JP2023013162A - 電動ポンプ装置、およびその制御方法 - Google Patents

電動ポンプ装置、およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】受け付けた指令回転数に対するモータの実回転数を出力する構成において、指令回転数と実回転数の乖離を判断し、モータの出力を適正な値に抑えることができる電動ポンプ装置、およびその制御方法を提供することである。【解決手段】電動オイルポンプ装置100は、オイルを循環させるポンプ10と、ポンプ10を駆動させるモータ20と、受け付けた指令回転数に基づいてモータ20を駆動させる制御部30と、モータ20に流れるモータ電流を検出する電流検出部40と、モータ20の回転数を検出する回転センサ50と、を備える。制御部30は、オイルの圧力(油圧)に対するモータ電流の関係に基づいて、あらかじめ設定させた設定値以上のモータ電流を電流検出部40が検出した場合、回転センサ50で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力する。【選択図】図1

Description

本開示は、電動ポンプ装置、およびその制御方法に関する。
従来、自動車の自動変速機構電動などに電動オイルポンプ装置が搭載されている。この電動オイルポンプ装置には、たとえば、特許第5275071号公報(特許文献1)記載されているように、小型、長寿命の観点からブラシレスモータが採用されている。
特許第5275071号公報
特許文献1に記載の電動オイルポンプ装置では、上位システムのコントローラからの単位時間当たりの指令回転数(以下、本開示では単に指令回転数とも称する)に基づいてポンプを駆動し、ポンプの状態を把握するために指令回転数に対するモータの単位時間当たりの実回転数(以下、本開示では単に実回転数とも称する)を上位システムのコントローラに返している。そのため、上位システムのコントローラは、指令回転数に対してモータの実回転数が一致または近似していなければポンプを駆動するモータが異常であると判断する。
しかし、上位システムのコントローラの構成によっては、電動オイルポンプ装置により直接循環させる油圧ではなく、間接的に油圧を測定してモータの指令回転数を制御するため、指令回転数に対してモータの実回転数が乖離する場合がある。電動オイルポンプが発生させる油圧を測定していないので、負荷が大きくなると回転数が落ちてしまい、実回転数と指令回転数との乖離が生じてしまう。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、受け付けた指令回転数に対するモータの実回転数を出力する構成において、モータの出力を適正な値に抑えつつ、指令回転数と実回転数とが乖離してもモータが正常であることを判断する電動ポンプ装置、およびその制御方法を提供することである。
本開示に係る電動ポンプ装置は、媒体を循環させる電動ポンプ装置である。電動ポンプ装置は、媒体を循環させるポンプと、ポンプを駆動させるモータと、受け付けた指令回転数に基づいてモータを駆動させる制御部と、モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部と、モータの回転数を検出する回転検出部と、を備え、制御部は、媒体の圧力に対するモータ電流の関係に基づいてあらかじめ設定値を設定し、設定値以上のモータ電流を電流検出部が検出した場合、回転検出部で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力する。
本開示に係る電動ポンプ装置の制御方法は、媒体を循環させるポンプと、ポンプを駆動させるモータと、受け付けた指令回転数に基づいてモータを駆動させる制御部と、モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部と、モータの回転数を検出する回転検出部と、を備える電動ポンプ装置の制御方法であって、媒体の圧力に対するモータ電流の関係に基づいてあらかじめ設定値を設定し、設定値以上のモータ電流を電流検出部が検出したか否かを判断するステップと、電流検出部が検出したモータ電流が設定値以上の場合、回転検出部で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力するステップと、を含む。
本開示によれば、設定値以上のモータ電流を電流検出部が検出した場合、回転検出部で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力するので、指令回転数に対してモータの実回転数に乖離があっても、モータの出力を適正な値に抑えることができる。
実施の形態1に係るオイルポンプシステムの構成を概略的に示す図である。 電動オイルポンプ装置における指令回転数とモータの実回転数との関係を説明するための図である。 実施の形態1に係る電動オイルポンプ装置の制御方法を示すフローチャートである。 電動オイルポンプ装置におけるモータ電流と油圧との関係を説明するための図である。 実施の形態1に係る電動オイルポンプ装置の構成を示すブロック図である。 電動オイルポンプ装置から出力される回転数の信号を示す図である。 電動オイルポンプ装置におけるモータの回転数とモータ電流、モータ端子電圧との関係を説明するための図である。 実施の形態2に係るオイルポンプシステムの構成を概略的に示す図である。 電動オイルポンプ装置における温度ごとのモータの回転数とモータ電流、モータ端子電圧との関係を説明するための図である。 本開示に係る電動オイルポンプの断面図である。 本開示に係る電動オイルポンプの斜視外観図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係るオイルポンプシステム1の構成を概略的に示す図である。図1を参照して、オイルポンプシステム1は、電動オイルポンプ装置100と、上位システム200と、オイルパン300とを備える。
