JP2022552807A - 金属コーティングされた光ファイバおよびその製造の方法 - Google Patents

金属コーティングされた光ファイバおよびその製造の方法 Download PDF

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Abstract

光ファイバ(100)は、コア(110);コア(110)を囲むクラッディング(120);クラッディング(120)を囲み、そして少なくとも500℃の融点を有する貴金属を含む一次金属コーティング(130);および一次コーティング(130)を囲み、一次金属コーティング(130)の融点よりも高い融点を有する二次金属コーティング(140)、ここで一次金属コーティングの厚さが二次金属コーティングの厚さよりも大きい、を含む。【選択図】図1

Description

関連出願への相互参照
本願は、2019年10月2日に出願された米国非仮特許出願第16/590,782号の利益および優先権を主張し、これは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態において、本発明は、一般に、光ファイバ、より具体的には、金属コーティングを備えた光ファイバに関する。
信号が光ファイバを通過するときに失われる光の量(光の「減衰」)は、光ファイバの有用性の中心となる。減衰が小さいほど、光ファイバは長距離または曲がりに敏感な用途により有用である。しかしながら、信号の減衰は、特に熱サイクル後の金属コーティングされた光ファイバで一般的である。具体的には、金属の熱膨張係数がガラスの熱膨張係数よりもはるかに高く、金属の非弾性変形によってファイバにマイクロベンドが発生するため、光ファイバは熱サイクル後の信号減衰の大幅な増加を示すことがあり得る。さらに金属コーティングされた光ファイバは保護金属チューブに冷間溶接することができ、これも保護金属チューブの膨張/収縮による光ファイバ内の減衰を増加させる。さらに、チューブ内に複数の金属コーティングされたファイバが存在する場合、金属コーティングされたファイバは互いに冷間溶接することができ、光ファイバ内の減衰をさらに増加させる。
金属コーティングされたファイバの冷間溶接のこの問題を軽減するための様々な解決策が提案されている。たとえば、1つの解決策は、金属コーティングされた光ファイバを銅金属の層でコーティングすることを含む。しかしながら、銅は容易に酸化する腐食しやすい金属である。銅などの酸化された金属はもろくて容易に壊れやすく、その結果、もろくて壊れやすい光ファイバコーティングとなる。代替解決策には、金属コーティングされた光ファイバを金などの耐酸化性金属層でコーティングすることが含まれる。しかしながら、金でコーティングされた光ファイバの周囲に金属チューブを配置すると、加熱時に金のコーティングがチューブに付着しやすくなり、光ファイバ内でさらに減衰が生じることになる。いくつかの解決策では、チューブに封入する前に、金属でコーティングされた光ファイバを粉末(例えば、タルク粉末)でコーティングすることにより、周囲のチューブに金が付着するというこの問題の回避を試みている。しかしながら、この解決策は初歩的なものであり、粉末が簡単に移動できるため、効果がない場合がある。
したがって、熱サイクル中の金属コーティングされた光ファイバの冷間溶接を低減または排除し、そして金属コーティングされた光ファイバにおける冷間溶接によって誘発される減衰を低減するための改善された解決策が必要である。
一態様では、本発明の実施形態は、中心軸を有するコアを含む光ファイバに関し、ここでコアはシリカベースのガラスを含みそして屈折率を有する。クラッディング領域はコアを囲み、ここでクラッディングはシリカベースのガラスを含み、コアの屈折率よりも低い屈折率を有する。一次金属コーティングはクラッディングを囲み、ここで一次金属コーティングが少なくとも500℃の融点を有する貴金属を含み、そして二次金属コーティングは一次金属コーティングを囲み、ここで二次金属コーティングが一次金属コーティングの融点よりも高い融点を有する。一次金属コーティングの厚さは、二次金属コーティングの厚さよりも大きい。
以下の特徴の1つまたは複数が含まれ得る。一次金属コーティングは、0.5ミクロンから45ミクロン、例えば、0.5ミクロンから30ミクロンの範囲から選択される厚さを有し得る。
二次金属コーティングは、0.005ミクロンから2ミクロンの範囲から選択される厚さを有し得る。二次金属コーティングは、少なくとも900℃の融点を有し得る。
二次金属コーティングは多孔性であり得る。
貴金属は、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、および/またはそれらの任意の合金を含み得る。
二次金属コーティングは、少なくとも60重量%の貴金属またはその任意の合金を含む金属を含み得る。
