JP6042084B2 - 液状組成物、及びこれを含有する軟カプセル剤 - Google Patents

液状組成物、及びこれを含有する軟カプセル剤 Download PDF

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Description

本発明は、液状組成物、及びこれを含有する軟カプセル剤に関する。
メチルエフェドリン又はその塩(例、dl−メチルエフェドリン塩酸塩)は、エフェドリンと類似の作用機序、すなわちα作用、及びβ作用を有し、気管支拡張作用、中枢性の鎮咳作用を有することが知られている(非特許文献1)。
一方、プソイドエフェドリン又はその塩(例、プソイドエフェドリン塩酸塩)は、交感神経α作用による血管収縮作用を有し、鼻粘膜の充血や腫れを抑えることが知られている。
ところで、軟カプセル(ソフトカプセル)は、中身が液状のため、服用後比較的すばやく溶けて吸収され、また、弾力性を有し、しかも味、臭いをマスキングすることもできるので服用しやすい製剤である。
軟カプセルは、通常、疎水性の液体を、軟カプセルに充填すること、具体的には、疎水性の液体を充填溶液として、主としてゼラチン等からなる皮膜(剤皮)で包み込み、一定の形状に成型することで製造される製剤である。従って、軟カプセルに充填する成分が親水性成分又は粉末成分等である場合には、親水性成分又は粉末成分等を油脂等の疎水性の液体である分散媒中に懸濁した後に、カプセル剤皮に充填することになる。
この際、充填溶液中で親水性成分又は粉末成分等の沈殿及び/又は分離がおこると、個々の軟カプセルの成分含量にばらつきが出る恐れがある。更に、製造後のカプセル中で成分の沈殿及び/又は分離が発生することにより、軟カプセルの剤皮が損傷する恐れや、軟カプセルの服用後における体内でのカプセル剤皮の崩壊挙動や成分の分散及び溶出挙動にばらつきが出る恐れがある。
従って、軟カプセルに充填する液状組成物においては、成分が疎水性液体分散媒中に安定して均一に分散していることが極めて重要である。
このような分散性を確保する目的で、従来、グリセリン脂肪酸エステルやミツロウが使用されている(特許文献1)。しかし、分散剤にミツロウを使用した軟カプセル剤は、油脂(すなわち、疎水性液体)中での成分の分散については十分であるが、このような製剤を摂取した場合、生体内での成分の分散に難があり、成分の効果が生体内で十分に発揮されない恐れがあることが知られている。
これに対し、グリセリン脂肪酸エステル及び水素添加加工油脂の組み合わせによって成分を懸濁化した製剤(特許文献2)や、反応モノグリセライド、蒸留モノグリセライド及びモノエステル体含有量50%以上のジグリセリン脂肪酸エステルを含有させる方法(特許文献3)のように、分散剤を用いる技術が提案されている。しかしながら、更なる有用な分散技術の開発が望まれている。
メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、及びケトチフェン、並びにそれらの塩は、H1受容体に結合し、ヒスタミンがH1受容体に結合することを阻害して、抗アレルギー作用を奏する。しかしながら、これまで疎水性液体中での他成分の分散性を高める作用を有することは全く知られていない。
特開平7−138151号公報 特開2005−112753号公報 特開2009−242334号公報
第16改正日本薬局方解説書、廣川書店、C-4812
メチルエフェドリン又はその塩を疎水性分散媒に分散した場合、短時間で沈殿及び/又は分離が起こる。本発明者が有している非公知の知見によれば、メチルエフェドリン及び/又はその塩を、プソイドエフェドリン及び/又はその塩の存在下で疎水性分散媒に分散した場合、このような沈殿及び/又は分離が抑制される。しかし、本発明者らの更なる研究により、この場合でも、非常に長期間放置した場合には沈殿及び/又は分離が生じてしまうことが判明した。
従って、本発明は非常に長期間放置した場合においても、メチルエフェドリン及び/又はその塩、並びにプソイドエフェドリン及び/又はその塩が、疎水性分散媒中で安定に分散している液状組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、
(A)メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上
(B)プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
(C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、及びケトチフェン、並びにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を、
(D)疎水性分散媒
中に分散させることにより、前記疎水性分散媒中における前記成分(A)及び成分(B)の沈殿及び/又は分離を長期間抑制できること、すなわち、分散性を改善できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の態様などを提供するものである。
項1.
