JP2023535982A - 無核細胞を使用して変異型Rasに対する免疫応答を刺激する方法 - Google Patents
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Abstract
本出願は、変異型Ras抗原(例えば、変異型K-Ras抗原)を含む無核細胞、変異型Ras抗原を含むかかる無核細胞を製造する方法、並びにRas変異に関連するがんを有する個体の免疫応答を刺激する、治療する、及び/又はワクチン接種するために、かかる修飾無核細胞を使用する方法を提供する。いくつかの態様では、本発明は、個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法を提供する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月29日に出願された米国仮出願第63/058,438号に対する優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、2020年7月29日に出願された米国仮出願第63/058,438号に対する優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式(CRF)(ファイル名:750322002740SEQLIST.TXT、記録日:2021年7月28日、サイズ:5KB)。
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本開示は、概して、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞、かかる無核細胞由来小胞を製造する方法、及び変異型Rasタンパク質に関連するがんを治療するためにかかる無核細胞由来小胞を使用する方法に関する。
Rasは、最もよく知られているがん原遺伝子のうちの1つである。その機能獲得変異は、全てのヒトがんの約30%で発生する。最も頻繁な変異Rasアイソフォームとして、K-Rasは過去数年間集中的に研究されてきた。がん悪性腫瘍においてその重要性が広く認識されているにもかかわらず、過去30年間における継続的な努力は、K-Ras変異がんに対する治療法の開発に失敗しており、これまでにそのような悪性腫瘍に対する治療法は承認されていない。したがって、K-Rasは新薬の開発に繋がらないと考えられてきた。
Rasスーパーファミリーのメンバーは、その構造、配列、及び機能に基づいて、ファミリー及びサブファミリーに分けられる。K-Rasは、Rasスーパーファミリー又はRAS様GTPaseとして知られる小さなグアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質の群に属する。ヒトにおいて、3つのRAS遺伝子は、高度に相同なRASタンパク質、H-Ras、N-Ras、及びK-Rasをコードする。K-Rasは、一連のシグナル伝達分子の活性化を開始し、細胞表面から核へのシグナル伝達シグナルの伝達を可能にし、細胞分化、成長、走化性、アポトーシスなどの一連の必須な細胞プロセスに影響を与える、最前線のセンサのうちの1つである。K-Rasアイソフォームは、最も頻繁に変異されるアイソフォームであり、RAS変異の86%を構成する。K-Rasアイソフォーム内には、2つの既知のアイソフォームスプライスバリアント:K-Ras4A及びK-Ras4Bが存在する。K-Ras4Bスプライスバリアントは、ヒトのがんにおける変異を伴う優勢なアイソフォームであり、それは膵臓がんの約90%、結腸がんの30%~40%、肺がんの15%~20%、主に非小細胞肺がん(NSCLC)に存在する(Liu,P. et al.,Acta Pharmaceutica Sinica B,2019,9(5):871-879)。胆道の悪性腫瘍、子宮内膜がん、子宮頸がん、膀胱がん、肝臓がん、骨髄性白血病、及び乳がんにも存在する。その有病率にもかかわらず、RAS標的療法の発見における数十年にわたる努力は、臨床的に承認された薬剤を生産することを繰り返し失敗してきた。
免疫療法は、受動的介入と能動的介入の2つの主なタイプに分けられる。受動的プロトコルには、予め活性化された及び/若しくは操作された細胞(例えば、CAR T細胞)、疾患特異的な治療用抗体、並びに/又はサイトカインの投与が含まれる。活性免疫療法戦略は、インビボで免疫系エフェクター機能を刺激することを目的としている。現在のいくつかの活性プロトコルには、疾患関連ペプチド、可溶化物、又は同種異系の全細胞によるワクチン接種戦略、腫瘍抗原送達用のビヒクルとしての自己樹状細胞(DC)の注入、及び免疫チェックポイントモジュレータの注入が含まれる。Papaioannou, Nikos E., et al. Annals of translational medicine 4.14(2016)を参照されたい。養子免疫療法は、免疫応答を調節し、抗腫瘍活性を増強し、Ras変異に関連するがんを治療又は予防するという目標を達成するために利用することができる。
疾患関連抗原によって刺激されるCD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)及びCD4+ヘルパーT(Th)細胞は、疾患細胞を標的とし、破壊する潜在性を有するが、内因性T細胞応答を誘導するための現在の方法は、課題に直面している。本明細書に記載される方法は、変異型Ras抗原を含む有核細胞をハイスループット様式で効率的に生成するために使用され、これは、変異型Ras抗原に対する強固なT細胞応答を誘導する際に利用することができる。
特許出願及び刊行物を含む本明細書に引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。特許公開WO2016/070136、US2018/0142198、WO2017/008063、US2018/0201889、WO2019/178005、及びWO2019/178006、並びにPCT/US2020/020194は、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
疾患関連抗原によって刺激されるCD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)及びCD4+ヘルパーT(Th)細胞は、疾患細胞を標的とし、破壊する潜在性を有するが、内因性T細胞応答を誘導するための現在の方法は、課題に直面している。本明細書に記載される方法は、変異型Ras抗原を含む有核細胞をハイスループット様式で効率的に生成するために使用され、これは、変異型Ras抗原に対する強固なT細胞応答を誘導する際に利用することができる。
特許出願及び刊行物を含む本明細書に引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。特許公開WO2016/070136、US2018/0142198、WO2017/008063、US2018/0201889、WO2019/178005、及びWO2019/178006、並びにPCT/US2020/020194は、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
Liu,P. et al.,Acta Pharmaceutica Sinica B,2019,9(5):871-879
Papaioannou, Nikos E., et al. Annals of translational medicine 4.14(2016)
いくつかの態様では、本発明は、個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法を提供する。いくつかの態様では、本発明は、個体において腫瘍成長を低減させるための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法を提供する。いくつかの態様では、本発明は、ワクチン接種を必要とする個体にそれを実施するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。いくつかの態様では、本発明は、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含む方法であって、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法を提供する。いくつかの実施形態では、がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、変異型K-Ras抗原、変異型H-Ras抗原、又は変異型N-Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、変異型K-Ras4A抗原又は変異型K-Ras4B抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する単一のポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、無核細胞が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、組成物が、アジュバントと併せて投与される。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、複数のインプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、無核細胞が、赤血球又は血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞を含む組成物が、複数回投与される。いくつかの実施形態では、組成物が、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、組成物が、別の療法の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される。いくつかの実施形態では、別の療法が、免疫腫瘍療法で使用される、化学療法、放射線療法、抗体、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、又は二重特異性ポリペプチドである。
いくつかの態様では、本発明は、無核細胞由来小胞を含む組成物であって、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である。
いくつかの態様では、本発明は、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される、組成物を提供する。いくつかの態様では、本発明は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、核酸が、変異型Ras抗原を発現し、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物を提供する。いくつかの態様では、本発明は、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物を提供する。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される。
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態では、インプット無核細胞が、赤血球又は血小板である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、赤血球由来小胞又は血小板由来小胞である。いくつかの実施形態では、レチクロサイト由来小胞又はエリスロサイト由来小胞である。
本明細書に記載される組成物のいくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、変異型K-Ras抗原、変異型H-Ras抗原、又は変異型N-Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、変異型K-Ras4A抗原又は変異型K-Ras4B抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する単一のポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29抗原、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
本明細書に提示される組成物のいくつかの実施形態では、組成物が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載される方法のいずれかで使用するためのキットを提供する。いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載される組成物のいずれか1つを含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットが、組成物を個体に投与して、変異型Rasに対する免疫反応を刺激する、腫瘍成長を低減させる、及び/又はがんを治療するための指示を伴う、緩衝剤、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、又は添付文書のうちの1つ以上を更に含む。
いくつかの態様では、本発明は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生産するための方法であって、方法が、変異型Ras抗原を細胞内で無核細胞由来小胞に導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、無核細胞が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras及びアジュバントを細胞内で無核細胞由来小胞に導入することが、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を細胞内で無核細胞由来小胞に導入することが、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、核酸が、変異型Ras抗原を発現し、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞を生成する、インキュベートすることと、を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、細胞内にアジュバントを更に含み、変異型Ras抗原及びアジュバントを細胞内で無核細胞に導入することが、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、複数のインプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される。
いくつかの態様では、本発明は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含む、Ras変異に関連するがんを治療若しくは予防する、及び/又はRas変異に関連するがんを有する個体において免疫応答を刺激するための方法を提供する。いくつかの態様では、本発明は、Ras変異に関連するがんを治療する、及び/又はRas変異に関連するがんを有する個体において免疫応答を刺激するための方法を提供し、方法は、細胞内に送達される有効量の変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に最初に通過させることによって調製され、狭窄部の直径は、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成し、次いで、変異型Ras抗原が摂動インプット細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原とインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する。本開示の特定の態様は、細胞内に送達される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物を生成するための方法であって、インプット無核細胞が、狭窄部を通過し、狭窄が細胞を変形させ、それにより、Ras抗原及び/又はアジュバントが無核細胞に入るように、細胞の摂動を引き起こし、それにより、Ras抗原及び/又はアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、方法に関する。
いくつかの態様では、本発明は、無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含む、Ras変異に関連するがん(K-Ras変異に関連するがんなど)を治療する若しくは予防する、及び/又はRas変異に関連するがんを有する個体における免疫応答を調節するための方法であって、無核細胞由来小胞が、細胞内に変異Ras抗原を含む、方法を提供する。いくつかの態様では、本発明は、Ras変異に関連するがんを治療する若しくは予防する、及び/又はRas変異に関連するがんを有する個体において免疫応答を調節するための方法を提供し、方法は、有効量の変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、細胞内に変異型Ras抗原を含み、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に最初に通過させることによって調製され、狭窄部の直径は、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成し、次いで、変異型Ras抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原とインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する。本開示の特定の態様は、無核細胞由来小胞を含む組成物を生成するための方法であって、インプット無核細胞が、狭窄部を通過し、狭窄がインプット無核細胞を変形させ、それにより、Ras抗原が摂動インプット無核細胞に入るように、インプット無核細胞の摂動を引き起こし、それにより、Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、方法に関する。いくつかの更なる実施形態では、Ras変異に関連するがんを治療する、及び/又はRas変異に関連するがんを有する個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法は、個体にアジュバントを投与することを更に含む。
一般的な手法
一般的な手法
本明細書で説明又は参照される技術及び手順は、一般的に十分に理解されており、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Sambrook et al.,4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2012)、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,2003)、Methods in Enzymologyシリーズ(Academic Press,Inc.)、PCR 2: A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.,1995)、Antibodies,A Laboratory Manual(Harlow and Lane,eds.,1988)、Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique and Specialized Applications(R.I.Freshney,6th ed.,J.Wiley and Sons,2010)、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,Academic Press,1998)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,Plenum Press,1998)、Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,J.Wiley and Sons,1993-8)、Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1996)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR: The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)、Short Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.,J.Wiley and Sons,2002)、Immunobiology(C.A.Janeway et al.,2004)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies: A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989)、Monoclonal Antibodies: A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Using Antibodies: A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、及びCancer: Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,2011)に記載される広範に利用されている方法論など、当業者によって従来の方法論を使用して一般的に利用される。
定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用されるが、適切な場合には、単数形で使用される用語は複数形を含み、その逆も同様である。以下に記載される定義が、参照により本明細書に組み込まれる文書と矛盾する場合、上記に定める定義が優先するものとする。
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用されるが、適切な場合には、単数形で使用される用語は複数形を含み、その逆も同様である。以下に記載される定義が、参照により本明細書に組み込まれる文書と矛盾する場合、上記に定める定義が優先するものとする。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段の指示がない限り、複数の参照を含む。
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、及び「含む(including)」、並びにその他の類似の形態、及びそれらの文法的等価物は、意味が同等であり、これらの用語のいずれか1つに続く項目又は複数の項目が、かかる項目又は複数の項目の網羅的なリストであることを意味するものではなく、又は列挙された項目又は複数の項目のみに限定されることを意味するという点で、オープンエンドであることを意図している。例えば、成分A、B、及びCを含む物品は、成分A、B、及びCから成り得るか(すなわち、それのみを含む)、又は成分A、B、及びCだけでなく、1つ以上の他の成分も含み得る。そのため、「含む」及び同様の形態、並びにその文法的等価物は、「から本質的に成る」又は「から成る」の実施形態の開示を含むことが意図され、理解される。
値の範囲が提供される場合、文脈が別段に明確に指示しない限り、下限の単位の10分の1までの各介在する値は、その範囲の上限及び下限、並びにその範囲内の他の記載された値又は介在する値の間の値が、記載された範囲内の特定の除外限界に従うことを条件として、本開示内に包含されることが理解される。記載された範囲が制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれか又は両方を除外する範囲も開示に含まれる。
本明細書で使用される「約」という用語は、当技術分野の当業者に容易に認識されるそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値又はパラメータの「約」への言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(及び説明する)。例えば、「約X」を参照する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書で使用される場合、「無核細胞」は、核を欠く細胞を指す。そのような細胞には、血小板、エリスロサイト及びレチクロサイトなどの赤血球(RBC)が含まれるが、これらに限定されない。レチクロサイトは、未成熟(例えば、まだ両凹ではない)の赤血球であり、典型的には人体における赤血球の約1%を構成する。レチクロサイトも無核である。特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステム及び方法は、無核細胞(例えば、RBC、レチクロサイト、及び/又は血小板)の濃縮(例えば、全細胞集団のうち、自然界に見られるよりも大きなパーセンテージを含む)、精製、又は単離された(例えば、それらの自然環境から、実質的に純粋又は均一な形態で)集団の治療及び/又は処理のために使用される。特定の実施形態では、本明細書に記載されるシステム及び方法は、RBC(例えば、エリスロサイト又はレチクロサイト)、血小板、及び他の血球を含む全血の治療並びに/又は処理に使用される。これらの細胞型の精製又は濃縮は、密度勾配システム(例えば、Ficoll-Hypaque)、蛍光活性化細胞選別(FACS)、磁気細胞選別、又は赤芽球及び赤血球系前駆体のインビトロ分化などの既知の方法を使用して達成される。
本明細書で使用される「ベシクル」という用語は、脂質二重層によって囲まれた液体を含む構造を指す。いくつかの例では、脂質二重層は、天然に存在する脂質組成物に由来する。いくつかの例では、脂質二重層は、細胞膜から供給され得る。いくつかの例では、小胞は、細胞などの様々な種類の実体に由来し得る。こうした例では、小胞は、元の実体からの分子(細胞内タンパク質又は膜成分など)を保持することができる。例えば、赤血球に由来する小胞は、赤血球及び/又は赤血球の膜成分中にあった任意の数の細胞内タンパク質を含み得る。いくつかの例では、小胞は、所望のペイロードに加えて、細胞内に任意の数の分子を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「ペイロード」は、無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)内に負荷されるなど、送達される物質を指す。「ペイロード」、「カーゴ」、「送達物質」、及び「化合物」は、本明細書では互換的に使用される。いくつかの実施形態では、ペイロードは、タンパク質、低分子、核酸(例えば、RNA及び/又はDNA)、脂質、炭水化物、巨大分子、ビタミン、ポリマー、蛍光色素及びフルオロフォア、カーボンナノチューブ、量子ドット、ナノ粒子、並びにステロイドを指し得る。いくつかの実施形態では、ペイロードは、タンパク質又は低分子薬剤を指し得る。いくつかの実施形態では、ペイロードは、1つ以上の化合物を含み得る。
本明細書で使用される「細孔」という用語は、材料内の穴、裂け目、空洞、隙間、切れ目、間隙、又は穿孔を含むがこれらに限定されない開口部を指す。いくつかの例では、(示されている場合)用語は、本開示の表面内の細孔を指す。他の例では、(示されている場合)細孔は、細胞膜の細孔を指すことができる。
本明細書で使用される「膜」という用語は、細孔を含む選択的バリア又はシートを指す。用語は、境界又は内張として作用する、柔軟なシート様構造を含む。いくつかの例では、用語は、細孔を含む表面又はフィルタを指す。用語は、「細胞膜」という用語とは異なる。
本明細書で使用される「フィルタ」という用語は、細孔を選択的に通過することが可能である多孔性物品を指す。いくつかの例では、用語は、細孔を含む表面又は膜を指す。
「異種」という用語は、それがコード配列及び制御配列などの核酸配列に関連し、通常は一緒に連結されない、及び/又は特定の細胞と通常は関連しない配列を意味する。したがって、核酸構築物又はベクターの「異種」領域は、天然では他の分子と関連して見出されない、別の核酸分子内又は別の核酸分子と付着した核酸のセグメントである。例えば、核酸構築物の異種領域は、天然ではコード配列と関連して見出されない配列が隣接するコード配列を含み得る。異種コード配列の別の例は、コード配列自体が天然には見出されない構築物である(例えば、天然遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しない構築物で形質転換された細胞は、本発明の目的では異種とみなされる。対立遺伝子変異又は自然に発生する変異事象は、本明細書で使用される場合、異種DNAを生じさせない。
「異種」という用語は、それがペプチド配列及びポリペプチド配列などのアミノ酸配列に関連し、通常は一緒に連結されない、及び/又は特定の細胞と通常は関連しない配列を意味する。したがって、ペプチド配列の「異種」領域は、天然では他の分子と関連して見出されない、別のアミノ酸分子内又は別のアミノ酸分子と付着したアミノ酸のセグメントである。例えば、ペプチド構築物の異種領域は、天然ではペプチドのアミノ酸配列と関連して見出されない配列が隣接するペプチドのアミノ酸配列を含み得る。異種性ペプチド配列の別の例は、ペプチド配列自体が天然には見出されない構築物である(例えば、天然遺伝子とは異なるコードされたアミノ酸を有する合成配列)。同様に、細胞内に通常存在しないアミノ酸構築物を発現するベクターで形質転換された細胞は、本発明の目的では異種とみなされる。対立遺伝子変異又は自然に発生する変異事象は、本明細書で使用される場合、異種ペプチドを生じさせない。
細胞又は細胞由来小胞に関する抗原又はアジュバントなどの薬剤に関連して使用される場合の「外因性」という用語は、細胞の外側の薬剤又は細胞の外側から細胞内に送達される薬剤を指す。細胞は、既に存在する薬剤を有してもよく、又は有しなくてもよく、外因性薬剤が送達された後、薬剤を産生してもよく、又は産生しなくてもよい。
本明細書で使用される「相同」という用語は、同じ生物に由来する分子を指す。いくつかの例では、用語は、所与の生物内で通常見出されるか、若しくは発現される、核酸又はタンパク質を指す。
本明細書で使用される場合、「治療」又は「治療する」は、臨床結果を含む、有益な又は望ましい臨床結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益又は望ましい臨床結果には、疾患に起因する1つ以上の症状を緩和する、疾患の程度を軽減する、疾患を安定化する(例えば、疾患の悪化を予防する若しくは遅延する)、疾患の蔓延(例えば、転移)を予防する若しくは遅延する、疾患の再発を予防する若しくは遅延する、疾患の進行を遅延する若しくは遅らせる、疾患の状態を回復する、疾患を(部分的又は完全に)寛解する、疾患を治療するために必要な1つ以上の他の薬物の用量を低減する、疾患の進行を遅延する、生活の質を増加する又は改善する、体重増加が増加する、及び/又は生存期間が延長する、のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。また、「治療」には、がんの病理学的結果(例えば、腫瘍体積など)の減少も包含される。本発明の方法は、治療のこれらの態様のうちのいずれか1つ以上を企図する。
本明細書で使用される場合、「予防的治療」という用語は、個体が、障害を有するか、又は障害を有するリスクがあることが知られているか、又は疑われるが、障害の症状又は最小限の症状を呈していない治療を指す。予防的治療を受ける個体は、症状の発症前に治療され得る。いくつかの実施形態では、個体は、それらが前がん病変、特に、Ras変異を伴う前がん病変を有する場合に治療され得る。
本明細書で使用される場合、「併用療法」とは、第1の薬剤が別の薬剤と併せて投与されることを意味する。「と併せて」とは、同じ個体への本明細書に記載される免疫抱合体の投与に加えて、本明細書に記載される有核細胞の組成物の投与など、別の治療モダリティに加えて1つの治療モダリティの投与を指す。したがって、「と併せて」とは、個体への他の治療モダリティの送達前、送達中、又は送達後に、1つの治療モダリティを投与することを指す。
本明細書で使用される「同時投与」という用語は、併用療法における第1の療法及び第2の療法が、約10分、5分、又は1分以下のうちのいずれかなど、約15分以下の時間間隔で投与されることを意味する。第1及び第2の療法が同時に投与される場合、第1及び第2の療法は、同じ組成物中(例えば、第1及び第2の療法の両方を含む組成物)又は別個の組成物中(例えば、一方の組成物中に第1の療法が含まれ、別の組成物中に第2の療法が含まれる)に含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「連続的投与」という用語は、併用療法における第1の療法及び第2の療法が、約20分、30分、40分、50分、60分、又はそれ以上のうちのいずれかを超えるなど、約15分を超える時間間隔で投与されることを意味する。第1の療法又は第2の療法のいずれかが最初に投与され得る。第1及び第2の療法は、同じ若しくは異なるパッケージ又はキットに含まれ得る別個の組成物中に含まれる。
本明細書で使用される場合、「同時発生的投与」という用語は、併用療法における第1の療法及び第2の療法の投与が互いに重複することを意味する。
