JP2023006154A - レーザ加工装置および加速制御方法 - Google Patents

レーザ加工装置および加速制御方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023006154000001
【課題】レーザ出力部の駆動開始の繰り返しによる加工時間の増加を抑制することが可能なレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ加工装置は、レーザ光を出力するファイバレーザモジュールと、レーザ光を走査するガルバノスキャナと、加速制御を行う制御部と、を備える。加速制御は、レーザ光の走査をマーク速度よりも遅い速度で開始させる開始処理S12と、レーザ光の走査速度をその遅い速度からマーク速度にまで加速させる加速処理S14と、を備える。制御部は、ファイバレーザモジュールの駆動開始から、レーザ光の単位面積当たりの光強度であるレーザ光の出力密度が定常状態になるまでの間において、加速制御を実行させる。
【選択図】図10

Description

本開示は、レーザ媒質が励起状態となることでレーザ加工用のパルスレーザ光を発生させるレーザ出力部を備えるレーザ加工装置に関するものである。
従来より、上記レーザ加工装置に関し、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1に記載の技術は、レーザ媒質と、当該レーザ媒質にレーザ光を入射して前記レーザ媒質を励起状態とする励起用レーザ光源とを備えてパルスレーザ光を発生するレーザ発生手段と、前記レーザ発生手段から出射されたレーザ光を被加工物に集光させる集光レンズと、制御手段と、を有するレーザ加工装置であって、前記レーザ発生手段から出射され前記集光レンズに至るレーザ光の光路上に配置され、当該レーザ光の遮断と通過とを択一的に行う開閉手段を有し、前記制御手段は、前記レーザ光を前記被加工物に集光させて当該被加工物を加工する加工動作の直前に、前記開閉手段を閉鎖した状態で、前記励起用レーザ光源を駆動して、前記レーザ媒質が当該被加工物の加工が可能となる光強度のレーザ光を発生する高励起状態となったことを条件として、前記開閉手段を開放して前記レーザ光を通過するように制御することを特徴とする。
下記特許文献1の記載によれば、レーザ加工装置は、励起用レーザ光源を被加工物の加工動作を開始する直前に駆動して被加工物の加工が可能な光強度のレーザ光を発生させており、当該半導体レーザを常時駆動させて被加工物の加工が可能な光強度のレーザ光を発生させる必要がなく電力の消費量を抑えることができるとともに、開閉手段が、レーザ光の光強度が被加工物の加工が可能となったことを条件として開放されることから、通過させるレーザ光の光強度を一定にすることができる。
特開2006-305597号公報
しかしながら、加工動作中に半導体レーザの駆動開始が何度も行われる場合は、半導体レーザの駆動開始が繰り返される度にレーザ媒質が高励起状態となるまで待つ必要があるため、加工動作が長引く虞があった。
そこで、本開示は、上述した点に鑑みてなされたものであり、レーザ出力部の駆動開始の繰り返しによる加工時間の増加を抑制することが可能なレーザ加工装置を提供する。
本明細書は、パルスレーザ光を出力するレーザ出力部と、パルスレーザ光を走査する走査部と、加速制御を行う制御部と、を備え、加速制御は、パルスレーザ光の走査を目標速度よりも遅い初期速度で開始させる開始処理と、パルスレーザ光の走査速度を初期速度から目標速度にまで加速させる加速処理と、を備え、制御部は、レーザ出力部の駆動開始から、パルスレーザ光の単位面積当たりの光強度であるパルスレーザ光の出力密度が定常状態になるまでの間において、加速制御を実行させることを特徴とするレーザ加工装置を開示する。
本開示によれば、レーザ加工装置は、レーザ出力部の駆動開始の繰り返しによる加工時間の増加を抑制することが可能である。
本実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成である。 同レーザ加工装置の電気的構成を示すブロック図である。 ファイバレーザモジュールの概略構成である。 受付画面を示す図である。 一覧画面を示す図である。 ポップアップウインドウを示す図である。 第1データテーブルを示す図である。 受付画面を示す図である。 受付画面を示す図である。 本実施形態に係る加速制御方法のフローチャートである。 第2データテーブルを示す図である。
(レーザ加工装置の概略構成)
本実施形態に係るレーザ加工装置1の概略構成について図1を用いて説明する。本実施形態に係るレーザ加工装置1は、PC(Personal Computer)7、レーザ加工部2、レーザコントローラ5等を備える。また、レーザ加工部2は、レーザヘッド部3および電源ユニット6等を有する。レーザ加工部2は、レーザコントローラ5から送信される情報に基づいて、加工対象物Wの加工面WAに対してレーザ光Lを2次元走査して照射し、文字、記号、図形等のオブジェクトをマーキングするレーザ加工を行う。以下の説明において、レーザ加工を印字と記載する場合がある。
PC7は、例えばノートPC等で実現され、LCD(Liquid Crystal Display)77、キーボード76、およびマウス78等を備え、ユーザからの加工命令を受け付け、印字データを作成し、レーザコントローラ5へ出力する。ここで、印字データとは、レーザ加工においてレーザ光Lにより描画される加工パターンの形状を示すXY座標データと、XY座標データにレーザ加工の条件である加工条件を示す加工条件データとが対応付けられたデータである。レーザコントローラ5は例えばコンピュータ等で実現され、レーザ加工部2およびPC7と双方向通信可能に接続されている。レーザコントローラ5はPC7から出力された印字データに基づいてレーザ加工部2を制御する。以後の説明において、方向は図1に示す方向を用いる。
レーザヘッド部3は、本体ベース11、レーザ光Lを出射するレーザ光出射部12、光シャッター部13、光ダンパー(不図示)、ハーフミラー(不図示)、ガイド光部15、反射ミラー17、光センサ20、ガルバノスキャナ18、およびfθレンズ19等を有し、不図示の略直方体形状の筐体カバーで覆われている。
