JP2023017558A - 融資管理装置、融資管理方法、およびプログラム - Google Patents

融資管理装置、融資管理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】人的な負担を抑えて不足金額の放棄の判断を可能とする。【解決手段】本実施形態では、融資管理装置は、記憶部と制御部とを備え、前記記憶部は、債務者の残高、利息清算日、及び次回返済日を含む取引データと、前記債務者の月々返済額、融資利率、及び遅延損害金率を含む契約データと、放棄額を含むみなし完済管理マスタと、を記憶する記憶手段を有し、前記制御部は、前記債務者が入金した入金金額と、前記債務者が入金した入金日を取得する取得手段と、前記入金金額、前記取引データ、前記契約データ、及び前記入金日に基づいて、請求額を算出する請求額算出手段と、前記入金金額から前記請求額へ充当される充当額を決定する充当額決定手段と、前記請求額、前記充当額、及び前記放棄額に基づいて、前記請求額と前記充当額との差分の放棄を判断する判断手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、融資管理装置、融資管理方法、およびプログラムに関する。
特許文献1には、キャッシングやクレジットの返済に係る自動取引装置及びホストコンピュータが開示されている。ホストコンピュータは、自動取引装置にて入金された入金金額とキャッシング返済額とを比較する。ホストコンピュータは、入金金額とキャッシング返済額とが同じである場合、キャッシング返済済みのデータを記憶する。ホストコンピュータは、入金金額がキャッシング返済額より大きい場合、キャッシング返済済みのデータを記憶し、自動取引装置は、釣り銭を払い出す。
特開平6-243157号公報
キャッシングの返済の際には、入金金額が返済すべき金額より少ない場合が生じえる。債権者側は、不足金額を回収するにもコストがかかるため、不足金額を回収するコストと不足金額とを比較し、回収コストが不足金額に見合わない場合、不足金額を放棄するか不足金を計上するか判断する。債権者側では、不足が発生する都度、この判断を行うのは負担であり、判断ミスが生じた場合には不利益となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、人的な負担を抑えて不足金額の放棄の判断を可能とする融資管理装置、融資管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資管理装置は、制御部を備える融資管理装置であって、債務者の残高、利息清算日、及び次回返済日を含む取引データと、前記債務者の月々返済額、融資利率、及び遅延損害金率を含む契約データと、放棄額を含むみなし完済管理マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記債務者が入金した入金金額と、前記債務者が入金した入金日を取得する取得手段と、前記入金金額、前記取引データ、前記契約データ、及び前記入金日に基づいて、請求額を算出する請求額算出手段と、前記入金金額から前記請求額へ充当される充当額を決定する充当額決定手段と、前記請求額、前記充当額、及び前記放棄額に基づいて、前記請求額と前記充当額との差分の放棄を判断する判断手段と、を備えること、を特徴とする。
また、本発明に係る融資監理装置において、前記請求額は、元金請求額を含み、前記充当額は、元金充当額を含み、前記判断手段は、前記入金金額≧前記元金請求額であり、前記元金請求額‐前記元金充当額≦前記放棄額である場合、前記差分を放棄すると判断してもよい。
また、本発明に係る融資監理装置において、前記判断手段は、前記入金金額≧前記元金請求額ではない、又は前記元金請求額‐前記元金充当額≦前記放棄額ではない場合、前記差分を放棄しないと判断してもよい。
また、本発明に係る融資管理方法は、債務者の残高、利息清算日、及び次回返済日を含む取引データと、前記債務者の月々返済額、融資利率、及び遅延損害金率を含む契約データと、放棄額を含むみなし完済管理マスタと、にアクセス可能な、制御部を備える融資管理装置の制御部が、前記債務者が入金した入金金額と、前記債務者が入金した入金日を取得し、前記入金金額、前記取引データ、前記契約データ、及び前記入金日に基づいて、請求額を算出し、前記入金金額から前記請求額へ充当される充当額を決定し、前記請求額、前記充当額、及び前記放棄額に基づいて、前記債務者の債務の完済を判断する、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、前記情報処理装置は、債務者の残高、利息清算日、及び次回返済日を含む取引データと、前記債務者の月々返済額、融資利率、及び遅延損害金率を含む契約データと、放棄額を含むみなし完済管理マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部において、前記債務者が入