JP2023025736A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び対クラック性への影響が抑えられながら、生産性の向上が達成された、重荷重用空気入りタイヤ2の提供。【解決手段】このタイヤ2のトレッド4には、軸方向に並列した少なくとも3本の周方向溝28が前記トレッド4に刻まれ、軸方向に並列した少なくとも4本の陸部30が構成される。これら陸部30のうち、軸方向において最も外側に位置する陸部30sがショルダー陸部30sである。ショルダー陸部30sには、その外面からこのタイヤ2の径方向内側に向かって延びる穴46が設けられる。穴46は、トレッド面22の端を通るタイヤの内面の法線と接触しない位置に設けられ、穴46の深さDが、ショルダー周方向溝28sの深さG以下である。穴46は、開口側部と、この開口側部と連通し、開口側部より径方向内側に設けられた穴底側部とからなる。穴底側部96では、外側穴底側部96Aと内側穴底側部96Bとの境目98の幅が開口側部の径方向内側端部の幅の1.5~2.5倍である。【選択図】図1

Description

本発明は、トラック、バス等の車両に装着される重荷重用空気入りタイヤに関する。
重荷重用空気入りタイヤのトレッドは、大きなボリュームを有する。特にショルダー部は、ボリュームが大きく熱が伝わりにくい。そのため、重荷重用空気入りタイヤでは、ショルダー部の形成に必要となる加硫時間が加硫反応の律速となる。そこで、ショルダー部に熱伝導体を挿入した状態で加硫を行い、加硫時間の短縮を図ることが提案されている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2020-116976号公報
一方、製造時に熱伝導体が挿入された穴がトレッドに形成された場合、タイヤの耐摩耗性や耐クラック性が低下する場合がある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、トレッドを効果的に加熱することで、耐摩耗性や耐クラック性への影響が抑えられながら、加硫時間の短時間化による生産性の向上が達成された、重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る重荷重用空気入りタイヤは、一対のビードと、一方のビードと他方のビードとを架け渡すカーカスと、前記カーカスの径方向外側に位置するベルトと、前記ベルトの径方向外側に位置し路面と接触するトレッド面を有するトレッドとを備え、軸方向に並列した少なくとも3本の周方向溝が前記トレッドに刻まれることにより、軸方向に並列した少なくとも4本の陸部が構成され、これら周方向溝のうち、軸方向において最も外側に位置する周方向溝がショルダー周方向溝であり、これら陸部のうち、軸方向において最も外側に位置する陸部がショルダー陸部であり、前記ショルダー陸部に、その外面から径方向内側に向かって延びる穴が設けられ、前記穴が前記トレッド面の端を通るタイヤの内面の法線と接触しない位置に設けられ、前記穴の深さが前記ショルダー周方向溝の深さ以下であり、前記穴が、径方向内側に向かって幅が縮小する領域及び幅が一定の領域の少なくとも一方を有する開口側部と、前記開口側部と連通し、前記開口側部より径方向内側に設けられた穴底側部とからなり、前記穴底側部が、径方向内側に向かって幅が拡大する外側穴底側部と径方向内側に向かって幅が縮小する内側穴底側部とからなり、前記外側穴底側部と前記内側穴底側部との境目の幅が前記開口側部の径方向内側端部の幅の1.5~2.5倍である、重荷重用空気入りタイヤ。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記穴において、当該穴の中心軸に垂直な断面の形状が円であり、前記開口側部の径方向内側端部の幅が2.0~3.5mmであり、前記内側穴底側部の壁面の形状は、球面の一部のみで構成された形状であり、前記球面の半径Rが2.0mm以上である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記穴において、当該穴の中心軸に垂直な断面の形状が円であり、前記開口側部の径方向内側端部の幅が2.0~3.5mmであり、前記内側穴底側部の壁面の形状は、曲面と平面との組み合わせで構成された形状である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記穴底側部における前記外側穴底側部と前記内側穴底側部との境目の底からの距離が、前記外側穴底側部と前記内側穴底側部との境目の幅の25~50%である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記穴の深さが前記ショルダー周方向溝の深さの90~100%である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記トレッド面の端を通るタイヤ内面の法線において、前記トレッド面の端とタイヤ内面との中点を点Pとし、点Pを通る前記トレッド面の法線が、前記穴と交差する。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記ショルダー陸部が、軸方向に並列した複数の軸方向溝により区分けされた複数のショルダーブロックを含み、前記穴の口は、前記ショルダーブロックのトレッド面における周方向一端側から距離が、当該ショルダーブロックの周方向長さの30~70%である領域内に位置し、各ショルダーブロックに設けられる前記穴の最大個数が3個である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記穴の口幅が前記開口側部の径方向内側端部の幅よりも広い。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記外側穴底側部の少なくとも前記開口側部と繋がる部分の断面形状が、径方向内側に向かって幅が拡大する曲線を有する形状である。
本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、効果的な加熱工程を経てトレッドが形成される。このタイヤでは、耐摩耗性及び耐クラック性への影響が抑えられながら、生産性の向上が達成される。
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのトレッド面が示された展開図である。 図3は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図4は、図1のタイヤの製造状況を説明する図である。 図5(a)は、図1のタイヤのショルダー陸部に設けられる穴が示された拡大断面図であり、図5(b)は、図5(a)のIV-IV線に沿った断面図である。 図6は、本発明の別の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤに設けられる穴が示された拡大断面図である。 図7は、実施例1で製造されたタイヤのショルダー陸部に設けられた穴が示された拡大断面図である。 図8は、実施例2で製造されたタイヤのショルダー陸部に設けられた穴が示された拡大断面図である。 図9は、実施例3で製造されたタイヤのショルダー陸部に設けられた穴が示された拡大断面図である。 図10は、比較例2で製造されたタイヤのショルダー陸部に設けられた穴が示された拡大断面図である。 図11は、比較例3で製造されたタイヤのショルダー陸部に設けられた穴が示された拡大断面図である。 図12は、比較例4で製造されたタイヤのショルダー陸部に設けられた穴が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明においては、タイヤを正規リムに組み込み、タイヤの内圧が正規内圧に調整され、このタイヤに荷重がかけられていない状態は、正規状態と称される。本発明では、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
本明細書において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
