JP6683161B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

この発明は、レーザ光を加工対象物に照射して加工するレーザ加工装置に関する。
従来、この種のレーザ加工装置として、加工対象物を加工する前に、可視光レーザを加工対象物上に走査して加工パターンに対応する画像を形成することにより、加工位置を確認する構成のものが知られている(特許文献1)。
特開2003-117669公報
図13は、上述した従来のレーザ加工装置が加工パターンに対応する画像を形成する手法を説明する模式図であり、(a)は加工パターンが加工された加工対象物の模式図、(b)〜(d)は可視光レーザを加工対象物上に走査する過程を示す模式図である。たとえば、従来のレーザ加工装置が、同図(a)に示すように、加工対象物Wに「ABCDE」という加工パターンRを加工する場合について説明する。従来のレーザ加工装置は、加工対象物Wに「ABCDE」を加工する前に、可視光レーザを加工対象物Wの上に走査することにより、加工対象物Wの上に「ABCDE」という加工パターンに対応する画像を形成する。従来のレーザ加工装置は、可視光レーザを、加工対象物Wの上をX方向(図では左右方向)に走査しつつ、上方から下方に移動させながら文字Aから順に画像を形成して行く。
しかし、同図(b)に示すように、可視光レーザにより、文字Aの中央部分の走査が開始されるころには、文字Aの上部は残像として残る。しかし、同図(c)に示すように、文字Aの中央部分の走査が終わるころには、文字Aの上部の残像は消える。さらに、同図(d)に示すように、文字Aの下部の走査が終わるころには、文字Aの中央部分の残像は消えてしまう。つまり、走査時間の経過とともに残像が上部から下部に向けて消えて行ってしまう。他の文字BCDEの各画像を順に形成する場合も同様の現象が発生する。
このように、前述した従来のレーザ加工装置は、可視光レーザを走査することにより生じる残像現象を利用しているため、加工パターンの位置決めをすることが難しいという問題を有する。
特に、上下左右の位置が不揃いな加工パターン(例えば、複雑な図形など)の場合は、加工パターンの端部を把握し難いため、加工パターンの位置決めをすることはさらに難しくなる。また、大きな画像や塗りつぶしが多い画像など、可視光レーザの走査開始から走査終了までに時間がかかる加工パターンの場合は、残像が残りにくいため、やはり加工パターンの位置決めをすることが難しい。
そこで、この発明は、上記の問題を解決するために創出されたものであって、加工対象物における加工パターンの位置決めを容易に行うことができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、レーザ光を加工対象物に照射して加工するレーザ加工装置であって、レーザ光源と、走査部と、制御部と、投影部と、を備えており、制御部が、画像作成処理と、投影処理と、を実行することを第1の特徴とする。レーザ光源はレーザ光を出射し、走査部はレーザ光源から出射されたレーザ光を加工対象物に走査する。制御部は加工対象物の加工パターンに対応する加工データに基づいてレーザ光源および走査部を制御する。投影部は画像を投影する。制御部が実行する画像作成処理では、加工データに基づいて加工パターンに対応する画像である加工画像を作成する。制御部が実行する投影処理では、画像作成処理により作成された加工画像を投影部に加工対象物に対して投影させる。
上述したように、制御部が実行する画像作成処理では、加工データに基づいて加工パターンに対応する画像である加工画像を作成し、制御部が実行する投影処理では、画像作成処理により作成された加工画像を投影部に加工対象物に対して投影させる。
つまり、投影部は、加工パターンに対応する画像である加工画像を加工対象物に投影するため、投影開始からの時間経過とともに加工画像が消えることがないので、加工パターンの全体像を目視で容易に把握することができる。
したがって、上記第1の特徴を備えるレーザ加工装置を実施すれば、加工対象物における加工パターンの位置決めを容易に行うことができる。
しかも、加工画像を目視することにより、加工結果を容易に確認することもできる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第1の特徴において、投影部により加工対象物に投影された加工画像の焦点がレーザ光の焦点と一致していることを第2の特徴とする。
つまり、投影部により加工対象物に投影された加工画像の焦点がレーザ光の焦点と一致しているため、投影部により加工対象物に投影された加工画像の焦点を合わせるだけで、レーザ光の焦点を自動的に合わせることができるので、レーザ光の焦点合わせを目視で容易に行うことができる。また、加工画像を用いて加工パターンの位置合わせを行うため、加工画像の焦点が合っていない場合にその焦点を合わせるようにすれば、レーザ光の焦点合わせを忘れるおそれがない。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第1または第2の特徴において、投影処理では、加工条件に応じて加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して投影部に投影させることを第3の特徴とする。
投影処理では、加工条件に応じて加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して投影部に投影させることができるため、加工対象物に投影された加工画像の表示態様を目視で識別することにより、加工条件を確認することができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3の特徴において、加工画像の表示態様は、加工画像の少なくとも一部における輝度であることを第4の特徴とする。
加工画像の表示態様は、加工画像の少なくとも一部における輝度であるため、加工画像の輝度を目視で識別すれば加工条件を知ることができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
たとえば、加工品質と加工画像の輝度とを対応付けて設定しておくことにより、加工画像の輝度を目視で識別すれば、加工品質を容易に確認することができるし、加工品質の設定ミスによる加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3または第4の特徴において、表示態様は、加工画像の少なくとも一部における明度、彩度および色相のうちの少なくとも1つであることを第5の特徴とする。
加工画像の表示態様は、加工画像の少なくとも一部における明度、彩度および色相のうちの少なくとも1つであるため、加工画像の明度、彩度および色相のうち、変更されたものを目視で識別すれば加工条件を確認することができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
たとえば、加工対象物の材質と加工画像の色相(色)とを対応付けて設定しておくことにより、加工画像の色相を目視で識別すれば、加工対象物の材質を容易に確認することができるし、材質の設定ミスによる加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3ないし第5のいずれか1つの特徴において、加工画像の表示態様は、加工条件に応じて加工画像を静止画像または点滅画像にて表示することであることを第6の特徴とする。
加工画像の表示態様は、加工条件に応じて加工画像を静止画像または点滅画像にて表示することであるため、加工画像が静止画像および点滅画像のどちらであるかを目視で識別すれば加工条件を確認することができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
たとえば、加工対象物の材質が非鉄金属である場合は加工画像を静止画像として投影し、加工対象物の材質が樹脂である場合は加工画像を点滅画像として投影するように設定しておくことにより、加工画像が静止画像および点滅画像のどちらであるかを目視で識別すれば、加工対象物が非鉄金属および樹脂のどちらであるかを容易に確認することができるし、材質の設定ミスによる加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3ないし第6のいずれか1つの特徴において、加工条件は、レーザ光のレーザパワーであることを第7の特徴とする。