(A)メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上
(B)プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、ケトチフェン、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上、
、並びに
(D)疎水性分散媒
を含有し、
前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)は、前記成分(D)中に分散している、液状組成物。
項2.
成分(D)が、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシ油及びダイズ油からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1に記載の液状組成物。
項3.
項1又は2に記載の液状組成物がカプセル剤皮に充填された軟カプセル剤。
項4.
経口投与用である、項3に記載の軟カプセル剤。
項5.
(A)メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上
(B)プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
(C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、ケトチフェン、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を、
(D)疎水性分散媒中に分散させることにより、前記成分(D)中における、前記成分(A)及び前記成分(B)の分散性を改善する方法。
本発明の液状組成物では、(A)メチルエフェドリン及び/又はその塩、並びに(B)プソイドエフェドリン及び/又はその塩が疎水性分散媒中で安定に分散しているので、本発明の液状組成物を、軟カプセル剤の剤皮、又は充填容器に充填した場合に、製剤間におけるこれらの成分の含有量のばらつきが少なく、含量均一性の高い製剤(好ましくは、軟カプセル)が調製できる。
また、本発明の軟カプセルは、カプセル中での液状組成物の安定な分散が長期間保たれるので、親水性成分の濃度の偏りにより生じ易い剤皮の損傷が防止される。更に、本発明の軟カプセルは、軟カプセルの服用後における体内での軟カプセル剤皮の崩壊挙動、成分の分散及び/又は溶出の挙動に個々の製剤間でのばらつきがなく、一定の崩壊、分散、及び/又は溶出の挙動を示すことができる。
液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例1) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例1) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例1) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例2) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例2) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例3) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例3) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例4) 液状組成物の分散状態を示す写真。(試験例4) dl−メチルエフェドリン塩酸塩の分散状態を示すグラフ。(試験例5) プソイドエフェドリン塩酸塩の分散状態を示すグラフ。(試験例5) dl−メチルエフェドリン塩酸塩の分散状態を示すグラフ。(試験例6) プソイドエフェドリン塩酸塩の分散状態を示すグラフ。(試験例6)
本発明の液状組成物は、
(A)メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上
(B)プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、
(C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、及びケトチフェン、並びにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上、並びに
(D)疎水性分散媒
を含有する。
[成分(A)]
本発明で用いられる、メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上(本明細書中、成分(A)と記載することもある)は、前述のように、エフェドリンと類似の作用機序、すなわちα作用、及びβ作用を有し、気管支拡張作用、中枢性の鎮咳作用を有することが知られている公知の化合物であり、市販品にて入手するか、又は公知の方法に従って製造することができる。
メチルエフェドリンの塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩等を挙げることができ、なかでも塩酸塩が好ましい。
本発明の液状組成物においては、成分(A)は、その少なくとも一部(好ましくは50w/w%以上、より好ましくは80w/w%以上、更に好ましくは90w/w%以上)が微粒子として存在する。
成分(A)の微粒子の一次粒子径は、分散状態の安定性、及び体内での吸収性を高める観点から、小さいことが好ましい。当該粒子径の上限は、好ましくは、平均粒子径で、150μmである。一方、当該粒子径の下限は特に限定されないが、通常、平均粒子径で、0.1μmである。
