本願は、無核細胞および/または無核細胞由来の小胞が、抗原、アジュバントまたは治療剤のうち1種または複数をローディングされている、および/またはこれらと混合されている、無核細胞由来の小胞(インプット無核細胞から調製された小胞等)を含む無核細胞、およびその組成物を提供する。本願はまた、本明細書に記載されている狭窄媒介性送達(SQZ)により無核細胞由来の小胞を生成する方法、およびその使用方法を提供する。本願は、本明細書に記載されている狭窄媒介性送達(SQZ)により生成された無核細胞由来の小胞を使用して、個体における免疫応答を刺激する方法ならびに疾患を処置および/または予防する方法をさらに提供する。
本願の開示は、少なくとも一部には、インプット無核細胞を狭窄媒介性送達(SQZ)によって処理して、無核細胞由来の小胞を生成することができるという知見に基づく。本願の開示はまた、少なくとも一部には、抗原(複数可)および/またはアジュバント(複数可)を有する無核細胞由来の小胞(無核細胞由来の小胞内に被包されているか否かにかかわらず)が、in vivo抗原特異的免疫応答を誘導することができるという知見に基づく。
本発明は、抗原および/またはアジュバントを無核細胞由来の小胞内に送達するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原および/またはアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原および/またはアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原および/またはアジュバントと共にインキュベートするステップとを含む方法を提供する。
本開示のある特定の態様は、個体における抗原に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、個体に、抗原を含む無核細胞由来の小胞を有効量投与するステップを含み、抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、撹乱されたインプット無核細胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法に関する。一部の実施形態では、アジュバントも無核細胞由来の小胞に送達される。他の実施形態では、アジュバントは、抗原を含む無核細胞由来の小胞と組み合わせて、個体に全身投与される。
ある特定の態様では、本発明は、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原および/またはアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原および/またはアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原および/またはアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された無核細胞由来の小胞を提供する。
ある特定の態様では、本発明は、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原および/またはアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原および/またはアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原および/またはアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含む方法を提供する。
一部の態様では、本願は、無核細胞由来の小胞が、抗原、アジュバントまたは免疫寛容原性因子のうちいずれか1種または複数等のペイロードをローディングされた、無核細胞由来の小胞(親無核細胞から調製された小胞等)およびその組成物を提供する。本願はまた、本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞の組成物を作製する方法、およびその使用方法を提供する。
本願の開示はまた、少なくとも一部には、抗原(複数可)および/またはアジュバント(複数可)等のペイロードを含む無核細胞由来の小胞を含む組成物が、in vivo抗原特異的免疫応答を誘導することができるという知見に基づく。本願の開示はまた、少なくとも一部には、抗原(複数可)および/またはアジュバント(複数可)をローディングされた無核細胞由来の小胞を含むより高用量の組成物が、より大きいin vivo抗原特異的免疫応答を誘導することができるという知見に基づく。さらに、本願の開示は、少なくとも一部には、組成物のアジュバント;無核細胞由来の小胞に被包された抗原等のペイロードの量;および/または無核細胞由来の小胞を含む組成物の投与に使用される投薬戦略に基づき、in vivo抗原特異的免疫応答をモジュレートすることができるという知見に基づく。本願の開示はまた、少なくとも一部には、複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物を能動的に調整して、1種または複数の選択特性を有する組成物内に、無核細胞由来の小胞の集団等の無核細胞由来の小胞を生成することができるという知見に基づく。その中に所望の量および/または特性の無核細胞由来の小胞を有する無核細胞由来の小胞の組成物の生成は、例えば、親無核細胞から無核細胞由来の小胞が調製される際に、調製パラメーターのうち1種または複数を調整することにより達成される。
よって、一部の態様では、親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうち1種または複数を有する無核細胞由来の小胞が本明細書に提供されている。
別の態様では、本明細書に記載されている複数のいずれかの無核細胞由来の小胞を含む組成物が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、組成物は、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうち1種または複数を有する。
別の態様では、本明細書に記載されている通り、アジュバントと混合された複数のいずれかの無核細胞を含む組成物が本明細書に提供されている。
別の態様では、本明細書に開示されている組成物を作製する方法、例えば、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物を作製するための方法であって、組成物が、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうち1種または複数を有し、方法が、親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液における親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きい親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成し、これにより、無核細胞由来の小胞を生成する、ステップを含む、方法が本明細書に提供されている。
別の態様では、本明細書に記載されている組成物のいずれかを使用するための方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、使用のための方法は、それを必要とする個体における疾患または障害を処置するための方法であって、本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかを投与するステップを含む方法である。一部の実施形態では、使用のための方法は、それを必要とする個体における疾患または障害を予防するための方法であって、本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかを投与するステップを含む方法である。
定義
本明細書を解釈する目的のため、次の定義が適用され、適切であれば常に、単数形で使用される用語は、複数形も含み、逆もまた同じであろう。下に示されるいずれかの定義が、参照により本明細書に組み込むいずれかの文書と矛盾する場合、示される定義が優先するものとする。
本明細書で使用される場合、単数形の形態「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、別段の指示がない限り、複数形の参照を含む。
用語「を含む(comprising)」、「を有する(having)」、「を含有する(containing)」および「を含む(including)」ならびに他の同様の形態、ならびにそれらの文法上の均等は、本明細書で使用される場合、意義において均等であることが意図され、また、これらの単語のうちいずれか1つの前にある項目(単数または複数)が、斯かる項目(単数または複数)の包括的リストであることを意味せず、収載されている項目(単数または複数)のみに限定されることも意味しないという点において、オープンエンドであることが意図される。例えば、成分A、BおよびC「を含む(comprising)」物品は、成分A、BおよびCからなる(すなわち、それのみを含有する)ことができる、または成分A、BおよびCのみならず、1種もしくは複数の他の成分も含有することができる。そのようなものとして、「を含む(comprises)」およびその同様の形態、ならびにそれらの文法上の均等が、「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」の実施形態の開示を含むことが意図および理解される。
値の範囲が提示される場合、当該範囲の上限と下限との間にある、文脈がそうでないことを明らかに指示しない限り下限値の単位で小数第1位まで刻んだ(to the tenth of the unit of the lower limit)介在する値のそれぞれ、および当該の記述されている範囲におけるいずれか他の記述されている値または介在する値が、本開示の内に包含され、記述されている範囲におけるいずれか特に除外された限界の対象となることが理解される。記述されている範囲が、限界の一方または両方を含む場合、これらの含まれた限界のいずれか一方または両方を除外した範囲も、本開示に含まれる。
用語「約」は、本明細書で使用される場合、本技術分野の当業者にとって容易に公知となるそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」ある値またはパラメーターの参照は、当該の値またはパラメーターそれ自体を対象にする実施形態を含む(およびこれを記載する)。例えば、「約X」を参照する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書で使用される場合、「無核細胞」は、核を欠く細胞を指す。斯かる細胞は、血小板、赤血球および網状赤血球等の赤血球細胞(RBC)を含むことができるがこれらに限定されない。網状赤血球は、典型的に人体の赤血球細胞の約1%を構成する、未成熟(例えば、未だ両凹でない)赤血球細胞である。網状赤血球もまた、無核である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているシステムおよび方法は、濃縮された(例えば、自然界で見出され得るものよりも大きい、総細胞集団パーセンテージを構成する)、精製されたまたは単離された(例えば、その天然の環境から、実質的に純粋なまたは均一な形態で)無核細胞(例えば、RBC、網状赤血球および/または血小板)集団の処置および/または処理に使用される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているシステムおよび方法は、RBC(例えば、赤血球または網状赤血球)、血小板や他の血球細胞を含有する全血の処置および/または処理に使用される。これらの細胞型の精製または濃縮は、密度勾配システム(例えば、フィコール・ハイパック)、蛍光励起細胞選別(FACS)、磁気細胞選別、または赤芽球および赤血球系前駆体のin vitro分化等の公知方法を使用して達成される。
用語「小胞」は、本明細書で使用される場合、脂質二重層によって封入された液体を含む構造を指す。一部の例では、脂質二重層は、天然に存在する脂質組成物から調達される。一部の例では、脂質二重層は、細胞膜から調達することができる。一部の例では、小胞は、細胞等の様々な種類の実体に由来することができる。斯かる例では、小胞は、起源となる実体由来の分子(細胞内タンパク質または膜成分等)を保持することができる。例えば、赤血球細胞に由来する小胞は、赤血球細胞および/または赤血球細胞の膜成分に存在した、いずれかの数の細胞内タンパク質を含有することができる。一部の例では、小胞は、所望のペイロードに加えて、細胞内にいずれかの数の分子を含有することができる。
本明細書で使用される場合、「ペイロード」は、無核細胞由来の小胞(例えば、RBC由来の小胞)内にローディングされている等、送達されている材料を指す。「ペイロード」、「カーゴ」、「送達材料」および「化合物」は、本明細書で互換的に使用される。一部の実施形態では、ペイロードは、タンパク質、小分子、核酸(例えば、RNAおよび/またはDNA)、脂質、炭水化物、巨大分子、ビタミン、ポリマー、蛍光色素およびフルオロフォア、カーボンナノチューブ、量子ドット、ナノ粒子、およびステロイドを指すことができる。一部の実施形態では、ペイロードは、タンパク質または小分子薬物を指すことができる。一部の実施形態では、ペイロードは、1種または複数の化合物を含むことができる。
用語「ポア」は、本明細書で使用される場合、材料内の孔、裂け目、空洞、開口部、割れ目、ギャップまたは穿孔を限定することなく含む、開口を指す。一部の例では、(指示があれば)、この用語は、本開示の表面内のポアを指す。他の例では、(指示があれば)、ポアは、細胞膜におけるポアを指すことができる。
用語「膜」は、本明細書で使用される場合、ポアを含有する選択的障壁またはシートを指す。この用語は、境界または裏打ちとして作用する柔軟なシート状構造を含む。一部の例では、この用語は、ポアを含有する表面またはフィルターを指す。この用語は、用語「細胞膜」とは別個のものである。
用語「フィルター」は、本明細書で使用される場合、ポアの選択的通過を可能にする多孔性の物品を指す。一部の例では、この用語は、ポアを含有する表面または膜を指す。
用語「異種」は、コード配列および制御配列等の核酸配列に関する場合、正常であれば繋ぎ合わされていない配列および/または正常であれば特定の細胞に関連しない配列を表示する。よって、核酸構築物またはベクターの「異種」領域は、別の核酸分子内に存在するまたはこれに取り付けられた核酸のセグメントであって、自然界ではその別の分子と会合した状態では見出されないセグメントである。例えば、核酸構築物の異種領域は、自然界ではコード配列と会合した状態では見出されない配列に隣接した、コード配列を含むことができる。異種コード配列の別の例は、コード配列それ自体が自然界では見出されない構築物である(例えば、ネイティブ遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)。同様に、正常であれば細胞に存在しない構築物により形質転換された細胞は、本発明の目的のために異種と考慮されるであろう。アレル変形形態または天然に存在する突然変異事象は、本明細書で使用される場合、異種DNAを生じない。
用語「異種」は、ペプチド配列およびポリペプチド配列等のアミノ酸配列に関する場合、正常であれば繋ぎ合わされていない配列および/または正常であれば特定の細胞に関連しない配列を表示する。よって、ペプチド配列の「異種」領域は、別のアミノ酸分子内に存在するまたはこれに取り付けられたアミノ酸のセグメントであって、自然界ではその別の分子と会合した状態では見出されないセグメントである。例えば、ペプチド構築物の異種領域は、自然界ではペプチドのアミノ酸配列と会合した状態では見出されない配列に隣接したペプチドのアミノ酸配列を含むことができる。異種ペプチド配列の別の例は、ペプチド配列それ自体が自然界では見出されない構築物である(例えば、コードされた場合に、ネイティブ遺伝子とは異なるアミノ酸を有する合成配列)。同様に、正常であれば細胞に存在しないアミノ酸構築物を発現するベクターにより形質転換された細胞は、本発明の目的のために異種と考慮されるであろう。アレル変形形態または天然に存在する突然変異事象は、本明細書で使用される場合、異種ペプチドを生じない。
用語「外因的」は、細胞に関して、抗原またはアジュバント等の薬剤を参照して使用される場合、細胞外間隙から(すなわち、細胞の外部から)送達された薬剤を指す。細胞は、薬剤が既に存在していても存在していなくてもよく、外因的薬剤が送達された後に、薬剤を産生しても産生しなくてもよい。
用語「相同」は、本明細書で使用される場合、同じ生物に由来する分子を指す。一部の例では、この用語は、所与の生物内に正常に見出されるまたは発現される核酸またはタンパク質を指す。
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のため、有益なまたは所望の臨床結果は、次のうち1種または複数を含むがこれらに限定されない:疾患に起因する1種もしくは複数の症状の軽減、疾患の程度の縮小、疾患の安定化(例えば、疾患の悪化の予防または遅延)、疾患の拡散(例えば、転移)の予防もしくは遅延、疾患の再発の予防もしくは遅延、疾患の進行の遅延もしくは緩徐化、病状の軽快、疾患の寛解(部分または全)をもたらすこと、疾患の処置に要求される1種もしくは複数の他の薬物療法の用量の減少、疾患の進行の遅延、クオリティ・オブ・ライフの増加もしくは改善、体重増の増加、および/または生存の延長。「処置」によって、がんの病理学的帰結(例えば、腫瘍体積等)の低減も包含される。本発明の方法は、処置のこれらの態様のうちいずれか1種または複数を企図する。
本明細書で使用される場合、用語「モジュレートする」は、特定の標的の存在または活性を変化、変更、変動または他の仕方で修飾する行為を指すことができる。例えば、免疫応答のモジュレートは、免疫応答の変化、変更、変動または他の仕方での修飾をもたらすいずれかの行為を指すことができる。他の例では、核酸の発現のモジュレートは、核酸の転写の変化、mRNA存在量の変化(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の対応する変化、mRNA翻訳の変化、その他を含むことができるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「阻害する」は、特定の標的の存在または活性を遮断、低減、排除または他の仕方で拮抗する行為を指すことができる。阻害は、部分的阻害または完全阻害を指すことができる。例えば、免疫応答の阻害は、免疫応答の遮断、低減、排除または他のいずれかの拮抗作用をもたらすいずれかの行為を指すことができる。他の例では、核酸の発現の阻害は、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害、遺伝子編集その他を含むことができるがこれらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の阻害は、タンパク質をコードする核酸の転写の低減、タンパク質をコードするmRNAの安定性の低減、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の低減その他を含むことができるがこれらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、用語「抑制する」は、特定の標的の存在または活性を減少、低減、禁止、限定、低下または他の仕方で縮小する行為を指すことができる。抑制は、部分的抑制または完全抑制を指すことができる。例えば、免疫応答の抑制は、免疫応答の減少、低減、禁止、限定、低下または他の仕方での縮小をもたらすいずれかの行為を指すことができる。他の例では、核酸の発現の抑制は、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害その他を含むことができるがこれらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の抑制は、タンパク質をコードする核酸の転写の低減、タンパク質をコードするmRNAの安定性の低減、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の低減その他を含むことができるがこれらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、用語「増強する」は、特定の標的の存在または活性を改善、ブースト、高めるまたは他の仕方で増加させる行為を指すことができる。例えば、免疫応答の増強は、免疫応答の改善、ブースト、高めることまたは他の仕方での増加をもたらすいずれかの行為を指すことができる。他の例では、核酸の発現の増強は、核酸の転写の増加、mRNA存在量の増加(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の減少、mRNA翻訳の増加その他を含むことができるがこれらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の増強は、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加その他を含むことができるがこれらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、用語「誘導する」は、結果を開始、促進、刺激、確立または他の仕方で産生する行為を指すことができる。例えば、免疫応答の誘導は、所望の免疫応答の開始、促進、刺激、確立または他の仕方での産生をもたらすいずれかの行為を指すことができる。他の例では、核酸の発現の誘導は、核酸の転写の開始、mRNA翻訳の開始その他を含むことができるがこれらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の誘導は、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加その他を含むことができるがこれらに限定されるものではない。
用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書で使用される場合、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを含む、いずれかの長さのポリマー形態のヌクレオチドを指す。よって、この用語は、一本鎖、二本鎖または多重(multi)鎖DNAもしくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、またはプリンおよびピリミジン塩基または他の天然の、化学もしくは生化学的に修飾された、非天然の、もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーを含むがこれらに限定されない。ポリヌクレオチドの骨格は、糖およびリン酸基(RNAまたはDNAに典型的に見出すことができるように)、または修飾もしくは置換された糖またはリン酸基を含むことができる。ポリヌクレオチドの骨格は、ペプチド結合によって連結された、N-(2-アミノエチル)-グリシン等の反復単位を含むことができる(すなわち、ペプチド核酸)。あるいは、ポリヌクレオチドの骨格は、ホスホロアミデート(phosphoramidate)等の合成サブユニットのポリマーを含むことができ、よって、オリゴデオキシヌクレオシドホスホロアミデート(P-NH2)または混合ホスホロアミデート・ホスホジエステルオリゴマーであり得る。加えて、相補鎖を合成し、適切な条件下で鎖をアニーリングすること、またはDNAポリメラーゼと適切なプライマーを使用してde novoで相補鎖を合成することのいずれかにより、化学合成の一本鎖ポリヌクレオチド産物から二本鎖ポリヌクレオチドを得ることができる。
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すように互換的に使用されており、最小の長さに限定されない。したがって、本明細書で使用される場合、ポリペプチドは、短いペプチドを含む。斯かるアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然のアミノ酸残基を含有することができ、ペプチド、オリゴペプチド、アミノ酸残基のダイマー、トリマーおよびマルチマーを含むがこれらに限定されない。全長タンパク質およびその断片の両方が、この定義に包含される。これらの用語は、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化その他も含む。さらに、本発明の目的のため、タンパク質が所望の活性を維持する限りにおいて、「ポリペプチド」は、ネイティブ配列に対する欠失、付加および置換(一般に保存的な性質の)等の修飾を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位特異的突然変異誘発による等、計画的であり得る、またはタンパク質を産生する宿主の突然変異もしくはPCR増幅が原因のエラーによる等、偶発的であり得る。
本明細書で使用される場合、用語「アジュバント」は、免疫応答をモジュレートするおよび/または発生させる物質を指す。一般に、アジュバントは、抗原と併せて投与されて、抗原単独と比較して、抗原に対する免疫応答の増強をもたらす。様々なアジュバントが、本明細書に記載されている。
用語「CpGオリゴデオキシヌクレオチド」および「CpG ODN」は、リン酸に隔てられたシトシンおよびグアニンのジヌクレオチド(本明細書において「CpG」ジヌクレオチドまたは「CpG」とも称される)を含有するDNA分子を指す。本開示のCpG ODNは、少なくとも1個の非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する。すなわち、CpGジヌクレオチドにおけるシトシンは、メチル化されていない(すなわち、5-メチルシトシンではない)。CpG ODNは、部分的または完全ホスホロチオエート(PS)骨格を有することができる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性」とは、生物学的にまたは他の面で望ましくないものではない材料を意味する、例えば、この材料は、いかなる著しい望ましくない生物学的効果を引き起こすこともなく、またはそれが含有される組成物の他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物中に取り込むことができる。薬学的に許容される担体または賦形剤は、好ましくは、毒物学的および製造検査の要求される標準を満たしている、ならびに/または米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)によって作成された不活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれる。
本明細書に記載されている構造的および機能的特徴のいずれかのため、これらの特徴を決定する方法が、当技術分野で公知である。
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体システム」は、少ない体積(例えば、m\L、nL、pL、fL)の流体が処理されて少体積の液体の別々の処置を達成する、システムを指す。本明細書に記載されているある特定のインプリメンテーションは、マルチプレックス化(multiplexing)、自動化およびハイスループットスクリーニングを含む。流体(例えば、緩衝剤、溶液、ペイロード含有溶液または細胞懸濁液)は、移動、混合、分離または他の仕方で処理することができる。本明細書に記載されているある特定の実施形態では、マイクロ流体システムは、機械的狭窄を、緩衝剤に懸濁された細胞に適用し、ペイロードまたは化合物を細胞のサイトゾルに進入させることができる、細胞における撹乱(例えば、孔)を誘導するために使用される。
本明細書で使用される場合、「狭窄」は、進入口部分、中心点および脱出口部分によって定義されるマイクロ流体チャネルの部分を指すことができ、中心点は、幅、長さおよび深さによって定義される。他の例では、狭窄は、ポアを指すことができる、またはポアの部分であり得る。ポアは、表面(例えば、フィルターおよび/または膜)に含有され得る。
本明細書で使用される場合、「狭窄の幅」は、中心点におけるマイクロ流体チャネルの幅を指す。一部の実施形態では、狭窄は、約6μm未満の幅を有する。例えば、一部の実施形態では、狭窄は、約0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1.0μm、1.5μmまたは2μm未満のいずれかであり得る。一部の実施形態では、狭窄は、約4μm未満の幅を有する。本発明のある特定の態様では、狭窄は、約0.5μm~約4μmの間の幅を有する。さらなる実施形態では、狭窄は、約3μm~約4μmの間の幅を有する。さらなる実施形態では、狭窄は、約2μm~約4μmの間の幅を有する。さらなる態様では、狭窄は、約3.9μmまたはそれ未満の幅を有する。さらなる態様では、狭窄は、約3.9μmまたはそれ未満の幅を有する。さらなる態様では、狭窄は、約2.2μmの幅を有する。ある特定の実施形態では、狭窄は、一度に単一の細胞が狭窄を通るように構成される。
本明細書で使用される場合、「狭窄の長さ」は、中心点におけるマイクロ流体チャネルの長さを指す。本発明のある特定の態様では、狭窄の長さは、約30μmまたはそれ未満である。一部の実施形態では、狭窄の長さは、約10μm~約30μmの間である。ある特定の実施形態では、狭窄の長さは、約10μm~約20μmの間である。例えば、狭窄の長さは、約10μm~約30μmの間のあらゆる整数、小数および分数を含む、約11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、20μmまたは25μmのいずれかであり得る。狭窄の長さは、細胞が狭窄中に存在する時間の長さを増加させるように変動し得る(例えば、より長い長さは、所与の流速でより長い狭窄時間をもたらす)。狭窄の長さは、細胞が狭窄中に存在する時間の長さを減少させるように変動し得る(例えば、より短い長さは、所与の流速でより短い狭窄時間をもたらす)。
本明細書で使用される場合、「狭窄の深さ」は、中心点におけるマイクロ流体チャネルの深さを指す。狭窄幅の調整と同様に、狭窄の深さは、よりきつい狭窄をもたらすように調整し、これにより、送達を増強することができる。一部の実施形態では、狭窄の深さは、約1μm~約1mmの間のあらゆる整数、小数および分数を含む、約1μm~約1mmの間である。一部の実施形態では、深さは、約20μmである。一部の実施形態では、深さは、チャネル全体で一様である。ある特定の実施形態では、深さは、狭窄のポイントで減少して、細胞のより大きい狭窄をもたらす。一部の実施形態では、深さは、狭窄のポイントで増加して、細胞のより小さい狭窄をもたらす。一部の実施形態では、狭窄の深さは、狭窄の幅よりも大きい。ある特定の実施形態では、狭窄の深さは、狭窄の幅に満たない。一部の実施形態では、狭窄の深さおよび狭窄の幅は、等しい。
一部の実施形態では、マイクロ流体デバイスの寸法は、狭窄の長さ、狭窄の幅、および直列の狭窄の数によって表示される。例えば、30μmの狭窄長さ、5μmの幅、および5個の直列の狭窄を有するマイクロ流体デバイスは、本明細書において、30×5×5(L×W×狭窄の数)として表される。
一部の実施形態では、マイクロ流体システムは、少なくとも1個の狭窄を含む少なくとも1個のマイクロ流体チャネルを含む。一部の実施形態では、マイクロ流体システムは、少なくとも1個の狭窄をそれぞれ含む複数のマイクロ流体チャネルを含む。例えば、マイクロ流体システムは、10~50、50~100、100~500、500、1000、10000~20,000その他のあらゆる整数を含む、2、3、4、5、6、7、8、9、10、50、100、500、1000、10,000、20,000またはそれよりも多いマイクロ流体チャネルを含むことができる。ある特定の態様では、1個の狭窄をそれぞれ含む複数のマイクロ流体チャネルは、並列に配置される。ある特定の態様では、1個の狭窄をそれぞれ含む複数のマイクロ流体チャネルは、直線的に直列に配置される。本発明のある特定の態様では、マイクロ流体システムは、複数の狭窄を含む1個のマイクロ流体チャネルを含む。例えば、1個のマイクロ流体チャネルは、2、3、4、5、10、20またはそれよりも多い狭窄を含むことができる。一部の実施形態では、マイクロ流体システムは、複数の狭窄を含む複数のマイクロ流体チャネルを含む。本発明の一部の態様では、複数の狭窄を含む複数のマイクロ流体チャネルは、並列に配置される。本発明の一部の態様では、複数の狭窄を含む複数のマイクロ流体チャネルは、直線的に直列に配置される。
進入口部分は、狭窄の中心点に向かってチャネルの直径が減少する速さを増加または減少させるように変動し得る、「狭窄角度」を含むことができる。狭窄角度は、そこに細胞を通しつつマイクロ流体システムの目詰まりを最小化するように変動し得る。例えば、狭窄角度は、1~140度の間であり得る。ある特定の実施形態では、狭窄角度は、1~90度の間であり得る。脱出口部分は、非層流をもたらし得る乱流/渦の見込みを低減させる角度を含むこともできる。例えば、脱出口部分の角度は、1~140度の間であり得る。ある特定の実施形態では、脱出口部分の角度は、1~90度の間であり得る。
マイクロ流体チャネル、進入口部分、中心点および脱出口部分の横断面は、変動し得る。様々な横断面の非限定的な例は、円形、楕円形、細長いスリット、四角、六角形または三角形横断面を含む。
無核細胞(例えば、RBC)が、本明細書に記載されているマイクロ流体チャネルを通る速度も、細胞への送達材料の送達を制御するように変動され得る。例えば、マイクロ流体チャネルを通る細胞の速度の調整は、変形させる力が細胞に加えられる時間の量を変動し得、変形させる力が細胞に加えられる迅速さを変動し得る。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネルを通る細胞の速度の調整は、圧力が細胞に加えられる時間の量を変動し得、圧力が細胞に加えられる迅速さを変動し得る。一部の実施形態では、細胞は、少なくとも0.1mm/秒の速さでマイクロ流体システムを通ることができる。さらなる実施形態では、細胞は、その中のあらゆる整数および小数を含む、0.1mm/秒~5m/秒の間の速さでマイクロ流体システムを通ることができる。またさらなる実施形態では、細胞は、その中のあらゆる整数および小数を含む、10mm/秒~500mm/秒の間の速さでマイクロ流体システムを通ることができる。一部の実施形態では、細胞は、5m/秒をより多くえる速さでシステムを通ることができる。
細胞は、圧力を加えることにより、狭窄を通して移動される(例えば、押される)。一部の実施形態では、前記圧力は、細胞ドライバーによって加えられる。本明細書で使用される場合、細胞ドライバーは、狭窄を通るように細胞を駆動するために、緩衝剤または溶液に圧力または力を加えるデバイスまたは成分である。一部の実施形態では、入口において細胞ドライバーによって圧力を加えることができる。一部の実施形態では、出口において細胞ドライバーによって真空圧を加えることができる。ある特定の実施形態では、細胞ドライバーは、約10~約90psi等、約10~約150psiの圧力を供給するように適応される。さらなる実施形態では、細胞ドライバーは、120psiの圧力を加えるように適応される。ある特定の実施形態では、細胞ドライバーは、圧力ポンプ、ガスボンベ、コンプレッサー、真空ポンプ、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、ピペット、ピストン、毛細管作用装置(capillary actor)、ヒトの心臓、ヒトの筋肉、重力、マイクロ流体ポンプおよびシリンジからなる群から選択される。細胞ドライバーによって加えられる圧力に対する修飾も、細胞がマイクロ流体チャネルを通る速度に影響を与える(例えば、圧力の量の増加は、細胞速度増加をもたらすであろう)。細胞(例えば、無核細胞)が狭窄を通るときに、その膜は撹乱され、膜に一時的な破壊を引き起こし、周囲の培地中に存在するペイロードの取込みをもたらす。本明細書で使用される場合、このような一時的な破壊は、「撹乱」と称される。本明細書に記載されている方法によって生じる撹乱は、細胞の外部からの材料が、細胞内に移動することを可能にする細胞における穴である。撹乱の非限定的な例は、孔、裂け目、空洞、開口部、ポア、割れ目、ギャップまたは穿孔を含む。本明細書に記載されている方法によって生じる撹乱(例えば、ポアまたは孔)は、補体または細菌溶血素によって生じるもの等のマルチマーポア構造を形成するためのタンパク質サブユニットのアセンブリの結果として形成されるのではない。
個体における抗原に対する免疫応答を刺激するための方法
抗原を無核細胞由来の小胞内に送達するための方法
ある特定の態様では、抗原を無核細胞由来の小胞内に送達するための方法であって、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、アジュバントをさらに含む。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントをさらに含む。
ある特定の態様では、アジュバントを無核細胞由来の小胞内に送達するための方法であって、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、アジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートするステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原をさらに含む。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、抗原をさらに含む。
ある特定の態様では、抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞内に送達するための方法であって、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含む方法が提供される。
免疫応答を刺激するための方法
ある特定の態様では、個体における抗原に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、個体に、抗原を含む無核細胞由来の小胞を有効量投与するステップを含み、抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。一部の実施形態では、本方法は、アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、細胞外アジュバントである。一部の実施形態では、全身アジュバントは、小胞外アジュバントである。一部の実施形態では、個体における抗原に対する免疫応答を刺激する方法は、抗原に対する既存の免疫応答を増強する。
ある特定の態様では、個体における抗原に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、個体に、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を有効量投与するステップを含み、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。一部の実施形態では、本方法は、アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、細胞外アジュバントである。一部の実施形態では、全身アジュバントは、小胞外アジュバントである。一部の実施形態では、個体における抗原に対する既存の免疫応答を刺激する方法は、抗原に対する免疫応答を増強する。
個体における疾患を処置または予防するための方法
ある特定の態様では、個体における疾患を処置するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。
ある特定の態様では、個体における疾患を予防するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。
ある特定の態様では、抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、方法が、個体に、抗原を含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、本方法は、アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、細胞外アジュバントである。一部の実施形態では、全身アジュバントは、小胞外アジュバントである。
他の態様では、個体における疾患を処置するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。
ある特定の態様では、個体における疾患を予防するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。
ある特定の態様では、抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、方法が、個体に、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法が提供される。
ある特定の態様では、個体における疾患を処置するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原を含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。
ある特定の態様では、個体における疾患を予防するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)無核細胞由来の小胞を個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。
ある特定の態様では、抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原を含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップとを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、本方法は、アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、細胞外アジュバントである。一部の実施形態では、全身アジュバントは、小胞外アジュバントである。
他の態様では、個体における疾患を処置するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、疾患関連抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。
一部の態様では、個体における疾患を予防するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップとを含む、方法が提供される。
ある特定の態様では、抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップとを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、本方法は、アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、全身アジュバントは、細胞外アジュバントである。一部の実施形態では、全身アジュバントは、小胞外アジュバントである。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、疾患は、がん、感染性疾患またはウイルス関連疾患である。一部の実施形態では、がんは、頭頸部、子宮頸部、子宮、直腸、陰茎、卵巣、精巣、骨、軟部組織、皮膚(黒色腫)、胃、腸、結腸、前立腺、乳、食道、肝臓、肺、膵、脳または血液がんのうち1種または複数を含む。一部の実施形態では、感染性疾患またはウイルス関連疾患は、HPV、EBV、HIV、HBV、RSVまたはKSHVのうち1種または複数に関連する。一部の実施形態では、疾患関連抗原は、HPV抗原またはHPV関連抗原である。一部の実施形態では、HPV抗原は、HPV-16またはHPV-18抗原である。一部の実施形態では、HPV抗原は、HPV E6抗原またはHPV E7抗原である。一部の実施形態では、HPV関連疾患は、HPV関連がんである。一部の実施形態では、HPV関連がんは、子宮頸部がん、肛門がん、中咽頭がん、腟がん、外陰部がん、陰茎がん、皮膚がんまたは頭頸部がんである。一部の実施形態では、HPV関連疾患は、HPV関連感染性疾患である。一部の実施形態では、HPV関連疾患は、尋常性疣贅、足底疣贅、扁平疣贅、肛門性器疣贅、肛門病変、表皮異形成、局所性上皮過形成、口腔パピローマ、いぼ状嚢胞、喉頭乳頭腫、扁平上皮内病変(SIL)、子宮頸部上皮内新生物(CIN)、外陰部上皮内新生物(VIN)および腟上皮内新生物(VAIN)を含むことができる。ある特定の実施形態では、疾患関連抗原は、EBV抗原またはEBV関連抗原である。一部の実施形態では、EBV抗原またはEBV関連抗原は、EBNA-1、EBNA-2、EBNA-3A、EBNA-3B、EBNA-3C、EBNA-LP、LMP-1、LMP-2A、LMP-2BまたはEBERのうち1種または複数である。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、EBV関連疾患である。一部の実施形態では、EBV関連疾患は、多発性硬化症(MS)である。一部の実施形態では、疾患関連抗原は、ヒトCMV(HCMV)抗原またはHCMV関連抗原である。一部の実施形態では、抗原は、系統Merlin、Toledo、Davis、Esp、Kerr、Smith、TB40E、TB40F、AD169またはTowne HCMVのいずれかに由来する。一部の実施形態では、HCMV抗原またはHCMV関連抗原は、pUL48、pUL47、pUL32、pUL82、pUL83およびpUL99、pUL69、pUL25、pUL56、pUL94、pUL97、pUL144またはpUL128のうち1種または複数に由来する。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、HCMV関連疾患である。他の実施形態では、疾患関連抗原は、HIV抗原またはHIV関連抗原である。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、HIV関連疾患である。日和見感染は、HIV患者を含む、衰弱した免疫系を有する個体においてより高頻度で発生し、より重篤となる感染である。一部の実施形態では、HIV関連疾患は、日和見感染であり、これは、気管支、気管、食道または肺のカンジダ症;浸潤性子宮頸部がん;コクシジオイデス症;クリプトコッカス症;慢性腸クリプトスポリジウム症、サイトメガロウイルス疾患;HIV関連脳症;HSV関連慢性潰瘍または気管支炎、肺臓炎または食道炎;ヒストプラスマ症;慢性腸イソスポーラ症;カポジ肉腫;リンパ腫;結核;Mycobacterium aviumコンプレックス(MAC);Pneumocystis carinii肺炎(PCP);再発性肺炎;進行性多巣性白質脳症;再発性Salmonella敗血症;脳のトキソプラズマ症;およびHIVが原因の消耗症候群を含むことができるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントが無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞を狭窄に通して無核細胞由来の小胞を形成することにより生成された、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を個体に導入することにより、個体を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、自家細胞である。例えば、インプット無核細胞は、個体(例えば、患者)から単離され、開示されている方法に従って処理され、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、同じ個体に戻し導入される。したがって、一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体にとって自家である。他の実施形態では、インプット無核細胞は、同種異系細胞である。例えば、無核細胞は、異なる個体(例えば、ドナー)から単離され、開示されている方法に従って処理され、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、第1の個体(例えば、患者)に導入される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体にとって同種異系である。一部の実施形態では、複数の個体由来のインプット無核細胞のプールは、開示されている方法に従って処理され、無核細胞由来の小胞のプールは、第1の個体(例えば、患者)に導入される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、個体から単離され、開示された方法に従って処理され、無核細胞由来の小胞は、異なる個体に導入される。一部の実施形態では、インプット無核細胞の集団は、個体(患者)または異なる個体から単離され、狭窄に通されて、抗原および/またはアジュバントの送達が達成され、次に、無核細胞由来の小胞の集団は、患者に再注入されて、治療応答が増大する。
一部の態様では、本発明は、抗原および/またはアジュバントが無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞を狭窄に通して無核細胞由来の小胞を形成することにより生成された、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を個体に導入することにより、患者を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、処置は、斯かる無核細胞由来の小胞を個体に導入する複数の(2、3、4、5、6回またはそれよりも多い回数のいずれか等の)ステップを含む。例えば、一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントが無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞を狭窄に通して無核細胞由来の小胞を形成することにより生成された、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を個体に、2、3、4、5、6回またはそれよりも多い回数投与することにより、個体を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、いずれか2回の連続した細胞投与の間の持続時間は、少なくとも約1日間(これらの値の間のいずれかの範囲を含む、少なくとも約2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間またはそれよりも長い時間のいずれか等)である。
一部の実施形態では、インプット無核細胞は、個体から単離され、開示されている方法に従って処理され、その結果得られる抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、同じ個体(例えば、患者)に戻し導入される。例えば、インプット無核細胞の集団は、個体から単離され、狭窄に通されて、抗原および/またはアジュバントの送達が達成され、次に、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、個体に再注入されて、治療免疫応答が増大する。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、個体から単離され、開示された方法に従って処理され、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、個体に戻し導入される。例えば、インプット無核細胞の集団は、個体から単離され、狭窄に通されて、抗原および/またはアジュバントの送達が達成され、次に、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、個体に再注入されて、個体における免疫応答が刺激および/または増強される。
一部の実施形態では、インプット無核細胞は、汎用血液ドナー(例えば、O型血液ドナー)から単離され、次いで、後の狭窄媒介性送達のために貯蔵および/または凍結される。一部の実施形態では、抗原は、個体から単離され、汎用ドナーから単離されたインプット無核細胞に送達される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、血液ドナーから単離され、次いで、後の狭窄媒介性送達(SQZ)のために貯蔵および/または凍結される。一部の実施形態では、抗原は、個体から単離され、血液ドナーから単離されたインプット無核細胞に送達される。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、上述の狭窄媒介性送達によって生成される。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、個体に導入される。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、貯蔵および/または凍結される(例えば、後の処置のため)。一部の実施形態では、個体は、血液ドナーと適合した血液型を有する。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、上述の狭窄媒介性送達によって生成される。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、個体に導入される。一部の実施形態では、個体は、血液ドナーと適合した血液型を有する。一部の実施形態では、個体は、血液ドナーと適合しない血液型を有する。
一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントが無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞を狭窄に通して無核細胞由来の小胞を形成することにより生成された抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を個体に導入することにより、個体における疾患を予防する方法が提供される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、自家細胞である。例えば、インプット無核細胞は、個体(例えば、患者)から単離され、開示されている方法に従って処理され、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、同じ個体に戻し導入される。したがって、一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体にとって自家である。他の実施形態では、インプット無核細胞は、同種異系細胞である。例えば、無核細胞は、異なる個体(例えば、ドナー)から単離され、開示されている方法に従って処理され、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、第1の個体(例えば、患者)に導入される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体にとって同種異系である。一部の実施形態では、複数の個体由来のインプット無核細胞のプールは、開示されている方法に従って処理され、無核細胞由来の小胞のプールは、第1の個体(例えば、患者)に導入される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、個体から単離され、開示された方法に従って処理され、無核細胞由来の小胞は、異なる個体に導入される。一部の実施形態では、インプット無核細胞の集団は、個体(患者)または異なる個体から単離され、狭窄に通されて、抗原および/またはアジュバントの送達が達成され、次に、無核細胞由来の小胞の集団は、患者に再注入されて、予防応答が増大する。