レーザ光のレーザパワーに応じて加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して投影部に投影させることができるため、加工画像の少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、レーザパワーを確認することができるので、レーザパワーの確認作業を容易化することができる。
しかも、レーザパワーの設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3ないし第7のいずれか1つの特徴において、加工条件は、レーザ光の走査速度であることを第8の特徴とする。
レーザ光の走査速度に応じて加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して投影部に投影させることができるため、加工画像の少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、レーザ光の走査速度を確認することができるので、レーザ光の走査速度の確認作業を容易化することができる。
しかも、レーザ光の走査速度の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3ないし第8のいずれか1つの特徴において、加工条件は、加工対象物の材質であることを第9の特徴とする。
加工対象物の材質に応じて加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して投影部に投影させることができるため、加工画像の少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、加工対象物の材質を確認することができるので、材質の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工対象物の材質の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3ないし第9のいずれか1つの特徴において、加工条件は、加工対象物の加工回数であることを第10の特徴とする。
加工対象物の加工回数に応じて加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して投影部に投影させることができるため、加工画像の少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、加工回数を確認することができるので、加工回数の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工対象物の加工回数の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第3ないし第10のいずれか1つの特徴において、加工条件は、加工対象物を加工したときの加工部分における発色に関する情報であることを第11の特徴とする。
加工対象物を加工したときの加工部分における発色に関する情報に応じて加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して投影部に投影させることができるため、加工画像の少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、加工対象物を加工したときの加工部分における発色を確認することができるので、発色の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工対象物を加工したときの加工部分における発色の確認ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第1ないし第11のいずれか1つの特徴において、投影処理では、加工条件を示す加工条件画像を加工画像とは別個に投影部に投影させることを第12の特徴とする。
投影処理では、加工条件を示す加工条件画像を加工画像とは別個に投影部に投影させることができるため、加工条件画像を目視することにより、具体的な加工条件そのものを確認することができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第12の特徴において、投影処理では、加工条件画像として、設定可能な加工条件を示す画像を加工画像とは別個に投影部に投影させることを第13の特徴とする。
投影処理では、加工条件画像として、設定可能な加工条件を示す画像を加工画像とは別個に投影部に投影させることができるため、その画像を目視することにより、設定可能な具体的な加工条件そのものを確認することができるので、設定可能な加工条件の確認作業を容易化すことができる。換言すると、設定不可能な加工条件は投影されないため、誤って設定不可能な加工条件を設定してしまうおそれがない。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第12または第13の特徴において、投影処理では、加工条件画像を加工画像の表示態様とは異なる表示態様にて投影部に投影させることを第14の特徴とする。
投影処理では、加工条件画像を加工画像の表示態様とは異なる表示態様にて投影部に投影させることができるため、加工画像と加工条件画像とを識別し易くすることができるので、加工画像および加工条件画像をそれぞれ容易に確認することができる。
たとえば、加工画像が白色である場合に、加工条件画像を赤色で投影することにより、加工画像と加工条件画像とを識別し易くすることができるので、加工画像および加工条件画像をそれぞれ容易に確認することができる。
また、この出願に係る発明のレーザ加工装置は、前述した第1ないし第14のいずれか1つの特徴において、投影処理では、投影部に、加工の位置決めに用いる位置決め用画像を加工対象物上に投影させることを第15の特徴とする。
投影処理では、投影部に、加工の位置決めに用いる位置決め用画像を加工対象物上に投影させることができるため、加工対象物上に投影された位置決め用画像を用いることにより、加工パターンの位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
この出願に係る発明のレーザ加工装置を実施すれば、加工対象物における加工パターンの位置決めを容易に行うことができる。
第1実施形態のレーザ加工装置の概略構成を示す説明図である。 レーザ加工装置の概略構成をレーザヘッドの内部構造と共に示す模式図である。 レーザヘッドの裏面説明図である。 筐体内に備えられたステージ昇降装置を示す模式図である。 レーザコントローラの主な電気的構成をブロックで示す説明図である。 データテーブルの内容を示す説明図である。 ガイド光、加工画像および加工条件画像の説明図である。 PCのCPUが実行する加工画像投影処理のメインルーチンを示すフローチャートである。 サブルーチンである加工画像作成処理を示すフローチャートである。 サブルーチンである加工条件画像作成処理を示すフローチャートである。 加工画像を示す模式図であり、(a)は加工対象物に投影された加工画像を示す模式図、(b)は加工画像の焦点を合わせる様子を示す模式図である。 加工画像の説明図であり、(a)は輝度38の白色の加工画像、(b)は輝度10の白色の加工画像である。 従来のレーザ加工装置が加工パターンに対応する画像を形成する手法を説明する模式図であり、(a)は加工パターンが加工された加工対象物の模式図、(b)〜(d)は可視光レーザを加工対象物上に走査する過程を示す模式図である。
〈第1実施形態〉
[レーザ加工装置の概略構成]
この発明の第1実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について図1ないし図4を参照しつつ説明する。
図1は、この実施形態のレーザ加工装置の概略構成を示す説明図であり、図2は、レーザ加工装置の概略構成をレーザヘッドの内部構造と共に示す模式図である。図3は、レーザヘッドの裏面説明図であり、図4は、筐体内に備えられたステージ昇降装置を示す模式図である。
