JP7244219B2 - 破産更生債権振替装置、破産更生債権振替方法および破産更生債権振替プログラム - Google Patents

破産更生債権振替装置、破産更生債権振替方法および破産更生債権振替プログラム Download PDF

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Description

本発明は、破産更生債権振替装置、破産更生債権振替方法および破産更生債権振替プログラムに関する。
特許文献1では、財務会計での金銭債権の評価は、貸倒引当金の見積について、債務者の状態に従って一般債権と、貸倒懸念債権と、破産更生債権とに債権を区分し、区分毎に適正な評価法で評価している。金銭債権の自己査定は、債務者を区分し、債権を分類することであり、格付自己査定作業は、債務者の財務諸表に基づく財務分析が重要であり、決算検討のタスクの判断結果については、信用格付のタスクにも、債務者区分のタスクにも、債権分類のタスクにも影響する。このため、特許文献1では、銀行業務に関して担当者の早期熟達と事務合理化とを両立させ、ITを利用して内部統制の質を向上させる技術を開示している。
特開2014-52922号公報
しかしながら、上記特許文献1では、例えば貸付先が実質的に経営破綻状態となり、長期滞留債権として通常債権から移管する際に、元々貸付残高として計上していた金額を「破産更生債権」として決算時に振替を行うと、期中において回収に懸念のある残高が総貸付残高に対してどの位あるのかを把握することができないという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、返済予定に基づく貸付債権の返済途中に返済が滞っても、貸付残高を破産更生債権に振替えて、回収に懸念がある債権として分類分けすることで、回収懸念のある残高が総貸付残高に対してどの位あるのかが明確になり、経営リスクを可視化することができる破産更生債権振替装置、破産更生債権振替方法および破産更生債権振替プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る破産更生債権振替装置は、記憶部と制御部とを備え、回収懸念の発生した貸付債権を通常債権から長期滞留債権に移管する際に、破産更生債権として振替える破産更生債権振替装置であって、前記記憶部には、前記貸付債権の返済予定を記憶する返済予定データと、前記返済予定に従った返済状況を記憶する回収実績データと、前記貸付債権の取引履歴を記憶する取引ログデータと、前記取引履歴に対する仕訳を作成するための仕訳情報を登録した仕訳パターンマスタと、前記仕訳パターンマスタを用いて作成した仕訳を記憶する仕訳データと、が格納されており、前記制御部は、前記返済予定データと前記回収実績データから前記貸付債権の返済が滞って回収懸念が発生したことを検知する回収懸念検知手段と、前記回収懸念の発生が検知されることで、人為的に判断され入力された危険度合が一定程度以上の場合に、通常債権から長期滞留債権への移管処理を行い、危険度合を示す危険区分を更新し、貸付債権を破産更生債権として振替処理する破産更生債権振替手段と、前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて仕訳データを生成する仕訳データ生成手段と、を備えたこと、を特徴とする。
また、本発明に係る破産更生債権振替装置は、前記記憶部には、前記取引履歴に対する仕訳を作成するための仕訳情報を登録した仕訳パターンマスタと、前記仕訳パターンマスタを用いて作成した仕訳を記憶する仕訳データと、がさらに格納され、前記制御部は、前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて仕訳データを生成する仕訳データ生成手段と、をさらに備えたこと、を特徴とする。
また、本発明に係る破産更生債権振替装置は、前記破産更生債権振替手段は、危険区分の更新の前後における破産更生債権への振替処理の実施状況に応じて、そのまま処理を終了するか、前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて前記仕訳データ生成手段により仕訳データを生成するかを判別すること、を特徴とする。
また、本発明に係る破産更生債権振替装置は、前記仕訳データ生成手段は、更新前の危険区分が破産更生債権の振替有りとされ、更新後の危険区分が破産更生債権の振替無しとされた場合、あるいは、更新前の危険区分が破産更生債権の振替無しとされ、更新後の危険区分が破産更生債権の振替有りとされた場合に、仕訳データを生成すること、を特徴とする。
また、本発明に係る破産更生債権振替方法は、記憶部と制御部とを備え、回収懸念の発生した貸付債権を通常債権から長期滞留債権に移管する際に、破産更生債権として振替える破産更生債権振替装置で実行される破産更生債権振替方法であって、前記記憶部には、
前記貸付債権の返済予定を記憶する返済予定データと、前記返済予定に従った返済状況を記憶する回収実績データと、前記貸付債権の取引履歴を記憶する取引ログデータと、前記取引履歴に対する仕訳を作成するための仕訳情報を登録した仕訳パターンマスタと、前記仕訳パターンマスタを用いて作成した仕訳を記憶する仕訳データと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記返済予定データと前記回収実績データから前記貸付債権の返済が滞って回収懸念が発生したことを検知する回収懸念検知ステップと、前記回収懸念の発生が検知されることで、人為的に判断され入力された危険度合が一定程度以上の場合に、通常債権から長期滞留債権への移管処理を行い、危険度合を示す危険区分を更新し、貸付債権を破産更生債権として振替処理する破産更生債権振替ステップと、前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて仕訳データを生成する仕訳データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