一部の実施形態では、予防方法は、本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞を個体に投与する複数の(2、3、4、5、6回またはそれよりも多い回数のいずれか等の)ステップを含む。例えば、一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントが無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞を狭窄に通して無核細胞由来の小胞を形成することにより生成された、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を個体に2、3、4、5、6回またはそれよりも多い回数投与することにより、抗原に対して個体にワクチン接種する方法が提供される。一部の実施形態では、いずれか2回の連続した細胞投与の間の持続時間は、少なくとも約1日間(これらの値の間のいずれかの範囲を含む、少なくとも約2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間またはそれよりも長い時間のいずれか等)である。
一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントが無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞を狭窄に通して無核細胞由来の小胞を形成することにより生成された抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を個体に導入することにより、抗原に対して個体にワクチン接種する方法が提供される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、自家細胞である。例えば、インプット無核細胞は、個体(例えば、患者)から単離され、開示されている方法に従って処理され、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、同じ個体に戻し導入される。したがって、一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体にとって自家である。他の実施形態では、インプット無核細胞は、同種異系細胞である。例えば、無核細胞は、異なる個体(例えば、ドナー)から単離され、開示されている方法に従って処理され、その結果得られる無核細胞由来の小胞は、第1の個体(例えば、患者)に導入される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体にとって同種異系である。一部の実施形態では、複数の個体由来のインプット無核細胞のプールは、開示されている方法に従って処理され、無核細胞由来の小胞のプールは、第1の個体(例えば、患者)に導入される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、個体から単離され、開示された方法に従って処理され、無核細胞由来の小胞は、異なる個体に導入される。一部の実施形態では、インプット無核細胞の集団は、個体(患者)または異なる個体から単離され、狭窄に通されて、抗原および/またはアジュバントの送達が達成され、次に、無核細胞由来の小胞の集団は、患者に再注入されて、予防応答が誘導される。
一部の実施形態では、ワクチン接種は、本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞を個体に投与する複数の(2、3、4、5、6回またはそれよりも多い回数のいずれか等の)ステップを含む。例えば、一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントが無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞を狭窄に通して無核細胞由来の小胞を形成することにより生成された、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を個体に2、3、4、5、6回またはそれよりも多い回数投与することにより、抗原に対して個体にワクチン接種する方法が提供される。一部の実施形態では、いずれか2回の連続した細胞投与の間の持続時間は、少なくとも約1日間(これらの値の間のいずれかの範囲を含む、少なくとも約2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間またはそれよりも長い時間のいずれか等)である。
上述の方法のいずれかは、in vitro、ex vivoまたはin vivoで実行される。in vivo適用のため、デバイスを血管内腔に植え込むことができる、例えば、動脈または静脈内のインライン(in-line)ステント。一部の実施形態では、本方法は、患者細胞のex vivo処置および患者への細胞の即時再導入のためのベッドサイドシステムの一部として使用される。斯かる方法は、個体における免疫応答を増強および/または刺激する手段として用いることができる。一部の実施形態では、本方法は、典型的な病院検査室において、最低限訓練された技術者により行うことができる。一部の実施形態では、患者に操作される処置システムを使用することができる。一部の実施形態では、本方法は、インライン血液処置システムを使用して行われ、インライン血液処置システムにおいて、血液が患者から直接的に転用され、狭窄に通され、血液中の無核細胞に由来する小胞の形成ならびに血液中の無核細胞由来の小胞への抗原および/またはアジュバントの送達をもたらし、処置後に患者に戻るように直接的に輸注される。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、医薬製剤中に存在する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、全身投与される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、静脈内、動脈内、皮下、筋肉内または腹腔内投与される。ある特定の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、治療剤と組み合わせて、個体に投与される。一部の実施形態では、治療剤は、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される。
一部の実施形態では、治療剤は、免疫チェックポイント阻害剤および/またはサイトカインである。一部の実施形態では、治療剤は、IFN-α、IFN-γ、IL-2(その天然または修飾形態のいずれか)、IL-10またはIL-15のうち1種または複数を含む。一部の実施形態では、治療剤は、1種または複数の形態の免疫療法である。免疫療法は、モノクローナル抗体、免疫チェックポイント阻害剤、サイトカイン、がんを処置するためのワクチン、および養子細胞移入を含むがこれらに限定されない。本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、本方法は、免疫療法の投与をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、1種または複数の治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、LAG3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)およびBTLAのうちいずれか1種に標的化される。一部の実施形態では、治療剤は、二重特異性薬剤;例えば、サイトカイン成分および標的化成分を含む二重特異性薬剤である。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、化学療法または放射線療法と組み合わせて、個体に投与される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原提示を改善する、T細胞増殖を改善する、および/または腫瘍微小環境を改善する1種または複数の薬剤と組み合わせて、個体に投与される。
無核細胞
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、インプット無核細胞は、哺乳動物細胞である。無核細胞は、核を欠く。一部の実施形態では、無核細胞は、サル、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタまたはウサギ細胞である。一部の実施形態では、無核細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、無核細胞は、非哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、無核細胞は、ニワトリ、カエル、昆虫、魚類または線虫細胞である。
一部の実施形態では、無核細胞は、赤血球細胞である。赤血球細胞(RBC)は、柔軟かつ卵円形の両凹円盤であり、細胞質は、酸素担体生体分子ヘモグロビンに富む。RBCは、人体の全身で酸素送達および二酸化炭素除去のための主要手段として機能する。RBCは、循環中に最大120日間留まることができ、その後、肝臓および脾臓におけるクリアランスにより身体から除去される。一部の実施形態では、無核細胞は、RBCの前駆体である。一部の実施形態では、無核細胞は、網状赤血球である。網状赤血球は、無核未成熟(未だ両凹でない)赤血球細胞であり、典型的に、人体における赤血球細胞の約1%を構成する。成熟赤血球細胞は、赤血球とも称される。一部の実施形態では、無核細胞は、赤血球である。一部の実施形態では、無核細胞は、血小板である。スロンボサイト(thrombocyte)とも呼ばれる血小板は、その機能が凝血に関与する血液の成分である。血小板は、直径2~3μmの両凸円板状(レンズ形の)構造である。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、免疫原性環境における抗原の提示は、抗原に対する免疫応答を増強する、および/または抗原に対する免疫応答を刺激する。肝臓および脾臓の免疫原性環境において排除され得る、無核細胞由来の小胞等、アポトーシス小体に由来する抗原は、T細胞の活性化により、抗原に対する免疫応答を刺激および/または増強することができる。一部の実施形態では、免疫応答は、抗原特異的である。赤血球細胞由来の小胞等の無核細胞由来の小胞は、限定された寿命を有し、自己修復することができず、その後に血流からの無核細胞由来の小胞の除去をもたらす、アポトーシスに類似したプロセスであるエリプトーシスを引き起こす。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境内で無核細胞由来の小胞のエリプトーシス後に放出され得、そこで抗原はその後、抗原提示細胞によって貪食、プロセシングおよび提示される。一部の実施形態では、抗原を含む無核細胞由来の小胞は、抗原提示細胞によってファゴサイトーシスされ、抗原はその後、抗原提示細胞によってプロセシングおよび提示される。一部の実施形態では、抗原を含む無核細胞由来の小胞は、常在性マクロファージによってファゴサイトーシスされ、抗原はその後、常在性マクロファージによってプロセシングおよび提示される。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞に含有される抗原はその後に提示される。一部の実施形態では、免疫原性環境における抗原の提示は、抗原に対する免疫応答を刺激する。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境においてプロセシングされる。一部の実施形態では、免疫応答は、抗原特異的である。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、免疫原性環境を生成または促進し、前記免疫原性環境における抗原の提示は、抗原に対する免疫応答を刺激する。一部の実施形態では、免疫刺激は、複数の抗原に対する免疫応答の刺激を含む、多特異性である。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、本方法は、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を狭窄に通すステップであって、前記狭窄が、インプット無核細胞を変形させ、これにより、抗原および/またはアジュバントが、無核細胞由来の小胞に進入するように、インプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップを含む。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境において提示される。一部の実施形態では、アジュバントは、免疫原性環境を生成または促進し、免疫原性環境における抗原の提示は、抗原に対する免疫応答を刺激する。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境においてプロセシングされる。一部の実施形態では、免疫刺激は、抗原特異的である。一部の実施形態では、免疫刺激は、複数の抗原に対する免疫応答の刺激を含む、多特異性である。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係るある特定の実施形態では、本方法は、第1のインプット無核細胞を含む第1の細胞懸濁液を狭窄に通すステップであって、前記狭窄が、細胞を変形させ、これにより、抗原が、第1のインプット無核細胞の撹乱に由来する小胞に進入するように、第1のインプット無核細胞の撹乱を引き起こす、ステップと、第2のインプット無核細胞を含む第2の細胞懸濁液を狭窄に通すステップであって、前記狭窄が、第2のインプット無核細胞を変形させ、これにより、アジュバントが、第2のインプット無核細胞の撹乱に由来する小胞に進入するように、第2のインプット無核細胞の撹乱を引き起こす、ステップと、第1のインプット無核細胞に由来する小胞および第2のインプット無核細胞に由来する小胞を個体に導入し、これにより、抗原に対する免疫応答を刺激するステップとを含む。したがって、一部の実施形態では、第1のインプット無核細胞に由来する小胞は、抗原を含み、第2のインプット無核細胞に由来する小胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境において提示される。一部の実施形態では、アジュバントは、免疫原性環境を生成または促進し、免疫原性環境における抗原の提示は、抗原に対する免疫応答を刺激する。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境においてプロセシングされる。一部の実施形態では、第1のインプット無核細胞に由来する小胞および第2のインプット無核細胞に由来する小胞は、同時に導入される。一部の実施形態では、第1のインプット無核細胞に由来する小胞および第2のインプット無核細胞に由来する小胞は、逐次に導入される。一部の実施形態では、第1のインプット無核細胞に由来する小胞は、第2のインプット無核細胞に由来する小胞の導入の前に、個体に導入される。一部の実施形態では、第1のインプット無核細胞に由来する小胞は、第2のインプット無核細胞に由来する小胞の導入の約1分、5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間または24時間のいずれかをより多くえた時間前に、個体に導入される。一部の実施形態では、第1のインプット無核細胞に由来する小胞は、第2のインプット無核細胞に由来する小胞の導入の約1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日のいずれかをより多くえた時間前に、個体に導入される。一部の実施形態では、第2のインプット無核細胞に由来する小胞は、第1のインプット無核細胞に由来する小胞の導入の前に、個体に導入される。一部の実施形態では、第2のインプット無核細胞に由来する小胞は、第1のインプット無核細胞に由来する小胞の導入の約1分、5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間または24時間のいずれかをより多くえた時間前に、個体に導入される。一部の実施形態では、第2のインプット無核細胞に由来する小胞は、第1のインプット無核細胞に由来する小胞の導入の約1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日のいずれかをより多くえた時間前に、個体に導入される。一部の実施形態では、免疫刺激は、抗原特異的である。一部の実施形態では、免疫刺激は、複数の抗原に対する免疫応答の刺激を含む、多特異性である。
一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、増加したT細胞応答を含む。例えば、増加したT細胞応答は、増加したT細胞活性化もしくは増殖、増加したT細胞生存、または増加した細胞機能性を限定することなく含むことができる。一部の実施形態では、増加したT細胞応答は、増加したT細胞活性化を含む。一部の実施形態では、増加したT細胞応答は、増加したT細胞生存を含む。一部の実施形態では、増加したT細胞応答は、増加したT細胞増殖を含む。一部の実施形態では、増加したT細胞応答は、増加したT細胞機能性を含む。例えば、増加したT細胞機能性は、モジュレートされたサイトカイン分泌、炎症部位への増加したT細胞遊走、および増加したT細胞の細胞傷害活性を限定することなく含むことができる。一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、増加した炎症性サイトカイン産生および/もしくは分泌、ならびに/または減少した抗炎症性サイトカイン産生および/もしくは分泌を含む。一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、インターロイキン-1(IL-1)、IL-2、IL-12およびIL-18、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)から選択される1種または複数の炎症性サイトカインの増加した産生および/または分泌を含む。一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、IL-4、IL-10、IL-13、IL-35、IFN-αおよびトランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)から選択される1種または複数の抗炎症性サイトカインの減少した産生および/または分泌を含む。一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、T細胞表現型の変化を含む。例えば、T細胞状態は、調節性(Treg)または抗炎症性表現型から炎症促進性表現型に変化し得る。一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、T細胞の非特異的活性化を抑制し、これは、そうでなければ、その後、細胞死をもたらし得る。一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、抑制されたTreg応答を含む。一部の実施形態では、刺激および/または増強された免疫応答は、増加したB細胞応答を含む。一部の実施形態では、増加したB細胞応答は、増加した抗体産生を含む。
無核細胞由来の小胞
一部の態様では、本願は、親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうち1種または複数を有する無核細胞由来の小胞を提供する。
ある特定の態様では、抗原を含む無核細胞由来の小胞であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製される、無核細胞由来の小胞が提供される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。
ある特定の態様では、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートし、これにより、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製される、無核細胞由来の小胞が提供される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、抗原を含む。
ある特定の態様では、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製される、無核細胞由来の小胞が提供される。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、赤血球細胞由来の小胞または血小板由来の小胞である。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、赤血球由来の小胞または網状赤血球由来の小胞である。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、哺乳動物細胞である。無核細胞は、核を欠く。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、サル、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタまたはウサギ細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、非哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、ニワトリ、カエル、昆虫、魚類または線虫細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球細胞の前駆体である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、網状赤血球である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、血小板である。
一部の実施形態では、免疫原性環境における抗原の提示は、抗原に対する免疫応答を増強する、または抗原に対する免疫応答を誘導する。肝臓および脾臓の免疫原性環境において排除され得る無核細胞由来の小胞等のエリプトーシス小体(eryptotic body)に由来する抗原は、T細胞の活性化により、抗原に対する免疫応答を刺激および/または増強することができる。一部の実施形態では、免疫応答は、抗原特異的である。RBC由来の小胞等の無核細胞由来の小胞は、限定された寿命を有し、自己修復することができず、アポトーシスに類似したプロセスであるエリプトーシスを引き起こし、これにより、血流からの無核細胞由来の小胞の除去がもたらされる。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境内で無核細胞由来の小胞のエリプトーシス後に放出され得、そこで抗原はその後、抗原提示細胞によって貪食、プロセシングおよび提示される。一部の実施形態では、抗原を含有する無核細胞由来の小胞は、マクロファージ等の抗原提示細胞によってファゴサイトーシスされ、抗原はその後、抗原提示細胞によってプロセシングおよび提示される。一部の実施形態では、抗原提示細胞は、常在性マクロファージである。
一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、赤血球細胞である。一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、血小板である。一部の実施形態では、赤血球細胞は、赤血球である。一部の実施形態では、赤血球細胞は、網状赤血球である。
一部の実施形態では、哺乳動物における無核細胞由来の小胞の循環半減期は、インプットまたは親無核細胞と比較して減少している。無核細胞、例えば、赤血球細胞等の細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、当技術分野で公知である。例えば、Franco, R. S., Transfus Med Hemother, 39, 2012を参照されたい。例えば、一部の実施形態では、無核細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、コホート標識技法またはランダム標識技法を含む。一部の実施形態では、無核細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、細胞または小胞を標識、再注入し、再注入後の消失を測定するステップを含む。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、インプットもしくは親無核細胞またはインプットもしくは親無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)の半減期を測定するステップを含む。
一部の実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかをより多くえる等、約50%をより多くえて減少している。一部の実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約70%~約99.9%、約85%~約99.9%または約95%~約99.9%のいずれか等、約50%~約99.9%減少している。一部の実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかだけ減少している。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約5分間、10分間、15分間、30分間、1時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間または10日間未満のいずれかである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約0.5分間、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、30分間、45分間、1時間、3時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間または100日間のいずれかである。
一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、ヒト細胞であり、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約5分間、10分間、15分間、30分間、1時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間または10日間未満のいずれかである。一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、ヒト細胞であり、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約0.5分間、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、30分間、45分間、1時間、3時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間または100日間未満のいずれかである。
一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、赤血球細胞であり、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプットまたは親無核細胞と比較して減少している。無核細胞、例えば、赤血球細胞等の細胞、または無核細胞由来の小胞、例えば、赤血球細胞由来の小胞のヘモグロビンレベルを測定する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Chaudhary, R., J Blood Med, 8, 2017を参照されたい。例えば、一部の実施形態では、本方法は、代謝前駆体または産物を測定して、ヘモグロビンのターンオーバーを決定するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、1種または複数のヘモグロビン由来の(Hb)ペプチドを測定するステップを含む。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞のヘモグロビンレベルを測定するための方法は、インプットもしくは親無核細胞またはインプットもしくは親無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)のヘモグロビンのレベルを測定するステップを含む。
一部の実施形態では、無核細胞は、親無核細胞と比較した、細胞内成分のレベルの低減等の損失によって特徴付けされる。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかだけ減少している。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、約70%~約99.9%、約85%~約99.9%または約95%~約99.9%のいずれか等、約50%~約99.9%減少している。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかだけ減少している。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、ヘモグロビンを欠如する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプットまたは親無核細胞におけるヘモグロビンレベルの約0.01%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%または50%のいずれかである。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞における1種または複数のヘモグロビン(Hb)ペプチドのレベルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%または100%のいずれかだけ減少している。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞における1種または複数のHbペプチドのレベルは、インプット無核細胞と比較して、約70%~約99.9%、約85%~約99.9%または約95%~約99.9%のいずれか等、約50%~約99.9%減少している。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞における1種または複数のHbペプチドのレベルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかだけ減少している。
一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞の形態は、インプットまたは親無核細胞の形態からモジュレートされる。形態は、例えば、細胞または細胞由来の小胞の形状、構造、幾何学、強度、形態、平滑性、粗度、円形度、体積、表面積および/またはサイズの分類に関係する。形態を決定(測定等)するための方法は、当技術分野で公知である。例えば、Boutros et al., Cell, 163, 2015;Girasole, M. et al., Biochim Biophys Acta Biomembr, 1768, 2007;およびChen et al., Comput Math Methods Med, 2012を参照されたい。一部の実施形態では、形態を決定するための方法は、ハイコンテンツイメージングを含む。例えば、細胞の形態は、ヘキスト色素による染色と、続く自動ハイコンテンツ画像解析によって評価することができる。他の例では、形態は、フローサイトメトリーからの前方および側方散布図におけるシフトにより決定することができる。一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、球状の形態である。一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、低減された両凹形状を有する。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞の形態を測定するための方法は、インプットもしくは親無核細胞またはインプットもしくは親無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)の形態を測定するステップを含む。
一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかをより多くえた低減等、低減された両凹形状を有する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、実質的に球状の形態を含む球状の形態によって特徴付けされる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の球状の形態は、定性的に評価される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の球状の形態は、定量的に評価される。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%のいずれかをより多くえた低減等、低減した表面積対体積比を有する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の複数の直径測定値の各直径測定値の間の変形形態は、約45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%または5%未満のいずれか等、約50%未満であり、複数の直径測定値は、無核細胞由来の小胞の異なるポイントで直径を測定する少なくとも2つの直径測定値を含む。
一部の実施形態では、懸濁液における無核細胞由来の小胞の直径等の最小寸法は、約6μm~約7μmまたは約6.25μm~約6.75μmのいずれか等、約5μm~約7.25μmである。一部の実施形態では、懸濁液における無核細胞由来の小胞の直径等の最小寸法は、少なくとも約5.25μm、5.5μm、5.75μm、6μm、6.25μm、6.5μm、6.75μm、7μmまたは7.25μmのいずれか等、少なくとも約5μmである。一部の実施形態では、懸濁液における無核細胞由来の小胞の直径等の最大寸法は、約6μm~約7μmまたは約6.25μm~約6.75μmのいずれか等、約5μm~約7.25μmである。一部の実施形態では、懸濁液における無核細胞由来の小胞の直径等の最大寸法は、約7μm、6.75μm、6.5μm、6.25μm、6μm、5.75μm、5.5μm、5.25μmまたは5μm以下のいずれか等、約7.25μm以下である。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうち1種または複数を示す。
一部の実施形態では、インプットまたは親無核細胞は、赤血球細胞または赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、赤血球細胞ゴースト(RBCゴースト)である。
一部の実施形態では、無核細胞は、インプットまたは親無核細胞と比較した、特性のレベルの増加等の獲得によって特徴付けされる。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、増加した表面ホスファチジルセリンレベルを有する。細胞外膜表面におけるホスファチジルセリン露出は、アポトーシスの証明であり、貪食を促進する様式で、ファゴサイト表面における受容体によって認識される。無核細胞、例えば、赤血球細胞等の細胞または無核細胞由来の小胞のホスファチジルセリンレベル(表面ホスファチジルセリンレベル等)を測定する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Morita, S., et al., J Lipid Res, 53, 2012;Kay, J. G. et al., Sensors (Basel), 11, 2011;およびFabisiak JP et al., Methods Mol Biol, 1105, 2014を参照されたい。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞のホスファチジルセリンレベルを測定するための方法は、インプットもしくは親無核細胞またはインプットもしくは親無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)のホスファチジルセリンレベルを測定するステップを含む。
一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位体積当たり約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位体積当たり約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位表面積当たり約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位表面積当たり約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、膜リン脂質の単位当たり約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、膜リン脂質の単位当たり約2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍のいずれかをより多くえて多い等、約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%もしくは200%のいずれかまたはそれよりも多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約50%~約100%、約100%~約200%または約75%~約125%多いのいずれか等、約50%~約200%多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位体積当たり約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%もしくは200%のいずれかまたはそれよりも多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位体積当たり約50%~約100%、約100%~約200%または約75%~約125%多いのいずれか等、約50%~約200%多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位表面積当たり約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%もしくは200%のいずれかまたはそれよりも多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、単位表面積当たり約50%~約100%、約100%~約200%または約75%~約125%多いのいずれか等、約50%~約200%多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、膜リン脂質の単位当たり約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%もしくは200%のいずれかまたはそれよりも多いホスファチジルセリンをその表面に有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、膜リン脂質の単位当たり約50%~約100%、約100%~約200%または約75%~約125%多いのいずれか等、約50%~約200%多いホスファチジルセリンをその表面に有する。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、総膜ホスファチジルセリンの5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99.5%より多くのいずれかは、無核細胞由来の小胞における外膜リーフレット(external membrane leaflet)に局在化する。一部の実施形態では、総膜ホスファチジルセリンの50%より多くは、無核細胞由来の小胞における外膜リーフレットに局在化する。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、表面におけるより高い平均ホスファチジルセリンレベルを示す。一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%または200%のいずれかだけ、表面におけるより高い平均ホスファチジルセリンレベルを示す。一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルは、インプットまたは親無核細胞と比較して、約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、50倍または100倍のいずれかだけ、表面におけるより高い平均ホスファチジルセリンレベルを示す。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルの少なくとも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%のうちいずれか1種は、インプットまたは親無核細胞と比較して、表面におけるより高いホスファチジルセリンレベルを示す。一部の実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルの少なくとも50%は、インプットまたは親無核細胞と比較して、表面におけるより高いホスファチジルセリンレベルを示す。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の半減期は、さらに修飾することができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の半減期は、さらなる修飾によって増加する。例えば、無核細胞由来の小胞は、無核細胞由来の小胞が、肝臓および脾臓におけるクリアランス前に血流中を循環する時間を増加させるように修飾することができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の半減期は、修飾によってさらに減少する。例えば、無核細胞由来の小胞は、無核細胞が、肝臓および脾臓におけるクリアランス前に血流中を循環する時間を減少させるように修飾することができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の表面におけるリン脂質の比の変更は、無核細胞由来の小胞の半減期を減少させる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の表面におけるホスファチジルセリンの他のリン脂質に対する比の増加は、無核細胞由来の小胞の半減期を減少させる。例えば、表面ホスファチジルセリンを増加させるための当技術分野で公知のいずれかの方法(Hamidi et al., J. Control. Release, 2007, 118(2): 145-60を参照)を使用することによる等、無核細胞由来の小胞の表面におけるホスファチジルセリンの存在をさらに増加させて、無核細胞由来の小胞の半減期を減少させることができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、脂質またはリン脂質と共にインキュベートされる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、ビス(スルホサクシニミジル)スベリン酸塩または他の架橋剤等の化学物質によって処置される。他の実施形態では、無核細胞由来の小胞の表面ホスファチジルセリンを減少させて、無核細胞由来の小胞の半減期を増加させることができる。フリッパーゼは、原形質膜においてリン脂質を外部表面からサイトゾル表面へと輸送する酵素である。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、フリッパーゼで処置される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、ホスファチジルセリンを切断する酵素で処置される。ホスファチジルセリンを切断する酵素の非限定的な例は、ホスファチジルセリンカルボキシラーゼである。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、低減されたATP産生を有する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、経時的に低減されたATP産生または細胞内ATPのレベルを有する。無核細胞、例えば、赤血球細胞等の細胞または無核細胞由来の小胞のATPを測定する方法(経時的に低減されたATP産生または細胞内ATPのレベル等)は、当技術分野で公知である。例えば、Morciano, G. et al., Nat Protoc, 12, 2017を参照されたい。一部の実施形態では、ATP産生は、乳酸塩産生等、代理またはマーカーにより測定される。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞のATP産生を測定するための方法は、インプットもしくは親無核細胞またはインプットもしくは親無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)のATP産生を測定するステップを含む。一部の実施形態では、試料および対照の間のATP産生の比較を可能にする、ATP産生を測定するための方法は、同様の条件下で試料および対照のATP産生を測定するステップを含む。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞由来の小胞のATP産生または細胞内ATPレベルを測定するための方法は、第1の時点および第2の時点で、無核細胞由来の小胞の集団の(of)無核細胞由来の小胞のATP産生または細胞内ATPレベルを測定するステップであって、第1の時点が、第2の時点の前である、ステップと、第1の時点および第2の時点の結果を比較するステップとを含む。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞によって産生されたATPのレベルの約0.01%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%未満のいずれかでATPを産生する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、ATPを産生しない。
一部の実施形態では、ATP産生は、乳酸塩アッセイによって決定される。一部の実施形態では、インプット無核細胞、対、無核細胞由来の小胞のATP産生等の代謝活性を測定するために、蛍光酵素アッセイを使用して乳酸塩産生のレベルをモニタリングすることにより、解糖のレベルを経時的に間接的に測定することができる。例えば、インプット無核細胞は、アデニンを含むクエン酸塩-リン酸塩-デキストロース(dCPDA-1)緩衝剤に十億個の細胞/mLで再懸濁され、モデル抗原および/またはアジュバント(20μg/mL)は、SQZ(50psiで2.2μm狭窄幅)により室温で送達されて、無核細胞由来の小胞が生成する。次に、無核細胞由来の小胞と未処理インプット無核細胞は、示されている時間37℃でインキュベートされ、上清が収集される。インプット無核細胞、対、無核細胞由来の小胞によって産生された乳酸塩のレベルを定量化するために、乳酸塩-Gloアッセイ(Promega)を使用して、それぞれの時点の上清をアッセイすることができる。簡潔に説明すると、上清は、蛍光乳酸塩検出試薬の添加に先立ち、不活性化および中和ステップに供される。蛍光は、ブランク対照に対して正規化され、上清中の絶対的乳酸塩レベルは、乳酸塩検量線(0.1~10μM)を使用して決定される。一部の実施形態では、絶対的乳酸塩レベルは、約0.01μM~約10μM、約0.01μM~約のいずれか等、約0μM~約200μMである。
一部の態様では、本願は、親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、本明細書にさらに記載されている通り、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうちいずれか1種または複数を有する無核細胞由来の小胞を提供する。
一部の態様では、本願は、親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、本明細書にさらに記載されている通り、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうちいずれか2種またはそれよりも多くを有する無核細胞由来の小胞を提供する。
一部の態様では、本願は、親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、本明細書にさらに記載されている通り、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうちいずれか3種またはそれよりも多くを有する無核細胞由来の小胞を提供する。
一部の態様では、本願は、親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、本明細書にさらに記載されている通り、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうちいずれか4種またはそれよりも多くを有する無核細胞由来の小胞を提供する。
一部の態様では、本願は、親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、本明細書にさらに記載されている通り、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する無核細胞由来の小胞を提供する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、親無核細胞の取込みと比較して、組織または細胞における取込みを増加させる等、取込みを増強するように修飾されている。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、それぞれの組織における親無核細胞の取込みと比較して、肝臓および/または脾臓における取込みを増加させる等、取込みを増強するように修飾されている。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、それぞれの貪食細胞における親無核細胞の取込みと比較して、マクロファージまたは樹状細胞等の貪食細胞または抗原提示細胞における取込みを増加させる等、取込みを増強するように修飾されている。一部の実施形態では、マクロファージは、脂肪組織マクロファージ、単球、クッパー細胞、洞組織球(sinus histiocyte)、肺胞マクロファージ、組織マクロファージ、マイクログリア、ホーフバウアー(Hofbauer)細胞、糸球体内メサンギウム細胞、破骨細胞、類上皮(epitheloid)細胞、赤色髄マクロファージ、腹膜マクロファージまたはLysoMacである。一部の実施形態では、抗原提示細胞は、プロフェッショナル抗原提示細胞である。一部の実施形態では、抗原提示細胞は、非プロフェッショナル抗原提示細胞である。一部の実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞またはマクロファージである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、肝臓および/または脾臓において貪食細胞および/または抗原提示細胞によって排除され、これにより、CD8+およびCD4+T細胞応答によるものを含む抗原提示をもたらす。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、組織または細胞における増強された取込みを示す。一部の実施形態では、修飾された無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約30倍、約50倍、約100倍、約200倍、約500倍または約1000倍のいずれか1種をより多くえて増強された、組織または細胞における取込み速度を示す。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、貪食細胞および/または抗原提示細胞における増強された取込みを示す。一部の実施形態では、貪食細胞および/または抗原提示細胞は、マクロファージおよび/または樹状細胞を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞と比較して、肝臓、脾臓またはマクロファージにおける増強された取込みを示す。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞の取込みと比較して、肝臓および/もしくは脾臓におけるまたは貪食細胞および/もしくは抗原提示細胞による増強された取込みを示す。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、肺において排除されない。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、肝臓および/または脾臓においてマクロファージによって排除され、これにより、CD8+およびCD4+T細胞応答によるものを含む抗原提示をもたらす。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、修飾されていない無核細胞由来の小胞と比較して、組織または細胞における取込みを増強するように修飾されている。一部の実施形態では、修飾された無核細胞由来の小胞は、修飾されていない無核細胞由来の小胞と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約30倍、約50倍、約100倍、約200倍、約500倍または約1000倍のいずれか1種をより多くえて増強された、組織または細胞における取込み速度を示す。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、修飾されていない無核細胞由来の小胞と比較して、貪食細胞および/または抗原提示細胞における取込みを増強するように修飾されている。一部の実施形態では、貪食細胞および/または抗原提示細胞は、マクロファージおよび/または樹状細胞を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、修飾されていない無核細胞由来の小胞と比較して、肝臓、脾臓またはマクロファージにおける取込みを増強するように修飾されている。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、インプットまたは親無核細胞の取込みと比較して、肝臓および/もしくは脾臓におけるまたは貪食細胞および/もしくは抗原提示細胞による取込みを増強するように修飾されている。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、肺において排除されない。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、肝臓および/または脾臓においてマクロファージによって排除され、これにより、CD8+およびCD4+T細胞応答によるものを含む抗原提示をもたらす。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、その表面にCD47を含む。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、無核細胞由来の小胞の調製中に、(a)熱処理されていない、(b)化学的に処置されていない、および/または(c)低浸透圧性もしくは高浸透圧性条件に付されていない。ある特定の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、熱処置または熱ショック処理されていない。ある特定の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、ビス(スルホサクシニミジル)スベリン酸塩または他の架橋剤等の化学物質によって処置されない。ある特定の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、イオノフォアまたは他のイオントランスポーターを発現または含有するようにさらに修飾されない。ある特定の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗TER119等の抗体と会合しない。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して維持される。さらなる実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して約200mOsm~約400mOsmの間に維持される。一部の実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して約200mOsm~約600mOsmの間に維持される。さらなる実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して約200mOsm~約800mOsmの間に維持される。一部の実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、約200mOsm~約300mOsm、約300mOsm~約400mOsm、約400mOsm~約500mOsm、約500mOsm~約600mOsm、約600mOsm~約700mOsm、約700mOsm~約800mOsm、約200mOsm~約400mOsm、約400mOsm~約600mOsmまたは約600mOsm~約800mOsmのうちいずれか1種の間に維持される。一部の実施形態では、容積オスモル濃度は、インプットまたは親無核細胞からの無核細胞由来の小胞の調製中に維持された。一部の実施形態では、容積オスモル濃度は、約200mOsm~約300mOsm、約200mOsm~約400mOsm、約200mOsm~約500mOsm、約300mOsm~約500mOsmまたは約350mOsm~約450mOsmのいずれかの間等、約200mOsm~約600mOsmの間に維持された。一部の実施形態では、容積オスモル濃度は、約200mOsm~約400mOsmの間に維持された。