図1に示すように、この実施形態のレーザ加工装置1は、レーザ光を加工対象物に走査するレーザヘッド2と、このレーザヘッド2を制御するレーザコントローラ5と、このレーザコントローラ5を制御するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)7と、加工対象物を収容する筐体(エンクロージャーともいう)90とを備える。レーザコントローラ5は、PC7と双方向通信可能に電気的に接続されており、さらに、レーザヘッド2と電気的に接続されている。レーザヘッド2は、筐体90の上面に配置されており、その外殻を形成するカバー2aを備える。図3に示すように、レーザヘッド2の裏面には、fθレンズ20が露出している。また、レーザヘッド2の裏面には、プロジェクタ80(図2)の投影部82と、ポインタ光出射部39とが設けられている。また、レーザヘッド2の後端には、レーザコントローラ5と光学的に接続するための光ファイバケーブルFが接続されている。
図1に示すように、筐体90の正面には、扉91が設けられており、扉91には、扉91を開閉するための取手92が設けられている。また、扉91には、筐体90の内部を覗くための窓93が設けられている。筐体90は、高いレーザ遮断性能および電磁ロック機能を備えており、CLASS1の安全基準を満たしている。レーザコントローラ5のフロントパネル55には、電源スイッチ5aと、キースイッチ5bと、リセットスイッチ5cと、緊急停止スイッチ5dとが設けられている。電源スイッチ5aは、レーザコントローラ5およびレーザヘッド2の電源をオン・オフするためのスイッチであり、キースイッチ5bは、差し込んだキーを回動することにより、レーザコントローラ5の起動および停止を行うためのスイッチである。リセットスイッチ5cは、レーザコントローラ5およびレーザヘッドの設定状態をリセットするためのスイッチであり、緊急停止スイッチ5dは、緊急時にレーザコントローラ5およびレーザヘッド2を停止するためのスイッチである。また、フロントパネル55には、メッシュ状の放熱窓5e,5eが設けられている。PC7には、キーボード7aと、マウス7bと、表示装置7cとが設けられている。
図4に示すように、筐体90(図1)の内部には、ステージ昇降装置94が配置されている。ステージ昇降装置94は、レーザ光の焦点を加工対象物Wの加工位置に合わせるために、加工対象物Wの載置高さを調節するための装置である。ステージ昇降装置94は、天板95と、ステージ102と、支持部材100と、Xリンク機構96と、筒状部材97,97と、ネジ軸98と、調整ノブ99と、昇降制御部101とを備える。図4は、ステージ昇降装置94を側面から見た模式図であり、図示されたXリンク機構96と相対向して配置されたもう一方のXリンク機構は図面に表れていない。相対向するように配置された各Xリンク機構96の上端には、天板95が取付けられており、各Xリンク機構96の下端には、それぞれ支持部材100が取付けられている。天板95の上面には、加工対象物Wを載置するためのステージ102が設けられている。Xリンク機構96の外側の回動軸96a,96aには、それぞれ筒状部材97の一端が軸支されており、各筒状部材97の他端は、もう一方のXリンク機構96の外側の交差点にそれぞれ軸支されている。
各筒状部材97の長手方向の略中央には、ネジ軸98が挿通されており、各筒状部材97の内部には、ネジ軸98と噛み合うボール・ナットが設けられている。つまり、ネジ軸98および上記ボール・ナットにより、ボールネジが構成されている。ネジ軸98の前端には、ネジ軸98を回転させて手動でステージ昇降装置94の昇降を行うための調整ノブ99が取付けられている。ネジ軸98の後端は、昇降制御部101の内部に設けられた、モータおよびギヤなどからなる駆動機構(図示せず)と連結されている。昇降制御部101は、PC7から出力される指示により、レーザコントローラ5を介して制御される。PC7から、ステージ102の高さを高くする指示が、レーザコントローラ5を介して昇降制御部101に出力されると、昇降制御部101に設けられたモータが駆動してネジ軸98が一方向に回動する。これにより、筒状部材97,97間の距離が縮まり、各Xリンク機構96が伸長し、ステージ102が上昇する。また、PC7から、ステージ102の高さを低くする指示が、レーザコントローラ5を介して昇降制御部101に出力されると、ネジ軸98が上昇時とは逆回転して筒状部材97,97間の距離が隔たり、各Xリンク機構96が退縮し、ステージ102が下降する。また、調整ノブ99を手で回すことにより、ステージ102の昇降を行うこともできる。
[レーザヘッド2の概略構成]
次に、レーザヘッド2の概略構成について図2を参照しつつ説明する。
なお、レーザヘッド2の説明において、レーザ発振器21からガルバノスキャナ19に向けてレーザ光Lを照射する方向が、レーザヘッド2の前方向であり、その反対方向が後方向であり、前後方向をX方向とする。また、レーザ発振器21が取り付けられたベース11の取付面に対して垂直方向が、レーザヘッド2の上下方向である。そして、レーザヘッド2の上下方向及び前後方向に直交する方向が、レーザヘッド2の左右方向であり、Y方向とする。
図2に示すように、レーザヘッド2は、ベース11、レーザ光Lを照射するレーザ発振ユニット12、ガルバノスキャナ19、fθレンズ20およびプロジェクタ80などから構成されており、カバー2a(図1)により覆われている。レーザ発振ユニット12は、レーザ発振器21などから構成されている。ガルバノスキャナ19は、ベース11の前側端部において上下方向に形成された貫通孔2b(図3)の上側に取り付けられており、レーザ発振ユニット12から照射されたレーザ光Lを貫通孔2bを介して下方へ2次元走査するものである。ガルバノスキャナ19は、ガルバノX軸モータ31と、ガルバノY軸モータ32と、本体部33とにより構成されており、各モータ軸の先端には走査ミラー(図示せず)がそれぞれ回転可能に取付けられている。各走査ミラーは、各反射面が対向するように配置されている。各モータ31、32の回転をそれぞれ制御して、各走査ミラーを回転させることにより、レーザ光Lを下方へ2次元走査する。この2次元走査方向は、前後方向(X方向)および左右方向(Y方向)である。
fθレンズ20は、ガルバノスキャナ19によって2次元走査されたレーザ光Lを下方に配置された加工対象物Wの加工面W1に集光する。つまり、各モータ31、32の回転を制御することによって、レーザ光Lが、加工対象物Wの加工面W1において、所望の加工パターンで前後方向(X方向)および左右方向(Y方向)に2次元走査される。
[プロジェクタの概略構成]
次に、プロジェクタ80の概略構成について図を参照しつつ説明する。
図2に示すように、プロジェクタ80は、fθレンズ20の近傍に設けられている。また、図3に示すように、fθレンズ20の近傍には、プロジェクタ80が加工画像(オブジェクト画像ともいう)および加工条件画像を投影するための投影部82が開口形成されている。加工画像とは、加工パターンを作成するための加工データに基づいて作成される画像であり、加工パターンに対応する画像である。また、加工条件画像とは、加工対象物Wの加工条件を示す画像である。加工画像および加工条件画像の作成手法については後述する。
図7は、ガイド光、加工画像および加工条件画像の説明図である。図7に示すように、プロジェクタ80は、加工対象物Wの加工パターンに対応する加工画像OBを加工対象物Wに投影する。プロジェクタ80は、実際の加工パターンと同じ大きさの加工画像OBを、加工パターンの加工領域と一致するように加工対象物Wに投影する。加工対象物Wの加工領域に投影される加工画像OBの焦点は、加工領域に走査されるレーザ光Lの焦点と一致している。
つまり、ステージ昇降装置94(図4)を操作してステージ102の高さを調節することにより、プロジェクタ80が加工領域に投影した加工画像OBの焦点(ピント)を合わせると、加工領域に対するレーザ光Lの焦点を合わせることができる。