また、本発明に係る破産更生債権振替プログラムは、記憶部と制御部とを備え、回収懸念の発生した貸付債権を通常債権から長期滞留債権に移管する際に、破産更生債権として振替える破産更生債権振替装置で実行させるための破産更生債権振替プログラムであって、前記記憶部には、前記貸付債権の返済予定を記憶する返済予定データと、前記返済予定に従った返済状況を記憶する回収実績データと、前記貸付債権の取引履歴を記憶する取引ログデータと、前記取引履歴に対する仕訳を作成するための仕訳情報を登録した仕訳パターンマスタと、前記仕訳パターンマスタを用いて作成した仕訳を記憶する仕訳データと、が格納されており、前記制御部で実行させるための、前記返済予定データと前記回収実績データから前記貸付債権の返済が滞って回収懸念が発生したことを検知する回収懸念検知ステップと、前記回収懸念の発生が検知されることで、人為的に判断され入力された危険度合が一定程度以上の場合に、通常債権から長期滞留債権への移管処理を行い、危険度合を示す危険区分を更新し、貸付債権を破産更生債権として振替処理する破産更生債権振替ステップと、前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて仕訳データを生成する仕訳データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、返済予定に基づく貸付債権の返済途中に返済が滞っても、貸付残高を破産更生債権に振替えて、回収に懸念がある債権として分類分けすることで、回収懸念のある残高が総貸付残高に対してどの位あるのかが明確になり、経営リスクを可視化することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係る破産更生債権振替装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、ファイナンス事業会社より貸付を行う取引概要の一例を示す図である。 図3は、正常返済時における返済内容の一例を示す図である。 図4は、回収懸念がある金額がある場合の返済内容の一例を示す図である。 図5は、融資実行から月次決算までの処理の流れの一例を示す図である。 図6は、破産更生債権振替装置のデータ構造の一例を示す図である。 図7は、危険区分マスタの設定例の一例を示す図である。 図8は、長期滞留債権移管処理画面の一例を示す図である。 図9は、長期滞留債権移管の振替仕組みの一例を示す図である。 図10は、部門変更処理の照会画面の一例を示す図である。 図11は、部門変更処理の編集画面の一例を示す図である。 図12は、4月1日に融資を行い5月15日に入金があった具体的な運用例の一例を示す図である。 図13は、5月末時点のB/Sの状態の一例を示す図である。 図14は、6月1日に借入遅延が発覚して長期滞留債権への移管を実施した具体的な運用例の一例を示す図である。 図15は、6月1日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。 図16は、6月11日に延滞状況が軽微と判明して通常債権への移管を実施した具体的な運用例の一例を示す図である。 図17は、6月11日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。 図18は、6月15日に入金があった具体的な運用例の一例を示す図である。 図19は、6月15日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。 図20は、6月30日に所属を変更して回収懸念のある残高を残高管理センターで扱う具体的な運用例の一例を示す図である。 図21は、6月30日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。 図22は、7月15日に入金があった具体的な運用例の一例を示す図である。 図23は、7月15日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
[1.概要]
従来は、破産更生債権かどうかについては、決算時の状態で判断する事で振替対応をしてきたが、その場合期中での状態が分かりにくく、精緻な結果を把握できているとは言い難い状態だった。本発明では、回収懸念の状況を把握した段階でシステムに登録する事により、即座に振替の仕訳を作成して利用者が意識することなく振替を行うことができる。
そこで、本実施形態に係る破産更生債権振替装置は、貸付先が実質的に経営破綻の状態になった際に、長期滞留債権として通常債権から移管を行う。その際、元々貸付残高として計上していた金額を、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)に準拠した「破産更生債権」として振替して、回収に懸念がある債権として分類させることができる。これにより、貸付残高のみで管理していた現状に対し、破産更生債権として分類分けする事で回収懸念がある残高が総貸付残高に対してどの位あるのかが明確になるため、経営リスクが可視化し易くなり、財務的な定量指標の判断に繋がるという経営効果がある。
[2.構成]
本実施形態に係る破産更生債権振替装置の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る破産更生債権振替装置の構成の一例を示すブロック図である。