本発明の液状組成物における成分(A)の含有量は、好ましくは0.01〜20w/w%、より好ましくは0.1〜15w/w%、更に好ましくは1〜13w/w%の範囲内である。なお、「成分(A)の含有量」は、成分(A)が2種以上の物質の組み合わせである場合には合計含有量を意味する。
[成分(B)]
本発明で用いられる、プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上(本明細書中、成分(B)と記載することもある)は、前述のように、エフェドリンのジアステレオマーであり、交感神経α作用による血管収縮作用を有し、鼻粘膜の充血や腫れを抑えることが知られている公知の化合物であり、市販品にて入手するか、又は公知の方法に従って製造することができる。
プソイドエフェドリンの塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩等を挙げることができ、なかでも塩酸塩又は硫酸塩が好ましく、塩酸塩が更に好ましい。
本発明の液状組成物においては、成分(B)は、その少なくとも一部(好ましくは50w/w%以上、より好ましくは80w/w%以上、更に好ましくは90w/w%以上)が微粒子として存在する。
成分(B)の微粒子の一次粒子径は、分散状態の安定性、及び体内での吸収性を高める観点から、小さいことが好ましい。当該粒子径の上限は、好ましくは、平均粒子径で、150μmである。一方、当該粒子径の下限は特に限定されないが、通常、平均粒子径で、0.1μmである。
本発明の液状組成物における成分(B)の含有量は、好ましくは0.01〜30w/w%、より好ましくは0.1〜20w/w%、更に好ましくは2〜15w/w%の範囲内である。なお、「成分(B)の含有量」は、成分(B)の含有量のことであり、成分(B)が2種以上の物質の組み合わせである場合には合計含有量を意味する。
本発明の液状組成物における成分(A)1重量部に対する成分(B)の含有割合は、好ましくは0.01〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.3〜8.5重量部の範囲内である。
[成分(C)]
本発明で用いられる、メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、及びケトチフェン、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上(本明細書中、成分(C)と記載することもある)は、H1受容体に結合し、ヒスタミンがH1受容体に結合することを阻害して、抗アレルギー作用を奏する公知の化合物(抗ヒスタミン化合物)であり、市販品にて入手するか、又は公知の方法に従って製造することができる。
成分(C)が成分(A)及び成分(B)の粒子の分散性を高める機構は不明であるが、成分(C)がH1受容体に結合するための物理的及び/又は化学的な構造上の特徴が寄与していると推測される。但し、本発明は、この推測上の機構によって限定されるものではない。
成分(C)である、メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、及びケトチフェンは、それぞれ、フリー体であっても、塩であってもよい。
メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、及びケトチフェンの塩としては、それぞれ、薬学上許容される塩であれば特に限定されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メチレンジサリチル酸塩、サリチル酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩等を挙げることができ、なかでも塩酸塩、フマル酸塩が好ましい。
塩の形態の成分(C)の例としては、フェキソフェナジン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、エピナスチン塩酸塩、レボカバスチン塩酸塩、アゼラスチン塩酸塩、及びケトチフェンフマル酸塩を挙げることができる。
本発明における成分(C)は、好ましくは、メキタジン、フェキソフェナジン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、ロラタジン、エメダスチンフマル酸塩、レボカバスチン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、アゼラスチン塩酸塩、及びケトチフェンフマル酸塩からなる群より選択される1種以上である。
本発明の液状組成物においては、成分(C)は、微粒子として存在していてもよく、疎水性分散媒(D)中に溶解していてもよい。
本発明の液状組成物において、成分(C)が微粒子として存在する場合、その一次粒子径は、分散状態の安定性、及び体内での吸収性を高める観点から、小さいことが好ましい。当該粒子径の上限は、好ましくは、平均粒子径で、150μmである。一方、当該粒子径の下限は特に限定されないが、通常、平均粒子径で、0.1μmである。
本発明の液状組成物における成分(C)の含有量は、好ましくは0.01〜30w/w%、より好ましくは0.1〜20w/w%、更に好ましくは2〜15w/w%の範囲内である。なお、「成分(C)の含有量」は、成分(C)が2種以上の物質の組み合わせである場合には合計含有量を意味する。
本発明の液状組成物における、成分(A)1重量部に対する成分(C)の含有割合は、好ましくは0.01〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.3〜8.5重量部の範囲内である。
