JP4662482B2 - レーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム - Google Patents

レーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、レーザマーキング装置等、レーザ光を加工対象物に照射して印字等の加工を行うレーザ加工装置において加工条件を設定するレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム関する。
レーザ加工装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品等の加工対象物(ワーク)の表面に対しレーザ光を照射して印字やマーキング等の加工を行う。レーザ加工装置の構成の一例を図1に示す。この図に示すレーザ加工装置は、レーザ制御部1とレーザ出力部2と入力部3とを備える。レーザ制御部1のレーザ励起部6で発生される励起光を、レーザ出力部2のレーザ発振部50で発振器を構成するレーザ媒質8に照射し、レーザ発振を生じさせる。レーザ発振光はレーザ媒質8の出射端面から出射され、ビームエキスパンダ53でビーム径を拡大されて、走査部9に導かれる。走査部9は、レーザ光Lを反射させて所望の方向に偏光し、集光部15から出力されるレーザ光Lは、ワークWの表面で走査されて印字等の加工を行う。
レーザ加工装置は、レーザ出力光をワーク上で走査させるために、図2に示すような走査部9を備える。走査部9は、一対のガルバノミラーを構成するX・Y軸スキャナ14a、14bと、各ガルバノミラーをそれぞれ回動軸に固定し回動するためのガルバノモータ51a、51bとを備えている。X・Y軸スキャナ14a、14bは、図2に示すように互いに直交する姿勢で配置されており、レーザ光をX方向、Y方向に反射させて走査させることができる。また、走査部9の下方には、集光部15が備えられる。集光部15はレーザ光を作業領域に照射させるよう集光するための集光レンズで構成され、fθレンズが使用される。
一方で、このような2次元平面内での加工を行うレーザ加工装置のみならず、高さ方向すなわちZ軸方向にレーザ光の焦点距離を調整可能な、すなわち3次元状に加工が可能なレーザ加工装置も開発が進められている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−202655号公報
このようなレーザ加工装置を利用して、移動するワークに対して追従するようにレーザ光を走査させて印字加工を行う。しかしながら、従来はこれらレーザ加工装置で印字加工を行うための設定を、2次元平面上で設定していたため、3次元状のワークに対しては正確な印字の設定が行えないという問題があった。すなわち、このようなレーザ加工装置においては、X方向、Y方向で決まる2次元平面での印字加工を行うために、X方向、Y方向のいずれか一方に対して移動方向を決定し、その軸方向に移動しているワークの速度に応じて印字加工の制御を行っていた。一方で、このレーザ加工装置を利用してワークが平面状のものに限られず、曲面に対して印字加工することも行われている。
しかしながら、従来は曲面上に印字加工する場合も平面と同様に扱っていたため、曲面の程度によっては加工位置がずれて印字品質が低下する。例えば、図3及び図4に示すように、円筒状のワークの側面に印字する例を考える。このような曲面(R面)では、円周上の点を平面に置き換えて印字するため、端に近づくほど誤差が大きくなり加工の品質が劣化するという問題がある。
図4において半径rの曲面に印字する場合の、曲面である加工面の座標(xc,yc,zc)を平面上に展開した平面座標を(xf,yf,zf)とし、その誤差を(△x,△y,△z)とする。この場合、Y方向(図4において紙面に垂直な方向)には誤差は生じないため△y=0となる。一方、X方向、Y方向については誤差が生じるので、△x、△zを計算すると、次式のようになる。
xc=r・sinθ
zc=zf−r(1−cosθ)
θ/xf=(π/2)/(πr/2)
θ=xf/r
△x=|xc−xf|=|r・sinθ−xf|
△z=|zc−zf|=|r(1−cosθ)|
上式において△x、△zは、θ(=xf/r)が大きくなるほど、すなわち中心から離れるほど大きくなるため、円筒面に加工する場合は、円筒の中心から離れるほど誤差が大きくなることになる。
一方、品質を落とさずに加工を行おうとすれば、上記の誤差△x,△zが顕著とならない範囲、すなわち図5に示すように円筒の中心上方近辺の限られた加工を行う必要がある。しかしながらこれでは加工する範囲が非常に狭くなってしまう。このように狭い範囲での加工に制限すると、加工可能な時間が短くなるため、大量の加工データ(マーキングデータ)を扱うことができなくなるという問題があった。
さらに、図6に示すように、単に円周上の曲面を平面と同様に印字しようとすると、回転速度が等速である場合でも、平面上に投射すると、相対的に円周の端縁ほど移動速度が遅く、円筒の中心上方(接点位置)に近付くほど早くなる。このため、円周上への印字を平面として扱う場合は移動速度の変化も考慮して印字を行う必要があるところ、この点に考慮した印字の設定は従来行われていなかった。
さらにまた、十分な加工品質を得ようとすればレーザ光の走査速度は上限があるため、印字加工すべき文字数等のデータ量により、印字加工に要する作業時間が決定される。言い換えると、データ量が多く作業時間が長くかかる場合は、ワークの移動速度を遅くしなければならない。例えば図7に示すように回転するワークに対して連続して加工する例において、加工に要する時間を長く要する場合は、ワークの回転速度を落とす必要がある。しかしながら、ワークの性質や作業の要求上、回転速度の調整が許されない場合もあり得るため、この場合には印字ができなくなるという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するために成されたものである。本発明の主な目的は、加工対象物の3次元形状に対しても高品質に加工可能なレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム提供することにある。
上記の目的を達成するために、第1発明に係るレーザ加工データ設定装置は、
加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所定の加工パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所定の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定装置であって、所定の加工パターンで加工するために加工条件を設定するための加工条件設定部と、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部とを備え、加工条件設定部はさらに、加工パターン情報を入力するための加工パターン入力手段と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段と、加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択するための移動加工条件設定部と、を備え、レーザ加工データ設定装置はさらに、表示部として、加工条件設定部にて設定された加工パターンを2次元で表示する編集表示欄と、加工面プロファイル入力手段にて入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを表示するための3次元ビューワと、を備えており、加工条件設定部はさらに、3次元ビューワにおいて表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更可能な加工パターン操作手段を備えており、加工データ生成部が、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいた加工データを生成する。
また第2発明に係るレーザ加工データ設定装置は、加工対象面の移動条件は、平面移動に関するものであって、さらに加工対象面の移動条件として更に、加工パターンの向きを選択するものである。
さらに第3発明に係るレーザ加工データ設定装置は、加工対象面の移動条件は、回転移動に関するものであって、円周状の加工対象面に対する加工条件として、加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、移動加工条件設定部が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能に構成できる。
さらにまた発明に係るレーザ加工データ設定装置は、円周状の加工対象面の円周半径が連続的又は離散的に変化する場合の加工条件として、加工面プロファイル入力手段が、円周の変化状態を指定可能である。
さらにまた第発明に係るレーザ加工データ設定装置は、回転する円周状の加工対象面に対する加工条件として、加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、移動速度入力手段が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能であり、加工データ生成部が、加工面プロファイル入力手段より入力された円周の半径及び移動速度入力手段より入力された回転角度に基づいて、円周状加工対象面を該円周上に沿って複数の領域に分割し、円周状加工対象面の回転毎に、各分割領域での加工を行うよう割り当てることができる。
さらにまた第発明に係るレーザ加工装置は、加工データ生成部が、生成した加工データの円周方向における加工データ量の分布に応じて、円周状加工対象面に対する分割領域の割り当てを調整可能に構成できる。
さらにまた第7発明に係るレーザ加工装置は、編集表示欄には、加工面プロファイル入力手段にて入力された加工対象面を2次元表示できる。
さらにまた第8発明に係るレーザ加工装置は、3次元ビューワでは、3次元状の加工対象面に加工パターンが重なると、加工パターンが3次元状の加工対象面に張り付くように3次元表示できる。
さらにまた第9発明に係るレーザ加工装置は、加工対象面の移動方向は、XY平面における移動方向に加え、Z方向における移動方向から選択されるものとできる。
さらにまた第10発明に係るレーザ加工装置は、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段は、複数の異なる3次元形状の中から一つを選択する選択手段を有することができる。
さらにまた第11発明に係るレーザ加工装置は、加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光の焦点位置を調整して加工パターンを加工可能なレーザ加工装置であって、レーザ光を発生させるためのレーザ発振部と、レーザ発振部より出射されるレーザ光を作業領域内において走査させるためのレーザ光走査系として、入射レンズと出射レンズを備えるビームエキスパンダであって、レーザ発振部から照射されるレーザ光の光軸に入射レンズ及び出射レンズの光軸を一致させた状態で、入射レンズと出射レンズ間の相対距離を変化させてレーザ光の焦点距離を調整可能なビームエキスパンダと、ビームエキスパンダを透過したレーザ光を第1の方向に走査させるための第1のミラーと、第1のミラーで反射されたレーザ光を第1の方向と直交する第2の方向に走査させるための第2のミラーとを有するレーザ光走査系と、レーザ発振部およびレーザ光走査系を制御するためのレーザ制御部と、所定の加工パターンで加工するために加工条件を設定するための加工条件設定部と、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部と、を備え、加工条件設定部はさらに、加工パターン情報を入力するための加工パターン入力手段と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段と、加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択するための移動加工条件設定部とを備え、レーザ加工装置はさらに、表示部として、加工条件設定部にて設定された加工パターンを2次元で表示する編集表示欄と、加工面プロファイル入力手段にて入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを表示するための3次元ビューワとを備えており、加工条件設定部はさらに、3次元ビューワにおいて表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更可能な加工パターン操作手段を備えており、加工データ生成部が、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいた加工データを生成できる。
