JP2004287834A - 債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】債権を一括信託譲渡した後それらの債権を回収した際に、流動化した債権に関しての消し込み処理が優先的に行える債権消し込み処理装置を提供する。
【解決手段】譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段1と、入金回収データを格納する入金回収データ格納手段2と、支払期日の到来した各譲渡債権データと各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を譲渡債権データ格納手段1に格納する演算手段3とを備えている。
【選択図】 図21
【解決手段】譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段1と、入金回収データを格納する入金回収データ格納手段2と、支払期日の到来した各譲渡債権データと各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を譲渡債権データ格納手段1に格納する演算手段3とを備えている。
【選択図】 図21
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、債権の消し込みに使用する債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の経営においては、円滑なキャッシュフローが企業の生命線になっており、そのために債権はできるだけ早い内に手元に現金化しておく必要がある。それに呼応するように、債権の流動化(債権の証券化)が望まれるようになった。
【0003】
他方連結決算重視のディスクロージャ制度への移行に伴い、親会社単体の債権の証券化から、連結子会社の保有する債権も証券化の対象とする動きがある。
【0004】
それに対し、上記子会社は、親会社から見て信用力に劣ることが多く、子会社の保有する債権を証券化する場合、どうしても不利な条件が設定され易いため、結局子会社の債権を証券化して流動化させることができず、連結決算上はどうしても一部の連結子会社がその親会社や他の連結子会社の足を引っ張るようなケースが出てくることになる。
【0005】
他方これらの親子のグループ関連会社の有している債権のいくつかを一括して譲渡し、証券化などが行われれば、親会社の信用力が利用でき、債権の流動化が図られることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ある会社の有している債権のいくつかを一括して譲渡できたとしても、或いは親子のグループ関連会社の有している債権のいくつかを一括して譲渡できたとしても、その中には、(例えば過去の取引の関係から債務者に信用力がなく)証券化などに適さない債権も存在する。従って証券化などに適する一部の債権のみが上記債権の流動化の対象となり(すなわち、証券化などの対象となり)、他は、信託譲渡によって信託財産として管理されるだけとなる。
【0007】
また債権は、(債務者からの入金などにより)その債権金額が回収された場合、通常、債権の債務者と入金元が一致するか、債権金額と回収金額とが一致するか(、支払期日までに入金がなされたか)などが少なくともチェックされ、譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われることになる。
【0008】
以上の債権データと入金回収データとの突合処理では、種々の理由から、債権金額と回収金額とが一致しないケースが発生することがある。例えば債務者が受け取った商品に一部瑕疵が見つかったなどの特殊な理由で、買掛金などの一部だけを入金するようなケースがある。
【0009】
もしそういった債権が流動化の対象に含まれている場合、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日(譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理の後に行われる投資家などへの元本や配当などの償還日)までにその回収ができない場合には、該流動化による証券を購入した投資家などに対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題が発生する。そのような場合には、債権を譲渡する側の信用が落ち、債権の流動化が、以後その会社乃至親子のグループ関連会社では困難になる(或いは格付けなどの低下につながる)。
【0010】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、債権を一括譲渡した後、それらの債権を回収した際に、流動化した債権に関しての消し込み処理が優先的に行える債権消し込み処理装置を提供せんとするものである。
【0011】
併せて同様な機能を発揮できるコンピュータ・プログラム及び記録媒体についても提案する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る債権消し込み処理装置の構成は、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段とを備えており、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行う
ことを基本的特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、流動化した債権に対して入金回収データとの消し込み処理(但し譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号とが同じものの範囲で行われる)が、上記消し込み演算手段により優先的に行われるため、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日までにその回収ができない場合でも、該流動化による証券を購入した投資家などに対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題を発生させることが少なくなる。
【0014】
以上の構成で、上記消し込み処理につき、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号とが同じものであると限定しているが、これは、各入金回収データ毎に仮想的な口座番号が設定され、その口座番号と同じものが譲渡債権データの債務者のコードとして付けられれば、各口座へ入金があった際に、どの債務者からのどの原債権者への入金かが即座に解るようにようになり、上記突き合わせ処理時の両データの消し込み処理が容易になるためである。
【0015】
ここで、消し込み演算手段により、上記突合処理の最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、上記突き合わせ処理を行い、優先的に流動化債権の消し込み処理を行わせる具体的な場合としては、流動化した譲渡債権データに対し、その債務者のコードと一致する口座番号を有する対応する入金回収データの入金額が、該譲渡債権データの債権金額より少ない場合でも、債務者のコードと一致する口座番号を有する他の入金回収データの入金額から不足分が補われて消し込み処理され(他の入金回収データの方は残金でその入金額を更新することになる)、そのような不足分を穴埋めするような消し込み処理が、債務者のコードと一致する口座番号を有する入金回収データがある限り、流動化した譲渡債権データに対して行われることを言う。同一の原債権者と債務者との関係がある限り、不足分の他の入金回収データからの充当・消し込み処理が後述するように連鎖的に行われても、消し込みができなくなった不足分にだけ、債務者に求償するなり、或いは値引きなどの特定の勘定科目などを付けて最終的に処理をすれば足りるからである。
【0016】
上述のような優先的に流動化債権の消し込み処理を行わせ、流動化した譲渡債権データに対し、債務者のコードと一致する口座番号を有する入金回収データがある限り、不足分を穴埋めするような消し込み処理が行われる構成をより具体的にしたものが請求項2に係る債権消し込み処理装置の構成であり、次のような構成を有している。
【0017】
すなわち、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段とを備えており、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行い、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
上記消し込み演算手段による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、不足する金額分を、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行い、さらに上記不足分が差し引かれた他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を行う
ことを特徴としている。
【0018】
上記不足分の充当により、他の入金回収データの入金額が、上記充当のために差し引かれた不足分だけ(該他の入金回収データがそれ自身不足分を有している場合はさらに累積的に不足分が増える)最初の入金額より減算されて、該他の入金回収データの入金額として更新されるため、そのような不足分の充当処理が連鎖的に行われる場合がある。請求項3の構成はそれをより具体的にした構成であって、次のような構成を有している。
【0019】
すなわち、該請求項3の債権消し込み処理装置の構成は、上記請求項2の構成において、上記消し込み演算手段による突合処理の際に入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行う処理につき、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者のコードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、その不足する金額分につき、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く1乃至2以上のさらに他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行うと共に、上記不足分が差し引かれた該他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を上記不足額が発生する毎に繰り返し行わせ、最後に、上記消し込み演算手段により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納させることを特徴としている。
【0020】
以上の構成によれば、このような連鎖的な不足分の充当・消し込み処理が行われる場合、最初に優先的に流動化債権の消し込み処理が行われるため、まずほとんどの場合に、流動化債権に対しては不足額の発生がなく、消し込み処理が行われるようになる。すなわち、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納せしめられるのは、流動化されなかった残りの譲渡債権データがほとんどとなり、流動化による証券を購入した投資家などに損失を与えることが少なくなる。換言すれば、損失を被る可能性のあるのは、流動化対象とならずに信託財産として管理されている債権の受益権者であるグループ関連会社が主であり、その場合実質的にはグループ関連会社と債務者の間だけの問題であるので、グループ関連会社が債務者に不足分を取り立てれば良いということになる。
【0021】
さらに、上記請求項1〜請求項3の構成とも、上記消し込み演算手段による突合処理は、債務者のコードを照合キーとして行い、該債務者のコードで譲渡債権データをソートすると共に、支払期日(債権者にとっては回収期日)の早い順、かつ同じ支払期日に複数のデータが有る場合には債権金額の大きい順に並べ替えた該譲渡債権データに対し、支払期日の早い順、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順に、対応する入金回収データとの上記消し込み処理、又は対応する入金回収データ及び他の入金回収データとの上記消し込み処理を行うようにすることで、不足分の充当・消し込み処理(特に連鎖的なこれらの処理)が、オペレータがその計算履歴を見て検証する場合でも、処理の手順が容易に理解できるようになる(請求項4)。
【0022】
請求項5〜請求項8までの構成は、コンピュータに読み込まれて実行されることで、上記請求項1〜請求項4までに規定された債権消し込み処理装置の構成を実現できる、該コンピュータで実行可能なプログラムについて規定している。
【0023】
すなわち、上述した課題を解決するための構成として、上記請求項1〜請求項4までに規定された各機能実行手段を、コンピュータの構成を利用して実現する、該コンピュータで読み込まれて実行可能なコンピュータ・プログラムにつき開示する。もちろんこれらの構成は、コンピュータ・プログラムとしてだけではなく、後述するように、同様な機能を有するプログラムを格納した記録媒体の構成(請求項9)として提供されても良いことは言うまでもない。この場合、コンピュータとは中央演算処理装置の構成を含んだ汎用的なコンピュータの構成の他、特定の処理に向けられた専用機などを含むものであっても良く、中央演算処理装置の構成を伴うものであれば特に限定はない。
【0024】
上記各機能実行手段により実行される処理をコンピュータに行わせるためのこのようなプログラムが、コンピュータに読み出されると、請求項1〜請求項4までに規定されたいずれかの機能実行手段により行われる処理と同様な処理が実行されることになる。
【0025】
また既存のハードウェア資源を用いてこのコンピュータ・プログラムを実行することにより、既存のハードウェアで新たなアプリケーションとしての本発明に係る債権消し込み処理装置の構成が容易に実現できるようになる。さらにこのようなコンピュータ・プログラムが前述の記録媒体に記録されることにより、これをソフトウェア商品として容易に配付、販売することができるようになる。加えて記録媒体の構成としては、上述した形式の場合の他、RAMやROMなどの内部記憶装置の構成やハードディスクなどの外部記憶装置の構成であっても良く、そのようなプログラムがそこに記録されれば、本発明に規定された記録媒体に含まれることは言うまでもない。
【0026】
尚、請求項5〜請求項8までに記載された各手段のうち一部の処理を実行する機能は、コンピュータに組み込まれた機能(コンピュータにハードウェア的に組み込まれている機能でも良く、該コンピュータに組み込まれているオペレーティングシステムや他のアプリケーションプログラムなどによって実現される機能でも良い)によって実現され、前記プログラムには、該コンピュータによって達成される機能を呼び出すあるいはリンクさせる命令が含まれていても良い。
【0027】
これは、請求項5〜請求項8までに規定された各手段のうちの一部の処理が、例えばオペレーティングシステムなどによって達成される機能の一部で代行され、その機能を実現するためのプログラムないしモジュールなどは直接記録されているわけではないが、それらの機能を達成するオペレーティングシステムの機能の一部を、呼び出したりリンクさせるようにしてあれば、実質的に同じ構成となるからである。
【0028】
上記プログラムは、それ自身使用の対象となる他、後述のように記録媒体に記録されて配付乃至販売され、また通信などにより送信されて、譲渡の対象とすることもできるようになる。
【0029】
そのうち、請求項5の構成は、請求項1の構成に対応する構成であり、その具体的構成は、
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段として機能させ、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行う
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0030】
また請求項6の構成は、上記請求項2の構成に対応する構成であり、その具体的構成は、
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段として機能させ、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行い、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
上記消し込み演算手段による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、不足する金額分を、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行い、さらに上記不足分が差し引かれた他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を行う
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0031】
さらに請求項7の構成は、請求項3の構成に対応しており、より具体的には、上記請求項6の構成において、上記消し込み演算手段による突合処理の際に入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行う処理につき、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者のコードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、その不足する金額分につき、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く1乃至2以上のさらに他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行うと共に、上記不足分が差し引かれた該他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を上記不足額が発生する毎に繰り返し行わせ、最後に、上記消し込み演算手段により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納させることを特徴としている。
【0032】
加えて請求項8の構成は、請求項4の構成に対応しており、より具体的には、上記請求項5〜請求項7の構成において、上記消し込み演算手段による突合処理は、債務者のコードを照合キーとして行い、該債務者のコードで譲渡債権データをソートすると共に、支払期日(債権者にとっては回収期日)の早い順、かつ同じ支払期日に複数のデータが有る場合には債権金額の大きい順に並べ替えた該譲渡債権データに対し、支払期日の早い順、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順に、対応する入金回収データとの上記消し込み処理、又は対応する入金回収データ及び他の入金回収データとの上記消し込み処理を行うことを特徴としている。
【0033】
加えて請求項9の構成は、上述のように、請求項5〜請求項8いずれか1つに記載のコンピュータ・プログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体について規定している。すなわち、これらのコンピュータ・プログラムは、記録媒体に格納されて、取引の対象とすること或いは実際に実行することなども可能である。
【0034】
上記プログラム(或いは上記記録媒体から読み出されたプログラム)を実行するコンピュータ或いは上記債権消し込み処理装置を構成するコンピュータは、1つの構成(スタンドアローン型のコンピュータなど)であっても良いが、それに限定されるわけではなく、ネットワークを構成する複数のコンピュータ(複数のサーバなど)で構成され、前記各機能実行手段でなされる処理は、それらのコンピュータにおいて(必要であれば適当な通信構成を介して)分散して実行されるように、プログラムに設定されるようにしても良い。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施形態構成についての説明図である。本構成では、図2に示されるように、親会社Xを統括会社とし、その基に関連子会社A及び同子会社Bを被統括会社として、グループ関連会社を構成している。この親会社Xと関連子会社A及びBとのグループ内の資金の貸し借りはもちろん、グループ外部からの入金及びグループ外部への出金も、親会社Xに対して或いは親会社Xに向けてなされ、該親会社Xが有する債権統括管理装置10において、親子会社間において貸借記帳処理が自動的になされる貸借記帳管理処理が行われるようになっている。
【0036】
また、本例では、これらのグループ関連会社が保有する売掛債権や手形債権などの債権をこのグループで一纏めにして、一括して譲渡することで、これらのグループ関連会社では、早期に現金化してキャッシュフローの改善が図れるようにするため、特別目的会社(SPC)との間で、これらの優先受益権の譲渡(但し後述するように流動化フラグの付けられた債権データの譲渡分だけに限られる)についての契約がなされている。そのための処理として、子会社A及びBの各端末11及び12から各請求明細データ(債務者●●社、○○社及び××社に対する債権の内訳を表したもの)が親会社Xの債権統括管理装置10に集められ、それを基に該債権統括管理装置10によって一括譲渡債権データ(統合債権データ)が作成される。
【0037】
