JP2023002664A - 経口組成物 - Google Patents

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泰子 松村
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あさぎ 澤村
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Abstract

【課題】カプセル皮膜に対する液なじみに優れ、軟カプセル剤の製造に適した経口組成物を提供する。【解決手段】(A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)疎水性基剤とを含有する経口組成物を調製する。さらに、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を経口組成物に共存させることを含む、カプセル皮膜に対する液なじみ改善作用を該経口組成物に付与する方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、経口組成物に関する。
胃腸の働きは、交感神経と副交感神経との自律神経がバランスをとることにより調節されている。胃腸は、ストレスや食生活など様々な外部環境により影響を受け、自律神経のバランスが崩れると、胃腸の筋肉が過剰に収縮して痛みを引き起こしたり、胃酸過多により胃粘膜が炎症を起こして胃痛を引き起こすことがある。また、消化不良や食欲不振によっても胃痛を引き起こす。
このような胃腸の痛みに対しては、症状や原因により、生薬を含む様々な胃腸薬が用いられている。生薬のうち、胃腸薬系生薬では、胃腸の運動を促進させることにより代謝を促進させるものや、消炎鎮痛作用により痛みを和らげるものもある(特許文献1)。その他の胃腸薬では、胃粘膜保護に効果的なものもある。
医薬製品や健康食品の形態の1種であるカプセル剤は、携帯性に優れており使用者に好まれる。軟カプセル剤は表面が滑らかで飲み込みやすく、使用者に好まれる。一般的な軟カプセル剤の製造方法として、平板式、ロータリー方式、シームレス方式が例示される。
ロータリー方式(打ち抜き法)の製造は、シート状カプセル皮膜が、流動する充填内容物を挟み込み、回転する円筒型の金型の穴に沿ってカプセル形状に形成する。一方で、シームレス方式(滴下法)の製造は、同心円の多重ノズルからカプセル皮膜組成物と内容物が同時に吐出され、継ぎ目の無いカプセル形状に形成される。
特開平8-99890号公報
カプセル剤、特に軟カプセル剤は、製造方式に関わらず、カプセル皮膜に充填内容物を内封させる際に、両者の液なじみが悪いと、充填内容物の偏り、泡かみ、液漏れなどが生じる恐れがある。それにより製造効率が低下したり、医薬製品の作用や品質の均一性等が損なわれる恐れがある。
よって、本発明は、カプセル皮膜と充填内容物の液なじみが良好で、製造効率が良く、品質が一定の経口組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、(A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分(以下、本明細書において(A)成分ともいう)と、(C)疎水性基剤(以下、本明細書において(C)成分ともいう)とを含有する組成物は、カプセル皮膜との動的接触角が上昇し、液なじみが悪くなるという新規の課題を見出した。また、本発明者らは、(B)非イオン性界面活性剤(以下、本明細書において(B)成分ともいう)と、(C)疎水性基剤とが共存すると、動的接触角が上昇し、この組合せにおいても液なじみが悪くなる課題があることを見出した。本発明者らは、これらの課題に着目し、鋭意検討を行った結果、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を共存させることで、液なじみが効果的に改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、[1] (A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、 (B)非イオン性界面活性剤と、 (C)疎水性基剤とを含有する経口組成物;[2] 前記胃腸薬系生薬が、コウボク、ソウジュツ、チンピ、ウイキョウ、ケイヒ、ウコン、ダイオウ、オウバク、オウレン、オンジ、ゲンノショウコ、ジュウヤク、センブリ、ヨクイニン及びベラドンナからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載の経口組成物;[3] 前記胃腸消炎修復成分が、テプレノン、レバミピド、アルジオキサ、アズレンスルホン酸、ロキソプロフェン、トリメブチン、ピレンゼピン、スクラルファート及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載の経口組成物;[4] 前記(C)疎水性基剤が、油脂類及び/又はロウ類である、[1]~[3]のいずれかに記載の経口組成物;[5] 液状経口組成物である、[1]~[4]のいずれかに記載の経口組成物;[6] [1]~[5]のいずれかに記載の経口組成物が、カプセル皮膜に充填されているカプセル剤;[7] 速溶解性及び/又は速放出性である、[1]~[6]に記載の経口組成物;[8] (A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、 (B)非イオン性界面活性剤と、 (C)疎水性基剤とを経口組成物に共存させることを含む、カプセル皮膜に対する液なじみ改善作用を上記経口組成物に付与する方法; 等を提供するものである。
また、別の実施形態において、本発明は、(A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、 (B)非イオン性界面活性剤と、 (C)疎水性基剤とを経口組成物に共存させることを特徴とする固形製剤の製造方法を提供することも可能である。
本発明の経口組成物では、(A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)疎水性基剤とを含有することにより、カプセル皮膜との液なじみを効果的に改善させることができる。また、本発明の経口組成物は、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を共存させることにより、水に対する分散性が向上することにより、薬物の速溶解性及び速放出性にも優れる。
[経口組成物] 本発明の経口組成物は、(A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)疎水性基剤とを含有する。
[(A)成分] 本明細書において、胃腸薬系生薬とは、胃腸の不調を改善する機能又は胃腸の健康を増進する機能を有する生薬をいう。胃腸薬系生薬は、このような機能を有する生薬であれば限定はされない。
本明細書において、胃腸薬系生薬は、特定の生薬の各種部位(全体、花、頭花、花芽、花穂、葉、枝、枝葉、根茎、根皮、根、果実、果皮、豆果、種子など)をそのまま、あるいは乾燥したもの、粉砕したもの、粉砕後搾取したものであってもよく、又は、抽出溶媒で抽出したものであってもよい。樹皮に由来する生薬としては、アカメガシワ、オウバク、オウヒ、ケイヒ、コウボク、コンズランゴ等が挙げられる。根(根茎、塊茎、根皮、根)に由来する生薬としては、ウコン、ウヤク、エンゴサク、オウギ、オウゴン、オウレン、ガジュツ、カンキョウ、カンゾウ、キキョウ、クジン、ゲンチアナ、コウジン、コウブシ、コロンボ、サイコ、サンヤク、シャクヤク、ショウキョウ、ショウマ、セネガ、ソウジュツ、ソウハクヒ、ダイオウ、トウキ、ニンジン、ハンゲ、ビャクジュ、モッコウ、リュウタン、リョウキョウ、ロートコン、オンジ、ベラドンナ(ベラドンナコン)、テンマ等が挙げられる。地上部(全草、地上茎、葉、枝、花)に由来する生薬としては、アセンヤク、アロエ、カッコウ、ゲンノショウコ、シャゼンソウ、センブリ、ソヨウ、チョウジ、ニガキ、ブクリョウ、ゲンノショウコ、ジュウヤク、センブリ、ウワウルシ、等が挙げられる。果実(果実、果皮、偽果)に由来する生薬としては、ウイキョウ、キジツ、ゴシュユ、サンザシ、サンショウ、タイソウ、チンピ、トウガラシ、トウヒ、ヤクチ、シテイ等が挙げられる。種子に由来する生薬としては、ケツメイシ、シャゼンシ、シュクシャ、ショウズク、ニクズク、ビンロウジ、ヨクイニン、ケツメイシ、等が挙げられる。胃腸薬系生薬は、1種を単独で用いてもよく、複数種を適宜組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、胃腸薬系生薬は、日本薬局方及び日本薬局方外生薬規格に記載の灰分量の上限値が「5%以下」、「5%より高く7%以下」、「7%より高く9%以下」、「9%より高い」、「記載なし」であってもよい。「5%以下」の生薬としては、アロエ、ウヤク、エンゴサク、オウギ、オウレン、キキョウ、ケイヒ、ケツメイシ、コウジン、コウブシ、サンザシ、セネガ、タイソウ、チンピ、ニガキ、ニクズク、ニンジン、ハンゲ、ビンロウジ、ブクリョウ、モッコウ、ヨクイニン、ウワウルシ、ケツメイシ、テンマ等が挙げられる。「5%より高く7%以下」の生薬としては、アセンヤク、オウゴン、オウヒ、オンジ、ガジュツ、カンキョウ、カンゾウ、キジツ、クジン、ゲンチアナ、コウボク、サイコ、サンショウ、サンヤク、シャクヤク、シャゼンシ、ショウズク、センブリ、ソウジュツ、チョウジ、トウキ、トウヒ、ビャクジュツ、ベラドンナ、リュウタン、ロートコン等が挙げられる。「7%より高く9%以下」の生薬としては、ウコン、オウバク、ゴシュユ、コロンボ、シテイ、シュクシャ、ショウキョウ、ショウマ、トウガラシ、リョウキョウ等が挙げられる。「9%より高い」の生薬としては、アカメガシワ、ウイキョウ、カッコウ、ゲンノショウコ、コンズランゴ、シャゼンソウ、ジュウヤク、ソウハクヒ、ソヨウ、ダイオウ、ヤクチ等が挙げられる。
胃腸薬系生薬は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、健胃系生薬又は消炎鎮痛系生薬が好ましく、コウボク(厚朴)、ソウジュツ(蒼朮)、チンピ(陳皮)、ウイキョウ(茴香)、ケイヒ(桂皮)、ウコン(鬱金)、ダイオウ(大黄)、オウバク(黄柏)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ゲンノショウコ(現の証拠)、ジュウヤク(十薬)、センブリ(当薬)、ヨクイニン(▲よく▼苡仁)及びベラドンナからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。健胃系生薬としては、コウボク(厚朴)、ソウジュツ(蒼朮)、チンピ(陳皮)、ウイキョウ(茴香)、ケイヒ(桂皮)、ウコン(鬱金)、ゲンノショウコ(現の証拠)、センブリ(当薬)、ヨクイニン(▲よく▼苡仁)等が挙げられ、消炎鎮痛系生薬としては、ダイオウ(大黄)、オウバク(黄柏)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ベラドンナ、ジュウヤク(十薬)等が挙げられる。
胃腸薬系生薬のうち、コウボクは、限定はされないが、カラホオノキ、凹葉ホオノキ、ホオノキ等のモクレン科植物の樹皮や根皮を乾燥したものから得られ、マグノロール等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ソウジュツは、限定はされないが、キク科ホソバオケラの根茎を乾燥したものから得られ、β‐オイデスモール、ヒネソール等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、チンピは、限定はされないが、ミカン科ウンシュウミカンの果皮を乾燥したものから得られ、ヘスペリジン、ノビレチン、ナリンジン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ウイキョウは、限定はされないが、セリ科ウイキョウの果実を乾燥したものから得られ、フェンネル、アネトール、エスタゴール等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ケイヒは、限定はされないが、トンキンニッケイ、ジャワニッケイ、セイロンニッケイ等のクスノキ科植物の樹皮を乾燥したものから得られ、シンナムアルデヒド、シンナミルアセテート、クマリン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ウコンは、限定はされないが、ウコン、ハルウコン等のショウガ科植物の塊根を乾燥したものであり、クルクミン、ツルメロン、ジンギベレン、シネオール等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ダイオウは、タデ科ダイオウ属植物の根および根茎を乾燥したものから得られ、センノサイドA~F、アロエエモジン、レイン、クリソファノール等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、オウバクは、限定はされないが、キハダ、シナキハダ等のミカン科キハダ属植物の樹皮を乾燥したものから得られ、ベルベリン、パルマチン、マグノフロリン、フェロデンドリン、ヤテオリィジン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、オウレンは、限定はされないが、セリバオウレン、シナオウレン、峨眉野連、三角葉野連、雲南黄連等のキンポウゲ科オウレン属植物の根茎を乾燥したものから得られ、ベルベリン