レーザ光出射部12は、アイソレータ21、およびビームエキスパンダ22等を有する。レーザ光出射部12は本体ベース11に取り付けられており、ファイバレーザモジュール40から出射される、加工対象物Wの加工面WAに加工を行うためのパルス状のレーザ光Lが、光ファイバFを介して入射される。アイソレータ21は、レーザ光Lが光ファイバFに戻ることを阻止するものである。ビームエキスパンダ22は、アイソレータ21と同軸に設けられており、レーザ光Lのビーム径を調整する。尚、アイソレータ21がレーザ光Lを出射する方向が前方向であり、レーザヘッド部3の上下方向および前後方向に直交する方向が、レーザヘッド部3の左右方向である。
光シャッター部13は、シャッターモータ26および平板状のシャッター27を有する。シャッター27は、シャッターモータ26のモータ軸に取り付けられて同軸に回転する。シャッター27は、ビームエキスパンダ22から出射されたレーザ光Lの光路を遮る位置に回転された際には、レーザ光Lを光ダンパーへ反射する。光ダンパーはシャッター27で反射されたレーザ光Lを吸収する。一方、シャッター27がビームエキスパンダ22から出射されたレーザ光Lの光路を遮らない位置に回転された際には、ビームエキスパンダ22から出射されたレーザ光Lは、光シャッター部13の前側に配置されたハーフミラーに入射する。ハーフミラーは、後側から入射されるレーザ光Lのほぼ全部を透過し、一部を反射ミラー17へ反射する。ハーフミラーを透過したレーザ光Lはガルバノスキャナ18に入射される。反射ミラー17は入射されたレーザ光Lを光センサ20へ反射する。尚、光センサ20は、入射されたレーザ光Lの光強度に応じた信号をレーザコントローラ5へ出力する。
ガイド光部15は、ガイド光レーザ28(図2)およびレンズ群(不図示)等を有する。ガイド光レーザ28は例えば赤色の、可視レーザ光を出射する半導体レーザである。レンズ群(不図示)は可視レーザ光を平行光に収束する。ガイド光部15はハーフミラーの右側に配置されている。ハーフミラーはガイド光部15から出射された可視レーザ光であるガイド光をガルバノスキャナ18へ向けて反射する。ここで、ハーフミラーにより反射されたガイド光の光路と、ハーフミラーを透過したレーザ光Lの光路とは一致する。尚、ガイド光は、レーザ加工の際に加工対象物Wの位置合わせに用いられるものである。
ガルバノスキャナ18は、本体ベース11の前側端部に形成された貫通孔(不図示)の上側に取り付けられている。ガルバノスキャナ18は、ガルバノX軸モータ31、ガルバノY軸モータ32、本体部33等を有する。ガルバノX軸モータ31およびガルバノY軸モータ32の各々は、モータ軸およびモータ軸の先端部に取り付けられた走査ミラーを有する。ガルバノX軸モータ31およびガルバノY軸モータ32は、各々のモータ軸が互いに直交し、各々の走査ミラーが互いに対向するように、本体部33に取り付けられている。各モータ31,32が回転することにより、各走査ミラーが回転する。これにより、レーザ光Lおよびガイド光が2次元走査される。ここで、走査方向は、レーザヘッド部3の方向において、前から後へ向かうX方向と、右から左へ向かうY方向である。
以下では、レーザ加工(印字)時のガルバノスキャナ18によって2次元走査されるレーザ光Lの位置を、レーザ光Lの走査点と表記する。尚、レーザ加工(印字)時には、走査点にレーザ光Lが照射される状態に加えて、走査点にレーザ光Lが照射されない状態も含まれる。
fθレンズ19は、ガルバノスキャナ18によって2次元走査されたレーザ光Lとガイド光とを下方に配置された加工対象物Wの加工面WAに集光させる。
電源ユニット6は、ファイバレーザモジュール40および電源部52等を有する。電源部52は不図示の電源コードを介して商用電源に接続される。電源部52は給電される交流電力を直流電力に変換し、レーザ加工部2の各部へ給電する。ファイバレーザモジュール40は光ファイバFを介してアイソレータ21と光学的に接続されている。ファイバレーザモジュール40は、レーザコントローラ5からの命令に応じて、加工対象物Wの加工面WAに加工を行うためのパルス状のレーザ光Lを生成し、光ファイバF内に出射する。尚、ファイバレーザモジュール40の詳細な説明は後述する。
(レーザ加工装置の電気的構成)
次に、レーザ加工装置1の電気的構成について、図2を用いて説明する。PC7は、図1で示した構成の他に、制御部70、制御回路74等を備える。制御部70は、CPU71、RAM72、ROM73、およびHDD(Hard Disk Drive)75等を有する。PC7にはレーザ加工のためのアプリケーションソフトウェアが予めインストールされている。ROM73にはファームウェア等が記憶されている。RAM72はCPU71が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。また、HDD75には加工処理のプログラムおよび文字パラメータ情報等が記憶されている。文字パラメータ情報とは、フォント毎のパラメータ情報であり、例えばストロークフォントの場合には、文字の中心の点の座標、および各点を結ぶ線を表す式のパラメータ等の情報である。また、アウトラインフォントの場合には、文字の輪郭線を構成する点の座標、および各点を結ぶ線を表す式のパラメータ等の情報である。また、HDD75には、レーザ加工のためのアプリケーションソフトウェアと連携して使用される後述する第1データテーブル110(図7)および第2データテーブル111(図11)が記憶されている。CPU71、RAM72、およびROM73は、不図示のバス線により相互に接続されている。また、CPU71とHDD75は、不図示の入出力インターフェースを介して接続されている。また、PC7は印字データをレーザコントローラ5へ送信する送信部(不図示)を有する。
制御回路74は、LCD77、キーボード76、マウス78等と電気的に接続されており、キーボード76およびマウス78が受け付けた操作を信号に変換して、CPU71へ出力する。また、CPU71からの命令に応じた表示画面をLCD77に表示させる。
