JP2022520154A - 協同的結合に関与する化合物及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本開示は、単独の大環状化合物及び他の治療剤と組み合わせた大環状化合物、ならびにその医薬組成物及びタンパク質複合体(これらは、RAS及びRAS-RAFの阻害を含めて、生物学的プロセスを調節する能力を有する)、ならびにがんの治療におけるその使用を特徴とする。【選択図】図1-1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月21日出願の米国仮出願第62/783,816号、2019年8月30日出願の同第62/894,493号、及び2019年11月4日出願の同第62/930,489号の利益を主張し、これらの文献はそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示は、協同的結合に関与する化合物及びその使用に関する。
小分子薬の圧倒的多数が、標的タンパク質上の機能的に重要なポケットに結合することによって作用し、それによってそのタンパク質の活性を調節する。例えば、コレステロール低下薬であるスタチンは、HMG-CoA還元酵素の酵素活性部位に結合し、それによって、当該酵素がその基質と結合することを阻止する。そのような薬物/標的相互作用ペアが多く知られているという事実によって、人によっては、妥当な期間、労力、及びリソースが費やされたタンパク質については、すべてではないにせよ、そのほとんどについて、それに対する小分子調節因子の創薬は達成し得たと誤解している可能性がある。この認識は、真実からは程遠いものである。現在の推計によれば、すべてのヒトタンパク質のうちで、小分子の標的とすることが可能なものは約10%にすぎない。他の90%は、現在のところ、上述の小分子の創薬を目指すには手に負えないか、または扱いが困難なものであると考えられている。そのような標的は、一般に、「創薬不可能(undruggable)」と称される。こうした創薬不可能な標的は、医学的に重要なヒトタンパク質の膨大かつ大半が手つかずの宝庫を含んでいる。したがって、そのような創薬不可能な標的の機能を調節する能力を有する新たな分子モダリティの創出に多大なる関心が寄せられている。
RASタンパク質(KRAS、HRAS、及びNRAS)がヒトのさまざまながんにおいて極めて重要な役割を果たし、それ故に、抗がん治療に適した標的であることは文献では十分に確立されている。ヒト腫瘍では、活性化変異、過剰発現、または上流活性化によるRASタンパク質の調節異常がよく見られ、RASの活性化変異は、ヒトのがんのおよそ30%に見られる。RASタンパク質の中でもKRASの変異頻度が最も高く、それ故に、KRASは、がん治療の重要な標的である。過去数十年の間にRASに対して多大な小分子創薬労力が費やされたものの、RASを直接的に標的とする薬物で、臨床用途で利用可能なものは依然として存在しない。
共有結合薬は、その生物学的標的に共有結合で結合する。共有結合薬の医薬における歴史は長く、共有結合薬は、将来まで創薬及びヒトの健康に継続的に影響を与えることになるものである。求核反応基(-SH、-OH、-NH、-COOH、及び他のものなど)を有する生物学的標的は、共有結合薬の創薬手法に潜在的に適したものである。
本開示は、生物学的プロセスを調節する能力を有する式Iの化合物(例えば、大環状化合物)を特徴とし、この調節は、例えば、シクロフィリンA(「CYPA」)ファミリーのメンバーであるプレゼンタータンパク質への結合、及び変異RASタンパク質である標的タンパク質への結合によって行われ、この変異RASタンパク質は、野生型アミノ酸配列中のアミノ酸が変異によってシステインに置き換わったもの(例えば、KRAS G12C、KRAS G13C、NRAS G12C、NRAS G13C、HRAS G12C、及びHRAS G13C)である。いくつかの実施形態では、提供される化合物は、上記のRAS変異体が役割を担う疾患及び障害(がんなど)の治療において有用であり得る。
ある態様では、本開示は、構造式(I):
Figure 2022520154000002
の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体を特徴とし、式中:
Qは、二環式アリーレン、二環式ヘテロアリーレン、または二環式ヘテロシクリレンであり、Q中の第1の環は、Xと結合され、Q中の第2の環は、Zと結合され、Qは、任意選択で置換され、
Xは、結合;フルオロ、-CN、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1~3つの置換基によって任意選択で置換された直鎖C-Cアルキレン;-O-;-S(O)0-2-;-CH-O-;-CH-S(O)0-2-;-O-CH-;または-CH-S(O)0-2-であり、「」は、Xが-C(R)(R)-と結合される部分を表し、
Yは、-O-、-NH-、または-N(C-Cアルキル)-であり、
Z環は、フェニルまたは6員のヘテロアリールであり、
は、任意選択で置換されたC-Cアルキル、-(CH0-1-(任意選択で置換されたC-Cシクロアルキル)、-(CH0-1-(任意選択で置換されたアリール)、または任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、
は、
Figure 2022520154000003
であり、
A環は、4~8員のシクロアルキルまたは4~8員のヘテロシクリルであり、
Wは、-N(R12)-、-O-、または-C(R12a)(R12b)-であり、
各Rはそれぞれ、独立して、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、もしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;または-NH-C-Cアルキルであり、
は、存在する場合、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、Rの各アルキレン部分は、1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、各置換基は、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
10は、存在する場合、1つ以上の置換基によって任意選択で置換されたC-Cアルキレンであり、各置換基は、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
11は、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-、または窒素含有飽和ヘテロシクリルであり、R11の各アルキレン部分は、1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、各置換基は、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
12は、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、または
12は、1つのR、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、A環と縮合もしくはスピロ縮合した任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成するか、または
12は、R10中の任意のメチレン単位もしくはR11中の任意のメチレン単位、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成し、
12a及びR12bはそれぞれ、独立して、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、またはR12a及びR12bは、それらが結合している炭素原子と一緒になることで、3~6員のシクロアルキル環を形成し、
13は、O、S、N-CN、またはN-O-C-Cアルキルであり、
WHは、
Figure 2022520154000004
であり、
各R14は、独立して、水素;-CN;または-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、
15は、-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、または任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、
16は、水素;または-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、あるいは
14は、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、または
16は、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、
は、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-O-(任意選択で置換されたC-Cアルキル)、任意選択で置換されたC-Cアルキル、任意選択で置換されたC-Cアルケニル、任意選択で置換されたC-Cアルキニル、-(CH0-1-アリール、-(CH0-1-ヘテロアリール、-(CH0-1-シクロアルキル、または-(CH0-1-ヘテロシクリルであり、あるいは
及びRは、一緒になることで、=CH、任意選択で置換されたC-Cシクロアルキル、もしくは3~7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、または
は、Q中の環原子、Rが結合している炭素原子、及びXと一緒になることで、Qと縮合した4~9員の飽和ヘテロシクリルもしくは不飽和ヘテロシクリルを形成し、
は、水素または-CHであり、
各Rは、独立して、ハロ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-OH、-O-C-Cアルキル、-O-C-Cハロアルキル、-NRn1n2、-NRn1ORn2、-ONRn1n2、または-NRn1NRn2n3であり、
n1は、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn1のメチレン単位のうちの1つは、
Figure 2022520154000005
によって任意選択で置き換えられ、
n2は、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn2のメチレン単位のうちの1つは、
Figure 2022520154000006
によって任意選択で置き換えられ、
n3は、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn3のメチレン単位のうちの1つは、
Figure 2022520154000007
によって任意選択で置き換えられ、
各Rは、独立して、ハロ、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルであり、
nは、0、1、2、3、4、5、または6であり、
pは、0、1、2、または3であり、
rは、0、1、2、3、または4である。
いくつかの実施形態では、Yは、-O-である。いくつかの実施形態では、Yは、-NH-である。いくつかの実施形態では、Yは、-N(C-Cアルキル)-である。
いくつかの実施形態では、WHは、
Figure 2022520154000008
である。いくつかの実施形態では、WHは、
Figure 2022520154000009
である。いくつかの実施形態では、WHは、
Figure 2022520154000010
である。いくつかの実施形態では、WHは、
Figure 2022520154000011
である。いくつかの実施形態では、WHは、
Figure 2022520154000012
である。
いくつかの実施形態では、Zは、フェニルまたはピリジルである。いくつかの実施形態では、Zは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、3-ヒドロキシフェン-1,5-ジイルである。いくつかの実施形態では、Zは、6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Zは、ピリジルである。
いくつかの実施形態では、nは、0である。いくつかの実施形態では、nは、1である。いくつかの実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは、3である。いくつかの実施形態では、nは、4である。いくつかの実施形態では、nは、5である。いくつかの実施形態では、nは、6である。
いくつかの実施形態では、pは、0である。いくつかの実施形態では、pは、1である。いくつかの実施形態では、pは、2である。いくつかの実施形態では、pは、3である。
いくつかの実施形態では、rは、0である。いくつかの実施形態では、rは、1である。いくつかの実施形態では、rは、2である。いくつかの実施形態では、rは、3である。いくつかの実施形態では、rは、4である。
いくつかの実施形態では、Rは、Hである。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cヒドロキシアルキルである。
いくつかの実施形態では、Xは、-CH-である。いくつかの実施形態では、Xは、結合である。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia):
Figure 2022520154000013
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、
式中:
Xは、結合、-O-、-CH-、-CH(CH)-、-CH-O-、または-CH-CH-であり、「」は、XがC(R)(R)と結合される部分を表し、
Yは、-O-または-NH-であり、
は、-C-Cアルキル、-(CH0-1-(C-Cシクロアルキル)、または-C-Cシクロアルキルであり、
は、
Figure 2022520154000014
であり、
A環は、4~8員のシクロアルキルまたは4~8員の飽和ヘテロシクリルであり、
各Rはそれぞれ、独立して、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、もしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;または-NH-C-Cアルキルであり、
nは、0、1、2、3、4、5、または6であり、
は、存在する場合、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、Rの各アルキレン部分は、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、
10は、存在する場合、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換されたC-Cアルキレンであり、
11は、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、R11の各アルキレン部分は、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、
12は、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、または
12は、1つのR、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、A環と縮合した任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成するか、または
12は、R10中の任意のメチレン単位もしくはR11中の任意のメチレン単位、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成し、
WHは、
Figure 2022520154000015
であり、
各R14は、独立して、水素、-CN、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、-O-C-Cアルキルであり、
15は、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、または-C-Cアルキレン-O-C-Cアルキルであり、
16は、水素、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、または-C-Cアルキレン-O-C-Cアルキルであり、あるいは
14は、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、または
16は、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、
は、水素、ハロ、またはC-Cアルキルであり、
は、水素、ハロ、-OH、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアルキレン-O-C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-(CH0-1-C-Cシクロアルキル、C-Cシアノアルキル、または-(CH0-1-アリール(ベンジル)であり、あるいは
及びRは、一緒になることで、=CHもしくはC-Cシクロアルキルを形成し、または
は、Qの環原子、それが結合している炭素原子、及びXと一緒になることで、5~7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、
は、-OH、-NH、またはC-Cハロアルキルであり、
Qは、二環式アリーレン、二環式ヘテロアリーレン、または二環式ヘテロシクリレンであり、
Q中の第1の環は、Xと結合され、Q中の第2の環は、Zと結合され、
Qは、=O;-CN;1つ以上の独立して選択されるハロ、CN、OH、-O-(C-Cアルキル)、-C(O)-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルキニル)、-(C-Cシクロアルキル)、または4~7員の飽和ヘテロシクリルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロによって任意選択で置換された-O-(C-Cアルキル);1つ以上の独立して選択される-CNまたは-OHによって任意選択で置換されたC-Cアルケニル;C-Cアルキニル;-S(O)-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-C-Cシクロアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロアリール;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロシクリル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-アリール;-C(O)-NH-(C-Cアルキル);-C(O)-N(C-Cアルキル);C-Cシクロアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルケニレン=N-O-(C-Cアルキル);から選択される1つ以上の独立して選択される置換基によって任意選択で置換され、あるいは
Qの同じ環原子または隣接環原子上の2つの置換基は、一緒になることで、1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、C-Cアルキル、または-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された5~7員の単環式環または6~12員の二環式環を形成し、Qと縮合する。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib):
Figure 2022520154000016
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ic):
Figure 2022520154000017
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、Qは、5,6二環式ヘテロアリーレン、5,6二環式ヘテロシクリレン、6,6二環式ヘテロアリーレン、または6,6二環式ヘテロシクリレンであり、Qは、任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、Qは、5,6二環式ヘテロアリーレンであり、Qは、任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、Qは、5,6二環式ヘテロシクリレンであり、Qは、任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、Qは、6,6二環式ヘテロアリーレンであり、Qは、任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、Qは、6,6二環式ヘテロシクリレンであり、Qは、任意選択で置換される。
いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000018
からなる群から選択され、
式中:
、V、V、及びVはそれぞれ、独立して、C、CH、またはNであり、
Q1は、-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、任意選択で置換され、または
Q1は、それが結合している窒素原子、及び隣接環原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、当該環は、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
Q11及びRQ12はそれぞれ、独立して、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、RQ11及びRQ12はそれぞれ、任意選択で置換され、または
Q11及びRQ12は、それらが共に結合している窒素原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RQ11及びRQ12が一緒になることによって形成される当該環は、別の5~6員の環と任意選択で縮合する。
いくつかの実施形態では、Qは、=O;ハロ;-OH;-CN;1つ以上の独立して選択されるハロ、CN、OH、-O-(C-Cアルキル)、-C(O)-(C-Cアルキル)、-O-C(O)-N(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルキニル)、-(C-Cシクロアルキル)、1つ以上のC-Cアルキルによって任意選択で置換された5~6員のヘテロアリール、または4~7員の飽和ヘテロシクリルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロによって任意選択で置換された-O-(C-Cアルキル);1つ以上の独立して選択される-CNまたは-OHによって任意選択で置換された-C-Cアルケニル;ヘテロアリールによって任意選択で置換されたC-Cアルキニル;-S(O)-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-C-Cシクロアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロアリール;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロシクリル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNによって任意選択で置換された-C-Cアルキル、-C(O)-O-C-Cアルキル、-C-Cアルキレン-O-C-Cアルキル、-O-C-Cアルキル、NO、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-CH-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-アリール;-CH-O-ヘテロアリール、-C(O)-NH-(C-Cアルキル);-C(O)-N(C-Cアルキル);C-Cシクロアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルケニレン=N-O-(C-Cアルキル);から独立して選択される1~4つの置換基によって任意選択でさらに置換され、あるいは
Q上の2つの置換基は、一緒になることで、1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、C-Cアルキル、または-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された5~7員の単環式環または6~12員の二環式環を形成し、Qと縮合し、
**」は、QがZ環と結合される部分を表す。
いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000019
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000020
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000021
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000022
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000023
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000024
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000025
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000026
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000027
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000028
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000029
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000030
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000031
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000032
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000033
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000034
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000035
である。
