JP2023020013A - 回路装置、発振器及び処理システム - Google Patents

回路装置、発振器及び処理システム Download PDF

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    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop

Abstract

Figure 2023020013000001
【課題】回路装置の温度センサー回路を有効利用して正確な温度検出を可能にする回路装置等の提供。
【解決手段】回路装置20は、振動子10を用いて発振信号OSCを生成する発振回路30と、温度検出データDTDを出力する温度センサー回路40と、温度検出データDTDに基づいて、発振信号OSCの発振周波数を温度補償する温度補償回路60と、温度検出データDTDを補正して温度を求めるための補正データDCTを記憶するメモリー70と、温度検出データDTDと補正データDCTとを出力するインターフェース回路80を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路装置、発振器及び処理システム等に関する。
従来より、水晶振動子等の振動子を発振させる発振回路を有する回路装置が知られている。このような回路装置では、発振回路の発振周波数の温度補償を行うための温度センサー回路が設けられているものがある。また特許文献1には、温度補償機能を備えるとともに、検出した温度がしきい値を超えたときに割り込み出力するRTC(Real-Time Clock)が開示されている。
特開2001-222342号公報
発振回路と温度センサー回路を有する回路装置において、温度センサー回路の温度検出データを外部に出力することができれば、回路装置の外部の処理装置は、回路装置の温度センサー回路からの温度検出データを有効利用して、周囲の環境等の温度を測定できるようになる。この場合に、外部の処理装置に対して、正確な温度検出データを出力するためには、温度センサー回路の温度検出結果を補正するための補正回路を、回路装置の内部に設ける必要がある。しかしながら、このような補正回路を設けると、補正回路において無駄な電力が消費されるなどの問題が発生する。
本開示の一態様は、振動子を用いて発振信号を生成する発振回路と、温度検出データを出力する温度センサー回路と、前記温度検出データに基づいて、前記発振信号の発振周波数を温度補償する温度補償回路と、前記温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶するメモリーと、前記温度検出データと前記補正データとを出力するインターフェース回路と、を含む回路装置に関係する。
また本発明の他の態様は、振動子と、回路装置と、を含み、前記回路装置は、前記振動子を用いて発振信号を生成する発振回路と、温度検出データを出力する温度センサー回路と、前記温度検出データに基づいて、前記発振信号の発振周波数を温度補償する温度補償回路と、前記温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶するメモリーと、前記温度検出データと前記補正データとを出力するインターフェース回路と、を含む発振器に関係する。
また本開示の他の態様は、上記に記載の発振器と、前記発振器に電気的に接続される処理装置と、を含み、前記処理装置は、前記補正データに基づいて前記温度検出データを補正する演算処理を行って、前記温度を検出する処理システムに関係する。
本実施形態の回路装置の構成例。 温度検出データと温度の関係の説明図。 本実施形態の回路装置の詳細な構成例。 本実施形態の回路装置の詳細な構成例。 本実施形態の比較例の構成例。 本実施形態の比較例の構成例。 比較例での上限値、下限値の設定の説明図。 比較例での割り込み信号の発生の説明図。 本実施形態での上限値、下限値の設定の説明図。 本実施形態での割り込み信号の発生の説明図。 演算回路の演算処理の説明図。 演算回路の演算処理の説明図。 発振器と処理装置を含む処理システムの構成例。 インターフェース回路のI/O回路の構成例。 本実施形態の通信例を説明する信号波形図。 本実施形態の通信例を説明する信号波形図。 本実施形態の通信プロトコルの例の説明図。 割り込み信号の説明図。 発振器の第1構造例。 発振器の第2構造例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
1.回路装置
図1に本実施形態の回路装置20の構成例を示す。本実施形態の回路装置20は、振動子10を発振させる発振回路30と、温度を検出する温度センサー回路40と、温度補償を行う温度補償回路60と、情報を記憶するメモリー70と、通信のインターフェース処理を行うインターフェース回路80を含む。
振動子10は、電気的な信号により機械的な振動を発生する素子である。振動子10は、例えば水晶振動片などの振動片により実現できる。例えば振動子10は、音叉型水晶振動片、双音叉型水晶振動片、又はカット角がATカットやSCカットなどの厚みすべり振動する水晶振動片などにより実現できる。例えば振動子10は、恒温槽を備えない温度補償型水晶発振器(TCXO)に内蔵されている振動子であってもよいし、恒温槽を備える恒温槽型水晶発振器(OCXO)に内蔵されている振動子であってもよい。なお本実施形態の振動子10は、例えば音叉型、双音叉型又は厚みすべり振動型以外の振動片や、水晶以外の材料で形成された圧電振動片などの種々の振動片により実現できる。例えば振動子10として、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子や、シリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子等を採用してもよい。
回路装置20は、IC(Integrated Circuit)と呼ばれる集積回路装置である。例えば回路装置20は、半導体プロセスにより製造されるICであり、半導体基板上に回路素子が形成された半導体チップである。図1では回路装置20は、発振回路30、温度センサー回路40、温度補償回路60、メモリー70、インターフェース回路80を含んでいる。
発振回路30は振動子10を発振させる回路である。例えば発振回路30は、振動子10を発振させることで発振信号OSCを生成する。発振信号OSCは発振クロック信号である。一例としては発振回路30は例えば32KHzの周波数の発振信号OSCを生成する。但し発振周波数は32KHzには限定されない。例えば発振回路30は、振動子10の一端及び他端に電気的に接続される発振用の駆動回路と、キャパシターや抵抗などの受動素子により実現できる。駆動回路は、例えばCMOSのインバーター回路やバイポーラートランジスターにより実現できる。駆動回路は、発振回路30のコア回路であり、駆動回路が、振動子10を電圧駆動又は電流駆動することで、振動子10を発振させる。発振回路30としては、例えばインバーター型、ピアース型、コルピッツ型、又はハートレー型などの種々のタイプの発振回路を用いることができる。また発振回路30には、可変容量回路が設けられ、この可変容量回路の容量の調整により、発振周波数を調整できるようになっている。可変容量回路は、例えばキャパシターアレイと、キャパシターアレイに接続されるスイッチアレイとにより実現できる。なお可変容量回路を、バラクターなどの可変容量素子により実現することも可能である。また本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続は、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子等を介した接続であってもよい。
温度センサー回路40は、振動子10や回路装置20の環境温度などの温度を測定し、その結果を温度検出データDTDとして出力する。温度検出データDTDは、回路装置20の動作温度範囲において、温度に対して例えば単調増加又は単調減少するデータである。温度センサー回路40は、後述の図4に示すように、リングオシレーター42の発振周波数が温度依存性を有することを利用した温度センサーである。具体的には、図4に示すように温度センサー回路40は、リングオシレーター42とカウンター44を含む。カウンター44は、発振回路30からの発振信号OSCに基づくクロック信号CKにより規定されるカウント期間において、リングオシレーター42の発振信号である出力パルス信号をカウントし、そのカウント値を温度検出データDTDとして出力する。なお温度センサー回路40はこれに限定されず、例えばPN接合の順方向電圧が温度依存性を有することを利用して温度検出電圧を出力するアナログの温度センサーと、温度検出電圧をA/D変換して温度検出データDTDを出力するA/D変換回路と、を含んでもよい。
温度補償回路60は、温度センサー回路40からの温度検出データDTDに基づいて温度補償処理を行う。温度補償処理は、例えば温度変動による発振周波数の変動を抑制して補償する処理である。即ち温度補償回路60は、温度変動があった場合にも周波数が一定になるように、発振回路30の発振周波数の温度補償処理を行う。具体的には温度補償回路60は、温度センサー回路40からの温度検出データDTDを用いて行われたデジタル演算に基づく温度補償処理を行う。
メモリー70は情報を記憶する記憶装置である。メモリー70は、例えば半導体メモリーなどにより実現できる。例えばメモリー70は、不揮発性メモリーにより実現されることが望ましいが、これには限定されない。メモリー70は、回路装置20の動作に必要な各種の情報を記憶する。そしてメモリー70は、温度検出データDTDを補正して温度を求めるための補正データDCTを記憶する。
インターフェース回路80は、外部装置とのインターフェースとなる回路であり、例えば後述の図13に示す外部の処理装置100との間で通信を行うための回路である。本実施形態では、インターフェース回路80が、温度センサー回路40からの温度検出データDTDと、メモリー70からの補正データDCTを出力する。即ちインターフェース回路80は、温度検出データDTDと補正データDCTを外部の処理装置100に出力する。インターフェース回路80は、例えばシリアルインターフェースの通信を行うシリアルインターフェース回路により実現できる。例えばインターフェース回路80は、後述の図13に示すようなシリアルインターフェース回路により実現してもよいし、SPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)などのシリアルインターフェース回路により実現してもよい。SPIやI2Cでは、シリアルクロック信号とシリアルのデータ信号を用いたシリアルインターフェースの通信が行われる。なおインターフェース回路80として、パラレルインターフェースの通信を行うパラレルインターフェース回路を用いる変形実施も可能である。
以上のように本実施形態の回路装置20は、図1に示すように、発振回路30と、温度センサー回路40と、温度補償回路60と、メモリー70と、インターフェース回路80を含む。発振回路30は、振動子10を用いて発振信号OSCを生成し、温度センサー回路40は、温度を検出して、温度検出データDTDを出力する。また温度補償回路60は、温度検出データDTDに基づいて、発振信号OSCの発振周波数の温度補償を行い、メモリー70は、温度検出データDTDを補正して温度を求めるための補正データDCTを記憶する。例えば回路装置20や回路装置20が組み込まれる発振器等のデバイスの製造、検査の際に、温度センサー回路40が出力する温度検出データDTDから温度を求めるための補正データDCTが演算される。そして演算された補正データDCTがメモリー70に記憶される。そしてインターフェース回路80は、温度検出データDTDと補正データDCTを外部に出力する。温度検出データDTDは、検出された温度を特定するためのデータであり、検出された温度に対応づけられるデータである。補正データDCTは、外部の処理装置100が、温度検出データDTDから対応する温度を求めるために使用されるデータである。例えば補正データDCTは、温度と温度検出データDTDの対応のバラツキを補正するためのデータである。