金した入金金額と、前記債務者が入金した入金日を取得する取得ステップと、前記入金金額、前記取引データ、前記契約データ、及び前記入金日に基づいて、請求額を算出する請求額算出ステップと、前記入金金額から前記請求額へ充当される充当額を決定する充当額決定ステップと、前記請求額、前記充当額、及び前記放棄額に基づいて、前記請求額と前記充当額との差分の放棄を判断する判断ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、人的な負担を抑えて不足金額の放棄の判断を行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る融資管理装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係る融資管理装置が記憶する取引データ、契約データ、みなし完済管理マスタ、入金データ、及び返済データの一例を示す図である。 図3は、実施形態に係る融資管理装置が記憶する取引データ、契約データ、みなし完済管理マスタ、入金データ、及び返済データの一例を示す図である。 図4は、実施形態に係る融資管理装置が記憶する取引データ、契約データ、みなし完済管理マスタ、入金データ、及び返済データの一例を示す図である。 図5は、実施形態に係る融資管理装置で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
以下に、本発明に係る融資管理装置、融資管理方法およびプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
[1.構成]
本実施形態にかかる融資管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態にかかる融資管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
融資管理装置100は、例えば、返済を月々行うカードローンやキャッシング等において、債権者と債務者との間の取引や契約等に係るデータを管理し、債務の完済を判断する装置である。融資管理装置100は、例えば、債権者である消費者金融や個人向けの小口融資を行う事業所に設置される。
融資管理装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。ただし、融資管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型の情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型の情報処理装置であってもよい。
融資管理装置100は、制御部102、通信インターフェース部104、記憶部106、及び入出力インターフェース部108を備えている。融資管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、融資管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、融資管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納され、制御部102が処理するデータは、サーバ200から取得してもよい。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、例えば、取引データ106a、契約データ106b、返済データ106c、入金データ106d、及びみなし完済管理マスタ106eが格納されている。なお、例えば、取引データ106a、契約データ106b、及びみなし完済管理マスタ106eは、記憶部106においてデータを永続的に記憶する固定ディスク装置等の装置に永続的に記憶される。また、返済データ106c及び入金データ106dは、後述する処理を行うときに一時的に作成されるデータであり、記憶部106においてデータを一時的に記憶するRAMに記憶される。
取引データ106aは、債権者と債務者との間の取引に係るデータであり、融資が行われた債務者に対する債権を管理する債権番号、シーケンス番号であるSEQ、債務者から月々の返済がされた後の残高である取引後残高、融資の利息精算日、及び次回返済日を含むデータである。
契約データ106bは、債権番号、債務者が月々返済する月々返済額、融資利率、及び遅延損害金利率を含むデータである。
返済データ106cは、債権番号、元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額、元金充当額、利息充当額、遅延損害金充当額、元金放棄額、利息放棄額、及び遅延損害金放棄額を含むデータである。
入金データ106dは、入金番号、債権番号、入金日、及び入金額を含むデータである。