その際、後述する演算手段3により、流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件データを参照しながら、一括譲渡の対象となった債権データは、流動化に不適格なものが篩出しされ、流動化に適する債権データには、後述するように、流動化フラグが立てられ、該フラグが立っている債権データが纏められて、後に流動化の対象とされる。そしてこの一括譲渡債権データは、さらにグループ関連会社からその債権について信託を受けた後述するY信託銀行の譲渡債権管理装置20に転送される(上記篩出しで流動化に不適格とされた債権データに関しても、上記一括譲渡により、親会社Xの債権統括管理装置10を通して譲渡債権管理装置20に転送され、一緒にY信託銀行に信託譲渡される)。
【0038】
尚、上記債権統括管理装置10及び譲渡債権管理装置20とも通常のサーバで構成されており、その間は専用線やその他の高速回線で結ばれており、また金融機関のホスト30との間も専用線やその他の高速回線で結ばれており、これらの間でデータの送受信ができるようになっている。また債権統括管理装置10と子会社の端末11及び12も、任意の回線で結ばれており、その間でデータの送受信ができるようになっている。
【0039】
該特別目的会社は買い取った(流動化フラグの付けられた債権データに対しての)優先受益権を証券化して投資家α、β及びγなどに販売し、その代わり金を原資として優先受益権の譲渡代わり金を、図1に示すように(同図譲渡債権管理装置20を介して金融機関ホスト30に出された指示に基づくSPC口座から親会社口座への譲渡代わり金の振込)、上記親会社Xに支払うことになる(債権の流動化;但し、その優先受益権の譲渡代わり金の計算はY信託銀行の譲渡債権管理装置20により行われるが、その支払金額についての振込指示が金融機関ホスト30に出され、該特別目的会社の口座から親会社Xの口座へ振込まれる)。もちろん、これらの投資家α、β及びγなどは、金利相当分を配当として受け取ることになる。
【0040】
本実施例構成では、債権の回収管理処理は、図2に示すように、Y信託銀行が行うことにし、特別目的会社は、優先受益権の証券化販売、及びその投資家への配当処理を専ら行うことになる。また全ての債権は、一旦、一括してY信託銀行に対し信託譲渡され、これにより親会社Xが取得する(流動化債権データに対応する)優先受益権はさらに特別目的会社に対し譲渡される。
【0041】
そこで、Y信託銀行では、譲渡債権管理装置20が備えられ、そこにおいて債権回収管理を行う。しかし、本実施例構成では、後述するように、実質的な債権の回収については、夫々の債務者●●社、○○社及び××社の元の債権者である子会社A及びBが行う契約が、グループ関連会社の親会社Xと上記Y信託銀行との間で交わされている。
【0042】
また上記債務者●●社、○○社及び××社は元の債権者の子会社A及びBからの指示によりY信託銀行が保有する口座へ債務の支払として振込入金することとなっている。
【0043】
このY信託銀行が保有する口座(本口座)は、(金融機関ホスト30が設置された)取引金融機関内に設定されており、また上記親会社Xの口座も同じ金融機関内に設定され、さらに特別目的会社の口座も該金融機関内に設定されて、上記金融機関ホスト30により管理されているものとする。
【0044】
加えて、本例では、上述のように、子会社A及びBの各請求明細データから債権統括管理装置10によって作成され、Y信託銀行の譲渡債権管理装置20に転送された一括譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、上記金融機関ホスト30によってそこに仮想的なY信託銀行の口座1001001、1001002、1001003、1002001及び1002002などが債務の支払先として設定されている。そのような口座設定により、債務者からの債務の支払があった場合に、どの原債権者に対するどの債務者からの債権が回収されたかが即座に分かるようになっている。
【0045】
この仮想口座の各口座番号は、金融機関ホスト30によって、債権統括管理装置10に送られ、上記請求明細データ中に各債務者を識別する債務者コードとして格納される(後述する消し込み処理を容易にするため)。例えば債務者●●社は、債務者コード1001001及び1002001に、債務者○○社は、債務者コード1001002及び1002002に、また債務者××社は、債務者コード1001003に、夫々設定され格納される。尚、その各口座への支払は、少なくとも該口座への入金の事実、該仮想口座の口座番号、日付及びその入金額が入金回収データとして、その入金と共に、上記Y信託銀行の本口座へ振替られ、またその入金回収データは、該金融機関ホスト30を介して、親会社Xの債権統括管理装置10に転送されることになる。
【0046】
そして図3に示されるように、Y信託銀行の本口座へ振替られた上記入金回収データのうち、流動化譲渡債権データに対応する入金回収金額は、さらにSPCの口座へ振り替えられる。
【0047】
上記の前提を基に、本実施形態構成の詳細につき説明する。
まず、後述するように、グループを構成する関連子会社Aは、2002年9月24日現在、同年11月30日を支払期日とする売掛債権を、●●株式会社(債務者)に対して700百万円(図16で1番)、600百万円(図16で2番)、○○株式会社(債務者)に対して600百万円(図16で6番)、400百万円(図16で7番)、××株式会社(債務者)に対して300百万円(図16で10番)を有しており、同じく関連子会社Bは、2002年9月24日現在、同年11月30日を支払期日とする売掛債権を、●●株式会社(債務者)に対して300百万円(図16で3番)、200百万円(図16で5番)、○○株式会社(債務者)に対して200百万円(図16で8番)、100百万円(図16で9番)、さらに2003年4月30日を支払期日とする売掛債権を、●●株式会社(債務者)に対して300百万円(図16で4番)有している。
【0048】
そして子会社A及びBは、各自の有する売掛債権を、そのグループの統括会社たる親会社Xを介して、Y信託銀行に対し一括して信託譲渡する。これにより、親会社Xは、信託受益権(優先受益権及び劣後受益権)を取得し、特別目的会社に対し優先受益権を譲渡する。尚、劣後受益権は、信託受益権の総額に劣後比率を乗じた金額に設定される。
【0049】
そして2002年9月25日を譲渡日(特別目的会社側からすれば買取予定日)とし、上述のように、精算日(回収された回収金額の総額と譲渡代わり金の精算がなされる日)を2002年12月25日として、契約を行った。従って、上記親会社Xからこれらの債権がY信託銀行に一括して信託譲渡され、さらに上記特別目的会社に対して優先受益権が譲渡されることとなる。上述のように、特別目的会社は、優先受益権を引当に証券を発行し、投資家α、β及びγなどに販売する。
【0050】
上記グループ関連会社の債権の一括譲渡に際し、子会社A及びBのオペレータにより、図1に示すように、自己の端末11及び12が使用されて、親会社Xの債権統括管理装置10に売掛債権譲渡に伴う請求明細データが譲渡債権データとして転送される。
【0051】
該債権統括管理装置10では、後述する図4以下の図面に示されるように譲渡債権データ格納手段1が備えられており、そこに、図16に示されるように、受け取った請求明細データを基に作成される、少なくとも上記各債権の債務者・債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者コード(この欄は、金融機関ホスト30により、一括譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、債務の支払先として設定された仮想的なY信託銀行の口座番号と同じ番号が、後に割り付けられる)・原債権者(元の債権者)・債権金額・買取予定日・支払期日などの回収条件などの債権データが、統合債権データとして格納される。これらのデータは、後に債権の回収によって金融機関ホスト30から同じく債権統括管理装置10に送られてきて、同じくそこに備えられた入金回収データ格納手段2に格納される入金回収データとの消し込み処理に利用される。
【0052】
その後上記債権統括管理装置10により、上記統合債権データを基にして作成された一括譲渡の債権データが、図1に示すように、譲渡債権管理装置20に向けて送られる。
【0053】
サーバで構成される上記債権統括管理装置10は、図4〜図9に示されるように、CPUで構成される演算手段3と、ハードディスクなどの外部記憶装置で構成される譲渡債権データ格納手段1、入金回収データ格納手段2、流動化適格条件格納手段4及びプログラム格納手段7と、上記債権統括管理装置10や金融機関ホスト30などの外部と通信回線を介してつながる通信インターフェースとなる通信手段5と、上記演算手段3のワーキングエリアを提供したり必要な係数などのデータを一時的に格納しておくRAM6とを有しており、その他図示はしていないが、本装置10のハードウェア制御などに必要なプログラムモジュールなどを格納しておくROM、CRTやプリンタなどの外部出力部、キーボードやマウスなどの入力部などが備えられている。
【0054】
そのうち上記譲渡債権データ格納手段1には、上述のように、少なくとも上記各債権の債務者・債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者コード(この欄は、金融機関ホスト30により、一括譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、債務の支払先として設定された仮想的なY信託銀行の口座番号と同じ番号が、後に割り付けられる)・原債権者(元の債権者)・債権金額・買取予定日・支払期日などの回収条件などの債権データが、統合債権データとして格納される(図16参照)。
【0055】
また上記入金回収データ格納手段2には、後述する図21及び図22の中段に示されるように、各債務者から上記仮想口座に向けて入金がなされることにより回収された、入金日、債務者、仮想口座の口座番号、原債権者(元の債権者)・入金額などのa〜jの入金データが、入金回収データとして格納される。
【0056】
上述のように、親会社Xからグループ会社の債権がY信託銀行に一括譲渡されると、その際に一括譲渡債権データを受け取った上記譲渡債権管理装置20は、その債権の回収のために、金融機関ホスト30に、そのデータを転送する。該ホスト30は、受け取ったそのデータから同一の(債務者−原債権者の関係)毎にY信託銀行の本口座とは別に、債券回収時にどの債務者からの入金かが直ぐに分かるようにするために仮想的な口座を作成し(上記仮想的なY信託銀行の口座1001001、1001002、1001003、1002001及び1002002など)、その仮想的な口座番号を、図2に示すように、夫々債権統括管理装置10及び譲渡債権管理装置20に転送する。さらに該債権統括管理装置10から各端末11及び12に、上記債権回収用の仮想口座番号が転送されるため、上述のように、原債権者である子会社A及びBが、各債務者●●社、○○社及び××社に対し、夫々の債権を回収する際に、図3に示すように、夫々の債権の支払を、対応する仮想口座の各口座番号へ支払うように請求することになる。支払期日までに各仮想口座へ入金された各債権に対応する入金額は、その入金回収データと共に、Y信託銀行の本口座へ振り返られ、該入金回収データは、金融機関ホスト30により、債権統括管理装置10に転送され、上記入金回収データ格納手段2に上述のような状態で格納される。
【0057】
上記流動化適格条件格納手段4には、後述する図16、図17及び図19に示されるように、流動化に適したものであるか否かを示す流動化適格条件データが格納されている。すなわち、流動化に適する特定銘柄であるか否かを示すデータマスタ(図16下段参照)、流動化ができる支払期日をチェックするための期日が規定されているデータマスタ(同じく図16下段参照)、各銘柄毎に流動化が可能な額を規定しているデータマスタ(図17下段参照)及び主に特別目的会社からの要求で設定される流動化が可能な限度額を規定しているデータマスタ(図19下段参照)などが上記流動化適格条件格納手段4に存在する。一括譲渡の対象となった債権データは、後述するように、演算手段3により、この流動化適格条件格納手段4が参照されて、流動化に不適格なものが篩出しされ、流動化に適する債権データには、後述するように、流動化フラグが立てられ(図21参照)、該フラグが立っている債権データが纏められて、後に流動化の対象とされる。また上記篩出しで流動化に不適格とされた債権データに関しては、流動化の対象とならないが、Y信託銀行による信託の対象となる。
【0058】
上記演算手段3は、図4に示すように、上記プログラム格納手段7から本発明を実施するプログラムを読み出して、上記RAM6をワーキングエリアとして、該プログラムに従って、以下に示すような処理を実行する。すなわち、図4に示すような譲渡債権データの上記譲渡債権データ格納手段1への格納、図5に示すような該譲渡債権データ格納手段1への債務者コードの割当、図6に示すような入金回収データの上記入金回収データ格納手段2への格納、図7に示すような流動化適格条件格納手段4を参照した譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け[流動化フラグをYにしたり(立てる)反対にNにすること]・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順のソート、かつ同じ支払期日に複数の債権が有る場合での金額の大きい順のソート、図8に示すような流動化譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理、さらにその結果としての上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2へのデータ更新処理、図9に示すような流動化以外の譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理、さらにその結果としての上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2へのデータ更新処理などがその主な処理である。
【0059】
上記通信手段5は、子会社A及びBの端末11及び12、譲渡債権管理装置20、金融機関ホスト30とのデータの送受信処理を行う(図1〜図7参照)。例えば図1では、端末11及び12との請求明細データを基にした譲渡債権データの受信(図4と同じ)、譲渡債権管理装置20への譲渡債権データの送信、金融機関ホスト30からの譲渡代わり金の入金通知の受信、図2では、仮想口座番号の通知の受信(図5と同じ)、図3では、金融機関ホスト30からの入金回収データの受信(図6と同じ)、図7では、流動化フラグが付けられた流動化譲渡債権データの譲渡債権管理装置20への送信などの処理を行っている。
【0060】
上記債権統括管理装置10では、上記子会社AやBの端末11、12から請求明細データを譲渡債権データとして、上記通信手段5が受信し、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に、譲渡債権データとして格納する。本例では、該譲渡債権データ格納手段1に蓄積された譲渡債権データが、図16の上段に示すように、統合債権データの形で保存されている。
【0061】
またこのようなデータを保存した債権統括管理装置10は、上記通信手段5を介して上記譲渡債権管理装置20に、同じく該譲渡債権データを転送する。すると、該譲渡債権管理装置20でもこれらのデータが格納されるが、さらに該譲渡債権管理装置20は、金融機関ホスト30に向けて、上記譲渡債権データを転送する。該金融機関ホスト30では、受信した譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、Y信託銀行の本口座とは別に仮想的な口座1001001、1001002、1001003、1002001及び1002002などを、債務者の支払先として設定する。
【0062】
これらの仮想口座の各口座番号は、図2に示すように、金融機関ホスト30によって債権統括管理装置10に送られ、後述する消し込み処理を容易にするために、図5に示すように、上記譲渡債権データ中に各債務者を識別する債務者コードとして格納される。本例では、債務者●●社は、債務者コード1001001及び1002001に、債務者○○社は、債務者コード1001002及び1002002に、また債務者××社は、債務者コード1001003に、夫々割り当てられ、格納される。
【0063】
さらに、図3に示すように、子会社A及びBの担当者が、夫々の債務者●●社、○○社及び××社に対し、支払期日までに、割り当てられた上記仮想口座への各債権に対する支払を行ってくれるよう支払の請求をなすことで、これらの債務者から、夫々債務者−原債権者の対応関係のある仮想口座への入金がなされると、これらの債務者からの債務の支払があった際に、どの原債権者に対するどの債務者からの債権が回収されたかが即座に分かるようになっているため、上記金融機関ホスト30により、これらの入金額の本口座への振替と共に、少なくとも入金日、仮想口座番号、入金額を含む入金回数データも本口座のために用意されたホスト30の所定のデータストレージに転送され、さらに該入金回収データは、該金融機関ホスト30により、図3に示すように、親会社Xの債権統括管理装置10に転送される。
【0064】
図6は、債権統括管理装置10の通信手段5に、上記入金回収データが転送されてきた状態が示されている。この時入金回収データ中に含まれる仮想口座番号から、演算手段3により、原債権者−債務者の関係が割り当てられ、図21の中段に示されるような状態にされた入金回収データが、入金回収データ格納手段2に格納される。
【0065】
上記演算手段3は、例えば毎月10日、20日、25日、月末などの如く、決まった日付で、図7に示すように、演算手段3により流動化適格条件格納手段4が参照されて上記譲渡債権データの流動化に関する適格性の判断(流動化に適する債権か否かの判断)がなされ、さらにそれに従った譲渡債権データの区分け[流動化フラグをYにしたり(立てる)反対にNにすること]・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順の並び替え、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順の並べ替えがなされる。流動化に関する適格性の判断についての詳細は、図16〜図20において後述する。尚、流動化に適した流動化譲渡債権データは、演算手段3の指示により、通信手段5を介して、譲渡債権管理装置20に送られ、該装置20によって、その債権回収管理処理に使用される。
【0066】
債務者の支払期日が到来した場合、最初に、図8に示すように、演算手段3によって、譲渡債権データ格納手段1から流動化フラグが付けられた(図21上段参照;流動化フラグの欄がYになっている)譲渡債権データが読み出され、同じく入金回収データ格納手段2に格納された各入金回収データとの突合処理がなされる。
【0067】
この突合処理で、そのまま突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとは、演算手段3により、その消し込みができた入金回収データと対応する譲渡債権データに対し、消し込み完了のデータを付加して、その結果を上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納する。
【0068】
また上記演算手段3による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、その債務者コードと同じ口座番号の付く次の入金回収データを読み出して、その入金額から不足する金額を差し引き、不足する側の入金回収データに充当させ、これらの譲渡債権データと該充当がなされた入金回収データの消し込み処理が行われる。さらに上記不足分が差し引かれた次の入金回収データの入金額は、その残額分で更新処理される。
【0069】
上述のように、演算手段3による突合処理の際に、入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、次の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われている場合に、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者コードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、演算手段3により、債務者コードが同じ口座番号の付く1乃至2以上のさらに次の入金回収データの入金額から、その不足する金額分が差し引かれて充当され、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理がなされる。そして上記不足分が差し引かれた該次の入金回収データの入金額がその残額分で更新される。これらの処理は、上記不足額が発生する毎に繰り返し行われることになる(連鎖的処理)。最後に、上記演算手段3により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データについては、消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納される。
【0070】
次に残った流動化以外の譲渡債権データについては、図8とほぼ同様な処理がなされる。すなわち、図9に示すように、演算手段3によって、譲渡債権データ格納手段1から流動化フラグが付いていない(図22上段参照;流動化フラグの欄がNになっている)譲渡債権データが読み出され、同じく入金回収データ格納手段2に格納された各入金回収データとの突合処理がなされる。