このように本実施形態の回路装置20では、温度検出データDTDに加えて、温度検出データDTDを補正して温度を求めるための補正データDCTがインターフェース回路80から外部に出力される。従って、図13の外部の処理装置100は、インターフェース回路80から受信した温度検出データDTDを、同じくインターフェース回路80から受信した補正データDCTに基づいて補正する演算処理を行って、温度検出データDTDに対応する正確な温度を測定できるようになる。
例えば図2に温度に対する温度検出データDTDの特性の例を示す。図2では、デバイスDVA、DVB、DVC、DVDでの温度検出データDTDの特性例が示されている。デバイスDVA、DVB、DVC、DVDは、回路装置20又は回路装置20が組み込まれる後述の図3の発振器4に対応する。例えばデバイスの製造プロセスのバラツキなどに起因して、温度検出データDTDの特性にバラツキが発生する。例えばデバイスDVA~DVDの温度検出データDTDの特性は、傾きSLやオフセットOFSが異なっており、個体差バラツキが発生している。補正データDCTは、このような温度に対する温度検出データDTDの特性のバラツキを補正するために用いられる。例えば図2の場合に、温度は、温度検出データDTDを用いて下式(1)のように表すことができる。
温度(℃)=SL×DTD+OFS (1)
従って、図2の場合には、補正データDCTとして、傾きSL、オフセットOFSを用いることで、個体差バラツキが発生した場合にも、温度検出データDTDに基づき正確な温度を求めることが可能になる。デバイスDVAを例にとれば、デバイスDVAの製造、検査時に、例えばテスター等の外部装置が、各温度において温度センサー回路40が出力する温度検出データDTDを読み取ることで、傾きSL、オフセットOFSを補正データDCTとして求めることができる。そして、求められた補正データDCTを回路装置20のメモリー70に書き込んで、製品を出荷する。そしてデバイスDVAの実動作時においては、デバイスDVAのインターフェース回路80が、温度センサー回路40の温度検出データDTDと、メモリー70に書き込まれた補正データDCTを出力する。そして外部の処理装置100は、補正データDCTに基づいて温度検出データDTDを補正する演算処理として、上式(1)の演算処理を行うことで、温度を測定できるようになる。
ここで、補正データDCTは、例えば、温度と温度検出データDTDの関係を示す多項式の係数データである。例えば上式(1)では、補正データDCTである傾きSL、オフセットOFSは、温度と温度検出データDTDの関係を示す1次の多項式の係数データとなっている。より一般的には、温度と温度検出データDTDの関係は、例えば下式(2)のような多項式により表すことができる。
温度(℃)=C×DTD+Cn-1×DTDn-1・・・+C×DTD+C (2)
この場合に補正データDCTは上式(2)の多項式の係数データであるC、Cn-1・・・C、Cになる。nは1以上の整数である。このようにすれば、温度と温度検出データDTDの関係を示す特性が、上式(2)のような多項式により表したり近似できる場合に、この多項式の係数データであるC、Cn-1・・・C、Cを、補正データDCTとして用いることが可能になる。そして外部の処理装置100は、補正データDCTに基づいて温度検出データDTDを補正する演算処理を行うことで、正確な温度を測定できるようになる。
なお補正データDCTは、全ての温度範囲で同じである必要はなく、例えば後述の図11、図12のイコライジングの演算処理等を行う場合には、温度範囲に応じて異なる補正データDCTを設定するようにしてもよい。また本実施形態における補正データDCTによる補正手法は、このような多項式近似による手法には限定されず、例えばメモリー70が、温度と温度検出データDTDの対応づけをルックアップテーブルの形式で記憶するなど、種々の変形実施が可能である。
2.詳細な構成例
図3に、本実施形態の回路装置20や、回路装置20を含む発振器4の詳細な構成例を示す。図3では、回路装置20は、発振回路30、温度センサー回路40、ロジック回路50、不揮発性メモリー72、インターフェース回路80、出力回路90、電源回路96を含む。また発振器4は、振動子10と回路装置20を含む。振動子10は回路装置20に電気的に接続されている。例えば振動子10及び回路装置20を収納するパッケージの内部配線、ボンディグワイヤー又は金属バンプ等を用いて、振動子10と回路装置20は電気的に接続されている。
発振回路30は、パッドPX1、PX2を介して振動子10に電気的に接続される。パッドPX1、PX2は、振動子接続用のパッドである。発振回路30の発振用の駆動回路は、パッドPX1とパッドPX2の間に設けられる。そして発振回路30は、可変容量回路32を含む。可変容量回路32は、例えばキャパシターアレイと、キャパシターアレイに接続されるスイッチアレイを含む。可変容量回路32のスイッチアレイのスイッチは、温度補償回路60からの周波数調整データに基づいてオン、オフされる。例えば可変容量回路32は、容量値がバイナリーに重み付けされた複数のキャパシターを有する第1キャパシターアレイを含む。また可変容量回路32は、各スイッチが、第1キャパシターアレイの各キャパシターとパッドPX1との間の接続のオン、オフを行う複数のスイッチを有する第1スイッチアレイを含む。また可変容量回路32として、第1キャパシターアレイ及び第1スイッチアレイを有し、パッドPX1に接続される第1可変容量回路と、第2キャパシターアレイ及び第2スイッチアレイを有し、パッドPX2に接続される第2可変容量回路を設けてもよい。第1スイッチアレイ及び第2スイッチアレイのスイッチは、周波数調整データに基づきオン、オフされる。
ロジック回路50は制御回路であり、種々の制御処理を行う。例えばロジック回路50は、回路装置20の全体の制御を行ったり、回路装置20の動作シーケンスの制御を行う。またロジック回路50は、発振回路30の制御のための各種の処理を行ったり、温度センサー回路40や電源回路96の制御を行ったり、或いは不揮発性メモリー72の情報の読み出しや書き込みの制御を行う。ロジック回路50は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線によるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の回路により実現できる。
ロジック回路50は、温度補償回路60と割り込み信号生成回路62を含む。割り込み信号生成回路62の詳細は後述の図4で説明する。
温度補償回路60は、温度検出データDTDに基づいて周波数調整データを求める。そして、求められた周波数調整データに基づいて発振回路30の可変容量回路32の容量値が調整されることで、発振回路30の発振周波数の温度補償処理が実現される。例えば不揮発性メモリー72は、温度検出データDTDと周波数調整データの対応を表すルックアップテーブルLUTを記憶する。そして温度補償回路60は、このルックアップテーブルLUTを用いて、温度検出データDTDから周波数調整データを求める温度補償処理を行う。
不揮発性メモリー72は、電源を供給しなくても情報の記憶を保持するメモリーである。例えば不揮発性メモリー72は、電源を供給しなくても情報を保持できると共に、情報の書き換えが可能なメモリーである。不揮発性メモリー72は、回路装置20の動作等に必要な種々の情報を記憶する。不揮発性メモリー72は、FAMOSメモリー(Floating gate Avalanche injection MOS memory)又はMONOSメモリー(Metal-Oxide- Nitride-Oxide-Silicon memory)により実現されるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等により実現できる。
そして図3では、不揮発性メモリー72が、ルックアップテーブルLUTと補正データDCTを記憶する。温度補償回路60は、ルックアップテーブルLUTを用いて上述した温度補償処理を行う。なお温度補償回路60は、ルックアップテーブルLUTの情報を、レジスター等の記憶回路にロードし、記憶回路にロードした情報に基づいて温度補償処理を行ってもよい。また図1のメモリー70に対応する不揮発性メモリー72は、補正データDCTを記憶する。そしてインターフェース回路80は、温度センサー回路40からの温度検出データDTDに加えて、不揮発性メモリー72に記憶された補正データDCTを外部に出力する。なお不揮発性メモリー72からの補正データDCTの読み出し制御は例えばロジック回路50が行う。
このように図3では、図1のメモリー70は不揮発性メモリー72により実現され、補正データDCTは不揮発性メモリー72に記憶される。このようにすれば、温度検出データDTDを補正して温度を求めるための補正データDCTを不揮発性メモリー72に記憶しておき、この補正データDCTを不揮発性メモリー72から読み出して、インターフェース回路80により、温度検出データDTDと共に補正データDCTを外部に出力できるようになる。
インターフェース回路80は、データ信号DAを第1パッドPDAに出力する。そしてこのデータ信号DAが発振器4の第1端子TDAを介して外部に出力される。例えばインターフェース回路80は、温度検出データDTDや補正データDCTをデータ信号DAとして出力する。またインターフェース回路80には、外部からのデータ信号DAも入力される。
出力回路90は、発振信号OSCに基づくクロック信号CKを出力する。例えば出力回路90は、発振回路30からの発振クロック信号である発振信号OSCをバッファリングして、クロック信号CKとして、クロック出力パッドPCKに出力する。そして、このクロック信号CKが発振器4のクロック出力端子TCKを介して外部に出力される。例えば出力回路90は、シングルエンドのCMOSの信号形式でクロック信号CKを出力する。なお出力回路90が、CMOS以外の信号形式でクロック信号CKを出力するようにしてもよい。また発振回路30の後段に、発振信号OSCの周波数を逓倍した周波数のクロック信号CKを生成するPLL回路等のクロック信号生成回路を設けてもよい。そして出力回路90は、このクロック信号生成回路により生成されたクロック信号CKをバッファリングして出力するようにしてもよい。
インターフェース回路80に接続される第1パッドPDAや、第1パッドPDAに接続される発振器4の第1端子TDAは、出力イネーブルパッド、出力イネーブル端子としても使用できる。例えば第1パッドPDAが出力イネーブルパッドとして使用される場合には、第1パッドPDA、第1端子TDAが例えばハイレベルなどのアクティブレベルに設定されたときに、出力回路90がクロック信号CKを外部に出力する。一方、第1パッドPDA、第1端子TDAが例えばローレベルなどの非アクティブレベルに設定されたときには、出力回路90は、例えばクロック信号CKをローレベルなどの固定電圧レベルに設定する。
電源回路96は、電源パッドPVDDからの電源電圧VDDやグランドパッドPGNDからグランド電圧GNDが供給されて、回路装置20の内部回路用の種々の電源電圧を内部回路に供給する。例えば電源回路96は、電源電圧VDDをレギュレートしたレギュレート電源電圧を、発振回路30等の回路装置20の各回路に供給する。