本発明の液状組成物における、成分(B)1重量部に対する成分(C)の含有割合は、好ましくは0.01〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.3〜8.5重量部の範囲内である。
本発明の液状組成物においては、成分(A)、及び成分(B)の分散性を、成分(C)によって、向上させることができるので、軟カプセル剤に通常用いられる分散剤を使用しないか、又はその使用量を少なくすることができる。これにより、本発明の液状組成物は、成分を安定な分散状態で多量に含有することができ、例えば、成分(A)の含有量が1〜13w/w%、成分(B)の含有量が2〜15w/w%、かつ、成分(C)の含有量が2〜15w/w%であることができる。
本発明における成分(D)である「疎水性分散媒」は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)のうちの少なくとも一種、好ましくは成分(A)、成分(B)及び成分(C)を全てを分散させる疎水性液体分散媒である。ここで、「疎水性」とは、具体的には、当該「疎水性分散媒」に対する水の溶解性が、10g/100g以下、好ましくは1g/100g以下、更に好ましくは0.1g/100g以下であることを意味する。この溶解性は、第16改正日本薬局方通則に記載の、溶解性の試験に準じて測定することができる。
本発明における「疎水性分散媒」としては、50℃(好ましくは37℃、更にこの好ましくは20℃)において液体であれば特に限定されず、通常軟カプセル剤の充填溶液に用いられる疎水性分散媒を用いることができる。
例えば、
脂肪酸と多価アルコールのエステル類(例、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類及び脂肪酸トリグリセリド類(例、長鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド));
ポリエチレングリコール類(例、ポリエチレングリコール及びメトキシポリエチレングリコール);及び
動植物油類(例、オリーブ油、トウモロコシ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、小麦胚芽油、サフラワー油、硬化油)、多価アルコール類(例、グリセリン)等が挙げられる。
本発明における「疎水性分散媒」として、好ましくは脂肪酸トリグリセリド、又は動植物油であり、より好ましくは脂肪酸トリグリセリド、又は植物油であり、更に好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリド(Medium chain fatty acid triglyceride;本明細書中、MCTと略記することもある)、トウモロコシ油、オリーブ油、ダイズ油、又はサフラワー油であり、更に好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシ油又はダイズ油であり、最も好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドである。ここで「中鎖脂肪酸トリグリセリド」における「中鎖脂肪酸」としては、例えば、炭素数6〜12の脂肪酸(例、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸)が挙げられる。
本発明における「中鎖脂肪酸トリグリセリド」としては、例えば、医薬品添加物規格2003で規格されている「中鎖脂肪酸トリグリセリド」を用いることができ、具体的には、ODO(商品名、日清オイリオ)、ココナード(商品名、花王)、及びパナセート(商品名、日本油脂)が挙げられる。「トウモロコシ油」としては、例えば、第16改正日本薬局方で規格されている「トウモロコシ油」を用いることができ、具体的には、とうもろこし油(商品名、岡村精油)、トウモロコシ油(商品名、カネダ)、及び日食コーンサラダ油(商品名、日本食品化工)が挙げられる。「ダイズ油」としては、例えば、第16改正日本薬局方で規格されている「ダイズ油」を用いることができる。
当該「疎水性分散媒」は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該疎水性分散媒は、好ましくは、透明な液体である。
本発明の液状組成物における当該疎水性分散媒の含有量は、好ましくは、30〜99w/w%であり、より好ましくは40〜99w/w%であり、更に好ましくは40〜97w/w%の範囲内である。なお、「疎水性分散媒の含有量」とは、本発明の液状組成物に含有される疎水性分散媒の含有量のことであり、疎水性分散媒が複数ある場合には合計含有量を意味する。
本発明の液状組成物における、成分(A)1重量部に対する疎水性分散媒の含有割合は、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは1〜200重量部、更に好ましくは5〜100重量部の範囲内である。
本発明の液状組成物における、成分(B)1重量部に対する疎水性分散媒の含有割合は、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは1〜300重量部、更に好ましくは3〜200重量部の範囲内である。
本発明の液状組成物における、成分(C)1重量部に対する疎水性分散媒の含有割合は、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは1〜300重量部、更に好ましくは3〜200重量部の範囲内である。