【0071】
この突合処理で、そのまま突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとは、演算手段3により、その消し込みができた入金回収データと対応する譲渡債権データに対し、消し込み完了のデータを付加して、その結果を上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納する。
【0072】
また上記演算手段3による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、その債務者コードと同じ口座番号の付く次の入金回収データを読み出して、その入金額から不足する金額を差し引き、不足する側の入金回収データに充当させ、これらの譲渡債権データと該充当がなされた入金回収データの消し込み処理が行われる。さらに上記不足分が差し引かれた次の入金回収データの入金額は、その残額分で更新処理される。
【0073】
上述のように、演算手段3による突合処理の際に、入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、次の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われている場合に、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者コードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、演算手段3により、債務者コードが同じ口座番号の付く1乃至2以上のさらに次の入金回収データの入金額から、その不足する金額分が差し引かれて充当され、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理がなされる。そして上記不足分が差し引かれた該次の入金回収データの入金額がその残額分で更新される。これらの処理は、上記不足額が発生する毎に繰り返し行われることになる(連鎖的処理)。
【0074】
最後に、上記演算手段3により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データについては、消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納される。
【0075】
図10は、債権統括管理装置10の通信手段5により受信されるデータの該債権統括管理装置10内での処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
まず、同図に示すように、通信手段5によりデータが受信される(ステップS101)と、演算手段3により、そのデータが譲渡債権データであるか否かのチェックがなされる(ステップS102)。該データが、譲渡債権データであれば(ステップS102;Y)、グループ会社内のいずれかの会社の債権に関する譲渡債権データであるとして受信され(ステップS103)、上記譲渡債権データ格納手段1に格納される(ステップS104)。
【0077】
また上記ステップS102で、受信したデータが、譲渡債権データでなければ(ステップS102;N)、演算手段3により、そのデータが仮想口座番号のデータであるか否かのチェックがなされる(ステップS105)。
【0078】
該データが、仮想口座番号のデータであれば(ステップS105;Y)、仮想口座番号のデータであるとして受信され(ステップS106)、同一の債務者−原債権者関係毎にセットで金融機関ホスト30から送られてくる仮想口座番号が、図16の統合債権データの債務者コードとして割り当てられ、上記譲渡債権データ格納手段1に格納される(ステップS107)。
【0079】
さらに上記ステップS105で、受信したデータが、仮想口座番号のデータでなければ(ステップS105;N)、演算手段3により、そのデータが入金回収データであるか否かがチェックされる(ステップS108)。
【0080】
該データが、入金回収データであれば(ステップS108;Y)、入金回収データとして受信され(ステップS109)、上記入金回収データ格納手段2に格納される(ステップS110)。
【0081】
上記ステップS108で、データが入金回収データでない場合(ステップS108;N)、或いは上記ステップS104、ステップS107及びステップS110の処理が終了した後は、そこで、データ受信処理は終了する。これらの処理は、データが受信されるたびにオンデマンドで行われる。
【0082】
図11は、上記図7及び後述する図16〜図20で行われる、演算手段3により、流動化適格条件格納手段4が参照されて実行される、譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け[流動化フラグをYにしたり(立てる)反対にNにすること]・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順のソート、かつ同じ支払期日に複数の債権が有る場合での金額の大きい順のソートの処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
まず図7に示すように、流動化適格条件格納手段4が参照されて実行される流動化適格条件の判断が譲渡債権データの全部に対して行われ終了しているか否かがチェックされる(ステップS201)。最初は当然その全部に対して流動化適格条件の判断が終わっていないので(ステップS201;N)、演算手段3により、最初の流動化適格条件が流動化適格条件格納手段4から読み出される(ステップS202)。また債権統括管理装置10から譲渡債権データが読み出される(ステップS203)。
【0084】
そして上記演算手段3により、読み出された譲渡債権データは流動化適格条件を満足するか否かがチェックされる(ステップS204)。その譲渡債権データが流動化適格条件を満足していれば(ステップS204;Y)、譲渡債権データの流動化フラグ欄にYの記号が立てられる(流動化フラグが立てられる;ステップS205)。
【0085】
反対に該譲渡債権データが流動化適格条件を満足していなければ(ステップS204;N)、譲渡債権データの流動化フラグ欄にNの記号が立てられる(流動化フラグが削除される;ステップS206)。
【0086】
これらの処理の後上記ステップS201に復帰し、以上の処理を全ての譲渡債権データに対し、全流動化適格条件のチェックを繰り返す。全ての譲渡債権データに対し、全流動化適格条件のチェックが終了した場合(ステップS201;Y)、上記演算手段3により、通信手段5を介して、上記譲渡債権管理装置20に向けて流動化譲渡債権データが送信される(ステップS207)。
【0087】
その後、演算手段3により、流動化譲渡債権データの支払期日によるソート(早い順)及び金額によるソート(ステップS208)、並びに流動化以外の譲渡債権データの支払期日によるソート(早い順)及び金額によるソート(ステップS209)が、夫々行われ、さらに夫々の譲渡債権データについて、支払期日が到来したか否かがチェックされる(ステップS210)。
【0088】
各譲渡債権データについて、支払期日が到来しているものについては(ステップS210;Y)、図12のフローチャートに示す処理に移行する。
【0089】
図12は、上記図11のステップS210で支払期日が到来している流動化譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0090】
まず、譲渡債権データ格納手段1から、(譲渡フラグがYになっている)対処となる1の流動化譲渡債権データが演算手段3によって読み出される(ステップS301)。次に入金回収データ格納手段2から、読み出された流動化譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する最初の入金回収データが演算手段3によって読み出される(ステップS302)。
【0091】
そして上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額と入金額とが一致するか否かがチェックされる(ステップS303)。
【0092】
これらの債権金額と入金額とが一致すれば(ステップS303;Y)、該流動化譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS304)。すなわち、後述する図21の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる(図21の上段に示した譲渡債権データのデータ構造では、説明の都合上、回収期日、消し込み未済額、消し込み完了及び消し込み相手の欄が省略されている)。
【0093】
反対にこれらの債権金額と入金額とが一致していなければ(ステップS303;N)、上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額が入金額より大きいか否かがチェックされる(ステップS305)。
【0094】
該債権金額が入金額より大きければ(ステップS305;Y)、該流動化譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する次の入金回収データがあるか否かがチェックされる(ステップS306)。
【0095】
次の入金回収データがなければ(ステップS306;N)、最後に残った入金回収データの入金額の範囲で流動化譲渡債権データの債権金額との消し込み処理が行われ(ステップS313)、上記演算手段3により未済額が算出され、後述の図21の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み未済額」欄に、該未済額のデータが書き込まれる(ステップS314)。
【0096】
上記ステップS306で、次の入金回収データがあれば(ステップS306;Y)、演算手段3によって次の入金回収データが読み出される(ステップS307)。そして不足分(額)(譲渡債権データの債権額−最初の入金回収データの入金額)が、読み出された次の入金回収データの入金額から差し引かれ(ステップS308)、最初の入金回収データの入金額に充当される(ステップS309)。すなわち、その充当処理で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようになる。
【0097】
そして再度譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなったか否かがチェックされる(ステップS310)。
【0098】
等しくなっていなければ(ステップS310;N)、上記ステップS307に復帰し、以上の処理を繰り返す。すなわち、さらに次の入金回収データを読み出し、不足分(額)の差引・充当処理を繰り返し、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようにする。
【0099】
上記ステップS310で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなっていれば(ステップS310;Y)、該流動化譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS311)。すなわち、後述する図21の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。
【0100】
そして不足分(額)が差し引かれた入金回収データの入金額が、その差し引かれた状態の金額で更新処理される(ステップS312)。すなわち、差引の対象となった入金回収データの入金額が、その残額分で更新されることになる(複数の入金回収データから不足額が差し引かれ充当された場合は、その途中で入金額から不足額が差し引かれたものは、入金額が0となることもある)。
【0101】
上記ステップS304、ステップS312及びステップS314の処理後、全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了したか否かがチェックされる(ステップS315)。
【0102】
全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していなければ(ステップS315;N)、上記ステップS301に復帰し、次の流動化譲渡債権データの読込処理から以下の処理が行われる。
【0103】
反対に全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していれば(ステップS315;Y)、後述の図14の処理に移行する。
【0104】
また上記ステップS305で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくなければ(ステップS305;N)、図13に示されるように、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ(ステップS401)、該流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われる(ステップS402)。すなわち、後述する図21の下段に示される譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。そして債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される(ステップS403)。その後図12のステップS315に復帰する。
【0105】
図14は、上記図12のステップS315で全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していると判定された場合(ステップS315;Y)の、支払期日が到来している流動化以外の譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0106】
まず、譲渡債権データ格納手段1から、(譲渡フラグがNになっている)対処となる1の流動化以外の譲渡債権データが演算手段3によって読み出される(ステップS501)。
【0107】
次に入金回収データ格納手段2から、読み出された流動化以外の譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する最初の入金回収データが演算手段3によって読み出される(ステップS502)。
【0108】
そして上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額と入金額とが一致するか否かがチェックされる(ステップS503)。
【0109】
これらの債権金額と入金額とが一致すれば(ステップS503;Y)、該流動化以外の譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS504)。すなわち、後述する図22の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる(図22の上段に示した譲渡債権データのデータ構造では、説明の都合上、回収期日、消し込み未済額、消し込み完了及び消し込み相手の欄が省略されている)。
【0110】
反対にこれらの債権金額と入金額とが一致していなければ(ステップS503;N)、上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額が入金額より大きいか否かがチェックされる(ステップS505)。
【0111】
該債権金額が入金額より大きければ(ステップS505;Y)、流動化以外の該譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する次の入金回収データがあるか否かがチェックされる(ステップS506)。
【0112】
次の入金回収データがなければ(ステップS506;N)、最後に残った入金回収データの入金額の範囲で譲渡債権データの債権金額との消し込み処理が行われ(ステップS513)、上記演算手段3により未済額が算出され、後述の図22の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み未済額」欄に、該未済額のデータが書き込まれる(ステップS514)。
【0113】
上記ステップS506で、次の入金回収データがあれば(ステップS506;Y)、演算手段3によって次の入金回収データが読み出される(ステップS507)。そして不足分(額)(譲渡債権データの債権額−最初の入金回収データの入金額)が、読み出された次の入金回収データの入金額から差し引かれ(ステップS508)、最初の入金回収データの入金額に充当される(ステップS509)。すなわち、その充当処理で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようになる。
【0114】
そして再度譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなったか否かがチェックされる(ステップS510)。
【0115】
等しくなっていなければ(ステップS510;N)、上記ステップS507に復帰し、以上の処理を繰り返す。すなわち、さらに次の入金回収データを読み出し、不足分(額)の差引・充当処理を繰り返し、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようにする。
【0116】
上記ステップS510で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなっていれば(ステップS510;Y)、流動化以外の該譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS511)。すなわち、後述する図22の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。
【0117】
そして不足分(額)が差し引かれた入金回収データの入金額が、その差し引かれた状態の金額で更新処理される(ステップS512)。すなわち、差引の対象となった入金回収データの入金額が、その残額分で更新されることになる(複数の入金回収データから不足額が差し引かれ充当された場合は、その途中で入金額から不足額が差し引かれたものは、入金額が0となることもある)。
【0118】
上記ステップS504、ステップS512及びステップS514の処理後、流動化以外の譲渡債権データの全ての消し込み処理が終了したか否かがチェックされる(ステップS515)。
【0119】
流動化以外の譲渡債権データの全ての消し込み処理が終了していなければ(ステップS515;N)、上記ステップS501に復帰し、次の流動化以外の譲渡債権データの読込処理から以下の処理が行われる。
【0120】
反対に流動化以外の譲渡債権データの全ての消し込み処理が終了していれば(ステップS515;Y)、そこで処理が終了する。
【0121】
また上記ステップS505で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくなければ(ステップS505;N)、図15に示されるように、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ(ステップS601)、流動化以外の該譲渡債権データの消し込み処理が行われる(ステップS602)。すなわち、後述する図22の下段に示される譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。そして債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される(ステップS603)。その後図14のステップS515に復帰する。
【0122】
図16〜図20の図面は、流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化(証券化)に適した債権データを抽出する処理手順を示す説明図である。
【0123】
まず図16に示すように、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データは当初1〜10のデータが格納されているとする。そして上記演算手段3により、流動化適格条件格納手段4に格納されている特定適格債権銘柄(過去に債権の支払に関してデフォルトなどの問題を起こしていない銘柄や任意の投資格付け会社が投資適格として問題がないとしている銘柄など)から、本例では●●株式会社及び○○株式会社が流動化(証券化)に問題のない債務者の譲渡債権データとして選定される。
【0124】
さらに流動化適格条件格納手段4には、2002年9月25日〜2003年3月25日までと流動化可能支払期日が規定されているので、それに従って、上記演算手段3により、支払期日がその期間内のものが、今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データとして選定される。
【0125】
この選定処理が行われる結果、4の譲渡債権データと10の譲渡債権データとが流動化譲渡債権データから除かれる。すなわち、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。
【0126】
次に図17に示すように、流動化適格条件格納手段4には、上記銘柄(債務者名)毎に債務の上限額が夫々格納されており(●●株式会社については5000百万円、及び○○株式会社については3000百万円)、これまでに夫々の銘柄の債務の累積額も記録されていて(●●株式会社については3300百万円、及び○○株式会社については1800百万円)、そこから銘柄別流動化可能額が、●●株式会社については1700百万円、及び○○株式会社については1200百万円と記録されている。