この実施形態では、ステージ昇降装置94を昇降させつつ、加工画像OBを目視しながら、加工画像OBの焦点を合わせる手法を採用するが、筐体90の内部に加工対象物Wを撮影するカメラを設け、そのカメラの撮影画像をPC7の表示装置7cで見ながら加工画像OBの焦点を合わせるように構成することもできる。
また、図7に示すように、プロジェクタ80は、加工対象物Wの材質、加工品質および加工回数などの加工条件を表す加工条件画像Jを加工対象物Wと重ならない箇所に投影する。さらに、プロジェクタ80は、加工対象物Wの位置決めに用いるガイド光Gを投影する。この実施形態では、ガイド光Gは、矩形の格子状に形成されており、ステージ102の上面に投影されている。また、ガイド光Gが投影されている領域が、レーザ光Lを走査して加工が可能な加工可能領域Pに相当する。図示の例では、加工対象物Wの加工領域、つまり、加工パターンを形成する領域には、「ABCDE」から成る加工画像OBが投影されており、非鉄金属、品質10および回数1の表示内容から成る加工条件画像Jが投影されている。品質とは加工品質のことであり、回数とは、同じ加工対象物Wに対する加工回数のことである。
プロジェクタ80としては、DLP(Digital Light Processing:DLPは登録商標)と呼ばれるDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いた映像表示システムや液晶式プロジェクタなどを用いることができる。
[レーザコントローラ5の概略構成]
次に、レーザコントローラ5の概略構成について図2を参照しつつ説明する。
レーザコントローラ5には、励起用半導体レーザ部40と、レーザドライバ51と、電源部52と、冷却ユニット53とが設けられている。電源部52は、励起用半導体レーザ部40を駆動する駆動電流をレーザドライバ51を介して励起用半導体レーザ部40に供給する。励起用半導体レーザ部40は、光ファイバケーブルFによってレーザ発振器21に光学的に接続されている。励起用半導体レーザ部40は、励起光を光ファイバケーブルF内に出射する。
したがって、レーザ発振器21には、励起用半導体レーザ部40から出射された励起光が光ファイバケーブルFを介して入射される。励起用半導体レーザ部40には、たとえば、GaAsを用いたバー型半導体レーザを用いることができる。
冷却ユニット53は、電源部52および励起用半導体レーザ部40を所定の温度範囲内に調整するためのユニットであり、たとえば、強制空冷方式により冷却することで、励起用半導体レーザ部40の温度制御を行っており、励起用半導体レーザ部40の発振波長を微調整する。なお、冷却ユニット53として、ペルチェ素子を用いた電子冷却方式の冷却ユニット、または、水冷式の冷却ユニットを用いることもできる。
レーザコントローラ5は、PC7から送信された文字、記号、図形などの加工パターンデータ(印字データともいう)、制御パラメータおよび各種指示情報などに基づいてレーザヘッド2を制御する。つまり、レーザコントローラ5は、PC7と共にレーザ加工装置1の全体を制御する。
[レーザコントローラ5の電気的構成]
次に、レーザコントローラ5の主な電気的構成について、それをブロックで示す図5を参照しつつ説明する。
レーザコントローラ5は、レーザコントローラ5の全体を制御する制御部60を備えており、制御部60には、ガルバノコントローラ56と、レーザドライバ51と、ポインタ光ドライバ59と、光センサ18と、プロジェクタドライバ81と、昇降制御部101とが電気的に接続されている。ガルバノコントローラ56は、ガルバノドライバ57と電気的に接続されており、ガルバノドライバ57は、ガルバノX軸モータ31およびガルバノY軸モータ32と電気的に接続されている。レーザドライバ51は、励起用半導体レーザ部40と電気的に接続されており、励起用半導体レーザ部40はレーザ発振器21と電気的に接続されている。ポインタ光ドライバ59はポインタ光出射部39と電気的に接続されており、プロジェクタドライバ81はプロジェクタ80と電気的に接続されている。
制御部60には、CPU61と、RAM62と、ROM63と、タイマ64とが備えられている。CPU61は、レーザコントローラ5、ヘッド2および昇降制御部101を制御する。ROM63には、CPU61がレーザコントローラ5、ヘッド2および昇降制御部101を制御するための各種の制御プログラムなどが読出し可能に記憶されている。また、ROM63には、PC7から送信された加工パターンデータに基づいて加工パターンのXY座標データを算出してRAM62に記憶するなどのコンピュータプログラムも記憶されている。RAM62は、ROM63から読出された各種の制御プログラムを一時的に格納するワークメモリの役割をする。また、RAM62は、CPU61の演算結果や処理結果などを一時的に格納する。また、RAM62には、フォントの種類別に、直線と楕円弧とで構成された各文字のフォントの始点、終点、焦点、曲率などのデータが記憶されている。CPU61、RAM62、ROM63およびタイマ64は、バス線(図示せず)により相互に電気的に接続されており、相互にデータのやり取りを行う。
そして、CPU61は、ROM63に記憶されている各種の制御プログラムに基づいて各種の演算および制御を行う。たとえば、CPU61は、PC7から入力した加工パターンデータに基づいて算出した加工パターンのXY座標データ、ガルバノ走査速度データなどをガルバノコントローラ56に出力する。また、CPU61は、PC7から入力した加工パターンデータに基づいて設定した励起用半導体レーザ部40の励起光出力、励起光の出力期間などの励起用半導体レーザ部40のレーザ駆動データをレーザドライバ51に出力する。また、CPU61は、加工パターンデータのXY座標データ、ガルバノスキャナ19のオン・オフを指示する制御信号などをガルバノコントローラ56に出力する。
レーザドライバ51は、制御部60から入力した励起用半導体レーザ部40の励起光出力、励起光の出力期間などのレーザ駆動データなどに基づいて、励起用半導体レーザ部40を駆動制御する。具体的には、レーザドライバ51は、制御部60から入力したレーザ駆動データの励起光出力に比例した電流値のパルス状の駆動電流を発生し、その発生した駆動電流を、レーザ駆動データの励起光の出力期間に基づく期間、励起用半導体レーザ部40に出力する。これにより、励起用半導体レーザ部40は、励起光出力に対応する強度の励起光を出力期間の間、光ファイバケーブルF(図2)内に出射する。
ガルバノコントローラ56は、制御部60から入力した加工パターンデータのXY座標データおよびガルバノ走査速度データなどに基づいて、ガルバノX軸モータ31およびガルバノY軸モータ32の駆動角度および回転速度などを算出し、その算出したデータをモータ駆動データとしてガルバノドライバ57に出力する。
ガルバノドライバ57は、ガルバノコントローラ56から入力されたモータ駆動データに基づいて、ガルバノX軸モータ31およびガルバノY軸モータ32を駆動制御してレーザ光Lを2次元走査する。また、レーザヘッド2に設けられた光センサ18は、レーザ光Lの発光強度を検出する。ポインタ光出射部39は、fθレンズ20によって収束されたレーザ光Lの焦点位置(合焦位置)に向かってポインタ光を出射する。また、ポインタ光ドライバ59は、ポインタ光の出射制御を行う。
また、CPU61は、プロジェクタドライバ81を制御し、PC7が作成した加工画像OBおよび加工条件画像J(図7)をプロジェクタ80に加工対象物Wに対して投影させる制御を実行する。
[PC7の電気的構成]
次に、PC7の主な電気的構成について、それをブロックで示す図5を参照しつつ説明する。
PC7は、PC7の全体を制御する制御部70と、CD−ROM、CD−RAM、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、BD(Blu-ray(登録商標)Disc)などの記憶媒体77に対する各種データやコンピュータプログラムなどの書き込みおよび読出しを行うためのマルチドライブ76、キーボード7aと、マウス7bと、表示装置7cとから構成されている。また、PC7には、USB(登録商標)メモリを電気的接続するためのUSB端子(図示せず)が設けられている。制御部70は、PC7の全体の制御を行う演算装置および制御装置としてのCPU71と、RAM72と、ROM73と、時間を計測するタイマ74と、記憶部75とを備えている。CPU71と、RAM72と、ROM73と、タイマ74とは、バス線(図示せず)により相互に接続されており、相互にデータのやり取りが行われる。また、CPU71と記憶部75は、入出力インタフェース(図示せず)を介して接続されており、相互にデータのやり取りが行われる。記憶部75は、DDR、SDRAMやHDDなどにより構成されている。