一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、それと同時発生的に、および/またはその後に、抗原と接触される。
本明細書に記載されている無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物が提供される。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
抗原およびアジュバント
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、抗原は、疾患関連抗原である。さらなる実施形態では、抗原は、腫瘍抗原である。一部の実施形態では、抗原は、ライセートに由来する。一部の実施形態では、ライセートは、個体の生検に由来する。一部の実施形態では、ライセートは、細菌またはウイルス等の病原体に感染した個体の生検に由来する。一部の実施形態では、ライセートは、腫瘍を有する個体の生検に由来する(すなわち、腫瘍生検ライセート)。よって、一部の実施形態では、ライセートは、腫瘍ライセートである。一部の実施形態では、抗原は、移植片ライセートに由来する。一部の実施形態では、ライセートは、移植された臓器の生検に由来する。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である。一部の実施形態では、抗原は、微生物である。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、免疫原性エピトープを含む抗原を含む。一部の実施形態では、抗原は、疾患関連抗原である。一部の実施形態では、抗原は、罹患した細胞から単離されたペプチドまたはmRNAに由来する。一部の実施形態では、抗原は、罹患した細胞において異所的に発現または過剰発現されるタンパク質に由来する。一部の実施形態では、抗原は、ネオ抗原、例えば、がん関連ネオ抗原に由来する。一部の実施形態では、抗原は、ネオエピトープ、例えば、がん関連ネオエピトープを含む。一部の実施形態では、抗原は、非自己抗原である。一部の実施形態では、抗原は、突然変異されたまたは他の仕方で変更された自己抗原である。一部の実施形態では、抗原は、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である。一部の実施形態では、抗原は、異種ペプチド配列に融合された免疫原性エピトープを含む。一部の実施形態では、抗原は、複数の免疫原性エピトープを含む。一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープの一部は、同じ供給源に由来する。例えば、一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープの一部は、同じウイルス抗原に由来する。一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープの全てが、同じ供給源に由来する。一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープのいずれも、同じ供給源に由来しない。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、複数の異なる抗原を含む。一部の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9または10種の異なる型の抗原のいずれか等、複数の抗原が、無核細胞に送達される。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、抗原は、ポリペプチド抗原である。一部の実施形態では、抗原は、非タンパク質抗原である。例えば、一部の実施形態では、抗原は、脂質抗原である。一部の実施形態では、抗原は、多糖等の糖鎖抗原である。一部の実施形態では、抗原は、糖脂質である。一部の実施形態では、抗原をコードする核酸は、細胞に送達される。一部の実施形態では、抗原は、インタクトな細菌等の微生物全体である。一部の実施形態では、抗原は、疾患関連抗原である。一部の実施形態では、抗原は、細菌、真菌、ウイルスまたはアレルゲン等の外来性供給源に由来する。一部の実施形態では、抗原は、修飾された抗原である。例えば、抗原は、治療剤または標的化ペプチドと融合することができる。一部の実施形態では、修飾された抗原は、ポリペプチドと融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、標的化ペプチドと融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、脂質と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、炭水化物と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、ナノ粒子と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、複数の抗原が、無核細胞に送達される。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原を含み、抗原は、免疫原性エピトープを含む。一部の実施形態では、抗原は、ポリペプチドであり、免疫原性エピトープは、免疫原性ペプチドエピトープである。一部の実施形態では、免疫原性ペプチドエピトープは、N末端隣接ポリペプチドおよび/またはC末端隣接ポリペプチドに融合される。一部の実施形態では、N末端隣接ポリペプチドおよび/またはC末端隣接ポリペプチドに融合された免疫原性ペプチドエピトープは、天然に存在しない配列である。一部の実施形態では、N末端および/またはC末端隣接ポリペプチドは、非天然である。一部の実施形態では、N末端隣接ポリペプチドおよび/またはC末端隣接ポリペプチドに融合された免疫原性ペプチドエピトープは、合成である。一部の実施形態では、N末端および/またはC末端隣接ポリペプチドは、免疫原性合成長鎖ペプチド(SLP)に由来する。一部の実施形態では、N末端および/またはC末端隣接ポリペプチドは、疾患関連免疫原性SLPに由来する。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原を含み、抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る。一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る。一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る。一部の実施形態では、抗原は、複数の免疫原性エピトープを含み、MHCクラスI拘束性ペプチドおよびMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る。一部の実施形態では、抗原を含む無核細胞由来の小胞は、抗原提示細胞によって取り入れられ、抗原は、抗原提示細胞によって1種もしくは複数のMHCクラスI拘束性ペプチドおよび/または1種もしくは複数のMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされる。一部の実施形態では、抗原は、CD-1拘束性抗原である。一部の実施形態では、CD-1拘束性抗原は、脂質抗原である。一部の実施形態では、抗原は、複数の免疫原性エピトープを含み、複数のCD-1拘束性抗原へとプロセシングされ得る。一部の実施形態では、抗原を含む無核細胞由来の小胞は、抗原提示細胞によって取り入れられ、抗原は、抗原提示細胞によって1種または複数のCD-1拘束性抗原へとプロセシングされる。一部の実施形態では、抗原は、複数の免疫原性エピトープを含み、(a)MHCクラスI拘束性ペプチド;(b)MHCクラスII拘束性ペプチド;または(c)CD-1拘束性抗原のうち1種または複数へとプロセシングされ得る。一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープの一部は、同じ供給源に由来する。一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープの全てが、同じ供給源に由来する。一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープのいずれも、同じ供給源に由来しない。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、複数の免疫原性エピトープを含む複数の抗原を含む。一部の実施形態では、複数の免疫原性エピトープを含む複数の抗原を含む無核細胞由来の小胞の個体への投与後に、複数の免疫原性エピトープのいずれも、他の免疫原性エピトープのいずれかに対する個体における免疫応答を減少させない。
本明細書に記載されている方法のいずれかまたは無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、アジュバントを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C(低および/または高分子量)、ポリリシンおよびカルボキシメチルセルロースにより安定化されたポリイノシン・ポリシチジル酸(HILTONOL(登録商標))、イミキモド、レシキモド、ならびに/またはリポ多糖(LPS)である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。一部の実施形態では、アジュバントは、低分子量ポリI:Cである。一部の実施形態では、CpG ODNは、約50個以下(約45、40、35、30、25、20個またはそれよりも少ない数以下のいずれか等)のヌクレオチドの長さである。一部の実施形態では、CpG ODNは、クラスA CpG ODN、クラスB CpG ODNまたはクラスC CpG ODNである。一部の実施形態では、CpG ODNは、米国特許仮出願第62/641,987号に開示されているヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、複数の異なるCpG ODNを含む。例えば、一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、クラスA、クラスBおよびクラスC CpG ODNの中から選択される複数の異なるCpG ODNを含む。)。一部の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9または10種の異なる型のアジュバントのいずれか等、複数のアジュバントが、無核細胞に送達される。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原および/またはアジュバントを含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、約1pM~約10mMの間の濃度で抗原を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、約1pM~約10mMの間の濃度でアジュバントを含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、約0.1μM~約10mMの間の濃度で抗原を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、約0.1μM~約10mMの間の濃度でアジュバントを含む。例えば、一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるアジュバントの濃度は、約1pM、約10pM、約100pM、約1nM、約10nM、約100nM、約1μM、約10μM、約100μM、約1mMまたは約10mM未満のいずれかである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるアジュバントの濃度は、約10mMをより多くえる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞における抗原の濃度は、約1pM、約10pM、約100pM、約1nM、約10nM、約100nM、約1μM、約10μM、約100μM、約1mMまたは約10mM未満のいずれかである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞における抗原の濃度は、約10mMをより多くえる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞における抗原の濃度は、約1pM~約10pMの間、約10pM~約100pMの間、約100pM~約1nMの間、約1nM~約10nMの間、約10nM~約100nMの間、約100nM~約1μMの間、約1μM~約10μMの間、約10μM~約100μMの間、約100μM~約1mMの間または1mM~約10mMの間のいずれかである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるアジュバントの濃度は、約1pM~約10pMの間、約10pM~約100pMの間、約100pM~約1nMの間、約1nM~約10nMの間、約10nM~約100nMの間、約100nM~約1μMの間、約1μM~約10μMの間、約10μM~約100μMの間、約100μM~約1mMの間または1mM~約10mMの間のいずれかである。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるアジュバントの抗原に対するモル比は、約10000:1~約1:10000の間のいずれかである。例えば、一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるアジュバントの抗原に対するモル比は、10000:1、約1000:1、約100:1、約10:1、約1:1、約1:10、約1:100、約1:1000または約1:10000のいずれかである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、a)抗原、b)アジュバント、ならびに/またはc)抗原およびアジュバントを含む複合体を含む。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、追加の薬剤を含まない対応する無核細胞由来の小胞と比較して無核細胞由来の小胞の機能を増強する追加の薬剤をさらに含む。一部の実施形態では、追加の薬剤は、安定化剤または補因子である。一部の実施形態では、薬剤は、アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシまたはヒトアルブミンである。一部の実施形態では、追加の薬剤は、二価金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセロール、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミンまたはEDTAである。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、1種または複数の治療剤をさらに含む。
他のペイロード
一部の実施形態では、ペイロードは、免疫寛容原性因子である。一部の実施形態では、ペイロードは、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、複合体(タンパク質に基づく複合体、核酸複合体、タンパク質-タンパク質複合体、核酸-核酸複合体またはタンパク質-核酸複合体等)、ナノ粒子、ウイルスまたはウイルス粒子である。
一部の実施形態では、ペイロードは、ウリカーゼ(半合成形態、例えば、ペグロチカーゼを含む)、グルコセレブロシダーゼ(例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼアルファ、β-グルコシダーゼ)、組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNSALP)(例えば、アスホターゼアルファ)、ライソゾーム酸性リパーゼ(例えば、セベリパーゼアルファ)、アルファ-グルコシダーゼ(例えば、アルグルコシダーゼアルファ)、α-L-イズロニダーゼ(例えば、ラロニダーゼ(Iaronidase))、イズロン酸スルファターゼ(例えば、イデュルスルファーゼ)、ヘパラン硫酸、ケラチン硫酸、コンドロイチン6-硫酸(例えば、エロスルファーゼアルファ)、N-アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼ(例えば、ガルスルファーゼ)、β-グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、α-ガラクトシダーゼA(例えば、アガルシダーゼベータ)、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、中鎖アシル-CoAデヒドロゲナーゼ、グリアジン、アセチルコリン受容体および受容体関連タンパク質、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)、デスモグレイン1および3、アクアポリン4、GADD65、インスリン、プロインスリン、ならびにプレプロインスリンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)ペイロードを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をペイロードと共にインキュベートし、これにより、ペイロードを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原および免疫寛容原性因子を含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗原に対する免疫応答の抑制を増強する、および/または抗原に対する寛容の誘導を増強する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗原提示細胞による抗原の免疫寛容原性提示を促進することができる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、IL-4、IL-10、IL-13、IL-35、IFN-αまたはTGF-βである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、治療ポリペプチドである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、治療ポリペプチドの断片である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、炭水化物にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、核酸である。一部の実施形態では、核酸は、mRNA、DNA、miRNAまたはsiRNAを限定することなく含むことができる。例えば、免疫寛容原性因子は、炎症性遺伝子の発現をノックダウンするためのsiRNAを含むことができる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、NF-κBに結合し、NF-κB活性化および下流シグナル伝達を防止するDNA配列である。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、小分子である。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫調節剤(免疫刺激剤(例えば、共刺激分子)、免疫抑制剤、または炎症性もしくは抗炎症性分子等)の発現および/または活性をモジュレートする。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫刺激剤(例えば、共刺激分子)の発現および/または活性を阻害する、免疫抑制分子の発現および/または活性を増強する、炎症性分子の発現および/または活性を阻害する、および/または抗炎症性分子の発現および/または活性を増強する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子の活性を阻害する。共刺激分子およびそのリガンドの間の相互作用は、最適なT細胞増殖および分化を刺激するためのTCRシグナル伝達の持続および統合に重要である。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子の発現を減少させる。抗原提示細胞表面に発現される例示的な共刺激分子は、CD40、CD80、CD86、CD54、CD83、CD79、Ox40またはICOSリガンドを限定することなく含む。一部の実施形態では、共刺激分子は、CD80またはCD86である。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子を発現するまたはその発現をモジュレートする核酸の発現を阻害する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子を発現するまたはその発現をモジュレートする核酸を欠失する。一部の実施形態では、共刺激分子を発現するまたはその発現をモジュレートする核酸の欠失は、遺伝子編集により達成される。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子を阻害する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子を阻害するsiRNAである。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子の発現を抑制する転写調節因子の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子の発現を抑制するタンパク質阻害剤の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子の抑制因子をコードする核酸を含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共刺激分子を分解する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、破壊のために共刺激分子を標識する。例えば、免疫寛容原性因子は、共刺激分子のユビキチン化を増強し、これにより、これを破壊のために標的化することができる。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子の発現および/または活性を増強する。一部の実施形態では、免疫抑制分子は、共阻害分子、転写調節因子または免疫抑制分子である。共阻害分子は、リンパ球の活性化を負に調節する。例示的な共阻害分子は、PD-L1、PD-L2、HVEM、B7-H3、TRAIL、免疫グロブリン様転写物(ILT)受容体(ILT2、ILT3、ILT4)、FasL、CTLA4、CD39、CD73およびB7-H4を限定することなく含む。一部の実施形態では、共阻害分子は、PD-L1またはPD-L2である。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子の発現を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子をコードする。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子の発現を増強することができる転写調節因子の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子の発現を増加させるポリペプチドの活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子の増強因子をコードする核酸を含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、共阻害分子の阻害剤を阻害する。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子の発現および/または活性を増加させる。例示的な免疫抑制分子は、アルギナーゼ-1(ARG1)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、プロスタグランジンE2(PGE2)、誘導型一酸化窒素シンターゼ(iNOS)、一酸化窒素(NO)、一酸化窒素シンターゼ2(NOS2)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、血管性腸(vascular intestinal)ペプチド(VIP)、肝細胞増殖因子(HGF)、トランスフォーミング増殖因子-β(ΤGF-β)、IFN-α、IL-4、IL-10、IL-13およびIL-35を限定することなく含む。一部の実施形態では、免疫抑制分子は、NOまたはIDOである。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子をコードする。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子の発現を増強する転写調節因子の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子の発現を増強するポリペプチドの活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子の増強因子をコードする核酸を含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、免疫抑制分子の負の制御因子を阻害する。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性分子の発現および/または活性を阻害する。一部の実施形態では、炎症性分子は、炎症性転写因子である。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性転写因子を阻害する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性転写因子の発現を減少させる。一部の実施形態では、炎症性転写因子は、NF-KB、インターフェロン調節性因子(IRF)、またはJAK-STATシグナル伝達経路に関連する分子である。NF-κB経路は、サイトカイン、ケモカインおよび接着分子を含む炎症促進性遺伝子の発現を媒介する、プロトタイプの炎症促進性シグナル伝達経路である。インターフェロン調節性因子(IRF)は、炎症促進性遺伝子の発現を調節することができる転写因子のファミリーを構成する。JAK-STATシグナル伝達経路は、細胞外サイトカインシグナルから核へと情報を伝達し、免疫細胞増殖および分化に関与する遺伝子のDNA転写および発現をもたらす。JAK-STATシステムは、細胞表面受容体、ヤヌスキナーゼ(JAK)およびシグナル伝達性転写因子(STAT)タンパク質からなる。例示的なJAK-STAT分子は、JAKl、JAK2、JAK3、Tyk2、STATI、STAT2、STAT3、STAT4、STATS(STAT5AおよびSTAT5B)およびSTAT6を限定することなく含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、サイトカインシグナル伝達(SOCS)タンパク質の抑制因子の発現を増強する。SOCSタンパク質は、JAK-STAT経路を介したシグナル伝達を阻害することができる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性転写因子をコードする核酸の発現を阻害する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性転写因子をコードする核酸を欠失する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性転写因子の発現を抑制する転写調節因子の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性転写因子の発現を抑制するタンパク質阻害剤の活性を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、炎症性転写因子の抑制因子をコードする核酸を含む。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗炎症性分子の発現および/または活性を増強する。一部の実施形態では、抗炎症性分子は、抗炎症性転写因子である。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗炎症性転写因子を増強する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗炎症性転写因子の発現を増加させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗炎症性転写因子をコードする核酸の発現を増強する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗炎症性転写因子の発現を抑制する転写調節因子の活性を減少させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗炎症性転写因子の発現を抑制するタンパク質阻害剤の活性を減少させる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、抗炎症性転写因子の増強因子をコードする核酸を含む。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、核酸を含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、核酸である。例示的な核酸は、組換え核酸、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、saRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、gRNAおよびshRNAを限定することなく含む。一部の実施形態では、核酸は、細胞における核酸に対して相同である。一部の実施形態では、核酸は、細胞における核酸に対して異種である。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、プラスミドである。一部の実施形態では、核酸は、治療核酸である。一部の実施形態では、核酸は、治療ポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNAまたはshRNAをコードする核酸を含む。例えば、免疫寛容原性因子は、炎症性遺伝子の発現をノックダウンするためのsiRNAを含むことができる。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、NF-κBに結合し、NF-κB活性化および下流シグナル伝達を防止するDNA配列である。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、ポリペプチドである。一部の実施形態では、タンパク質またはポリペプチドは、治療タンパク質、抗体、融合タンパク質、抗原、合成タンパク質、レポーターマーカーまたは選択可能マーカーである。一部の実施形態では、タンパク質は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、トランスポサーゼ、RNAガイドエンドヌクレアーゼ(例えば、CAS9酵素)、DNAガイドエンドヌクレアーゼまたはインテグラーゼ酵素等、遺伝子編集タンパク質またはヌクレアーゼである。一部の実施形態では、融合タンパク質は、抗体薬物コンジュゲート等のキメラタンパク質薬(drag)、またはGSTもしくはストレプトアビジンをタグ付けされたタンパク質等の組換え融合タンパク質を限定することなく含むことができる。一部の実施形態では、化合物は、転写因子である。例示的な転写因子は、Oct4、Sox2、c-Myc、Klf-4、T-bet、GATA3、FoxP3およびRORγtを限定することなく含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、IL-4、IL-10、IL-13、IL-35、IFN-αまたはTGFβである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、治療ポリペプチドである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、治療ポリペプチドの断片である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ペプチド核酸(PNA)である。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、タンパク質-核酸複合体を含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、タンパク質-核酸複合体である。一部の実施形態では、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)(CRISPR)-Cas9等のタンパク質-核酸複合体が、ゲノム編集適用において使用される。このような複合体は、非特異的DNA切断ヌクレアーゼと組み合わせた、配列特異的DNA結合ドメインを含有する。このような複合体は、特異的遺伝子の配列の付加、破壊または変化を含む、標的化されたゲノム編集を可能にする。一部の実施形態では、無効になったCas9(dCas9)が、標的遺伝子の転写の遮断または誘導に使用される。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、Cas9タンパク質およびガイドRNAおよびドナーDNAを含有する。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、遺伝子編集複合体は、共刺激分子(例えば、CD80および/またはCD86)の発現を標的とする。
一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、小分子を含む。一部の実施形態では、免疫寛容原性因子は、小分子である。一部の実施形態では、小分子は、共刺激分子の活性を阻害する、共阻害分子の活性を増強する、および/または炎症性分子の活性を阻害する。例示的な小分子は、医薬剤、代謝物または放射性核種を限定することなく含む。一部の実施形態では、医薬剤は、治療薬および/または細胞傷害剤である。一部の実施形態では、化合物は、ナノ粒子を含む。ナノ粒子の例は、金ナノ粒子、量子ドット、カーボンナノチューブ、ナノシェル、デンドリマーおよびリポソームを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、治療分子を含有する、またはそれに連結される(共有結合または非共有結合により)。一部の実施形態では、ナノ粒子は、mRNAまたはcDNA等の核酸を含有する。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、サイトカインを含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、DNA等の遺伝材料をモジュレートするための薬剤を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、CRISPR成分等の遺伝子編集成分を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、RNA種の存在を減少させる等、RNAをモジュレートするための薬剤を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、siRNAを含む。
無核細胞由来の小胞を生成するための方法
ある特定の態様では、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するための方法であって、a)インプット(例えば、親)無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。
ある特定の態様では、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するための方法であって、a)インプット(例えば、親)無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートし、これにより、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、アジュバントを含む。
ある特定の態様では、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するための方法であって、a)インプット(例えば、親)無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、赤血球細胞由来の小胞または血小板由来の小胞である。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、赤血球由来の小胞または網状赤血球由来の小胞である。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、インプット(例えば、親)無核細胞は、哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、サル、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタまたはウサギ細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、非哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、ニワトリ、カエル、昆虫、魚類または線虫細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球細胞である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、RBCの前駆体である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、網状赤血球である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、血小板である。
一部の実施形態では、免疫原性環境における抗原の提示は、抗原に対する免疫応答を増強する、または抗原に対する免疫応答を誘導する。肝臓および脾臓の免疫原性環境において排除され得る、無核細胞由来の小胞等のエリプトーシス小体に由来する抗原は、T細胞の活性化により抗原に対する免疫応答を刺激または増強することができる。一部の実施形態では、免疫応答は、抗原特異的である。RBC由来の小胞等の無核細胞由来の小胞は、限定された寿命を有し、自己修復することができず、血流からの無核細胞由来の小胞の除去をもたらす、アポトーシスに類似したプロセスであるエリプトーシスを引き起こす。一部の実施形態では、抗原は、免疫原性環境内で無核細胞由来の小胞のエリプトーシス後に放出され得、そこで抗原はその後、抗原提示細胞によって貪食、プロセシングおよび提示される。一部の実施形態では、抗原を含有する無核細胞由来の小胞は、マクロファージ等の抗原提示細胞によってファゴサイトーシスされ、抗原はその後、抗原提示細胞によってプロセシングおよび提示される。一部の実施形態では、抗原提示細胞は、常在性マクロファージである。
一部の実施形態では、哺乳動物における無核細胞由来の小胞の循環半減期は、インプット(例えば、親)無核細胞と比較して減少している。無核細胞、例えば、赤血球細胞等の細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、当技術分野で公知である。例えば、Franco, R. S., Transfus Med Hemother, 39, 2012を参照されたい。例えば、一部の実施形態では、無核細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、コホート標識技法またはランダム標識技法を含む。一部の実施形態では、無核細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、細胞または小胞を標識、再注入し、再注入後の消失を測定するステップを含む。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞の半減期を測定するための方法は、インプット無核細胞またはインプット無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)の半減期を測定するステップを含む。
一部の実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプット(例えば、親)無核細胞と比較して、約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれかをより多くえる等、約50%をより多くえて減少している。一部の実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプット無核細胞と比較して、約70%~約99.9%、約85%~約99.9%または約95%~約99.9%のいずれか等、約50%~約99.9%減少している。一部の実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプット無核細胞と比較して、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかだけ減少している。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約5分間、10分間、15分間、30分間、1時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間または100日間未満のいずれかである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約0.5分間、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、30分間、45分間、1時間、3時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間または100日間のいずれかである。
一部の実施形態では、インプット(例えば、親)無核細胞は、ヒト細胞であり、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約5分間、10分間、15分間、30分間、1時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間または100日間未満のいずれかである。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、ヒト細胞であり、無核細胞由来の小胞の循環半減期は、約0.5分間、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、30分間、45分間、1時間、3時間、6時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、20日間、30日間、40日間、50日間、60日間、70日間、80日間、90日間または100日間のいずれかである。
一部の実施形態では、インプット(例えば、親)無核細胞は、赤血球細胞であり、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞と比較して減少している。無核細胞、例えば、赤血球細胞等の細胞または無核細胞由来の小胞のヘモグロビンレベルを測定する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Chaudhary, R., J Blood Med, 8, 2017を参照されたい。例えば、一部の実施形態では、本方法は、代謝前駆体または産物を測定して、ヘモグロビンのターンオーバーを決定するステップを含む。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞のヘモグロビンレベルを測定するための方法は、インプット無核細胞またはインプット無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)のヘモグロビンレベルを測定するステップを含む。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプット(例えば、親)無核細胞と比較して、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%または100%のいずれかだけ減少している。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞と比較して、約70%~約99.9%、約85%~約99.9%または約95%~約99.9%のいずれか等、約50%~約99.9%減少している。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞と比較して、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかだけ減少している。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプット(例えば、親)無核細胞におけるヘモグロビンレベルの約0.01%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%または50%のいずれかである。
一部の実施形態では、インプット(例えば、親)無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞の形態は、インプット無核細胞の形態からモジュレートされる。形態は、例えば、細胞または細胞由来の小胞の形状、構造、幾何学、強度、形態、平滑性、粗度、円形度、体積、表面積および/またはサイズの分類に関係する。形態を決定(測定等)するための方法は、当技術分野で公知である。例えば、Boutros et al., Cell, 163, 2015;Girasole, M. et al., Biochim Biophys Acta Biomembr, 1768, 2007;およびChen et al., Comput Math Methods Med, 2012を参照されたい。一部の実施形態では、形態を決定するための方法は、ハイコンテンツイメージングを含む。例えば、細胞の形態は、ヘキスト色素による染色と、続く自動ハイコンテンツ画像解析によって評価することができる。他の例では、形態は、フローサイトメトリーからの前方および側方散布図におけるシフトにより決定することができる。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、球状の形態である。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、インプット無核細胞と比較して低減された両凹形状を有する。一部の実施形態では、本願に包含される無核細胞または無核細胞由来の小胞の形態を測定するための方法は、インプット無核細胞またはインプット無核細胞の集団を含む対照等の適切な参照対照(複数可)の形態を測定するステップを含む。
一部の実施形態では、インプット(例えば、親)無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、インプット無核細胞と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または99.9%のいずれかをより多くえた低減等、低減された両凹形状を有する。
一部の実施形態では、インプット(例えば、親)無核細胞は、赤血球細胞または赤血球であり、無核細胞由来の小胞は、赤血球細胞ゴースト(RBCゴースト)である。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の半減期は、さらに修飾することができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の半減期は、さらなる修飾によって増加する。例えば、無核細胞由来の小胞は、無核細胞由来の小胞が、肝臓および脾臓におけるクリアランス前に血流中を循環する時間を増加させるように修飾することができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の半減期は、修飾によってさらに減少する。例えば、無核細胞由来の小胞は、無核細胞が、脾臓におけるクリアランス前に血流中を循環する時間を減少させるように修飾することができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の表面におけるリン脂質の比の変更は、無核細胞由来の小胞の半減期を減少させる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の表面におけるホスファチジルセリンの他のリン脂質に対する比の増加は、無核細胞由来の小胞の半減期を減少させる。例えば、表面ホスファチジルセリンを増加させるための当技術分野で公知のいずれかの方法(Hamidi et al., J. Control. Release, 2007, 118(2): 145-60を参照)を使用することによる等、無核細胞由来の小胞の表面におけるホスファチジルセリンの存在をさらに増加させて、無核細胞の半減期を減少させることができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、脂質またはリン脂質と共にインキュベートされる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、ビス(スルホサクシニミジル)スベリン酸塩または他の架橋剤等の化学物質によって処置される。他の実施形態では、無核細胞由来の小胞の表面ホスファチジルセリンを減少させて、無核細胞由来の小胞の半減期を増加させることができる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、フリッパーゼで処置される。一般に、フリッパーゼは、原形質膜において外部リーフレットからサイトゾルリーフレットへとリン脂質を輸送する酵素である。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、個体への送達に先立ち、ホスファチジルセリンを切断する酵素で処置される。ホスファチジルセリンを切断する酵素の非限定的な例は、ホスファチジルセリンカルボキシラーゼである。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうち1種または複数を示す。
