JP6596563B1 - 決済装置、決済方法、及びプログラム、並びに決済システム - Google Patents

決済装置、決済方法、及びプログラム、並びに決済システム Download PDF

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Abstract

【課題】利用額の回収不能のリスクを抑えつつユーザに対して利便性の高い決済サービスを提供する。【解決手段】決済装置11は、ユーザが加盟店と取引きをする度に、取得部13によりユーザが利用する口座が設けられた金融機関サーバ23から口座情報を取得し、判断部14により口座情報に基づいて予め定められた期日における口座残高を予測して与信額を決定し、与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断し、決済が承認された場合に、処理部15により加盟店に決済代金を支払うとともに、ユーザが所有する口座から決済代金を期日に引き落として決済を処理する。取引きの都度、取引時点での口座情報に基づいて将来の期日における口座残高を予測してユーザの支払い能力を能動的に評価し、そして決済を承認することで、取引代金の回収不能のリスクを抑えつつユーザに対して利便性の高い決済サービスを提供することが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理するための決済装置、決済方法、及びプログラム、並びに決済装置を備える決済システムに関する。
従来より、ユーザが商品等を購入する際の代金の支払い方法として、クレジットカード等を用いるクレジット決済、デビットカードを用いるデビッド決済などのキャッシュレスの決済サービスが利用されている。
クレジット決済は、事前に貸方がユーザの支払い能力を評価して与信枠を定め、ユーザはその枠内でカードを利用してクレジットカード加盟店(単に、加盟店と呼ぶ)で買物等の取引きをし、貸方は加盟店にユーザの利用額を立替え払いして後日、一定期間の利用額の支払いをユーザに請求し、ユーザが利用額を返済する事後決済システムである。ユーザはキャッシュレスで取引きが可能となることで利便性が向上し、それにより加盟店は販売促進を期待することができる。しかし、通常ユーザが自己申告する年収等に基づいて支払い能力を評価するため、貸方は与信枠を過度に高く定め、利用額が回収不能となるリスクを負う。
デビッド決済は、ユーザがカードを利用してデビットカード加盟店(単に、加盟店と呼ぶ)で取引きをすると、利用額がカードに紐付けられた口座から即時に引き落とされる即時決済システムである。このシステムでは、取引き時点での口座残高をユーザの支払い能力と評価していることに等しく、そのため利用額が回収不能となるリスクがない反面、口座残高を超える取引きができないことからユーザの利便性は幾分低い。
近年、銀行API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が解放され、一定の制限の下、口座残高、取引明細(入出金の取引額、取引日、入金元/出金先等)のユーザの口座情報を利用できるようになった(非特許文献1参照)。そこで、特許文献1では、ユーザが加盟店で取引きをした場合に、取引金額に関する金額情報及びユーザの口座残高に関する口座状況に基づいてユーザ及び加盟店間の取引きを成立させるか否かを判断し、成立させた取引きに関する取引情報を蓄積して記憶し、その後、ユーザの指示に基づいてユーザの口座から取引金額を引き落とすように金融機関システムに指示する決済システムが開示されている。これにより、ユーザが希望する取引き後の任意のタイミングにおいて取引金額を引き落とすように金融機関システムを制御することができ、ユーザに対して利便性の高い決済サービスを提供することができる。
特許文献1 特許第6368446号公報
非特許文献1 株式会社NCB Lab.、「API開放は金融革新のファンファーレ」、NCB Report, 日本カードビジネス研究会、2016年5月、第320号、p.12-16
しかし、特許文献1に記載の決済システムでは、金額情報が示す取引金額が、ユーザが取引きをした時点での口座残高以下である場合に、又は口座からの引落しが予定されている場合にはそれを減算した口座残高以下である場合に、取引きを成立させる。従って、デビッド決済と同様に口座残高を超える決済はできず、また、ユーザが希望する取引き後の任意のタイミングにおいて口座から取引金額を引き落とすから、例えば取引き後の出金により、貸方は利用額が回収不能となるリスクが生じる。そこで、取引きの都度、口座情報に基づいてユーザの支払い能力を能動的に評価してユーザに与信することで、利用額の回収不能のリスクを抑えながらもクレジット決済と同程度のユーザの利便性が得られる決済サービスを提供することを課題とする。
本発明の第1の態様においては、ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理する決済装置であって、ユーザが所有するユーザ端末又は加盟店が所有する店舗端末から、ユーザが取り引きする加盟店に関する加盟店情報、取引金額を含む取引情報、並びにユーザが所有する口座及び口座が設けられた金融機関を識別する金融口座情報を受信する受信部と、金融口座情報に基づいて金融機関からユーザが所有する口座の口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む口座情報を取得する取得部と、口座情報に基づいて予め定められた期日における口座残高を予測して与信額を決定し、与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する判断部と、を備える決済装置が提供される。
本発明の第2の態様においては、第1の態様の決済装置を含む決済サーバと、決済サーバに加盟店情報、取引情報、及び金融口座情報を送信するユーザ端末又は店舗端末と、金融機関に備えられた口座情報を提供する金融機関サーバと、を備える決済システムが提供される。
本発明の第3の態様においては、ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理する決済方法であって、ユーザが所有するユーザ端末又は加盟店が所有する店舗端末から、ユーザが取り引きする加盟店に関する加盟店情報、取引金額を含む取引情報、並びにユーザが所有する口座及び口座が設けられた金融機関を識別する金融口座情報を受信する段階と、金融口座情報に基づいて金融機関からユーザが所有する口座の口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む口座情報を取得する段階と、口座情報に基づいて予め定められた期日における口座残高を予測して与信額を決定し、与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する段階と、を備える決済方法が提供される。
