JP2023010179A - 薄板用清浄鋼の製造方法 - Google Patents

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哲平 鈴木
Teppei Suzuki
朋也 原
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克樹 後藤
Katsuki Goto
祐貴 三谷
Yuki Mitani
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Abstract

【課題】ピンホール欠陥の原因となるような非金属介在物が少ない、薄板用清浄鋼の製造方法を提供する。【解決手段】転炉精錬の後に溶鋼を取鍋に出鋼し、取鍋内溶鋼に二次精錬処理を行う薄板用清浄鋼の製造方法であって、溶鋼へのMn源の添加は転炉内のみ又は二次精錬処理中のみに行い、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、溶鋼中酸素ポテンシャルaOを8.0質量ppm以下としてMn源添加を行うことを特徴とする薄板用清浄鋼の製造方法。これにより、粒径が50~60μm、圧延後の鋼板成品においても球状であって破砕されておらず、介在物の外側がAl2O3主体、中央にMnO-FeO-MgOを含む球状介在物の個数比率を低減し、薄板用清浄鋼を製造することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、薄板用清浄鋼の製造方法に関するものである。
薄鋼板は、各種の加工を行って鋼製品とすることができる。中でも2ピース缶、3ピース缶などの製缶用の薄鋼板は、高い加工性が要求される。特許文献1には、C:0.04~0.1%、Mn:0.5~1.5%等の成分を含有し、フェライト相の組織を規定した、高強度高延性な缶用鋼板とその製造方法が開示されている。特許文献2には、C:0.0020%以下の2ピース変形缶用鋼板とその製造方法が開示されている。製缶用鋼板には、表面にめっきや樹脂皮膜を形成したものも含む。
特に製缶用鋼板においては、製缶加工時の深絞り等の成形に際し、割れ等が発生せず、また表面のめっきや樹脂皮膜に欠陥が形成されることのない鋼板が求められる。
特開2005-336610号公報 特開2005-320633号公報
製缶用薄鋼板を用いて2ピース缶を成形するに際し、成形後の缶の表面にピンホール欠陥が発生することがある。ピンホール欠陥の原因は、鋼中に含まれる非金属介在物であることが分かった。ピンホール欠陥の実態と原因調査のため介在物調査をおこなったところ、ピンホール欠陥の原因となる介在物は、粒径が50~60μm、圧延後の鋼板成品においても球状であって破砕されておらず、介在物の外側がAl主体、中央にMnO-FeO-MgOを含むものであった。このような形態の介在物は、溶鋼および鋳片スライム抽出で同様の介在物を確認することができた。
本発明は、上記ピンホール欠陥の原因となるような非金属介在物が少ない、薄板用清浄鋼の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
[1]転炉精錬の後に溶鋼を取鍋に出鋼し、取鍋内溶鋼に二次精錬処理を行う薄板用清浄鋼の製造方法であって、
溶鋼へのMn源の添加は転炉内のみ又は二次精錬処理中のみに行い、
二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、溶鋼中酸素ポテンシャルaを8.0質量ppm以下としてMn源添加を行うことを特徴とする薄板用清浄鋼の製造方法。
[2]二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、Mn源を添加する際における取鍋内スラグ成分において、t-Fe+MnO濃度を8質量%以下とすることを特徴とする[1]に記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
[3]二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、取鍋内への溶鋼の出鋼を完了してからMn源を添加するまでに溶鋼に付加される攪拌エネルギーを20~30kJ/ton-steelとすることを特徴とする[1]又は[2]に記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