レーザコントローラ5は、CPU41、RAM42、ROM43等を有する。CPU41はROM43に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、後述のガルバノコントローラ56、ガイド光レーザドライバ58、およびファイバレーザモジュール40等を制御する。RAM42はCPU41が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。尚、CPU41、RAM42、ROM43は、不図示のバス線により相互に接続されている。レーザコントローラ5は、PC7から出力される印字データに基づき、ガルバノスキャナ18の駆動角度および回転速度等を含む駆動情報およびファイバレーザモジュール40の駆動電流値等を含む駆動情報を作成し、レーザ加工部2を制御する印字処理を実行する。
レーザヘッド部3は、図1で示した構成の他に、ガルバノコントローラ56、ガルバノドライバ36、およびガイド光レーザドライバ58等を有する。ガルバノコントローラ56は、レーザコントローラ5から入力された駆動情報に基づいて、例えば駆動電流値、ON・OFF等の制御信号をガルバノドライバ36へ出力する。ガルバノドライバ36は、ガルバノコントローラ56から入力された制御信号に応じた駆動電流をガルバノX軸モータ31およびガルバノY軸モータ32へ供給する。
(ファイバレーザモジュールの概略構成)
図3に示すように、ファイバレーザモジュール40には、公知技術のMOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式のレーザ発振器が使用されている。ファイバレーザモジュール40は、シード光源60、第1励起光源61、第1光増幅ファイバ62、第2励起光源63、第2光増幅ファイバ64、およびパルスジェネレータ65等を備えている。ファイバレーザモジュール40では、シード光源60において、シード光がパルスジェネレータ65でパルス発振される。そのパルス状のシード光は、シード光源60から出力され、アイソレータ66およびカップラ67を介して、第1光増幅ファイバ62に注入される。加えて、励起光が、第1励起光源61から出力され、カップラ67を介して、第1光増幅ファイバ62に注入される。第1光増幅ファイバ62の中では、シード光および励起光が伝搬することによって、シード光が増幅される。その増幅されたシード光(以下、「増幅シード光」という。)は、第1光増幅ファイバ62の出力端から出力される。
増幅シード光は、アイソレータ68およびカップラ69を介して、第2光増幅ファイバ64に注入される。加えて、励起光が、第2励起光源63から出力され、カップラ69を介して、第2光増幅ファイバ64に注入される。第2光増幅ファイバ64の中では、増幅シード光および励起光が伝搬することによって、増幅シード光が更に増幅される。このようにして更に増幅された増幅シード光は、レーザ光Lとして、第2光増幅ファイバ64の出力端(つまり、ファイバレーザモジュール40)から出力される。
その後、レーザ光Lは、上述したように、レーザ光出射部12に入射され、アイソレータ21およびビームエキスパンダ22を通過して、レーザ光出射部12から出射される。その際、レーザ光Lは、レーザ光出射部12において、コリメータ80によって平行光に収束される。コリメータ80は、アイソレータ21とビームエキスパンダ22との間に設けられている。
尚、レーザ光Lの出力特性(例えば、パルス幅、周波数、および光強度等)は、パルスジェネレータ65を介して、レーザコントローラ5で制御される。
(加工条件とその値の設定)
レーザ加工装置1では、加工条件が設定される際に、GUI(Graphical User Interface)が使用される。具体的には、レーザ加工装置1では、図4に示す受付画面82がLCD77に表示され、ユーザがキーボード76およびマウス78等を操作することによって、加工条件が設定される。尚、GUIで加工条件の設定を実現するためのプログラムは、PC7のHDD75に記憶されており、PC7のCPU71によって実行される。
受付画面82には、第1フィールドボックス84、OKボタン201、修正ボタン202、およびキャンセルボタン203等が設けられている。第1フィールドボックス84には、項目欄86および値欄88が設けられている。項目欄86は複数の出力フィールドで構成されており、値欄88は複数の入出力フィールドで構成されている。
項目欄86には、加工条件の各パラメータとして、パルス幅[ns]、レーザ出力[%]、周波数[kHz]、マーク速度[mm/s]、ジャンプ速度[mm/s]、ジャンプ遅延[μs]、ポリゴン遅延[μs]、レーザオフ遅延[μs]、レーザオン遅延[μs]、加速パターン[0~7]、および加工回数[回]が表示されている。
パルス幅は、レーザ光Lのパルス幅であり、nsの単位で表される。レーザ出力は、レーザ光Lの単位面積当たりの光強度であるレーザ光Lの出力密度であり、その最大値に対する百分率で表される。つまり、レーザ出力の単位は、%である。周波数は、レーザ光Lの周波数であり、kHzの単位で表される。マーク速度は、線分の印字中において、ガルバノスキャナ18により、レーザ光Lの走査点が最高の定速で移動する際の速度であり、mm/sの単位で表される。ジャンプ速度は、1つの線分の印字が終了した後において、ガルバノスキャナ18により、レーザ光Lの走査点が次に印字される線分の始点に移動する際の速度であり、mm/sの単位で表される。ジャンプ遅延は、1つの線分の印字が終了し、ガルバノスキャナ18により、レーザ光Lの走査点が次に印字される線分の始点に移動した時において、各走査ミラーの機械的振動(リンギング)を印字に支障がない程度にまで減衰させるために、レーザ光Lの走査を待機する時間であり、μsの単位で表される。ポリゴン遅延は、連続する線分が接続する曲がり角において、レーザ出力がオフからオンされるまでの待機時間であり、μsの単位で表される。
レーザオフ遅延は、1つの線分の印字が終了する際において、レーザ光Lの走査点をその線分の終点に停止させる制御信号が送信された時点から、レーザ出力がオフされるまでの待機時間であり、μsの単位で表される。レーザオン遅延は、1つの線分の印字が開始された際において、レーザ光Lの走査点をその線分の始点より移動させる制御信号が送信された時点から、レーザ出力がオンされるまでの待機時間であり、μsの単位で表される。
加速パターンは、1つの線分の印字が開始された際において、レーザ光Lの走査速度がマーク速度となる前の加速態様であって、8つの加速パターンがある。8つの加速パターンは、番号が0~7の連番で付されることによって区別される。尚。8つの加速パターンの詳細な説明は後述する。加工回数は、1又は複数の線分で構成されるオブジェクトの印字を繰り返し行う数であり、回の単位で表される。