破産更生債権振替装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、破産更生債権振替装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
破産更生債権振替装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。破産更生債権振替装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、破産更生債権振替装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、破産更生債権振替装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106は、基礎データ106a、返済予定データ106b、取引ログデータ106c、回収実績データ106d、危険区分マスタ106e、仕訳パターンマスタ106f、仕訳データ106g等を備えている。
基礎データ106aは、融資会社が顧客に対して貸付を行う融資契約に必要な基礎的なデータを記憶している。基礎データ106aには、例えば、“債権No”、“顧客名”、“融資商品”、“返済回数”、“融資残高(うち元本)(うち利息)”、“危険区分”等のデータがある。基礎データの“債権No”は、プライマリキー(PK:Primary Key)として、後述の返済予定データ106b、回収実績データ106d、および、取引ログデータ106cと紐付けされている。
返済予定データ106bは、貸付債権の返済予定に関連するデータを記憶している。返済予定データ106bには、例えば、プライマリキー(PK)である“債権No”の他、“SEQ”、“返済予定回数”、“返済予定日”、“返済予定残高”、“返済予定元金”、“返済予定利息”等のデータがある。
取引ログデータ106cは、貸付債権の取引履歴データを記憶している。取引ログデータ106cには、例えば、プライマリキー(PK)としての“LogSEQ”、“債権No”、“データ区分”、“取引日”、“勘定日”、“取引金額”、“取引前残高”、“取引後残高”、“取引前利息”、“取引後利息”、“事業所コード”、“部門コード”、“危険区分”等のデータがある。また、取引ログデータ106cの“データ区分”と“事業所コード”は、後述する仕訳パターンマスタ106fの“データ区分”と“事業所コード”に紐付いている。
回収実績データ106dは、返済予定データ106bの返済予定に従った返済状況データを記憶している。回収実績データ106dには、例えば、プライマリキー(PK)である“債権No”の他、“SEQ”、“入金日”、“返済総額”、“返済元金”、“返済利息”、“返済遅延金”等のデータがある。
危険区分マスタ106eは、回収懸念の危険度合を段階的に区分けして振替の有無と紐付けたマスタである。危険区分マスタ106eには、例えば、プライマリキー(PK)である“危険区分”の他、“区分名”、“仕訳有無”、“危険度合(下限)”、“危険度合い(上限)”等のデータがある。
仕訳パターンマスタ106fは、取引ログデータの取引履歴に対して仕訳を作成するための仕訳情報が登録されたマスタである。仕訳パターンマスタ106fには、例えば、プライマリキー(PK)である“事業所コード”と“データ区分”の他、“定義SEQ”、“借方_勘定科目”、“借方_部門”、“貸方_勘定科目”、“貸方_部門”、“採用日付項目”、“採用金額項目”、“振替有無”等のデータがある。
仕訳データ106gは、仕訳パターンマスタ106fを用いて作成した仕訳データを記憶している。仕訳データ106gには、例えば、プライマリキー(PK)である“仕訳番号”の他、“データ区分”、“取引日”、“処理日”、“借方_勘定科目”、“借方_部門”、“借方_金額”、“貸方_勘定科目”、“貸方_部門”、“貸方_金額”等のデータがある。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
制御部102は、破産更生債権振替装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。ここで、制御部102は、機能概念的に、回収懸念検知手段としての回収懸念検知部102a、回収懸念判断手段としての回収懸念判断部102b、破産更生債権振替手段としての破産更生債権振替部102c、仕訳データ生成手段としての仕訳データ生成部102d等を備えている。
回収懸念検知部102aは、返済予定データと回収実績データとに基づいて貸付債権の返済が滞り回収懸念が発生したことを検知する。つまり、回収懸念検知部102aは、返済予定データ106bの“返済予定日”に対して、回収実績データ106dの“入金日”が遅れた場合は、返済に滞りが現れたとしてこれを検知する。また、本実施形態では、当社での遅延がなくても、他社での借入について遅延が発覚した場合に、回収懸念が発生したと検知しても良い。
回収懸念判断部102bは、回収懸念検知部102aで検知した回収懸念に対し、その危険度合を判断する。例えば、図7の危険区分マスタ106eの設定例に示すように、危険度合を0~100の範囲で数値化し、その間を複数の危険区分(0~5)に分割し、各危険区分を危険度合(下限)~危険度合(上限)で一定の幅を持たせるようにする。回収懸念に対するリスクの取り方は、導入企業毎に異なるため、危険区分マスタ106eを用いて危険度合の基準を決める。図7に示す危険区分マスタの例では、危険度合「0~10」の危険区分は「0」とし、区分名が「正常返済」で、振替有無は「0(振替なし)」とする。また、危険度合「11~15」の危険区分は「1」とし、区分名が「不安要素有」で、振替有無は「0(振替なし)」とする。さらに、危険度合「16~20」の危険区分は「2」とし、区分名が「懸念予兆」で、振替有無は「0(振替なし)」とする。また、危険度合「21~45」の危険区分は「3」とし、区分名が「初期懸念」で、振替有無は「1(振替あり)」とする。また、危険度合「46~75」の危険区分は「4」とし、区分名が「懸念進行」で、振替有無は「1(振替あり)」とする。また、危険度合「76~100」の危険区分は「5」とし、区分名が「回収懸念」で、振替有無は「1(振替あり)」としている。このように、本実施形態の回収懸念判断部102bは、回収懸念の要素が20%を超えた場合に、後述する破産更生債権振替部102cで破産更生債権として振替えて、回収に懸念がある債権として分類する。