一次金属コーティングは、550MPaまたはそれ未満のビッカース硬度を有し得る。
二次金属コーティングは、220MPaを超えるビッカース硬度を有し得る。
二次金属コーティングは、リンと合金化された金属を含み得る。それは、タングステン合金および/または金属酸化物を含み得る。
二次金属コーティングは、20℃で10%未満の一次金属コーティングへの溶解度を有し得る。チューブは二次金属コーティングを囲んでもよい。別の態様では、本発明の実施形態は、光ファイバを製造するための方法に関し、この方法は、コア、クラッディング、およびクラッディングを囲む一次金属コーティングを含む光ファイバを、二次金属のイオンを含む溶液に配置することを含み、ここで溶液は光ファイバの一次金属コーティングに接触し、そして二次金属の融点は一次金属の融点よりも高い。二次金属のイオンを含む溶液から光ファイバの一次金属コーティングに電流が供給され、それによって二次金属のイオンが一次金属コーティング上に電着して、一次金属コーティングを囲む二次金属コーティングを形成する。コアはシリカベースのガラスを含み、そして屈折率を有する。クラッディングはシリカベースのガラスを含み、そしてコアの屈折率よりも低い屈折率を有する。一次金属コーティングは、少なくとも500℃の融点を有する貴金属を含む。二次金属コーティングは、一次金属コーティングの融点よりも高い融点を有する。一次金属コーティングの厚さは、二次金属コーティングの厚さよりも大きい。
1つまたは複数の以下の特徴が含まれ得る。一次金属コーティングは、0.5ミクロンから45ミクロン、例えば、0.5ミクロンから30ミクロンの選択された厚さを有し得る。二次金属コーティングは、0.005ミクロンから2ミクロンの厚さを有し得る。二次金属コーティングは、少なくとも900℃の融点を有し得る。
二次金属コーティングは、少なくとも60重量%の貴金属またはその任意の合金を含む金属を含み得る。
本発明の実施形態のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の記載および付随する図面に関してよりよく理解されるようになるであろう。
図1は、本発明の実施形態による光ファイバの断面を示している。
図2は、本発明の実施形態による光ファイバの断面を示している。
図3は、本発明の実施形態による光ファイバの断面を示している。
図4は、本発明の実施形態による光ファイバの断面を示している。
図5は、本発明の実施形態による、金の一次金属コーティングおよびルテニウムの二次金属コーティングを含む第1の光ファイバの減衰を、金の一次金属コーティングを含み、二次金属コーティングを含まない第2の光ファイバの減衰と比較するグラフを示している。
これらの図は、例示のみを目的として、本発明の様々な実施形態を示している。当業者であれば、以下の詳解から、本明細書に記載の本発明の実施形態の原理から逸脱することなく、本明細書に示す構造および方法の代替の実施形態を使用できることを容易に認識するであろう。
本発明の実施形態は、光ファイバの減衰を低減するように構成された、2つの金属コーティングを有する光ファイバを含む。特に、図1に示されるように、本発明の実施形態による光ファイバ100は、コア110、コア110を囲むクラッディング120、クラッディング120を囲む一次金属コーティング130、および一次金属コーティングを囲む二次金属コーティング140を含む。光ファイバ100の減衰は、一次金属コーティング130への拡散性が低くなり、同時にまた温度の著しい変化にもかかわらず冷間溶接を防止するように二次金属コーティング140の材料を選択することよって低減される。したがって光ファイバ100は、その中の減衰を低減するように構成される。
光ファイバ100のこれらの構成要素のそれぞれについて、以下で順に説明する。図2から4に関して以下でさらに詳細に説明される特定の実施形態では、光ファイバは、1つまたは複数の炭素層およびシード層をさらに含むことができる。
コア110、クラッディング120、一次金属コーティング130、および二次金属コーティング140を含む、図1に示される光ファイバ100の断面は、直径Dを有する。いくつかの実施形態では、光ファイバ100の断面の直径Dは、110μmから220μm、例えば、129μmから160μmの範囲である。
最初に光ファイバ100のコア110に向けると、コア110は、光ファイバ100の断面に直交する中心軸を有する。コア110の中心軸は、光ファイバ100の長さ(図示せず)に沿って延びる。コア110は、シリカベースのガラス、例えば、ゲルマノシリケートを含み、そして1から2、例えば、1.4から1.6、または例えば、1.467の範囲から選択される屈折率を有する。
コア110は、Dの直径を有する。いくつかの実施形態では、コア110の直径Dは、4μmから100μm、例えば、20μmから80μmの範囲から選択される。