[4]溶鋼脱酸用のAl源の投入を、二次精錬処理中のみにて行うことを特徴とする[1]から[3]までのいずれか1つに記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
[5]鋼中における直径50~60μmのMnO-Al系球状介在物の個数密度を20個/kg以下とすることを特徴とする[1]から[4]までのいずれか1つに記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
[6]前記薄板が製缶用の薄板であることを特徴とする[1]から[5]までのいずれか1つに記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
本発明により、ピンホール欠陥の原因となるような非金属介在物が少ない、薄板用清浄鋼の製造方法を提供することができる。
本発明が製造の対象とする薄鋼板は、鋼成分としてMn、Alを含有している。Alは強脱酸元素としての機能をも有する。Mnも弱脱酸機能を有する。
本発明が対象とする薄鋼板用溶鋼の溶製方法においては、転炉精錬の後に溶鋼を取鍋に出鋼し、取鍋内溶鋼に対して二次精錬処理を行う方法が用いられる。溶鋼溶製の過程で、溶鋼中にMnやAlを添加し、溶鋼の成分組成を調整するとともに溶鋼の脱酸を行う。通常は、転炉から取鍋へ溶鋼を出鋼するに際し、出鋼中の取鍋内溶鋼にAl源、Mn源を添加して溶鋼の脱酸と成分の粗調整を行い、さらに二次精錬段階で合金成分を添加して鋼成分の微調整を行う。
二次精錬処理の方法としては、RH、DH、REDA、V-KIP、VAD、ASEA-SKFなどの真空脱ガス処理、LF(レードルファーネス)、浸漬ランスインジェクション処理、簡易取鍋精錬(CAS、CAB、SABなど)が主に用いられる。本発明においては、二次精錬処理としてRH真空脱ガス処理を好適に用いることができる。
本発明は前述のように、製缶用薄鋼板を用いて製缶するに際し、成形後の缶の表面に発生するピンホール欠陥の原因となる、粒径が50~60μm、圧延後の鋼板成品においても球状であって破砕されておらず、介在物の外側がAl主体、中央にMnOを主体として含む非金属介在物を低減することを主たる目的とする。このような性状の介在物を以下「球状介在物」と呼ぶ。このような性状を有する球状介在物は、取鍋内溶鋼へのMn源投入時に生成したMnO系低融点介在物が、同じく取鍋内溶鋼に添加したAlによって還元されて球状アルミナが生成したものと推測された。
溶鋼に添加するMn源としては金属Mn、Mn合金鉄又はMn鉱石を用いることができる。また添加するAl源としては金属Alが用いられる。Mn源を投入するタイミングとしては、二次精錬処理としてRH真空脱ガス処理を用いる場合を例に取り、出鋼前の転炉炉内と、RH処理中のRH真空槽内のいずれかまたは両方として検討した。RH処理中にMn源を添加する場合には、Al源をMn源より先に投入する場合とAl源をMn源より後から投入する場合の両方について評価を行い、Al源投入とMn源投入の時間差の影響も検討した。
評価の結果、溶鋼へのMn源の添加を転炉内と二次精錬処理中の両方で行う場合に比較し、溶鋼へのMn源の添加は転炉内のみ又は二次精錬処理中のみに行ったときに良好な清浄度が得られることを確認した。そこで本発明では、溶鋼へのMn源の添加は転炉内のみ又は二次精錬処理中のみに行うこととした。
また、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、溶鋼中酸素ポテンシャルaを8.0質量ppm以下としてMn源添加を行うことにより、良好な清浄度が得られることを確認した。二次精錬処理中におけるMn源投入よりもAl源投入を先に行うことにより、Mn源投入時の溶鋼中酸素ポテンシャルを低減することができる。さらに、Al源(脱酸Al)投入からMn投入までの時間を確保することにより、Mn源投入時の溶鋼中酸素ポテンシャルaを確実に8.0質量ppm以下とすることができる。
出鋼後の溶鋼に対して、溶鋼中酸素ポテンシャルaが8.0質量ppmより高いときにMn源添加を行うと、添加したMnが酸化されて球状の大きなMnO酸化物が形成され、その後に溶鋼中のAlによって球状MnO酸化物の表面が還元されてAl酸化物に置き換わり、粒径が50~60μm、介在物の外側がAl主体、中央にMnOを主体として含む球状介在物が形成されるものと推定される。このような介在物は、圧延後の鋼板成品においても球状であって破砕されない。