さらにまた第12発明に係るレーザ加工装置は、加工対象面の移動条件は、平面移動に関するものであって、さらに加工対象面の移動条件として更に、加工パターンの向きを選択するものとできる。
さらにまた第13発明に係るレーザ加工装置は、加工対象面の移動条件は、回転移動に関するものであって、円周状の加工対象面に対する加工条件として、加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、移動加工条件設定部が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能に構成できる。
さらにまた第14発明に係るレーザ加工装置は、円周状の加工対象面の円周半径が連続的又は離散的に変化する場合の加工条件として、加工面プロファイル入力手段が、円周の変化状態を指定可能とできる。
さらにまた第15発明に係るレーザ加工装置は、回転する円周状の加工対象面に対する加工条件として、加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、移動速度入力手段が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能であり、加工データ生成部が、加工面プロファイル入力手段より入力された円周の半径及び移動速度入力手段より入力された回転角度に基づいて、円周状加工対象面を該円周上に沿って複数の領域に分割し、円周状加工対象面の回転毎に、各分割領域での加工を行うよう割り当てることができる。
さらにまた第16発明に係るレーザ加工装置は、加工データ生成部が、生成した加工データの円周方向における加工データ量の分布に応じて、円周状加工対象面に対する分割領域の割り当てを調整可能に構成できる。
さらにまた第17発明に係るレーザ加工装置は、編集表示欄には、加工面プロファイル入力手段にて入力された加工対象面が2次元表示できる。
さらにまた第18発明に係るレーザ加工装置は、3次元ビューワでは、3次元状の加工対象面に加工パターンが重なると、加工パターンが3次元状の加工対象面に張り付くように3次元表示できる。
さらにまた第19発明に係るレーザ加工装置は、加工対象面の移動方向は、XY平面における移動方向に加え、Z方向における移動方向から選択することができる。
さらにまた第20発明に係るレーザ加工装置は、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段は、複数の異なる3次元形状の中から一つを選択する選択手段を有することができる。
さらにまた第21発明に係るレーザ加工装置は、第1のミラー及び第2のミラーがガルバノミラーで構成され、各々直交する回転軸を中心に回転可能なガルバノメータ式スキャナに接続されてX軸スキャナ及びY軸スキャナを構成しており、ビームエキスパンダが、入射レンズと出射レンズとの相対距離をこれらの光軸に沿って調整可能なZ軸スキャナを構成しており、レーザ光走査系が、これらX軸スキャナ、Y軸スキャナ、Z軸スキャナでレーザ光をX軸、Y軸、Z軸方向に走査可能に構成できる。これにより、ガルバノミラー及びビームエキスパンダの組み合わせにより、レーザ光の3次元加工が実現される。
さらにまた第22発明に係るレーザ加工データ設定方法は、加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所定の加工パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所定の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定方法であって、所定の加工パターンで加工するため加工条件設定手段で加工条件の設定として、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力し、さらに加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択する工程と、加工条件設定手段で設定された加工パターンを2次元で表示する工程と、入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを3次元で表示する工程と、3次元表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更する工程と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいて、3次元状の加工対象面と一致するように実際の加工を行うための加工データを生成する工程とを含むことができる。
さらにまた第23発明に係るレーザ加工データ設定プログラムは、加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所定の加工パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所定の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定プログラムであって、所定の加工パターンで加工するため加工条件設定手段で加工条件の設定として、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力し、さらに加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択する機能と、加工条件設定手段で設定された加工パターンを2次元で表示する機能と、入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを3次元で表示する機能と、3次元表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更する機能と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいて、3次元状の加工対象面と一致するように実際の加工を行うための加工データを生成する加工データ生成機能とをコンピュータに実現させることができる。
さらにまた本発明の一実施形態に係るプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器は、上記プログラムを格納するものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray(登録商標)、HD DVD等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記録した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
第1、2、7〜12発明、第17〜23発明によれば、3次元的な加工対象面に、2次元的な加工パターンを単に写像するのでなく、3次元的に面に一致させるように3次元的な加工データを加工データ生成部で生成できるので、より正確な加工が可能となる。
3、13発明によれば、円周上の加工対象面に対して、円周の半径や移動速度等の情報に基づいて適切な加工データを生成し、正確な加工が行える。第4、14発明によれば、径が一定の円筒形のみならず、異なる径の円筒を重ね合わせた形状や円錐等の加工対象面に対しても、適切な加工が可能となる。
また第5、15発明によれば、回転体への加工を一度に行うのでなく、領域を分割して複数回に分けて行うことができる。このため、加工対象面の回転速度にレーザ加工装置の加工速度が追いつかず、通常であれば加工が困難な場合でも、複数回に分けて加工が可能となる。さらに第6、16発明によれば、分割領域の割り当てを、円周に沿って均等に分割する場合に限られず、加工内容等に応じて広狭を調整して割り当てできるので、レーザの走査速度等に応じた適切な加工結果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム例示するものであって、本発明はレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本明細書においてレーザ加工装置とこれに接続される操作、制御、入出力、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232x、RS−422、RS−423、RS−485、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x、OFDM方式等の無線LANやBluetooth(登録商標)等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらに観察像のデータ保存や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
以下の実施の形態では、本発明を具現化したレーザ加工装置の一例として、レーザマーカについて説明する。ただ、本明細書においてレーザ加工装置は、その名称に拘わらずレーザ応用機器一般に利用でき、例えばレーザ発振器や各種のレーザ加工装置、穴あけ、マーキング、トリミング、スクライビング、表面処理等のレーザ加工や、レーザ光源として他のレーザ応用分野、例えばDVDやBlu−ray(登録商標)等の光ディスクの高密度記録再生用光源や通信用の光源、印刷機器、照明用光源、ディスプレイ等の表示装置用の光源、医療機器等において、好適に利用できる。また、本明細書においては加工の代表例として印字について説明するが、印字とは文字や記号、図形等のマーキングの他、上述した各種の加工も含む概念で使用する。さらに本明細書において印字文字列や印字パターンとは、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットや数字、記号、絵文字、アイコン、ロゴ、バーコードや2次元コード等のグラフィック等も含める意味で使用する。
図1はレーザ加工装置100を構成するブロック図を示す。この図に示すレーザ加工装置100は、レーザ制御部1とレーザ出力部2と入力部3とを備える。
(入力部3)
入力部3はレーザ制御部1に接続され、レーザ加工装置を操作するための必要な設定を入力してレーザ制御部1に送信する。設定内容はレーザ加工装置の動作条件や具体的な印字内容等である。入力部3はキーボードやマウス、コンソール等の入力デバイスである。また、入力部3で入力された入力情報を確認したり、レーザ制御部1の状態等を表示する表示部82を別途設けることもできる。表示部82はLCDやブラウン管等のモニタが利用できる。またタッチパネル方式を利用すれば、入力部と表示部を兼用することもできる。これによって、コンピュータ等を外部接続することなく入力部でレーザ加工装置の必要な設定を行うことができる。
(レーザ制御部1)
レーザ制御部1は、制御部4とメモリ部5とレーザ励起部6と電源7とを備える。入力部3から入力された設定内容をメモリ部5に記録する。制御部4は必要時にメモリから設定内容を読み込み、印字内容に応じた印字信号に基づいてレーザ励起部6を動作させてレーザ出力部2のレーザ媒質8を励起する。メモリ部5はRAMやROM等の半導体メモリが利用できる。またメモリ部5はレーザ制御部1に内蔵する他、挿抜可能なPCカードやSDカード等の半導体メモリカード、カード型ハードディスク等のメモリカードを利用することもできる。メモリカードで構成されるメモリ部5は、コンピュータ等の外部機器で容易に書き換え可能であり、コンピュータで設定した内容をメモリカードに書き込み、レーザ制御部1にセットすることで、入力部をレーザ制御部に接続することなく設定を行うことができる。特に半導体メモリはデータの読み込み・書き込みが高速で、しかも機械的動作部分がないため振動等に強く、ハードディスクのようなクラッシュによるデータ消失事故を防止できる。
さらに制御部4は、設定された印字を行うようレーザ媒質8で発振されたレーザ光Lを印字対象物(ワーク)W上で走査させるため、レーザ出力部2の走査部9を動作させる走査信号を走査部9に出力する。電源7は、定電圧電源として、レーザ励起部6へ所定電圧を印加する。印字動作を制御する印字信号は、そのHIGH/LOWに応じてレーザ光LのON/OFFが切り替えられ、その1パルスが発振されるレーザ光Lの1パルスに対応するPWM信号である。PWM信号は、その周波数に応じたデューティ比に基づいてレーザ強度が定められるが、周波数に基づいた走査速度によってもレーザ強度が変化するよう構成することもできる。
(レーザ励起部6)
