JP2024063326A - 重荷重用タイヤのためのモールド及び重荷重用タイヤの製造方法 - Google Patents

重荷重用タイヤのためのモールド及び重荷重用タイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる、重荷重用タイヤのためのモールド64の提供。【解決手段】このモールド64は、複数のセグメント82を有するトレッドリング70を備える。複数のセグメント82はそれぞれパーシャル成形面84を備える。セグメント82の基準線MLは、トレッドリング70の中心TRcと、パーシャル成形面84の周方向中心Scとを通る。複数のセグメント82は機能セグメント82sを含み、機能セグメント82sは複数の突起86を有する。複数の突起86は特殊突起86sを含み、特殊突起86sは柱部88と板部90とを備える。板部90は、柱部88の基準線ML側に位置し、柱部88よりも薄い。【選択図】図5

Description

本発明は、重荷重用タイヤのためのモールド及び重荷重用タイヤの製造方法に関する。
図10はモールドMの一部を示す。タイヤはモールドM内で生タイヤを加圧及び加熱することで得られる。
図10はトレッドを形づけるトレッドリングTRの一部を示す。このモールドMは割モールドである。トレッドリングTRは複数のセグメントSを備える。それぞれのセグメントSは径方向に移動できる。モールドM内に生タイヤが投入されると、セグメントSは径方向内向きに動く。これによりモールドMが閉じられ、タイヤの加硫成形が開始される。タイヤの加硫成形が終わると、セグメントSは径方向外向きに動く。これにより、モールドMが開かれ、タイヤがモールドMから取り出される。
重荷重用タイヤのトレッドは乗用車用タイヤのそれに比べて大きなボリュームを有する。その中でも、特に、ショルダー部分が大きなボリュームを有する。
前述したように、タイヤはモールドM内で生タイヤを加圧及び加熱することで得られる。大きなボリュームを有する部分には熱が伝わりにくい。
ショルダー部分の内部に熱を効率よく伝えることができれば、加硫時間の短縮、すなわち生産性の向上を図ることができる。
生産性向上の観点から、図10に示されるように、径方向内向きにのびる突起PをセグメントSに設けることが検討される。下記の特許文献1は、このような突起を有するモールドを開示する。
特開2020-116976号公報
図11は、加硫成形後のセグメントSの動きを示す。前述したように、加硫成形が終わるとセグメントSは径方向外向きに動く。これにより、モールドMが開かれ、タイヤTがモールドMから取り出される。
一点鎖線MLは、トレッドリングTRの中心TRcとセグメントS内周面の周方向中心Scとを通る、セグメントSの基準線である。モールドMが開かれるとき、セグメントSはこの基準線MLに沿って外向きに動く。
符号Paで示される位置は、突起Pにおいて、最も基準線MLに近い位置(以下、近接位置Pa)を表す。直線PLは、セグメントSが径方向外向きに動く時の、近接位置Paの軌跡である。
タイヤTのトレッドTtには、突起PによってホールHが形成される。図11に示されるように、軌跡PLはホールHの外側部分を通る。セグメントSが外向きに動くと、突起Pが、ホールHの壁を基準線ML側に押し付ける。成形直後のトレッドTtの温度は高い。高温下ではトレッドTtは低い強度を有する。突起PがホールHの壁を押し付けることで、ホールHにクラックが生じる恐れがある。
ホールHを大きくすれば、脱型時クラックの発生を抑制できる。しかし、ホールHへの石の噛み込みが促される。
ホールHの形状を内向きに先細りにすることで、ホールHへの石の噛み込みを抑制できる。しかし、突起Pの先端がホールHの壁を押し付ける力が高まる。脱型時クラックの発生が懸念される。
加硫時間の短縮を図るためにモールドに、熱伝導体として突起を設けることは有効である。しかし、脱型時クラックの発生を抑制することと、石の噛み込みを抑制することとを両立させることは難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる、重荷重用タイヤのためのモールド及び重荷重用タイヤの製造方法を提供することである。
本発明に係る重荷重用タイヤのためのモールドは、溝で区分された陸部を有し、周方向にのびるトレッドを備え、前記陸部の頂面が路面と接地する、重荷重用タイヤの製造に用いるモールドである。このモールドは、周方向に並ぶ複数のセグメントを有するトレッドリングを備える。前記トレッドリングは、前記トレッドの外周面を形づける、トレッド成形面を備える。前記トレッド成形面は、前記陸部の頂面を成形するランド成形面を備える。前記複数のセグメントはそれぞれ、前記トレッド成形面の一部をなすパーシャル成形面を備える。前記トレッドリングの中心と、前記パーシャル成形面の周方向中心とを通る直線が、前記セグメントの基準線である。前記複数のセグメントのうち、少なくとも一つのセグメントが、熱伝導体である複数の突起を有する、機能セグメントである。前記複数の突起のうち、少なくとも一つの突起が、前記ランド成形面から径方向内向きにのびる柱部と、前記ランド成形面と前記柱部との間を架け渡す板部とを備える、特殊突起である。前記板部は、前記柱部の前記基準線側に位置し、前記柱部よりも薄い。
本発明に係る重荷重用タイヤの製造方法は、溝で区分された陸部を有し、周方向にのびるトレッドを備え、前記陸部の頂面が路面と接地する、重荷重用タイヤの製造方法である。この製造方法は、前記タイヤのための生タイヤを準備する工程と、前述の重荷重用タイヤのためのモールド内で前記生タイヤを加圧及び加熱する工程とを含む。