電源パッドPVDDは、電源電圧VDDが供給されるパッドである。パッドは、半導体チップである回路装置20の端子である。例えばパッド領域では、絶縁層であるパシベーション膜から金属層が露出しており、この露出した金属層により回路装置20の端子であるパッドが構成される。例えば外部の電源供給デバイスからの電源電圧VDDが電源パッドPVDDに供給される。グランドパッドPGNDは、グランド電圧であるGNDが供給される端子である。GNDはVSSと呼ぶこともでき、グランド電圧は例えば接地電位である。本実施形態ではグランドを、適宜、GNDと記載する。電源パッドPVDD、グランドパッドPGND、クロック出力パッドPCK、第1パッドPDAは、各々、発振器4の外部接続用の外部端子である電源端子TVDD、グランド端子TGND、クロック出力端子TCK、第1端子TDAに電気的に接続される。例えばこれらの各パッドと各端子は、パッケージの内部配線、ボンディグワイヤー又は金属バンプ等を用いて電気的に接続される。
図4に本実施形態の回路装置20の更に詳細な構成例を示す。温度センサー回路40は、リングオシレーター42とカウンター制御部46とカウンター44を含む。リングオシレーター42は、複数個の遅延素子をリング状に接続した回路である。具体的にはリングオシレーター42は、例えば奇数個のインバーター回路等の信号反転回路がリング状に接続された回路であり、発振信号である出力パルス信号を出力する。カウンター44は、発振信号OSCに基づくクロック信号を用いて、リングオシレーター42の出力パルス信号のパルス数のカウント処理を行い、カウント処理により得られたカウント値に基づく温度検出データDTDを出力する。カウンター制御部46は、カウンター44の制御を行う。例えばカウンター44は、クロック信号により規定されるカウント期間における出力パルス信号のパルス数のカウント値を求めることで、温度検出データDTDを求める。
演算回路61は、温度検出データDTDの温度感度を調整する演算処理を行い、演算処理が行われた温度検出データDTDをルックアップテーブルLUTに出力する。温度検出データDTDの温度感度は、温度変化に対する温度検出データDTDの変化の度合いである。演算回路61の演算処理については後述の図11、図12で詳細に説明する。なお演算回路61を設けずに、温度センサー回路40からの温度検出データDTDを直接にルックアップテーブルLUTに入力するようにしてもよい。
図1のメモリー70に対応する不揮発性メモリー72は、温度検出データDTDと周波数調整データDFCとを対応づけたルックアップテーブルLUTを記憶する。例えばルックアップテーブルLUTでは、温度検出データDTDの各値に対して周波数調整データDFCの各値が対応づけられている。例えば温度検出データDTDは温度に対して単調増加又は単調減少するデータとなっている。そして図4のように演算回路61が設けられ、温度検出データDTDの温度感度を調整する演算処理が行われる。即ち温度の変化に対する温度検出データDTDの変化の度合いを調整する演算処理が行われる。これにより、演算処理後の温度検出データDTDでは、温度の変化に対する温度検出データDTDの変化の傾きが温度範囲に応じて異なるようになる。
温度補償回路60は、ルックアップテーブルLUTを参照して、温度検出データDTDに対応する周波数調整データDFCを出力する。例えば温度補償回路60は、温度検出データDTDに対応する周波数調整データDFCをルックアップテーブルLUTから読み出して、発振回路30の周波数調整回路である可変容量回路32に出力する。このように温度検出データDTDに基づく周波数調整データDFCを用いて、可変容量回路32の容量が調整されることで、発振回路30の発振周波数が調整されて、発振周波数の温度補償処理が実現されるようになる。
また図4では回路装置20は、温度感度を調整する演算処理を行い、演算処理が行われた温度検出データDTDをルックアップテーブルLUTに出力する演算回路61を含む。例えば演算回路61は、第1温度範囲における温度に対する温度検出データDTDの傾きと、第2温度範囲における温度に対する温度検出データDTDの傾きとを異ならせる変換処理を、温度感度を調整する演算処理として行う。このような温度感度を調整する演算処理を行う演算回路61を設ければ、温度感度が温度範囲に応じて異なる場合にも、この温度感度を適正に調整する演算処理を行って、演算処理後の温度検出データDTDをルックアップテーブルLUTに出力できるようになる。
なお図4では、演算回路61による演算処理後の温度検出データDTDを、インターフェース回路80を介して外部に出力している。このように演算処理後の温度検出データDTDを出力することで、演算処理が行われる前の温度検出データDTDを出力する場合に比べて、個体差バラツキが低減された温度検出データDTDを出力することが可能になる。但し本実施形態はこれに限定されず、演算回路61による演算処理が行われる前の温度検出データDTDを、インターフェース回路80を介して外部に出力するようにしてもよい。
また図4に示すように回路装置20は、割り込み信号INTを生成する割り込み信号生成回路62を含む。割り込み信号生成回路62は、温度検出データDTDが上限値ULを超えた場合又は下限値LLを下回った場合に、割り込み信号INTを生成する。上限値UL、下限値LLは、外部の処理装置100が例えばインターフェース回路80を介して書き込んでもよいし、不揮発性メモリー72等のメモリー70が記憶してもよい。また生成された割り込み信号INTは、例えばインターフェース回路80を介して外部の処理装置100等に出力される。このような割り込み信号生成回路62を設けることで、温度検出データDTDに対応する温度が上限の温度を超えた、或いは下限の温度を下回ったことを、外部の処理装置100等に知らせることが可能になる。これにより外部の処理装置100等は、割り込み信号INTに対応する割り込み処理を実行できるようになる。
また割り込み信号生成回路62は、例えば図4に示すように、第1レジスター63と、第2レジスター64と、比較回路65を含む。第1レジスター63は上限値ULを記憶し、第2レジスター64は下限値LLを記憶する。そして比較回路65は、温度検出データDTDと上限値UL又は下限値LLとを比較して、割り込み信号INTを生成する。第1レジスター63、第2レジスター64は、例えばフリップフロップ回路等の記憶回路により実現できる。第1レジスター63、第2レジスター64に対して、外部の処理装置100が例えばインターフェース回路80を介して上限値UL、下限値LLを書き込んでもよい。或いは、不揮発性メモリー72等のメモリー70が上限値UL、下限値LLを記憶し、メモリー70から上限値UL、下限値LLを第1レジスター63、第2レジスター64にロードするようにしてもよい。また比較回路65は、コンパレーター66、67とOR回路68を含む。コンパレーター66は、温度検出データDTDの値と上限値ULを比較し、温度検出データDTDの値が上限値ULを超えた場合にアクティブレベルになる第1比較信号を出力する。コンパレーター67は、温度検出データDTDの値と下限値LLを比較し、温度検出データDTDの値が下限値LLを下回った場合にアクティブレベルになる第2比較信号を出力する。OR回路68は、コンパレーター66からの第1比較信号又はコンパレーター67からの第2比較信号のいずれかがアクティブレベルになった場合にアクティブレベルになる割り込み信号INTを出力する。この割り込み信号INTは、例えばインターフェース回路80を介して外部に出力される。
このような構成の割り込み信号生成回路62によれば、第1レジスター63、第2レジスター64に上限値UL、下限値LLを記憶しておき、この上限値UL、下限値LLと温度検出データDTDとを比較することで、割り込み信号INTを生成できるようになる。そして、この割り込み信号INTを用いて、温度検出データDTDに対応する温度が上限の温度を超えた、或いは下限の温度を下回ったことを、外部の処理装置100等に通知することが可能になる。
また本実施形態では、不揮発性メモリー72等のメモリー70が上限値UL及び下限値LLを記憶してもよい。例えば回路装置20や発振器4の製造、検査の際に、補正データDCTに基づき算出された上限値UL及び下限値LLを、外部装置がインターフェース回路80を介して、メモリー70に書き込む。このようにすれば、補正データDCTに基づき個体差バラツキが補正された上限値UL及び下限値LLを、メモリー70に書き込んで記憶しておくことが可能になる。そして回路装置20や発振器4の通常動作時には、メモリー70から第1レジスター63、第2レジスター64に上限値UL、下限値LLがロードされ、割り込み信号生成回路62が、ロードされた上限値UL、下限値LLと温度検出データDTDを比較することで、割り込み信号INTを生成する。このようにすれば割り込み信号生成回路62は、個体差バラツキが補正された上限値UL及び下限値LLと温度検出データDTDとを比較することで生成された適切な割り込み信号INTを、外部に出力できるようになる。
以上に説明した図3、図4の回路装置20においても、温度センサー回路40が温度検出データDTDを出力し、メモリー70である不揮発性メモリー72が補正データDCTを記憶する。そしてインターフェース回路80が、温度検出データDTDと補正データDCTを外部に出力する。このようにすることで、例えば図13の外部の処理装置100は、補正データDCTに基づいて温度検出データDTDを補正する演算処理を行って、正確な温度を検出できるようになる。
例えば図5、図6に本実施形態の比較例の構成例を示す。図5では、温度センサー回路40にアナログ補正回路48が設けられ、このアナログ補正回路48が、例えばリングオシレーター42の遅延素子を構成するトランジスターに流れる電流等を補正することで、温度検出データDTDの補正を行っている。即ち、アナログ補正回路48は、図2で説明した温度に対する温度検出データDTDの特性の個体差バラツキの補正を行っている。そしてインターフェース回路80は、このような補正が行われた温度検出データDTDを外部に出力する。また図6では、温度センサー回路40にデジタル補正回路49が設けられ、このデジタル補正回路49が、カウンター44から出力される温度検出データDTDのデジタル補正を行うことで、温度に対する温度検出データDTDの特性の個体差バラツキを補正している。
図5、図6のようにアナログ補正回路48やデジタル補正回路49により補正を行う比較例では、アナログ補正回路48やデジタル補正回路49における電力消費により、回路装置20の消費電力が増加してしまう。またアナログ補正回路48やデジタル補正回路49を設けることで、回路装置20の回路のレイアウト面積が大きくなり、コストアップの要因になる。また図5のアナログ補正回路48による補正では、個体差バラツキの補正の精度が高くないため、温度の測定精度が悪化してしまうという問題もある。
例えばルックアップテーブルLUTを用いて温度補償処理を行う回路装置20では、アナログ補正回路48やデジタル補正回路49による温度検出のバラツキの補正は、本来は不要である。このような構成の回路装置20においては、温度センサー回路40での温度検出のバラツキと振動子10の温度特性のバラツキの両方が、ルックアップテーブルLUTを用いて補正されるからである。しかしながら、RTCなどの発振器4では、外部の処理装置100により温度検出データDTDが、どのタイミングで読み出されるのかを、回路装置20は予見できない。また温度検出データDTDにより検出される温度が、上限の温度を超えたり、下限の温度を下回るイベントが発生したときに、割り込みを発生させる場合も、当該イベントがいつ発生するかを、回路装置20は予見できない。このため、図5、図6の比較例では、本来は不要であるのにもかかわらず、アナログ補正回路48やデジタル補正回路49による温度検出のバラツキの補正を行う必要があり、これらの回路において無駄に電力が消費されてしまうという問題がある。