レーザ励起部6は、光学的に接合されたレーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11を備える。レーザ励起部6の内部の一例を図8の斜視図に示す。この図に示すレーザ励起部6は、レーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11をレーザ励起部ケーシング12内に固定している。レーザ励起部ケーシングは、熱伝導性の良い真鍮等の金属で構成され、レーザ励起光源10を効率よく外部に放熱する。レーザ励起光源10は半導体レーザやランプ等で構成される。図8の例では、複数の半導体レーザダイオード素子を直線状に並べたレーザダイオードアレイを使用しており、各素子からのレーザ発振がライン状に出力される。レーザ発振はレーザ励起光源集光部11の入射面に入射されて、出射面から集光されたレーザ励起光として出力される。レーザ励起光源集光部11はフォーカシングレンズ等で構成される。レーザ励起光源集光部11からのレーザ励起光は光ファイバケーブル13等によりレーザ出力部2のレーザ媒質8に入射される。レーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11、光ファイバケーブル13は、空間あるいは光ファイバを介して光学的に結合されている。
(レーザ出力部2)
レーザ出力部2は、レーザ発振部50を備える。レーザ光Lを発生させるレーザ発振部50は、レーザ媒質8と、レーザ媒質8が放出する誘導放出光の光路に沿って所定の距離を隔てて対向配置された出力ミラー及び全反射ミラーと、これらの間に配されたアパーチャ、Qスイッチ等を備える。レーザ媒質8が放出する誘導放出光を、出力ミラーと全反射ミラーとの間での多重反射により増幅し、Qスイッチの動作により短周期にて通断しつつアパーチャによりモード選別して、出力ミラーを経てレーザ光Lを出力する。図1に示すレーザ出力部2は、レーザ媒質8と走査部9を備える。レーザ媒質8は光ファイバケーブル13を介してレーザ励起部6から入射されるレーザ励起光で励起されて、レーザ発振される。レーザ媒質8はロッド状の一方の端面からレーザ励起光を入力して励起され、他方の端面からレーザ光Lを出射する、いわゆるエンドポンピングによる励起方式を採用している。
(レーザ媒質8)
上記の例では、レーザ媒質8としてロッド状のNd:YVO4の固体レーザ媒質を用いた。また固体レーザ媒質の励起用半導体レーザの波長は、このNd:YVO4の吸収スペクトルの中心波長である809nmに設定した。ただ、この例に限られず他の固体レーザ媒質として、例えば希土類をドープしたYAG、LiSrF、LiCaF、YLF、NAB、KNP、LNP、NYAB、NPP、GGG等も用いることもできる。また、固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザ光Lの波長を任意の波長に変換できる。また、レーザ媒質としてバルクに代わってファイバーを発振器として利用した、いわゆるファイバーレーザにも適用可能である。
さらに、固体レーザ媒質を使用せず、言い換えるとレーザ光を発振させる共振器を構成せず、波長変換のみを行う波長変換素子を使用することもできる。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換を行う。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO4)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO3)、KAP(KAsPO4)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO3(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO3等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。このように、本実施の形態においてはレーザ発生源として様々なタイプを適宜利用できる。
さらにまた、レーザ発振部は、固体レーザに限られず、CO2やヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体を媒質として用いる気体レーザを利用することもできる。例えば炭酸ガスレーザを用いた場合のレーザ発振部は、レーザ発振部の内部に炭酸ガス(CO2)が充填され、電極を内蔵しており、レーザ制御部から与えられる印字信号に基づいて、レーザ発振部内の炭酸ガスを励起し、レーザ発振させる。
(走査系)
次に、レーザ加工装置のレーザ光走査系を図9、図10、図11に示す。これらの図において、図9はレーザ加工装置のレーザ光走査系の構成を示す斜視図を、図10は図9を逆方向から見た斜視図を、図11は側面図を、それぞれ示している。これらの図に示すレーザ加工装置は、レーザ光Lを発生させるレーザ発振部と光路を一致させたZ軸スキャナを内蔵するビームエキスパンダ53と、X軸スキャナ14aと、X軸スキャナ14aと直交するよう配置されたY軸スキャナ14bとを備える。このレーザ光走査系は、レーザ発振部より出射されるレーザ光LをX軸スキャナ14a、Y軸スキャナ14bで作業領域WS内で2次元的に走査させ、さらにZ軸スキャナ14cで高さ方向にワーキングディスタンスすなわち焦点距離を調整することができ、3次元状に印字加工が可能となる。なお図において集光レンズであるfθレンズは図示を省略している。
レーザ加工装置においては一般に、第2のミラー(Y軸スキャナ)で反射されたレーザ光を作業領域に照射させるよう集光するために、第2のミラーと作業領域の間には、fθレンズと呼ばれる集光レンズを配置している。fθレンズは、Z軸方向の補正を行う。具体的には、図15に示すように、作業領域WSの端部に近付くほど焦点位置を伸ばし、ワークWの加工面上に位置させる補正である。
本実施の形態において、例えばスポット径を約50μmより小さいビームを形成したい場合は、fθレンズを配置することが好ましい。一方、上述の小スポット径よりも大きい、スポット径が約100μm程度(通常良く使用されるスポット径)のビーム径を採用する場合は、Z軸スキャナ側のビームエキスパンダに備えられたZ軸集光レンズをZ軸方向に移動させることにより、fθレンズが行うべきZ軸方向の補正を、補正制御として行うことができる。これにより、スポット径が大きい場合はfθレンズを省略することも可能となる。上述した図15の例では、fθレンズが行うべきZ軸方向の補正を、Z軸スキャナの補正制御に行わせることができる。
各スキャナは、光を反射する反射面として全反射ミラーであるガルバノミラーと、ガルバノミラーを回動軸に固定して回動するためのガルバノモータと、回動軸の回転位置を検出して位置信号として出力する位置検出部を備える。またスキャナは、スキャナを駆動するスキャナ駆動部に接続される。スキャナ駆動部はスキャナ制御部に接続され、スキャナを制御する制御信号をスキャナ制御部から受けて、これに基づいてスキャナを駆動する。例えばスキャナ駆動部は、制御信号に基づいてスキャナを駆動する駆動電流を調整する。またスキャナ駆動部は、制御信号に対する各スキャナの回転角の時間変化を調整する調整機構を備える。調整機構は、スキャナ駆動部の各パラメータを調整する可変抵抗等の半導体部品で構成される。
(Z軸スキャナ14cの動作)
近年、2次元平面内で走査可能なレーザ加工装置のみならず、高さ方向に焦点距離を調整可能な、すなわち3次元状に加工が可能なレーザ加工装置も開発されている。しかしながら従来の3次元に印字可能なレーザマーカは、あくまでも2次元の平面印字の高さレベルを段階的に変更できるにすぎなかった。すなわち、曲面や傾斜面に印字できるレーザマーカは存在しなかった。一方で、缶のような曲面にも高品質に印字加工できるレーザマーカが要求されていた。そこで、本発明者らはX軸スキャナ、Y軸スキャナに加えて、焦点可変光学系としてZ軸スキャナを設けることで焦点位置を調整可能とし、これによってワークの表面形状に沿って3次元状に加工可能なレーザ加工装置を実現した。
Z軸スキャナ14cはレーザ光Lのスポット径を調整し、これによって焦点距離を調整するビームエキスパンダ53を構成している。すなわち、ビームエキスパンダで入射レンズと出射レンズとの相対距離を変化させることでレーザ光のビーム径を拡大/縮小し、焦点位置も変化させることができる。ビームエキスパンダ53は、小スポットへの集光を効果的に行わせるため、図9に示すようにガルバノミラーの前段に配置され、レーザ発振部から出力されるレーザ光Lのビーム径を調整すると共に、レーザ光Lの焦点位置を調整可能としている。Z軸スキャナ14cがワーキングディスタンスを調整する方法を、図12〜図14に基づいて説明する。図12、図13はレーザ光走査系の側面図であり、図12はレーザ光Lの焦点距離を長くする場合、図13は焦点距離を短くする場合をそれぞれ示している。また図14はZ軸スキャナ14cの正面図及び断面図を示している。これらの図に示すように、Z軸スキャナ14cはレーザ発振部側に面する入射レンズ16と、レーザ出射側に面する出射レンズ18を含んでおり、これらのレンズ間の距離を相対的に変化可能としている。図12〜図14の例では、出射レンズ18を固定し、入射レンズ16を光軸方向に沿って駆動モータ等で摺動可能としている。図14は出射レンズ18の図示を省略して、入射レンズ16の駆動機構を示している。この例では、コイルと磁石によって軸方向に可動子を摺動可能とし、可動子に入射レンズ16を固定している。ただ、入射レンズ側を固定して出射レンズ側を移動可能としたり、入射レンズ、出射レンズを共に移動可能とすることもできる。
図12に示すように、入射レンズ16と出射レンズ18との間の距離を近付けると、焦点位置が遠ざかり、焦点距離(ワーキングディスタンス)が大きくなる。逆に図13に示すように入射レンズ16と出射レンズ18との距離を離すと、焦点位置が近付き焦点距離が小さくなる。
(ディスタンスポインタ)
また、3次元加工可能なレーザマーカの作業領域の中心に焦点位置を調整するために、レーザ光を作業領域WS内に走査させる際の照射位置を示すガイドパターンを表示することができる。図9〜図10に示すレーザマーカのレーザ光走査系は、ディスタンスポインタとして、ガイド用光源60と、ガイド用光源60からのガイド光Gをレーザ光走査系の光軸と一致させるためのガイド光光学系の一形態としてハーフミラー62を備えると共に、ポインタ光調整系として、ポインタ光Pを照射するためのポインタ用光源64と、Y軸スキャナ14bの裏面に形成された第3のミラーとしてポインタ用スキャナミラー14dと、ポインタ用スキャナミラー14dで反射されたポインタ用光源64からのポインタ光Pをさらに反射させて焦点位置に向かって照射する固定ミラー66とを備えている。このディスタンスポインタは、レーザ光の焦点位置を示すポインタ光Pをポインタ用光源64から照射し、ガイド光Gで表示されるガイドパターンのほぼ中心に、ポインタ光Pを照射するよう調整することで、レーザ光の焦点位置が指示される。
(焦点補正機能)
このようにして、ワーキングディスタンスを調整してレーザ光Lを走査することが可能で、3次元状に走査可能なレーザ加工装置が実現され、曲面状や段差状のワークW表面にも焦点距離を合わせた状態で高精度に印字加工できる。この様子を図15に基づいて説明すると、従来のレーザ加工装置では、図15において実線で示すようにレーザ光Lの焦点位置が固定されているため、印字加工可能な作業領域WSの中心位置で焦点を合わせるようにワークWを設置しても、レーザ光Lを走査させると中心から離れるほど焦点とワークWとのずれが大きくなり(図15において右に示すレーザ光L’)、印字品質が安定しないという問題があった。具体的には図16(b)に示すように、作業領域WS(印字可能エリア)中の印字位置に応じて印字の幅が異なってしまう。すなわち、作業領域WSの中心近傍では、焦点位置がほぼワーキングディスタンスとほぼ等しいため印字幅の狭い高品質な印字加工が可能である反面、作業領域WSの周辺近傍になるほど印字幅が太くなって印字品質が低下してしまう。
これに対して、本実施の形態に係るレーザ加工装置では、上述の通りZ軸スキャナ14cで焦点位置を調整可能な焦点補正機能を備えているため、図15の左側において波線で示すように印字可能エリアのどの位置においてもレーザ光Lの焦点位置を調整でき、最小スポットでの印字加工が可能となる結果、図16(a)に示すように印字位置によらず印字の線幅変化を抑制した高品質な印字加工を可能としている。
このように、印字可能エリアのどの位置でも最小スポットで印字でき、パレット印字や大型銘板の捺印等の作業において、印字品質を高品質に安定して得ることができる。また加工用途で使用する場合も、加工状態を均一に維持することができる。この結果、ワークWの形状によらず、均一な加工を行うことができ、例えば図17(a)に示すように段差のあるワークWや、図17(b)に示すようにワークW表面が曲面状であっても、また図17(c)に示すように傾斜していても、均一で高品質な加工を行うことができる。このように焦点補正機能によってワークWの多様な形状に対して最適な印字が可能となり、さらに奥行きのあるゲートカットのような加工においても精度よく、綺麗な仕上げを行える。