いくつかの実施形態では、Qは、クロロ、フルオロ、-CN、-CH、-CF、-CHF、-CHCH、-CH-CN、-(CH-CN、-OCH、-CH-O-CH、-(CH-O-CH、-CH-O-CH-CN、-CH(CN)-CH、-C(O)-N(CH、-C(O)-NH-CH、-C(O)-CH、-S(O)CH、-C(CH)=N-O-CH(CH、-C(CH)=N-O-CH、-C≡C-CH、-C≡CH、-CH=CH-CN、-CH-O-CH-C≡CH、-C(CH)(CN)CHCN、-CH-O-C(O)-N(CH、1-(シクロペンチル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1,3-ジメトキシ-2-シアノプロパン-2-イル、1,4-ジメチルピラゾール-5-イル、1-シアノシクロブチル、1-シアノシクロプロピル、1-シアノシクロペンチル、1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル、1-メチルピペリジン-4-イル、1-メチルピラゾール-3-イル、1-メチルピラゾール-5-イル、(1-メチルピラゾール-4-イル)シアノメチル、1-オキソインドリン-5-イル、1-オキソイソインドリン-4-イル、1-オキソイソインドリン-6-イル、2-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、3-(1,1-ジオキソチオモルホリン-1-イルメチル)フェニル、2-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2,2-ジフルオロ-ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2-クロロフェニル、2-シアノ-2-テトラヒドロフラン-3-イルプロパニル、2-シアノ-3-クロロフェニル、2-シアノ-3-フルオロフェニル、2-シアノ-3-メトキシフェニル、2-シアノ-4-フルオロフェニル、2-シアノ-4-クロロフェニル、2-シアノ-4-メトキシブタン-2-イル、2-シアノ-5-クロロフェニル、2-シアノ-5-フルオロフェニル、2-シアノ-5-メトキシフェニル、2-シアノ-5-(メトキシメチル)フェニル、2-シアノ-6-クロロフェニル、2-シアノ-6-フルオロフェニル、2-シアノ-6-ブロモフェニル、2-シアノ-6-(メトキシメチル)フェニル、2-シアノ-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2-シアノメチルフェニル、2-シアノフェニル、2-シアノプロパン-2-イル、2-シクロペンチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、2-フルオロフェニル、2-メトキシ-6-シアノフェニル、2-メトキシフェニル、2-メトキシカルボニルフェニル、2-(メトキシメチル)フェニル、2-ニトロフェニル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-フェノキシフェニル、3-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、3-メトキシカルボニルフェニル、3,5-ジフルオロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)フェニル、3-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル、3-シアノメチルフェニル、3-シアノペンタン-3-イル、3-シアノフェニル、3-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-1-イン-1-イル、3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-メトキシフェニル、3-メトキシメチル-5-メチルイソオキサゾール-4-イル、3-オキソ-2-メチルブタン-2-イル、3-(テトラヒドロピラン-4-イル)-2-シアノプロパン-2-イル、4-シアノフェニル、4-シアノテトラヒドロピラン-4-イル、4-メトキシフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、ベンゾ[d]オキサゾール-7-イル、ベンゾ[d]チアゾール-2-イル、ベンゾ[d]チアゾール-4-イル、ベンゾ[d]チアゾール-5-イル、ベンゾ[d]チアゾール-6-イル、ベンゾ[d]チアゾール-7-イル、シクロブチル、シクロプロピル、シクロプロピルシアノメチル、モルホリン-4-イルメチル、N-メトキシシクロプロパンカルビミドイル、フェニル、ピラゾール-1-イルメチル、ピリジン-2-イル、ピリジン-2-イルメチル、ピリジン-2-イルオキシメチル、ピリジン-3-イル、ピリジン-3-イル-エチニル、ピリジン-3-イルメチル、ピリジン-4-イルメチル、ピリジン-4-イル-エチニル、テトラヒドロフラン-3-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルシアノメチル、テトラヒドロピリジン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イルメチル、2-(テトラヒドロピラン-4-イル)エタン-1-イル、テトラヒドロピラン-4-イルシアノメチル、もしくはテトラヒドロピラン-4-イルから独立して選択される1~4つの置換基によって任意選択でさらに置換され、または
同じ炭素原子に結合している2つの置換基が一緒になることで、=O、2,3-ジヒドロベンゾフラン-3,3-ジイル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン-3,3-ジイル、テトラヒドロピラン-3,3-ジイル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[c]ピリジン-6,6-ジイル、もしくはテトラヒドロピラン-4,4-ジイルを形成するか、または
隣接炭素原子に結合している2つの置換基が一緒になることで、4-シアノベンゼン-1,2-ジイル、3-シアノベンゼン-1,2-ジイル、5-メチル-5-シアノテトラヒドロピラン-3,4-ジイル、3-シアノシクロヘキサン-1,2-ジイル、3-メトキシベンゼン-1,2-ジイル、ベンゼン-1,2-ジイル、3-オキソシクロヘキシル-1,2-ジイル、3-シアノシクロペンタン-1,2-ジイル、もしくはピリジン-3,4-ジイルを形成する。
いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000036
からなる群から選択され、
式中:
、V、V、及びVはそれぞれ、独立して、CH、N、C(F)、C(CH)、C(OH)、C(OCH)、またはC(CN)であり、
、V、及びVはそれぞれ、独立して、C(R17a)(R17b)またはC(=O)であり、R17a及びR17bはそれぞれ、水素、ハロ、-C-Cアルキル、-C-Cハロアルキル、-O-C-Cアルキル、-O-C-Cハロアルキルから独立して選択され、V、V、及びVのうちの2つ以下はC(=O)であり、
NQ1は、水素、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、任意選択で置換され、
各RQ2は、独立して、水素、CN、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、任意選択で置換され、または
NQ1及び1つのRQ2は、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RNQ1及び1つのRQ2が一緒になることによって形成される当該環は、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
各RQ3は、独立して、水素、CN、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、任意選択で置換され、または
同じ原子に結合した2つのRQ3は、一緒になることで、=CH、=O、=S、もしくは=NRV4を形成し、または
同じ原子に結合した2つのRQ3は、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、各RQ3が一緒になることによって形成される当該環は、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、または
NQ1及び1つのRQ3は、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RNQ1及びRQ3が一緒になることによって形成される当該環は、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
Q11及びRQ12はそれぞれ、独立して、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、RQ11及びRQ12はそれぞれ、任意選択で置換され、または
Q11及びRQ12は、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RQ11及びRQ12が一緒になることによって形成される当該環は、別の5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
**」は、QがZ環と結合される部分を表す。
いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000037
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000038
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000039
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000040
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000041
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000042
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000043
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000044
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000045
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000046
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000047
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000048
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000049
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000050
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000051
である。
いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000052
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000053
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000054
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000055
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000056
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000057
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000058
である。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Id):
Figure 2022520154000059
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ie):
Figure 2022520154000060
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ig):
Figure 2022520154000061
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、Qは、4~9員の飽和ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ij):
Figure 2022520154000062
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、Qは、4~9員の飽和ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ik):
Figure 2022520154000063
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、Qは、4~9員の飽和ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ik’):
Figure 2022520154000064
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、Qは、4~9員の飽和ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、存在せず、A環は、4~8員のヘテロシクリルであり、またはR11は、-N(C-Cアルキレン-H)-もしくは-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-であり、R11の各アルキレン部分は、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換される。
いくつかの実施形態では、Wは、-N(R12)-であり、R13は、=Oである。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IL):
Figure 2022520154000065
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、R18は、BrまたはClである。
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Im):
Figure 2022520154000066
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、R14は、Hである。
いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000067
からなる群から選択され、
式中:
「1」は、QがXと結合される部分を示し、Qは、任意選択でさらに置換される。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000068
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000069
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000070
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000071
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000072
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000073
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000074
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000075
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000076
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000077
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000078
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000079
である。いくつかの実施形態では、Qは、である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000080
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000081
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000082
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000083
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000084
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000085
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000086
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000087
である。
いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000088
からなる群から選択され、
式中:
Rは、-CHCH、-CHCH-OCH、-CHCHF、-CH-CN、CH(CH-CN、-C(CH-CHCN、-CHCH-CN、シクロヘキシル、シクロブチル、シクロプロピル、ピリジン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イルメチル、オキセタン-3-イルメチル、2-シアノ-5-メトキシフェニル、2-シアノ-5-メトキシメチルフェニル、2-シアノ-6-(メトキシメチル)フェニル、2-シアノ-6-ブロモフェニル、2-メトキシエタン-1-イル、2-シアノプロパン-2-イル、2-テトラヒドロピラン-4-イルエタン-1-イル、3-シアノペンタン-3-イル、2-シアノ-4-メトキシブタン-2-イルであるか、またはRは、
Figure 2022520154000089
であり、
23は、水素またはフルオロであり、
24は、水素、クロロ、-CN、-CH、-CHCH、-CHF、-CF、-CH-CN、-CH(CN)-CH、-C(CH-CN、-C(CHCH-CN、-CH-CH-CN、-C(CH)=N-O-CH(CH、-C(CH)=N-O-CH、-C(O)-N(CH、-C(O)-NH-CH、-OCH、-CH-O-CH、-C≡CH、-C≡C-CH、-S(O)CH、1-(シクロペンチル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1,3-ジメトキシ-2-シアノプロパン-2-イル、1,4-ジメチルピラゾール-5-イル、1-シアノシクロブチル、1-シアノシクロプロピル、1-シアノシクロペンチル、1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル、1-メチルピラゾール-3-イル、1-メチルピラゾール-4-イルシアノメチル、1-メチルピペリジン-4-イル、1-メチルピラゾール-5-イル、1-オキソインドリン-5-イル、1-オキソイソインドリン-4-イル、1-オキソイソインドリン-6-イル、2-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、2-(メトキシメチル)フェニル、2-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2,2-ジフルオロ-ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジシアノプロパン-2-イル、2-クロロフェニル、2-シアノ-3-(テトラヒドロピラン-4-イル)プロパン-2-イル、2-シアノ-3-クロロフェニル、2-シアノ-3-フルオロフェニル、2-シアノ-3-メトキシフェニル、2-シアノ-4-フルオロフェニル、2-シアノ-4-クロロフェニル、2-シアノ-5-クロロフェニル、2-シアノ-5-フルオロフェニル、2-シアノ-5-メトキシフェニル、2-シアノ-6-クロロフェニル、2-シアノ-6-フルオロフェニル、2-シアノ-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2-シアノメチルフェニル、2-シアノフェニル、2-シアノプロパン-2-イル、2-シクロペンチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、2-フルオロフェニル、2-メトキシ-6-シアノフェニル、2-メトキシフェニル、2-メトキシカルボニルフェニル、2-ニトロフェニル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-フェノキシフェニル、3-(1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イルメチル)フェニル、3-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、3,5-ジフルオロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)フェニル、3-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル、3-シアノメチルフェニル、3-シアノペンタン-3-イル、3-シアノフェニル、3-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-1-イン-1-イル、3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-メトキシメチル-5-メチルイソオキサゾール-4-イル、3-メトキシフェニル、3-メトキシカルボニルフェニル、3-オキソ-2-メチルブタン-2-イル、4-シアノフェニル、4-シアノテトラヒドロピラン-4-イル、4-メトキシフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、ベンゾ[d]オキサゾール-7-イル、ベンゾ[d]チアゾール-2-イル、ベンゾ[d]チアゾール-4-イル、ベンゾ[d]チアゾール-5-イル、ベンゾ[d]チアゾール-6-イル、ベンゾ[d]チアゾール-7-イル、シクロブチル、シクロプロピル、シクロプロピルシアノメチル、N-メトキシシクロプロパンカルビミドイル、フェニル、ピリジン-2-イルメチル、ピリジン-3-イル、ピリジン-3-イルメチル、ピリジン-4-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルシアノメチル、テトラヒドロピラン-4-イル、もしくはテトラヒドロピラン-4-イルシアノメチルであり、
27は、水素、-CH、-CHF、-CHCH、-CH-O-CH、-CHCN、-CN、-CH-O-CH-CN、-C(O)-N(CH、-C(O)-NH-CH、-CH-O-CH-C≡CH、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2-シアノフェニル、3-シアノフェニル、フェニル、2-ベンジルメチルエーテル、2-(2-メトキシエチル)ベンゼン、2-(2-ジフルオロメトキシエチル)ベンゼン、2-(2-ジメチルメトキシエチル)ベンゼン、ピリジン-3-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルメチル、もしくはテトラヒドロピリジン-4-イルであり、または
24及びR27は、一緒になることで、4-シアノベンゼン-1,2-ジイル、3-シアノベンゼン-1,2-ジイル、5-メチル-5-シアノテトラヒドロピラン-3,4-ジイル、3-シアノシクロヘキサン-1,2-ジイル、3-メトキシベンゼン-1,2-ジイル、ベンゼン-1,2-ジイル、3-オキソシクロヘキシル-1,2-ジイル、3-シアノシクロペンタン-1,2-ジイル、もしくはピリジン-3,4-ジイルを形成し、
28は、水素、-CH、もしくは-CH-O-CHであり、
R29は、水素、アセチル、CN、-CH2-CN、-CH2-CH2-CN、-CH2-O-CH3、-CH=CH-CN、-CH2-O-C(O)-N(CH3)2、モルホリン-4-イルメチル、ピラゾール-1-イルメチル、ピリジン-3-イル、ピリジン-3-イルエチニル、ピリジン-2-イルオキシメチル、もしくは2-シアノプロパン-2-イルであり、または
28及びR29は、一緒になることで、2,3-ジヒドロベンゾフラン-3,3-ジイル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン-3,3-ジイル、テトラヒドロピラン-3,3-ジイル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[c]ピリジン-6-イル、テトラヒドロピラン-4,4-ジイル、もしくは4-メトキシシクロヘキサンを形成する。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000090
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000091
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000092
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000093
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000094
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000095
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000096
である。いくつかの実施形態では、Qは、
Figure 2022520154000097
である。
いくつかの実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-(CHCH、-CH(CH、-CH(CH)CHCH、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、4-メトキシベンジル、またはテトラヒドロピラン-4-イルである。
いくつかの実施形態では、Rは、存在せず、A環は、窒素含有飽和ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rのうちで、
Figure 2022520154000098
によって表される部分は、
Figure 2022520154000099
からなる群から選択され、R中の各環系は、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、または-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;及び-NH-C-Cアルキル;から独立して選択される最大で4つの置換基によって任意選択で置換される。
いくつかの実施形態では、Rの一部は、
Figure 2022520154000100
によって表される。いくつかの実施形態では、Rの一部は、
Figure 2022520154000101
によって表される。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000102
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000103