この点、図1、図3、図4の本実施形態の回路装置20によれば、例えば温度検出のバラツキの補正が行われることなく、温度センサー回路40からの温度検出データDTDがインターフェース回路80から出力される。そして温度検出データDTDを補正して温度を求めるための補正データDCTを、不揮発性メモリー72等のメモリー70に記憶しておき、温度検出のバラツキの補正が行われていない温度検出データDTDと、メモリー70からの補正データDCTとが、インターフェース回路80を介して外部に出力される。これにより、回路装置20から温度検出データDTD及び補正データDCTを読み出した外部の処理装置100は、温度検出データDTDを補正データDCTに基づいて補正することで、正確な温度を検出できるようになる。この温度検出のための補正処理はシステム全体において必要最小限の回数しか行われないようになるため、システム全体での消費電力を低減できる。また本実施形態によれば、図5、図6に示すようなアナログ補正回路48やデジタル補正回路49を回路装置20に設ける必要がなくなる。これにより、アナログ補正回路48やデジタル補正回路49での補正により無駄に電力が消費されてしまったり、これらの回路が原因となって回路規模が大きくなり、コストアップに繋がってしまう問題も解消できるようになる。また温度検出データDTDを補正データDCTに基づき補正する外部の処理装置100は、例えばMCU(Micro Controller Unit)などにより実現される。そしてMCUは演算器を有するため、ハードウェアのリソースを追加することなく、温度検出データDTDを補正データDCTに基づき補正して、温度検出が可能であるという利点もある。
図7、図8は、図5、図6の比較例での上限値UL、下限値LLの設定や割り込み信号INTの発生についての説明図である。図7に示すように比較例では、上限値UL、下限値LLが固定値になる。図7では例えば、65℃に対応する上限値ULは1012の固定値に設定され、0℃に対応する下限値LLは128の固定値に設定されている。そして図8に示すように、温度が上限の温度である65℃を超えて、温度検出データDTDの値が上限値であるUL=1012を超えると割り込み信号INTが発生する。また温度が下限の温度である0℃を下回って、温度検出データDTDの値が下限値であるLL=128を下回ると、割り込み信号INTが発生する。このように図5、図6の比較例では、上限値UL、下限値LLが固定値であるため、温度検出データDTDの方を、温度を測定する毎にアナログ補正回路48やデジタル補正回路49が補正することになる。従って、温度を測定する毎に無駄に電力が消費されてしまう。
図9、図10は、本実施形態での上限値UL、下限値LLの設定や割り込み信号INTの発生についての説明図である。図9に示すように本実施形態では、上限値UL、下限値LLは固定値ではなく、補正データDCTに基づき演算される。例えば回路装置20の実動作時に、外部の処理装置100が、補正データDCTに基づき上限値UL、下限値LLを演算して、第1レジスター63、第2レジスター64に書き込む。或いは、回路装置20や発振器4の製造、検査の際に、外部装置が上限値UL、下限値LLを演算してメモリー70に書き込み、実動作時にメモリー70から第1レジスター63、第2レジスター64にロードしてもよい。そして図10に示すように、温度が上限の温度である65℃を超えて、温度検出データDTDの値が上限値UL超えると割り込み信号INTが発生する。また温度が下限の温度である0℃を下回って、温度検出データDTDの値が下限値LLを下回ると、割り込み信号INTが発生する。この場合に本実施形態では、アナログ補正回路48やデジタル補正回路49を設けなくても済むため、これらの回路で無駄に電力が消費されてしまう事態を防止できる。
3.演算回路
次に図4の演算回路61の演算処理の詳細について説明する。図11に、温度センサー回路40が出力する温度検出データDTDをそのままルックアップテーブルLUTのアドレスとして用いたときの、発振周波数の温度特性とアドレス割り当ての関係を示す。ここでは、温度検出データDTDが温度に対して線形な例を示すが、温度検出データDTDは温度に対しておおよそ線形であればよい。また発振周波数の温度特性が温度に対して2次である例を示すが、温度に応じて発振周波数の温度感度が変わるような温度特性であればよい。
図11に示す温度特性は、室温付近を頂点とする上に凸の2次の特性である。UT1~UT3は単位温度幅の温度範囲である。温度範囲UT1は室温付近であり、単位温度あたりの周波数変化量FW1が小さい。温度範囲UT2は室温から少し離れており、単位温度あたりの周波数変化量FW2は中程度である。温度範囲UT3は、温度範囲UT2よりも更に室温から離れており、単位温度あたりの周波数変化量FW3は大きい。単位温度あたりの周波数変化量は、発振周波数の温度感度に相当しており、室温から離れるほど温度感度が大きくなることを意味する。発振周波数の温度感度は温度の変化に対する発振周波数の変化の度合いである。
単位温度幅の温度範囲UT1~UT3は、ルックアップテーブルLUTのアドレス範囲AW1~AW3に相当しており、このアドレス範囲AW1~AW3に、単位温度あたりの周波数変化量FW1~FW3が割り当てられている。温度検出データDTDが線形であることから、アドレス範囲AW1~AW3の各々に含まれるアドレス数は同数なので、1アドレスあたりの周波数変化量は温度範囲UT1で小さく、温度範囲UT3で大きくなる。
有限な容量のメモリー70を効率的に利用しつつ高精度な温度補償を実現するためには、1アドレス当たりの周波数変化量は均一であることが望ましいが、上記のように温度範囲UT1ではアドレスの割り当てが過多であり、温度範囲UT3ではアドレスの割り当てが不足となっている。例えば、単位温度あたりのアドレス数を少なくすれば、温度範囲UT1の割り当てを適正化できるが、温度範囲UT3では1アドレスあたりの周波数変化が大きくなるため、温度補償の精度が低下する。一方、単位温度あたりのアドレス数を多くすれば、温度範囲UT3における温度補償の精度を向上できるが、温度範囲UT1では周波数変化が小さいにも関わらず、アドレスの割り当てが多くなるため、メモリー70の利用効率が低下してしまう。このように、温度センサー回路40が出力する温度検出データDTDをそのままルックアップテーブルLUTのアドレスとして用いた場合、有限な容量の不揮発性メモリー72等のメモリー70を効率的に利用しつつ高精度な温度補償を実現することが困難となる。
図12は、演算回路61の演算処理による温度検出データDTDの変換例を示す図である。演算回路61は、温度検出データDTDの温度感度を調整する演算処理により温度検出データDTDを変換する。ここでは、説明を分かりやすくするために、演算回路61による変換前の温度検出データをDTDと記載し、演算回路61による変換後の温度検出データである変換温度検出データをEDTDと記載する。図12の実線は、変換温度検出データEDTDを示し、点線は、温度検出データDTDをそのまま変換温度検出データEDTDとして用いた場合を示す。図12において、温度検出データDTDと変換温度検出データEDTDを10進数で表している。また、変換温度検出データEDTDの上位ビットであるEDTD[n:i+1]を整数として示しており、1つの整数値が1つのアドレスに対応する。
図12において、温度検出データDTDの値が大きいほど、高い温度に対応しており、温度検出データDTDの0~72の範囲が、回路装置20の動作温度範囲に対応している。ここでは、動作温度範囲が、温度検出データDTDの0~24の範囲に対応した温度範囲RTCと、温度検出データDTDの24~32の範囲に対応した温度範囲RTEと、温度検出データDTDの32~72の範囲に対応した温度範囲RTAとに分割されている。温度範囲RTEは室温付近であり、図11で説明したように、発振周波数の温度特性において、発振周波数の温度感度が小さい温度範囲である。温度範囲RTC、RTAは、発振周波数の温度特性において、室温よりも発振周波数の温度感度が大きい温度範囲である。
演算回路61は、室温付近の温度範囲RTEに対応した温度検出データDTDの傾きを変えないと共に、温度検出データDTDにオフセット加算処理を行うことで、変換温度検出データEDTDを出力する。また演算回路61は、発振周波数の温度感度が大きい温度範囲RTC、RTAに対応した温度検出データDTDの傾きを1.5倍すると共にオフセット加算処理を行うことで、変換温度検出データEDTDを出力する。オフセット加算処理において加算されるオフセット値は、動作温度範囲における変換温度検出データEDTDの下限がマイナスとならないように、設定される。図12では変換温度検出データEDTDの下限がゼロとなるようにオフセット値が設定されているが、変換温度検出データEDTDの下限がゼロより大きくなるようにオフセット値が設定されていればよい。
このように演算回路61は、温度検出データDTDの温度感度を調整する演算処理を行っている。例えば図12の温度範囲RTC、RTAでは、温度検出データDTDの傾きが大きくなるように、温度検出データDTDの温度感度を調整する演算処理が行われている。これにより、発振周波数の温度感度が大きい温度範囲RTC、RTAにおいて、温度検出データDTDの温度感度が大きくなる温度感度の調整を実現できるようになる。即ち本実施形態によれば、温度範囲に応じて温度検出データDTDの傾きが異なるように、温度検出データDTDの変換処理が行われる。これにより、発振周波数の温度特性における温度感度に応じて、温度検出データDTDの傾きを調整することが可能となる。具体的には、温度感度が大きい温度範囲では温度検出データDTDの傾きの絶対値を大きくし、温度感度が小さい温度範囲では温度検出データDTDの傾きの絶対値を小さくできる。温度検出データDTDによりルックアップテーブルLUTのアドレスが指定されるので、温度検出データDTDの傾きの絶対値が大きいほど、単位温度あたりのアドレス数が大きくなる。これにより、温度感度が大きい温度範囲では、単位温度あたりのアドレス割り当てを大きくし、温度感度が小さい温度範囲では、単位温度あたりのアドレス割り当てを小さくできるので、有限な容量のメモリー70を効率的に利用しつつ高精度な温度補償を実現できる。
4.インターフェース回路、処理システム
次に本実施形態のインターフェース回路80、処理システム200の詳細例について説明する。図13に示すように本実施形態の処理システム200は、発振器4と、発振器4に電気的に接続される処理装置100を含む。例えば発振器4と処理装置100は、回路基板の配線等を介して電気的に接続される。この処理システム200は、例えば電子機器に組み込まれる。電子機器は、例えば基地局又はルーター等のネットワーク関連機器、距離、時間、流速又は流量等の物理量を計測する高精度の計測機器、生体情報を測定する生体情報測定機器、或いは車載機器などである。また電子機器は、センサーのメッシュネットワーク機器、IoT(Internet of Things)機器、頭部装着型表示装置や時計関連機器などのウェアラブル機器、ロボット、印刷装置、投影装置、スマートフォン等の携帯情報端末、コンテンツを配信するコンテンツ提供機器、或いはデジタルカメラ又はビデオカメラ等の映像機器などであってもよい。