クラッディング120は、コア110を囲む。コア110と同様に、クラッディング120は、シリカベースのガラスを含み、そして屈折率を有する。しかしながら、コア内に光を閉じ込め、そして光ファイバ100内の減衰を減らすのを助けるために、クラッディング120の屈折率は、コア110の屈折率よりも小さい。例えば、クラッディング120は、フッ素でドープされたシリカを含み得、そして1から2、例えば、1.4から1.6、または例えば、1.452の範囲から選択される屈折率を有し得る。
コア110およびクラッディング120は、Dの合計直径を有し得る。いくつかの実施形態では、コア110とクラッディング120の合計直径Dは、通常、40μmから200μmの範囲である。
一次金属コーティング130は、クラッディング120を囲み、少なくとも500℃の融点を有する貴金属を含む。適切な貴金属には、例えば、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、またはそれらの任意の合金が含まれる。
非貴金属とは対照的に、貴金属から光ファイバ100の一次金属コーティング130を形成することには多くの利点がある。第一に、アルミニウムや銅などの非貴金属とは異なり、貴金属は反応性が低く、したがって酸化反応などのメカニズムによる腐食の影響を受けにくい。さらに、貴金属は非貴金属よりも脆くなく、貴金属から一次金属コーティング130をより容易に形成することを可能にし、貴金属から作られた一次金属コーティング130をより壊れにくくする。具体的には、いくつかの実施形態では、一次金属コーティング130は、550MPa未満、例えば、220MPaまたはそれ未満のビッカース硬度を有する金属であり得る。このようなビッカース硬度の材料を使用する利点は、光ファイバのガラス部分にかかる機械的応力を低減することである。さらなる実施形態では、一次金属コーティング130は、40%またはそれを超える延性を有する金属であり得る。この延性は、タイトなコイルに包まれたときにコーティングの機械的完全性を維持するため、有利であり得る。
貴金属から一次金属コーティング130を形成することによって得られる利点に加えて、少なくとも500℃の融点を有する金属から一次金属コーティング130を形成することにはさらなる利点がある。具体的には、少なくとも500℃の融点を有する金属から一次金属コーティング130を形成することにより、光ファイバ100は、光ファイバ100の過度の相互拡散を経験することなく、最大500℃の条件で動作することができる。そのような高温での相互拡散に対するこの抵抗は、光ファイバ100の減衰の低減をさらに可能にする。
いくつかの実施形態では、一次金属コーティング130は、光ファイバ100の減衰をさらに低減するための追加の特徴を含むことができる。例えば、特定の実施形態では、一次金属コーティング130は、0.5から45ミクロン、例えば、0.5から30ミクロンの範囲から選択される厚さを有する。このような厚さでは、一次金属コーティング130は、光ファイバ100のコア110およびクラッディング120をカプセル化および保護するのに十分な厚さであるが、機械的応力の結果として光ファイバ100の減衰の増加を回避するのに十分な薄さである。
いくつかの追加の実施形態では、熱サイクル中の光ファイバ100の減衰をさらに低減するために、一次金属コーティング130は、25x10-6-1未満の熱膨張係数を有することができる。そのような膨張係数により、一次金属コーティング130は、熱サイクル中の大幅な膨張および圧縮を低減し、加熱および冷却の結果としての光ファイバ100の減衰を低減する。
二次金属コーティング140は、一次金属コーティング130を囲み、そして一次金属コーティング130の融点よりも高い融点を有する金属である。さらに二次金属コーティング140は、一次金属コーティング130の厚さよりも薄い厚さを有する。
二次金属コーティング140は、光ファイバ100の減衰をさらに低減するのに役立つ。具体的には、一次金属コーティング130の融点に比べてより高い融点を有する二次金属コーティング140は、他の金属コーティングされたファイバまたはそれを囲む保護チューブに冷間溶接せず、そして熱処理中に一次金属コーティング130に拡散しない。例えば、いくつかの実施形態では、二次金属コーティング140は、少なくとも900℃の融点を有する金属であり得る。結果として、二次金属コーティング140は、一次金属コーティング130またはクラッディング120に容易に拡散せず、それにより、光ファイバ100の減衰を低減するのに役立つ。
一次金属コーティング130よりも二次金属コーティング140を薄くすることは、単なる設計上の選択ではない。むしろ、二次金属コーティング140は、一次金属コーティングとその下のガラスの両方への機械的応力を低減するために、好ましくは一次金属コーティングよりも薄い。