本開示においては、オイルを循環させる電動オイルポンプ装置100について開示する。特に、電動オイルポンプ装置100は、上位システム200のコントローラ201からの指示回転数に応じて、モータを回転させ、変速機にオイルを供給するための車載向けA/T用である。
なお、電動オイルポンプ装置100は、車載向けA/T用に限定されず、また循環させる媒体もオイルに限定されない。循環させる媒体は、水、空気などであってもよく、媒体を循環させる電動ポンプ装置であれば本開示を適用することができる。
上位システム200は、コントローラ201を有している。コントローラ201は、上位システム200に含まれる負荷202の油圧を圧力計210で監視して、電動オイルポンプ装置100の駆動を制御している。コントローラ201は、たとえばECU(Electronic Control Unit)またはPLC(Programmable Logic Controller)である。電動オイルポンプ装置100とコントローラ201とは、たとえば、シリアル伝送形式の信号線により接続されている。コントローラ201は、電動オイルポンプ装置100のみならず、圧力計210、バルブボディ220などが接続されている。
オイルポンプシステム1には、図1に示すように電動オイルポンプ装置100以外に、オイルパン300からオイルを汲み上げるポンプ230、およびポンプ230を駆動するエンジン240を有している。バルブボディ220は、上位システム200に繋がる経路を切り替える構成で、電動オイルポンプ装置100側の循環経路、またはポンプ230側の循環経路の一方の経路を上位システム200に繋げる。そのため、上位システム200側に設けた圧力計210で測定した油圧は、バルブボディ220で繋がっている側の経路の油圧となる。つまり、バルブボディ220によりポンプ230側の循環経路を上位システム200に繋げている場合、コントローラ201は、圧力計210で測定した油圧で電動オイルポンプ装置100の油圧を監視することがでない。
コントローラ201は、圧力計210で測定した油圧に基づいて、電動オイルポンプ装置100の指令回転数を演算し、電動オイルポンプ装置100に対して出力する。電動オイルポンプ装置100は、コントローラ201からの指令回転数に従ってモータ20を制御する。電動オイルポンプ装置100は、ポンプ10と、モータ20と、制御部30と、回転センサ50と、リリーフ弁60とを含む。
ポンプ10は、たとえば、トロコイドポンプ(内接ギア)である。もちろん、ポンプ10は、ベーン、ピストンポンプなどでもよい。回転センサ50は、モータ20の実回転数を検出する。具体的に、回転センサ50は、磁極センサを用いたセンサであり、モータ20の回転軸の端部に設けられたセンサ用マグネットの回転を検出している。回転センサ50は、磁極センサに限定されず、ホールICと磁気パルサーリングとを組み合わせたセンサなどでもよい。リリーフ弁60は、電動オイルポンプ装置100の循環経路の油圧が一定以上になると開弁し、油圧を調整する弁である。リリーフ弁60は、たとえば、ボール弁、ポペット弁、スプール弁などである。また、リリーフ弁60は、電動オイルポンプ装置100の内部に配置されているが、電動オイルポンプ装置100が接続されるシステムの側に配置されてもよい。
制御部30は、CPU、メモリ、入力インターフェースおよび出力インターフェースを含み、コントローラ201と通信するように構成される。制御部30は、コントローラ201からモータ20の指令回転数を入力インターフェースで受け付ける。指令回転数は、モータ20を駆動させる目標の回転数である。コントローラ201は、指令回転数に基づいて電動オイルポンプ装置100を駆動させる。なお、指令回転数は、指令回転速度で表現してもよい。また、実回転数は、実回転速度で表現してもよい。
上位システム200のコントローラ201は、圧力計210で測定した油圧を監視しているが、油圧のフィードバック制御で電動オイルポンプ装置100の回転数を調整しておらず、ある基準(例えば、マップ)に基づいて回転数を指令している。そのため、コントローラ201は、指令回転数として必要以上回転数を電動オイルポンプ装置100に指令する場合がある。
図2は、電動オイルポンプ装置100における指令回転数とモータ20の実回転数との関係を説明するための図である。図2に示す横軸はモータ20のトルクで、縦軸は回転数である。電動オイルポンプ装置100の循環経路と、圧力計210の経路とが分断された状態のときであっても、モータ20の実回転数は、図2に示すように必要な油圧を得るために必要な最低回転数以上の回転数を確保している。
電動オイルポンプ装置100は、コントローラ201から受け付けた指令回転数を維持しようとすると、必要としている流量より過剰にポンプ10を駆動することになり、本来必要となる出力よりも高い出力のモータを用いることになり、モータが非常に大型化する。そこで、本実施の形態では、電動オイルポンプ装置100において異常でないことを把握した上で、指令回転数に対するモータ20の実回転数ではなく、ダミーとして指令回転数に相当する応答回転数をコントローラ201に出力する。電動オイルポンプ装置100は、ダミーの応答回転数をコントローラ201に出力することで、指令回転数とモータ20の実回転数とが乖離したことによる異常検知を回避することができる。
電動オイルポンプ装置100は、モータ20の実回転数が最低回転数以上の回転数を確保しているのであれば、必要な油圧を得ることができているとして異常でないことを把握できる。より好ましくは、電動オイルポンプ装置100は、モータ電流と油圧との関係から必要な油圧を得ることができていることを判断する。図3は、実施の形態1に係る電動オイルポンプ装置100の制御方法を示すフローチャートである。図4は、電動オイルポンプ装置100におけるモータ電流と油圧との関係を説明するための図である。