処理装置100は、例えばMPU(Micro Processor Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーやASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路装置により実現できる。例えば外部装置である処理装置100は、当該回路装置と、当該回路装置が実装される回路基板などを含んでもよい。そして処理装置100は、補正データDCTに基づいて温度検出データDTDを補正する演算処理を行って、温度を検出する。即ち図1、図3で説明したように回路装置20のインターフェース回路80は、温度検出データDTDと補正データDCTをデータ信号DAとして送信し、外部の処理装置100は、温度検出データDTDと補正データDCTを受信する。具体的には処理装置100は、インターフェース回路110を有しており、このインターフェース回路110が温度検出データDTDと補正データDCTを受信する。そして処理装置100は、補正データDCTに基づいて温度検出データDTDを補正する演算処理を行って、温度検出データDTDに対応する温度を検出する。温度検出データDTDを補正する演算処理は、例えば処理装置100のプロセッサー上で動作するプログラムにより実行できる。
このように図13の処理システム200によれば、補正データDCTに基づき温度検出データDTDを補正して温度を検出する処理が、回路装置20ではなく外部の処理装置100において行われる。従って、処理装置100は、自身が温度の検出を必要とするタイミングで、補正データDCTに基づき温度検出データDTDを補正して温度を検出する処理を実行するようになる。例えば図5、図6の比較例では、温度検出のための補正処理を、アナログ補正回路48やデジタル補正回路49が常時に実行しており、温度検出が必要ではないタイミングにおいても補正処理が実行されるため、無駄に電力が消費されてしまう。これに対して図5では、温度検出のための補正処理が、処理システム200の全体において必要最小限の回数しか行われないようになるため、処理システム200の全体での消費電力の低減が可能になる。
また図13では、回路装置20は、クロック出力パッドPCKと、発振信号OSCに基づくクロック信号CKを、クロック出力パッドPCKを介して外部の処理装置100に出力する出力回路90と、第1パッドPDAを含む。クロック出力パッドPCKは発振器4のクロック出力端子TCKに電気的に接続され、第1パッドPDAは発振器4の第1端子TDAに電気的に接続されている。また出力回路90は、発振信号OSCをバッファリングした信号を、発振信号OSCに基づくクロック信号CKとして出力している。
なお発振回路30からの発振信号OSCの周波数を逓倍した周波数のクロック信号CKを生成するPLL回路を設け、出力回路90は、このPLL回路からのクロック信号CKをクロック出力パッドPCKに出力するようにしてもよい。この場合には、発振信号OSCに基づくクロック信号CKは、発振信号OSCの周波数を逓倍した周波数のクロック信号になる。例えばPLL回路は、電圧制御発振回路を有し、基準クロック信号である発振信号OSCと、フィードバッククロック信号との位相比較を行って、発振信号OSCの周波数を逓倍した周波数のクロック信号CKを出力する。この場合にPLL回路として、例えば周波数の分数逓倍が可能なフラクショナル-N型のPLL回路を用いてもよい。
そしてインターフェース回路80は、データ信号DAにより処理装置100との通信を行う。具体的には処理装置100は、インターフェース回路110を有しており、マスターであるインターフェース回路110と、スレーブであるインターフェース回路80との間で、データ信号DAによるシリアルの通信が行われる。例えば処理装置100は、データ信号DAが入出力されるデータ端子EDAと、クロック信号CKが入力されるクロック入力端子ECKと、VDDが供給される電源端子EVDDと、GNDが供給されるグランド端子EGNDを有する。そして処理装置100のインターフェース回路110は、クロック入力端子ECKに入力されるクロック信号CKと、データ端子EDAにより入出力されるデータ信号DAとにより、インターフェース回路80との間で通信を行う。
そして、この通信において、出力回路90は、通信のマスターである処理装置100へクロック信号CKを出力する。即ち、通常はマスターが通信用のクロック信号を出力するのに対して、図13ではスレーブ側の出力回路90がクロック信号CKを出力する。そして通信のスレーブであるインターフェース回路80は、処理装置100から送信された、クロック信号CKに同期したデータ信号DAを、第1パッドPDAを介して受信する。即ち、マスターである処理装置100が、スレーブからのクロック信号CKに同期してデータ信号DAを送信し、スレーブであるインターフェース回路80が、送信されたデータ信号DAを受信する。或いは、通信のスレーブであるインターフェース回路80は、クロック信号CKに同期してデータ信号DAを、第1パッドPDAを介して処理装置100に送信する。即ち、スレーブであるインターフェース回路80が、クロック信号CKに同期してデータ信号DAを送信し、マスターである処理装置100が、送信されたデータ信号DAを受信する。このようにすれば、スレーブ側が出力したクロック信号CKに基づいて、通信のマスターである処理装置100と、通信のスレーブであるインターフェース回路80との間で、データ信号DAの同期通信が可能になる。
また図13では、データ信号DAのデータ線と、VDDの電源線との間にプルアップ用の抵抗RPが設けられている。これにより、処理装置100とインターフェース回路80とを接続するデータ線がプルアップされるようになる。即ちデータ線が、VDDの電源電圧レベルにプルアップされた状態になる。このようにすれば、インターフェース回路80と処理装置100のいずれもが、データ線をローレベルに駆動しなかった場合に、データ線が、VDDの電源電圧レベルであるハイレベルにプルアップされるようになる。具体的には、インターフェース回路80や、処理装置100のインターフェース回路110が、後述の図14に示すオープンドレインのN型のトランジスターTRを有するI/O回路82を含む場合に、トランジスターTRがオフのときにデータ線がハイレベルにプルアップされるようになる。これにより、データ線を用いたシリアルのデータ通信を実現することが可能になる。
なお図13では、データ信号DAのデータ線と、VDDの電源線との間にプルアップ用の抵抗RPを設けているが、このようなプルアップ用の抵抗RPを設けない構成としてもよい。
図13に示す発振器4は、電源端子TVDDとグランド端子TGNDとクロック出力端子TCKと第1端子TDAを有する4端子の発振器になっている。このような端子数の少ない発振器4では、外部の処理装置100との通信を如何にして実現するかが課題となる。
例えば図13の比較例の手法として、製造、検査の際に動作モードを通信モードに設定し、例えばクロック出力端子TCKを、通信用のクロック入力端子に切り替え、出力イネーブル端子である第1端子TDAを、通信用のデータ端子に切り替える手法が考えられる。そしてマスターである処理装置100からの通信用のクロック信号が、クロック入力端子に切り替えられたクロック出力端子TCKに入力され、通信用のデータ端子に切り替えられた第1端子TDAを用いて、データ信号DAの通信が行われる。
しかしながら、この比較例の手法では、クロック出力端子TCKが通信用のクロック入力端子に切り替わってしまうため、発振回路30の発振信号OSCに基づくクロック信号CKを、クロック出力端子TCKから出力できなくなってしまう。従って、マスターである処理装置100が、このクロック信号CKに基づき動作している場合や、このクロック信号CKを用いて動作する他の外部装置がある場合に、通信モードの際には、処理装置100や他の外部装置がクロック信号CKに基づき動作できなくなってしまう。即ち外部へのクロック信号CKの出力と、処理装置100との間の通信とを両立して行うことができない。
この点、図13の構成によれば、発振器4が出力するクロック信号CKを用いて処理装置100との間の通信が行われる。即ち、通常ならば処理装置100との間の通信は、マスターが出力する通信用のクロック信号を用いて行われるが、図13では、スレーブである発振器4が出力するクロック信号CKを用いて、処理装置100との間の通信が行われる。従って、上記の比較例の手法のように動作モードを通信モードに設定して、クロック出力端子TCKを通信用のクロック入力端子に切り替える必要が無くなる。そして、クロック出力端子TCKから、処理装置100や他の外部装置にクロック信号CKを出力しながら、処理装置100との間でクロック信号CKとデータ信号DAを用いた通信を実行できるようになる。従って、発振器4の端子数が例えば4端子というように少ない場合にも、クロック出力端子TCKからのクロック信号CKの出力と、クロック信号CKとデータ信号DAを用いた処理装置100との間の通信を、両立して行うことが可能になる。
また発振器4の端子数が5端子以上であり、例えば通信用のクロック入力端子が発振器4に設けられている場合においても、通信用のクロック入力端子に入力される通信用のクロック信号によるノイズが、クロック信号CKの信号特性に悪影響を及ぼしてしまうという問題もある。即ち、この場合には、発振器4から出力されるクロック信号CKと、処理装置100からの通信用のクロック信号は非同期となっているため、通信用のクロック信号によるノイズが、クロック信号CKに重畳されて、クロック信号CKに対してジッターノイズ等のノイズが発生してしまう。
この点、図13の構成によれば、処理装置100が出力する通信用のクロック信号の代わりに、発振器4が外部に出力するクロック信号CKを用いて、処理装置100との間の通信が行われる。即ち処理装置100との間の通信用のクロック信号として、発振器4が外部に出力するクロック信号CKが用いられる。従って、上記のように通信用のクロック信号によるノイズがクロック信号CKに重畳してクロック信号特性が低下するというような問題が発生するのを効果的に防止できるようになる。
また図13では出力回路90は、通信の期間以外の期間においてもクロック信号CKを出力している。例えば出力回路90は、通信の期間においてクロック信号CKを出力すると共に、通信の期間以外の期間においてもクロック信号CKを出力している。このようにすることで、通信の期間以外の期間においても、クロック信号CKを処理装置100や他の外部装置に供給できるようになる。これにより処理装置100や他の外部装置は、クロック信号CKを動作クロック信号として動作したり、クロック信号CKに基づいて所定の処理を実行できるようになる。
例えば図13の適用例として、マイクロコンピューターなどの処理装置100が有するRTCの回路に、発振器4からの32KHzのクロック信号CKを供給して、RTCでのカレンダーの計時処理を実現する例が考えられる。この場合にはカレンダーの計時処理は停止することなく実行する必要があるため、発振器4からのクロック信号CKは、処理装置100のRTCの回路に常時に供給される必要がある。一方、処理装置100は、このようなカレンダーの計時処理を行いながら、例えば環境の温度を検出して、温度が上限を超えたり、下限を下回った場合に、警告の報知処理を行う場合がある。この場合に処理装置100は、発振器4の温度センサー回路40の温度検出データDTDを有効利用して、発振器4からインターフェース回路80を介して出力される温度検出データDTDに基づき温度を検出することで、警告の報知処理を実行できるようになる。このような場合に、図13の構成によれば、発振器4からの温度検出データDTDを通信の期間において処理装置100に送信できると共に、通信の期間及び通信の期間以外の期間において、発振器4のクロック信号CKを常時にRTCの回路に供給することで、カレンダーの計時処理を実現できるようになる。従って、処理装置100は、温度検出データDTDに基づく温度検出と、クロック信号CKに基づくカレンダーの計時処理を両立して実行することが可能になる。
図14は、インターフェース回路80やインターフェース回路110が含むI/O回路82の構成例である。I/O回路82は、オープンドレインのN型のトランジスターTRと、入力バッファーBFを含む。また図14のIN/OUTの端子は、図13の第1端子TDA又はデータ端子EDAに対応する。第1端子TDAは、発振器4のデータ端子に対応する。