さらに本実施の形態によれば、レーザマーカのレーザ出力部を構成するマーキングヘッド150から照射されるレーザ光Lの作業領域WSを広く取りつつ、領域内での精密な加工が可能となる。図18(a)に示すように、従来のレーザ加工装置では作業領域WS内の加工位置に応じて焦点位置の変化が大きいため、作業領域WSを大きくする程この変化も大きくなり、レーザ光L’の焦点位置が加工位置から離れてしまうため、作業領域WSの広域化にも不適であった。これに対して本実施の形態に係るレーザ加工装置では、図18(b)に示すように作業領域WSを広くしても、各位置に応じて焦点位置を調整可能であるため、作業領域WSを従来よりも広く取りつつ、スポット径を安定させて加工品質も確保できるという優れた特長を備える。
(設置支援機能)
さらに本実施の形態に係るレーザ加工装置によれば、設置時や段取り替えの際の位置決め作業をも簡略化できる。図19(a)に、従来のレーザ加工装置のマーキングヘッド150を設置する例、図19(b)に本実施の形態に係るレーザ加工装置のマーキングヘッド150を設置する例を、それぞれ示す。従来のレーザ加工装置のマーキングヘッド150は、レーザ光L’の焦点位置が固定されているため、ワークとマーキングヘッド150との間のワーキングディスタンスと焦点位置とが合致するよう、図19(a)に示すようにマーキングヘッド150自体の設置高さを調整する調整機構160が必要となり、また調整作業に非常に手間がかかっていた。例えばマーキングヘッドが微妙に傾いている場合、加工精度を高めるためにネジ調整等で水平に補正し、必ず焦点位置と一致するように調整しなければならない。このために、各マーキングヘッド150毎に設置高さを微調整するための上下機構が必要となり、しかも調整作業を要し、設置機構が複雑になる上、極めて煩雑な作業を強いられていた。
これに対して、本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置によれば、図19(b)に示すようにレーザ光Lの焦点位置を調整可能であるため、レーザ加工装置を設置する設置台170は、基準となるワーキングディスタンスに設定するだけで足りる。したがってマーキングヘッド150の上下機構を用意する必要も、そのような調整作業も不要とできる。このため、3次元印字可能なレーザ加工装置は、2次元の印字に利用する場合であっても、位置あわせが容易で、多少焦点距離がずれていたり、マーキングヘッドが傾いていても調整することができる。
また実際の設置状態は、サンプル印字モードを実行することによって、最適な印字状態のパターンを選択するのみで、焦点位置の設定も最適に調整できる。サンプル印字モードとは、レーザの走査速度やレーザ出力を変化させた複数の異なる条件を設定して、ワークに対して試験的に印字加工を行って印字見本を作成する。一の印字見本には、条件の異なる印字パターンが複数印字されているので、ユーザは様々な条件で印字された文字等から鮮明さや濃度、太さ等に基づいて、所望の条件を選択することができる。これによって、ユーザが望む最適の印字結果を得るための条件を容易に見出すことができる。
さらに、図20(a)に示すように、従来はワークの角度に合わせてマーキングヘッド150自体も調整機構160B等で傾斜させて設置する必要があったが、本実施の形態に係るレーザ加工装置においては、表面が傾斜している等、角度を有するワークであっても図20(b)に示すように、マーキングヘッド150を水平に維持したまま正確に加工できるという特徴も有する。このように、非常に柔軟に各種アプリケーションに対応でき、しかも設置作業も容易であり印字加工精度も高いという極めて優れた特長を発揮できる。
なお、上記の例ではレーザ光走査系に、レーザ光の焦点距離を調整可能な機構を設けることで3次元加工を可能としている。ただ、ワークを載置するステージの位置を上下方向に調整可能とすることで、レーザ光の焦点がワークの作業面で結ぶようにステージの高さを調整する制御を行うことでも、同様に3次元加工を行うこともできる。また、ステージをX軸あるいはY軸方向に移動可能とすることで、レーザ光走査系の該当するスキャナを省略できる。これらの構成は、ワークをライン上に搬送する形態でなく、ステージ上に載置して加工する形態において好適に利用できる。
(レーザマーカのシステム構成)
次に図21に、3次元印字可能なレーザマーカのシステム構成を示す。この図に示すレーザ加工システムは、マーキングヘッド150と、マーキングヘッド150と接続されてこれを制御するレーザ制御部1であるコントローラ1Aと、コントローラ1Aとデータ通信可能に接続され、コントローラ1Aに対して印字パターンを3次元のレーザ加工データとして設定するレーザ加工データ設定装置180とを備える。レーザ加工データ設定装置180は、図21の例においてはコンピュータに3次元レーザ加工データ設定プログラムをインストールして、レーザ加工データ設定機能を実現させている。レーザ加工データ設定装置は、コンピュータの他、タッチパネルを接続したプログラマブルロジックコントローラ(PLC)や、その他専用のハードウェア等を利用することもできる。またレーザ加工データ設定装置は、レーザ加工装置の動作を制御する制御装置として機能させることもできる。例えば、一のコンピュータにレーザ加工データ設定装置としての機能と、レーザ出力部を備えるヘッドのコントローラとしての機能を統合してもよい。さらにレーザ加工データ設定装置は、レーザ加工装置と別部材で構成する他、レーザ加工装置に統合することもでき、例えばレーザ加工装置に組み込まれたレーザ加工データ設定回路等とすることもできる。
さらにコントローラ1Aには、必要に応じて各種外部機器190を接続できる。例えばライン上に搬送されるワークの種別、位置等を確認するイメージセンサ等の画像認識装置、ワークとマーキングヘッド150との距離に関する情報を取得する変位計等の距離測定装置、所定のシーケンスに従って機器の制御を行うPLC、ワークの通過を検出するPDセンサその他各種のセンサ等を設置し、これらとデータ通信可能に接続できる。
(レーザ加工データの設定)
平面状の印字データを3次元状に印字するための設定情報であるレーザ加工データは、レーザ加工データ設定装置により設定される。図22は、レーザ加工データ設定装置の一例としてブロック図を示している。この図に示すレーザ加工データ設定装置180は、各種設定を入力するための入力部3と、入力部3から入力された情報に基づいてレーザ加工データを生成する加工データ生成部80Kを構成する演算部80と、設定内容や演算後のレーザ加工データを表示するための表示部82と、各種設定データを記憶するための記憶部5Aとを備える。入力部3は、所望の加工パターンで加工する加工条件を設定するための加工条件設定部3Cとして、ワークの印字面の3次元形状を示すプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段3Aと、印字パターン情報を入力するための加工パターン入力手段3Bと、加工対象面の移動条件を入力するための移動速度入力手段3Dの機能を実現する。記憶部5Aは、図1のメモリ部5に相当し、入力部3で設定されたプロファイル情報や印字パターン情報等の情報を記憶する部材であり、固定記憶装置等の記憶媒体や半導体メモリ等が利用できる。表示部82は、専用のディスプレイを設ける他、システムに接続されたコンピュータのモニタを利用してもよい。
(演算部80)
演算部80は、加工条件設定部3Cで設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部80Kとして機能する。また必要に応じて、印字面に印字パターンを仮想的に一致させるように、印字パターン情報を平面状から3次元空間座標データに変換する座標変換手段を実現させることもできる。この演算部80はFPGAやLSI等のIC等で構成される。
また図22の例では、レーザ加工データ設定装置を専用のハードウェアで構成したが、これらの部材はソフトウェアでも実行できる。特に、図21に示すように汎用のコンピュータに3次元レーザ加工データ設定プログラムをインストールして、レーザ加工データ設定装置として機能させることもできる。また図22の例では、レーザ加工データ設定装置とレーザ加工装置とを個別の機器としたが、これらを一体的に統合することもできる。例えばレーザ加工装置に自体にレーザ加工データ設定機能を付加することもできる。
(レーザ加工データの設定手順)
次に、ワークの印字面に印字される印字パターンから、レーザ加工データを生成して、レーザ加工装置に設定する手順について説明する。まず、ワークの表面形状を入力した後、この上に印字パターンを貼り付けるレーザ加工データの設定手順について、図23のフローチャート及び図24〜図33等のレーザ加工データ設定プログラム200のユーザインターフェース画面に基づいて説明する。なおこれらのプログラムのユーザインターフェース画面の例において、各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。またこれらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、プログラムを組み込んだコンピュータに接続された入力部3で行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力部によりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入力部等を構成する入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータ等に固定されている。一般的な入力部としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、レーザ加工装置等のハードウェアの操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示する表示部82のディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、又は音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
まずステップS11で、印字面の3次元形状を入力部から入力する。ここでは、加工面プロファイル入力手段3Aから、ワークの3次元情報であるプロファイル情報を入力する。加工面プロファイル入力手段3Aとしては、
(1)3次元形状を入力可能なプログラム上から、ワークを作画して指定する方式
(2)ワークの形状を特定するためのパラメータを、対話形式でユーザに入力させる方式
(3)ワークの形状に予め作成された3Dデータのデータファイルを入力して変換する方式
(4)ワークの形状を実際にイメージセンサ等の画像認識装置で読み込んで取得する方式
等が挙げられる。
(1)の方法では、プログラム上からワークの形状を作図して指定するものである。図24に、ワークWの3次元形状を入力するワーク3次元形状設定プログラム210のユーザインターフェース画面の一例を示す。例えば既存の3次元CADや3次元モデリングツール等が備える3次元形状の造形に必要な機能と同様のプログラムやツール類を利用して、ユーザはCADと同様の感覚で3次元形状を作成する。作成した形状は、一旦ファイルに保存してレーザ加工データ設定プログラムに転送する。あるいは、作成したデータを直接レーザ加工データ設定プログラムに貼り付けて利用する。(1)の方法は、3次元形状の作図に慣れたユーザであれば容易に利用できる反面、このような作図に不得手なユーザには敷居が高いという問題がある。
一方、(2)の方法は、ウィザード方式のように、必要な情報を対話形式でユーザに指定させることで形状を特定する方法である。この方法は、3次元作図に関する知識が不要であるため、利用しやすいという利点がある。図25に、このようなワーク形状設定ウィザード220の一例を示す。この例では、左欄を「図形選択」欄222、中欄を「入力パラメータ説明」欄224、右欄を「パラメータ入力」欄226としている。「図形選択」欄222では、ワークの形状として一般的な直方体・立方体・円柱・円錐・六角柱・球・ペットボトル形状等を図形イメージで例示し、いずれかをユーザに選択させる。この例では円柱を選択している。図形が選択されると、これに対応して指定すべき入力パラメータが決定される。図の例では円柱を特定するために、直径と高さの指定が必要となり、「入力パラメータ説明」欄224で円柱の直径と高さを図示すると共に、「パラメータ入力」欄226で「直径を入力して下さい」、「高さを入力して下さい」等のメッセージを表示して、これらの入力パラメータの指定を促す。入力パラメータは、選択された図形によって変更され、例えば直方体では高さと幅と奥行き、立方体では一辺の長さ、円錐では底面の直径(又は半径)と高さ、六角柱では底面の一辺長さと高さ、球では直径、ペットボトルでは太い部分の直径、細い部分の直径、全体高さ、太い部分の長さ、細い部分の長さ、といったように、形状とを特定するための入力パラメータが適宜指定される。このようにして指定された形状は、保存され、あるいは直接レーザ加工データ設定プログラムに貼り付けて利用される。さらに、ワーク形状設定ウィザード220で指定された形状をさらに(1)レーザ加工データ設定プログラムで読み込んで、再編集することもできる。あるいは、レーザ加工データ設定プログラムで保存された形状を、ワーク形状設定ウィザード220の図形選択の候補として登録してもよい。