RAM72は、CPU71により演算された各種の演算結果などを一時的に格納し、ROM73は、CPU71が実行する各種の制御プログラムやデータテーブルなどを記憶する。記憶部75は、各種のアプリケーションソフトウェアのプログラム、各種のデータファイルなどを記憶するものであり、CPU71が実行するメインルーチン(図8)や各サブルーチン(図9,図10)などのコンピュータプログラムを記憶している。また、記憶部75には、加工条件とプロジェクタの設定値とが対応付けられたデータテーブル75a(図6)が記憶されている。また、記憶部75には、文字、記号、図形などの加工パターンを生成するためのフォントデータ、記号データ、図形データなどの加工データが記憶されている。
そして、CPU71は、アプリケーションプログラムや各種のデータテーブルなどのデータ群をマルチドライブ76を介して記憶媒体77から、あるいは、USBメモリから読込み、その読込んだデータ群を記憶部75に格納する。また、そのデータ群は、インターネットなどの通信回線を介して記憶部75に格納することもできる。
また、CPU71は、PC7が、加工パターンを作成するための加工データに基づいて加工画像OBおよび加工条件画像J(図7)を作成する画像作成処理と、加工画像OBおよび加工条件画像Jをプロジェクタ80に加工対象物Wに対して投影させる投影処理とを実行する。表示装置7cは、液晶や有機ELなどにより構成されており、加工対象物Wの材質、品質、加工回数、レーザパワーおよび加工速度などの加工条件の設定画面、データテーブル75aなどを表示する。
[データテーブル75a]
ここで、データテーブル75aの内容についてそれを示す図6を参照しつつ説明する。
データテーブル75aは、加工条件とプロジェクタ設定値とを対応付けて構成されている。加工条件は、加工対象物Wの材質と、加工品質(図では品質と記載)と、加工回数(図では回数と記載)と、レーザパワー[W]と、加工速度[m/s]とから構成されている。材質には、非鉄金属と、真鍮と、樹脂と、ラベルとが設定されている。非鉄金属および真鍮に対する加工品質には、それぞれ1〜15の15段階が設定されており、樹脂およびラベルに対する加工品質には、それぞれ1〜3の3段階が設定されている。数字が大きくなるほど加工品質が高いことを示す。尚、加工品質の一例として視認性があり、視認性が高いものを加工品質が高いと定義することができる。また、非鉄金属に対する加工回数には、1回が設定されており、真鍮に対する加工回数には2回が設定されている。また、樹脂およびラベルに対する加工回数には、それぞれ1回が設定されている。たとえば、加工回数が2回とは、加工対象物W、加工領域および加工パターンを変更しないで加工を2回行うことを意味する。非鉄金属および真鍮に対するレーザパワーには、それぞれ2、4および6[W]の3段階が設定されている。また、樹脂に対するレーザパワーには、1〜3[W]の3段階が設定されており、ラベルには1および2[W]の2段階が設定されている。加工速度は、レーザ光Lの走査速度であり、非鉄金属および真鍮に対して、それぞれ1、3、5、7、9および12[m/s]の6段階が設定されている。また、樹脂およびラベルに対する加工速度には、それぞれ5および9[m/s]の2段階が設定されている。
加工品質、加工回数、レーザパワーおよび加工速度は相関関係にあるため、それぞれをユーザが選択可能にすると、加工条件の設定が難しくなるので、1つの加工条件を選択すると、他の加工条件が自動的に設定されるように構成されている。
たとえば、加工対象物Wの材質が非鉄金属または真鍮である場合は、加工品質を1〜15段階の中から選択すると、加工回数、レーザパワーおよび加工速度が自動的に設定される。また、加工対象物Wの材質が樹脂またはラベルである場合は、レーザパワーまたは加工速度を選択すると、加工品質および加工回数が自動的に設定される。選択可能な加工条件は、加工条件を設定するための加工条件設定プログラムを設計変更することにより変更することができる。
プロジェクタ設定値は、加工画像OB(図7)の輝度および色(色相)から構成されている。非鉄金属に対応する加工画像OBの輝度は、10〜38の段階に設定されており、加工画像OBの色(色相)は白色に設定されている。また、真鍮に対応する加工画像OBの輝度は、20〜48の段階に設定されており、加工画像OBの色(色相)は青色に設定されている。また、樹脂に対応する加工画像OBの輝度は、20〜40の段階に設定されており、加工画像OBの色(色相)は赤色に設定されている。また、ラベルに対応する加工画像OBの輝度は、20〜40の段階に設定されており、加工画像OBの色(色相)は緑色に設定されている。輝度の数字が大きくなるほど加工画像OBの輝度が大きくなる。
たとえば、ユーザが加工対象物Wの材質として非鉄金属を選択し、加工品質1を選択したとすると、加工条件として、加工回数1回、レーザパワー2[W]および加工速度[9m/s]が設定され、プロジェクタ設定値として加工画像OBの輝度10が設定され、加工画像OBの色として白色が設定される。
つまり、ユーザが非鉄金属を選択し、加工品質1を設定すると、加工対象物Wの加工を行う前に、プロジェクタ80が輝度10で白色の加工画像OBを加工対象物Wに投影する(図7)。ユーザは、加工対象物Wに投影された加工画像OBを目視して、加工画像OBの輝度が10であり、加工画像OBの色が白色であることを識別することにより、加工対象物の材質が非鉄金属であり、かつ、加工品質が1であり、加工回数が1であることを確認することができる。つまり、ユーザは加工条件を容易に確認することができる。これにより、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
[加工画像投影処理]
次に、PC7のCPU71(図5)が、加工画像OBをプロジェクタ80に投影させるために実行する加工画像投影処理の内容について図8ないし図10を参照して説明する。
図8は、CPU71が実行する加工画像投影処理のメインルーチンを示すフローチャートである。図9は、サブルーチンである加工画像作成処理を示すフローチャートであり、図10は、サブルーチンである加工条件画像作成処理を示すフローチャートである。
(メインルーチン)
CPU71は、プロジェクタ80による加工画像OBの投影開始指示が出されたか否かを判定する(図8のステップ(以下、ステップをSと略す)1)。たとえば、プロジェクタ80の投影開始を指示する投影開始ボタン画像がPC7の表示装置7c(図1)に表示され、ユーザはキーボード7aやマウス7bを用いて投影開始ボタン画像を選択することにより投影開始指示を行う場合は、その投影開始ボタン画像が選択されたか否かを判定する。ここで、CPU71は、加工画像OBの投影開始指示が出されたと判定した場合は(S1:Yes)、ユーザがPC7を用いて作成した加工パターンを作成するための加工データがRAM72(図5)に格納されているか否かを判定する(S2)。ここで、CPU71は、加工データが格納されていると判定した場合は(S2:Yes)、サブルーチンの加工画像作成処理(図9)に移行する(S3)。
(加工画像作成処理)
この実施形態のレーザ加工装置1は、加工対象物Wの加工パターンが、複数の要素により構成されている場合に、加工条件を設定したい加工パターンを構成する要素(以下、加工パターン構成要素という)を選択することができるように構成されている。つまり、加工パターン構成要素の個々に加工条件を設定したり、加工パターン構成要素のうち、先頭の2個とか、中央の2個など、特定の範囲の加工条件を設定することができる。そして、レーザ加工装置1は、各加工パターン構成要素の所定数ごとに加工条件を設定するか、あるいは、各加工パターン構成要素を総て同じ加工条件に設定するかを選択することができるように構成されており、その設定内容に応じてプロジェクタ設定値(図6)も変えることができるように構成されている。