トランジスターTRのゲートには、内部回路からの出力信号OUTが例えばインバーターIVによりバッファリングされて入力される。例えば出力信号OUTがローレベルになり、トランジスターTRのゲートがハイレベルになると、トランジスターTRがオンになり、データ線がローレベルに駆動されるようになる。一方、出力信号OUTがハイベルになり、トランジスターTRのゲートがローレベルになると、トランジスターTRがオフになる。この場合にデータ線は図13の抵抗RPによりハイレベルにプルアップされた状態になる。これにより出力信号OUTを用いたデータ信号DAの送信が可能になる。
またIN/OUTの端子は入力バッファーBFに接続されており、IN/OUTの端子の入力信号INは、入力バッファーBFによりバッファリングされて内部回路に入力される。これにより入力信号INを用いたデータ信号DAの受信が可能になる。
なお図13のプルアップ用の抵抗RPを設けない構成とした場合には、図14のI/O回路82には、オープンドレインのN型のトランジスターTRの代わりに、例えばVDDとGNDとの間に直列に設けられたP型のトランジスター及びN型のトランジスターにより構成されるプッシュプルの出力回路を設ければよい。
図15、図16は本実施形態の通信例を説明する信号波形図である。図15は、マスターである処理装置100が発振器4にデータを書き込むデータライトの場合の信号波形図である。このマスターによるデータライトは、スレーブである発振器4のインターフェース回路80のデータ受信に対応する。図16は、処理装置100が発振器4からデータを読み出すデータリードの場合の信号波形図である。このマスターによるデータリードは、スレーブである発振器4のインターフェース回路80のデータ送信に対応する。なお図15、図16では、マスターがローレベルを出力する場合とスレーブがローレベルを出力する場合とを区別できるように、スレーブによるローレベルを、マスターによるローレベルよりも低い電位として模式的に示している。
図15のデータライトにおいて、マスターである処理装置100が通信開始キーを送信し、スレーブであるインターフェース回路80がこの通信開始キーを受信する。この場合にマスターである処理装置100は、スレーブからのクロック信号CKに同期して通信開始キーを送信する。そしてスレーブであるインターフェース回路80は、クロック信号CKに同期した通信開始キーを受信し、受信した通信開始キーが、プロトコルにしたがった適切なコードのキーであるか否かを判別し、適切なコードのキーである場合に通信が開始されたと判定する。このように本実施形態では、インターフェース回路80は、処理装置100から通信開始キーを受信したことを条件に、通信を開始する。このようにすれば、適切なコードの通信開始キーがマスターからスレーブに送信されたことを条件に、マスターとスレーブとの間の通信が開始されるようになり、通信開始キーを起点としたマスターとスレーブとの間の適切な通信を開始できるようになる。なお本実施形態では、適宜、処理装置100を単にマスターと記載し、インターフェース回路80を単にスレーブと記載する。
マスターは、通信開始キーを送信した後、ライトなのかリードなのかを指定するR/XWを出力する。このR/XWにおいて、Xは負論理を意味し、マスターは、データリードの場合にはハイレベルを出力し、データライトの場合はローレベルを出力する。図15ではデータライトであるため、マスターはR/XWのXWとしてローレベルを出力している。即ち図14のマスター側のI/O回路82のオープンドレインのN型トランジスターがオンになることでローレベルが出力される。
このように通信開始キーの後にマスターがローレベルを出力すると、スレーブは、スレーブのアクノリッジを示すSLAを出力する。具体的にはスレーブは、SLAとして、ローレベルを出力する。前述したように、スレーブによるローレベルは、マスターによるローレベルと区別するために、図15では電位の低いローレベルとして模式的に記載されている。
マスターは、このようにスレーブがSLAとしてローレベルを出力すると、スレーブに対するアドレスのライトを行う。このアドレスは、データの書き込み先となるスレーブのレジスターを指定するアドレスである。このアドレスライトにおいて、マスターがデータ信号DAとしてアドレス情報を送信し、スレーブが、このアドレス情報を受信する。
マスターは、アドレスライトの後に、P/XCを出力する。Pは、通信を停止するStopを意味し、XCは、通信を継続するContinueを意味する。またXCのXは負論理を意味する。図15では通信を継続するため、マスターは、P/XCのXCとしてローレベルを出力する。そしてマスターは、アドレスライトで指定されたアドレスに対して書き込むデータを、データ信号DAとして送信する。これにより発振器4のレジスターのうち、指定されたアドレスのレジスターに対して、マスターからのデータが書き込まれるようになる。
図16のデータリードの場合も、マスターは、まず通信開始キーを送信し、スレーブが、この通信開始キーを受信する。そして図16はデータリードであるため、マスターは、R/XWのRとしてハイレベルを出力する。そしてスレーブは、アクノリッジであるSLAとしてローレベルを出力する。
このようにスレーブによりSLAが出力された後、データリードが行われる。なお、後述するように、このデータリードの場合に、データリードのアドレスが事前に指定されている。図16のデータリードは、スレーブが、データ信号DAのデータ線にデータを書き込むスレーブライトである。即ち、スレーブから読み出されたデータがデータ線に書き込まれてマスターに送信される。そしてマスターが、P/XCのXCとしてローレベルを出力して、通信の継続が指示されると、次のデータリードが行われる。
図17は本実施形態の通信プロトコルの例の説明図である。図17のデータライトでは、マスターが8ビットの通信開始キー及びXWを出力した後、スレーブが1ビットのSLAを出力する。そしてマスターが8ビットのアドレスをライトして、書き込みアドレスを指定する。そしてマスターは、通信の継続を指示する1ビットのXCを出力した後、8ビットのデータをスレーブに送信する。これにより、スレーブにおいて、指定された書き込みアドレスにデータが書き込まれる。次にマスターは、通信の継続を指示するXCを出力した後、次のデータを送信する。この場合に、書き込みアドレスは、スレーブにおいて自動的に更新されて、更新後の次の書き込みアドレスに対してマスターからのデータが書き込まれる。その後、マスターは、通信の継続を指示するXCを出力した後、次のデータを送信して、スレーブに書き込む。そしてマスターは、次に書き込むデータが無くなると、通信の停止を指示する1ビットのPを出力する。
また図17のデータリードでは、マスターが8ビットの通信開始キー及びXWを出力した後、スレーブが1ビットのSLAを出力する。そしてマスターが8ビットのアドレスをライトして、データリードのアドレスを指定した後、通信の停止を指示する1ビットのPを出力する。次に、マスターが8ビットの通信開始キー及びRを出力した後、スレーブが1ビットのSLAを出力すると、マスターが8ビットのデータをスレーブからリードして受信する。この場合のデータリードのアドレスは、上記のようにデータリードの前に指定されたアドレスである。次にマスターは、通信の継続を指示するXCを出力した後、次のデータをスレーブからリードして受信する。この場合に、データリードのアドレスは自動更新されている。そして次にリードするデータが無くなると、マスターは、通信の停止を指示する1ビットのPを出力する。
このように本実施形態では、図17のデータライトの際には、インターフェース回路80は、所定ビット数の第1データを受信した後に、処理装置100がローレベルを出力したときに、通信が継続されたと判断して、所定ビット数の次の第2データを受信する。即ち図17のマスターによるデータライトにおいては、スレーブであるインターフェース回路80は、所定ビット数である8ビットの第1データを受信する。具体的にはマスターが送信した第1データが受信されて、レジスターに書き込まれる。なお所定ビット数は8ビットには限定されず、16ビット、32ビット等であってもよい。そして処理装置100が、第1データの送信後、通信の継続を指示するXCとしてローレベルを出力すると、インターフェース回路80は、通信が継続されたと判断する。そして処理装置100が、XCとしてローレベルを出力した後、第2データを送信すると、インターフェース回路80は、送信された第2データを受信し、受信された第2データがレジスターに書き込まれる。このようにすればインターフェース回路80は、第1データの受信後、処理装置100がローレベルを出力したか否かを検出することで、通信が継続されるか否かを判断して、次の第2データを受信できるようになる。これによりインターフェース回路80は、第1データ、第2データというような所定ビット数の複数のデータを連続して受信できるようになる。また処理装置100が、第1データの送信後、ローレベルを出力しない場合には、図13に示すように、データ線が抵抗RPによりプルアップされることでハイレベルに設定されるため、インターフェース回路80は、通信が継続されずに停止したと判断できるようになる。
また本実施形態では、図17のデータリードの際には、インターフェース回路80は、所定ビット数の第1データを送信した後に、処理装置100がローレベルを出力したときに、通信が継続されたと判断して、所定ビット数の次の第2データを送信する。即ち図17のマスターによるデータリードにおいては、スレーブであるインターフェース回路80は、所定ビット数である8ビットの第1データを送信する。そしてその後に、処理装置100が、通信の継続を指示するXCとしてローレベルを出力すると、インターフェース回路80は、通信が継続されたと判断して、次の第2データを送信する。このようにすればインターフェース回路80は、第1データの送信後、処理装置100がローレベルを出力したか否かを検出することで、通信が継続されるか否かを判断して、次の第2データを送信できるようになる。これによりインターフェース回路80は、第1データ、第2データというような所定ビット数の複数のデータを連続して送信できるようになる。またインターフェース回路80による第1データの送信後、処理装置100がローレベルを出力しない場合には、データ線が抵抗RPによりプルアップされることでハイレベルに設定されるため、インターフェース回路80は、通信が継続されずに停止したと判断できるようになる。
なお図15~図17では、論理レベルが「0」の場合にはローレベルとなり、論理レベルが「1」の場合にはハイレベルとなる通信を行っているが、本実施形態はこれに限定されない。例えばインターフェース回路80が、論理レベルが「0」の場合には、第1のビットパターンのデータ信号DAを出力し、論理レベルが「1」の場合には、第2のビットパターンのデータ信号DAを出力するようにしてもよい。例えば第1のビットパターンのデータ信号DAでは、前半の期間TF1においてローレベルが出力され、後半の期間TL1においてハイレベルが出力される。一方、第2のビットパターンのデータ信号DAでは、前半の期間TF2においてローレベルが出力され、後半の期間TL2においてハイレベルが出力される。ここでTF1>TF2、TL1<TL2の関係が成り立っている。またTF1+TL1=TF2+TL2の関係が成り立っている。期間TF1、TL1、TF2、TL2は、所定クロック数の期間である。一例としては、期間TF1はクロック信号CKの4クロック期間であり、期間TL1は3クロック期間である。また期間TF2は2クロック期間であり、期間TL2は5クロック期間である。このようにすれば、クロック信号CKの周波数が高い場合にも、クロック信号CKに基づくデータ信号DAの通信にエラーが発生するのを防止して、適正な通信処理を実現できるようになる。