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000104
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000105
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000106
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000107
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000108
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000109
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000110
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000111
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000112
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000113
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000114
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000115
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000116
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000117
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000118
である。いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2022520154000119
である。
いくつかの実施形態では、Rのうちで、WHによって表される部分は、-C(O)-C≡C-CH、-C(O)-CH=CH、-S(O)-CH=CH、-C(O)-CHCl、-C(O)-CH(CH)Cl、もしくは-C(O)-CH(Cl)-CH-O-CHであり、または
のうちで、-R11-WHによって表される部分は、R11が1つのR14と一緒になる場合、
Figure 2022520154000120
である。
いくつかの実施形態では、Rは、1-(2-クロロ-3-メトキシプロパノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル-N-エチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピペリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピペリジン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)-ピペリジン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)-3-フルオロアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)ピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)-4-フルオロピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)-ピペリジン-3-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)-ピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-2-イルカルボニル-N-メチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イルカルボニル-N-メチルアミノ、1-アクリロイル-2-オキソ-イミダゾリジン-3-イル、1-アクリロイル-3-フルオロアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-3-フルオロピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-4-フルオロピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイルアゼチジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイルアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-ピペリジン-3-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイル-ピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイルピロリジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイルピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-2-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-7-(2-クロロプロパノイル)-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-(ブタ-2-イノイル)-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-(2-クロロアセチル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-(ブタ-2-イノイル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-アクリロイル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-ビニルスルホニル-2-オキソイミダゾリジン-3-イル、1-ビニルスルホニルアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、2-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-N-メチルアセトアミド、2-(ブタ-2-イノイル)-5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、2,5-ジオキソ-3,4-ジメチル-2,5-ジヒドロピロール-1-イル-N-メチルアセトアミド、2-アクリロイル-2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、2-クロロアセトアミドメチル-N-メチルカルボキサミド、2-オキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル-N-メチルアセトアミド、2-オキソ-3-(2-クロロアセトアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-(N-メチル-2-クロロアセトアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-(N-メチルアクリルアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-アクリルアミドピロリジン-1-イル、2-オキソ-4-(2-クロロアセチル)ピペラジン-1-イル、2-オキソ-4-アクリロイルピペラジン-1-イル、2-オキソ-4-ビニルスルホニルピペラジン-1-イル、2-オキソシクロペンタ-3-エン-1-イル-N-メチルアセトアミド、3-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド)フェニル-N-メチルカルボキサミド、4-(ブタ-2-イノイル)-ピペラジン-1-イル-N-メチルカルボキサミド、4-アクリロイルピペラジン-1-イル-N-メチルカルボキサミド、6-オキソ-2-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル、及び6-オキソ-2-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、水素、フルオロ、もしくは-CHであり、Rは、水素、フルオロ、クロロ、-OH、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHOH、-CHOCH、-CHF、-CHF、CHCN、-CH-シクロプロピル、シクロプロピル、ピリジル、フェニル、もしくは-CH-フェニルであり、Rの任意のフェニル部分は、ハロ、-CN、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される最大で4つの置換基によって任意選択で置換され、R及びRは、一緒になることで、=CHもしくはシクロプロピルもしくはシクロブチルもしくはシクロペンチルもしくはシクロヘキシルを形成し、またはRは、それが結合している炭素原子、Qの環原子、及びXと一緒になってオキサゼパンを形成する。
いくつかの実施形態では、Rは、-OH、-NH、または-CHFである。いくつかの実施形態では、Rは、-OHである。
いくつかの実施形態では、化合物は、化合物1~418もしくは化合物1~461のいずれかの構造を有するものであるか、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体である。
ある態様では、本開示は、本発明のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体と、医薬的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物を特徴とする。
ある態様では、本開示は、プレゼンタータンパク質と、RASタンパク質と、本発明のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、あるいは本明細書に記載のそのような化合物を含む任意の医薬組成物と、を含む複合体を特徴とする。
いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、KRASである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、NRASである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、HRASである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、KRAS G12Cである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、KRAS G13Cである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、NRAS G12Cである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、NRAS G13Cである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、HRAS G12Cである。いくつかの実施形態では、RASタンパク質は、HRAS G13Cである。
いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、シクロフィリンである。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、またはPPWD1である。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、CYPAである。
ある態様では、本開示は、複合体の生成方法を特徴とし、この方法は、プレゼンタータンパク質及びKRAS G12Cタンパク質を、複合体形成を可能にする上で適した条件の下で、本発明の化合物と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本開示は、複合体の生成方法を特徴とし、この方法は、プレゼンタータンパク質と、KRAS G13Cタンパク質、NRAS G12Cタンパク質、NRAS G13Cタンパク質、HRAS G12Cタンパク質、またはHRAS G13Cタンパク質とを、複合体形成を可能にする上で適した条件の下で、本発明の化合物と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、シクロフィリンタンパク質である。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、PP1A、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、またはPPWD1である。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、CYPAである。
ある態様では、本開示は、複合体の生成方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物がプレゼンタータンパク質及びKRAS G12Cタンパク質と複合体を形成する能力を有する場合、プレゼンタータンパク質及びKRAS G12Cタンパク質を、複合体形成を可能にする上で適した条件の下で、当該化合物と接触させることを含む。ある態様では、本開示は、複合体の生成方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物がプレゼンタータンパク質及びRASタンパク質と複合体を形成する能力を有する場合、プレゼンタータンパク質と、KRAS G13Cタンパク質、NRAS G12Cタンパク質、NRAS G13Cタンパク質、HRAS G12Cタンパク質、またはHRAS G13Cタンパク質とを、複合体形成を可能にする上で適した条件の下で、当該化合物と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、シクロフィリンタンパク質である。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、PP1A、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、またはPPWD1である。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、CYPAである。
ある態様では、本開示は、がんの治療を、それを必要とする対象において行う方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物またはそのような化合物を含む任意の医薬組成物を有効量で対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、または小細胞肺癌である。
ある態様では、本開示は、細胞においてKRAS G12Cタンパク質を阻害する方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物またはそのような化合物を含む任意の医薬組成物を有効量で細胞と接触させることを含む。ある態様では、本開示は、細胞においてKRAS G13Cタンパク質、NRAS G12Cタンパク質、NRAS G13Cタンパク質、HRAS G12Cタンパク質、またはHRAS G13Cタンパク質を阻害する方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物またはそのような化合物を含む任意の医薬組成物を有効量で細胞と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、がん細胞である。
ある態様では、本開示は、KRAS G12Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物またはそのような化合物を含む任意の医薬組成物を有効量で対象に投与することを含む。ある態様では、本開示は、KRAS G13Cタンパク質関連障害、NRAS G12Cタンパク質関連障害、NRAS G13Cタンパク質関連障害、HRAS G12Cタンパク質関連障害、またはHRAS G13Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物またはそのような化合物を含む任意の医薬組成物を有効量で対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、細胞は、がん細胞である。いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、または小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺腺癌、骨髄異形成症候群、または肺扁平上皮癌である。
ある態様では、本開示は、細胞におけるRAF-RAS結合を阻害する方法を特徴とし、この方法は、本発明の化合物またはそのような化合物を含む任意の医薬組成物を有効量で細胞と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、がん細胞である。いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、または小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺腺癌、骨髄異形成症候群、または肺扁平上皮癌である。
ある態様では、本開示は、がんの治療を、それを必要とする対象において行うための、本発明の化合物、そのような化合物を含む任意の医薬組成物、または本明細書に記載のいずれかの複合体の使用を特徴とする。
ある態様では、本開示は、KRAS G12Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行うための、本発明のいずれかの化合物、そのような化合物を含む任意の医薬組成物、または本明細書に記載のいずれかの複合体の使用を特徴とする。ある態様では、本開示は、KRAS G13Cタンパク質関連障害、NRAS G12Cタンパク質関連障害、NRAS G13Cタンパク質関連障害、HRAS G12Cタンパク質関連障害、またはHRAS G13Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行うための、本発明の化合物、そのような化合物を含む任意の医薬組成物、または本明細書に記載のいずれかの複合体の使用を特徴とする。
いくつかの実施形態では、方法は、追加の治療剤(例えば、抗がん剤)を投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、第2のRas阻害剤、SHP2阻害剤、SOS1阻害剤、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、mTORC1阻害剤、BRAF阻害剤、PD-L1阻害剤、PD-1阻害剤、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、SHP2阻害剤である。SHP2は、増殖、分化、細胞周期維持、及び遊走を含めて、複数の細胞機能に寄与する、PTPN11遺伝子によってコードされる非受容体型タンパク質チロシンホスファターゼである。SHP2は、2つのN末端Src相同2ドメイン(N-SH2及びC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)、ならびにC末端尾部を有する。これら2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内局在及び機能調節を制御する。この分子は、N-SH2ドメイン及びPTPドメインの両方に由来する残基が関与する結合ネットワークによって安定化された不活性な自己抑制型の立体配座で存在する。刺激(例えば、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)を介して作用するサイトカインまたは増殖因子によるもの)を受けると、触媒部位が露出することでSHP2が酵素的に活性化される。
SHP2は、RAS-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路、JAK-STAT経路、またはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介するシグナル伝達に関与する。いくつかのヒト発達障害(ヌーナン症候群及びレオパード症候群など)ならびにヒトのがん(若年性骨髄単球性白血病、神経芽腫、メラノーマ、急性骨髄性白血病、ならびに乳房、肺、及び結腸の癌など)では、PTPN11遺伝子が変異し、それによってSHP2が変異していることが突き止められている。こうした変異のいくつかは、SHP2の自己抑制型立体配座を不安定化し、SHP2の自己活性化を促進するか、またはSHP2の増殖因子促進型の活性化の増強を促進する。したがって、SHP2は、がんを含めて、さまざまな疾患を治療するための新規の治療を開発する上で非常に魅力的な標的となっている。SHP2阻害剤(例えば、RMC-4550またはSHP099)は、RAS経路阻害剤(例えば、MEK阻害剤)と併用すると、複数のがん細胞株(例えば、膵癌、肺癌、卵巣癌、及び乳癌)の増殖を抑制することがインビトロで示されている。したがって、RAS経路阻害剤と共にSHP2阻害剤を使用する併用療法は、広い範囲の悪性腫瘍における腫瘍抵抗性を阻止するための一般的な方針となり得る。
当該技術分野で知られるそのようなSHP2阻害剤の例としては、限定されないが、Chen et al.Mol Pharmacol.2006,70,562、Sarver et al.,J.Med.Chem.2017,62,1793、Xie et al.,J.Med.Chem.2017,60,113734、及びIgbe et al.,Oncotarget,2017,8,113734、ならびにPCT出願WO2015107493、同WO2015107494、同WO201507495、同WO2016203404、同WO2016203405、同WO2016203406、同WO2011022440、同WO2017156397、同WO2017079723、同WO2017211303、同WO2012041524、同WO2017211303、同WO2019051084、同WO2017211303、同US20160030594、同US20110281942、同WO2010011666、同WO2014113584、同WO2014176488、同WO2017100279、同WO2019051469、同US8637684、同WO2007117699、同WO2015003094、同WO2005094314、同WO2008124815、同WO2009049098、同WO2009135000、同WO2016191328、同WO2016196591、同WO2017078499、同WO2017210134、同WO2018013597、同WO2018129402、同WO2018130928、同WO20181309928、同WO2018136264、同WO2018136265、同WO2018160731、同WO2018172984、及び同WO2010121212が挙げられ、これらの文献はそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、活性部位に結合する。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、混合型の不可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、アロステリック部位に結合するものであり、例えば、非共有結合性のアロステリック阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、共有結合性のSHP2阻害剤(ホスファターゼの活性部位の外側に位置するシステイン残基(C333)を標的とする阻害剤など)である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、不可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、SHP099である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、TNO155である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、RMC-4550である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、RCM-4630である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、JAB-3068である。
化学用語
本明細書に記載されるある特定の化合物は、1つ以上の異なる異性形態(例えば、立体異性体、幾何異性体、互変異性体)及び/または同位体形態(例えば、1つ以上の原子が当該原子の異なる同位体で置き換えられたもの(水素が重水素で置き換えられたものなど))で存在し得ることを、当業者なら理解するであろう。別段の指定がない限り、または文脈から明らかでない限り、示される構造は、任意のそのような異性形態または同位体形態を個々または組み合わせで表すものと理解され得る。
本明細書に記載の化合物は、不斉性であり得る(例えば、1つ以上の立体中心を有する)。別段の指定がない限り、すべての立体異性体(エナンチオマー及びジアステレオマーなど)が意図される。不斉性に置換された炭素原子を含む本開示の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ形態で単離され得る。光学的に活性な出発物質から光学的に活性な形態をどのように調製するかについては、当該技術分野で方法が知られており、こうした方法は、ラセミ混合物を分割することによるもの、または立体選択的な合成によるものなどである。本明細書に記載の化合物には、オレフィン、C=N二重結合、及び同様のものの幾何異性体も多く存在し得、そのような安定な異性体はすべて、本開示において企図される。本開示の化合物のシス幾何異性体及びトランス幾何異性体は記載され、異性体の混合物または分離された異性形態として単離され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に示される化合物の1つ以上は、異なる互変異性形態で存在し得る。文脈から明らかであろうが、明示的に除外されない限り、そのような化合物への言及は、そのような互変異性形態をすべて包含する。いくつかの実施形態では、互変異性形態は、単結合が隣接二重結合と入れ替わり、それに伴ってプロトンが転位することで生じる。ある特定の実施形態では、互変異性形態は、プロトトロピック互変異性体であり得、プロトトロピック互変異性体は、参照形態と実験式及び総電荷が同じ異性プロトン化状態である。プロトトロピック互変異性形態を伴う部分の例は、ケトン-エノールペア、アミド-イミド酸ペア、ラクタム-ラクチムペア、アミド-イミド酸ペア、エナミン-イミンペア、ならびにプロトンがヘテロ環式系の位置を2つ以上占有し得る環状形態(1H-及び3H-イミダゾール、1H-、2H-、及び4H-1,2,4-トリアゾール、1H-及び2H-イソインドール、ならびに1H-及び2H-ピラゾールなど)である。いくつかの実施形態では、互変異性形態は、平衡状態にあるか、または適切な置換によって1つの形態に立体的にロックされ得る。ある特定の実施形態では、互変異性形態は、アセタール相互変換(例えば、以下のスキームに示される相互変換)の結果として生じる。