【0127】
そこで上記演算手段3により以下のような計算処理がなされ、●●株式会社については、1の700百万円の債権金額+2の600百万円の債権金額+3の300百万円の債権金額は合計で、1600百万円であり、1700百万円の流動化可能額内のものであるが、さらに5の200百万円の債権金額を加えると1800百万円であって、1700百万円の流動化可能額を超えるので、今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データから、5の譲渡債権データが外される。すなわち、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。
【0128】
上記○○株式会社について同様な処理が行われ、その結果今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データから、9の譲渡債権データが外される。すなわち、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。その後に残った流動化譲渡債権データ候補データは、図18に示すように、1〜3及び6〜8の譲渡債権データである。
【0129】
その後これらの流動化譲渡債権データ候補データは、支払期日の早い順に、かつ同じ支払期日に複数の債権が有る場合には債権金額の大きい順にソートされ、図18の上段に示すような状態になる(この例では、支払期日は全て同じであるため、結果的に金額の大きい順にソートされている)。
【0130】
さらに、流動化適格条件格納手段4には、図19に示すように、上記特別目的会社において可能な証券発行枠が流動化枠金額として記録されており(全銘柄で7700百万円)、これまでに流動化可能として証券化された債務の累積額も記録されていて(既に5200百万円)、そこから全体の流動化可能額、即ち限度額が、2500百万円と記録されている。
【0131】
そこで上記演算手段3により以下のような計算処理がなされ、金額の大きな譲渡債権データから順にデータが抽出されて、債権金額の加算処理が行われる。その加算額が上記限度額を超過した場合は、最後に加算した金額が除外されて、次に大きな金額の譲渡債権データの債権金額が加算する処理がなされる。上記加算額が限度額に収まるまで、演算手段3により以上の処理が繰り返される。本例では(1のデータ+2のデータ+6のデータ+7のデータ+3のデータ)の合計額で、限度額を超過することになる。そのため、3のデータが除外され、次候補である8のデータが加算処理される。すると丁度2500百万円となり、上記限度額内に収まることになる。従って今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データから、3の譲渡債権データが外され、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。
【0132】
以上の処理によって譲渡債権データ格納手段1に流動化フラグがNとされていない譲渡債権データは、図20に示されるものに絞られ、これらのデータは、流動化譲渡債権データとして、上記流動化フラグがYにセットされる。
【0133】
図21は、以上のようにして流動化フラグがYにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理が、上記図12及び図13の処理フローに従ってなされた状態を示す説明図である。
【0134】
ここで1の流動化譲渡債権データの債権金額は700百万円であるが、最初のaの入金回収データの入金額は650百万円であり、50百万円不足するので、次のbの入金回収データの入金額(400百万円)から、演算手段3により、不足分50百万円が差し引かれて、aの入金回収データの入金額に加算される。すると、1の流動化譲渡債権データの債権金額とaの入金回収データの入金額が同額になるので、1の流動化譲渡債権データ及びaの入金回収データにおける「消し込み完了」欄には、「済」のデータが記録される。もちろんその場合、両データの「消し込み未済額」欄の値は0円と記録される。
【0135】
他方上記処理で、bの入金回収データの入金額は、すでに不足分50百万円が差し引かれているので、その入金額は、残額分である350百万円に更新される。
【0136】
次に2の流動化譲渡債権データの債権金額は600百万円であるが、上記bの入金回収データの入金額は350百万円に更新されており、250百万円不足する。ところが、2の流動化譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する入金回収データは存在しないので、上述のような不足分の差引・入金額更新処理はできない。そのため、bの入金回収データの入金額である350百万円で、両データは消し込み処理がなされ、未済額として250百万円が残るため、2の流動化譲渡債権データ及びbの入金回収データは、消し込み未処理、即ちこれらのデータにおける「消し込み完了」欄は空欄のままとされ、さらにこれらのデータにおける「消し込み未済額」欄には、未済額として250百万円が記録される(本実施例の図21では説明を分かり易くするため、流動化譲渡債権データについてもわざわざ消し込み未完の例を入れているが、実際には消し込み未完の例は少ない)。
【0137】
以下同様にして、6〜8の流動化譲渡債権データにつき、残った入金回収データとの間で同様な処理が行われ、最終的に流動化譲渡債権データの消し込み処理した結果のデータについては、図21の下段に示すような状態で譲渡債権データ格納手段1に格納される。尚、同図では上記次のデータとの不足額の差し引き・充当・消し込み処理がどのデータで行われたかを参考的に示すため、図上、消し込み相手の欄が設けられて図示されている(この「消し込み相手」の欄は理解を容易にするため図示されており、必ずしも必要ではない)。
【0138】
流動化以外の譲渡債権データに対しても同様な処理が行われる。すなわち図22は、流動化フラグがNにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化以外の譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理が、上記図14及び図15の処理フローに従ってなされた状態を示す説明図である。
【0139】
基本的な処理の流れは、上記と同様であり、その詳細については省略する。ただし、9の譲渡債権データについては、その債務者コードと一致する仮想口座番号を有するg及びhの入金回収データが、図21の流動化譲渡債権データの消し込み処理において、既に処理の対象となっており(g及びhの入金回収データの「消し込み完了」欄は、「済」のデータが記録されている)、消し込み処理が不能である。そのため、9の譲渡債権データについては、「消し込み完了」欄は空欄のままであり、またその債権金額がそのまま消し込み未済額として記録されている。
【0140】
以上説明した本発明の実施例構成によれば、演算手段3が、上記突合処理の際に、最初に流動化フラグの付いた(該フラグがYである)譲渡債権データを全て抽出して、入金回収データとの消し込み処理(但し譲渡債権データの債務者コードと入金回収データの仮想口座番号とが同じものの範囲で行われる)が、該演算手段3によって優先的に行われるため、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日までにその回収ができない場合でも、上記流動化による証券を購入した投資家α、β及びγなどに対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題を発生させることが、従前に比べほとんどなくなる。従って債権を譲渡する側の信用が落ち、債権の流動化が、以後そのグループ関連会社では困難になる(或いは格付けなどの低下につながる)などの可能性が低くなる(本実施例の図21では説明を分かり易くするため、流動化譲渡債権データについてもわざわざ消し込み未完の例を入れているので、実際としては上記のような問題の発生の可能性が低くなる)。
【0141】
特に、上述のような優先的に流動化債権の消し込み処理が行われ、流動化した譲渡債権データに対し、債務者コードと一致する仮想口座番号を有する入金回収データがある限り、不足分を穴埋めするような消し込み処理が行われ、さらに、該不足分の充当により、他の入金回収データの入金額が、上記充当のために差し引かれた不足分だけ(該他の入金回収データがそれ自身不足分を有している場合はさらに累積的に不足分が増える)最初の入金額より減算されて、該他の入金回収データの入金額として更新されるため、そのような不足分の充当処理が連鎖的に行われている。
【0142】
このような連鎖的な不足分の充当・消し込み処理が行われる場合、最初に優先的に流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われるため、まずほとんどの場合に、流動化譲渡債権データに対しては不足額の発生がなく、消し込み処理が行われるようになる。すなわち、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段1に格納せしめられるのは、流動化されなかった残りの譲渡債権データが主となり、流動化による証券を購入した投資家などに損失を与えることが少なくなる(本実施例の図21では説明を分かり易くするため、流動化譲渡債権データについてもわざわざ消し込み未完の例を入れている)。
【0143】
尚、本発明の債権消し込み処理装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0144】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜請求項9記載の債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体によれば、突合処理の際に、最初に流動化譲渡債権データを全て抽出して、入金回収データとの消し込み処理(但し譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号とが同じものの範囲で行われる)が、優先的に行われるため、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日までにその回収ができない場合でも、上記流動化による証券を購入した投資家に対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題を発生させることが、従前に比べ少なくなり、従って債権を譲渡する側の信用が落ち、債権の流動化が、以後その債権譲渡側で困難になる(或いは格付けなどの低下につながる)などの可能性が低くなるという優れた効果を奏することが可能となる。
【0145】
特に、上述のような優先的に流動化債権の消し込み処理が行われ、流動化した譲渡債権データに対し、債務者のコードと一致する口座番号を有する入金回収データがある限り、不足分を穴埋めするような消し込み処理が行われ、さらに、該不足分の充当により、他の入金回収データの入金額が、上記充当のために差し引かれた不足分だけ(該他の入金回収データがそれ自身不足分を有している場合はさらに累積的に不足分が増える)最初の入金額より減算されて、該他の入金回収データの入金額として更新されることになり、そのような不足分の充当処理が連鎖的に行われることになる。このような連鎖的な不足分の充当・消し込み処理が行われる場合、最初に優先的に流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われるため、まずほとんどの場合に、流動化譲渡債権データに対しては不足額の発生がなく消し込み処理が行われるようになるので、流動化による証券を購入した投資家などに損失を与えることが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態構成について、グループ関連会社の債権一括譲渡を行った場合の説明図である。
【図2】上記の場合の、グループ関連会社、Y信託銀行、債務者、取引金融機関、特別目的会社及び投資家の関係を説明する説明図である。
【図3】債権が回収された場合の債権統括管理装置10における消し込み処理と譲渡債権管理装置20における債権回収管理処理が行われる状態を示す説明図である。
【図4】演算手段3により実行される譲渡債権データの譲渡債権データ格納手段1への格納手順を示す機能ブロック図である。
【図5】演算手段3により実行される譲渡債権データ格納手段1への債務者コードの割当手順を示す機能ブロック図である。
【図6】演算手段3により実行される入金回収データの入金回収データ格納手段2への格納手順を示す機能ブロック図である。
【図7】演算手段3により実行される流動化適格条件格納手段4を参照した譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け、これらの譲渡債権データの金額の大きい順のソート及び支払期日のチェック手順を示す機能ブロック図である。
【図8】演算手段3により実行される流動化譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理手順を示す機能ブロック図である。
【図9】演算手段3により実行される流動化以外の譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理、さらにその結果としての上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2へのデータ更新処理手順を示す機能ブロック図である。
【図10】債権統括管理装置10の通信手段5により受信されるデータの該債権統括管理装置10内での処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】演算手段3により、流動化適格条件格納手段4が参照されて実行される、譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順によるソート及び金額の大きい順のソート並びに支払期日のチェックの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS210で支払期日が到来している流動化譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図12のステップS305で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくない場合に、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ、流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われると共に、債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される手順を示すフローチャートである。
【図14】図12のステップS315で全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していると判定された場合の、支払期日が到来している流動化以外の譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップS505で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくない場合に、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ、流動化以外の譲渡債権データの消し込み処理が行われると共に、債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される手順を示すフローチャートである。
【図16】流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化に適した債権データを抽出する1つめの処理手順を示す説明図である。
【図17】同じく流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化に適した債権データを抽出する2つめの処理手順を示す説明図である。
【図18】上記抽出処理で残った、譲渡債権データ格納手段1に格納されている譲渡債権データの状態を示す説明図である。
【図19】同じく流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化に適した債権データを抽出する3つめの処理手順を示す説明図である。
【図20】上記抽出処理で最終的に残った、譲渡債権データ格納手段1に格納されている流動化譲渡債権データの状態を示す説明図である。
【図21】流動化フラグがYにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理がなされた状態を示す説明図である。
【図22】流動化フラグがNにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化以外の譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理がなされた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 譲渡債権データ格納手段
2 入金回収データ格納手段
3 演算手段
4 流動化適格条件格納手段
5 通信手段
6 RAM
7 プログラム格納手段
10 債権統括管理装置
11、12 端末
20 譲渡債権管理装置
30 金融機関ホスト
X 親会社
A、B 関連子会社
SPC 特別目的会社
α、β、γ 投資家
【発明の属する技術分野】
本発明は、債権の消し込みに使用する債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の経営においては、円滑なキャッシュフローが企業の生命線になっており、そのために債権はできるだけ早い内に手元に現金化しておく必要がある。それに呼応するように、債権の流動化(債権の証券化)が望まれるようになった。
【0003】
他方連結決算重視のディスクロージャ制度への移行に伴い、親会社単体の債権の証券化から、連結子会社の保有する債権も証券化の対象とする動きがある。
【0004】
それに対し、上記子会社は、親会社から見て信用力に劣ることが多く、子会社の保有する債権を証券化する場合、どうしても不利な条件が設定され易いため、結局子会社の債権を証券化して流動化させることができず、連結決算上はどうしても一部の連結子会社がその親会社や他の連結子会社の足を引っ張るようなケースが出てくることになる。
【0005】
他方これらの親子のグループ関連会社の有している債権のいくつかを一括して譲渡し、証券化などが行われれば、親会社の信用力が利用でき、債権の流動化が図られることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ある会社の有している債権のいくつかを一括して譲渡できたとしても、或いは親子のグループ関連会社の有している債権のいくつかを一括して譲渡できたとしても、その中には、(例えば過去の取引の関係から債務者に信用力がなく)証券化などに適さない債権も存在する。従って証券化などに適する一部の債権のみが上記債権の流動化の対象となり(すなわち、証券化などの対象となり)、他は、信託譲渡によって信託財産として管理されるだけとなる。
【0007】
また債権は、(債務者からの入金などにより)その債権金額が回収された場合、通常、債権の債務者と入金元が一致するか、債権金額と回収金額とが一致するか(、支払期日までに入金がなされたか)などが少なくともチェックされ、譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われることになる。
【0008】
以上の債権データと入金回収データとの突合処理では、種々の理由から、債権金額と回収金額とが一致しないケースが発生することがある。例えば債務者が受け取った商品に一部瑕疵が見つかったなどの特殊な理由で、買掛金などの一部だけを入金するようなケースがある。
【0009】
もしそういった債権が流動化の対象に含まれている場合、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日(譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理の後に行われる投資家などへの元本や配当などの償還日)までにその回収ができない場合には、該流動化による証券を購入した投資家などに対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題が発生する。そのような場合には、債権を譲渡する側の信用が落ち、債権の流動化が、以後その会社乃至親子のグループ関連会社では困難になる(或いは格付けなどの低下につながる)。
【0010】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、債権を一括譲渡した後、それらの債権を回収した際に、流動化した債権に関しての消し込み処理が優先的に行える債権消し込み処理装置を提供せんとするものである。
【0011】