まず、制御部30は、モータ電流を検出する(ステップS101)。モータ電流は、モータ20を駆動するコントローラ基板(インバータ回路)上に設けた電流検出素子で検出してよく、モータ20の実回転数、誘起電圧などから推定してもよい。電流検出素子として、例えばインバータ回路に配置されたシャント抵抗がある。図5は、実施の形態1に係る電動オイルポンプ装置100の構成を示すブロック図である。なお、図5に示す電動オイルポンプ装置100のうち、モータ20、制御部30、および回転センサ50について詳しく図示しているが、ポンプ10、リリーフ弁60などについては図示を省略している。
モータ20は、3相のモータ巻線を備えるブラシレスモータである。制御部30は、インバータ部31、電流検出部40、およびモータ制御部32を備える。インバータ部31は、6つのスイッチング素子301~306を有し、モータ巻線への電力を変換している。スイッチング素子301~306は、MOSFETであるが、IGBTやサイリスタ等であってもよい。
高電位側に配置されるスイッチング素子301~303は、上側母線307と接続され、低電位側に配置されるスイッチング素子304~306は、下側母線308と接続される。電流検出部310は、インバータ部31の低電位側に設けられ、スイッチング素子304~306のそれぞれに電流検出素子311~313が電気的に接続されている。電流検出素子311~313は、いずれもシャント抵抗である。電流検出素子311~313の両端電圧は、それぞれ、相電流Iに係る検出値としてモータ制御部32に出力される。
電流検出部310で検出されたモータ電流は、電動オイルポンプ装置100の油圧と図4に示すグラフRの関係を有している。図4に示す横軸は油圧で、縦軸はモータ電流である。このグラフRの関係に基づき、電動オイルポンプ装置100が必要とする油圧が得られるモータ電流の値を設定値としてあらかじめ設定する。
図3に戻って、制御部30は、ステップS101で検出したモータ電流が設定値以上か否か判断する(ステップS102)。モータ電流が設定値以上の場合(ステップS102でYES)、制御部30は、必要とする油圧が得られており、異常でないことを把握できる。さらに、制御部30は、入力された指定回転数とモータ20の実回転数との乖離の有無を判断する(ステップS103)。ここで、指定回転数とモータ20の実回転数とに乖離が有るとは、たとえば、指定回転数とモータ20の実回転数との差分の絶対値がモータ20の実回転数の20%以上である場合とする。
入力された指定回転数とモータ20の実回転数とに乖離がない場合(ステップS103でNO)、またはモータ電流が設定値未満の場合(ステップS102でNO)、制御部30は、モータ20の実回転数をコントローラ201に出力する(ステップS104)。
一方、入力された指定回転数とモータ20の実回転数とに乖離がある場合(ステップS103でYES)、制御部30は、ダミーとして指令回転数に相当する応答回転数をコントローラ201に出力する(ステップS105)。
前述のフローチャートでは、制御部30が、モータ電流が設定値以上の場合(ステップS102でYES)、入力された指定回転数とモータ20の実回転数との乖離の有無を判断する(ステップS103)と説明した。しかし、制御部30は、入力された指定回転数とモータ20の実回転数との乖離の有無を判断せずに、モータ電流が設定値以上の場合(ステップS102でYES)、ダミーの応答回転数をコントローラ201に出力する(ステップS105)としてもよい。
次に、制御部30からコントローラ201に出力するモータ20の回転数(指令回転数)の信号について説明する。図6は、電動オイルポンプ装置100から出力される回転数の信号を示す図である。図6のうち上側の図は、横軸を時間、縦軸を回転数または油圧として、指令回転数、実回転数、および油圧の時間変化が図示されている。図6に示す実線のグラフは、コントローラ201からの指令回転数の時間変化を示している。図6に示す破線のグラフは、モータ20の実回転数の時間変化を示している。図6に示す一点鎖線のグラフは、ポンプ10から吐出される油圧の時間変化を示している。信号Aは、モータ20の実回転数のみの信号で、信号Bは、本実施の形態に係る信号でダミーの応答回転数を含む信号である。なお、信号Aおよび信号Bは、回転数の変化に応じてDuty比を変化させる信号である。
図6の上側の図において、S時間のタイミングでモータ電流が設定値以上となり必要な油圧が得られている場合に、指令回転数とモータ20の実回転数とに乖離が生じている。そのため、制御部30は、信号Aのようにモータ20の実回転数に合わせたDuty比の小さい信号を出力するのではなく、信号Bのように指令回転数に合わせたDuty比の大きい信号を出力する。
また、モータ20の実回転数は、回転センサ50を用いて検出すると説明したが、モータ20の誘起電圧、モータ端子電圧などを使って算出してもよい。図7は、電動オイルポンプ装置100におけるモータ20の回転数とモータ電流、モータ端子電圧との関係を説明するための図である。図7に示す横軸はモータ20の回転数で、左側の縦軸はモータ電流で、右側の縦軸はモータ端子電圧である。図7に示す実線のグラフは、モータ20の回転数とモータ電流との関係を示すグラフである。図7に示す一点鎖線のグラフは、モータ20の回転数とモータ端子電圧との関係を示すグラフである。なお、モータ20の回転数は、モータ20の回転数であり、モータ20の回転速度で表現してもよい。
