JP2023027270A - 放射性物質収納容器の転倒防止構造 - Google Patents

放射性物質収納容器の転倒防止構造 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性物質収納容器の転倒を防ぐこと。【解決手段】架台50に置かれたキャスク(放射性物質収納容器)の転倒防止構造であって、架台50は、キャスクの下端部が挿入される枠部52を有しており、枠部52の内面52aとキャスクの下端部の外面との間に隙間を設け、枠部52の周りを囲む剛体55を有する。【選択図】図29

Description

本発明は、放射性物質収納容器の転倒防止構造に関する。
原子力発電プラントの原子炉などで発生した放射性物質は、放射性物質収納容器に収納され、貯蔵施設や再処理施設などに搬送され、貯蔵または再処理される。放射性物質収納容器は、貯蔵施設や再処理施設で、架台上に縦置きに起立した状態で設置される。
放射性物質収納容器は、円筒形状をなす胴部の下端部に、胴部より小径の小径部が設けられている。架台は、架台本体と、架台本体の上面部に設けられて小径部が挿入される枠部と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
特開2014-66524号公報
上述した架台は、枠部の内面と、放射性物質収納容器の下端部の外面とが当接することで放射性物質収納容器の転倒を防ぐ。枠部の内面と下端部の外面との間には、放射性物質収納容器を枠部に挿入する際に必要な隙間が形成される。しかし、放射性物質収納容器に収納された放射性物質の崩壊熱により既に熱せられて熱伸びしている放射性物質収納容器を枠部に挿入すると枠部のみが熱伸びすることで隙間が広がる。このため、地震時における枠部と放射性物質収納容器との水平方向への相対移動量が大きくなる。この結果、地震時において、枠部に放射性物質収納容器が衝突したロッキング時の荷重が枠部に過大に生じて歪みが発生し、放射性物質収納容器が転倒に至るおそれがある。
本開示は上述した課題を解決するものであり、放射性物質収納容器の転倒を防ぐことのできる放射性物質収納容器の転倒防止構造および転倒防止方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記隙間を詰める部材を備える。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記部材は、前記隙間に挿入されるシムであるとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記枠部の内面および上端に開口する枠側溝をさらに含み、前記枠側溝に前記シムが挿入されるとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記枠側溝の溝内面に漸次下方に窄まる枠側溝傾斜面を有し、前記シムは、前記枠側溝傾斜面に沿う第一シム側傾斜面を有するとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記シムは、漸次下方に窄まる楔状に形成されているとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記シムの上下方向の移動を規制する止具を有するとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記シムは、前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面に接触する複数の凸部を有するとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記枠部の前記内面および上端に開口する枠側溝と、前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面に開口する容器側溝と、前記容器側溝の溝内面に漸次下方に広がって設けられたる容器側傾斜面と、をさらに含み、前記枠側溝および前記容器側溝に前記シムが挿入され、前記シムは、前記容器側傾斜面に沿う第二シム側傾斜面を有するとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記容器側溝に設けられて前記シムを支持する支持部をさらに含むとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記部材は、前記枠部を貫通して前記隙間に至る先端が前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面に当接するネジ部であるとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記部材は、前記枠部を貫通して前記隙間に至る先端が前記放射性物質収納容器の外面に向くネジ部と、前記ネジ部の先端に設けられた当部と、前記当部と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に配置される弾性部と、を含むとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記部材は、前記枠部の上端から前記隙間を跨いだ先端が前記放射性物質収納容器における前記下端部の外面に当接可能な片部と、前記片部を前記枠部に固定する固定部と、を含むとよい。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記枠部の内面に前記放射性物質収納容器の下端部を係止する係止部を有する。