本明細書において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本明細書において正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤ2(以下、単に「タイヤ2」と称することがある。)の一部を示す。このタイヤ2は、例えば、トラック、バス等の重荷重車両に装着される。
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面の一部を示す。この図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。この図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。この図1においてタイヤ2は、リムR(正規リム)に組み込まれている。
図1において、軸方向に延びる実線BBLはビードベースラインである。このビードベースラインは、リムRのリム径(JATMA等参照)を規定する線である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード8、一対のチェーファー10、カーカス12、ベルト14、一対のクッション層16、インナーライナー18及び一対のスチール補強層20を備える。
トレッド4は、その外面22、すなわちトレッド面22において路面と接触する。符号PCは、トレッド面22と赤道面との交点である。この交点PCは、タイヤ2の赤道である。
このトレッド4は、ベース部24と、このベース部24の径方向外側に位置するキャップ部26とを備える。ベース部24は、接着性が考慮された低発熱性の架橋ゴムからなる。キャップ部26は、耐摩耗性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムからなる。キャップ部26は、ベース部24全体を覆う。
このタイヤ2では、少なくとも3本の周方向溝28がトレッド4に刻まれる。これにより、このトレッド4には少なくとも4本の陸部30が構成される。このタイヤ2では、少なくとも4本の周方向溝28がトレッド4に刻まれ、これによりこのトレッド4に少なくとも5本の陸部30が構成されてもよい。図1に示されたタイヤ2では、4本の周方向溝28がトレッド4に刻まれ、このトレッド4に5本の陸部30が構成されている。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端に連なる。サイドウォール6は、トレッド4の端から径方向内向きに延びる。サイドウォール6は、架橋ゴムからなる。
それぞれのビード8は、サイドウォール6よりも径方向内側に位置する。ビード8は、コア32と、エイペックス34とを備える。
コア32は、周方向に延びる。コア32は、巻き回されたスチール製のワイヤを含む。
エイペックス34は、コア32の径方向外側に位置する。エイペックス34は、コア32から径方向外向きに延びる。エイペックス34は、内側エイペックス34uと外側エイペックス34sとを備える。内側エイペックス34u及び外側エイペックス34sは架橋ゴムからなる。外側エイペックス34sは内側エイペックス34uに比して軟質である。
それぞれのチェーファー10は、ビード8の軸方向外側に位置する。このチェーファー10は、サイドウォール6よりも径方向内側に位置する。チェーファー10は、リムRと接触する。チェーファー10は、架橋ゴムからなる。
カーカス12は、トレッド4、サイドウォール6及びチェーファー10の内側に位置する。カーカス12は、一方のビード8と他方のビード8とを架け渡す。カーカス12は、少なくとも1枚のカーカスプライ36を備える。このタイヤ2のカーカス12は、1枚のカーカスプライ36からなる。
このタイヤ2では、カーカスプライ36はそれぞれのビード8の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。このカーカスプライ36は、一方のビード8から他方のビード8に向かって延びるプライ本体36aと、このプライ本体36aに連なりそれぞれのコア32の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される一対の折り返し部36bとを有する。
図示されないが、カーカスプライ36は並列された多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードは、トッピングゴムで覆われる。それぞれのカーカスコードは、赤道面と交差する。このタイヤ2では、カーカスコードが赤道面に対してなす角度は70°以上90°以下である。このカーカス12は、ラジアル構造を有する。このタイヤ2では、カーカスコードの材質はスチールである。有機繊維からなるコードが、カーカスコードとして用いられてもよい。
ベルト14は、トレッド4の径方向内側に位置する。このベルト14は、カーカス12の径方向外側に位置する。
ベルト14は、径方向に積層された複数の層38で構成される。このタイヤ2のベルト14は、4枚の層38で構成される。このタイヤ2では、ベルト14を構成する層38の数に特に制限はない。ベルト14の構成は、タイヤ2の仕様が考慮され適宜決められる。
図示されないが、それぞれの層38は並列された多数のベルトコードを含む。これらベルトコードはトッピングゴムで覆われる。ベルトコードの材質はスチールである。このタイヤ2のベルトコードはスチールコードである。
図示されないが、ベルトコードは赤道面に対して傾斜する。このタイヤ2では、一の層38のベルトコードが、この一の層38に積層される他の層38のベルトコードと交差するように、ベルト14は構成される。
このタイヤ2では、4枚の層38のうち、第一層38Aと第三層38Cとの間に位置する第二層38Bが最大の軸方向幅を有する。径方向において最も外側に位置する第四層38Dが、最小の軸方向幅を有する。
それぞれのクッション層16は、ベルト14の端の部分、すなわち、ベルト14の端部において、このベルト14とカーカス12との間に位置する。クッション層16は、架橋ゴムからなる。
インナーライナー18は、カーカス12の内側に位置する。インナーライナー18は、タイヤ2の内面を構成する。このインナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのスチール補強層20は、ビード8の部分に位置する。軸方向において、スチール補強層20はビード8の外側に位置する。スチール補強層20は、カーカスプライ36とチェーファー10との間に位置する。スチール補強層20の内端は、コア32の径方向内側に位置する。スチール補強層20の外端は、径方向において、折り返し部36bの端とコア32との間に位置する。
図示されないが、スチール補強層20は並列した多数のフィラーコードを含む。スチール補強層20においてフィラーコードはトッピングゴムで覆われる。フィラーコードの材質はスチールである。
図2は、トレッド面22の展開図を示す。この図2において、左右方向はこのタイヤ2の軸方向であり、上下方向はこのタイヤ2の周方向である。この図2の紙面に対して垂直な方向は、このタイヤ2の径方向である。
図1及び2において、符号PEはトレッド面22の端である。なお、タイヤ2において、外観上、トレッド面22の端PEの識別が不能な場合には、正規状態のタイヤ2に正規荷重を負荷して、キャンバー角を0゜としトレッド4を平面に接触させて得られる接地面の軸方向外側端がトレッド面22の端PEとして定められる。
前述したように、このタイヤ2では、4本の周方向溝28がトレッド4に刻まれる。これら周方向溝28は、軸方向に並列され、周方向に連続して延びる。
4本の周方向溝28のうち、軸方向において内側に位置する周方向溝28c、すなわち赤道PCに近い周方向溝28cがセンター周方向溝である。軸方向において最も外側に位置する周方向溝28s、すなわち、トレッド面22の端PEに近い周方向溝28sがショルダー周方向溝である。なお、トレッド4に刻まれた周方向溝28に、赤道PC上に位置する周方向溝28が含まれる場合には、赤道PC上に位置する周方向溝28がセンター周方向溝である。さらにセンター周方向溝28cとショルダー周方向溝28sとの間に周方向溝28が存在する場合には、この周方向溝28はミドル周方向溝である。