本発明の第4の態様においては、ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理するために、ユーザが所有するユーザ端末又は加盟店が所有する店舗端末から、ユーザが取り引きする加盟店に関する加盟店情報、取引金額を含む取引情報、並びにユーザが所有する口座及び口座が設けられた金融機関を識別する金融口座情報を受信する手順と、金融口座情報に基づいて金融機関からユーザが所有する口座の口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む口座情報を取得する手順と、口座情報に基づいて予め定められた期日における口座残高を予測して与信額を決定し、与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る決済システムの構成を示す。 本実施形態に係る決済サーバの構成及び決済装置の機能構成を示す。 本実施形態に係る決済方法における支払い手続きのフローを示す。 ユーザ端末の表示画面の例、(A)サイトアクセス時の表示、(B)商品選択時の表示、(C)支払方法の選択時の表示、(D)金融口座の選択時の表示、(E)利用同意時の表示、(F)認証パスワードの入力時の表示、(G)決済承認時の表示、(H)決済拒否時の表示を示す。 本実施形態に係る決済方法における決済手続きのフローを示す。 ユーザ端末の表示画面の例、(A)口座振替完了時の表示及び(B)口座振替失敗時の表示を示す。 本実施形態に係るコンピュータの構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1に、本実施形態に係る決済システム1の構成を示す。決済システム1は、ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理する決済サービスを運営するためのネットワークシステムであり、ネットワーク29を介して相互に通信可能に接続された決済サーバ10、少なくとも1つのユーザ端末21、及び少なくとも1つの加盟店サーバ22、及び少なくとも1つの金融機関サーバ23から構成される。決済システム1はユーザ及び加盟店間の取引きに対して独立に決済サービスを運営するから、決済システム1は、一取引きに関わるユーザが所有する1つのユーザ端末21、その取引きに関わる加盟店が所有する1つの加盟店サーバ22、そのユーザが支払い用の口座を所有する金融機関の1つの金融機関サーバ23を備える場合を例に、本実施形態に係る決済システム1及びこれにより提供される決済サービスを説明する。
決済サーバ10は、決済サービスを運営する決済システム1の中枢であり、一例として決済装置11及び記憶装置19により実装される。なお、決済サーバ10は、クラウド(複数の分散サーバ或いは複数のサブシステム等)により実装されてもよい。
決済装置11は、決済サービスの運営店が所有するパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置であり、中央処理装置(CPU)及び通信装置(いずれも不図示)を有する。CPUは、サーバ専用プログラムを実行することにより、決済装置11に決済サービスを実行するサーバ機能を発現させる。決済装置11の機能構成については後述する。なお、サーバ専用プログラムは、例えば、ROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み出す、或いはCD−ROM等の記憶媒体に記憶され、それをCPUが読み取り装置(不図示)を用いて読み出してRAMに展開することで起動される。通信装置は、ネットワーク29を介してユーザ端末21、加盟店サーバ22、及び金融機関サーバ23と相互に通信する手段であり、一例としてTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。
記憶装置19は、ユーザ情報、加盟店情報、取引情報、金融口座情報、口座情報、決済履歴等の各種情報を記憶するハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置である。本実施形態では、記憶装置19は、決済サーバ10内に備えられ、例えばSCSI、SATA等のインタフェースを介して決済装置11に接続されている。なお、記憶装置19を決済サーバ10内に備えるに限らず、ネットワーク29上に通信可能に接続することとしてもよい。記憶装置19を決済サーバ10から独立に配置することで、記憶装置19に記録されたデータを保守することができる。
ユーザ端末21は、決済サービスを利用して商品等を購入するユーザが所有するスマートフォン、タブレットコンピュータ等のモバイル端末或いはパーソナルコンピュータ等のコンピュータ端末であり、CPU、表示デバイス、入力デバイス、及び通信デバイス(いずれも不図示)を有する。CPUは、クライアント専用プログラムを実行することにより、決済サーバ10と通信して購入代金の支払い手続きを実行するクライアント機能を発現させる。なお、クライアント専用プログラムは、例えば、ROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み込むことで起動される。表示デバイスは、ユーザに向けて入力指示、メッセージ等を表示する液晶ディスプレイ等の装置である。入力デバイスは、ユーザによる入力操作を受けてユーザ情報等を入力するためのタッチパネル等の装置である。通信装置は、ネットワーク29を介して加盟店サーバ22が運営するネットワーク上の店舗(すなわち、ECサイト)及び決済サーバ10と相互に通信する装置であり、例えばTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。通信装置は、有線/無線電話通信網を介してネットワーク29にアクセスしてもよい。
ユーザは、ユーザ端末21を操作して、決済サービスの加盟店が運営するECサイトにアクセスして商品を選択し、クライアント専用プログラムを起動してその商品の購入代金(すなわち、取引金額)の支払い手続きを行うことで、加盟店と取引きをすることができる。
なお、本実施形態に係る決済システム1では、1つのユーザ端末21を備えることとしたが、複数のユーザが決済システム1による決済サービスを利用して商品等を購入できるよう、ネットワーク29に通信可能に接続する任意の数のユーザ端末を備えてよい。
加盟店サーバ22は、決済サービスを利用して商品等を販売する加盟店が所有する店舗端末の一例であり、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ端末である。加盟店サーバ22は、ネットワーク29に通信可能に接続されてネットワーク29上で商品等を販売するECサイトを運営し、例えばユーザ端末21に商品情報を送信してユーザに商品の購入を促す。
なお、本実施形態に係る決済システム1では、1つの加盟店サーバ22を備えることとしたが、複数の加盟店が決済システム1による決済サービスを利用して商品等を販売できるよう、ネットワーク29に通信可能に接続する任意の数の加盟店サーバを備えてもよい。
金融機関サーバ23は、金融機関が所有するパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置により実装され、ネットワーク29に通信可能に接続されてネットワーク29上でユーザが所有する口座から利用額を引き落とす、或いはユーザの口座、加盟店が所有する口座、及び運営店が所有する口座間で資金を振り替えるなどの金融業務を行う金融サイトを運営する。また、金融機関サーバ23は、決済サーバ10からのリクエストに応じて、ユーザが所有する口座の残高、取引明細(入出金の取引額、取引日、入金元/出金先等)の口座情報を提供する。