破産更生債権振替部102cは、回収懸念の危険度合が一定程度以上と判断された場合に、通常債権から長期滞留債権への移管処理を行い、危険度合を示す危険区分を更新し、貸付残高金額を破産更生債権として振替処理を実施する。このように、本実施形態では、破産更生債権かどうかの判断を決算時まで待つ必要がなくなり、回収懸念が検知されると、直ちに危険度合を判断し、回収懸念の危険度合が基準を超えると破産更生債権に振替られるため、期中であっても回収懸念のある残高が総貸付残高に対してどの位あるのかが明確となり、経営リスクが可視化し易くなった。
仕訳データ生成部102dは、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて仕訳データを生成する。仕訳データ生成部102dは、例えば図9に示すように、更新前の危険区分が破産更生債権の振替有りで、更新後の危険区分が破産更生債権の振替無しの場合に、長期滞留債権から通常債権へ移管する仕訳データを生成し、更新前の危険区分が破産更生債権の振替無しで、更新後の危険区分が破産更生債権の振替有りの場合に、通常債権から長期滞留債権へ移管する仕訳データを生成する。
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2~図23を参照して、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100の処理の一例について具体的に説明する。図2は、ファイナンス事業会社より貸付を行う取引概要の一例を示す図である。図3は、正常返済時における返済内容の一例を示す図である。図4は、回収懸念がある金額がある場合の返済内容の一例を示す図である。図5は、融資実行から月次決算までの処理の流れの一例を示す図である。図6は、破産更生債権振替装置のデータ構造の一例を示す図である。図7は、危険区分マスタの設定例の一例を示す図である。図8は、長期滞留債権移管処理画面の一例を示す図である。図9は、長期滞留債権移管の振替仕組みの一例を示す図である。図10は、部門変更処理の照会画面の一例を示す図である。図11は、部門変更処理の編集画面の一例を示す図である。図12は、4月1日に融資を行い5月15日に入金があった具体的な運用例の一例を示す図である。図13は、5月末時点のB/Sの状態の一例を示す図である。図14は、6月1日に借入遅延が発覚して長期滞留債権への移管を実施した具体的な運用例の一例を示す図である。図15は、6月1日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。図16は、6月11日に延滞状況が軽微と判明して通常債権への移管を実施した具体的な運用例の一例を示す図である。図17は、6月11日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。図18は、6月15日に入金があった具体的な運用例の一例を示す図である。図19は、6月15日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。図20は、6月30日に所属を変更して回収懸念のある残高を残高管理センターで扱う具体的な運用例の一例を示す図である。図21は、6月30日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。図22は、7月15日に入金があった具体的な運用例の一例を示す図である。図23は、7月15日時点のB/Sの状態の一例を示す図である。
[貸し付けを行うビジネスモデルの概要]
ファイナンス事業会社より貸し付けを行う場合は、図2に示すように、融資申込中の債務者Aがファイナンス事業会社に対して(1)融資を申込むと、ファイナンス事業会社は債務者Aに対して(2)審査を行い、問題なければ融資を実行する。また、ファイナンス事業会社は、図2に示すように、融資が実行され返済中の債務者Bに対して返済日が到来すると、(3)返済請求を行い、債務者Bはファイナンス事業会社に対して(4)返済予定に基づいて返済が行われる。本実施形態の対象範囲は、図2の破線枠内に示したものであり、返済中に回収懸念が発生し、実質的に経営破綻状態になると、長期滞留債権として通常債権から移管し、元々貸付残高として計上していた金額を「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)に準拠した「破産更生債権」として振替を行い、回収に懸念のある債権に分類することで、回収懸念のある残高が総貸付残高に対してどの位あるのかが明確となり、経営リスクが可視化し易くなった。
[正常返済時における返済内容]
回収懸念の発生していない正常返済時の返済内容としては、図3に示すように、ファイナンス事業会社の資産である営業貸付金は、貸借対照表の流動資産となり、収益としての営業貸付金利息は、損益計算書の収益となる。
[回収懸念のある金額がある場合の返済内容]