たとえば、図5に示すモータ制御部32は、モータ端子電圧に基づいてモータ20の回転数を推定する推定部33を有している。推定部33は、図7に示す一点鎖線のグラフのデータがあらかじめ記憶されており、当該データとインバータ部31から取得できるモータ端子電圧とに基づいてモータ20の回転数を推定する。
電動オイルポンプ装置100は、推定部33と回転センサ50とのいずれか一方を設ける構成に限定されず、冗長させて推定部33と回転センサ50との両方を設けてもよい。電動オイルポンプ装置100は、推定部33と回転センサ50とを両方設ける場合、推定部33で推定したモータ20の回転数(推定回転数)と、回転センサ50で検出したモータ20の回転数とを比較し、両者の値が所定の差(たとえば、10%)以上の場合、何らかの異常が発生していると判断してもよい。さらに、電動オイルポンプ装置100は、両者の値が所定の差以上の場合、ダミーの応答回転数をコントローラ201に出力させないように制限してもよい。
さらに、電動オイルポンプ装置100では、リリーフ弁60を設ける構成を説明したが、リリーフ弁60を設けない構成であってもよい。電動オイルポンプ装置100は、リリーフ弁60を設けることで油圧が上限値を越えて過剰になっていることを機械的に判断することができ、信頼性の観点から有利である。しかし、電動オイルポンプ装置100は、モータ電流から必要な油圧に対して過剰になっているか否かを判定することができるため、リリーフ弁60を省くことでコストを低減できる。
以上のように、実施の形態1に係る電動オイルポンプ装置100は、オイル(媒体)を循環させる電動ポンプ装置である。電動オイルポンプ装置100は、オイルを循環させるポンプ10と、ポンプ10を駆動させるモータ20と、受け付けた指令回転数に基づいてモータ20を駆動させる制御部30と、モータ20に流れるモータ電流を検出する電流検出部40と、モータ20の回転数を検出する回転センサ50と、を備える。制御部30は、オイルの圧力(油圧)に対するモータ電流の関係に基づいてあらかじめ設定値を設定し、設定値以上のモータ電流を電流検出部40が検出した場合、回転センサ50で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力する。
これにより、実施の形態1に係る電動オイルポンプ装置100は、設定値以上のモータ電流を電流検出部40が検出した場合、回転センサ50で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力するので、指令回転数に対してモータの実回転数に乖離があっても、モータの出力を適正な値に抑えることができる。そのため、電動オイルポンプ装置100は、コントローラ201がモータ20の実回転数を指令回転数に近づけようとして過剰な出力をモータ20に求めることを回避でき、モータ20を小型化することができる。
制御部30は、設定値以上のモータ電流を電流検出部40が検出した場合、実回転数と指令回転数との乖離が所定値以上か否かを判断し、乖離が所定値以上の場合に、実回転数に代えて応答回転数を出力することが好ましい。これにより、電動オイルポンプ装置100は、実回転数と指令回転数との乖離が大きい場合に限り、応答回転数を出力することができる。
制御部30は、電動オイルポンプ装置100を含むオイルポンプシステム1を制御するコントローラ201から指令回転数を受け付け、指令回転数に対する応答として実回転数または応答回転数をコントローラ201に出力することが好ましい。これにより、電動オイルポンプ装置100は、コントローラ201がモータ20の実回転数を指令回転数に近づけようとして過剰な出力をモータ20に求めることを回避できる。
電流検出部40は、モータ20に流れるモータ電流を検出するシャント抵抗を含むことが好ましい。これにより、電動オイルポンプ装置100は、簡単にモータ電流を検出することができる。
回転検出部は、モータ20の回転数を検出する回転センサ50、およびモータ20の誘起電圧またはモータ端子電圧に基づいてモータ20の回転数を推定する推定部33のうち少なくとも一方を有することが好ましい。これにより、電動オイルポンプ装置100は、簡単にモータ20の回転数を得ることができる。
回転検出部は、モータ20の回転数を検出する回転センサ50、およびモータ20の誘起電圧またはモータ端子電圧に基づいてモータ20の回転数を推定する推定部33を有し、制御部30は、回転センサ50で検出したモータ20の回転数と、推定部33で推定したモータの推定回転数との差が所定の差以上の場合、回転異常と判断し、応答回転数を出力しないことが好ましい。これにより、電動オイルポンプ装置100は、モータ20の異常を検出できるとともに、モータ20の異常時にダミーの応答回転数を出力させないように制限することができる。
オイルの圧力を調整するリリーフ弁60をさらに備えることが好ましい。これにより、電動オイルポンプ装置100は、油圧が上限値を越えて過剰になっていることを機械的に判断することができ、信頼性が向上する。
電動オイルポンプ装置100の制御方法であって、オイルの圧力(油圧)に対するモータ電流の関係に基づいてあらかじめ設定値を設定し、設定値以上のモータ電流を電流検出部40が検出したか否かを判断するステップと、電流検出部40が検出したモータ電流が設定値以上の場合、回転センサ50で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力するステップと、を含む。これにより、実施の形態1に係る電動オイルポンプ装置100の制御方法は、設定値以上のモータ電流を電流検出部40が検出した場合、回転センサ50で検出した実回転数に代えて指令回転数に相当する応答回転数を出力するので、指令回転数に対してモータの実回転数に乖離があっても、モータの出力を適正な値に抑えることができる。
[実施の形態2]