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記係止部は、前記枠部の内面が漸次上方に窄む枠部傾斜面を含むとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記係止部は、前記枠部の内面において周方向に沿って設けられた枠部周溝を含むとよい。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記枠部の底面を貫通するネジ部と、前記放射性物質収納容器の下端部の下面に設けられて前記ネジ部の先端部がねじ込まれるネジ孔と、を含む。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記下端部の外面の周形状を円形とし、前記枠部の内面の周形状を楕円形とする。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記下端部の外面の一部に形成された容器側平面と、前記枠部の内面に形成されて前記容器側平面に対向する枠側平面と、を含む。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記放射性物質収納容器の下面に形成された凹部と、前記枠部の底面に形成されて前記凹部に挿入する凸部と、を含む。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記凹部の内面に形成された凹部側平面と、前記凸部の外面に形成されて前記凹部側平面に対向する凸部側平面と、さらに含むとよい。
また、本開示の一態様に係る転倒防止構造では、前記凹部の内面と前記凸部の外面との間に配置され前記凹部に固定されるリングと、前記リングの内面が漸次下方に窄まって形成されたリング側傾斜面と、前記凸部の外面が漸次下方に窄まって形成されて前記リング側傾斜面に対向する凸部側傾斜面と、を備えるとよい。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記放射性物質収納容器は、前記下端部の外面の上側で径方向外側に突出する胴部を有し、前記枠部は、上端が前記胴部に当接する。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止構造は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記枠部の周りを囲む剛体を有する。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る転倒防止方法は、架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止方法であって、前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、前記放射性物質収納容器の前記下端部を前記架台の前記枠部に挿入し、前記放射性物質収納容器に収納された放射性物質の熱により前記架台が熱伸びを生じた後、前記隙間を詰める部材を取り付ける。
本開示によれば、地震時において、枠部にかかる荷重を低減して枠部の歪みの発生を抑え、放射性物質収納容器が転倒に至る事態を防止できる。
図1は、放射性物質収納容器の一部断面概略図である。 図2は、放射性物質収納容器の水平断面図である。 図3は、架台の斜視図である。 図4は、放射性物質収納容器を架台に載置した概略図である。 図5は、本発明の実施形態1に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図6は、本発明の実施形態1に係る転倒防止構造の水平断面図である。 図7は、本発明の実施形態2に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図8は、本発明の実施形態2に係る転倒防止構造の水平断面図である。 図9は、本発明の実施形態3に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図10は、本発明の実施形態4に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図11は、本発明の実施形態5に係る転倒防止構造の水平断面拡大図である。 図12は、本発明の実施形態6に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。 図13は、本発明の実施形態6に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。 図14は、本発明の実施形態6に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。 図15は、本発明の実施形態7に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。 図16は、本発明の実施形態8に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。 図17は、本発明の実施形態9に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。 