いくつかの実施形態では、光ファイバ100は、二次金属コーティング140を囲む外部チューブ(図示せず)をさらに含むことができる。上記のように、一次金属コーティング130と比較して、二次金属コーティング140は、そのより高い融点のために、熱サイクル中に容易に冷間溶接または拡散しない。したがって、二次金属コーティング140は、それが外側コーティングである場合の一次金属コーティングのように、チューブに容易に付着せず、したがって、二次金属コーティングの存在は、同様に、外部チューブを備えた実施形態における光ファイバ100の減衰を低減する。
いくつかの実施形態では、二次金属コーティング140は、付着をさらに低減し、それによって光ファイバ100の減衰を低減するための追加の特徴を含むことができる。例えば、特定の実施形態では、二次金属コーティング140は、0.005ミクロンから2ミクロンの範囲から選択される厚さを有する。この範囲内の特定の厚さの値では、二次金属コーティング140は多孔性であり得る。多孔性は、95%またはそれ未満、例えば、50%またはそれ未満であり得る。
さらなる実施形態では、一次金属コーティング130の厚さ対二次金属コーティング140の厚さの比は、50:1またはそれを超える、例えば、100:1またはそれを超える、または200:1またはそれを超えるであり得る。そのような厚さでは、二次金属コーティング140は、一次金属コーティング130に対するバリアとして機能するのに十分な厚さであるが、冷間溶接を防ぎ、一次金属コーティングおよびガラスへの応力を低減するのに十分に薄い。
二次金属コーティング140を形成する金属はまた、光ファイバ100の減衰を低減するように選択することができる。例えば、二次金属コーティング140を形成する金属は、腐食に耐性があるように、および/または延性があり、破壊に耐性があるように選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、二次金属コーティング140は、少なくとも60重量%の貴金属またはその任意の合金を含む金属であり得る。上記のように、非貴金属と比較して貴金属は反応性が低く、したがって酸化反応などのメカニズムによる腐食の影響を受けにくい。さらに、貴金属は非貴金属よりも脆くなく、貴金属からの二次金属コーティング140の形成を容易にし、貴金属から作られた二次金属コーティング140をより壊れにくくする。具体的には、いくつかの実施形態では、二次金属コーティング140は、220MPaを超える、例えば550MPaを超えるビッカース硬度を有する金属であり得る。二次金属コーティング140の硬度は、好ましくは、一次金属コーティング130の硬度よりも大きい。このようなビッカース硬度の材料を使用する利点は、下にある一次金属コーティングを保護することである。さらなる実施形態では、二次金属コーティング140は、30%を超える、例えば、40%を超える延性を有する金属であり得る。
腐食および機械的破損に耐性があることに加えて、二次金属コーティング140を形成する金属はまた、一次金属コーティング130との溶解度に基づいて選択することができる。上記のように、二次金属コーティング140の一次金属コーティング130への拡散は、光ファイバ100の減衰を増加させることがあり得る。したがって、いくつかの実施形態では、二次金属コーティング140を形成する金属は、一次金属コーティング130を形成する金属に低い溶解度を有するように選択することができる。例えば、金が一次金属コーティング130である実施形態では、ニッケルは高い融点を有するが、ニッケルは金との高い溶解性も有し、したがって容易に金に拡散できることから、ニッケルは二次金属コーティング140として選択されないことがあり得る。特定の実施形態では、二次金属コーティングは、20℃で10%未満の一次金属コーティングへの溶解度を有することがあり得る。
いくつかの追加の実施形態では、光ファイバ100の減衰をさらに低減するために、二次金属コーティング140は、25x10-6-1未満の膨張係数を有し得る。いくつかのさらなる実施形態では、一次金属コーティング130の熱膨張係数対二次金属コーティング140の熱膨張係数の比は、例えば、1対3未満、例えば、0.5:3またはそれ未満であり得る。そのような膨張係数により、二次金属コーティング140は、熱サイクル中に最小限の膨張および圧縮を経験し、加熱および冷却の結果としての光ファイバ100の減衰の増加を回避する。
代替の実施形態では、二次金属コーティング140は、リンと合金化された金属、タングステン合金、または金属酸化物であり得る。これらの材料から二次金属コーティング140を形成することの利点は、耐摩耗性が追加され、一次金属コーティングへの拡散に対する抵抗が増加することである。
上記のように、特定の実施形態では、光ファイバは、任意選択で、1つまたは複数の炭素層およびシード層を含むことができる。図2は、本発明の実施形態による光ファイバ200の断面を示している。光ファイバ200は、一次金属コーティング230への拡散性が低い二次金属コーティング240を有することによって光ファイバ200内の減衰を低減し、同時にまた温度の著しい変化にもかかわらず光ファイバ200の冷間溶接を防止するように構成される。したがって、光ファイバ200は、その中の減衰を低減するように構成される。