がんの文脈において、「治療する」という用語は、がん細胞を死滅させること、がん細胞の成長を阻害すること、がん細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を軽減すること、及び疾患に関連する1つ以上の症状を回復することのうちのいずれか又は全てを含む。
本明細書で使用される場合、「調節する」という用語は、特定の標的の存在又は活性を変化させる、改変する、変更する、又はさもなければ修正する作用を指し得る。例えば、免疫応答を調節することは、免疫応答を変化させる、改変する、変更する、又はさもなければ修正することをもたらす任意の作用を指し得る。いくつかの例では、「調節」は、特定の標的の存在又は活性を増強することを指す。いくつかの例では、「調節」は、特定の標的の存在又は活性を抑制することを指す。他の例では、核酸の発現を調節することには、核酸の転写の変化、mRNA量の変化(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の対応する変化、mRNA翻訳の変化などを含み得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「阻害する」という用語は、特定の標的の存在又は活性を遮断、低減、排除、又はさもなければ拮抗する作用を指し得る。阻害は、部分的阻害又は完全阻害を指し得る。例えば、免疫応答を阻害することは、免疫応答の遮断、低減、排除、又は任意の他の拮抗作用をもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の阻害には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害、遺伝子編集などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の阻害は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の減少などを含み得るが、これらに限定されない。別の実施例では、阻害は、例えば、腫瘍細胞の成長を遅延させるか、若しくは防止するなど、成長を緩徐化させるか、又は停止する作用を指し得る。
本明細書で使用される場合、「抑制する」という用語は、特定の標的の存在又は活性を低減する、減少する、妨げる、制限する、軽減する、又はさもなければ縮小する作用を指し得る。抑制は、部分的抑制又は完全な抑制を指し得る。例えば、免疫応答を抑制することは、免疫応答を減少する、低減する、妨げる、制限する、軽減する、又はさもなければ縮小することをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現の抑制には、核酸の転写の低減、mRNA存在量の低減(例えば、mRNA転写のサイレンシング)、mRNAの分解、mRNA翻訳の阻害などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現の抑制は、タンパク質をコードする核酸の転写の減少、タンパク質をコードするmRNAの安定性の減少、タンパク質の翻訳の阻害、タンパク質の安定性の減少などを含み得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「増強する」という用語は、特定の標的の存在又は活性を向上する、ブーストする、高める、又はさもなければ増加する作用を指し得る。例えば、免疫応答を増強することは、免疫応答を向上する、ブーストする、高める、又はさもなければ増加することをもたらす任意の作用を指し得る。例示的な一例では、免疫応答を増強することは、抗原及び/又はアジュバントを利用して、免疫応答を改善する、ブーストする、高める、又はさもなければ増加することを指し得る。他の例では、核酸の発現を増強することには、核酸の転写の増加、mRNA量の増加(例えば、mRNA転写の増加)、mRNAの分解の低減、mRNA翻訳の増加などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を増強することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などを含み得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「誘導する」という用語は、結果を開始する、促進する、刺激する、確立する、又はさもなければ産生する作用を指し得る。例えば、免疫応答を誘導することは、所望の免疫応答を開始する、促進する、刺激する、確立する、又はさもなければ産生することをもたらす任意の作用を指し得る。他の例では、核酸の発現を誘導することには、核酸の転写の開始、mRNAの翻訳の開始などが含まれるが、これらに限定されない。他の例では、タンパク質の発現を誘導することは、タンパク質をコードする核酸の転写の増加、タンパク質をコードするmRNAの安定性の増加、タンパク質の翻訳の増加、タンパク質の安定性の増加などを含み得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」又は「核酸」という用語は、リボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドを含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。したがって、この用語には、プリン及びピリミジン塩基、又は他の天然の、化学的若しくは生化学的に修飾された、非天然の、若しくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含む、一本鎖、二本鎖、若しくは複数鎖のDNA又はRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、又はポリマーが含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドの骨格は、糖及びリン酸基(典型的にはRNA又はDNAに見出される)、又は修飾若しくは置換された糖若しくはリン酸基を含むことができる。ポリヌクレオチドの骨格は、ペプチド結合によって連結されたN-(2-アミノエチル)-グリシンなどの反復単位(すなわち、ペプチド核酸)を含むことができる。あるいは、ポリヌクレオチドの骨格は、ホスホルアミデート及びホルフォルチオエートなどの合成サブユニットのポリマーを含むことができ、したがって、オリゴデオキシヌクレオシドホスホルアミデート(P-NH2)又は混合ホスホロチオエート-ホスホロジエステルオリゴマー又は混合ホスホルアミデート-ホスホジエステルオリゴマーであり得る。加えて、二本鎖ポリヌクレオチドは、相補鎖を合成し、適切な条件下で鎖をアニーリングするか、又は適切なプライマーを用いてDNAポリメラーゼを使用して相補鎖をデノボ合成するかのいずれかにより化学合成の一本鎖ポリヌクレオチド産物から取得することができる。
「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用され、最小の長さに限定されない。アミノ酸残基のかかるポリマーは、天然又は非天然のアミノ酸残基を含み得、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、及び多量体を含むが、これらに限定されない。完全長タンパク質及びその断片の両方が定義によって包含される。用語には、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化なども含まれる。更に、本発明の目的のために、「ポリペプチド」とは、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然の配列に対して、欠失、付加、及び置換(一般的に天然では保存的)などの修飾を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位特異的変異誘導を介してのように意図的であってもよく、又は例えば、タンパク質を産生する宿主の変異又はPCR増幅によるエラーを介してなど、偶発的であってもよい。
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、免疫反応を調節及び/又は生成する物質を指す。概して、アジュバントは抗原と併せて投与され、抗原単独と比較して抗原に対する免疫反応の増強をもたらす。様々なアジュバントが本明細書に記載される。
本明細書における「CpGオリゴデオキシヌクレオチド」及び「CpG ODN」という用語は、リン酸によって分離されたシトシン及びグアニンのジヌクレオチド(本明細書では「CpG」ジヌクレオチド、又は「CpG」とも称される)を含む、10~30ヌクレオチドの長さのDNA分子を指す。本開示のCpG ODNは、少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。すなわち、CpGジヌクレオチド中のシトシンはメチル化されない(すなわち、5-メチルシトシンではない)。CpG ODNは、部分的又は完全なホスホロチオエート(PS)骨格を有し得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」又は「薬理学的に適合する」とは、生物学的又はさもなければ望ましくないものではない物質を意味し、例えば、物質は、重大な望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、又はそれが含まれる組成物の他の成分のうちのいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される薬学的組成物に組み込まれ得る。薬学的に許容される担体又は賦形剤は、毒性及び製造試験の必要な基準を満たしており、及び/又は米国食品医薬品局によって準備された不活性成分ガイドに含まれることが好ましい。
本明細書に記載される構造的及び機能的特徴のいずれについても、これらの特徴を決定する方法は当技術分野で公知である。
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体システム」は、少量(例えば、m¥L、nL、pL、fL)の流体が処理されて、少量の液体の別個の処理を達成するシステムを指す。本明細書に記載される特定の実施には、多重化、自動化、及びハイスループットスクリーニングが含まれる。流体(例えば、緩衝液、溶液、ペイロード含有溶液、又は細胞懸濁液)は、移動、混合、分離、又は別の方法で処理することができる。本明細書に記載される特定の実施形態では、マイクロ流体系を使用して、緩衝液中に懸濁された細胞に機械的狭窄を適用し、細胞内に摂動を誘発し(例えば、穴)、それによってペイロード又は化合物が細胞のサイトゾルに入ることを可能にする。
本明細書で使用される場合、「狭窄部」は、入口部分、中心点、及び出口部分によって画定されるマイクロ流体チャネルの一部分を指し得、中心点は、幅、長さ、及び深さによって画定される。他の実施例では、狭窄部は、細孔を指してもよく、又は細孔の一部分であってもよい。細孔は、表面(例えば、フィルタ及び/又は膜)上に含まれ得る。
本明細書で使用される「Ras」という用語は、Rasスーパーファミリー又はTas様GTPアーゼとして知られる小さなグアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質の群の任意のメンバーを指し、特に明記しない限り、哺乳動物、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)、及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)などを含む全ての相同体が含まれる。用語は、「完全長」のプロセシングされていないRasだけではなく、細胞内でのプロセシングから生じる任意の形態のRasも包括する。用語はまた、Rasの野生型発生アイソフォームバリアント、例えば、スプライスバリアント又は対立遺伝子バリアントも包含する。ヒトにおいて、3つのRas遺伝子は、高度に相同なRasタンパク質、H-Ras、N-Ras、及びK-Rasをコードする。K-RASには、2つの形態:K-RasA及びK-RasBが含まれる。ヒトK-Rasのアミノ酸配列は、UniProt(world wide web.uniprot.org)受入番号 P01116(バージョン241)に示されている。詳細には、ヒトK-Rasアイソフォームa(K-Ras4Aとして知られる)のアミノ酸配列は、UniProt(world wide web.uniprot.org)受入番号 P01116-1(バージョン241)及びNCBI(world wide web.ncbi.nlm.nih.gov/)RefSeq NP_203524.1に示されている。ヒトK-Rasアイソフォームb(K-Ras4Bとして知られる)のアミノ酸配列は、UniProt(world wide web.uniprot.org)受入番号 P01116-2(バージョン241)及びNCBI(world wide web.ncbi.nlm.nih.gov/)RefSeq NP_004976.2に示されている。ヒトK-RasのN末端ドメインは、アミノ酸1位から86位まで延在する。
本明細書に記載される構造的及び機能的特徴のいずれについても、これらの特徴を決定する方法は当技術分野で公知である。
Ras変異に関連する疾患の治療方法
いくつかの態様では、個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内(すなわち、小胞内)で無核細胞由来小胞に送達される、方法が提供される。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。
いくつかの態様では、個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内(すなわち、小胞内)で無核細胞由来小胞に送達される、方法が提供される。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。
いくつかの態様では、個体において腫瘍成長を低減させるための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法が提供される。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。
いくつかの態様では、ワクチン接種を必要とする個体にそれを実施するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法が提供される。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。
いくつかの態様では、個体においてがんを治療するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法が提供される。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載される組成物のうちのいずれかを投与することを含む。
いくつかの態様では、個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、c)有効量の変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を個体に投与することと、を含む、方法を提供する。
いくつかの態様では、個体において腫瘍成長を低減させるための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、c)有効量の変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を個体に投与することと、を含む、方法を提供する。
いくつかの態様では、ワクチン接種を必要とする個体にそれを実施するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、c)有効量の変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を個体に投与することと、を含む、方法を提供する。
いくつかの態様では、個体においてがんを治療するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、c)有効量の変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を個体に投与することと、を含む、方法を提供する。
本明細書に記載の方法、使用、又は組成物のいずれかによるいくつかの実施形態では、方法は、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原とインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成することと、c)有効量の変異Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を個体に投与することと、を含む。
本明細書に記載の方法、使用、又は組成物のいずれかによるいくつかの実施形態では、方法は、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、核酸が、変異型Ras抗原を発現し、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む。
本明細書に記載の方法、使用、又は組成物のいずれかによるいくつかの実施形態では、方法は、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む。
いくつかの実施形態では、個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための組成物が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍成長を低減させるための組成物が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。いくつかの実施形態では、個体においてがんを治療するための組成物が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである。
いくつかの実施形態では、個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための組成物が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍成長を低減させるための組成物が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。いくつかの実施形態では、個体においてがんを治療するための組成物が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである。
いくつかの実施形態では、変異型Rasに対する免疫応答を刺激するための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、個体において腫瘍成長を低減させるための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。いくつかの実施形態では、個体においてがんを治療するための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態では、変異型Rasに対する免疫応答を刺激するための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、個体において腫瘍成長を低減させるための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。いくつかの実施形態では、個体においてがんを治療するための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用が提供され、組成物は、有効量の本明細書に記載される変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物のうちのいずれか1つを含む。
本明細書に記載される方法、使用、又は組成物によるいくつかの実施形態では、個体は、がんを有する。いくつかの実施形態では、がんは、膵臓がん、結腸がん、肺がん(非小細胞肺がんを含むが、これらに限定されない)、胆道がん、膀胱がん、肝臓がん、骨髄性白血病、及び乳がんである。いくつかの実施形態では、がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである。いくつかの実施形態では、がんは、固形がんである。いくつかの実施形態では、がんは、液体がんである。いくつかの実施形態では、がんは、血液がんである。いくつかの実施形態では、がんは、Ras変異に関連するがんである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、Ras変異に関連するがんに見出されるがん抗原である。いくつかの実施形態では、がんは、局在性がんである。いくつかの実施形態では、がんは、転移性がんである。
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、又は約60%~約70%のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm~約4μm、約1μm~約4μm、約1.2μm~約3μm、約1.4μm~約2.6μm、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.2μm、2.4μm、2.6μm、2.8μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μm、4.2μm、4.4μm、4.6μm、4.8μm、5.0μm、5.2μm、5.4μm、5.6μm、5.8μm、6.0μm以下のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される。
いくつかの実施形態では、無核細胞が、RBC又は血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、RBC由来小胞又は血小板由来小胞である。いくつかの実施形態では、エリスロサイト由来小胞又はレチクロサイト由来小胞である。
いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、アジュバントを含み、条件付けするのに使用されるアジュバントは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接しない1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、又は95%の類似性のうちのいずれか1つを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の複数回の投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の約3回~約9回の投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15回の投与のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、方法は、必要に応じて変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の連続した投与を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の2回の逐次投与の間の時間間隔は、約1日~約30日の間である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の2回の逐次投与の間の時間間隔は、約21日である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の2回の逐次投与の間の時間間隔は、約1、2、3、4、5、6、7、8、10、12、14、16、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、又は150日のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の最初の2回の逐次投与の間の時間間隔は、1日又は2日である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の最初の2回の逐次投与の間の時間間隔は、1日又は2日であり、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の2回を超える(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15回、又はそれ以上の投与であるが、これらに限定されない)投与を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、静脈内、腫瘍内、及び/又は皮下に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、静脈内に投与される。
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、ポリI:Cである。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及びアジュバントが、同時に投与される。いくつかの実施形態では、変異Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及びアジュバントが、連続して投与される。いくつかの実施形態では、アジュバント及び/又は変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、静脈内、腫瘍内、及び/又は皮下に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含むアジュバント及び/又は無核細胞由来小胞は、静脈内に投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントを投与する前に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントの投与前の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントの投与前の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントの投与前の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントの投与後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントの投与後の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントの投与後の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、アジュバントの投与後の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、個体は、HLA-A*02、HLA-A*01、HLA-A*03、HLA-A*24、HLA-A*11、HLA-A*26、HLA-A*32、HLA-A*31、HLA-A*68、HLA-A*29、HLA-A*23、HLA-B*07、HLA-B*44、HLA-B*08、HLA-B*35、HLA-B*15、HLA-B*40、HLA-B*27、HLA-B*18、HLA-B*51、HLA-B*14、HLA-B*13、HLA-B*57、HLA-B*38、HLA-C*07、HLA-C*04、HLA-C*03、HLA-C*06、HLA-C*05、HLA-C*12、HLA-C*02、HLA-C*01、HLA-C*08、又はHLA-C*16の発現について陽性である。
本明細書に記載される方法、使用、又は組成物のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、治療剤の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される。いくつかの実施形態では、治療剤は、免疫チェックポイント阻害剤、化学療法、又は放射線療法のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、1つ以上のサイトカインを含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、1つ以上の抗体を含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、免疫腫瘍学で使用される1つ以上の二重特異性ポリペプチド(例えば、免疫抱合体)を含む。
免疫チェックポイントは、免疫系の調節因子であり、免疫応答を抑制する。免疫チェックポイント阻害剤を使用して、免疫応答の増強を促進することができる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び免疫チェックポイント阻害剤は、同時に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び免疫チェックポイント阻害剤は、連続して投与される。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤及び/又は変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、静脈内、腫瘍内、及び/又は皮下に投与される。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤及び/又は変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、静脈内に投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約7日間、約10日間、約14日間、約18日間、約21日間、約24日間、約28日間、約30日間、約35日間、約40日間、約45日間、又は約50日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与前の約7日間~約10日間、約10日間~約14日間、約14日間~約18日間、約18日間~約21日間、約21日間~約24日間、約24日間~約28日間、約28日間~約30日間、約30日間~約35日間、約35日間~約40日間、約40日間~約45日間、又は約45日間~約50日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約7日間、約10日間、約14日間、約18日間、約21日間、約24日間、約28日間、約30日間、約35日間、約40日間、約45日間、又は約50日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、免疫チェックポイント阻害剤の投与後の約7日間~約10日間、約10日間~約14日間、約14日間~約18日間、約18日間~約21日間、約21日間~約24日間、約24日間~約28日間、約28日間~約30日間、約30日間~約35日間、約35日間~約40日間、約40日間~約45日間、又は約45日間~約50日間で投与される。
いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物の複数回の投与及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の複数回の投与を含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の2回の投与、3回の投与、4回の投与、5回の投与、6回の投与、7回の投与、8回の投与、9回の投与、10回の投与、11回の投与、12回の投与、13回の投与、14回の投与、又は15回の投与を含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の5回未満の投与、10回未満の投与、15回未満の投与、20回未満の投与、25回未満の投与、30回未満の投与、50回未満の投与、75回未満の投与、100回未満の投与、又は200回未満の投与を含む。
例示的な免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、又はBTLAを標的とするが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、又はBTLAのうちの1つ以上を標的とする。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1と結合する抗体、PD-L1と結合する抗体、CTLA-4と結合する抗体、LAG3と結合する抗体、又はTIM-3と結合する抗体、TIGITと結合する抗体、VISTAと結合する抗体、TIM-1と結合する抗体、B7-H4と結合する抗体、又はBTLAと結合する抗体のうちの1つ以上である。更なる実施形態では、抗体は、完全長抗体又は任意のバリアント、例えば、抗体断片、単鎖可変断片(ScFv)、又は断片抗原結合(Fab)であり得るが、これらに限定されない。更なる実施形態では、抗体は、二重特異性、三重特異性、又は多重特異性であり得る。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、又はBTLAのうちの1つ以上と結合する及び/又は阻害する1つ以上の化学的な化合物である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、TIM1、B7-H4(VTCN1)、又はBTLAのうちの1つ以上と結合する及び/又は阻害する1つ以上のペプチドである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1を標的とする。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1を標的とする。