次に(3)の方法は、予め3次元CAD等の別プログラムで作成されたワークのデータファイルを変換して利用するものである。この方法では、既に作成されたデータを利用できるので、ワークの形状指定作業を大幅に省力化できる。図26に、CADファイル変換画面230の一例を示す。この例では、左欄にデータファイルを選択するための「ファイル選択」欄232、中欄に「ファイル選択」欄232で選択されたファイルの内容を確認するための「ビューワ」欄234、右欄に変換して取り込みを実行するための「変換」ボタン236を配置している。「変換」ボタン236を押下すると、「ファイル選択」欄232で選択されたデータファイルがレーザ加工データ設定プログラムで読み込み可能な形式に変換されて取り込まれる。CADファイル変換画面230で読み込み可能なデータファイル形式は、DXF、IGES、STEP、STL、GKS等、各種の汎用的なフォーマットが利用できる。またDWG等、特定のアプリケーションの専用フォーマットを直接入力して変換することもできる。
さらに(4)の方法では、ワークをイメージセンサ等で読み込んで画像認識等の方法で自動的にデータを取得する。この方法では、3次元データの作図やファイルに関する知識は一切不要で、ユーザは図27に示すようにイメージセンサIMGで読み込み可能な所定の位置にワークWを配置し、形状取得命令を実行するだけで、自動的にワークの形状がレーザ加工データ設定プログラムに取り込まれる。イメージセンサIMGは、CCDカメラやC−MOSカメラ等が利用できる。さらに、イメージセンサに代わって撮像済の画像ファイルや写真等からイメージスキャナでワークの形状を取り込むことも可能である。また取得したイメージからワークの形状を取得するアルゴリズムは、既知の画像認識アルゴリズムが適宜利用できる。
以上のようにしてワークの形状をレーザ加工データ設定プログラムに入力すると、レーザ加工データ設定プログラムの画面上に入力されたワークが表示される。レーザ加工データ設定プログラム200のユーザインターフェース画面の一例を図28に示す。この例では、画面左に3次元印字データの編集状態を表示する編集表示欄202が設けられ、また画面右は後述する印字文字列等の印字パターン入力欄204である。編集表示欄202は編集状態のプレビューを表示する。図28の例ではワークの2次元図(ここでは横置き姿勢の円柱の平面図)が表示されており、ユーザはマウス操作や座標指定によりワークの表示倍率や姿勢、配置等を任意に変更できる。編集表示欄202は、表示されるサイズに応じて画面をスクロール表示できる。さらに編集表示欄202の右下には、レーザ加工データを立体的に示す3次元ビューワ欄206が表示される。図28の例では3次元ビューワ欄206にはワークWである円柱の斜視図が示される。3次元ビューワ欄206で表示されるワークWは、好ましくは姿勢や角度の変更、回転、倍率変更等の操作を可能とする。例えば3次元ビューワ欄206上からワークWを直接ドラッグして回転、移動させる。
なおこれらの表示は一例であり、各欄のレイアウトや大きさ、位置関係等は任意に変更可能であることは言うまでもない。例えば各欄を別ウィンドウで表示させてもよい。ユーザはレーザ加工データ設定プログラムから、後述する印字パターンをワークのどの面に印字を行うか、すなわち印字面を指定する。なお上記ではワークの全体形状を入力する例を説明したが、必ずしもワークの全体形状を入力する必要はなく、加工面である印字面を含む部位の形状を指定するだけでもよい。
以上のようにして図23のフローチャートにおけるステップS11で、印字したい印字面の立体情報を指定した後、ステップS12で、印字パターン情報を入力部から入力する。ここでは、加工パターン入力手段3Bから印字文字列やイメージを指定する。図29に、レーザ加工データ設定プログラム200で印字パターン情報を入力する例を示す。この図において、加工パターン入力手段3Bは印字パターン入力欄204で実現される。印字パターン入力欄204の中段には、加工パターンの種別を指定する「種類」欄204aや文字列を入力するための「文字入力」欄204b、印字したい文字データの種類や単線・太線といった線種等詳細を設定するための複数のタブを備える詳細設定欄204c等が設けられる。「種類」欄204aでは、加工パターンを文字列、ロゴ・図、加工機動作のいずれかから選択する。この例では「種類」欄204aで「文字列」を選択し、「文字入力」欄204bから印字したい文字列として「ABCD」を入力すると、左欄の編集表示欄202に編集中の文字列「ABCD」が平面状に表示される。
次に、ステップS13で加工パターン情報を3次元空間座標データに変換する。この例を図30〜図31に基づいて説明する。まず図30に示すように、編集表示欄202で編集中の文字列「ABCD」を移動させてワーク上に重ねるよう配置する。編集中の文字列の移動は、マウスのドラッグ等の操作によって感覚的に行う他、座標で正確に指定することもできる。例えばマウス操作の場合は、マウスの左クリックで文字列を選択すると、文字列を囲むように枠が表示され、枠をドラッグして移動可能とできる。また枠の各辺にはハンドルが表示され、これを操作することで拡大/縮小や回転等変形させることができる。一方、座標での指定は、詳細設定欄204cの「サイズ・位置」タブ205を選択して、ブロック座標のX座標、Y座標を指定する。また必要に応じて、印字文字列の文字サイズ等の調整を行う。印字文字列の位置が決定されると、印字文字列の印字面への貼り付けを行う。ここでは、図31に示すようにマウスの右クリックで表示される右クリックメニュー207aから「フィッティング」を選択すると、貼り付け動作が実行される。すなわち、立体情報を持たない加工パターンを、立体情報を持つ印字面に仮想的に一致させるように、座標変換を行って加工パターン情報から3次元空間座標データを生成する。この処理は演算部80の座標変換手段80Aが行う。これによって、ワークの表面に印字文字列が貼り付けられ、3次元ビューワ欄206には印字パターンが立体的に表示されると共に、編集表示欄202ではワーク上の文字列が、3次元データに変換される結果、左右が多少歪んで表示される。
また、上記のようなフィッティング操作によって平面状の印字文字列を立体形状に変形させる他、印字文字列をマウスでドラッグすることで、ワークの立体形状に従って印字文字列を変形させ、さらにこの様子をリアルタイムに表示させることもできる。この様子を図32〜図33に基づいて説明する。図32は、貼り付けたい図形をマウスでドラッグする状態を示す。図32の例では、文字列ABCDのグループを示す枠をマウスで選択し、ワークである円筒の側面に載せるよう左から右にドラッグする。そして図33に示すように、文字列の枠がワークの立体表面に重なると、重なった部分は表面に張り付くようにリアルタイムに文字列が変形する。また画面右下の3次元ビューワ欄206で表示されるワークの斜視図上でも、リアルタイムに変形する様子を表示させてもよい。この方法によれば、ユーザはリアルタイムに変形する文字列を確認できるので、意図した位置に配置することがさらに容易となる。このような座標演算には、一般に大量の演算処理が必要であるが、処理能力の低いコンピュータを使用する場合等では、印字文字列を囲む枠のみをワークの立体形状に従って変形させ、文字列自体の変形表示を省略させることもできる。これにより演算量を低減でき、低負荷での操作を実現してユーザの操作時のストレスを低減できる。
(フィッティングしない場合)
なお、加工パターンをワークに貼り付けるフィッティング操作を行わないこともできる。この場合、X、Y座標はそのままで維持され、Z方向のみ調整される。この結果、加工パターンはゆがんで印字されることとなるが、特定の方向からみれば正しく読めるようになる。例えばバーコードを印字する場合、曲面に一致するように正しく印字すると、バーコード読み取り時に特定方向から読み取り光線を照射すると、ナロー幅や細太化が異なってしまうことがある。これを防止するため、フィッティングによる座標調整を行わず、印字加工の際に正しく加工できるように高さ方向のみ調整することで、印字されたバーコードを特定の一点から読み取りを行うと正しく読み取れるようにできる。
このようにしてステップS13で3次元空間座標データが得られた後、ステップS14で必要に応じて調整作業が行われる。例えばレイアウトの調整や高さ方向(z方向)への微調整が挙げられる。微調整には、プログラム上に設けられたバーでのスライド調整やマウスのホイール回転等の手段が利用できる。
以上の手順で最終的なレーザ加工データが生成され設定作業が終了した後、得られたレーザ加工データをレーザ加工データ設定プログラム200からレーザ加工装置のコントローラ1Aに転送する。転送の実行には、レーザ加工データ設定プログラム200の画面左下に設けられた「転送・読出し」ボタンを押下する。
レーザ加工装置では、レーザ加工データに基づいて印字加工を行う。また実際の加工開始に先立って、テスト印字を行わせてもよい。これにより、所望の印字パターンの印字が得られるかどうかを事前に確認することができる。またテスト印字結果に基づいて、さらにレーザ加工データを再設定することもできる。
以上の例では、一のワークに一の印字パターンを指定する例を説明したが、同様の手順を繰り返すことにより一のワークに複数の印字パターンを指定することもできる。また、レーザ加工データ設定プログラムの一画面にワークを一のみを表示する構成に限られず、一画面に複数のワークを表示させて、それぞれのワークに印字パターンを指定することもできる。
(移動するワークへの加工)
このレーザ加工データ設定装置は、移動するワークの加工対象面が3次元状であっても、正確に印字加工できるよう、加工データ生成部80Kが、加工条件設定部3Cで設定された加工条件と、3次元状の加工対象面とに基づいた加工データを生成する。ここでは、加工面プロファイル入力手段3Aから加工対象面の3次元形状(例えば加工対象面が円柱状の場合は、円柱の半径等)に関するプロファイル情報を入力し、さらに移動速度入力手段3Dから加工対象面の移動速度等の移動条件を入力して、これらの情報に基づいて加工データ生成部80Kが3次元状の加工面に応じた加工データを生成する。
ここでは、円柱あるいは円錐状で回転するワークに対して印字加工を行う例として、図34に示すような円柱状のワークW1、図35に示すような同心円で異なる半径の円柱状を複数合わせたワークW2、図36に示すような円錐状のワークW3に対して、加工条件設定部3Cからこのような加工条件をそれぞれ設定する例を図37〜図39に示す。
(円柱状ワークW1)
図37は、加工条件設定部3Cの一例として、図34に示す円柱状のワークW1に対する印字の条件を指定する画面を示している。この例では、左側に印字すべき文字列を表示しており、右側に加工面プロファイル入力手段3Aの一形態として、ワークの形状を指定する形状指定欄3aが設けられる。形状指定欄3aでは予め用意された所定の形状をプルダウンメニューから選択する。形状指定欄3aで選択された形状に応じて、形状を特定するパラメータ指定欄3dが形状指定欄3aの下部に自動的に表示される。ここでは形状指定欄3aで「円柱」が指定され、パラメータ指定欄3dで円柱の半径の入力欄が表示される。
さらにパラメータ表示欄の下部に、移動速度入力手段3Dの一形態として回転速度入力欄が表示されている。回転速度は、例えば単位時間当たりの回転数rpm(回転数/分)により指定すると共に、ワークの半径を指定する。もちろん、その他の速度の指定手段として、角速度を採用しても良い。ユーザは、上記の各入力欄で各々の値を数値で入力する。
なお、加工対象面のプロファイル情報として、円柱の半径の他、円柱の中心の座標等、基準となる点(基準点)の座標位置や円柱中心軸の方向等を指定することもできる。さらに必要に応じて、ワークの3次元形状を立体的に表示する3次元ビューワ欄206を表示させてもよい。このようにして入力された値に応じて、加工データ生成部80Kが最適な印字条件を演算し、加工データを生成する。
(円柱ブロック状ワークW2)
また図38は、図35に示すような同心円で半径の異なる円柱が連なったワークW2に対して印字条件を設定する画面例を示している。この例では、ワークの形状として形状指定欄3bで「円柱(複数)」を選択しており、パラメータ指定欄3eでは円柱を構成するブロック数と、各ブロック毎の半径及び長さの指定欄が表示されている。この画面から各ブロックの半径及び長さを数値で入力する。図38の画面例では、円柱ブロック数として3が指定されたため、ブロック1〜3の半径r1〜r3、及び高さh1〜h3の入力欄が設けられる。このように、選択されたブロック数に応じてパラメータ指定欄の入力数が変動する。また上記と同様に、ワークの回転速度も回転速度入力欄から入力する。