併せて同様な機能を発揮できるコンピュータ・プログラム及び記録媒体についても提案する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る債権消し込み処理装置の構成は、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段とを備えており、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行う
ことを基本的特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、流動化した債権に対して入金回収データとの消し込み処理(但し譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号とが同じものの範囲で行われる)が、上記消し込み演算手段により優先的に行われるため、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日までにその回収ができない場合でも、該流動化による証券を購入した投資家などに対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題を発生させることが少なくなる。
【0014】
以上の構成で、上記消し込み処理につき、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号とが同じものであると限定しているが、これは、各入金回収データ毎に仮想的な口座番号が設定され、その口座番号と同じものが譲渡債権データの債務者のコードとして付けられれば、各口座へ入金があった際に、どの債務者からのどの原債権者への入金かが即座に解るようにようになり、上記突き合わせ処理時の両データの消し込み処理が容易になるためである。
【0015】
ここで、消し込み演算手段により、上記突合処理の最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、上記突き合わせ処理を行い、優先的に流動化債権の消し込み処理を行わせる具体的な場合としては、流動化した譲渡債権データに対し、その債務者のコードと一致する口座番号を有する対応する入金回収データの入金額が、該譲渡債権データの債権金額より少ない場合でも、債務者のコードと一致する口座番号を有する他の入金回収データの入金額から不足分が補われて消し込み処理され(他の入金回収データの方は残金でその入金額を更新することになる)、そのような不足分を穴埋めするような消し込み処理が、債務者のコードと一致する口座番号を有する入金回収データがある限り、流動化した譲渡債権データに対して行われることを言う。同一の原債権者と債務者との関係がある限り、不足分の他の入金回収データからの充当・消し込み処理が後述するように連鎖的に行われても、消し込みができなくなった不足分にだけ、債務者に求償するなり、或いは値引きなどの特定の勘定科目などを付けて最終的に処理をすれば足りるからである。
【0016】
上述のような優先的に流動化債権の消し込み処理を行わせ、流動化した譲渡債権データに対し、債務者のコードと一致する口座番号を有する入金回収データがある限り、不足分を穴埋めするような消し込み処理が行われる構成をより具体的にしたものが請求項2に係る債権消し込み処理装置の構成であり、次のような構成を有している。
【0017】
すなわち、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段とを備えており、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行い、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
上記消し込み演算手段による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、不足する金額分を、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行い、さらに上記不足分が差し引かれた他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を行う
ことを特徴としている。
【0018】
上記不足分の充当により、他の入金回収データの入金額が、上記充当のために差し引かれた不足分だけ(該他の入金回収データがそれ自身不足分を有している場合はさらに累積的に不足分が増える)最初の入金額より減算されて、該他の入金回収データの入金額として更新されるため、そのような不足分の充当処理が連鎖的に行われる場合がある。請求項3の構成はそれをより具体的にした構成であって、次のような構成を有している。
【0019】
すなわち、該請求項3の債権消し込み処理装置の構成は、上記請求項2の構成において、上記消し込み演算手段による突合処理の際に入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行う処理につき、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者のコードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、その不足する金額分につき、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く1乃至2以上のさらに他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行うと共に、上記不足分が差し引かれた該他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を上記不足額が発生する毎に繰り返し行わせ、最後に、上記消し込み演算手段により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納させることを特徴としている。
【0020】
以上の構成によれば、このような連鎖的な不足分の充当・消し込み処理が行われる場合、最初に優先的に流動化債権の消し込み処理が行われるため、まずほとんどの場合に、流動化債権に対しては不足額の発生がなく、消し込み処理が行われるようになる。すなわち、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納せしめられるのは、流動化されなかった残りの譲渡債権データがほとんどとなり、流動化による証券を購入した投資家などに損失を与えることが少なくなる。換言すれば、損失を被る可能性のあるのは、流動化対象とならずに信託財産として管理されている債権の受益権者であるグループ関連会社が主であり、その場合実質的にはグループ関連会社と債務者の間だけの問題であるので、グループ関連会社が債務者に不足分を取り立てれば良いということになる。
【0021】
さらに、上記請求項1〜請求項3の構成とも、上記消し込み演算手段による突合処理は、債務者のコードを照合キーとして行い、該債務者のコードで譲渡債権データをソートすると共に、支払期日(債権者にとっては回収期日)の早い順、かつ同じ支払期日に複数のデータが有る場合には債権金額の大きい順に並べ替えた該譲渡債権データに対し、支払期日の早い順、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順に、対応する入金回収データとの上記消し込み処理、又は対応する入金回収データ及び他の入金回収データとの上記消し込み処理を行うようにすることで、不足分の充当・消し込み処理(特に連鎖的なこれらの処理)が、オペレータがその計算履歴を見て検証する場合でも、処理の手順が容易に理解できるようになる(請求項4)。
【0022】
請求項5〜請求項8までの構成は、コンピュータに読み込まれて実行されることで、上記請求項1〜請求項4までに規定された債権消し込み処理装置の構成を実現できる、該コンピュータで実行可能なプログラムについて規定している。
【0023】
すなわち、上述した課題を解決するための構成として、上記請求項1〜請求項4までに規定された各機能実行手段を、コンピュータの構成を利用して実現する、該コンピュータで読み込まれて実行可能なコンピュータ・プログラムにつき開示する。もちろんこれらの構成は、コンピュータ・プログラムとしてだけではなく、後述するように、同様な機能を有するプログラムを格納した記録媒体の構成(請求項9)として提供されても良いことは言うまでもない。この場合、コンピュータとは中央演算処理装置の構成を含んだ汎用的なコンピュータの構成の他、特定の処理に向けられた専用機などを含むものであっても良く、中央演算処理装置の構成を伴うものであれば特に限定はない。
【0024】
上記各機能実行手段により実行される処理をコンピュータに行わせるためのこのようなプログラムが、コンピュータに読み出されると、請求項1〜請求項4までに規定されたいずれかの機能実行手段により行われる処理と同様な処理が実行されることになる。
【0025】
また既存のハードウェア資源を用いてこのコンピュータ・プログラムを実行することにより、既存のハードウェアで新たなアプリケーションとしての本発明に係る債権消し込み処理装置の構成が容易に実現できるようになる。さらにこのようなコンピュータ・プログラムが前述の記録媒体に記録されることにより、これをソフトウェア商品として容易に配付、販売することができるようになる。加えて記録媒体の構成としては、上述した形式の場合の他、RAMやROMなどの内部記憶装置の構成やハードディスクなどの外部記憶装置の構成であっても良く、そのようなプログラムがそこに記録されれば、本発明に規定された記録媒体に含まれることは言うまでもない。
【0026】
尚、請求項5〜請求項8までに記載された各手段のうち一部の処理を実行する機能は、コンピュータに組み込まれた機能(コンピュータにハードウェア的に組み込まれている機能でも良く、該コンピュータに組み込まれているオペレーティングシステムや他のアプリケーションプログラムなどによって実現される機能でも良い)によって実現され、前記プログラムには、該コンピュータによって達成される機能を呼び出すあるいはリンクさせる命令が含まれていても良い。
【0027】
これは、請求項5〜請求項8までに規定された各手段のうちの一部の処理が、例えばオペレーティングシステムなどによって達成される機能の一部で代行され、その機能を実現するためのプログラムないしモジュールなどは直接記録されているわけではないが、それらの機能を達成するオペレーティングシステムの機能の一部を、呼び出したりリンクさせるようにしてあれば、実質的に同じ構成となるからである。
【0028】
上記プログラムは、それ自身使用の対象となる他、後述のように記録媒体に記録されて配付乃至販売され、また通信などにより送信されて、譲渡の対象とすることもできるようになる。
【0029】
そのうち、請求項5の構成は、請求項1の構成に対応する構成であり、その具体的構成は、
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段として機能させ、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行う
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0030】
また請求項6の構成は、上記請求項2の構成に対応する構成であり、その具体的構成は、
コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段として機能させ、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行い、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
上記消し込み演算手段による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、不足する金額分を、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行い、さらに上記不足分が差し引かれた他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を行う
ことを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0031】
さらに請求項7の構成は、請求項3の構成に対応しており、より具体的には、上記請求項6の構成において、上記消し込み演算手段による突合処理の際に入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行う処理につき、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者のコードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、その不足する金額分につき、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く1乃至2以上のさらに他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行うと共に、上記不足分が差し引かれた該他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を上記不足額が発生する毎に繰り返し行わせ、最後に、上記消し込み演算手段により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納させることを特徴としている。
【0032】
加えて請求項8の構成は、請求項4の構成に対応しており、より具体的には、上記請求項5〜請求項7の構成において、上記消し込み演算手段による突合処理は、債務者のコードを照合キーとして行い、該債務者のコードで譲渡債権データをソートすると共に、支払期日(債権者にとっては回収期日)の早い順、かつ同じ支払期日に複数のデータが有る場合には債権金額の大きい順に並べ替えた該譲渡債権データに対し、支払期日の早い順、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順に、対応する入金回収データとの上記消し込み処理、又は対応する入金回収データ及び他の入金回収データとの上記消し込み処理を行うことを特徴としている。
【0033】
加えて請求項9の構成は、上述のように、請求項5〜請求項8いずれか1つに記載のコンピュータ・プログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体について規定している。すなわち、これらのコンピュータ・プログラムは、記録媒体に格納されて、取引の対象とすること或いは実際に実行することなども可能である。
【0034】
上記プログラム(或いは上記記録媒体から読み出されたプログラム)を実行するコンピュータ或いは上記債権消し込み処理装置を構成するコンピュータは、1つの構成(スタンドアローン型のコンピュータなど)であっても良いが、それに限定されるわけではなく、ネットワークを構成する複数のコンピュータ(複数のサーバなど)で構成され、前記各機能実行手段でなされる処理は、それらのコンピュータにおいて(必要であれば適当な通信構成を介して)分散して実行されるように、プログラムに設定されるようにしても良い。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施形態構成についての説明図である。本構成では、図2に示されるように、親会社Xを統括会社とし、その基に関連子会社A及び同子会社Bを被統括会社として、グループ関連会社を構成している。この親会社Xと関連子会社A及びBとのグループ内の資金の貸し借りはもちろん、グループ外部からの入金及びグループ外部への出金も、親会社Xに対して或いは親会社Xに向けてなされ、該親会社Xが有する債権統括管理装置10において、親子会社間において貸借記帳処理が自動的になされる貸借記帳管理処理が行われるようになっている。
【0036】
また、本例では、これらのグループ関連会社が保有する売掛債権や手形債権などの債権をこのグループで一纏めにして、一括して譲渡することで、これらのグループ関連会社では、早期に現金化してキャッシュフローの改善が図れるようにするため、特別目的会社(SPC)との間で、これらの優先受益権の譲渡(但し後述するように流動化フラグの付けられた債権データの譲渡分だけに限られる)についての契約がなされている。そのための処理として、子会社A及びBの各端末11及び12から各請求明細データ(債務者●●社、○○社及び××社に対する債権の内訳を表したもの)が親会社Xの債権統括管理装置10に集められ、それを基に該債権統括管理装置10によって一括譲渡債権データ(統合債権データ)が作成される。
【0037】
その際、後述する演算手段3により、流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件データを参照しながら、一括譲渡の対象となった債権データは、流動化に不適格なものが篩出しされ、流動化に適する債権データには、後述するように、流動化フラグが立てられ、該フラグが立っている債権データが纏められて、後に流動化の対象とされる。そしてこの一括譲渡債権データは、さらにグループ関連会社からその債権について信託を受けた後述するY信託銀行の譲渡債権管理装置20に転送される(上記篩出しで流動化に不適格とされた債権データに関しても、上記一括譲渡により、親会社Xの債権統括管理装置10を通して譲渡債権管理装置20に転送され、一緒にY信託銀行に信託譲渡される)。
【0038】
尚、上記債権統括管理装置10及び譲渡債権管理装置20とも通常のサーバで構成されており、その間は専用線やその他の高速回線で結ばれており、また金融機関のホスト30との間も専用線やその他の高速回線で結ばれており、これらの間でデータの送受信ができるようになっている。また債権統括管理装置10と子会社の端末11及び12も、任意の回線で結ばれており、その間でデータの送受信ができるようになっている。
【0039】
該特別目的会社は買い取った(流動化フラグの付けられた債権データに対しての)優先受益権を証券化して投資家α、β及びγなどに販売し、その代わり金を原資として優先受益権の譲渡代わり金を、図1に示すように(同図譲渡債権管理装置20を介して金融機関ホスト30に出された指示に基づくSPC口座から親会社口座への譲渡代わり金の振込)、上記親会社Xに支払うことになる(債権の流動化;但し、その優先受益権の譲渡代わり金の計算はY信託銀行の譲渡債権管理装置20により行われるが、その支払金額についての振込指示が金融機関ホスト30に出され、該特別目的会社の口座から親会社Xの口座へ振込まれる)。もちろん、これらの投資家α、β及びγなどは、金利相当分を配当として受け取ることになる。
【0040】
本実施例構成では、債権の回収管理処理は、図2に示すように、Y信託銀行が行うことにし、特別目的会社は、優先受益権の証券化販売、及びその投資家への配当処理を専ら行うことになる。また全ての債権は、一旦、一括してY信託銀行に対し信託譲渡され、これにより親会社Xが取得する(流動化債権データに対応する)優先受益権はさらに特別目的会社に対し譲渡される。
【0041】
そこで、Y信託銀行では、譲渡債権管理装置20が備えられ、そこにおいて債権回収管理を行う。しかし、本実施例構成では、後述するように、実質的な債権の回収については、夫々の債務者●●社、○○社及び××社の元の債権者である子会社A及びBが行う契約が、グループ関連会社の親会社Xと上記Y信託銀行との間で交わされている。
【0042】
また上記債務者●●社、○○社及び××社は元の債権者の子会社A及びBからの指示によりY信託銀行が保有する口座へ債務の支払として振込入金することとなっている。
【0043】
このY信託銀行が保有する口座(本口座)は、(金融機関ホスト30が設置された)取引金融機関内に設定されており、また上記親会社Xの口座も同じ金融機関内に設定され、さらに特別目的会社の口座も該金融機関内に設定されて、上記金融機関ホスト30により管理されているものとする。
【0044】
加えて、本例では、上述のように、子会社A及びBの各請求明細データから債権統括管理装置10によって作成され、Y信託銀行の譲渡債権管理装置20に転送された一括譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、上記金融機関ホスト30によってそこに仮想的なY信託銀行の口座1001001、1001002、1001003、1002001及び1002002などが債務の支払先として設定されている。そのような口座設定により、債務者からの債務の支払があった場合に、どの原債権者に対するどの債務者からの債権が回収されたかが即座に分かるようになっている。
【0045】
この仮想口座の各口座番号は、金融機関ホスト30によって、債権統括管理装置10に送られ、上記請求明細データ中に各債務者を識別する債務者コードとして格納される(後述する消し込み処理を容易にするため)。例えば債務者●●社は、債務者コード1001001及び1002001に、債務者○○社は、債務者コード1001002及び1002002に、また債務者××社は、債務者コード1001003に、夫々設定され格納される。尚、その各口座への支払は、少なくとも該口座への入金の事実、該仮想口座の口座番号、日付及びその入金額が入金回収データとして、その入金と共に、上記Y信託銀行の本口座へ振替られ、またその入金回収データは、該金融機関ホスト30を介して、親会社Xの債権統括管理装置10に転送されることになる。
【0046】
そして図3に示されるように、Y信託銀行の本口座へ振替られた上記入金回収データのうち、流動化譲渡債権データに対応する入金回収金額は、さらにSPCの口座へ振り替えられる。
【0047】
上記の前提を基に、本実施形態構成の詳細につき説明する。