それぞれのセンター周方向溝28cは、周方向にジグザグ状に連続して延在する。センター周方向溝28cは、軸方向において、一方側に凸なジグザグ頂点40aと、他方側に凸なジグザグ頂点40bとを有する。このセンター周方向溝28cでは、ジグザグ頂点40aとジグザグ頂点40bとは、周方向に交互に配置される。このタイヤ2では、このセンター周方向溝28cが周方向にストレートに延びる溝で構成されてもよい。
それぞれのショルダー周方向溝28sは、周方向にジグザグ状に連続して延在する。ショルダー周方向溝28sは、軸方向において、一方側に凸なジグザグ頂点40cと、他方側に凸なジグザグ頂点40dとを有する。このショルダー周方向溝28sでは、ジグザグ頂点40cとジグザグ頂点40dとは、周方向に交互に配置される。このタイヤ2では、このショルダー周方向溝28sが周方向にストレートに延びる溝で構成されてもよい。
図2に示されるように、このタイヤ2では、紙面の左側に位置するセンター周方向溝28c(以下、第一センター周方向溝28c1とも称される。)のジグザグ頂点40bと、紙面の右側に位置するセンター周方向溝28c(以下、第二センター周方向溝28c2とも称される。)のジグザグ頂点40aとは、軸方向溝42c(以下、センター軸方向溝42cとも称される。)により架け渡される。
図2に示されるように、このタイヤ2では、紙面の左側に位置するショルダー周方向溝28s(以下、第一ショルダー周方向溝28s1とも称される。)のジグザグ頂点40dと、第一センター周方向溝28c1のジグザグ頂点40aとは、軸方向溝42m(以下、第一ミドル軸方向溝42m1とも称される。)により架け渡される。第一ショルダー周方向溝28s1は、そのジグザグ頂点40cにおいて、トレッド面22の端PEから内向きに延びる軸方向溝42s(以下、第一ショルダー軸方向溝42s1とも称される。)と連通する。
図2に示されるように、このタイヤ2では、紙面の右側に位置するショルダー周方向溝28s(以下、第二ショルダー周方向溝28s2とも称される。)のジグザグ頂点40cと、第二センター周方向溝28c2のジグザグ頂点40bとは、軸方向溝42m(以下、第二ミドル軸方向溝42m2とも称される。)により架け渡される。第二ショルダー周方向溝28s2は、そのジグザグ頂点40dにおいて、トレッド面22の端PEから内向きに延びる軸方向溝42s(以下、第二ショルダー軸方向溝42s2とも称される。)と連通する。
図2において、両矢印RTはトレッド面22の実幅である。この実幅RTは、一方のトレッド面22の端PEから他方のトレッド面22の端PEまでの距離で表される。この実幅RTは、トレッド面22に沿って計測される。
この図2において、両矢印GCはセンター周方向溝28cの実幅である。両矢印GSは、ショルダー周方向溝28sの実幅である。実幅GCは、センター周方向溝28cの一方の縁から他方の縁までの最短距離により表される。実幅GSは、ショルダー周方向溝28sの一方の縁から他方の縁までの最短距離により表される。
このタイヤ2では、排水性及びトラクション性能への貢献の観点から、センター周方向溝28cの実幅GCはトレッド面22の実幅RTの1~10%が好ましい。このセンター周方向溝28cの深さは、13~25mmが好ましい。
このタイヤ2では、排水性及びトラクション性能への貢献の観点から、ショルダー周方向溝28sの実幅GSはトレッド面22の実幅RTの1~10%が好ましい。ショルダー周方向溝28sの深さは、13~25mmが好ましい。
このタイヤ2では、ショルダー周方向溝28sの実幅GSはセンター周方向溝28cの実幅GCよりも広い。このショルダー周方向溝28sの実幅GSがセンター周方向溝28cの実幅GCよりも狭くてもよいし、このショルダー周方向溝28sの実幅GSがセンター周方向溝28cの実幅GCと同等であってもよい。この周方向溝28の実幅は、タイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。
このタイヤ2では、ショルダー周方向溝28sの深さはセンター周方向溝28cの深さと同等である。このショルダー周方向溝28sがセンター周方向溝28cよりも深くてもよいし、このショルダー周方向溝28sがセンター周方向溝28cよりも浅くてもよい。この周方向溝28の深さは、タイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。
このタイヤ2では、軸方向溝42の実幅は、トレッド面22の実幅RTの1~10%の範囲で適宜設定される。この軸方向溝42の深さは、13~25mmの範囲で適宜設定される。
このタイヤ2では、軸方向溝42の実幅は周方向溝28の実幅と同等であってもよく、この軸方向溝42の実幅が周方向溝28の実幅よりも狭くてもよく、この軸方向溝42の実幅が周方向溝28の実幅よりも広くてもよい。この軸方向溝42の実幅は、タイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。
このタイヤ2では、軸方向溝42の深さは周方向溝28の深さと同等であってもよく、この軸方向溝42の深さが周方向溝28よりも深くてもよいし、この軸方向溝42の深さが周方向溝28よりも浅くてもよい。この軸方向溝42の深さは、タイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。
前述したように、このタイヤ2では、4本の周方向溝28がトレッド4に刻まれることにより、このトレッド4には5本の陸部30が構成される。これら陸部30は、軸方向に並列され、周方向に延びる。
5本の陸部30のうち、軸方向において内側に位置する陸部30c、すなわち赤道PC上に位置する陸部30cがセンター陸部である。軸方向において最も外側に位置する陸部30s、すなわち、トレッド面22の端PEを含む陸部30sがショルダー陸部である。さらにセンター陸部30cとショルダー陸部30sとの間に位置する陸部30mが、ミドル陸部である。なお、トレッド4に構成された陸部30のうち、軸方向において内側に位置する陸部30が赤道PC上でなく、赤道PCの近くに位置する場合には、この赤道PCの近くに位置する陸部30、すなわち赤道PC側に位置する陸部30がセンター陸部である。
センター陸部30cには、前述のセンター軸方向溝42cが多数刻まれる。これにより、周方向に所定のピッチで配置された多数のセンターブロック44cが構成される。このタイヤ2のセンター陸部30cは、周方向に所定のピッチで配置された多数のセンターブロック44cを含む。なお、このセンター陸部30cが周方向に連続する凸部で構成されてもよい。この場合、このセンター陸部30cには、前述のセンター軸方向溝42cは刻まれない。
それぞれのミドル陸部30mには、前述のミドル軸方向溝42mが多数刻まれる。これにより、周方向に所定のピッチで配置された多数のミドルブロック44mが構成される。このタイヤ2のミドル陸部30mは、周方向に所定のピッチで配置された多数のミドルブロック44mを含む。なお、このミドル陸部30mが周方向に連続する凸部で構成されてもよい。この場合、このミドル陸部30mには、前述のミドル軸方向溝42mは刻まれない。
それぞれのショルダー陸部30sには、前述のショルダー軸方向溝42sが多数刻まれる。これにより、周方向に所定のピッチで配置された多数のショルダーブロック44sが構成される。このタイヤ2のショルダー陸部30sは、周方向に所定のピッチで配置された多数のショルダーブロック44sを含む。なお、このショルダー陸部30sが周方向に連続する凸部で構成されてもよい。この場合、このショルダー陸部30sには、前述のショルダー軸方向溝42sは刻まれない。
図3は、図2のIII-III線に沿った、このタイヤ2の断面を示す。この図3に示されたタイヤ2の断面は、図1に示されたこのタイヤ2の断面の一部である。この図3において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。この図3の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。