回収懸念のある金額がある場合は、図4に示すように、ファイナンス事業会社の資産が営業貸付金と回収懸念のある破産更生債権とに分類され、営業貸付金は貸借対照表の流動資産となるが、その流動資産は営業貸付金と、過去の実績から合計金額に率を乗じて算出した貸倒引当金とに分けられる。また、破産更生債権は、投資その他資産となり、その投資その他資産は、破産更生債権と債権毎に個別に見積して算出される貸倒引当金とに分けられる。さらに、ファイナンス事業会社の収益としての営業貸付金利息は、損益計算書の収益となる。このように、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100は、図4に示すような区分けに随時切替できるため、時点毎の引当金シミュレーションがし易くなり、一層精緻に経営リスクを見える化できることから、経営者がこれを見ながら次の一手を打つ事が可能となる。
[処理の概要]
続いて、図5のフロー図と図6以下の図面を用いて、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100の処理の流れを説明する。まず、全体の処理の流れは、図5に示すように、ファイナンス事業会社から債務者に対して融資が実行されると(ステップS1)、その取引内容(営業貸付金・利息の発生など)が取引ログデータとして記録され、仕訳データが作成される。
融資実行後に返済予定日が到来し、債務者からファイナンス事業会社に対し返済のための入金が行われると(ステップS2)、その取引内容(営業貸付金・利息の減少/現金の増加など)が取引ログデータとして記録され、仕訳データが作成される。
上記入金が返済予定日まで行われている正常返済時は、月末締処理が行われ(ステップS3)、月末収益の計上を取引ログデータとして記録され、仕訳データが作成される。翌月は、上記ステップS2に戻り、正常返済時はこのループが繰り返され、月毎に月次決算処理が行われる(ステップS5)。
ところが、ステップS2において返済予定日を過ぎても入金がない場合は、返済に滞りがあったとして破産更生債権振替装置100の回収懸念検知部102aが検知すると、回収懸念の危険度合を回収懸念判断部102bにて判断する(ステップS4)。回収懸念判断部102bは、図7の危険区分マスタ106eに例示するように、ここでは危険区分を「0」から「5」までの6段階に分け、回収懸念の要素が20%以下(つまり、危険度合が「0」~「20」の範囲:危険区分が「0」~「2」)であれば回収懸念なしと判断し、ステップS2に戻って正常返済時と同様に処理する。
これに対し、回収懸念判断部102bは、図7の危険区分マスタ106eにおいて回収懸念の要素が20%を超えると(つまり、危険度合が「21」~「100」の範囲:危険区分が「3」~「5」)回収懸念ありと判断し、破産更生債権振替部102cにより長期滞留債権移管処理が行われる(ステップS6)。その結果、営業貸付金から破産更生債権への振替処理が取引ログデータとして記録され、仕訳データが作成される。
その後、入金があると(ステップS7)、その取引内容(破産更生債権・利息の減少/現金の増加など)が取引ログデータとして記録され、仕訳データが作成される。
そして、上記入金後に月末締処理が行われ(ステップS8)、月末収益の計上を取引ログデータとして記録し、仕訳データが作成される。これらの仕訳データに基づいて月次決算が行われる(ステップS9)。
[長期滞留債権移管処理]
図5のステップS6における長期滞留債権移管処理は、図9に示すような長期滞留債権移管処理の振替の仕組みに基づいて処理される。まず、貸付債権に対するリスクを検知すると(ステップS11)、図8に示す長期滞留債権移管処理画面を使って登録処理が行われる。例えば、図8の長期滞留債権移管処理画面には、“債権No(ここでは、1-0)”と“顧客名(ここでは、山田太郎)”とが表示され、回収懸念判断部102bの判断結果として、危険区分「5」の「回収懸念」が表示されている。オペレータは、この表示内容で良ければ“登録ボタン”を押下して登録を行う。つまり、これまで基礎データ106aと危険区分マスタ106eに登録されている“危険区分”が長期滞留債権移管処理画面で変更されると、“危険区分”を更新する(ステップS13)。
破産更生債権振替部102cは、回収懸念判断部102bが判断した危険度合を危険区分マスタ106eに照合することで、図7に示すような“振替有無”が判別できる。例えば、更新前の危険区分が「振替無し」(ステップS14で無)で、更新後の危険区分も「振替無し」(ステップS15で無)の場合は、更新の前後で危険区分の変更が無いため、長期滞留債権移管による仕訳データは作成されず、処理を終了する(ステップS16)。
また、図9の更新前の危険区分が「振替無し」(ステップS14で無)で、更新後の危険区分が「振替有り」(ステップS15で有)の場合は、更新の前後で危険区分の変更が有るため、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて仕訳を行い(ステップS21)、通常債権から長期滞留債権に移管する仕訳データを生成する(ステップS22)。
さらに、図9の更新前の危険区分が「振替有り」(ステップS14で有)で、更新後の危険区分が「振替有り」(ステップS17で有)の場合は、更新の前後で危険区分の変更が無いため、長期滞留債権移管による仕訳データは作成されず、処理を終了する(ステップS18)。
また、図9の更新前の危険区分が「振替有り」(ステップS14で有)で、更新後の危険区分が「振替無し」(ステップS17で無)の場合は、更新の前後で危険区分の変更が有るため、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて仕訳を行い(ステップS19)、長期滞留債権から通常債権に移管する仕訳データを生成する(ステップS20)。