まず、後述するように、グループを構成する関連子会社Aは、2002年9月24日現在、同年11月30日を支払期日とする売掛債権を、●●株式会社(債務者)に対して700百万円(図16で1番)、600百万円(図16で2番)、○○株式会社(債務者)に対して600百万円(図16で6番)、400百万円(図16で7番)、××株式会社(債務者)に対して300百万円(図16で10番)を有しており、同じく関連子会社Bは、2002年9月24日現在、同年11月30日を支払期日とする売掛債権を、●●株式会社(債務者)に対して300百万円(図16で3番)、200百万円(図16で5番)、○○株式会社(債務者)に対して200百万円(図16で8番)、100百万円(図16で9番)、さらに2003年4月30日を支払期日とする売掛債権を、●●株式会社(債務者)に対して300百万円(図16で4番)有している。
【0048】
そして子会社A及びBは、各自の有する売掛債権を、そのグループの統括会社たる親会社Xを介して、Y信託銀行に対し一括して信託譲渡する。これにより、親会社Xは、信託受益権(優先受益権及び劣後受益権)を取得し、特別目的会社に対し優先受益権を譲渡する。尚、劣後受益権は、信託受益権の総額に劣後比率を乗じた金額に設定される。
【0049】
そして2002年9月25日を譲渡日(特別目的会社側からすれば買取予定日)とし、上述のように、精算日(回収された回収金額の総額と譲渡代わり金の精算がなされる日)を2002年12月25日として、契約を行った。従って、上記親会社Xからこれらの債権がY信託銀行に一括して信託譲渡され、さらに上記特別目的会社に対して優先受益権が譲渡されることとなる。上述のように、特別目的会社は、優先受益権を引当に証券を発行し、投資家α、β及びγなどに販売する。
【0050】
上記グループ関連会社の債権の一括譲渡に際し、子会社A及びBのオペレータにより、図1に示すように、自己の端末11及び12が使用されて、親会社Xの債権統括管理装置10に売掛債権譲渡に伴う請求明細データが譲渡債権データとして転送される。
【0051】
該債権統括管理装置10では、後述する図4以下の図面に示されるように譲渡債権データ格納手段1が備えられており、そこに、図16に示されるように、受け取った請求明細データを基に作成される、少なくとも上記各債権の債務者・債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者コード(この欄は、金融機関ホスト30により、一括譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、債務の支払先として設定された仮想的なY信託銀行の口座番号と同じ番号が、後に割り付けられる)・原債権者(元の債権者)・債権金額・買取予定日・支払期日などの回収条件などの債権データが、統合債権データとして格納される。これらのデータは、後に債権の回収によって金融機関ホスト30から同じく債権統括管理装置10に送られてきて、同じくそこに備えられた入金回収データ格納手段2に格納される入金回収データとの消し込み処理に利用される。
【0052】
その後上記債権統括管理装置10により、上記統合債権データを基にして作成された一括譲渡の債権データが、図1に示すように、譲渡債権管理装置20に向けて送られる。
【0053】
サーバで構成される上記債権統括管理装置10は、図4〜図9に示されるように、CPUで構成される演算手段3と、ハードディスクなどの外部記憶装置で構成される譲渡債権データ格納手段1、入金回収データ格納手段2、流動化適格条件格納手段4及びプログラム格納手段7と、上記債権統括管理装置10や金融機関ホスト30などの外部と通信回線を介してつながる通信インターフェースとなる通信手段5と、上記演算手段3のワーキングエリアを提供したり必要な係数などのデータを一時的に格納しておくRAM6とを有しており、その他図示はしていないが、本装置10のハードウェア制御などに必要なプログラムモジュールなどを格納しておくROM、CRTやプリンタなどの外部出力部、キーボードやマウスなどの入力部などが備えられている。
【0054】
そのうち上記譲渡債権データ格納手段1には、上述のように、少なくとも上記各債権の債務者・債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者コード(この欄は、金融機関ホスト30により、一括譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、債務の支払先として設定された仮想的なY信託銀行の口座番号と同じ番号が、後に割り付けられる)・原債権者(元の債権者)・債権金額・買取予定日・支払期日などの回収条件などの債権データが、統合債権データとして格納される(図16参照)。
【0055】
また上記入金回収データ格納手段2には、後述する図21及び図22の中段に示されるように、各債務者から上記仮想口座に向けて入金がなされることにより回収された、入金日、債務者、仮想口座の口座番号、原債権者(元の債権者)・入金額などのa〜jの入金データが、入金回収データとして格納される。
【0056】
上述のように、親会社Xからグループ会社の債権がY信託銀行に一括譲渡されると、その際に一括譲渡債権データを受け取った上記譲渡債権管理装置20は、その債権の回収のために、金融機関ホスト30に、そのデータを転送する。該ホスト30は、受け取ったそのデータから同一の(債務者−原債権者の関係)毎にY信託銀行の本口座とは別に、債券回収時にどの債務者からの入金かが直ぐに分かるようにするために仮想的な口座を作成し(上記仮想的なY信託銀行の口座1001001、1001002、1001003、1002001及び1002002など)、その仮想的な口座番号を、図2に示すように、夫々債権統括管理装置10及び譲渡債権管理装置20に転送する。さらに該債権統括管理装置10から各端末11及び12に、上記債権回収用の仮想口座番号が転送されるため、上述のように、原債権者である子会社A及びBが、各債務者●●社、○○社及び××社に対し、夫々の債権を回収する際に、図3に示すように、夫々の債権の支払を、対応する仮想口座の各口座番号へ支払うように請求することになる。支払期日までに各仮想口座へ入金された各債権に対応する入金額は、その入金回収データと共に、Y信託銀行の本口座へ振り返られ、該入金回収データは、金融機関ホスト30により、債権統括管理装置10に転送され、上記入金回収データ格納手段2に上述のような状態で格納される。
【0057】
上記流動化適格条件格納手段4には、後述する図16、図17及び図19に示されるように、流動化に適したものであるか否かを示す流動化適格条件データが格納されている。すなわち、流動化に適する特定銘柄であるか否かを示すデータマスタ(図16下段参照)、流動化ができる支払期日をチェックするための期日が規定されているデータマスタ(同じく図16下段参照)、各銘柄毎に流動化が可能な額を規定しているデータマスタ(図17下段参照)及び主に特別目的会社からの要求で設定される流動化が可能な限度額を規定しているデータマスタ(図19下段参照)などが上記流動化適格条件格納手段4に存在する。一括譲渡の対象となった債権データは、後述するように、演算手段3により、この流動化適格条件格納手段4が参照されて、流動化に不適格なものが篩出しされ、流動化に適する債権データには、後述するように、流動化フラグが立てられ(図21参照)、該フラグが立っている債権データが纏められて、後に流動化の対象とされる。また上記篩出しで流動化に不適格とされた債権データに関しては、流動化の対象とならないが、Y信託銀行による信託の対象となる。
【0058】
上記演算手段3は、図4に示すように、上記プログラム格納手段7から本発明を実施するプログラムを読み出して、上記RAM6をワーキングエリアとして、該プログラムに従って、以下に示すような処理を実行する。すなわち、図4に示すような譲渡債権データの上記譲渡債権データ格納手段1への格納、図5に示すような該譲渡債権データ格納手段1への債務者コードの割当、図6に示すような入金回収データの上記入金回収データ格納手段2への格納、図7に示すような流動化適格条件格納手段4を参照した譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け[流動化フラグをYにしたり(立てる)反対にNにすること]・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順のソート、かつ同じ支払期日に複数の債権が有る場合での金額の大きい順のソート、図8に示すような流動化譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理、さらにその結果としての上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2へのデータ更新処理、図9に示すような流動化以外の譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理、さらにその結果としての上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2へのデータ更新処理などがその主な処理である。
【0059】
上記通信手段5は、子会社A及びBの端末11及び12、譲渡債権管理装置20、金融機関ホスト30とのデータの送受信処理を行う(図1〜図7参照)。例えば図1では、端末11及び12との請求明細データを基にした譲渡債権データの受信(図4と同じ)、譲渡債権管理装置20への譲渡債権データの送信、金融機関ホスト30からの譲渡代わり金の入金通知の受信、図2では、仮想口座番号の通知の受信(図5と同じ)、図3では、金融機関ホスト30からの入金回収データの受信(図6と同じ)、図7では、流動化フラグが付けられた流動化譲渡債権データの譲渡債権管理装置20への送信などの処理を行っている。
【0060】
上記債権統括管理装置10では、上記子会社AやBの端末11、12から請求明細データを譲渡債権データとして、上記通信手段5が受信し、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に、譲渡債権データとして格納する。本例では、該譲渡債権データ格納手段1に蓄積された譲渡債権データが、図16の上段に示すように、統合債権データの形で保存されている。
【0061】
またこのようなデータを保存した債権統括管理装置10は、上記通信手段5を介して上記譲渡債権管理装置20に、同じく該譲渡債権データを転送する。すると、該譲渡債権管理装置20でもこれらのデータが格納されるが、さらに該譲渡債権管理装置20は、金融機関ホスト30に向けて、上記譲渡債権データを転送する。該金融機関ホスト30では、受信した譲渡債権データを基に、該データ中に含まれる債務者−原債権者の関係が同一である毎に、Y信託銀行の本口座とは別に仮想的な口座1001001、1001002、1001003、1002001及び1002002などを、債務者の支払先として設定する。
【0062】
これらの仮想口座の各口座番号は、図2に示すように、金融機関ホスト30によって債権統括管理装置10に送られ、後述する消し込み処理を容易にするために、図5に示すように、上記譲渡債権データ中に各債務者を識別する債務者コードとして格納される。本例では、債務者●●社は、債務者コード1001001及び1002001に、債務者○○社は、債務者コード1001002及び1002002に、また債務者××社は、債務者コード1001003に、夫々割り当てられ、格納される。
【0063】
さらに、図3に示すように、子会社A及びBの担当者が、夫々の債務者●●社、○○社及び××社に対し、支払期日までに、割り当てられた上記仮想口座への各債権に対する支払を行ってくれるよう支払の請求をなすことで、これらの債務者から、夫々債務者−原債権者の対応関係のある仮想口座への入金がなされると、これらの債務者からの債務の支払があった際に、どの原債権者に対するどの債務者からの債権が回収されたかが即座に分かるようになっているため、上記金融機関ホスト30により、これらの入金額の本口座への振替と共に、少なくとも入金日、仮想口座番号、入金額を含む入金回数データも本口座のために用意されたホスト30の所定のデータストレージに転送され、さらに該入金回収データは、該金融機関ホスト30により、図3に示すように、親会社Xの債権統括管理装置10に転送される。
【0064】
図6は、債権統括管理装置10の通信手段5に、上記入金回収データが転送されてきた状態が示されている。この時入金回収データ中に含まれる仮想口座番号から、演算手段3により、原債権者−債務者の関係が割り当てられ、図21の中段に示されるような状態にされた入金回収データが、入金回収データ格納手段2に格納される。
【0065】
上記演算手段3は、例えば毎月10日、20日、25日、月末などの如く、決まった日付で、図7に示すように、演算手段3により流動化適格条件格納手段4が参照されて上記譲渡債権データの流動化に関する適格性の判断(流動化に適する債権か否かの判断)がなされ、さらにそれに従った譲渡債権データの区分け[流動化フラグをYにしたり(立てる)反対にNにすること]・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順の並び替え、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順の並べ替えがなされる。流動化に関する適格性の判断についての詳細は、図16〜図20において後述する。尚、流動化に適した流動化譲渡債権データは、演算手段3の指示により、通信手段5を介して、譲渡債権管理装置20に送られ、該装置20によって、その債権回収管理処理に使用される。
【0066】
債務者の支払期日が到来した場合、最初に、図8に示すように、演算手段3によって、譲渡債権データ格納手段1から流動化フラグが付けられた(図21上段参照;流動化フラグの欄がYになっている)譲渡債権データが読み出され、同じく入金回収データ格納手段2に格納された各入金回収データとの突合処理がなされる。
【0067】
この突合処理で、そのまま突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとは、演算手段3により、その消し込みができた入金回収データと対応する譲渡債権データに対し、消し込み完了のデータを付加して、その結果を上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納する。
【0068】
また上記演算手段3による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、その債務者コードと同じ口座番号の付く次の入金回収データを読み出して、その入金額から不足する金額を差し引き、不足する側の入金回収データに充当させ、これらの譲渡債権データと該充当がなされた入金回収データの消し込み処理が行われる。さらに上記不足分が差し引かれた次の入金回収データの入金額は、その残額分で更新処理される。
【0069】
上述のように、演算手段3による突合処理の際に、入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、次の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われている場合に、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者コードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、演算手段3により、債務者コードが同じ口座番号の付く1乃至2以上のさらに次の入金回収データの入金額から、その不足する金額分が差し引かれて充当され、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理がなされる。そして上記不足分が差し引かれた該次の入金回収データの入金額がその残額分で更新される。これらの処理は、上記不足額が発生する毎に繰り返し行われることになる(連鎖的処理)。最後に、上記演算手段3により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データについては、消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納される。
【0070】
次に残った流動化以外の譲渡債権データについては、図8とほぼ同様な処理がなされる。すなわち、図9に示すように、演算手段3によって、譲渡債権データ格納手段1から流動化フラグが付いていない(図22上段参照;流動化フラグの欄がNになっている)譲渡債権データが読み出され、同じく入金回収データ格納手段2に格納された各入金回収データとの突合処理がなされる。
【0071】
この突合処理で、そのまま突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとは、演算手段3により、その消し込みができた入金回収データと対応する譲渡債権データに対し、消し込み完了のデータを付加して、その結果を上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納する。
【0072】
また上記演算手段3による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、その債務者コードと同じ口座番号の付く次の入金回収データを読み出して、その入金額から不足する金額を差し引き、不足する側の入金回収データに充当させ、これらの譲渡債権データと該充当がなされた入金回収データの消し込み処理が行われる。さらに上記不足分が差し引かれた次の入金回収データの入金額は、その残額分で更新処理される。
【0073】
上述のように、演算手段3による突合処理の際に、入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、次の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われている場合に、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者コードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、演算手段3により、債務者コードが同じ口座番号の付く1乃至2以上のさらに次の入金回収データの入金額から、その不足する金額分が差し引かれて充当され、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理がなされる。そして上記不足分が差し引かれた該次の入金回収データの入金額がその残額分で更新される。これらの処理は、上記不足額が発生する毎に繰り返し行われることになる(連鎖的処理)。
【0074】
最後に、上記演算手段3により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データについては、消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2に格納される。
【0075】
図10は、債権統括管理装置10の通信手段5により受信されるデータの該債権統括管理装置10内での処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
まず、同図に示すように、通信手段5によりデータが受信される(ステップS101)と、演算手段3により、そのデータが譲渡債権データであるか否かのチェックがなされる(ステップS102)。該データが、譲渡債権データであれば(ステップS102;Y)、グループ会社内のいずれかの会社の債権に関する譲渡債権データであるとして受信され(ステップS103)、上記譲渡債権データ格納手段1に格納される(ステップS104)。
【0077】
また上記ステップS102で、受信したデータが、譲渡債権データでなければ(ステップS102;N)、演算手段3により、そのデータが仮想口座番号のデータであるか否かのチェックがなされる(ステップS105)。
【0078】
該データが、仮想口座番号のデータであれば(ステップS105;Y)、仮想口座番号のデータであるとして受信され(ステップS106)、同一の債務者−原債権者関係毎にセットで金融機関ホスト30から送られてくる仮想口座番号が、図16の統合債権データの債務者コードとして割り当てられ、上記譲渡債権データ格納手段1に格納される(ステップS107)。
【0079】
さらに上記ステップS105で、受信したデータが、仮想口座番号のデータでなければ(ステップS105;N)、演算手段3により、そのデータが入金回収データであるか否かがチェックされる(ステップS108)。
【0080】
該データが、入金回収データであれば(ステップS108;Y)、入金回収データとして受信され(ステップS109)、上記入金回収データ格納手段2に格納される(ステップS110)。
【0081】
上記ステップS108で、データが入金回収データでない場合(ステップS108;N)、或いは上記ステップS104、ステップS107及びステップS110の処理が終了した後は、そこで、データ受信処理は終了する。これらの処理は、データが受信されるたびにオンデマンドで行われる。
【0082】
図11は、上記図7及び後述する図16〜図20で行われる、演算手段3により、流動化適格条件格納手段4が参照されて実行される、譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け[流動化フラグをYにしたり(立てる)反対にNにすること]・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順のソート、かつ同じ支払期日に複数の債権が有る場合での金額の大きい順のソートの処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