本発明によれば、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる、重荷重用タイヤのためのモールド及び重荷重用タイヤの製造方法が得られる。
本発明の一実施形態に係るモールドを用いて製造された重荷重用タイヤの一部を示す断面図である。 図1のタイヤの陸部の頂面の一部を示す展開図である。 ホールの一例を示す展開図である。 図1のタイヤの製造状況を説明する図である。 トレッドリングの一部を示す断面図である。 脱型時のセグメントの動きを説明する断面図である。 ホールの変形例を示す展開図である。 ホールの変形例を示す展開図である。 ホールの変形例を示す展開図である。 従来のトレッドリングの一部を示す断面図である。 脱型時のセグメントの動きを説明する断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明において、タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を正規内圧に調整し、このタイヤに荷重をかけていない状態は、正規状態と称される。
本発明においては、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
正規リムにタイヤを組んだ状態で測定できない、タイヤの子午線断面における各部の寸法及び角度は、回転軸を含む平面に沿ってタイヤを切断することにより得られる、タイヤの切断面において、測定される。この測定では、左右のビード間の距離が、正規リムに組んだタイヤにおけるビード間の距離に一致するように、タイヤはセットされる。なお、正規リムにタイヤを組んだ状態で確認できないタイヤの構成は、前述の切断面において確認される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
本発明において、タイヤのトレッド部とは、路面と接地する、タイヤの部位である。ビード部とは、リムに嵌め合わされる、タイヤの部位である。サイドウォール部とは、トレッド部とビード部との間を架け渡す、タイヤの部位である。タイヤは、部位として、トレッド部、一対のビード部及び一対のサイドウォール部を備える。
トレッド部の赤道面の部分はセンター部分とも呼ばれ、トレッド部の端の部分はショルダー部分とも呼ばれる。
[本発明の実施形態の概要]
[構成1]
本発明の一態様に係る重荷重用タイヤのためのモールドは、溝で区分された陸部を有し、周方向にのびるトレッドを備え、前記陸部の頂面が路面と接地する、重荷重用タイヤの製造に用いるモールドであって、周方向に並ぶ複数のセグメントを有するトレッドリングを備え、前記トレッドリングが、前記トレッドの外周面を形づける、トレッド成形面を備え、前記トレッド成形面が、前記陸部の頂面を成形するランド成形面を備え、前記複数のセグメントがそれぞれ、前記トレッド成形面の一部をなすパーシャル成形面を備え、前記トレッドリングの中心と、前記パーシャル成形面の周方向中心とを通る直線が、前記セグメントの基準線であり、前記複数のセグメントのうち、少なくとも一つのセグメントが、熱伝導体である複数の突起を有する、機能セグメントであり、前記複数の突起のうち、少なくとも一つの突起が、前記ランド成形面から径方向内向きにのびる柱部と、前記ランド成形面と前記柱部との間を架け渡す板部とを備える、特殊突起であり、前記板部が、前記柱部の前記基準線側に位置し、前記柱部よりも薄い。
このようにモールドを整えることにより、タイヤの製造では、脱型時クラックの発生を抑制しながら、加硫時間の短縮が図れる。そして、石の噛み込みが生じにくいタイヤが得られる。
[構成2]
好ましくは、前述の[構成1]に記載のモールドにおいて、前記複数の突起が周方向に並んで配置され、前記パーシャル成形面において、前記周方向中心から周方向端部側に中心角で9度離れた位置から周方向端部側に位置する突起が、前記特殊突起である。
このようにモールドを整えることにより、脱型時クラックの発生が効果的に抑制される。
[構成3]
好ましくは、前述の[構成1]又は[構成2]に記載のモールドにおいて、前記板部の前記基準線側の端部が、前記基準線に平行にのびる。
このようにモールドを整えることにより、脱型時クラックの発生がより効果的に抑制される。
[構成4]
好ましくは、前述の[構成1]から[構成3]のいずれかに記載のモールドにおいて、前記板部の端部に、前記端部に沿ってのびる柱状の厚肉部が設けられ、前記厚肉部が、前記板部よりも厚く、前記柱部よりも薄い。
このようにモールドを整えることにより、タイヤの製造では脱型時クラックの発生が効果的に抑制され、石の噛み込みが生じにくいタイヤが得られる。
[構成5]
好ましくは、前述の[構成1]から[構成4]のいずれかに記載のモールドにおいて、前記板部が周方向にジグザグにのびる。
このようにモールドを整えることにより、良好な耐摩耗性を維持できるタイヤ2が得られる。
[構成6]
本発明の一態様に係る重荷重用タイヤの製造方法は、溝で区分された陸部を有し、周方向にのびるトレッドを備え、前記陸部の頂面が路面と接地する、重荷重用タイヤの製造方法であって、前記タイヤのための生タイヤを準備する工程と、前述の[構成1]から[構成5]のいずれかに記載の重荷重用タイヤのためのモールド内で前記生タイヤを加圧及び加熱する工程とを含む。