サイトカインは、がん、例えば、変異型Ras関連がんに対する相加効果又は相乗効果を達成するために、本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物のうちのいずれか1つと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、1つ以上のサイトカインの投与と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及びサイトカインが、同時に投与される。いくつかの実施形態では、変異Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及びサイトカインが、連続して投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施す前に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与前の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与前の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与前の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与前の約7日間、約10日間、約14日間、約18日間、約21日間、約24日間、約28日間、約30日間、約35日間、約40日間、約45日間、又は約50日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与前の約7日間~約10日間、約10日間~約14日間、約14日間~約18日間、約18日間~約21日間、約21日間~約24日間、約24日間~約28日間、約28日間~約30日間、約30日間~約35日間、約35日間~約40日間、約40日間~約45日間、又は約45日間~約50日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与後の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与後の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、サイトカインの投与後の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
例示的なサイトカインには、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンフォカイン、及び腫瘍壊死因子、又はそれらの機能的誘導体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、サイトカインは、細胞性免疫応答を増強する。いくつかの実施形態では、サイトカインは、抗体応答を増強する。いくつかの実施形態では、サイトカインは、I型サイトカインである。いくつかの実施形態では、サイトカインは、2型サイトカインである。いくつかの実施形態では、サイトカインは、IL-2、IL-15、IL-10、IL-12、IFN-a、又はIL-21のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、サイトカインは、IL-15を含む。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む有核細胞を含む組成物は、サイトカイン部分を含む二重特異性ポリペプチドを投与する前に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む有核細胞を含む組成物は、サイトカイン部分及び免疫チェックポイント阻害剤部分を含む二重特異性ポリペプチドを投与する前に投与される。いくつかの実施形態では、二重特異性ポリペプチドは、CD3標的部分及び腫瘍抗原標的部分を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性ポリペプチドは、2つの免疫チェックポイントを標的とする部分を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性ポリペプチドは、間質に見出されるか、又はがん関連線維芽細胞で発現される抗原を標的とする部分を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性ポリペプチドは、間質に見出されるか、又はがん関連線維芽細胞で発現される抗原を標的とする部分及びサイトカイン部分を含む。
化学療法は、がん、例えば、Ras関連がんに対する相加効果又は相乗効果を達成するために、本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物のうちのいずれか1つと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施すのと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び化学療法が、同時に施される。いくつかの実施形態では、変異Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び化学療法が、連続して施される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施す前に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施した後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施す前の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施す前の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施す前の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施した後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施した後の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施した後の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施した後の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施した後の約7日間、約10日間、約14日間、約18日間、約21日間、約24日間、約28日間、約30日間、約35日間、約40日間、約45日間、又は約50日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、化学療法を施した後の約7日間~約10日間、約10日間~約14日間、約14日間~約18日間、約18日間~約21日間、約21日間~約24日間、約24日間~約28日間、約28日間~約30日間、約30日間~約35日間、約35日間~約40日間、約40日間~約45日間、又は約45日間~約50日間で投与される。
いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物の複数回の投与及び/又は化学療法を複数回施すことを含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び/又は化学療法を2回施すこと、3回施すこと、4回施すこと、5回施すこと、6回施すこと、7回施すこと、8回施すこと、9回施すこと、10回施すこと、11回施すこと、12回施すこと、13回施すこと、14回施すこと、又は15回施すことを含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び/又は化学療法を5回未満施すこと、10回未満施すこと、15回未満施すこと、20回未満施すこと、25回未満施すこと、30回未満施すこと、50回未満施すこと、75回未満施すこと、100回未満施すこと、又は200回未満施すことを含む。
例示的な化学療法は、細胞周期依存性又は細胞周期非依存性であり得る。いくつかの実施形態では、化学療法は、1つ以上の化学療法剤を含む。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、がんにおける細胞分裂、DNA、又は代謝のうちの1つ以上を標的とすることができる。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、シスプラチン、オキサリプラチン、又はカルボプラチンなどであるがこれらに限定されない、プラチナ系薬剤である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、タキサン(ドセタキセル又はパクリタキセルなど)である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、5-フルオロウラシル、ドキソルビシン、又はイリノテカンである。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、又は有糸分裂阻害剤のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、化学療法は、シスプラチンを含む。
放射線療法は、がん、例えば、Ras関連がんに対する相加効果又は相乗効果を達成するために、本明細書に記載される変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物のうちのいずれか1つと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施すのと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び放射線療法が、同時に施される。いくつかの実施形態では、変異Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び放射線療法が、連続して施される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施すのと組み合わせて、化学療法と組み合わせて、及び/又は免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて施される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施す前に投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施した後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施す前の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施す前の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施す前の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施した後に投与される。例えば、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施した後の約1時間~約1週間で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施した後の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約60時間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、又は約7日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施した後の約1時間~約2時間、約2時間~約3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約6時間、約6時間~約8時間、約8時間~約10時間、約10時間~約12時間、約12時間~約14時間、約14時間~約16時間、約16時間~約18時間、約18時間~約20時間、約20時間~約24時間、約24時間~約30時間、約30時間~約36時間、約36時間~約42時間、約42時間~約48時間、約48時間~約60時間、約60時間~約3日間、約3日間~約4日間、約4日間~約5日間、約5日間~約6日間、約6日間~約7日間で投与される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施した後の約7日間、約10日間、約14日間、約18日間、約21日間、約24日間、約28日間、約30日間、約35日間、約40日間、約45日間、又は約50日間で投与される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物は、放射線療法を施した後の約7日間~約10日間、約10日間~約14日間、約14日間~約18日間、約18日間~約21日間、約21日間~約24日間、約24日間~約28日間、約28日間~約30日間、約30日間~約35日間、約35日間~約40日間、約40日間~約45日間、又は約45日間~約50日間で投与される。
いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物の複数回の投与及び/又は放射線療法を複数回施すことを含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び/又は放射線療法を2回施すこと、3回施すこと、4回施すこと、5回施すこと、6回施すこと、7回施すこと、8回施すこと、9回施すこと、10回施すこと、11回施すこと、12回施すこと、13回施すこと、14回施すこと、又は15回施すことを含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物及び/又は放射線療法を5回未満施すこと、10回未満施すこと、15回未満施すこと、20回未満施すこと、25回未満施すこと、30回未満施すこと、50回未満施すこと、75回未満施すこと、100回未満施すこと、又は200回未満施すことを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれか1つに従って、個体において免疫応答を刺激する方法で使用するための変異型Ras抗原を含む複数の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)が提供される。
Ras抗原
いくつかの実施形態では、変異型Rasタンパク質に対する個体における免疫応答を刺激するための方法が提供され、方法は、a)有効量の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞は、細胞内に狭窄送達される変異型Ras抗原を含む。
いくつかの実施形態では、変異型Rasタンパク質に対する個体における免疫応答を刺激するための方法が提供され、方法は、a)有効量の無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞は、細胞内に狭窄送達される変異型Ras抗原を含む。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、対応する野生型Rasタンパク質と比較して1つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型K-Ras抗原(例えば、変異型K-Ras4A又は変異型K-Ras4B)、変異型H-Ras抗原、又は変異型N-Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、疾患関連抗原(例えば、がん関連抗原)である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、疾患細胞(例えば、細胞)から単離されたペプチド又はmRNAに由来する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、非自己抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、疾患細胞の可溶化物などの可溶化物に由来する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、腫瘍可溶化物に由来する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原はがんと関連している。いくつかの実施形態では、がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、膵臓がん抗原、結腸がん抗原、小腸がん抗原、胆道がん抗原、子宮内膜がん抗原、肺がん抗原、皮膚がん抗原、卵巣がん抗原、胃がん抗原、食道がん抗原、子宮頸がん抗原、又は尿路がん抗原である。いくつかの実施形態では、がんは、固形がんである。いくつかの実施形態では、がんは、液体がんである。いくつかの実施形態では、がんは、血液がんである。いくつかの実施形態では、がんは、ウイルス関連がんである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、Ras関連がんに見出されるがん抗原である。いくつかの実施形態では、がんは、局在性がんである。いくつかの実施形態では、がんは、転移性がんである。
本明細書に記載の方法によるいくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、1つ以上のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、1つ以上の核酸によってコードされ、DNA、cDNA、mRNA、及びプラスミドなどであるがこれらに限定されない、1つ以上の核酸の形態で無核細胞に入る。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、1つ以上のmRNAによってコードされ、1つ以上のmRNAの形態で無核細胞に入る。
K-Rasは、RASスーパーファミリー又はRAS様GTPaseとして知られる小さなグアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質の群に属する。RASスーパーファミリーのメンバーは、その構造、配列、及び機能に基づいて、ファミリー及びサブファミリーに分けられる。ヒトにおいて、3つのRAS遺伝子は、高度に相同なRASタンパク質、H-Ras、N-Ras、及びK-Rasをコードする。Rasは、ヒトがんにおいて最も頻繁に変異されるがん遺伝子の1つであり、K-Rasは、最も頻繁に変異されるアイソフォームであり、RAS変異の86%を構成する。K-Ras-4Bスプライスバリアントは、ヒトのがんにおける変異を伴う優勢なアイソフォームであり、それは膵臓がんの約90%、結腸がんの30%~40%、肺がんの15%~20%、主に非小細胞肺がん(NSCLC)に存在する。胆道の悪性腫瘍、子宮内膜がん、子宮頸がん、膀胱がん、肝臓がん、骨髄性白血病、及び乳がんにも存在する。K-Ras遺伝子で最も頻繁に見られる変異は、主にコドン12、13、又は61にある。K-Ras変異は、コドン63、117、119、及び146でも発生するが、頻度は少ない。詳細には、グリシン12(G12)の変異は、GAP結合及びGAP刺激GTP加水分解を妨害することによって、RAS活性化を引き起こす。残基13での変異は、立体的にアルギニンと衝突し、GAP結合及び加水分解を減少させる。残基12、13、及び61での変異は、RAFのRAS結合ドメイン(RBD)に対する親和性も減少させることが報告されたが、程度は異なる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型K-Ras抗原、変異型H-Ras抗原、及び/又は変異型N-Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型K-Ras抗原は、変異型K-Ras-4A抗原、及び/又はK-Ras-4B抗原である。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、複数の抗原のプール内の抗原は、複数の抗原のプール内の他の抗原に向けられた免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、抗原性変異型Rasエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、それ自体と、他の抗原と、又はアジュバントと複合体化する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、HLA-A2特異的エピトープから成る。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、HLA-A11特異的エピトープから成る。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、HLA-B7特異的エピトープから成る。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、HLA-C8特異的エピトープから成る。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、そのN末端に変異を含む変異型Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異のうちの1つ以上を含む変異型Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、完全長変異型Rasタンパク質のN末端ドメインの一部又は全部を含む。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からアスパラギン酸(D)に変異したN末端ドメインの12番目の残基を有する変異型Rasタンパク質(例えば、変異型K-Ras)は、Ras-G12Dと称される。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からアスパラギン酸(D)に変異したN末端ドメインの12番目の残基を有する変異型K-Rasタンパク質は、K-Ras-G12Dと称される。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からバリン(V)に変異したN末端ドメインの12番目の残基を有する変異Rasタンパク質(例えば、変異型K-Ras)は、Ras-G12Vと称される。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からバリン(V)に変異したN末端ドメインの12番目の残基を有する変異型K-Rasタンパク質は、K-Ras-G12Vと称される。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からシステイン(C)に変異したN末端ドメインの12番目の残基を有する変異型Rasタンパク質(例えば、変異型K-Ras)は、Ras-G12Cと称される。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からシステイン(C)に変異したN末端ドメインの12番目の残基を有する変異型K-Rasタンパク質は、K-Ras-G12Cと称される。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からアスパラギン酸(D)に変異したN末端ドメインの13番目の残基を有する変異型Rasタンパク質(例えば、変異型K-Ras)は、Ras-G13Dと称される。本明細書で使用される場合、グリシン(G)からアスパラギン酸(D)に変異したN末端ドメインの13番目の残基を有する変異型K-Rasタンパク質は、K-Ras-G13Dと称される。
いくつかの実施形態では、変異Ras-G12Dタンパク質のN末端ドメインの残基X~残基Yを含む抗原又は抗原性エピトープの配列は、G12DX-Y又はRas-G12DX-Yと称される。非限定的な例として、変異K-Ras-G12Dタンパク質のN末端ドメインの残基1~残基16を含む抗原又は抗原エピトープの配列は、G12D1-16又はK-Ras-G12D1-16と称される。いくつかの実施形態では、変異Ras-G12Vタンパク質のN末端ドメインの残基X~残基Yを含む抗原又は抗原性エピトープの配列は、G12VX-Y又はRas-G12VX-Yと称される。非限定的な例として、変異K-Ras-G12Vタンパク質のN末端ドメインの残基2~残基22を含む抗原又は抗原性エピトープの配列は、G12V2-22又はK-Ras-G12V2-22と称される。同じ原則が、本明細書に記載されるG12CX-Y若しくはRas-G12DX-Y、又は野生型RasX-Yの開示のいずれかに適用される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、G12D変異を含むK-Ras由来のペプチド(K-Ras-G12D)、G12V変異を含むK-Ras由来のペプチド(K-Ras-G12V)、G12C変異を含むK-Ras由来のペプチド(K-Ras-G12C)、又はG13D変異を含むK-Ras由来のペプチド(K-Ras-G13D)のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、K-Ras-G12D由来のHLA-A2拘束性ペプチド、K-Ras-G12V由来のHLA-A2拘束性ペプチド、K-Ras-G12C由来のHLA-A2拘束性ペプチド、及び/又はK-Ras-G13D由来のHLA-A2拘束性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、抗原は、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42配列を含む。いくつかの実施形態では、HLA-A2拘束性ペプチドは、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、対応する変異型K-Rasタンパク質のN末端ドメイン由来のアミノ酸配列を含む(例えば、K-Ras-G12D、K-Ras-G12V、K-Ras-G12C、又はK-Ras-G13D)。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、又はG12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、N末端ドメインは、K-Ras、N-Ras、及びH-Rasの3つのRasアイソフォームにおいて同一である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、変異型K-Ras抗原であり、変異型K-Ras 抗原は、対応する変異型K-Rasタンパク質のN末端ドメイン由来のアミノ酸配列を含み(例えば、K-Ras-G12D、K-Ras-G12V、K-Ras-G12C、又はK-Ras-G13D)、これは、対応する変異型H-Rasタンパク質(例えば、H-Ras-G12D又はH-Ras-G12V)、又は変異型N-Rasタンパク質(例えば、N-Ras-G12D、K-Ras-G12V、K-Ras-G12C、又はK-Ras-G13D)のN末端ドメイン由来のアミノ酸配列と同じである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、又は95%の類似性のうちのいずれか1つを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1と少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号6のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号7のアミノ酸配列から成る。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号8のアミノ酸配列から成る。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、複数の変異型Rasエピトープである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む複数の変異型Rasエピトープである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は複、数のRasエピトープを含み、変異型Ras抗原は、約9~約200個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、約9~約200個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列のうちの2、3、4、5、6、7、又は8個を含む複数の抗原である。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合したペプチドのプール内に含まれる。いくつかの実施形態では、複数の抗原は、非共有結合したペプチドのプール内に含まれ、各ペプチドは、1つ以下の抗原を含む。
本明細書に記載される方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞(例えば、RBC由来小胞)は、複数の免疫原性エピトープを含む複数のRas抗原を含む。更なる実施形態では、複数の免疫原性エピトープを含む複数の抗原を含む無核細胞由来小胞を個体に投与した後、複数の免疫原性エピトープのいずれも、他の免疫原性エピトープのいずれかに対する個体における免疫応答を減少させない。いくつかの実施形態では、Ras抗原はポリペプチドであり、免疫原性エピトープは免疫原性ペプチドエピトープである。いくつかの実施形態では、免疫原性ペプチドエピトープは、N末端隣接ポリペプチド及び/又はC末端隣接ポリペプチドと融合する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、免疫原性ペプチドエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、N末端及び/又はC末端で異種性ペプチド配列に隣接する免疫原性ペプチドエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、隣接異種性ペプチド配列は、疾患関連免疫原性ペプチドに由来する。いくつかの実施形態では、隣接異種性ペプチド配列は、天然に存在しない配列である。いくつかの実施形態では、隣接異種性ペプチド配列は、免疫原性合成長鎖ペプチド(SLP)に由来する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、MHCクラスI拘束ペプチド及び/又はMHCクラスII拘束ペプチドにプロセシングされることが可能である。
変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G12D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12V抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G12V抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12C抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G12C抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G13D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G13D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成するための方法が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達され、Ras抗原は、配列番号1~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G12D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12V抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G12V抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12C抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G12C抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G13D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成する方法が提供され、変異型Ras-G13D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成するための方法が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達され、Ras抗原は、配列番号1~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成するための方法が提供され、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原とインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型K-Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含み、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞の組成物を生成するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型K-Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生成するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、方法を提供する。いくつかの態様では、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞の組成物を生成するための方法であって、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型K-Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、無核細胞が、RBC又は血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、RBC由来小胞又は血小板由来小胞である。いくつかの実施形態では、エリスロサイト由来小胞又はレチクロサイト由来小胞である。