本発明の液状組成物は、本発明の効果が十分に奏される限りにおいて、他の成分(生理活性成分)を含有してもよい。
このような成分としては、例えば
抗ヒスタミン成分(例えば、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、アリメマジン酒石酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩)、
副交感神経遮断成分(例えば、アトロピン、スコポラミン、ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、ダツラエキス、ロートエキスなど)、
メチルエフェドリン及びプソイドエフェドリンを除く他の交感神経興奮成分(例えばフェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、エチレフリン、メトキサミン、ミドドリン、メトキシフェナミンなど)、
消炎酵素類(例えば、リゾチーム、セラペプターゼ、ブロメライン、プロナーゼなど)、生薬、及び生薬由来成分(例えば、ショウキョウ、カンゾウ、ニンジン、マオウ、ケイヒ、ケイガイ、サイシン、シンイ、ナンテンジツ、オウヒ、ビャクシ、ゼンコ、キキョウ、シャゼンシ、ゴオウ、ガジュツ、ビャクジュツ、ソウジュツ、ゲンチアナ、ウイキョウ、オンジ、オウバク、オウレン、チクセツニンジン、チンピ、チョウジ、セネガ、シャゼンソウ、シャジン、グリチルリチン酸など)、
キサンチン誘導体(例えば、カフェイン、テオフィリン、アミノフィリン、テオブロミン、ジプロフェイリン、プロキシフィリン、ペントキシフィリンなど)、
解熱鎮痛薬成分(例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、ケトプロフェン、チアラミド、アルミノプロフェン、ロキソプロフェンなど)、
鎮咳薬成分(例えば、アクロラミド、クロペラスチン、ペントキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、ジブナート、デキストロメトルファン、コデイン、ジヒドロコデイン、ノスカピンなど)、
去痰薬(例えば、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシンなど)、
ビタミン類(例えば、ビタミンA類[例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピンなど]、ビタミンB類[例えば、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニルアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトールなど]、ビタミンC類[例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、又はその誘導体など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロールなど]、ビタミンE類[例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体など]、その他のビタミン類[例えば、ヘスペリジン、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリンなど]など)、及び
粘膜保護成分(例えば、アミノ酢酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩などのアルミニウム系粘膜保護剤;メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ヒドロタルサイト、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物などのマグネシウム系粘膜保護剤など)
などが挙げられる。
これらの成分は、フリー体であっても、塩であってもよい。
このような成分としては、なかでも、本発明の液状組成物中において微粒子として安定に分散できるもの、又は前記「疎水性分散媒」に溶解し得るものが好ましい。
なかでも好ましくは、ジフェニルピラリン、ヨウ化イソプロパミド、クロルフェニラミン、グリチルリチン酸、ベラドンナ総アルカロイド、カフェイン及びそれらの塩から選択される1種以上である。
本発明の液状組成物における当該「他の成分」の含有量は、本発明の効果が十分に奏される限り特に限定されないが、通常、0.001〜50w/w%、好ましくは、0.01〜40w/w%である。
本発明の液状組成物は、本発明の効果が十分に奏される限りにおいて、軟カプセル剤等に通常用いられる添加剤を含有してもよい。
このような添加剤としては、分散剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、サラシミツロウ、ポリソルベートなど)、界面活性剤(例えば、硬化ヒマシ油、セスキオレイン酸ソルビタンなど)、懸濁化剤(例えば、各種界面活性剤やアラビアゴム、アラビアゴム末、キサンタンガム、大豆レシチンなど)、乳化剤、安定化剤、緩衝剤、溶解補助剤及び酸化防止剤等を挙げることができる。
本発明の液状組成物における当該添加剤の含有量の上限は、本発明の効果が十分に奏される限り特に限定されないが、通常、20w/w%、好ましくは、5w/w%である。