なお、金融機関は、決済サービスを利用するユーザが支払いに使用する口座を所有する機関であり、加盟店及び運営店が口座を有する金融機関とは別の機関であってよい。また、本実施形態に係る決済システム1では、1つの金融機関サーバ23を備えることとしたが、ユーザが決済サービスを利用する際に複数の口座の中から支払いに使用する口座を選択する場合に、それら複数の口座をそれぞれ所有する複数の金融機関の金融機関サーバ23を備えてもよいし、複数のユーザが決済サービスを利用する場合に、各ユーザが支払いに使用する口座を所有する複数の金融機関の金融機関サーバ23を備えてもよい。
ネットワーク29は、決済サーバ10、ユーザ端末21、加盟店サーバ22、及び金融機関サーバ23を相互に通信可能に接続する通信網である。ネットワーク29は、一例としてインターネットであるとするが、これに限らず、これらの間で相互に通信することができれば、ローカルエリアネットワーク、電話回線等、任意の通信網を採用してもよいし、複数の通信網が混在したネットワークとしてもよい。
図2に、決済装置11の機能構成を示す。決済装置11は、受信部12、取得部13、判断部14、処理部15、送信部16、及び記憶部17を含む。
受信部12は、ユーザ端末21から、ユーザが取り引きする加盟店に関する加盟店情報、取引金額を含む取引情報、並びにユーザが所有する口座及びその口座が設けられた金融機関を識別する金融口座情報を受信するユニットである。金融口座情報は、さらに、ユーザによる取引きに利用する口座の選択、口座情報の取得及び利用に関するユーザの同意(同意書)を含んでもよい。なお、受信部12は、これら各種情報を、ユーザ端末21から加盟店サーバ22を介して又は加盟店サーバ22から受信してもよい。受信した各種情報は、記憶部17を介して記憶装置19に記録される。
取得部13は、金融口座情報に基づいて、金融機関サーバ23にアクセスし、その金融機関からユーザが所有する口座の口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む口座情報を取得する。これらの各種情報は、記憶部17を介して記憶装置19に記録される。ここで、取得部13は、記憶装置19に記録されている口座情報に対する差分のみを新たに金融機関から取得することとしてもよい。差分は、記憶部17を介して記憶装置19に記録され、すでに記録されている口座情報と統合される。それにより、口座情報は、決済サービスが利用される都度更新される。
判断部14は、口座情報に基づいて予め定められた期日(例えば、毎月の決まった日)における口座残高を予測して与信額を決定し、その与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断するユニットである。口座情報は、記憶部17を介して記憶装置19から読み出される。先述のとおり口座情報は決済サービスが利用される都度更新されるから、判断部14は最新の口座情報に基づいて口座残高を予測する。期日における口座残高は、口座情報を与信ロジックに適用することで予測される。与信ロジックの詳細は、後述する。口座残高の予測額又は与信額(与信ロジックのパラメータを含む)は、記憶部17を介して記憶装置19に記録される。
判断部14は、口座情報に基づいて与信ロジックを機械学習等により学習する学習部14aを含んでもよい。学習部14aは、学習を実行して与信ロジックを改良し、学習が集束した与信ロジックを適宜アップデートする。与信ロジックの学習については後述する。
判断部14は、さらに口座残高の予測額に基づいて与信額を決定し、取引金額が与信額より低い場合にユーザの支払い能力があると評価して決済を承認し、高い場合に支払い能力はないと評価して決済を拒否する。判断部14は、さらに過去の利用額の引落し実績を考慮して与信額を決定してもよい。決済の承認結果は、記憶部17を介して記憶装置19に記録されるとともに、送信部16によりユーザ端末21に送信されてユーザに通知される。
処理部15は、判断部14により決済が承認された場合に、加盟店情報に基づいて加盟店に決済代金を支払うとともに、金融口座情報に基づいてユーザが所有する口座から決済代金を期日に引き落として回収することで、決済を処理するユニットである。処理部15は、記憶部17を介して記憶装置19から決済の承認結果を読み出し、承認済み且つ未処理の決済を処理する。加盟店への決済代金の支払いは、例えば、加盟店が所有する金融口座に決済代金を振り込むことで行われる。ユーザに対する決済代金の回収は、金融機関サーバ23にユーザの口座から決済代金の引落しをリクエストすることで行われる。口座残高不足等により引落しが失敗した場合には、翌月の期日などの一定期間後に再度、金融機関サーバ23に引落しをリクエストする。決済の処理結果は、記憶部17を介して記憶装置19に記録されるとともに、送信部16によりユーザ端末21に送信されてユーザに通知される。
なお、承認済みであるが、期日に至らないことで未処理の決済情報も記憶装置19に記録される。判断部14は、記憶装置19から未処理の決済情報を読み出し、さらにこれに関する取引情報に基づいて期日における口座残高を予測する。それにより、期日における口座残高を正確に予測することができるとともに期日まで何度も取引きを仲介することができる。処理部15は、記憶装置19から未処理の決済情報を読み出し、これらに関する取引情報に基づいて、ユーザが所有する口座から決済代金の総額を期日に引き落として複数の決済を処理することができる。
送信部16は、判断部14による決済の承認結果及び処理部15による決済の処理結果をユーザ端末21に送信して、ユーザに通知するユニットである。ユーザは、ユーザ端末21上で決済の承認結果を確認し、これにより決済が承認された場合には取引きを完了し、決済が拒否された場合には取引きを取消すことができる。また、ユーザは、ユーザ端末21上で決済の処理結果を確認し、これにより口座から決済代金が引き落とされて決済が処理されたこと、或いは残高不足等により決済代金が引き落とされず決済の処理が失敗したことを知ることができる。
記憶部17は、受信部12によりユーザ端末21又は加盟店サーバ22から受信したユーザ情報、加盟店情報、取引情報、金融口座情報(口座の選択及びユーザの同意を含む)、取得部13により取得した口座情報、判断部14による決済の承認結果及び処理部15による決済の処理結果を少なくとも含む決済履歴を記憶装置19に記録するユニットである。また、記憶部17は、記憶装置19に記録された各種情報を判断部14及び処理部15に送信する。表1に、記憶装置19に記憶される各種情報並びにそれらの細目及び提供元を示す。
Figure 0006596563
なお、記憶部17は、金融口座情報(口座の選択及びユーザの同意)が登録されているか否か判断し、登録されていない場合に送信部16を介して金融口座情報を登録すること、特に口座情報の利用登録をユーザ端末21にリクエストしてもよい。それにより、決済サーバ10は、初回の利用時において口座の選択及びユーザの同意を受信して記憶装置19に記憶し、2回目以降の利用時においては記憶装置19に記録されたそれらに基づいて取引きを仲介する。決済サービスを利用するユーザが取引きの都度、口座の選択及びユーザの同意を入力する労力を省くことができる。
口座情報に基づいて口座残高を予測し、さらに与信額を決定するための与信ロジックについて説明する。なお、口座情報は、少なくとも口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む。口座残高は、現在の口座残高に限らず、過去の入出金取引後の残高履歴を含んでよい。入金履歴は、複数の入金取引のそれぞれに関する入金額、取引日(すなわち、入金日)、及び入金元を含む。ここで、一度の入金取引に関するそれらのセットを入金項目と呼ぶ。出金履歴は、複数の出金取引のそれぞれに関する出金額、取引日(すなわち、出金日)、及び出金先を含む。ここで、一度の出金取引に関するそれらのセットを出金項目と呼ぶ。