図35のワークW2では、ワーク自体の回転速度は一律であるが、ワークW2の高さによって円柱の半径が変わるため、回転速度も印字位置に応じて相対的に変化する。すなわち、円柱の半径が短くなるほど、相対的に回転速度は遅くなる。したがって、加工データ生成部80Kは、加工条件設定部3Cで入力された条件に基づいて、ワークの移動速度の変化も考慮して印字のための条件を演算する。図35の例では円柱ブロックの高さ方向がY方向となるため、y座標の範囲に応じて異なる移動速度(一定値)を設定する。例えば、ブロック2における半径をr2、移動速度をV、ブロック3における半径をr3、移動速度をV’とすると、V’=(r3/r2)Vの関係が成立する。すなわち、y座標についてブロック3の底面を基準位置とすると、h3<y<h2、では移動速度V、0<y<h3では移動速度V’=(r3/r2)Vとなる。このように、円柱状の半径が異なるワークであっても、演算によって移動速度を求めることができるので、上記と同様に回転するワークに対する正確な印字のための条件を設定できる。
(円錐状ワークW3)
上記では、円の半径が離散的に変化するワークの例として円柱ブロック状ワークW2を説明した。これに限らず、半径が連続的に変化するワーク、例えば円錐状のワークに対しても、同様に加工対象面の移動速度を加味した正確な印字を行うことができる。図39は、図36に示す円錐状のワークW3に対して印字条件を設定する画面例を示している。ここでは、形状指定欄3cで「円錐」を選択することで、パラメータ指定欄3fに円錐底面の半径と高さの入力欄が表示される。このような円錐形状では、半径が高さに応じて連続的に変化するため、これに伴ってワークW3上の相対的な速度も高さ方向に連続的に変化する。したがって、ワークW3の高さ方向、図36の例ではy座標に応じて加工データ生成部80Kは移動速度を演算する。例えば底面の半径をr、移動速度をVとし、円錐の任意の位置における半径r”がy座標に応じて決まる所定の関数f(y)で表される場合、座標yにおける相対速度V”はV”=(r”/r)V=(f(y)/r)Vとなる。このように、円錐状のワークであっても相対移動速度を演算できるので、正確な印字条件を加工データ生成部80Kで決定することができる。また図36の例では、半径が高さに応じて直線的に変化する円錐状を示したが、曲線的に変化する円錐に対しても同様に対応できる。
また、上記の形状を組み合わせた形状のワークに対しても、同様に加工条件を設定することができる。例えば図40に示すような鉄アレイ状のワークW4に対しては、複数の円柱状部分と円錐状部分との組み合わせで構成されていると捉えられるので、各領域毎の条件を入力することで印字加工が可能となる。また瓶やペットボトルのような形状に対しても同様に、領域毎の形状を指定して印字加工が行える。
以上のようにして指定された加工条件に基づき、加工データ生成部80Kは加工データを生成する。従来の印字方法では、上述した図4等に示すように、平面データをそのまま円柱状に写像していたため、中心から端部に近付くほど誤差が大きく、歪みが生じる。この様子を図41に基づいて説明すると、図41(a)に示すように回転してX軸方向に相対的に移動する円筒状ワークWに対して文字「ABC」を印字する場合、単に平面状の「ABC」をそのまま円周面上に写像するため、図41(b)に示すように上面から見れば正しく「ABC」と印字されている。しかしながら、円周曲面を平面に展開すると端部に近付くほど間延びしてしまい、図41(c)に示すように印字された円周曲面を平面に展開すると、「B」はほぼ正常に印字されているものの「A」と「C」は歪んで印字された結果となっていた。
これに対して、上記実施の形態によれば、加工データ生成部80Kが3次元状の加工データを生成しているので、図42(c)に示すように印字結果を展開しても正しく「ABC」が印字されている。すなわち、レーザ光を走査する上面から見ると、図42(a)、(b)に示すように中心から端部に向かうほど、印字の幅が狭くなるように印字位置が補正されている。さらに、このような3次元状のワークWが移動(この例では回転)することを考慮し、各時間にワークWの加工対象面がどの位置にあるかを計算して、これに応じた印字を行っているので、移動する3次元状のワークに対しても、所望の印字結果を得ることができる。
なお、ここで加工データとは、実際にレーザ加工装置に印字加工させる際に必要な設定を指し、例えば印字されるパターンの各座標位置やレーザの照射開始位置、レーザ出力や走査速度等が含まれる。上記の手順によって加工データ生成部80Kは、印字データ量や各時間における加工対象面の位置やレーザ光の走査速度、レーザ出力等を勘案して、最適なレーザの照射条件を演算する。このように加工データ生成部80Kでワークの形状や回転速度等に応じて自動的に加工データを設定するので、ユーザは所望のワークや速度等の条件を指定してやるだけで、具体的な条件を意識することなく最適な印字結果を得ることができる。すなわち、ユーザはレーザ加工装置の詳細なパラメータの意味を理解しなくとも、最適な印字条件に設定することが可能となり、初心者でも扱いやすいという利点が得られる。
また一方で、加工データ生成部80Kで演算した加工データをユーザが微調整するように構成することも可能である。例えば、自動演算された加工データの各条件を表示し、ユーザが必要な項目を選択してパラーメータの値を増減、あるいは直接入力することで、より適した条件に調整させてもよい。例えば自動演算された条件で実際にワークを印字し、印字結果を参照して条件を調整・変更するような場合は、必要な項目値のみを調整すれば足りるので、細かなチューニングが可能となる。この構成は、レーザ加工装置の特性を理解した熟練ユーザに好適である。
(印字条件の計算方法)
次に、加工データ生成部80Kが最適な印字条件を演算する例を、以下図43及び図44に基づいて説明する。図43は、2次元的な移動印字に関する条件設定を説明する模式図であり、図43(a)は斜視図、図43(b)は平面図を、それぞれ示している。また図44は3次元的な移動印字に関する条件設定の一例として、回転運動するワークに対する印字条件設定方法を説明する模式図であり、図44(a)は平面図、図44(b)は断面図を、それぞれ示している。
(平面移動印字の設定方法)
先ず、図43に基づいて2次元的な平面印字の設定方法について説明する。2次元的な移動印字では、移動するワークに対して、2次元的な印字対象面に印字する。このような印字の場合は、(1)印字する印字内容を決定し、(2)平面移動の加工条件を設定した上で、(3)印字を開始し、(4)さらに印字内容のXY座標に、ワークの移動量に応じた座標を加算する。図43(a)の例では、印字内容として文字列「ABC」を指定している。また平面移動の加工条件としては、移動方向、移動条件、印字範囲等がある。以下、平面移動加工条件について順次説明する。
(移動方向)
平面移動加工条件の一である移動方向として、ワークの移動方向を指定する。この例では、印字対象のワークが左から右へ移動するため、この移動方向を移動加工条件設定部から指定する。図45に移動加工条件設定部の一例として、加工ライン条件設定画面240を示す。この図において、「移動/印字方向」タブ241を選択し、ワークのXY移動方向及び/又はZ移動方向を設定する。この例では、レーザ加工装置のマーキングヘッドを平面図及び側面図で示し、これに対してワークのラインの向き及び移動方向を指定する。このような視覚的な表示例から選択させることによって、ユーザは相互の位置関係を容易に把握でき、設定を容易にすると共に設定ミスを低減できる。図43の例では、マーキングヘッドの長手方向に対して印字の向きが図43(a)に対して直交する場合、ワークの移動方向に応じて上又は下方向を選択する。選択後、印字内容である「ABC」が上下方向に並んで表示される。
(移動条件)
移動条件は、所定の速度での移動(フィードバック無しのオープン制御)か、エンコーダによるフィードバック制御かを指定するものである。ここではワークが等速移動かエンコーダ制御かを選択する。
(印字範囲)
印字できる範囲は、X方向とY方向に対応させて設けられたスキャナの可動範囲によって定められるものであり、その最大の印字可能範囲は、図28や図29に示す編集表示欄202で表示される部分が、これに対応するよう設定されている。ユーザは、その編集表示欄202内に、印字対象文字等を設定することで、自動的に印字範囲を設定できる。
これらの平面移動加工条件を指定すると、印字開始後のXY座標位置及び各座標位置におけるレーザ光のON/OFFを演算できる。XY座標は、印字内容の文字に応じたXY座標に、ワークの移動方向の座標に対してワーク移動量分を加算して計算できる。図43の例では、ワークがX方向に移動するため、X座標についてのみワークの移動速度を加算し、Y座標については維持する。すなわち、
X’=X+(ワークの移動速度)
Y’=Y
として計算されるので、これに基づいて印字を行う。
(回転移動印字の設定方法)
次に、3次元的な移動印字について説明する。図44の例では、回転移動するワークに対する印字を行う。この場合も上記平面移動印字と同様、(1)印字する印字内容を決定し、(2)回転移動の加工条件を設定した上で、(3)印字を開始し、(4)さらに印字内容のXY座標に、ワークの移動量に応じた座標を加算する。具体的には、(4−1)XY座標の変換、Z座標の付加と、(4−2)移動方向の座標に対して変換移動量分の座標を加算する。
印字内容としては、上記と同様文字列「ABC」とした。回転移動の加工条件としては、上記平面移動加工条件に加えて、回転速度と半径が加わる。これによって速度を演算できる。すなわち、印字可能な範囲の、ワークの円周面に位置する各点における接線方向の速度を算出し(この値は各点で同じ)、さらに絶対座標の回転移動方向、図44(b)の例ではX方向における各点での速度を算出する。図44の場合、Y座標の変換は不要であり、これを維持したまま、X座標(回転移動方向)の変換と、Z座標の付加が演算されると共に、移動方向の各点における変換移動量が算出され、印字が実行される。
具体的には、図44において回転速度が500rpm(回転/分)、半径50mmとすると、円周上での移動速度は50x2πx500/60=2616mm/sとなる。また変換前の座標を(X、Y、Z)、変換後の座標を(X”、Y”、Z”)として、まずX座標の変換及びZ座標の付加によって(X、Y、Z)が(X1、Y1、Z1)に変換されるとすると、次式で演算できる。
1=r*sin(X/r)
1=Y
1=r(cos(X/r)−1)
さらに、移動方向の座標に対して変換移動量分の座標を加算した結果、(X1、Y1、Z1)が(X2、Y2、Z2)に変換されるとすると、次式で演算できる。
2=2616mm/s*cos(X/r)
2=Y
2=−2616mm/s*sin(X/r)
したがって、変換前の座標(X、Y、Z)と変換後の座標(X”、Y”、Z”)との奸計は、次式で表すことができる。
X”=r*sin(X/r)+移動速度*cos(X/r)
Y”=Y
Z”=r(cos(X/r)−1)−移動速度*sin(X/r)
(領域分割)
さらに、連続して回転する回転体への印字においては、回転速度や印字すべき作業量、レーザ光走査系の走査速度等によっては、回転体の1回の回転ではすべての印字加工を行うことができない場合も起こり得る。このような場合に、1回の回転で印字可能な領域に区切るよう、回転面の円周方向に沿って加工領域を分割し、複数回の回転に分けて印字することが可能となる。
この方法を、図46に基づき説明する。この例では、円周に沿って4つの領域に分割している。そして回転体の1回転目では領域1を印字し、2回転目で領域2、3回転目で領域3、4回転目で領域4をそれぞれ印字することで、回転体が計4回回転する間にすべての加工作業を終了できる。このように、従来では処理能力が不十分で印字できなかった回転体への印字であっても、円周方向に沿って加工可能な領域に分割することで、回転体の回転速度を変更することなく印字を可能とできる。また複数回に分割することで、無理なく印字することができ、特に加工領域を多く分割するほど、より高精度な加工が可能となり、加工精度の向上も実現できる。
加工領域の分割は、回転体の回転速度のみならず、印字データの量すなわち印字作業量やレーザ光学系の走査速度、求められる印字品質、要求されるタクトタイム等に応じて設定される。また、各領域を均等に分割する必要はなく、印字作業量に応じて領域の円周方向長さを調整することも可能である。
また図46の例では、分割された領域への印字を回転毎に割り当てているが、1回転中に複数の領域を割り当てることも可能となる。図47に示す例では、円周上の加工面を4つの領域1〜4に分割した上で、1回転目で領域1及び3への印字を、2回転目で領域2及び4への印字を行っている。このように、1回転目で領域1への印字を終えて、次の領域2までの印字を行うまでに待ち時間がある場合、言い換えると2回転目に入るまでの間に他の未印字領域への印字が可能な場合は、この待ち時間を利用して印字を行うことができる。このように、1回転中に1領域のみ印字する例に限られず、1回転中に複数領域の印字を割り当てることも可能であり、これによってより少ない回転数で印字を完了でき、タクトタイムの短縮化を実現してより効率的な印字作業が実現できる。また、印字順序の割り当ては、上記のように1→3→2→4のような昇順に限られず、印字作業量や優先度等に応じて任意の順序に設定可能であることはいうまでもない。