たとえば、図7に示したように、5つの英文字「ABCDE」から成る加工パターンを加工対象物Wに加工する場合、加工パターンは5つの加工パターン構成要素から構成されている。そして、加工パターン構成要素である英文字の所定数ごと(1文字ごと、2文字ごとなど)に加工条件を設定するか、あるいは、5つの英文字を総て同じ加工条件に設定するかを選択することができ、その設定内容に応じてプロジェクタ設定値も変えることができる。たとえば、加工対象物Wの材質が非鉄金属の場合に、加工パターン「ABCDE」のうち「AB」を加工品質1の加工条件に設定し、「CDE」を加工品質6の加工条件に設定することができる。この場合、「AB」の加工条件に対応するプロジェクタ設定値は、輝度10および白色であり、「CDE」の加工条件に対応するプロジェクタ設定値は、輝度20および白色になる(図6)。つまり、プロジェクタ80は、「AB」を輝度10の白色で投影し、「CDE」を輝度20の白色で投影する。
以下、加工パターン構成要素の中から所定の範囲を決めて加工条件を個別に設定することを加工条件個別設定という。加工条件個別設定を行うための画面は、PC7の表示装置7c(図1)に表示され、ユーザはキーボード7aやマウス7bを用いて加工条件個別設定を行う。また、加工条件個別設定を行うか否かを選択するための選択ボタンも表示装置7cに表示され、ユーザはキーボード7aやマウス7bを用いて選択ボタンを選択することにより、加工条件個別設定を選択する。
CPU71は、加工条件個別設定が選択されているか否かを判定し(図9のS4)、加工条件個別設定が選択されていると判定した場合は(S4:Yes)、加工条件個別設定を行うための画面において個別に設定された加工条件を、今回加工する加工対象物Wの加工条件に設定する(S5)。また、CPU71は、加工条件個別設定が選択されていないと判定した場合は(S4:No)、加工パターン全体に共通に設定された加工条件を、今回加工する加工対象物Wの加工条件に設定する(S6)。続いて、CPU71は、加工条件の設定が終了したか否かを判定する(S7)。加工条件の設定を終了するか否かを選択するための選択ボタンは、PC7の表示装置7cに表示され、ユーザはキーボード7aやマウス7bを用いて選択ボタンを選択することにより、加工条件の設定を終了する。CPU71は、加工条件の設定が終了していないと判定した場合は(S7:No)、S4に戻り、S5またはS6を実行する。S5を実行する場合は、個別に設定する加工条件の設定が終了するまで、S4,S5を繰り返し実行する。そして、CPU71は、加工条件の設定が終了したと判定した場合は(S7:Yes)、データテーブル75a(図6)を参照し、S5またはS6において設定された加工条件に対応するプロジェクタ設定値を読出し、その読出したプロジェクタ設定値に基づいて加工画像OBの輝度および色などの表示態様を決定する(S8)。続いて、CPU71は、メインルーチンに戻る。
CPU71は、メインルーチンに戻り、加工条件画像J(図7)をプロジェクタ80に投影させるか否かを判定し(図8のS9)、投影させると判定した場合は(S9:Yes)、サブルーチンの加工条件画像作成処理(図10)に移行する(S10)。加工条件画像Jをプロジェクタ80に投影させるか否かを選択する選択ボタンは、PC7の表示装置7c(図1)に表示され、ユーザはキーボード7aやマウス7bを用いて選択ボタンを選択することにより、選択を実行する。
(加工条件画像作成処理)
CPU71は、加工条件個別設定が選択されているか否か、つまり、先の加工画像作成処理のS4(図9)において加工条件個別設定が選択されたか否かを判定し(図10のS11)、選択されていると判定した場合は(S11:Yes)、いずれかの加工パターン構成要素が選択されているか否かを判定する(S12)。つまり、加工条件個別設定において個別に設定した加工条件のうち、加工条件画像Jの表示内容として入れたいものが選択されているか否かを判定する。ここで、CPU71は、いずれかの加工パターン構成要素が選択されていると判定した場合は(S12:Yes)、選択されている加工パターン構成要素に設定されている加工条件を加工条件画像J(図7)の表示内容に設定する(S13)。たとえば、加工対象物Wの材質が非鉄金属であり、加工パターンが「ABCDE」である場合に、先の加工画像作成処理のS5(図9)において、「AB」に対して加工品質1が設定されており、「CDE」に対して加工品質6が設定されているとする。そして、S13において「AB」および「CDE」をそれぞれ選択している場合は、「AB」に対して設定されている加工品質1と、「CDE」に対して設定されている加工品質6とを加工条件画像Jの表示内容に設定する(S13)。この場合、「AB:加工品質1、加工回数1」「CDE:加工品質6、加工回数1」のように、選択した加工パターン構成要素ごとに加工条件を識別できる表示内容に設定する。また、「AB」のみを選択している場合は、「AB」に設定されている加工品質1および加工回数1を加工条件画像Jの表示内容に設定する(S13)。
また、CPU71は、選択された加工パターン構成要素がないと判定した場合は(S12:No)、加工順番が先頭の加工パターン構成要素の加工条件を加工条件画像Jの表示内容に設定する(S14)。たとえば、加工パターンが「ABCDE」であり、先の加工画像作成処理のS5(図9)において、「AB」に対して加工品質1および加工回数1が設定されており、「CDE」に対して加工品質6および加工回数1が設定されている場合は、加工順番が先頭の「A」に対して設定されている加工品質1および加工回数1を加工条件画像Jの表示内容に設定する。また、CPU71は、S11において、加工条件個別設定が選択されていないと判定した場合は(S11:No)、加工パターン全体に設定されている加工条件を加工条件画像Jの表示内容に設定する(S15)。続いて、CPU71は、プロジェクタ80が、S13〜S15において設定した表示内容を有する加工条件画像Jの投影領域を確保できるか否かを判定する(S16)。具体的には、加工条件画像Jを加工画像OBと重ならず、かつ、加工可能領域P(図7)の四隅に投影することができるか否かを判定する。ここで、CPU71は、投影領域を確保できると判定した場合は(S16:Yes)、加工画像OBと重ならない加工可能領域Pの四隅(たとえば、加工可能領域Pの左上の隅)を抽出し、その抽出した領域にて投影するという条件を加工条件画像Jの表示態様の一つに設定する(S17)。また、CPU71は、S16において否定判定した場合は(S16:No)、加工可能領域Pのうち特定の領域(たとえば、加工可能領域Pの右上隅)にて加工条件画像Jを点滅させるという条件を加工条件画像Jの表示態様の一つに設定する(S18)。そして、CPU71は、先のサブルーチンの加工画像作成処理のS8(図9)において決定された加工画像OBの色以外の色を加工条件画像Jの色に設定し(S19)、メインルーチンに戻る。
続いて、CPU71は、サブルーチンの加工画像作成処理において作成した加工画像OBと、サブルーチンの加工条件画像作成処理において作成した加工条件画像Jとを投影する指示をレーザコントローラ5へ送信する(図8のS20)。そして、その指示を受けたレーザコントローラ5のCPU61(図5)は、プロジェクタドライバ81を駆動し、プロジェクタ80に加工画像OBおよび加工条件画像Jを投影させる(図7)。
ここで、ユーザは、加工画像OBの焦点(ピント)を合わせる作業を行う。たとえば、図11(a)に示すように、加工対象物Wに「ABCDE」なる加工画像OBが投影されたとすると、ステージ昇降装置94(図4)を制御してステージ102を昇降させ、ステージ102上に載置された加工対象物Wの載置高さを調節し、加工画像OBの焦点を合わせる。たとえば、加工画像「ABCDE」の「A」に着目して焦点を合わせる場合、図11(b)の左側に示すように、焦点が合っていない「A」を、右側に示すように焦点が合った「A」となるように加工対象物Wの載置高さを調節する。このように、加工画像OBの焦点を合わせることにより、レーザ光Lの加工対象物Wに対する焦点を自動的に合わせることができる。