電動オイルポンプ装置が循環させるオイルは温度の影響を受けて粘度が変化する。そこで、実施の形態2に係る電動オイルポンプ装置では、温度を考慮した制御について説明する。図8は、実施の形態2に係るオイルポンプシステム1Aの構成を概略的に示す図である。オイルポンプシステム1Aは、電動オイルポンプ装置100Aと、上位システム200と、オイルパン300とを備える。電動オイルポンプ装置100Aは、モータ2の温度を検出する温度センサ70を備えている。
電動オイルポンプ装置100Aは、温度センサ70を備えている点以外、図1に示した電動オイルポンプ装置100と同じ構成を有している。また、オイルポンプシステム1Aは、温度センサ70を備えている電動オイルポンプ装置100Aを有している以外、図1に示すオイルポンプシステム1と同じ構成を有している。そのため、図8に示す電動オイルポンプ装置100Aおよびオイルポンプシステム1Aは、図1に示す電動オイルポンプ装置100およびオイルポンプシステム1と同じ構成について同じ符号を付して詳細な説明を繰り返さない。
温度センサ70は、モータ20の温度を検出して制御部30に出力する。制御部30は、温度センサ70で検出した温度を考慮して、モータ20の実回転数に代えてダミーの応答回転数を出力するか否かを判断する。具体的に、制御部30は、温度センサ70で検出した温度を考慮して、モータ電流を判断する設定値を変更する。なお、温度センサは、モータ20の温度を検出する温度センサ70を一例として説明するが、モータ20を制御する回路基板の温度を検出するなどの他の場所の温度を検出するセンサであってもよい。
図9は、電動オイルポンプ装置100Aにおける温度ごとのモータ20の回転数とモータ電流、モータ端子電圧との関係を説明するための図である。図9に示す横軸はモータ20の回転数で、左側の縦軸はモータ電流で、右側の縦軸はモータ端子電圧である。図9に示す実線のグラフは、低温時のモータ20の回転数とモータ電流との関係を示すグラフである。図9に示す破線のグラフは、高温時のモータ20の回転数とモータ電流との関係を示すグラフである。図9に示す一点鎖線のグラフは、低温時のモータ20の回転数とモータ端子電圧との関係を示すグラフである。図9に示す二点鎖線のグラフは、高温時のモータ20の回転数とモータ端子電圧との関係を示すグラフである。
制御部30は、温度センサ70で検出した温度が所定温度以上であれば高温と判断し、図9に示す高温時のモータ20の回転数とモータ電流との関係を示す破線のグラフに基づいて、図4に示すモータ電流と油圧との関係を補正して設定値を決定する。また、制御部30は、温度センサ70で検出した温度が所定温度未満であれば低温と判断し、図9に示す低温時のモータ20の回転数とモータ電流との関係を示す実線のグラフに基づいて、図4に示すモータ電流と油圧との関係を補正して設定値を決定する。
これにより、制御部30は、温度センサ70で検出した温度を考慮して、高温のときは高温時の設定値で、低温のときは低温時の設定値でモータ20の実回転数に代えてダミーの応答回転数を出力するか否かを判断することができる。
さらに、図5に示す推定部33は、温度センサ70で検出した温度を考慮して、モータ20の回転数を推定する。具体的に、推定部33は、温度センサ70で検出した温度が所定温度以上であれば高温と判断し、図9に示す高温時のモータ20の回転数とモータ端子電圧との関係を示す二点鎖線のグラフに基づいてモータ20の回転数を推定する。また、推定部33は、温度センサ70で検出した温度が所定温度未満であれば低温と判断し、図9に示す低温時のモータ20の回転数とモータ端子電圧との関係を示す一点鎖線のグラフに基づいてモータ20の回転数を推定する。
これにより、推定部33は、温度センサ70で検出した温度を考慮して、高温のときは高温時のグラフで、低温のときは低温時のグラフでモータ20の実回転数を精度良く推定することができる。もちろん、推定部33は、温度を考慮したモータ20の回転数とモータ20の誘起電圧との関係を示すグラフがあらかじめ記憶されているのであれば、温度センサ70で検出した温度とモータ20の誘起電圧とに基づいてモータ20の実回転数を精度良く推定できる。
以上のように、実施の形態2に係る電動オイルポンプ装置100Aは、モータ20の温度を検出する温度センサ70(温度検出部)をさらに備え、制御部30は、温度センサ70で検出した温度を考慮して、モータ20の実回転数に代えてダミーの応答回転数を出力するか否かを判断する。これにより、実施の形態2に係る電動オイルポンプ装置100Aは、温度センサ70で検出した温度を考慮することでより現実の油圧の状態を判断してダミーの応答回転数を出力することができる。
<電動オイルポンプ装置>
前述の電動オイルポンプ装置100または電動オイルポンプ装置100Aの構成について詳細に説明する。図10は、本開示に係る電動オイルポンプ901の断面図である。図11は、本開示に係る電動オイルポンプ901の斜視外観図である。以下で説明する電動オイルポンプ901は、電動オイルポンプ装置100または電動オイルポンプ装置100Aに対応し、ポンプ部902がポンプ10に、モータ部903がモータ20に、およびコントローラ904が制御部30にそれぞれ対応している。
本開示に係る電動オイルポンプ901は、主にエンジンの停止中にトランスミッションに油圧を供給する電動オイルポンプである。電動オイルポンプ901が、トランスミッションケース底部のオイル溜りからオイルを吸引し、このオイルを吐出してトランスミッション内にオイルを圧送することにより、トランスミッション内で必要な油圧や潤滑油量が確保される。
図10に示すように、本開示に係る電動オイルポンプ901は、油圧を発生させるポンプ部902と、ポンプ部902を駆動するモータ部903と、モータ部903を制御する制御回路が設けられたコントローラ904(メイン基板)と、ポンプ部902、モータ部903、およびコントローラ904を収容するハウジング905とを有する。以下、それぞれの部材または要素を詳細に説明する。