このように製造方法を整えることにより、タイヤの製造では、脱型時クラックの発生を抑制しながら、加硫時間の短縮が図れる。そして、石の噛み込みが生じにくいタイヤが得られる。
[本発明の実施形態の詳細]
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用タイヤ2(以下、単に「タイヤ2」とも称する。)の一部を示す。このタイヤ2は、トラック、バス等の車両に装着される。このタイヤ2は、後述するモールドを用いて製造されたタイヤである。図1においてタイヤ2は、リムR(正規リム)に組まれている。
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面(以下、子午線断面)の一部を示す。図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。
図1において径方向に延びる一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード8、一対のチェーファー10、カーカス12、ベルト14、一対のクッション層16、インナーライナー18及び一対のスチール補強層20を備える。
トレッド4は架橋ゴムからなる。トレッド4はカーカス12の径方向外側に位置する。トレッド4は周方向にのびる。トレッド4はトレッド面22において路面と接地する。トレッド4は路面と接地するトレッド面22を有する。符号PCで示される位置はトレッド面22と赤道面との交点である。交点PCはタイヤ2の赤道とも呼ばれる。トレッド面22はトレッド4の外周面24に含まれる。
符号PEで示される位置はトレッド面22の端である。外観上、明瞭なエッジとしてトレッド面22の端PEを識別できない場合、接地面の軸方向外端(接地端とも呼ばれる。)に対応するトレッド面22上の位置が、トレッド面22の端PEとして特定される。トレッド面22の端PEを特定するために用いられる接地面は、正規状態のタイヤ2のキャンバー角を0°とした状態で、タイヤ2の正規荷重に相当する荷重をタイヤ2にかけて、平面からなる路面にタイヤ2を接触させて得られる。
トレッド4には溝26が刻まれる。溝26はトレッド4に陸部28を構成する。トレッド4は、溝26で区分された陸部28を有する。溝26によって表される模様が、トレッドパターンとも呼ばれる。陸部28の頂面30はトレッド面22の一部をなす。陸部28の頂面30は路面と接地する。
このタイヤ2のトレッド4には、周方向に連続してのびる周方向溝32が刻まれる。これにより、周方向陸部34が構成される。溝26は周方向溝32を含み、陸部28は周方向陸部34を含む。このタイヤ2の周方向溝32の溝幅には、重荷重用タイヤの周方向溝の溝幅として一般的な溝幅が適用される。周方向溝32の溝深さには、重荷重用タイヤの周方向溝の溝深さとして一般的な溝深さが適用される。周方向陸部34の幅には、重荷重用タイヤの周方向陸部の幅として一般的な幅が適用される。トレッド4に刻まれる周方向溝32の本数は、タイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。
図1に示されたトレッド4には4本の周方向溝32が刻まれ、5本の周方向陸部34が構成される。
5本の周方向陸部34のうち、トレッド面22の端PEを含む周方向陸部34がショルダー陸部34sである。ショルダー陸部34sは、トレッド部のショルダー部分に含まれる。ショルダー陸部34sの軸方向内側に位置する周方向陸部34がミドル陸部34mである。ミドル陸部34mの軸方向内側に位置する周方向陸部34がセンター陸部34cである。センター陸部34cは赤道PCを含む。センター陸部34cは、トレッド部のセンター部分に含まれる。
ショルダー陸部34sとミドル陸部34mとの間がショルダー周方向溝32sであり、ミドル陸部34mとセンター陸部34cとの間がミドル周方向溝32mである。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端に連なる。サイドウォール6は、トレッド4の径方向内側に位置する。サイドウォール6はカーカス12の軸方向外側に位置する。サイドウォール6は、架橋ゴムからなる。
それぞれのビード8は、サイドウォール6の径方向内側に位置する。ビード8は、コア36と、エイペックス38とを備える。
コア36は周方向にのびる。図示されないが、コア36は巻き回されたスチール製のワイヤを含む。
エイペックス38はコア36の径方向外側に位置する。エイペックス38はコア36から径方向外向きに延びる。エイペックス38は、内側エイペックス38uと外側エイペックス38とを備える。内側エイペックス38及び外側エイペックス38は架橋ゴムからなる。外側エイペックス38sは内側エイペックス38uに比して軟質である。
それぞれのチェーファー10は、ビード8の軸方向外側に位置する。チェーファー10はサイドウォール6の径方向内側に位置する。チェーファー10はリムRと接触する。チェーファー10は架橋ゴムからなる。
カーカス12は、トレッド4、サイドウォール6及びチェーファー10の内側に位置する。カーカス12は、一対のビード8の第一ビード8と第二ビード8との間を架け渡す。カーカス12は少なくとも1枚のカーカスプライ40を備える。このタイヤ2のカーカス12は1枚のカーカスプライ40からなる。カーカスプライ40はそれぞれのビード8で折り返される。