みなし完済管理マスタ106eは、債務者から入金された入金金額が返済すべき金額より少ない場合に、不足金額を放棄するか不足金を計上するかの判断の根拠となるみなし完済放棄最大額を含むマスタである。みなし完済放棄最大額は、例えば、入金金額が返済すべき金額より少ないときに、不足金額の回収に係るコストである。
制御部102は、融資管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラム、所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、取得部102a、請求額算出部102b、充当額決定部102c、判断部102d、及び登録部102eを備えている。
取得手段としての取得部102aは、入力装置112で入力された入金額と入金日を取得し、取得した入金額と入金日を入金データ106dに格納する。
請求額算出手段としての請求額算出部102bは、取引データ106a、契約データ106b、及び入金データ106dに基づいて、後述する(1)~(3)の式により元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額を算出する。請求額算出部102bは、算出した元金請求額、利息請求額、及び遅延損害金請求額を返済データ106cに格納する。
充当額決定手段としての充当額決定部102cは、取得した入金額を元金充当額、利息充当額、遅延損害金充当額へ充当し、各充当額を決定する。充当額決定部102cは、決定した元金充当額、利息充当額、及び遅延損害金充当額を返済データ106cに格納する。
判断手段としての判断部102dは、債務者への融資について、完済したか否かを判断する。また、判断部102dは、後述する条件1、2に従って、不足金額の放棄、不足金額の計上の判断を行う。
登録手段としての登録部102eは、取引データ106aへのデータの登録を行う。
[2.処理の具体例]
ここでは、融資管理装置100で実行される処理の具体例について、図2から図4を参照して説明する。なお、以下の説明においては、融資管理装置100で不足金額を放棄する機能を利用しない場合、融資管理装置100で不足金額を放棄する機能を利用し、不足金額の放棄を行う場合、融資管理装置100で不足金額を放棄する機能を利用し、不足金額の放棄を行わない場合の処理の具体例について説明する。
図2は、記憶部106に記憶される取引データ106a、契約データ106b、みなし完済管理マスタ106e、入金データ106d、及び返済データ106cの一例を示す図である。図2(b)に示されている契約データ106bによれば、債権番号が100である債権は、債務者からの月々返済額が「10,000」、融資利率が「10%」、遅延損害金利率が「14%」となっている。また、図2(a)に示されている取引データ106aによれば、債権番号が100である債権は、取引後残高が「10,000」、利息精算日が2021年4月9日、月々の返済日のうち次回の返済日が2021年5月8日となっている。また、融資管理装置100において、不足金額を放棄する機能を利用しない場合、みなし完済管理マスタ106eにおいては、図2(c)に示すように、みなし完済放棄最大額が「0」となっている。
例えば、債務者が次回返済日の翌日である2021年5月9日に10,000円の入金を行った場合、融資管理装置100のオペレータは、入金した債務者に対応した債権番号、入金日及び入金額を入力装置112で入力する。この入力により、入金データ106dには、図2(d)に示すように、入金日として「2021/5/9」が格納され、入金額として「10,000」が格納される。
融資管理装置100は、取引データ106a、契約データ106b、及び入金データ106dに基づいて、元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額を算出する。具体的には、融資管理装置100は、利息請求額を(1)の式、元金請求額を(2)の式、遅延損害金請求額を(3)の式で算出する。
利息請求額=取引後残高×融資利率×経過日数÷365・・・(1)
元金請求額=月々返済額‐利息請求額・・・(2)
遅延損害金請求額=取引後残高×遅延損害金利率×延滞日数÷365・・・(3)
ここで、利息請求額は、取引後残高(10,000)×融資利率(1.1)×経過日数(30)÷365=904となる。また、元金請求額は、月々返済額(10,000)‐利息請求額(904)=9,096となる。また、遅延損害金請求額は、取引後残高(10,000)×遅延損害金利率(1.14)×延滞日数(1)÷365=31となる。融資管理装置100は、算出した利息請求額、元金請求額、及び遅延損害金請求額を、図2(e)に示すように返済データ106cに格納する。
次に融資管理装置100は、予め定められた充当順位に従って、入金額を元金充当額、利息充当額、遅延損害金充当額へ充当し、各充当額を決定する。この充当順位は、例えば、遅延損害金充当額が1位、利息充当額が2位、元金充当額が3位である。