このように、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100は、回収懸念が検知されると、直ちに回収懸念の危険度合を判断し、その危険度合に応じて危険区分マスタ106eにより破産更生債権への振替の有無を判断することができる。このため、決算時まで待って破産更生債権かどうかを判断するのではなく、期中であっても返済に滞りが生じるなど回収懸念が検知された段階でシステムに登録することで、即座に振替仕訳を作成することが可能となり、回収懸念のある残高が総貸付残高に対してどの位あるかが明確になる。
[部門変更処理]
また、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100は、顧客に対するファイナンス事業会社の担当部門に変更があった場合、図10および図11に示す部門変更画面を用いて変更処理を実施し、変更内容を直ちに登録内容に反映させることができる。例えば、図10に示す部門変更処理(照会)画面には、顧客No(ここでは、「1」)と顧客名(ここでは、「山田太郎」)とが表示され、その顧客を担当する“債権No”、“現担当者”、“現所属事業所”、“現所属部門”とが表示されている。
ここで、図11に示す部門変更処理(編集)画面を用いて、顧客No「1」と顧客名「山田太郎」に対して、変更の対象となる“所属部門”を入力する。つまり、図10の“現所属部門”では、「営業課」が担当していたが、図11の“新所属部門”では「残高管理センター」に部門変更することにより、期中でも顧客に対する総貸付残高に対する破産更生債権の割合が常に把握できるようになり、経営者が残高管理センターに問い合わせるだけで経営リスクを可視化することができる。
[具体的な運用例]
本実施形態に係る破産更生債権振替装置100の具体的な運用例について、図12~図23を用いて以下説明する。
まず、図12に示すように、ファイナンス事業会社から債務者に対し2017年4月1日に融資が実行され、2017年5月より返済が開始され、毎月15日を返済日とする契約を行った場合である。この場合の基礎データは、図12に示す基礎データが入力され、2017年5月15日に第1回目の入金があると、図12に示す取引ログデータが入力される。ここでは、返済予定日に入金されているため、返済は滞りが無く、危険区分マスタ106eにおける危険区分は「0」となり、「正常返済」に分類される。この危険区分では、「振替無し」となるため、長期滞留債権移管の仕訳は起こさない。つまり、図12に示す仕訳パターンマスタ106fの“定義SEQ”の「1」と「2」を参照して仕訳を行い、入金(2017年5月15日)に対する仕訳データを生成する。このため、5月末時点のB/S(貸借対照表)の状態は、図13に示すようになる。なお、この図13に示すB/Sの状態は、月次決算を想定し、営業貸付金(流動資産)は残高の1%を引当金とし、破産更生債権(投資その他資産)の場合は残高の50%を引当金とする。このことは、以下の図15、図17、図19、図21、図23に示すB/Sの状態図でも同様である。
続いて、図14は、2017年6月1日に債務者が他社での借入について延滞が発覚し、当社でも残額の回収懸念ありと判断して、長期滞留債権への移管を実施する場合である。この場合の取引ログデータは、図14に示すように、“データ区分”が「入金」→「長期移管」に変わり、まだ返済日が到来していないため、“取引金額(元本)”や“取引金額(利息)”は「¥0」であるが、“危険区分”は当社での返済に滞りが無くても、危険区分マスタ106eにおける「0:正常返済」→「5:回収懸念」に更新される。このため、“危険区分”の更新前は「振替無し」であったが、“危険区分”の更新後に「振替有り」となり(図9のステップS15で有)、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて仕訳を行い(ステップS21)、通常債権から長期滞留債権に移管する仕訳データが生成される(ステップS22)。これにより、借方の勘定科目は「破産更生債権」となり、貸方の勘定科目は「営業貸付金」となる。従って、6月1日時点のB/Sの状態は、図15に示すようになる。
また、図16は、2017年6月11日に債務者が他社でも残額の回収懸念ありと判断していたが、延滞状況が軽微であることが判明したため、長期滞留債権から通常債権への移管を実施する場合である。この場合の取引ログデータは、図16に示すように、“データ区分”が「入金」→「長期移管」→「通常移管」に変わり、6月11日ではまだ返済日が到来していないため、“取引金額(元本)”や“取引金額(利息)”は「¥0」であるが、“危険区分”は延滞状況が軽微であることから、危険区分マスタ106eにおける「5:回収懸念」→「1:不安要素有」に更新される。このため、“危険区分”の更新前は「振替有り」(図9のステップS14で有)であったが、“危険区分”の更新後に「振替無し」(ステップS15で無)となるため、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて仕訳を行い(ステップS19)、長期滞留債権から通常債権に移管する仕訳データが生成される(ステップS20)。これにより、借方の勘定科目は「営業貸付金」となり、貸方の勘定科目は「破産更生債権」となる。従って、6月11日時点のB/Sの状態は、図17に示すようになる。