、パルマチン、コプチシン、オーレニン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、オンジは、限定はされないが、イトヒメハギ等のヒメハギ科植物の根又は根皮を乾燥したものから得られ、テヌイフォリン、オンジサポニン(A~G)、桂皮酸、キサントン誘導体、プロサポゲニン、ポリガリトール等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ゲンノショウコは、限定はされないが、ゲンノショウコ等のフウロソウ科植物の地上部を乾燥したものから得られ、ゲラニイン、クエルセチン、ケンフェリトリン、タンニン、ケンフェロール、没食子酸、コハク酸、プロトカテク酸、ピロガロール、エラグ酸、ケンフェロールモノラムノシド、ブレビホリン、ウンデカアセテートコリラギン、ノナメチルコリラギン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ジュウヤクは、限定はされないが、ドクダミ等のドクダミ科植物の地上部を乾燥したものから得られ、クエルセチン、クエルシトリン、イソクエルシトリン、デカノイルアセトアルデヒド、アルファ-ピネン、リモネン、2-ウンデカノン、ドデシルアルデヒド、カリウム塩、フラボノイド配糖体、ベンズアミド誘導体、ラウリンアルデヒド、メチル-n-ノニルケトンメチルラウリルスルフィド、ミルセン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、センブリは、限定はされないが、センブリ等のリンドウ科植物の開花期の全草を乾燥したものから得られ、スウェルチアマリン、スウェロシド、ゲンチオピクロシド、アマロゲンチン、アマロスウェリン、スウェルチアニン、スウェルチアノリン、ベリジホリン、ノルスウエルチアニン、メチルスウェルチアニン、スウェルチアノリン、オレアノール酸、スウェルチシン、スウエルチアジャポニン、イソビテキシン、デスメチルベリジホリン、メチルベリジホリン、ホモオリエンチン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ヨクイニンは、限定はされないが、ハトムギ等のイネ科植物の種皮を除いた種子を乾燥したものから得られ、コイキシンデン A、コイキシンデン B、コイキセノリド、パルミチン酸、ベンゾオキサジノン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬のうち、ベラドンナは、限定はされないが、ベラドンナ等のナス科植物の根を乾燥したものから得られ、ヒヨスチアミン、アトロピン、ノルヒヨスチアミン、スコポラミン等の成分が含まれている。
胃腸薬系生薬を抽出物(エキス)として用いる場合、抽出溶媒としては、水(熱水を含む)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒(すべて含水であってもよい)などを適宜用いることができ、1種または2種の任意の混合液であってもよい。これらの溶媒のうち、水、エタノール、またはこれらの混合溶液が、安全性の観点から言って好ましい。
胃腸薬系生薬の抽出物は、植物の全草あるいは必要部位などから抽出した粗抽出物そのままでも、更にそれを精製処理したものでも良く、濃縮処理したものでも良く、合成によって得られたものでも良く、市販品を用いることもできる。胃腸薬系生薬の抽出物を得る方法としては、特に限定されず、通常の抽出法、精製方法、濃縮方法、合成方法、乾燥粉末化方法等が採用される。また、胃腸薬系生薬の抽出物は、第十七改正日本薬局方に収載される項目を満たすものであってもよい。
胃腸薬系生薬の抽出物は、液状のものを使用してもよいが、必要に応じて、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理を行って液体分を低減又は除去することにより、濃縮液状、半固形状、固形状、又は粉末状にしたものを使用してもよい。
本明細書において、胃腸消炎修復成分とは、胃腸の粘膜等における炎症を改善させる機能、及び/又は、胃腸の粘膜等における損傷を修復させる機能を有する成分をいう。胃腸消炎修復成分は、このような機能を有する生薬であれば限定はされないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、胃腸粘膜保護成分、消炎鎮痛成分又は胃健成分が好ましく、テプレノン、レバミピド、アルジオキサ、スクラルファート、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ソファルコン、セトラキサート、トロキシピド、アズレンスルホン酸、ロキソプロフェン、L-グルタミン、タンニン酸ベルベリン、トリメブチン、ピレンゼピン及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。胃腸粘膜保護成分としては、テプレノン、レバミピド、アルジオキサ、スクラルファート等又はそれらの塩がより好ましく、消炎鎮痛成分としては、アズレンスルホン酸、ロキソプロフェン等又はそれらの塩がより好ましく、胃健成分としては、ピレンゼピン、トリメブチン等又はそれらの塩がより好ましい。
胃腸消炎修復成分のうち、テプレノン、レバミピド、アルジオキサ、スクラルファート、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ソファルコン、セトラキサート、トロキシピド、アズレンスルホン酸、ロキソプロフェン、L-グルタミン、タンニン酸ベルベリン、トリメブチン、又はピレンゼピンの塩は、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される塩であれば、特に制限されない。テプレノン、レバミピド、アルジオキサ、スクラルファート、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ソファルコン、セトラキサート、トロキシピド、アズレンスルホン酸、ロキソプロフェン、L-グルタミン、タンニン酸ベルベリン、トリメブチン、ピレンゼピン及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種のうち、光学異性体がある化合物については、R体、S体のいずれであってもよく、光学分離したものを用いてもラセミ体を用いてもよい。
本明細書において、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される塩は、具体的には、有機酸塩、無機酸塩、有機塩基との塩、又は無機塩基との塩が挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等のモノカルボン酸塩;フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等の多価カルボン酸塩;乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等のオキシカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等の有機スルホン酸塩が例示される。無機酸塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩が例示される。有機塩基との塩としては、例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン、エチレンジアミン等の有機アミンとの塩が挙げられる。無機塩基との塩としては、例えば、アンモニウム塩;ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属、カルシウム又はマグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム等の金属との塩等の各種の塩が挙げられる。これらのテプレノン、レバミピド、アルジオキサ、アズレンスルホン酸、ロキソプロフェン、トリメブチン、ピレンゼピン又はスクラルファートの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの塩には、塩の溶媒和物又は水和物を含んでいてもよい。限定はされないが、アズレンスルホン酸又はロキソプロフェンの医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される好ましい塩は、ナトリウム塩であり、アズレンスルホン酸ナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムとして公知である。限定はされないが、トリメブチンの医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される好ましい塩は、マレイン酸塩であり、トリメブチンマレイン酸塩として公知である。限定はされないが、ピレンゼピンの医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される好ましい塩は、塩酸塩であり、ピレンゼピン塩酸塩として公知である。限定はされないが、スクラルファートの医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容される好ましい塩は、ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩である。
本発明の経口組成物における(A)成分の用量(投与量)は、(B)成分や(C)成分の種類や量、他の成分の種類や量、服用者の状態(体重、年齢、性別、症状、体調等)、及び本発明の経口組成物の剤形等に応じて適宜設定でき、限定はされないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、通常、コウボクの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約3000mg、特に好ましくは、約10~約2500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、コウボク抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~8000mgとすることができ、より好ましくは、30~7000mg、さらに好ましくは、50~6000mg、特に好ましくは、80~5500mg、最も好ましくは、100~5000mgとすることができる。また、ソウジュツの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約3000mg、特に好ましくは、約10~約2500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、ソウジュツ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~8000mgとすることができ、より好ましくは、30~7000mg、さらに好ましくは、50~6000mg、特に好ましくは、80~5500mg、最も好ましくは、100~5000mgとすることができる。また、チンピの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約3000mg、特に好ましくは、約10~約2500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、チンピ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~7000mgとすることができ、より好ましくは、30~6000mg、さらに好ましくは、50~5000mg、特に好ましくは、80~4500mg、最も好ましくは、100~4000mgとすることができる。また、ケイヒの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約3000mg、特に好ましくは、約10~約2500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、ケイヒ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~8000mgとすることがで