本明細書に記載されている方法のいずれかに係る一部の実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して維持される。さらなる実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して200mOsm~400mOsmの間に維持される。一部の実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して200mOsm~600mOsmの間に維持される。さらなる実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、プロセスを通して200mOsm~800mOsmの間に維持される。一部の実施形態では、細胞懸濁液の容積オスモル濃度は、200mOsm~300mOsm、300mOsm~400mOsm、400mOsm~500mOsm、500mOsm~600mOsm、600mOsm~700mOsm、700mOsm~800mOsmのうちいずれか1種の間に維持される。
本明細書に記載されている方法または無核細胞由来の小胞のいずれかに係る一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、追加の薬剤を含まない対応する無核細胞由来の小胞と比較して無核細胞由来の小胞の機能を増強する追加の薬剤をさらに含む。一部の実施形態では、追加の薬剤は、安定化剤または補因子である。一部の実施形態では、薬剤は、アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシまたはヒトアルブミンである。一部の実施形態では、追加の薬剤は、二価金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセロール、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミンまたはEDTAである。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、1種または複数の治療剤をさらに含む。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原および免疫寛容原性因子を含み、無核細胞由来の小胞は、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原および免疫寛容原性因子の通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原および免疫寛容原性因子を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原および免疫寛容原性因子と共にインキュベートし、これにより、抗原および免疫寛容原性因子を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された。
一部の実施形態では、狭窄は、マイクロ流体チャネル内に含有される。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネルは、複数の狭窄を含む。一部の実施形態では、複数の狭窄は、直列におよび/または並列に配置される。一部の実施形態では、狭窄は、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する。一部の実施形態では、狭窄は、複数の微小な支柱によって形成される。一部の実施形態では、狭窄は、アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間に形成される。一部の実施形態では、狭窄は、1枚または複数の可動プレートによって形成される。
一部の実施形態では、狭窄は、ポアである、またはポア内に含有される。一部の実施形態では、ポアは、表面に含有される。一部の実施形態では、表面は、フィルターである。一部の実施形態では、表面は、膜である。
一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液における無核細胞の最大直径等、細胞の直径の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または80%のいずれかである。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液における無核細胞の最大直径等、細胞の直径の約80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%または10%未満のいずれかである。一部の実施形態では、狭窄は、約1μm~約3μm、約1.75μm~約2.5μmまたは約2μm~約2.5μmのいずれか等、約0.1μm~約4μmの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約4μm、3.5μm、3μm、2.5μm、2μm、1.5μm、1μm、0.5μmまたは約0.25μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約1.8μm、1.9μm、2μm、2.1μm、2.2μm、2.3μm、2.4μm、2.5μmまたは2.6μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約2.2μmの幅を有する。
一部の実施形態では、インプット親無核細胞は、約30psi~約60psi、約10psi~約40psi、約50psi~約90psiのいずれか等、約10psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット親無核細胞は、少なくとも約5psi、10psi、15psi、20psi、25psi、30psi、35psi、40psi、45psi、50psi、55psi、60psi、65psi、70psi、75psi、80psi、85psi、90psi、95psi、100psi、105psi、110psi、115psi、120psi、125psi、130psi、135psi、140psi、145psiまたは150psiのいずれかの圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット親無核細胞は、少なくとも約5psiかつ、約150psi、145psi、140psi、135psi、130psi、125psi、120psi、115psi、110psi、105psi、100psi、95psi、90psi、85psi、80psi、75psi、70psi、65psi、60psi、55psi、50psi、45psi、40psi、35psi、30psi、25psi、20psiまたは15psi未満のいずれかの圧力下で、狭窄に通される。
一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、ペイロードと接触させられる(先ず接触させられる等)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通すのと同時発生的に、ペイロードと接触させられる(先ず接触させられる等)。一部の実施形態では、狭窄に通した後に、細胞懸濁液は、ペイロードと接触させられる(先ず接触させられる等)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通すのと同時発生的に、および狭窄に通した後に、ペイロードと少なくとも接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、狭窄に通すのと同時発生的に、および狭窄に通した後に、ペイロードと接触させられる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、活性化抗原担体(AAC)である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている寛容化(tolearization)のための抗原を含む無核細胞由来の小胞は、寛容化抗原担体(TAC)である。
組成物
一部の態様では、本出願は、本明細書に記載の無核細胞由来の小胞のいずれかを複数含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうちいずれか1種または複数を有する、組成物が提供される。
一部の実施形態では、複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物は、(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうち1種または複数を含む、1種または複数の選択特性を有する組成物内に、所望のプロファイルの無核細胞由来の小胞を生じるように積極的に調整されてもよい。
一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物は、マイクロ流体狭窄の使用を含む本明細書に記載の作製方法を使用して親無核細胞から調製され、狭窄寸法、親無核細胞を狭窄に通すスピード、狭窄の構造(例えば、堰の構造およびサイズ)、処理時間、圧力、および緩衝剤組成物を含む作製方法のパラメーターは、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物を生じるように選択される。一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物を作製する方法は、狭窄寸法、親無核細胞を狭窄に通すスピード、狭窄の構造(例えば、堰の構造およびサイズ)、処理時間、圧力、および緩衝剤組成物を含むパラメーターのセットを選択して、組成物を生成するステップを含む。一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物を作製する方法は、狭窄寸法、親無核細胞を狭窄に通すスピード、狭窄の構造(例えば、堰の構造およびサイズ)、処理時間、圧力、および緩衝剤組成物を含むパラメーターのセットを使用して、組成物を生成するステップを含む。
例えば、一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物は、例えば約2.2μmまたは約2.5μmの狭窄寸法、および例えば約30psiまたは約50psiの圧力を含むパラメーターのセットを使用して調製される。一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物は、約2.2μmの狭窄寸法および約30psiの圧力を含むパラメーターのセットを使用して調製される。一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物は、約2.2μmの狭窄寸法および約50psiの圧力を含むパラメーターのセットを使用して調製される。一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物は、約2.5μmの狭窄寸法および約30psiの圧力を含むパラメーターのセットを使用して調製される。一部の実施形態では、所望のプロファイルの選択特性を有する複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物は、約2.5μmの狭窄寸法および約50psiの圧力を含むパラメーターのセットを使用して調製される。
一部の実施形態では、親無核細胞は、以下に限定されないが、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類由来の細胞を含む哺乳動物の細胞である。一部の実施形態では、親無核細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、親無核細胞は、以下に限定されないが、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類を含む哺乳動物由来の無核細胞である。
一部の実施形態では、親無核細胞は、赤血球細胞である。一部の実施形態では、親無核細胞は、血小板である。一部の実施形態では、赤血球細胞は、赤血球である。一部の実施形態では、赤血球細胞は、網状赤血球である。
一部の実施形態では、哺乳動物の組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかの循環半減期は、親無核細胞と比較して減少している。一部の実施形態では、哺乳動物の組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約75%、例えば、少なくとも約80%、85%、90%または95%のいずれかの循環半減期は、親無核細胞と比較して減少している。一部の実施形態では、哺乳動物の組成物における無核細胞由来の小胞の約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかの循環半減期は、親無核細胞と比較して減少している。一部の実施形態では、哺乳動物の組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかの循環半減期は、親無核細胞と比較して約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または90%より多くのいずれかまで減少している。一部の実施形態では、親無核細胞はヒト細胞であり、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかの循環半減期は、約5分、10分、15分、30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、または10日未満のいずれかである。一部の実施形態では、親無核細胞はヒト細胞であり、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかの循環半減期は、約1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、30分、45分、1時間、3時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、または10日のいずれかである。
一部の実施形態では、親無核細胞は赤血球細胞であり、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかのヘモグロビンレベルは、親無核細胞と比較して減少している。一部の実施形態では、哺乳動物の組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約75%、例えば、少なくとも約80%、85%、90%または95%のいずれかのヘモグロビンレベルは、親無核細胞と比較して減少している。一部の実施形態では、組成物における無核細胞由来の小胞の20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかのヘモグロビンレベルは、親無核細胞と比較して少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%のいずれかまで減少している。一部の実施形態では、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかのヘモグロビンレベルは、親無核細胞におけるヘモグロビンのレベルの約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%のいずれかである。
一部の実施形態では、親無核細胞は赤血球であり、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、親無核細胞と比較してモジュレートされた形態を有する。一部の実施形態では、親無核細胞は赤血球であり、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、球状の形態である。一部の実施形態では、親無核細胞は赤血球であり、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、親無核細胞と比較して低減された、例えば、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかまで低減された両凹形状を有する。
一部の実施形態では、親無核細胞は赤血球細胞または赤血球であり、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、赤血球細胞ゴーストである。
一部の実施形態では、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、表面ホスファチジルセリンを含む。一部の実施形態では、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベルを含む。一部の実施形態では、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、複数の親無核細胞を含む組成物と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%、または200%より多くのいずれかより高い表面ホスファチジルセリンレベルを有する。
一部の実施形態では、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する。一部の実施形態では、組成物における無核細胞由来の小胞の少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、親無核細胞によって産生されるATPのレベルの約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%未満のいずれかのATPを産生する。一部の実施形態では、試料および対照のATP産生は、類似する条件下で測定される。一部の実施形態では、少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%のいずれかは、ATPを産生しない。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性、すなわち、組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した哺乳動物における循環半減期を有するという特性を含む、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性、すなわち、組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有するという特性を含む、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性、すなわち、組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性、すなわち、組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性、すなわち、組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性、すなわち、組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうちいずれか2種を含む、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載されるように、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうちいずれか3種を含む、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載された、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうちいずれか4種を含む、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載された、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうちいずれか5種を含む、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、本明細書にさらに記載された、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、および(f)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%より多くのいずれかが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、を含む、組成物が提供される。
本明細書に記載の一部の実施形態では、複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物の1種または複数の特性は、無核細胞由来の小胞が調製された親無核細胞の集団に対する比較に基づく。一部の実施形態では、比較は、親無核細胞の集団に関して測定された平均値に基づく。一部の実施形態では、比較は、親無核細胞の集団に関して測定された値の範囲に基づく。一部の実施形態では、親無核細胞の集団から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞の集団の平均値と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞の集団の平均値と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞の集団の平均値と比較してより高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%より多くのいずれかが、親無核細胞の集団の平均値と比較して低減されたATP産生を有する、のうち1種または複数を有する、組成物が提供される。
一部の実施形態では、親無核細胞は、無核細胞由来の小胞の調製中に、次のうち1種または複数、例えばすべてに付されなかった;(a)熱処理される、例えば、熱処置されるかまたは熱ショックを与えられる、(b)化学的に処置される、および(c)低浸透圧性または高浸透圧性条件に付される。
一部の実施形態では、親無核細胞からの無核細胞由来の小胞の調製中に容積オスモル濃度が維持された。一部の実施形態では、約200mOsm~約600mOsmの間、例えば、約200mOsm~約300mOsm、約200mOsm~約400mOsm、約200mOsm~約500mOsm、約300mOsm~約500mOsmまたは約350mOsm~約450mOsmの間のいずれかで容積オスモル濃度が維持された。一部の実施形態では、約200mOsm~約400mOsmの間で容積オスモル濃度が維持された。
一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は:インプット親無核細胞を含む懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きい無核細胞の撹乱を引き起こし;これにより、無核細胞由来の小胞を生成する、ステップを含むプロセスによって調製された。一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は、ペイロードを含む。一部の実施形態では、ペイロードは、治療用ペイロードである。一部の実施形態では、ペイロードは、抗原である。一部の実施形態では、ペイロードは、アジュバントである。一部の実施形態では、ペイロードは、寛容原性因子である。一部の実施形態では、ペイロードは、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、低分子、複合体(タンパク質ベースの複合体、核酸複合体、タンパク質-タンパク質複合体、核酸-核酸複合体、またはタンパク質-核酸複合体など)、またはナノ粒子である。
一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は:(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと;(b)ペイロードを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をペイロードと共にインキュベートし;これにより、ペイロードを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、本明細書に記載の任意の抗原などの抗原を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、本明細書に記載の任意の抗原から選択されるような複数の異なる種類の抗原(例えば、2、3、4、または5種の異なる種類の抗原)を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、本明細書に記載の任意のアジュバントなどのアジュバントを含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、本明細書に記載の任意のアジュバントから選択されるような複数の異なる種類のアジュバント(例えば、2、3、4、または5種の異なる種類のアジュバント)を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、本明細書に記載の任意の寛容原性因子などの寛容原性因子を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、本明細書に記載の任意の寛容原性因子から選択されるような複数の異なる種類の寛容原性因子(例えば、2、3、4、または5種の異なる種類の寛容原性因子)を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原およびアジュバントを含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、アジュバントおよび寛容原性因子を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原および寛容原性因子を含む。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原、アジュバント、および寛容原性因子を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、活性化抗原担体(AAC)である。
例えば、一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドへとプロセシングされることが可能である。一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされることが可能である。一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドおよびMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされることが可能である。一部の実施形態では、抗原は、疾患関連抗原である。一部の実施形態では、抗原は、腫瘍抗原である。一部の実施形態では、抗原は、ライセートに由来する。一部の実施形態では、ライセートは、移植された組織のライセートである。一部の実施形態では、ライセートは、腫瘍ライセートである。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原、細菌抗原、または真菌抗原である。一部の実施形態では、抗原は、微生物である。一部の実施形態では、抗原は、ポリペプチドである。一部の実施形態では、抗原は、脂質抗原である。一部の実施形態では、抗原は、糖鎖抗原である。一部の実施形態では、抗原をコードする核酸は、細胞に送達される。一部の実施形態では、抗原は、修飾された抗原である。一部の実施形態では、修飾された抗原は、ポリペプチドに融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、標的ペプチドと融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、脂質と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、炭水化物と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、ナノ粒子と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、複数の抗原は、無核細胞に送達される。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG ODN、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、イミキモド、レシキモド、および/またはLPSである。
一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された。
一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)アジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートし、これにより、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された。
一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は、抗原およびアジュバントを含み、組成物の無核細胞由来の小胞は、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された。
一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は、抗原および寛容原性因子を含み、組成物の無核細胞由来の小胞は、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原および寛容原性因子の通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原および寛容原性因子を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原および寛容原性因子と共にインキュベートし、これにより、抗原および寛容原性因子を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された。
一部の実施形態では、狭窄は、マイクロ流体チャネル内に含有される。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネルは、複数の狭窄を含む。一部の実施形態では、複数の狭窄は、直列および/または並列に配列されている。一部の実施形態では、狭窄は、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する。一部の実施形態では、狭窄は、複数の微小な支柱によって形成される。一部の実施形態では、狭窄は、アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間に形成される。一部の実施形態では、狭窄は、1枚または複数の可動プレートによって形成される。
一部の実施形態では、狭窄は、ポアである、またはポア内に含有される。一部の実施形態では、ポアは、表面に含有される。一部の実施形態では、表面は、フィルターである。一部の実施形態では、表面は、膜である。
一部の実施形態では、狭窄サイズは、細胞の直径、例えば、無核細胞の最大直径の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%のいずれかである。一部の実施形態では、狭窄サイズは、細胞の直径、例えば、無核細胞の最大直径の約80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、または10%未満のいずれかである。一部の実施形態では、狭窄は、0.1μm~約4μm、例えば、約1μm~約3μm、約1.75μm~約2.5μm、または約2μm~約2.5μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約4μm、3.5μm、3μm、2.5μm、2μm、1.5μm、1μm、0.5μm、または約0.25μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約1.8μm、1.9μm、2μm、2.1μm、2.2μm、2.3μm、2.4μm、2.5μmまたは2.6μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約2.2μmの幅を有する。
一部の実施形態では、インプット親無核細胞は、約10psi~約150psi、例えば、約30psi~約60psi、約10psi~約40psi、約50psi~約90psiのいずれかに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット親無核細胞は、少なくとも約5psi、10psi、15psi、20psi、25psi、30psi、35psi、40psi、45psi、50psi、55psi、60psi、65psi、70psi、75psi、80psi、85psi、90psi、95psi、100psi、105psi 110psi、115psi、120psi、125psi、130psi、135psi、140psi、145psi、または150psiのいずれかの圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット親無核細胞は、少なくとも約5psiおよび約150psi、145psi、140psi、135psi、130psi、125psi、120psi、115psi、110psi、105psi、100psi、95psi、90psi、85psi、80psi、75psi、70psi、65psi、60psi、55psi、50psi、45psi、40psi、35psi、30psi、25psi、20psi、または15psi未満のいずれかの圧力下で、狭窄に通される。
一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、ペイロードと接触させられる(例えば、最初に接触させられる)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄を通すのと同時発生的に、ペイロードと接触させられる(例えば、最初に接触させられる)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄を通した後に、ペイロードと接触させられる(例えば、最初に接触させられる)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄を通すのと同時発生的におよび狭窄を通した後に、ペイロードと少なくとも接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、狭窄を通すのと同時発生的に、および狭窄を通した後に、ペイロードと接触させられる。
一部の実施形態では、組成物は、少なくとも約500,000個、例えば、少なくとも約100万(M)、1.5M、2M、2.5M、3M、3.5M、4M、4.5M、5M、5.5M、6M、6.5M、7M、7.5M、8M、8.5M、9M、9.5M、10億(B)、1.1B、1.2B、1.3B、1.4B、1.5B、10B、100B、または1兆(T)個のいずれかの無核細胞由来の小胞を含む。
一部の実施形態では、組成物は、少なくとも約500,000個、例えば、少なくとも約100万(M)、1.5M、2M、2.5M、3M、3.5M、4M、4.5M、5M、5.5M、6M、6.5M、7M、7.5M、8M、8.5M、9M、9.5M、10億(B)、1.1B、1.2B、1.3B、1.4B、もしくは1.5B、10B、100B、または1兆(T)個のいずれかの無核細胞およびアジュバントを含む。
一部の実施形態では、組成物は、約25%~約80%、例えば、約25%~約45%、約35%~約55%、約35%~約65%、または約45%~約70のいずれかのヘマトクリット(Ht)レベルを有する。一部の実施形態では、組成物は、約20%より多く、例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%より多くのいずれかのヘマトクリット(Ht)レベルを有する。一部の実施形態では、組成物は、約80%未満、例えば、約75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、または20%未満のいずれかのヘマトクリット(Ht)レベルを有する。一部の実施形態では、組成物は、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%のいずれかのヘマトクリット(Ht)レベルを有する。
一部の実施形態では、組成物は、医薬組成物である。一部の実施形態では、組成物は、滅菌医薬組成物である。一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物のいずれかによれば、組成物は、ゴースト形成および/もしくは生存率および/もしくは機能を増強させる1種または複数の追加の薬剤をさらに含み、ならびに/または1種または複数の追加の薬剤を有さない無核細胞および/もしくは無核細胞由来の小胞を含む対応する組成物と比較して、無核細胞および/もしくは無核細胞由来の小胞に対する、例えば、投与のための、実用性を提供する。一部の実施形態では、追加の薬剤は、安定剤または補因子である。一部の実施形態では、追加の薬剤は、緩衝剤である。一部の実施形態では、追加の薬剤は、哺乳動物への投与に好適な緩衝剤である。一部の実施形態では、薬剤は、アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシ、またはヒトアルブミンである。一部の実施形態では、追加の薬剤は、二価の金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセロール、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミン、またはEDTAである。
細胞を変形させる狭窄
本明細書に記載の方法のいずれかまたは無核細胞由来の小胞のいずれかによる一部の実施形態では、狭窄は、マイクロ流体チャネル内に含有される。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネルは、複数の狭窄を含む。複数の狭窄は、マイクロ流体チャネル内に、並列および/または直列に配列され得る。したがって、一部の実施形態では、複数の狭窄は、直列および/または並列に配置されている。一部の実施形態では、狭窄は、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する。一部の実施形態では、狭窄は、複数の微小な支柱によって;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間に;または1枚または複数の可動プレートによって形成されている。本明細書に開示されている方法において使用するための細胞を変形させる狭窄を含有する例示的なマイクロ流体チャネルは、WO2013059343に記載されている。一部の実施形態では、狭窄は、ポアである、またはポア内に含有される。本明細書に開示されている方法において使用するためのポアを有する例示的な表面は、WO2017041050に記載されている。
一部の実施形態では、マイクロ流体チャネルは、内腔を含み、緩衝剤中に懸濁されたインプット無核細胞が通過できるように構成され、ここで、マイクロ流体チャネルは、狭窄を含む。マイクロ流体チャネルは、ケイ素、金属(例えば、ステンレス鋼)、プラスチック(例えば、ポリスチレン、PET、PETG)、セラミック、ガラス、結晶性基質、非結晶性基質、またはポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、PDMS、環状オレフィン共重合体(COC)など)を含む、いくつかの材料のうちいずれか1種から作製することができる。マイクロ流体チャネルの製作は、乾燥エッチング、湿式エッチング、フォトリソグラフィー、インジェクションモールディング、レーザーアブレーション、またはSU-8マスクを含む、当技術分野で公知の任意の方法によって実施することができる。
一部の実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄は、入口部分、中心点、および出口部分を含む。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄の長さ、深さ、および幅は変動され得る。一部の実施形態では、狭窄の直径は、懸濁液におけるインプット無核細胞またはインプット無核細胞のクラスターの直径の関数である。一部の実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄の直径は、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%~約99%である。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液におけるインプット無核細胞(例えば、RBC)の最小断面距離の約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液における無核細胞の最大直径などの細胞の直径の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%のいずれかである。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液における無核細胞の最大直径などの細胞の直径の約80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、または10%未満のいずれかである。一部の実施形態では、狭窄は、約0.25μm~約4μmの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約7μm、約6μm、約5μm、約4μm、約3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、または約0.25μm(これらの値の間の任意の範囲を含む)の幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約1.6μm、約1.8μm、約2.0μm、約2.2μm、約2.4μm、約2.6μm、約2.8μm、または約3.0μmのいずれか1つの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約2.2μmの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約0.1μm~約4μm、例えば、約1μm~約3μm、約1.75μm~約2.5μm、または約2μm~約2.5μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約4μm、3.5μm、3μm、2.5μm、2μm、1.5μm、1μm、0.5μm、または約0.25μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約1.8μm、1.9μm、2μm、2.1μm、2.2μm、2.3μm、2.4μm、2.5μmまたは2.6μmのいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約2.2μmの幅を有する。
一部の適用では、狭窄幅は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動され得る。一部の適用では、狭窄幅は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために低減され得る。一部の適用では、狭窄長さは、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動され得る。一部の適用では、狭窄長さは、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために増加され得る。
ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約10psi~約90psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約10psi、約10psi~約20psi、約20psi~約30psi、約30psi~約40psi、約40psi~約50psi、約50psi~約60psi、約60psi~約70psi、約70psi~約80psi、約80psi~約90psi、約90psi~約100psi、約100psi~約110psi、約110psi~約120psi、約120psi~約130psi、約130psi~約140psi、約140psi~約150psi、または約150psi~約200psiのいずれか1つに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、親無核細胞は、約10psi~約150psi、例えば、約30psi~約60psi、約10psi~約40psi、約50psi~約90psiのいずれかに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、親無核細胞は、少なくとも約5psi、10psi、15psi、20psi、25psi、30psi、35psi、40psi、45psi、50psi、55psi、60psi、65psi、70psi、75psi、80psi、85psi、90psi、95psi、100psi、105psi、110psi、115psi、120psi、125psi、130psi、135psi、140psi、145psi、または150psiのいずれかの圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、親無核細胞は、少なくとも約5psiおよび約150psi、145psi、140psi、135psi、130psi、125psi、120psi、115psi、105psi、100psi、95psi、90psi、85psi、80psi、75psi、70psi、65psi、60psi、55psi、50psi、45psi、40psi、35psi、30psi、25psi、20psi、または15psi未満のいずれかの圧力下で、狭窄に通される。一部の適用では、圧力は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動され得る。一部の実施形態では、圧力は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために増加され得る。チャネル、入口部分、中心点、および出口部分の断面も変動し得る。例えば、断面は、形状が円形、楕円形、細長いスリット、四角、六角形、または三角形であり得る。入口部分は、狭窄角を規定し、ここで、狭窄角は、チャネルの詰まりを低減するために最適化され、抗原および/またはアジュバントの細胞内への増強された送達のために最適化される。出口部分の角度も同様に変動し得る。例えば、出口部分の角度は、非層流をもたらし得る乱流の尤度を低減するよう構成される。一部の実施形態では、入口部分および/または出口部分の壁は、直線状である。他の実施形態では、入口部分および/または出口部分の壁は、曲線状である。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、それと同時発生的に、および/またはその後に、抗原と接触させられる。
本明細書に記載の方法または無核細胞由来の小胞のいずれかによる一部の実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を狭窄に通し、ここで、狭窄は、インプット無核細胞を変形させ、これにより、抗原および/またはアジュバントがインプット無核細胞に進入するように、インプット無核細胞の撹乱を引き起こす。一部の実施形態では、狭窄は、ポアである、またはポア内に含有される。一部の実施形態では、ポアは、表面に含有される。本明細書に開示されている方法において使用するためのポアを有する例示的な表面は、WO2017041050に記載されている。
一部の実施形態では、狭窄サイズは、無核細胞の関数である。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%~約99%である。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%~約70%である。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。一部の実施形態では、狭窄サイズは、懸濁液におけるインプット無核細胞(例えば、RBCなどの無核細胞)の最小断面距離の約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。最適な狭窄サイズまたは狭窄幅は、適用および/または細胞の種類に基づいて変動し得る。一部の実施形態では、狭窄は、約0.25μm~約4μmの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約7μm、約6μm、約5μm、約4μm、約3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、または約0.25μm(これらの値の間の任意の範囲を含む)の幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約7μm、約6μm、約5μm、約4μm、約3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μm、約0.25μm、または約0.1μm未満のいずれかの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約1.6μm、約1.8μm、約2.0μm、約2.2μm、約2.4μm、約2.6μm、約2.8μm、または約3.0μmのいずれか1つの幅を有する。一部の実施形態では、狭窄は、約2.2μmの幅を有する。一部の適用では、狭窄幅は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動されてもよい。一部の適用では、狭窄幅は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために低減されてもよい。一部の適用では、狭窄長さは、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動されてもよい。一部の適用では、狭窄長さは、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために増加されてもよい。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約10psi~約90psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約10psi、約10psi~約20psi、約20psi~約30psi、約30psi~約40psi、約40psi~約50psi、約50psi~約60psi、約60psi~約70psi、約70psi~約80psi、約80psi~約90psi、約90psi~約100psi、約100psi~約110psi、約110psi~約120psi、約120psi~約130psi、約130psi~約140psi、約140psi~約150psi、または約150psi~約200psiのいずれか1つに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、圧力は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動されてもよい。一部の実施形態では、圧力は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために増加されてもよい。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、それと同時発生的に、および/またはその後に、抗原と接触させられる。
本明細書に開示されている表面は、いくつかの材料のうちいずれか1種から作製され、いくつかの形態のうちいずれか1種をとり得る。一部の実施形態では、表面は、フィルターである。一部の実施形態では、表面は、膜である。一部の実施形態では、フィルターは、接線流フィルターである。一部の実施形態では、表面は、スポンジまたはスポンジ様マトリックスである。一部の実施形態では、表面は、マトリックスである。
一部の実施形態では、表面は、蛇行経路表面である。一部の実施形態では、蛇行経路表面は、酢酸セルロースを含む。一部の実施形態では、表面は、限定されないが、合成または天然のポリマー、ポリカーボネート、ケイ素、ガラス、金属、合金、硝酸セルロース、銀、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン、PVDF、ポリテトラフルオロエチレン、混合セルロースエステル、磁器、およびセラミックから選択される材料を含む。
本明細書に開示されている表面は、当技術分野で公知の任意の形状;例えば、3次元形状を有し得る。表面の2次元形状は、限定されないが、円形、楕円形、丸型、正方形、星型、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、または八角形であり得る。一部の実施形態では、表面は、形状が丸型である。一部の実施形態では、表面の3次元形状は、円柱形、円錐形、または立方体状である。
表面は、様々な断面幅および厚さを有し得る。一部の実施形態では、表面断面幅は、約1mm~約1mの間またはこれらの間の断面幅の任意の断面幅もしくは範囲である。一部の実施形態では、表面は、規定された厚さを有する。一部の実施形態では、表面の厚さは、均一である。一部の実施形態では、表面の厚さは、可変である。例えば、一部の実施形態では、表面の一部は、その表面の他の部分よりも厚いかまたは薄い。一部の実施形態では、表面の厚さは、約1%~約90%、またはそれらの間の任意のパーセンテージもしくはパーセンテージの範囲で変動する。一部の実施形態では、表面は、約0.01μm~約5mmの間の厚さ、またはそれらの間の任意の厚さもしくは厚さの範囲である。