このように、回転するワークWに対して、複数回に分けて印字を行うことにより、回転速度を落とすことなく印字が可能となる。印字作業量が多く従来では印字不可能であった用途においても品質を維持した印字を可能とできる。
(デフォーカス量の設定)
以上の加工データ生成部は、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、3次元状の加工対象面と一致する基本設定条件となるように加工データを生成している。ただ、意図的に加工対象面と一致しないようにデフォーカス量を設定することも可能である。
意図的に特定のデフォーカス量を印字面に対して設定するには、印字面に対してフォーカスが合う基本設定条件に対して、デフォーカス量を指定する。図48に、このような設定を行う加工パラメータ設定画面の一例を示す。図48において、加工パラメータ設定欄204lにデフォーカス値を指定するデフォーカス設定欄204mが設けられており、ユーザが所望の値を入力する。デフォーカス値として、例えばプラスの値を入力すれば、焦点位置が印字面よりも設定された値分、レーザ加工装置に対して離れた位置に設定される。逆にマイナスの値として入力すれば、印字面よりさらに設定された値だけ焦点位置がレーザ加工装置に対して近い位置に設定される。
なお図48において、画面左上に3次元ビューワ260が別ウィンドウで表示され、同じワークの2次元表示と3次元表示を並べて表示させている。この例では、3次元ビューワ260を開くための3次元別画面呼出手段として、2画面表示ボタン207Cをフローティングツールバーに設けている。編集表示欄202で2次元表示させている状態で、2画面表示ボタン207Cを押下すると、図48に示すように3次元ビューワ260が別ウィンドウで表示される。3次元ビューワ260はドラッグして任意の位置に配置可能である。またウィンドウサイズも変更できる。さらに、3次元ビューワ260で表示されるワークWの姿勢や角度の変更、回転等の操作を可能としてもよい。これらの3次元表示においては、グリッドやスケールを表示させており、視点の把握を容易にしている。これらグリッドやスケール表示をON/OFFすることもできる。
本発明のレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、例えばマーキング、穴あけ、トリミング、スクライビング、表面処理等、立体形状を有する立体の表面にレーザ照射を行う処理において、立体形状の設定に広く適用可能である。
本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。 走査部におけるX・Y軸スキャナの配置状態を示す透明斜視図である。 円柱状のワークの加工対象面を平面状に展開した状態を示す斜視図である。 図3のワークにおいて、2次元の加工データで3次元のワークに印字を行う場合に生じる誤差を説明する側面図である。 誤差を少なくするために加工範囲を制限した様子を示す側面図である。 回転するワーク上の位置によって相対的な移動速度が変化する様子を説明する側面図である。 回転するワークに対する印字加工を説明する側面図である。 図1のレーザ励起部の内部構造を示す斜視図である。 レーザ加工装置のレーザ光走査系を含むマーキングヘッドの構成を示す斜視図である。 図9を背面方向から見た斜視図である。 図9を側面から見た側面図である。 焦点距離を長くする場合のレーザ光走査系を示す側面図である。 焦点距離を短くする場合のレーザ光走査系を示す側面図である。 Z軸スキャナを示す正面図及び断面図である。 レーザ加工装置のレーザ光の焦点位置が、作業位置において変化する状態を説明する説明図である。 作業領域中の位置に応じて加工状態が異なることを説明する説明図である。 ワークの表面形状に応じてレーザ光の焦点位置を調整する様子を説明する説明図である。 作業領域内の加工位置に応じて焦点位置が変化する様子を説明する説明図である。 従来のレーザ加工装置のマーキングヘッドを設置する状態を示す説明図である。 ワークの角度に合わせてマーキングヘッドを傾斜させて設置する例を説明刷る説明図である。 3次元印字可能なレーザマーカのシステム構成を示すブロック図である。 レーザ加工データ設定装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る3次元加工データの設定手順を示すフローチャートである。 ワークの3次元形状を入力するワーク3次元形状設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 ワーク形状設定ウィザードを示すイメージ図である。 CADファイル変換画面を示すイメージ図である。 イメージセンサでワークを検出する状態を示す斜視図である。 3次元加工データ設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 図28の3次元加工データ設定プログラムで印字パターン情報を入力する様子を示すイメージ図である。 図29の3次元加工データ設定プログラムで印字文字列を移動させる様子を示すイメージ図である。 図30の3次元加工データ設定プログラムで印字文字列の印字面への貼り付けを行う様子を示すイメージ図である。 文字列の変形をリアルタイムに表示する様子を示すイメージ図である。 文字列の変形をリアルタイムに表示する様子を示すイメージ図である。 円柱状のワークに対する加工を説明する斜視図である。 複数の円柱状ブロックを組み合わせたワークに対する加工を説明する斜視図である。 円錐状のワークに対する加工を説明する斜視図である。 図34のワークに対する加工条件を設定する例を示すイメージ図である。 図35のワークに対する加工条件を設定する例を示すイメージ図である。 図36のワークに対する加工条件を設定する例を示すイメージ図である。 円柱と円錐を組み合わせたワークの形状を示す斜視図である。 従来の印字方法による印字状態を示す側面図、平面図、斜視図である。 本発明の実施の形態に係る手法による印字状態を示す側面図、平面図、斜視図である。 2次元的な移動印字に関する条件設定を説明する模式図であり、図43(a)は斜視図、図43(b)は平面図である。 3次元的な移動印字に関する条件設定を説明する模式図であり、図44(a)は平面図、図44(b)は断面図である。 移動加工条件設定部で移動方向を設定する画面例を示すイメージ図である。 円周上の領域を分割して印字を行う様子を説明する側面図である。 円周上の領域を分割して印字を行う別の例を説明する側面図である。 デフォーカス設定量の設定画面の一例を示すイメージ図である。
100…レーザ加工装置
1…レーザ制御部;1A…コントローラ;2…レーザ出力部
3…入力部;3A…加工面プロファイル入力手段;3B…加工パターン入力手段
3C…加工条件設定部;3D…移動速度入力手段
3a〜3c…形状指定欄;3d〜3f…パラメータ指定欄
4…制御部;5…メモリ部;5A…記憶部
6…レーザ励起部;7…電源;8…レーザ媒質;9…走査部
10…レーザ励起光源;11…レーザ励起光源集光部
12…レーザ励起部ケーシング;13…光ファイバケーブル
14…スキャナ;14a…X軸スキャナ;14b…Y軸スキャナ
14c…Z軸スキャナ;14d…ポインタ用スキャナミラー
15…集光部;16…入射レンズ;18…出射レンズ
50…レーザ発振部;51、51a、51b…ガルバノモータ
52…スキャナ駆動回路;53…ビームエキスパンダ
60…ガイド用光源;62…ハーフミラー;64…ポインタ用光源;66…固定ミラー
80…演算部;80K…加工データ生成部
82…表示部
150…マーキングヘッド
160、160B…調整機構
170…設置台
180…レーザ加工データ設定装置
190…外部機器
200…3次元形状設定プログラム
202…編集表示欄
204…印字パターン入力欄
204a…「種類」欄
204b…「文字入力」欄
204c…詳細設定欄
204l…加工パラメータ設定欄
204m…デフォーカス設定欄
205…「サイズ・位置」タブ
206…3次元ビューワ欄
207…表示切替ボタン
207a…右クリックメニュー
207C…2画面表示ボタン
210…ワーク3次元形状設定プログラム
220…ワーク形状設定ウィザード
222…「図形選択」欄
224…「入力パラメータ説明」欄
226…「パラメータ入力」欄
230…CADファイル変換画面
232…「ファイル選択」欄
234…「ビューワ」欄
236…「変換」ボタン
240…加工ライン条件設定画面
241…「移動/印字方向」タブ
260…3次元ビューワ
L、L’…レーザ光;P…ポインタ光;G…ガイド光
W、W1〜4…ワーク;WS…作業領域;IMG…イメージセンサ

Claims (23)

  1. 加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所定の加工パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所定の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定装置であって、
    所定の加工パターンで加工するために加工条件を設定するための加工条件設定部と、
    前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部と、
    を備え、
    前記加工条件設定部はさらに、
    加工パターン情報を入力するための加工パターン入力手段と、
    加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段と、
    加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択するための移動加工条件設定部と、
    を備え、
    レーザ加工データ設定装置はさらに、表示部として、
    前記加工条件設定部にて設定された加工パターンを2次元で表示する編集表示欄と、
    前記加工面プロファイル入力手段にて入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを表示するための3次元ビューワと、
    を備えており、
    前記加工条件設定部はさらに、前記3次元ビューワにおいて表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更可能な加工パターン操作手段を備えており、
    前記加工データ生成部が、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、前記移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいた加工データを生成することを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    前記加工対象面の移動条件は、平面移動に関するものであって、
    さらに加工対象面の移動条件として更に、加工パターンの向きを選択するものであることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  3. 請求項1に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    前記加工対象面の移動条件は、回転移動に関するものであって、
    円周状の加工対象面に対する加工条件として、前記加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、
    前記移動加工条件設定部が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能に構成してなることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  4. 請求項に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    円周状の加工対象面の円周半径が連続的又は離散的に変化する場合の加工条件として、前記加工面プロファイル入力手段が、円周の変化状態を指定可能であることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  5. 請求項3又は4に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    回転する円周状の加工対象面に対する加工条件として、前記加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、