光ファイバ200は、図1に関して上述したように、コア210、クラッディング220、一次金属コーティング230、および二次金属コーティング240を含む。しかしながら、図1の光ファイバ100とは異なり、図2の光ファイバ200は、光ファイバ200のクラッディング220と一次金属コーティング230との間に堆積された炭素層250をさらに含む。炭素層250は、炭素の薄層であり、光ファイバ200の任意選択の構成要素である。炭素層250は、無電解堆積を促進し、水の侵入を防止するという追加の利点を提供し得る。炭素層は、50オングストローム(5nm)から150オングストローム(15nm)、例えば、100オングストローム(10nm)の厚さを有し得る。
図3は、本発明の実施形態による光ファイバ300の断面を示している。光ファイバ300は、一次金属コーティング330への拡散に抵抗する二次金属コーティング340を有することによって光ファイバ300内の減衰を低減し、同時にまた温度の著しい変化にもかかわらず光ファイバ300の冷間溶接を防止するように構成される。したがって、光ファイバ300は、その減衰を低減するように構成される。
光ファイバ300は、図1に関して上述したように、コア310、クラッディング320、一次金属コーティング330、および二次金属コーティング340を含む。しかしながら、図1の光ファイバ100とは異なり、図3の光ファイバ300は、 光ファイバ300のクラッディング320と一次金属コーティング330との間に堆積されたシード層360をさらに含む。シード層360は、パラジウムの薄層であってよく、光ファイバ300の任意選択の構成要素である。シード層360は、ファイバを電気めっきすることを可能にするという追加の利点を提供し得る。シード層は、1μm未満、例えば、0.5μmの厚さを有し得る。パラジウムは、無電解堆積を使用して一般的に堆積される貴金属であるため、シード層に特に適した材料である。シード層に適した他の材料は、銀および金である。
図4は、本発明の実施形態による光ファイバ400の断面を示している。光ファイバ400は、一次金属コーティング430への拡散に抵抗する二次金属コーティング440を有することによって光ファイバ400の減衰を低減し、同時にまた温度の著しい変化にもかかわらず光ファイバ400の冷間溶接を防止するように構成される。したがって、光ファイバ400は、その減衰を低減するように構成される。
光ファイバ400は、図1に関して上述したように、コア410、クラッディング420、一次金属コーティング430、および二次金属コーティング440を含む。しかしながら、図1の光ファイバ100とは異なり、図4の光ファイバ400は、 光ファイバ400のクラッディング420と一次金属コーティング430との間に堆積された炭素層455およびシード層460をさらに含む。炭素層およびシード層455、460は、光ファイバ400の任意選択の構成要素である。炭素層455は、クラッディング420を囲む炭素の薄層である。シード層460は、炭素層455を囲むパラジウム、銀、または金の薄層である。上述したように、炭素層455は、無電解堆積を促進し、水の侵入を防ぎ、同時にシード層460は、ファイバの電気めっきを可能にする。
本明細書に開示された光ファイバの構造に加えて、これらの光ファイバを形成する方法も本明細書に開示される。特に、一次金属コーティングを光ファイバに適用する方法、および二次金属コーティングを光ファイバの一次金属コーティングに適用する方法が本明細書に開示されている。光ファイバの一次金属コーティングは、当業者に知られている任意の方法に従って形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、一次金属コーティングは、電着を介して光ファイバのコアおよびクラッディング上に形成することができる。代替の実施形態では、一次金属コーティングは、凝固、すなわち、溶融/固化を介して形成することができる。
一次金属コーティングと同様に、二次金属コーティングも、当業者に知られている任意の適切な方法に従って、光ファイバの一次金属コーティング上に形成することができる。好ましい実施形態では、二次金属コーティングは、電着を介して一次金属コーティング上に形成される。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Miyamotoらの米国特許第10,126,493号「Method andapparatus for fabrication of metal-coated optical fiber, and the resultingoptical fiber」を参照されたい。具体的には、好ましい実施形態では、二次金属コーティングは、コア、クラッディング、およびクラッディングを囲む一次金属コーティングを含む光ファイバを、二次金属のイオンを含む溶液に、イオン溶液が光ファイバの一次金属コーティングに接触するように配置することによって、光ファイバの一次金属コーティングに適用される。次に、イオン性溶液が光ファイバの一次金属コーティングと接触したままである間に、電流が二次金属のイオンを含む溶液から光ファイバの一次金属コーティングに供給される。この供給された電流により、二次金属のイオンが光ファイバを囲む一次金属コーティング上に電着され、それによって一次金属コーティングを囲む二次金属コーティングを形成する。