融資管理装置100は、図2(f)に示すように、入金された「10,000」から充当順位に従って遅延損害金充当額「31」と利息充当額「904」を返済データ106cに格納する。また、融資管理装置100は、入金額の「10,000」から遅延損害金充当額「31」と利息充当額「904」を充当した後の残額は「9,065」であるため、図2(f)に示すように、残額の「9,065」を元金充当額として返済データ106cに格納する。
次に融資管理装置100は、完済、不足金額の放棄、不足金額の計上の判断を行う。融資管理装置100は、請求額に対して充当額が不足しており、みなし完済管理マスタ106eに格納されているみなし完済放棄最大額が「0」である場合、完済していないと判断し、不足金額を計上する。具体的には、融資管理装置100は、図2(g)に示すように、元金請求額「9,096」と元金充当額「9,065」との差である「31」を、取引データ106aの取引後残高のカラムに格納する。また、融資管理装置100は、図2(g)に示すように、SEQのカラムを「2」に更新し、利息精算日のカラムを次の利息精算日となる「2021/5/8」に更新し、次回返済日のカラムを次回返済日となる「2021/6/8」に更新する。
次に、入金金額が請求金額に対して不足している場合に、不足金額を放棄するときの処理の具体例について説明する。図3は、記憶部106に記憶される取引データ106a、契約データ106b、みなし完済管理マスタ106e、入金データ106d、及び返済データ106cの一例を示す図である。図3に示す例では、図3(a)に示す取引データ106aは、図2(a)に示した取引データ106aと同じであり、図3(b)に示す契約データ106bは、図2(b)に示した契約データ106bと同じである。また、図3(c)に示すみなし完済管理マスタ106eは、みなし完済放棄最大額が「400」にされている。
例えば、債務者が次回返済日の翌日である2021年5月9日に10,000円の入金を行った場合、融資管理装置100のオペレータは、入金した債務者に対応した債権番号、入金日及び入金額を入力装置112で入力する。この入力により、入金データ106dには、図3(d)に示すように、入金日として「2021/5/9」が格納され、入金額として「10,000」が格納される。
融資管理装置100は、取引データ106a、契約データ106b、及び入金データ106dに基づいて、上述した(1)~(3)の式により元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額を算出する。ここで、元金請求額、利息請求額、及び遅延損害金請求額は、上述した処理例と同じとなる。融資管理装置100は、算出した利息請求額「9,096」、元金請求額「904」、及び遅延損害金請求額「31」を、図3(e)に示すように、返済データ106cの元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額のカラムにそれぞれ格納する。
次に融資管理装置100は、予め定められた充当順位に従って、入金額を元金充当額、利息充当額、遅延損害金充当額へ充当し、各充当額を決定する。この充当により、返済データ106cの内容は、図2(f)に示す返済データ106cと同じとなる。
次に融資管理装置100は、完済、不足金額の放棄、不足金額の計上の判断を行う。融資管理装置100は、請求額に対して充当額が不足しており、みなし完済管理マスタ106eに格納されているみなし完済放棄最大額が「0」ではない場合、不足金額を放棄するか予め定められた条件に従って判断する。具体的には、融資管理装置100は、条件1と条件2を満たしている場合、不足金額を放棄する。条件1は、「入金金額≧元金請求額」との条件であり、条件2は、「元金請求額‐元金充当額≦みなし完済放棄最大額」との条件である。
ここで、融資管理装置100は、入金金額が「10,000」であり、元金請求額が「9,096」であるため、条件1を満たしていると判断する。また、融資管理装置100は、元金請求額‐元金充当額=9,096-9,065=31であり、みなし完済放棄最大額=400であるため、条件2を満たしていると判断する。
融資管理装置100は、上述したように条件1及び条件2を満たしている場合、不足金額を放棄し、完済したと判断する。具体的には、融資管理装置100は、元金請求額と元金充当額との差額を返済データ106cの元金充当額に加算し、図3(f)に示すように、元金充当額を「9,096」に更新する。
また、融資管理装置100は、予め定められた放棄順位に従って、元金、利息、遅延損害金を放棄し、返済データ106cを更新する。この放棄順位は、利息が1位、遅延損害金が2位である。この場合、融資管理装置100は、放棄順位に従って利息を放棄し、利息充当額を当初の「904」から不足金額の「31」を差し引いた「873」に更新する。また、融資管理装置100は、元金請求額と元金充当額との差を返済データ106cの元金放棄額のカラムに格納し、利息請求額と利息充当額との差を返済データ106cの利息放棄額のカラムに格納し、遅延損害金請求額と遅延損害金充当額との差を返済データ106cの遅延損害金放棄額のカラムに格納する。この結果、図3(f)に示すように、返済データ106cにおいては、元金放棄額のカラムに「0」が格納され、利息放棄額のカラムに「31」が格納され、損害遅延金放棄額のカラムに「0」が格納される。