本明細書に記載の方法のいずれかによる一部の実施形態では、狭窄は、ポアである、またはポア内に含有される。一部の実施形態では、ポアは、表面に含有される。一部の実施形態では、表面は、フィルターである。一部の実施形態では、表面は、膜である。ポアの断面幅は、処置される細胞の種類に関連する。一部の実施形態では、ポアサイズは、処置されるインプット無核細胞またはインプット無核細胞のクラスターの懸濁液における直径の関数である。一部の実施形態では、ポアサイズは、インプット無核細胞がポアを通過する際に撹乱されるようなサイズである。一部の実施形態では、ポアサイズは、インプット無核細胞の直径未満である。一部の実施形態では、ポアサイズは、無核細胞の直径の約10%~約99%である。一部の実施形態では、ポアサイズは、インプット無核細胞の直径の約10%~約70%である。一部の実施形態では、ポアサイズは、インプット無核細胞の約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。最適なポアサイズまたはポア断面幅は、適用および/または細胞の種類に基づいて変動し得る。一部の適用では、ポアサイズまたはポア断面幅は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動されてもよい。一部の適用では、ポアサイズまたはポア断面幅は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために低減されてもよい。一部の実施形態では、ポアサイズまたはポア断面幅は、約0.1μm~約4μmである。一部の実施形態では、ポアサイズまたはポア断面幅は、約0.25μm~約4μmである。一部の実施形態では、ポアサイズまたはポア断面幅は、約4μm、約3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μm、約0.25μm、または約0.1μmである。一部の実施形態では、ポアサイズまたはポア断面幅は、約4μm、約3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μm、約0.25μm、もしくは約0.1μmのいずれかであるか、またはそれ未満である。一部の実施形態では、ポアサイズまたはポア断面幅は、約1.6μm、約1.8μm、約2.0μm、約2.2μm、約2.4μm、約2.6μm、約2.8μm、または約3.0μmのいずれか1つである。一部の実施形態では、ポアサイズまたはポア断面幅は、約2.2μmである。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約10psi~約90psiに及ぶ圧力下で、ポアに通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約10psi、約10psi~約20psi、約20psi~約30psi、約30psi~約40psi、約40psi~約50psi、約50psi~約60psi、約60psi~約70psi、約70psi~約80psi、約80psi~約90psi、約90psi~約100psi、約100psi~約110psi、約110psi~約120psi、約120psi~約130psi、約130psi~約140psi、約140psi~約150psi、または約150psi~約200psiのいずれか1つに及ぶ圧力下で、ポアに通される。一部の実施形態では、圧力は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量をモジュレートするために変動されてもよい。一部の実施形態では、圧力は、インプット無核細胞からのゴースト形成の相対量を増加させるために増加されてもよい。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、ポアに通す前に、それと同時発生的に、および/またはその後に、抗原と接触させられる。
ポア通路の入口および出口は、種々の角度を有してもよい。ポアの角度は、無核細胞が通過する間のポアの目詰まりを最小限にするように選択され得る。例えば、入口または出口部分の角度は、約0度~約90度の間であり得る。一部の実施形態では、入口または出口部分は、90度より多くであり得る。一部の実施形態では、ポアは、同一の入口および出口の角度を有する。一部の実施形態では、ポアは、異なる入口および出口の角度を有する。一部の実施形態では、ポアの縁は、滑らか、例えば、丸みを帯びているまたはカーブしている。滑らかなポアの縁は、隆起も畝も起伏のある部分もない、連続した平坦で平らな表面を有する。一部の実施形態では、ポアの縁は、鋭い。鋭いポアの縁は、とがったまたは鋭角の薄い縁を有する。一部の実施形態では、ポア通路は、まっすぐである。まっすぐなポア通路は、カーブも屈曲も角度も他の不規則性も含有しない。一部の実施形態では、ポア通路は、カーブしている。カーブしたポア通路は、屈曲している、またはまっすぐな線から逸脱している。一部の実施形態では、ポア通路は、複数のカーブ、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれよりも多くのカーブを有する。
ポアは、2次元または3次元の形状を含む、当技術分野で公知の任意の形状を有し得る。ポア形状(例えば、断面形状)は、限定されないが、円形、楕円形、丸型、四角、星型、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形であり得る。一部の実施形態では、ポアの断面は、形状が丸型である。一部の実施形態では、ポアの3次元形状は、円柱形または円錐形である。一部の実施形態では、ポアは、溝付きの入口および出口形状を有する。一部の実施形態では、ポアの形状は、所与の表面内のポアの間で均質(すなわち、一貫したまたは規則的)である。一部の実施形態では、ポアの形状は、所与の表面内のポアの間で不均質(すなわち、混合されるかまたは変動した)である。
本明細書に記載の表面は、一定範囲のポアの総数を有し得る。一部の実施形態では、ポアは、総表面積の約10%~約80%を包含する。一部の実施形態では、表面は、1.0×105~約1.0×1030個の総ポアまたはそれらの間のいずれかの数もしくは数の範囲を含有する。一部の実施形態では、表面は、1mm2の表面積当たり約10~約1.0×1015個の間のポアを含む。
ポアは、所与の表面内に多数の方法で分布され得る。一部の実施形態では、ポアは、所与の表面内に並行に分布される。このような一例では、ポアは、同じ方向に並んで分布され、所与の表面内に同じ距離離れて存在する。一部の実施形態では、ポアの分布は、整然としているかまたは均質である。このような一例では、ポアは、規則的な規則正しいパターンで分布されるか、または所与の表面内で同じ距離離れて存在する。一部の実施形態では、ポア分布は、ランダムまたは不均質である。このような一例では、ポアは、不規則な無秩序なパターンで分布されるか、または所与の表面内で異なる距離離れて存在する。一部の実施形態では、複数の表面は、直列に分布される。複数の表面は、表面サイズ、形状および/または粗さが均質または不均質であり得る。複数の表面は、均質または不均質なポアサイズ、形状、および/または数を有するポアをさらに含有し、これにより、異なる種類の無核細胞への一定範囲の抗原および/またはアジュバントの同時送達が可能になる。
一部の実施形態では、個々のポアは、一様な幅寸法(すなわち、ポア通路の長さに沿って一定の幅)を有する。一部の実施形態では、個々のポアは、可変の幅(すなわち、ポア通路の長さに沿って増加するかまたは減少する幅)を有する。一部の実施形態では、所与の表面内のポアは、同じ個々のポアの深さを有する。一部の実施形態では、所与の表面内のポアは、異なる個々のポアの深さを有する。一部の実施形態では、ポアは、互いに直接隣接する。一部の実施形態では、ポアは、互いに一定の距離離れている。一部の実施形態では、ポアは、約0.001μm~約30mmの距離、またはそれらの間の任意の距離もしくは距離の範囲、互いに離れている。
一部の実施形態では、表面は、材料でコーティングされている。材料は、限定されないが、テフロン(登録商標)、接着剤コーティング、界面活性剤、タンパク質、接着分子、抗体、抗凝固剤、細胞機能をモジュレートする因子、核酸、脂質、炭水化物、ナノ粒子、または膜貫通タンパク質を含む、当技術分野で公知の任意の材料から選択され得る。一部の実施形態では、表面は、ポリビニルピロリドンでコーティングされている。一部の実施形態では、材料は、表面に共有結合により結合している。一部の実施形態では、材料は、表面に非共有結合により結合している。一部の実施形態では、表面分子は、ポアを通過して無核細胞として放出される。
一部の実施形態では、表面は、修飾された化学的特性を有する。一部の実施形態では、表面は、親水性である。一部の実施形態では、表面は、疎水性である。一部の実施形態では、表面は、荷電されている。一部の実施形態では、表面は、正におよび/または負に荷電されている。一部の実施形態では、表面は、一部の領域において正に荷電されており、他の領域において負に荷電されていてもよい。一部の実施形態では、表面は、全体的に正のまたは全体的に負の荷電を有する。一部の実施形態では、表面は、平滑であるか、電解研磨されているか、粗面であるか、またはプラズマ処理されているかのいずれか1種であり得る。一部の実施形態では、表面は、両性イオンまたは二極性化合物を含む。一部の実施形態では、表面は、プラズマ処理されている。
一部の実施形態では、表面は、より大きなモジュール内に含有される。一部の実施形態では、表面は、シリンジ、例えば、プラスチックまたはガラスシリンジ内に含有される。一部の実施形態では、表面は、プラスチックフィルターホルダー内に含有される。一部の実施形態では、表面は、ピペットチップ内に含有される。
本明細書に記載の方法のいずれかまたは無核細胞由来の小胞のいずれかによる一部の実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を狭窄に通し、ここで、狭窄は、インプット無核細胞を変形させ、これにより、抗原および/またはアジュバントがインプット無核細胞に進入するように、細胞の撹乱を引き起こし、インプット無核細胞における撹乱は、細胞の外側からインプット無核細胞中に材料を移動させる、インプット無核細胞における破損である(例えば、孔、裂け目、空洞、開口、ポア、割れ目、ギャップ、穿孔)。変形は、例えば、機械的ひずみおよび/または剪断力によって誘導される圧力によって引き起こされ得る。一部の実施形態では、撹乱は、無核細胞膜内の撹乱である。一部の実施形態では、撹乱は、一過性である。一部の実施形態では、細胞の撹乱は、約1.0×10-9秒~約24時間、またはそれらの間の任意の時間または時間の範囲、続く。一部の実施形態では、細胞の撹乱は、約1.0×10-9秒~約1秒、約1秒~約1分、約1分~約1時間、約1時間~約2時間、約2時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約16時間、約16時間~約20時間、または約20時間~約24時間、続く。一部の実施形態では、細胞の撹乱は、約1.0×10-9~約1.0×10-1、約1.0×10-9~約1.0×10-2、約1.0×10-9~約1.0×10-3、約1.0×10-9~約1.0×10-4、約1.0×10-9~約1.0×10-5、約1.0×10-9~約1.0×10-6、約1.0×10-9~約1.0×10-7、または約1.0×10-9~約1.0×10-8秒の間のいずれか1つの間、続く。一部の実施形態では、細胞の撹乱は、約1.0×10-8~約1.0×10-1、約1.0×10-7~約1.0×10-1、約1.0×10-6~約1.0×10-1、約1.0×10-5~約1.0×10-1、約1.0×10-4~約1.0×10-1、約1.0×10-3~約1.0×10-1、または約1.0×10-2~約1.0×10-1秒のいずれか1つの間、続く。本明細書に記載の方法によって生じる細胞の撹乱(例えば、ポアまたは孔)は、補体または細菌溶血素によって生じるもの等のマルチマーポア構造を形成するためのタンパク質サブユニットのアセンブリの結果として形成されるのではない。
一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への通過は、インプット無核細胞を狭窄に通すことおよび/または細胞の撹乱と同時に起こる。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への通過は、インプット無核細胞を狭窄に通した後に起こる。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への通過は、インプット無核細胞を狭窄に通した後、数分のオーダーで起こる。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への通過は、インプット無核細胞を狭窄に通した約1.0×10-2秒~少なくとも約30分後に起こる。例えば、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への通過は、インプット無核細胞を狭窄に通した約1.0×10-2秒~約1秒、約1秒~約1分、または約1分~約30分後に起こる。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への通過は、インプット無核細胞を狭窄に通した約1.0×10-2秒~約10分、約1.0×10-2秒~約5分、約1.0×10-2秒~約1分、約1.0×10-2秒~約50秒、約1.0×10-2秒~約10秒、約1.0×10-2秒~約1秒、または約1.0×10-2秒~約0.1秒後に起こる。一部の実施形態では、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への通過は、インプット無核細胞を狭窄に通した約1.0×10-1秒~約10分、約1秒~約10分、約10秒~約10分、約50秒~約10分、約1分~約10分、または約5分~約10分後に起こる。一部の実施形態では、インプット無核細胞を狭窄に通した後に得られる無核細胞由来の小胞における撹乱は、インプット無核細胞を狭窄に通した約5分後のオーダー内に補正される。
無核細胞からのゴースト形成は、実体形状がより球状の形態に向かって変化する場合に起こり、その元の細胞質の構造および内容物の一部の喪失が伴う可能性がある。RBCゴーストおよび赤血球ゴーストの形成は、当技術分野で公知の現象である。一部の実施形態では、狭窄に通した後のゴースト形成は、約5%~約100%である。一部の実施形態では、狭窄に通した後のゴースト形成は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%である。一部の実施形態では、ゴースト形成は、細胞を狭窄に通した約1.0×10-2秒~少なくとも約10日後に測定される。例えば、ゴースト形成は、細胞を狭窄に通した約1.0×10-2秒~約1秒、約1秒~約1分、約1分~約30分、または約30分~約2時間後に測定される。一部の実施形態では、ゴースト形成は、細胞を狭窄に通した約1.0×10-2秒~約2時間、約1.0×10-2秒~約1時間、約1.0×10-2秒~約30分、約1.0×10-2秒~約1分、約1.0×10-2秒~約30秒、約1.0×10-2秒~約1秒、または約1.0×10-2秒~約0.1秒後に測定される。一部の実施形態では、ゴースト形成は、細胞を狭窄に通した約1.5時間~約2時間、約1時間~約2時間、約30分~約2時間、約15分~約2時間、約1分~約2時間、約30秒~約2時間、または約1秒~約2時間後に測定される。一部の実施形態では、ゴースト形成は、細胞を狭窄に通した約2時間~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、または約24時間~約10日後に測定される。
いくつかのパラメーターは、本明細書に記載の方法または無核細胞由来の小胞のいずれかによる、抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への送達に影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、それと同時発生的に、またはその後に、抗原および/またはアジュバントと接触させられる。送達される抗原および/またはアジュバントを含む溶液中に懸濁されたインプット無核細胞が狭窄を通過してもよいが、抗原および/またはアジュバントは、インプット無核細胞が狭窄を通過した後に細胞懸濁液に添加され、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を形成してもよい。一部の実施形態では、送達される抗原および/またはアジュバントは、狭窄にコーティングされる。一部の実施形態では、送達される抗原および/またはアジュバントは、表面にコーティングされる。一部の実施形態では、送達される抗原および/またはアジュバントは、ポアにコーティングされる。一部の実施形態では、送達される抗原および/またはアジュバントは、フィルターにコーティングされる。
抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への送達に影響を及ぼし得るパラメーターの例としては、以下に限定されないが、狭窄の寸法、狭窄の入口の角度、狭窄の表面特性(例えば、粗さ、化学的修飾、親水性、疎水性など)、作動流スピード(例えば、狭窄を通る細胞の通過時間)、インプット無核細胞の濃度、細胞懸濁液における抗原および/またはアジュバントの濃度が挙げられ、狭窄に通した後に無核細胞由来の小胞を回収またはインキュベートする時間量は、送達された抗原および/またはアジュバントの細胞への通過に影響を与え得る。抗原および/またはアジュバントの無核細胞由来の小胞への送達に影響を及ぼす追加のパラメーターとしては、狭窄中でのインプット無核細胞の速度、狭窄中での剪断速度、インプット無核細胞懸濁液の粘度、流れ速度に対して垂直な速度構成成分、および狭窄中での時間を挙げることができる。このようなパラメーターは、抗原および/またはアジュバントの送達を制御するために設計され得る。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞の濃度は、約10~少なくとも約1012個の小胞/mL、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度の範囲に及ぶ。一部の実施形態では、送達される抗原および/またはアジュバントの濃度は、約10ng/mL~約1g/mL、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度の範囲に及び得る。一部の実施形態では、送達される抗原および/またはアジュバントの濃度は、約1pM~少なくとも約2M、またはそれらの間の任意の濃度もしくは濃度の範囲に及び得る。細胞懸濁液の組成物(例えば、容積オスモル濃度、塩濃度、血清含量、細胞濃度、pHなど)は、免疫応答を刺激および/または増強するための抗原および/またはアジュバントの送達に影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、水性溶液は、等容積オスモル濃度であるか、または等張である。
本開示の方法において使用される温度は、抗原および/もしくはアジュバントの送達ならびに/または無核細胞由来の小胞におけるゴースト形成に影響を及ぼすよう調整され得る。一部の実施形態では、方法は、約-5℃~約45℃の間で実施される。例えば、方法は、室温(例えば、約20℃)、生理的温度(例えば、約37℃)、生理的温度よりも高い温度(例えば、約37℃より高い温度~45℃またはそれより高い温度)、もしくは低下した温度(例えば、約-5℃~約4℃)、またはこれらの例示的温度の間の温度で行うことができる。
様々な方法を利用して、懸濁液におけるインプット無核細胞を駆動して狭窄を通すことができる。例えば、圧力は、入口側のポンプ(例えば、ガスボンベ、またはコンプレッサー)によって加えられ得る、真空は、出口側の真空ポンプによって加えられ得る、毛細管作用は、管を介して加えられ得る、および/またはシステムは、重力送りされ得る。置き換えベースの流れシステム(例えば、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、手動シリンジまたはピペット、ピストンなど)もまた使用することができる。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、陽圧または陰圧によって狭窄に通される。したがって、本明細書に記載の方法または無核細胞由来の小胞のいずれか1つによる一部の実施形態では、インプット無核細胞は、入口側から陽圧によって狭窄に通される。さらなる実施形態では、陽圧は、ポンプを使用して加えられる。一部の実施形態では、陽圧は、ガスボンベまたはコンプレッサーを使用して加えられる。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約10psi~約90psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。ある特定の実施形態では、インプット無核細胞は、約5psi~約10psi、約10psi~約20psi、約20psi~約30psi、約30psi~約40psi、約40psi~約50psi、約50psi~約60psi、約60psi~約70psi、約70psi~約80psi、約80psi~約90psi、約90psi~約100psi、約100psi~約110psi、約110psi~約120psi、約120psi~約130psi、約130psi~約140psi、約140psi~約150psi、または約150psi~約200psiのいずれか1つに及ぶ圧力下で、狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、不変の圧力または可変の圧力によって狭窄に通される。一部の実施形態では、圧力は、シリンジを使用して加えられる。一部の実施形態では、圧力は、ポンプを使用して加えられる。一部の実施形態では、ポンプは、蠕動ポンプまたは隔膜ポンプである。一部の実施形態では、圧力は、真空を使用して加えられる。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、重力によって狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、遠心力によって狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、毛細管圧によって狭窄に通される。一部の実施形態では、インプット無核細胞は、細胞ドライバーを使用して圧力を加えることにより、狭窄を通って移動される(例えば、押し出される)。本明細書で使用される場合、細胞ドライバーは、インプット無核細胞を駆動して狭窄に通すために、懸濁液に圧力または力を加えるデバイスまたは構成成分である。ある特定の実施形態では、細胞ドライバーは、圧力ポンプ、ガスボンベ、コンプレッサー、真空ポンプ、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、ピペット、ピストン、毛細管作用装置、ヒトの心臓、ヒトの筋肉、重力、マイクロ流体ポンプ、およびシリンジからなる群から選択される。
一部の実施形態では、流体の流れが、インプット無核細胞を狭窄に通すように導く。一部の実施形態では、流体の流れは、細胞を狭窄に通す前の撹乱流である。撹乱流は、所与の地点における速度が大きさおよび方向において不安定に変動する流体の流れである。一部の実施形態では、狭窄を通る流体の流れは、層流である。層流には、あらゆる地点での流れの方向が不変のままである、固体境界近傍の流体における途切れなく続く流れが関与する。一部の実施形態では、流体の流れは、細胞を狭窄に通した後の撹乱流である。細胞が狭窄を通過する速度は、変動され得る。一部の実施形態では、細胞は、一様な細胞スピードで狭窄を通過する。一部の実施形態では、細胞は、変動する細胞スピードで狭窄を通過する。
細胞懸濁液は、細胞の混合集団または精製集団であってもよい。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、全血などの混合細胞集団である。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、無核細胞の混合集団などの混合細胞集団である。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、無核細胞の精製集団などの精製細胞集団である。
細胞懸濁液の組成(例えば、容積オスモル濃度、塩濃度、血清含量、細胞の濃度、pHなど)は、免疫応答を刺激および/または増強するための抗原および/またはアジュバントの送達に影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、懸濁液は、全血を含む。あるいは、細胞懸濁液は、生理食塩水または血液以外の生理学的媒体における細胞の混合物である。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、水性溶液を含む。一部の実施形態では、水性溶液は、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来の産物、バルキング材料、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、細胞周期阻害剤、および/またはアクチン重合に影響を及ぼす薬剤を含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、DMEM、Opti-MEM(商標)、IMDM、またはRPMIである。さらに、溶液緩衝剤としては、例えば、表面の目詰まりを低減もしくは排除し、インプット細胞の生存率を改善するように設計され得る1種または複数の潤滑剤(プルロニック(登録商標)または他の界面活性剤)を挙げることができる。例示的な界面活性剤としては、限定されないが、ポロクサマー、ポリソルベート、糖または糖アルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール、動物由来血清、およびアルブミンタンパク質が挙げられる。一部の実施形態では、水性溶液は、等容積オスモル濃度であるか、または等張である。一部の実施形態では、水性溶液は、血漿を含む。
ある種の細胞を含む一部の構成では、インプット無核細胞または無核細胞由来の小胞は、化合物の無核細胞由来の小胞内部への送達を助ける1種または複数の溶液中でインキュベートされ得る。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、未処理および未処置のインプット無核細胞と比較して、細胞骨格構造のすべてまたは本質的にすべてを保持する。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、未処理および未処置のインプット無核細胞の細胞骨格構造の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99.5%のいずれか1つを保持する。一部の実施形態では、溶液は、アクチン重合に影響を及ぼす薬剤を含む。一部の実施形態では、アクチン重合に影響を及ぼす薬剤は、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである。例えば、インプット無核細胞または無核細胞由来の小胞は、送達前に1時間、ラトランクリンA(0.1μg/ml)などの脱重合溶液中でインキュベートされ、アクチン細胞骨格を脱重合し得る。追加の例として、細胞は、送達前に2時間、10μMのコルヒチン(Sigma)中でインキュベートされ、微小管ネットワークを脱重合し得る。
一部の実施形態では、インプット無核細胞集団は、本開示の方法において使用する前に濃縮される。例えば、インプット無核細胞は、体液、例えば、末梢血から得られ、必要に応じて濃縮または精製され、無核細胞の濃度を上げる。細胞は、限定されないが、磁気細胞分離、蛍光標識細胞分取(FACS)、または密度勾配遠心分離を含む、当技術分野で公知の任意の方法によって濃縮されてもよい。
細胞懸濁液の粘度は、本明細書に開示されている方法にも影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、細胞懸濁液の粘度は、約8.9×10-4Pa・s~約4.0×10-3Pa・sまたはそれらの間の任意の値もしくは値の範囲に及ぶ。一部の実施形態では、粘度は、約8.9×10-4Pa・s~約4.0×10-3Pa・s、約8.9×10-4Pa・s~約3.0×10-3Pa・s、約8.9×10-4Pa・s~約2.0×10-3Pa・s、または約8.9×10-3Pa・s~約1.0×10-3Pa・sの間のいずれか1つの範囲に及ぶ。一部の実施形態では、粘度は、約0.89cP~約4.0cP、約0.89cP~約3.0cP、約0.89cP~約2.0cP、または約0.89cP~約1.0cPの間のいずれか1つの範囲に及ぶ。一部の実施形態では、細胞懸濁液の粘度が剪断ひずみの条件下で低下する、ずり流動化効果が観察される。粘度は、限定されないが、粘度計、例えば、ガラス毛細管粘度計、または血流計を含む当技術分野で公知の任意の方法によって測定され得る。粘度計は、1つの流れ条件下での粘度を測定するが、血流計は、流れ条件と共に変動する粘度を測定するために使用される。一部の実施形態では、粘度は、ずり流動化溶液、例えば、血液について測定される。一部の実施形態では、粘度は、約-5℃~約45℃の間で測定される。例えば、粘度は、室温(例えば、約20℃)、生理的温度(例えば、約37℃)、生理的温度よりも高い温度(例えば、約37℃よりも高い温度~45℃またはそれよりも高い温度)、低下した温度(例えば、約-5℃~約4℃)、またはこれらの例示的な温度の間の温度で測定される。
一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、ペイロードと接触させられる(例えば、最初に接触させられる)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄を通すのと同時発生的に、ペイロードと接触させられる(例えば、最初に接触させられる)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄を通した後に、ペイロードと接触させられる(例えば、最初に接触させられる)。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄を通すのと同時発生的におよび狭窄を通した後に、少なくともペイロードと接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、狭窄に通す前に、狭窄を通すのと同時発生的に、および狭窄を通した後に、ペイロードと接触させられる。
一部の実施形態では、ペイロードは、治療用ペイロードである。一部の実施形態では、ペイロードは、抗原である。一部の実施形態では、ペイロードは、アジュバントである。一部の実施形態では、ペイロードは、寛容原性因子である。一部の実施形態では、ペイロードは、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、低分子、複合体(タンパク質ベースの複合体、核酸複合体、タンパク質-タンパク質複合体、核酸-核酸複合体、またはタンパク質-核酸複合体など)、またはナノ粒子である。
一部の実施形態では、細胞懸濁液は、本明細書に記載の任意の抗原などの抗原と接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、本明細書に記載の任意の抗原から選択されるような複数の異なる種類の抗原(例えば、2、3、4、または5種の異なる種類の抗原)と接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、本明細書に記載の任意のアジュバントなどのアジュバントと接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、本明細書に記載の任意のアジュバントから選択されるような、複数の異なる種類のアジュバント(例えば、2、3、4、または5種の異なる種類のアジュバント)と接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、本明細書に記載の任意の寛容原性因子などの寛容原性因子と接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、本明細書に記載の任意の寛容原性因子から選択されるような複数の異なる種類の寛容原性因子(例えば、2、3、4、または5種の異なる種類の寛容原性因子)と接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、抗原およびアジュバントと接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、アジュバントおよび寛容原性因子と接触させられる。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、抗原および寛容原性因子と接触させられる。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原、アジュバント、および寛容原性因子を含む。
例えば、一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドへとプロセシングされることが可能である。一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされることが可能である。一部の実施形態では、抗原は、MHCクラスI拘束性ペプチドおよびMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされることが可能である。一部の実施形態では、抗原は、疾患関連抗原である。一部の実施形態では、抗原は、腫瘍抗原である。一部の実施形態では、抗原は、ライセートに由来する。一部の実施形態では、ライセートは、腫瘍ライセートである。一部の実施形態では、抗原は、移植ライセートに由来する。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原、細菌抗原、または真菌抗原である。一部の実施形態では、抗原は、微生物である。一部の実施形態では、抗原は、ポリペプチドである。一部の実施形態では、抗原は、脂質抗原である。一部の実施形態では、抗原は、糖鎖抗原である。一部の実施形態では、抗原をコードする核酸は、細胞に送達される。一部の実施形態では、抗原は、修飾された抗原である。一部の実施形態では、修飾された抗原は、ポリペプチドに融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、標的ペプチドと融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、脂質と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、炭水化物と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、修飾された抗原は、ナノ粒子と融合された抗原を含む。一部の実施形態では、複数の抗原は、無核細胞に送達される。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG ODN、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、イミキモド、レシキモド、および/またはLPSである。
追加の使用方法
一部の態様では、本出願は、本明細書に記載の無核細胞由来の小胞および/または組成物を使用する方法を提供する。
一部の実施形態では、それを必要とする個体における疾患または障害を処置するための方法であって、本明細書に記載の任意の無核細胞由来の小胞および/または組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、治療用ペイロードを含む。一部の実施形態では、治療用ペイロードは、抗原、アジュバント、および寛容原性因子のうちいずれか1種または複数を含む。一部の実施形態では、組成物の無核細胞由来の小胞は、抗原、アジュバント、および寛容原性因子のうちいずれかまたは複数を含む。一部の実施形態では、組成物は、無核細胞およびアジュバントを含む。
一部の実施形態では、疾患または障害は、がん、感染性疾患、またはウイルス関連疾患である。一部の実施形態では、疾患は、酵素補充療法(ERT)によって処置可能である;例えば、ゴーシェ病。一部の実施形態では、疾患または障害は、ゴーシェI型疾患、痛風、低ホスファターゼ症、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症、ポンペ病、MPS IH(ハーラー症候群)、MPS II(ハンター症候群)、MPS III A、B、CおよびD(サンフィリポ症候群A、B、C、D)、MPS IV A、B(モルキオ症候群)、MPV VI(マロトーラミー症候群)、MPS VII(スライ症候群)、MPS IX(Natowicz症候群)、ファブリー症候群、PKU症候群、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症(MCADD)、セリアック病、重症筋無力症、グレーブス病、尋常性天疱瘡、視神経脊髄炎(NMO)、またはI型糖尿病である。一部の実施形態では、がんは、頭頸部がん、子宮頸がん、子宮がん、直腸がん、陰茎がん、卵巣がん、精巣がん、骨がん、軟組織がん、皮膚がん(例えば、黒色腫)、胃がん、腸がん、結腸がん、前立腺がん、乳がん、食道がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、脳がん、または血液がんである。
一部の実施形態では、疾患または障害は、痛風であり、ペイロードは、例えば、半合成形態のウリカーゼ、例えば、ペグロチカーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、ゴーシェI型疾患であり、ペイロードは、グルコセレブロシダーゼ、例えば、イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼアルファ、またはβ-グルコシダーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、低ホスファターゼ症であり、ペイロードは、組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNSALP)、例えば、アスホターゼアルファである。一部の実施形態では、疾患または障害は、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症であり、ペイロードは、ライソゾーム酸性リパーゼ、例えば、セベリパーゼアルファである。一部の実施形態では、疾患または障害は、ポンペ病であり、ペイロードは、アルファグルコシダーゼ、例えば、アルグルコシダーゼアルファである。一部の実施形態では、疾患または障害は、MPS IH(ハーラー症候群)、IH/S(ハーラーシャイエ症候群)、またはIS(MPS Vとしても公知のシャイエ)であり、ペイロードは、α-L-イズロニダーゼ、例えば、ラロニダーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、MPS II(ハンター症候群)であり、ペイロードは、イズロン酸スルファターゼ、例えば、イズルスルファーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、MPS III A、B、CまたはD(サンフィリポ症候群A、B、CまたはD)であり、ペイロードは、ヘパラン硫酸である。一部の実施形態では、疾患または障害は、MPS IV A、B(モルキオ症候群)であり、ペイロードは、ケラチン硫酸またはコンドロイチン6-硫酸、例えば、エロスルファーゼアルファである。一部の実施形態では、疾患または障害は、MPV VI(マロトーラミー症候群)であり、ペイロードは、N-アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼ、例えば、ガルスルファーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、MPS VII(スライ症候群)であり、ペイロードは、β-グルクロニダーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、MPS IX(Natowicz症候群)であり、ペイロードは、ヒアルロニダーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、ファブリー症候群であり、ペイロードは、α-ガラクトシダーゼA、例えば、アガルシダーゼベータである。一部の実施形態では、疾患または障害は、PKU症候群であり、ペイロードは、フェニルアラニンヒドロキシラーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症(MCADD)であり、ペイロードは、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼである。一部の実施形態では、疾患または障害は、セリアック病であり、ペイロードは、グリアジンである。一部の実施形態では、疾患または障害は、重症筋無力症であり、ペイロードは、アセチルコリン受容体および受容体関連タンパク質である。一部の実施形態では、疾患または障害は、グレーブス病であり、ペイロードは、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)である。一部の実施形態では、疾患または障害は、尋常性天疱瘡であり、ペイロードは、デスモグレイン1および3である。一部の実施形態では、疾患または障害は、視神経脊髄炎(NMO)であり、ペイロードは、アクアポリン4である。一部の実施形態では、疾患または障害は、I型糖尿病であり、ペイロードは、GADD65、インスリン、プロインスリン、またはプレプロインスリンである。
一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、EBV関連疾患である。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、EBV関連疾患であり、抗原は、EBNA-1、EBNA-2、EBNA-3A、EBNA-3B、EBNA-3C、EBNA-LP、LMP-1、LMP-2A、LMP-2B、およびEBERのうち1種または複数である。一部の実施形態では、EBV関連疾患は、多発性硬化症(MS)である。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、HIV関連疾患である。一部の実施形態では、HIV関連疾患は、日和見感染症であり、以下に限定されないが、気管支、気管、食道、または肺のカンジダ症;浸潤性子宮頸がん;コクシジオイデス症;クリプトコッカス症;慢性腸クリプトスポリジウム症、サイトメガロウイルス疾患;HIV関連脳症;HSV関連慢性潰瘍または気管支炎、肺臓炎または食道炎;ヒストプラスマ症;慢性腸イソスポーラ症;カポジ肉腫;リンパ腫;肺結核;Mycobacterium aviumコンプレックス(MAC);Pneumocystis carinii肺炎(PCP);再発性肺炎;進行性多巣性白質脳症;再発性サルモネラ敗血症;脳のトキソプラズマ症、およびHIVが原因の消耗症候群を含んでもよい。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、HPVである。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患はHPVであり、抗原はE7への応答を誘導する。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患はHPVであり、抗原はE6への応答を誘導する。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、HBV関連疾患である。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、RSV関連疾患である。一部の実施形態では、ウイルス関連疾患は、KSHV関連疾患である。
一部の実施形態では、個体はがんを有し、ペイロードは抗原を含む。一部の実施形態では、個体はがんを有し、ペイロードは抗原およびアジュバントを含む。一部の実施形態では、抗原は、腫瘍抗原である。
一部の実施形態では、個体は感染性疾患またはウイルス関連疾患を有し、ペイロードは抗原およびアジュバントを含む。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である。一部の実施形態では、個体は自己免疫疾患を有し、ペイロードは抗原を含む。一部の実施形態では、個体は自己免疫疾患を有し、ペイロードは抗原および寛容原性因子を含む。
一部の実施形態では、個体は感染性疾患またはウイルス関連疾患を有し、ペイロードは抗原を含む。一部の実施形態では、個体は多発性硬化症(MS)を有し、ペイロードはEBV抗原を含む。一部の実施形態では、個体はHIVを有し、ペイロードは、HIV関連疾患、例えば、日和見感染症を処置するための抗原を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、個体に、別の治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、処置するための方法は、個体に、1種または複数の治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、他の治療剤は、個体に、本明細書に記載の無核細胞由来の小胞および/または組成物を投与する前に、それと同時発生的に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、治療剤は、免疫チェックポイント阻害剤、またはサイトカインのいずれか1種である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、LAG3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)およびBTLAのいずれか1種に標的化される。一部の実施形態では、サイトカインは、IFN-γ、IFN-α、IL-10、IL-15、もしくはIL-2またはその修飾形態である。一部の実施形態では、サイトカインは、寛容原性サイトカイン、例えば、IL-10、TGF-B、およびIL-2の寛容性誘導形態である。一部の実施形態では、治療剤は、寛容原性剤、例えば、ラパマイシンである。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、個体に、放射線療法を投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、免疫応答を抑制する、および/または寛容性を誘導する抗原および/または寛容原性因子を含む。一部の実施形態では、抑制された免疫応答および/または誘導された寛容性は、低下した自己免疫応答を含む。例えば、低下した自己免疫応答としては、限定されないが、I型糖尿病、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、視神経脊髄炎(NMO)、アルツハイマー病、ALS、ハンチントン病、およびパーキンソン病などの免疫構成成分を有し得る神経変性疾患、全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erthyromatosus)、シェーグレン病、クローン病、または潰瘍性大腸炎に関連する抗原に対する、低下した免疫応答または誘導された寛容性を挙げることができる。一部の実施形態では、抑制された免疫応答および/または誘導された寛容性は、低下したアレルギー応答を含む。例えば、低下したアレルギー応答としては、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(枯れ草熱)、または食物アレルギーに関連する抗原に対する低下した免疫応答または誘導された寛容性を挙げることができる。一部の実施形態では、低下したアレルギー応答としては、セリアック病に関連する抗原に対する低下した免疫応答または誘導された寛容性を挙げることができる。一部の実施形態では、抗原は、移植された組織に関連する抗原である。一部の実施形態では、抑制された免疫応答および/または誘導された寛容性は、移植された組織に対する低下した免疫応答または誘導された寛容性を含む。一部の実施形態では、抗原は、ウイルスに関連する。一部の実施形態では、抑制された免疫応答および/または誘導された寛容性は、低下した病原体免疫応答またはウイルスに対する誘導された寛容性を含む。例えば、病原体免疫応答としては、ある特定のウイルス感染によって生じるサイトカインストームを挙げることができる。サイトカインストームは、サイトカインと白血球の間の正のフィードバックループからなる致命的となる可能性のある免疫反応である。
一部の実施形態では、抑制された免疫応答は、治療剤に対する低下した免疫応答を含む。一部の実施形態では、治療剤は、凝固因子である。例示的な凝固因子としては、限定されないが、第VIII因子および第IX因子が挙げられる。一部の実施形態では、治療剤は、抗体である。例示的な治療抗体としては、限定されないが、抗TNFα、抗VEGF、抗CD3、抗CD20、抗IL-2R、抗Her2、抗RSVF、抗CEA、抗IL-1β、抗CD15、抗ミオシン、抗PSMA、抗40kDa糖タンパク質、抗CD33、抗CD52、抗IgE、抗CD11a、抗EGFR、抗C5、抗α-4インテグリン、抗IL-12/IL-23、抗IL-6R、および抗RANKLが挙げられる。一部の実施形態では、治療剤は、増殖因子である。例示的な治療用増殖因子としては、限定されないが、エリスロポエチン(EPO)および巨核球の分化と増殖因子(MDGF)が挙げられる。一部の実施形態では、治療剤は、ホルモンである。例示的な治療用ホルモンとしては、限定されないが、インスリン、ヒト成長ホルモン、および卵胞刺激ホルモンが挙げられる。一部の実施形態では、治療剤は、組換えサイトカインである。例示的な治療用組換えサイトカインとしては、限定されないが、IFNβ、IFNα、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)が挙げられる。
一部の実施形態では、抑制された免疫応答は、治療用ビヒクルに対する低下した免疫応答を含む。一部の実施形態では、治療用ビヒクルは、ウイルス、例えば、遺伝子療法に使用されるアデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、バキュロウイルス、ヘルペスウイルス、またはレトロウイルスである。一部の実施形態では、治療用ビヒクルは、リポソームである。一部の実施形態では、治療用ビヒクルは、ナノ粒子である。一部の実施形態では、抑制された免疫応答は、ウイルスキャプシド;例えば、AAVキャプシド(例えば、AAV VP1、VP2またはVP3キャプシドタンパク質)に対する低下した免疫応答を含む。一部の実施形態では、ウイルス治療用ビヒクルに対する低下した免疫応答は、ウイルスのいずれかの血清型;例えば、以下に限定されないが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAVrh8、またはAAVrh10を対象とする。一部の実施形態では、例えば、ウイルスキャプシドに対する低下した免疫応答は、より高い初期投薬量、繰り返し投与、より長い半減期、およびより長い発現のうち1種または複数、例えば、AAV治療用ビヒクルの繰り返し投与を可能にする。
一部の実施形態では、抑制された免疫応答は、治療用ビヒクル(例えば、遺伝子療法ビヒクル)によって発現される導入遺伝子産物に対する低下した免疫応答を含む。一部の実施形態では、抑制された免疫応答は、AAV遺伝子療法ベクターによって発現された導入遺伝子産物に対する低下した免疫応答を含む。
一部の実施形態では、処置するための方法は、個体に、本明細書に記載の無核細胞由来の小胞および/または組成物の1回または複数の用量、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回の用量のいずれかを投与するステップを含む。一部の実施形態では、処置するための方法は、個体に、本明細書に記載の無核細胞由来の小胞および/または組成物の、1年当たり最大12回の用量、例えば、1年当たり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回の用量のいずれかを投与するステップを含む。一部の実施形態では、2回またはそれより多い用量は、均一または不均一な間隔で、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、または2週間のいずれかの間隔を空けてなど、処置経過にわたって投与される。一部の実施形態では、2回またはそれより多い用量は、処置経過にわたって投与され、ここで、1回目の用量と2回目の用量の間の間隔は、約1週間~約1年、例えば、約2週間~約1カ月、約2週間~約3カ月、約2週間~約4カ月、約2週間~約6カ月、約2週間~約9カ月、または約2週間~約12カ月のいずれかである。
一部の実施形態では、それを必要とする個体における疾患または障害を予防するための方法であって、個体に、本明細書に記載の無核細胞由来の小胞および/または組成物のいずれかを投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、無核細胞由来の小胞は、抗原を含む。一部の実施形態では、個体はがんを有し、ペイロードはアジュバントを含む。一部の実施形態では、個体はがんを有し、ペイロードは抗原およびアジュバントを含む。一部の実施形態では、疾患または障害はがんであり、抗原は腫瘍抗原である。一部の実施形態では、個体は感染性疾患を有し、ペイロードは抗原を含む。一部の実施形態では、個体は感染性疾患を有し、ペイロードは抗原およびアジュバントを含む。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である。
システムおよびキット
一部の態様では、本発明は、本明細書に開示されている方法において使用するための狭窄、細胞懸濁液、および化合物を含むシステムを提供する。このシステムは、細胞を変形させる狭窄、細胞懸濁液、細胞の撹乱、送達パラメーター、化合物、および/または適用などをもたらす、マイクロ流体チャネルまたはポアを有する表面を含む、上記に開示されている方法について記載された任意の実施形態を含み得る。一部の実施形態では、細胞を変形させる狭窄は、抗原および/またはアジュバントをインプット無核細胞に送達するためのサイズにされる。一部の実施形態では、作動流スピード、細胞の濃度、抗原および/またはアジュバントの濃度、狭窄中での細胞の速度、および細胞懸濁液の組成などの送達パラメーター(例えば、容積オスモル濃度、塩濃度、血清含量、細胞の濃度、pHなど)は、抗原および/またはアジュバントに対する免疫応答の刺激または増強の最大化のために最適化される。
免疫応答を刺激または増強するために、抗原および/またはアジュバントを無核細胞由来の小胞に送達する際に使用するためのキットまたは製品も提供される。一部の実施形態では、キットは、好適なパッケージング中に、本明細書に記載の組成物(例えば、マイクロ流体チャネルまたはポアを含有する表面、細胞懸濁液、および/または化合物)を含む。好適なパッケージング材料は、当技術分野で公知であり、例えば、バイアル(密封されたバイアルなど)、容器、アンプル、ボトル、ジャー、可撓性のパッケージング(例えば、密封されたマイラーバッグまたはプラスチックバッグ)などを含む。これらの製品は、さらに、滅菌および/または密封されてもよい。
本開示は、本明細書に記載の方法の構成成分を含むキットも提供し、免疫応答を刺激または増強するために、前記方法を実施するための使用説明書をさらに含んでもよい。本明細書に記載のキットは、他の緩衝剤、希釈液、フィルター、ニードル、シリンジ、および本明細書に記載の任意の方法を実施するための使用説明書、例えば、免疫応答を刺激または増強するための使用説明書を含む添付文書を含む他の材料をさらに含んでもよい。
例示的な実施形態
実施形態1.抗原を無核細胞由来の小胞内に送達するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含む方法。