Figure 2022520154000121
いくつかの実施形態では、同位体を含む本明細書に記載の化合物が本発明に従って調製及び/または利用され得ることを、当業者なら理解するであろう。「同位体」は、原子番号は同じであるが、原子核中の中性子の数が異なることに起因して質量数が異なる原子を指す。例えば、水素の同位体には、三重水素及び重水素が含まれる。いくつかの実施形態では、同位体置換(例えば、重水素による水素の置き換え)によって、分子の物理化学的特性(代謝、代謝物の分布、及び/またはキラル中心のラセミ化速度など)が変化し得る。
当該技術分野では知られていることであるが、多くの化学実体(具体的には、多くの有機分子及び/または多くの小分子)は、さまざまな異なる固体形態をとり得、こうした固体形態は、例えば、アモルファス形態及び/または結晶形態(例えば、多形、水和物、溶媒和物など)などである。いくつかの実施形態では、そのような実体は、任意の固体形態を含めて、任意の形態で利用され得る。いくつかの実施形態では、そのような実体は、特定の形態(例えば、特定の固体形態)で利用される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載及び/または図示される化合物は、塩形態で提供及び/または利用され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載及び/または図示される化合物は、水和物または溶媒和物の形態で提供及び/または利用され得る。
「本発明の化合物(複数可)」という用語または同様のものは、そのような化合物の塩(例えば、医薬的に許容可能な塩)形態、水和物形態、及び溶媒和物形態、ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、または互変異性体を包含することを意図するものである。いくつかの実施形態では、「本発明の化合物」または同様のものは、当該化合物及びその医薬的に許容可能な塩を指し得る。本発明の化合物の例としては、限定されないが、図1に記載のものが挙げられる。
本開示の化合物の置換基は、本明細書のさまざまな箇所で、群または範囲で開示される。本開示は、そのような群及び範囲の構成要素のありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことが明確に意図される。例えば、「C-Cアルキル」という用語は、メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、及びCアルキルを個々に開示することを明確に意図する。さらに、置換基が群または範囲で開示される位置を化合物が複数含む場合、別段の指定がない限り、本開示は、個々の化合物、ならびに各位置での構成要素のありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含む化合物群(例えば、一般式及びサブ一般式)を網羅することを意図する。
本明細書では、「任意選択で置換されたX」(例えば、任意選択で置換されたアルキル)という形態の語句は、「X、Xは、任意選択で置換される」(例えば、「アルキル、当該アルキルは、任意選択で置換される」)と等価であることを意図するものである。特徴「X」(例えば、アルキル)自体が任意選択であることを意味することは意図されない。本明細書に記載のように、ある特定の目的化合物は、「任意選択で置換された」部分を1つ以上含み得る。一般に、「置換された」という用語は、「任意選択で」という用語が前に付くか否かにかかわらず、指定部分の水素の1つ以上が、適切な置換基(例えば、本明細書に記載の置換基または基のいずれか)によって置き換えられていることを意味する。別段の指定がない限り、「任意選択で置換された」基は、当該基の各置換可能位置に適切な置換基を有し得、任意の所与の構造の複数位置が、特定の群から選択される複数の置換基によって置換され得る場合、そうした置換基は、あらゆる位置で同じか、または異なり得る。本開示が想定する置換基の組み合わせは、好ましくは、結果として安定な化合物または化学的に実現可能な化合物が形成されるものである。本明細書で使用される「安定」という用語は、本明細書に開示の目的のうちの1つ以上のために、化合物の生成、検出、ならびにある特定の実施形態では、回収、精製、及び使用を可能にする条件に供されても、当該化合物が実質的に変化しないことを指す。
「任意選択で置換された」基の置換可能な炭素原子に対する適切な一価の置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、-(CH0-4、-(CH0-4OR、-O(CH0-4、-O-(CH0-4C(O)OR°、-(CH0-4CH(OR、-(CH0-4SR、-(CH0-4Ph(R°で置換され得る)、-(CH0-4O(CH0-1Ph(R°で置換され得る)、-CH=CHPh(R°で置換され得る)、-(CH0-4O(CH0-1-ピリジル(R°で置換され得る)、4~8員の飽和もしくは不飽和のヘテロシクリル(例えば、ピリジル)、3~8員の飽和もしくは不飽和のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、もしくはシクロペンチル)、-NO、-CN、-N、-(CH0-4N(R、-(CH0-4N(R)C(O)R、-N(R)C(S)R、-(CH0-4N(R)C(O)NR 、-N(R)C(S)NR 、-(CH0-4N(R)C(O)OR、-N(R)N(R)C(O)R、-N(R)N(R)C(O)NR 、-N(R)N(R)C(O)OR、-(CH0-4C(O)R、-C(S)R、-(CH0-4C(O)OR、-(CH0-4-C(O)-N(R、-(CH0-4-C(O)-N(R)-S(O)-R、-C(NCN)NR°、-(CH0-4C(O)SR、-(CH0-4C(O)OSiR 、-(CH0-4OC(O)R、-OC(O)(CH0-4SR、-SC(S)SR°、-(CH0-4SC(O)R、-(CH0-4C(O)NR 、-C(S)NR 、-C(S)SR°、-(CH0-4OC(O)NR 、-C(O)N(OR)R、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-C(NOR)R、-(CH0-4SSR、-(CH0-4S(O)、-(CH0-4S(O)OR、-(CH0-4OS(O)、-S(O)NR 、-(CH0-4S(O)R、-N(R)S(O)NR 、-N(R)S(O)、-N(OR)R、-C(NOR°)NR°、-C(NH)NR 、-P(O)、-P(O)R 、-P(O)(OR°)、-OP(O)R 、-OP(O)(OR、-OP(O)(OR°)R°、-SiR 、-(C1-4直鎖アルキレンもしくはC1-4分岐アルキレン)O-N(R、または-(C1-4直鎖アルキレンもしくはC1-4分岐アルキレン)C(O)O-N(Rであり得、各Rは、以下に定義されるように置換され得るものであり、各Rは、独立して、水素、-C脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する3~6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環であり、あるいは上記の定義にかかわらず、独立して存在する2つのRは、それらの介在原子(複数可)と一緒になることで、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する3~12員の飽和環、部分不飽和環、またはアリール単環式環もしくはアリール二環式環を形成し、こうしたものは、以下に定義されるように置換され得る。
に対する適切な一価の置換基(または独立して存在する2つのRがそれらの介在原子と一緒になることによって形成される環に対する適切な一価の置換基)は、独立して、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR、-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C1-4直鎖アルキレンもしくはC1-4分岐アルキレン)C(O)OR、または-SSRであり得、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に付く場合は、1つ以上のハロゲンのみによって置換され、各Rは、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する5~6員飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環、から独立して選択される。Rの飽和炭素原子に対する適切な二価の置換基には、=O及び=Sが含まれる。
「任意選択で置換された」基の飽和炭素原子に対する適切な二価の置換基には、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、-O(C(R ))2-3O-、または-S(C(R ))2-3S-が含まれ、独立して存在する各Rは、水素、C1-6脂肪族(以下に定義されるように置換され得る)、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する非置換の5~6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環、から選択される。「任意選択で置換された」基の置換可能な隣接炭素に結合される適切な二価の置換基には、-O(CR 2-3O-が含まれ、独立して存在する各Rは、水素、C1-6脂肪族(以下に定義されるように置換され得る)、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する非置換の5~6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環、から選択される。
の脂肪族基に対する適切な置換基には、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOが含まれ、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に付く場合は、1つ以上のハロゲンのみによって置換され、各Rは、独立してC1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する5~6員飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環である。
「任意選択で置換された」基の置換可能な窒素に対する適切な置換基には、-R、-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-S(O)、-S(O)NR 、-C(S)NR 、-C(NH)NR 、または-N(R)S(O)が含まれ、各Rは、独立して、水素、C脂肪族(以下に定義されるように置換され得る)、非置換-OPh、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する非置換の3~6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環であり、あるいは上記の定義にかかわらず、独立して存在する2つのRは、それらの介在原子(複数可)と一緒になることで、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する非置換の3~12員の飽和環、部分不飽和環、またはアリール単環式環もしくはアリール二環式環を形成する。
の脂肪族基に対する適切な置換基は、独立して、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOであり、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に付く場合は、1つ以上のハロゲンのみによって置換され、各Rは、独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4つのヘテロ原子を有する5~6員飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環である。Rの飽和炭素原子に対する適切な二価の置換基には、=O及び=Sが含まれる。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1~20個(例えば、1~10個または1~6個)の炭素を含む飽和炭化水素基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、非分岐鎖(すなわち、直鎖)である。いくつかの実施形態では、アルキル基は、分岐鎖である。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル及びイソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、及びtert-ブチル、ならびにネオペンチルが挙げられる。
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素から2つの水素原子を除去することによって得られる二価の飽和炭化水素基を表し、メチレン、エチレン、イソプロピレン、及び同様のものによって例示される。「C-Cアルキレン」という用語は、x~y個の炭素を有するアルキレン基を表す。xの値の例は、1、2、3、4、5、及び6であり、yの値の例は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、または20である(例えば、C-Cアルキレン、C-C10アルキレン、C-C20アルキレン、C-Cアルキレン、C-C10アルキレン、またはC-C20アルキレン)。いくつかの実施形態では、アルキレンは、アルキル基について本明細書で定義されるように1つ、2つ、3つ、または4つの置換基によってさらに置換され得る。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、1つ以上の炭素間二重結合を含む直鎖または分岐鎖の一価の基(別段の指定がない限り、2~20個の炭素(例えば、2~6個または2~10個の炭素)を含む)を表し、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、及び同様のものによって例示される。アルケニルには、シス異性体及びトランス異性体の両方が含まれる。本明細書で使用される「アルケニレン」という用語は、1つ以上の炭素間二重結合を含む直鎖または分岐鎖の二価の基(別段の指定がない限り、2~20個の炭素(例えば、2~6個または2~10個の炭素)を含む)を表す。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、炭素間三重結合を含む直鎖または分岐鎖の一価の基(2~20個の炭素原子(例えば、2~4個、2~6個、または2~10個の炭素)を含む)を表し、エチニル、1-プロピニル、及び同様のものによって例示される。
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、-N(Rを表す。
本明細書に記載の「アミノ酸」という用語は、側鎖、アミノ基、及び酸性基(例えば、カルボキシ基(-COH)またはスルホ基(-SOH))を有する分子を指し、アミノ酸は、側鎖、アミノ基、または酸性基(例えば、側鎖)によって親分子基と結合される。本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、その広義では、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る任意の化合物及び/または物質を指し、この組み込みは、例えば、1つ以上のペプチド結合の形成を介して生じる。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、HN-C(H)(R)-COOHという一般構造を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、天然起源のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、合成アミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、D-アミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、L-アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然起源のペプチドに一般に見られる20種類の標準L-アミノ酸のいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、それが合成的に調製されるか、または天然源から得られるかどうかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。いくつかの実施形態では、ポリペプチド中のカルボキシ末端のアミノ酸及び/またはアミノ末端のアミノ酸を含めて、アミノ酸は、上記の一般構造と比較して構造的な修飾を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般構造と比較してメチル化、アミド化、アセチル化、及び/または置換によって修飾され得る。いくつかの実施形態では、そのような修飾は、例えば、そうした修飾を受けるアミノ酸を含むポリペプチドの循環半減期を、当該修飾を含まないこと以外は同一の非修飾アミノ酸を含むものと比較して変化させ得る。いくつかの実施形態では、そのような修飾は、そうした修飾を受けるアミノ酸を含むポリペプチドの関連活性を、当該修飾を含まないこと以外は同一の非修飾アミノ酸を含むものと比較して顕著に変化させない。文脈から明らかであろうが、いくつかの実施形態では、「アミノ酸」という用語は、遊離アミノ酸を指すために使用され、いくつかの実施形態では、ポリペプチドのアミノ酸残基を指すために使用される。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、側鎖またはアミノ基をカルボニル基と結合することによって親分子基と結合される。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、α-アミノ酸である。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、β-アミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、γ-アミノ酸である。側鎖の例としては、任意選択で置換されたアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルカリル、アルクヘテロシクリル(alkheterocyclyl)、アミノアルキル、カルバモイルアルキル、及びカルボキシアルキルが挙げられる。アミノ酸の例としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、任意選択で置換されたヒドロキシルノルバリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、ノルバリン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、ピロールリジン、セレノシステイン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンが挙げられる。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、炭素原子によって形成される一価の単環式環系、二環式環系、または多環式環系を表し、各環は、芳香族である、アリール基の例は、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、及びアントラセニルである。アリール環は、そのペンダント基と、安定構造が結果的に得られる任意のヘテロ原子または炭素環原子の位置で結合可能であり、環原子はいずれも、別段の指定がない限り、任意選択で置換され得る。
本明細書で使用される「C」という用語は、結合を表す。例えば、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-という用語の一部は、-N(C(O)-(Cアルキレン-H)-を含み、これは、-N(C(O)-H)-によっても表される。
本明細書で使用される「炭素環式」及び「カルボシクリル」という用語は、任意選択で置換された一価のC-C12単環式環構造、C-C12二環式環構造、またはC-C12三環式環構造を指し、こうした環はすべて、炭素原子によって形成され、少なくとも1つの環は、非芳香族である。炭素環式構造には、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びシクロアルキニル基が含まれる。カルボシクリル基の例は、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロオクチニル、1,2-ジヒドロナフチル(例えば、
Figure 2022520154000122
)、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル(例えば、
Figure 2022520154000123
)、フルオレニル(例えば、
Figure 2022520154000124
)、インデニル(例えば、
Figure 2022520154000125
)、インダニル(例えば、
Figure 2022520154000126
)、デカリニル、及び同様のものである。炭素環式環は、そのペンダント基と、安定構造が結果的に得られる任意のヘテロ原子または炭素環原子の位置で結合可能であり、環原子はいずれも、別段の指定がない限り、任意選択で置換され得る。
本明細書で使用される「カルボニル」という用語は、C(O)基を表し、この基は、C=Oとしても表され得る。
本明細書で使用される「カルボキシ」という用語は、-COHまたは非プロトン化カウンターパートを意味する。
本明細書で使用される「シアノ」という用語は、-CN基を表す。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、一価の環式飽和炭化水素基(別段の指定がない限り、3~8つの炭素を含む)を表し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、二環ヘプチル、及び同様のものによって例示される。
「ジイル」という用語は、化合物の名称で使用される場合、二価のラジカルを表す。
本明細書で使用される「ジアステレオマー」という用語は、互いに鏡像ではなく、互いに重ね合わせることができない立体異性体を意味する。
本明細書で使用される「エナンチオマー」という用語は、本発明の化合物の個々の光学的に活性な各形態を意味し、この形態の光学純度またはエナンチオマー過剰率(当該技術分野の標準的な方法によって決定されるもの)は、少なくとも80%(すなわち、少なくとも90%が、一方のエナンチオマーであり、多くとも10%が、もう一方のエナンチオマーである)、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも98%である。
本明細書で使用される「ハロ」という用語は、臭素、塩素、ヨウ素、またはフッ素から選択されるハロゲンを表す。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの完全な芳香環を含み、N、O、またはSから選択される環ヘテロ原子を当該芳香環中に少なくとも1つ含む一価の単環式環構造または多環式環構造を表し、すなわち、この単環式環構造または多環式環構造は、そうした単環式環系または多環式環系内に4n+2個のπ電子を含む。非置換ヘテロアリール基の例は、1~12個(例えば、1~11個、1~10個、1~9個、2~12個、2~11個、2~10個、または2~9個)の炭素を含むものである。「ヘテロアリール」という用語は、上記のヘテロ芳香環のいずれかが1つ以上のアリール環または炭素環式環(例えば、フェニル環またはシクロヘキサン環)と縮合した二環式基、三環式基、及び四環式基を含む。ヘテロアリール基の例としては、限定されないが、ピリジル、ピラゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、キノリニル(例えば、
Figure 2022520154000127
)、テトラヒドロキノリニル(例えば、
Figure 2022520154000128
)、4-アザインドリル(例えば、
Figure 2022520154000129
)、ならびに同様のものが挙げられる。ヘテロアリール環は、そのペンダント基と、安定構造が結果的に得られる任
意のヘテロ原子または炭素環原子の位置で結合可能であり、環原子はいずれも、別段の指定がない限り、任意選択で置換され得る。ある実施形態では、ヘテロアリールは、1つ、2つ、3つ、または4つの置換基によって置換される。
本明細書で使用される「ヘテロアリーレン」という用語は、少なくとも1つの完全な芳香環を含み、N、O、またはSから選択される環ヘテロ原子を当該芳香環中に少なくとも1つ含む二価のヘテロ芳香環系単環式環構造またはヘテロ芳香環系多環式環構造を表す。「ヘテロアリーレン」という用語は、上記のヘテロ芳香環のいずれかが1つ以上のアリール環または炭素環式環と縮合した二価の二環式基、三環式基、及び四環式基を含む。ヘテロアリーレン環は、そのペンダント基と、安定構造が結果的に得られる任意のヘテロ原子または炭素環原子の位置で結合可能であり、環原子はいずれも、別段の指定がない限り、任意選択で置換され得る。ある実施形態では、ヘテロアリーレンは、1つ、2つ、3つ、または4つの置換基によって置換される。
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1つの環が非芳香族であり、そうした非芳香環が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含む一価の単環式環系、二環式環系、または多環式環系を表す。5員環は、0~2つの二重結合を有し、6員環及び7員環は、0~3つの二重結合を有する。非置換ヘテロシクリル基の例は、1~12個(例えば、1~11個、1~10個、1~9個、2~12個、2~11個、2~10個、または2~9個)の炭素を含むものである。「ヘテロシクリル」という用語は、単環式環を構成する2つの非隣接員を1つ以上の炭素及び/またはヘテロ原子が架橋する架橋多環式構造を有するヘテロ環式化合物(例えば、キヌクリジニル基)も表す。「ヘテロシクリル」という用語は、上記のヘテロ環式環のいずれかが1つ以上の芳香環、炭素環式環、ヘテロ芳香環、またはヘテロ環式環(例えば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、ピリジン環、またはピロリジン環)と縮合した二環式基、三環式基、及び四環式基を含む。ヘテロシクリル基の例は、ピロリジニル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル(例えば、
Figure 2022520154000130
)、デカヒドロキノリニル(例えば、
Figure 2022520154000131
)、ジヒドロピロロピリジン(例えば、
Figure 2022520154000132
)、デカヒドロナフチリジニル(例えば、
Figure 2022520154000133
)、及び同様のものである。ヘテロ環式環は、そのペンダント基と、安定構造が結果的に得られる任意のヘテロ原子または炭素環原子の位置で結合可能であり、環原子はいずれも、別段の指定がない限り、任意選択で置換され得る。
本明細書で使用される「ヘテロシクリレン」という用語は、少なくとも1つの環が非芳香族であり、そうした非芳香環が、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含む二価の単環式環系、二環式環系、または多環式環系を表す。「ヘテロシクリレン」という用語は、上記のヘテロ環式環のいずれかが1つ以上の芳香環、炭素環式環、ヘテロ芳香環、またはヘテロ環式環と縮合した二環式基、三環式基、及び四環式基を含む。ヘテロシクリレン環は、そのペンダント基と、安定構造が結果的に得られる任意のヘテロ原子または炭素環原子の位置で結合可能であり、環原子はいずれも、別段の指定がない限り、任意選択で置換され得る。