まず図7に示すように、流動化適格条件格納手段4が参照されて実行される流動化適格条件の判断が譲渡債権データの全部に対して行われ終了しているか否かがチェックされる(ステップS201)。最初は当然その全部に対して流動化適格条件の判断が終わっていないので(ステップS201;N)、演算手段3により、最初の流動化適格条件が流動化適格条件格納手段4から読み出される(ステップS202)。また債権統括管理装置10から譲渡債権データが読み出される(ステップS203)。
【0084】
そして上記演算手段3により、読み出された譲渡債権データは流動化適格条件を満足するか否かがチェックされる(ステップS204)。その譲渡債権データが流動化適格条件を満足していれば(ステップS204;Y)、譲渡債権データの流動化フラグ欄にYの記号が立てられる(流動化フラグが立てられる;ステップS205)。
【0085】
反対に該譲渡債権データが流動化適格条件を満足していなければ(ステップS204;N)、譲渡債権データの流動化フラグ欄にNの記号が立てられる(流動化フラグが削除される;ステップS206)。
【0086】
これらの処理の後上記ステップS201に復帰し、以上の処理を全ての譲渡債権データに対し、全流動化適格条件のチェックを繰り返す。全ての譲渡債権データに対し、全流動化適格条件のチェックが終了した場合(ステップS201;Y)、上記演算手段3により、通信手段5を介して、上記譲渡債権管理装置20に向けて流動化譲渡債権データが送信される(ステップS207)。
【0087】
その後、演算手段3により、流動化譲渡債権データの支払期日によるソート(早い順)及び金額によるソート(ステップS208)、並びに流動化以外の譲渡債権データの支払期日によるソート(早い順)及び金額によるソート(ステップS209)が、夫々行われ、さらに夫々の譲渡債権データについて、支払期日が到来したか否かがチェックされる(ステップS210)。
【0088】
各譲渡債権データについて、支払期日が到来しているものについては(ステップS210;Y)、図12のフローチャートに示す処理に移行する。
【0089】
図12は、上記図11のステップS210で支払期日が到来している流動化譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0090】
まず、譲渡債権データ格納手段1から、(譲渡フラグがYになっている)対処となる1の流動化譲渡債権データが演算手段3によって読み出される(ステップS301)。次に入金回収データ格納手段2から、読み出された流動化譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する最初の入金回収データが演算手段3によって読み出される(ステップS302)。
【0091】
そして上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額と入金額とが一致するか否かがチェックされる(ステップS303)。
【0092】
これらの債権金額と入金額とが一致すれば(ステップS303;Y)、該流動化譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS304)。すなわち、後述する図21の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる(図21の上段に示した譲渡債権データのデータ構造では、説明の都合上、回収期日、消し込み未済額、消し込み完了及び消し込み相手の欄が省略されている)。
【0093】
反対にこれらの債権金額と入金額とが一致していなければ(ステップS303;N)、上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額が入金額より大きいか否かがチェックされる(ステップS305)。
【0094】
該債権金額が入金額より大きければ(ステップS305;Y)、該流動化譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する次の入金回収データがあるか否かがチェックされる(ステップS306)。
【0095】
次の入金回収データがなければ(ステップS306;N)、最後に残った入金回収データの入金額の範囲で流動化譲渡債権データの債権金額との消し込み処理が行われ(ステップS313)、上記演算手段3により未済額が算出され、後述の図21の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み未済額」欄に、該未済額のデータが書き込まれる(ステップS314)。
【0096】
上記ステップS306で、次の入金回収データがあれば(ステップS306;Y)、演算手段3によって次の入金回収データが読み出される(ステップS307)。そして不足分(額)(譲渡債権データの債権額−最初の入金回収データの入金額)が、読み出された次の入金回収データの入金額から差し引かれ(ステップS308)、最初の入金回収データの入金額に充当される(ステップS309)。すなわち、その充当処理で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようになる。
【0097】
そして再度譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなったか否かがチェックされる(ステップS310)。
【0098】
等しくなっていなければ(ステップS310;N)、上記ステップS307に復帰し、以上の処理を繰り返す。すなわち、さらに次の入金回収データを読み出し、不足分(額)の差引・充当処理を繰り返し、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようにする。
【0099】
上記ステップS310で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなっていれば(ステップS310;Y)、該流動化譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS311)。すなわち、後述する図21の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。
【0100】
そして不足分(額)が差し引かれた入金回収データの入金額が、その差し引かれた状態の金額で更新処理される(ステップS312)。すなわち、差引の対象となった入金回収データの入金額が、その残額分で更新されることになる(複数の入金回収データから不足額が差し引かれ充当された場合は、その途中で入金額から不足額が差し引かれたものは、入金額が0となることもある)。
【0101】
上記ステップS304、ステップS312及びステップS314の処理後、全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了したか否かがチェックされる(ステップS315)。
【0102】
全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していなければ(ステップS315;N)、上記ステップS301に復帰し、次の流動化譲渡債権データの読込処理から以下の処理が行われる。
【0103】
反対に全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していれば(ステップS315;Y)、後述の図14の処理に移行する。
【0104】
また上記ステップS305で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくなければ(ステップS305;N)、図13に示されるように、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ(ステップS401)、該流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われる(ステップS402)。すなわち、後述する図21の下段に示される譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。そして債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される(ステップS403)。その後図12のステップS315に復帰する。
【0105】
図14は、上記図12のステップS315で全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していると判定された場合(ステップS315;Y)の、支払期日が到来している流動化以外の譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0106】
まず、譲渡債権データ格納手段1から、(譲渡フラグがNになっている)対処となる1の流動化以外の譲渡債権データが演算手段3によって読み出される(ステップS501)。
【0107】
次に入金回収データ格納手段2から、読み出された流動化以外の譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する最初の入金回収データが演算手段3によって読み出される(ステップS502)。
【0108】
そして上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額と入金額とが一致するか否かがチェックされる(ステップS503)。
【0109】
これらの債権金額と入金額とが一致すれば(ステップS503;Y)、該流動化以外の譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS504)。すなわち、後述する図22の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる(図22の上段に示した譲渡債権データのデータ構造では、説明の都合上、回収期日、消し込み未済額、消し込み完了及び消し込み相手の欄が省略されている)。
【0110】
反対にこれらの債権金額と入金額とが一致していなければ(ステップS503;N)、上記演算手段3により、読み出された両データの債権金額が入金額より大きいか否かがチェックされる(ステップS505)。
【0111】
該債権金額が入金額より大きければ(ステップS505;Y)、流動化以外の該譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する次の入金回収データがあるか否かがチェックされる(ステップS506)。
【0112】
次の入金回収データがなければ(ステップS506;N)、最後に残った入金回収データの入金額の範囲で譲渡債権データの債権金額との消し込み処理が行われ(ステップS513)、上記演算手段3により未済額が算出され、後述の図22の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み未済額」欄に、該未済額のデータが書き込まれる(ステップS514)。
【0113】
上記ステップS506で、次の入金回収データがあれば(ステップS506;Y)、演算手段3によって次の入金回収データが読み出される(ステップS507)。そして不足分(額)(譲渡債権データの債権額−最初の入金回収データの入金額)が、読み出された次の入金回収データの入金額から差し引かれ(ステップS508)、最初の入金回収データの入金額に充当される(ステップS509)。すなわち、その充当処理で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようになる。
【0114】
そして再度譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなったか否かがチェックされる(ステップS510)。
【0115】
等しくなっていなければ(ステップS510;N)、上記ステップS507に復帰し、以上の処理を繰り返す。すなわち、さらに次の入金回収データを読み出し、不足分(額)の差引・充当処理を繰り返し、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなるようにする。
【0116】
上記ステップS510で、譲渡債権データの債権額と最初の入金回収データの入金額とが等しくなっていれば(ステップS510;Y)、流動化以外の該譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理が行われる(ステップS511)。すなわち、後述する図22の中段及び下段に示される入金回収データ及び譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。
【0117】
そして不足分(額)が差し引かれた入金回収データの入金額が、その差し引かれた状態の金額で更新処理される(ステップS512)。すなわち、差引の対象となった入金回収データの入金額が、その残額分で更新されることになる(複数の入金回収データから不足額が差し引かれ充当された場合は、その途中で入金額から不足額が差し引かれたものは、入金額が0となることもある)。
【0118】
上記ステップS504、ステップS512及びステップS514の処理後、流動化以外の譲渡債権データの全ての消し込み処理が終了したか否かがチェックされる(ステップS515)。
【0119】
流動化以外の譲渡債権データの全ての消し込み処理が終了していなければ(ステップS515;N)、上記ステップS501に復帰し、次の流動化以外の譲渡債権データの読込処理から以下の処理が行われる。
【0120】
反対に流動化以外の譲渡債権データの全ての消し込み処理が終了していれば(ステップS515;Y)、そこで処理が終了する。
【0121】
また上記ステップS505で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくなければ(ステップS505;N)、図15に示されるように、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ(ステップS601)、流動化以外の該譲渡債権データの消し込み処理が行われる(ステップS602)。すなわち、後述する図22の下段に示される譲渡債権データの「消し込み完了」欄に、「済」のデータが書き込まれることになる。そして債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される(ステップS603)。その後図14のステップS515に復帰する。
【0122】
図16〜図20の図面は、流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化(証券化)に適した債権データを抽出する処理手順を示す説明図である。
【0123】
まず図16に示すように、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データは当初1〜10のデータが格納されているとする。そして上記演算手段3により、流動化適格条件格納手段4に格納されている特定適格債権銘柄(過去に債権の支払に関してデフォルトなどの問題を起こしていない銘柄や任意の投資格付け会社が投資適格として問題がないとしている銘柄など)から、本例では●●株式会社及び○○株式会社が流動化(証券化)に問題のない債務者の譲渡債権データとして選定される。
【0124】
さらに流動化適格条件格納手段4には、2002年9月25日〜2003年3月25日までと流動化可能支払期日が規定されているので、それに従って、上記演算手段3により、支払期日がその期間内のものが、今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データとして選定される。
【0125】
この選定処理が行われる結果、4の譲渡債権データと10の譲渡債権データとが流動化譲渡債権データから除かれる。すなわち、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。
【0126】
次に図17に示すように、流動化適格条件格納手段4には、上記銘柄(債務者名)毎に債務の上限額が夫々格納されており(●●株式会社については5000百万円、及び○○株式会社については3000百万円)、これまでに夫々の銘柄の債務の累積額も記録されていて(●●株式会社については3300百万円、及び○○株式会社については1800百万円)、そこから銘柄別流動化可能額が、●●株式会社については1700百万円、及び○○株式会社については1200百万円と記録されている。
【0127】
そこで上記演算手段3により以下のような計算処理がなされ、●●株式会社については、1の700百万円の債権金額+2の600百万円の債権金額+3の300百万円の債権金額は合計で、1600百万円であり、1700百万円の流動化可能額内のものであるが、さらに5の200百万円の債権金額を加えると1800百万円であって、1700百万円の流動化可能額を超えるので、今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データから、5の譲渡債権データが外される。すなわち、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。
【0128】
上記○○株式会社について同様な処理が行われ、その結果今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データから、9の譲渡債権データが外される。すなわち、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。その後に残った流動化譲渡債権データ候補データは、図18に示すように、1〜3及び6〜8の譲渡債権データである。
【0129】
その後これらの流動化譲渡債権データ候補データは、支払期日の早い順に、かつ同じ支払期日に複数の債権が有る場合には債権金額の大きい順にソートされ、図18の上段に示すような状態になる(この例では、支払期日は全て同じであるため、結果的に金額の大きい順にソートされている)。
【0130】
さらに、流動化適格条件格納手段4には、図19に示すように、上記特別目的会社において可能な証券発行枠が流動化枠金額として記録されており(全銘柄で7700百万円)、これまでに流動化可能として証券化された債務の累積額も記録されていて(既に5200百万円)、そこから全体の流動化可能額、即ち限度額が、2500百万円と記録されている。
【0131】
そこで上記演算手段3により以下のような計算処理がなされ、金額の大きな譲渡債権データから順にデータが抽出されて、債権金額の加算処理が行われる。その加算額が上記限度額を超過した場合は、最後に加算した金額が除外されて、次に大きな金額の譲渡債権データの債権金額が加算する処理がなされる。上記加算額が限度額に収まるまで、演算手段3により以上の処理が繰り返される。本例では(1のデータ+2のデータ+6のデータ+7のデータ+3のデータ)の合計額で、限度額を超過することになる。そのため、3のデータが除外され、次候補である8のデータが加算処理される。すると丁度2500百万円となり、上記限度額内に収まることになる。従って今回の流動化(証券化)に問題のない譲渡債権データから、3の譲渡債権データが外され、流動化以外の譲渡債権データとして、流動化フラグがNに設定される。
【0132】
以上の処理によって譲渡債権データ格納手段1に流動化フラグがNとされていない譲渡債権データは、図20に示されるものに絞られ、これらのデータは、流動化譲渡債権データとして、上記流動化フラグがYにセットされる。
【0133】
図21は、以上のようにして流動化フラグがYにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理が、上記図12及び図13の処理フローに従ってなされた状態を示す説明図である。
【0134】
ここで1の流動化譲渡債権データの債権金額は700百万円であるが、最初のaの入金回収データの入金額は650百万円であり、50百万円不足するので、次のbの入金回収データの入金額(400百万円)から、演算手段3により、不足分50百万円が差し引かれて、aの入金回収データの入金額に加算される。すると、1の流動化譲渡債権データの債権金額とaの入金回収データの入金額が同額になるので、1の流動化譲渡債権データ及びaの入金回収データにおける「消し込み完了」欄には、「済」のデータが記録される。もちろんその場合、両データの「消し込み未済額」欄の値は0円と記録される。
【0135】
他方上記処理で、bの入金回収データの入金額は、すでに不足分50百万円が差し引かれているので、その入金額は、残額分である350百万円に更新される。
【0136】
次に2の流動化譲渡債権データの債権金額は600百万円であるが、上記bの入金回収データの入金額は350百万円に更新されており、250百万円不足する。ところが、2の流動化譲渡債権データの債務者コードと一致する仮想口座番号を有する入金回収データは存在しないので、上述のような不足分の差引・入金額更新処理はできない。そのため、bの入金回収データの入金額である350百万円で、両データは消し込み処理がなされ、未済額として250百万円が残るため、2の流動化譲渡債権データ及びbの入金回収データは、消し込み未処理、即ちこれらのデータにおける「消し込み完了」欄は空欄のままとされ、さらにこれらのデータにおける「消し込み未済額」欄には、未済額として250百万円が記録される(本実施例の図21では説明を分かり易くするため、流動化譲渡債権データについてもわざわざ消し込み未完の例を入れているが、実際には消し込み未完の例は少ない)。