実施形態2.インプット無核細胞が、アジュバントをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.アジュバントを無核細胞由来の小胞内に送達するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)アジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートするステップとを含む方法。
実施形態4.インプット無核細胞が、抗原をさらに含む、実施形態3に記載の方法。
実施形態5.抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞内に送達するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含む方法。
実施形態6.個体における抗原に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、個体に、抗原を含む無核細胞由来の小胞を有効量投与するステップを含み、抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態7.アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む、実施形態6に記載の方法。
実施形態8.アジュバントが、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に、全身投与される、実施形態7に記載の方法。
実施形態9.インプット無核細胞が、アジュバントを含む、実施形態6~8のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態10.個体における抗原に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、個体に、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を有効量投与するステップを含み、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態11.アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態12.アジュバントが、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に、全身投与される、実施形態11に記載の方法。
実施形態13.個体における疾患を処置するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態14.個体における疾患を予防するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、疾患関連抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態15.抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、方法が、個体に、抗原を含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原を含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態16.アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む、実施形態13~15のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態17.アジュバントが、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に、全身投与される、実施形態16に記載の方法。
実施形態18.インプット無核細胞が、アジュバントを含む、実施形態13~17に記載の方法。
実施形態19.個体における疾患を処置するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態20.個体における疾患を予防するための方法であって、方法が、個体に、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、疾患関連抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態21.抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、方法が、個体に、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を投与するステップを含み、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートするステップとを含むプロセスによって調製される、方法。
実施形態22.個体における疾患を処置するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原を含む無核細胞由来の小胞を個体に投与するステップとを含む、方法。
実施形態23.個体における疾患を予防するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原を含む無核細胞由来の小胞を個体に投与するステップとを含む、方法。
実施形態24.抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原を含む無核細胞由来の小胞を個体に投与するステップとを含む方法。
実施形態25.小胞外アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む、実施形態19~24のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態26.小胞外アジュバントが、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される、実施形態25に記載の方法。
実施形態27.インプット無核細胞が、アジュバントを含む、実施形態19~24に記載の方法。
実施形態28.個体における疾患を処置するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の状態を軽快させ、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、疾患関連抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップを含む、方法。
実施形態29.個体における疾患を予防するための方法であって、疾患関連抗原に対する免疫応答が、疾患の発症を予防し、方法が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップを含む、方法。
実施形態30.抗原に対して個体にワクチン接種するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップと、c)抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を、個体に投与するステップを含む方法。
実施形態31.小胞外アジュバントを個体に全身投与するステップをさらに含む、実施形態28~30のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態32.小胞外アジュバントが、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される、実施形態31に記載の方法。
実施形態33.疾患が、がん、感染性疾患またはウイルス関連疾患である、実施形態13~32のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態34.無核細胞由来の小胞が、個体にとって自家である、実施形態6~33のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態35.無核細胞由来の小胞が、個体にとって同種異系である、実施形態6~33のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態36.無核細胞由来の小胞が、医薬製剤中に存在する、実施形態6~35のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態37.無核細胞由来の小胞が、全身投与される、実施形態6~36のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態38.無核細胞由来の小胞が、静脈内、動脈内、皮下、筋肉内または腹腔内投与される、実施形態6~37のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態39.無核細胞由来の小胞が、治療剤と組み合わせて、個体に投与される、実施形態6~38のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態40.治療剤が、無核細胞由来の小胞の前に、その後にまたはそれと同時に投与される、実施形態39に記載の方法。
実施形態41.治療剤が、免疫チェックポイント阻害剤および/またはサイトカインである、実施形態39または40に記載の方法。
実施形態42.サイトカインが、IFN-α、IFN-γ、IL-2またはIL-15のうち1種または複数である、実施形態41に記載の方法。
実施形態43.免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1、PD-L1、CTLA-4、TIM-3、LAG3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)およびBTLAのうちいずれか1種に標的化される、実施形態41に記載の方法。
実施形態44.抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る、実施形態1、2または4~43のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態45.抗原が、CD-1拘束性抗原である、実施形態1、2または4~43のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態46.抗原が、疾患関連抗原である、実施形態1、2または4~45のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態47.抗原が、腫瘍抗原である、実施形態1、2または4~46のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態48.抗原が、ライセートに由来する、実施形態1、2または4~47のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態49.ライセートが、腫瘍ライセートである、実施形態48に記載の方法。
実施形態50.抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である、実施形態1、2または4~46のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態51.抗原が、微生物である、実施形態1、2または4~46のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態52.抗原が、ポリペプチドである、実施形態1、2または4~50のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態53.抗原が、脂質抗原である、実施形態1、2または4~50のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態54.抗原が、糖鎖抗原である、実施形態1、2または4~50のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態55.抗原が、修飾された抗原である、実施形態1、2または4~54のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態56.修飾された抗原が、ポリペプチドと融合された抗原を含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態57.修飾された抗原が、標的化ペプチドと融合された抗原を含む、実施形態56に記載の方法。
実施形態58.修飾された抗原が、脂質と融合された抗原を含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態59.修飾された抗原が、炭水化物と融合された抗原を含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態60.修飾された抗原が、ナノ粒子と融合された抗原を含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態61.複数の抗原が、無核細胞由来の小胞に送達される、実施形態1~60のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態62.アジュバントが、CpG ODN、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、ポリリシンおよびカルボキシメチルセルロースにより安定化されたポリイノシン・ポリシチジル酸(HILTONOL(登録商標))、イミキモド、レシキモド、ならびに/またはリポ多糖(LPS)である、実施形態2~5、7~12、16~21、25~61のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態63.アジュバントが、低分子量ポリI:Cである、実施形態62に記載の方法。
実施形態64.インプット無核細胞が、赤血球細胞である、実施形態1~63のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態65.赤血球細胞が、赤血球である、実施形態1~63のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態66.赤血球細胞が、網状赤血球である、実施形態1~63のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態67.インプット無核細胞が、血小板である、実施形態1~63のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態68.インプット無核細胞が、哺乳動物細胞である、実施形態1~67のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態69.インプット無核細胞が、サル、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタまたはウサギ細胞である、実施形態1~68のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態70.インプット無核細胞が、ヒト細胞である、実施形態1~68のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態71.狭窄が、マイクロ流体チャネル内に含有される、実施形態1~70のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態72.マイクロ流体チャネルが、複数の狭窄を含む、実施形態71に記載の方法。
実施形態73.複数の狭窄が、直列におよび/または並列に配置されている、実施形態72に記載の方法。
実施形態74.狭窄が、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する、実施形態1~73のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態75.狭窄が、ポアである、またはポア内に含有される、実施形態1~70のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態76.ポアが、表面に含有される、実施形態75に記載の方法。
実施形態77.表面が、フィルターである、実施形態76に記載の方法。
実施形態78.表面が、膜である、実施形態76に記載の方法。
実施形態79.狭窄サイズが、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数である、実施形態1~76のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態80.狭窄サイズが、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約70%である、実施形態1~79のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態81.狭窄が、約0.25μm~約4μmの幅を有する、実施形態1~79のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態82.狭窄が、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μmまたは約0.25μmの幅を有する、実施形態1~79のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態83.狭窄が、約2.2μmの幅を有する、実施形態1~79のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態84.インプット無核細胞が、約10psi~約90psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される、実施形態1~83のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態85.前記細胞懸濁液が、狭窄に通す前に、それと同時発生的にまたはその後に、抗原と接触させられる、実施形態1~84のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態86.抗原を含む無核細胞由来の小胞であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製される、無核細胞由来の小胞。
実施形態87.インプット無核細胞が、アジュバントを含む、実施形態86に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態88.アジュバントを含む無核細胞由来の小胞であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)アジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートし、これにより、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製される、無核細胞由来の小胞。
実施形態89.インプット無核細胞が、抗原を含む、実施形態88に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態90.抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製される、無核細胞由来の小胞。
実施形態91.赤血球細胞由来の小胞または血小板由来の小胞である、実施形態86~90のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態92.赤血球細胞由来の小胞が、赤血球由来の小胞または網状赤血球由来の小胞である、実施形態91に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態93.抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る、実施形態86、87または89~92のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態94.抗原が、CD-1拘束性抗原である、実施形態86、87または89~92のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態95.抗原が、疾患関連抗原である、実施形態86、87または89~94のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態96.抗原が、腫瘍抗原である、実施形態86、87または89~95のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態97.抗原が、ライセートに由来する、実施形態86、87または89~96のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態98.ライセートが、腫瘍ライセートである、実施形態97に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態99.抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である、実施形態86、87または89~95のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態100.抗原が、微生物である、実施形態86、87または89~95のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態101.抗原が、ポリペプチドである、実施形態86、87または89~99のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態102.抗原が、脂質抗原である、実施形態86、87または89~99のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態103.抗原が、糖鎖抗原である、実施形態86、87または89~99のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態104.抗原が、修飾された抗原である、実施形態86、87または89~103のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態105.修飾された抗原が、ポリペプチドと融合された抗原を含む、実施形態104に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態106.修飾された抗原が、標的化ペプチドと融合された抗原を含む、実施形態105に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態107.修飾された抗原が、脂質と融合された抗原を含む、実施形態104に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態108.修飾された抗原が、炭水化物と融合された抗原を含む、実施形態104に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態109.修飾された抗原が、ナノ粒子と融合された抗原を含む、実施形態104に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態110.複数の抗原が、無核細胞由来の小胞に送達される、実施形態86、87または89~109のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態111.アジュバントが、CpG ODN、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、ポリリシンおよびカルボキシメチルセルロースにより安定化されたポリイノシン・ポリシチジル酸(HILTONOL(登録商標))、イミキモド、レシキモド、ならびに/またはLPSである、実施形態87~110のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態112.アジュバントが、低分子量ポリI:Cである、実施形態111に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態113.インプット無核細胞が、赤血球細胞である、実施形態86~112のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態114.インプット無核細胞が、赤血球である、実施形態86~112のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態115.インプット無核細胞が、網状赤血球である、実施形態86~112のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態116.インプット無核細胞が、血小板である、実施形態86~112のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態117.インプット無核細胞が、哺乳動物細胞である、実施形態86~116のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態118.インプット無核細胞が、サル、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタまたはウサギ細胞である、実施形態86~117のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態119.インプット無核細胞が、ヒト細胞である、実施形態86~117のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態120.哺乳動物への投与後の無核細胞由来の小胞の半減期が、哺乳動物への投与後のインプット無核細胞の半減期と比較して減少している、実施形態86~119のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態121.無核細胞由来の小胞のヘモグロビン含量が、インプット無核細胞のヘモグロビン含量と比較して減少している、実施形態86~115または117~120のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態122.無核細胞由来の小胞のATP産生が、インプット無核細胞のATP産生と比較して減少している、実施形態86~120のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態123.次の特性:(a)インプット無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期;(b)インプット無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル;(c)球状の形態;(d)インプット無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル;(e)インプット無核細胞と比較して低減されたATP産生のうち1種または複数を示す、実施形態113、114、117~122のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態124.インプット無核細胞が、赤血球であり、無核細胞由来の小胞が、インプット無核細胞と比較して低減された両凹形状を有する、実施形態113、114、117~122のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態125.赤血球細胞ゴーストである、実施形態113、114、117~122に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態126.プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞が、インプット無核細胞と比較して、その表面に約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンを有する、実施形態86~125のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態127.プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルが、インプット無核細胞と比較して、表面におけるより高い平均ホスファチジルセリンレベルを示す、実施形態86~126のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態128.プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルの少なくとも50%が、インプット無核細胞と比較して、表面におけるより高いホスファチジルセリンレベルを示す、実施形態86~127のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態129.インプット無核細胞と比較して、組織または細胞における増強された取込みを示す、実施形態86~128のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態130.インプット無核細胞の取込みと比較して、肝臓および/もしくは脾臓におけるまたは貪食細胞および/もしくは抗原提示細胞による増強された取込みを示す、実施形態129に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態131.修飾されていない無核細胞由来の小胞と比較して、組織または細胞における取込みを増強するように修飾されている、実施形態86~130のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態132.インプット無核細胞の取込みと比較して、肝臓および/もしくは脾臓におけるまたは貪食細胞および/もしくは抗原提示細胞による取込みを増強するように修飾されている、実施形態131に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態133.その表面にCD47を含む、実施形態86~132のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態134.無核細胞由来の小胞の調製中に、(a)熱処理されていない、(b)化学的に処置されていない、および/または(c)低浸透圧性もしくは高浸透圧性条件に付されていない、実施形態86~133のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態135.細胞懸濁液の容積オスモル濃度が、プロセスを通して維持される、実施形態86~134のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態136.細胞懸濁液の容積オスモル濃度が、プロセスを通して200mOsm~400mOsmの間に維持される、実施形態86~135に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態137.狭窄が、マイクロ流体チャネル内に含有される、実施形態86~136のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態138.マイクロ流体チャネルが、複数の狭窄を含む、実施形態137に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態139.複数の狭窄が、直列におよび/または並列に配置されている、実施形態138に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態140.狭窄が、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する、実施形態86~139のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態141.狭窄が、ポアである、またはポア内に含有される、実施形態86~136のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態142.ポアが、表面に含有される、実施形態141に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態143.表面が、フィルターである、実施形態142に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態144.表面が、膜である、実施形態142に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態145.狭窄サイズが、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数である、実施形態86~144のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態146.狭窄サイズが、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約70%である、実施形態86~144のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態147.狭窄が、約0.25μm~約4μmの幅を有する、実施形態86~146のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態148.狭窄が、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μmまたは約0.25μmの幅を有する、実施形態86~147のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態149.狭窄が、約2.2μmの幅を有する、実施形態86~147のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態150.インプット無核細胞が、約10psi~約90psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される、実施形態86~149のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態151.前記細胞懸濁液が、狭窄に通す前に、それと同時発生的にまたはその後に、抗原と接触させられる、実施形態86~150のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態152.実施形態86~151のいずれか一実施形態に記載の複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物。
実施形態153.薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、実施形態152に記載の組成物。
実施形態154.抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含む方法。
実施形態155.インプット無核細胞が、アジュバントを含む、実施形態154に記載の方法。
実施形態156.アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)アジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートし、これにより、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含む方法。
実施形態157.インプット無核細胞が、抗原を含む、実施形態156に記載の方法。
実施形態158.抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含む方法。
実施形態159.無核細胞由来の小胞が、赤血球細胞由来の小胞または血小板由来の小胞である、実施形態154~158のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態160.赤血球細胞由来の小胞が、赤血球由来の小胞または網状赤血球由来の小胞である、実施形態159に記載の方法。
実施形態161.抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る、実施形態154、155または157~160のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態162.抗原が、CD-1拘束性抗原である、実施形態154、155または157~160のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態163.抗原が、疾患関連抗原である、実施形態154、155または157~162のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態164.抗原が、腫瘍抗原である、実施形態154、155または157~163のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態165.抗原が、ライセートに由来する、実施形態154、155または157~164のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態166.ライセートが、腫瘍ライセートである、実施形態165に記載の方法。
実施形態167.抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である、実施形態154、155または157~163のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態168.抗原が、微生物である、実施形態154、155または157~163のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態169.抗原が、ポリペプチドである、実施形態154、155または157~167のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態170.抗原が、脂質抗原である、実施形態154、155または157~167のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態171.抗原が、糖鎖抗原である、実施形態154、155または157~167のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態172.抗原が、修飾された抗原である、実施形態154、155または157~171のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態173.修飾された抗原が、ポリペプチドと融合された抗原を含む、実施形態172に記載の方法。
実施形態174.修飾された抗原が、標的化ペプチドと融合された抗原を含む、実施形態173に記載の方法。
実施形態175.修飾された抗原が、脂質と融合された抗原を含む、実施形態174に記載の方法。
実施形態176.修飾された抗原が、炭水化物と融合された抗原を含む、実施形態175に記載の方法。
実施形態177.修飾された抗原が、ナノ粒子と融合された抗原を含む、実施形態176に記載の方法。
実施形態178.複数の抗原が、無核細胞由来の小胞に送達される、実施形態154、155または157~177のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態179.アジュバントが、CpG ODN、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、ポリリシンおよびカルボキシメチルセルロースにより安定化されたポリイノシン・ポリシチジル酸(HILTONOL(登録商標))、イミキモド、レシキモド、ならびに/またはLPSである、実施形態155~178のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態180.アジュバントが、低分子量ポリI:Cである、実施形態179に記載の方法。
実施形態181.インプット無核細胞が、赤血球細胞である、実施形態154~180のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態182.インプット無核細胞が、赤血球である、実施形態154~181のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態183.インプット無核細胞が、網状赤血球である、実施形態154~181のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態184.インプット無核細胞が、血小板である、実施形態154~180のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態185.インプット無核細胞が、哺乳動物細胞である、実施形態154~184のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態186.インプット無核細胞が、サル、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタまたはウサギ細胞である、実施形態154~185のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態187.インプット無核細胞が、ヒト細胞である、実施形態154~185のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態188.哺乳動物への投与後の無核細胞由来の小胞の半減期が、哺乳動物への投与後のインプット無核細胞の半減期と比較して減少している、実施形態154~187のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態189.無核細胞由来の小胞のヘモグロビン含量が、インプット無核細胞のヘモグロビン含量と比較して減少している、実施形態181~183または185~188のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態190.無核細胞由来の小胞のATP産生が、インプット無核細胞のATP産生と比較して減少している、実施形態181~189のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態191.無核細胞由来の小胞が、次の特性:(a)インプット無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期;(b)インプット無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル;(c)球状の形態;(d)インプット無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル;(e)インプット無核細胞と比較して低減されたATP産生のうち1種または複数を示す、実施形態181~182または185~190のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態192.インプット無核細胞が、赤血球であり、無核細胞由来の小胞が、インプット無核細胞と比較して低減された両凹形状を有する、実施形態181~182または185~191のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態193.無核細胞由来の小胞が、赤血球細胞ゴーストである、実施形態181~182または185~192に記載の方法。
実施形態194.プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞が、インプット無核細胞と比較して、その表面に約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンを有する、実施形態154~193のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態195.プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルが、インプット無核細胞と比較して、表面におけるより高い平均ホスファチジルセリンレベルを示す、実施形態154~194のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態196.プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞の集団プロファイルの少なくとも50%が、インプット無核細胞と比較して、表面におけるより高いホスファチジルセリンレベルを示す、実施形態154~195のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態197.インプット無核細胞と比較して、組織または細胞における増強された取込みを示す、実施形態154~196のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態198.インプット無核細胞の取込みと比較して、肝臓および/もしくは脾臓におけるまたは貪食細胞および/もしくは抗原提示細胞による増強された取込みを示す、実施形態197に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態199.インプット無核細胞と比較して、組織または細胞における取込みを増強するように修飾されている、実施形態154~198のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態200.インプット無核細胞の取込みと比較して、肝臓および/もしくは脾臓におけるまたは貪食細胞および/もしくは抗原提示細胞による取込みを増強するように修飾されている、実施形態199に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態201.その表面にCD47を含む、実施形態154~200のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態202.無核細胞由来の小胞が、無核細胞由来の小胞の調製中に、(a)熱処理されていない、(b)化学的に処置されていない、および/または(c)低浸透圧性もしくは高浸透圧性条件に付されていない、実施形態154~201のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態203.細胞懸濁液の容積オスモル濃度が、プロセスを通して維持される、実施形態154~202のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態204.細胞懸濁液の容積オスモル濃度が、プロセスを通して約200mOsm~約400mOsmの間に維持される、実施形態154~203に記載の方法。
実施形態205.狭窄が、マイクロ流体チャネル内に含有される、実施形態154~204のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態206.マイクロ流体チャネルが、複数の狭窄を含む、実施形態205に記載の方法。
実施形態207.複数の狭窄が、直列におよび/または並列に配置されている、実施形態206に記載の方法。
実施形態208.狭窄が、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する、実施形態154~207のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態209.狭窄が、ポアである、またはポア内に含有される、実施形態154~208のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態210.ポアが、表面に含有される、実施形態209に記載の方法。
実施形態211.表面が、フィルターである、実施形態210に記載の方法。
実施形態212.表面が、膜である、実施形態210に記載の方法。
実施形態213.狭窄サイズが、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の関数である、実施形態154~212のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態214.狭窄サイズが、懸濁液におけるインプット無核細胞の直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約70%である、実施形態154~213のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態215.狭窄が、約0.25μm~約4μmの幅を有する、実施形態154~214のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態216.狭窄が、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μmまたは約0.25μmの幅を有する、実施形態154~215のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態217.狭窄が、約2.2μmの幅を有する、実施形態154~215のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態218.インプット無核細胞が、約10psi~約90psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される、実施形態154~217のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態219.前記細胞懸濁液が、狭窄に通す前に、それと同時発生的にまたはその後に、抗原と接触させられる、実施形態154~218のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態220.実施形態154~219のいずれか一実施形態に記載の方法によって調製された無核細胞由来の小胞の集団を含む組成物。
実施形態301.親無核細胞から調製された無核細胞由来の小胞であって、次の特性:(a)親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期、(b)親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベル、(c)球状の形態、(d)親無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、または(e)親無核細胞と比較して低減されたATP産生のうち1種または複数を有する無核細胞由来の小胞。