また、ユーザは、加工画像OBの輝度および色を識別することにより、加工対象物Wの加工条件を容易に確認することもできる。たとえば、図12(a)に示すように、加工対象物Wに投影された「ABCDE」なる加工画像OBが、輝度38の白色であった場合は、加工対象物Wの材質は非鉄金属であり、加工品質は15であり、加工回数は1回であると確認することができる。また、同図(c)に示すように、加工画像OBが輝度10の白色であった場合は、加工対象物Wの材質は非鉄金属であり、加工品質は1であり、加工回数は1回であると確認することができる。
また、加工画像OBの輝度および色を識別することにより、加工対象物Wの加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
そして、CPU71は、プロジェクタに対する投影停止の指示があったか否かを判定する(図8のS21)。投影停止を指示するための投影停止ボタン画像は、PC7の表示装置7c(図1)に表示され、ユーザは、キーボード7aまたはマウス7bを操作して投影停止ボタン画像を選択することにより、投影停止を指示する。ここで、CPU71は、投影停止の指示があったと判定した場合は(S21:Yes)、投影停止の指示をレーザコントローラ5へ出力する(S23)。これにより、レーザコントローラ5のCPU61(図5)がプロジェクタドライバ81に対して投影を停止させる。また、CPU71は、投影停止の指示がないと判定した場合は(S21:No)、タイマ74(図5)の計測時間に基づき、投影開始から一定時間が経過したか否かを判定し(S22)、経過したと判定した場合は(S22:Yes)、投影停止の指示をレーザコントローラ5へ出力して投影を停止させる(S23)。つまり、投影開始から一定時間経過したときは投影を停止させ、投影の停止忘れを防止する。
[第1実施形態の効果]
(1)上述した第1実施形態のレーザ加工装置1を実施すれば、プロジェクタ80が加工パターンに対応する画像である加工画像OBを加工対象物Wに投影するため、投影開始からの時間経過とともに加工画像OBが消えてしまったり加工画像がちらついたりすることがないので、加工パターンの全体像を目視で容易に把握することができる。
したがって、レーザ加工装置1を実施すれば、加工対象物Wにおける加工パターンの位置決めを容易に行うことができる。
しかも、加工画像OBを目視することにより、加工結果を容易に確認することもできる。
(2)また、プロジェクタ80により加工対象物Wに投影された加工画像OBの焦点がレーザ光Lの焦点と一致しているため、プロジェクタ80により加工対象物Wに投影された加工画像OBの焦点を合わせるだけで、レーザ光Lの焦点を自動的に合わせることができるので、レーザ光の焦点合わせを目視で容易に行うことができる。また、加工画像を用いて加工パターンの位置合わせを行うため、加工画像の焦点が合っていない場合にその焦点を合わせるようにすれば、レーザ光の焦点合わせを忘れるおそれがない。
(3)さらに、プロジェクタ80は、加工対象物Wの材質および加工品質に応じて加工画像OBの輝度および色を変更して加工対象物Wに投影することができるため、加工画像OBの輝度および色を目視で識別することにより、加工対象物Wの材質および加工品質を確認することができるので、材質および加工品質の確認作業を容易化することができる。
しかも、材質および加工品質の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
(4)さらに、プロジェクタ80は、加工条件を示す加工条件画像Jを加工画像OBとは別個に投影することができるため、加工条件画像Jを目視することにより、具体的な加工条件そのものを確認することができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
(5)さらに、プロジェクタ80は、加工条件画像Jを加工画像OBの色とは異なる色で投影することができるため、加工画像OBと加工条件画像Jとを識別し易くすることができるので、加工画像OBおよび加工条件画像Jをそれぞれ容易に確認することができる。
(6)さらに、プロジェクタ80は、加工の位置決めに用いるガイド光Gを加工対象物W上に投影することができるため、加工対象物W上に投影されたガイド光Gを用いることにより、加工パターンの位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
〈他の実施形態〉
(1)加工対象物Wの加工条件に応じて加工画像OBの明度、つまり色の明るさの度合いを変更するように構成することもできる。また、加工条件に応じて加工画像OBの彩度、つまり色の鮮やかさを変更するように構成することもできる。また、加工条件に応じて加工画像OBの明度、彩度および色相のうちの2つ以上を変更するように構成することもできる。これらの構成のいずれかを実施すれば、加工画像OBを目視すれば加工条件を確認することができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
(2)プロジェクタ80が、レーザパワーに応じて加工画像OBの少なくとも一部の表示態様を変更して投影するように構成することもできる。
この構成を備えたレーザ加工装置を実施すれば、加工画像OBの少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、レーザパワーを確認することができるので、レーザパワーの確認作業を容易化することができる。
しかも、レーザパワーの設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
なお、上記構成のレーザ加工装置が、この出願の請求項7に係る発明に対応する。
(3)プロジェクタ80が、加工速度に応じて加工画像OBの少なくとも一部の表示態様を変更して投影するように構成することもできる。
この構成を備えたレーザ加工装置を実施すれば、加工画像OBの少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、加工速度を確認することができるので、加工速度の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工速度の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
なお、上記構成のレーザ加工装置が、この出願の請求項8に係る発明に対応する。
(4)プロジェクタ80が、加工回数に応じて加工画像OBの少なくとも一部の表示態様を変更して投影するように構成することもできる。
この構成を備えたレーザ加工装置を実施すれば、加工画像OBの少なくとも一部の表示態様を目視で識別することにより、加工回数を確認することができるので、加工回数の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工対象物の加工回数の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
なお、上記構成のレーザ加工装置が、この出願の請求項10に係る発明に対応する。
(5)加工条件の1つとして、加工対象物Wを加工したときの加工部分における発色に関する情報を設定することもできる。たとえば、加工対象物Wを加工したときの加工部分における発色が黒色である場合は、その発色である黒色を加工条件の1つとして設定し、それに対応する加工画像OBの表示色も黒色に設定する。これにより、加工画像OBの色が黒色であることを目視で識別することにより、加工対象物Wの加工部分における発色が黒色であることを容易に確認することができる。たとえば、レーザ光Lの照射により発色する場合としては、加工対象物Wの表面の塗装が、レーザ加工によって剥離され、加工対象物Wの素材の地色が露出する場合、あるいは、加工対象物Wが、発色性アルミニウムなど、レーザ光の照射により発色する材質の場合などである。
なお、上記構成のレーザ加工装置が、この出願の請求項11に係る発明に対応する。
(6)プロジェクタ80が、加工条件に応じて加工画像OBを静止画像または点滅画像にて表示するように構成することもできる。この構成を実施すれば、加工画像OBが静止画像および点滅画像のどちらであるかを目視で識別すれば加工条件を確認することができるので、加工条件の確認作業を容易化することができる。