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、又は約60%~約70%のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm~約4μm、約1μm~約4μm、約1.2μm~約3μm、約1.4μm~約2.6μm、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.2μm、2.4μm、2.6μm、2.8μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μm、4.2μm、4.4μm、4.6μm、4.8μm、5.0μm、5.2μm、5.4μm、5.6μm、5.8μm、6.0μm以下のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと共に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異のうちのいずれか1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、又は95%の類似性のうちのいずれか1つを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90の類似性のうちのいずれか1つを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G12D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12V抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G12V抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12C抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G12C抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G13D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G13D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達され、Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G12D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12V抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G12V抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G12C抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G12C抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras-G13D抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras-G13D抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞由来小胞に送達され、Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原とインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含み、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞は、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、によって調製される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含み、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物が提供され、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、a)a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、によって調製される。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、変異型Ras抗原である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含み、いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、無核細胞が、RBC又は血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞が、RBC由来小胞又は血小板由来小胞である。いくつかの実施形態では、エリスロサイト由来小胞又はレチクロサイト由来小胞である。
いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約20%~約60%、約40%~約60%、約30%~約45%、約50%~約99%、約50%~約90%、約50%~約80%、約50%~約70%、約60%~約90%、約60%~約80%、又は約60%~約70%のうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm~約4μm、約1μm~約4μm、約1.2μm~約3μm、約1.4μm~約2.6μm、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.0μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.2μm、2.4μm、2.6μm、2.8μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μm、4.2μm、4.4μm、4.6μm、4.8μm、5.0μm、5.2μm、5.4μm、5.6μm、5.8μm、6.0μm以下のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異のうちのいずれか1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、又は95%の類似性のうちのいずれか1つを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である。
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)である。
変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の更なる修飾
本明細書に記載される方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、無核物由来小胞(例えば、RBC由来小胞)の組成物は、薬剤を含まない対応する無核細胞由来小胞の組成物と比較して、無核細胞由来小胞の生存率及び/又は機能を増強する薬剤を更に含む。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞の組成物は、薬剤を含まない対応する無核細胞由来小胞の組成物と比較して、凍結融解サイクル時に無核細胞由来小胞の生存率及び/又は機能を増強する薬剤を更に含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、凍結保存剤及び/又は低温保存剤である。いくつかの実施形態では、凍結保存剤も低温保存剤も、任意の凍結融解サイクルの前に薬剤を含まない無核細胞由来小胞の対応する組成物と比較して、薬剤を含む無核細胞由来小胞の組成物において10%~20%以下の細胞死を引き起こす。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞の少なくとも約70%、約80%、又は約90%が、最大1、2、3、4、5回の凍結融解サイクル後に生存可能である。いくつかの実施形態では、薬剤は、エンドサイトーシスを増強する化合物、安定化剤、又は補因子である。いくつかの実施形態では、薬剤は、アルブミンである。いくつかの実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシ、又はヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、二価金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセロール、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミン、又はEDTAのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、二価金属カチオンは、Mg2+、Zn2+、又はCa2+のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、DMSO、HEPES、グリセロール、グルタチオン、イノシン、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、ナトリウム金属イオン、カリウム金属イオン、マグネシウム金属イオン、塩化物、アセテート、グルコネート、スクロース、水酸化カリウム、又は水酸化ナトリウムのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、Rejuvesol(登録商標)、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、PlasmaLyte(登録商標)、DMSO、Cryostor(登録商標)CS2、Cryostor(登録商標)CS5、Cryostor(登録商標)CS10、Cryostor(登録商標)CS15、HEPES、グリセロール、グルタチオン、HypoThermosol(登録商標)のうちの1つ以上である。
本明細書に記載される方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、無核物由来小胞(例えば、RBC由来小胞)の組成物は、薬剤を含まない対応する無核細胞由来小胞の組成物と比較して、無核細胞由来小胞の生存率及び/又は機能を増強する薬剤を更に含む。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞の組成物は、薬剤を含まない対応する無核細胞由来小胞の組成物と比較して、凍結融解サイクル時に無核細胞由来小胞の生存率及び/又は機能を増強する薬剤を更に含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、凍結保存剤及び/又は低温保存剤である。いくつかの実施形態では、凍結保存剤も低温保存剤も、任意の凍結融解サイクルの前に薬剤を含まない無核細胞由来小胞の対応する組成物と比較して、薬剤を含む無核細胞由来小胞の組成物において10%~20%以下の細胞死を引き起こす。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞の少なくとも約70%、約80%、又は約90%が、最大1、2、3、4、5回の凍結融解サイクル後に生存可能である。いくつかの実施形態では、薬剤は、エンドサイトーシスを増強する化合物、安定化剤、又は補因子である。いくつかの実施形態では、薬剤は、アルブミンである。いくつかの実施形態では、アルブミンは、マウス、ウシ、又はヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、ヒトアルブミンである。いくつかの実施形態では、薬剤は、二価金属カチオン、グルコース、ATP、カリウム、グリセロール、トレハロース、D-スクロース、PEG1500、L-アルギニン、L-グルタミン、又はEDTAのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、二価金属カチオンは、Mg2+、Zn2+、又はCa2+のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、DMSO、HEPES、グリセロール、グルタチオン、イノシン、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、ナトリウム金属イオン、カリウム金属イオン、マグネシウム金属イオン、塩化物、アセテート、グルコネート、スクロース、水酸化カリウム、又は水酸化ナトリウムのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、薬剤は、ピルビン酸ナトリウム、アデニン、Rejuvesol(登録商標)、トレハロース、デキストロース、マンノース、スクロース、ヒト血清アルブミン(HSA)、PlasmaLyte(登録商標)、DMSO、Cryostor(登録商標)CS2、Cryostor(登録商標)CS5、Cryostor(登録商標)CS10、Cryostor(登録商標)CS15、HEPES、グリセロール、グルタチオン、HypoThermosol(登録商標)のうちの1つ以上である。
本明細書に記載される方法のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、プロセスは、更なるインキュベーションステップなしで調製された対応する無核細胞と比較して、無核細胞の生存率及び/又は機能を増強する薬剤と無核細胞の組成物をインキュベートするステップを更に含む。
アジュバント
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を直接的若しくは間接的にのいずれかで調節及び/又は生成する物質を指すことができる。本発明のいくつかの実施形態では、アジュバントは、RBC若しくはRBC由来小胞の集団などの無核細胞又は無核由来小胞の集団に細胞内で送達され(すなわち、狭窄処理の前、間、及び/又は後であるが個体への投与前に、細胞又は小胞をアジュバントとインキュベーション)、アジュバントを含む無核細胞由来小胞を形成する。いくつかの事例では、アジュバントは、変異型Ras抗原単独と比較して、変異型Ras抗原に対する免疫応答を増強するために変異型Ras抗原と併せて投与される。したがって、アジュバントを使用して、変異型Ras抗原に対する免疫細胞応答(例えば、T細胞応答)の誘発をブーストすることができる。例示的なアジュバントには、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニスト、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)アゴニスト、並びにTLR3、TLR4、TLR7、TLR8、及び/又はTLR9のアゴニストが含まれるが、これらに限定されない。例示的なアジュバントには、CpG ODN、インターフェロン-α(IFN-α)、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、イミキモド(R837)、レシキモド(R848)、又はリポ多糖(LPS)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI: C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。特定の実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、CpG ODNは、クラスA CpG ODN、クラスB CpG ODN、又はクラスC CpG ODNである。いくつかの実施形態では、CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1018、CpG ODN 1585、CpG ODN 2216、CpG ODN 2336、CpG ODN 1668、CpG ODN 1826、CPG ODN 2006、CpG ODN 2007、CpG ODN BW006、CpG ODN D-SL01、CpG ODN 2395、CpG ODN M362、CpG ODN D-SL03の群からの選択を含む。いくつかの実施形態では、CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1826(TCCATGACGTTCCTGACGTT(配列番号16))、又はCpG ODN 2006(CpG 7909としても知られる)(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号17))オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909である。いくつかの実施形態では、RIG-Iアゴニストは、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)を含む。複数のアジュバントは、変異型Ras抗原と組み合わせて使用して、免疫応答の誘発を増強することもできる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、1つを超えるアジュバントを更に含む。複数のアジュバントは、変異型Ras抗原と組み合わせて使用して、免疫応答の誘発を増強することもできる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、1つを超えるアジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、アジュバントCpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストの任意の組み合わせを更に含む。
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、免疫応答を直接的若しくは間接的にのいずれかで調節及び/又は生成する物質を指すことができる。本発明のいくつかの実施形態では、アジュバントは、RBC若しくはRBC由来小胞の集団などの無核細胞又は無核由来小胞の集団に細胞内で送達され(すなわち、狭窄処理の前、間、及び/又は後であるが個体への投与前に、細胞又は小胞をアジュバントとインキュベーション)、アジュバントを含む無核細胞由来小胞を形成する。いくつかの事例では、アジュバントは、変異型Ras抗原単独と比較して、変異型Ras抗原に対する免疫応答を増強するために変異型Ras抗原と併せて投与される。したがって、アジュバントを使用して、変異型Ras抗原に対する免疫細胞応答(例えば、T細胞応答)の誘発をブーストすることができる。例示的なアジュバントには、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニスト、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)アゴニスト、並びにTLR3、TLR4、TLR7、TLR8、及び/又はTLR9のアゴニストが含まれるが、これらに限定されない。例示的なアジュバントには、CpG ODN、インターフェロン-α(IFN-α)、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、イミキモド(R837)、レシキモド(R848)、又はリポ多糖(LPS)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アジュバントが、ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI: C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである。特定の実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、アジュバントは、CpG ODNである。いくつかの実施形態では、CpG ODNは、クラスA CpG ODN、クラスB CpG ODN、又はクラスC CpG ODNである。いくつかの実施形態では、CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1018、CpG ODN 1585、CpG ODN 2216、CpG ODN 2336、CpG ODN 1668、CpG ODN 1826、CPG ODN 2006、CpG ODN 2007、CpG ODN BW006、CpG ODN D-SL01、CpG ODN 2395、CpG ODN M362、CpG ODN D-SL03の群からの選択を含む。いくつかの実施形態では、CpG ODNアジュバントは、CpG ODN 1826(TCCATGACGTTCCTGACGTT(配列番号16))、又はCpG ODN 2006(CpG 7909としても知られる)(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号17))オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アジュバントが、CpG 7909である。いくつかの実施形態では、RIG-Iアゴニストは、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)を含む。複数のアジュバントは、変異型Ras抗原と組み合わせて使用して、免疫応答の誘発を増強することもできる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、1つを超えるアジュバントを更に含む。複数のアジュバントは、変異型Ras抗原と組み合わせて使用して、免疫応答の誘発を増強することもできる。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、1つを超えるアジュバントを更に含む。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞は、アジュバントCpG ODN、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン:ポリシチジル酸(ポリI:C)、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストの任意の組み合わせを更に含む。
変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物の生成に使用される狭窄
いくつかの実施形態では、本発明は、免疫応答を刺激するための変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を提供する。いくつかの実施形態では、無核細胞が、RBC又は血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞に送達される。ペイロードを無核細胞に導入する方法は、当該技術分野で公知である。
いくつかの実施形態では、本発明は、免疫応答を刺激するための変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を提供する。いくつかの実施形態では、無核細胞が、RBC又は血小板である。いくつかの実施形態では、無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、細胞内で無核細胞に送達される。ペイロードを無核細胞に導入する方法は、当該技術分野で公知である。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、細胞の膜に一過性の細孔が導入され、それにより変異型Ras抗原が細胞に入ることができるように、細胞を狭窄部に通過させることによって無核細胞に導入される。細胞への化合物の狭窄に基づく送達の例は、WO2013/059343、WO2015/023982、WO2016/070136、WO2017/041050、WO2017/008063、WO2017/192785、WO2017/192786、WO2019/178005、WO2019/178006、WO2020/072833、PCT/US2020/15098、及びPCT/US2020/020194により提供される。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原は、無核細胞(例えば、RBC)を含む細胞懸濁液を狭窄部に通過させることによって、無核細胞に送達され、本発明の無核細胞由来小胞を生成し、狭窄部は細胞を変形させ、それにより、変異型Ras抗原が細胞に入るように細胞の摂動を引き起こす。いくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体チャネル内に含まれる。いくつかの実施形態では、複数の狭窄部は、マイクロ流体チャネル内で並列及び/又は直列に配置され得る。
いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部は、入口部分、中心点、及び出口部分を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の長さ、深さ、及び幅は、変化し得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル内の狭窄部の幅は、無核細胞の直径の関数である。無核細胞の直径を決定する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、ハイコンテントイメージング、細胞カウンタ、又はフローサイトメトリーである。
無核細胞由来小胞への変異型Ras抗原の狭窄に基づく送達のいくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.5μm~約10μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1μm~約4μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1μm~約3μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.5μm~約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.2μm~約2.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.5μm~約5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2μm~約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約1.5μm~約2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.5μm~約3.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.2μm~約3.8μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3.8μm~約4.3μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約0.25μm、0.5μm、1.0μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.2μm、2.4μm、2.6μm、2.8μm、3.0μm、3.2μm、3.4μm、3.6μm、3.8μm、4.0μm、4.2μm、4.4μm、4.6μm、4.8μm、5.0μm、5.2μm、5.4μm、5.6μm、5.8μm、6.0μm以下のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約2.5μmである。いくつかの実施形態では、狭窄部の幅は、約3μmである。
無核細胞由来小胞への化合物の送達に影響を与え得るパラメータの例には、狭窄部の寸法、狭窄部の入射角、狭窄部の表面特性(例えば、粗さ、化学修飾、親水性、疎水性など)、操作の流れの速度(例えば、狭窄部を通過する細胞の通過時間)、細胞濃度、細胞懸濁液中の化合物の濃度、細胞懸濁液中の緩衝液、及び送達された化合物の無核細胞由来小胞への通過に影響を与え得る狭窄部を通過した後に無核細胞由来小胞が回復又はインキュベートする時間の量が含まれるが、これらに限定されない。無核細胞由来小胞への化合物の送達に影響を与える追加のパラメータは、狭窄部内の無核細胞の速度、狭窄部内のせん断速度、細胞懸濁液の粘度、流速に垂直な速度成分、及び狭窄部内の時間を含めることができる。加えて、直列及び/又は並列のチャネルを含む複数のチップは、無核細胞由来小胞への送達に影響を与え得る。複数のチップを並列にすることは、スループットを増強するために有用であり得る。こうしたパラメータは、化合物の送達を制御するように設計され得る。いくつかの実施形態では、細胞濃度は、約10~少なくとも約1012細胞/mLの範囲、又はそれらの間の任意の濃度若しくは濃度範囲である。いくつかの実施形態では、送達化合物の濃度は、約10ng/mL~約1g/mLの範囲、又はそれらの間の任意の濃度若しくは濃度範囲であり得る。いくつかの実施形態では、送達化合物の濃度は、約1pM~少なくとも約2Mの範囲、又はそれらの間の任意の濃度若しくは濃度範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞とインキュベートされる変異型Ras抗原の濃度は、約0.01μM~約10mMである。例えば、いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞とインキュベートされる変異型Ras抗原の濃度は、約0.01μM未満、約0.1μM、約1μM、約10μM、約100μM、約1mM、又は約10mMのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞とインキュベートされる変異型Ras抗原の濃度は、約10mMを超える。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞とインキュベートされる変異型Ras抗原の濃度は、約0.01μM~約0.1μM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、又は約1mM~約10mMのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞とインキュベートされる変異型Ras抗原の濃度は、約0.1μM~約1mMである。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞とインキュベートされる変異型Ras抗原の濃度は、約0.1μM~約10μMである。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞とインキュベートされる変異型Ras抗原の濃度は、1μMである。
いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞は、約1nM~約1mMの濃度で、変異型Ras抗原をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞は、約0.1nM未満、約1nM未満、約0.01uM、約0.1uM、約1uM、約10uM、約100uM、約1mM、又は約10mMのうちのいずれかの濃度で、変異型Ras抗原をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞は、約10mMを超える濃度で、変異型Ras抗原をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞は、約0.1nM~約1nM、約1nM~約10nM、約10nM~約100nM、約0.1μM~約1μM、約1μM~約10μM、約10μM~約100μM、約100μM~約1mM、又は1mM~約10mMの間のうちのいずれかの濃度で、変異型Ras抗原をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞は、約10nM~約100nMの濃度で、変異型Ras抗原をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞は、約1nM~約10nMの濃度で、変異型Ras抗原をコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞又は無核細胞由来小胞は、約50nMの濃度で、変異型Ras抗原を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、mRNAである。
無核細胞由来小胞の特徴及び抗原提示細胞による内在化
本明細書に記載される方法、使用、又は組成物のいずれか1つによる実施形態では、方法は、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む。いくつかの実施形態では、ペイロード(変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントなど)を含む無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して異なる特徴を示す。いくつかの実施形態では、ペイロード(変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントなど)を含む無核細胞由来小胞は、他の送達方法(溶血性負荷又はエレクトロポレーションなど)によって導入されたペイロードを含む無核細胞と比較して異なる特徴を示す。いくつかの実施形態では、ペイロード(変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントなど)を含む無核細胞由来小胞は、ペイロードを含む無核細胞由来小胞である。いくつかの実施形態では、抗原(変異型Ras抗原など)を含む無核細胞由来小胞は、抗原担体(AC)と称される。いくつかの実施形態では、抗原(変異型Ras抗原など)及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞は、活性化抗原担体(AAC)と称される。無核細胞由来小胞は、PCT/US2020/15098に開示されており、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載される方法、使用、又は組成物のいずれか1つによる実施形態では、方法は、a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む。いくつかの実施形態では、ペイロード(変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントなど)を含む無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して異なる特徴を示す。いくつかの実施形態では、ペイロード(変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントなど)を含む無核細胞由来小胞は、他の送達方法(溶血性負荷又はエレクトロポレーションなど)によって導入されたペイロードを含む無核細胞と比較して異なる特徴を示す。いくつかの実施形態では、ペイロード(変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントなど)を含む無核細胞由来小胞は、ペイロードを含む無核細胞由来小胞である。いくつかの実施形態では、抗原(変異型Ras抗原など)を含む無核細胞由来小胞は、抗原担体(AC)と称される。いくつかの実施形態では、抗原(変異型Ras抗原など)及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞は、活性化抗原担体(AAC)と称される。無核細胞由来小胞は、PCT/US2020/15098に開示されており、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、哺乳動物への投与後の無核細胞由来小胞の半減期は、哺乳動物への投与後のインプット無核細胞の半減期と比較して減少する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞のヘモグロビン含有量は、インプット無核細胞のヘモグロビン含有量と比較して減少する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞のATP産生は、インプット無核細胞のATP産生と比較して減少する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来の小胞は、球状形態を呈する。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、エリスロサイトであり、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して減少した両凹形状を有する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、赤血球ゴーストである。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、その表面上に約1.5倍を超えるホスファチジルセリンを有する。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来小胞の集団プロファイルは、インプット無核細胞と比較して、表面上でより高い平均ホスファチジルセリンレベルを呈する。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来小胞の集団プロファイルの少なくとも50%は、インプット無核細胞と比較して、表面上でより高いホスファチジルセリンレベルを呈する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、組織又は細胞において優先的な取り込みを示す。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、食細胞及び/又は抗原提示細胞において優先的な取り込みを示す。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、組織又は細胞における取り込みを増強するように修飾される。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、修飾されていない無核細胞由来小胞と比較して、食細胞及び/又は抗原提示細胞における取り込みを増強するように修飾される。いくつかの実施形態では、食細胞及び/又は抗原提示細胞は、樹状細胞又はマクロファージのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、組織又は細胞は、肝臓又は脾臓のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、その表面上にCD47を含む。
無核細胞由来小胞を生成するための上記の方法のいくつかの実施形態では、狭窄部は、マイクロ流体チャネル内に含まれる。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネルは、複数の狭窄部を含む。いくつかの実施形態では、複数の狭窄部は、直列及び/又は並列に配置される。いくつかの実施形態では、狭窄部は、複数のマイクロピラーの間、アレイに構成された複数のマイクロピラーの間、又は1つ以上の移動可能なプレートの間である。いくつかの実施形態では、狭窄部は、細孔であるか、又は細孔内に含まれる。いくつかの実施形態では、細孔は、表面内に含まれる。いくつかの実施形態では、表面は、フィルタである。いくつかの実施形態では、表面は、膜である。いくつかの実施形態では、狭窄部サイズは、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数である。いくつかの実施形態では、狭窄部サイズは、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、又は約70%である。いくつかの実施形態では、狭窄部は、約0.25μm~約4μmの幅を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、約4μm、3.5μm、約3μm、約2.5μm、約2μm、約1.5μm、約1μm、約0.5μm、又は約0.25μmの幅を有する。いくつかの実施形態では、狭窄部は、約2.2μmの幅を有する。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、約10psi~約90psiの範囲の圧力下で狭窄部を通過する。いくつかの実施形態では、該細胞懸濁液は、狭窄部を通過する前に、同時発生的に、又は後に抗原と接触する。
いくつかの実施形態では、ペイロード(例えば、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバント)を含む無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞から調製され、無核細胞由来小胞は、以下の特性のうちの1つ以上を有する:(a)哺乳動物における循環半減期が、インプット無核細胞と比較して低減する、(b)インプット無核細胞と比較して低減したヘモグロビンレベル、(c)球状形態、(d)インプット無核細胞と比較して増加した表面ホスファチジルセリンレベル、又は(e)インプット無核細胞と比較して減少したATP産生。
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球又は血小板である。いくつかの実施形態では、赤血球は、エリスロサイト又はレチクロサイトである。
いくつかの実施形態では、哺乳動物における無核細胞由来小胞の循環半減期は、インプット無核細胞と比較して減少する。いくつかの実施形態では、哺乳動物における循環半減期は、インプット無核細胞と比較して、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%を超えて減少する。
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、ヒト細胞であり、無核細胞由来小胞の循環半減期は、約1分、約2分、約5分、約10分、約15分、約30分、約1時間、約6時間、約12時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約10日、約25日、約50日、約75日、約100日、約120日未満である。
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来小胞中のヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞と比較して減少する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%、又は約100%減少する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞におけるヘモグロビンレベルは、インプット無核細胞におけるヘモグロビンのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、又は約50%である。
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球であり、無核細胞由来小胞は、形態的に球状である。いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、エリスロサイトであり、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して減少した両凹形状を有する。
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、赤血球又はエリスロサイトであり、無核細胞由来小胞は、赤血球ゴースト(RBCゴースト)である。
いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、その表面上にCD47を含む。
いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、増加した表面ホスファチジルセリンレベルを有する。いくつかの実施形態では、プロセスによって調製された無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、その表面上に約1.5倍を超えるホスファチジルセリンを有する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、その表面上に約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約99%、約100%、又は約100%を超えるホスファチジルセリンを有する。
いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、減少したATP産生を有する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞によって産生されるATPのレベルの約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、又は約50%未満でATPを産生する。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、ATPを産生しない。
いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、組織又は細胞において増強した取り込みを示す。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞の取り込みと比較して、肝臓若しくは脾臓における、又は食細胞若しくは抗原提示細胞による優先的な取り込みを示す。
いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞と比較して、組織又は細胞における取り込みを増強するように更に修飾される。いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、インプット無核細胞の取り込みと比較して、肝臓若しくは脾臓における、又は食細胞若しくは抗原提示細胞による取り込みを増強するように更に修飾される。
いくつかの実施形態では、無核細胞由来小胞は、肝臓若しくは脾臓における、又は食細胞及び/若しくは抗原提示細胞による増強した取り込みを示し、無核細胞由来小胞の内在化は、食細胞又は抗原提示細胞の成熟マーカーの増加した発現をもたらす。いくつかの実施形態では、食細胞及び/又は抗原提示細胞は、単球由来樹状細胞(MODC)である。いくつかの実施形態では、成熟マーカーは、CD80、CD86、CD83、及びMHC-IIのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、CD80、CD86、CD83、及びMHC-IIのうちの1つ以上の発現は、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞と接触していない食細胞及び/又は抗原提示細胞と比較して、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍以上のうちのいずれか1つで増加する。いくつかの実施形態では、CD80、CD86、CD83、及びMHC-IIのうちの1つ以上の発現は、インプット無核細胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞と比較して、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍以上のうちのいずれか1つで増加する。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞は、肝臓若しくは脾臓における、又は食細胞及び/若しくは抗原提示細胞による増加した取り込みを示し、無核細胞由来小胞の内在化は、無核細胞由来小胞内に含まれる変異型Ras抗原の増加した提示をもたらす。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原の提示は、他の送達方法(溶血性負荷などであるが、これに限定されない)によって導入された同じ変異型Ras抗原を含む対応する無核細胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞と比較して、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞において、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍以上のうちのいずれか1つで増加する。
いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞は、肝臓若しくは脾臓における、又は食細胞及び/若しくは抗原提示細胞による増加した取り込みを示し、無核細胞由来小胞の内在化は、食細胞及び/又は抗原提示細胞が抗原特異的免疫応答を誘導する増加した能力をもたらす。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞によって媒介される抗原特異的免疫応答は、インプット無核細胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞と比較して、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍以上のうちのいずれか1つで増加する。いくつかの実施形態では、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞によって媒介される抗原特異的免疫応答は、他の送達方法(溶血性負荷などであるが、これに限定されない)によって導入された同じ変異型Ras抗原を含む無核細胞と接触した食細胞及び/又は抗原提示細胞と比較して、少なくとも約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、1000倍、10000倍以上のうちのいずれか1つで増加する。いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、抗原特異的CD4+T細胞応答である。いくつかの実施形態では、抗原特異的免疫応答は、抗原特異的CD8+T細胞応答である。
本明細書に記載される方法、組成物、又は使用のいずれか1つによるいくつかの実施形態では、食細胞は、HLA-A*02、HLA-A*01、HLA-A*03、HLA-A*24、HLA-A*11、HLA-A*26、HLA-A*32、HLA-A*31、HLA-A*68、HLA-A*29、HLA-A*23、HLA-B*07、HLA-B*44、HLA-B*08、HLA-B*35、HLA-B*15、HLA-B*40、HLA-B*27、HLA-B*18、HLA-B*51、HLA-B*14、HLA-B*13、HLA-B*57、HLA-B*38、HLA-C*07、HLA-C*04、HLA-C*03、HLA-C*06、HLA-C*05、HLA-C*12、HLA-C*02、HLA-C*01、HLA-C*08、又はHLA-C*16のハプロタイプを有するヒト細胞である。いくつかの実施形態では、抗原提示細胞は、HLA-A*02、HLA-A*11、HLA-B*07、又はHLA-C*08のハプロタイプを有するヒト細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞及び/又は抗原提示細胞によって提示される変異型Ras抗原は、HLA-A2特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞及び/又は抗原提示細胞によって提示される変異型Ras抗原は、HLA-A11特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞及び/又は抗原提示細胞によって提示される変異型Ras抗原は、HLA-B7特異的エピトープから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される食細胞及び/又は抗原提示細胞によって提示される変異型Ras抗原は、HLA-C8特異的エピトープから構成される。
いくつかの実施形態では、インプット無核細胞は、無核細胞由来小胞の調製中に、(a)熱処理、(b)化学処理、及び/又は(c)低張条件若しくは高張条件に供されなかった。いくつかの実施形態では、モル浸透圧濃度は、インプット無核細胞からの無核細胞由来小胞の調製中に維持された。いくつかの実施形態では、モル浸透圧濃度は、約200mOsm~約600mOsmに維持された。いくつかの実施形態では、モル浸透圧濃度は、約200mOsm~約400mOsmに維持された。
システム及びキット
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に開示される方法で使用するための、狭窄部、無核細胞懸濁液、変異型Ras抗原、又はアジュバントのうちの1つ以上を含むシステムを提供する。システムは、細胞変形狭窄部、細胞懸濁液、細胞摂動、送達パラメータ、化合物、及び/若しくはアプリケーションなどを提供するためのマイクロ流体チャネル又は細孔を有する表面を含む、上記で開示された方法について記載された任意の実施形態を含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞変形狭窄部は、無核細胞への送達のためにサイズ設定される。いくつかの実施形態では、操作流速、細胞及び化合物濃度、狭窄部内の細胞の速度、並びに細胞懸濁液の組成(例えば、浸透圧、塩濃度、血清含有量、細胞濃度、pHなど)などの送達パラメータは、免疫応答を抑制する、又は寛容を誘導するための化合物の応答が最大になるように最適化される。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に開示される方法で使用するための、狭窄部、無核細胞懸濁液、変異型Ras抗原、又はアジュバントのうちの1つ以上を含むシステムを提供する。システムは、細胞変形狭窄部、細胞懸濁液、細胞摂動、送達パラメータ、化合物、及び/若しくはアプリケーションなどを提供するためのマイクロ流体チャネル又は細孔を有する表面を含む、上記で開示された方法について記載された任意の実施形態を含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞変形狭窄部は、無核細胞への送達のためにサイズ設定される。いくつかの実施形態では、操作流速、細胞及び化合物濃度、狭窄部内の細胞の速度、並びに細胞懸濁液の組成(例えば、浸透圧、塩濃度、血清含有量、細胞濃度、pHなど)などの送達パラメータは、免疫応答を抑制する、又は寛容を誘導するための化合物の応答が最大になるように最適化される。
また、Ras変異に関連するがんを有する個体の治療において使用するためのキット又は物品も提供される。いくつかの実施形態では、キットは、細胞内に変異抗原を含み、細胞内にアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む。いくつかの実施形態では、キットは、がんなどのRas変異に関連するがんを有する個体の治療において使用するための無核細胞由来小胞を生成する際に使用するための、狭窄部、無核細胞懸濁液、変異型Ras抗原、又はアジュバントのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、好適なパッケージング内に、本明細書に記載される組成物(例えば、細孔を含むマイクロ流体チャネル若しくは表面、細胞懸濁液、及び/又は化合物)を含む。好適なパッケージング材料は当技術分野で公知であり、例えば、バイアル(密閉バイアルなど)、容器、アンプル、ボトル、瓶、柔軟なパッケージング(例えば、密閉マイラ又はビニールバッグ)などを含む。これらの製造品は更に、滅菌及び/又は密封され得る。
本発明はまた、本明細書に記載される方法の構成要素を含むキットを提供し、Ras変異に関連するがんを有する個体を治療する該方法を実施するための指示、並びに/又は変異型Ras抗原及びアジュバントを無核細胞に導入するための指示を更に含み得る。本明細書に記載されるキットは、本明細書に記載されるいずれかの方法を実施するための指示、例えば、Ras変異に関連するがんを有する個体を治療するための指示、又は細胞内に変異型Ras抗原及び細胞内にアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成するための指示を伴う、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、及び添付文書を含む他の材料を更に含み得る。
例示的な実施形態
実施形態1.個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法。
実施形態1.個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法。
実施形態2.個体において腫瘍成長を低減させるための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法。
実施形態3.ワクチン接種を必要とする個体にそれを実施するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法。
実施形態4.個体が、がんを有する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5.個体においてがんを治療するための方法であって、方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、方法。
実施形態6.がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである、実施形態4又は5に記載の方法。
実施形態7.変異型Ras抗原が、変異型K-Ras抗原、変異型H-Ras抗原、又は変異型N-Ras抗原である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8.変異型Ras抗原が、変異型K-Ras4A抗原又は変異型K-Ras4B抗原である、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する単一のポリペプチドである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10.変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11.変異型Ras抗原が、1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12.変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異を含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14.変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15.変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16.変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17.変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18.変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19.変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20.変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21.変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22.無核細胞が、アジュバントを更に含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23.組成物が、アジュバントと併せて投与される、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態24.アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、実施形態22又は23に記載の方法。
実施形態25.アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、実施形態22~24のいずれか1つに記載の方法。
実施形態26.変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27.変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28.変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
実施形態29.狭窄部の幅が、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である、実施形態26~28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態30.狭窄部の幅が、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである、実施形態26~29のいずれか1つに記載の方法。
実施形態31.複数のインプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される、実施形態26~30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32.無核細胞が、赤血球又は血小板である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法。
実施形態33.無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34.無核細胞由来小胞を含む組成物が、複数回投与される、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
実施形態35.組成物が、静脈内に投与される、実施形態1~34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36.個体が、ヒトである、実施形態1~35のいずれか1つに記載の方法。
実施形態37.組成物が、別の療法の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される、実施形態1~36のいずれか1つに記載の方法。
実施形態38.別の療法が、免疫腫瘍療法で使用される、化学療法、放射線療法、抗体、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、又は二重特異性ポリペプチドである、実施形態37に記載の方法。
実施形態39.無核細胞由来小胞を含む組成物であって、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、変異型Ras抗原が、細胞内で無核細胞由来小胞に送達される、組成物。
実施形態40.組成物が、アジュバントを更に含む、実施形態39に記載の組成物。
実施形態41.アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、実施形態40に記載の組成物。
実施形態42.前記アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、実施形態40又は41に記載の組成物。
実施形態43.変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される、組成物。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される、組成物。
実施形態44.変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、核酸が、変異型Ras抗原を発現し、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、核酸が、変異型Ras抗原を発現し、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物。
実施形態45.変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物。