本発明において、タイヤ2の厚さは、図1又は3に示されたタイヤ2の断面において、タイヤ2の内面(詳細には、インナーライナー18の内面)の法線に沿って計測される。
図1及び3において、実線ELは、トレッド面22の端PEを通るタイヤ2の内面(詳細には、インナーライナー18の内面)の法線である。両矢印TEは、このタイヤ2の内面の法線ELに沿って計測される、このタイヤ2の厚さである。
このタイヤ2は、法線ELの位置において、最大の厚さTEを有する。言い換えれば、タイヤ2の内面の法線に沿って計測されるタイヤ2の厚さは、トレッド面22の端PEを通るタイヤ2の内面の法線ELにおいて、最大を示す。図3に示されるように、この法線ELはタイヤ2のショルダー陸部30sの部分を横切る。このタイヤ2では、このショルダー陸部30sの部分が最大の厚さTEを有する。
このタイヤ2では、ショルダー陸部30sに穴46が設けられる。図1又は3に示されるように、この穴46は、トレッド面22の一部をなす、ショルダー陸部30sの外面、具体的には、ショルダーブロック44sの外面から径方向内側に向かって延びる。この図2において、III-III線は穴46の中心を通り軸方向に延びる直線である。
この穴46は、図3に示すように、トレッド面22の端PEを通るタイヤ2の内面の法線ELと接触しない(法線ELが穴46を横切らない場合も含む)位置に設けられている。即ち、穴46は、法線ELよりも径方向外側に位置する。この場合、穴46の底48は、ベルト14との距離を充分に確保することができる。そのため、穴46の底48とベルト14との距離が近い場合に比べて、底48やベルト14の端部を起点とするクラックがより発生しにくくなる。
また、穴46は、法線ELと接触しない位置に設けられている。そのため、穴46は、トレッド面22の端PEに近づきすぎず、トレッド面22の端PEとの充分な距離が確保されている。穴46がトレッド面22の端PEに近づきすぎると穴46に破損が生じやすくなるが、前述の位置に穴を設けることで、穴46が端PEに近づきすぎることで生じる破損が回避できる。
図3において、両矢印Dは穴46の深さであり、両矢印Gは、ショルダー周方向溝28sの深さである。タイヤ2では、穴46の深さDがショルダー周方向溝28sの深さG以下である。言い換えると、穴46の深さDは、ショルダー周方向溝28sの深さGと同一か、又は深さGよりも浅い。穴46の深さDがショルダー周方向溝28sの深さGを超えると、穴46の底48とベルト14との距離が近くなり、穴46の底48を起点とするクラックや、ベルト14の端部を起点とするクラックが生じやすくなることが懸念される。
穴46の深さDは、ショルダー周方向溝28sの深さGの90~100%が好ましい。穴46の深さDをこのような範囲に設定することにより、タイヤ2を製造する際の加硫時間(加熱時間)が短縮され、効率の良いタイヤ2の製造が達成される。また、ベルト14との間に充分な距離が確保されるため、穴46の底48が起点となるクラックやベルトの端部における破損の発生が抑制され、良好な耐摩耗性も確保される。
穴46の深さDは、好ましくは12~25mmの範囲で設定される。
図3において、両矢印Dは穴46の深さである。この穴46の深さDは、トレッド面22から穴46の底48までの距離により表される。両矢印Gは、ショルダー周方向溝28sの深さである。このショルダー周方向溝28sの深さは、トレッド面22からこのショルダー周方向溝28sの底80までの距離により表される。
図3、5(a)に示されるように、穴46は、トレッド面22側から径方向内側に向かって順に設けられた開口側部92と開口側部92と連通した穴底側部96とからなる。開口側部92は、径方向内側に向かって幅が縮小する領域92A(以下、テーパー部92Aともいう)と径方向内側に向かって幅が一定の領域92B(以下、等幅部92Bともいう)とを有する。穴底側部96は、径方向内側に向かって幅が拡大する外側穴底側部96Aと径方向内側に向かって幅が縮小する内側穴底側部96Bを有する。
図5(b)は、図5(a)のIV-IV線に沿った断面図である。
図5(a)にはタイヤ2の回転軸を含む平面に沿った穴46の断面図が示されている。図5(b)に示されるように穴46の中心軸HCに垂直な断面の形状は円形である。従って、穴46の全体形状は、図5(a)の断面形状を穴46の中心軸HC周りに回転させた形状である。穴46の形状は、丸底フラスコのような形状である。
本発明の実施形態のタイヤにおいて、穴の中心軸HCは、トレッド面における穴の口の形状の重心と、穴の底(穴の底が平面の場合はその平面形状の重心)とを結ぶ直線と一致する。
本発明のタイヤ2において、穴の幅とは、穴の中心軸HCに垂直な断面形状における最も長い部分の長さをいう。よって、穴46では、穴46の中心軸HCに垂直な断面形状が円形であるため、この円の直径が断面位置における穴の幅となる。
この穴46の穴底側部96では、外側穴底側部96Aと内側穴底側部96Bとの境目98が、穴底側部96における最大幅Bmaxを呈する部分となる。
穴46において、穴底側部96の最大幅Bmaxは、開口側部92の径方向内側端部94の幅Aの1.5~2.5倍に設定される。
穴46において、開口側部92の径方向内側端部94の幅Aは、2.0~3.5mmに設定されることが好ましい。より好ましい幅Aの範囲は、2.5~3.0mmである。
幅Aが2.0mm未満では、タイヤ2を製造する際の加硫時間(加熱時間)の短縮効果が乏しくなる。一方、幅Aが3.5mmを超えると、タイヤ2においてショルダーブロックの剛性が低くなり、当該ショルダーブロックが耐摩耗性能に劣ることがある。
このような形状の穴46が設けられているタイヤ2では、製造時に生タイヤに加硫処理を施す際に、ボリュームが大きく、熱が伝わりにくいショルダー陸部に対応する部分が効率良く加熱されることが可能である。加えて、穴46では、穴底側部96の幅が開口側部の幅よりも大きくなっている。そのため、径方向に沿って幅が一定の穴が設けられている場合と比べて、穴の深さがそれほど深くなくても、生タイヤのショルダー陸部に対応する部分が効率良く加熱されることが可能となっている。
このタイヤ2は、次のようにして製造される。このタイヤ2の製造では、まず、成形機(図示されず)において、トレッド4、サイドウォール6等の部材を組み合わせて、未架橋状態のタイヤ、すなわち、生タイヤ2rが準備される。
このタイヤ2の製造では、図4に示された加硫機54において生タイヤ2rは加硫成形される。この加硫機54は、モールド56とブラダー58とを備える。
モールド56は、その内面にキャビティ面60を備える。このキャビティ面60は、生タイヤ2rの外面に当接し、タイヤ2の外面を形づける。
図4に示されたモールド56は、割モールドである。このモールド56は、構成部材として、トレッドリング62と、一対のサイドプレート64と、一対のビードリング66とを備える。このモールド56では、これら構成部材を組み合わせることにより、前述のキャビティ面60が構成される。図4のモールド56は、これら構成部材が組み合わされた状態、言い換えれば、閉じられた状態にある。
このモールド56では、トレッドリング62はタイヤ2のトレッド4の部分を形作る。このトレッドリング62は、多数のセグメント68で構成される。なお、サイドプレート64はタイヤ2のサイドウォール6の部分を形作り、ビードリング66はタイヤ2のビード8の部分を形作る。
タイヤ2を製造する場合、トレッドリング62を構成するセグメント68の個数は特に限定されず、成形後のタイヤ2の脱型性を考慮して適宜選択すればよい。
セグメント68には、穴46の形状と対応した形状を有する突起70が所定の位置に設けられている。突起70は熱伝導性の素材で形成されている。そのため、加硫工程において生タイヤ2rのショルダー陸部30sに対応する部分に熱が供給され、当該部分が効率よく加熱される。