なお、以下の説明において、モータ部903の軸心Oと平行な方向を「軸方向」と呼び、軸心Oを中心とする円の半径方向を「半径方向」と呼ぶ(「内径方向」および「外径方向」も当該円の内径方向および外径方向を意味する)。また、軸心Oを中心とする円の円周方向を「周方向」と呼ぶ。
図10に示すように、本開示に係るポンプ部902は、回転することでオイルを圧送する回転式ポンプである。具体的に、ポンプ部902は、複数の外歯が形成されたインナロータ921と、複数の内歯が形成されたアウタロータ922と、インナロータ921およびアウタロータ922を収容する静止部材としてのポンプケース923とを有するトロコロイドポンプである。アウタロータ922の内径側にインナロータ921が配置されている。アウタロータ922は、インナロータ921に対して偏心した位置にある。アウタロータ922の一部の歯部がインナロータ921の一部の歯部と噛み合っている。なお、インナロータ921の歯数をnとすると、アウタロータ922の歯数は(n+1)である。アウタロータ922の外周面およびポンプケース923の内周面は何れも互いに嵌合可能な円筒面である。アウタロータ922は、インナロータ921の回転に伴って従動回転するように、ポンプケース923の内周に回転可能に配置される。
図10に示すように、モータ部903はポンプ部902と軸方向に並べて配置される。モータ部903として、例えば3相ブラシレスDCモータが使用される。モータ部903は、複数のコイル930aを有するステータ930と、ステータ930の内側に隙間をもって配置されたロータ931と、ロータ931に結合された出力軸932とを有する。ステータ930には、U相、V相、W相の三相に対応したコイル930aが形成されている。
出力軸932は、軸受933,934を介してハウジング905に対して回転可能に支持されている。出力軸932のポンプ部902側の端部には、ポンプ部902のインナロータ921が装着されている。出力軸932とポンプ部902の間に減速機は配置されておらず、インナロータ921はモータ部903の出力軸932に嵌合されており、例えば二面幅によって動力伝達可能とされている。軸方向ポンプ部902側に位置する軸受933とインナロータ921との間に、出力軸932の外周面に摺接するシールリップを備えたシール935が配置される。このシール935によって、ポンプ部902からモータ部903へのオイルの漏洩が防止されている。軸方向ポンプ部902側の軸受933とシール935との間には、軸方向に圧縮された弾性部材936が配置され、軸受933、934に対し予圧を与えている。
モータ部903におけるロータ931の回転角を検出するため、モータ部903の回転側と静止側の間に検出部937が設けられる。本開示に係る検出部937は、出力軸932の反ポンプ部側の軸端にブラケット938を介して取り付けられたセンサマグネット937a(例えばネオジウムボンド磁石)と、静止側となるハウジング905に設けられたMR素子等の磁気センサ937bとで構成することができる。磁気センサ937bは、出力軸932の反ポンプ側の軸端と対向して配置され、かつ出力軸932と直交する方向に配置されたサブ基板939に取り付けられる。磁気センサ937bの検出値は、後述するコントローラ904(メイン基板)の制御回路に入力される。
なお、磁気センサ937bとして、ホール素子を使用することもできる。また、検出部937としては、磁気センサの他、光学式エンコーダやレゾルバ等を用いることもできる。なお、センサレスでモータ部903を駆動することもできる。
本開示に係るコントローラ904は、モータ部903の出力軸932と平行に配置される。コントローラ904には、複数の電子部品941が実装されている。これらの電子部品941でモータ部903の駆動を制御する制御回路が構成される。図示例では、コントローラ904が、電子部品941を実装した面(実装面)940をポンプ部902およびモータ部903と対向させて配置される。コントローラ904には、外部電源からコネクタ942を介して電力が供給される。
ハウジング905は、両端を開口した筒状のハウジング本体950と、ハウジング本体950の軸方向ポンプ側の開口部を閉鎖する第一蓋部951と、ハウジング本体950の軸方向反ポンプ側の開口部を閉鎖する第二蓋部952とを有する。第一蓋部951および第二蓋部952はそれぞれ複数の締結用ボルトB1、B2を用いてハウジング本体950に固定される。
第二蓋部952は、反ポンプ部側の軸受934を支持する円筒形状のベアリングケース952aと、ベアリングケース952aの反ポンプ部側開口部を閉鎖するカバー952bとを有する。ベアリングケース952aの内径側にサブ基板939が配置される。カバー952bは、ベアリングケース952aに図示しない締結部材を用いて取り付けられる。
ハウジング本体950は、ポンプ部902を収容するポンプ収容部953、モータ部903を収容するモータ収容部954、およびコントローラ904を収容するコントローラ収容部955を有する。ハウジング本体950は、例えば鋳造や切削あるいはこれらの組み合わせにより、一部品の形で一体に形成される。ハウジング本体950、第一蓋部951、および第二蓋部952は導体でかつ熱伝導性が良好な金属材料、例えばアルミニウム合金で形成される。この他、ハウジング本体950、第一蓋部951、および第二蓋部952のうちの一つ又は複数を他の金属材料(例えば、鉄系金属)や樹脂で形成してもよい。