図1に関して上述したように、いくつかの実施形態では、二次金属コーティングを形成する二次金属の融点は、一次金属コーティングを形成する一次金属の融点よりも高い。例えば、特定の実施形態では、一次金属コーティングは、少なくとも500℃の融点を有することができ、二次金属コーティングは、少なくとも900℃の融点を有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、光ファイバの一次金属コーティングの厚さは、電着によって一次金属コーティングの周りに形成される二次金属コーティングの厚さよりも大きい。例えば、特定の実施形態では、一次金属コーティングは、0.5から45ミクロン、例えば、0.5から30ミクロンの範囲から選択される厚さを有することができ、二次金属コーティングは、0.005ミクロンから2ミクロンの範囲から選択される厚さを有することができる。さらに、特定の実施形態では、一次金属コーティングは貴金属であり得、二次金属コーティングは、少なくとも60重量%の貴金属またはその任意の合金を含む金属であり得る。
電着を介して光ファイバの二次金属コーティングを形成することは、光ファイバの減衰を低減するための光ファイバを形成する従来の方法に比べて多くの利点を提供する。例えば、一次金属コーティング上に二次金属コーティングを電着させることによって、光ファイバの摩擦によって誘発される減衰を低減するために、光ファイバのコア/クラッディングを粉末(例えば、タルク粉末)でコーティングする方法とは対照的に、二次金属コーティングは光ファイバの一体化した構成要素になり、そして簡単に移動することはできない。さらに、一次金属コーティングの形成も電着によって達成される特定の実施形態では、光ファイバの一次金属コーティングおよび二次金属コーティングは、同じ方法に従って連続して構築することができ、それによって光ファイバのシームレスな製造を可能にする。光ファイバのそのようなシームレスな製造は、複数のばらばらの製造ステップおよび過度の取り扱いで発生する可能性が高いエラーの機会を低減する。
上記のように、図1-4に示される光ファイバの各実施形態は、一次金属コーティングへの拡散に抵抗する二次金属コーティングを有することによって光ファイバの減衰を低減し、同時にまた温度の著しい変化にもかかわらず光ファイバの冷間溶接を防ぐように構成される。光ファイバの二次金属コーティングは、光ファイバの減衰でのこの低減に重要である。図5は、光ファイバの減衰低減における二次金属コーティングのこの重要性の証拠を提供している。具体的には、図5は、金の一次金属コーティングおよびルテニウムの二次金属コーティング(本発明の実施形態による)を含む第1の光ファイバの減衰510を、金の一次金属コーティングを含み、二次金属コーティングを含まない第2の光ファイバの減衰520と比較するグラフ500を示している。図5に示されるように、第1および第2の光ファイバの減衰は、周囲温度から500℃までの範囲の温度530で10日間にわたって比較される。
図5に示すように、光ファイバの温度が10日間の8-10日の間に約500℃から周囲温度に低下すると、金の一次金属コーティングのみを含むが二次金属コーティングを含まない第2の光ファイバの減衰520が劇的に増加する。対照的に、光ファイバの温度が10日間の8-10日の間に約500℃から周囲温度に低下すると、金の一次金属コーティングとルテニウムの二次金属コーティングの両方を含む第1の光ファイバの減衰510は、劇的に増加するのではなく、むしろ予想どおり一定の割合で徐々に増加し続ける。したがって、グラフ500は、温度の著しい変化を通して光ファイバの減衰を低減する上での光ファイバの二次金属コーティングの重要性を示している。
図1に関して上述したように、光ファイバの多くの可能な仕様が本明細書に提供されている。これらの光ファイバ仕様をさらにサポートするため、ここで説明される仕様に従って製造された光ファイバの明示的な例が提供される。具体的には、光ファイバの7つの別個の例が本明細書で提供される。
本明細書で説明される仕様に従って製造された第1の例示的な光ファイバは、直径131μm、0.2の開口数(NA)を有し、直径50μmのグレーデッドインデックスコア、厚さ37.5μmのクラッディング、厚さ3μmの金の一次金属コーティング、および厚さ150オングストローム(15nm)のルテニウムの二次金属コーティングを含むマルチモード光ファイバである。