即ち、図13においてクロック信号CKの周波数が32KHz等の低い周波数である場合には、あまり問題は生じないが、クロック信号CKの周波数が高い周波数である場合には、このクロック信号CKを用いて通信を行うと、通信エラーが発生するおそれがある。例えばクロック信号CKに同期してマスターとスレーブの間でデータ信号DAの送受信の通信を行う場合に、クロック信号CKの周波数が高いと、データ信号DAのサンプリングが間に合わなくなり、通信エラーが発生してしまう。この点、上述のようにインターフェース回路80が、論理レベルが「0」の場合には、第1のビットパターンのデータ信号DAを出力し、論理レベルが「1」の場合には、第2のビットパターンのデータ信号DAを出力するようにすれば、このような通信エラーの発生を防止できる。これにより、マスターとスレーブの間での信頼性の高い安定した通信を実現することが可能になる。
またインターフェース回路80は、図10に示すように温度検出データDTDが上限値ULを超えた場合又は下限値LLを下回った場合に、所与の期間において所定電圧レベルになる割り込み信号INTを、第1パッドPDAを介して処理装置100に出力する。例えば図18では、インターフェース回路80は、所与の期間TAにおいて、所定電圧レベルであるローレベルになる割り込み信号INTを出力している。例えばインターフェース回路80は、温度検出データDTDが上限値ULを超えた場合又は下限値LLを下回った場合に、期間TAにおいてハイインピーダンス状態からローレベルになる割り込み信号INTを出力する。
例えば図13に示すようにデータ信号DAのデータ線は抵抗RPによりプルアップされているため、インターフェース回路80又は処理装置100がデータ線をローレベルに駆動しなければ、データ線はハイレベルにプルアップされた状態になる。そして温度検出データDTDが上限値ULを超えた場合又は下限値LLを下回った場合に、インターフェース回路80がデータ線をローレベルに駆動して、図18に示すように期間TAにおいてローレベルになる割り込み信号INTを出力する。これにより、処理装置100は、データ線のローレベルを検出することで、インターフェース回路80が割り込み信号INTを出力したことを検出できるようになる。そして割り込み信号INTを検出した処理装置100は、温度が上限を超えた場合や下限を下回った場合の処理を適切に実行することが可能になる。例えば処理装置100は、温度が上限を超えたり下限を下回ったことを報知する警告処理等を実行できるようになる。
5.発振器
図19に本実施形態の発振器4の第1構造例を示す。発振器4は、振動子10と、回路装置20と、振動子10及び回路装置20を収容するパッケージ15を有する。パッケージ15は、例えばセラミック等により形成され、その内側に収容空間を有しており、この収容空間に振動子10及び回路装置20が収容されている。収容空間は気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。パッケージ15により、振動子10及び回路装置20を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。
パッケージ15はベース16とリッド17を有する。具体的にはパッケージ15は、振動子10及び回路装置20を支持するベース16と、ベース16との間に収容空間を形成するようにベース16の上面に接合されたリッド17とにより構成されている。そして振動子10は、ベース16の内側に設けられた段差部に端子電極を介して支持されている。また回路装置20は、ベース16の内側底面に配置されている。具体的には回路装置20は、能動面がベース16の内側底面に向くように配置されている。能動面は回路装置20の回路素子が形成される面である。また回路装置20の端子にバンプBMPが形成されている。そして回路装置20は、導電性のバンプBMPを介してベース16の内側底面に支持される。導電性のバンプBMPは例えば金属バンプであり、このバンプBMPやパッケージ15の内部配線や端子電極などを介して、振動子10と回路装置20が電気的に接続される。また回路装置20は、バンプBMPやパッケージ15の内部配線を介して、発振器4の外部端子18、19に電気的に接続される。外部端子18、19は、パッケージ15の外側底面に形成されている。外部端子18、19は、外部配線を介して外部デバイスに接続される。外部配線は、例えば外部デバイスが実装される回路基板に形成される配線などである。これにより外部デバイスに対してクロック信号などを出力できるようになる。
なお図19では、回路装置20の能動面が下方に向くように回路装置20がフリップ実装されているが、本実施形態はこのような実装には限定されない。例えば回路装置20の能動面が上方に向くように回路装置20を実装してもよい。即ち能動面が振動子10に対向するように回路装置20を実装する。
図20に発振器4の第2構造例を示す。発振器4は、振動子10と、回路装置20と、振動子10及び回路装置20を収容するパッケージ15を有し、パッケージ15は、ベース16とリッド17を有する。ベース16は、中間基板である第1基板6と、第1基板6の上面側に積層された略矩形フレーム形状の第2基板7と、第1基板6の底面側に積層された略矩形フレーム形状の第3基板8を有する。そして、第2基板7の上面にはリッド17が接合され、第1基板6と第2基板7とリッド17とにより形成された収容空間S1に、振動子10が収容されている。例えば収容空間S1に振動子10が気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。これにより、振動子10を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。また第1基板と第3基板8とにより形成された収容空間S2に、半導体チップである回路装置20が収容されている。また第3基板8の底面には、発振器4の外部接続用の電極端子である外部端子18、19が形成されている。
また収容空間S1においては、振動子10が、導電性の接続部CDC1、CDC2により、第1基板6の上面に形成された不図示の第1電極端子、第2電極端子に接続される。導電性の接続部CDC1、CDC2は、例えば金属バンプ等の導電性のバンプにより実現してもよいし、導電性の接着剤により実現してもよい。具体的には、例えば音叉型の振動子10の一端に形成された不図示の第1電極パッドが、導電性の接続部CDC1を介して、第1基板6の上面に形成された第1電極端子に接続される。そして第1電極端子は回路装置20のパッドPX1に電気的に接続される。また音叉型の振動子10の他端に形成された不図示の第2電極パッドが、導電性の接続部CDC2を介して、第1基板6の上面に形成された第2電極端子に接続される。そして第2電極端子は回路装置20のパッドPX2に電気的に接続される。これにより振動子10の一端及び他端を、導電性の接続部CDC1、CDC2を介して、回路装置20のパッドPX1、PX2に電気的に接続できるようになる。また半導体チップである回路装置20の複数のパッドには導電性のバンプBMPが形成され、これらの導電性のバンプBMPが、第1基板6の底面に形成された複数の電極端子に接続される。そして回路装置20のパッドに接続された電極端子は、内部配線等を介して発振器4の外部端子18、19に電気的に接続される。
なお発振器4は、ウェハレベルパッケージ(WLP)の発振器であってもよい。この場合には発振器4は、半導体基板と、半導体基板の第1面と第2面との間を貫通する貫通電極とを有するベースと、半導体基板の第1面に対して、金属バンプ等の導電性の接合部材を介して固定される振動子10と、半導体基板の第2面側に再配置配線層等の絶縁層を介して設けられる外部端子を含む。そして半導体基板の第1面又は第2面に、回路装置20となる集積回路が形成される。この場合には、振動子10及び集積回路が配置された複数のベースが形成された第1半導体ウェハーと、複数のリッドが形成された第2半導体ウェハーとを貼りつけることで、複数のベースと複数のリッドを接合し、その後にダイシングソー等によって発振器4の個片化を行う。このようにすれば、ウェハレベルパッケージの発振器4の実現が可能になり、高スループット、且つ、低コストでの発振器4の製造が可能になる。
以上に説明したように本実施形態の回路装置は、振動子を用いて発振信号を生成する発振回路と、温度検出データを出力する温度センサー回路と、温度検出データに基づいて、発振信号の発振周波数を温度補償する温度補償回路と、温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶するメモリーと、温度検出データと補正データとを出力するインターフェース回路を含む。
本実施形態によれば、発振回路は、振動子を用いて発振信号を生成し、温度センサー回路は、温度を検出して、温度検出データを出力する。また温度補償回路は、温度検出データに基づいて、発振信号の発振周波数の温度補償を行い、メモリーは、温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶する。そしてインターフェース回路は、温度検出データと補正データを外部に出力する。これにより、インターフェース回路からの温度検出データを、インターフェース回路からの補正データに基づいて補正する演算処理などを行って、温度検出データに対応する温度を検出することなどが可能になる。従って、回路装置の温度センサー回路を有効利用した正確な温度検出を可能にする回路装置等の提供が可能になる。
また本実施形態では、メモリーは、温度検出データと周波数調整データとを対応づけたルックアップテーブルを記憶し、温度補償回路は、ルックアップテーブルを参照して、温度検出データに対応する周波数調整データを出力してもよい。そして発振回路は、周波数調整データに対応する発振周波数の発振信号を生成してもよい。
このようにすれば、温度検出データに対応する周波数調整データをルックアップテーブルから出力して、この周波数調整データを用いて、発振回路の発振周波数を調整することで、発振周波数の温度補償処理を実現できるようになる。
また本実施形態では、温度感度を調整する演算処理を行い、演算処理が行われた温度検出データをルックアップテーブルに出力する演算回路を含んでもよい。
このようにすれば、例えば温度感度が温度範囲に応じて異なる場合にも、この温度感度を適正に調整する演算処理を行って、演算処理後の温度検出データをルックアップテーブルに出力できるようになる。
また本実施形態では、メモリーは不揮発性メモリーであってもよい。
このようにすれば、温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを不揮発性メモリーに記憶しておき、この補正データを不揮発性メモリーから読み出して、インターフェース回路により、温度検出データと共に補正データを外部に出力できるようになる。
また本実施形態では、補正データは、温度と温度検出データの関係を示す多項式の係数データであってもよい。
このようにすれば、温度と温度検出データの関係を示す特性が、多項式により表したり近似できる場合に、この多項式の係数データを補正データとして用いることが可能になる。
また本実施形態では、温度検出データが上限値を超えた場合又は下限値を下回った場合に、割り込み信号を生成する割り込み信号生成回路を含んでもよい。
このような割り込み信号生成回路を設けることで、温度検出データに対応する温度が上限の温度を超えた、或いは下限の温度を下回ったことを、外部装置に通知することが可能になる。
また本実施形態では、割り込み信号生成回路は、上限値を記憶する第1レジスターと、下限値を記憶する第2レジスターと、温度検出データと上限値又は下限値とを比較して、割り込み信号を生成する比較回路と、を含んでもよい。
このようにすれば、第1レジスター、第2レジスターに上限値、下限値を記憶しておき、この上限値又は下限値と温度検出データとを比較回路により比較することで、割り込み信号を生成できるようになる。