き、より好ましくは、30~7000mg、さらに好ましくは、50~6000mg、特に好ましくは、80~5500mg、最も好ましくは、100~5000mgとすることができる。また、ウコンの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約40~約4000mgとすることができ、より好ましくは、約80~約3000mg、さらに好ましくは、約180~約2500mg、特に好ましくは、約250~約1800mg、最も好ましくは、約300~約1500mgとすることができる。また、ウコン抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、200~8000mgとすることができ、より好ましくは、400~7000mg、さらに好ましくは、600~6000mg、特に好ましくは、700~5500mg、最も好ましくは、800~5000mgとすることができる。また、オウバクの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約3000mg、特に好ましくは、約10~約2500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、オウバク抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~7000mgとすることができ、より好ましくは、30~6000mg、さらに好ましくは、50~5000mg、特に好ましくは、80~4500mg、最も好ましくは、100~4000mgとすることができる。また、オウレンの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約3000mg、特に好ましくは、約10~約2500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、オウレン抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約3000mg、特に好ましくは、約10~約2500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、ウイキョウの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約4000mg、さらに好ましくは、約5~約2500mg、特に好ましくは、約10~約1200mg、最も好ましくは、約20~約800mgとすることができる。また、ウイキョウ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、50~5000mgとすることができ、より好ましくは、150~4000mg、さらに好ましくは、300~3000mg、特に好ましくは、350~2500mg、最も好ましくは、400~2000mgとすることができる。また、ダイオウの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.01~約6500mgとすることができ、より好ましくは、約0.05~約1000mg、さらに好ましくは、約0.1~約500mg、特に好ましくは、約0.3~約300mg、最も好ましくは、約0.5~約120mgとすることができる。また、ダイオウ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.01~約500mgとすることができ、より好ましくは、約0.05~約400mg、さらに好ましくは、約0.1~約300mg、特に好ましくは、約0.3~約250mg、最も好ましくは、約0.5~約200mgとすることができる。また、オンジの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約100~約10000mgとすることができ、より好ましくは、約150~約7500mg、さらに好ましくは、約200~約5000mg、特に好ましくは、約250~約3000mg、最も好ましくは、約300~約1500mgとすることができる。また、オンジ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約500~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約650~約4500mg、さらに好ましくは、約800~約4000mg、特に好ましくは、約1000~約3000mg、最も好ましくは、約1200~約2500mgとすることができる。また、ゲンノショウコの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約10~約10000mgとすることができ、より好ましくは、約30~約7500mg、さらに好ましくは、約50~約5000mg、特に好ましくは、約80~約3000mg、最も好ましくは、約100~約1000mgとすることができる。また、ゲンノショウコ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約100~約30000mgとすることができ、より好ましくは、約400~約15000mg、さらに好ましくは、約800~約10000mg、特に好ましくは、約1000~約8000mg、最も好ましくは、約1500~約6000mgとすることができる。また、ジュウヤクの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約20~約20000mgとすることができ、より好ましくは、約30~約15000mg、さらに好ましくは、約40~約8000mg、特に好ましくは、約50~約5000mg、最も好ましくは、約70~約4000mgとすることができる。また、ジュウヤク抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約100~約25000mgとすることができ、より好ましくは、約200~約20000mg、さらに好ましくは、約400~約15000mg、特に好ましくは、約800~約8000mg、最も好ましくは、約1000~約5000mgとすることができる。また、センブリの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約1500mgとすることができ、より好ましくは、約1~約700mg、さらに好ましくは、約3~約100mg、特に好ましくは、約5~約50mg、最も好ましくは、約8~約20mgとすることができる。また、センブリ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約50~約3000mgとすることができ、より好ましくは、約100~約2000mg、さらに好ましくは、約120~約1500mg、特に好ましくは、約150~約1200mg、最も好ましくは、約180~約1000mgとすることができる。また、ヨクイニンの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約200~約8000mgとすることができ、より好ましくは、約300~約7000mg、さらに好ましくは、約400~約5000mg、特に好ましくは、約500~約4000mg、最も好ましくは、約600~約2500mgとすることができる。また、ヨクイニン抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約100~約30000mgとすることができ、より好ましくは、約400~約20000mg、さらに好ましくは、約800~約10000mg、特に好ましくは、約1000~約6000mg、最も好ましくは、約1500~約3000mgとすることができる。また、ベラドンナの1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約1~約70mgとすることができ、より好ましくは、約1.5~約60mg、さらに好ましくは、約2~約40mg、特に好ましくは、約2.5~約20mg、最も好ましくは、約3~約10mgとすることができる。また、ベラドンナ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約1~約90mgとすることができ、より好ましくは、約2~約70mg、さらに好ましくは、約3~約40mg、特に好ましくは、約4~約20mg、最も好ましくは、約5~約10mgとすることができる。なお、本明細書において「原生薬換算」とは、その成分量を得るために必要な原生薬(生薬混合物)の重量(乾燥重量)として表したものを意味する。生薬として抽出物を用いる場合には、その抽出物の量を得るために必要な原生薬の乾燥重量が原生薬換算量となる。1日あたりの用量(投与量)は、1~3回に分けて服用してもよい。
また、テプレノンの1日あたりの経口投与量は、10~250mgとすることができ、より好ましくは、30~230mg、さらに好ましくは、50~200mg、特に好ましくは、80~180mg、最も好ましくは、100~150mgとすることができる。また、レバミピドの1日あたりの経口投与量は、10~380mgとすることができ、より好ましくは、20~370mg、さらに好ましくは、30~360mg、特に好ましくは、50~350mg、最も好ましくは、100~300mgとすることができる。また、アルジオキサの1日あたりの経口投与量は、10~380mgとすることができ、より好ましくは、20~360mg、さらに好ましくは、30~340mg、特に好ましくは、50~320mg、最も好ましくは、60~300mgとすることができる。また、アズレンスルホン酸ナトリウムの1日あたりの経口投与量は、0.05~100mgとすることができ、より好ましくは、0.1~60mg、さらに好ましくは、0.3~20mg、特に好ましくは、0.5~10mg、最も好ましくは、1~6mgとすることができる。また、ロキソプロフェンナトリウムの1日あたりの経口投与量は、10~380mgとすることができ、より好ましくは、20~360mg、さらに好ましくは、30~340mg、特に好ましくは、50~320mg、最も好ましくは、60~300mgとすることができる。また、トリメブチンマレイン酸塩の1日あたりの経口投与量は、30~600mgとすることができ、より好ましくは、50~500mg、さらに好ましくは、80~400mg、特に好ましくは、100~300mg、最も好ましくは、110~250mgとすることができる。また、ピレンゼピン塩酸塩の1日あたりの経口投与量は、5~400mgとすることができ、より好ましくは、10~300mg、さらに好ましくは、15~200mg、特に好ましくは、26~150mg、最も好ましくは、45~100mgとすることができる。また、スクラルファートの1日あたりの経口投与量は、200~2700mgとすることができ、より好ましくは、300~2000mg、さらに好ましくは、400~1500mg、特に好ましくは、500~900mg、最も好ましくは、600~750mgとすることができる。1日あたりの用量(投与量)は、1~3回に分けて服用してもよい。
また、コウボクの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約1500mgとすることができ、より好ましくは、約1~約1000mg、さらに好ましくは、約5~約750mg、特に好ましくは、約8~約500mg、最も好ましくは、約10~約50mgとすることができる。また、コウボク抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~5000mgとすることができ、より好ましくは、25~3000mg、さらに好ましくは、50~2500mg、特に好ましくは、100~2000mg、最も好ましくは、160~1700mgとすることができる。また、ソウジュツの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約10~約3000mgとすることができ、より好ましくは、約20~約2000mg、さらに好ましくは、約30~約1500mg、特に好ましくは、約50~約1000mg、最も好ましくは、約70~約700mgとすることができる。また、ソウジュツ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~5000mgとすることができ、より好ましくは、25~3000mg、さらに好ましくは、50~2500mg、特に好ましくは、100~2000mg、最も好ましくは、160~1700mgとすることができる。また、チンピの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約5~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約10~約4000mg、さらに好ましくは、約20~約3000mg、特に好ましくは、約50~約1500mg、最も好ましくは、約100~約1000mgとすることが