与信ロジックは、次の計算式に基づく。
口座残高+見込入金額−見込出金額=口座残高の予測額 …(1)
口座残高の予測額×調整係数 又は 口座残高の予測額−調整額=与信額 …(2)
計算式(1)に従って、口座残高に見込入金額を加算し、見込出金額を減算して、期日における口座残高が予測される。
口座残高は、現在(すなわち、決済サービス利用時)の口座残高である。ただし、記憶装置19に承認済み且つ未処理の決済情報が記録されている場合には、これら未処理の決済の取引金額の総額を現在の口座残高から減算し、その結果を口座予測残高とする。
見込入金額は、現在から予め定められた期日までに見込まれる入金の総額であり、入金履歴に基づいて算出される。表2に、入金履歴に含まれる入金項目の種目、分類の条件、及び見込額の算出を示す。入金項目は、定期的な入金及び非定期的な入金に分類され、それぞれの分類ごとに或いはさらに細目ごとにそれぞれに好適なロジックで見込額が算出され、それらの合計より見込入金額が算出される。
Figure 0006596563
定期的な入金は、例えば勤務先からの給料及びボーナス、親からの仕送りのような定期的に入金される項目であり、入金額が同額であるか、入金元が一定であるか、及び入金日が毎月、隔月、或いは数か月おきの同日であるかによって分類することができる。なお、入金額は、必ずしも同額でなくてよく、一定の変動率内に含まれるものでもよい。入金日は、必ずしも同日でなくてよく、その日が休日(金融機関の公休日を含む)に該当する月については前又は後の平日でもよい。定期的な入金は、毎月25日に勤務先から入金される給料、毎月1日に親から入金される仕送りのように、少なくとも入金元及び入金日に基づいて細目に分類され、その細目ごとに期日までの入金日に該当する日に同額又は半年、1年等の遡及可能な一定期間の平均額の入金があるとして、期日までの見込額を算出することができる。
非定期的な入金は、例えば所得税の還付金、株式配当金のような入金元は一定しているが不定期な項目、或いは親族等からの誕生祝等のお祝い金のような入金元も入金日も一定しない一時的な項目である。非定期的な入金は、定期的な入金以外として分類することができ、ただし入金元は特定されるものとし、半年、1年等の遡及可能な一定期間のその入金額の1日当たりの平均が期日までの各日に入金されるとして、期日までの見込額を算出することができる。
上述の算出ロジックに従えば、入金履歴に含まれる入金を、入金元及び入金日、さらに入金額に基づくことで、定期的な入金及び非定期的な入金に分類することができ、分類された入金の種目ごとに或いはさらに細目ごとに期日までの見込額を算出することで見込出金額をより正確に予測することが可能となる。
なお、例えば、ATMからの現金預入は、入金元が不明(特定できない)のため、上記の種目のいずれにも分類することができない。上記の種目に分類できない入金項目は不明な入金として分類される。
不明な入金は、記憶装置19に記録されている他のユーザの口座情報に基づいて分類してもよい。生活実態が類似するであろうユーザと同年代の他のユーザの口座情報に基づいて、例えば他のユーザの定期的及び非定期的な入金項目のそれぞれの総額の割合に応じて、不明な項目の総額を定期的及び非定期的な入金に按分し、それぞれの見込額に加算してよい。それにより、全ての入金項目を分類し、種目ごとに見込額を算出することで、期日における口座残高をより正確に予測することが可能となる。
見込出金額は、現在から予め定められた期日までに見込まれる出金の総額であり、出金履歴に基づいて算出される。表3に、出金履歴に含まれる出金項目の種目、分類の条件、及び見込額の算出を示す。出金項目は定期的な出金及び非定期的な出金に分類され、非定期的な出金はさらに継続的な出金及び一時的な出金に分類され、分類された出金の種目ごとに或いはさらに細目ごとにそれぞれに好適なロジックで見込額が算出され、それらの合計より見込出金額が算出される。
Figure 0006596563
定期的な出金は、例えばローン又は家賃、或いは電気、水道、ガス等の公共料金の支払いのような定期的に出金される項目であり、出金額が同額又は一定の変動率内にあるか、出金先が一定であるか、及び出金日が毎月、隔月、或いは数か月おきの同日であるかによって分類することができる。出金日は、必ずしも同日でなくてよく、その同日が休日(金融機関の公休日を含む)に該当する月については前又は後の平日でもよい。定期的な出金は、毎月指定日に振り替えられる公共料金のように、少なくとも出金先及び出金日に基づいて細目に分類され、その細目ごとに期日までの振替日に該当する日に同額又は半年、1年等の遡及可能な一定期間の平均額の出金があるとして、期日までの見込額を算出することができる。なお、定期的な出金以外の出金が、非定期的な出金と分類される。
継続的(又は平常的)な出金は、非定期的な出金の一種目であり、スーパーマーケットでの生鮮食料品の購入、コンビニエンスストアでの雑誌類の購入のように、必ずしも定期的ではないが長期にわたって継続するともに、1か月等の一定期間に頻出する項目である。継続的な出金は、非定期的な出金のうちから出金先が一定して一定期間に一定数以上含むものとして分類することができ、例えば、半年、1年等、遡及可能な一定期間のその出金額の1日当たりの平均が期日までの各日に振り替えられるとして、期日までの見込額を算出することができる。なお、継続的な出金は、出金先ごとに細目に分類し、細目ごとに期日までの見込額を算出してもよい。
一時的な出金は、非定期的な出金の一種目であり、典型的には海外旅行等の渡航代、高級ブランドの装飾品の購入代のように出金額、出金日、及び出金先のいずれも一定しない不定期且つ突発的な項目である。一時的な出金は、非定期的な出金のうちの継続的な出金以外として分類することができ、ただし出金先は特定されるものとし、例えば、半年、1年等、遡及可能な一定期間において最高額の項目と同額の出金が1回見込まれるとして、見込額を算出することができる。なお、一時的な出金の見込額の算出は、このロジックに限らず、期日までの一時的な出金の見込額をより正確に予測できる任意のロジックに従って算出してよい。
上述の算出ロジックに従えば、出金履歴に含まれる出金を、出金先及び出金日、さらに出金額に基づくことで、定期的な出金及び非定期的な出金に、非定期的な出金をさらに継続的な出金及び一時的な出金に分類することができ、分類された出金の種目ごとに或いはさらに細目ごとに期日までの見込額を算出することで見込出金額をより正確に予測することが可能となる。
なお、口座情報に含まれる出金履歴において、例えばクレジットカードを用いて決済した場合又はデビットカードを用いて決済した場合の出金項目は出金先がカード会社になり、例えば1か月等の一定期間の利用額が一度に振り替えられるため、出金項目を分類することができない。また、ATM等で現金を引き出した場合にも出金項目を分類することができない。これらのように出金先がカード会社及びATMからの現金引出である出金項目は不明な出金として分類される。その他、出金項目のうち上記の種目に分類できなかった項目も不明な出金としてよい。