ハウジング905のポンプ収容部953は、ポンプ部902のポンプケース923を含む概略円筒状の形態を有する。ポンプ収容部953には、インナロータ921及びアウタロータ922が収容されるポンプ室966と、吸入ポート962および吐出ポート964とが形成される。吸入ポート962および吐出ポート964は、何れもポンプ室966のモータ部903側(図10の左側)に隣接して設けられ、インナロータ921とアウタロータ922の噛み合い部に開口している。吸入ポート962と吐出ポート964は、何れも出力軸932の円周方向に延びる円弧状をなし、円周方向で180°対向する位置に設けられる。
ハウジング905のモータ収容部954は円筒状に形成される。モータ収容部954の円筒状内周面に、モータ部903のステータ930が圧入もしくは接着固定されている。ハウジング905のコントローラ収容部955は、半径方向の外径側(図10の下側)が開口しており、内周にコントローラ904を収容した後、開口部がカバー957により閉鎖される。カバー957は締結部材B3を用いてハウジング本体950に取り付けられる。
図10および図11に示すように、ハウジング本体950の軸方向両側には、電動オイルポンプ901を取付対象部品(本開示ではトランスミッションケース)に取り付けるためのフランジ状の取り付け部958、959が一体に形成される。ポンプ部902側の取り付け部958に二つの締結用孔958aが形成され、反ポンプ部側の取り付け部959に二つの締結用孔959aが形成されている。これら締結用孔958a、959aに図示しない締結部材を挿入し、当該締結部材をトランスミッションケースにねじ込むことで、電動オイルポンプ901がトランスミッションケースに取り付けられる。
図10に示すように、ハウジング本体950には、ポンプ部902に供給されるオイルが流通する吸入管路960と、ポンプ部902から吐出されたオイルが流通する吐出管路961とが設けられる。吸入管路960の一端は吸入ポート962に接続される。吸入管路960の他端はハウジング本体950の表面に開口し、この開口部が吸入口963となる。吐出管路961の一端は吐出ポート964に接続される。吐出管路961の他端はハウジング本体950の表面に開口し、この開口部が吐出口965となる。吸入口963および吐出口965は、ハウジング905のうち、トランスミッションケースと対向する面に設けられる。これにより、電動オイルポンプ901の周囲にオイル用配管を引き回す必要がなくなり、電動オイルポンプ901の周辺構造を簡略化することができる。
また、上記の電動オイルポンプ901では、吸入口963および吐出口965はハウジング本体950の表面に設けられている。加えて、吸入口963とポンプ部902とを接続する吸入管路960と、吐出口965とポンプ部902とを接続する吐出管路961とが何れもハウジング本体950に設けられている。そのため、吸入管路960および吐出管路961を流れるオイルでハウジング本体950の冷却を行うことができる。この冷却効果により、熱源となるモータ部903およびコントローラ904の冷却を促進することができ、電動オイルポンプ901の信頼性を高めることができる。また、吸入管路960と吐出管路961をハウジング本体950とは別の部材に設ける場合に比べ、電動オイルポンプ901の小型化を図ることができる。
なお、吸入管路960および吐出管路961の構成を変えることなく、吸入管路960を吐出管路として、かつ吐出管路961を吸入管路として使用することもできる。また、吸入管路960および吐出管路961の双方をポンプ部902とモータ部903の軸方向間領域に配置する他、どちらか一方を、これ以外の領域(例えばモータ部903の外径側領域)に配置することもできる。
<変形例1>
前述の実施の形態では、電動オイルポンプ装置100,100Aがコントローラ201に対して、モータ20の実回転数に代えてダミーの応答回転数を出力する構成について説明した。しかし、モータ20の実回転数もダミーの応答回転数も回転数のみの情報では、コントローラ201は、入力された回転数が実回転数なのか、ダミーの回転数なのかを判別することができない。そこで、電動オイルポンプ装置100,100Aは、ダミーの応答回転数をモータ20の実回転数と識別できるようにしてコントローラ201に出力してもよい。
具体的に、コントローラ201に出力する回転数が図6で示した信号Bであれば、制御部30は、ダミーの応答回転数の信号を実回転数の信号に対してDuty比、周波数などを変更してコントローラ201へ出力する。また、制御部30は、実回転数の信号と識別するために、ダミーの応答回転数の信号にフラグなどの情報を付加してもよい。
制御部30は、応答回転数を、実回転数と識別することができる信号とすることが好ましい。これにより、コントローラ201側から見たときに、電動オイルポンプ装置側でモータ20の回転数を抑えている状態を把握することができる。
<変形例2>
前述の実施の形態では、コントローラ201が、指令回転数に基づいて電動オイルポンプ装置100、または電動オイルポンプ装置100Aを駆動させる。そのため、制御部30がコントローラ201に対してモータ20の回転数を通知しても、コントローラ201は、通知されたモータ20の回転数に基づくフィードバック制御を行っていないと説明した。しかし、コントローラ201は、制御部30の出力インターフェースからモータ20の実回転数を返して貰うことでフィードバック制御を行ってもよい。
なお、制御部30は、指令回転数に基づいてモータ20を駆動させ、指令回転数とモータ20の実回転数とに乖離が生じた場合でも、必要な油圧を得ることができていれば、異常と判断されることを回避できる。
<変形例3>