図示されないが、カーカスプライ40は並列された多数のカーカスコードを含む。それぞれのカーカスコードは赤道面と交差する。カーカスコードが赤道面に対してなす角度は70°以上90°以下である。カーカスコードはスチールコードである。有機繊維からなるコードがカーカスコードとして用いられてもよい。
ベルト14は、トレッド4の径方向内側に位置する。ベルト14は、カーカス12の径方向外側に位置する。
ベルト14は、径方向に積層された複数のベルトプライ42を備える。ベルト14を構成するベルトプライ42の枚数に特に制限はない。ベルト14の構成は、タイヤ2の仕様が考慮され適宜決められる。
このタイヤ2のベルト14は4枚のベルトプライ42を備える。第一ベルトプライ42A、第二ベルトプライ42B、第三ベルトプライ42C及び第四ベルトプライ42Dが径方向に並ぶ。第一ベルトプライ42Aが径方向内側に位置する。第二ベルトプライ42Bが最も広い幅を有する。第四ベルトプライ42Dが最も狭い幅を有する。
図示されないが、各ベルトプライ42は並列した多数のベルトコードを含む。それぞれのベルトコードは赤道面に対して傾斜する。ベルトコードはスチールコードである。
それぞれのクッション層16は、ベルト14の端において、ベルト14とカーカス12との間に位置する。クッション層16は、架橋ゴムからなる。
インナーライナー18は、カーカス12の内側に位置する。インナーライナー18は、タイヤ2の内面を構成する。このインナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのスチール補強層20はビード部に位置する。スチール補強層20は、カーカス12の径方向内側からビード8の径方向内側部分を包むように配置される。
図示されないが、スチール補強層20は並列した多数のフィラーコードを含む。フィラーコードはスチールコードである。
本発明においてタイヤ2の厚さは、タイヤ2の子午線断面において、カーカス12の外面の法線に沿って計測される。
図1において、実線ELは、トレッド面22の端PEを通るカーカス12の外面の法線である。両矢印TEは、この法線ELに沿って計測される、このタイヤ2の厚さである。
このタイヤ2は、法線ELの位置において、最大の厚さTEを有する。言い換えれば、カーカス12の法線に沿って計測されるタイヤ2の厚さは、トレッド面22の端PEを通るカーカス12の法線ELにおいて、最大を示す。図1に示されるように、この法線ELは、ショルダー陸部34sの部分、すなわち、トレッド部のショルダー部分を横切る。このタイヤ2では、ショルダー部分が最大の厚さTEを有する。
図1に示されるように、このタイヤ2のショルダー陸部34sにはホール46が設けられる。ホール46の口48は周方向陸部34の頂面44にある。ホール46は口48から底50に向かってのびる。ホール46の口48と底50との間の部分は壁52である。
図1に示されるよう、ホール46の底50はベルト14の端の直上に位置する。ホール46の底50は、ベルト14から径方向外側に離して配置される。詳述しないが、ベルト14からホール46の底50までの距離は、タイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。
ホール46の口48はトレッド面22の端PEから軸方向内側に離して配置される。トレッド面22の端PEからホール46の口48までの距離は、ベルト14の端の位置を考慮して適宜決められる。
図2はトレッド面22の展開図である。図2は、トレッド面22、具体的には、ショルダー陸部34sの頂面44sの一部を示す。
図2において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の周方向である。図2の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の径方向である。
図2に示されるように、周方向陸部34には複数のホール46が設けられる。周方向陸部34は複数のホール46を備える。複数のホール46は、周方向に並んで配置される。
複数のホール46は、通常ホール46nと、特殊ホール46sとを含む。周方向陸部34は、ホール46として、通常ホール46nと、特殊ホール46sとを備える。
通常ホール46nは、周方向陸部34の頂面44から径方向内向きにのびる管部54を備える。管部54は中空の円筒である。通常ホール46nは管部54のみで構成される。
図3は図2の頂面44の一部を示す。図3は特殊ホール46sを示す。
特殊ホール46sは管部54に加えて細溝部56を備える。特殊ホール46sは管部54と細溝部56とを備える。特に、図3に示された特殊ホール46sは、管部54及び細溝部56で構成される。
細溝部56は、互いに向き合う一対の溝壁58を有する。それぞれの溝壁58は管部54から周方向にのびる。溝壁58は、特殊ホール46sの壁52の一部をなす。
図3において符号wで示される長さは細溝部56の溝幅である。溝幅wは、一対の溝壁58の第一の溝壁58から第二の溝壁58までの距離で表される。符号rで示される長さは管部54の内径である。図3から明らかなように、細溝部56の溝幅wは管部54の内径rよりも小さい。
以上説明したタイヤ2は、本発明の一実施形態に係る重荷重用タイヤのためのモールドを用いて製造される。このタイヤ2の製造方法では、トレッド4等の要素を成形し、これらを組み合わせて、タイヤ2のための生タイヤ(未加硫状態のタイヤ)が準備される。生タイヤはモールドに投入される。生タイヤをモールド内で加圧及び加熱し、タイヤ2が得られる。このタイヤ2の製造方法は、タイヤ2のための生タイヤを準備する工程と、このタイヤ2のためのモールド内で生タイヤを加圧及び加熱する工程とを含む。