従来のように、出鋼中の溶鋼にAl源とMn源を添加する方法を採用した場合、取鍋内の溶鋼中には酸素ポテンシャルが高い部分と低い部分が不均一に混在し、酸素ポテンシャルが高い部分においてMn酸化が進行し、上記球状介在物が形成されるものと推定できる。
転炉からの出鋼終了時に取鍋内に転炉スラグが流出し、出鋼後の取鍋内には、溶鋼の表面にスラグ層(以下「取鍋スラグ」という。)が形成される。取鍋スラグ中には転炉スラグ起因で酸化鉄やMnO等の低級酸化物が含まれており、これら低級酸化物は溶鋼清浄度を低下させる要因となる。そこで、出鋼後の取鍋表面に金属Alを散布し、散布した金属Alによって取鍋スラグ中の低級酸化物を還元し、溶鋼清浄度の向上を図ることが行われる。以下、このような目的で取鍋内に投入するAlを「改質Al投入」と呼ぶ。テストにおいては、改質Al投入の有無の影響も調査した。
その結果、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加する場合において、Mn源を添加する際における取鍋内スラグ成分「t-Fe+MnO濃度」を8質量%以下とすることにより、品質評価結果がより良好となる。そこで本発明では、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、Mn源を添加する際における取鍋内スラグ成分において、t-Fe+MnO濃度を8質量%以下とするとより好ましい。転炉内での吹錬において必要以上にCを吹き下げないように精錬すること、出鋼後の取鍋スラグに改質Alを投入すること、などにより、上記好適なスラグ成分とすることができる。
溶鋼の清浄度の評価については、溶鋼サンプルを採取して介在物をスライム抽出し、50~60μmの球状のMnO-Al系介在物の個数密度(個/kg)を評価して行う。50~60μmであることは篩を用いて分級した介在物を計数することにより評価し、球状であることは抽出した介在物を実体顕微鏡により観察することにより評価し、MnO-Al系であることは介在物の化学成分を、エネルギー分散型分光分析装置を備えた電子顕微鏡による測定で評価する。
また、二次精錬中にMn源を添加する水準では、Mn添加時の溶鋼中酸素ポテンシャルaを評価の対象とする。aの評価は、固体電解質を用いた酸素センサーによる測定値として行う。
さらに、取鍋への出鋼を完了してからMn源を添加するまでの、溶鋼に加える攪拌エネルギーを、下記式を用いて算出する。
《ガス底吹きによる撹拌エネルギーの式》
ε=6.18V・T/W{ln(1+h/(1.46×10-5))}・t
ε : 撹拌エネルギー(J/ton-steel)
: ガス流量(Nm/min)
: 溶鋼温度(K)
: 溶鋼重量(t)
: ガス吹込み深さ(m)
: 真空槽内の圧力(Pa)
t : ガス吹込み時間(s)
《RHの撹拌エネルギー》
ε=(1/2)・(1000・Q/60)・V/W・t
V=(1000・Q/60)/(ρ・π・D/4)
Q : 還流量(t/min)
V : 下降管の溶鋼線流速(m/s)
D : 浸漬管内径(m)
ρ : 溶鋼密度(kg/m
t : 還流時間(s)
二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加する場合において、取鍋内への溶鋼の出鋼を完了してからMn源を添加するまでに溶鋼に付加される攪拌エネルギーについて対比した。その結果、当該攪拌エネルギーが20kJ/ton-steel以上であると鋼の清浄度が向上することが判明した。一方、当該攪拌エネルギーが30kJ/ton-steelを超えると取鍋スラグを巻き込むことによる外因性の介在物が増加し、製品の品質が低下する。即ち、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、取鍋内への溶鋼の出鋼を完了してからMn源を添加するまでに溶鋼に付加される攪拌エネルギーを20~30kJ/ton-steelとすると好ましい。
溶鋼脱酸用のAl源の投入は、二次精錬の前、出鋼中の取鍋内に添加することも可能であるが、二次精錬処理中のみにてAl源投入を行うことにより、より良好な評価結果を得ることができる。即ち、溶鋼脱酸用のAl源の投入を、二次精錬処理中のみにて行うと好ましい。