値欄88には、上述した加工条件の各パラメータのデフォルト値又は現状値が表示されている。各パラメータのデフォルト値および現状値は、PC7のHDD75若しくは、レーザコントローラ5に記憶されている。各パラメータの値の書き換えは、ユーザがキーボード76およびマウス78等を操作することで可能である。受付画面82において、OKボタン201がユーザによってマウス78でクリックされると、各パラメータの値は、値欄88に表示されている値に設定される。
そのようにして設定された各パラメータの値は、現状値として、PC7のHDD75に記憶されると共に、加工条件を示す加工条件データとして印字データに含まれた状態で、PC7からレーザコントローラ5に出力され、レーザコントローラ5のRAM42に記憶される。これに対して、受付画面82において、キャンセルボタン203がユーザによってマウス78でクリックされると、受付画面82がLCD77から消去され、加工条件の設定が終了する。これらの点は、後述する加速パターンの変更や内容修正においても、同様である。
(加速パターンの変更)
加速パターンの値の変更は、図4に示すリストボックス90又は図5に示す一覧画面92で行われる。第1フィールドボックス84の値欄88を構成する各フィールドのうち、加速パターンのフィールドがユーザによってマウス78でクリックされると、受付画面82にリストボックス90が表示され、あるいは、一覧画面92が受付画面82に代わってLCD77に表示される。図4に示すリストボックス90が用いられる場合、ユーザは、リストボックス90に一覧表示されている0~7の番号のいずれか一つを、マウス78でクリックし、あるいは、キーボード76で入力することによって選択する。その後、受付画面82において、OKボタン201がユーザによってマウス78でクリックされると、加速パターンの値は、ユーザが選択した番号(値)に変更される。
一方、図5に示す一覧画面92には、8つのグラフ100~107によって、8つの加速パターンが一覧表示されている。各グラフ100~107では、横軸に時間がμsの単位で設定されると共に、縦軸にレーザ光Lの走査速度がmm/sの単位で設定されている。更に、各グラフ100~107には、0~7の番号のいずか一つが割り振られ枠94内に表示されている。従って、図5に示す一覧画面92が用いられる場合、ユーザは、各グラフ100~107の枠94内に表示されている0~7の番号のいずれか一つを、マウス78でクリックし、あるいは、キーボード76で入力することによって選択する。その後、一覧画面92において表示される、図6に示すポップアップウインドウ210内のOKボタン211がユーザによってマウス78でクリックされると、加速パターンの値は、ユーザが選択した番号(値)に変更される。これに対して、ポップアップウインドウ210内のキャンセルボタン213がユーザによってマウス78でクリックされると、ポップアップウインドウ210が一覧画面92から消去される。
尚、各グラフ100~107において、横軸の時間は、レーザ光Lの走査点を印字線分の始点より移動させる制御信号がガルバノスキャナ18に送信された時点からの経過時間であり、ガルバノスキャナ18の駆動時間に相当する。
8つの加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、マーク速度となる前において、段階の制御で加速される。その2段階は、時間が0μsから100μsまでの第1段目と、時間が100μsから240μsまでの第2段目とで構成される。つまり、第1段目の時間幅の値は100μsであり、第2段目の時間幅の値は140μsである。尚、ここでは、マーク速度の値は、図4の第1フィールドボックス84で示すように、3000mm/sに設定されているものとする。
グラフ100は、0の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目および第2段目とも、マーク速度の100%(つまり、3000mm/s)となるように加速される。グラフ101は、1の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目において、マーク速度の70%(つまり、2100mm/s)となるように加速され、第2段目において、マーク速度の100%(つまり、3000mm/s)となるように加速される。
グラフ102は、2の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目において、マーク速度の60%(つまり、1800mm/s)となるように加速され、第2段目において、マーク速度の90%(つまり、2700mm/s)となるように加速される。グラフ103は、3の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目において、マーク速度の50%(つまり、1500mm/s)となるように加速され、第2段目において、マーク速度の80%(つまり、2400mm/s)となるように加速される。
グラフ104は、4の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目において、マーク速度の40%(つまり、1200mm/s)となるように加速され、第2段目において、マーク速度の70%(つまり、2100mm/s)となるように加速される。グラフ105は、5の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目において、マーク速度の30%(つまり、900mm/s)となるように加速され、第2段目において、マーク速度の60%(つまり、1800mm/s)となるように加速される。
グラフ106は、6の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目において、マーク速度の20%(つまり、600mm/s)となるように加速され、第2段目において、マーク速度の50%(つまり、1500mm/s)となるように加速される。グラフ107は、7の番号が付された加速パターンを表している。この加速パターンでは、レーザ光Lの走査速度が、第1段目において、マーク速度の10%(つまり、300mm/s)となるように加速され、第2段目において、マーク速度の40%(つまり、1200mm/s)となるように加速される。