図18は、本発明の実施形態10に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図19は、本発明の実施形態11に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図20は、本発明の実施形態12に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図21は、本発明の実施形態13に係る転倒防止構造の水平断面図である。 図22は、本発明の実施形態14に係る転倒防止構造の水平断面図である。 図23は、本発明の実施形態15に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図24は、本発明の実施形態15に係る転倒防止構造の水平断面図である。 図25は、本発明の実施形態16に係る転倒防止構造の水平断面図である。 図26は、本発明の実施形態17に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図27は、本発明の実施形態17に係る転倒防止構造の水平断面図である。 図28は、本発明の実施形態18に係る転倒防止構造の垂直断面図である。 図29は、本発明の実施形態19に係る転倒防止構造における架台の斜視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、放射性物質収納容器の一部断面概略図である。図2は、放射性物質収納容器の水平断面図である。図3は、架台の斜視図である。図4は、放射性物質収納容器を架台で支持した支持構造の概略図である。
図1および図2に示すように、放射性物質収納容器としてのキャスク11は、胴部12と蓋部13とから構成されている。胴部12は、胴本体21を有している。胴本体21は、上端に開口部22が形成され、下端に底部である閉塞部23が形成された円筒形状に形成されている。胴本体21は、内部にキャビティ24およびバスケット25が設けられ、放射性物質(例えば、使用済燃料集合体)を収納可能に構成されている。胴本体21および閉塞部23は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっているが、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。また、球状黒鉛鋳鉄や炭素鋼鋳鋼などの鋳造品を用いることもできる。
キャスク11の内部に設けられるバスケット25は、使用済燃料集合体(図示略)を個々に収納する複数のセル26が設けられている。
胴部12は、胴本体21の外周面に所定の隙間を開けて外筒27が配設されている。胴本体21の外周面と外筒27の内周面との間に、熱伝導を行う銅製の伝熱フィン28が周方向に複数設けられている。胴本体21と外筒27と伝熱フィン28とで囲まれる空間部に、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(中性子遮蔽体)29が設けられている。
胴部12は、閉塞部23の下側に底板31が設けられている。底板31は、円板状に形成され、閉塞部23に対し、筒状や板状の連結板32により所定の隙間を開けて連結されている。閉塞部23と底板31と連結板32とで囲まれる空間部に、レジン(中性子遮蔽体)33が設けられている。このように、胴部12の閉塞部23の下側において、底板31および連結板32で構成された部分をキャスク11の下端部30という。下端部30は、外形が円柱形状に形成されて、図4に示すように、外周に外面30aを有し、下端に下面30bを有している。下端部30は、円柱形状の外径D1が、胴部12の外径D2よりも小さく形成されている。つまり、胴部12は、下端部30の外面30aの上側で径方向外側に突出して形成されている。
胴部12は、胴本体21にキャスク11を吊上げるためのトラニオン41が設けられている。
このように構成されたキャスク11は、図3および図4に示すように、設置床101に設置された架台50上に支持される。架台50は、金属材で形成され、架台本体51と、枠部52と、を有している。架台本体51は、所定の厚さを有して平面視が矩形形状に形成されている。架台本体51は、下面に脚部54が固定されている。脚部54は、架台本体51の下面に一体に設けられ、一定方向に連続する突条として形成され、連続方向と直交する方向で複数(本実施形態では3個)並んで設けられている。架台本体51は、各脚部54が設置床101に密着されることで設置され、設置床101との間に空間部Aが確保される。
枠部52は、架台本体51の上面に架台本体51と一体に設けられている。枠部52は、所定の厚さおよび高さを有した円筒形状に形成されている。枠部52は、円筒形状の内部にキャスク11の下端部30が挿入される。従って、枠部52は、その内面52aがキャスク11の下端部30の外面30aを囲み、その底面52bがキャスク11の下端部30の下面30bに当接することで、下端部30を介してキャスク11を支持する。架台50の枠部52は、地震時の振動によりキャスク11が水平方向に移動した場合、キャスク11の下端部30の外面30aに内面52aが当接することで、キャスク11の水平移動を抑制し、キャスク11が転倒することを防止する。
[実施形態1]
図5は、実施形態1に係る転倒防止構造の垂直断面図である。図6は、実施形態1に係る転倒防止構造の水平断面図である。