    前記移動速度入力手段が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能であり、
    前記加工データ生成部が、前記加工面プロファイル入力手段より入力された円周の半径及び前記移動速度入力手段より入力された回転角度に基づいて、円周状加工対象面を該円周上に沿って複数の領域に分割し、円周状加工対象面の回転毎に、各分割領域での加工を行うよう割り当ててなることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  6. 請求項に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    前記加工データ生成部が、生成した加工データの円周方向における加工データ量の分布に応じて、円周状加工対象面に対する分割領域の割り当てを調整可能に構成してなることを特徴とする加工データ設定装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    前記編集表示欄には、前記加工面プロファイル入力手段にて入力された加工対象面が2次元表示されることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    前記3次元ビューワでは、3次元状の加工対象面に加工パターンが重なると、加工パターンが3次元状の加工対象面に張り付くように3次元表示されることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    加工対象面の移動方向は、XY平面における移動方向に加え、Z方向における移動方向から選択されるものであることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
    加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段は、複数の異なる3次元形状の中から一つを選択する選択手段を有することを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
  11. 加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光の焦点位置を調整して加工パターンを加工可能なレーザ加工装置であって、
    レーザ光を発生させるためのレーザ発振部と、
    前記レーザ発振部より出射されるレーザ光を作業領域内において走査させるためのレーザ光走査系として、
    入射レンズと出射レンズを備えるビームエキスパンダであって、前記レーザ発振部から照射されるレーザ光の光軸に前記入射レンズ及び出射レンズの光軸を一致させた状態で、入射レンズと出射レンズ間の相対距離を変化させてレーザ光の焦点距離を調整可能なビームエキスパンダと、
    前記ビームエキスパンダを透過したレーザ光を第1の方向に走査させるための第1のミラーと、
    前記第1のミラーで反射されたレーザ光を前記第1の方向と直交する第2の方向に走査させるための第2のミラーと、
    有するレーザ光走査系と、
    前記レーザ発振部および前記レーザ光走査系を制御するためのレーザ制御部と、
    所定の加工パターンで加工するために加工条件を設定するための加工条件設定部と、
    前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部と、
    を備え、
    前記加工条件設定部はさらに、
    加工パターン情報を入力するための加工パターン入力手段と、
    加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段と、
    加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択するための移動加工条件設定部と、
    を備え、
    レーザ加工装置はさらに、表示部として、
    前記加工条件設定部にて設定された加工パターンを2次元で表示する編集表示欄と、
    前記加工面プロファイル入力手段にて入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを表示するための3次元ビューワと、
    を備えており、
    前記加工条件設定部はさらに、前記3次元ビューワにおいて表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更可能な加工パターン操作手段を備えており、
    前記加工データ生成部が、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、前記移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいた加工データを生成することを特徴とするレーザ加工装置。
  12. 請求項11に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工対象面の移動条件は、平面移動に関するものであって、
    さらに加工対象面の移動条件として更に、加工パターンの向きを選択するものであることを特徴とするレーザ加工装置。
  13. 請求項11に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工対象面の移動条件は、回転移動に関するものであって、
    円周状の加工対象面に対する加工条件として、前記加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、
    前記移動加工条件設定部が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能に構成してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  14. 請求項13に記載のレーザ加工装置であって、
    円周状の加工対象面の円周半径が連続的又は離散的に変化する場合の加工条件として、前記加工面プロファイル入力手段が、円周の変化状態を指定可能であることを特徴とするレーザ加工装置。
  15. 請求項13又は14に記載のレーザ加工装置であって、
    回転する円周状の加工対象面に対する加工条件として、前記加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の半径を指定可能であり、
    前記移動速度入力手段が、円周状加工対象面の回転速度を指定可能であり、
    前記加工データ生成部が、前記加工面プロファイル入力手段より入力された円周の半径及び前記移動速度入力手段より入力された回転角度に基づいて、円周状加工対象面を該円周上に沿って複数の領域に分割し、円周状加工対象面の回転毎に、各分割領域での加工を行うよう割り当ててなることを特徴とするレーザ加工装置。
  16. 請求項15に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工データ生成部が、生成した加工データの円周方向における加工データ量の分布に応じて、円周状加工対象面に対する分割領域の割り当てを調整可能に構成してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  17. 請求項11から16のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記編集表示欄には、前記加工面プロファイル入力手段にて入力された加工対象面が2次元表示されることを特徴とするレーザ加工装置。
  18. 請求項11から17のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記3次元ビューワでは、3次元状の加工対象面に加工パターンが重なると、加工パターンが3次元状の加工対象面に張り付くように3次元表示されることを特徴とするレーザ加工装置。
  19. 請求項11から18のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    加工対象面の移動方向は、XY平面における移動方向に加え、Z方向における移動方向から選択されるものであることを特徴とするレーザ加工装置。
  20. 請求項11から19のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段は、複数の異なる3次元形状の中から一つを選択する選択手段を有することを特徴とするレーザ加工装置。
  21. 請求項11から20のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記第1のミラー及び第2のミラーがガルバノミラーで構成され、各々直交する回転軸を中心に回転可能なガルバノメータ式スキャナに接続されてX軸スキャナ及びY軸スキャナを構成しており、
    前記ビームエキスパンダが、入射レンズと出射レンズとの相対距離をこれらの光軸に沿って調整可能なZ軸スキャナを構成しており、
    前記レーザ光走査系が、これらX軸スキャナ、Y軸スキャナ、Z軸スキャナでレーザ光をX軸、Y軸、Z軸方向に走査可能に構成されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  22. 加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所定の加工パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所定の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定方法であって、
    所定の加工パターンで加工するため加工条件設定手段で加工条件の設定として、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力し、さらに加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択する工程と、
    前記加工条件設定手段で設定された加工パターンを2次元で表示する工程と、
    前記入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを3次元で表示する工程と、
    前記3次元表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更する工程と、
    加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、前記移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいて、3次元状の加工対象面と一致するように実際の加工を行うための加工データを生成する工程と、
    を含むことを特徴とするレーザ加工データ設定方法。
  23. 加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所定の加工パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所定の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定プログラムであって、
    所定の加工パターンで加工するため加工条件設定手段で加工条件の設定として、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力し、さらに加工対象面の移動条件として、加工対象面の移動方向と、加工対象面が等速移動か又はエンコーダによるフィードバック制御かを選択する機能と、
    前記加工条件設定手段で設定された加工パターンを2次元で表示する機能と、
    前記入力されたプロファイル情報に基づいて加工対象面を3次元で表示すると共に、該加工対象面に仮想的に一致させるように3次元空間座標に変換された加工パターンを3次元で表示する機能と、
    前記3次元表示される加工対象物の加工パターンの姿勢、角度、倍率の少なくともいずれかを変更する機能と、
    加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報と、加工パターン情報と、前記移動加工条件設定部にて入力された加工対象面の移動条件とに基づいて、3次元状の加工対象面と一致するように実際の加工を行うための加工データを生成する加工データ生成機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とする加工データ設定プログラム。
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