できる。また、チンピ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~5000mgとすることができ、より好ましくは、25~3000mg、さらに好ましくは、50~2500mg、特に好ましくは、100~2000mg、最も好ましくは、160~1700mgとすることができる。また、ケイヒの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.5~約1500mgとすることができ、より好ましくは、約1~約1000mg、さらに好ましくは、約10~約800mg、特に好ましくは、約20~約500mg、最も好ましくは、約30~約300mgとすることができる。また、ケイヒ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~5000mgとすることができ、より好ましくは、25~3000mg、さらに好ましくは、50~2500mg、特に好ましくは、100~2000mg、最も好ましくは、160~1700mgとすることができる。また、ウコンの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約10~約3000mgとすることができ、より好ましくは、約20~約2000mg、さらに好ましくは、約30~約1500mg、特に好ましくは、約50~約1000mg、最も好ましくは、約70~約700mgとすることができる。また、ウコン抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~7000mgとすることができ、より好ましくは、50~6000mg、さらに好ましくは、100~4000mg、特に好ましくは、150~3000mg、最も好ましくは、200~2000mgとすることができる。また、オウバクの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約5~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約10~約4000mg、さらに好ましくは、約20~約3000mg、特に好ましくは、約50~約1500mg、最も好ましくは、約100~約1000mgとすることができる。また、オウバク抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~3000mgとすることができ、より好ましくは、30~2500mg、さらに好ましくは、50~2000mg、特に好ましくは、80~1500mg、最も好ましくは、100~1000mgとすることができる。また、オウレンの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約1500mgとすることができ、より好ましくは、約1~約1000mg、さらに好ましくは、約5~約750mg、特に好ましくは、約8~約500mg、最も好ましくは、約10~約50mgとすることができる。また、オウレン抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約10~約3000mgとすることができ、より好ましくは、約30~約2500mg、さらに好ましくは、約50~約2000mg、特に好ましくは、約80~約1500mg、最も好ましくは、約100~約1000mgとすることができる。また、ウイキョウの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約1000mgとすることができ、より好ましくは、約1~約850mg、さらに好ましくは、約5~約700mg、特に好ましくは、約20~約500mg、最も好ましくは、約35~約350mgとすることができる。また、ウイキョウ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、10~3000mgとすることができ、より好ましくは、30~2500mg、さらに好ましくは、50~2000mg、特に好ましくは、80~1500mg、最も好ましくは、100~1000mgとすることができる。また、ダイオウの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.01~約2000mgとすることができ、より好ましくは、約0.03~約1500mg、さらに好ましくは、約0.3~約1000mg、特に好ましくは、約3~約500mg、最も好ましくは、約30~約100mgとすることができる。また、ダイオウ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約1~約300mgとすることができ、より好ましくは、約2~約250mg、さらに好ましくは、約4~約200mg、特に好ましくは、約6~約150mg、最も好ましくは、約8~約100mgとすることができる。また、オンジの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約20~約7000mgとすることができ、より好ましくは、約40~約5000mg、さらに好ましくは、約60~約3000mg、特に好ましくは、約80~約1500mg、最も好ましくは、約100~約1000mgとすることができる。また、オンジ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約20~約5000mgとすることができ、より好ましくは、約40~約4000mg、さらに好ましくは、約60~約3000mg、特に好ましくは、約80~約2000mg、最も好ましくは、約100~約1000mgとすることができる。また、ゲンノショウコの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約10~約3000mgとすることができ、より好ましくは、約30~約2000mg、さらに好ましくは、約50~約1500mg、特に好ましくは、約80~約1000mg、最も好ましくは、約100~約800mgとすることができる。また、ゲンノショウコ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約100~約7000mgとすることができ、より好ましくは、約150~約6000mg、さらに好ましくは、約200~約5000mg、特に好ましくは、約250~約4000mg、最も好ましくは、約300~約3500mgとすることができる。また、ジュウヤクの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約4~約7000mgとすることができ、より好ましくは、約8~約6000mg、さらに好ましくは、約12~約5000mg、特に好ましくは、約16~約3500mg、最も好ましくは、約20~約2000mgとすることができる。また、ジュウヤク抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約100~約11000mgとすることができ、より好ましくは、約200~約10000mg、さらに好ましくは、約300~約9000mg、特に好ましくは、約400~約7500mg、最も好ましくは、約500~約5000mgとすることができる。また、センブリの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約300mgとすることができ、より好ましくは、約0.2~約200mg、さらに好ましくは、約0.3~約100mg、特に好ましくは、約0.4~約40mg、最も好ましくは、約0.5~約20mgとすることができる。また、センブリ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約10~約1000mgとすることができ、より好ましくは、約20~約800mg、さらに好ましくは、約30~約500mg、特に好ましくは、約40~約200mg、最も好ましくは、約50~約100mgとすることができる。また、ヨクイニンの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約10~約6000mgとすることができ、より好ましくは、約30~約4500mg、さらに好ましくは、約50~約3000mg、特に好ましくは、約100~約1000mg、最も好ましくは、約200~約7000mgとすることができる。また、ヨクイニン抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約100~約20000mgとすることができ、より好ましくは、約200~約11000mg、さらに好ましくは、約300~約9500mg、特に好ましくは、約500~約8000mg、最も好ましくは、約700~約6500mgとすることができる。また、ベラドンナの1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約1~約50mgとすることができ、より好ましくは、約1.5~約40mg、さらに好ましくは、約2~約30mg、特に好ましくは、約2.5~約20mg、最も好ましくは、約3~約10mgとすることができる。また、ベラドンナ抽出物の1回あたりの経口投与量は、原生薬換算量で表すと、約0.1~約40mgとすることができ、より好ましくは、約1~約30mg、さらに好ましくは、約2~約20mg、特に好ましくは、約3~約15mg、最も好ましくは、約4~約10mgとすることができる。なお、1回あたりの用量(投与量)は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1~3カプセルに分けて服用してもよい。
また、テプレノンの1回あたりの経口投与量は、15~150mgとすることができ、より好ましくは、20~120mg、さらに好ましくは、25~90mg、特に好ましくは、30~75mg、最も好ましくは、35~50mgとすることができる。また、レバミピドの1回あたりの経口投与量は、1~300mgとすることができ、より好ましくは、5~200mg、さらに好ましくは、10~150mg、特に好ましくは、20~100mg、最も好ましくは、30~50mgとすることができる。また、アルジオキサの1回あたりの経口投与量は、1~300mgとすることができ、より好ましくは、5~250mg、さらに好ましくは、10~200mg、特に好ましくは、15~150mg、最も好ましくは、20~100mgとすることができる。また、アズレンスルホン酸ナトリウムの1回あたりの経口投与量は、0.05~30mgとすることができ、より好ましくは、0.1~20mg、さらに好ましくは、0.2~10mg、特に好ましくは、0.3~7mg、最も好ましくは、0.4~2mgとすることができる。また、ロキソプロフェンナトリウムの1回あたりの経口投与量は、5~300mgとすることができ、より好ましくは、10~250mg、さらに好ましくは、20~200mg、特に好ましくは、30~150mg、最も好ましくは、40~120mgとすることができる。また、トリメブチンマレイン酸塩の1回あたりの経口投与量は、10~500mgとすることができ、より好ましくは、30~400mg、さらに好ましくは、50~300mg、特に好ましくは、80~200mg、最も好ましくは、100~150mgとすることができる。また、ピレンゼピン塩酸塩の1回あたりの経口投与量は、0.1~150mgとすることができ、より好ましくは、1~100mg、さらに好ましくは、5~70mg、特に好ましくは、10~45mg、最も好ましくは、15~26mgとすることができる。また、スクラルファートの1回あたりの経口投与量は、30~2000mgとすることができ、より好ましくは、50~1500mg、さらに好ましくは、100~1200mg、特に好ましくは、150~900mg、最も好ましくは、200~500mgとすることができる。なお、1回あたりの用量(投与量)は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1~3カプセルに分けて服用してもよい。
本発明の経口組成物における(A)成分の含有量は、上記の服用量となるように剤形や服用個数に応じて適宜設定でき、限定はされないが、例えば、経口組成物の総量を基準として、90質量%以下(未満)とすることができ、80質量%以下(未満)とすることができ、70質量%以下(未満)とすることができ、60質量%以下(未満)とすることができ、50質量%以下(未満)とすることができ、45質量%以下(未満)とすることができ、40質量%以下(未満)とすることができ、30質量%以下(未満)とすることができ、20質量%以下(未満)とすることができ、15質量%以下(未満)とすることができ、10質量%以下(未満)とすることができ、5質量%以下(未満)とすることができる。また、本発明の経口組成物における(A)成分の含有量は、限定はされないが、例えば、経口組成物の総量を基準として、0.001質量%以上とすることができ、0.005質量%以上とすることができ、0.01質量%以上とすることができ、0.05質量%以上とすることができ、0.1質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることができる。また、本発明の経口組成物にお
ける(A)成分の含有量は、限定はされないが、例えば、経口組成物の総量を基準として、0.001~90質量%とすることができ、0.005~80質量%とすることが好ましく、0.01~70質量%とすることがより好ましく、0.05~60質量%とすることが更に好ましく、0.1~50質量%とすることが更により好ましい。
[(B)成分] 本発明の経口組成物における(B)非イオン性界面活性剤は、後述する(C)成分と共存することによって、経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを低下させるという課題を生じる。一方、(B)成分は、(A)成分及び(C)成分と共存することによって、経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを改善することができる成分である。
本発明の経口組成物における(B)成分のうち、非イオン性界面活性剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として特に制限されない。