不明な出金は、記憶装置19に記録されている他のユーザの口座情報に基づいて分類してもよい。生活実態が類似するであろうユーザと同年代の他のユーザの口座情報に基づいて、例えば他のユーザの定期的及び非定期的な出金項目、継続的及び一時的な出金項目のそれぞれの総額の割合に応じて、不明な項目の総額を定期的及び非定期的な出金、非定期的な出金をさらに継続的及び一時的な出金に按分し、それぞれの見込額に加算してよい。それにより、全ての出金項目を分類し、項目ごとに見込額を算出することで、期日における口座残高をより正確に予測することが可能となる。
なお、決済サービスを利用した場合の出金は、例えば、ユーザの口座情報に含まれる出金履歴において期日に引き落とされた決済代金の総額を出金額として、決済サービスの運営店を出金先として含まれてもよい。斯かる出金項目は、記憶装置19に記憶された取引情報等に基づいて実質的な出金先(すなわち、ユーザが取引をした個々の加盟店)、個々の出金額(それぞれの加盟店での取引額)を読み取り、それらの内容に置き換えて見込出金額の算出に利用することができる。
また、取引きの都度、口座情報に基づいて将来の期日における口座残高を予測するから、その時の取引きに係る出金が、取引先及び取引額に基づいて定期的な出金又は継続的な出金に該当する場合には、例えば必ず決済を承認するように見込出金額を減額してもよい。
期日における口座残高を予測する与信ロジックは、機械学習により学習してもよい。機械学習として、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシン、ランダムフォレスト等を採用することができる。斯かる場合に、判断部14に含まれる学習部14aは、上述の与信ロジックに従って口座情報に基づいて予測した期日における口座残高と実際の期日における口座残高との差分が小さくなるように、好ましくはゼロ又は最小となるように与信ロジックを学習する。これは、判断部14が与信ロジックに従って口座情報に基づいて予測する口座残高と処理部15が決済を処理する直前の口座残高との差分が小さくなるように学習することに等しい。
与信ロジックの学習は、入金額、入金日、及び入金元に基づく入金項目の分類及び出金額、出金日、及び出金先に基づく出金項目の分類を学習する。ここで、表2及び表3の分類の条件に示される条件或いはその条件に含まれる期間、頻度、変動率等の各種パラメータが、機械学習等により学習される。
学習部14aは、与信ロジックを、全てのユーザの口座情報に基づいて共通に学習してもよいし、例えば同世代のユーザグループなどのグループごとの口座情報に基づいてそれぞれのグループに共通に学習してもよい。学習部14aは、差分が十分小さくなる、好ましくはゼロ又は最小となるように学習が集束した与信ロジックを適宜アップデートし、判断部14はその与信ロジックに基づいて期日における口座残高を予測する。それにより、一時的入出金及び不明な入出金の多いユーザに対しても生活実態を踏まえてより正確に口座残高を予測することが可能となる。
なお、学習部14aは、入金項目のうちの不明な項目を定期的な入金及び非定期的な入金に分類する、出金項目のうちの不明な項目を定期的な出金及び非定期的な出金、さらに非定期的な出金を継続的な出金及び一時的な出金に分類するロジックを学習してもよい。
計算式(2)に従って、口座残高の予測額にバッファを見込む、すなわち調整係数を乗算する又は調整額を減算することで与信額が決定される。ここで、調整係数は口座残高の予測額の1割、2割等の一定割合、調整額は1万円、5万円等の一定額としてよい。バッファは、記憶装置19に記録された過去の取引きに関する決済の承認結果及び決済の処理結果に基づいて決定してもよい。例えば、判断部14が決済を承認したにも関わらず期日における口座残高が不足していたことで利用額の引落しに失敗した場合、不足額に応じて、例えばその不足額分バッファをより大きく見込む。また、利用額の引落しの失敗が連続する場合には、ペナルティとしてバッファを大きく見込んでもよい。これにより、ユーザの支払い能力の評価が下がり、与信額は減額される。また、判断部14が決済を拒否したが、実際には期日における口座残高は十分であった場合、実際の口座残高と利用額との差額に応じてバッファをより小さく見込む。これにより、ユーザの支払い能力の評価が上がり、与信額は増額される。
さらに、過去の取引きにおいて予測した口座残高又は決定した与信額及び処理部15により決済を処理した直前の口座残高の差分に基づいてバッファを決定してもよい。例えば、判断部14は予測額が利用額より大きいことで決済を承認したが、実際には期日における口座残高は予測額より十分に大きかった場合、実際の口座残高と予測額との差額に応じてバッファをより小さく見込む。これにより、ユーザの支払い能力の評価が上がり、与信額は増額される。このように過去の取引きに関する決済の承認結果及び決済の処理結果に基づいてユーザの支払い能力をより詳細に評価して与信額を決定することで、利用額の回収不能のリスクを抑えて決済処理の安定化を図ることができる。
図3に、本実施形態に係る決済システム1によって運営される決済サービスにおける支払い手続きのフローを示す。図4に、決済サービスを利用した際の各ステップにおけるユーザ端末21の表示画面の一例を示す。
ステップS102において、ユーザは、図4(A)に示すようにユーザ端末21を操作してID及びパスワードを入力して、加盟店が運営するECサイトにアクセスする。ユーザは、購入目的の商品を検索する。
ステップS104において、加盟店サーバ22は、図4(B)に示すようにユーザが選択した商品の商品情報、ここでは一例として書籍のカバーのイメージ及び価格をユーザ端末21に送信し、ユーザに商品の購入を促す。
ステップS106において、ユーザが商品の購入を選択すると、ステップS108以降の購入額の支払いステップにすすむ。選択しない場合、ステップS102,S104を繰り返す、つまりユーザはECサイトに再度アクセスして商品を検索する。
ステップS108では、ユーザは、図4(C)に示すように購入額の支払方法を選択する。ここでは、支払方法としてクレジット決済、デビット決済、代引き、及び本実施形態に係る決済サービス(図中、おまとめ決済と称する)がユーザ端末21上に表示されている。ユーザは、これらの方法のうちから当決済サービスによる支払いを選択する。それにより、ユーザ端末21上でクライアント専用プログラムが起動され、決済サービスが開始する。
決済サービスが開始すると、ユーザ端末21から決済サーバ10に、ユーザの氏名、生年月日、住所、電話番号等の個人情報及びユーザIDのような決済システム1においてユーザを識別するための識別情報を含むユーザ情報、ユーザが商品を購入する加盟店に関する情報であり例えば加盟店の識別番号のような加盟店情報、商品及び商品の購入額(すなわち、取引金額)を含む取引情報が送信される。なお、個人情報は、初回の決済サービスの利用時に決済サーバ10により登録することで、2回目以降の利用時には送信を省略してよい。
ステップS110では、決済サーバ10(受信部12)が、ユーザ端末21から送信された各種情報を受信して記憶装置19に記録する。
ステップS112では、ユーザは、図4(D)に示すように支払いに使用する金融口座を選択する。ステップS108において各種情報を送信した後、ユーザ端末21は、予め登録された金融口座のリストを表示する。一例として、ユーザはリスト内のA銀行を選択する。ユーザ端末21は、ユーザがA銀行において所有する口座を識別する口座番号、さらにA銀行を識別する銀行コード、支店を識別する支店コード等の金融機関を識別する情報を含む金融口座情報を決済サーバ10に送信する。
なお、ユーザは、初回の決済サービスの利用時などに支払いに使用する金融口座を登録することができる。その際に、口座から利用額を引き落とす期日(引落期日と呼ぶ)を設定してよい。