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、1つ以上の同じまたは異なるハロ部分によって1つ以上の炭素原子が置換されたアルキル部分を表す。
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つ以上の-OH部分によって1つ以上の炭素原子が置換されたアルキル部分を表す。
本明細書で使用される「異性体」という用語は、本発明のいずれかの化合物の任意の互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、またはジアステレオマーを意味する。本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心及び/または二重結合を有し得ることから、立体異性体(二重結合異性体(すなわち、幾何E/Z異性体)またはジアステレオマー(例えば、エナンチオマー(すなわち、(+)もしくは(-))またはシス/トランス異性体など)として存在し得ることが認識されよう。本発明によれば、本明細書に示される化学構造、したがって本発明の化合物は、対応する立体異性体をすべて包含し、すなわち、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何的に純粋な形態、エナンチオマー的に純粋な形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)と、エナンチオマー混合物及び立体異性体混合物(例えば、ラセミ体)と、の両方を包含する。本発明の化合物のエナンチオマー混合物及び立体異性体混合物は、典型的には、よく知られる方法によってそのエナンチオマー成分または立体異性体成分へと分割され得る。こうした方法は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、化合物をキラル塩錯体として結晶化させるもの、または化合物をキラル溶媒中で結晶化させるものなどである。エナンチオマー及び立体異性体は、よく知られる不斉合成法によって、立体異性体的またはエナンチオマー的に純粋な中間体、試薬、及び触媒から得ることもできる。
本明細書で使用される「メチレン単位」という用語は、二価の-CH-部分を表す。
本明細書で使用される「ニトロ」という用語は、-NO基を表す。
本明細書で使用される「オキソ」という用語は、=Oを表す。
本明細書で使用される「窒素含有飽和ヘテロシクリル」という用語は、二重結合を環中に含まず、少なくとも1つの窒素原子を含むヘテロシクリル部分を表す。「窒素含有飽和ヘテロシクリル」の例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、及び同様のものが挙げられる。
本明細書で使用される「スピロシクリル」という用語は、自体の両末端が親基の同じ炭素原子と結合されてスピロ環式基を形成したC-Cアルキレンジラジカルを表すと共に、自体の両末端が同じ原子と結合したC-Cヘテロアルキレンジラジカルも表す。スピロシクリル基を形成するヘテロアルキレンラジカルは、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1つ、2つ、3つ、または4つのヘテロ原子を含み得る。いくつかの実施形態では、スピロシクリル基は、ジラジカルの結合先である炭素原子を除いて、1~7つの炭素を含む。本発明のスピロシクリル基は、シクロアルキル基及び/またはヘテロシクリル基に対する任意選択の置換基として本明細書で提供される置換基の1つ、2つ、3つ、または4つによって任意選択で置換される。
本明細書で使用される「立体異性体」という用語は、化合物(例えば、本明細書に記載のいずれかの式の化合物)が有し得る可能な異なる異性形態ならびに立体配座形態のすべてを指し、具体的には、基本分子構造の立体化学的及び立体配座的に可能な異性形態のすべて、ジアステレオマー、エナンチオマー、及び/または配座異性体のすべてを指す。本発明の化合物のいくつかは、異なる互変異性形態で存在し得、後者はすべて、本発明の範囲に含まれる。
本明細書で使用される「スルホニル」という用語は、-S(O)-基を表す。
定義
本出願では、文脈からその他の意味であることが明らかでない限り、(i)「a」という用語は、「少なくとも1つの」を意味すると理解することができ、(ii)「または」という用語は、「及び/または」を意味すると理解することができ、(iii)「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、単独で使用されるか、または1つ以上の追加の要素もしくはステップと一緒に使用されるかにかかわらず、列挙される要素またはステップを包含するものと理解することができ、(iv)「約」及び「およそ」という用語は、当業者が理解すると想定される標準的な変動を許容するものと理解することができ、(v)範囲が与えられる場合、端点は含まれる。
本明細書で使用される「隣接」という用語は、隣接原子を説明する文脈では、二価の原子が共有結合によって直接的に連結されていることを指す。
本明細書で使用される「投与」という用語は、組成物(例えば、化合物、複合体、または本明細書に記載の化合物もしくは複合体を含む調製物)を対象または系に投与することを指す。動物対象(例えば、ヒト)への投与は、任意の適切な経路によるものであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、気管支(気管支内注入によるものを含む)、頬、腸内、皮膚間、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、くも膜下腔内、静脈内、脳室内、粘膜、鼻腔、口腔、直腸、皮下、舌下、局所、気管(気管内注入によるものを含む)、経皮、腟、及び硝子体へのものであり得る。
当業者には知られていることであるが、「親和性」は、特定のリガンドがそのパートナーに結合する堅固さの尺度である。親和性は、様々な方法で測定され得る。いくつかの実施形態では、親和性は、定量的アッセイによって測定される。いくつかのそのような実施形態では、結合パートナー濃度は、生理学的条件を模倣するために、リガンド濃度が過剰となるように固定され得る。代替的または付加的に、いくつかの実施形態では、結合パートナー濃度及び/またはリガンド濃度は変更され得る。いくつかのそのような実施形態では、親和性は、条件(例えば、濃度)を同等にして参照と比較され得る。
本明細書で使用される「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、任意の発育段階にあるヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、任意の発育段階にある非ヒト動物を指す。いくつかの実施形態では、非ヒト動物は、哺乳類(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、及び/またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物には、限定されないが、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、及び/または虫が含まれる。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝的に操作された動物、及び/またはクローンであり得る。
本明細書で使用される「アンタゴニスト」という用語は、i)標的タンパク質(例えば、真核生物標的タンパク質(哺乳類標的タンパク質もしくは真菌標的タンパク質など)または原核生物標的タンパク質(細菌標的タンパク質など))の作用を抑制、減少、または低減し、及び/またはii)1つ以上の生物学的事象を抑制、減少、低減、または遅延させる化合物を指す。アンタゴニストは、直接的なもの(この場合、アンタゴニストが、その標的にその影響を直接的に及ぼす)であるか、あるいは間接的なもの(この場合、アンタゴニストが、その標的に結合する以外のことによってその影響を及ぼす(このことは、例えば、標的タンパク質(例えば、真核生物標的タンパク質(哺乳類標的タンパク質もしくは真菌標的タンパク質など)または原核生物標的タンパク質(細菌標的タンパク質など))の制御因子と相互作用することによって生じ、その結果、例えば、標的タンパク質のレベルまたは活性が変化する)であり得る。
本明細書で使用される「およそ」及び「約」という用語はそれぞれ、関連する状況に適するように当業者が理解すると想定される通常の統計的変動を包含することを意図する。ある特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語はそれぞれ、別段の記載がない限り、または文脈からその他の意味であることが明らか(例えば、そのような値が可能な値の100%を超えると想定される場合)でない限り、値の範囲が、記載の値のいずれの方向(当該値を上回る方向または下回る方向)にもその25%以内、20%以内、19%以内、18%以内、17%以内、16%以内、15%以内、14%以内、13%以内、12%以内、11%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内、またはそれ未満の%以内に収まることを指す。
当該用語が本明細書で使用されるように、2つの事象または実体は、一方の存在、レベル、及び/または形態が、もう一方のものと相関する場合、互いに「結び付く」。例えば、特定の実体(例えば、ポリペプチド)は、その存在、レベル、及び/または形態が、(例えば、関連集団全体で)特定の疾患、障害、または状態の発症率及び/または罹患率と相関する場合、そうした疾患、障害、または状態と結び付くと考えられる。いくつかの実施形態では、2つ以上の実体は、それらが直接的または間接的に相互作用する結果、それらが互いに物理的に近づき、その近接性を維持する場合、互いに物理的に「結び付く」。いくつかの実施形態では、互いに物理的に結び付く2つ以上の実体は、互いに共有結合で連結される。いくつかの実施形態では、互いに物理的に結び付く2つ以上の実体は、互いに共有結合では連結されないが、例えば水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性、及びそれらの組み合わせによって、非共有結合で結び付く。
本明細書で使用される「結合」という用語は、典型的には、2つ以上の実体の間の結び付き(例えば、非共有結合または共有結合)を指すことが理解されよう。「直接的な」結合は、実体間または部分間の物理的な接触を伴うものである。間接的な結合は、1つ以上の中間実体との物理的な接触による物理的な相互作用を伴うものである。2つ以上の実体の間の結合は、典型的には、相互作用する実体または部分が、単離状態で試験される場合、あるいはより複雑な系(例えば、担体実体と共有結合もしくはその他の様式で結び付いており、及び/または生物学的系もしくは細胞におけるもの)の状況で試験される場合を含めて、さまざまな状況のいずれにおいても評価され得る。
分子XのパートナーYに対する分子Xの親和性は、一般に、解離定数(K)によって表され得る。親和性は、本明細書に記載のものを含めて、当該技術分野で知られる一般的な方法によって測定され得る。以下には、結合親和性を測定するための具体的な実例及び実施形態例が記載される。本明細書で使用される「K」という用語は、特定の化合物-タンパク質相互作用または複合体-タンパク質相互作用の解離平衡定数を指すことを意図する。典型的には、本発明の化合物は、約10-6M未満の解離平衡定数(K)(およそ10-7M未満、およそ10-8M未満、およそ10-9M未満、もしくはおよそ10-10M未満、またはそれよりさらに低い値など)でプレゼンタータンパク質に結合するものであり、こうしたKは、例えば、プレゼンタータンパク質をアナライト、化合物をリガンドとして使用して表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって決定した場合に得られる。本発明のプレゼンタータンパク質/化合物複合体は、約10-6M未満の解離平衡定数(K)(およそ10-7M未満、およそ10-8M未満、およそ10-9M未満、もしくはおよそ10-10M未満、またはそれよりさらに低い値など)で標的タンパク質(例えば、真核生物標的タンパク質(哺乳類標的タンパク質もしくは真菌標的タンパク質など)または原核生物標的タンパク質(細菌標的タンパク質など))に結合し、こうしたKは、例えば、標的タンパク質をアナライト、複合体をリガンドとして使用して表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって決定した場合に得られる。
本明細書で使用される「併用療法」という用語は、2つ以上の治療レジメン(例えば、2つ以上の化合物(本発明の化合物など))に同時に対象を曝露する状況を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の化合物は、同時に投与され得る。いくつかの実施形態では、そのような化合物は、連続的に投与され得る。いくつかの実施形態では、そのような化合物は、オーバーラップする投薬レジメンで投与される。
本明細書で使用される「同等」という用語は、2つ以上の化合物、実体、状況、一連の状態などが、互いに同一ではあり得ないが、それらの間での比較が可能になる上で十分に類似しており、その結果、観察される差異または類似性に基づいて合理的に結論を導き得ることを指す。いくつかの実施形態では、一連の状態、状況、個体、または集団が同等であることは、実質的に同一の特徴が複数存在し、異なる特徴が1つまたは少数であることによって特徴付けられる。2つ以上のそのような化合物、実体、状況、一連の状態などが同等と見なされるには、任意の所与の状況においてどの程度の同一性が必要とされるかを、当業者なら文脈を加味して理解するであろう。例えば、一連の状況、個体、または集団が、実質的に同一の特徴を有しており、異なる一連の状況、個体、もしくは集団の下で、または異なる一連の状況、個体、もしくは集団と共に得られる結果または観察される現象における差異が、そうした特徴の変動が異なることによって生じるものであるか、またはそうした特徴の変動が異なることを示しているという合理的な結論を保証する上でそうした特徴の数及び型が十分であることによって特徴付けられる場合、そうした一連の状況、個体、または集団は、互いに同等であることを、当業者なら理解するであろう。
本明細書で使用される「複合体」という用語は、2つ以上の化合物及び/またはタンパク質が結合相互作用(例えば、非共有結合相互作用(疎水性効果相互作用、静電相互作用、ファンデルワールス相互作用、またはπ効果相互作用など))を介して一緒に結合した一群を指す。複合体の例は、本発明の化合物がプレゼンタータンパク質に結合したものを含む「プレゼンタータンパク質/化合物複合体」である。
本明細書で使用される「に対応する」という用語は、適切な参照化合物に存在するものと(例えば、三次元空間において、または別の要素もしくは部分との相対的な関係において)位置を共有する、目的化合物中の構造的な要素または部分を指定するために使用されることが多い。例えば、いくつかの実施形態では、この用語は、ポリマー中の残基(ポリペプチド中のアミノ酸残基または核酸中のヌクレオチド残基など)の位置/同一性を指すために使用される。単純化の目的で、そのようなポリマー中の残基は、参照関連ポリマーに基づく標準的な番号付けシステムを使用して指定されることが多く、その結果、第1のポリマー中で、参照ポリマー中の位置190の残基「に対応する」残基は、例えば、実際に第1のポリマー中の190番目の残基である必要はなく、参照ポリマーの190番目の位置に見られる残基に対応するものであることを、当業者なら理解するであろうし、ポリマー配列の比較のために特別に設計された商業的に利用可能なアルゴリズムを1つ以上使用するものを含めて、「対応する」アミノ酸をどのように同定するかを、当業者なら容易に理解する。
本明細書に記載の方法論の多くは、「決定」ステップを含む。そのような「決定」は、当業者が利用可能なさまざまな手法(例えば、本明細書で明示的に言及される特定の手法を含む)のいずれかを利用するものであるか、またはそうした手法を使用することによって達成されるものであり得ることを、当業者なら本明細書を読めば理解するであろう。いくつかの実施形態では、決定は、物理的な試料の操作を伴うものである。いくつかの実施形態では、決定は、データまたは情報の考察及び/または操作を伴うものであり、こうしたことは、例えば、関連解析の実施に適したコンピューターまたは他の処理装置を利用して行われる。いくつかの実施形態では、決定は、関連する情報及び/または材料を供給源から入手することを伴う。いくつかの実施形態では、決定は、試料または実体の特徴の1つ以上を同等の参照と比較することを伴う。
本明細書で使用される「剤形」という用語は、対象に投与するための活性化合物(例えば、治療剤または診断剤)の物理的に個別の単位を指す。各単位は、所定量の活性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、そのような量は、関連集団に投与された場合に所望の結果または有益な結果が得られることと相関するように決定された投薬レジメン(すなわち、治療投薬レジメン)に従って行われる投与に適する単位投与量(またはその全体量)である。特定の対象に投与される治療組成物または治療化合物の総量は、1人以上の担当医師によって決定され、複数の剤形の投与を伴うものであり得ることを、当業者なら理解するであろう。
本明細書で使用される「投薬レジメン」という用語は、一連の単位用量(典型的には複数)を個々に対象に投与すること(この投与は、典型的には、間隔をあけて行われる)を指す。いくつかの実施形態では、所与の治療化合物には推奨投薬レジメンがあり、こうした投薬レジメンは、1回以上の用量を含み得る。いくつかの実施形態では、投薬レジメンは、同じ長さの期間によってそれぞれが互いに分離された複数回用量を含む。いくつかの実施形態では、投薬レジメンは、複数回用量を含み、個々の用量は、少なくとも2つの異なる期間によって分離される。いくつかの実施形態では、投薬レジメンに含まれるすべての用量が、同じ単位投与量のものである。いくつかの実施形態では、投薬レジメンに含まれる異なる用量は、量が異なるものである。いくつかの実施形態では、投薬レジメンでは、第1の投与量で第1の用量が使用され、その後に、第1の投与量とは異なる第2の投与量で追加用量が1回以上使用される。いくつかの実施形態では、投薬レジメンでは、第1の投与量で第1の用量が使用され、その後に、第1の投与量と同じ第2の投与量で追加用量が1回以上使用される。いくつかの実施形態では、投薬レジメンは、関連集団全体に投与された場合、所望の結果または有益な結果と相関する(すなわち、治療投薬レジメンである)。
本明細書で使用される「大環状化合物」という用語は、9つ以上の環原子を有する環を含む小分子化合物を指す。いくつかの実施形態では、大環状化合物は、小分子に存在する非水素原子の25%超(例えば、30%超、35%超、40%超、45%超)が単環構造または縮合環構造に含まれる小分子である。
「調節因子」という用語は、目的活性が観察される系における自体の存在またはレベルが、自体が存在しないこと以外は同等の条件の下で観察されるものと比較して、当該活性のレベル及び/または性質と相関する実体を指すために使用される。いくつかの実施形態では、調節因子は、それが存在すると、当該調節因子が存在しないこと以外は同等の条件の下で観察されるものと比較して活性が上昇するという点で、活性化因子である。いくつかの実施形態では、調節因子は、それが存在すると、当該調節因子が存在しないこと以外は同等の条件と比較して活性が低下するとう点で、アンタゴニストまたは阻害剤である。いくつかの実施形態では、調節因子は、目的活性を有する標的実体と直接的に相互作用する。いくつかの実施形態では、調節因子は、目的活性を有する標的実体と間接的に相互作用する(すなわち、標的実体と相互作用する中間体化合物と直接的に相互作用する)。いくつかの実施形態では、調節因子は、目的の標的実体のレベルに影響を与える。代替的または付加的に、いくつかの実施形態では、調節因子は、標的実体のレベルに影響を与えることなく目的の標的実体の活性に影響を与える。いくつかの実施形態では、調節因子は、目的の標的実体のレベル及び活性の両方に影響を与え、その結果、観察される活性差異は、観察されるレベル差異によって完全に説明されないものであるか、または観察されるレベル差異に見合わないものである。いくつかの実施形態では、調節因子は、アロステリック調節因子(アロステリックアゴニストなど)である。
本明細書で使用される「変異体RASタンパク質」という用語は、対応する野生型RASタンパク質中の非システインアミノ酸がシステインに変異した変異を少なくとも1つ含むRASタンパク質(例えば、KRAS、NRAS、HRAS)を意味する。
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、活性化合物が1つ以上の医薬的に許容可能な担体と一緒に製剤化されたものを指す。いくつかの実施形態では、活性化合物は、関連集団に投与された場合に所定の治療効果が統計的に有意な確率で達成される治療レジメンでの投与に適した単位投与量中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、固体形態または液体形態での投与向けに医薬組成物を特別に製剤化することができ、こうしたものには、下記の投与に適したものが含まれる:経口投与(例えば、液体内服剤(水性または非水性の溶液または懸濁液)、錠剤(例えば、口腔、舌下、及び体内吸収を標的とするもの)、ボーラス、粉末、顆粒、舌に適用するためのペースト)、非経口投与(例えば、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、または硬膜外注射によるもの(例えば、滅菌された溶液もしくは懸濁液または徐放性製剤として行われる))、局所適用(例えば、クリーム、軟膏、または皮膚、肺、もしくは口腔に適用される放出制御型のパッチもしくはスプレーとして行われる)、腟内投与または直腸内投与(例えば、ペッサリー、クリーム、または泡沫として行われる)、舌下投与、眼投与、経皮投与、あるいは経鼻投与、肺投与、及び他の粘膜表面への投与。
本明細書で使用される「医薬的に許容可能な医薬品添加物」は、対象において無毒かつ非炎症性の特性を有する任意の不活性成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解する能力を有する媒体)を指す。典型的な医薬品添加物には、例えば、抗接着剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、色素(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、増量剤(希釈剤)、フィルム形成剤もしくはコーティング剤、香味剤、芳香剤、流動促進剤(流動増進剤)、滑沢剤、保存剤、印刷用インク、吸着剤、懸濁剤もしくは分散剤、甘味剤、または水和水が含まれる。医薬品添加物には、限定されないが、任意選択で置換されたブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、任意選択で置換されたヒドロキシルプロピルセルロース、任意選択で置換されたヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、セラック、二酸化ケイ素、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及びキシリトールが含まれる。当業者なら、医薬品添加物として有用なさまざまな薬剤及び材料に精通している。
本明細書で使用される「医薬的に許容可能な塩」という用語は、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答、及び同様のものを伴うことなく、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触させて使用する上で適しており、合理的な利益/リスク比に見合う、本明細書に記載の化合物の上記の塩を指す。医薬的に許容可能な塩は、当該技術分野でよく知られている。例えば、医薬的に許容可能な塩については、Berge et al.,J.Pharmaceutical Sciences 66:1-19,1977及びPharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(Eds.P.H.Stahl and C.G.Wermuth),Wiley-VCH,2008に記載されている。こうした塩は、本明細書に記載の化合物を最終的に単離及び精製する間にインサイチュで調製されるか、または遊離塩基性基を適切な有機酸と反応させることによって別に調製され得る。
本発明の化合物は、医薬的に許容可能な塩として調製することを可能にするイオン化可能な基を有し得る。こうした塩は、無機酸もしくは有機酸を含む酸付加塩であり得るか、またはこうした塩は、本発明の化合物が酸性形態の場合、無機塩基もしくは有機塩基から調製され得る。多くの場合、化合物は、医薬的に許容可能な酸または塩基が付加した生成物として調製された医薬的に許容可能な塩として調製または使用される。適切な医薬的に許容可能な酸及び塩基は、当該技術分野でよく知られており、こうした酸及び塩基は、酸付加塩の形成については、塩酸、硫酸、臭化水素酸、酢酸、乳酸、クエン酸、または酒石酸などであり、塩基性塩の形成については、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、カフェイン、さまざまなアミン、及び同様のものなどである。適切な塩を調製するための方法は、当該技術分野でよく確立されている。
代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、任意選択で置換された2-ヒドロキシルエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、及び同様のものが含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及び同様のもの、ならびに無毒なアンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン、及びアミンカチオン(限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、及び同様のものを含む)が含まれる。
「プレゼンタータンパク質」という用語は、標的タンパク質(例えば、真核生物標的タンパク質(哺乳類標的タンパク質もしくは真菌標的タンパク質など)または原核生物標的タンパク質(細菌標的タンパク質など))に結合し、その活性を調節する複合体を、小分子に結合することで形成するタンパク質を指す。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、比較的豊富なタンパク質である(例えば、プレゼンタータンパク質は、三元複合体に関与しても、細胞での当該プレゼンタータンパク質の生物学的役割及び/または細胞の生存度もしくは他の属性に実質的に影響を与えないほど十分に豊富に存在する)。ある特定の実施形態では、プレゼンタータンパク質は、細胞内でシャペロン活性を有するタンパク質である。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、細胞内に天然の相互作用パートナーを複数有するタンパク質である。ある特定の実施形態では、プレゼンタータンパク質は、標的タンパク質に結合し、その生物学的活性を調節することが知られるか、または疑われる二元複合体を、小分子に結合することで形成することが知られるものである。
「純粋」という用語は、実質的に純粋であることを意味するか、あるいは望ましくない成分(例えば、他の化合物及び/または他の細胞溶解物成分)、材料汚染、混入、あるいは不完全性が存在しないことを意味する。