図1および図2に示すように、架台50における枠部52の内面52aとキャスク11における下端部30の外面30aとの間に隙間Bが設けられている。隙間Bは、キャスク11を架台50に挿入するときに挿入を妨げないような数mmの間隔に形成される。本実施形態では、下端部30の外面30aが円状に形成され、枠部52の内面52aも円状に形成されているため、隙間Bは円状をなす。この隙間Bは、キャスク11に収納された放射性物質の崩壊熱による枠部52の熱伸びによって広がる。隙間Bが広がると、地震時の振動によるキャスク11の水平方向への移動量が大きくなる。この結果、地震時において、枠部52の内面52aにキャスク11の外面30aが衝突したロッキング時の荷重が枠部52に過大に生じて歪みが発生し、キャスク11が転倒に至るおそれがある。そこで、本実施形態の転倒防止構造は、隙間Bを詰める部材を備えている。
図5および図6に示す部材は、隙間Bに挿入されるシム(スペーサとも言う)1である。シム1は、枠部52の内面52aおよび下端部30の外面30aに沿うように円弧状に形成されている。シム1は、枠部52の内面52aと下端部30の外面30aとの間の隙間Bの複数箇所(本実施形態では4箇所)に設けられている。隙間Bは、キャスク11を架台50に挿入したとき、必ずしも寸法が周方向に均一になるとはいえないため、複数種類の厚さのシム1を用意しておくことが好ましい。
この転倒防止構造によれば、隙間Bを詰める部材であるシム1を用いることで、地震時の振動によるキャスク11の水平方向への移動量を小さく抑制できる。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
シム1は、金属材で形成されている。このため、シム1は、キャスク11に収納された放射性物質の崩壊熱により熱伸びすることで、隙間Bを詰め、枠部52の内部でキャスク11を拘束する。この結果、地震時の振動によるキャスク11の水平方向への移動を規制でき、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
また、転倒防止方法として、キャスク11を枠部52に挿入し、キャスク11に収納された放射性物質の崩壊熱により枠部52が熱伸びした後、部材であるシム1を隙間Bに挿入する。この転倒防止方法によれば、枠部52が熱伸びして隙間Bの寸法が安定してからシム1を挿入でき、熱伸びによるシム1の変形を防止できる。また、シム1によって熱伸びによる過度な拘束が生じる場合はシム1を温めた上で挿入することで緩和することができる。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係る転倒防止構造の垂直断面図である。図8は、実施形態2に係る転倒防止構造の水平断面図である。
図7および図8に示す転倒防止構造は、実施形態1の変形例である。この転倒防止構造は、枠部52において、内面52aおよび上端52cに開口する枠側溝52dが形成されている。シム1は、枠側溝52dに挿入される。
この転倒防止構造によれば、枠側溝52dにより部材であるシム1を隙間Bに挿入し易くできる。また、枠側溝52dは、幅や深さを調整することで枠部52の熱伸びによる隙間Bの調整ができる。
[実施形態3]
図9は、実施形態3に係る転倒防止構造の垂直断面図である。
図9に示す転倒防止構造は、実施形態2の変形例である。この転倒防止構造は、枠部52において、枠側溝52dの溝内面に漸次下方に窄まる枠側溝傾斜面52eが設けられている。また、シム1は、枠側溝傾斜面52eに沿う第一シム側傾斜面1aが設けられている。即ち、シム1は、漸次下方に窄まる楔状に形成されている。
この転倒防止構造によれば、部材であるシム1を隙間Bにさらに挿入し易くできる。また、枠側溝傾斜面52eおよび第一シム側傾斜面1aにより、枠部52の熱伸びに追従してシム1により隙間Bを詰めることができる。
実施形態3において、図には明示しないが、実施形態1の変形例として、実施形態2の枠側溝52dを有さず、シム1が、漸次下方に窄まる楔状に形成されていてもよい。この転倒防止構造によれば、部材であるシム1を隙間Bに挿入し易くできる。また、シム1の楔状により、枠部52の熱伸びに追従してシム1により隙間Bを詰めることができる。
[実施形態4]
図10は、実施形態4に係る転倒防止構造の垂直断面図である。
図10に示す転倒防止構造は、実施形態3の変形例である。この転倒防止構造は、シム1の上下方向の移動を規制する止具1eが設けられている。止具1eは、隙間Bに挿入されたシム1を上から押さえるように枠部52の上端52cにボルトなどの締結手段により固定される。
この転倒防止構造によれば、部材であるシム1を隙間Bから抜けないように抜け止めできる。この結果、シム1による効果を維持できる。
実施形態4において、図には明示しないが、実施形態1,2の変形例として、シム1の上下方向の移動を規制する止具1eを有することとしてもよい。
[実施形態5]
図11は、本発明の実施形態5に係る転倒防止構造の水平断面拡大図である。
図11に示す転倒防止構造は、実施形態2,3の変形例である。この転倒防止構造は、シム1は、キャスク11の下端部30の外面30aに接触する複数の凸部1bが設けられている。凸部1bは、シム1の外面30aに向く面の平面視の形状を山形に形成して設けられている。また、図には明示しないが、凸部1bは、シム1の外面30aに向く面に多数の突起として形成されていてもよい。
この転倒防止構造によれば、部材であるシム1に設けた凸部1bにより、キャスク11の周方向の回転を抑制できる。キャスク11の下端部30の外面30aが円状に形成され、架台50の枠部52の内面52aも円状に形成されていると、地震時の振動によるキャスク11の水平方向への移動は、相互の円状に沿って周方向の回転を含む。本実施形態の転倒防止構造によれば、このキャスク11の周方向の回転を抑制することで、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