以下に、生タイヤを加圧及び加熱する工程(以下、加硫工程とも呼ばれる。)で用いるモールドが説明される。本発明においては、生タイヤを加圧及び加熱することは加硫成形とも呼ばれる。
このタイヤ2の製造では、例えば、図4に示された加硫機62が用いられる。この加硫機62において生タイヤ2rは加硫成形される。加硫機62はモールド64とブラダー66とを備える。
モールド64は、その内面にキャビティ面68を備える。キャビティ面68は、生タイヤ2rの外面に当接し、タイヤ2の外面を形づける。
図4に示されたモールド64は、割モールドである。モールド64は、構成部材として、トレッドリング70と、一対のサイドプレート72と、一対のビードリング74とを備える。これら構成部材を組み合わせることにより、前述のキャビティ面68が構成される。図4のモールド64は、これら構成部材を組み合わせた状態、言い換えれば、閉じられた状態にある。
トレッドリング70はタイヤ2のトレッド部を形成する。それぞれのサイドプレート72はタイヤ2のサイドウォール部を形成する。それぞれのビードリング74はタイヤ2のビード部を形成する。
ブラダー66はモールド64の内側に位置する。ブラダー66は架橋ゴムからなる。ブラダー66の内部には、スチーム等の加熱媒体が充填される。これにより、ブラダー66は膨張する。図4に示されたブラダー66は、加熱媒体が充填され膨張した状態にある。ブラダー66は、生タイヤ2rの内面に当接し、タイヤ2の内面を形づける。なお、このタイヤ2の製造では、ブラダー66に代えて金属製の剛性中子が用いられてもよい。剛性中子は、トロイダル状の外面を備える。この外面は、空気が充填されその内圧が正規内圧の5%に保持された状態にあるタイヤ2の内面の形状に近似される。
前述したように、トレッドリング70はタイヤ2のトレッド部を形成する。トレッドリング70は、その内周面に、トレッド成形面76を備える。トレッド成形面76は、トレッド4の外周面24を形づける。
前述したように、トレッド4には溝26が刻まれ、陸部28が構成される。トレッド成形面76は、溝26を形づける突条78と、陸部28の頂面30を成形するランド成形面80とを備える。
図5はトレッドリング70の断面を示す。図5に示された断面は、赤道面に平行な面に沿ったトレッドリング70の断面である。紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の軸方向に相当する。図5において符号TRcで示される位置は、トレッドリング70の中心である。中心TRcはタイヤ2の回転軸に対応する。
トレッドリング70は複数のセグメント82を有する。複数のセグメント82は周方向に並ぶ。トレッドリング70は複数のセグメント82を組み合わせて構成される。図5において符号PSで示される位置は隣り合うセグメント82の境界である。図2の二点鎖線VLはこのセグメント82の境界PSに対応する。
トレッドリング70を構成するセグメント82の数は、製造するタイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。通常、トレッドリング70を構成するセグメント82の数は、8以上19以下である。
前述したように、トレッドリング70はトレッド成形面76を備える。複数のセグメント82はそれぞれ、パーシャル成形面84を備える。パーシャル成形面84は、トレッド成形面76の一部をなす。
図5において符号Scで示される位置は、パーシャル成形面84の周方向中心である。一点鎖線MLは、トレッドリング70の中心TRcとパーシャル成形面84の周方向中心Scとを通る直線である。本発明においては、この一点鎖線MLが、セグメント82の基準線である。
詳述しないが、一般的な割モールドのセグメントと同様、このモールド64のセグメント82は基準線MLに沿って径方向に移動可能である。図6に示されるように、セグメント82が径方向外向きに動くことで、トレッドリング70は複数のセグメント82に分解される。これによりモールド64が開かれる。図5に示されるように、セグメント82が径方向内向きに動くことで、複数のセグメント82が組み合わされ、トレッドリング70が構成される。これにより、モールド64は閉じられる。
図5に示されるセグメント82は、複数の突起86を有する。複数の突起86は周方向に並んで配置される。突起86は前述のホール46を形成する。
前述したように、周方向陸部34は、ホール46として、通常ホール46nと、特殊ホール46sとを備える。セグメント82に設けられる複数の突起86は、通常ホール46nのための通常突起86nと、特殊ホール46sのための特殊突起86sとを含む。セグメント82は、通常突起86nと特殊突起86sとを備える。
通常突起86nは、ランド成形面80から径方向内向きにのびる柱部88を備える。柱部88はホール46の管部54を形成する。管部54は中空の円筒であるので、柱部88は円柱状である。通常ホール46nは管部54のみで構成される。したがって、通常ホール46nを形成する通常突起86nは、柱部88のみで構成される。
図5に示された特殊突起86sは、図3に示された特殊ホール46sを成形する。図3に示された特殊ホール46sは、管部54及び細溝部56で構成される。したがって、特殊突起86sは、管部54を形成する柱部88に加え、細溝部56を形成する板部90を備える。図5に示された特殊突起86sは、柱部88及び板部90で構成される。