本明細書で説明される仕様に従って製造された第2の例示的な光ファイバは、直径131μm、0.12NAを有し、そして直径9μmのステップインデックスコア、58μmの厚さのクラッディング、3μmの厚さの金の一次金属コーティング、および150オングストローム(15nm)の厚さのルテニウムの二次金属コーティングを含むシングルモード光ファイバである。
本明細書で説明される仕様に従って製造された第3の例示的な光ファイバは、155μmの直径、0.2NAを有し、そして直径50μmのグレーデッドインデックスコア、厚さ37.5μmのクラッディング、厚さ15μmの金の一次金属コーティング、および厚さ150オングストローム(15nm)のルテニウムの二次金属コーティングを含むマルチモード光ファイバである。
本明細書で説明される仕様に従って製造された第4の例示的な光ファイバは、直径260μm、0.2NAを有し、そして直径50μmのグレーデッドインデックスコア、75μmの厚さのクラッディング、30μmの厚さの金の一次金属コーティング、および150オングストローム(15nm)の厚さのルテニウムの二次金属コーティングを含むマルチモード光ファイバである。
本明細書で説明される仕様に従って製造された第5の例示的な光ファイバは、直径260μm、0.12NAを有し、そして直径9μmのステップインデックスコア、厚さ95.5μmのクラッディング、厚さ30μmの金の一次金属コーティング、および厚さ150オングストローム(15nm)のルテニウムの二次金属コーティングを含むシングルモード光ファイバである。
本明細書で説明される仕様に従って製造された第6の例示的な光ファイバは、直径260μm、0.22NAを有し、そして直径200μmのステップインデックスコア、厚さ10μmのクラッディング、厚さ20μmの金の一次金属コーティング、および厚さ150オングストローム(15nm)のルテニウムの二次金属コーティングを含むマルチモード光ファイバである。
本明細書で説明される仕様に従って製造された第7の例示的な光ファイバは、直径131μm、0.275NAを有し、そして直径62.5μmのグレーデッドインデックスコア、厚さ31.25μmのクラッディング、厚さ3μmの金の一次金属コーティング、および厚さ150オングストローム(15nm)のルテニウムの二次金属コーティングを含むマルチモード光ファイバである。
上記の例示的な光ファイバは、例示的な例のみを提供することを意図しており、本明細書に開示の光ファイバのすべての可能な実施形態を含むものではない。具体的には、本明細書で明示的に開示されていない代替の光ファイバ構成を、本開示を通して記載されている仕様に従って提供することができる。
追加の考慮事項
この開示を読めば、当業者であれば、本明細書に開示された原理を通じて、さらに追加の代替の構造的および機能的設計を理解するであろう。したがって、特定の実施形態および用途が図示および説明されてきたが、開示された実施形態は、本明細書に開示された正確な構造および構成要素に限定されないことが理解されるべきである。当業者には明らかとなる様々な修正、変更および変形は、添付の特許請求の範囲で定義される精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示の方法および装置の配置、操作および詳細において行うことができる。
本開示を読めば当業者には明らかであるように、本明細書に記載および図示された個々の実施形態のそれぞれは、本発明の実施形態の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離または組み合わせることができる別個の構成要素および特徴を有する。任意の記載された方法は、記載されたイベントの順序で、または論理的に可能な他の任意の順序で実行することができる。
本明細書で使用される場合、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載の特定の要素、特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一実施形態において」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの他の任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に明示的にリストされていない、または固有ではない他の要素を含むことができる。さらに、明示的に反対の記載がない限り、「または」は包括的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは、次のいずれかによって満たされる:Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)である、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在する)である、AとBの両方が真(または存在する)である。