ブラダー58は、モールド56の内側に位置する。ブラダー58は、架橋ゴムからなる。このブラダー58の内部には、スチーム等の加熱媒体が充填される。これにより、ブラダー58は膨張する。図4に示されたブラダー58は、加熱媒体が充填され膨張した状態にある。このブラダー58は、生タイヤ2rの内面に当接し、タイヤ2の内面を形づける。なお、このタイヤ2の製造では、ブラダー58に代えて金属製の剛性中子が用いられてもよい。剛性中子は、トロイダル状の外面を備える。この外面は、空気が充填されその内圧が正規内圧の5%に保持された状態にあるタイヤ2の内面の形状に近似される。
このタイヤ2の製造では、所定の温度に設定されたモールド56に生タイヤ2rが投入される。投入後、モールド56は閉じられる。加熱媒体の充填により膨張したブラダー58が、キャビティ面60に生タイヤ2rを内側から押し付ける。生タイヤ2rは、モールド56内で所定時間加圧及び加熱される。これにより、生タイヤ2rのゴム組成物が架橋し、タイヤ2が得られる。
図1から明らかなように、タイヤ2のトレッド4の部分はサイドウォール6の部分のボリュームよりも大きなボリュームを有する。前述したように、このタイヤ2では、トレッド4の部分のうち、ショルダー陸部30sの部分が最大の厚さTEを有する。すなわち、このタイヤ2では、ショルダー陸部30sの部分が特に大きなボリュームを有する。
このタイヤ2の製造では、生タイヤ2rには、モールド56及びブラダー58によって熱が伝えられる。生タイヤ2rには、小さなボリュームを有する部分と、大きなボリュームを有する部分とが混在する。小さなボリュームを有する部分には熱は伝わりやすいが、大きなボリュームを有する部分には熱は伝わりにくい。
熱が伝わりやすい部分を基準に、生タイヤ2rを加圧及び加熱する時間、すなわち加硫時間を設定すると、熱が伝わりにくい部分における、加硫の進行が不十分になることが懸念される。一方、熱が伝わりにくい部分を基準に加硫時間を設定すると、熱が伝わりやすい部分において加硫が過剰に進むことが懸念される。そして、過剰に加硫された部分は、損失正接(tanδ)が増大して、耐摩耗性に劣ることが懸念される。
過剰な加硫の進行を抑えるために、加硫温度を通常よりも低い温度に設定する方法もある。しかしこの場合、加硫時間が長く設定される必要があるため、タイヤの生産性が低下することが懸念される。
前述したように、このタイヤ2では、ショルダー陸部30sに所定の形状の穴46が設けられる。このため、図4に示されるように、このタイヤ2のモールド56には、この穴46の形成のために、突起70が設けられる。モールド56の構成部材のうち、セグメント68がタイヤ2のトレッド4の部分を形作る。このため、突起70は、セグメント68の、ショルダー陸部30sを形作る部分に設けられる。
このタイヤ2の製造では、生タイヤ2rをモールド56内で加圧及び加熱するとき、生タイヤ2rの、ショルダー陸部30sに対応する部分(以下、ショルダー陸部対応部分72)に、前述の突起70が差し込まれる。これにより、このショルダー陸部対応部分72はその内部からも加熱される。そのため、このショルダー陸部対応部分72が最適な加硫状態になるまでの時間が短縮される。
突起70は、タイヤ2の穴46に対応した形状を有している。即ち、突起70は、根元側の幅よりも先端側の幅が大きくなるように設計されている。そのため、このタイヤ2の製造では、ショルダー陸部対応部分72の内部が効率良く加熱される。
このタイヤ2の製造は、加硫時間の短縮を図ることができる。このタイヤ2は、生産性の向上に寄与する。
このタイヤ2では、生産性の向上を図る観点から、図3に示すように、トレッド面22の端PEを通るタイヤ内面の法線ELにおいて、端PEとタイヤ内面PIとの中点をPMとした場合に、穴46が、点PMを通るトレッド面22の法線FLと交差するように設けられていることが好ましい。
法線EL上の中点PM付近が、突起70の無いモールドを用いて生タイヤを加熱した際に、最も熱が伝わりにくい領域である。そのため、前述した位置に穴46が形成されるような突起70が設けられたモールドを用いてタイヤ2を製造すると、製造されたタイヤ2の耐摩耗性や耐クラック性を損なうことなく、高い生産性でタイヤ2の製造が可能となる。
タイヤ2では、穴46の中心軸HCが、点PMを通るトレッド面22の法線FLが重なるような位置に穴46が設けられることが特に好ましい。
図3において、両矢印DLが穴46の底48と点PMとの距離である。
タイヤ2において、穴46は、当該穴46がトレッド面22の端PEを通るタイヤ内面の法線ELと接触しない条件を満足しつつ、穴46の底(穴の最深部)48と点PMとの距離が小さくなるように設けられることが好ましい。
このタイヤ2では、耐摩耗性及び対クラック性への影響が抑えられながら、生産性の向上が達成される。
このタイヤ2に設けられた穴46は、前述したように当該穴46の中心軸に垂直な断面の形状が円であり、丸底フラスコのような形状を有している。そして、穴46において内側穴底側部96Bの壁面の形状は半球の球面である。言い換えると、内側穴底側部96Bの壁面の形状は球面の一部(半分)で構成された形状である。
内側穴底側部96Bの壁面の形状がこのような形状を有することにより、タイヤ2の製造時において、加硫後の良好な脱型性を確保することができる。また、製造されたタイヤ2において、内側穴底側部96Bの壁面を起点とするクラックが、より発生しにくくなる。
タイヤ2に設けられた穴46の内側穴底側部96Bの壁面の形状は、このような形状に限定されるわけではない。他の形状については後述する。
このタイヤ2に設けられた穴46では、外側穴底側部96Aの壁面が径方向内側に向かって幅が連続的に拡大する滑らかな曲面で構成されている。そのため、加硫後の良好な脱型性を確保することができる。
加硫後の良好な脱型性を確保する観点から、このタイヤ2では、外側穴底側部96Aの少なくとも開口側部92と繋がる部分の断面形状(タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った断面の形状、図5(a)参照)が、径方向内側に向かって幅が拡大する曲線を有する形状であることが好ましい。
タイヤ2に設けられた穴46の穴底側部96において、内側穴底側部96Bの壁面の形状は半球である。よって、この穴底側部96では、外側穴底側部96Aと内側穴底側部96Bとの境目98の穴46の底48からの距離E2が、外側穴底側部96Aと内側穴底側部96Bとの境目の幅の50%である。言い換えると、外側穴底側部96Aと内側穴底側部96Bとの境目98の穴46の底48からの距離は、穴底側部96の最大幅Bmaxの50%である。
タイヤ2では、穴底側部96の最大幅Bmaxの位置(外側穴底側部96Aと内側穴底側部96Bとの境目98の位置)の穴46の底48からの距離E2を、穴底側部96の最大幅の25~50%に設定することが好ましい。穴底側部96の最大幅の位置をこのような位置に設定することにより、穴底側部46の最大幅Bmaxを示す位置は、端PEとタイヤ内面PIとの中点PMの近くに存在することになる、そのため、このような形状の穴を有するタイヤ2を製造する際に、生タイヤ2rのショルダー陸部対応部分72を効率良く加熱するのにより適している。
一方、穴底側部96の最大幅の位置の穴46の底48からの距離E2が、穴底側部96の最大幅の50%を超えると、穴底側部96の最大幅の位置がトレッド面22の端PEとタイヤ内面PIとの中点PMから離れるため、効率の良い加熱を行う観点からは不利である。また、穴底側部96の最大幅の位置の穴46の底48からの距離E2が、穴底側部96の最大幅の25%未満では、内側穴底側部96Bの壁面の形状を加硫後の脱型性が良好で、かつ耐クラック性が確保された形状にしにくい。
タイヤ2の穴46において、穴底側部96の高さE1は、6~12mmに設定されることが好ましい。
この場合、耐摩耗性への影響が抑えられながら、生産性の向上が達成されるのに適している。
図5(a)に示されたような穴46において、穴底側部96を構成する内側穴底側部96Bの壁面を構成する球面の半径R1は、2mm以上が好ましい。これにより良好な耐クラック性を確保することができる。また、上記半径R1の上限は、良好な耐クラック性を確保することができる観点から4mmが好ましい。