実施形態5において、図には明示しないが、実施形態2,3の変形例に加え、実施形態1,4の変形例として、シム1に凸部1bを設けることとしてもよい。
[実施形態6]
図12から図14は、実施形態6に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。
図12から図14に示す転倒防止構造は、実施形態2の変形例である。この転倒防止構造は、枠部52において、内面52aおよび上端52cに開口する枠側溝52dが形成されている。シム1は、枠側溝52dに挿入される。また、キャスク11において、下端部30の外面30aに開口する容器側溝30cが形成されている。また、キャスク11において、容器側溝30cの溝内面に漸次下方に広がる容器側傾斜面30caが設けられている。また、シム1は、また、シム1は、容器側傾斜面30caに沿う第二シム側傾斜面1cが設けられている。即ち、シム1は、漸次下方に窄まる楔状に形成されている。
従って、シム1は、枠部52の枠側溝52dに挿入されると共に、キャスク11の下端部30の容器側溝30cに挿入され、かつ第二シム側傾斜面1cが容器側溝30cの容器側傾斜面30caに沿って設けられる。
この転倒防止構造によれば、図12に示すように、枠部52の枠側溝52d、およびキャスク11の下端部30の容器側溝30cに挿入されたシム1により、枠部52とキャスク11との周方向の相対移動を拘束する。また、この転倒防止構造によれば、楔状のシム1の第二シム側傾斜面1cが容器側溝30cの容器側傾斜面30caに沿うことで、キャスク11が上方に移動することを拘束して枠部52からの抜けを防ぐ。この結果、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
なお、実施形態6に係る転倒防止構造において、キャスク11の下端部30の容器側溝30cに、シム1を支持する支持部30dが設けられている。具体的に、支持部30dは、容器側溝30cの溝内面からシム1に向かって延びるピンである。ピンである支持部30dは、シム1の第二シム側傾斜面1cに形成された上下方向に長い長孔1dに挿入される。
従って、ピンである支持部30dがシム1の長孔1dに挿入されることで、シム1がキャスク11の下端部30に支持される。また、ピンである支持部30dがシム1の長孔1dに挿入されることで、シム1の上下方向への移動が許容される。
この転倒防止構造によれば、図12に示すようにシム1を枠部52の枠側溝52dおよびキャスク11の下端部30の容器側溝30cに挿入するため、図13に示すように、キャスク11の下端部30を枠部52に挿入する際、容器側溝30cに挿入したシム1を支持しながら、シム1を枠部52の枠側溝52dに挿入する。また、図14に示すように、キャスク11を枠部52から取り外す際、容器側溝30cに挿入したシム1を支持しながら、シム1を枠部52の枠側溝52dから抜く。この結果、シム1の装着を容易に行うことができる。
実施形態6において、図には明示しないが、実施形態5の変形例として、シム1に凸部1bを設けることとしてもよい。
[実施形態7]
図15は、実施形態7に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。
図15に示す部材は、枠部52を貫通して隙間Bに至る先端がキャスク11の下端部30の外面30aに当接するネジ部2である。ネジ部2は、ボルトとして構成され、雄ネジ部2aの基端にボルト頭部2bが設けられている。枠部52は、水平方向に沿ってネジ部2の雄ネジ部2aがねじ込まれる雌ネジ孔52fが設けられている。そして、ネジ部2は、枠部52の外側から雌ネジ孔52fに雄ネジ部2aがねじ込まれ、隙間Bに至った雄ネジ部2aの先端がキャスク11の下端部30の外面30aに当接する。従って、実施形態7の転倒防止構造は、ネジ部2により隙間Bを詰める。
この転倒防止構造によれば、隙間Bを詰める部材であるネジ部2を用いることで、地震時の振動によるキャスク11の水平方向への移動量を小さく抑制できる。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
また、実施形態7において、雌ネジ孔52fは、枠部52の周方向の複数箇所(例えば、4箇所)に設けられていることが好ましい。これにより、ネジ部2がキャスク11の下端部30の外面30aに周方向の複数箇所で当接できる。
[実施形態8]
図16は、実施形態8に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。
図16に示す実施形態8は、実施形態7の変形例である。この転倒防止構造は、ネジ部2の先端に、当部2cと、弾性部2dと、が設けられている。当部2cは、例えば、板状に形成され、板面をキャスク11の下端部30の外面30aに向けて設けられている。当部2cは、ネジ部2の雄ネジ部2aの雌ネジ孔52fへのねじ込みにより隙間Bの内部で外面30aに対して近づいたり離れたりする。弾性部2dは、コイルバネや板バネなどで構成され、当部2cにおいて外面30aに向く板面に取り付けられている。弾性部2dは、当部2cと外面30aとの間に設けられ、ネジ部2の雄ネジ部2aの雌ネジ孔52fへのねじ込みにより外面30aに対して近づいた場合、外面30aに当接する。従って、実施形態8の転倒防止構造は、ネジ部2により弾性部2dの弾性力を介して隙間Bを詰める。