また本実施形態では、メモリーが上限値及び下限値を記憶してもよい。
このようにすれば、補正データに基づき個体差バラツキを補正した上限値及び下限値をメモリーに書き込んで記憶しておくことが可能になる。
また本実施形態では、クロック出力パッドと、発振信号に基づくクロック信号をクロック出力パッドを介して外部の処理装置に出力する出力回路と、第1パッドと、を含み、インターフェース回路は、データ信号により処理装置との通信を行ってもよい。そして通信において、出力回路は、通信のマスターである処理装置へクロック信号を出力し、通信のスレーブであるインターフェース回路は、処理装置から送信された、クロック信号に同期したデータ信号を、第1パッドを介して受信する、又は、クロック信号に同期してデータ信号を、第1パッドを介して処理装置に送信してもよい。
このようにすれば、スレーブ側が出力したクロック信号に基づいて、通信のマスターである処理装置と、通信のスレーブであるインターフェース回路との間で、データ信号の同期通信が可能になる。
また本実施形態では、インターフェース回路は、温度検出データが上限値を超えた場合又は下限値を下回った場合に、所与の期間において所定電圧レベルになる割り込み信号を、第1パッドを介して処理装置に出力してもよい。
このようにすれば、外部の処理装置は、データ線の所定電圧レベルを検出することで、インターフェース回路が割り込み信号を出力したことを検出して、温度が上限を超えた場合や下限を下回った場合の処理を適切に実行できるようになる。
また本実施形態の発振器は、振動子と回路装置を含む。そして回路装置は、振動子を用いて発振信号を生成する発振回路と、温度検出データを出力する温度センサー回路と、温度検出データに基づいて、発振信号の発振周波数を温度補償する温度補償回路と、温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶するメモリーと、温度検出データと補正データとを出力するインターフェース回路を含む。
本実施形態によれば、発振回路は、振動子を用いて発振信号を生成し、温度センサー回路は、温度を検出して、温度検出データを出力する。また温度補償回路は、温度検出データに基づいて、発振信号の発振周波数の温度補償を行い、メモリーは、温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶する。そしてインターフェース回路は、温度検出データと補正データを外部に出力する。これにより、インターフェース回路からの温度検出データを、インターフェース回路からの補正データに基づいて補正する演算処理などを行って、温度検出データに対応する温度を検出することなどが可能になる。従って、回路装置の温度センサー回路を有効利用した正確な温度検出を可能にする発振器等の提供が可能になる。
また本実施形態の発振器は、クロック出力端子と、第1端子を含んでもよい。また回路装置は、発振信号に基づくクロック信号をクロック出力端子を介して外部の処理装置に出力する出力回路を含み、インターフェース回路は、データ信号により処理装置との通信を行ってもよい。そして通信において、出力回路は、通信のマスターである処理装置へクロック信号を出力し、通信のスレーブであるインターフェース回路は、処理装置から送信された、クロック信号に同期したデータ信号を、第1端子を介して受信する、又は、クロック信号に同期してデータ信号を、第1端子を介して処理装置に送信してもよい。
このようにすれば、スレーブ側が出力したクロック信号に基づいて、通信のマスターである処理装置と、通信のスレーブであるインターフェース回路との間で、データ信号の同期通信が可能になる。
また本実施形態の処理システムは、上記の発振器と、発振器に電気的に接続される処理装置と、を含み、処理装置は、補正データに基づいて温度検出データを補正する演算処理を行って、温度を検出してもよい。
このようにすれば、補正データに基づき温度検出データを補正する演算処理が、処理システムの全体において必要なタイミングで行えば済むようになるため、処理システムの全体での消費電力の低減が可能になる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また回路装置、発振器、処理システムの構成・動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
4…発振器、6…第1基板、7…第2基板、8…第3基板、10…振動子、15…パッケージ、16…ベース、17…リッド、18、19…外部端子、20…回路装置、30…発振回路、32…可変容量回路、40…温度センサー回路、42…リングオシレーター、44…カウンター、46…カウンター制御部、48…アナログ補正回路、49…デジタル補正回路、50…ロジック回路、60…温度補償回路、61…演算回路、62…割り込み信号生成回路、63…第1レジスター、64…第2レジスター、65…比較回路、66、67…コンパレーター、68…OR回路、70…メモリー、72…不揮発性メモリー、80…インターフェース回路、82…I/O回路、90…出力回路、96…電源回路、100…処理装置、110…インターフェース回路、200…処理システム、
BF…入力バッファー、BMP…バンプ、CDC1、CDC2…接続部、CK…クロック信号、DA…データ信号、DCT…補正データ、DFC…周波数調整データ、DTD…温度検出データ、ECK…クロック入力端子、EDA…データ端子、EDTD…変換温度検出データ、EGND…グランド端子、EVDD…電源端子、INT…割り込み信号、IV…インバーター、UL…上限値、LL…下限値、LUT…ルックアップテーブル、OFS…オフセット、SL…傾き、OSC…発振信号、PCK…クロック出力パッド、PDA…第1パッド、PGND…グランドパッド、PVDD…電源パッド、PX1、PX2…パッド、RP…抵抗、TCK…クロック出力端子、TDA…第1端子、TGND…グランド端子、TVDD…電源端子、TR…トランジスター

Claims (13)

  1. 振動子を用いて発振信号を生成する発振回路と、
    温度検出データを出力する温度センサー回路と、
    前記温度検出データに基づいて、前記発振信号の発振周波数を温度補償する温度補償回路と、
    前記温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶するメモリーと、
    前記温度検出データと前記補正データとを出力するインターフェース回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  2. 請求項1に記載の回路装置において、
    前記メモリーは、
    前記温度検出データと周波数調整データとを対応づけたルックアップテーブルを記憶し、
    前記温度補償回路は、
    前記ルックアップテーブルを参照して、前記温度検出データに対応する前記周波数調整データを出力し、
    前記発振回路は、
    前記周波数調整データに対応する前記発振周波数の前記発振信号を生成することを特徴とする回路装置。
  3. 請求項2に記載の回路装置において、
    温度感度を調整する演算処理を行い、前記演算処理が行われた前記温度検出データを前記ルックアップテーブルに出力する演算回路を含むことを特徴とする回路装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記メモリーは不揮発性メモリーであることを特徴とする回路装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記補正データは、前記温度と前記温度検出データの関係を示す多項式の係数データであることを特徴とする回路装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回路装置において、
    前記温度検出データが上限値を超えた場合又は下限値を下回った場合に、割り込み信号を生成する割り込み信号生成回路を含むことを特徴とする回路装置。
  7. 請求項6に記載の回路装置において、
    前記割り込み信号生成回路は、
    前記上限値を記憶する第1レジスターと、
    前記下限値を記憶する第2レジスターと、
    前記温度検出データと前記上限値又は前記下限値とを比較して、前記割り込み信号を生成する比較回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  8. 請求項6又は7に記載の回路装置において、
    前記メモリーが前記上限値及び前記下限値を記憶することを特徴とする回路装置。
  9. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回路装置において、
    クロック出力パッドと、
    前記発振信号に基づくクロック信号を前記クロック出力パッドを介して外部の処理装置に出力する出力回路と、
    第1パッドと、
    を含み、
    前記インターフェース回路は、
    データ信号により前記処理装置との通信を行い、
    前記通信において、
    前記出力回路は、
    前記通信のマスターである前記処理装置へ前記クロック信号を出力し、
    前記通信のスレーブである前記インターフェース回路は、
    前記処理装置から送信された、前記クロック信号に同期した前記データ信号を、前記第1パッドを介して受信する、又は、前記クロック信号に同期して前記データ信号を、前記第1パッドを介して前記処理装置に送信することを特徴とする回路装置。
  10. 請求項9に記載の回路装置において、
    前記インターフェース回路は、
    前記温度検出データが上限値を超えた場合又は下限値を下回った場合に、所与の期間において所定電圧レベルになる割り込み信号を、前記第1パッドを介して前記処理装置に出力することを特徴とする回路装置。
  11. 振動子と、
    回路装置と、
    を含み、
    前記回路装置は、
    前記振動子を用いて発振信号を生成する発振回路と、
    温度検出データを出力する温度センサー回路と、
    前記温度検出データに基づいて、前記発振信号の発振周波数を温度補償する温度補償回路と、
    前記温度検出データを補正して温度を求めるための補正データを記憶するメモリーと、
    前記温度検出データと前記補正データとを出力するインターフェース回路と、
    を含むことを特徴とする発振器。
  12. 請求項11に記載の発振器において、
    クロック出力端子と、
    第1端子と、
    を含み、
    前記回路装置は、
    前記発振信号に基づくクロック信号を前記クロック出力端子を介して外部の処理装置に出力する出力回路を含み、
    前記インターフェース回路は、
    データ信号により前記処理装置との通信を行い、
    前記通信において、
    前記出力回路は、
    前記通信のマスターである前記処理装置へ前記クロック信号を出力し、
    前記通信のスレーブである前記インターフェース回路は、
    前記処理装置から送信された、前記クロック信号に同期した前記データ信号を、前記第1端子を介して受信する、又は、前記クロック信号に同期して前記データ信号を、前記第1端子を介して前記処理装置に送信することを特徴とする発振器。
  13. 請求項11又は12に記載の発振器と、
    前記発振器に電気的に接続される処理装置と、
    を含み、
    前記処理装置は、
    前記補正データに基づいて前記温度検出データを補正する演算処理を行って、前記温度を検出することを特徴とする処理システム。
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