ステップS114では、決済サーバ10(受信部12)がユーザ端末21から送信された金融口座情報を受信し、(記憶部17が)ユーザが選択した金融口座が決済サービスに登録されているか否か判断する。登録済みであるか否かは、記憶装置19内で金融口座情報がユーザ情報に対応して記録されているか否か検索することで判断することができる。初回の利用時のように登録されていない場合、ステップS116〜S122の登録ステップにすすむ。2回目以降の利用時のように登録されている場合、登録ステップを省略してステップS126にすすむ。
ステップS116では、決済サーバ10(送信部16)は、ユーザ端末21に金融口座の口座情報の利用登録を要求するリクエストを送信する。
ステップS118では、ユーザ端末21は、上記のリクエストを受信することに応じて、図4(E)に示すように金融口座の口座情報の取得及び利用に関するユーザの同意を要求するメッセージを表示する。ユーザが画面をタッチするなどにより同意すると、ユーザ端末21は同意書を作成して決済サーバ10に送信する。ユーザが同意しない場合、ユーザ端末21は同意書を送信しない。斯かる場合、次のステップS120を省略してもよい。
ステップS120では、ユーザ端末21は、図4(F)に示すようにステップS112で選択した金融口座の認証パスワードの入力を要求するメッセージを表示する。ユーザが認証パスワードを入力すると、決済サーバ10に送信される。
ステップS122では、決済サーバ10(受信部12)がユーザ端末21から同意書を受信したか否か判断する。受信した場合、ステップS124にすすむ。受信しない場合、決済サービスを中止する。
ステップS124では、決済サーバ10(記憶部17)が、ユーザが支払いに使用する金融口座の識別番号、その口座を所有する金融機関の識別番号(銀行コード、支店コード等)を含む金融口座情報、口座の選択、口座情報の取得及び利用に関するユーザの同意(すなわち、同意書)、及び認証パスワードを記憶装置19にユーザIDに紐付けて記録してもよい。
ステップS126では、決済サーバ10(取得部13)は、金融機関サーバ23にユーザが所有する口座に関する口座情報の提供を要求するリクエストを送信する。決済サーバ10は、記憶装置19からユーザIDに紐付けて記憶されている口座のうちから選択された口座の識別番号、金融機関の識別番号、口座情報の取得及び利用に関する同意(同意書)、及び認証パスワードを読み出してリクエストに含める。なお、決済サーバ10は、記憶装置19に記録されている口座情報に対する差分の提供を要求してもよい。
ステップS128では、金融機関サーバ23は、決済サーバ10からリクエストを受信すると、口座の識別番号、金融機関の識別番号、及び認証パスワードを使用してユーザ認証する。
ステップS130では、金融機関サーバ23は、同意書に基づいて、認証した口座に関する口座残高及び取引明細(すなわち、入金履歴及び出金履歴。入出金の取引額、取引日、入金元/出金先等)を含む口座情報を決済サーバ10に送信する。
ステップS132では、決済サーバ10(取得部13)は、金融機関サーバ23から送信された口座情報を取得し、記憶装置19に記録する。ここで、口座情報の差分を受信した場合、差分は、記憶装置19内ですでに記録されている口座情報と統合される。
ステップS134では、決済サーバ10(判断部14)は、ユーザに対して与信するとともに決済の可否を判断する。決済サーバ10は、口座情報を与信ロジックに適用して予め定められた期日(すなわち、引落期日)における口座残高を予測し、現在の与信額を決定する。決済サービスが利用されると必ずステップS126〜S132により口座情報が更新されるから、決済サーバ10は、決済サービスが利用される都度、最新の口座情報に基づいて口座残高を予測する。都度、与信額を決定することにもなる。口座残高の予測、与信額の決定については先述したとおりである。
ステップS136では、決済サーバ10(判断部14)は、与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する。決済サーバ10は、取引金額が与信額より低い場合に決済を承認し、高い場合に決済を拒否する。決済サーバ10は、口座残高の予測額、与信額、決済の承認結果を記憶装置19に記録する。
ステップS136では、決済サーバ10(送信部16)は、決済の承認結果をユーザ端末21に送信してユーザに通知する。決済が承認された場合、図4(G)に示すように決済が完了したことを示すメッセージが表示される。このとき、決済サーバ10は、決済の承認を加盟店サーバ22にも送信して加盟店に通知する。それにより、加盟店は、取引きが成立したことを知ることができる。決済が拒否された場合、図4(H)に示すように決済は不可であること示すメッセージが表示される。
ステップS136の終了により、決済サービスにおける支払い手続きが完了する。
図5に、本実施形態に係る決済システム1によって運営される決済サービスにおける決済手続きのフローを示す。図6(A)及び図6(B)に、決済サービスを利用した際の各ステップにおけるユーザ端末21の表示画面の一例を示す。決済手続きは、ユーザにより予め設定された引落期日に実行される。
ステップS202では、決済サーバ10(処理部15)は決済処理を実行する。決済サーバ10は、記憶装置19に記録された決済の承認結果を読み出し、承認済み且つ未処理の決済について、加盟店情報に基づいて加盟店が所有する金融口座に決済代金を振込むことで加盟店に決済代金を支払うとともに、金融口座情報に基づいて金融機関サーバ23にユーザの口座から決済代金の引落しをリクエストする。ここで、加盟店サーバ22に決済代金の支払い完了を通知してもよい。また、リクエストは、金融口座情報及び取引情報(ただし、未処理の決済の取引金額の総額に関する情報)を含む。
ステップS204では、金融機関サーバ23は、決済サーバ10からのリクエストに応じて、ユーザの口座から取引金額の総額を引き落とす(運営店の口座に振り替える)。金融機関サーバ23は、引落しの完了又は残高不足による引落しの失敗を決済サーバ10に通知する。
ステップS206では、決済サーバ10(送信部16)は、ユーザ端末21に決済処理の報告を送信する。引落しが完了した場合には、図6(A)に示すように引落完了を示すメッセージが表示され、引落しが失敗した場合には、図6(B)に示すように引落失敗又はその原因である残高不足を示すメッセージが表示される。
ステップS208では、決済サーバ10(処理部15)は、決済の処理結果を記憶装置19に記録する。ここで、期日における実際(決済を処理する直前)の口座残高も併せて記憶される。引落しの失敗が記録された場合、決済は未処理であるから、翌月の期日に決済処理が再実行されることで決済代金が回収される。なお、引落が失敗した後の一定期間後に決済処理を再実行してもよい。
ステップS210では、決済サーバ10(学習部14a)は、決済の承認結果及び決済の処理結果に基づいて与信ロジックを改善する。例えば、口座残高の予測額又は与信額と期日における実際の口座残高の差分に基づいてバッファを変更してもよい。その詳細は先述のとおりである。個々の取引きに関する決済の承認結果及び決済の処理結果に基づいて与信ロジックを改善することで、ユーザの支払い能力をより正確に評価するロジックを構築し、与信額を適切に決定することで、利用額の回収不能のリスクを抑えて決済処理の安定化を図ることが可能となる。