最後に、「a」または「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素および構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜のために、そして本発明の実施形態の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むことが解されるべきであり、また、別を意味することが明らかでない限り、単数形には複数形も含まれる。

Claims (19)

  1. 中心軸を有するコア、ここでコアはシリカベースのガラスを含み、そして屈折率を有する;
    コアを囲むクラッディング領域、ここでクラッディングは、シリカベースのガラスを含み、そしてコアの屈折率よりも低い屈折率を有する;
    クラッディングを囲む一次金属コーティング、ここで一次金属コーティングは、少なくとも500℃の融点を有する貴金属を含む;および
    一次金属コーティングを囲む二次金属コーティング、ここで二次金属コーティングは一次金属コーティングの融点よりも高い融点を有する、
    ここで一次金属コーティングの厚さは、二次金属コーティングの厚さよりも大きい、
    を含む光ファイバ。
  2. 一次金属コーティングが、0.5ミクロンから45ミクロンの範囲から選択される厚さを有する、請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 二次金属コーティングが、0.005ミクロンから2ミクロンの範囲から選択される厚さを有する、請求項1に記載の光ファイバ。
  4. 二次金属コーティングが、少なくとも900℃の融点を有する、請求項1に記載の光ファイバ。
  5. 二次金属コーティングが多孔質である、請求項1に記載の光ファイバ。
  6. 貴金属が、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、またはそれらの任意の合金からなる群から選択される金属を含む、請求項1に記載の光ファイバ。
  7. 二次金属コーティングが、少なくとも60重量%の貴金属またはその任意の合金を含む金属を含む、請求項1に記載の光ファイバ。
  8. 一次金属コーティングが550MPaまたはそれ未満のビッカース硬度を有する、請求項1に記載の光ファイバ。
  9. 二次金属コーティングが220MPaを超えるビッカース硬度を有する、請求項1に記載の光ファイバ。
  10. 二次金属コーティングが、リンと合金化された金属を含む、請求項1に記載の光ファイバ。
  11. 二次金属コーティングがタングステン合金を含む、請求項1に記載の光ファイバ。
  12. 二次金属コーティングが金属酸化物を含む、請求項1に記載の光ファイバ。
  13. 二次金属コーティングが、20℃で10%未満の一次金属コーティングへの溶解度を有する、請求項1に記載の光ファイバ。
  14. 二次金属コーティングを囲むチューブをさらに含む、請求項1に記載の光ファイバ。
  15. 光ファイバを製造するための方法であって、
    二次金属のイオンを含む溶液中に、コア、クラッディング、およびクラッディングを囲む一次金属コーティングを含む光ファイバを配置すること、ここで溶液は光ファイバの一次金属コーティングに接触し、二次金属の融点は一次金属の融点よりも高い;および
    二次金属のイオンを含む溶液から光ファイバの一次金属コーティングに電流を供給し、それによって二次金属のイオンを一次金属コーティング上に電着させて、一次金属コーティングを囲む二次金属コーティングを形成すること、
    ここで(i)コアはシリカベースのガラスを含み、そして屈折率を有し、(ii)クラッディングはシリカベースのガラスを含み、そしてコアの屈折率よりも低い屈折率を有し、(iii)一次金属コーティングは、少なくとも500℃の融点を有する貴金属を含み、(iv)二次金属コーティングは、一次金属コーティングの融点よりも高い融点を有し、そして(v)一次金属コーティングの厚さは二次金属コーティングの厚さよりも大きい、
    を含む方法。
  16. 一次金属コーティングが、0.5ミクロンから45ミクロンの範囲から選択される厚さを有する、請求項15に記載の方法。
  17. 二次金属コーティングが、0.005ミクロンから2ミクロンの範囲から選択される厚さを有する、請求項15に記載の方法。
  18. 二次金属コーティングが少なくとも900℃の融点を有する、請求項15に記載の方法。
  19. 二次金属コーティングが、少なくとも60重量%の貴金属またはその任意の合金を含む金属を含む、請求項15に記載の方法。

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