本発明には、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り任意の非イオン性界面活性剤を用いることができ、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)-ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー(例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188等のポロクサマー);ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油、POE(3)ヒマシ油、POE(10)ヒマシ油、POE(35)ヒマシ油などのPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル;ステアリン酸ポリオキシル40などのモノステアリン酸ポリエチレングリコール;モノステアリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル;セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。なお、括弧内の数字はPOP又はPOEの平均付加モル数を示す。限定はされないが、これらの非イオン性界面活性剤のうち、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、POEヒマシ油、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、POE硬化ヒマシ油、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、POE(60)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリソルベート80、セスキオレイン酸ソルビタンからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及び/又はポリソルベート80がさらに好ましい。これらの非イオン性界面活性剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。非イオン性界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用することが出来る。
本発明において、非イオン性界面活性剤のHLB値は、特に限定されないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、7以上とすることができる。好ましくはHLB10~20、より好ましくはHLB12~19.5、更に好ましくはHLB13~18である。また、本発明で用いられる非イオン性界面活性剤のHLB値は、特に限定されないが、異なる観点から、7未満とすることもでき、この場合は、好ましくはHLB1.5~6.5、より好ましくは2~6.5、更に好ましくは2.5~6である。HLB値とは、非イオン性界面活性剤の性質を評価するために当該分野で一般に用いられている値であり、親水性-親油性バランス(Hydrophile-Lipophile Balance)とも呼ばれる。HLB値は一般に分子全体に占める親水性部分の割合として求められ、HLB値が小さいものは親油性が高く、HLB値が高いものは親水性が高くなる傾向がある。
本発明の経口組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分や(C)成分の種類や量、他の成分の種類や量、患者の状態(体重、年齢、性別、症状、体調等)、及び本発明の経口組成物の剤形等に応じて適宜設定でき、限定はされないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(B)成分の総量として、経口組成物全量に対して、0.1~80質量%、好ましくは1~60質量%、より好ましくは2~40質量%、特に好ましくは4~20質量%とすることができる。
また、本発明の経口組成物における(A)成分と(B)成分との配合比は、(A)成分や(B)成分の種類、他の成分の種類や量、及び本発明の経口組成物の剤形等に応じて適宜設定できるが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(A)成分1質量部に対して、(B)成分の総量が、0.001~150質量部、好ましくは、0.003~100質量部、より好ましくは、0.005~60質量部、さらに好ましくは、0.008~20質量部、最も好ましくは、0.01~10質量部とすることができる。
[(C)成分] 本発明の経口組成物における(C)疎水性基剤は、(A)成分と共存することによって、経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを低下させるという課題を生じる。また、(C)疎水性基剤は、(B)成分と共存することによっても、経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを低下させ得る。一方、(C)成分は、(A)成分及び(B)成分と共存することによって、経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを改善することができる成分である。また、(A)成分、(B)成分及び(C)成分が経口組成物において共存することによって、水に対する分散性を改善することができる。本発明は水に対する高い分散性を示すことにより、体内で経口組成物から有効成分が素早く溶解し(速溶解効果)、及び/又は素早く放出される(速放出効果)。そのため、体内での薬物吸収性が改善され、(A)成分の薬理作用に基づいて治療効果や健康増進効果が期待される疾病、症状、状態に対して効果の高い経口組成物を提供することが可能となる。
疎水性基剤とは、(A)成分及び(B)成分のうちの少なくとも一種、好ましくは(A)成分及び(B)成分の全てを分散させる疎水性の基剤である。ここで、「疎水性」とは、具体的には、当該「疎水性基剤」に対する水の溶解性が、10g/100g以下、好ましくは1g/100g以下、更に好ましくは0.1g/100g以下であることを意味する。この溶解性は、第16改正日本薬局方通則に記載の、溶解性の試験に準じて測定することができる。
本発明における疎水性基剤としては、特に限定されないが、60℃(好ましくは37℃、さらに好ましくは20℃)において液体であれば、通常軟カプセル剤の充填溶液に用いられる疎水性基剤として好ましい。
本発明には、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り任意の疎水性基剤を用いることができ、例えば、油脂類、ロウ類、炭化水素類等が挙げられる。
本明細書において、油脂とは、グリセリン骨格に脂肪酸がエステル結合した化合物、すなわちグリセリドが主成分であるものをいう。油脂類としては、限定はされないが、ヒマシ油、綿実油、大豆油、ツバキ油、オリブ油、ゴマ油、落下生油、トウモロコシ油、ココナッツ油、菜種油、小麦胚芽油、サフラワー油、ヒマワリ油、紅花油、シソ油、硬化油、カカオ脂等の植物性油脂;ココナッツ油に水素添加し安定した豚脂、牛脂、乳脂、肝油等の動物性油脂;シリコン油等の鉱物性油脂;中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等の機能性油脂等が挙げられる。植物性油脂は、本発明の効果を奏する観点から、オレイン酸の含有量が50%以上であるものが好ましい。また、別の観点から、植物性油脂は、オレイン酸の含有量が50%未満であるものが好ましい。
機能性油脂としては、限定はされないが、炭素数が2~4個の短鎖脂肪酸、炭素数が5~12個の中鎖脂肪酸、又は炭素数が12個より長鎖な脂肪酸がモノ~デカグリセリンにエステル結合した化合物が挙げられる。短鎖脂肪酸としては、酪酸等が挙げられ、中鎖脂肪酸としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸等が挙げられ、長鎖脂肪酸としては、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
本明細書において、ロウとは、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルをいう。ロウ類としては、限定はされないが、ミツロウ、サラシミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素類としては、限定はされないが、スクワレン、スクワラン、黄色ワセリン、白色ワセリン、重質流動パラフィン、軽質流動パラフィン、半流動パラフィン、流動イソパラフィン等が挙げられる。
これらの(C)成分のうち、(A)成分及び(B)成分と共存することによって、経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを改善する効果をより顕著に発揮させる観点から、油脂類及び/又はロウ類であることが好ましく、油脂類としては、機能性油脂及び/又は植物性油脂がより好ましく、トリグリセリドを含有する油脂がより好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシ油、大豆油、サフラワー油及びオリブ油からなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油及び/又はサフラワー油が特に好ましい。本明細書において、中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、炭素数が4から12の脂肪酸のグリセリントリエステルをいい、大部分がそれらの炭素数の脂肪酸トリグリセリドからなる混合物を含む。限定はされないが、炭素数8(カプリル酸)や10(カプリン酸)等の脂肪酸トリグリセリドを主成分とするものが挙げられる。これらは、ヤシ油、パーム核油等を一旦加水分解してから精製し、再度化合して得られるものや、合成品などを使用することができる。また、別の観点から(C)成分は、ロウ類としては、ロウであることが好ましく、サラシミツロウがより好ましい。
中鎖脂肪酸トリグリセリドの具体的な製品(商品名)としては、例えば、ミグリオール(ミツバ貿易社製)、ココナード(登録商標)(花王社製)、ODO(日清オイリオ社製)、パナセート(登録商標)(日本油脂社製)、TCG-M(高級アルコール工業社製)、アクター(理研ビタミン社製)、及びPALMESTER(PALM-OLEO社製)等が挙げられる。
これらの(C)成分は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。(C)成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用することが出来る。
本発明の経口組成物において、(C)成分は、好ましくは、60℃で澄明な液体である。
本発明において、(C)成分の含有量は、(A)成分や(B)成分の種類や量、他の成分の種類や量、患者の状態(体重、年齢、性別、症状、体調等)、及び本発明の経口組成物の剤形等に応じて適宜設定できる。(C)成分の含有量は、限定はされないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(C)成分の総量として、経口組成物全量に対して、15~99質量%、好ましくは25~98質量%、より好ましくは30~97質量%、更に好ましくは40~96質量%、特に好ましくは50~95質量%とすることができる。
また、本発明の経口組成物における(A)成分と(C)成分の配合比は、(A)成分の種類、他の成分の種類や量、経口組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、(A)成分1質量部に対して、(C)成分の総量が、0.01~300質量部、好ましくは、0.01~200質量部、より好ましくは、0.01~150質量部、更に好ましくは、0.01~100質量部、より更に好ましくは、0.05~80質量部、特に好ましくは、0.1~50質量部とすることができる。
また、本発明の経口組成物における(B)成分と(C)成分の配合比は、(B)成分の種類、他の成分の種類や量、経口組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、(B)成分の総量1質量部に対して、(C)成分の総量が、0.01~300質量部、好ましくは、0.1~200質量部、より好ましくは、0.5~150質量部、さらに好ましくは、1~100質量部とすることができる。
[生理活性成分] 本発明において、経口組成物は、本発明の効果が十分に奏される限りにおいて、他の成分(生理活性成分)を含有してもよい。