「参照」という用語は、目的の化合物、個体、集団、試料、配列、または値の比較相手となる標準または対照の化合物、個体、集団、試料、配列、または値を説明するために本明細書で使用されることが多い。いくつかの実施形態では、参照化合物、参照個体、参照集団、参照試料、参照配列、または参照値は、目的の化合物、個体、集団、試料、配列、または値の試験または決定と実質的に同時に試験及び/または決定される。いくつかの実施形態では、参照化合物、参照個体、参照集団、参照試料、参照配列、または参照値は、歴史的参照であり、こうした歴史的参照は、任意選択で、有形媒体において具体化される。典型的には、当業者なら理解するであろうが、参照化合物、参照個体、参照集団、参照試料、参照配列、または参照値は、目的の化合物、個体、集団、試料、配列、または値の決定または特徴付けに利用されるものと同等の条件の下で決定または特徴付けられる。
「小分子」という用語は、低分子量の有機化合物及び/または無機化合物を意味する。一般に、「小分子」は、サイズが約5キロダルトン(kD)未満の分子である。いくつかの実施形態では、小分子は、約4kD未満、3kD未満、約2kD未満、または約1kD未満のものである。いくつかの実施形態では、小分子は、約800ダルトン(D)未満、約600D未満、約500D未満、約400D未満、約300D未満、約200D未満、または約100D未満のものである。いくつかの実施形態では、小分子は、約2000g/mol未満、約1500g/mol未満、約1000g/mol未満、約800g/mol未満、または約500g/mol未満のものである。いくつかの実施形態では、小分子は、ポリマーではない。いくつかの実施形態では、小分子は、ポリマー部分を含まない。いくつかの実施形態では、小分子は、タンパク質またはポリペプチドではない(例えば、オリゴペプチドまたはペプチドではない)。いくつかの実施形態では、小分子は、ポリヌクレオチドではない(例えば、オリゴヌクレオチドではない)。いくつかの実施形態では、小分子は、多糖ではない。いくつかの実施形態では、小分子は、多糖を含まない(例えば、糖タンパク質、プロテオグリカン、糖脂質などではない)。いくつかの実施形態では、小分子は、脂質ではない。いくつかの実施形態では、小分子は、調節化合物である。いくつかの実施形態では、小分子は、生物学的に活性である。いくつかの実施形態では、小分子は、検出可能である(例えば、少なくとも1つの検出可能部分を含む)。いくつかの実施形態では、小分子は、治療剤である。
本明細書に記載のある特定の小分子化合物は、さまざまな形態のいずれにおいても提供及び/または利用され得ることを、当業者なら本開示を読めば理解するであろう。こうした形態は、例えば、塩形態、保護形態、プロドラッグ形態、エステル形態、異性形態(例えば、光学的及び/または構造的な異性体)、同位体形態などである。いくつかの実施形態では、特定の化合物への言及は、その化合物の特定の形態に関するものであり得る。いくつかの実施形態では、特定の化合物への言及は、いずれかの形態のその化合物に関するものであり得る。いくつかの実施形態では、化合物が天然に存在するか、または天然に見られるものである場合、その化合物は、それが天然に存在するか、または天然に見られる形態とは異なる形態で、本発明に従って提供及び/または利用され得る。化合物の参照調製物または参照供給源(例えば、天然の供給源)のものとは異なるレベル、量、または比率で個々の形態を1つ以上含む化合物調製物は、本明細書に記載の化合物の異なる形態と見なされ得ることを、当業者なら理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態では、例えば、化合物の単一の立体異性体の調製物は、化合物のラセミ混合物とは異なる化合物形態であると見なされ得る。化合物の特定の塩は、化合物の別の塩形態とは異なる形態であると見なされ得る。二重結合の一方の立体配座異性体((Z)または(E))を含む調製物は、二重結合のもう一方の立体配座異性体((E)または(Z))を含む調製物とは異なる形態であると見なされ得る。1つ以上の原子が、参照調製物中に存在する同位体とは異なる同位体である調製物は、異なる形態であると見なされ得る。他の場合も同様である。
本明細書で使用される「特異的結合」または「に対して特異的」または「に特異的」という用語は、結合剤と標的実体との間で相互作用が生じることを指す。当業者なら理解するであろうが、相互作用は、別の相互作用の存在下で選択的に生じる場合(例えば、10μM未満(例えば、5μM未満、1μM未満、500nM未満、200nM未満、100nM未満、75nM未満、50nM未満、25nM未満、10nM未満)のKで結合が生じる場合)、「特異的」であると見なされる。多くの実施形態では、特異的相互作用は、標的実体の特定の構造的特徴(例えば、エピトープ、クレフト、結合部位)の存在に依存している。特異性は、絶対的なものである必要はないことが理解されよう。いくつかの実施形態では、特異性は、1つ以上の他の潜在的な標的実体(例えば、競合物質)に対する結合剤のものと比較して評価され得る。いくつかの実施形態では、特異性は、特異的な参照結合剤のものと比較して評価される。いくつかの実施形態では、特異性は、非特異的な参照結合剤のものと比較して評価される。
「特異的」という用語は、活性を有する化合物に関して使用される場合、当業者の理解によれば、潜在的な標的実体または標的状態を化合物が識別することを意味する。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、競合する別の標的が1つ以上存在する状況で当該化合物の標的に選択的に結合するのであれば、当該標的に「特異的に」に結合すると言われる。多くの実施形態では、特異的相互作用は、標的実体の特定の構造的特徴(例えば、エピトープ、クレフト、結合部位)の存在に依存している。特異性は、絶対的なものである必要はないことが理解されよう。いくつかの実施形態では、特異性は、1つ以上の他の潜在的な標的実体(例えば、競合物質)に対する結合剤のものと比較して評価され得る。いくつかの実施形態では、特異性は、特異的な参照結合剤のものと比較して評価される。いくつかの実施形態では、特異性は、非特異的な参照結合剤のものと比較して評価される。いくつかの実施形態では、薬剤または実体は、その標的実体に結合する条件の下では、競合する別の標的には検出可能なほどは結合しない。いくつかの実施形態では、結合剤は、競合する別の標的(複数可)と比較して結合速度の上昇、解離速度の低下、親和性の上昇、解離の減少、及び/または安定性の向上を伴って、当該結合剤の標的実体に結合する。
「治療レジメン」は、関連集団全体への投与が所望の治療結果または有益な治療結果と相関する投薬レジメンを指す。
「治療的に有効な量」という用語は、疾患、障害、及び/または状態に罹患しているか、または罹患しやすい集団に対して治療投薬レジメンに従って投与された場合、そうした疾患、障害、及び/または状態を治療する上で十分な量を意味する。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、疾患、障害、及び/または状態の発症率及び/または重症度を低減し、及び/またはその症状の1つ以上が発症することを遅延させる量である。「治療的に有効な量」という用語は、実際は、特定の個体において治療の成功が達成される必要はないことを、当業者なら理解するであろう。そうではなく、治療的に有効な量は、そのような治療を必要とする患者に投与されると、相当数の対象において特定の所望の薬理学的応答を与える量であり得る。特定の対象は、実際は、「治療的に有効な量」に「抵抗性」であり得ることが明確に理解されよう。一例を挙げるに過ぎないが、抵抗性の対象でのバイオアベイラビリティは低くあり得、その結果、臨床効果を得ることができない。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量への言及は、1つ以上の特定の組織(例えば、疾患、障害、もしくは状態の患部組織)または体液(例えば、血液、唾液、血清、汗、涙、尿など)において測定される量への言及であり得る。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、単回用量で製剤化及び/または投与され得ることを、当業者なら理解するであろう。いくつかの実施形態では、治療的に有効な量は、例えば投薬レジメンの一部として、複数回用量で製剤化及び/または投与され得る。
「治療」(「治療する」または「治療すること」も使用される)という用語は、その広義では、特定の疾患、障害、及び/または状態の軽減、改善、緩和、抑制、その発症の遅延、その重症度の低減、及び/またはその症状、特徴、及び/または原因の1つ以上の発症率の低減を部分的または完全に達成する物質(例えば、提供される組成物)の任意の投与を指す。いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連する疾患、障害、及び/または状態の徴候を示さない対象に施され、及び/またはそうした疾患、障害、及び/または状態の初期徴候のみを示す対象に施されるものであり得る。代替的または付加的に、いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/または状態の確立された徴候を1つ以上示す対象に施され得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/または状態に罹患していると診断された対象に施されるものであり得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/または状態の発症リスクの増加と統計的に相関する易罹患性因子を1つ以上有することが判明した対象に施されるものであり得る。
「バリアント」という用語は、参照実体との構造同一性が顕著であるが、参照実体と比較して1つ以上の化学的部分の存在またはレベルにおいて参照実体と構造的に異なる実体を指す。多くの実施形態では、バリアントは、その参照実体と機能的にも異なる。一般に、特定の実体が参照実体の「バリアント」と適切に見なされるかどうかは、参照実体とのその構造同一性度合いに基づく。当業者なら理解するであろうが、生物学的参照実体または化学的参照実体はいずれも、ある特定の特徴的な構造要素を有する。バリアントは、定義によれば、そのような特徴的な構造要素を1つ以上共有する異なる化学実体である。少数例を挙げるにすぎないが、小分子は、特徴的なコア構造要素(例えば、ヘキサヒドロピリダジンコア)及び/または1つ以上の特徴的なペンダント部分を有し得、その結果、小分子のバリアントは、そうしたコア構造要素及び特徴的なペンダント部分は共有するが、他のペンダント部分及び/またはコア内に存在する結合の型(単結合であるか二重結合であるか、EであるかZであるかなど)が異なるものである。ポリペプチドは、直鎖もしくは三次元空間での互いに対する位置が規定されており、及び/または特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から構成される特徴的な配列要素を有し得る。核酸は、直鎖または三次元空間での互いに対する位置が規定された複数のヌクレオチド残基から構成される特徴的な配列要素を有し得る。例えば、バリアントポリペプチドは、アミノ酸配列に差異が1つ以上存在し、及び/またはポリペプチド骨格に共有結合で付加された化学的部分(例えば、糖質、脂質など)に差異が1つ以上存在する結果として、参照ポリペプチドと異なり得る。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドが示す参照ポリペプチドとの全配列同一性は、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、または少なくとも99%である。代替的または付加的に、いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、少なくとも1つの特徴的な配列要素を参照ポリペプチドと共有しない。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドは、1つ以上の生物学的活性を有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物学的活性の1つ以上を共有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、参照ポリペプチドの生物学的活性の1つ以上を有さない。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドでは、参照ポリペプチドと比較して1つ以上の生物学的活性のレベルが低下している。多くの実施形態では、目的ポリペプチドは、目的ポリペプチドが少数の配列変化を特定の位置に有することを除けば親のものと同一のアミノ酸配列を有するのであれば、親または参照ポリペプチドの「バリアント」と見なされる。典型的には、バリアントでは、親と比較して残基の20%未満、15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満が置き換わっている。いくつかの実施形態では、バリアントでは、親と比較して10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または1個の残基が置き換わっている。多くの場合、バリアントでは、置き換わっている機能性残基(すなわち、特定の生物学的活性に関与する残基)の数は非常に少数(例えば、5未満、4未満、3未満、2未満、または1未満)である。さらに、親と比較して、バリアントが有する付加または欠失の数は、典型的には、5以下、4以下、3以下、2以下、または1以下であり、多くの場合、バリアントは、付加または欠失を全く有さない。さらに、いずれの付加または欠失についても、その残基数は、典型的には、約25未満、約20未満、約19未満、約18未満、約17未満、約16未満、約15未満、約14未満、約13未満、約10未満、約9未満、約8未満、約7未満、約6未満であり、一般には、約5未満、約4未満、約3未満、または約2未満である。いくつかの実施形態では、親または参照ポリペプチドは、天然に見られるものである。当業者なら理解するであろうが、特定の目的ポリペプチドには、そのバリアントが天然に複数見られることが一般的であり得る。
「野生型」という用語は、「通常」(変異体、疾患を有するもの、変化したものなどと対比したもの)の状態または状況で天然に見られる構造及び/または活性を有する実体を指す。野生型の遺伝子及びポリペプチドは、多くの場合、複数の異なる形態(例えば、アレル)で存在することを、当業者なら理解するであろう。
本発明の化合物1~418、それらを調製した一般スキームまたはそれらの合成を説明する具体例、ならびにそれらの質量分析値及び/またはNMR値を示す。図1の化合物419~461は、本発明の追加の化合物であり、これらの化合物は、同様の方法論を使用して調製したものである。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。 図1の続き。
化合物
本開示は、式(I):
Figure 2022520154000134
の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体を特徴とする。
本開示は、プレゼンタータンパク質と、本発明の化合物(例えば、式(I)の化合物もしくは化合物1~461のいずれか)、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体と、標的タンパク質と、を含む複合体を特徴とする。
本開示は、生物学的プロセスを調節する能力を有する化合物(例えば、式(I)の化合物または化合物1~461のいずれか)を特徴とし、この調節は、例えば、プレゼンタータンパク質(例えば、シクロフィリンファミリーのメンバー)及び標的タンパク質(例えば、RASファミリーのメンバー)への結合によって行われる。いくつかの実施形態では、標的タンパク質及び/またはプレゼンタータンパク質は、細胞内タンパク質である。いくつかの実施形態では、標的タンパク質及び/またはプレゼンタータンパク質は、哺乳類タンパク質である。いくつかの実施形態では、提供される化合物は、細胞内(例えば、哺乳類細胞内)でプレゼンタータンパク質-化合物-標的タンパク質という三元複合体に含まれる。いくつかの実施形態では、提供される化合物は、疾患及び障害(がん、炎症、または感染症など)の治療において有用であり得る。
化合物の合成
下記の一般反応スキームは、式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩の調製方法の例を示す。
こうしたスキームにおいて有用なカップリング剤には、限定されないが、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、エチル-(N’,N’-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)/EDC、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBROP)、(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TATU)、O-(6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウムヘキサフルオロホスフェート(COMU(登録商標))、1-プロパンホスホン酸無水物(TP(登録商標))、2,2’-ジピリジルジスルフィドとトリフェニルホスフィンとの組み合わせ、ならびに当業者に知られる同様のものが含まれる。
カップリングは、典型的には、塩基(限定されないが、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、及びN-メチルモルホリンなど)の存在下で有機溶媒(限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、及びテトラヒドロフラン(THF)など)中で達成される。
カップリング反応は、DMAP(触媒量、化学量論量、または超化学量論量、より具体的には触媒量のもの)の存在下または非存在下で、-78℃~約120℃の範囲の温度、具体的には-20℃~50℃の範囲の温度、より具体的には-5℃~30℃の範囲の温度で実施され得る。
本発明の化合物の合成において有用なクロスカップリング反応には、限定されないが、鈴木カップリング、根岸カップリング、スティルカップリング、熊田カップリング、及び檜山カップリングが含まれる。
クロスカップリング反応では、一般に、金属触媒または金属触媒の混合物が必要である。適切な金属触媒には、限定されないが、パラジウム触媒、銅触媒、ニッケル触媒、鉄触媒、銀触媒、金触媒、またはこれらの触媒の2つ以上の組み合わせが含まれる。適切なパラジウム触媒には、限定されないが、炭素担持パラジウム(Pd/C)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl(PPh)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド((dppf)PdCl)、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))が含まれる。適切な銅触媒には、限定されないが、CuCl、CuBr、CuI、CuO、CuOTf、Cu(MeCN)PF、CuTC(銅(I)チオフェン-2-カルボキシレート)、Cu(OAc)、及びCu(OTf)が含まれる。適切なニッケル触媒には、限定されないが、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルクロリド、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(II)((dppe)NiCl)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロニッケル(II)((dppf)NiCl)、及び[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル(II)((1,3-dppp)NiCl)が含まれる。適切な鉄触媒には、限定されないが、FeCl、FeCl、Fe(acac)、及びFe(OAc)が含まれる。適切な銀触媒には、限定されないが、Ag(OAc)、AgOTf、AgPF、及びAgClOが含まれる。適切な金触媒には、限定されないが、クロロ(トリフェニルホスフィン)金(I)((PhP)AuCl)、クロロ[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]金(I),メチル(トリフェニルホスフィン)金(I)、クロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]金(I)、及びクロロ(トリメチルホスフィン)金(I)が含まれる。
クロスカップリング反応は、-78℃~250℃の温度、より具体的には0℃~120℃の温度で、適切な溶媒中で実施され得る。
クロスカップリング反応に適した溶媒は、限定されないが、MeOH、EtOH、イソプロパノール、tert-ブタノール、HO、DMF、DMSO、THF、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、またはこれらの溶媒の2つ以上の混合物であり得る。
クロスカップリング反応は、従来の加熱条件下またはマイクロ波反応装置中で実施され得る。ある特定のクロスカップリング反応は、窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気の下で実施される。他のクロスカップリング反応では、空気または酸素を存在させることが必要であり得る。さらに、クロスカップリング反応によっては塩基が必要であり得る。適切な塩基には、限定されないが、AgO、KCO、tBuOK、tBuONa、CsCO、及びKPOが含まれる。
鈴木クロスカップリング反応のための反応基(以下のスキームではB及びBと称される)は、典型的には、(1)ボロン酸、ボロン酸エステル、またはトリフルオロホウ酸塩部分(限定されないが-B(OH)、-B(OMe)、-B(OEt)、-B(OPr-i)、-B(ピナコラト)、及び-BFKなど)、(2)ハロゲンまたはスルホン酸エステル基(限定されないが、Cl、Br、I、-OSCF、-OSCMe-p、及び-OSCなど)である。
こうしたスキームでは、さまざまな保護基(PG)が使用される。適切なアミン保護基には、限定されないが、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(Moz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、ベンゾイル(Bz)、アセチル(Ac)、メタンスルホニル(Ms)、トリフルオロメタンスルホニル(Tf)、p-トルエンスルホニル(Ts)、及び4-ニトロベンゼンスルホニル(Nosyl)が含まれる。ある特定の実施形態では、アミン保護基は、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である。適切なアルコール保護基には、限定されないが、シリル基(限定されないが、-SiMe、-SiEt、-Si(イソ-Pr)、-SiMe(tert-Bu)、-SiPh(tert-Bu)、-SEM(2-(トリメチルシリル)エトキシメチル)を含む)、エーテル基(限定されないが、-MOM(メトキシメチル)、-MEM(2-メトキシエトキシメチル)、-BOM(ベンジルオキシメチル)、-PMBM(p-メトキシベンジルオキシメチル)、及び-THP(テトラヒドロピラニル)を含む)、ならびにエステル基(限定されないが、アセテート(Ac)、ホルメート、ピバロエート(Pv)、及びベンゾエートを含む)が含まれる。ある特定の実施形態では、アルコール保護基は、アセチルである。保護基によっては、アルキル基または任意のアリール基(限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、ベンジル、p-メトキシベンジル、アリル、フェニル、及びp-ニトロフェニルなど)である。いくつかの実施形態では、アルキル保護基またはアリール保護基は、メチルである。
保護基の除去は、保護基の性質によって、塩基性条件または酸性条件の下で実施され得る。特定の保護基にどの条件を適用可能かについては、当該技術分野でよく知られている。保護基の除去に適した塩基には、限定されないが、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、LiCO、NaCO、KCO、CsCO、及びCsFが含まれる。保護基の除去に適した酸には、限定されないが、HCl、HBr、HI、HSO、HNO、及びCFCOHが含まれる。ある特定の保護基は、条件または試薬(水酸化トリメチルスズ、硝酸アンモニウムセリウム、及び塩化オキサリルなど)を使用することによっても除去され得る。
保護基の除去は、典型的には、-78℃~約150℃の温度、具体的には0℃~120℃の温度、より具体的には0℃~25℃の温度で、適切な溶媒中で実施される。そのような反応に適した溶媒には、限定されないが、MeOH、EtOH、イソプロパノール、tert-ブタノール、HO、ジクロロメタン、酢酸エチル、DMF、DMSO、THF、1,4-ジオキサン、及び1,2-ジメトキシエタンが含まれる。
変数(Q、X、Z環、R、R、R、R、R、R、R、R、p、及びrなど)は、式Iに示される意味を有する。
ジペプチドA-1は、以下のスキーム1に示されるように調製することができ、スキーム中、構造変数は前述の通りである。
Figure 2022520154000135
典型的な手順では、中間体A-Aは、カップリング剤の存在下で中間体A-Bとの反応に供される。
方法A
方法Aは、以下のスキーム2に示されるように式Iの化合物の調製に使用され得る。式Iの構造変数は、上に定義される通りである。
Figure 2022520154000136
ステップ1:中間体A-3は、クロスカップリング反応を介して中間体A-1及び中間体A-2から合成される。いくつかの実施形態では、クロスカップリング反応は、鈴木カップリング反応である。PGは、適切なアミン保護基である。ある特定の実施形態では、PGは、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である。
ステップ2:PGは、アルキルまたはアリール保護基である。いくつかの実施形態では、PGは、メチルである。
中間体A-4は、PG含有エステルを、その対応する酸へと加水分解する脱保護反応を使用してA-3から合成され得る。
ステップ3:中間体A-4を大環状化して中間体A-5を得ることは、クロスカップリング反応によって達成される。
代替的には、この環化反応は、-78℃~120℃の温度(好ましくは0℃)で、適切な溶媒中で塩素化試薬(限定されないが、塩化チオニル、PCl、PCl、及び塩化オキサリル(DMFを触媒として用いる)を含む)を使用して前駆体中の酸性基(-COH)を、対応する酸クロリド(-COCl)に変換することによって実施され得る。適切な溶媒には、限定されないが、DMF、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、及び1,4-ジオキサンが含まれる。酸クロリドを形成させた後、減圧下で溶媒が除去され、別の溶媒で置き換えられ得る。こうした溶媒には、限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミド,ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、及び1,2-ジクロロエタンが含まれる。その後、塩基(限定されないが、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、及び同様のものを含む)を添加することで、環化生成物が形成される。反応の温度範囲は、-78℃~120℃、好ましくは-20℃~50℃である。
ステップ4:中間体A6は、PGを除去することによって中間体A-5から合成される。
ステップ5:式Iの化合物は、クロスカップリング反応を使用してアミド形成反応を介して中間体A-6及び中間体A-7から合成される。T