図5(a)は、図3に示されたタイヤ2の断面の一部を示す。この図5(a)には、ショルダー陸部30sに設けられる穴46が示される。この図5(a)において、両矢印Fは穴46の口50の幅(以下、口幅Fともいう)である。
この穴46の口幅F、開口側部92の径方向内側端部94の幅A、穴底側部96の最大幅Bmaxは、いずれも図5(a)に示された断面、すなわち、タイヤ2の回転軸と、この穴46の中心軸HCとを含む平面に沿った、このタイヤ2の断面において特定される。
このタイヤ2では、穴46の中心軸HCに垂直な断面形状は円である。このタイヤ2の製造において、突起70をタイヤ2から引き抜くことができるのであれば、この穴46の断面形状は、楕円、矩形等、様々な形状をとることができる。タイヤ2の製造においてタイヤ2からの突起70の引き抜きが容易で、得られたタイヤ2の耐クラック性が良好となる観点から、この穴46の断面形状は円又は楕円が好ましく、円が特に好ましい。なお、穴46の断面形状が楕円である場合は、この楕円の長軸と短軸との交点を、この穴46の中心軸HCが通ることとなる。
前述したように、図5に示されるタイヤ2の穴46は、開口側部92の径方向外側の部分にテーパー部92Aを有する。言い換えると口50の部分がテーパー状を呈するように構成される。
このタイヤ2では、テーパー状の口50の部分が、この口50の周囲を囲むトレッド面22の動きを抑制する。このテーパー状の口50の部分(テーパー部92A)が、偏摩耗の発生を抑制する。
また、テーパー部92Aを有する穴46を備えたタイヤ2は、加硫後の脱型性にも優れる。
図5(a)において、角度θは、穴46のテーパー部92Aにおいて、この穴46がないと仮定して得られる仮想トレッド面に対して、このテーパー部92Aの壁面86がなす角度(以下、テーパー部92Aにおける壁面86の傾斜角度と称することがある。)である。
このタイヤ2では、テーパー部92Aにおける壁面86の傾斜角度θは80°以下が好ましい。これにより、口50の周囲を囲むトレッド面22の動きが効果的に抑えられる。このタイヤ2では、偏摩耗の発生が効果的に抑制される。この観点から、この角度θは70°以下がより好ましく、60°以下がさらに好ましい。同様の観点から、この角度θは20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がさらに好ましい。
図2に示されるように、ショルダー陸部30sには複数の穴46が設けられる。これら穴46は、周方向に間隔をあけて配置される。図2において、両矢印DSは一の穴46と、周方向においてこの一の穴46の隣に位置する他の穴46との間隔である。この間隔DSは、トレッド面22に沿って計測される。
このタイヤ2では、周方向に設けられる穴46の間隔DSは20mm以上が好ましく、80mm以下が好ましい。この間隔DSが20mm以上に設定されることにより、ショルダー陸部30sの剛性が適切に維持される。この観点から、この間隔DSは30mm以上がより好ましい。この間隔DSが80mm以下に設定されることにより、このタイヤ2の製造において、穴46を形成するためにモールド56に設けられる突起70によって、ショルダー陸部対応部分72がその内部から効果的に加熱される。このタイヤ2の製造では、このショルダー陸部対応部分72が最適な加硫状態になるまでの時間が効果的に短縮される。この観点から、この間隔DSは70mm以下がより好ましい。
図2に示されるように、ショルダー陸部30sを構成するショルダーブロック44sには、2個の穴46が設けられる。ショルダーブロック44sに設けられる穴46の数は、このショルダーブロック44sの剛性と、タイヤ2の加硫時間とが考慮されて適宜決められる。このショルダーブロック44sに設けられる穴46の数は最大3個に設定されることが好ましい。穴46を多く設けると、ショルダーブロック44sの剛性の低下や、タイヤ2のデザイン性の低下が懸念される。
この穴46の数は2個または3個が好ましい。
図2において、符号Qは、ショルダーブロック44sのトレッド面22における周方向一端側からの距離が、当該ショルダーブロック44sの周方向長さTLの30~70%である領域を示す。
タイヤ2では、ショルダー陸部30sに穴46が設けられる場合、穴46は領域Q内に位置するように設けられることが好ましい。この場合、穴46が設けられる位置がショルダー陸部30sに設けられたショルダー軸方向溝42sに近づきすぎることが回避される。そのため、穴46が設けられる位置がショルダー軸方向溝42sに近づきすぎることで生じるショルダーブロック44sの剛性の低下や、ショルダーブロック44sのトレッド面22における偏摩耗の発生の懸念が回避される。
ここで、穴46が領域Q内に位置するとは、ショルダーブロック44sのトレッド面22において、穴46の口50の一部又は全部が径方向において領域Qと重複する状態にあることをいう。
図3において、両矢印WSはショルダー陸部30sの軸方向幅である。この軸方向幅WSは、このショルダー陸部30sの外面の内端から外端(すなわち、トレッド面22の端PE)までの軸方向距離により表される。
このタイヤ2では、トレッド4の軸方向幅WTの半分HWTに対する、ショルダー陸部30sの軸方向幅WSの比は、0.30以上が好ましく、0.55以下が好ましい。この場合、タイヤ2では、ショルダー陸部30sに摩耗はさらに生じにくい。この場合、タイヤ2では、偏摩耗(例えば、ショルダー陸部30s全体が摩耗する片減り)の発生もさらに抑制される。
本発明の実施形態では、前述した通り、タイヤ2に設けられる穴の形状は、穴46のような形状に限定されない。タイヤ2に設けられる穴は、図6に示される穴146のような形状を有するものであっても良い。
図6は、本発明の別の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤに設けられる穴が示された拡大断面図である。
図6に示されるように、穴146は、ショルダー陸部30sのトレッド面22側から径方向内側に向かって順に設けられた開口側部192と開口側部192と連通した穴底側部196とからなる。開口側部192は、径方向内側に向かって幅が一定の領域192B(以下、等幅部192Bともいう)を有する。穴底側部196は、径方向内側に向かって幅が拡大する外側穴底側部196Aと径方向内側に向かって幅が縮小する内側穴底側部196Bを有する。
図6の示される穴146は、穴46とは異なり、口150の部分にテーパー状を呈するような壁面を有するテーパー部を備えていない。本発明の実施形態に係るタイヤ2では、このように穴の形状がテーパー部の無い形状であってもよい。
図6にはタイヤ2の回転軸を含む平面に沿った穴146の断面図が示されている。穴146の中心軸HCに垂直な断面の形状は円形であり、穴146の全体形状は、図6の断面形状を穴146の中心軸HC周りに回転させた形状である。穴146の形状は、側面から底面に繋がる部分が丸みを帯びた三角フラスコのような形状である。
この穴146の穴底側部196では、外側穴底側部196Aと内側穴底側部196Bとの境目198が、穴底側部196における最大幅Bmaxを呈する部位となる。穴146において、穴底側部196の最大幅Bmaxは、開口側部192の径方向内側端部194の幅Aの1.5~2.5倍に設定される。
このような形状の穴146が設けられたタイヤでは、製造時に生タイヤに加硫処理を施す際に、ボリュームが大きく、熱が伝わりにくいショルダー陸部30sに対応する部分を効率良く加熱することができる。また、穴底側部196の幅が開口側部192の幅よりも大きくなっているため、径方向に沿って幅が一定の穴が設けられた場合と比べて、穴の深さをそれほど深くしなくても、生タイヤのショルダー陸部に対応する部分を効率良く加熱することができる。
穴146において、開口側部192の径方向内側端部194の幅Aは、2.0~3.5mmに設定されることが好ましい。より好ましい幅Aの範囲は、図5に示された穴146と同様、2.5~3.0mmである。