以上のような製造方法を適用することにより、鋼中における直径50~60μmのMnO-Al系球状介在物の個数密度を20個/kg以下とすることができる。これにより、良好な清浄度を実現することができる。
上記本発明の薄板用清浄鋼の製造方法を用いて製造する薄板は、製缶用の薄板として用いた場合、特に製缶成績を向上することができるので好ましい。
本発明の薄板用清浄鋼の製造方法を適用する鋼の成分組成については限定しない。あらゆる成分組成の鋼において、本発明を適用することによって良好な清浄鋼を製造することができる。中でも、下記成分範囲(質量%)の鋼においては本発明の効果を十分に発揮することができる。
C:0.01~0.08%
Si:0.001~0.3%
Mn:0.1~0.8%
Al:0.01~0.6%
Nb:0~0.1%
Ti:0~0.1%
球状介在物の生成機構解明と対策検討のテストを実施した。テストに用いた溶鋼成分は、0.02~0.05%C-0.15~0.25%Mn-0.04~0.09%Al-10~20ppm(T-O)の範囲の成分とした。
テストを行った溶製工程は、転炉精錬の後に溶鋼を取鍋に出鋼し、取鍋内溶鋼に対して二次精錬処理としてRH真空脱ガス処理を行う方法を用いた。溶鋼に添加するMn源としては金属Mn、又はMn鉱石を用いた。また添加するAl源としては金属Alを用いた。Mn源を投入するタイミングとしては、出鋼前の転炉炉内と、RH処理中のRH真空槽内のいずれかまたは両方とし、転炉炉内にMn源を投入するときは金属MnまたはMn鉱石とし、RH処理中に投入するMn源は金属Mnとした。脱酸AlとしてのAl源(金属Al)を投入するタイミングとしては、RH処理中のRH真空槽内とした。RH処理中にMn源を添加する場合には、Al源を先に投入する場合とAl源を後から投入する場合の両方について試験を行い、Al源投入とMn源投入の時間差を種々調整した。
転炉からの出鋼後の取鍋表面に金属Alを散布し、散布した金属Alによって取鍋スラグ中の低級酸化物を還元し、溶鋼清浄度の向上を図ることができる。テストにおいては、改質Al投入の有無の影響も調査した。
一部のチャージでは、RH処理場に到着してから、取鍋底に設けたポーラスプラグからアルゴンガスを吹込み、バブリングさせた。
溶鋼の清浄度の評価については、第1に、連続鋳造タンディッシュにて溶鋼サンプルを採取し、採取したサンプルについて介在物をスライム抽出し、50~60μmの球状のMnO-Al系介在物の個数密度(個/kg)を評価した。50~60μmであることは篩を用いた分級により介在物を計数することにより評価し、球状であることは介在物を実体顕微鏡により観察することで評価し、MnO-Al系であることはエネルギー分散型分光分析装置を具備した電子顕微鏡による成分分析で評価した。第2に、鋼板の渦電流探傷にて清浄度の良否を評価した。具体的には、冷延焼鈍後鋼板の渦電流探傷により、予め製品欠陥が発生した場合の1コイルあたりの電圧変化回数を測定し、これを基準として合否を判定した。
また、二次精錬中にMn源を添加する水準では、Mn添加時の溶鋼中酸素ポテンシャルaを評価した。aは、固体電解質を用いた酸素センサーを溶鋼に浸漬させて測定した。
さらに、取鍋への出鋼を完了してからMn源を添加するまでの、溶鋼に加える攪拌エネルギーを、前記した式を用いて算出した。
二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加する場合は、Mn源を添加する際における取鍋スラグ中の低級酸化物の濃度を、「t-Fe+MnO」(質量%)として評価した。
結果を表1に示す。「脱酸Al投入からMn投入までの時間」において、値がプラスのときはAl源を先に投入しており、値がマイナスのときはMn源を先に投入している。二次精錬中にMn源を投入した水準のうち、Mn源を先に投入したのは水準1のみであり、それ以外の水準0、2~4、7~9はいずれも、Al源を先に投入している。
Figure 2023010179000001
比較例の水準0、2~4はいずれも、Mn源を転炉内と二次精錬中の両方で添加しており、評価結果は不良であった。このことから、本発明が対象としている球状介在物を低減するためには、Mn源を転炉内と二次精錬中の両方で添加することは避けるべきであることがわかる。
比較例の水準1は、二次精錬中においてAl源よりも先にMn源を添加しており、評価結果は不良であった。