前述の実施の形態では、電動オイルポンプ装置100、または電動オイルポンプ装置100Aは、ポンプ10をモータ20で駆動すると説明したが、モータで駆動しないポンプを用いてもよい。この場合、モータに対する指令回転数はポンプを駆動するための指令値と、モータの実回転数はポンプの駆動に関する値とそれぞれ読み替えることで、本開示を適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A オイルポンプシステム、20 モータ、10,230 ポンプ、30 制御部、31 インバータ部、32 モータ制御部、33 推定部、40,310 電流検出部、50 回転センサ、60 リリーフ弁、70 温度センサ、100,100A 電動オイルポンプ装置、200 上位コントローラ、210 圧力計、220 バルブボディ、240 エンジン、300 オイルパン、901 電動オイルポンプ、902 ポンプ部、903 モータ部、905 ハウジング、921 インナロータ、922 アウタロータ、923 ポンプケース、930 ステータ、930a コイル、931 ロータ、932 出力軸、933,934 軸受、935 シール、936 弾性部材、937 検出部、937a センサマグネット、937b 磁気センサ、938 ブラケット、939 サブ基板、941 電子部品、942 コネクタ、950 ハウジング本体、951 第一蓋部、952 第二蓋部、952a ベアリングケース、952b,957 カバー、953 ポンプ収容部、954 モータ収容部、955 コントローラ収容部、958,959 取り付け部、958a,959a 締結用孔、960 吸入管路、961 吐出管路、962 吸入ポート、963 吸入口、964 吐出ポート、965 吐出口、966 ポンプ室。

Claims (10)

  1. 媒体を循環させる電動ポンプ装置であって、
    前記媒体を循環させるポンプと、
    前記ポンプを駆動させるモータと、
    受け付けた指令回転数に基づいて前記モータを駆動させる制御部と、
    前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部と、
    前記モータの回転数を検出する回転検出部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記媒体の圧力に対するモータ電流の関係に基づいてあらかじめ設定値を設定し、前記設定値以上のモータ電流を前記電流検出部が検出した場合、前記回転検出部で検出した実回転数に代えて前記指令回転数に相当する応答回転数を出力する、電動ポンプ装置。
  2. 前記制御部は、前記設定値以上のモータ電流を前記電流検出部が検出した場合、前記実回転数と前記指令回転数との乖離が所定値以上か否かを判断し、
    前記乖離が前記所定値以上の場合に、前記実回転数に代えて前記応答回転数を出力する、請求項1に記載の電動ポンプ装置。
  3. 前記制御部は、
    前記電動ポンプ装置を含むシステムを制御するコントローラから前記指令回転数を受け付け、
    前記指令回転数に対する応答として前記実回転数または前記応答回転数を前記コントローラに出力する、請求項1または請求項2に記載の電動ポンプ装置。
  4. 前記電流検出部は、前記モータに流れるモータ電流を検出するためのシャント抵抗を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電動ポンプ装置。
  5. 前記モータの温度を検出する温度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記温度検出部で検出した温度を考慮して、前記実回転数に代えて前記応答回転数を出力するか否かを判断する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電動ポンプ装置。
  6. 前記回転検出部は、前記モータの回転数を検出するセンサ、および前記モータの誘起電圧またはモータ端子電圧に基づいて前記モータの回転数を推定する推定部のうち少なくとも一方を有する、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電動ポンプ装置。
  7. 前記回転検出部は、前記モータの回転数を検出するセンサ、および前記モータの誘起電圧またはモータ端子電圧に基づいて前記モータの回転数を推定する推定部を有し、
    前記制御部は、前記センサで検出した前記モータの回転数と、前記推定部で推定した前記モータの推定回転数との差が所定の差以上の場合、回転異常と判断し、前記応答回転数を出力しない、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電動ポンプ装置。
  8. 前記媒体の圧力を調整するリリーフ弁をさらに備える、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電動ポンプ装置。
  9. 前記応答回転数は、前記実回転数と識別することができる信号とする、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電動ポンプ装置。
  10. 媒体を循環させるポンプと、前記ポンプを駆動させるモータと、受け付けた指令回転数に基づいて前記モータを駆動させる制御部と、前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出部と、前記モータの回転数を検出する回転検出部と、を備える電動ポンプ装置の制御方法であって、
    前記媒体の圧力に対するモータ電流の関係に基づいてあらかじめ設定値を設定し、前記設定値以上のモータ電流を前記電流検出部が検出したか否かを判断するステップと、
    前記電流検出部が検出したモータ電流が前記設定値以上の場合、前記回転検出部で検出した実回転数に代えて前記指令回転数に相当する応答回転数を出力するステップと、を含む、電動ポンプ装置の制御方法。
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