このような成分としては、例えば、 抗ヒスタミン成分(例えば、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、アリメマジン酒石酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩)、 副交感神経遮断成分(例えば、アトロピン、スコポラミン、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ダツラエキス、ロートエキスなど)、 交感神経興奮成分(例えばメチルエフェドリン、プソイドエフェドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、エチレフリン、メトキサミン、ミドドリン、メトキシフェナミン又はそれらの塩など)、 消炎酵素類(例えば、リゾチーム、セラペプターゼ、ブロメライン、プロナーゼ、リパーゼAP6など)、生薬、及び生薬由来成分(例えば、ショウキョウ、カンゾウ、ニンジン、マオウ、ケイガイ、サイシン、ナンテンジツ、オウヒ、ビャクシ、ゼンコ、キキョウ、シャゼンシ、ゴオウ、ガジュツ、ビャクジュツ、ゲンチアナ、チクセツニンジン、チョウジ、セネガ、シャゼンソウ、シャジンなど)、 グリチルリチン酸類(例えば、グリチルリチン酸又はその塩など)、 キサンチン誘導体(例えば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン水和物、無水カフェイン等のカフェイン、テオフィリン、アミノフィリン、テオブロミン、ジプロフェイリン、プロキシフィリン、ペントキシフィリンなど)、 解熱鎮痛薬成分(例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、ケトプロフェン、チアラミド、アルミノプロフェンなど)、 ロイコトリエン拮抗成分(モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカストなど) 鎮咳薬成分(例えば、アクロラミド、クロペラスチン、ペントキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、ジブナート、デキストロメトルファン、コデイン、ジヒドロコデイン、ノスカピンなど)、 去痰薬(例えば、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシンなど)、 粘膜修復成分(例えば、銅クロロフィリンナトリウムなど)、 ビタミン類(例えば、ビタミンA類[例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピンなど]、ビタミンB類[例えば、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニルアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトールなど]、ビタミンC類[例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、又はその誘導体など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロールなど]、ビタミンE類[例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体など]、その他のビタミン類[例えば、ヘスペリジン、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリンなど]など)及び 粘膜保護成分(例えば、アミノ酢酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩などのアルミニウム系粘膜保護剤;メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ヒドロタルサイト、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物などのマグネシウム系粘膜保護剤、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウムなど)、などが挙げられる。
これらの成分は、フリー体であっても、塩であってもよい。
[添加剤] 本発明において、経口組成物は、本発明の効果が十分に奏される限りにおいて、軟カプセル剤等に通常用いられる添加剤を含有してもよい。
このような添加剤としては、医薬品、医薬部外品、食品に通常使用され得る任意の成分を適宜配合しても良い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、担体成分または添加剤などが挙げられ、固形剤における担体成分または添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味剤、(B)成分以外の界面活性剤、可塑剤、甘味剤、着香剤の他、崩壊補助剤、発泡剤、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤などが例示できる。また、液剤における担体成分または添加剤としては、例えば、溶剤、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、前記界面活性剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、着香剤の他、防腐・抗菌剤、キレート剤、可溶化剤又は溶解補助剤、安定化剤、流動化剤、乳化剤、増粘剤、緩衝剤、等張化剤、分散剤などが例示できる。以下に任意に配合できる成分を具体的に例示するが、これらの成分に限定されるものではない。限定はされないが、本発明の効果を妨げるような、経口組成物の流動性を低下させる組成にならないように配合することが好ましい。例えば、クロスポビドン(ポリビニルポリピロリドン)は、5%を超える量を配合すると経口組成物の流動性を低下させるため好ましくない。本発明の経口組成物は、ポリビニルポリピロリドンが5%未満であることが好ましく、4.5%以下であることがより好ましい。
賦形剤:D-ソルビトール、マンニトール、キシリトールなどの糖アルコール、ブドウ糖、白糖、乳糖、果糖などの糖類、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、βーシクロデキストリン、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、カオリンなど。賦形剤としては、マンニトールやクロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸が好ましいが、特に限定されない。
崩壊剤:低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプンなど。
結合剤:メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなど。
滑沢剤:ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、ジメチルポリシロキサンなど)。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウムが好ましいが、特に限定されない。本発明の経口組成物を液状の経口組成物として用いる場合には、本発明の効果を十分に奏することの観点から、滑沢剤としてステアリン酸塩を1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上含有することは好ましくない。
抗酸化剤:ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、クエン酸など。
コーティング剤:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタートジエチルアミノアセテート、セラックなど。
着色剤:食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用黄色4号金属レーキ、リボフラビン、カロチン液など。
矯味剤:アスパルテーム、アスコルビン酸、ステビア、メントール、カンゾウ粗エキス、単シロップなど。
(B)成分以外の界面活性剤:両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤など。両性界面活性剤としては、具体的には、大豆レシチン、卵黄レシチン等のレシチン、アルキルジアミノエチルグリシン又はその塩(例えば、塩酸塩等)等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α-スルホメチルエステル、α-オレフィンスルホン酸等が挙げられる。
可塑剤:クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチン、セタノールなど。
甘味剤:ショ糖、マンニトール、アスパルテームなどの天然又は合成甘味剤。
着香剤:メントール、カンフル、ボルネオール
、シンナムアルデヒド、レモン油など。
溶剤:水、エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノールなど。
pH調整剤:クエン酸、リンゴ酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウムなど。
清涼化剤:l-メントール、ハッカ水など。
懸濁化剤:カオリン、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、メチルセルロース、トラガントなど。
消泡剤:ジメチルポリシロキサン、シリコン消泡剤など。
粘稠剤:キサンタンガム、トラガント、メチルセルロース、デキストリンなど。
溶解補助剤:エタノール、マクロゴール(マクロゴール300 マクロゴール400 マクロゴール1500 マクロゴール4000、マクロゴール6000)など。
本発明において、経口組成物は、本発明の効果が十分に奏される限り、水を含んでいても、含んでいなくてもよい。本明細書において、水の含有量は、生薬などの原料自体に含まれている水分を含む、水の総量をいう。水の含有量は、他の成分の種類や量、経口組成物の用途等に応じて適宜設定できるが、例えば、経口組成物の総量を基準として、20質量%以下(未満)とすることができ、15質量%以下(未満)とすることが好ましく、10質量%以下(未満)とすることがより好ましく、8質量%以下(未満)とすることが更に好ましく、6質量%以下(未満)とすることが更に好ましく、4質量%以下(未満)とすることが更に好ましく、2質量%以下(未満)とすることが更に好ましく、1質量%以下(未満)とすることが更に好ましい。また、水の含有量は、例えば、経口組成物の総量を基準として、0.00001質量%以上とすることができ、0.00005質量%以上とすることが好ましく、0.0001質量%以上とすることがより好ましく、0.0005質量%以上とすることが更に好ましく、0.001質量%以上とすることが更に好ましく、0.005質量%以上とすることが更に好ましく、0.01質量%以上とすることが更に好ましく、0.05質量%以上とすることが更に好ましい。
本発明において、経口組成物に用いられる水は、生理学的又は薬学的に許容されるものであればよい。このような水として、例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水などを挙げることができる。これらの定義は第十六改正日本薬局方に基づく。
[剤形] 本発明の経口組成物は、当業者に公知の方法に従って、固形製剤として種々の剤形に調製することができる。固形製剤の形状や大きさには特に限定はなく、例えば内服剤としては、錠剤[口腔内崩壊錠、チュアブル錠(咀嚼可能錠)、発泡錠、分散錠、溶解錠、フィルムコーティング錠、素錠及び糖衣錠等を含む]、カプセル剤[硬カプセル剤及び軟カプセル剤等を含む]、顆粒剤[発泡顆粒剤を含む]、散剤、粉末剤、細粒剤、丸剤、口腔用錠剤[トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠及びガム剤等を含む]、フィルム剤、ドライシロップ剤、ゼリー剤、口腔用半固形剤、製菓剤[キャンディー(飴)、グミ剤及びヌガー剤等を含む]などの固形製剤が挙げられる。これらの固形製剤のなかでも、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、本発明の経口組成物は、不快な呈味や臭いを有する成分が口内で効果的にマスキングされ服用しやすい観点から、カプセル剤に用いることが好ましく、軟カプセル剤に用いることがより好ましい。
本発明の経口組成物をカプセル剤とする場合は、本発明の経口組成物をカプセル皮膜に充填することにより調製することができ、充填される経口組成物は液状であることが好ましい。本明細書において、液状とは、流動性を有することをいう。限定はされないが、このような流動性は、カプセル皮膜等に充填する際に、公知の製造法において生じる温度帯において有していればよく、カプセル皮膜等に充填後には流動性を失っていてもよい。また、限定はされないが、薬物を速溶解させ、速放出させる観点から、体内温度において流動性を有していればよい。限定はされないが、例えば、カプセル皮膜等に充填する際に、連続して均一に流動しないゲルは流動性の面で好ましくない。別の実施形態において、本発明の経口組成物は、カプセル皮膜充填用とすることができる。本明細書において、カプセル皮膜とは、内部に空間を有し、有効成分等の内容物を内部に閉じ込めたまま保持することが可能な膜をいう。充填される経口組成物の液性は、特に限定されないが、水性、油性が好ましく、油性であることがより好ましい。
本発明において用いられ得るカプセル皮膜としては、特に限定されないが、経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを効果的に奏する観点から、軟カプセル皮膜が好ましい。軟カプセル皮膜の基剤は、特に限定はされないが、デンプン、プルラン、セルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、コハク化ゼラチン等を用いることができ、デンプン、ゼラチン、コハク化ゼラチンが好ましく、ゼラチン、コハク化ゼラチンが更に好ましい。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
カプセル皮膜にゼラチンを含有する場合に、ゼラチンの含有量は、特に限定されないが、カプセル皮膜の総量を基準として、20~99.5質量%が好ましく、25~95質量%がより好ましく、30~90質量%が更に好ましく、33~85質量%が特に好ましい。