尚、8つの加速パターンの第1段目および第2段目におけるレーザ光Lの走査速度のマーク速度に対する割合(%)は、図7に示す第1データテーブル110において、8つの加速パターンに付された番号に関連付けられて記憶されている。
また、図4に示すリストボックス90が用いられる場合には、各グラフ100~107のうち、ユーザが選択した番号の加速パターンに相当するグラフが、受付画面82に表示されてもよい。
(加速パターンの内容修正)
レーザ加工装置1において、ユーザは、加速パターンの内容修正を行うことが可能である。加速パターンの内容修正とは、加速パターンの第1段目若しくは第2段目の時間幅の値、又は加速パターンの第1段目若しくは第2段目のレーザ光Lの走査速度の値を変更することをいう。ユーザは、加速パターンの内容修正を行う場合、図4に示す受付画面82にリストボックス90が表示されているときにおいて、先ず、リストボックス90に一覧表示されている0~7の番号のいずれか一つを、マウス78でクリックし、あるいは、キーボード76で入力することによって選択し、更に、修正ボタン202をマウス78でクリックする。
すると、図8に示すように、受付画面82において、第2フィールドボックス96が表示される。第2フィールドボックス96では、ユーザが選択した番号の加速パターンについて、第1段目のレーザ光Lの走査速度および時間幅の各値と、第2段目のレーザ光Lの走査速度および時間幅の各値とが、入出力フィールドに表示されている。従って、各値の書き換えは、ユーザがキーボード76およびマウス78等を操作することで可能である。受付画面82において、OKボタン201がユーザによってマウス78でクリックされると、上記各値は、第2フィールドボックス96に表示されている値に変更される。このようにして、加速パターンの内容修正が行われる。
この点を具体的に説明すると、図8に示す第2フィールドボックス96には、ユーザが選択した番号4の加速パターンについて、第1段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値である1200、第1段目の時間幅[μs]の値である100、第2段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値である2100、および第2段目の時間幅[μs]の値である140が、入出力フィールドに表示されている。
ここで、ユーザがキーボード76およびマウス78等を操作することによって、例えば、図9に示す第2フィールドボックス96のように、第1段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が1200から1500に書き換えられ、第1段目の時間幅[μs]の値が100から80に書き換えられ、更に、OKボタン201がユーザによってマウス78でクリックされると、第1段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値は1500に変更され、第1段目の時間幅[μs]の値は80に変更される。
尚、書き換えられる度に、その書き換えられた内容でグラフ化された加速パターンが、受付画面82に表示されてもよい。
また、加速パターンの第2段目のレーザ光Lの走査速度の値の変更は、マーク速度の値を超えないように制限される。更に、加速パターンの第1段目のレーザ光Lの走査速度の値の変更は、第2段目のレーザ光Lの走査速度の値を超えないように制限される。
(加速制御)
次に、加速制御について説明する。加速制御とは、1つの線分の印字が開始される際において、その線分の始点に停止しているレーザ光Lの走査点の移動を、上述した加速パターンで始めさせることをいう。本実施形態のレーザ加工装置1では、そのような加速制御の実現のため、図10のフローチャートで表された加速制御方法200の制御プログラムが実行される。
加速制御方法200の制御プログラムは、PC7のHDD75に記憶されており、レーザ加工が行われる際において、1つの線分の印字が開始される度に、PC7のCPU71によって実行される。従って、後述する処理において、制御対象がレーザ加工部2の構成要素である場合、レーザコントローラ5を介した制御が行われる。尚、本制御プログラムは、不図示のCD-ROMに保存されており、PC7のCD-ROMドライブ(不図示)によって読み込まれ、PC7のCPU71により実行されてもよい。以下、本制御プログラムを説明する。
加速制御方法200が実行されると、その制御プログラムでは、先ず、図10のステップ(以下、単に「S」と表記する。)10の加工条件処理が行われる。この加工条件処理S10では、上述したようにして、加工条件の設定(変更)が行われる。その後は、開始処理S12が行われる。
開始処理S12では、ファイバレーザモジュール40の駆動が開始されると同時に、レーザ光Lの走査が開始される。これにより、加工対象物Wの加工面WAでは、一つの線分が、その始点から印字され始める。但し、レーザ光Lの走査速度は、上記加工条件処理S10で設定(変更)された番号(値)の加速パターンのうち、第1段目の走査速度および時間幅で制御される。従って、この開始処理S12では、上記加工条件処理S10で設定(変更)された加速パターンの番号が0の場合、レーザ光Lの走査がマーク速度で開始される。これに対して、上記加工条件処理S10で設定(変更)された加速パターンの番号が1~7の場合、レーザ光Lの走査がマーク速度よりも遅い速度で開始される。そして、レーザ光Lの走査が開始された時点から、第1段目の時間幅(が示す時間)が経過するタイミングで、加速処理S14が行われる。
加速処理S14では、レーザ光Lの走査速度が、上記加工条件処理S10で設定(変更)された番号(値)の加速パターンのうち、第2段目の走査速度および時間幅で制御される。これにより、上記加工条件処理S10で設定(変更)された加速パターンの番号が0の場合、レーザ光Lの走査速度はマーク速度に維持される。これに対して、上記加工条件処理S10で設定(変更)された加速パターンの番号が1の場合、レーザ光Lの走査が開始された時点から、第1段目の時間幅(が示す時間)が経過するタイミングで、つまり、この加速処理S14が行われるタイミングで、レーザ光Lの走査速度はマーク速度にされる。
