カチオンのモル比が、アルギン酸塩のモノマー単位の0.04倍未満の場合(比較例20)には、溶け出しが激しかった。
<試験例8:難消化性デンプンを添加>
表12、13に示す配合のサイリウムシードガム、難消化性デンプンおよびアルギン酸塩を用いて、乾燥物からなる食品具材を作製した。まず、サイリウムシードガム1、アルギン酸ナトリウム3、難消化性デンプンを水に分散溶解させた後、加温して溶解した。これを容器に流し込んで保形させた。これを5mm各にカットし、0.16%の塩化カルシウムと0.12%の塩化ナトリウムとを含有する混合カチオン溶液に5時間浸漬した。
混合カチオン溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、ダイス状ゲルを取り出し60℃にて乾燥させて、実施例44~49、及び比較例21~24の食品具材としての乾燥物を作製した。得られた乾燥物の物性を前述と同様に測定し、その結果を処方とともに下記表12、13にまとめる。なお、ALN含量は、いずれも67%である。
Figure 2023039734000012
Figure 2023039734000013
上記表12,13に示されるように、難消化性デンプンが含有される場合、アルギン酸ナトリウムに対して200%以下であれば、吸水量が25倍以上で、食感に優れ、しかも溶け出しが抑制された食品具材が得られる。
<試験例9:高糖度溶液にて戻す>
糖度の異なる種々のショ糖溶液を用意した。糖度(ショ糖)は、0、10、20、30、40、50、および60とした。実施例43で作製した乾燥物3gを、各ショ糖溶液200gに入れ、90℃で20分間浸漬し吸水させて膨潤物を作製した。
比較のために、サイリウムシードガムを添加しない以外は実施例43と同様の処方で乾燥物(比較例25)を作製し、同様に試験を行った。吸水量(倍)を表14に示した。
Figure 2023039734000014
実施例の食品具材は、糖度60の高糖度でも、43倍の吸水量で良好に戻すことが可能である。
<試験例10:pH>
クエン酸の添加量を調整して、pH6.0、pH3.5の2種類の溶液を用意した。いずれの溶液も、糖度は30とした。実施例43で作製した乾燥物3gを、各溶液200gに入れ、90℃で20分間浸漬し吸水させて膨潤物を作製した。
比較のために、サイリウムシードガムを添加しない以外は実施例43と同様の処方で乾燥物(比較例25)を作製し、同様に試験を行った。吸水量(倍)を表15に示した。
Figure 2023039734000015
実施例の食品具材は、pH3.5という低pHの溶液を用いて、53倍の吸水量で戻すことが可能である。
<試験例11:他の多糖類との併用>
表16に示した配合にてサイリウムシードガム、アルギン酸塩、および他の多糖類を用いて、乾燥物からなる食品具材を作製した。まず、アルギン酸ナトリウム1、サイリウムシードガム2,および他の多糖類を水に分散し沸騰溶解した。他の多糖類の含有量は、食品具材中で20%(実施例)および31%(比較例)となるように調整した。一方、0.3%の塩化カルシウムと0.8%の塩化ナトリウムとを含有する混合カチオン溶液を調製した。混合カチオン溶液中に、前述の溶解液を直径約0.5mmの粒状に滴下して、5時間浸漬した。
混合カチオン溶液の液量は1000g、ゲル量は500gとした。浸漬後、粒状ゲルを取り出し-15℃にて冷凍し解凍後60℃にて乾燥して、実施例および比較例の食品具材としての乾燥物を作製した。得られた乾燥物の物性を前述と同様に測定し、その結果を用いた他の多糖類とともに下記表17にまとめる。
Figure 2023039734000016
Figure 2023039734000017
上記表17に示されるように、カラギナン等の他の多糖類が含有される場合、食品具材中の20%であれば、39倍以上の吸水量、かつ食感も良好な食品具材を得ることができる。
<実験例12:形状の変更>
実施例43と同様の処方で、種々の形状の食品具材を作製した。具体的には、容器に流し込んでゲル化させる際、5mm角の長さ150mmの麺状、10mm角のサイコロ状、10mm×5mm×H2mmのフレーク状、100mm×100mm×H2mmの板状、または10mm×50mm×H3mmの短冊状に成形し、同様に処理を行った。こうして、麺状、サイコロ状、フレーク状、板状、短冊状の食品具材を得た。
得られた食品具材3.0gを蒸留水500gに入れ、95℃で3分間加熱処理した。その後、取り出して、形状および食感を確認した。その結果、いずれの形状においても溶け出しはなく、しっかり保持されていた。食感は柔らかく、口腔内で崩れるイメージの柔らかいのど越しの良いゲル状物であった。
<試験例13:飲料に応用>
実施例43で得られた食品具材を、市販の桃飲料(糖度12,pH3.8)に2.0%の濃度で加え、90℃で20分の加熱殺菌を行った。10℃に冷却後、食品具材は十分に吸水して復元したことが確認された。この飲料を喫食したところ、溶け出しはなく桃果肉様となり、とろけるような、のど越しの良い飲料が得られた。
<試験例14:麺状食品をスープに応用>
実験例12と同様の処方で、長さ10cm、1辺2mmの麺状の食品具材を作製した。これを、市販の卵スープ200gに2%の濃度で添加してアルミパウチに充填後、115℃で30分のレトルト殺菌を行った。殺菌後のスープにおいては、麺状の食品具材は吸水して復元していた。このスープを喫食したところ、溶け出しがなく、柔らかい口腔内でとろけるフカヒレ状の食感であり、付加価値のあるスープであった。
<試験例15:肉製品に応用>
実験例12と同様の処方で、長さ10mm、横3mmの短冊状の食品具材を作製した。これを、40℃のお湯(100倍量)で30分浸漬して膨潤させた。アミノ酸調味料と混ぜ喫食したところ、口中でとろける食感であり、トロや脂肪の多い肉などに近い食感であった。肉食品を摂取できない人には有効であると考えられる。
<試験例16:汁粉に応用>
実施例45と同様の処方で、1辺5mmのサイコロ状の食品具材を作製した。これを、市販の汁粉飲料(糖度40)に2%の濃度で添加し、アルミパウチに充填して115℃40分のレトルト殺菌を行った。得られた汁粉飲料においては、食品具材は柔らかい口どけの良い柔らかい餅状食感のゲル状食品となった。しかも、餅のように老化せず、付加価値の高い汁粉になった。
<試験例17:ドレッシングに応用>
実験例12と同様の処方で、長さ約3mmのフレーク状の食品具材を作製した。これを、食酢(酸度4.5)に1%の濃度で添加した。さらに醤油、調味料を加えて、和風ドレッシングを作製した。得られたドレッシングは柔らかいゲル状物質が野菜に適度に付着して流れ落ちにくく、酸味が持続すると同時に食感のバリエーションも付加することができる付加価値の高いものであった。
<試験例18:平均粒子径の影響>
実施例12と同様の処方で、長さ10mm、幅5mm、厚さ3mmのフレーク状の食品具材を作製した。これを、ハンマーミルを用いて粒状に粉砕し、ふるい分けにより種々の平均粒子径の食品具材を得た。平均粒子径は、160μm、520μm、2500μm、および5400μmとした。
食品具材の平均粒子径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置(SALD-2300、島津製作所)を使用して体積平均粒子径として求めた。平均粒子径が2000μmを超えるものについては、顕微鏡法により長径および短径を測定して求めた。具体的には、ランダムに30粒子を測定し、(長径+短径)÷2の平均値を平均粒子径とした。
得られた食品具材3.0gを蒸留水500gに入れ、95℃で3分間加熱処理した。その後、取り出して、形状および食感を確認した。その結果、いずれの粒子径においても溶けだしはなく、しっかり保形されていた。食感はいずれもやわらかく、口腔内で壊れるイメージの柔らかいのど越しの良いゲルであった。粒子径が大きいものほど、口腔内での存在感があり、崩れて無くなるイメージがより強く感じることができた。
本発明の食品具材は、水または湯に入れて吸水させるという簡便な方法により、従来の技術では得られなかった、柔らかくソフトな食感を達成することができる。しかも、熱殺菌工程で溶解することはなく、低pHにおいても安定で、様々な形状に加工することができる。本発明の食品具材は、柔らかい桃の果肉状などの果肉、柔らかいまぐろのトロ状などの魚肉、柔らかい高級黒毛和牛などの畜肉等、口腔内でとろけてしまう食感など、広い用途に応用できる。