なお、本発明の液状組成物では、軟カプセル剤に通常用いられる分散剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、サラシミツロウ、ポリソルベートなど)を用いなくても、成分(A)、及び成分(B)を、疎水性分散媒中に長期間(例えば、70℃で1日以上)安定して分散させることができるが、分散性の更なる向上のために、このような分散剤を使用してもよい。本発明の液状組成物における当該分散剤の含有量の上限は、特に限定されないが、通常、10w/w%、好ましくは5w/w%、更に好ましくは3w/w%である。本発明の液状組成物がこのような分散剤を含有する場合の当該分散剤の含有量の下限は、特に限定されないが、通常、0.01w/w%である。
本発明の液状組成物は、例えば、軟カプセル剤に好適に用いることができる。
本発明の軟カプセル剤は、本発明の液状組成物が軟カプセル剤皮内に充填されてなる。
本発明における「軟カプセル」としては、特に限定されず、軟カプセル剤に汎用されている軟カプセル剤皮、例えば、ゼラチンを主成分とする軟カプセル剤皮を用いることができる。
前述のように、本発明の液状組成物は、軟カプセル剤に通常用いられる分散剤を使用しないか又はその使用量を少なくしてもよいので、成分を安定な分散状態で多量に含有することができる。このため、本発明の軟カプセル剤は、カプセル剤を大型化しなくても、1個のカプセル剤に多量の成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含有させることができ、例えば、剤皮重量を含めた、一個当りカプセル重量全量が350mgのカプセル剤の場合において、成分(A)の含有量が3〜35mg/個、成分(B)の含有量が5〜35mg/個、成分(C)の含有量が0.1〜120mg/個とすることができる。
[製造方法]
以下に、本発明の液状組成物及び本発明の軟カプセル剤の製造方法を説明する。
本発明の液状組成物は、例えば、前記疎水性分散媒、成分(A)、成分(B)、成分(C)、所望により添加されるその他の成分、及び所望により添加される添加剤を、当該技術分野で慣用の方法により混合及び撹拌することにより製造される。
この際、成分(A)、成分(B)及び成分(C)は、それぞれ粒子状の100Mesh pass品(粒子経150μm以下)を使用することが好ましい。
混合及び撹拌するための装置は、特に限定されず、例えば、市販のバイオミキサー、ホモジェッター等の高速撹拌機又は高速粉砕機を用いることができる。
このようにして製造された本発明の液状組成物においては、
成分(A)の少なくとも一部(好ましくは50w/w%以上、より好ましくは80w/w%以上、更に好ましくは90w/w%以上)、及び
成分(B)の少なくとも一部(好ましくは50w/w%以上、より好ましくは80w/w%以上、更に好ましくは90w/w%以上)は、
それぞれ微粒子として存在し、かつこれらの微粒子は、前記(D)疎水性分散媒中に高度に安定して分散している。
ここで、「高度に安定に分散している」とは、粒子を分散媒中に均一に分散させた状態で、70℃で1日間(好ましくは3日間、より好ましくは8日間)静置しても、透明な分散媒の層と不透明な分散媒の層との分離が、目視で観察されないことを意味する。
本発明の軟カプセル剤は、前記の本発明の液状組成物を、軟カプセル剤皮に充填することによって製造される。軟カプセル剤皮への充填方法は、特に限定されず、例えば、ロータリー法や、シームレス法などの公知の方法を採用することができる。
[適用]
本発明の液状組成物及び軟カプセル剤は、(A)メチルエフェドリン又はその塩、(B)プソイドエフェドリン又はその塩、(C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、ケトチフェン、又はそれらの塩、或いはこれらの組み合わせの投与が望まれている任意の疾患の治療のために用いることができ、例えば、気管支拡張、鼻づまりの改善、鼻汁分泌抑制等の用途に用いることができる。本発明の液状組成物及び軟カプセル剤は、例えば、内服用(経口投与用)に用いることができ、通常の液状組成物及び軟カプセル剤と同様の方法で、経口投与することができる。
本発明の内服組成物の投与量は、その形態、投与方法、投与目的及び当該組成物の投与対象者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではない。また、本発明の内服組成物の投与は、所望の投与量範囲内において、1日あたり単回で、又は数回に分けて行ってもよく、食前、食間、食後、又は食事と同時に投与されてもよい。なお、本明細書中の用語「投与」は、「服用」を包含することを意図して用いられる。
以下、本発明を実施例等に基づいて説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
以下の試験例においては、次の原料を用いた。
dl−メチルエフェドリン塩酸塩、メキタジン、フェキソフェナジン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、アゼラスチン塩酸塩及びd−クロルフェニラミンマレイン酸塩は、それぞれ第16改正日本薬局方の規格に、プソイドエフェドリン塩酸塩は、日本薬局方外医薬品規格の「塩酸プソイドエフェドリン」に適合するものである。
エメダスチンフマル酸塩は、エメダスチンフマル酸を98.5%以上含有するものであり、レボカバスチン塩酸塩は、レボカバスチン塩酸塩を98.5%以上含有するものである。
これらは、いずれも100Mesh pass品(粒子経150μm以下)である。
中鎖脂肪酸トリグリセリド、ダイズ油及びトウモロコシ油はそれぞれ医薬品添加物規格2003の規格に適合するものである。
試験例1
表1に記載の各成分を、記載量の5倍量ずつ秤りとって乳鉢に入れ、乳棒で均一に混和した。混和後速やかに1倍量分ずつを、それぞれのガラス容器に秤り入れ、キャップを閉めて、サンプルとした。