カプセル皮膜には、本発明の効果を損なわない範囲内で、可塑剤、ゲル化剤、ゲル化助剤、着色剤、防腐剤、芳香剤、pH調整剤、界面活性剤等を含有させてもよい。可塑剤としては、グリセリン、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、果糖、プロピレングリコール、マクロゴール、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。ゲル化剤としては、アラビアガム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、グァーガム、グルコマンナン、ジェランガム、タマリンドガム、ファーセレラン、ペクチン等を用いることができる。ゲル化促進剤としては、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸カリウム、乳酸カルシウム等を用いることができる。着色剤としては、酸化チタン、タール色素、カラメル等を用いることができる。防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等を用いることができる。芳香剤としては、メントール等を用いることができる。界面活性剤としては、ポリソルベート80、ポリオキシル35ヒマシ油等を用いることができる。これらは単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
軟カプセル皮膜を構成する基剤の含有比は、本発明の効果を奏する限りにおいて限定はされないが、例えば、基剤100質量部に対して、可塑剤を1~70質量部含有することができ、5~60質量部が好ましく、10~50質量部がより好ましい。
上記経口組成物のカプセル皮膜に対する液なじみを効果的に奏する観点から、カプセル皮膜としては、ゼラチンを主成分とするものが好ましく、ゼラチンとグリセリンを含有するものがより好ましい。
軟カプセル皮膜の厚さは、本発明の効果を奏する限りにおいて限定はされないが、例えば、0.001~2mmとすることができ、0.005~1.8mmであることが好ましく、0.01~1.5mmであることがより好ましく、0.05~1.2mmであることが更に好ましく、0.05~0.9mmであることが特に好ましい。
[固形製剤の製造方法] 本発明の別の実施態様において、(A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)疎水性基剤とを共存させることを特徴とする固形製剤の製造方法を提供することができる。(A)成分の種類や量、(B)成分の種類や量、(C)成分の種類や量は、上記の[経口組成物]の記載と同様である。また、固形製剤の種類等は、上記の[剤形]の記載と同様である。
本発明の経口組成物は、例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分、所望により添加されるその他の成分、及び所望により添加される添加剤を、当該技術分野で慣用の方法により混合及び撹拌することにより製造される。
混合及び撹拌するための装置は、特に限定されず、例えば、市販のバイオミキサー、ホモジェッター等の高速撹拌機又は高速粉砕機を用いることができる。
本発明の経口組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する経口組成物をカプセル皮膜に充填することによって製造される。充填方法は、特に限定されず、例えば、ロータリー法や、シームレス法などの公知の方法を採用することができる。本発明によれば、充填される経口組成物がカプセル皮膜に対して、より効果的な液なじみを備えるため、充填工程を高度に制御することが可能となる。例えば、ロータリー法の場合、2枚のシート状カプセル皮膜の間に経口組成物を吐出する工程において、経口組成物の液なじみが良好であるため、経口組成物の偏り、泡かみ、液漏れが生じにくいという効果を奏する。また、本発明は、カプセル皮膜が薄くなるように設計する場合や、微小サイズのカプセル剤を設計する場合にも、好適に使用することが可能である。
[カプセル皮膜に対する液なじみを改善する作用を付与する方法] 本発明はまた、(A)胃腸薬系生薬及び/又は胃腸消炎修復成分と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)疎水性基剤とを経口組成物に共存させることにより、カプセル皮膜に対する液なじみ改善作用を該経口組成物に付与する方法に関する。(A)成分の種類や量、(B)成分の種類や量、(C)成分の種類や量は、上記の[経口組成物]の場合と同様である。本明細書において、カプセル皮膜に対する液なじみとは、カプセル皮膜と、充填される内容物との接触面における濡れをいう。カプセル皮膜に対する液なじみの指標としては、例えば、カプセル皮膜上に滴下した液滴の濡れを動的接触角(前進角)の大きさで表すことができる。動的接触角が大きい程流動する液体の濡れが低く、液なじみが低い。動的接触角が小さいほど、カプセル皮膜と接して流動する液体の濡れが高く、液なじみが高いことになる。このような「カプセル皮膜に対する液なじみ」が向上すると、カプセル皮膜に内容物を充填する工程を高度に制御することが可能となり、例えば、充填内容物の偏り、泡かみ、液漏れが生じにくいとの効果を奏する。
[適用] 本発明の経口組成物は、(A)成分の薬理作用に基づいて治療効果や健康増進効果が期待される疾病、症状、状態に対する治療薬、予防薬、改善剤として好適に使用される。(A)成分の薬理作用に基づく治療効果や健康増進効果としては、限定はされないが、例えば、健胃、消炎、鎮痛、鎮痙、沈静、筋弛緩、中枢抑制、胃運動促進、腸管運動抑制、抗菌、抗潰瘍、駆風、整腸、利尿、利胆、去痰、鎮嘔、鎮吐、発汗、鎮咳、消化機能亢進、解熱、収斂、駆淤血、通経、便通改善、腸内環境改善、精神安定等が挙げられる。このような効果が期待される疾病、症状、状態としては、限定はされないが、例えば、胃もたれ、腹痛、急性胃炎、慢性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期、下痢、消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)、胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)、お腹の張り(腹部膨満感)、感冒(かぜ)などの上気道炎、気管支炎、湿疹(ただれ)、アレルギー性結膜炎、急性結膜炎、慢性結膜炎、角膜炎、眼瞼縁炎、咽喉炎、扁桃炎、舌炎、口内炎、口腔創傷、月経困難症、便秘、関節痛、関節炎、神経痛、神経炎、手術後・外傷(けが)後の疼痛等が挙げられる。これらの疾病、症状、状態は、別の疾病、症状、状態に対する治療、予防、改善のために使用された成分の副作用として生じたものも含む。
本発明の経口組成物は、例えば、医薬品、
医薬部外品、食品などに幅広く利用することができる。本発明の経口組成物は、限定はされないが、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、老人用食品、特別用途食品、機能性食品、健康補助食品(バランス栄養食、サプリメント)もしくは製菓錠剤などとして提供することも可能である。また、本発明の経口組成物は、医薬品的な効能又は健康増進に関する機能性を表示したパッケージや容器、添付文書、取扱い説明書等を含む食品も含まれる。国等への申請書に医薬品的な効能又は健康増進に関する機能性を表示した飲食品も含まれる。
本発明の経口組成物の投与量は、その形態、投与方法、投与目的及び当該組成物の投与対象者の年齢、体重、症状、体調によって適宜設定され、一定ではない。また、本発明の経口組成物の投与は、所望の投与量範囲内において、1日あたり単回で、又は数回に分けて行ってもよく、食前、食間、食後、又は食事と同時に投与されてもよい。なお、本明細書中の用語「投与」は、「服用」を包含することを意図して用いられる。
本発明の経口組成物は、通常、1日1~6回、好ましくは、1日1~3回投与することができる。したがって、1回の投与のための本発明の経口組成物は、上述の1日あたりの投与量を1日の投与回数で割った量を含有することが好ましい。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[試験方法1:動的接触角(前進角)の測定方法] 接触角計DM-501(協和界面科学株式会社製)を用い、同接触角計の拡張法の測定手順に従って、後述する試験例1-1~1-13の各液状組成物の動的接触角(前進角)を測定した。
具体的には、カプセル皮膜を、継ぎ目のない面が上を向くように接触角計のステージの上に置いた。接触角計のディスペンサに試験液をセットした。室温下で試験液の液滴1μLをカプセル皮膜上に滴下して半球状に着滴させた。次に速やかに、試験液の半球上部中央にディスペンサの液吐出部の先端を着液させた。その状態で、試験液を吐出速度6μL/秒で連続的に吐出し、液滴の形状を側面から0.1秒毎に20回撮影した。必要に応じて、速やかに液滴を吐出する液温で行った。測定条件を合わせるため、液なじみ改善率を算出する際に対にする試験液は、同一の温度条件下で続けて測定した。
次に、撮影した画像を同接触角計の解析ソフトFAMASを用いて解析し、各画像ごとに接触角を求めた。ここで、接触角は、カプセル皮膜の表面、試験液及び空気の接触点Pから試験液に引いた接線と、カプセル皮膜の表面に引いた接線のなす角のうち、試験液を含む側の角を意味する。接触点Pは、各液滴について左右の2点存在する。試験液の吐出により接触角は変化し、液滴が拡張するにつれて、接触角の変化は小さくなる挙動を示した。そこで、各画像について液滴の左右の接触角の平均値を算出し、画像を撮影した順番に当該平均値を並べて、連続した5つの接触角を選択したとき、当該5つの平均値の標準偏差が最初に2.0°以下になったときの最初の平均値(5つの平均値のうち最も先に撮影した画像における左右の接触角の平均値)を、同測定における動的接触角の測定値とした。なお、全ての試験液について、標準偏差が最初に2.0°以下になった以降に、2.0°より大きい標準偏差は認められなかった。液滴が拡張する過程で接触角が変化しなかった場合も、上記基準に従い動的接触角の測定値を得た。
各試験液について、上記操作を3回繰り返し行い、得られた3つの測定値の平均値をその試験液の動的接触角とした。3つの測定値の標準偏差は、全ての試験液で2.0°以下であった。
[カプセル皮膜] 試験方法1で用いたカプセル皮膜は、以下の表1のとおりである。各試験例の表では、表1に記載のアルファベット記号(a~d)により、カプセル皮膜の種類を表記している。
Figure 2023002664000001
表1において、カプセル皮膜a(コルゲンコーワ鼻炎ソフトミニカプセル)は、ゼラチン、グリセリン、酸化チタン、パラベン、及びポリソルベート80を含有するゼラチン皮膜である。 カプセル皮膜b(ロートアルガード鼻炎ソフトカプセルEX)は、ゼラチン、グリセリン及び酸化チタンを含有するゼラチン皮膜である。 カプセル皮膜c(デイトナS)は、コハク化ゼラチン、濃グリセリン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄を含有するゼラチン皮膜である。 カプセル皮膜d(エスタック鼻炎ソフトニスキャップ)は、ゼラチン、グリセリン、青色1号等を含有するゼラチン皮膜である。
[試験例1-1] 動的接触角(前進角)の評価1 表2に示す各液状組成物を、上記の試験方法1で示した手順に従い、各試験液を調製後、すぐに動的接触角(前進角)を測定した(3つの測定値の平均)。(B)成分のうち、グリセリン脂肪酸エステルは、ポエムS-100(理研ビタミン株式会社)を用いた(以下同じ)。プロピレングリコール脂肪酸エステルは、PMS-1CV(日光ケミカルズ株式会社製)を用いた(以下同じ)。ポリソルベート80は、TO-10MV(日光ケミカルズ株式会社製)を用いた(以下同じ)。(C)成分のうち、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、パナセート810(日油株式会社製)を用いた(以下同じ)。大豆油、オリブ油、小麦胚芽油、ツバキ油は、第十七改正日本薬局方又は医薬品添加物規格2013に収載されるそれぞれの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。下記[式1]により、各試験液で用いた(C)成分のみからなる液に対する各試験液の液なじみ改善率を算出した。算出した結果を表2に併せて示す。 [式1] 各試験液で用いた(C)成分のみからなる液に対する液なじみ改善率(%)={1-(各試験液の動的接触角/(C)成分のみからなる液の動的接触角)}×100
Figure 2023002664000002
表2に示すように、(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、様々な組合せにおいて、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例1-1~1-14)。
[試験例1-2] 動的接触角(前進角)の評価2 表3に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。(A)成分のうち、コウボク末、ソウジュツ末又はチンピ末は、第十七改正日本薬局方又は日本薬局方外生薬規格2015に収載されるコウボク、ソウジュツ又はチンピのそれぞれの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。算出した結果を表3に併せて示す。
Figure 2023002664000003
表3に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例2-1~2-6)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例2-1~2-6)。