実施形態302.親無核細胞が、哺乳動物細胞である、実施形態301に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態303.親無核細胞が、ヒト細胞である、実施形態301または302に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態304.親無核細胞が、赤血球細胞または血小板である、実施形態301~303のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態305.赤血球細胞が、赤血球または網状赤血球である、実施形態304に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態306.哺乳動物における無核細胞由来の小胞の循環半減期が、親無核細胞と比較して減少している、実施形態301~305のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態307.哺乳動物における循環半減期が、親無核細胞と比較して、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%をより多くえて減少している、実施形態306に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態308.親無核細胞が、ヒト細胞であり、無核細胞由来の小胞の循環半減期が、約1分間、約2分間、約5分間、約10分間、約15分間、約30分間、約1時間、約6時間、約12時間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約10日間、約25日間、約50日間、約75日間、約100日間、約120日間未満である、実施形態307に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態309.親無核細胞が、赤血球細胞であり、無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルが、親無核細胞と比較して減少している、実施形態301~308のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態310.無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルが、親無核細胞と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%または約100%減少している、実施形態309に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態311.無核細胞由来の小胞におけるヘモグロビンレベルが、親無核細胞におけるヘモグロビンのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%または約50%である、実施形態309に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態312.親無核細胞が、赤血球であり、無核細胞由来の小胞が、球状の形態である、実施形態301~311のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態313.親無核細胞が、赤血球であり、無核細胞由来の小胞が、親無核細胞と比較して低減された両凹形状を有する、実施形態301~311のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態314.親無核細胞が、赤血球細胞または赤血球であり、無核細胞由来の小胞が、赤血球細胞ゴースト(RBCゴースト)である、実施形態301~311のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態315.親無核細胞と比較して、増加した表面ホスファチジルセリンレベルを有する、実施形態301~312のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態316.プロセスによって調製された無核細胞由来の小胞が、その表面に、親無核細胞と比較して約1.5倍をより多くえて多いホスファチジルセリンを有する、実施形態315に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態317.親無核細胞と比較して、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%、約100%または約100%より多く多いホスファチジルセリンをその表面に有する、実施形態315に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態318.親無核細胞と比較して、低減されたATP産生を有する、実施形態301~317のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態319.親無核細胞によって産生されるATPのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%または約50%未満でATPを産生する、実施形態318に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態320.ATPを産生しない、実施形態319に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態321.親無核細胞と比較して、組織または細胞における取込みを増強するように修飾されている、実施形態301~20のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態322.親無核細胞の取込みと比較して、肝臓もしくは脾臓におけるまたは貪食細胞もしくは抗原提示細胞による取込みを増強するように修飾されている、実施形態321に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態323.その表面にCD47を含む、実施形態301~320のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態324.親無核細胞が、無核細胞由来の小胞の調製中に、(a)熱処理されなかった、(b)化学的に処置されなかった、および/または(c)低浸透圧性もしくは高浸透圧性条件に付されなかった、実施形態301~319のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態325.容積オスモル濃度が、親無核細胞からの無核細胞由来の小胞の調製中に維持された、実施形態301~324のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態326.容積オスモル濃度が、約200mOsm~約600mOsmの間に維持された、実施形態325に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態327.容積オスモル濃度が、約200mOsm~約400mOsmの間に維持された、実施形態325または326に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態328.インプット親無核細胞を含む懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きい無核細胞の撹乱を引き起こし、これにより、無核細胞由来の小胞を生成するステップを含むプロセスによって調製された、実施形態301~327のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態329.ペイロードを含む、実施形態301~328のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態330.ペイロードが、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、複合体、ナノ粒子である、実施形態329に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態331.(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)ペイロードを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をペイロードと共にインキュベートし、これにより、ペイロードを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態329に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態332.抗原を含む、実施形態301~331のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態333.アジュバントを含む、実施形態301~332のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態334.抗原および/または免疫寛容原性因子を含む、実施形態301~332のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態335.(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態332に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態336.(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)アジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートし、これにより、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態333に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態337.抗原およびアジュバントを含み、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態333に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態338.抗原および免疫寛容原性因子を含み、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原および免疫寛容原性因子の通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原および免疫寛容原性因子を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原および免疫寛容原性因子と共にインキュベートし、これにより、抗原および免疫寛容原性因子を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態334に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態339.狭窄が、マイクロ流体チャネル内に含有される、実施形態328~338のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態340.マイクロ流体チャネルが、複数の狭窄を含む、実施形態339に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態341.複数の狭窄が、直列におよび/または並列に配置されている、実施形態340に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態342.狭窄が、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する、実施形態328~341のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態343.狭窄が、ポアである、またはポア内に含有される、実施形態328~338のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態344.ポアが、表面に含有される、実施形態343に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態345.表面が、フィルターである、実施形態344に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態346.表面が、膜である、実施形態344に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態347.狭窄サイズが、細胞直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約70%である、実施形態328~346のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態348.狭窄が、約0.25μm~約4μmの幅を有する、実施形態328~346のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態349.狭窄が、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μmまたは約0.25μmの幅を有する、実施形態328~346のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態350.狭窄が、約2.2μmの幅を有する、実施形態328~346のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態351.インプット親無核細胞が、約10psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される、実施形態328~350のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態352.前記細胞懸濁液が、狭窄に通す前に、それと同時発生的にまたはその後に、ペイロードと接触させられる、実施形態328~351のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態353.抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る、実施形態332~352のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態354.抗原が、疾患関連抗原である、実施形態332~353のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態355.抗原が、腫瘍抗原である、実施形態332~354のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態356.抗原が、ライセートに由来する、実施形態332~354のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態357.抗原が、移植片ライセートに由来する、実施形態356に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態358.ライセートが、腫瘍ライセートである、実施形態356に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態359.抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である、実施形態332~358のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態360.ウイルス抗原が、ウイルス、ウイルス粒子またはウイルスカプシドである、実施形態359に記載の無核(aculeate)細胞由来の小胞。
実施形態361.抗原が、微生物である、実施形態332~354のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態362.抗原が、ポリペプチドである、実施形態332~361のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態363.抗原が、脂質抗原である、実施形態332~361のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態364.抗原が、糖鎖抗原である、実施形態332~361のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態365.抗原が、修飾された抗原である、実施形態332~361のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態366.修飾された抗原が、ポリペプチドと融合された抗原を含む、実施形態365に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態367.修飾された抗原が、標的化ペプチドと融合された抗原を含む、実施形態366に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態368.修飾された抗原が、脂質と融合された抗原を含む、実施形態366に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態369.修飾された抗原が、炭水化物と融合された抗原を含む、実施形態366に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態370.修飾された抗原が、ナノ粒子と融合された抗原を含む、実施形態366に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態371.複数の抗原が、無核細胞に送達される、実施形態332~370のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態372.アジュバントが、CpG ODN、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、イミキモド、レシキモドおよび/またはリポ多糖(LPS)である、実施形態333、336、337および339のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態373.実施形態301~372のいずれか一実施形態に記載の複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物。
実施形態374.親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多くが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞の集団と比較して、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうち1種または複数を有する組成物。
実施形態375.親無核細胞の集団から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物であって、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の約20%より多くが、親無核細胞の集団の平均と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞の集団の平均と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞の集団の平均と比較して、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞の集団の平均と比較して低減されたATP産生を有する、のうち1種または複数を有する組成物。
実施形態376.親無核細胞が、哺乳動物細胞である、実施形態374または375に記載の組成物。
実施形態377.親無核細胞が、ヒト細胞である、実施形態374~376のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態378.親無核細胞が、赤血球細胞または血小板である、実施形態374~377のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態379.赤血球細胞が、赤血球または網状赤血球である、実施形態378に記載の組成物。
実施形態380.哺乳動物における組成物における無核細胞由来の小胞の20%の循環半減期が、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均と比較して減少している、実施形態374~378のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態381.哺乳動物における組成物における無核細胞由来の小胞の20%の循環半減期が、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均と比較して、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%をより多くえて減少している、実施形態380に記載の組成物。
実施形態382.親無核細胞が、ヒト細胞であり、組成物における無核細胞由来の小胞の20%の循環半減期が、約5分間、約10分間、約15分間、約30分間、約1時間、約6時間、約12時間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約10日間未満である、実施形態381に記載の組成物。
実施形態383.親無核細胞が、赤血球細胞であり、組成物における無核細胞由来の小胞の20%のヘモグロビンレベルが、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均と比較して減少している、実施形態374~382のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態384.組成物における無核細胞由来の小胞の20%のヘモグロビンレベルが、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%または約100%減少している、実施形態383に記載の組成物。
実施形態385.組成物における無核細胞由来の小胞の20%のヘモグロビンレベルが、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均におけるヘモグロビンのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%または約50%である、実施形態384に記載の組成物。
実施形態386.親無核細胞が、赤血球であり、組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、球状の形態である、実施形態374~385のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態387.親無核細胞が、赤血球であり、組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して低減された両凹形状を有する、実施形態374~385のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態388.親無核細胞が、赤血球細胞または赤血球であり、組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、赤血球細胞ゴーストである、実施形態374~386のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態389.組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、表面ホスファチジルセリンを含む、実施形態374~388のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態390.組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均と比較して、増加した表面ホスファチジルセリンレベルを含む、実施形態374~389のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態391.組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、複数の親無核細胞を含む組成物と比較して、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%、約100%または約100%より多く高い表面ホスファチジルセリンレベルを有する、実施形態390に記載の組成物。
実施形態392.組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均と比較して低減されたATP産生を有する、実施形態374~391のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態393.組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞または親無核細胞の集団の平均によって産生されるATPのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%または約50%未満でATPを産生する、実施形態392に記載の組成物。
実施形態394.無核細胞由来の小胞が、ATPを産生しない、実施形態393に記載の組成物。
実施形態395.親無核細胞が、組成物の調製中に、(a)熱処理されなかった、(b)化学的に処置されなかった、および/または(c)低浸透圧性もしくは高浸透圧性条件に付されなかった、実施形態374~393のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態396.容積オスモル濃度が、親無核細胞からの無核細胞由来の小胞の調製中に維持された、実施形態301~324のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態397.容積オスモル濃度が、約200mOsm~約600mOsmの間に維持された、実施形態396に記載の組成物。
実施形態398.容積オスモル濃度が、約200mOsm~約400mOsmの間に維持された、実施形態396または397に記載の組成物。
実施形態399.組成物の無核細胞由来の小胞が、インプット親無核細胞を含む懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きい無核細胞の撹乱を引き起こし、これにより、無核細胞由来の小胞を生成する、ステップを含むプロセスによって調製された、実施形態374~398のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態400.組成物の無核細胞由来の小胞が、ペイロードを含む、実施形態374~399のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態401.ペイロードが、治療ペイロードである、実施形態400に記載の組成物。
実施形態402.ペイロードが、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、複合体、ナノ粒子である、実施形態400に記載の組成物。
実施形態403.組成物の無核細胞由来の小胞が、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)ペイロードを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をペイロードと共にインキュベートし、これにより、ペイロードを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態402に記載の組成物。
実施形態404.無核細胞由来の小胞が、抗原を含む、実施形態374~403のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態405.無核細胞由来の小胞が、アジュバントを含む、実施形態374~404のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態406.無核細胞由来の小胞が、抗原および免疫寛容原性因子を含む、実施形態374~404のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態407.組成物の無核細胞由来の小胞が、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原の通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原と共にインキュベートし、これにより、抗原を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態404に記載の組成物。
実施形態408.組成物の無核細胞由来の小胞が、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、アジュバントの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)アジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞をアジュバントと共にインキュベートし、これにより、アジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態405に記載の組成物。
実施形態409.組成物の無核細胞由来の小胞が、抗原およびアジュバントを含み、組成物の無核細胞由来の小胞が、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原およびアジュバントの通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原およびアジュバントを無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原およびアジュバントと共にインキュベートし、これにより、抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態405に記載の組成物。
実施形態410.組成物が、抗原および免疫寛容原性因子を含み、組成物の無核細胞由来の小胞が、(a)インプット親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液におけるインプット親無核細胞の直径の関数であり、これにより、抗原および免疫寛容原性因子の通過に十分なほど大きいインプット親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成する、ステップと、(b)抗原および免疫寛容原性因子を無核細胞由来の小胞に進入させるのに十分な時間、無核細胞由来の小胞を抗原および免疫寛容原性因子と共にインキュベートし、これにより、抗原および/または免疫寛容原性因子を含む無核細胞由来の小胞を生成するステップとを含むプロセスによって調製された、実施形態406に記載の組成物。
実施形態411.狭窄が、マイクロ流体チャネル内に含有される、実施形態399、403および407~410のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態412.マイクロ流体チャネルが、複数の狭窄を含む、実施形態384に記載の組成物。
実施形態413.複数の狭窄が、直列におよび/または並列に配置されている、実施形態412に記載の組成物。
実施形態414.狭窄が、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する、実施形態400~413のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態415.狭窄が、ポアである、またはポア内に含有される、実施形態399、403および407~410のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態416.ポアが、表面に含有される、実施形態415に記載の組成物。
実施形態417.表面が、フィルターである、実施形態416に記載の組成物。
実施形態418.表面が、膜である、実施形態416に記載の組成物。
実施形態419.狭窄サイズが、細胞直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約70%である、実施形態399~418のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態420.狭窄が、約0.25μm~約4μmの幅を有する、実施形態399~419のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態421.狭窄が、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μmまたは約0.25μmの幅を有する、実施形態399~420のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態422.狭窄が、約2.2μmの幅を有する、実施形態399~420のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態423.インプット親無核細胞が、約10psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される、実施形態399~422のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態424.前記細胞懸濁液が、狭窄に通す前に、それと同時発生的にまたはその後に、抗原と接触させられる、実施形態399~423のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態425.抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドおよび/またはMHCクラスII拘束性ペプチドへとプロセシングされ得る、実施形態404~424のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態426.抗原が、疾患関連抗原である、実施形態404~425のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態427.抗原が、腫瘍抗原である、実施形態404~426のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態428.抗原が、ライセートに由来する、実施形態404~427のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態429.ライセートが、移植片ライセートである、実施形態428に記載の組成物。
実施形態430.ライセートが、腫瘍ライセートである、実施形態428に記載の組成物。
実施形態431.抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である、実施形態404~426のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態432.抗原が、微生物である、実施形態404~426のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態433.抗原が、ポリペプチドである、実施形態404~432のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態434.抗原が、脂質抗原である、実施形態404~433のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態435.抗原が、糖鎖抗原である、実施形態404~433のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態436.抗原が、修飾された抗原である、実施形態404~433のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態437.修飾された抗原が、ポリペプチドと融合された抗原を含む、実施形態436に記載の組成物。
実施形態438.修飾された抗原が、標的化ペプチドと融合された抗原を含む、実施形態437に記載の組成物。
実施形態439.修飾された抗原が、脂質と融合された抗原を含む、実施形態437に記載の組成物。
実施形態440.修飾された抗原が、炭水化物と融合された抗原を含む、実施形態437に記載の組成物。
実施形態441.修飾された抗原が、ナノ粒子と融合された抗原を含む、実施形態437に記載の組成物。
実施形態442.複数の抗原が、無核細胞に送達される、実施形態404~441のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態443.アジュバントが、CpG ODN、IFN-α、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、ポリI:C、イミキモド、レシキモドおよび/またはLPSである、実施形態405、408、409および411~442のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態444.医薬組成物である、実施形態373~443のいずれか一実施形態に記載の組成物。
実施形態445.親無核細胞から調製された複数の無核細胞由来の小胞を含む組成物を作製するための方法であって、組成物が、次の特性:(a)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して減少した、哺乳動物における循環半減期を有する、(b)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して減少したヘモグロビンレベルを有する、(c)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、球状の形態を有する、(d)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、RBCゴーストである、(e)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、より高いレベルのホスファチジルセリンを有する、または(f)組成物における無核細胞由来の小胞の20%より多くが、親無核細胞と比較して低減されたATP産生を有する、のうち1種または複数を有し、方法が、親無核細胞を含む細胞懸濁液を、細胞を変形させる狭窄に通すステップであって、狭窄の直径が、懸濁液における親無核細胞の直径の関数であり、これにより、ペイロードの通過に十分なほど大きい親無核細胞の撹乱を引き起こして、無核細胞由来の小胞を形成し、これにより、無核細胞由来の小胞を生成する、ステップを含む、方法。
実施形態446.狭窄が、マイクロ流体チャネル内に含有される、実施形態445に記載の方法。
実施形態447.マイクロ流体チャネルが、複数の狭窄を含む、実施形態446に記載の方法。
実施形態448.複数の狭窄が、直列におよび/または並列に配置されている、実施形態447に記載の方法。
実施形態449.狭窄が、複数の微小な支柱の間;アレイ状に構成された複数の微小な支柱の間;または1枚もしくは複数の可動プレートの間に存在する、実施形態445~448のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞。
実施形態450.狭窄が、ポアである、またはポア内に含有される、実施形態446または447に記載の方法。
実施形態451.ポアが、表面に含有される、実施形態450に記載の方法。
実施形態452.表面が、フィルターである、実施形態451に記載の方法。
実施形態453.表面が、膜である、実施形態451に記載の方法。
実施形態454.狭窄サイズが、細胞直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約70%である、実施形態445~453のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態455.狭窄が、約0.25μm~約4μmの幅を有する、実施形態445~454のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態456.狭窄が、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μmまたは約0.25μmの幅を有する、実施形態445~454のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態457.狭窄が、約2.2μmの幅を有する、実施形態445~454のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態458.インプット親無核細胞が、約10psi~約150psiに及ぶ圧力下で、狭窄に通される、実施形態445~457のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態459.ペイロードが細胞に進入するように、前記細胞懸濁液が、狭窄に通す前に、それと同時発生的にまたはその後に、ペイロードと接触させられる、実施形態445~458のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態460.ペイロードが、治療ペイロードである、実施形態459に記載の方法。
実施形態461.ペイロードが、ポリペプチド、核酸、脂質、炭水化物、小分子、複合体またはナノ粒子である、実施形態459または460に記載の方法。
実施形態462.ペイロードが、抗原および/またはアジュバントである、実施形態459~461のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態463.ペイロードが、抗原および/または免疫寛容原性因子である、実施形態459~461のいずれか一実施形態に記載の方法。
実施形態464.それを必要とする個体における疾患または障害を処置するための方法であって、実施形態301~372のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞を投与するステップを含む方法。
実施形態465.それを必要とする個体における疾患または障害を処置するための方法であって、実施形態373~444のいずれか一実施形態に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
実施形態466.無核細胞由来の小胞が、治療ペイロードを含む、実施形態464または465に記載の方法。
実施形態467.個体が、がんを有し、ペイロードが、抗原を含む、実施形態466に記載の方法。
実施形態468.個体が、がんを有し、ペイロードが、抗原およびアジュバントを含む、実施形態466または467に記載の方法。
実施形態469.抗原が、腫瘍抗原である、実施形態467または468に記載の方法。
実施形態470.個体が、感染性疾患またはウイルス関連疾患を有し、ペイロードが、抗原を含む、実施形態466に記載の方法。
実施形態471.個体が、感染性疾患またはウイルス関連疾患を有し、ペイロードが、抗原およびアジュバントを含む、実施形態466または470に記載の方法。
実施形態472.抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である、実施形態471に記載の方法。
実施形態473.個体が、自己免疫性疾患を有し、ペイロードが、抗原を含む、実施形態466に記載の方法。
実施形態474.個体が、自己免疫性疾患を有し、ペイロードが、抗原および/または免疫寛容原性因子を含む、実施形態466または473に記載の方法。
実施形態475.それを必要とする個体における疾患または障害を予防するための方法であって、実施形態301~372のいずれか一実施形態に記載の無核細胞由来の小胞を投与するステップを含む方法。
実施形態476.それを必要とする個体における疾患または障害を予防するための方法であって、実施形態373~444のいずれか一実施形態に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
実施形態477.無核細胞由来の小胞が、抗原を含む、実施形態475または476に記載の方法。
実施形態478.個体が、がんを有し、ペイロードが、抗原およびアジュバントを含む、実施形態475または476に記載の方法。
実施形態479.疾患または障害が、がんであり、抗原が、腫瘍抗原である、実施形態477または478に記載の方法。
実施形態480.個体が、感染性疾患を有し、ペイロードが、抗原を含む、実施形態477または478に記載の方法。
実施形態481.個体が、感染性疾患を有し、ペイロードが、抗原およびアジュバントを含む、実施形態477または478に記載の方法。
実施形態482.抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原または真菌抗原である、実施形態481に記載の方法。
以下の実施例は、本開示の様々な実施形態を例証するために与えられ、本開示をいかなるようにも限定することを意味しない。当業者は、本開示が、目的を実行し、言及された目標および利点、ならびに本明細書に固有の目的、目標および利点を得るために、十分に適応されることを容易に認識するであろう。特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨の範囲内に包含される、本明細書における変化および他の使用を当業者なら想起するであろう。
(実施例1)
この実施例は、部分的に、ローディングされた抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、in vivoで、抗原特異的免疫応答を誘導し得ることを実証する。
材料および方法
in vivoでの抗原特異的免疫応答を決定するために、表1の条件に従って処置された細胞由来の小胞、例えば、モデル抗原および/またはアジュバントをローディングされた赤血球由来の小胞をマウスに投与し、次いで、抗原特異的T細胞の数および炎症性サイトカイン、IFN-γおよびIL-2のレベルをフローサイトメトリーによって測定した。具体的には、赤血球細胞(RBC)をC57BL/6Jドナーマウスから得て、表1に詳細に記載した群A~H(5匹のマウス/群)に従って、遊離Ova(10μg/マウス)および/またはポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)(25μg/マウス)による全身処置を用いてまたは用いないで、蛍光的にタグ付けしたIgG抗体(IgG488、20μg/mL)、Ovaタンパク質(200μg/mL)、および/またはポリI:C(300μg/mL)を細胞内にローディングした。表1では、RBCの後の括弧内の条件は、細胞内カーゴを示し、RBCの後の括弧の外側の条件は、全身に同時投与した(すなわち、細胞内カーゴではない)。
RBCを投与した群は、1億5千万(M)個のRBCの用量を受けた。陰性対照の動物には:Ova(200μg/mL)と共にインキュベートし、洗浄した150MのRBCを与え、遊離ポリI:C(Endo+ポリI:C)をマウスに同時注射した(群A);抗体を単独でローディングした150MのRBCを与えた(RBC(IgG488))(群B);または抗体および抗原をローディングした150MのRBCを与えた(RBC(IgG488+Ova))(群D)。陽性対照の動物には:抗体を単独でローディングした150MのRBCを与え、遊離OVaおよびポリI:Cを同時投与した(RBC(IgG488)+Ova+ポリI:C)(群C);またはOvaの最小エピトープ(SIINFEKL-1μg/mL)でパルス刺激した1Mの樹状細胞(DC)を与えた(群H)。0日目に、各処置条件に対するそれぞれの組成物をレシピエントC57BL/6Jマウスに養子移入した。7日目に、脾臓を回収し、Ova特異的テトラマーに対してSIINFEKL(1μg/mL)で再刺激し、以下の記載に従って、IFN-γおよびIL-2に関する細胞内サイトカイン染色(ICS)に供した。
表1.処置群。
*RBCの後の括弧内の条件は、細胞内カーゴを示す; RBCの後の括弧の外側の条件は、全身に同時投与された。
結果
抗原特異的T細胞の数を上記で議論したようにテトラマー染色によって測定した。群F(RBC(IgG488+Ova)+ポリI:C)、群G(RBC(IgG488+Ova+ポリI:C))、および陽性対照のパルス刺激したDC(群H)は、Ova反応性T細胞において統計的に有意な増加を誘導した(図1A)。これらのデータは、テトラマー染色によって決定される抗原特異的応答を誘導するために、抗原およびアジュバント(同時に封入されたかまたは全身投与されたアジュバント)に関する要件が存在することを示した。IFN-γを有する細胞のパーセンテージは、群F(RBC(IgG488+Ova)+ポリI:C)および群H(パルス刺激したDC)において有意に増加したが、一方、群G(RBC(IgG488+Ova+ポリI:C))では、統計的に有意でないわずかな増加が存在した(図1B)。細胞当たりのIFN-γの量は、IFN-γ+細胞の%で観察した場合、同じ群において統計的に有意に増加したが(群FおよびH)、一方、群C(RBC(IgG488)+Ova+ポリI:C)および群G(RBC(IgG488+Ova+ポリI:C)でも有意な増加が存在した(図1C)。IFN-γに関して観察した傾向と同様に、IL-2+細胞のパーセンテージは、パルス刺激したDC(群H)およびRBC(IgG488+Ova)+ポリI:C(群F)においてのみ有意に増加した(図1D)。細胞当たりのIL-2のレベルは、パルス刺激したDC(群H)およびRBC(IgG488+Ova)+ポリI:C(群F)、ならびにRBC(IgG488)+Ova+ポリI:C(群C)およびRBC(IgG488+Ova+ポリI:C)(群G)の条件で有意に増加し、これは、細胞当たりのIFN-γの量に関して観察したのと同じ傾向である(図1E)。まとめると、これらのデータは、無核細胞由来の小胞が、抗原およびアジュバント(封入されたかまたはされていない)に関する要件を伴って、抗原特異的応答を誘導することができることを示し、最も良い応答は、RBC(IgG488+Ova)+ポリI:C条件(群F)で観察された。すべての比較は、Endo+ポリI:C陰性対照(群A)に対して行った(5匹/群、*P<0.05、**P<0.01、#P<0.005)。
(実施例2)
この実施例は、部分的に、ローディングされた抗原および/またはアジュバントを含む様々な用量の無核細胞由来の小胞が、変動するレベルのin vivoでの抗原特異的免疫応答を誘導し得ることを実証する。詳細には、ローディングされた抗原および/またはアジュバントを含むより高用量の無核細胞由来の小胞は、より大きなin vivoでの抗原特異的免疫応答を誘導し得る。
材料および方法
in vivoでの抗原特異的免疫応答を決定するために、表2の条件に従って処置した細胞由来の小胞、例えば、モデル抗原および/またはアジュバントをローディングした赤血球由来の小胞をマウスに投与し、次いで、抗原特異的T細胞の数および炎症性サイトカイン、IFN-γおよびIL-2のレベルをフローサイトメトリーによって測定した。具体的には、赤血球細胞(RBC)をC57BL/6Jドナーマウスから得て、表2に詳細に記載した群(5匹のマウス/群)に従って、遊離Ova(10μg/マウス)および/またはポリI:C(25μg/マウス)による全身処置を用いてまたは用いないで、蛍光的にタグ付けしたIgG抗体(IgG488、20μg/mL)、Ovaタンパク質(200μg/mL)および/またはポリI:C(300μg/mL)をローディングした。表2では、RBCの後の括弧内の条件は、細胞内カーゴを示し、RBCの後の括弧の外側の条件は、全身に同時投与した(すなわち、細胞内カーゴではない)。
ローディングおよび全身投与した遊離抗原およびアジュバントの様々な組合せを比較した。陰性対照の動物に、Ova(200μg/mL)と共にインキュベートした150Mの赤血球細胞を与え、洗浄し、遊離ポリI:C(Endo+ポリI:C)をマウスに同時注射した(群I)。陽性対照の動物は、Ovaの最小エピトープ(SIINFEKL-1μg/mL)でパルス刺激した1Mの樹状細胞(DC)を受けた(群N)。0日目に、ローディングした無核細胞由来の小胞、インキュベートした赤血球細胞、または樹状細胞をレシピエントC57BL/6Jマウスに養子移入した。7日目に、脾臓を回収し、Ova特異的テトラマーに関してSIINFEKL(1μg/mL)で再刺激し、IFN-γおよびIL-2に関する細胞内サイトカイン染色(ICS)に供した。
表2.処置群。
*RBCの後の括弧内の条件は、細胞内カーゴを示す; RBCの後の括弧の外側の条件は、全身に同時投与された。
結果
RBC(IgG488+Ova)+ポリI:C(群K)および陽性対照のパルス刺激したDC(群N)は、Ova反応性T細胞において統計的に有意な増加を誘導した(図2A)。無核細胞由来の小胞が抗体のみを含有し、遊離OvaとポリI:Cと共に同時投与された条件(RBC(IgG488)+Ova+ポリI:C;群J)、ならびに1億5千万個の細胞/動物(群L)および10億(B)個の細胞/動物(群M)の両方で、抗体、Ova、およびポリI:Cを含有する小胞(RBC(IgG488+Ova+ポリI:C)は、Ova特異的T細胞のパーセンテージにおいて、統計的に有意でないわずかな増加を示した(図2A)。興味深いことに、より高用量のローディングした小胞(1B個のRBC(IgG488+Ova+ポリI:C)(群M))によって、より低い150Mの用量(群L)に対して、より低い内因性の応答がもたらされた。IFN-γ+細胞のパーセンテージは、IFN-γ+細胞の比率において有意な増加をもたらす、パルス刺激したDC陽性対照(群N)およびRBC(IgG488+Ova)+ポリI:C(群K)条件に関してのみ、テトラマーデータと類似する傾向にあった(図2B)。より低用量のRBC(IgG488+Ova+ポリI:C)(群L)におけるIFN-γ+細胞のパーセンテージにおいてもわずかな増加が存在したが、これは有意ではなかった(図2B)。しかし、IL-2+細胞のパーセンテージだけが、陽性対照において有意に増加した(図2C)。まとめると、これらのデータは、最も良い応答は、抗原をローディングした小胞と遊離ポリI:Cの全身同時投与により得られ、予期せぬことに、より高用量の抗原+アジュバントをローディングした小胞(1B個)(群M)によってより低い内因性応答がもたらされたことを示す。すべての比較は、Endo+ポリI:C陰性対照(群I)に対してなされた(5匹のマウス/群、*P<0.05、**P<0.01、#P<0.005)。
(実施例3)
この実施例は、部分的に、in vivoでの抗原特異的免疫応答に関して、様々なアジュバントまたは投与戦略を使用する効果を実証する。
材料および方法
in vivoでの抗原特異的免疫応答を決定するために、表3の条件に従って処置した細胞由来の小胞、例えば、モデル抗原および/またはアジュバントをローディングした赤血球由来の小胞をマウスに投与し、次いで、抗原特異的T細胞の数および炎症性サイトカイン、IFN-γおよびIL-2のレベルをフローサイトメトリーによって測定した。具体的には、赤血球細胞をC57BL/6Jドナーマウスから得て、表3に詳細に記載した群(5匹のマウス/群)に従って、変動する用量およびプライム-ブーストスケジュールで、蛍光的にタグ付けしたIgG抗体(IgG488、20μg/mL)、Ovaタンパク質(200μg/mL)および/またはアジュバント(ポリI:C(300または3000μg/mL)、リポ多糖(LPS、300μg/mL)、またはR848(100μg/mL)のいずれか)をローディングした。
表3.処置群。
*RBCの後の括弧内の条件は、細胞内カーゴを示す; RBCの後の括弧の外側の条件は、全身に同時投与された。
陰性対照動物に、Ova(200μg/mL)と共にインキュベートした赤血球細胞を与え、洗浄し、遊離ポリI:Cをマウスに同時注射した(Endo+ポリI:C)(群O)。0日目に、RBCをローディングした無核細胞由来の小胞、インキュベートした赤血球細胞または樹状細胞を、レシピエントC57BL/6Jマウスに養子移入した。2日目に、群R(RBC(IgG488+Ova+ポリI:C)+ブースト)は、第2の(ブースト)用量の150MのRBC(Ova+ポリI:C)をローディングした小胞を受けた。7日目に、脾臓を回収し、Ova特異的テトラマーに関してSIINFEKL(1μg/mL)で再刺激し、IFN-γおよびIL-2に関する細胞内サイトカイン染色(ICS)に供した。
結果
抗原特異的T細胞の数を、Endo対照に対してOva反応性T細胞の統計的に有意な増加を生じる、群R(ブーストした条件(RBC(IgG488+Ova+ポリI:C)+ブースト)と群S(高用量のアジュバント(RBC(IgG488+Ova+高用量のポリI:C))に関してのみ、テトラマー染色によって測定した(図3A)。テトラマー染色に関して観察された傾向は、ICSによって測定したIFN-γについて陽性の細胞のパーセンテージによってさらに支持され、同一の条件が、対照に対するIFN-γの%において統計的に有意な増加を生じた(図3B)。この傾向は、IL-2 ICSによるブースト条件について観察されたが、高用量のポリI:C条件は、IL-2+細胞の比率において、中程度の、統計的に有意でない増加をもたらしただけであった(図3C)。まとめると、これらのデータは、アジュバントであるポリI:Cを使用することによって、最も高い内因性応答がもたらされたこと、および2日目に2回目のブースターを使用することによって、Ovaおよび10倍高用量のポリI:Cを含む小胞の単回投与に対してさえも、はるかに高い応答をもたらしたことを示す。すべての比較は、Endo+ポリI:C陰性対照(群O)に対してなされた(5匹のマウス/群、*P<0.05、**P<0.01、#P<0.005)。
(実施例4)
正常な無核細胞由来の小胞カウンターパートと比較した正常な無核細胞の代謝活性を決定するために、RBCとRBC由来の小胞の解糖のレベルは、蛍光酵素アッセイを使用して乳酸産生レベルをモニターすることによって、経時的に間接的に測定され得る。RBC代謝活性は、解糖による乳酸の生成によって測定することができる。ミトコンドリアがない場合、解糖は、RBCがATPを作製する唯一の方法であり、これには、外膜リーフレット(external membrane leaflet)のホスファチジルセリンを反転させて細胞内膜リーフレット(intracellular membrane leaflet)に戻すことが必要である。ATPの欠乏は、RBCが、細胞表面のホスファチジルセリンを基礎レベルに戻すことができないことを意味する。
材料および方法