代替的には、中間体A-7を、そのアシルクロリドまたはアシルフルオリドまたは活性化エステルまたは無水物に変換し、中間体A-6と反応させることによって式Iの化合物が合成され得ることを、当業者なら理解するであろう。こうした型の反応の例は、文献(Compendium of Organic Synthetic Methods,Vol.I-VI(Wiley-lnterscience)、またはComprehensive Organic Transformations,by R.C.Larock(Wiley-lnterscience)など)において入手可能である。
方法B
方法Bは、以下のスキーム3に示されるように式Iの化合物を合成するために代替的に使用され得る。式Iの構造変数は、上に定義される通りである。
Figure 2022520154000137
ステップ1:PG11は、適切なアルコール保護基(Y=Oの場合)またはアミン保護基(Y=NHもしくはN(C-Cアルキル)の場合)である。
中間体B-2は、クロスカップリング反応を介して中間体A-1及び中間体B-1から合成される。
ステップ2:中間体A-3は、PG11基を、それが結合しているアルコール性酸素原子またはそれが結合しているアミノ窒素原子から除去することによって中間体B-2から合成され得る。
ステップ3~6:中間体A-3から式Iへの変換は、方法Aの説明中に詳述されている。
方法C
方法Cは、以下のスキーム4に示されるように式Iの化合物を合成するために代替的に使用され得る。式Iの構造変数は、上に定義される通りである。
Figure 2022520154000138
ステップ1:中間体C-1は、PG含有エステルを、その対応する酸へと加水分解する脱保護反応を使用してA-1から合成され得る。
ステップ2:中間体C-2は、クロスカップリング反応を使用してアミドを形成させることでC-1から合成され得る。
代替的には、中間体A-7を、そのアシルクロリド、アシルフルオリド、活性化エステル、または無水物に変換し、中間体A-2と反応させることによって式Iの化合物が合成され得ることを、当業者なら理解するであろう。こうした型の反応の例は、文献(Compendium of Organic Synthetic Methods,Vol.I-VI(Wiley-lnterscience)、またはComprehensive Organic Transformations,by R.C.Larock(Wiley-lnterscience)など)において入手可能である。
ステップ3:大環状分子A-5は、クロスカップリング反応を使用して中間体C-2から合成され得る。いくつかの実施形態では、クロスカップリング反応は、鈴木カップリング反応である。
ステップ4~5:大環状分子A-5から式Iへの変換は、方法Aの説明中に詳述されている。
タンパク質
プレゼンタータンパク質
プレゼンタータンパク質は、本発明の化合物と結合して複合体を形成することができ、この複合体は、変異体RAS標的タンパク質に結合し、その活性を調節することができる。プレゼンタータンパク質は、シクロフィリンAファミリーのメンバー(例えば、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、PPWD1、PPIAL4A、PPIAL4B、PPIAL4C、PPIAL4D、またはPPIAL4G)である。
「シクロフィリンファミリー」は、シクロスポリンに結合するタンパク質のファミリーである。このファミリーのタンパク質をコードする遺伝子には、PPIA、PPIB、PPIC、PPID、PPIE、PPIF、PPIG、PPIH、SDCCAG-10、PPIL1、PPIL2、PPIL3、PPIL4、P270、PPWD1、及びCOAS-2が含まれる。シクロフィリンの例としては、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、PPWD1、PPIAL4A、PPIAL4B、PPIAL4C、PPIAL4D、及びPPIAL4Gが挙げられる。
代表的なプレゼンタータンパク質は、表1に示される遺伝子またはそれらのホモログによってコードされるものである。いくつかの実施形態では、参照プレゼンタータンパク質は、表1に示される遺伝子によってコードされるものである。また、当業者なら、表1を参照して、プレゼンタータンパク質一般に特徴的な配列、及び/またはプレゼンタータンパク質の特定のサブセットに特徴的な配列を容易に同定することができる。
Figure 2022520154000139
標的タンパク質
標的タンパク質(例えば、真核生物標的タンパク質(哺乳類標的タンパク質など))は、疾患状態または疾患状態の症状を媒介するタンパク質である。したがって、その活性を調節(阻害または増進)することによって望ましい治療効果が達成され得る。本発明の複合体及び方法において有用な標的タンパク質には、プレゼンタータンパク質と天然には結び付かないものが含まれ、こうした標的タンパク質は、例えば、本発明の化合物との二元複合体の非存在下でのプレゼンタータンパク質に対する親和性が1μM超、好ましくは5μM超、より好ましくは10μM超のものである。あるいは、プレゼンタータンパク質と天然には結び付かない標的タンパク質は、二元複合体の非存在下での本発明の化合物に対する親和性が1μM超、好ましくは5μM超、より好ましくは10μM超のものである。さらに別の場合では、プレゼンタータンパク質と天然には結び付かない標的タンパク質は、カルシニューリンまたはmTOR以外のものである。
標的タンパク質は、天然起源ものであり得、例えば、野生型のものである。あるいは、標的タンパク質は、野生型タンパク質とは異なるが、例えば変異体、スプライスバリアント、または生物学的に活性な断片として、依然として生物学的機能を保持するものであり得る。
いくつかの実施形態では、標的タンパク質は、RASファミリータンパク質である。
いくつかの実施形態では、標的タンパク質は、KRASタンパク質である。いくつかの実施形態では、KRASタンパク質は、KRAS G12Cタンパク質である。いくつかの実施形態では、KRASタンパク質は、KRAS G13Cタンパク質である。
いくつかの実施形態では、標的タンパク質は、NRASタンパク質である。いくつかの実施形態では、NRASタンパク質は、NRAS G12Cタンパク質である。いくつかの実施形態では、NRASタンパク質は、NRAS G13Cタンパク質である。
いくつかの実施形態では、標的タンパク質は、HRASタンパク質である。いくつかの実施形態では、HRASタンパク質は、HRAS G12Cタンパク質である。いくつかの実施形態では、HRASタンパク質は、HRAS G13Cタンパク質である。
複合体
プレゼンタータンパク質/化合物複合体
一態様では、本発明は、本発明の化合物と、CYPAファミリーのメンバーであるプレゼンタータンパク質と、変異体RASタンパク質と、を含む複合体を提供する。
関連する態様では、本開示は、上記の複合体の生成方法を特徴とし、この方法は、CYPAファミリーのメンバーであるプレゼンタータンパク質及び変異体RASタンパク質を、複合体形成を可能にする上で適した条件の下で、本発明の化合物(そのような化合物を含む任意の医薬組成物)と接触させることを含む。
上記の2つの態様のいずれかの実施形態のいくつかでは、変異RASタンパク質は、KRAS G12C、NRAS G12C、またはHRAS G12Cである。いくつかの実施形態では、変異RASタンパク質は、KRAS G13C、NRAS G13C、またはHRAS G13Cである。いくつかの実施形態では、変異RASタンパク質は、KRAS G12Cである。
上記の2つの態様のいずれかの実施形態のいくつかでは、プレゼンタータンパク質は、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、またはPPWD1である。いくつかの実施形態では、プレゼンタータンパク質は、CYPAである。
いくつかの実施形態では、本発明のプレゼンタータンパク質/化合物/標的タンパク質複合体は、標的タンパク質とリガンド(標的タンパク質に特異的に結合するタンパク質または小分子など)との間で天然に生じる相互作用を阻害する。
いくつかの実施形態では、本発明のプレゼンタータンパク質/化合物/標的タンパク質複合体は、変異体RAS(例えば、KRAS G12C、KRAS G13C、NRAS G12C、NRAS G13C、HRAS G12C、またはHRAS G13C)へのBRAFの結合を阻害する。
キット
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明に従って方法を好都合かつ効率的に実施するためのキットに関する。一般に、医薬パックまたは医薬キットは、本発明の医薬組成物の成分の1つ以上が充填された1つ以上の容器を含む。そのようなキットは、固体の経口形態(錠剤またはカプセルなど)の送達に特に適する。そのようなキットは、好ましくは、多くの単位用量を含み、さらに、そうした用量がそれらの所期の使用の順序で並んで存在するカードも含み得る。望まれるのであれば、例えば、対象がアルツハイマー病に罹患している場合、記憶補助物を提供することができ(この記憶補助物は、例えば、数字、文字、もしくは他の標識の形態で提供されるか、またはカレンダーリフィルと共に提供される)、これによって、治療スケジュールの中で用量を投与可能な日が指定される。あるいは、医薬組成物の用量と同様の形態または医薬組成物の用量とは異なる形態のいずれかでプラセボ用量またはカルシウム栄養補助食品を含めることで、用量を毎日摂取するキットが提供され得る。任意選択で、そのような容器(複数可)には、医薬製品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定される形態の通知が付属し得、こうした通知は、ヒト投与についての、製造、使用、または販売のそうした機関による承認を反映するものである。
医薬組成物
ヒト対象及び動物対象の治療として使用については、本発明の化合物は、医薬組成物または獣医学的組成物として製剤化され得る。治療すべき対象、投与様式、及び所望の治療型(例えば、阻止、予防、または治療)に応じて、こうしたパラメーターと整合する方法で化合物が製剤化される。そのような手法の概要は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Lippincott Williams & Wilkins,(2005)、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology,eds.J.Swarbrick and J.C.Boylan,1988-1999,Marcel Dekker,New Yorkに見られ、これらの文献はそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載の化合物の存在総量は、組成物の総重量の1~95重量%であり得る。組成物は、関節内投与、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与)、経直腸投与、皮内投与、皮下投与、局所投与、経皮投与、舌下投与、経鼻投与、経腟投与、膀胱内投与、尿道内投与、くも膜下腔内投与、硬膜外投与、経耳投与、もしくは経眼投与に適した剤形、あるいは注射に適した剤形、吸入に適した剤形、または鼻粘膜、泌尿生殖器粘膜、生殖器粘膜、もしくは口腔粘膜との直接的な接触に適した剤形で提供され得る。したがって、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒、懸濁液、エマルション、溶液、ゲル(ヒドロゲルを含む)、ペースト、軟膏、クリーム、硬膏、液体内服剤、浸透圧送達デバイス、坐剤、浣腸、注射液、留置剤、スプレー、イオン泳動送達に適した調製物、またはエアロゾル、の形態のものであり得る。組成物は、従来の医薬的慣例に従って製剤化され得る。
一般に、治療における使用については、本明細書に記載の化合物は、単独で使用されるか、または1つ以上の他の活性薬剤と併用され得る。本明細書に記載の化合物と組み合わせるための他の医薬品の一例としては、同じ適応症を治療するための医薬品が挙げられるであろう。本明細書に記載の化合物と組み合わせられる可能性のある医薬品の別の例としては、異なりはするが、結び付きがあるか、または関連する症状または適応症を治療するための医薬品が挙げられるであろう。投与様式に応じて、送達促進を可能にする上で適した組成物へと化合物が製剤化されることになる。併用療法の各化合物は、当該技術分野で知られるさまざまな方法で製剤化され得る。例えば、併用療法の第1の薬剤及び第2の薬剤は、一緒に製剤化されるか、または別々に製剤化され得る。望ましくは、第1の薬剤及び第2の薬剤は、それらの薬剤を同時またはほぼ同時に投与するために、一緒に製剤化される。
本発明の化合物は、当該技術分野でよく知られるように、有効量の本明細書に記載の化合物と、医薬的に許容可能な担体または医薬品添加物と、を含む医薬組成物として調製及び使用され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2つの異なる医薬的に許容可能な医薬品添加物または担体を含む。
製剤は、全身投与または局部投与または局所投与に適した様式で調製され得る。全身用製剤には、注射(例えば、筋肉内注射、静脈内注射、もしくは皮下注射)向けに設計されるものが含まれる。または、全身用製剤は、経皮投与、経粘膜投与、もしくは経口投与向けに調製され得る。製剤は、一般に、希釈剤、ならびに場合によっては、補助剤、緩衝剤、保存剤、及び同様のものを含むことになる。化合物は、リポソーム組成物において投与されるか、またはマイクロエマルションとして投与されることもあり得る。
注射については、製剤は、溶液もしくは懸濁液として、または注射前に溶液もしくは液体中懸濁液にする上で適した固体形態として、またはエマルションとして、従来の形態で調製され得る。適切な医薬品添加物には、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、及び同様のものが含まれる。そのような組成物は、さまざまな量の無毒な補助物質も含み得、こうした補助物質は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、及び同様のもの(例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレートなど)などである。
さまざまな薬物徐放系も考案されている。例えば、米国特許第5,624,677号を参照のこと。当該文献は、参照によって本明細書に組み込まれる。
全身投与には、比較的非侵襲性の方法(坐剤、経皮吸収パッチ、経粘膜送達、及び鼻腔内投与を使用するものなど)も含まれ得る。本発明の化合物には経口投与も適する。適切な形態には、シロップ、カプセル、及び錠剤が含まれ、こうしたことは、当該技術分野で理解されている。
併用療法の各化合物は、本明細書に記載のように、当該技術分野で知られるさまざまな方法で製剤化され得る。例えば、併用療法の第1の薬剤及び第2の薬剤は、一緒に製剤化されるか、または別々に製剤化され得る。
個々または別々に製剤化された薬剤は、キットとして一緒に包装され得る。例としては、限定されないが、例えば、2つの丸剤を含むキット、丸剤及び粉末を含むキット、坐剤及びバイアルに入った液体を含むキット、2つの外用クリームを含むキットなどが挙げられる。キットは、対象への単位用量の投与に役立つ任意選択の構成要素を含み得、こうした構成要素は、粉末形態を再構成するためのバイアル、注射用のシリンジ、カスタマイズされたIV送達系、吸入器などである。さらに、単位用量キットは、組成物を調製及び投与するための説明を含み得る。キットは、単一の対象向けの単回使用単位用量として製造され得るか、特定の対象に複数回使用するもの(用量を一定にして使用されるか、もしくはこの使用では、治療の進行に即して個々の化合物の効力が異なり得る)として製造され得るか、またはキットは、複数の対象への投与に適した複数回用量を含み得る(「バルク包装」)。キットの構成要素は、カートン、ブリスターパック、ボトル、チューブ、及び同様のものにまとめて含められ得る。
経口的に使用するための製剤には、無毒な医薬的に許容可能な医薬品添加物を含む混合物中に活性成分(複数可)を含む錠剤が含まれる。こうした医薬品添加物は、例えば、不活性な希釈剤または増量剤(例えば、スクロース、ソルビトール、糖、マンニトール、結晶セルロース、デンプン(ジャガイモデンプンを含む)、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム)、造粒剤及び崩壊剤(例えば、セルロース誘導体(結晶セルロースを含む)、デンプン(ジャガイモデンプンを含む)、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸エステル、またはアルギン酸)、結合剤(例えば、スクロース、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、アルファ化デンプン、結晶セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、任意選択で置換されたヒドロキシルプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはポリエチレングリコール)、ならびに滑沢剤、流動促進剤、及び抗付着剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、硬化植物油、またはタルク)であり得る。他の医薬的に許容可能な医薬品添加物は、着色剤、香味剤、可塑剤、保湿剤、緩衝剤、及び同様のものであり得る。
2つ以上の化合物は、一緒に混合されて錠剤、カプセル、もしくは他の媒体に含められ得るか、または分配されて存在するようにされ得る。一例では、第1の化合物は、錠剤の内部に含められ、第2の化合物は、外側に存在するようにされ、その結果、第2の化合物の実質的な部分は、第1の化合物が放出される前に放出される。
経口的に使用するための製剤は、チュアブル錠として提供されるか、または活性成分が不活性な固体希釈剤(例えば、ジャガイモデンプン、ラクトース、結晶セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリン)と混合された硬ゼラチンカプセルとして提供されるか、または活性成分が水もしくは油媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油)と混合された軟ゼラチンカプセルとして提供されることもあり得る。粉末、顆粒、及びペレットは、錠剤及びカプセルに関して上述した成分を使用して従来の様式で調製することができ、こうした様式では、例えば、混合器、流動床装置、または噴霧乾燥設備が使用される。
溶解または拡散を制御する放出は、化合物の錠剤、カプセル、ペレット、もしくは顆粒製剤に適切なコーティング剤を使用するか、または適切な基質に化合物を組み込むことによって達成され得る。制御放出コーティング剤は、上述のコーティング物質、及び/または、例えば、セラック、ミツロウ、glycowax、カスターワックス、カルナウバワックス、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセロール、エチルセルロース、アクリル樹脂、dl-ポリ乳酸、酢酸酪酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメタクリレート、メチルメタクリレート、任意選択で置換された2-ヒドロキシルメタクリレート、メタクリレートヒドロゲル、1,3ブチレングリコール、エチレングリコールメタクリレート、及び/またはポリエチレングリコール、のうちの1つ以上を含み得る。制御放出基質製剤では、基質材料は、例えば、水和メチルセルロース、カルナウバワックス及びステアリルアルコール、carbopol934、シリコーン、トリステアリン酸グリセリル、メチルアクリレート-メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、及び/またはハロゲン化フッ化炭素も含み得る。
経口的に投与するために本発明の化合物及び組成物を組み込み得る液体形態には、水溶液、適切に香味付けされたシロップ、水性または油性の懸濁液、及び食用油(綿実油、ゴマ油、ヤシ油、またはピーナッツ油など)を含む香味付けされたエマルション、ならびにエリキシル剤及び同様の医薬媒体が含まれる。
一般に、ヒトに投与される場合、本発明の併用化合物については、それらのいずれの経口用量も、そうした化合物の性質に依存することになり、当業者なら、こうした経口用量を容易に決定することができる。典型的には、そのような用量は、通常、約0.001mg~2000mg/日、望ましくは約1mg~1000mg/日、より望ましくは約5mg~500mg/日である。最大で200mg/日の用量が必要であり得る。
本明細書に記載の併用療法における各薬物の投与は、1日~1年の間、独立して1日に1~4回行うものであり得、対象の生涯にわたって行われることさえあり得る。慢性の長期投与が指示されることもあり得る。
後述の実施例は、代表的な数の化合物の合成、ならびにこうした化合物を、CYPAとKRAS G12Cとの間での三元複合体の形成に使用すること、を例示することを意図するものである。したがって、こうした実施例は、例示を意図するものであり、本発明の限定を意図するものではない。具体的に例示されない化合物については、従来の方法を本明細書に記載の方法と組み合わせて使用することで、追加で合成することができる。さらに、三元複合体の形成には、他のRASタンパク質(KRAS G13C、NRAS G12C、NRAS G13C、HRAS G12CまたはHRAS G13Cなど)を利用することもできる。
治療方法
ある態様では、本発明は、RAS変異体に起因する異常なRAS活性によって特徴付けられる疾患または障害を治療する方法を開示する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、がんである。いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺腺癌、骨髄異形成症候群、または肺扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、RAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、RAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、KRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、KRAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、HRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、HRAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、HRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、HRAS G13C変異に起因する。
ある態様では、本発明は、異常または望ましくないBRAF-RAS結合によって特徴付けられる疾患または障害を治療する方法を開示し、この方法は、細胞を本発明の化合物(そのような化合物を含む任意の医薬組成物)と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、疾患は、BRAFと変異体RASタンパク質との間に異常または望ましくない結合が生じることによって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、がんである。いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺腺癌、骨髄異形成症候群、または肺扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、RAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、RAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、KRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、KRAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、NRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、NRAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、HRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、異常なRAS活性は、HRAS G13C変異に起因する。
ある態様では、本発明は、異常または望ましくないpERK発現によって特徴付けられる疾患または障害を治療する方法を開示し、この方法は、細胞を、有効量の本発明の化合物(そのような化合物を含む任意の医薬組成物)と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、異常または望ましくないpERK発現は、変異体RASタンパク質によって誘導される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、がんである。いくつかの実施形態では、がんは、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺腺癌、骨髄異形成症候群、または肺扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、pERK発現を誘導する変異体RASは、G12C変異を有する。いくつかの実施形態では、pERK発現を誘導する変異体RASは、G13C変異を有する。いくつかの実施形態では、変異体RAS活性は、KRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、変異体RAS活性は、KRAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、変異体RAS活性は、NRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、pERK発現を誘導する変異体RASは、NRAS G13C変異に起因する。いくつかの実施形態では、変異体RAS活性は、KRAS G12C変異に起因する。いくつかの実施形態では、pERK発現を誘導する変異体RASは、KRAS G13C変異に起因する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物またはその医薬的に許容可能な塩、そのような化合物または塩を含む医薬組成物、及び本明細書で提供される方法は、腫瘍(肺癌、前立腺癌、乳癌、脳癌、皮膚癌、子宮頸癌、精巣癌など)を含めて、さまざまながんの治療に使用され得る。より具体的には、化合物またはその塩、そのような化合物または塩を含む医薬組成物、及び本発明の方法によって治療され得るがんには、限定されないが、腫瘍型(アストロサイト、乳房、子宮頸部、結腸直腸、子宮内膜、食道、胃、頭頸部、肝細胞、喉頭、肺、口腔、卵巣、前立腺、及び甲状腺の癌腫及び肉腫など)が含まれる。他のがんには、例えば、以下のものが含まれる:
心臓、例えば:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫、
肺、例えば:気管支癌(扁平細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、
胃腸、例えば:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、
泌尿生殖器、例えば:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胚性癌、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫)、
肝臓、例えば:ヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、