さらに、図18は、2017年6月15日の返済日に入金があった場合である。この場合の取引ログデータは、図18に示すように、“データ区分”が「入金」→「長期移管」→「入金」に変わり、6月15日が返済日であるため、“取引金額(元本)”が「¥40,000」で“取引金額(利息)”は「¥4,000」となり、“取引後残高”が「¥920,000」で“取引後利息”が「92,000」となる。ここでは、“危険区分”は、危険区分マスタ106eにおける「5:回収懸念」→「5:回収懸念」となるため、“危険区分”の更新前後で「振替有り」(図9のステップS14とステップS17で有)となり、更新の前後で“危険区分”の変更が無いため移管仕訳を行わずに、処理を終了する(ステップS18)。ただ、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて通常の仕訳を行い、入金(2017年6月15日)に対する仕訳データを生成する。この仕訳データの利息は、破産更生債権ではないので、従来通りの仕訳となる。そして、6月15日時点のB/Sの状態は、図19に示すようになる。また、図19の部門別貸付金残高一覧に示すように、ここでは部門変更を行っていないため、営業課の貸付金残高は「¥920,000」となり、残高管理センターの貸付金残高は「¥0」となる。
また、図20は、2017年6月30日に担当部門の所属変更があって、回収懸念のある債権については残高管理センターで扱う場合である。この場合の取引ログデータは、図20に示すように、“データ区分”が「入金」→「長期移管」→「入金」→「所属変更」となり、まだ次回の返済日が到来していないため、“取引金額(元本)”や“取引金額(利息)”は「¥0」となる。“危険区分”は、危険区分マスタ106eにおける「5:回収懸念」→「5:回収懸念」となるため、“危険区分”の更新の前後で「振替有り」(図9のステップS14とステップS17で有)となり、更新前後での“危険区分”の変更が無いため移管仕訳を行わずに、処理を終了する(ステップS18)。ただ、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて通常の仕訳を行い、所属変更(2017年6月30日)に対する仕訳データを生成する。そして、6月30日時点のB/Sの状態は、図21に示すようになる。また、図21の部門別貸付金残高一覧に示すように、部門変更を行ったため、営業課の貸付金残高は「¥0」となり、残高管理センターの貸付金残高は「¥920,000」となる。
また、図22は、2017年7月15日の返済日に入金があった場合である。この場合の取引ログデータは、図22に示すように、“データ区分”が「入金」→「長期移管」→「入金」→「所属変更」→「入金」に変わり、7月15日が返済日であるため、“取引金額(元本)”が「¥40,000」で“取引金額(利息)”は「¥4,000」となり、“取引後残高”が「¥880,000」で“取引後利息”が「88,000」となる。ここでは、“危険区分”は、危険区分マスタ106eにおける「5:回収懸念」→「5:回収懸念」となるため、“危険区分”の更新前後で「振替有り」(図9のステップS14とステップS17で有)となり、更新の前後で“危険区分”の変更が無いため移管仕訳を行わずに、処理を終了する(ステップS18)。ただ、取引ログデータ106cと仕訳パターンマスタ106fとに基づいて通常の仕訳を行い、入金(2017年7月15日)に対する仕訳データを生成する。この仕訳データの利息は、破産更生債権ではないので、従来通りの仕訳となる。そして、7月15日時点のB/Sの状態は、図23に示すようになる。また、図23の部門別貸付金残高一覧に示すように、ここでは部門変更を行っていないため、営業課の貸付金残高は「¥880,000」となり、残高管理センターの貸付金残高は「¥0」となる。
以上述べたように、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100は、貸付先が実質的に経営破綻状態となり、貸付債権に回収懸念が発生すると、長期滞留債権として通常債権からの移管処理を行う。その際、これまで貸付残高として計上していた貸付金額を破産更生債権として振替ることで、回収に懸念のある債権として分類させることが可能となる。これにより、回収懸念のある残高は、総貸付残高に対してどの位あるのかが明確となり、経営者目線による経営リスクの可視化が容易に行えるようになった。
また、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100は、担当者の所属部門の変更を途中からでも行えるようにしたため、破産更生債権のみを取り出して管理することが可能になった。
なお、本実施形態に係る破産更生債権振替装置100では、図7に示すように、危険区分マスタ106eの区分を6段階に分けた例で説明したが、必ずしもこれに限定されず、より細かく段階を分けても良く、また、これよりも少ない段階に分けても良い。また、振替の有無を危険区分マスタ106eの危険区分「2」と「3」の間に設定したが、これらの設定例も一例であり、任意に設定することができる。
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、破産更生債権振替装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、破産更生債権振替装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて破産更生債権振替装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、破産更生債権振替装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、破産更生債権振替装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、破産更生債権振替装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
本発明は、ファイナンス事業を行っている全ての業種や業界において適用可能であり、特に、ファイナンスを行っている企業のリスクを判断する仕組みとして有用である。
100 破産更生債権振替装置
102 制御部
102a 回収懸念検知部
102b 回収懸念判断部
102c 破産更生債権振替部