また、上記加工条件処理S10で設定(変更)された加速パターンの番号が2~7の場合、第1段目の時間幅(が示す時間)が経過した時点が経過するタイミングで、つまり、この加速処理S14が行われるタイミングで、レーザ光Lの走査速度は、第1段目の走査速度とマーク速度との間にある速度(つまり、第2段目の走査速度)にされる。更に、第1段目の時間幅(が示す時間)が経過した時点から、第2段目の時間幅(が示す時間)が経過するタイミングで、レーザ光Lの走査速度はマーク速度にされる。
従って、この加速処理S14では、上記加工条件処理S10で設定(変更)された加速パターンの番号が1~7の場合、レーザ光Lの走査速度がマーク速度よりも遅い速度からマーク速度にまで加速する。
その後、本制御プログラムは終了するが、加工対象物Wの加工面WAでは、上記加工処理のプログラムによって、一つの線分が、その終点まで、マーク速度で印字される。そして、新たな線分の印字が開始されると、本制御プログラムが再び行われる。
尚、PC7のCPU71は、1つの線分の印字が終了するタイミングで、ファイバレーザモジュール40の駆動停止を行う。更に、PC7のCPU71は、ファイバレーザモジュール40の駆動開始から、レーザ光Lの出力密度が定常状態になるまでの間において、本制御プログラムを終了させるのが好ましい。そのため、各加速パターンの第1段目の時間幅および第2段目の時間幅の設定又は変更は、それらの時間幅の合計値が、ファイバレーザモジュール40の駆動開始からレーザ光Lの出力密度が定常状態になるのに必要な時間(幅)を超えないように設定するのがよい。例えば、加工条件のパルス幅、レーザ出力、および周波数などの各パラメータの値に応じて、ファイバレーザモジュール40の駆動開始からレーザ光Lの出力密度が定常状態になるのに必要な時間(幅)の予測値が対応付けられた第3のデータテーブルが、予めHDD75に記憶されることによって用意されてもよい。そのような場合、本制御プログラムは、この第3のデータテーブルから対応する予測値を呼び出して、加速パターンの第1段目の時間幅の値や第2段目の時間幅の値を前記予測値の30%、50%などに設定して、レーザ光Lの走査速度がマーク速度に至るまでの時間が前記予測値を超えないように調整するものであってよい。
(まとめ)
以上詳細に説明したように、本実施形態のレーザ加工装置1および加速制御方法200では、レーザ加工が行われる際において、加速制御が行われると、1つの線分の印字が開始される度に、ファイバレーザモジュール40の駆動が開始されると同時に、8つの加速パターンのうちいずれか一つの加速パターンでレーザ光Lの走査が開始される。これにより、レーザ光Lの出力密度が定常状態になる前から、レーザ光Lの走査が開始される。そのため、複数の線分で構成されるオブジェクトの印字が行われることによって、ファイバレーザモジュール40の駆動開始が繰り返されても、加工時間の増加は抑制される。
また、加速パターンの番号が1~7の場合には、レーザ光Lの出力密度が定常状態になるまで増加することに応じて、レーザ光Lの走査速度が段階的にマーク速度にまで加速する。そのため、加速制御が行われているときの印字品質は、通常の印字品質(つまり、レーザ光Lの出力密度が定常状態にある場合にレーザ光Lの走査がマーク速度で行われているときの印字品質)と比べても、遜色がない。
また、加速パターンの番号が1~7の場合には、一つの線分の始点に停止中のレーザ光Lの走査点が、その始点から移動し始めると、その移動速度(つまり、レーザ光Lの走査速度)は、マーク速度にまで段階的に加速する。つまり、レーザ光Lの走査速度は、マーク速度にまで即座に加速されない。そのため、本実施形態のレーザ加工装置1および加速制御方法200は、マーク速度が比較的高速であっても、静止状態にあるガルバノスキャナ18の各走査ミラーを、制御信号(つまり、レーザ光Lの走査点をその線分の始点より移動させる信号)に追従させて動作させることが可能である。
また、本実施形態のレーザ加工装置1では、それぞれ異なる8つの加速パターンが予め用意されており、ユーザは、8つの加速パターンに割り振られた0~7の番号のいずれか一つを選択して設定するだけで、所望の加速パターンが自動的に提供され、その提供された加速パターンで加速制御を行わせることが可能である。そのため、ユーザは、レーザ光Lの出力特性(例えば、パルス幅、周波数、および光強度等)および加工対象物Wの材質等に適した加速パターンを、手間を掛けることなく、見つけ出すことが可能である。
また、一覧画面92には、それぞれ異なる8つの加速パターンが、視覚的に理解可能な8つのグラフ100~107で表示されている。そのため、ユーザは、一覧画面92を見るだけで、8つの加速パターンの特徴(相違点)を把握し易い。
また、本実施形態のレーザ加工装置1において、ユーザは、受付画面82に表示される第2フィールドボックス96を用いて、加速パターンの第1段目若しくは第2段目の時間幅の値、又は加速パターンの第1段目若しくは第2段目のレーザ光Lの走査速度の値を変更することが可能である。従って、ユーザは、予め用意されている加速パターンの内容を修正することによって、比較的に簡単に、加速制御を所望の加速態様で行わせることが可能である。
また、本実施形態のレーザ加工装置1において、加速制御の各加速パターンは、グラフ100~107や第2フィールドボックス96で示すように、レーザ光Lの走査速度と時間(幅)とを用いて定義されている。従って、加速制御では、レーザ光Lの走査速度がガルバノスキャナ18の駆動時間に基づいて制御される。そのため、予め用意される加速パターンは、レーザ光Lの出力密度が定常状態になるまで増加することに応じた加速態様(つまり、段階的な加速)に設定(変更)し易い。また、加速制御のプログラミングも容易である。
また、本実施形態のレーザ加工装置1において、ファイバレーザモジュール40は、シード光源60、第1,第2励起光源61,63、及び第1,第2光増幅ファイバ62,64等を備える、MOPA方式のレーザ発振器である。そのため、加工条件の各パラメータのうち、レーザ光Lのパルス幅、周波数、および光強度(レーザ出力)等の出力特性は、パルスジェネレータ65を介して、レーザコントローラ5で比較的広範囲で変更可能である。もっとも、本実施形態のレーザ加工装置1は、上述したように、レーザ光Lの出力特性等に適した加速パターンを、ユーザの手間を掛けることなく、見つけ出すことが可能である。つまり、ユーザは、レーザ光Lの出力特性を比較的広範囲で変更しても、その変更に適した加速パターンを、手間を掛けることなく、見つけ出すことが可能である。