これに対して本発明の水準5~9は、溶鋼へのMn源の添加は転炉内のみ又は二次精錬処理中のみに行い、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、Al源を添加した後にMn源を添加している。そして、これら水準では、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、溶鋼中酸素ポテンシャルaを8.0質量ppm以下とした上でMn源添加を行っており、結果として評価結果は良好であった。
なお、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加する際の溶鋼中酸素ポテンシャルaについて見ると、比較例の水準1は脱酸Al投入前にMn源を添加しているので、Mn源添加時の酸素ポテンシャルaが130質量ppmと高い値であった。また脱酸Al添加後にMn源を添加している水準の中で、脱酸Al投入からMn投入までの時間に着目して対比すると、水準0は当該時間が1分でMn源添加時の酸素ポテンシャルが12.1質量ppmと高い値であったのに対し、水準7~9は当該時間が3分または5分でMn源添加時の酸素ポテンシャルが8質量ppm以下と良好な水準を実現した。Mn源添加時の酸素ポテンシャルを8質量ppm以下とするためには、脱酸Al投入からMn投入までの時間を確保することが有効である。
水準5~9の本発明例のうち、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加する水準7~9において、Mn源を添加する際における取鍋内スラグ成分「t-Fe+MnO濃度」が8質量%以下である水準8、9は、水準7と対比して品質評価結果がより良好である。即ち、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、Mn源を添加する際における取鍋内スラグ成分において、t-Fe+MnO濃度を8質量%以下とするとより好ましい。
本発明例のうち、二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加する水準7~9において、取鍋内への溶鋼の出鋼を完了してからMn源を添加するまでに溶鋼に付加される攪拌エネルギーについて対比した。その結果、当該攪拌エネルギーが20kJ/ton-steel以上である水準9は評価結果が良好であった。
水準5~9の本発明例においては、溶鋼脱酸用のAl源の投入を、二次精錬処理中のみにて行っており、良好な評価結果を得ている。

Claims (6)

  1. 転炉精錬の後に溶鋼を取鍋に出鋼し、取鍋内溶鋼に二次精錬処理を行う薄板用清浄鋼の製造方法であって、
    溶鋼へのMn源の添加は転炉内のみ又は二次精錬処理中のみに行い、
    二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、溶鋼中酸素ポテンシャルaを8.0質量ppm以下としてMn源添加を行うことを特徴とする薄板用清浄鋼の製造方法。
  2. 二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、Mn源を添加する際における取鍋内スラグ成分において、t-Fe+MnO濃度を8質量%以下とすることを特徴とする請求項1に記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
  3. 二次精錬処理中にMn源を溶鋼に添加するに際しては、取鍋内への溶鋼の出鋼を完了してからMn源を添加するまでに溶鋼に付加される攪拌エネルギーを20~30kJ/ton-steelとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
  4. 溶鋼脱酸用のAl源の投入を、二次精錬処理中のみにて行うことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
  5. 鋼中における直径50~60μmのMnO-Al系球状介在物の個数密度を20個/kg以下とすることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
  6. 前記薄板が製缶用の薄板であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の薄板用清浄鋼の製造方法。
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