次に融資管理装置100は、図3(g)に示すように、取引データ106aの残高のカラムを「0」に更新する。また、融資管理装置100は、取引データ106aのSEQのカラムを「2」に更新し、利息精算日のカラムを次の利息精算日となる「2021/5/8」に更新し、次回返済日のカラムを空に更新する。
次に、入金金額が請求金額に対して不足している場合に、不足分を放棄しないときの処理の具体例について説明する。図4は、記憶部106に記憶される取引データ106a、契約データ106b、みなし完済管理マスタ106e、入金データ106d、及び返済データ106cの一例を示す図である。図4に示す例では、図4(a)に示す取引データ106aは、図2(a)に示した取引データ106aと同じであり、図4(b)に示す契約データ106bは、図2(b)に示した契約データ106bと同じである。また、図4(c)に示すみなし完済管理マスタ106eは、みなし完済放棄最大額が「1,100」にされている。
例えば、債務者が次回返済日の翌日の2021年5月9日に9,000円の入金を行った場合、融資管理装置100のオペレータは、入金した債務者に対応した債権番号、入金日及び入金額を入力装置112で入力する。この入力により、入金データ106dには、図4(d)に示すように、入金日として「2021/5/9」が格納され、入金額として「9,000」が格納される。
融資管理装置100は、取引データ106a、契約データ106b、及び入金データ106dに基づいて、上述した(1)~(3)の式により元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額を算出する。融資管理装置100は、算出した利息請求額「9,096」、元金請求額「904」、及び遅延損害金請求額「31」を、図4(e)に示すように、返済データ106cの元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額のカラムにそれぞれ格納する。
次に融資管理装置100は、予め定められた充当順位に従って、入金額を元金充当額、利息充当額、遅延損害金充当額へ充当し、各充当額を決定する。融資管理装置100は、図4(f)に示すように、充当順位に従って、入金された「9,000」から遅延損害金充当額「31」と利息充当額「904」を返済データ106cに格納する。また、融資管理装置100は、入金額の「9,000」から遅延損害金充当額「31」と利息充当額「904」を充当した後の残額は「8,065」であるため、図4(f)に示すように、残額の「8,065」を元金充当額として返済データ106cに格納する。
次に融資管理装置100は、完済、不足金額の放棄、不足金額の計上の判断を行う。融資管理装置100は、請求額に対して充当額が不足しており、みなし完済管理マスタ106eに格納されているみなし完済放棄最大額が「0」ではないため、不足金額を放棄するか予め定められた条件に従って判断する。
ここで、融資管理装置100は、入金金額が「9,000」であり、元金請求額が「9,096」であるため、上述した条件1を満たしていないと判断する。また、融資管理装置100は、元金請求額‐元金充当額=9,096-8,065=1,031であり、みなし完済放棄最大額=1,100であるため、上述した条件2を満たしていると判断する。
融資管理装置100は、条件1と条件2の両方を満たしていない場合、不足金額を計上し、完済していないと判断する。具体的には、融資管理装置100は、図4(g)に示すように、元金請求額「9,096」と元金充当額「8,065」との差である「1,031」を、取引データ106aの取引後残高のカラムに格納する。また、融資管理装置100は、図4(g)に示すように、取引データ106aのSEQのカラムを「2」に更新し、利息精算日のカラムを次の利息精算日となる「2021/5/8」に更新し、次回返済日のカラムを次回返済日となる「2021/6/8」に更新する。
次に、入金金額が請求金額に対して不足している場合に、不足分を放棄しないときの処理の別の具体例について説明する。なお、この具体例においては、当初の取引データ106aは、図2(a)に示した取引データ106aと同じであり、当初の契約データ106bは、図2(b)に示した契約データ106bと同じである。また、みなし完済管理マスタ106eは、みなし完済放棄最大額が「10」にされている。
例えば、債務者が次回返済日の翌日である2021年5月9日に10,000円の入金を行った場合、融資管理装置100のオペレータは、入金した債務者に対応した債権番号、入金日及び入金額を入力装置112で入力する。この入力により、入金データ106dは、図2(d)に示す入金データ106dと同じとなり、入金日として「2021/5/9」が格納され、入金額として「10,000」が格納される。