このように、隙間Bを詰める部材であるネジ部2を用い、弾性部2dを介していることで、弾性部2dの弾性力により、地震時の振動によるキャスク11の水平方向への移動量を小さく抑制できる。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
なお、枠部52の内面52aに、当部2cを収容できる収容溝52abを設けることが好ましい。従って、収容溝52abに当部2cが収容されることで、狭い隙間Bにおいて弾性部2dの変形量を確保して弾性力をキャスク11に生じさせることができる。
また、実施形態8において、雌ネジ孔52fは、枠部52の周方向の複数箇所(例えば、4箇所)に設けられていることが好ましい。これにより、弾性部2dがキャスク11の下端部30の外面30aに周方向の複数箇所で当接できる。
[実施形態9]
図17は、実施形態9に係る転倒防止構造の垂直断面拡大図である。
図17に示す部材は、枠部52の上端52cから隙間Bを跨いだ先端がキャスク11における下端部30の外面30aに当接可能な片部3を有している。片部3は、枠部52からキャスク11の下端部30に向けて延びるスリット3aが形成され、このスリット3aを介して固定部であるボルト3bにより枠部52の上端52cに固定される。即ち、片部3は、ボルト3bにより枠部52の上端52cに支持された状態で、キャスク11における下端部30の外面30aに対して先端が近づいたり離れたりすることができ、先端が外面30aに当接した状態でボルト3bを締め付けることで固定される。
この転倒防止構造によれば、隙間Bを詰める部材である片部3を用いることで、地震時の振動によるキャスク11の水平方向への移動量を小さく抑制できる。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
また、実施形態9において、片部3は、枠部52の周方向の複数箇所(例えば、4箇所)に設けられていることが好ましい。これにより、片部3がキャスク11の下端部30の外面30aに周方向の複数箇所で当接できる。
[実施形態10]
図18は、実施形態10に係る転倒防止構造の垂直断面図である。
図18に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、枠部52の内面52aに、キャスク11の下端部30を係止する係止部を有する。本実施形態の係止部は、枠部52の内面52aが漸次上方に窄む枠部傾斜面52gを含む。枠部傾斜面52gは、枠部52の内面52aの周方向全周に連続して設けられている。枠部傾斜面52gは、漸次上方に窄むことで上端がキャスク11の下端部30の外面30aに最も近づいて隙間Bを狭めるように形成されている。
この転倒防止構造によれば、地震時の振動によりキャスク11が傾いた場合、枠部傾斜面52gの上端がキャスク11の下端部30を係止し、枠部52からキャスク11の下端部30が抜け出すことを防止する。この結果、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
[実施形態11]
図19は、実施形態11に係る転倒防止構造の垂直断面図である。
図19に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、枠部52の内面52aに、キャスク11の下端部30を係止する係止部を有する。本実施形態の係止部は、枠部52の内面52aにおいて周方向に沿って設けられた枠部周溝52hを含む。枠部周溝52hは、枠部52の内面52aの周方向全周に連続して設けられている。枠部周溝52hは、その断面形状が図19に示すように矩形状に形成されている他、V形状や、U形状や、C形状に形成されていてもよい。
この転倒防止構造によれば、地震時の振動によりキャスク11が傾いた場合、枠部周溝52hがキャスク11の下端部30を係止し、枠部52からキャスク11の下端部30が抜け出すことを防止する。この結果、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
[実施形態12]
図20は、実施形態12に係る転倒防止構造の垂直断面図である。
図20に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、枠部52の底面52bを上下方向に貫通する貫通孔52iが設けられ、この貫通孔52iを通して下側から貫通するネジ部4を有している。ネジ部4は、ボルトとして構成されている。また、本実施形態の転倒防止構造は、キャスク11の下端部30の下面30bにネジ部4の先端部がねじ込まれるネジ孔30eが設けられている。このネジ孔30eは、キャスク11を運搬する際に緩衝材(図示せず)を取り付けるために用いられる。
この転倒防止構造によれば、枠部52の底面52bを貫通するネジ部4が、キャスク11の下端部30の下面30bに設けられたネジ孔30eにねじ込まれることで、キャスク11の下端部30と枠部52の底面52bとを相互に接合する。この結果、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
[実施形態13]
図21は、実施形態13に係る転倒防止構造の水平断面図である。
図21に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、キャスク11の下端部30の外面30aの周形状を円形とし、枠部52の内面52aの周形状を楕円形とする。また、架台50は、脚部54が楕円形の長い方向に沿って配置されている。