図5に示されるように、板部90は、柱部88の基準線ML側に位置し、ランド成形面80と柱部88との間を架け渡す。
前述したように、細溝部56の溝幅wは管部54の内径rよりも小さい。板部90は柱部88よりも薄い。板部90はサイプ(図示されず)を形成するブレードのように薄いプレートで構成される。
このタイヤ2の製造では、所定の温度に設定されたモールド64に生タイヤ2rは投入される。投入後、モールド64は閉じられる。加熱媒体の充填により膨張したブラダー66が、キャビティ面68に生タイヤ2rを内側から押し付ける。生タイヤ2rは、モールド64内で所定時間加圧及び加熱される。これにより、生タイヤ2rのゴム組成物が架橋し、タイヤ2が得られる。詳述しないが、この製造方法は、重荷重用タイヤの製造条件として一般的に適用される条件でタイヤ2を製造する。
前述したように、このタイヤ2はショルダー部分において最大の厚さTEを有する。具体的には、ショルダー部分の厚さTEは35.0mm以上である。このタイヤ2のショルダー部分は特に大きなボリュームを有する。
このタイヤ2の製造では、生タイヤ2rには、モールド64及びブラダー66によって熱が伝えられる。生タイヤ2rには、小さなボリュームを有する部分と、大きなボリュームを有する部分とが混在する。小さなボリュームを有する部分には熱は伝わりやすいが、大きなボリュームを有する部分には熱は伝わりにくい。
熱が伝わりやすい部分を基準に、生タイヤ2rを加圧及び加熱する時間、すなわち加硫時間を設定すると、熱が伝わりにくい部分における、加硫の進行が不十分になることが懸念される。一方、熱が伝わりにくい部分を基準に加硫時間を設定すると、熱が伝わりやすい部分において加硫が過剰に進むことが懸念される。
前述したように、ショルダー陸部34sにホール46が設けられる。言い換えれば、最大の厚さTEを有するショルダー部分に、ホール46が設けられる。ホール46は突起86によって形づけられる。このタイヤ2のためのモールド64は、タイヤ2のショルダー部分に対応する部分に突起86を備える。図4に示されるように、加硫工程において、この突起86が、生タイヤ2rのショルダー陸部34srに差し込まれる。
このタイヤ2のショルダー部分は特に大きなボリュームを有するが、この突起86を通じて、ショルダー部分の内部が効果的に加熱される。突起86は熱伝導体である。
トレッドリング70を構成する複数のセグメント82のうち、少なくとも一つのセグメント82は、熱伝導体である複数の突起86を有する、機能セグメント82sである。
このモールド64は、ショルダー部分が最適な加硫状態になるまでの時間を短縮できる。このモールド64は生産性の向上に貢献できる。
機能セグメント82sが有する複数の突起86のうち、少なくとも一つの突起86が、ランド成形面80から径方向内向きにのびる柱部88と、ランド成形面80と柱部88との間を架け渡す板部90とを備える、特殊突起86sである。そして、板部90が、柱部88の基準線ML側に位置し、柱部88よりも薄い。
石噛みを考慮して、管部54の内径rを設定することで、より石が噛み込みにくい細溝部56が構成される。しかも板部90が柱部88の基準線ML側に位置するので、脱型時において突起86の先端が押し当てられるホール46の壁52の剛性の低減に、細溝部56が貢献できる。突起86がホール46から抜ける際の応力が効果的に分散されるので、脱型時クラックの発生が抑制される。
タイヤ2の製造では、脱型時クラックの発生を抑制しながら、加硫時間の短縮が図れる。そして、石の噛み込みが生じにくいタイヤ2が得られる。
このモールド64は、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる。
図5に示されたトレッドリング70を構成する複数のセグメント82は全て、機能セグメント82sであり、それぞれの機能セグメント82sに設けられる複数の突起86のうち、パーシャル成形面84の周方向端部側の突起86が特殊突起86sである。このトレッドリング70を有するモールド64は、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを効果的に抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる。
図5において符号PBで示される位置は、境界位置である。境界位置PBは、パーシャル成形面84において、周方向中心Scから周方向端部側に離れた位置である。
符号SMLで示される実線は、トレッドリング70の中心TRcとパーシャル成形面84の境界位置PBとを通る直線である。本発明においては、この実線SMLが、セグメント82のサブ基準線である。
符号θで示される角度は、基準線MLとサブ基準線SMLとがなす角度である。角度θは中心角である。このモールド64において中心角θは9度である。境界位置PBは、周方向中心Scから周方向端部側に中心角θで9度離れた位置である。
図5において符号ZNで示されるゾーンは、第一のサブ基準線SMLから第二のサブ基準線までのゾーンである。ゾーンZNは通常ゾーンとも呼ばれる。符号ZSで示されるゾーンは、サブ基準線SMLから周方向端部までのゾーンである。ゾーンZSは特殊ゾーンとも呼ばれる。
特殊ゾーンZSはパーシャル成形面84の周方向端部を含むゾーンであり、通常ゾーンZNの両側に位置する。特殊ゾーンZSに位置する突起86は、通常ゾーンZNに位置する突起86よりも周方向端部に近い。通常ゾーンZNに位置する突起86は、特殊ゾーンZSに位置する突起86よりも周方向中心Sc(又は、基準線ML)に近い。