各サンプルを70℃で1日間、3日間、又は8日間保存した。保存後の各サンプルの状態を目視で観察した。保存後の各サンプルの写真を図1(1日間)、図2(3日間)及び図3(8日間)(図1〜3中、サンプルは、左から比較例1、比較例2、比較例3、比較例4、比較例5、比較例6、実施例1の順に配置されている。)に示す。
表中、数値の単位はmgである。
[結果]
成分(A)、成分(B)及び成分(C)のうち、成分(B)(プソイドエフェドリン塩酸塩)のみを含有するサンプル(比較例1)、成分(A)(dl−メチルエフェドリン塩酸塩)のみを含有するサンプル(比較例2)、及び成分(C)(メキタジン)のみを含有するサンプル(比較例3)では、70℃、1日間の保存後に、透明な分散媒の層が見られ、成分の沈殿が見られた。
また、成分(A)及び成分(B)のみを含有するサンプル(比較例4)、成分(B)及び成分(C)のみを含有するサンプル(比較例5)、並びに成分(A)及び成分(C)のみを含有するサンプル(比較例6)でも、70℃、1日間の保存後に、透明な分散媒の層が見られ、成分の沈殿が見られた。
これに対して、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の全てを含有するサンプル(実施例1)は、70℃、1日間の保存後でも、一様に白濁しており、中鎖脂肪酸トリグリセリド中における分散性が極めて高いことが明らかとなった。しかも、比較例1〜6のサンプルのいずれも保存期間が長くなるにつれて透明な分散媒の層が増加したのに対して、実施例1のサンプルでは、8日間の極めて長期に渡って沈殿が抑制され、分散状態が保持された。
なお、70℃での1日間、3日間及び8日間の保存は、それぞれ25℃での4.5ヶ月間、13ヶ月間、及び3年間の保存に相当する。
試験例2
表2の処方に従い、試験例1と同様の方法でサンプルを調製し、保存試験(70℃で、1日間、3日間、又は8日間)を行って、成分(C)の量による影響を調べた。保存後の各サンプルの写真を図4(1日間)及び図5(8日間)(図4〜5中、サンプルは、左から比較例4、実施例2、実施例1、実施例3の順に配置されている。)に示す。
表中、数値の単位はmgである。
[結果]
成分(C)の量が、実施例1における量の半量(実施例2)、又は10倍量(実施例3)であっても、実施例1と同様に、8日間の極めて長期に渡って沈殿が抑制され、分散状態が保持された。
試験例3
表3の処方に従い、試験例1と同様の方法でサンプルを調製し、保存試験(70℃で1日間、3日間、又は8日間)を行い、成分(C)としてフェキソフェナジン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、アゼラスチン塩酸塩、レボカバスチン塩酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いた場合での効果を調べた。保存後の各サンプルの写真を図6(8日間)(図6中、サンプルは、左から比較例4、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、比較例5の順に配置されている。)に示す。また、70℃で1日間、3日間保存後の比較例5の写真を図7(図7中、サンプルは、左から70℃で1日間、3日間の順に配置されている。)に示す。
表中、数値の単位はmgである。
[結果]
成分(A)及び成分(B)と共に、成分(C)としてフェキソフェナジン塩酸塩(実施例4)、エメダスチンフマル酸塩(実施例5)、ケトチフェンフマル酸塩(実施例6)、アゼラスチン塩酸塩(実施例7)又はレボカバスチン塩酸塩(実施例8)をそれぞれ含有する各サンプルにおいては、成分(C)としてメキタジンを用いた場合(実施例3)と同様に、70℃、8日間の保存後まで、一様に白濁しており、中鎖脂肪酸トリグリセリド中における分散性が高く、かつ長期に渡り、沈殿が抑制され、分散された状態が保持されることが明らかとなった。
これに対して、成分(A)及び成分(B)と共に、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有するサンプル(比較例5)においては、70℃1日間の保存後において、成分(A)及び成分(B)のみを含有するサンプル(比較例4)と同様に、透明な分散媒の層が見られ、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩によっては、中鎖脂肪酸トリグリセリド中において成分(A)及び成分(B)は沈殿が抑制されず、分散の保持がされないことが明らかとなった。
従って、中鎖脂肪酸トリグリセリド中において成分(A)及び成分(B)と共に、特定の成分(C)を含有することにより、極めて長期に渡って沈殿が抑制され、分散状態が保持さることが明らかとなった。
試験例4
表4及び5の処方に従い、試験例1と同様の方法でサンプルを調製し、保存試験(70℃で1日間、3日間、又は8日間)を行い、ダイズ油及びトウモロコシ油が分散媒である場合の効果を調べた。
8日間保存後の各サンプルの写真を図8(図8中、サンプルは、左から比較例6、実施例9、実施例10、実施例11の順に配置されている。)及び図9(図9中、サンプルは、左から比較例7、実施例12、実施例13、実施例14の順に配置されている。)に示す。
*表中、数値の単位はmgである。
*表中、数値の単位はmgである。
保存後のサンプルの目視により、実施例1〜3の中鎖脂肪酸トリグリセリドの代りにダイズ油及びトウモロコシ油を分散媒として含有するサンプルにおいても、中鎖脂肪酸トリグリセリドの場合と同様に一様に白濁し、ダイズ油及びトウモロコシ油中における分散性が高いことが明らかとなった(実施例9〜14)。