なお、ステップS210における与信ロジックの改善に代えて又は併せて決済サーバ10(学習部14a)により与信ロジックの学習を実行してもよい。決済の承認結果及び決済の処理結果が得られる都度、与信ロジックの学習を実行することで学習が速く集束し、その与信ロジックを適宜アップデートすることで決済サービスを安定に運用することが可能となる。
ステップS210の終了により、決済サービスにおける決済手続きが完了する。
以上説明したように、本実施形態に係る決済装置11によれば、取得部13によりユーザが加盟店と取引きをする度に、ユーザが利用する口座が設けられた金融機関サーバ23から口座情報を取得し、判断部14により口座情報に基づいて予め定められた期日における口座残高を予測して与信額を決定し、与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断し、決済が承認された場合に、処理部15により加盟店に決済代金を支払うとともに、ユーザが所有する口座から決済代金を期日に引き落として決済を処理する。取引きの都度、取引時点での口座情報に基づいて将来の期日における口座残高を予測してユーザの支払い能力を能動的に評価し、そして決済を承認することで、取引代金の回収不能のリスクを抑えつつユーザに対して利便性の高い決済サービスを提供することが可能となる。
なお、本実施形態に係る決済システム1では、簡単のため、決済サービスを利用するユーザが口座を所有する1つの金融機関の金融機関サーバ23のみ備えることとしたが、ユーザが複数の口座を所有する場合、それら複数の口座をそれぞれ所有する複数の金融機関の金融機関サーバ23を備えることとし、ユーザが加盟店と取引きをする度に、取得部13により複数の口座がそれぞれ設けられた複数の金融機関サーバ23のそれぞれから口座情報を取得してもよい。斯かる場合、金融口座情報は、ユーザが所有する複数の口座及びこれら複数の口座がそれぞれ設けられた複数の金融機関を識別する情報を含む。それらの口座情報は、記憶装置19に記録されてそのユーザに関する1つの口座情報に統合される。判断部14は、統合された口座情報に基づいて予め定められた期日における口座残高を予測して与信額を決定し、与信額及び取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する。それにより、ユーザが複数の口座を有し、それらを例えば入金用の口座及び出金用の口座として使い分けている場合にも、そのユーザの入金及び出金傾向を捉えて将来の期日における口座残高をより正確に予測することが可能となる。
また、本実際形態に係る決済システム1は、決済装置11を含む決済サーバ10、決済サーバ10に加盟店情報、取引情報、及び金融口座情報を送信するユーザ端末21又は加盟店サーバ22、及び金融機関に備えられた口座情報を提供する金融機関サーバ23を備える。これによれば、取引きの都度、口座情報に基づいてユーザの支払い能力を能動的に評価してユーザに与信することで、利用額の回収不能のリスクを抑えながらもクレジット決済と同程度のユーザの利便性が得られる決済システムを提供することが可能となる。
なお、本実施系形態に係る決済システム1は、ユーザが、ユーザ端末21を操作して、決済サービスの加盟店が運営するECサイトにアクセスして商品を購入する場合に限らず、加盟店が運営する店舗で商品を購入する場合においても決済サービスを提供することもできる。斯かる場合、決済システム1は、店舗に設置されるPOS端末を店舗端末として備え、ユーザ端末11とPOS端末との間でユーザ情報、加盟店情報、取引情報、金融口座情報を送受信し、ユーザ端末11とPOS端末とのいずれかからこれらの情報が決済サーバ10に送信されるとしてよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図7は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1…決済システム、10…決済サーバ、11…決済装置、12…受信部、13…取得部、14…判断部、14a…学習部、15…処理部、16…送信部、17…記憶部、19…記憶装置、21…ユーザ端末、22…加盟店サーバ、23…金融機関サーバ、29…ネットワーク、2200…コンピュータ、2201…DVD−ROM、2210…ホストコントローラ、2214…RAM、2216…グラフィックコントローラ、2218…ディスプレイデバイス、2220…入/出力コントローラ、2222…通信インタフェース、2224…ハードディスクドライブ、2226…DVD−ROMドライブ、2240…入/出力チップ、2242…キーボード。

Claims (14)

  1. ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理する決済装置であって、
    ユーザが所有するユーザ端末又は加盟店が所有する店舗端末から、前記ユーザが取引きする前記加盟店に関する加盟店情報、取引金額を含む取引情報、並びに前記ユーザが所有する口座及び該口座が設けられた金融機関を識別する金融口座情報を受信する受信部と、
    前記受信部が前記金融口座情報を受信することに応じて、前記金融口座情報に基づいて前記金融機関が所有する金融機関サーバに前記ユーザが所有する口座の口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む口座情報の提供を要求するリクエストを送信し、前記金融機関サーバから前記口座情報を取得する取得部と、
    前記口座情報に含まれる前記入金履歴及び前記出金履歴からそれぞれ、前記入金履歴に含まれる入金及び前記出金履歴に含まれる出金を分類し、分類された種目ごとに予め定められた期日までの見込額を算出することで、前記期日までに見込まれる見込入金額及び見込出金額を算出し、前記口座残高に前記見込入金額を加算し、前記見込出金額を減算して記期日における口座残高を予測し、該予測に基づいて与信額を決定し、該与信額及び前記取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する判断部と、を備え
    前記判断部は、前記出金履歴に含まれる出金を出金先、取引日、及び取引額に基づいて、定期的な出金及び非定期的な出金に分類し、前記出金履歴に含まれる出金のうちの分類できなかった出金を、前記受信部が受信した他のユーザの前記口座情報に基づいて、前記他のユーザの定期的な出金及び非定期的な出金のそれぞれの総額の割合に応じて前記分類できなかった出金の総額を定期的な出金及び非定期的な出金に按分することで、分類し、分類された出金の種目ごとに前記期日までの見込額を算出することで前記見込出金額を算出す決済装置。
  2. 前記決済が承認された場合に、前記加盟店情報に基づいて前記加盟店に決済代金を支払うとともに、前記金融口座情報に基づいて前記ユーザが所有する口座から前記決済代金を前記期日に引き落として決済を処理する処理部をさらに備える、請求項1に記載の決済装置。
  3. 前記判断部による前記決済の承認結果及び前記処理部による前記決済の処理結果を少なくとも含む決済履歴を記憶装置に記録する記憶部をさらに備え、
    前記判断部は、さらに、過去の取引きに関する前記決済の承認結果及び前記決済の処理結果に基づいて前記与信額を決定する、請求項2に記載の決済装置。
  4. 前記判断部は、さらに、前記過去の取引きにおいて決定した前記与信額及び前記処理部により前記決済を処理した際の前記口座残高の差分に基づいて前記与信額を決定する、請求項3に記載の決済装置。