前述したように突起86の柱部88は、径方向内向きにのびる。周方向中心Scに近い突起86ほど、その柱部88の向きが基準線MLに対してなす角度は小さい。周方向端部に近い突起86ほど、その柱部88の向きが基準線MLに対してなす角度は大きい。周方向端部に近い突起86ほど、突起86の先端がホール46の壁52を押し当てる力が高い。周方向端部に近い突起86ほど、具体的には、境界位置PBよりも周方向端部側に位置する突起86ほど、脱型時クラックの発生を促す。
図5に示されるように、通常ゾーンZNに位置する突起86は通常突起86nであり、特殊ゾーンZSに位置する突起86は特殊突起86sである。つまり、このモールド64のパーシャル成形面84において、境界位置PBから周方向端部側に位置する突起86は、特殊突起86sである。そのため、このモールド64を用いることで、脱型時クラックの発生が効果的に抑制される。このモールド64は、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを効果的に抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる。この観点から、パーシャル成形面84において、周方向中心Scから周方向端部側に中心角θで9度離れた位置PBから周方向端部側に位置する突起86が、特殊突起86sであるのが好ましい。
図5に示されるように、板部90は柱部88の根元から先端に向かって先細りである。板部90の基準線ML側の端部92は、径方向に対して傾斜する。端部92は傾斜面である。この端部92の向きは、基準線MLに平行である。
図6において実線SLは、板部90の基準線ML側の端部92を含む直線である。板部90の端部92は、基準線MLに平行にのびる。脱型時における端部92の軌跡はこの直線SLに含まれる。脱型時において端部92はこの直線SLに沿って動く。言い換えれば、脱型時において端部92は基準線MLに平行に動く。セグメント82と同じ向きに端部92が動くので、突起86の先端がホール46の壁52を押し当てる力が低減される。このモールド64は脱型時クラックの発生をより効果的に抑制できる。この観点から、板部90の基準線ML側の端部92は、基準線MLに平行にのびるのが好ましい。
タイヤ2の細溝部56の溝幅wは、好ましくは、周方向陸部34に荷重がかかり、周方向陸部34が変形した時に、細溝部56において互いに向き合う溝壁58同士が接触し、互いに支え合うことができる幅に設定される。これにより、ホール46(詳細には特殊ホール46s)による陸部34の剛性への影響が抑制される。陸部34の剛性が適切に維持される。このタイヤ2は良好な耐摩耗性を維持できる。この観点から、細溝部56の溝幅wは0.6mm以下であるのがより好ましい。
細溝部56が脱型時クラックの発生を抑制することに効果的に貢献できる観点から、細溝部56の溝幅wは0.2mm以上であることが好ましい。
前述したように、特殊ホール46sは特殊突起86sによって形成される。細溝部56を形成する板部90の厚さは0.2mm以上であるのが好ましく、0.6mm以下であるのが好ましい。
ホール46への石噛みを抑制できる観点から、管部54の内径rは3.0mm以下であるのが好ましい。前述したように、ホール46は突起86によって形成される。突起86が適度な剛性を有し、突起86に損傷が生じることが抑制される観点から、内径rは2.0mm以上であるのが好ましい。
管部54を形成する柱部88の外径は2.0mm以上3.0mm以下であるのが好ましい。
図7はホール46、詳細には特殊ホール46sの変形例を示す。変形例としての特殊ホール46s1は、管部54及び細溝部56に加えて細管部94を備える。細管部94は、細溝部56の端部に沿ってのびる、中空の円筒である。
図7において符号srで示される長さは細管部94の内径である。図7から明らかなように、細管部94の内径srは、細溝部56の溝幅wよりも大きく、管部54の内径rよりも小さい。細管部94に石が噛み込みにくい上に、脱型時に細溝部56の端部に作用する応力を細管部94が効果的に分散する。この特殊ホール46sは、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを抑制することに効果的に貢献できる。この観点から、特殊ホール46sの細溝部56の端部に、この端部に沿ってのび、細溝部56よりも厚く、管部54よりも細い、筒状の細管部94が設けられるのが好ましい。
特殊ホール46sは特殊突起86sによって形成される。脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを効果的に抑制できる観点から、特殊突起86sの板部90の端部92に、端部92に沿ってのび、板部90よりも厚く、柱部88よりも薄い、柱状の厚肉部が設けられるのが好ましい。
このモールド64によれば、タイヤ2の製造では脱型時クラックの発生が効果的に抑制され、石の噛み込みが生じにくいタイヤ2が得られる。
脱型時クラックの発生が効果的に抑制されるとの観点から、細管部94の内径srの、細溝部56の溝幅に対する比(sr/w)は1.2以上であるのが好ましい。細管部94による耐摩耗性への影響を抑制できる観点から、この比(sr/w)は1.5以下であるのが好ましい。
同様の観点から、特殊突起86sにおける厚肉部の外径の、板部90の厚さに対する比は1.2以上1.5以下であるのが好ましい。