従って、疎水性分散媒中において成分(A)及び成分(B)と共に、特定の成分(C)を含有することにより、極めて長期に渡って沈殿が抑制され、分散状態が保持さることが明らかとなった。
試験例5(分析試験)
実施例1の処方で、dl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩が分散していることを確認するために、70℃8日間保存後の比較例4及び実施例1において、それぞれの上部(液面から5分の1部分)及び下部(底面から5分の1部分)を50μLずつとり、常法によりdl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩の定量を行い、dl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩の分布を確認した。
その結果のグラフを図10及び図11に示す。
これにより、実施例1のサンプルにおいてdl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩が一様に分散していることが明らかとなった。
試験例6(分析試験)
試験例3の処方で、dl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩が分散していることを確認するために、70℃8日間保存後の比較例4及び実施例4において、試験例5と同様に試験を行い、dl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩の分布を確認した。
その結果のグラフを図12及び図13に示す。
これにより、実施例4のサンプルにおいても、dl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩が一様に分散していることが明らかとなった。
表6〜9に示す組成を有する液状組成物(実施例15〜47)を常法により調製した。
*表中数値の単位はmgである。
*表中数値の単位はmgである。
*表中数値の単位はmgである。
実施例15〜47の液状組成物を、それぞれ軟カプセル剤皮(ゼラチン剤皮)に常法により充填し、実施例48〜80の軟カプセル剤(表10〜13)を調製した。
*表中の重量は1カプセルあたりの重量である。
*表中の重量は1カプセルあたりの重量である。
*表中の重量は1カプセルあたりの重量である。
*表中の重量は1カプセルあたりの重量である。
本発明の液状組成物は、疎水性分散媒中に(A)メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、(B)プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに(C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、及びケトチフェン、並びにそれらの塩からなる群より選択される1種以上が安定に分散しており、軟カプセル剤に、特に好適に適用できる。

Claims (6)

  1. (A)メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、
    (B)プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、
    (C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レ
    ボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、ケトチフェン、及びそれらの塩からなる群
    より選ばれる1種以上、
    並びに
    (D)プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド、及び植物油からなる群より選ばれる1種以上、
    を含有する、液状組成物。
  2. 前記成分(D)が、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシ油及びダイズ油からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の液状組成物。
  3. 前記成分(B)の総含有量が、前記液状組成物の総量に対して0.01〜30w/w%である、請求項1又は2に記載の液状組成物。
  4. 前記成分(A)1重量部に対して、前記成分(B)の総含有量が0.01〜15重量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液状組成物がカプセル剤皮に充填された軟カプセル剤。
  6. (A)メチルエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、
    (B)プソイドエフェドリン及びその塩からなる群より選択される1種以上、並びに
    (C)メキタジン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、エメダスチン、レボカバスチン、エピナスチン、アゼラスチン、ケトチフェン、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を、
    (D)プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド、及び植物油からなる群より選ばれる1種以上を含む液体組成物に含有させることを特徴とする、前記液体組成物に、前記成分(A)及び前記成分(B)の分散性を改善する作用を付与する方法。
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