  5. 前記判断部により予測した口座残高と前記処理部により前記決済を処理した際の口座残高との差分が小さくなるように与信ロジックを機械学習する学習部をさらに備え、
    前記判断部は、前記与信ロジックを用いて前記期日における口座残高を予測する、請求項2から4のいずれか一項に記載の決済装置。
  6. 前記判断部は、予測された前記期日における口座残高に調整係数を乗算する又は該口座残高から調整額を減算することで与信額を決定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の決済装置。
  7. 前記判断部は、前記非定期的な出金をさらに継続的な出金及び一時的な出金に分類し、前記按分された非定期的な出金の額をさらに前記他のユーザの継続的な出金及び一時的な出金のそれぞれの総額の割合に応じて継続的な出金及び一時的な出金に按分することで、分類する、請求項からのいずれか一項に記載の決済装置。
  8. 前記判断部は、前記入金履歴に含まれる入金を入金元取引日、及び取引額に基づいて、定期的な入金及び非定期的な入金に分類し、前記入金履歴に含まれる入金のうちの分類できなかった入金を、前記受信部が受信した他のユーザの前記口座情報に基づいて、前記他のユーザの定期的な入金及び非定期的な入金のそれぞれの総額の割合に応じて前記分類できなかった入金の総額を定期的な入金及び非定期的な入金に按分することで、分類し、分類された入金の種目ごとに前記期日までの見込額を算出することで前記見込入金額を算出する、請求項からのいずれか一項に記載の決済装置。
  9. 前記決済の承認結果を前記ユーザ端末又は前記店舗端末に送信する送信部をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の決済装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の決済装置を含む決済サーバと、
    前記決済サーバに前記加盟店情報、前記取引情報、及び前記金融口座情報を送信する前記ユーザ端末又は前記店舗端末と、
    前記金融機関に備えられた前記口座情報を提供する金融機関サーバと、
    を備える決済システム。
  11. ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理する決済方法であって、
    決済装置により、ユーザが所有するユーザ端末又は加盟店が所有する店舗端末から、前記ユーザが取引きする前記加盟店に関する加盟店情報、取引金額を含む取引情報、並びに前記ユーザが所有する口座及び該口座が設けられた金融機関を識別する金融口座情報を受信する段階と、
    前記決済装置により、前記金融口座情報を受信することに応じて、前記金融口座情報に基づいて前記金融機関が所有する金融機関サーバに前記ユーザが所有する口座の口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む口座情報の提供を要求するリクエストを送信し、前記金融機関サーバから前記口座情報を取得する段階と、
    前記決済装置により、前記口座情報に含まれる前記入金履歴及び前記出金履歴からそれぞれ、前記入金履歴に含まれる入金及び前記出金履歴に含まれる出金を分類し、分類された種目ごとに予め定められた期日までの見込額を算出することで、前記期日までに見込まれる見込入金額及び見込出金額を算出し、前記口座残高に前記見込入金額を加算し、前記見込出金額を減算して記期日における口座残高を予測し、該予測に基づいて与信額を決定し、該与信額及び前記取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する段階と、を備え
    前記判断する段階では、前記出金履歴に含まれる出金を出金先、取引日、及び取引額に基づいて、定期的な出金及び非定期的な出金に分類し、前記出金履歴に含まれる出金のうちの分類できなかった出金を、前記受信する段階で受信した他のユーザの前記口座情報に基づいて、前記他のユーザの定期的な出金及び非定期的な出金のそれぞれの総額の割合に応じて前記分類できなかった出金の総額を定期的な出金及び非定期的な出金に按分することで、分類し、分類された出金の種目ごとに前記期日までの見込額を算出することで前記見込出金額を算出す決済方法。
  12. 前記判断する段階では、さらに、前記入金履歴に含まれる入金を入金元、取引日、及び取引額に基づいて、定期的な入金及び非定期的な入金に分類し、前記入金履歴に含まれる入金のうちの分類できなかった入金を、前記受信する段階で受信した他のユーザの前記口座情報に基づいて、前記他のユーザの定期的な入金及び非定期的な入金のそれぞれの総額の割合に応じて前記分類できなかった入金の総額を定期的な入金及び非定期的な入金に按分することで、分類し、分類された入金の種目ごとに前記期日までの見込額を算出することで前記見込入金額を算出する、請求項11に記載の決済方法。
  13. ユーザ及び加盟店間の取引きを仲介して決済を処理するために、
    ユーザが所有するユーザ端末又は加盟店が所有する店舗端末から、前記ユーザが取引きする前記加盟店に関する加盟店情報、取引金額を含む取引情報、並びに前記ユーザが所有する口座及び該口座が設けられた金融機関を識別する金融口座情報を受信する手順と、
    前記金融口座情報を受信することに応じて、前記金融口座情報に基づいて前記金融機関が所有する金融機関サーバに前記ユーザが所有する口座の口座残高、入金履歴、及び出金履歴を含む口座情報の提供を要求するリクエストを送信し、前記金融機関サーバから前記口座情報を取得する手順と、
    前記口座情報に含まれる前記入金履歴及び前記出金履歴からそれぞれ、前記入金履歴に含まれる入金及び前記出金履歴に含まれる出金を分類し、分類された種目ごとに予め定められた期日までの見込額を算出することで、前記期日までに見込まれる見込入金額及び見込出金額を算出し、前記口座残高に前記見込入金額を加算し、前記見込出金額を減算して記期日における口座残高を予測し、該予測に基づいて与信額を決定し、該与信額及び前記取引金額に基づいて決済を承認するか否かを判断する手順と、をコンピュータに実行させ
    前記判断する手順では、前記出金履歴に含まれる出金を出金先、取引日、及び取引額に基づいて、定期的な出金及び非定期的な出金に分類し、前記出金履歴に含まれる出金のうちの分類できなかった出金を、前記受信する手順で受信した他のユーザの前記口座情報に基づいて、前記他のユーザの定期的な出金及び非定期的な出金のそれぞれの総額の割合に応じて前記分類できなかった出金の総額を定期的な出金及び非定期的な出金に按分することで、分類し、分類された出金の種目ごとに前記期日までの見込額を算出することで前記見込出金額を算出すプログラム。
  14. 前記判断する手順では、さらに、前記入金履歴に含まれる入金を入金元、取引日、及び取引額に基づいて、定期的な入金及び非定期的な入金に分類し、前記入金履歴に含まれる入金のうちの分類できなかった入金を、前記受信する手順で受信した他のユーザの前記口座情報に基づいて、前記他のユーザの定期的な入金及び非定期的な入金のそれぞれの総額の割合に応じて前記分類できなかった入金の総額を定期的な入金及び非定期的な入金に按分することで、分類し、分類された入金の種目ごとに前記期日までの見込額を算出することで前記見込入金額を算出する、請求項13に記載のプログラム。
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