幅Aが2.0mm未満では、加硫時間(加熱時間)の短縮効果が乏しくなる。幅Aが3.5mmを超えると、製造されたタイヤにおいてショルダーブロックの剛性が低くなり、当該ショルダーブロックが耐摩耗性能に劣ることがある。
穴146は、前述したように当該穴146の中心軸に垂直な断面の形状が円であり、三角フラスコのような形状を有している。そして、穴146において内側穴底側部196Bの壁面の形状は曲面と平面とを組み合わせて構成された形状である。言い換えると、内側穴底側部196Bの形状は、図6に示された、外側穴底側部196Aと繋がる半径R2の2つの円弧と、この2つの円弧同士と繋ぐ線分とからなる内側穴底側部196Bの外形線を穴146の中心軸HCに回りに回転させて描かれる形状である。
内側穴底側部196Bの壁面の形状がこのような形状を有する場合も、製造されたタイヤの耐摩耗性及び対クラック性への影響が抑えられながら、生タイヤ2rを効率良く加熱することができる。
穴146では、外側穴底側部196Aの壁面が径方向内側に向かって幅が拡大するテーパー形状を有している。ここで、外側穴底側部196Aの断面形状(タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った断面の形状)は、図6に示されるように、開口側部192と繋がる部分が径方向内側に向かって幅が拡大する曲線で構成され、この曲線部分より径方向内側の部分が、径方向内側に向かって幅が拡大する直線と内側穴底側部196Bに繋がる曲線とで構成された形状である。
製造時に使用されるモールドがこのような形状の穴146に対応した形状の突起70を有する場合も、生タイヤを加硫した後、金型から破損等なく良好に脱型することができる。
穴146の穴底側部196において、外側穴底側部196Aと内側穴底側部196Bとの境目198の穴146の底148からの距離E2が、外側穴底側部196Aと内側穴底側部196Bとの境目198の幅(穴底側部196の最大幅Bmax)の25%である。
距離E2は、外側穴底側部196Aと内側穴底側部196Bとの境目198の幅(穴底側部196の最大幅Bmax)の25~50%が好ましく、その理由は前述した通りである。
タイヤ2の穴146において、穴底側部196の高さE1は、6~12mmに設定されることが好ましい。
この場合、耐摩耗性への影響が抑えられながら、生産性の向上が達成されるのに適している。
このように、本発明の実施形態に係るタイヤも設けられた穴の形状は、図6に示されたような形状の穴146であってもよい。
更には、図6に示されたような形状の穴146において、口150の部分(開口側部の径方向外側部分)にテーパー部を備えていてもよい。
図6に示されたような穴146において、穴底側部196を構成する内側穴底側部196Bの壁面を構成する曲面は、上述した通り、半径R2の円弧を中心軸HC回りに回転させて描かれる曲面である。ここで、上記半径R2は、良好な耐クラック性を確保することができる観点から、1mm以上3mm以下が好ましい。
上記2つの円弧のそれぞれは、例えば1/4円弧である。
図5(a)、(b)、及び図6に示されたような穴46、146において、開口側部は、穴46のようにテーパー部と等幅部とが組み合わせて構成されていてもよいし、穴146のように等幅部のみで構成されていてもよい。
更には、径方向内側に向かって幅が縮小するテーパー形状のみで構成されていてもよい。この場合、穴の口幅は、穴底側部の最大幅よりも小さいことが好ましい。
更に、本発明の実施形態において、穴の穴底側部における内側穴底側部の壁面の形状は、球面の一部や、曲面と平面との組み合わせに限定されず、球面の一部と平面との組み合わせ、曲面のみ、平面のみ等で構成されていてもよい。
また、本発明の実施形態において、外側穴底側部は径方向内側に向かって幅が拡大しており、内側穴底側部は径方向内側に向かって幅が縮小していればよい。そのため、上記外側穴底側部の幅は、必ずしも連続的に拡大していなくてもよく、断続的に拡大していてもよい。また、上記内側穴底側部の幅は、必ずしも連続的に縮小していなくてもよく、断続的に縮小していてもよい。
以上の説明から明らかなように、このタイヤ2では、耐摩耗性及び耐クラック性への影響が抑えられながら、生産性の向上が達成される。
本発明は、特に、トレッド面22の端PEを通るカーカスの法線ELに沿って計測される、ショルダー陸部30sの部分の厚さTEが35mm以上に設定されたタイヤ2において、より顕著な効果を奏する。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた重荷重用空気入りタイヤ(タイヤサイズ=275/80R22.5)を得た。
本実施例1では、ショルダー陸部230sに図7に示した形状の穴246が設けられたタイヤ202を製造した。
この実施例1では、ショルダーブロックに設けられた穴246の数(以下、穴数)は2個であった。穴246は、開口側部の径方向内側端部の幅Aが2.5mm、穴底側部の最大幅Bmaxが6mm、穴216の口幅Fが3.5mm、テーパー部における壁面の傾斜角度θが50°であった。また、穴の深さDが15mm、穴底側部の高さE1が9mmであった。
穴246の内側穴底側部の壁面の形状は半球(図5(a)参照、半球の半径R1は3mm)であり、穴底側部の最大幅Bmaxを示す位置の穴246の底からの距離E2は、穴底側部の最大幅Bmaxの50%であった。ショルダー周方向溝の深さGが16mmであった。
この実施例1では、トレッド面の端PEを通るタイヤ内面の法線ELに沿って計測されるタイヤの厚さは50mmであった。図7中、PMはトレッド面の端PEと、タイヤ内面PIとの中点である(以下、図8~12も同様である。)
[実施例2]
図8に示した形状の穴346が、ショルダー陸部330sに設けられたタイヤ302を得た。
本実施例2のタイヤ302は、穴346の形状が実施例1のタイヤの穴246の形状と異なる以外は、実施例1のタイヤと同様である。
この実施例2のタイヤ302の穴346は、開口側部の径方向内側端部の幅Aが2.5mm、穴底側部の最大幅Bmaxが6mm、穴346の口幅Fが3.5mm、テーパー部における壁面の傾斜角度θが50°であった。また、穴の深さDが15mm、穴底側部の高さE1が10.5mmであった。
穴346の内側穴底側部の壁面の形状は曲面と平面とを組み合わせた形状(図6参照、断面図における外形線の円弧の半径R2は1.5mm)であり、穴底側部の最大幅Bmaxを示す位置の穴346の底からの距離E2は、穴底側部の最大幅Bmaxの25%であった。ショルダー周方向溝の深さGは16mmであった。
[実施例3]
図9に示した形状の穴446が、ショルダー陸部430sに設けられたタイヤ402を得た。
本実施例3のタイヤ402は、穴446の形状が実施例2のタイヤの穴346と異なる以外は、実施例2のタイヤと同様である。
この実施例3のタイヤ402の穴446は、開口側部にテーパー部が設けられておらず、開口側部全体が等幅部で構成されている以外は、実施例2のタイヤ302の穴346と同構成である。
[比較例1]
比較例1は従来のタイヤである。この比較例1のショルダー陸部には、穴は設けられていない。このタイヤの構成は、穴が設けられていない以外は、実施例1のタイヤ202と同構成である。
[比較例2]
図10に示した形状の穴546が、ショルダー陸部530sに設けられたタイヤ502を得た。
本比較例2のタイヤ502は、穴546の形状が実施例1のタイヤの穴246の形状と異なる以外は、実施例1のタイヤと同様である。
この比較例2のタイヤ502の穴546は、開口側の端部にテーパー部を有し、このテーパー部より径方向内側の部分が底に向かって幅が一定な円筒形状を有し、底面の形状が半球状であった。
穴546の幅(円筒形状部分の直径)A′が2.5mm、穴546の口幅Fが3.5mm、テーパー部における壁面の傾斜角度θが50°であった。また、穴の深さDが25mm、であった。
[比較例3]
図11に示した形状の穴646が、ショルダー陸部630sに設けられたタイヤ602を得た。
本比較例3のタイヤ602は、穴646の形状が比較例2のタイヤの穴546と異なる以外は、比較例2のタイヤと同様である。