キャスク11は、地震時の振動の加振方向に移動する。そして、キャスク11の下端部30の外面30aの周形状を円形とし、枠部52の内面52aの周形状も円形とすると、キャスク11は振れ回るように様々な水平方向に移動する。
本実施形態の転倒防止構造のように、キャスク11の下端部30の外面30aの周形状を円形とし、枠部52の内面52aの周形状を楕円形とすると、キャスク11が大きく振れる方向を限定できる。この結果、キャスク11が振れる方向が限定されるため、当該方向に強度を増すことができ、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。強度を増す方法としては、上述したように、架台50の脚部54を楕円形の長い方向に沿って配置することで、キャスク11が大きく振れる方向で架台50の剛性を大きくできる。強度を増す方法として、楕円形の長い方向で枠部52の厚さを大きくすることで、キャスク11が大きく振れる方向で架台50の剛性を大きくできる。
[実施形態14]
図22は、本発明の実施形態14に係る転倒防止構造の水平断面図である。
図22に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、キャスク11の下端部30の外面30aの一部に平坦な容器側平面30aaが形成され、枠部52の内面52aの一部に容器側平面30aaと対向する平坦な枠側平面52aaが形成されている。図22では、容器側平面30aaは、キャスク11の下端部30の外面30aの2箇所に平行に配置され、枠側平面52aaも枠部52の内面52aの2箇所に平行に配置されている。
キャスク11は、地震時の振動の加振方向に移動する。そして、キャスク11の下端部30の外面30aの周形状を円形とし、枠部52の内面52aの周形状も円形とすると、キャスク11は振れ回るように回転移動する。
本実施形態の転倒防止構造のように、キャスク11の下端部30の外面30aの容器側平面30aaと、枠部52の内面52aの枠側平面52aaとを設けることで、キャスク11の回転移動を抑制できる。このため、キャスク11の下端部30が、枠部52に当接したときの挙動を低減できる。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
[実施形態15]
図23は、実施形態15に係る転倒防止構造の垂直断面図である。図24は、実施形態15に係る転倒防止構造の水平断面図である。
図23および図24に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、キャスク11の下端部30の下面30bに凹部30fが形成され、枠部52の底面5bに凹部30fに挿入する凸部52jが形成されている。図23および図24では、キャスク11の下端部30の外面30aの周形状が円形であり、凹部30fの周形状も同心の円形に形成されている。また、図23および図24では、枠部52の内面52aの周形状が円形であり、凸部52jの周形状も同心の円形に形成されている。
この転倒防止構造によれば、キャスク11の下端部30の外面30aと枠部52の内面52aとが当接し、さらに凹部30fと凸部52jも当接する。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を分散して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
また、この転倒防止構造によれば、キャスク11に収納された放射性物質の崩壊熱により枠部52が熱伸びする。この際、枠部52の内面52aは、径方向外側に伸びてキャスク11の下端部30の外面30aから離れる方向に変形する。一方、凸部52jは、径方向外側に伸びてキャスク11の凹部30fの内面に近づく方向に変形する。即ち、凸部52jは、凹部30fと嵌合するように変形する。この結果、キャスク11に生じる振動を抑制して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
なお、キャスク11の下端部30の外面30aの周形状の円形と、凹部30fの周形状の円形とは、同心でなくてもよく、円形でなくてもよい。また、枠部52の内面52aの周形状の円形と、凸部52jの周形状の円形とは、同心でなくてもよく、円形でなくてもよい。
[実施形態16]
図25は、実施形態16に係る転倒防止構造の水平断面図である。
図25に示す転倒防止構造は、実施形態15の変形例である。この転倒防止構造は、凹部30fの内面の一部に形成された凹部側平面30gと、凸部52jの外面の一部に形成されて凹部側平面30gに対向する凸部側平面52kと、さらに含む。図25では、凹部側平面30gは、凹部30fの内面の2箇所に平行に配置され、凸部側平面52kも凸部52jの外面の2箇所に平行に配置されている。
キャスク11は、地震時の振動の加振方向に移動する。そして、キャスク11の下端部30の凹部30fの周形状を円形とし、枠部52の凸部52jの周形状も円形とすると、キャスク11は振れ回るように回転移動する。
本実施形態の転倒防止構造のように、キャスク11の下端部30の凹部30fの凹部側平面30gと、枠部52の凸部52jの凸部側平面52kとを設けることで、キャスク11の回転移動を抑制できる。このため、キャスク11の下端部30の凹部30fが、枠部52の凸部52jに当接したときの挙動を低減できる。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