融資管理装置100は、取引データ106a、契約データ106b、及び入金データ106dに基づいて、上述した(1)~(3)の式により元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額を算出する。この算出の結果、返済データ106cは、図2(e)に示す返済データ106cと同じとなる。
次に融資管理装置100は、予め定められた充当順位に従って、入金額を元金充当額、利息充当額、遅延損害金充当額へ充当し、各充当額を決定する。この充当の結果、返済データ106cは、図2(f)に示す返済データ106cと同じとなる。
次に融資管理装置100は、完済、不足金額の放棄、不足金額の計上の判断を行う。融資管理装置100は、請求額に対して充当額が不足しており、みなし完済管理マスタ106eに格納されているみなし完済放棄最大額が「0」ではないため、不足金額を放棄するか予め定められた条件に従って判断する。
ここで、融資管理装置100は、入金金額が「10,000」であり、元金請求額が「9,096」であるため、上述した条件1を満たしていると判断する。また、融資管理装置100は、元金請求額‐元金充当額=9,096-9,065=31であり、みなし完済放棄最大額=10であるため、上述した条件2を満たしていないと判断する。
融資管理装置100は、条件1と条件2の両方を満たしていない場合、不足金額を計上し、完済ではないと判断する。具体的には、融資管理装置100は、元金請求額「9,096」と元金充当額「9,065」との差である「31」を、取引データ106aの取引後残高のカラムに格納する。また、融資管理装置100は、取引データ106aのSEQのカラムを「2」に更新し、利息精算日のカラムを次の利息精算日となる「2021/5/8」に更新し、次回返済日のカラムを次回返済日となる「2021/6/8」に更新する。
[3.処理]
上述した構成の融資管理装置100で実行される処理の一例について、図5を参照して説明する。図5は、実施形態にかかる融資管理装置100で実行される処理の手順の一例を示すフロー図である。
取得部102aは、融資管理装置100のオペレータが入力した入金日及び入金額を取得する(ステップS101)。請求額算出部102bは、取引データ106a、契約データ106b、及び入金データ106dに基づいて、上述した(1)~(3)の式で元金請求額、利息請求額、遅延損害金請求額を算出する(ステップS102)。請求額算出部102bは、算出した各請求額を返済データ106cに格納する。充当額決定部102cは、上述した充当順位に従って、入金額を元金充当額、利息充当額、遅延損害金充当額へ充当し、各充当額を決定する(ステップS103)。充当額決定部102cは、決定した各充当額を返済データ106cに格納する。
判断部102dは、返済データ106cに格納されている請求額と充当額とを比較し、完済の判断を行う(ステップS104)。判断部102dは、充当額が請求額に一致している場合、債務者が債務を完済したと判断する(ステップS104でYes)。登録部102eは、債務者が完済したと判断部102dが判断した場合、取引データ106aの取引後残高を「0」に更新する(ステップS109)。
判断部102dは、充当額が請求額に一致していない場合(ステップS104でNo)、請求額への不足金額を放棄するか上述した条件1、2に従って判断する(ステップS105)。具体的には、判断部102dは、上述した条件1、2を満たしていない場合、不足金額を放棄しない、即ち、債務者が完済していないと判断する(ステップS105でNo)。登録部102eは、判断部102dが不足金額を放棄しないと判断した場合、取引データ106aの取引後残高を完済への不足金額で更新する(ステップS110)。
判断部102dは、上述した条件1、2を満たしている場合、債務者が完済したものとみなし、不足金額を放棄すると判断する(ステップS105でYes)。登録部102eは、判断部102dが不足金額を放棄すると判断した場合、充当額を補正し(ステップS106)、不足金額を放棄し(ステップS107)取引データ106aの取引後残高を「0」に更新する(ステップS108)。
なお、判断部102dの判断結果は、例えば、出力装置114で出力してオペレータへ提示してもよい。
[4.実施形態の効果]
実施形態の融資管理装置100によれば、不足金額の回収に係るコストと不足金額とに基づいて、不足金額の回収を行うか否かが自動で判断されるため、オペレータの判断ミスや人的な負担を抑えて不足金額の放棄の判断を行うことができる。