[試験例1-3] 動的接触角(前進角)の評価3 表4に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。(A)成分のうち、ウイキョウ末又はケイヒ末は、第十七改正日本薬局方又は日本薬局方外生薬規格2015に収載されるウイキョウ又はケイヒのそれぞれの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。算出した結果を表4に併せて示す。
Figure 2023002664000004
表4に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例3-1~3-4)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例3-1~3-4)。
[試験例1-4] 動的接触角(前進角)の評価4 表5に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。(A)成分のうち、ウコン末は、第十七改正日本薬局方又は日本薬局方外生薬規格2015に収載されるウコンの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。算出した結果を表5に併せて示す。
Figure 2023002664000005
表5に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例4-1~4-3)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例4-1~4-3)。
[試験例1-5] 動的接触角(前進角)の評価5 表6に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。算出した結果を表6に併せて示す。
Figure 2023002664000006
表6に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例5-1)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例5-1~5-7)。
[試験例1-6] 動的接触角(前進角)の評価6 表7に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。(A)成分のうち、ダイオウ末は、第十七改正日本薬局方又は日本薬局方外生薬規格2015に収載されるダイオウの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。算出した結果を表7に併せて示す。
Figure 2023002664000007
表7に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例6-1~6-5)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例6-1~6-5)。
[試験例1-7] 動的接触角(前進角)の評価7 表8に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。(A)成分のうち、オウバク末は、第十七改正日本薬局方又は日本薬局方外生薬規格2015に収載されるオウバクの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。算出した結果を表8に併せて示す。
Figure 2023002664000008
表8に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例7-1~7-2)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例7-1~7-2)。
[試験例1-8] 動的接触角(前進角)の評価8 表9に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。(A)成分のうち、ソウジュツ乾燥エキス又はコウボク乾燥エキスは、第十七改正日本薬局方又は日本薬局方外生薬規格2015に収載されるソウジュツ又はコウボクの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。表9のソウジュツ乾燥エキスをソウジュツの原生薬換算量で表すと、1500mgであり、表9のコウボク乾燥エキスをコウボクの原生薬換算量で表すと、1000mgである。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進
角)を求めた。算出した結果を表9に併せて示す。
Figure 2023002664000009
表9に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例8-1)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例8-1~8-5)。
[試験例1-9] 動的接触角(前進角)の評価9 表10に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。算出した結果を表10に併せて示す。
Figure 2023002664000010
表10に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例9-1~9-3)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例9-1-1~9-3-2)。
[試験例1-10] 動的接触角(前進角)の評価10 表11に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。算出した結果を表11に併せて示す。
Figure 2023002664000011
表11に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例10-1~10-2)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例10-1-1~10-2-3)。
[試験例1-11] 動的接触角(前進角)の評価11 表12に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。算出した結果を表12に併せて示す。
Figure 2023002664000012
表12に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例11-1)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例11-1~11-6)。
[試験例1-12] 動的接触角(前進角)の評価12 表13に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。算出した結果を表13に併せて示す。
Figure 2023002664000013
表13に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例12-1)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例12-1~12-4)。
[試験例1-13] 動的接触角(前進角)の評価13 表14~表18に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験例1-1と同様の方法で動的接触角(前進角)を求めた。(A)成分のうち、オンジエキス、ゲンノショウコ末、ジュウヤク乾燥エキス、センブリ末、ヨクイニン乾燥エキス、ベラドンナエキスは、第十七改正日本薬局方又は日本薬局方外生薬規格2015に収載されるオンジ、ゲンノショウコ末、ジュウヤク、センブリ末、ヨクイニン末又はベラドンナエキスのそれぞれの項目を満たすものを用いた(以下同じ)。表15のヨクイニン乾燥エキスをヨクイニンの原生薬換算量で表すと、比較例13-5及び実施例13-5は2000mgであり、比較例13-6及び実施例13-6は6000mgである。表16のジュウヤク乾燥エキスをジュウヤクの原生薬換算量で表すと、比較例13-11及び実施例13-11は1500mgであり、比較例13-12及び実施例13-12は15000mgである。表16の比較例13-9及び実施例13-9のオンジエキスはオンジ300mgより製したものである。表16の比較例13-10、実施例3-10-1及び実施例3-10-2のオンジエキスはオンジ3000mgより製したものである。表17のピレンゼピン塩酸塩水和物の含有量は、ピレンゼピン塩酸塩無水物としての含有量である。算出した結果を表14~表18に併せて示す。
Figure 2023002664000014
Figure 2023002664000015
Figure 2023002664000016
Figure 2023002664000017
Figure 2023002664000018
表14~表18に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液なじみが悪化してしまうという新たな課題があることを見出した(比較例13-1~13-18)。一方、全く意外なことに、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、動的接触角が低下し、すなわち、カプセル皮膜に対する液なじみが向上することを確認できた(実施例13-1~13-18)。
[試験例2-1] 薬物放出性試験1 表19及び表20に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。試験管に7mLの精製水を入れ、各試験液をそれぞれ0.7gずつ滴下し、上下に10回撹拌振とうした。1分間静置した後、目視で観察した。評価基準は、「水に不溶で、水と試験液は分離している」場合に×、「水にほとんど不溶で、ほぼ透明に近く、ごくわずかに濁っている」場合に△、「試験液の一部が分散しているが、不均一である」場合に○、「試験液が均一に分散し、均一に濁っている」場合に◎、と評価した。評価結果を表19及び表20に併せて示す。
Figure 2023002664000019
Figure 2023002664000020
表19及び表20に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液状組成物は水に溶けず、分離していた(比較例2-1-1、2-2-1、2-3-1)。(A)成分と(B)成分とを組み合わせた場合にも、液状組成物は水と殆ど混ざりあわなかった(比較例2-1-2、2-2-2、2-3-2)。これに対して、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液状組成物は顕著に高い分散性を示した(実施例2-1-1~2-1-5、実施例2-2-1~2-3-1)。これらの実施例では、水と混ざって分散しやすく(速溶解効果)、体内で薬物放出性に優れ(速放出効果)、体内で吸収されやすい組成物であることが明らかになった。
[試験例3-1] 薬物放出性試験2 表21~表23に記載の処方に従い、各液状組成物を調製した。表22のピレンゼピン塩酸塩水和物の含有量は、ピレンゼピン塩酸塩無水物としての含有量である。試験管に7mLの精製水を入れ、各試験液をそれぞれ0.7gずつ滴下し、上下に10回撹拌振とうした。1分間静置した後、目視で観察した。評価基準は、「水に不溶で、水と試験液は分離している」場合に×、「水にほとんど不溶で、ほぼ透明又は不透明であり、ごくわずかに濁っている」場合に△、「試験液の一部が分散しているが、不均一である」場合に○、「試験液が均一に分散し、均一に濁っている」場合に◎、と評価した。評価結果を表21~表23に併せて示す。
Figure 2023002664000021
Figure 2023002664000022
Figure 2023002664000023
表21~表23に示すように、(A)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液状組成物は水に溶けず、分離するか(比較例3-1-3、3-1-4、3-1-6、3-1-8)、又は、液状組成物は水と殆ど混ざりあわなかった(比較例3-1-1、3-1-2、3-1-5、3-1-7、3-1-9、3-1-10)。これに対して、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた場合には、液状組成物は顕著に高い分散性を示した(実施例3-1-1~3-1-10)。これらの実施例では、水と混ざって分散しやすく(速溶解効果)、体内で薬物放出性に優れ(速放出効果)、体内で吸収されやすい組成物であることが明らかになった。
[製造例] 公知の技術を用いて、表24~表30に記載される処方例について液状組成物を調製し、軟カプセル剤を製造する。表中の質量は、1日の服用量とした。
Figure 2023002664000024
Figure 2023002664000025
Figure 2023002664000026
Figure 2023002664000027
Figure 2023002664000028
Figure 2023002664000029
Figure 2023002664000030

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載された発明。
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