ヒトRBCをフィコール分離によって全血から得て、アデニンを含むクエン酸塩-リン酸塩-デキストロース(dCPDA-1)緩衝剤に10億個の細胞/mLで再懸濁させ、蛍光標識したラットIgG(20μg/mL)をSQZによって室温で送達し(50psiで、2.2μmの狭窄幅)、IgGを含むRBC由来の小胞を生成した。次いで、細胞を示されている時間37℃でインキュベートし、上清を採取した。RBCおよびRBC由来の小胞によって産生された乳酸レベルを定量するために、乳酸-Gloアッセイ(Promega)を用いて、各時点からの上清をアッセイした。簡潔には、上清を、蛍光乳酸検出試薬の添加前に、不活性化および中和ステップに供した。蛍光光度をブランク対照に対して正規化し、上清における絶対的乳酸レベルを乳酸標準曲線(0.1~10μM)を使用して決定した。
結果
SQZによって生成したヒトRBC由来の小胞は、4時間と21時間の両方で有意により低いレベルの乳酸産生を示した(図4)。4時間では、SQZによって生成したRBC由来の小胞(SQZ)は、未処置のRBC(SQZなし)に対して乳酸産生において約5分の1の低下を有し、代謝活性とATP生成の減少を示した(左のバー、#P<0.005)。延長された回収時間(21時間)後であっても、SQZによって生成したRBC由来の小胞(SQZ)は、SQZなしに対して有意に低い(2分の1;右のバー、*P<0.05)量の乳酸産生を有した。まとめると、これらのデータは、SQZローディングされたRBC由来の小胞が、有意に変更された代謝能を有することを示す。
(実施例5)
この実施例は、部分的に、無核細胞由来の小胞の形態および表面のホスファチジルセリンレベルに関するSQZによって媒介されるローディングの効果を実証する。
材料および方法
無核細胞由来の小胞の形態および表面のホスファチジルセリンレベルに関するSQZによって媒介される送達の影響を定量するために、赤血球細胞(RBC)由来の小胞を蛍光的にタグ付けした抗原にローディングし、レシピエントマウスに注射し、その後、経時的に連続して採血した。次いで、無核細胞由来の小胞の半減期を血中の蛍光シグナルの持続から決定した。具体的には、赤血球細胞(RBC)をC57BL/6Jドナーマウスから得て、未処置のままにされ(Untrtd)、蛍光的にタグ付けした(D-FITC)3kDaのデキストラン(200μg/mL-SQZなし)の存在下でインキュベートしたか、またはSQZに媒介されるローディングによって処理して、デキストランをローディングしたRBC由来の小胞を生成した(SQZ)。各条件で生成した細胞または小胞を、膜標識色素であるCellTrace Violet(登録商標)(CT)で染色した。各条件からの試料は、ImageStream(登録商標)分析によって評価し、形態学的変化を決定した。
形態および表面のホスファチジルセリンレベルに関するSQZに媒介される送達の影響を定量するために、上記で調製したデキストランとインキュベートしたRBCをCaCl2緩衝剤を含有するRPMI(0.4mM)中で37℃にて2時間さらにインキュベートし、その後、イオノマイシン(8μM)で30分間処理した(ホスファチジルセリンの表面提示を誘導することが公知の条件)(陽性対照を生じる、+ctrl)。次いで、Untrt、+ctrlおよびSQZなしの試料からの細胞、ならびにSQZローディングした小胞(SQZ)をアネキシンVで染色し、表面のホスファチジルセリンレベルをフローサイトメトリーによって並行して測定した。
結果
ImageStream分析の結果は、未処置のまま(Untrt)であるか、またはSQZの非存在下でデキストランと共にインキュベートした(SQZなし)RBCが、明視野で画像化された場合に、通常RBCと関連する両凹形状を維持した(図5A)。しかし、SQZローディングしたRBC由来の小胞は、形態において別個の変化を示し、明視野での画像化によって示されたように、概してより球形状を示した。さらに、未処置(Untrtd)でもインキュベートしたRBC(SQZなし)でもなく、SQZローディングした小胞(SQZ)のみが、蛍光的にタグ付けしたデキストラン(D-FITC)からの蛍光シグナルを示し、送達が、SQZに媒介されるローディングによってのみ達成されたことを示した。すべての条件で、試料は、CellTrace Violet(登録商標)に関して陽性であり、脂質二重層の存在を示した。
上記のRBCまたはRBC由来の小胞は、RBC由来の小胞における膜スクランブリングのマーカーである表面のホスファチジルセリンレベルのレベルについても試験した(図5B)。未処置(Untrt)およびインキュベートしたRBC(SQZなし)と比較した場合、SQZローディングした小胞(SQZ)は、ホスファチジルセリン染色について有意により高いレベルを示し、SQZ処理を有さないRBCに関する5%未満に対して、SQZローディングしたRBC由来の小胞ではアネキシンVについて陽性の細胞が80%をより多くえた。SQZ条件でのより高いレベルの表面のホスファチジルセリンについて陽性の細胞のパーセンテージは、陽性対照(+ctrl)に関してみられるものに類似した。全体的に、これらのデータは、SQZに媒介される送達が、RBC由来の小胞の効率的なローディング、インプットRBCからの形態の顕著なモジュレーションをもたらす一方で、表面のホスファチジルセリンレベルを有意に増加させたことを示す。
(実施例6)
この実施例は、部分的に、無核細胞由来の小胞の循環半減期に関するSQZに媒介されるローディングの効果を実証する。
材料および方法
無核細胞由来の小胞の循環半減期に関するSQZに媒介される送達の影響を定量するために、赤血球細胞由来の小胞は、蛍光的にタグ付けした抗原をローディングされ、レシピエントマウスに注射され、その後、経時的に連続的に採血した。次いで、無核細胞由来の小胞の半減期を血中の蛍光シグナルの持続から決定した。具体的には、赤血球細胞(RBC)をC57BL/6Jドナーマウスから得て、SQZローディングにより処理し、図6Aにおいて概説したように、蛍光的にタグ付けしたOvaタンパク質(Ova-647-200μg/mL)を有するRBC由来の小胞を生成した(1群当たり3匹のマウス)。0分において、OvaをローディングしたRBC由来の小胞(2億の小胞/動物)をCFSEで染色した。非SQZ対照として使用される等量のRBCをCellTrace Violetで染色した。CFSE染色した、OVAをローディングしたRBC由来の小胞とCellTrace Violetで染色したRBCを混合し、レシピエントC57BL/6Jマウスに養子移入した。5、30、60および240分において、各マウスの尾静脈から血液を採取し、循環する蛍光的にタグ付けしたRBC由来の小胞およびVioletで染色したRBCの数をフローサイトメトリーによって定量した。
結果
循環中のCFSE陽性のRBC由来の小胞(抗原でSQZローディングした)のレベルは、最初の時点(5分)までに有意に下降し、15分までにほぼ検出不能であった(図6B)。しかし、SQZによって処理しなかったが、CellTrace Violet(登録商標)で標識したRBCは、プロットした時間経過にわたって同様のレベルを持続した(図6B)。プロットされた時間経過をより多くえて繰り返し実施した採血は、SQZ処理したRBCに由来する小胞とSQZなしのRBCの両方の相対レベルは、概して、約1時間後に安定であることを示したが、8週間まで回収したデータを使用すると、SQZ処理したRBCに由来する小胞とSQZなしのRBCの両方に関する半減期である。比較的寿命の短いRBC由来の小胞は、14.3分の半減期を有したが、SQZ処理なしの標識したRBCは、7661分(約5日)の半減期を有した。レシピエントマウスに注射したRBC/RBC由来の小胞の混合物のフロープロット図を図6Cに示す。この前方対側方の散乱プロットは、形態の変化を示す実体の定量も提供した。グラフの上方右側の四分位の細胞のより大きなパーセンテージは、SQZ処理されなかったRBCを表し、一方、SQZローディングしたRBC由来の小胞のより小さな集団は、左側にクラスターで表わされた。これはまた、SQZローディングしたRBC由来の小胞の形態は、SQZによって処理されなかったRBCのものから有意に変更されていたという知見を例証する。まとめると、これらのデータは、RBC由来の小胞は、SQZ処理されなかったRBCよりも有意に早く取り除かれること、およびこの2つは、フローサイトメトリーによって形態的に顕著に異なることを示した。
(実施例7)
この実施例は、部分的に、無核細胞由来の小胞のヘモグロビン含量に関するSQZに媒介されるローディングの効果を実証する。
材料および方法
無核細胞由来の小胞のヘモグロビン(Hb)含量に関するSQZに媒介される送達の影響を定量するために、RBC由来の小胞を様々な条件下でSQZ処理によって生成し、インプットRBCのものと比較して、残っているヘモグロビンの量をHemoCue(登録商標)システムを使用して定量した。具体的には、RBCをC57BL/6Jドナーマウスから得て、未処置のままとし(NC-陰性対照)、水中で1:20に希釈した溶液中でインキュベートした(95μLの水中5μLの血液-溶解対照)か、または2つの異なる圧力で(10および12psi)SQZ処理した。遠心分離後に、溶血(Hbの喪失)の量を、以下の等式に従って、全細胞懸濁液中のHb濃度に対する上清中のHb濃度を決定することによって、HemoCue(登録商標)システムを使用して決定した:溶血(%)=([遊離Hb]/[全Hb])*100。
結果
遠心分離後に、SQZ処理したRBC由来の小胞が、かなりの溶血(Hbの喪失)をもたらすことが視覚的に明らかであり、このことは、SQZ処理されなかったRBCで観察された強烈な赤色の細胞ペレットを伴う本質的に透明な上清と比較して、RBC由来の小胞の上清で赤色が拡散していることから容易に観察された(図7A)。HemoCue(登録商標)システムを使用して定量する場合、溶解対照は8%の溶血を示したが、一方、SQZローディングしたRBC由来の小胞の両条件(10および12psi)は、およそ3%の溶血を示した。比較すると、SQZによって処理されなかったRBCは、単に0.2%の溶血を記録したに過ぎなかった(図7B)。まとめると、これらのデータは、Hbレベルは、未処置のインプットRBCに対して、SQZローディングしたRBC由来の小胞において減少したことを示す。
(実施例8)
この実施例は、部分的に、無核細胞由来の小胞のヘモグロビン含量に関するSQZに媒介されるローディングの効果を実証する。
材料および方法
無核細胞由来の小胞のヘモグロビン(Hb)含量に関するSQZに媒介される送達の影響を定量するために、RBC由来の小胞を様々な条件下でSQZ処理することによって生成し、インプットRBCの量と比較して残っているヘモグロビンの量をLC/MSによって定量した。具体的には、RBCをNODドナーマウスから得て、PBS中でFAMでタグ付けしたインスリンB9-23ペプチド(75μM)とインキュベートしたか(Endo対照)、またはSQZに媒介されるローディングにより処理して、インスリンB9-23ペプチドをローディングしたRBC由来の小胞を生成した(SQZ)。次いで、Endo対照またはSQZからの試料(5E7~1.5E8個の細胞または小胞/複製試料)を、液体クロマトグラフィー/質量分析による分析(LC/MS)の前に、標準的なペプチド変性、還元、アルキル化およびトリプシン処理(DRAT)手順に供した。誘導体化後、逆相LCを使用して試料をランし、2種の公知のヘモグロビンペプチド(Hbペプチド番号1-FLASVSTVLTSK;Hbペプチド番号2-VGAHAGEYGAEALER)のレベルを、各ピークに対する曲線下面積を計算することによって定量した。
結果
LC/MS分析により、SQZ処理されなかったRBC(Endo対照)が、SQZローディングしたRBC由来の小胞のほぼ10倍多いHb含量を有したことが示された(2種の技術的複製/試料;別々に示される)。Endo対照とSQZの間で観察されたこの傾向は、両方のHbペプチドで観察され、SQZ試料のHb含量の80%をより多くえる相対的低下を有した(図8A~8B)。まとめると、これらのデータは、RBCがSQZ処理されて、RBC由来の小胞となった場合、これらの未処理のRBCカウンターパートと比較して、かなりの量のHbが失われたことを示す。
(実施例9)
この例は、部分的に、無核細胞由来の小胞の誘導において、ゴースト形成に関するSQZに媒介されるローディングにおける狭窄サイズおよび圧力の効果を実証する。
材料および方法
無核細胞由来の小胞の誘導において、ゴースト形成に関するSQZに媒介されるローディングにおける狭窄幅および圧力の影響を定量するために、RBC由来の小胞を、様々な狭窄幅および圧力条件下でSQZ処理によって生成し、ゴースト形成の量をフローサイトメトリーによって定量した。具体的には、赤血球細胞(RBC;100Mの細胞/mL)をC57BL/6Jドナーマウスから得て、希釈したCPDA-1溶液中で蛍光的にタグ付けしたOva(10μg/mL)と共にインキュベートしたか(Endo)、または2種の異なる狭窄直径(2.2μmまたは2.5μm)と2種の異なる駆動圧力(30および50psi)の組合せを使用して、SQZによってOvaをローディングした。次いで、ゴースト形成の量をフローサイトメトリーによって決定した。非ゴーストおよびゴースト小胞のプロファイルは、以前に、図6Cに示した。
結果
SQZ処理の狭窄幅および/または圧力を変更することによって、RBC由来の小胞のSQZローディングから生じるゴースト形成の相対量をモジュレートすることができる。期待したように、SQZ処理されなかったRBC(Endo)は、非常に低いパーセンテージのゴースト形成を示した(約5%)。試験したすべてのSQZ条件は、Endoに対して有意に高いパーセンテージのゴースト形成をもたらした(P<0.005)(図9)。2.5μmの狭窄幅では、30psiの駆動圧力でのSQZ処理によって、約60%のゴースト形成がもたらされたが、50psiの駆動圧力でのSQZ処理の場合には、90%をより多くえてゴースト形成が増加した(P<0.05)(図8)。さらに、より狭い狭窄幅(2.2μm)を使用するSQZ処理におけるゴースト形成によって、30psiの同じ駆動圧力が加えられた場合に、より広い狭窄幅(2.5μm、約60%のゴースト形成)と比較して、より高いパーセンテージのゴースト形成(90%をより多くえるゴースト形成)ももたらされた(P<0.05)(図9)。まとめると、これらのデータは、駆動圧力または狭窄幅を変更することによって、無核細胞由来の小胞へのSQZローディングに起因するゴースト形成のパーセンテージが積極的に調整され得ることを示す。
(実施例10)
この実施例は、部分的に、無核細胞由来の小胞の循環半減期に関するSQZに媒介されるローディングの効果を実証する。
材料および方法
SQZによって処理された無核細胞の循環動態を決定するために、マウスRBCを最初にPKH-26で標識し、次いで、SQZ処理に供して、RBC由来の小胞を生成した。次いで、RBC由来の小胞をマウスに注射し(2匹のマウスのそれぞれに対して10億個の小胞)、蛍光的に(PHK-26)標識した、SQZ処理したRBC由来の小胞を、投与後24時間の経過にわたって、マウス血液において追跡した。具体的には、投与の0分、15分、30分、1時間、4時間、および24時間後の蛍光光度によって小胞を測定した。
別の設定のマウスに、SQZ処理に供されなかった、蛍光標識したRBCを注射した(3匹のマウスのそれぞれに対して10億個の細胞)。蛍光的に(PHK-26)標識した、未処理のRBCを、投与後24時間の経過にわたって、マウス血液において追跡した。具体的には、投与の0分、15分、30分、1時間、4時間、および24時間後の蛍光光度によって未処理のRBCを測定した。
マウスの血流における蛍光的に(PKH-26)標識したRBC由来の小胞と未処理のRBCカウンターパートの持続性をフローサイトメトリーによってアッセイしたように蛍光光度によって決定した。
結果
図10に示したように、SQZによって処理したRBC由来の小胞は、血液から迅速に取り除かれた。具体的には、RBC由来の小胞のほとんどは、60分以内に血液から取り除かれ、約10分の循環半減期を有した。比較すると、未処理のRBCは、実験の期間(72時間)血流中で持続した。まとめると、これらのデータは、RBC由来の小胞が、SQZ処理されなかったRBCより有意に早く取り除かれることを示した。
(実施例11)
SQZ処理した無核細胞由来の小胞がCD8+T細胞応答を誘発する機序を評価するために、in vivoで無核細胞由来の小胞の取込みに関与する細胞型および臓器を検査した。この実施例は、部分的に、静脈内注射の後のSQZ処理した無核細胞由来の小胞の即時の取込みに関与する細胞型および臓器を実証する。
材料および方法
C57BL/6JマウスをJackson Laboratoryから得て、そこから、20匹の雌をワクチン接種のためのレシピエントマウスとして使用し、10匹の雌をドナーマウスとして使用した。ドナーマウスから抽出したRBCをPKH-26で蛍光標識し、次に、抗原(E7 SLP)およびアジュバント(ポリI:C)の存在下でSQZ処理して、E7をローディングしたRBC由来の小胞を生成した。レシピエントマウスの第1の群にE7およびポリI:Cを含有する蛍光標識したRBC由来の小胞を注射した。レシピエントマウスの対照群にPBSを注射した(対照)。
注射の1時間後に、注射したマウスの肝臓、肺、脾臓、および骨髄を回収し、標識したSQZ処理したRBC由来の小胞の存在について検査した。回収した肝臓および脾臓から、細胞を抽出し、マクロファージ(Mφ;CD45+、F4/80+、CD11b-/low)、樹状細胞(DC;CD45+、F4/80-、CD11chi、MHC-IIhi)およびB細胞(CD45+、F4/80-、CD19+、FSClo、SSClo)を、フローサイトメトリーによりこれらの蛍光標識によってアッセイしたように、RBC由来の小胞の取込みについて分析した。
結果
図11Aに示したように、SQZ処理したRBC小胞は、主に肝臓および脾臓に取り込まれ、骨髄および肺ではそれより少なかった。図11Bに示したように、肝臓および脾臓では、SQZ処理したRBCの小胞は、主に、マクロファージ(Mφ)および樹状細胞によって貪食された。PBSを注射したマウス由来の脾臓または肝臓由来の細胞において観察されたバックグラウンドシグナルは、検出閾値を下回っていた。
(実施例12)
この実施例は、部分的に、ローディングされた抗原および/またはアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、in vivoで抗原特異的免疫応答を誘導し得ることを実証する。
材料および方法
0日目に、10匹の雌のOT-Iマウスと10匹の雌のOT-IIマウスを屠殺した。脾臓およびリンパ節(鼠径部、腋窩、上腕、首、および腸間膜の)を回収し、それらから単一細胞懸濁液を生成した。抗原特異的CD8+T細胞を免疫磁気によりOT-Iマウス細胞から分離した。抗原特異的CD4+T細胞を免疫磁気によりOT-IIマウス細胞から分離した。OVA特異的CD4+およびCD8+T細胞を、CD45.1マウスへの注射の前に、CFSEで染色し、ここで、2.5MのCD4+T細胞またはCD8+T細胞のいずれかを、それぞれマウスごとに投与した。
1日目に、3匹の安楽死させたB6マウス由来のマウス血液からRBCを単離し、マウスRBCを、OVA(200μM)およびポリI:C(1mg/ml)の存在下でSQZ処理して、抗原およびアジュバントを含有するRBC由来の小胞を生成した。次に、事前にCFSE標識したOT-I CD8+T細胞またはOT-II CD4+T細胞を投与したCD45.1マウスに、PBS(対照)または250MのローディングしたRBC由来の小胞を注射した。
4日目に、CFSE標識したOVA特異的CD4+およびCD8+T細胞を投与し、次に(i)PBS;または(ii)OVAおよびポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞のいずれかを注射したマウスを屠殺し、それらの脾臓を回収した。回収した脾臓を、フィルターに通して手動で分離させ、フローサイトメトリーによってCSFE希釈によりCD4+およびCD8+T細胞の増殖を測定した。
結果
図12Aおよび12Bに示したように、OVAおよびポリI:CをSQZローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスは、対照と比較した有意なCFSE希釈によって示されるように、それぞれ強力なOT-I CD4+T細胞とOT-II CD8+T細胞の増殖を示した。これらの結果は、ローディングした抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞は、in vivoで抗原特異的免疫応答を誘導することができることを示す。
(実施例13)
この実施例は、部分的に、ローディングした抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、内因性抗原特異的T細胞応答を誘導し得ることを実証する。
材料および方法
0日目に、RBCは、3匹の安楽死させたB6マウス由来のマウス血液から単離し、マウスRBCを、(i)OVA(200μM);または(ii)ポリI:C(1mg/ml);または(iii)OVAおよびポリI:Cの存在下で分配およびSQZ処理して、抗原および/またはアジュバントを含有する各RBC由来の小胞を生成した。次に、CD45.1マウスに、PBS(対照)または抗原および/もしくはアジュバントをローディングした250Mの各RBC由来の小胞を注射した。
7日目に、PBSまたは各RBC由来の小胞のいずれかを投与したマウスを屠殺し、それらの脾細胞を回収した。脾細胞をSIINFEKLで再刺激し、CD44に関する染色およびIFN-ガンマに関する細胞内サイトカイン染色に供し、任意の内因性T細胞活性化を検出した。
結果
図13に示したように、抗原(OVA)のみまたはアジュバント(ポリI:C)のみのいずれかをローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスは、CD8+T細胞の活性化を示さなかったが、一方、OVAとポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスは、SIINFEKLで再刺激した際の全内因性CD8+T細胞集団の中でのCD44hiおよびIFNγ+細胞のパーセンテージの有意な増加によって示されるように、強力なOVA特異的T細胞増殖を示した。これらの結果は、抗原とアジュバントの両方をローディングした無核細胞由来の小胞が、内因性抗原特異的T細胞応答を誘導し得ることを示す。
(実施例14)
この実施例は、部分的に、ローディングした抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞が、内因性抗原特異的T細胞応答を誘導し得ることを実証する。
材料および方法
0日目に、13匹の安楽死させたB6ドナーマウスのマウス血液から、フィコール勾配手順を使用してRBCを単離し、10億個/mLの細胞濃度を有するRBC懸濁液を調製した。RBC懸濁液を4つの群に分配し、これを(i)アジュバント(ポリI:C)のみ、(ii)抗原(E7 SLP)のみ、または(iii)抗原およびアジュバント(E7 SLP+ポリI:C)の存在下で、2.2μmの直径の狭窄により50psiでSQZ処理し;各ペイロードを含有するRBC由来の小胞を生成した。
次に、CD45.1マウスの後眼窩(RO)に、PBS(対照)、または抗原および/またはアジュバントをローディングした2億5千万個の各RBC由来の小胞を注射した。
7日目に、マウスを屠殺し、それらの脾細胞を回収した。脾細胞をE7ペプチドで再刺激し、CD44に関する染色およびIFN-ガンマに関する細胞内サイトカイン染色に供して、任意の内因性T細胞活性化を検出した。
結果
図14に示したように、抗原(E7)のみまたはアジュバント(ポリI:C)のみのいずれかをローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスは、CD8+T細胞の活性化を示さなかったが、一方、E7およびポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスは、E7ペプチドで再刺激した際の全CD8+T細胞集団の中でのCD44hiおよびIFNγ+細胞のパーセンテージの有意な増加によって示されるように、強力なE7特異的T細胞増殖を示した。これらの結果は、抗原とアジュバントの両方をローディングした無核細胞由来の小胞が、内因性抗原特異的T細胞応答を誘導し得ることを示す。
(実施例15)
この実施例は、部分的に、in vivoでの抗原特異的免疫応答に関する、抗原をローディングした無核細胞由来の小胞の様々なプライミングおよびブースティングレジメンを使用する効果を実証する。
13匹の安楽死させたB6ドナーマウスのマウス血液から、フィコール勾配手順を使用してRBCを単離し、得られたRBC懸濁液を、抗原およびアジュバント(100μMのE7 SLP+1mg/mLのポリI:C)の存在下でSQZ処理して、抗原およびアジュバントを含有するRBC由来の小胞を生成した。
0日目に、CD45.1マウスの後眼窩(RO)に、PBS(対照)または抗原およびアジュバントをローディングしたRBC由来の小胞(プライム)をマウス1匹当たり2億5千万個の小胞で、注射した。ローディングしたRBC由来の小胞のプライミング投与を受けたマウスのサブセットは、(i)2日目にブースティング用量のローディングしたRBC由来の小胞(2日目のブースト);または(ii)2日目と7日目に2回のブースティング用量のローディングしたRBC由来の小胞(7日目のブースト)をさらに受けた。
最終免疫化(プライムおよびPBS対照では7日目;2日目のブーストでは9日目、7日目のブーストでは14日目)の7日後に、各マウスを屠殺し、それらの脾細胞を回収した。脾細胞を、CD44およびE7特異的テトラマー染色に供し、フローサイトメトリーによって測定して、内因性E7特異的T細胞の活性化を検出した。
結果
図15に示したように、E7およびポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスは、全CD8+T細胞集団の中でのCD44hiおよびテトラマー+細胞のパーセンテージのかなりの増加によって示されるように、CD8+T細胞の活性化を示した。さらに、内因性T細胞活性化の誘導は、マウスがE7およびポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞のさらなるブースティング用量を受けるにつれて、ますます強力になることが観察された(図15)。これらの結果は、抗原とアジュバントの両方をローディングした無核細胞由来の小胞が、内因性抗原特異的T細胞応答を誘導することができ、この誘導が、プライムおよびブースト投与レジメンを使用することによって増強され得ることを示す。
(実施例16)
この実施例は、部分的に、ローディングした腫瘍抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を腫瘍に対する予防免疫化として使用することができることを実証する。
材料および方法
雌のC57BL/6JマウスをJackson Laboratoryから得て、ワクチン接種に対するレシピエントマウスとして、またドナーマウスとしても使用した。0日目に、RBCをドナーマウスから抽出し、100μMのE7 SLPおよび1mg/mLのポリI:Cの存在下でSQZ処理して、腫瘍抗原およびアジュバントを含有するRBC由来の小胞を生成した。次いで、レシピエントマウスに、(i)PBS、または(ii)腫瘍抗原およびアジュバントを含有する2億5千万個のRBC由来の小胞を投与した。
免疫化の7日後(7日目)に、HPV E7を発現するTC-1腫瘍細胞をマウスの右側の背側脇腹の皮下に埋め込んだ。次いで、TC-1腫瘍成長を週に2回測定し、未処置マウスにおける腫瘍成長と41日間比較した。腫瘍サイズを、式((長さ×幅2)/2)によって測定した。マウスの体重および生存率を60日にわたって記録した。
結果
図16Aに示したように、腫瘍成長は、腫瘍が不変であった対照マウスと比較して、E7+ポリI:Cをローディングした小胞で処置したマウスにおいて、完全に阻害された。図16Bに示したように、PBSで処置したマウスは41日目の後には生存していなかったが(0/10)(生存期間中央値=34日)、一方、E7+ポリI:Cをローディングした小胞で予防的に免疫化したすべてのマウスは(10/10)、少なくとも60日間腫瘍を有さないままであった。これらのデータは、腫瘍抗原およびアジュバントをローディングした無核細胞由来の小胞が、腫瘍成長を効果的に妨げ、HPVに関連するがんの予防モデルにおける生存率を改善することができることを示す。
(実施例17)
この実施例は、部分的に、ローディングした腫瘍抗原およびアジュバントを含む無核細胞由来の小胞を腫瘍に対する治療免疫化として使用することができることを実証する。
材料および方法
雌のC57BL/6JマウスをJackson Laboratoryから得て、ワクチン接種に対するレシピエントマウスとして、またドナーマウスとしても使用した。
0日目に、HPV E7を発現するTC-1腫瘍細胞を、レシピエントマウスの皮下に埋め込んだ。10日目に、RBCをドナーマウスから抽出し、100μMのE7 SLPおよび1mg/mLのLMW ポリI:Cの存在下で、2.2μmの直径の狭窄により50psiでSQZ処理して、腫瘍抗原およびアジュバントを含むRBC由来の小胞を生成した。次に、レシピエントマウスに、(i)未処置のままにした/PBSを投与した(対照);または(ii)10億、2億5千万、または1億個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞の用量を投与した。
TC-1の腫瘍成長を、腫瘍埋め込みの1週間後に開始して、週に2回測定し、未処置のマウスにおける腫瘍成長と41日間比較した。腫瘍サイズを、式((長さ×幅2)/2)によって測定した。マウスの体重および生存率を50日にわたって記録した。
材料および方法
図17Aに示したように、腫瘍成長は、腫瘍が不変であった対照マウスと比較して、10億または2億5千万個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスにおいて有意に阻害され、注目すべきことに、1億個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスにおいても同様であった。図17Bに示したように、対照マウスは41日目の後には生存していなかったが(生存期間中央値=32.5日)、一方、10億または2億5千万個のE7+ポリI:Cをローディングした小胞で治療的に免疫化したマウスの半分より多くは、少なくとも41日間生存可能であり、治療有効性は、投与した小胞の用量と相関した(1億個の小胞の投与に関しては生存期間中央値=39.5日;2億5千万個の小胞の投与に関しては46日;10億個の小胞の投与に関しては、46日において生存期間中央値に達しなかった)。これらのデータは、腫瘍抗原およびアジュバントをローディングした無核細胞由来の小胞が、HPVに関連するがんの治療モデルにおいて、腫瘍退縮を誘導し、生存率を増強することができることを示す。
(実施例18)
この実施例は、部分的に、腫瘍に対する治療免疫化としての有効性に関する、抗原をローディングした無核細胞由来の小胞の様々なプライミングおよびブースティングレジメンを使用する効果を実証する。
材料および方法
雌のC57BL/6JマウスをJackson Laboratoryから得て、ワクチン接種に対するレシピエントマウスとして、またドナーマウスとしても使用した。
0日目に、HPV E7を発現するTC-1腫瘍細胞を、レシピエントマウスの皮下に埋め込んだ。
RBCをドナーマウスから抽出し、100μMのE7 SLPおよび1mg/mLのLMW ポリI:Cの存在下で、2.2μmの直径の狭窄により50psiでSQZ処理して、腫瘍抗原およびアジュバントを含有するRBC由来の小胞を生成した。次に、レシピエントマウスに、(i)未処置のままにした/PBSを投与した(対照);または(ii)10日目に1億個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞の用量を投与した(プライム);または(iii)10日目および12日目に、それぞれ、1億個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞の用量を投与した(プライム/ブースト);または(iv)10日目、12日目および14日目に、それぞれ、1億個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞の用量を投与した(プライム/ブースト/ブースト)。
TC-1の腫瘍成長を、腫瘍埋め込みの1週間後に開始して、週に2回測定し、未処置のマウスにおける腫瘍成長と41日間比較した。腫瘍サイズを、式((長さ×幅2)/2)によって測定した。マウスの体重および生存率を50日にわたって記録した。
結果
図18Aに示したように、注目すべきことに、腫瘍成長は、対照マウスと比較して、1億個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞の1回用量で処置したマウスにおいて阻害されたが(プライム);マウスが、E7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞の追加のブースティング用量で処置された場合には(プライム/ブースト、プライム/ブースト/ブースト)、腫瘍退縮がより有意であった。図18Bに示したように、すべての対照マウスは41日に死亡していたが(生存期間中央値=32.5日)、一方、1億個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞の1処置用量を有するマウス(プライム)の約30%は、41日目に生存していた(生存期間中央値=39.5日)。さらなるブースティング用量によって41日目の生存率が有意に増加し、ローディングした小胞の2回用量を受けたマウス(プライム/ブースト)に関しては50%をより多くえる生存率およびローディングした小胞の3回用量を受けたマウス(プライム/ブースト/ブースト)に関しては100%の生存率であった(両方とも生存期間中央値=52日)。これらのデータは、腫瘍抗原およびアジュバントをローディングした無核細胞由来の小胞が、HPVに関連するがんの治療モデルにおいて、腫瘍退縮を誘導し、生存率を増強することができ、腫瘍退縮および生存率が、さらなるブースティングレジメンにより改善され得ることを示す。
(実施例19)
この実施例は、部分的に、SQZローディングされた無核細胞由来の小胞による免疫化後に、TC-1腫瘍の腫瘍微小環境におけるE7特異的CD8+T細胞の定量およびE7特異的CD8+T細胞の腫瘍成長モデルにおける腫瘍クリアランスとの相関を実証する。
材料および方法
雌のC57BL/6JマウスをJackson Laboratoryから得て、ワクチン接種に対するレシピエントマウスとして、またドナーマウスとしても使用した。
0日目に、レシピエントマウスの皮下にHPV E7を発現するTC-1腫瘍細胞を埋め込んだ(100μLのPBS中50k個/マウス)。
14日目に、RBCをドナーマウスから抽出し、(i)1mg/mLのポリI:Cのみ;または(ii)100μMのE7 SLPおよび1mg/mLのポリI:Cの存在下で、2.2μmの直径の狭窄により50psiでSQZ処理して、腫瘍抗原および/またはアジュバントを含有するRBC由来の小胞を生成した。次に、レシピエントマウスに、(i)PBSを投与した(対照);または(ii)2億5千万個のポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞を投与した;または(iii)2億5千万個のE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞を投与した。
21日目および26日目(免疫化の7日後および12日後)に、腫瘍を切除し、秤量し、そこから、各単一細胞懸濁液を生成した。単一細胞懸濁液を、フローサイトメトリーによって、全CD8+T細胞、調節性T細胞(CD45+、B220-、CD11b-、CD4+、FoxP3+)、および抗原特異的腫瘍浸潤リンパ球(TIL)について評価した。
結果
図19Aに示したように、E7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞で免疫化したマウスは、ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスおよび対照マウスと比較して、免疫化の7日後と12日後(すなわち、腫瘍の埋め込みの21日後および26日後)の両方で、腫瘍におけるCD8+T細胞のパーセンテージにおいて有意な増加を有した。E7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞を受けたマウスでは、これらのCD8+T細胞の大多数は、テトラマー染色によって決定したように、E7抗原に対して特異的であった(CD8+集団の70%より多く)(図19B)。各小胞による調節性T細胞活性化の相対量を調査するために、腫瘍におけるE7特異的テトラマー染色に対して陽性の細胞のパーセンテージも、腫瘍における調節性T細胞の量に対して正規化し(図19C)、この結果は、E7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞による免疫化が、ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞またはPBSの投与と比較して、免疫化後の腫瘍微小環境における調節性T細胞と比較したE7特異的CD8+T細胞(TIL)の存在のより有意な増加を実証する。図19Dに示したように、E7特異的CD8+T細胞(TIL)の量は、腫瘍重量と逆相関することも観察され、腫瘍退縮がE7特異的CD8+T細胞の流入と相関することを実証した。これらのデータは、TC-1マウス腫瘍モデルにおけるE7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞による免疫化によって、腫瘍に浸潤するE7特異的CD8+T細胞の有意な増加がもたらされたことを実証する。腫瘍体積の相関する減少(図19D)と連動したE7特異的CD8+T細胞の増加は(図19A~19C)、E7+ポリI:CをローディングしたRBC由来の小胞が、E7特異的CD8+エフェクターT細胞を拡大することによって、腫瘍負荷を低減したことを支持した。
(実施例20)
この実施例は、部分的に、ヒト無核細胞由来の小胞におけるペイロードの送達、ゴースト形成および表面のホスファチジルセリンレベルにおけるSQZに媒介される処理の効果を実証する。
材料および方法
ヒト赤血球細胞(RBC)を健康なドナーから得て、得られたRBC懸濁液(20億個/mL)を、未処置のままにしたか(SQZなしの細胞)、または蛍光的にタグ付けしたE7 SLP(抗原)およびポリI:C(アジュバント)の存在下でSQZ処理して(60psi、2.2μmの直径の狭窄)、抗原およびアジュバントをローディングしたヒトRBC由来の小胞を生成した(H-SQZ-小胞)。
SQZに媒介される送達の有効性を定量するために、SQZなしの細胞およびH-SQZ-小胞を、フローサイトメトリーによって蛍光的にタグ付けしたE7 SLPの存在について測定した。
ゴースト形成を定量するために、SQZなしの細胞およびH-SQZ-小胞をフローサイトメトリーに供し、実施例6および図6Cに記載した手順を使用して、前方散乱および側方散乱について分析した。
表面のホスファチジルセリンレベルに関するSQZに媒介される処理の影響を定量するために、SQZなしの細胞およびH-SQZ-小胞を、実施例5に記載した手順を使用して、アネキシンVで染色し、表面のホスファチジルセリンのレベルを、フローサイトメトリーによって測定した。
結果
図20Aに示したように、ヒトRBCのSQZ処理によって、その大多数がゴーストプロファイルを示すRBC由来の小胞(H-SQZ-小胞)が得られた。対照的に、非常に低い比率の未処置のヒトRBC(SQZなしの細胞)しか、ゴーストプロファイルを示さなかった。さらに、図20Bに示したように、ペイロードの存在下でのヒトRBCのSQZ処理は、得られたRBC由来の小胞(H-SQZ-小胞)の高いパーセンテージに対して有効な送達を示した。図20Cに示したように、ヒトRBCのSQZ処理は、その大多数が表面ホスファチジルセリン(アネキシンV+)を示すRBC由来の小胞(H-SQZ-小胞)をもたらした。対照的に、非常に低い比率の未処置のヒトRBC(SQZなしの細胞)しか、表面ホスファチジルセリンを示さなかった。
(実施例21)
SQZ処理したヒト無核細胞由来の小胞が、抗原提示およびCD8+T細胞応答の活性化をもたらす機序について評価した。抗原提示細胞による無核細胞由来の小胞の取込みの動態を理解することが重要である。この実施例は、部分的に、in vitroで、SQZ処理したヒト無核細胞由来の小胞を内在化させる際の、ヒト単球由来の樹状細胞(MoDC)の効率を実証する。
材料および方法
ヒト赤血球細胞(RBC)を健康なドナーから得て、得られたRBC懸濁液(20億個/mL)をPKH-26で蛍光標識し、未処置のままにしたか、またはE7 SLPの存在下でSQZ処理して(60psi、2.2μmの直径の狭窄)、抗原をローディングしたヒトRBC由来の小胞(H-SQZ-小胞)を生成した。SQZ処理したヒト無核細胞由来の小胞を内在化させる際のMoDCの有効性を定量するために、MoDCを96ウェルプレートに播種し、37℃または0℃(氷上)で終夜、小胞濃度のスペクトルのH-SQZ-小胞と共にインキュベートした。次に、MoDCを単離し、フローサイトメトリーによって、蛍光光度の増加について分析した。
結果
図21に示したように、H-SQZ小胞と共にインキュベートした場合、MoDCは、0℃よりも37℃で、H-SQZ-小胞の内在化において有意により効率的であった。さらに、H-SQZ-小胞の内在化は、播種したMoDCの1ウェル当たり最大少なくとも1億個の小胞のH-SQZ小胞の濃度に依存することが観察された。
(実施例22)
この実施例は、部分的に、ローディングした抗原およびアジュバントを含むヒト無核細胞由来の小胞が、in vitroで、抗原特異的免疫応答を誘導することができることを実証する。
材料および方法
ヒト赤血球細胞(RBC)を健康なドナーから得て、得られたRBC懸濁液(20億個/mL)をCMV抗原(pp65)の存在下でSQZ処理して、CMV抗原pp65をローディングしたヒトRBC由来の小胞(H-SQZ-CMV-小胞)を生成した。pp65特異的CD8+レスポンダーT細胞を、外因性アジュバント(10μg/mLのポリI:C)、および(i)培地(陰性対照)、(ii)pp65ペプチド(陽性対照)、または(iii)H-SQZ-CMV-小胞のいずれかと共培養し;37℃で24時間インキュベートした。24時間後に、各条件から上清を回収し、IFN-γ産生のレベルをIFN-γ ELISAによって評価した。
結果
図22に示したように、CMV抗原特異的CD8+レスポンダーT細胞によるIFN-γの産生および分泌は、培地と共にインキュベートした(陰性対照)レスポンダーT細胞での最小限のIFN-γ分泌と比較して、H-SQZ-CMV-小胞またはCMV抗原ペプチド(陽性対照)と共培養した場合に有意に増加した。これらの結果は、ローディングした抗原およびアジュバントを含むヒト無核細胞由来の小胞が、in vitroで、抗原特異的免疫応答を誘導することができることを示す。
(実施例23)
この実施例は、部分的に、マウス無核細胞由来の小胞におけるペイロードの送達、ゴースト形成および表面のホスファチジルセリンレベルにおけるSQZに媒介される処理の効果を実証する。
材料および方法
RBCを、安楽死させたB6ドナーマウスのマウス血液から、フィコール勾配手順を使用して単離し、10億個/mLの細胞濃度を有するRBC懸濁液を調製した。得たRBC懸濁液を、(i)蛍光標識したOVAまたは蛍光標識したIgGと共にインキュベートし(未処理のRBC;SQZなし)、または(ii)蛍光標識したOVAまたは蛍光標識したIgGの存在下でSQZ処理して、各ペイロードをローディングしたヒトRBC由来の小胞を生成した(SQZ)。
SQZに媒介される送達の有効性を定量するために、未処理のRBC(SQZなし)およびSQZ処理したRBC小胞(SQZ)を、フローサイトメトリーによって、蛍光的にタグ付けしたペイロードの存在について測定した。
ゴースト形成を定量するために、未処理のRBC(SQZなし)およびSQZ処理したRBC小胞(SQZ)を、実施例6および図6Cに記載した手順を使用して、フローサイトメトリーに供し、前方散乱および側方散乱について分析した。
表面のホスファチジルセリンレベルに関するSQZに媒介される処理の影響を定量するために、未処理のRBC(SQZなし)およびSQZ処理したRBC小胞(SQZ)を、実施例5に記載した手順を使用して、アネキシンVで染色し、表面のホスファチジルセリンのレベルをフローサイトメトリーによって測定した。
結果
図23Aに示したように、ペイロードの存在下でのマウスRBCのSQZ処理は、OVAまたはIgGのいずれかの、得られたRBC由来の小胞(SQZ)の高パーセンテージ(約80%)への有効な送達を示した。図23Bに示したように、マウスRBCのSQZ処理は、その大多数がゴーストプロファイルを示すRBC由来の小胞をもたらした。対照的に、非常に低い比率の未処置のRBC(SQZなし)しか、ゴーストプロファイルを示さなかった。さらに、図23Cに示したように、未処理のRBC(SQZなし)またはRBC由来の小胞(SQZ)由来のゴーストおよび非ゴースト集団を、表面のホスファチジルセリンレベルについて分析した。未処理のRBCのおよそ25%のゴースト集団しか表面のホスファチジルセリンを示さなかったが、RBC由来の小胞内のゴースト集団のほとんどすべては、表面のホスファチジルセリンを示した。一方、未処理のRBCにおける非ゴースト集団はいずれも、表面のホスファチジルセリンを事実上示さなかったが、一方、RBC由来の小胞における非ゴースト集団の約15%が表面のホスファチジルセリンを示した。
(実施例24)
この実施例は、部分的に、ウイルスキャプシドに対するin vivoでの抗原依存性寛容を誘導する、SQZによって送達された抗原を含有する無核細胞由来の小胞の能力を実証する。
材料および方法
ウイルスキャプシドに対するin vivoでの抗原依存性寛容を誘導する、SQZによって送達された抗原を含有する無核細胞由来の小胞の能力を決定するために、ウイルスおよびAAV2の最小エピトープをSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置した動物由来の脾細胞の応答をIFN-γ ICSによって測定した。具体的には、0日目に、C57BL/6Jレシピエントマウスに、AAV2 GFPウイルス(GFPを発現するAAV2ウイルス;マウス1匹当たり100μLのPBSにおいて、1mL当たり1E12個のウイルス粒子;1群当たり20匹のマウス)またはPBS単独(1群あたり5匹のマウス)を注射した(すべて、後眼窩(RO)に投与した)。7日目と11日目に、マウスに、AAV2キャプシドに関する免疫原性ペプチド(SNYNKSVNV、200μg/mL)と共にインキュベートしたRBC(ペプチド)またはSNYNKSVNVをSQZローディングしたRBC由来の小胞(SQZ)のいずれかを注射した(100M/マウス)。15日目に、マウスのROに、AAV2 NanoLucウイルス(可溶性ルシフェラーゼを発現するAAV2ウイルス;マウス1匹当たり100μLのPBSにおいて、1mL当たり1E12個のウイルス粒子;1群当たり20匹のマウス)またはPBS単独(5匹のマウス)を、それぞれ注射した。2回目に投与したウイルスを、最初のウイルス投与からのGFP導入遺伝子に対するいずれの免疫応答も回避するために、異なる導入遺伝子で標識した。22、29、36、43日目に、100~200μLの血液を頬出血により採取し、血清中のルシフェラーゼレベルを分光光度法によって測定した。さらに、43日目に、マウスを屠殺し、それらの脾臓を回収し、単離し、抗原ペプチドで再刺激し;サイトカインIFN-γのレベルを細胞内サイトカイン染色(ICS)およびフローサイトメトリーによって測定した(図24A)。
結果
AAV2-NLによる刺激の際にナイーブ動物において観察されたIFN-γ応答は存在しなかったが、IFN-γレベルの有意な増加が、SNYNKSVNVと共にインキュベートしたRBCで処置したマウス(ペプチド)において観察され(P<0.005、ナイーブと比較して)、一方、SNYNKSVNVをSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウス(SQZ)は、ナイーブ動物のものと同様に、AAV2ペプチドに対する最小限の免疫応答しか示さず(図24B)、SQZローディングしたRBC由来の小胞がローディングした抗原に対して特異的なサイトカイン応答を低下させ得ることを示した。さらに、血清中ルシフェラーゼの測定値は、インキュベートしたRBCで処置したマウス(ペプチド)が、試験した時間経過にわたって測定可能なレベルのルシフェラーゼを示さなかったことを示し、これらの動物においてAAV2に対する寛容が誘導されず、AAV2-NLの繰り返し投与によって導入遺伝子の発現がもたらされなかったことを示唆した。比較すると、SQZローディングしたRBC小胞で処置したマウスは、血清中ルシフェラーゼレベルの100~200%の増加を示し(#P<0.005 ペプチドと比較して)、AAV2に対する寛容が、繰り返し投与の際のAAV-NLの発現の成功を可能にしたことを示した(図24C)。まとめると、これらのデータは、ウイルスキャプシド抗原をローディングした無核細胞由来の小胞が、ウイルス抗原特異的免疫寛容を誘導することができ、治療剤としてのAAVベクターの繰り返し投与を可能にするという観察を支持する。
(実施例25)
この実施例は、部分的に、SQZによって送達された抗原を含有する無核細胞由来の小胞の、in vivoで、抗体に対する抗原依存性寛容を誘導する能力を実証する。
材料および方法
SQZによって送達された抗原を含有する無核細胞由来の小胞の、in vivoで、抗体に対する抗原依存性寛容を誘導する能力を決定するために、ラット抗体(IgG2b)を、IgG2bをSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスに繰り返し投与し、循環抗体のレベルを経時的に定量した。具体的には、-6日目および-2日目に、C57BL/6Jレシピエントマウスに、(i)PBS(対照;5匹のマウス/群)、(ii)遊離ラットIgG2b(200μg/mL;5匹のマウス/群)、または(iii)SQZによってラットIgG2bをローディングしたRBC由来の小胞(100M/マウス;10匹のマウス/群)を注射した。ラットIgG2bの次のIV注射は、図25Aに例示したスケジュールに従って、0日目~14日目および63日目~70日目に繰り返し行い、血清中の循環ラットIgG2bのレベルを、ELISAによって、20日目および76日目に評価した。
結果
図25Bおよび25Cに示したように、SQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスのみが、循環中の検出可能レベルのラットIgGの統計的に有意な増加から観察されたように、ラットIgGに対する免疫反応の低下を示した。この増加した循環ラットIgGは、より早い時点でも観察され(20日;#P<0.005)(図25B)、70日にわたるより長い処置レジメン後であっても維持された(76日;*P<0.05)(図25C)。まとめると、このデータは、SQZローディングした無核細胞由来の小胞を使用して、in vivoで、抗原依存性寛容を誘導し、延長された期間、抗薬物抗体反応を克服し、潜在的に免疫原性の生物製剤の繰り返し投与を可能にすることができることを示す。
(実施例26)
この実施例は、部分的に、SQZによって送達された抗原を含有する無核細胞由来の小胞の、in vivoで、1型糖尿病(T1D)に関連する抗原に対する抗原依存性寛容を誘導する能力を実証する。
材料および方法
SQZローディングされた抗原を含有する無核細胞由来の小胞の、in vivoで、糖尿病関連抗原に対する抗原依存性寛容を誘導する能力を決定するために、T1Dの2種の異なる動物モデルを用いた:インスリンB9-23(Ins B9-23)モデルおよびBDC2.5移入モデル。
Ins B9-23モデルでは、Ins B9-23に対する寛容化の大きさを、Ins B9-23ペプチドをSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスの脾細胞におけるIns B9-23ペプチドによる再刺激後のサイトカイン産生によって決定した。具体的には、0日目に、NODマウスを、(i)ビヒクル(対照)、(ii)対照ペプチドをローディングしたRBC由来の小胞(200μL中動物1匹当たり1B個の細胞)(SQZ HEL;80μM)または(iii)蛍光的にタグ付けしたIns B9-23をSQZローディングしたRBC由来の小胞(SQZ FAM;75μM)のいずれかで処置した。7日目に、マウスに、Ins B9-23およびフロイント完全アジュバントの1:1エマルション(1mg/mL-100μL)をチャレンジした。14日目に、鼠径部リンパ節を回収し、Ins B9-23を再度チャレンジし、IFN-γおよびIL-2について細胞内サイトカイン染色(ICS)を行い、フローサイトメトリーによって測定した(図26A)。
BDC2.5移入モデルでは、寛容化の大きさを、ペプチドミメオトープ(mimeotope)1040-p31をSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置した動物におけるT1D発症の遅延によって測定した。具体的には、T1Dの急速な発症を誘導するために、リンパ節を雌のBDC2.5ドナーマウスから最初に回収し(3Mの細胞/mL)、アセチル化p31ペプチド(D10v2中500nM)と共に3日間培養することによって活性化した。次いで、-1日目に、BDC2.5 T細胞を培養したリンパ節から回収し、NOD/SCIDレシピエントマウスに養子移入した(1E6個の細胞/マウス;5匹のマウス/群)。0日目に、赤血球細胞をNOD/SCIDドナーマウスから回収し、1040-p31ミメオトープペプチドをSQZローディングし、ローディングしたRBC由来の小胞(SQZ;1B個の細胞/マウス)またはビヒクル(対照;200μLのPBS)をレシピエントNOD/SCIDに注射した。マウスから毎日採血し、血中グルコースの循環量を定量した(図26C)。記録された血中グルコースが、2回連続して250mg/dLをより多くえる測定値であることによって、糖尿病の発症を定義した。45日間の期間、または疾患が発症するまでのいずれか早い方の間、動物をモニターした。
結果
Ins B9-23モデルでは、この結果は、SQZ HELマウス(#P<0.005)またはナイーブマウス(対照)(#P<0.005)のいずれかと比較して、Ins B9-23をSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウス(SQZ FAM)に由来する再刺激した脾細胞における炎症性サイトカインIFN-γおよびIL-2のレベルの統計的に有意な減少を示した(図26)。この結果は、T1Dに関連する抗原をSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスにおける抗原特異的サイトカイン応答の有意な低下を示した。
BDC2.5移入モデルでは、疾患の発症は、対照で処置した動物に対して、1040-p31をSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスにおいて、平均で約35日遅延した(図26D、図26E)。この遅延した発症は、1040-p31をSQZローディングしたRBC由来の小胞で処置したマウスにおける、1040-p31に対する寛容の増加を示した。
まとめると、これらのデータは、自己免疫関連自己抗原のRBC由来の小胞へのSQZに媒介される送達を使用して、免疫応答および自己免疫疾患の発症を妨げることができるという知見を支持する。