実施形態46.狭窄部の幅が、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である、実施形態43~44のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態47.狭窄部の幅が、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである、実施形態43~46のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態48.インプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される、実施形態43~47のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態49.インプット無核細胞が、赤血球又は血小板である、実施形態43~48のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態50.インプット無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである、実施形態43~48のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態51.無核細胞由来小胞が、赤血球由来小胞又は血小板由来小胞である、実施形態38~48のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態52.無核細胞由来小胞が、レチクロサイト由来小胞又はエリスロサイト由来小胞である、実施形態38~48のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態53.変異型Ras抗原が、変異型K-Ras抗原、変異型H-Ras抗原、又は変異型N-Ras抗原である、実施形態38~52のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態54.変異型Ras抗原が、変異型K-Ras4A抗原又は変異型K-Ras4B抗原である、実施形態38~53のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態55.変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する単一のポリペプチドである、実施形態38~54のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態56.変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである、実施形態38~55のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態57.変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する、実施形態38~56のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態58.変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異を含む、実施形態38~57のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態59.変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態38~58のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態60.変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む、実施形態38~59のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態61.変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29抗原、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である、実施形態51~60のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態62.変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態38~61のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態63.変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む、実施形態38~62のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態64.変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである、実施形態38~63のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態65.変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、実施形態38~64のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態66.変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、実施形態38~65のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態67.組成物が、アジュバントを更に含む、実施形態38~66のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態68.アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、実施形態67に記載の組成物。
実施形態69.アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、実施形態67又は68に記載の組成物。
実施形態70.個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫反応を刺激するための組成物であって、組成物が、有効量の実施形態39~69のいずれか1つに記載の組成物を含む、組成物。
実施形態71.個体において腫瘍成長を低減させるための組成物であって、組成物が、有効量の実施形態39~69のいずれか1つに記載の組成物を含む、組成物。
実施形態72.個体が、がんを有する、実施形態70又は71に記載の組成物。
実施形態73.個体においてがんを治療するための組成物であって、組成物が、有効量の実施形態39~69のいずれか1つに記載の組成物を含む、組成物。
実施形態74.がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである、実施形態72又は73に記載の組成物。
実施形態75.組成物が、アジュバントを更に含む、実施形態71~74のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態76.組成物が、アジュバントと併せて投与される、実施形態71~74のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態77.アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、実施形態76に記載の組成物。
実施形態78.アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、実施形態76又は77に記載の組成物。
実施形態79.無核細胞を含む組成物が、複数回投与される、実施形態70~78のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態80.組成物が、静脈内に投与される、実施形態70~79のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態81.個体が、ヒトである、実施形態70~80のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態82.組成物が、別の療法の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される、実施形態70~81のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態83.別の療法が、免疫腫瘍療法で使用される、化学療法、放射線療法、抗体、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、又は二重特異性ポリペプチドである、実施形態82に記載の組成物。
実施形態84.変異型Rasに対する免疫応答を刺激するための薬物の製造における有効量の無核細胞を含む組成物の使用であって、組成物が、有効量の実施形態39~69のいずれか1つに記載の組成物を含む、使用。
実施形態85.個体において腫瘍成長を低減させるための薬物の製造における有効量の無核細胞を含む組成物の使用であって、組成物が、有効量の実施形態39~69のいずれか1つに記載の組成物を含む、使用。
実施形態86.個体が、がんを有する、実施形態84又は85に記載の使用。
実施形態87.個体においてがんを治療するための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用であって、組成物が、有効量の実施形態38~61のいずれか1つに記載の組成物を含む、使用。
実施形態88.がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである、実施形態86又は87に記載の使用。
実施形態89.組成物が、アジュバントを更に含む、実施形態84~88のいずれか1つに記載の使用。
実施形態90.組成物が、アジュバントと併せて投与するために製剤化される、実施形態84~89のいずれか1つに記載の使用。
実施形態91.アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、実施形態90に記載の使用。
実施形態92.アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、実施形態84~89のいずれか1つに記載の使用。
実施形態93.無核細胞由来小胞を含む組成物が、複数回投与される、実施形態84~92のいずれか1つに記載の使用。
実施形態94.組成物が、静脈内に投与される、実施形態84~93のいずれか1つに記載の使用。
実施形態95.個体が、ヒトである、実施形態84~94のいずれか1つに記載の使用。
実施形態96.組成物が、別の療法の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される、実施形態84~95のいずれか1つに記載の使用。
実施形態97.前記別の療法が、免疫腫瘍療法で使用される、化学療法、又は放射線療法、抗体、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、又は二重特異性ポリペプチドである、実施形態96に記載の使用。
実施形態98.実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法で使用するための、キット。
実施形態99.実施形態39~69のいずれか1つに記載の組成物を含む、キット。
実施形態100.キットが、組成物を個体に投与して、変異型Rasに対する免疫反応を刺激する、腫瘍成長を低減させる、及び/又はがんを治療するための指示を伴う、緩衝剤、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、又は添付文書のうちの1つ以上を更に含む、実施形態98又は99に記載のキット。
実施形態101.変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生産するための方法であって、方法が、変異型Ras抗原を細胞内で無核細胞由来小胞に導入することを含む、方法。
実施形態102.無核細胞が、アジュバントを更に含む、実施形態101に記載の方法。
実施形態103.アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、実施形態102に記載の方法。
実施形態104.アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、実施形態102又は103に記載の方法。
実施形態105.変異型Ras抗原、又は変異型Ras及びアジュバントを細胞内で無核細胞由来小胞に導入することが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む、実施形態104に記載の方法。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む、実施形態104に記載の方法。
実施形態106.変異型Ras抗原を細胞内で無核細胞由来小胞に導入することが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、核酸が、変異型Ras抗原を発現し、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、実施形態104に記載の方法。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸が摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸とインキュベートすることであって、核酸が、変異型Ras抗原を発現し、それにより、変異型Ras抗原を含む無核細胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、実施形態104に記載の方法。
実施形態107.無核細胞由来小胞が、細胞内にアジュバントを更に含み、変異型Ras抗原及びアジュバントを細胞内で無核細胞に導入することが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、実施形態104に記載の方法。
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、狭窄部の直径が、懸濁液中のインプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさのインプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、摂動インプット無核細胞を、変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントとインキュベートすることであって、変異型Ras抗原をコードする核酸が発現され、それにより、変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、実施形態104に記載の方法。
実施形態108.狭窄部の幅が、インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である、実施形態105~107のいずれか1つに記載の方法。
実施形態109.狭窄部の幅が、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである、実施形態105~108のいずれか1つに記載の方法。
実施形態110.複数のインプット無核細胞を含む細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される、実施形態105~109のいずれか1つに記載の方法。
当業者は、いくつかの実施形態が本発明の範囲内及び精神内で可能であることを認識するであろう。ここで、本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することにより、より詳細に記述されるであろう。以下の実施例は、本発明を更に説明するものであるが、当然のことながら、その範囲をいかなる方法でも制限していると解釈されるべきではない。
実施例1
変異型K-Ras抗原を圧搾負荷した無核細胞小胞が、ヒト抗原提示細胞(APC)によって内在化され得るかを決定するために、健康なヒトドナーからの赤血球を、1つ以上変異型K-Ras抗原の存在下で圧搾処理し、得られた抗原を負荷した無核小胞を、樹状細胞による取り込みについてインビトロで試験した。
変異型K-Ras抗原を圧搾負荷した無核細胞小胞が、ヒト抗原提示細胞(APC)によって内在化され得るかを決定するために、健康なヒトドナーからの赤血球を、1つ以上変異型K-Ras抗原の存在下で圧搾処理し、得られた抗原を負荷した無核小胞を、樹状細胞による取り込みについてインビトロで試験した。
方法
単球由来樹状細胞(MODC)を、CD14+単球からの5日間のGM-CSF/IL-4分化を通してHLAドナーから生成した。これらのMODCは、ヒトAPCのインビトロモデルとして使用することができる(本出願全体を通した本実施例及び他の実施例において)。HLAドナーは、サブグループHLA-A*02、HLA-A*11、HLA-B*07、HLA-C*08を含む任意のサブグループからであり得る。
単球由来樹状細胞(MODC)を、CD14+単球からの5日間のGM-CSF/IL-4分化を通してHLAドナーから生成した。これらのMODCは、ヒトAPCのインビトロモデルとして使用することができる(本出願全体を通した本実施例及び他の実施例において)。HLAドナーは、サブグループHLA-A*02、HLA-A*11、HLA-B*07、HLA-C*08を含む任意のサブグループからであり得る。
PKH26標識AAC-K-Ras(K-Ra 抗原及びアジュバントを含む活性化抗原担体)を、健康なヒトドナーから赤血球(RBC)を採取し、変異型K-Ras抗原及びアジュバントを含む2つの合成ロングペプチド(SLP)でRBCを圧搾処理する前に、親油性蛍光膜色素であるPKH26で標識し、変異型K-Ras抗原及びアジュバント(AAC-K-Ras)を含むPKH26標識無核細胞小胞を形成することによって生成した。2つのSLPは、1つ以上のG12D SLP、1つ以上のG12V SLP、又は少なくとも1つのG12D SLP及び少なくとも1つのG12V SLPから選択される2つ以上のSLPの組み合わせであり得る。アジュバントは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)を含む、当該技術分野で公知のアジュバントであり得る。次いで、ヒトドナーMODCを、PKH26標識AAC-K-Rasと37℃又は4℃で一晩共培養し、FACS緩衝液で3回洗浄した。AAC-K-Ras内在化についてアッセイするのために、MODC試料をフローサイトメトリーを介してアッセイし、MODCに関連するPKH26 蛍光をFlowJoソフトウェアを使用して分析した。
結果
PKH26蛍光(生物学的複製又は三重の平均の平均±標準偏差)は、PKH26標識AAC-K-Rasと37℃及び4℃で共培養したMODCから検出され、ヒトAPCによる圧搾-AAC-K-Rasのインビトロでの取り込みを示す。
PKH26蛍光(生物学的複製又は三重の平均の平均±標準偏差)は、PKH26標識AAC-K-Rasと37℃及び4℃で共培養したMODCから検出され、ヒトAPCによる圧搾-AAC-K-Rasのインビトロでの取り込みを示す。
実施例2
RBCから生成されたAAC-K-Rasの内在化に続いて、抗原提示細胞によって抗原特異的応答が誘導されるかを決定するために、AAC-K-Ras及びMODCとのインビトロでの共培養後の抗原特異的応答性T細胞の活性化を、IFN-γ発現又は分泌アッセイによって測定した。
RBCから生成されたAAC-K-Rasの内在化に続いて、抗原提示細胞によって抗原特異的応答が誘導されるかを決定するために、AAC-K-Ras及びMODCとのインビトロでの共培養後の抗原特異的応答性T細胞の活性化を、IFN-γ発現又は分泌アッセイによって測定した。
方法
AAC-K-Ras機能の読み取りは、AAC-K-Ras、MODC、及び抗原特異的CD8+応答性T細胞のインビトロでの共培養物を含む、馴化培地中のIFN-γ分泌を測定することによって決定することができる。2人の健康なヒトドナーからの赤血球(RBC)を、2つの合成ロングペプチド(SLP)(G12Dからの1つ以上、G12Vからの1つ以上、又はG12D及びG12Vペプチドの組み合わせのいずれか)及びアジュバントポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)の混合物で圧搾処理し、AAC-KRASを生成した。G12D及びG12V SLPは、HLA拘束性エピトープを含み、その提示により、それぞれのK-Ras変異を含む細胞に対する抗原特異的T細胞応答を誘導することができる。AAC-K-Rasの異なるバッチを個別にHLA+MODC及びHLA+拘束性CD8+T細胞と共培養し、IFN-γ発現及び/又は分泌のレベルを、ELISA、ELISPOT、又はフローサイトメトリー系アッセイにより測定することができる。
AAC-K-Ras機能の読み取りは、AAC-K-Ras、MODC、及び抗原特異的CD8+応答性T細胞のインビトロでの共培養物を含む、馴化培地中のIFN-γ分泌を測定することによって決定することができる。2人の健康なヒトドナーからの赤血球(RBC)を、2つの合成ロングペプチド(SLP)(G12Dからの1つ以上、G12Vからの1つ以上、又はG12D及びG12Vペプチドの組み合わせのいずれか)及びアジュバントポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリI:C)の混合物で圧搾処理し、AAC-KRASを生成した。G12D及びG12V SLPは、HLA拘束性エピトープを含み、その提示により、それぞれのK-Ras変異を含む細胞に対する抗原特異的T細胞応答を誘導することができる。AAC-K-Rasの異なるバッチを個別にHLA+MODC及びHLA+拘束性CD8+T細胞と共培養し、IFN-γ発現及び/又は分泌のレベルを、ELISA、ELISPOT、又はフローサイトメトリー系アッセイにより測定することができる。
MODCは、HLAハプロタイプ型の健康なドナーから単離されたCD14+単球を顆粒球マクロファージコロニー刺激因子及びインターロイキン4で5日間刺激することによって生成した。培地(AACを含まない)中のK-Ras変異特異的CD8+T細胞と共培養したMODCを、陰性対照として使用した。AAC-K-Ras依存性活性を周囲の培地の活性と区別するために、AAC-K-Ras流動相を含む溶液を、MODC及びK-Ras変異特異的CD8+T細胞と共培養した。遊離K-Ras変異SLPの存在下でインキュベートし、K-Ras変異特異的CD8+T細胞と共培養したMODCは、陽性対照としての役割を果たす。リポ多糖類(LPS)は、AAC-K-RasのインビトロでのMODC処理を強化するために使用し、対照の目的のために全ての共培養群に適用した。分泌されたIFN-γの量を、ヒトIFN-γ ELISAを使用して決定した。
結果
ドナーRBCから生成されたAAC-K-RasとMODC及び応答体の共培養によって誘導された応答性IFN-γの発現及び/又は分泌の変化は、変異K-Ras最小エピトープを認識するCD8+T細胞から機能的な抗原特異的応答が誘発される、MODCによるHLA拘束性変異K-Rasエピトープの提示をもたらす、ヒト抗原提示細胞(APC)によるAAC-K-Rasのインビトロでの取り込みを実証するために、野生型K-Ras対照、流動相対照、及び未処理対照との共培養からのものと比較した。
ドナーRBCから生成されたAAC-K-RasとMODC及び応答体の共培養によって誘導された応答性IFN-γの発現及び/又は分泌の変化は、変異K-Ras最小エピトープを認識するCD8+T細胞から機能的な抗原特異的応答が誘発される、MODCによるHLA拘束性変異K-Rasエピトープの提示をもたらす、ヒト抗原提示細胞(APC)によるAAC-K-Rasのインビトロでの取り込みを実証するために、野生型K-Ras対照、流動相対照、及び未処理対照との共培養からのものと比較した。
実施例3
AAC-K-Rasとのインキュベーションが、抗原提示細胞のインビトロでの成熟を媒介できるかを決定するために、AAC-K-RasをMODCと共培養し、MODCの成熟マーカーの変化をフローサイトメトリーを使用して評価した。
AAC-K-Rasとのインキュベーションが、抗原提示細胞のインビトロでの成熟を媒介できるかを決定するために、AAC-K-RasをMODCと共培養し、MODCの成熟マーカーの変化をフローサイトメトリーを使用して評価した。
方法
単球由来樹状細胞(MODC)を、CD14+単球の5日間のGM-CSF/IL-4分化を通してHLAドナーから生成した。これらのMODCを、ヒトAPCのインビトロモデルとして使用した。HLAドナーは、サブグループHLA-A*02、HLA-A*11、HLA-B*07、HLA-C*08を含む任意のサブグループからである。
単球由来樹状細胞(MODC)を、CD14+単球の5日間のGM-CSF/IL-4分化を通してHLAドナーから生成した。これらのMODCを、ヒトAPCのインビトロモデルとして使用した。HLAドナーは、サブグループHLA-A*02、HLA-A*11、HLA-B*07、HLA-C*08を含む任意のサブグループからである。
AAC-K-Rasを、3人の健康なヒトドナーからRBCを採取し、2つの合成ロングペプチド(SLP)(1つ以上のG12D SLP、1つ以上のG12V SLP、又は2つ以上のG12D及びG12V SLPの組み合わせのいずれか)及びアジュバントポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリ I:C)の混合物で圧搾処理し、アジュバント及びSLPのそれぞれの混合物を含むAAC-K-Rasを生成することによって生成した。G12D及びG12V SLPは、HLA拘束性エピトープを含み、その提示により、それぞれのK-Ras変異を含む細胞に対する抗原特異的T細胞応答を誘導することができる。AAC-K-Rasの3つのバッチを、個別にHLA+MODCと共培養し、成熟マーカー(CD80、CD86、CD83、MHC-II)の上方制御を、共培養の約46時間後にフローサイトメトリーにより評価した。データは、培地及び空の対照と比較した。
結果
AAC-K-RasをヒトMODC抗原提示細胞(APC)とインキュベーションした後、MODC上の成熟マーカー(CD80、CD86、CD83、MHC-II)のレベルの変化を測定し、それらのうちの1つ以上の上方制御が、それぞれのAAC-K-Rasが、MODCのインビトロでの成熟を媒介できることを示すことができる。
AAC-K-RasをヒトMODC抗原提示細胞(APC)とインキュベーションした後、MODC上の成熟マーカー(CD80、CD86、CD83、MHC-II)のレベルの変化を測定し、それらのうちの1つ以上の上方制御が、それぞれのAAC-K-Rasが、MODCのインビトロでの成熟を媒介できることを示すことができる。
実施例4
変異K-Ras-G12D抗原で圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞を活性化できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D抗原で圧搾処理し、G12D抗原を圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12D特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
変異K-Ras-G12D抗原で圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞を活性化できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D抗原で圧搾処理し、G12D抗原を圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12D特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
方法
ヒトドナーRBCを単離した。細胞を、RPMI中の100μMの合成ロングペプチド(G12D)又はビヒクル(DMSO)対照を用いて、60psiで2×109RBC/mLの密度でマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
ヒトドナーRBCを単離した。細胞を、RPMI中の100μMの合成ロングペプチド(G12D)又はビヒクル(DMSO)対照を用いて、60psiで2×109RBC/mLの密度でマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
次いで、G12D抗原及びアジュバント(AAC)を含む圧搾処理したRBCを、ELISPOTプレート上でAPC及びK-Ras G12D応答性T細胞とインキュベートした。G12D抗原を含むAACの任意の内在化の後、K-Ras G12D応答性T細胞に対するHLA拘束性G12Dエピトープを提示するAPCの効果は、ELISPOTアッセイによって測定することができる。陽性対照として、最小エピトープを含むK-Ras G12Dペプチドを、ELISPOTプレート中の未処理のMODC及び応答性細胞に直接追加した。プレートを37℃で一晩インキュベートし、製造元の指示に従って展開/定量した。
結果
G12D抗原を圧搾負荷したAAC、及びG12D特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、その上方制御は、G12D抗原を圧搾負荷したAACがAPC によって内在化され、その後抗原特異的T細胞応答の活性化を媒介することを示す。
G12D抗原を圧搾負荷したAAC、及びG12D特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、その上方制御は、G12D抗原を圧搾負荷したAACがAPC によって内在化され、その後抗原特異的T細胞応答の活性化を媒介することを示す。
実施例5
変異K-Ras抗原で圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞を活性化できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D抗原で圧搾処理し、G12D抗原を圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12D特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
変異K-Ras抗原で圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞を活性化できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D抗原で圧搾処理し、G12D抗原を圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12D特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
方法
ヒトドナーRBCを単離し、RPMI中の100μMの合成ロングペプチド(野生型K-Ras又はK-Ras G12D)又はビヒクル(DMSO)対照を用いて、60 psiでマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。次いで、アジュバント及びWT K-Ras又はG12D抗原(AAC)のいずれかを含む圧搾処理したRBCを、ELISPOTプレート上でAPC及びK-Ras G12D応答性T細胞とインキュベートした。WT K-Ras又はG12D抗原を含むAACの任意の内在化の後、K-Ras G12D応答性T細胞に対するHLA拘束性WT K-Ras又はG12Dエピトープを提示するAPCの効果は、ELISPOTアッセイによって測定することができる。対照として、最小エピトープのWT又はG12Dバージョンのいずれかを含むペプチドを、ELISPOTプレート中の未処理のMODC及び応答性細胞に直接追加した。プレートを37℃で一晩インキュベートし、製造元の指示に従って展開/定量した。
ヒトドナーRBCを単離し、RPMI中の100μMの合成ロングペプチド(野生型K-Ras又はK-Ras G12D)又はビヒクル(DMSO)対照を用いて、60 psiでマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。次いで、アジュバント及びWT K-Ras又はG12D抗原(AAC)のいずれかを含む圧搾処理したRBCを、ELISPOTプレート上でAPC及びK-Ras G12D応答性T細胞とインキュベートした。WT K-Ras又はG12D抗原を含むAACの任意の内在化の後、K-Ras G12D応答性T細胞に対するHLA拘束性WT K-Ras又はG12Dエピトープを提示するAPCの効果は、ELISPOTアッセイによって測定することができる。対照として、最小エピトープのWT又はG12Dバージョンのいずれかを含むペプチドを、ELISPOTプレート中の未処理のMODC及び応答性細胞に直接追加した。プレートを37℃で一晩インキュベートし、製造元の指示に従って展開/定量した。
結果