この比較例3のタイヤ602の穴646は、穴の深さDが15mmであった以外は、比較例2のタイヤ502の穴546と同構成である。
[比較例4]
図12に示した形状の穴746が、ショルダー陸部730sに設けられたタイヤ702を得た。
本比較例4のタイヤ702は、穴746の形状が実施例1のタイヤの穴246と異なる以外は、実施例1のタイヤと同様である。
この比較例4のタイヤ702の穴746は、穴の深さDが25mmであった以外は、実施例1のタイヤ202の穴246と同構成である。
<評価>
[加硫時短性能]
実施例及び比較例でタイヤを製造する際に、トレッド面の端PEを通るタイヤ内面の法線ELにおける端PEとタイヤ内面PIとの中点PM付近の未加硫ゴムの部分に熱電対を入れた状態で生タイヤr2の加硫を行い、加硫時のタイヤの内部温度の変化を測定し、比較した。
ここでは、タイヤの内部温度が所定の温度に昇温するまでの時間を測定した。この結果が、比較例1の結果を100とする相対値で下記の表1に示されている。数値が大きいほど、加硫時間は短く生産性に優れることを意味する。
[偏摩耗性]
上記加硫時短性能の評価とは別に、熱電対を入れずにタイヤを製造した。試作タイヤをリム(サイズ=8.25×22.5)に組み込み空気を充填しタイヤの内圧を750kPaに調整した。このタイヤを、トレーラーヘッドの駆動軸の1軸目に装着した。タイヤへの荷重は、ロードインデックスの60%(軽荷重状態)である。一般道路を50,000km実車走行し、走行後の穴における段差量を摩耗量として測定した。この結果が、比較例3の結果を100とする相対値で下記の表1に示されている。数値が大きいほど、偏摩耗が生じにくく耐摩耗性に優れる。
[耐クラック性]
熱電対を入れずに製造した試作タイヤについて、ショルダー陸部に設けられた穴の底にかかる歪量を有限要素法(Finite Element Method;FEM)を用いたシミュレーションによって算出し、得られた歪量を比較した。この結果が、比較例3の結果を100とする相対値で下記の表1に示されている。数値が大きいほど、歪量が少なく、耐クラック性に優れる。
Figure 2023025736000002
表1に示されるように、実施例では、耐摩耗性及び耐クラック性への影響が抑えられながら、生産性の向上が達成されていることが確認された。実施例は、比較例に比して評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された、耐摩耗性及び耐クラック性への影響を抑えながら、生産性の向上を達成するための技術は、種々のタイヤに適用されうる。
2・・・タイヤ
2r・・・生タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
18・・・インナーライナー
22・・・トレッド4の外面(トレッド面)
24・・・ベース部
26・・・キャップ部
28、28c、28c1、28c2、28s、28s1、28s2・・・周方向溝
30、30c、30s、30m・・・陸部
36・・・カーカスプライ
36a・・・プライ本体
36b・・・折り返し部
38、38A、38B、38C、38D・・・ベルト14の層
46、146、246、346、446、546、646、746・・・穴
48、148・・・穴の底
50、150・・・穴の口
54・・・加硫機
56・・・モールド
58・・・ブラダー
60・・・キャビティ面
62・・・トレッドリング
68・・・セグメント
70・・・突起
72・・・ショルダー陸部対応部分
86・・・テーパー部92Aの壁面
92、192・・・開口側部
92A、192A・・・テーパー部
92B、192B・・・等幅部
94、194・・・開口側部の径方向内側端部
96、196・・・穴底側部
96A、196A・・・外側穴底側部
96B、196B・・・内側穴底側部
98、198・・・外側穴底側部と内側穴底側部との境目

Claims (9)

  1. 一対のビードと、一方のビードと他方のビードとを架け渡すカーカスと、前記カーカスの径方向外側に位置するベルトと、前記ベルトの径方向外側に位置し路面と接触するトレッド面を有するトレッドとを備え、
    軸方向に並列した少なくとも3本の周方向溝が前記トレッドに刻まれることにより、軸方向に並列した少なくとも4本の陸部が構成され、これら周方向溝のうち、軸方向において最も外側に位置する周方向溝がショルダー周方向溝であり、これら陸部のうち、軸方向において最も外側に位置する陸部がショルダー陸部であり、
    前記ショルダー陸部に、その外面から径方向内側に向かって延びる穴が設けられ、
    前記穴が前記トレッド面の端を通るタイヤの内面の法線と接触しない位置に設けられ、
    前記穴の深さが前記ショルダー周方向溝の深さ以下であり、
    前記穴が、径方向内側に向かって幅が縮小する領域及び幅が一定の領域の少なくとも一方を有する開口側部と、前記開口側部と連通し、前記開口側部より径方向内側に設けられた穴底側部とからなり、
    前記穴底側部が、径方向内側に向かって幅が拡大する外側穴底側部と径方向内側に向かって幅が縮小する内側穴底側部とからなり、前記外側穴底側部と前記内側穴底側部との境目の幅が前記開口側部の径方向内側端部の幅の1.5~2.5倍である、重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記穴において、当該穴の中心軸に垂直な断面の形状が円であり、
    前記開口側部の径方向内側端部の幅が2.0~3.5mmであり、
    前記内側穴底側部の壁面の形状は、球面の一部のみで構成された形状であり、
    前記球面の半径Rが2.0mm以上である、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記穴において、当該穴の中心軸に垂直な断面の形状が円であり、
    前記開口側部の径方向内側端部の幅が2.0~3.5mmであり、
    前記内側穴底側部の壁面の形状は、曲面と平面との組み合わせで構成された形状である、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記穴底側部における前記外側穴底側部と前記内側穴底側部との境目の底からの距離が、前記外側穴底側部と前記内側穴底側部との境目の幅の25~50%である、請求項1から3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記穴の深さが前記ショルダー周方向溝の深さの90~100%である、請求項1から4のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッド面の端を通るタイヤ内面の法線において、前記トレッド面の端とタイヤ内面との中点を点Pとし、点Pを通る前記トレッド面の法線が、前記穴と交差する、請求項1から5のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  7. 前記ショルダー陸部が、軸方向に並列した複数の軸方向溝により区分けされた複数のショルダーブロックを含み、
    前記穴の口は、前記ショルダーブロックのトレッド面における周方向一端側から距離が、当該ショルダーブロックの周方向長さの30~70%である領域内に位置し、
    各ショルダーブロックに設けられる前記穴の最大個数が3個である、請求項1から6のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  8. 前記穴の口幅が前記開口側部の径方向内側端部の幅よりも広い、請求項1から7のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  9. 前記外側穴底側部の少なくとも前記開口側部と繋がる部分の断面形状が、径方向内側に向かって幅が拡大する曲線を有する形状である、請求項1から8のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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