尚、本実施形態とは異なるが、1つの線分の印字が開始される際において、その線分の始点に停止しているレーザ光Lの走査点の移動が、レーザ光Lの出力密度が定常状態になるまで待って行われると、その線分の印字は、その始点から綺麗な仕上がりで行われる。但し、このような場合、レーザ光Lの出力密度が定常状態になるまでの時間を予め設定する必要があるが、そのような設定は手間が掛かる作業であり、ユーザに負担を掛けてしまう。また、複数の線分で構成されるオブジェクトの印字が行われるケースでは、レーザ光Lの走査点が各線分の終点に到達する際に、ファイバレーザモジュール40の駆動停止が行われ、レーザ光Lの走査点が各線分の始点に移動・停止した際に、ファイバレーザモジュール40の駆動開始が行われる。つまり、各線分の印字が開始される度に、レーザ光Lの走査点の移動が、レーザ光Lの出力密度が定常状態になるまで待機させられる。そのため、加工時間の増加抑制が困難である。
ちなみに、本実施形態において、レーザコントローラ5は、「光源制御部」の一例である。ガルバノスキャナ18は、「走査部」の一例である。ファイバレーザモジュール40およびレーザコントローラ5は、「レーザ出力部」の一例である。第1励起光源61と第2励起光源63は、「励起光源」の一例である。第1光増幅ファイバ62と第2光増幅ファイバ64は、「光増幅ファイバ」の一例である。HDD75は、「記憶部」の一例である。キーボード76、LCD77、マウス78、LCD77に表示される受付画面82の第1フィールドボックス84、リストボックス90、第2フィールドボックス96、OKボタン201、修正ボタン202、およびLCDに表示される一覧画面92等は、「選択部」「修正部」の一例である。LCD77は、「表示部」の一例である。レーザ光Lは、「パルスレーザ光」の一例である。開始処理S12は、「開始工程」の一例である。加速処理S14は、「加速工程」の一例である。加工条件の各パラメータは、「パラメータ」の一例である。マーク速度は、「目標速度」の一例である。番号(値)が1~7の加速パターンの第1段目の走査速度は、「初期速度」の一例である。
(その他)
尚、本開示は、本実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態において、加速制御の各加速パターンは、図5のグラフ100~107で示すように、レーザ光Lの走査速度が階段的にマーク速度にまで加速するものであるが、レーザ光の走査速度が減速することなく曲線的にマーク速度にまで加速するものであってもよいし、3段以上の段階的な加速をするものであってもよい。
また、本実施形態において、各加速パターンの第1段目の時間幅の値は100μsであり、第2段目の時間幅の値は140μsであるが、第1段目の時間幅および第2段目の時間幅の各値は、加速パターン毎に異なっていてもよい。また、レーザ光Lの走査速度が一定のマーク速度でレーザ加工される領域と、レーザ光Lの走査速度が加速されながらレーザ加工される領域とでは、印字品質の差(むら)が出る虞もある。そこで、レーザ光Lの走査速度がマーク速度に至るまでに加速されながらレーザ加工される領域の長さ(つまり、後述するレーザ光Lの走査距離)が、むやみに長くならないようにするため、第1段目および第2段目の時間幅の各設定(変更)値の上限が制限されるものであってもよい。また、レーザ光Lの走査速度がマーク速度に至るまでに加速されながらレーザ加工される領域の長さが、どの加速パターンを選んでもほぼ変わらないようにするためには、第1段目および第2段目のレーザ光Lの走査速度の設定(変更)値に応じて第1段目および第2段目の時間幅が設定(変更)されているのが好ましい。
また、本実施形態において、ファイバレーザモジュール40は、MOPA方式以外(例えば、Qスイッチ方式)のレーザ発振器であってもよい。
また、本実施形態では、ユーザが変更した番号の加速パターンで加速制御が行われるが、更に、ユーザがマーク速度の値を変更した場合には、変更されたマーク速度の値と対応関係にある内容の加速パターンで加速制御が行われてもよい。以下、例えば、加速パターンの番号が5に変更された場合を、図11を用いて具体的に説明する。このような場合において、マーク速度[mm/s]の値が1000に変更されると、その値と対応関係にある内容の加速パターンで、つまり、第1段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が300で、第2段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が600の加速パターンで、加速制御が行われる。
また、マーク速度[mm/s]の値が2000に変更されると、その値と対応関係にある内容の加速パターンで、つまり、第1段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が600で、第2段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が1200の加速パターンで、加速制御が行われる。また、マーク速度[mm/s]の値が3000に変更されると、その値と対応関係にある内容の加速パターンで、つまり、第1段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が900で、第2段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が1800の加速パターンで、加速制御が行われる。また、マーク速度[mm/s]の値が4000に変更されると、その値と対応関係にある内容の加速パターンで、つまり、第1段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が1200で、第2段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]の値が2400の加速パターンで、加速制御が行われる。