G12D抗原を圧搾負荷したAAC、及びG12D特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、その上方制御は、G12D抗原を圧搾負荷したAACがAPCによって内在化され、その後抗原特異的T細胞応答の活性化を媒介することを示す。更に、G12Dを圧搾負荷したAACによって媒介されたIFN-γを発現するT細胞の量の上方制御は、野生型K-Ras抗原を圧搾負荷したAACによる同等の効果の欠如とは対照的に、抗原特異的T細胞応答の活性化が変異特異的であることを更に示すことができる。
G12D抗原を圧搾負荷したAAC、及びG12D特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、その上方制御は、G12D抗原を圧搾負荷したAACがAPCによって内在化され、その後抗原特異的T細胞応答の活性化を媒介することを示す。更に、G12Dを圧搾負荷したAACによって媒介されたIFN-γを発現するT細胞の量の上方制御は、野生型K-Ras抗原を圧搾負荷したAACによる同等の効果の欠如とは対照的に、抗原特異的T細胞応答の活性化が変異特異的であることを更に示すことができる。
実施例6
変異K-Ras-G12V抗原で圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞を活性化できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12V抗原で圧搾処理し、G12V抗原を圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12V特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
変異K-Ras-G12V抗原で圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞を活性化できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12V抗原で圧搾処理し、G12V抗原を圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12V特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
方法
ヒトドナーRBCを単離した。細胞を、RPMI中の100μMの合成ロングペプチド(G12V)又はビヒクル(DMSO)対照を用いて、60psiで2×109RBC/mLの密度でマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
ヒトドナーRBCを単離した。細胞を、RPMI中の100μMの合成ロングペプチド(G12V)又はビヒクル(DMSO)対照を用いて、60psiで2×109RBC/mLの密度でマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
次いで、G12V抗原及びアジュバント(AAC)を含む圧搾処理したRBCを、ELISPOTプレート上でAPC及びK-Ras G12V応答性T細胞とインキュベートした。G12V抗原を含むAACの任意の内在化の後、K-Ras G12V応答性T細胞に対するHLA拘束性G12Vエピトープを提示するAPCの効果は、ELISPOTアッセイによって測定することができる。陽性対照として、最小エピトープを含むK-Ras G12Vペプチドを、ELISPOTプレート中の未処理のMODC及び応答性細胞に直接追加した。プレートを37℃で一晩インキュベートし、製造元の指示に従って展開/定量した。
結果
G12V抗原を圧搾負荷したAAC、続いてG12V特異的応答性細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、その上方制御は、G12V抗原を圧搾負荷したAACがAPC によって内在化され、その後抗原特異的T細胞応答の活性化を媒介することを示す。
G12V抗原を圧搾負荷したAAC、続いてG12V特異的応答性細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、その上方制御は、G12V抗原を圧搾負荷したAACがAPC によって内在化され、その後抗原特異的T細胞応答の活性化を媒介することを示す。
実施例7
G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞の活性化を媒介できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理し、G12D及びG12V抗原の組み合わせを圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12D特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞の活性化を媒介できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理し、G12D及びG12V抗原の組み合わせを圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12D特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOT、ELISA、又はフローサイトメトリー系アッセイによって測定され得る。
方法
ヒトドナーRBCを単離し、RPMI中の単一のG12D合成ロングペプチド(SLP)、1つのG12D SLP及び1つのG12V SLPの組み合わせ、又はビヒクル(DMSO)対照のいずれかを用いて、60 psiでマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
ヒトドナーRBCを単離し、RPMI中の単一のG12D合成ロングペプチド(SLP)、1つのG12D SLP及び1つのG12V SLPの組み合わせ、又はビヒクル(DMSO)対照のいずれかを用いて、60 psiでマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
次いで、それぞれの抗原を含む圧搾処理したRBC(AAC)を、ELISPOTプレート上でAPC及びK-Ras G12D応答性T細胞とインキュベートした。G12D抗原を含むAACの任意の内在化の後、K-Ras G12D応答性T細胞に対するHLA拘束性G12Dエピトープを提示するAPCの効果は、ELISPOTアッセイによって測定することができる。陽性対照として、最小エピトープを含むK-Ras G12Dペプチドを、ELISPOTプレート中の未処理のMODC及び応答性細胞に直接追加した。プレートを37℃で一晩インキュベートし、製造元の指示に従って展開/定量した。
結果
AAC(G12D抗原又はG12D及びG12V抗原の組み合わせのいずれかを圧搾負荷した)、及びG12D特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、いずれかのAAC試料と接触したAPCによって誘導された同等の上方制御は、K-Ras-G12変異SLPの組み合わせで圧搾処理したRBCが、G12Dのみ圧搾処理したRBCと同程度に、インビトロでG12D応答性T細胞を活性化できること、及びG12D SLPを含むAACにG12V SLPペイロードを追加しても、G12D SLPを含む AACによって媒介されるG12D特異的T細胞の応答に大きな変化が生じないことを示す。
AAC(G12D抗原又はG12D及びG12V抗原の組み合わせのいずれかを圧搾負荷した)、及びG12D特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、いずれかのAAC試料と接触したAPCによって誘導された同等の上方制御は、K-Ras-G12変異SLPの組み合わせで圧搾処理したRBCが、G12Dのみ圧搾処理したRBCと同程度に、インビトロでG12D応答性T細胞を活性化できること、及びG12D SLPを含むAACにG12V SLPペイロードを追加しても、G12D SLPを含む AACによって媒介されるG12D特異的T細胞の応答に大きな変化が生じないことを示す。
実施例8
G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞の活性化を媒介できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理し、G12D及びG12V抗原の組み合わせを圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12V特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOTアッセイによって測定され得る。
G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理したヒトRBCが、インビトロで抗原特異的応答性T細胞の活性化を媒介できるかを決定するために、ヒトRBCを、G12D及びG12V抗原の組み合わせで圧搾処理し、G12D及びG12V抗原の組み合わせを圧搾負荷したRBCと接触させたAPCと共培養した後のG12V特異的応答性T細胞の活性(例えば、IFN-γの発現及び/又は分泌)が、ELISPOTアッセイによって測定され得る。
方法
ヒトドナーRBCを単離し、RPMI中の単一のG12V合成ロングペプチド(SLP)、1つのG12D SLP及び1つのG12V SLPの組み合わせ、又はビヒクル(DMSO)対照のいずれかを用いて、60 psiでマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
ヒトドナーRBCを単離し、RPMI中の単一のG12V合成ロングペプチド(SLP)、1つのG12D SLP及び1つのG12V SLPの組み合わせ、又はビヒクル(DMSO)対照のいずれかを用いて、60 psiでマイクロ流体チップを介して、室温で圧搾処理した。圧搾処理後、RBCを遠心分離し、上清を廃棄した。細胞を、R10培地で1回、次いでCTL培地(1%グルタミンを補充)で2回洗浄した後、CTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。
次いで、それぞれの抗原を含む圧搾処理したRBC(AAC)を、ELISPOTプレート上でAPC及びK-Ras G12V応答性T細胞とインキュベートした。G12V抗原を含むAACの任意の内在化の後、K-Ras G12V応答性T細胞に対するHLA拘束性G12Vエピトープを提示するAPCの効果は、ELISPOTアッセイによって測定することができる。陽性対照として、最小エピトープを含むK-Ras G12Vペプチドを、ELISPOTプレート中の未処理のMODC及び応答性細胞に直接追加した。プレートを37℃で一晩インキュベートし、製造元の指示に従って展開/定量した。
結果
AAC(G12V抗原又はG12D及びG12V抗原の組み合わせのいずれかを圧搾負荷した)、及びG12V特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、いずれかのAAC試料と接触したAPCによって誘導された同等の上方制御は、K-Ras-G12変異SLPの組み合わせで圧搾処理したRBCが、G12Vのみ圧搾処理したRBCと同程度に、インビトロでG12V応答性T細胞を活性化できること、及びG12D SLPを含むAACにG12V SLPペイロードを追加しても、G12V SLPを含むAACによって媒介されるG12V特異的T細胞の応答に大きな変化が生じないことを示す。
AAC(G12V抗原又はG12D及びG12V抗原の組み合わせのいずれかを圧搾負荷した)、及びG12V特異的応答性T細胞とAPCをインキュベーションした後、IFN-γを発現するT細胞の量を、ELISPOTアッセイによって測定し、いずれかのAAC試料と接触したAPCによって誘導された同等の上方制御は、K-Ras-G12変異SLPの組み合わせで圧搾処理したRBCが、G12Vのみ圧搾処理したRBCと同程度に、インビトロでG12V応答性T細胞を活性化できること、及びG12D SLPを含むAACにG12V SLPペイロードを追加しても、G12V SLPを含むAACによって媒介されるG12V特異的T細胞の応答に大きな変化が生じないことを示す。
実施例9
ヒトRBCにK-Ras合成長ペプチドを圧搾負荷できるかを決定するために、ヒトRBCを、FAMで標識したK-Ras G12V1-16SLPで圧搾処理した。次いで、圧搾負荷したRBC(AAC)を、FAM蛍光についてフローサイトメトリーを使用して分析した。
ヒトRBCにK-Ras合成長ペプチドを圧搾負荷できるかを決定するために、ヒトRBCを、FAMで標識したK-Ras G12V1-16SLPで圧搾処理した。次いで、圧搾負荷したRBC(AAC)を、FAM蛍光についてフローサイトメトリーを使用して分析した。
方法
ヒトRBCを単離し、室温(RT)、37℃、又は氷で少なくとも15分間、RPMI中で合成ロングペプチドとインキュベートした。次いで、RBCを、100μMのFAM標識K-Ras G12V1-16の存在下、60psiで、幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μmのマイクロ流体狭窄部を通して、2×109細胞/mLの密度で圧搾処理した。細胞を、DMSOを補充したRPMIに再懸濁して、最終濃度5%にした。圧搾処理した後、RBCを、同じ温度(RT、37℃、氷のそれぞれ)で20分間保持し、PBSで5回洗浄し、AACを濃縮し(遠心分離して、形成されるペレットの上部の明るい色の層を収集することにより)、次いで、PBSで再懸濁した。得られたAACもアネキシンVで染色した(データは示さず)。次いで、FAM標識SLPを含むAACを、フローサイトメトリーを使用して分析し、FAM+事象を記録した。
ヒトRBCを単離し、室温(RT)、37℃、又は氷で少なくとも15分間、RPMI中で合成ロングペプチドとインキュベートした。次いで、RBCを、100μMのFAM標識K-Ras G12V1-16の存在下、60psiで、幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μmのマイクロ流体狭窄部を通して、2×109細胞/mLの密度で圧搾処理した。細胞を、DMSOを補充したRPMIに再懸濁して、最終濃度5%にした。圧搾処理した後、RBCを、同じ温度(RT、37℃、氷のそれぞれ)で20分間保持し、PBSで5回洗浄し、AACを濃縮し(遠心分離して、形成されるペレットの上部の明るい色の層を収集することにより)、次いで、PBSで再懸濁した。得られたAACもアネキシンVで染色した(データは示さず)。次いで、FAM標識SLPを含むAACを、フローサイトメトリーを使用して分析し、FAM+事象を記録した。
結果
図1に示すように、FAM標識蛍光の増加は、ヒトAACにG12V1-16 SLPを負荷できることを示す。加えて、圧搾媒介負荷は、RT(25℃)、37℃、氷上(4℃)を含む、試験した全ての圧搾/保持温度にわたって有効であった。
図1に示すように、FAM標識蛍光の増加は、ヒトAACにG12V1-16 SLPを負荷できることを示す。加えて、圧搾媒介負荷は、RT(25℃)、37℃、氷上(4℃)を含む、試験した全ての圧搾/保持温度にわたって有効であった。
実施例10
ヒトRBCにK-Ras合成長ペプチドを圧搾負荷できるかを決定するために、ヒトRBCを、FAM標識K-Ras G12D1-16 、又はK-Ras G12D2-19 SLPの存在下で圧搾処理した。次いで、AACを、FAM+事象に対してフローサイトメトリーを使用して分析した。
ヒトRBCにK-Ras合成長ペプチドを圧搾負荷できるかを決定するために、ヒトRBCを、FAM標識K-Ras G12D1-16 、又はK-Ras G12D2-19 SLPの存在下で圧搾処理した。次いで、AACを、FAM+事象に対してフローサイトメトリーを使用して分析した。
方法
ヒトRBCを単離し、100μMのFAM標識K-Ras G12D1-16、又はK-Ras-G12D2-19の存在下、60psiで、幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μmのマイクロ流体狭窄部を通して、2×109細胞/mLの密度で圧搾処理した。細胞を、DMSOを補充したRPMIに再懸濁して、最終濃度5%にした。圧搾処理した後、試料を、室温で20分間インキュベートし、PBSで5回洗浄し、AACを濃縮し(遠心分離して、形成されるペレットの上部の明るい色の層を収集することにより)、次いで、PBSで再懸濁した。次いで、FAM標識SLPを含むAACを、フローサイトメトリーを使用して分析し、FAM+事象を記録した。
ヒトRBCを単離し、100μMのFAM標識K-Ras G12D1-16、又はK-Ras-G12D2-19の存在下、60psiで、幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μmのマイクロ流体狭窄部を通して、2×109細胞/mLの密度で圧搾処理した。細胞を、DMSOを補充したRPMIに再懸濁して、最終濃度5%にした。圧搾処理した後、試料を、室温で20分間インキュベートし、PBSで5回洗浄し、AACを濃縮し(遠心分離して、形成されるペレットの上部の明るい色の層を収集することにより)、次いで、PBSで再懸濁した。次いで、FAM標識SLPを含むAACを、フローサイトメトリーを使用して分析し、FAM+事象を記録した。
結果
図2に示すように、FAM標識蛍光の増加は、ヒトAACがG12D1-16、又はG12D2-19 SLPの両方で効率的に負荷され、AACの少なくとも40%に送達されることを示す。
図2に示すように、FAM標識蛍光の増加は、ヒトAACがG12D1-16、又はG12D2-19 SLPの両方で効率的に負荷され、AACの少なくとも40%に送達されることを示す。
実施例11
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発におけるブーストワクチン接種としての抗原担体(AC)及びアジュバントの共投与の有効性を決定するために、マウスRBCを、G12V抗原で圧搾処理し、様々なブーストスケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスにポリI:Cを共投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発におけるブーストワクチン接種としての抗原担体(AC)及びアジュバントの共投与の有効性を決定するために、マウスRBCを、G12V抗原で圧搾処理し、様々なブーストスケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスにポリI:Cを共投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
方法
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、RPMI中の200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16SLP)の存在下、50psiで、1×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で40分間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)のいずれかに再懸濁した。G12V1-16 SLP(抗原担体ACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCは、AC内のゴースト集団に対して濃縮(例えば、物理的な分離を通して)した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAC集団(事前濃縮AC、濃縮AC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、RPMI中の200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16SLP)の存在下、50psiで、1×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で40分間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)のいずれかに再懸濁した。G12V1-16 SLP(抗原担体ACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCは、AC内のゴースト集団に対して濃縮(例えば、物理的な分離を通して)した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAC集団(事前濃縮AC、濃縮AC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
K-Rasショートペプチド(G12V7-16)/HBVコアペプチド/IFAを含むエマルジョン(Wang et al.,Cancer Immunol Res. 2016 Mar;4(3):204-14を参照されたい)を、プライムワクチン接種として投与し(KRas/HBV/IFA;IFAプライム)、その後、追加のKRas/HBV/IFAエマルジョン(IFAブースト)、又はACG12V1-16(2億5000万個のAC)+1mg/mLのポリI:C(AC/ポリI:Cブースト)を、図3A及び図3Bに示される投薬群及びスケジュールに従って、HLA-A*11トランスジェニックマウスにブーストワクチン接種として後眼窩(RO)に投与した。PBS投与を対照として使用した。
記載した投薬スケジュールの最後に(テイクダウン)、脾臓及び/又は流入領域リンパ節を、治療又は対照マウスから採取し、脾細胞又はリンパ節由来細胞を、図3Cに示すように、1μMのG12V7-16K-Rasペプチド又は関連性のない対照ペプチド(MART1)のスパイクで処理し、直ちにIFN-γELISPOTアッセイに供されるか(テイクダウン)、又は6日間のインビトロ増殖後にIFN-γELISPOTアッセイに供された。
結果
図3Dに示すように、圧搾処理した後のゴースト集団は、RBCを14日目の投与についてACを生成するために圧搾処理した後は64~73%、RBCを16日目の投与についてACを生成するために圧搾処理した後は61~76%の範囲であり、赤血球を圧搾処理した後に、ゴースト集団の一貫した生成を示している。また、図3Eに示すように、圧搾処理から生成されたACの収率は、14日目の投与(18%)及び16日目の投与(29%)について生成されたACにおいて同等であった。加えて、圧搾処理したRBCの高い割合は、アネキシンV染色によってアッセイしたように、細胞表面ホスファチジルセリンを示した(濃縮ACの93%、又は濃縮ACのゴースト集団内の96%;それぞれ、図3Fの左パネル及び右パネル)。
図3Dに示すように、圧搾処理した後のゴースト集団は、RBCを14日目の投与についてACを生成するために圧搾処理した後は64~73%、RBCを16日目の投与についてACを生成するために圧搾処理した後は61~76%の範囲であり、赤血球を圧搾処理した後に、ゴースト集団の一貫した生成を示している。また、図3Eに示すように、圧搾処理から生成されたACの収率は、14日目の投与(18%)及び16日目の投与(29%)について生成されたACにおいて同等であった。加えて、圧搾処理したRBCの高い割合は、アネキシンV染色によってアッセイしたように、細胞表面ホスファチジルセリンを示した(濃縮ACの93%、又は濃縮ACのゴースト集団内の96%;それぞれ、図3Fの左パネル及び右パネル)。
図3Gに示すように、ブーストワクチン接種(IFAブースト)としてのKRas/HBV/IFAの使用は、投薬スケジュールの最後(テイクダウン)にIFN-γ ELISPOTアッセイによって試験したように、抗原特異的T細胞応答をわずかに増加させるだけであった。図3Hに示すように、K-Ras G12Vペプチドスパイク後の6日間のインビトロ増殖で、ブーストワクチン接種としてのACG12V1-16/ポリI:Cの使用は、IFN-γ ELISPOTアッセイによって試験したように、抗原特異的T細胞応答の同等又はわずかな増加をもたらした。
実施例12
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発における抗原担体(AC)及びアジュバントの共投与の有効性を決定し、投薬スケジュールを最適化するために、マウスRBCを、G12V抗原で圧搾処理し、様々な投薬スケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスにポリI:Cを共投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発における抗原担体(AC)及びアジュバントの共投与の有効性を決定し、投薬スケジュールを最適化するために、マウスRBCを、G12V抗原で圧搾処理し、様々な投薬スケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスにポリI:Cを共投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
方法
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、RPMI中の200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16SLP)の存在下、50psi又は70psiで、1×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で40分間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。G12V1-16 SLP(ACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCは、AC内のゴースト集団に対して濃縮(例えば、物理的な分離を通して)した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAC集団(事前濃縮AC、濃縮AC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、RPMI中の200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16SLP)の存在下、50psi又は70psiで、1×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で40分間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。G12V1-16 SLP(ACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCは、AC内のゴースト集団に対して濃縮(例えば、物理的な分離を通して)した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAC集団(事前濃縮AC、濃縮AC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
続いて、ACG12V1-16(2億5000万個のAC)+1mg/mLのポリI:C、又はPBS(対照)を、図4Aに示す投薬スケジュールに従って、HLA-A*11トランスジェニックマウスに後眼窩(RO)に投与した。
群A:-2日目、0日目、7日目、14日目のPBS(対照)。
群B:250MのACG12V1-16+ポリI:Cを5日目及び14日目に投与(P/-/B)
群C:250MのACG12V1-16+ポリI:Cを-2日目、0日目、7日目、及び14日目に投与(P/B/B/B)
群D:250MのACG12V1-16を-2日目、0日目、及び14日目に投与(P/B/-/B)
記載した投薬スケジュールの最後に(テイクダウン)、脾臓及び/又は流入領域リンパ節を、治療又は対照マウスから採取し、脾細胞又はリンパ節由来細胞を、図3Cに示すように、1μMのG12V7-16K-Rasペプチド又は関連性のない対照ペプチド(MART1)でのスパイクにより処理し、直ちにIFN-γELISPOTアッセイに供されるか(テイクダウン)、又は6日間のインビトロ増殖後にIFN-γELISPOTアッセイに供された。
結果
図4Bに示すように、圧搾処理した後のゴースト集団は、RBCを-2日目、0日目、及び7日目の投与についてACを生成するために圧搾処理(50psiで圧搾処理)した後は17~68%、RBCを14日目の投与についてACを生成するために圧搾処理(70psiで圧搾処理)した後は86~94%の範囲であった。また、図4Cに示すように、圧搾処理から生成されたACの回収率は、-2日目、0日目、5日目、及び7日目の投与で生成されたACにおいては同等であったが(5%~26%、50psiで圧搾処理)、回収率は、16目の投与で生成されたACの方が高かった(33%、70psiで圧搾処理)。
図4Bに示すように、圧搾処理した後のゴースト集団は、RBCを-2日目、0日目、及び7日目の投与についてACを生成するために圧搾処理(50psiで圧搾処理)した後は17~68%、RBCを14日目の投与についてACを生成するために圧搾処理(70psiで圧搾処理)した後は86~94%の範囲であった。また、図4Cに示すように、圧搾処理から生成されたACの回収率は、-2日目、0日目、5日目、及び7日目の投与で生成されたACにおいては同等であったが(5%~26%、50psiで圧搾処理)、回収率は、16目の投与で生成されたACの方が高かった(33%、70psiで圧搾処理)。
図4D、4E、4F、及び4Gに示すように、ACG12V1-16/ポリI:Cの投与は、IFN-γ ELISPOTアッセイによって試験したように、抗原特異的T細胞応答の増加をもたらした。特に、P/B/B/Bスケジュールに従って投与したACG12V1-16/ポリI:Cは、テイクダウン時(平均約300SFU/1e6細胞、図4D)及びインビトロ増殖後(平均約51000SFU/1e6細胞、図4F)の両方でIFN-γ ELISPOTアッセイによって試験したように、抗原特異的T細胞応答を強く誘発した。対照的に、P/--/Bスケジュール及びP/B/--/Bスケジュールに従って投与したACG12V1-16/ポリI:Cは、テイクダウン時及びインビトロ増殖後に中程度に活性化された応答をもたらした(約19000~22000SFU/1e6細胞)。
実施例13
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発において、抗原及びアジュバントを含む抗原担体(AAC)の、抗原担体(AC)とアジュバントとの共投与に対する活性化の有効性を決定するために、マウスRBCを、ポリI:Cを含むか又は含まないG12V抗原で圧搾処理し(ポリI:Cの共注入を含むか又は含まない)、様々な投与スケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスに投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発において、抗原及びアジュバントを含む抗原担体(AAC)の、抗原担体(AC)とアジュバントとの共投与に対する活性化の有効性を決定するために、マウスRBCを、ポリI:Cを含むか又は含まないG12V抗原で圧搾処理し(ポリI:Cの共注入を含むか又は含まない)、様々な投与スケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスに投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
方法
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、(1)200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16 SLP)、又は(2)200μMのG12V1-16SLP及び1mg/mLのポリI:Cの存在下、70psiで、2×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で40分間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)のいずれかに再懸濁した。G12V1-16SLP(ACG12V1-16)を含む、又はG12V1-16SLP及びポリI:C(AACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCを、AC又はAAC内のゴースト集団について(例えば、物理的な分離を通して)濃縮した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAC又はAAC集団(事前濃縮AC又はAAC、濃縮AAC又はAAC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、(1)200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16 SLP)、又は(2)200μMのG12V1-16SLP及び1mg/mLのポリI:Cの存在下、70psiで、2×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で40分間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)のいずれかに再懸濁した。G12V1-16SLP(ACG12V1-16)を含む、又はG12V1-16SLP及びポリI:C(AACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCを、AC又はAAC内のゴースト集団について(例えば、物理的な分離を通して)濃縮した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAC又はAAC集団(事前濃縮AC又はAAC、濃縮AAC又はAAC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