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、融資管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、融資管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を融資管理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて融資管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、融資管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、融資管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の融資管理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該融資管理装置100として構成してもよい。また、融資管理装置100は、当該融資管理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
本発明は、消費者金融や個人向けの小口融資を行う事業等において有用である。
100 融資管理装置
102 制御部
102a 取得部
102b 請求額算出部
102c 充当額決定部
102d 判断部
102e 登録部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 取引データ
106b 契約データ
106c 返済データ
106d 入金データ
106e みなし完済管理マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置(キーボード)
114 出力装置(モニタ)
200 サーバ
300 ネットワーク

Claims (5)

  1. 制御部を備える融資管理装置であって、
    債務者の残高、利息清算日、及び次回返済日を含む取引データと、前記債務者の月々返済額、融資利率、及び遅延損害金率を含む契約データと、放棄額を含むみなし完済管理マスタと、にアクセス可能であり、
    前記制御部は、
    前記債務者が入金した入金金額と、前記債務者が入金した入金日を取得する取得手段と、
    前記入金金額、前記取引データ、前記契約データ、及び前記入金日に基づいて、請求額を算出する請求額算出手段と、
    前記入金金額から前記請求額へ充当される充当額を決定する充当額決定手段と、
    前記請求額、前記充当額、及び前記放棄額に基づいて、前記請求額と前記充当額との差分の放棄を判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする融資管理装置。
  2. 前記請求額は、元金請求額を含み、
    前記充当額は、元金充当額を含み、
    前記判断手段は、前記入金金額≧前記元金請求額であり、前記元金請求額‐前記元金充当額≦前記放棄額である場合、前記差分を放棄すると判断する
    請求項1に記載の融資管理装置。
  3. 前記判断手段は、前記入金金額≧前記元金請求額ではない、又は前記元金請求額‐前記元金充当額≦前記放棄額ではない場合、前記差分を放棄しないと判断する
    請求項2に記載の融資管理装置。
  4. 債務者の残高、利息清算日、及び次回返済日を含む取引データと、前記債務者の月々返済額、融資利率、及び遅延損害金率を含む契約データと、放棄額を含むみなし完済管理マスタと、にアクセス可能な、制御部を備える融資管理装置の制御部が、
    前記債務者が入金した入金金額と、前記債務者が入金した入金日を取得し、
    前記入金金額、前記取引データ、前記契約データ、及び前記入金日に基づいて、請求額を算出し、
    前記入金金額から前記請求額へ充当される充当額を決定し、
    前記請求額、前記充当額、及び前記放棄額に基づいて、前記債務者の債務の完済を判断する、
    ことを特徴とする融資管理方法。
  5. 制御部を備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
    前記情報処理装置は、
    債務者の残高、利息清算日、及び次回返済日を含む取引データと、前記債務者の月々返済額、融資利率、及び遅延損害金率を含む契約データと、放棄額を含むみなし完済管理マスタと、にアクセス可能であり、
    前記制御部において、
    前記債務者が入金した入金金額と、前記債務者が入金した入金日を取得する取得ステップと、
    前記入金金額、前記取引データ、前記契約データ、及び前記入金日に基づいて、請求額を算出する請求額算出ステップと、
    前記入金金額から前記請求額へ充当される充当額を決定する充当額決定ステップと、
    前記請求額、前記充当額、及び前記放棄額に基づいて、前記請求額と前記充当額との差分の放棄を判断する判断ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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