[実施形態17]
図26は、実施形態17に係る転倒防止構造の垂直断面図である。図27は、実施形態17に係る転倒防止構造の水平断面図である。
図26および図27に示す転倒防止構造は、実施形態15の変形例である。この転倒防止構造は、キャスク11の下端部30の凹部30fの内面と、枠部52の凸部52jの外面との間に配置されるリング5を有している。リング5は、その外面が凹部30fの内面に沿うように垂直に形成され、その内面に漸次下方に窄まって傾斜するリング側傾斜面5aが形成されている。また、凸部52jは、その外面に漸次下方に窄まって傾斜し、リング側傾斜面5aに対向する凸部側傾斜面52jaが形成されている。
リング5は、キャスク11の下端部30とは別体または一体で構成され、キャスク11の下端部30に固定される。凸部52jは、架台50とは別体または一体で構成され、架台50に固定される。そして、キャスク11を枠部52に挿入する際、リング5に凸部52jが挿入される。このとき、相互の傾斜面5a,52jaは干渉しない。キャスク11を枠部52に挿入した後、キャスク11に収納された放射性物質の崩壊熱により凸部52jが熱伸びし、図26に示すように、相互の傾斜面5a,52jaの間が詰められて対向する。
この転倒防止構造によれば、凹部30fの内面と凸部52jの外面との間に配置され凹部30fに固定されるリング5と、リング5の内面が漸次下方に窄まって形成されたリング側傾斜面5aと、凸部52jの外面が漸次下方に窄まって形成されてリング側傾斜面5aに対向する凸部側傾斜面52jaと、を備えることで、地震時の振動によりキャスク11が傾いた場合、相互の傾斜面5a,52jaが干渉することで、枠部52からキャスク11の下端部30が抜け出すことを防止する。この結果、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
[実施形態18]
図28は、実施形態18に係る転倒防止構造の垂直断面図である。
図28に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、上述したように、キャスク11の胴部12が下端部30の外面30aの上側で径方向外側に突出して形成されており、枠部52の上端52cが胴部12に当接するように構成されている。即ち、キャスク11は、胴部12が枠部52に支持されている。
この転倒防止構造によれば、地震時の振動によりキャスク11が傾いた場合、枠部52の上端52cが胴部12に当接していることで、傾きの支点が枠部52の上端52cであり、下端部30よりも外側となる。このため、下端部30が支点となる場合と比較して、キャスク11の自重による回転モーメントが大きくなることで、地震時の振動による水平方向の加速度応答による慣性モーメントが小さくなり、枠部52の内面52aにキャスク11の下端部30の外面30aが衝突したロッキング時の荷重が枠部52に生じ難くなる。この結果、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
[実施形態19]
図29は、実施形態19に係る転倒防止構造における架台の斜視図である。
図29に示すように、本実施形態の転倒防止構造は、枠部52の周りを囲む剛体55を有する。剛体55は、図29では、枠部52を筒状に形成せず、枠部52の上端52cが架台50の上端と面一になるように、架台50に枠部52をなす凹みを形成した形態を示している。図には明示しないが、剛体55は、枠部52の周りを囲むように架台50とは別体のリング状に形成されていてもよい。
この転倒防止構造によれば、剛体55により、地震時において、枠部52にかかる荷重を低減して枠部52の歪みの発生を抑え、キャスク11が転倒に至る事態を防止できる。
この実施形態19の転倒防止構造の剛体55は、上述した実施形態1から18においても適用できる。
1 シム(部材)
1a 第一シム側傾斜面
1b 凸部
1c 第二シム側傾斜面
1d 長孔
1e 止具
2 ネジ部(部材)
2a 雄ネジ部
2b ボルト頭部
2c 当部
2d 弾性部
3 片部
3a スリット
3b ボルト
4 ネジ部
5 リング
5a リング側傾斜面
5b 底面
11 キャスク
12 胴部
13 蓋部
21 胴本体
22 開口部
23 閉塞部
24 キャビティ
25 バスケット
26 セル
27 外筒
28 伝熱フィン
30 下端部
30a 外面
30aa 容器側平面
30b 下面
30c 容器側溝
30ca 容器側傾斜面
30d 支持部
30e ネジ孔
30f 凹部
30g 凹部側平面
31 底板
32 連結板
41 トラニオン
50 架台
51 架台本体
52 枠部
52a 内面
52aa 枠側平面
52ab 収容溝
52b 底面
52c 上端
52d 枠側溝
52e 枠側溝傾斜面
52f 雌ネジ孔
52g 枠部傾斜面
52h 枠部周溝
52i 貫通孔
52j 凸部
52ja 凸部側傾斜面
52k 凸部側平面
54 脚部
55 剛体
101 設置床
A 空間部
B 隙間
D1 外径
D2 外径

Claims (1)

  1. 架台に置かれた放射性物質収納容器の転倒防止構造であって、
    前記架台は、前記放射性物質収納容器の下端部が挿入される枠部を有しており、
    前記枠部の内面と前記放射性物質収納容器の前記下端部の外面との間に隙間を設け、
    前記枠部の周りを囲む剛体を有する、転倒防止構造。
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