【0137】
以下同様にして、6〜8の流動化譲渡債権データにつき、残った入金回収データとの間で同様な処理が行われ、最終的に流動化譲渡債権データの消し込み処理した結果のデータについては、図21の下段に示すような状態で譲渡債権データ格納手段1に格納される。尚、同図では上記次のデータとの不足額の差し引き・充当・消し込み処理がどのデータで行われたかを参考的に示すため、図上、消し込み相手の欄が設けられて図示されている(この「消し込み相手」の欄は理解を容易にするため図示されており、必ずしも必要ではない)。
【0138】
流動化以外の譲渡債権データに対しても同様な処理が行われる。すなわち図22は、流動化フラグがNにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化以外の譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理が、上記図14及び図15の処理フローに従ってなされた状態を示す説明図である。
【0139】
基本的な処理の流れは、上記と同様であり、その詳細については省略する。ただし、9の譲渡債権データについては、その債務者コードと一致する仮想口座番号を有するg及びhの入金回収データが、図21の流動化譲渡債権データの消し込み処理において、既に処理の対象となっており(g及びhの入金回収データの「消し込み完了」欄は、「済」のデータが記録されている)、消し込み処理が不能である。そのため、9の譲渡債権データについては、「消し込み完了」欄は空欄のままであり、またその債権金額がそのまま消し込み未済額として記録されている。
【0140】
以上説明した本発明の実施例構成によれば、演算手段3が、上記突合処理の際に、最初に流動化フラグの付いた(該フラグがYである)譲渡債権データを全て抽出して、入金回収データとの消し込み処理(但し譲渡債権データの債務者コードと入金回収データの仮想口座番号とが同じものの範囲で行われる)が、該演算手段3によって優先的に行われるため、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日までにその回収ができない場合でも、上記流動化による証券を購入した投資家α、β及びγなどに対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題を発生させることが、従前に比べほとんどなくなる。従って債権を譲渡する側の信用が落ち、債権の流動化が、以後そのグループ関連会社では困難になる(或いは格付けなどの低下につながる)などの可能性が低くなる(本実施例の図21では説明を分かり易くするため、流動化譲渡債権データについてもわざわざ消し込み未完の例を入れているので、実際としては上記のような問題の発生の可能性が低くなる)。
【0141】
特に、上述のような優先的に流動化債権の消し込み処理が行われ、流動化した譲渡債権データに対し、債務者コードと一致する仮想口座番号を有する入金回収データがある限り、不足分を穴埋めするような消し込み処理が行われ、さらに、該不足分の充当により、他の入金回収データの入金額が、上記充当のために差し引かれた不足分だけ(該他の入金回収データがそれ自身不足分を有している場合はさらに累積的に不足分が増える)最初の入金額より減算されて、該他の入金回収データの入金額として更新されるため、そのような不足分の充当処理が連鎖的に行われている。
【0142】
このような連鎖的な不足分の充当・消し込み処理が行われる場合、最初に優先的に流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われるため、まずほとんどの場合に、流動化譲渡債権データに対しては不足額の発生がなく、消し込み処理が行われるようになる。すなわち、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段1に格納せしめられるのは、流動化されなかった残りの譲渡債権データが主となり、流動化による証券を購入した投資家などに損失を与えることが少なくなる(本実施例の図21では説明を分かり易くするため、流動化譲渡債権データについてもわざわざ消し込み未完の例を入れている)。
【0143】
尚、本発明の債権消し込み処理装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0144】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜請求項9記載の債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体によれば、突合処理の際に、最初に流動化譲渡債権データを全て抽出して、入金回収データとの消し込み処理(但し譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号とが同じものの範囲で行われる)が、優先的に行われるため、債権回収が遅延するなどの理由から、精算日までにその回収ができない場合でも、上記流動化による証券を購入した投資家に対し、期限に投資元本の償還が出来ないなどの問題を発生させることが、従前に比べ少なくなり、従って債権を譲渡する側の信用が落ち、債権の流動化が、以後その債権譲渡側で困難になる(或いは格付けなどの低下につながる)などの可能性が低くなるという優れた効果を奏することが可能となる。
【0145】
特に、上述のような優先的に流動化債権の消し込み処理が行われ、流動化した譲渡債権データに対し、債務者のコードと一致する口座番号を有する入金回収データがある限り、不足分を穴埋めするような消し込み処理が行われ、さらに、該不足分の充当により、他の入金回収データの入金額が、上記充当のために差し引かれた不足分だけ(該他の入金回収データがそれ自身不足分を有している場合はさらに累積的に不足分が増える)最初の入金額より減算されて、該他の入金回収データの入金額として更新されることになり、そのような不足分の充当処理が連鎖的に行われることになる。このような連鎖的な不足分の充当・消し込み処理が行われる場合、最初に優先的に流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われるため、まずほとんどの場合に、流動化譲渡債権データに対しては不足額の発生がなく消し込み処理が行われるようになるので、流動化による証券を購入した投資家などに損失を与えることが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態構成について、グループ関連会社の債権一括譲渡を行った場合の説明図である。
【図2】上記の場合の、グループ関連会社、Y信託銀行、債務者、取引金融機関、特別目的会社及び投資家の関係を説明する説明図である。
【図3】債権が回収された場合の債権統括管理装置10における消し込み処理と譲渡債権管理装置20における債権回収管理処理が行われる状態を示す説明図である。
【図4】演算手段3により実行される譲渡債権データの譲渡債権データ格納手段1への格納手順を示す機能ブロック図である。
【図5】演算手段3により実行される譲渡債権データ格納手段1への債務者コードの割当手順を示す機能ブロック図である。
【図6】演算手段3により実行される入金回収データの入金回収データ格納手段2への格納手順を示す機能ブロック図である。
【図7】演算手段3により実行される流動化適格条件格納手段4を参照した譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け、これらの譲渡債権データの金額の大きい順のソート及び支払期日のチェック手順を示す機能ブロック図である。
【図8】演算手段3により実行される流動化譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理手順を示す機能ブロック図である。
【図9】演算手段3により実行される流動化以外の譲渡債権データと入金回収データとの突合・不足補充・消し込み処理及びその連鎖的処理、さらにその結果としての上記譲渡債権データ格納手段1及び入金回収データ格納手段2へのデータ更新処理手順を示す機能ブロック図である。
【図10】債権統括管理装置10の通信手段5により受信されるデータの該債権統括管理装置10内での処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】演算手段3により、流動化適格条件格納手段4が参照されて実行される、譲渡債権データの流動化の適格性の判断及びそれに従った譲渡債権データの区分け・これらの譲渡債権データの支払期日の早い順によるソート及び金額の大きい順のソート並びに支払期日のチェックの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS210で支払期日が到来している流動化譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図12のステップS305で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくない場合に、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ、流動化譲渡債権データの消し込み処理が行われると共に、債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される手順を示すフローチャートである。
【図14】図12のステップS315で全ての流動化譲渡債権データの消し込み処理が終了していると判定された場合の、支払期日が到来している流動化以外の譲渡債権データについての突合・消し込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップS505で、読み出された両データの債権金額が入金額より大きくない場合に、入金回収データの入金額から債権金額分が差し引かれ、流動化以外の譲渡債権データの消し込み処理が行われると共に、債権金額分が差し引かれた差引残額分で、入金回収データの入金額が更新処理される手順を示すフローチャートである。
【図16】流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化に適した債権データを抽出する1つめの処理手順を示す説明図である。
【図17】同じく流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化に適した債権データを抽出する2つめの処理手順を示す説明図である。
【図18】上記抽出処理で残った、譲渡債権データ格納手段1に格納されている譲渡債権データの状態を示す説明図である。
【図19】同じく流動化適格条件格納手段4に格納された流動化適格条件に従って、演算手段3により、譲渡債権データ格納手段1に格納された譲渡債権データから、流動化に適した債権データを抽出する3つめの処理手順を示す説明図である。
【図20】上記抽出処理で最終的に残った、譲渡債権データ格納手段1に格納されている流動化譲渡債権データの状態を示す説明図である。
【図21】流動化フラグがYにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理がなされた状態を示す説明図である。
【図22】流動化フラグがNにセットされて譲渡債権データ格納手段1に格納された流動化以外の譲渡債権データと、上記入金回収データ格納手段2に格納された入金回収データとの突合処理・不足分補充処理・消し込み処理がなされた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 譲渡債権データ格納手段
2 入金回収データ格納手段
3 演算手段
4 流動化適格条件格納手段
5 通信手段
6 RAM
7 プログラム格納手段
10 債権統括管理装置
11、12 端末
20 譲渡債権管理装置
30 金融機関ホスト
X 親会社
A、B 関連子会社
SPC 特別目的会社
α、β、γ 投資家
Claims (9)
- 流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段とを備えており、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行う
ことを特徴とする債権消し込み処理装置。 - 流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段とを備えており、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行い、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
上記消し込み演算手段による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、不足する金額分を、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行い、さらに上記不足分が差し引かれた他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を行う
ことを特徴とする債権消し込み処理装置。 - 上記消し込み演算手段による突合処理の際に入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行う処理につき、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者のコードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、その不足する金額分につき、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く1乃至2以上のさらに他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行うと共に、上記不足分が差し引かれた該他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を上記不足額が発生する毎に繰り返し行わせ、最後に、上記消し込み演算手段により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納させることを特徴とする請求項2記載の債権消し込み処理装置。
- 上記消し込み演算手段による突合処理は、債務者のコードを照合キーとして行い、該債務者のコードで譲渡債権データをソートすると共に、支払期日(債権者にとっては回収期日)の早い順、かつ同じ支払期日に複数のデータが有る場合には債権金額の大きい順に並べ替えた該譲渡債権データに対し、支払期日の早い順、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順に、対応する入金回収データとの上記消し込み処理、又は対応する入金回収データ及び他の入金回収データとの上記消し込み処理を行うことを特徴とする請求項1〜3いずれか1つに記載の債権消し込み処理装置。
- コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段として機能させ、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行う
ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - コンピュータに読み込まれて実行されることで、該コンピュータを、
流動化する債権と流動化できない債権が一括信託譲渡された際に作成されるこれらの譲渡債権データにつき、少なくとも、債権の回収時に入金に使用される口座番号と一致する債務者のコードと、債権金額と、支払期日と、流動化する債権か否かを示すデータとを含む上記譲渡債権データを格納する譲渡債権データ格納手段と、
これら一括譲渡された債権が回収された際に作成される入金回収データにつき、少なくとも、夫々の債権の回収時に入金に使用される口座番号と、入金額と、入金日とを含む上記入金回収データを格納する入金回収データ格納手段と、
上記譲渡債権データ格納手段に格納された譲渡債権データのうち支払期日の到来した各譲渡債権データと入金回収データ格納手段に格納された各入金回収データとを突合して、突合のできた入金回収データと対応する譲渡債権データとの消し込み処理を行い、その消し込みができた譲渡債権データに消し込み完了のデータを付加してその結果を上記譲渡債権データ格納手段に格納する消し込み演算手段として機能させ、
該消し込み演算手段は、上記突合処理の際に、最初に流動化する債権であること示すデータを含む譲渡債権データを全て抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行い、
次に残った譲渡債権データを抽出して、譲渡債権データの債務者のコードと入金回収データの口座番号との突き合わせ、及び譲渡債権データの債権金額と入金回収データの入金額との突き合わせを少なくとも行うことで、消し込み処理を行うと共に、
上記消し込み演算手段による突合処理の際に、譲渡債権データの債権金額に対し、対応する入金回収データの入金額が不足する場合に、不足する金額分を、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行い、さらに上記不足分が差し引かれた他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を行う
ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - 上記消し込み演算手段による突合処理の際に入金回収データの入金額が不足し、不足する金額分を、他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行う処理につき、上記不足分が差し引かれてその残額分で入金額の更新された入金回収データがその口座番号と同一の債務者のコードを有する次の譲渡債権データと突合処理された際に、さらに該入金回収データの更新された入金額が債権金額に対し不足する場合、その不足する金額分につき、同じ債務者のコード乃至口座番号の付く1乃至2以上のさらに他の入金回収データの入金額から差し引いて充当させ、これらの譲渡債権データと入金回収データの消し込み処理を行うと共に、上記不足分が差し引かれた該他の入金回収データの入金額をその残額分で更新する処理を上記不足額が発生する毎に繰り返し行わせ、最後に、上記消し込み演算手段により、消し込み処理ができなくなった譲渡債権データにつき消し込み未完としてその未済額と共に上記譲渡債権データ格納手段に格納させることを特徴とする請求項6記載のコンピュータ・プログラム。
- 上記消し込み演算手段による突合処理は、債務者のコードを照合キーとして行い、該債務者のコードで譲渡債権データをソートすると共に、支払期日(債権者にとっては回収期日)の早い順、かつ同じ支払期日に複数のデータが有る場合には債権金額の大きい順に並べ替えた該譲渡債権データに対し、支払期日の早い順、かつ同じ支払期日に複数の債権データが有る場合には金額の大きい順に、対応する入金回収データとの上記消し込み処理、又は対応する入金回収データ及び他の入金回収データとの上記消し込み処理を行うことを特徴とする請求項5〜請求項7いずれか1つに記載のコンピュータ・プログラム。
- 上記請求項5〜請求項8いずれか1つに記載の記載のコンピュータ・プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078882A JP2004287834A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078882A JP2004287834A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004287834A true JP2004287834A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33293241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003078882A Withdrawn JP2004287834A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 債権消し込み処理装置、コンピュータ・プログラム及び記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004287834A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014215824A (ja) * | 2013-04-25 | 2014-11-17 | 株式会社三井住友銀行 | 電子記録債権の流動化管理システム |
JP7393391B2 (ja) | 2021-07-26 | 2023-12-06 | 株式会社オービック | 融資管理装置、融資管理方法、およびプログラム |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003078882A patent/JP2004287834A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014215824A (ja) * | 2013-04-25 | 2014-11-17 | 株式会社三井住友銀行 | 電子記録債権の流動化管理システム |
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