図8は特殊ホール46sの他の変形例を示す。この他の変形例としての特殊ホール46s2では、管部54から周方向にのびる細溝部56がジグザグ状に構成される。言い換えれば、特殊ホール46s2の細溝部56は周方向にジグザグにのびる。この細溝部56では、周方向陸部34に荷重がかかり、周方向陸部34が変形した時に、互いに向き合う溝壁58同士が接触し、互いに効果的に支え合うことができる。これにより、特殊ホール46s2による陸部34の剛性への影響が抑制される。このタイヤ2は良好な耐摩耗性を維持できる。この観点から、細溝部56は周方向にジグザグにのびるのが好ましい。この細溝56は、周方向にジグザグにのびる板部90によって形成される。良好な耐摩耗性を維持できるタイヤ2が得られる観点から、モールド64の特殊突起86sが周方向にジグザグにのびる板部90を有するのが好ましい。言い換えれば、特殊突起86sの板部90が周方向にジグザグにのびるのが好ましい。
図9は、図7に示された特殊ホール46s1の変形例と示す。この図9に示されるように、周方向陸部34に浅溝96が設けられ、この浅溝96の底に特殊ホール46s1が設けられてもよい。これにより、タイヤ2の外観が向上する。この場合、モールド64においては、ランド成形面80と特殊突起86sとの間に、浅溝96に対応する丘陵部が設けられ、特殊突起86sの根元の輪郭が、丘陵部の根元の輪郭で囲まれるように構成されるのが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる、重荷重用タイヤのためのモールド及び重荷重用タイヤの製造方法が得られる。
以上説明された、脱型時クラックの発生と、石の噛み込みとを抑制しながら、加硫時間の短縮を達成できる技術は種々のタイヤの製造方法に適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・チェーファー
12・・・カーカス
22・・・トレッド面
24・・・外周面
26、32、32s、32m・・・溝
28、34、34s、34m、34c・・・陸部
30、44、44s・・・陸部28の頂面
40・・・カーカスプライ
46、46n、46s、46s1、46s2・・・ホール
48・・・ホール46の口
50・・・ホール46の底
52・・・ホール46の壁
54・・・管部
56・・・細溝部
58・・・細溝部56の溝壁
64・・・モールド
68・・・キャビティ面
70・・・トレッドリング
76・・・トレッド成形面
80・・・ランド成形面
82、82s・・・セグメント
84・・・パーシャル成形面
86、86n、86s・・・突起
88・・・柱部
90・・・板部
92・・・端部
94・・・細管部
96・・・浅溝

Claims (6)

  1. 溝で区分された陸部を有し、周方向にのびるトレッドを備え、前記陸部の頂面が路面と接地する、重荷重用タイヤの製造に用いるモールドであって、
    周方向に並ぶ複数のセグメントを有するトレッドリングを備え、
    前記トレッドリングが、前記トレッドの外周面を形づける、トレッド成形面を備え、
    前記トレッド成形面が、前記陸部の頂面を成形するランド成形面を備え、
    前記複数のセグメントがそれぞれ、前記トレッド成形面の一部をなすパーシャル成形面を備え、
    前記トレッドリングの中心と、前記パーシャル成形面の周方向中心とを通る直線が、前記セグメントの基準線であり、
    前記複数のセグメントのうち、少なくとも一つのセグメントが、熱伝導体である複数の突起を有する、機能セグメントであり、
    前記複数の突起のうち、少なくとも一つの突起が、前記ランド成形面から径方向内向きにのびる柱部と、前記ランド成形面と前記柱部との間を架け渡す板部とを備える、特殊突起であり、
    前記板部が、前記柱部の前記基準線側に位置し、前記柱部よりも薄い、
    重荷重用タイヤのためのモールド。
  2. 前記複数の突起が周方向に並んで配置され、
    前記パーシャル成形面において、前記周方向中心から周方向端部側に中心角で9度離れた位置から周方向端部側に位置する突起が、前記特殊突起である、
    請求項1に記載の重荷重用タイヤのためのモールド。
  3. 前記板部の前記基準線側の端部が、前記基準線に平行にのびる、
    請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤのためのモールド。
  4. 前記板部の端部に、前記端部に沿ってのびる柱状の厚肉部が設けられ、
    前記厚肉部が、前記板部よりも厚く、前記柱部よりも薄い、
    請求項3に記載の重荷重用タイヤのためのモールド。
  5. 前記板状部が周方向にジグザグにのびる、
    請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤのためのモールド。
  6. 溝で区分された陸部を有し、周方向にのびるトレッドを備え、前記陸部の頂面が路面と接地する、重荷重用タイヤの製造方法であって、
    前記タイヤのための生タイヤを準備する工程と、
    請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤのためのモールド内で前記生タイヤを加圧及び加熱する工程と
    を含む、
    重荷重用タイヤの製造方法。

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