Claims (7)

  1. 2%以上20%以下の水分と固形分とからなる食品具材であって、
    前記固形分は、
    アルギン酸2価カチオン塩およびアルギン酸1価カチオン塩を含むアルギン酸塩と、
    前記アルギン酸塩の1/20~1倍の質量のサイリウムシードガムと、
    アルギン酸塩以外の2価カチオン塩と、
    アルギン酸塩以外の1価カチオン塩とを含み、
    前記アルギン酸塩における2価カチオンの含有量が、前記アルギン酸塩のモノマー単位に対し0.04~0.3倍モル、
    前記アルギン酸塩における1価カチオンの含有量が、前記アルギン酸塩のモノマー単位に対し0.1~0.7倍モル、
    前記2価カチオンと前記1価カチオンとのモル比(2価カチオン:1価カチオン)が、1.0:0.35~1.0:8.7、
    前記アルギン酸塩の含有量が、前記アルギン酸塩以外の2価カチオン塩および1価カチオン塩を除いた固形分全量の25%以上96%以下
    であることを特徴とする食品具材。
  2. 前記2価カチオンは、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンから選択される請求項1記載の食品具材。
  3. 前記1価カチオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、およびアンモニウムイオンから選択される請求項1または2記載の食品具材。
  4. 寒天および難消化性デンプンの少なくとも1種をさらに含有する請求項1~3のいずれか1項記載の食品具材。
  5. アルギン酸塩とサイリウムシードガムとを水に溶解させて溶解液を得る工程と、
    前記溶解液に1価カチオンおよび2価カチオンを作用させて、アルギン酸塩およびサイリウムシードガムを含む混合ゲルを得る工程と、
    前記混合ゲルを乾燥する工程と
    を備える食品具材の製造方法。
  6. 前記混合ゲルを乾燥する工程は、冷凍、解凍、脱水、および乾燥の一連の処理を含む請求項5記載の食品具材の製造方法。
  7. 平均粒子径が150μm以上の粒子状、サイコロ状、フレーク状、板状、または短冊状である請求項1~4のいずれか1項記載の食品具材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7369819B2 (ja) 2022-03-31 2023-10-26 博也 古田 ナトリウム吸着性固形状物の製造方法及び該固形状物を含む排塩用食品組成物

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