続いて、ACG12V1-16(2億5000万個のAC)及び1mg/mLのポリI:Cの共投与、又はAACG12V1-16(2億5000万個のAAC)、又はPBS(対照)の投与を、図5Aに示す投薬スケジュールに従って、HLA-A*11トランスジェニックマウスに後眼窩(RO)に投与した。
群A:-2日目、0日目、7日目、14日目のPBS(対照)。
群B:250MのACG12V1-16+ポリI:Cを12日目及び14日目に投与(P/-/B)
群C:250MのACG12V1-16+ポリI:Cを5日目、7日目、及び14日目に投与(P/B/B)
群D:250MのAACG12V1-16(G12V1-16及びポリI:Cを共圧搾することによって生成)を5日目、7日目、及び14日目に投与(P/B/B共圧搾pIC)
群E:250MのACG12V1-16+ポリI:Cを-2日目、0日目、7日目、及び14日目に投与(P/B/B)
群F:250MのACG12V1-16+ポリI:Cを14日目に投与(P)
記載した投薬スケジュールの最後に(テイクダウン)、脾臓及び/又は流入領域リンパ節を、治療又は対照マウスから採取し、脾細胞又はリンパ節由来細胞を、前に図3Cに示すように、1μMのG12V7-16K-Rasペプチド又は関連性のない対照ペプチド(MART1)のスパイクで処理し、直ちにIFN-γELISPOTアッセイに供されるか(テイクダウン)、又は6日間のインビトロ増殖後にIFN-γELISPOTアッセイに供された。
結果
図5Bに示すように、圧搾処理した後のゴースト集団は、RBCを-2日目、0日目、5日目、7日目、12日目、及び14日目の投与についてAC又はAACを生成するために圧搾処理した後は68~94%の範囲であり、赤血球を圧搾処理した後に、高い割合のゴースト集団の一貫した生成を示している。また、図5Cに示すように、圧搾処理からの回収率は、-2日目、0日目、5日目、7日目、12日目の投与について生成されたAC及びAACにおいて同等であり(約20%~40%、50psiで圧搾)、14日目の投与について生成されたAC及びAACでは更に上昇した(約60%、70psiで圧搾)。
図5Bに示すように、圧搾処理した後のゴースト集団は、RBCを-2日目、0日目、5日目、7日目、12日目、及び14日目の投与についてAC又はAACを生成するために圧搾処理した後は68~94%の範囲であり、赤血球を圧搾処理した後に、高い割合のゴースト集団の一貫した生成を示している。また、図5Cに示すように、圧搾処理からの回収率は、-2日目、0日目、5日目、7日目、12日目の投与について生成されたAC及びAACにおいて同等であり(約20%~40%、50psiで圧搾)、14日目の投与について生成されたAC及びAACでは更に上昇した(約60%、70psiで圧搾)。
図5D及び5Eに示すように、P/B/B群(250MのACG12V1-16+ポリI:Cを5日目、7日目、及び14日目に共投与)は、テイクダウン時及び増殖後のそれぞれでP/B/B共圧搾pIC(250MのAACG12V1-16を5日目、7日目、14日目に投与)よりも約2倍及び約3.5倍高い数を伴って、テイクダウン時及びインビトロ増殖後の両方で全ての群の中で最も高いELISPOTのスポット数を示した。プライムのみの群P(250MのACG12V1-16+ポリI:Cを14日目に共投与)では、ELISPOTのスポット数によりアッセイした場合に、インビトロでの増殖後にプライムのみの群からのみ有意な応答が観察された。
実施例14
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発における抗原及びアジュバントの両方を含む抗原担体(AAC)の活性化の有効性を決定し、投薬スケジュールを最適化するために、マウスRBCを、G12V抗原及びポリI:Cで圧搾処理し、様々な投与スケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスに投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
インビボでの抗原特異的応答性T細胞の誘発における抗原及びアジュバントの両方を含む抗原担体(AAC)の活性化の有効性を決定し、投薬スケジュールを最適化するために、マウスRBCを、G12V抗原及びポリI:Cで圧搾処理し、様々な投与スケジュールでHLA-A*11トランスジェニックマウスに投与した。G12V抗原による刺激後の免疫化マウスから採取した特異的応答性細胞の活性(例えば、IFN-γ発現及び/又は分泌)を、ELISPOTにより測定した。
方法
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、RPMI中の200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16SLP)及びダルトンポリI:Cの存在下、70psiで、2×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で1時間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。G12V1-16SLP及びポリI:C(AACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCは、AAC内のゴースト集団に対して濃縮(例えば、物理的な分離によって)した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAAC集団(事前濃縮AAC、濃縮AAC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
マウスドナーRBCを単離した。RBCを、RPMI中の200μMの合成ロングペプチド(G12V1-16SLP)及びダルトンポリI:Cの存在下、70psiで、2×109RBC/mLの密度で、マイクロ流体チップ(幅2.2μm、長さ10μm、深さ70μm)を通して、室温で圧搾処理した。未処理のRBCも対照として使用した(接触なし)。圧搾処理した後、処理したRBCを、室温で1時間静置し、次いで、遠心分離(8000xg)して、PBSで洗浄した後、PBS又はCTL培地(1%グルタミンを補充)に再懸濁した。G12V1-16SLP及びポリI:C(AACG12V1-16)を含む圧搾処理したRBCは、AAC内のゴースト集団に対して濃縮(例えば、物理的な分離によって)した(濃縮)。対照RBC(接触なし)及びAAC集団(事前濃縮AAC、濃縮AAC)を、細胞表面ホスファチジルセリンについて分析した(アネキシンV染色)。
続いて、AACG12V1-16(2億5000万、5億、又は10億個のAAC)、又はPBS(対照)を、図6Aに示す投薬スケジュールに従って、HLA-A*11トランスジェニックマウスに後眼窩(RO)に投与した。
群A:-2日目、0日目、5日目、7日目のPBS(対照)。
群B:250MのAACG12V1-16を-2日目、0日目、7日目に投与(250MのP/B/B)
群C:250MのAACG12V1-16を0日目、及び7日目に投与(250MのP/B 0、7日目)
群D:250MのAACG12V1-16を5日目、及び7日目に投与(250MのP/B 5、7日目)
群E:250MのAACG12V1-16を7日目に投与(250MのP 7日目)
群F:500MのAACG12V1-16を7日目に投与(500MのP 7日目)
群F:1BのAACG12V1-16を7日目に投与(1BのP 7日目)
記載した投薬スケジュールの最後に(テイクダウン)、脾臓及び/又は流入領域リンパ節を、治療又は対照マウスから採取し、脾細胞又はリンパ節由来細胞を、1μMのG12V7-16K-Rasペプチド又は関連性のない対照ペプチド(MART1)のスパイクで処理し、IFN-γ ELISPOTアッセイに供された(テイクダウン)。
結果
図6Bは、RBCを、-2日目、0日目、5日目、及び7日目に70psiで圧搾処理した後、高い比率のゴースト集団の一貫した生成を示した。また、図6Cに示すように、圧搾処理から生成されたAACの回収率は、-2日目、0日目、5日目、7日目、12日目の投与について生成されたAACにおいて同等であった(約20%~40%の範囲)。
図6Bは、RBCを、-2日目、0日目、5日目、及び7日目に70psiで圧搾処理した後、高い比率のゴースト集団の一貫した生成を示した。また、図6Cに示すように、圧搾処理から生成されたAACの回収率は、-2日目、0日目、5日目、7日目、12日目の投与について生成されたAACにおいて同等であった(約20%~40%の範囲)。
Claims (110)
- 個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫応答を刺激するための方法であって、前記方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、前記変異型Ras抗原が、細胞内で前記無核細胞由来小胞に送達される、方法。
- 個体において腫瘍成長を低減させるための方法であって、前記方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、前記無核細胞が、変異型Ras抗原を含み、前記変異型Ras抗原が、細胞内で前記無核細胞由来小胞に送達される、方法。
- ワクチン接種を必要とする個体にそれを実施するための方法であって、前記方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、前記無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、前記変異型Ras抗原が、細胞内で前記無核細胞由来小胞に送達される、方法。
- 前記個体が、がんを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 個体においてがんを治療するための方法であって、前記方法が、有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物を個体に投与することを含み、前記無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、前記変異型Ras抗原が、細胞内で前記無核細胞由来小胞に送達される、方法。
- 前記がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである、請求項4又は5に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、変異型K-Ras抗原、変異型H-Ras抗原、又は変異型N-Ras抗原である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、変異型K-Ras4A抗原又は変異型K-Ras4B抗原である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する単一のポリペプチドである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープ及び1つ以上の異種性ペプチド配列を含むポリペプチドである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
- 前記無核細胞が、アジュバントを更に含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組成物が、アジュバントと併せて投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、請求項22又は23に記載の方法。
- 前記アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及びアジュバントを含む前記無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及びアジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及びアジュバントが前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及びアジュバントとインキュベートし、それにより、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。 - 前記変異型Ras抗原を含む前記無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸が前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸とインキュベートすることであって、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸が発現され、それにより、前記変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。 - 前記変異型Ras抗原及びアジュバントを含む前記無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原をコードする核酸及びアジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸及び前記アジュバントが前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸及び前記アジュバントとインキュベートすることであって、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸が発現され、それにより、前記変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。 - 前記狭窄部の幅が、前記インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
- 前記狭窄部の前記幅が、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
- 前記複数のインプット無核細胞を含む前記細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、前記複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
- 前記無核細胞が、赤血球又は血小板である、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
- 前記無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
- 前記無核細胞由来小胞を含む前記組成物が、複数回投与される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組成物が、静脈内に投与される、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
- 前記個体が、ヒトである、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組成物が、別の療法の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
- 前記別の療法が、免疫腫瘍療法で使用される、化学療法、放射線療法、抗体、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、又は二重特異性ポリペプチドである、請求項37に記載の方法。
- 無核細胞由来小胞を含む組成物であって、前記無核細胞由来小胞が、変異型Ras抗原を含み、前記変異型Ras抗原が、細胞内で前記無核細胞由来小胞に送達される、組成物。
- 前記組成物が、アジュバントを更に含む、請求項39に記載の組成物。
- 前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、請求項40に記載の組成物。
- 前記アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項40又は41に記載の組成物。
- 変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、前記変異型Ras抗原、又は変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントが前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントとインキュベートし、それにより、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、により調製される、組成物。 - 変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、前記変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸が前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸とインキュベートすることであって、前記核酸が、前記変異型Ras抗原を発現し、それにより、前記変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物。 - 変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞を含む組成物であって、前記変異型Ras抗原及びアジュバントを含む無核細胞由来小胞が、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原をコードする核酸及び前記アジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸及び前記アジュバントが前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸及び前記アジュバントとインキュベートすることであって、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸が発現され、それにより、前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、により調製される、組成物。 - 前記狭窄部の幅が、前記インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である、請求項43~44のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記狭窄部の前記幅が、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである、請求項43~46のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記インプット無核細胞を含む前記細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、前記複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される、請求項43~47のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記インプット無核細胞が、赤血球又は血小板である、請求項43~48のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記インプット無核細胞が、エリスロサイト又はレチクロサイトである、請求項43~48のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記無核細胞由来小胞が、赤血球由来小胞又は血小板由来小胞である、請求項38~48のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記無核細胞由来小胞が、レチクロサイト由来小胞又はエリスロサイト由来小胞である、請求項38~48のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、変異型K-Ras抗原、変異型H-Ras抗原、又は変異型N-Ras抗原である、請求項38~52のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、変異型K-Ras4A抗原又は変異型K-Ras4B抗原である、請求項38~53のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する単一のポリペプチドである、請求項38~54のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、同じ及び/又は異なる変異型Ras抗原に対する応答を誘発する複数のポリペプチドのプールである、請求項38~55のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、他の抗原又はアジュバントと複合体化する、請求項38~56のいずれか一項に記載の組成物。
- 変異型Ras抗原が、G12D変異、G12V変異、G12C変異、又はG13D変異を含む、請求項38~57のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号9~15のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項38~58のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号9~15のアミノ酸配列を含む、請求項38~59のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、G12D1-16、G12D2-19、G12D2-22、G12D2-29抗原、G12V1-16、G12V2-19、G12V3-17、又はG12V3-42抗原のうちの1つ以上である、請求項51~60のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号1~8のうちのいずれか1つと少なくとも90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む、請求項38~61のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、配列番号1~8のアミノ酸配列を含む、請求項38~62のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、N末端及び/又はC末端で1つ以上の異種性ペプチド配列に隣接する1つ以上の抗原性変異型Rasエピトープを含むポリペプチドである、請求項38~63のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、MHCクラスI拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、請求項38~64のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記変異型Ras抗原が、MHCクラスII拘束性ペプチドにプロセシングされることが可能である、請求項38~65のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、アジュバントを更に含む、請求項38~66のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、請求項67に記載の組成物。
- 前記アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項67又は68に記載の組成物。
- 個体において変異型Rasタンパク質に対する免疫反応を刺激するための組成物であって、前記組成物が、有効量の請求項39~69のいずれか一項に記載の組成物を含む、組成物。
- 個体において腫瘍成長を低減させるための組成物であって、前記組成物が、有効量の請求項39~69のいずれか一項に記載の組成物を含む、組成物。
- 前記個体が、がんを有する、請求項70又は71に記載の組成物。
- 個体においてがんを治療するための組成物であって、前記組成物が、有効量の請求項39~69のいずれか一項に記載の組成物を含む、組成物。
- 前記がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである、請求項72又は73に記載の組成物。
- 前記組成物が、アジュバントを更に含む、請求項71~74のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、アジュバントと併せて投与される、請求項71~74のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、請求項76に記載の組成物。
- 前記アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項76又は77に記載の組成物。
- 前記無核細胞を含む組成物が、複数回投与される、請求項70~78のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、静脈内に投与される、請求項70~79のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記個体が、ヒトである、請求項70~80のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、別の療法の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される、請求項70~81のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記別の療法が、免疫腫瘍療法で使用される、化学療法、放射線療法、抗体、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、又は二重特異性ポリペプチドである、請求項82に記載の組成物。
- 変異型Rasに対する免疫応答を刺激するための薬物の製造における有効量の無核細胞を含む組成物の使用であって、前記組成物が、有効量の請求項39~69のいずれか一項に記載の組成物を含む、使用。
- 個体において腫瘍成長を低減させるための薬物の製造における有効量の無核細胞を含む組成物の使用であって、前記組成物が、有効量の請求項39~69のいずれか一項に記載の組成物を含む、使用。
- 前記個体が、がんを有する、請求項84又は85に記載の使用。
- 個体においてがんを治療するための薬物の製造における有効量の無核細胞由来小胞を含む組成物の使用であって、前記組成物が、有効量の請求項38~61のいずれか一項に記載の組成物を含む、使用。
- 前記がんが、膵臓がん、結腸がん、小腸がん、胆道がん、子宮内膜がん、肺がん、皮膚がん、卵巣がん、胃がん、食道がん、子宮頸がん、又は尿路がんである、請求項86又は87に記載の使用。
- 前記組成物が、アジュバントを更に含む、請求項84~88のいずれか一項に記載の使用。
- 前記組成物が、アジュバントと併せて投与するために製剤化される、請求項84~89のいずれか一項に記載の使用。
- 前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、請求項90に記載の使用。
- 前記アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項84~89のいずれか一項に記載の使用。
- 無核細胞由来小胞を含む前記組成物が、複数回投与される、請求項84~92のいずれか一項に記載の使用。
- 前記組成物が、静脈内に投与される、請求項84~93のいずれか一項に記載の使用。
- 前記個体が、ヒトである、請求項84~94のいずれか一項に記載の使用。
- 前記組成物が、別の療法の投与の前に、同時発生的に、又は後に投与される、請求項84~95のいずれか一項に記載の使用。
- 前記別の療法が、免疫腫瘍療法で使用される、化学療法、又は放射線療法、抗体、サイトカイン、免疫チェックポイント阻害剤、又は二重特異性ポリペプチドである、請求項96に記載の使用。
- 請求項1~38のいずれか一項に記載の方法で使用するための、キット。
- 請求項39~69のいずれか一項に記載の組成物を含む、キット。
- 前記キットが、前記組成物を前記個体に投与して、変異型Rasに対する免疫反応を刺激する、腫瘍成長を低減させる、及び/又はがんを治療するための指示を伴う、緩衝剤、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、又は添付文書のうちの1つ以上を更に含む、請求項98又は99に記載のキット。
- 変異型Ras抗原を含む無核細胞由来小胞の組成物を生産するための方法であって、前記方法が、前記変異型Ras抗原を細胞内で前記無核細胞由来小胞に導入することを含む、方法。
- 前記無核細胞が、アジュバントを更に含む、請求項101に記載の方法。
- 前記アジュバントが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、LPS、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、アルファ-ガラクトシルセラミド、STINGアゴニスト、環状ジヌクレオチド(CDN)、RIG-Iアゴニスト、ポリイノシン-ポリシチジル酸、R837、R848、TLR3アゴニスト、TLR4アゴニスト、又はTLR9アゴニストである、請求項102に記載の方法。
- 前記アジュバントが、ポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項102又は103に記載の方法。
- 前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras及び前記アジュバントを細胞内で無核細胞由来小胞に導入することが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントが前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントとインキュベートし、それにより、前記変異型Ras抗原、又は前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成することと、を含む、請求項104に記載の方法。 - 前記変異型Ras抗原を細胞内で前記無核細胞由来小胞に導入することが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原をコードする核酸が通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸が前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸とインキュベートすることであって、前記核酸が、前記変異型Ras抗原を発現し、それにより、前記変異型Ras抗原を含む無核細胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、請求項104に記載の方法。 - 前記無核細胞由来小胞が、細胞内にアジュバントを更に含み、前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントを細胞内で前記無核細胞に導入することが、
a)インプット無核細胞を含む細胞懸濁液を細胞変形狭窄部に通過させることであって、前記狭窄部の直径が、前記懸濁液中の前記インプット無核細胞の直径の関数であり、それにより、前記変異型Ras抗原をコードする核酸及び前記アジュバントが通過するのに十分な大きさの前記インプット無核細胞の摂動を引き起こして、摂動インプット無核細胞を形成する、通過させることと、
b)前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸及び前記アジュバントが前記摂動インプット無核細胞に入ることを可能にするのに十分な時間の間、前記摂動インプット無核細胞を、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸及び前記アジュバントとインキュベートすることであって、前記変異型Ras抗原をコードする前記核酸が発現され、それにより、前記変異型Ras抗原及び前記アジュバントを含む無核細胞由来小胞を生成する、インキュベートすることと、を含む、請求項104に記載の方法。 - 前記狭窄部の幅が、前記インプット無核細胞の平均直径の約10%~約99%である、請求項105~107のいずれか一項に記載の方法。
- 前記狭窄部の前記幅が、約1.6μm~約2.4μm、又は約1.8μm~約2.2μmである、請求項105~108のいずれか一項に記載の方法。
- 前記複数のインプット無核細胞を含む前記細胞懸濁液が、複数の狭窄部を通過し、前記複数の狭窄部が、直列及び/又は並列に配置される、請求項105~109のいずれか一項に記載の方法。
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