しかも、加工条件の設定ミスを防止することができるため、加工不良の発生を確実に防止することができる。
たとえば、プロジェクタ80が、加工対象物Wの材質が非鉄金属である場合は加工画像OBを静止画像として投影し、加工対象物Wの材質が樹脂である場合は加工画像OBを点滅画像として投影するように設定しておくことにより、加工画像OBが静止画像および点滅画像のどちらであるかを目視で識別すれば、加工対象物Wが非鉄金属および樹脂のどちらであるかを容易に確認することができる。しかも、材質の設定ミスによる加工不良の発生を確実に防止することもできる。
なお、上記構成のレーザ加工装置が、この出願の請求項6に係る発明に対応する。
(7)前述した第1実施形態では、プロジェクタ80は、設定された加工条件の内容を示す画像として加工条件画像Jを加工画像OBとは別個に投影したが、設定可能な加工条件を示す画像を加工条件画像Jとして加工画像OBとは別個に投影するように構成することもできる。たとえば、ユーザが加工対象物Wの材質や加工品質などに関係無く、加工条件を任意に設定することができる場合、ユーザが選択した材質および加工品質に対応して設定可能な加工回数、レーザパワーおよび加工速度などの加工条件を示す画像を投影する。換言すると、設定不可能な加工条件は投影しない。
したがって、上記構成を実施すれば、上記画像を目視したユーザは、自ら設定した加工条件が設定可能な加工条件の範囲内であるか否かを容易に判断することができるため、加工条件の設定ミスによる加工不良の発生を防止することができる。
なお、上記構成のレーザ加工装置が、この出願の請求項13に係る発明に対応する。
(8)加工対象物Wの材質によって設定可能な加工条件が異なる場合は、プロジェクタ80が、設定可能な加工条件を示す加工条件画像Jを投影するように構成することもできる。たとえば、材質が非鉄金属または真鍮に対して、加工品質および加工回数のみを設定可能に構成されている場合は、設定可能な加工品質および加工回数を示す加工条件画像Jを投影する。また、材質が樹脂またはラベルに対して、レーザパワーおよび加工速度のみを設定可能に構成されている場合は、設定可能なレーザパワーおよび加工速度を示す加工条件画像Jを投影する。
(9)加工条件画像Jにハッチングなどの模様を入れたり、あるいは、加工条件画像Jを構成する文字を加工画像OBを構成する文字よりも太くしたりすることにより、加工画像OBとの識別を容易化することもできる。
(10)前述した第1実施形態では、PC7が加工画像OBおよび加工条件画像Jを作成したが、レーザコントローラ5が作成するように構成することもできる。また、プロジェクタ80は、レーザヘッド2以外の箇所に設けることもできる。さらに、レーザヘッド2の高さを調節することにより、加工対象物Wの高さを調節することもできる。また、ポインタ光出射部39からポインタ光を出射させ、その出射されたポインタ光と、加工画像OBとを用いてレーザ光Lの焦点合わせを行うこともできる。
[特許請求の範囲と実施形態との対応関係]
レーザ発振ユニット12が請求項1に記載のレーザ光源に、ガルバノスキャナ19およびfθレンズ20が走査部にそれぞれ対応する。また、記憶部75およびCPU71が制御部に、プロジェクタ80が投影部にそれぞれ対応する。また、ガイド光Gが、請求項15に記載の位置決め用画像に対応する。また、CPU71が実行する加工画像作成処理(S4〜S8)が画像作成処理に、メインルーチンのS20が投影処理にそれぞれ対応する。
1 レーザ加工装置
2 レーザヘッド
5 レーザコントローラ
7 PC
12 レーザ発振ユニット
19 ガルバノスキャナ
20 fθレンズ
71 CPU
75 記憶部
80 プロジェクタ
82 投影部
94 ステージ昇降装置
101 昇降制御部
102 ステージ
G ガイド光
J 加工条件画像
L レーザ光
OB 加工画像
P 加工可能領域
W 加工対象物

Claims (15)

  1. レーザ光を加工対象物に照射して加工するレーザ加工装置であって、
    前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を前記加工対象物に走査する走査部と、
    前記加工対象物の加工パターンに対応する加工データに基づいて前記レーザ光源および前記走査部を制御する制御部と、
    画像を投影する投影部と、を備えており、
    前記制御部は、
    前記加工データに基づいて前記加工パターンに対応する画像である加工画像を作成する画像作成処理と、
    前記画像作成処理により作成された前記加工画像を前記投影部に前記加工対象物に対して投影させる投影処理と、
    を実行することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記投影部により前記加工対象物に投影された前記加工画像の焦点が前記レーザ光の焦点と一致していることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記投影処理では、加工条件に応じて前記加工画像の少なくとも一部の表示態様を変更して前記投影部に投影させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記加工画像の表示態様は、前記加工画像の少なくとも一部における輝度であることを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記表示態様は、前記加工画像の少なくとも一部における明度、彩度および色相のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記表示態様は、前記加工条件に応じて前記加工画像を静止画像または点滅画像にて表示することであることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記加工条件は、前記レーザ光のレーザパワーであることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記加工条件は、前記レーザ光の走査速度であることを特徴とする請求項3ないし請求項7のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記加工条件は、前記加工対象物の材質であることを特徴とする請求項3ないし請求項8のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  10. 前記加工条件は、前記加工対象物の加工回数であることを特徴とする請求項3ないし請求項9のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  11. 前記加工条件は、前記加工対象物を加工したときの加工部分における発色に関する情報であることを特徴とする請求項3ないし請求項10のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  12. 前記投影処理では、加工条件を示す加工条件画像を前記加工画像とは別個に前記投影部に投影させることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  13. 前記投影処理では、前記加工条件画像として、設定可能な加工条件を示す画像を前記加工画像とは別個に前記投影部に投影させることを特徴とする請求項12に記載のレーザ加工装置。
  14. 前記投影処理では、
    前記加工条件画像を前記加工画像の表示態様とは異なる表示態様にて前記投影部に投影させることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のレーザ加工装置。
  15. 前記投影処理では、
    前記投影部に、加工の位置決めに用いる位置決め用画像を前記加工対象物上に投影させることを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
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