このような変更例では、マーク速度[mm/s]の値が変更されても、ユーザに手間を掛けることなく、変更されたマーク速度[mm/s]の値に対して適切な内容の加速パターンが自動的に提供される。
尚、マーク速度[mm/s]と第1段目および第2段目のレーザ光Lの走査速度[mm/s]との対応関係は、図11に示す第2データテーブル111において、8つの加速パターンに付された番号に関連付けられて記憶されている。
また、上記変更例では、加速パターンの第1段目および第2段目の時間幅[μs]の各値は、変更されず現状値が使用されているが、変更されたマーク速度[mm/s]の値と対応関係にある値に変更されてもよい。
ちなみに、上記変更例において、キーボード76、LCD77、マウス78、LCD77に表示される受付画面82の第1フィールドボックス84、およびOKボタン201等は、「設定変更部」の一例である。
また、レーザ光Lのパルス幅[ns]、周波数[kHz]、又はレーザ出力[%]の値の変更は、印字品質に与える影響が大きい。従って、このような場合においても、上記変更例と同様にして、変更された値と対応関係にある内容の加速パターンで加速制御が行われるようにしてもよい。
また、本実施形態において、加速制御は、レーザ光Lの走査速度がガルバノスキャナ18の駆動時間に基づいて制御されるものであるが、レーザ光Lの走査速度がレーザ光Lの走査距離に基づいて制御されるものであってもよい。ここで、レーザ光Lの走査距離とは、レーザ光Lの走査点が印字中の線分の始点から移動した距離をいう。このような場合、ユーザは、各加速パターンの内容から、加速制御が行われている際の印字長さを(つまり、レーザ光Lの出力密度が定常状態になる前の印字長さをおおよそ)把握することが可能である。
1:レーザ加工装置、5:レーザコントローラ、18:ガルバノスキャナ、40:ファイバレーザモジュール、60:シード光源、61:第1励起光源、62:第1光増幅ファイバ、63:第2励起光源、64:第2光増幅ファイバ、70:制御部、75:HDD、76:キーボード、77:LCD、78:マウス、82:受付画面、84:第1フィールドボックス、90:リストボックス、92:一覧画面、96:第2フィールドボックス、200:加速制御方法、201:OKボタン、202:修正ボタン、L:レーザ光、S12:開始処理、S14:加速処理。

Claims (9)

  1. パルスレーザ光を出力するレーザ出力部と、
    前記パルスレーザ光を走査する走査部と、
    加速制御を行う制御部と、を備え、
    前記加速制御は、
    前記パルスレーザ光の走査を目標速度よりも遅い初期速度で開始させる開始処理と、
    前記パルスレーザ光の走査速度を前記初期速度から前記目標速度にまで加速させる加速処理と、を備え、
    前記制御部は、前記レーザ出力部の駆動開始から、前記パルスレーザ光の単位面積当たりの光強度である前記パルスレーザ光の出力密度が定常状態になるまでの間において、前記加速制御を実行させることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記パルスレーザ光の出力又は走査に関するパラメータと前記加速制御の加速パターンとの対応関係を記憶する記憶部と、
    前記パラメータの値をユーザが変更可能な設定変更部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記設定変更部で変更される前記パラメータの値と前記対応関係にある加速パターンで前記加速制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記パラメータは、前記パルスレーザ光の周波数、前記パルスレーザ光のパルス幅、前記パルスレーザ光の前記出力密度、又は前記目標速度であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記加速制御の加速パターンを複数記憶する記憶部と、
    前記加速制御の加速パターンを複数表示する表示部と、
    前記表示部に複数表示される前記加速制御の加速パターンのいずれか一つをユーザが選択可能な選択部と、を備え、
    前記制御部は、前記選択部で選択される加速パターンで前記加速制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記選択部で選択される前記加速制御の加速パターンの少なくとも一部をユーザが修正可能な修正部を備えることを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記加速制御では、前記パルスレーザ光の走査速度が前記走査部の駆動時間に基づいて制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
  7. 前記加速制御では、前記パルスレーザ光の走査速度が前記パルスレーザ光の走査距離に基づいて制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
  8. 前記レーザ出力部は、
    パルス状のシード光を発生するシード光源と、
    励起光を発生する励起光源と、
    前記励起光で前記シード光を増幅することによって前記パルスレーザ光を出力する光増幅ファイバと、
    前記パルスレーザ光の出力特性を制御する光源制御部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
  9. パルスレーザ光を出力するレーザ出力部と、前記パルスレーザ光を走査する走査部と、を備えるレーザ加工装置で行われる、前記パルスレーザ光の走査速度の加速制御方法であって、
    前記パルスレーザ光の走査を目標速度よりも遅い初期速度で開始させる開始工程と、
    前記パルスレーザ光の走査速度を前記初期速度から前記目標速度にまで加速させる加速工程と、を備え、
    前記開始工程及び前記加速工程を、前記レーザ出力部の駆動開始から、前記パルスレーザ光の単位面積当たりの光強度である前記パルスレーザ光の出力密度が定常状態になるまでの間において実行させることを特徴とする加速制御方法。
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