102d 仕訳データ生成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 基礎データ
106b 返済予定データ
106c 取引ログデータ
106d 回収実績データ
106e 危険区分マスタ
106f 仕訳パターンマスタ
106g 仕訳データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置(キーボード)
114 出力装置(モニタ)
200 サーバ
300 ネットワーク

Claims (5)

  1. 記憶部と制御部とを備え、回収懸念の発生した貸付債権を通常債権から長期滞留債権に移管する際に、破産更生債権として振替える破産更生債権振替装置であって、
    前記記憶部には、
    前記貸付債権の返済予定を記憶する返済予定データと、
    前記返済予定に従った返済状況を記憶する回収実績データと、
    前記貸付債権の取引履歴を記憶する取引ログデータと、
    前記取引履歴に対する仕訳を作成するための仕訳情報を登録した仕訳パターンマスタと、
    前記仕訳パターンマスタを用いて作成した仕訳を記憶する仕訳データと、
    が格納されており、
    前記制御部は、
    前記返済予定データと前記回収実績データから前記貸付債権の返済が滞って回収懸念が発生したことを検知する回収懸念検知手段と、
    前記回収懸念の発生が検知されることで、人為的に判断され入力された危険度合が一定程度以上の場合に、通常債権から長期滞留債権への移管処理を行い、危険度合を示す危険区分を更新し、貸付債権を破産更生債権として振替処理する破産更生債権振替手段と、
    前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて仕訳データを生成する仕訳データ生成手段と、
    を備えたこと、
    を特徴とする破産更生債権振替装置。
  2. 前記破産更生債権振替手段は、
    危険区分の更新の前後における破産更生債権への振替処理の実施状況に応じて、そのまま処理を終了するか、前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて前記仕訳データ生成手段により仕訳データを生成するかを判別すること、
    を特徴とする請求項1に記載の破産更生債権振替装置。
  3. 前記仕訳データ生成手段は、
    更新前の危険区分が破産更生債権の振替有りとされ、更新後の危険区分が破産更生債権の振替無しとされた場合、あるいは、更新前の危険区分が破産更生債権の振替無しとされ、更新後の危険区分が破産更生債権の振替有りとされた場合に、仕訳データを生成すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の破産更生債権振替装置。
  4. 記憶部と制御部とを備え、回収懸念の発生した貸付債権を通常債権から長期滞留債権に移管する際に、破産更生債権として振替える破産更生債権振替装置で実行される破産更生債権振替方法であって、
    前記記憶部には、
    前記貸付債権の返済予定を記憶する返済予定データと、
    前記返済予定に従った返済状況を記憶する回収実績データと、
    前記貸付債権の取引履歴を記憶する取引ログデータと、
    前記取引履歴に対する仕訳を作成するための仕訳情報を登録した仕訳パターンマスタと、
    前記仕訳パターンマスタを用いて作成した仕訳を記憶する仕訳データと、
    が格納されており、
    前記制御部で実行される、
    前記返済予定データと前記回収実績データから前記貸付債権の返済が滞って回収懸念が発生したことを検知する回収懸念検知ステップと、
    前記回収懸念の発生が検知されることで、人為的に判断され入力された危険度合が一定程度以上の場合に、通常債権から長期滞留債権への移管処理を行い、危険度合を示す危険区分を更新し、貸付債権を破産更生債権として振替処理する破産更生債権振替ステップと、
    前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて仕訳データを生成する仕訳データ生成ステップと、
    を含むこと、
    を特徴とする破産更生債権振替方法。
  5. 記憶部と制御部とを備え、回収懸念の発生した貸付債権を通常債権から長期滞留債権に移管する際に、破産更生債権として振替える破産更生債権振替装置で実行させるための破産更生債権振替プログラムであって、
    前記記憶部には、
    前記貸付債権の返済予定を記憶する返済予定データと、
    前記返済予定に従った返済状況を記憶する回収実績データと、
    前記貸付債権の取引履歴を記憶する取引ログデータと、
    前記取引履歴に対する仕訳を作成するための仕訳情報を登録した仕訳パターンマスタと、
    前記仕訳パターンマスタを用いて作成した仕訳を記憶する仕訳データと、
    が格納されており、
    前記制御部で実行させるための、
    前記返済予定データと前記回収実績データから前記貸付債権の返済が滞って回収懸念が発生したことを検知する回収懸念検知ステップと、
    前記回収懸念の発生が検知されることで、人為的に判断され入力された危険度合が一定程度以上の場合に、通常債権から長期滞留債権への移管処理を行い、危険度合を示す危険区分を更新し、貸付債権を破産更生債権として振替処理する破産更生債権振替ステップと、
    前記取引ログデータと前記仕訳パターンマスタとに基づいて仕訳データを生成する仕訳データ生成ステップと、
    を含むこと、
    を特徴とする破産更生債権振替プログラム。
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