胆道、例えば:胆嚢癌、膨大部癌、胆管癌、
骨、例えば:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫、
神経系、例えば:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、神経線維腫症1型、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、
婦人科系、例えば:子宮(子宮内膜癌、子宮癌、子宮体部子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌腫)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、腟(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌腫)、
血液学系、例えば:血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)、
皮膚、例えば:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、ならびに
副腎、例えば:神経芽腫。
細胞においてRasタンパク質を阻害する方法も提供され、この方法は、細胞を、有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容可能な塩と接触させることを含む。RAF-Ras結合を阻害する方法も提供され、この方法は、細胞を、有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容可能な塩と接触させることを含む。細胞は、がん細胞であり得る。がん細胞は、本明細書に記載の任意の型のがんのものであり得る。
併用療法
本発明の化合物及び医薬組成物は、製剤化され、併用療法に用いられ得ること、すなわち、そうした化合物及び医薬組成物は、1つ以上の他の所望の治療剤と共に製剤化されるか、または1つ以上の他の所望の治療剤もしくは医療処置と同時、その前、もしくはその後に投与され得ることが理解されよう。併用レジメンにおいて用いるための特定の治療(治療剤または処置)併用では、所望の治療剤及び/または処置の適合性ならびに達成すべき所望の治療効果が考慮されることになる。用いられる治療は、同じ障害に対して所望の効果を達成し得るか、または異なる効果(例えば、任意の有害作用の制御)を達し得ることも理解されよう。
本明細書に記載の方法の実施形態のいくつかでは、方法では、追加の治療剤がさらに含まれ得る。例えば、本発明の方法では、本発明の化合物は、単独で使用されるか、または1つ以上の追加の治療(例えば、非薬物治療もしくは治療剤)と併用され得る。追加の治療(例えば、非薬物治療または治療剤)のうちの1つ以上の用量は、単独で投与される場合の標準的な用量から減らされ得る。例えば、用量は、薬物の組み合わせ及び順列から経験的に決定され得るか、またはイソボログラム解析(例えば、Black et al.,Neurology 65:S3-S6(2005))によって推定され得る。
本発明の化合物は、1つ以上のそのような追加の治療の前、その後、またはそれと同時に投与され得る。本発明の化合物の用量と、1つ以上の追加の治療(例えば、非薬物治療または治療剤)の用量とが併用される場合、治療効果(例えば、相乗的または相加的な治療効果)が得られる。本発明の化合物及び追加の治療(抗がん剤など)は、(単位医薬組成物に含めるなどして)一緒に施すか、または別々に施すことができ、別々に施す場合は、同時または連続的に施すことができる。そのような連続的な施術は、時間的に近づけてまたは離して行われ得る。
いくつかの実施形態では、追加の治療は、副作用を限定する薬剤(例えば、治療の副作用の発生率または重症度を下げることが意図される薬剤)を投与することである。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、嘔気を治療する治療剤とも併用され得る。嘔気の治療に使用され得る薬剤の例としては、ドロナビノール、グラニセトロン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、及びプロクロルペラジン、またはそれらの医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、非薬物治療(例えば、手術または放射線療法)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、治療剤(例えば、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻害剤、またはオートファジー阻害剤である化合物または生物製剤)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、非薬物治療(例えば、手術または放射線療法)及び治療剤(例えば、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻害剤、またはオートファジー阻害剤である化合物または生物製剤)を含む。他の実施形態では、1つ以上の追加の治療は、2つの治療剤を含む。さらに他の実施形態では、1つ以上の追加の治療は、3つの治療剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、4つ以上の治療剤を含む。
非薬物治療
非薬物治療の例としては、限定されないが、放射線療法、寒冷療法、温熱療法、手術(例えば、腫瘍組織の外科的切除)、及びT細胞養子移入(ACT)療法が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、手術後の補助療法として使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、手術前のネオアジュバント療法として使用され得る。
放射線療法は、対象(例えば、哺乳類(例えば、ヒト))における異常細胞増殖の抑制または過剰増殖性障害(がんなど)の治療に使用され得る。放射線療法を施すための手法は、当該技術分野で知られている。放射線療法は、いくつかの方法のうちの1つによって施されるか、または方法(限定されないが、体外照射療法、体内照射療法、組織内照射療法、定位的放射線治療、全身放射線療法、放射線治療、及び永続的または一時的な組織内小線源治療を含む)を組み合わせることによって施され得る。本明細書で使用される「小線源治療」という用語は、体内に挿入されるか、または腫瘍もしくは増殖性組織疾患部位の近くに挿入される空間的に密閉された放射性材料によって送達される放射線療法を指す。この用語は、限定されないが、放射性同位体(例えば、At-211、I-131、I-125、Y-90、Re-186、Re-188、Sm-153、Bi-212、P-32、及びLuの放射性同位体)への曝露を含むことを意図する。本発明の細胞コンディショナーとしての使用に適した放射線源には、固体及び液体の両方が含まれる。非限定的な例として、放射線源は、放射性核種(I-125、I-131、Yb-169、Ir-192(固体源として)、I-125(固体源として)など)または光子、ベータ粒子、ガンマ線、もしくは他の治療用放射線を放射する他の放射性核種であり得る。放射性材料は、放射性核種(複数可)の任意の溶液(例えば、I-125もしくはI-131の溶液)から調製される流体でもあり得る。または、固体の放射性核種(Au-198もしくはY-90など)の小粒子を含む適切な流体のスラリーを使用して放射性流体が生成され得る。さらに、放射性核種(複数可)は、ゲルまたは放射性マイクロスフェアにおいて具体化され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、異常細胞の死滅または増殖抑制を目的として放射線を用いる治療に対するそのような細胞の感受性を高め得る。したがって、本発明は、放射線を用いる治療に対する哺乳類の異常細胞の感受性を高めるための方法にさらに関し、この方法は、放射線を用いる治療に対する異常細胞の感受性を高める上で有効な量で本発明の化合物を哺乳類に投与することを含む。この方法における化合物の量は、そのような本明細書に記載の化合物の有効量を確かめる手段に従って決定され得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、放射線療法後の補助療法または放射線療法前のネオアジュバント療法として使用され得る。
いくつかの実施形態では、非薬物治療は、T細胞養子移入(ACT)療法である。いくつかの実施形態では、T細胞は、活性化T細胞である。T細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように改変され得る。CAR修飾T(CAR-T)細胞は、当該技術分野で知られる任意の方法によって生成され得る。例えば、CAR-T細胞は、CARをコードする適切な発現ベクターをT細胞に導入することによって生成され得る。T細胞を増殖させ、遺伝子改変する前に、対象からT細胞の供給源が得られる。T細胞は、多くの供給源から得ることができ、こうした供給源には、末梢血単核球、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位由来組織、腹水、胸水、脾臓組織、及び腫瘍が含まれる。本発明のある特定の実施形態では、当該技術分野で利用可能な任意の数のT細胞株が使用され得る。いくつかの実施形態では、T細胞は、自己T細胞である。望ましいタンパク質(例えば、CAR)を発現するようにT細胞を遺伝子改変する前であるか、またはその後であるか問わず、T細胞の活性化及び増殖を行うことができ、この活性化及び増殖は、一般に、例えば米国特許第6,352,694号、同第6,534,055号、同第6,905,680号、同第6,692,964号、同第5,858,358号、同第6,887,466号、同第6,905,681号、同第7,144,575号、同第7,067,318号、同第7,172,869号、同第7,232,566号、同第7,175,843号、同第7,572,631号、同第5,883,223号、同第6,905,874号、同第6,797,514号、及び同第6,867,041号に記載の方法を使用して行われる。
治療剤
治療剤は、がんまたはそれと結び付く症状の治療において使用される化合物であり得る。
例えば、治療剤は、ステロイドであり得る。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、ステロイドを含む。適切なステロイドには、限定されないが、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコルト、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフプレドナート(difuprednate)、エノキソロン、フルアザコルト、フィウクロロニド(fiucloronide)、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニソロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコータル、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタソール、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリソン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバール、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、及びそれらの塩または誘導体が含まれ得る。
本発明の化合物との併用療法において使用され得る治療剤の別の例としては、下記の特許に記載の化合物が挙げられる:米国特許第6,258,812号、同第6,630,500号、同第6,515,004号、同第6,713,485号、同第5,521,184号、同第5,770,599号、同第5,747,498号、同第5,990,141号、同第6,235,764号、及び同第8,623,885号、ならびに国際特許出願WO01/37820、同WO01/32651、同WO02/68406、同WO02/66470、同WO02/55501、同WO04/05279、同WO04/07481、同WO04/07458、同WO04/09784、同WO02/59110、同WO99/45009、同WO00/59509、同WO99/61422、同WO00/12089、及び同WO00/02871。
治療剤は、がんまたはそれと結び付く症状の治療において使用される生物製剤(例えば、サイトカイン(例えば、インターフェロンまたはインターロイキン(IL-2など)))であり得る。いくつかの実施形態では、生物製剤は、標的をアゴナイズして抗がん応答を刺激するか、またはがんに重要な抗原をアンタゴナイズする免疫グロブリンベースの生物製剤(例えば、モノクローナル抗体(例えば、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、Fc融合タンパク質、またはその機能性断片))である。抗体薬物複合体も含まれる。
治療剤は、T細胞チェックポイント阻害剤であり得る。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、阻害抗体(例えば、単一特異性抗体(モノクローナル抗体など))である。抗体は、例えば、ヒト化抗体または完全ヒト抗体であり得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、融合タンパク質(例えば、Fc受容体融合タンパク質)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質と相互作用する薬剤(抗体など)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する薬剤(抗体など)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4の阻害剤(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)(例えば、抗CTLA-4抗体または融合タンパク質)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PDL-1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PDL-2の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害抗体またはFc融合体または小分子阻害剤)(例えば、PDL-2/Ig融合タンパク質)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーのリガンド、またはそれらの組み合わせの阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、PDR001(NVS)、REGN2810(Sanofi/Regeneron)、PD-L1抗体(例えば、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、ピディリズマブ、JNJ-63723283(JNJ)、BGB-A317(BeiGene&Celgene)など)またはPreusser,M.et al.(2015)Nat.Rev.Neurolに開示のチェックポイント阻害剤(限定されないが、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、AMP224、AMP514/MEDI0680、BMS936559、MEDl4736、MPDL3280A、MSB0010718C、BMS986016、IMP321、リリルマブ、IPH2101、1-7F9、及びKW-6002を含む)である。
治療剤は、抗TIGIT抗体(MBSA43、BMS-986207、MK-7684、COM902、AB154、MTIG7192A、またはOMP-313M32(エチギリマブ)など)であり得る。
治療剤は、がんまたはそれと結び付く症状を治療するための薬剤(例えば、細胞傷害性の薬剤、非ペプチド小分子、またはがんもしくはそれと結び付く症状の治療において有用な他の化合物(まとめて「抗がん剤」))であり得る。抗がん剤は、例えば、化学療法剤または標的指向型治療剤であり得る。
抗がん剤には、有糸分裂阻害剤、インターカレート抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体及び関連阻害剤、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、抗生物質、L-アスパラギナーゼ、トポイソメラーゼ阻害剤、インターフェロン、白金配位錯体、アントラセンジオン置換尿素、メチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制剤、副腎皮質ステロイド、プロゲスチン、エストロゲン、抗エストロゲン剤、アンドロゲン、抗アンドロゲン剤、ならびにゴナドトロピン放出ホルモン類似体が含まれる。別の抗がん剤には、ロイコボリン(LV)、イレノテカン(irenotecan)、オキサリプラチン、カペシタビン、パクリタキセル、及びドキセタキセル(doxetaxel)が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、2つ以上の抗がん剤を含む。2つ以上の抗がん剤は、組み合わせて投与すべきカクテルにおいて使用されるか、または別に投与において使用され得る。併用抗がん剤の適切な投薬レジメンは、当該技術分野で知られており、例えば、Saltz et al.,Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.18:233a(1999)、及びDouillard et al.,Lancet 355(9209):1041-1047(2000)に記載されている。
抗がん剤の他の例としては、限定されないが、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ)、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、Casodex(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)、アルキル化剤(チオテパ及びシクロホスファミドなど)、スルホン酸アルキル(ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなど)、アジリジン(ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパなど)、エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamine)(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホロアミド、トリエチレンチオホスホロアミド、及びトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)を含む)、アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン)、カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む)、ブリオスタチン、カリスタチン、CC-1065(そのアドゼレシン合成類似体、カルゼレシン合成類似体、及びビセレシン合成類似体を含む)、クリプトフィシン(具体的には、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8)、ドラスタチン、デュオカルマイシン(合成類似体(KW-2189及びCB1-TM1)を含む)、エリュテロビン、パンクラチスタチン、サルコジクチインA、スポンギスタチン、ナイトロジェンマスタード(クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノボエンビキン、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなど)、ニトロソ尿素(カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチンなど)、抗生物質(エンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシン(カリケアミシンガンマII及びカリケアミシンオメガIIなど(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed Engl.33:183-186(1994)を参照のこと))など))、ジネマイシン(ジネマイシンAなど)、ビスホスホネート(クロドロネートなど)、エスペラミシン、ネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウトラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアミシン、カラビシン、カミノマイシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、デオキシドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(マイトマイシンCなど)、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、代謝拮抗剤(メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)など)、葉酸類似体(デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキサートなど)、プリン類似体(フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなど)、ピリミジン類似体(アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなど)、アンドロゲン(カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど)、副腎皮質阻害剤(アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなど)、葉酸補給剤(フォリン酸など)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート(edatraxate)、デホファミン(defofamine)、デメコルチン、ジアジコン、エルフォチミン(elfomithine)、酢酸エリプチニウム、エポチロン(エポチロンBなど)、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダミン、マイタンシノイド(マイタンシン及びアンサミトシンなど)、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール、ニトラクリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR)、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン、トリコテセン(T-2トキシン、ベラクリンA(verracurinA)、ロリジンA、及びアングイジンなど)、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン(gacytosine)、アラビノシド(「Ara-C」)、シクロホスファミド、チオテパ、タキソイド(例えば、Taxol(登録商標)(パクリタキセル)、Abraxane(登録商標)(パクリタキセルのcremophor非含有アルブミン結合型ナノ粒子製剤)、及びTaxotere(登録商標)(ドキセタキセル(doxetaxel)))、クロランブシル(chloranbucil)、タモキシフェン(Nolvadex(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害性4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、トレミフェン(Fareston(登録商標))、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、クロラムブシル、Gemzar(登録商標)ゲムシタビン、6-チオグアニン、メルカプトプリン、白金配位錯体(シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチンなど)、ビンブラスチン、白金、エトポシド(VP-16)、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、Navelbine(登録商標)(ビノレルビン)、ノバントロン、テニポシド、エダトレキセート、ダウノマイシン、アミノプテリン、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイド(レチノイン酸など)、エスペラミシン、カペシタビン(例えば、Xeloda(登録商標))、ならびに上記のもののいずれかの医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
抗がん剤の追加の例としては、限定されないが、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、ABVD、アビシン、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラディン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22イムノトキシン、抗新生物剤(例えば、細胞周期非特異的抗新生物剤及び本明細書に記載の他の抗新生物剤)、抗腫瘍性ハーブ、アパジコン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW2992、ビリコダル、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、エルサミトルシン、エノシタビン、エリブリン、エキサテカン、エキシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダール、ラロタキセル、レナリドミド、ルカントン、ルルトテカン、マホスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポポー、ピクサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スウェインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフール-ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126、及びゾスキダールが挙げられる。
抗がん剤の別の例としては、限定されないが、天然物(ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、エピジポドフィロトキシン(epidipodophyllotoxin)(例えば、エトポシド及びテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミスラマイシン)、マイトマイシン、酵素(例えば、L-アスパラギンを全身的に代謝し、自体ではアスパラギンを合成する能力を有さない細胞を除去するL-アスパラギナーゼ)など)、抗血小板剤、抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、ならびにクロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)など)、CDK阻害剤(例えば、CDK4/6阻害剤(パルボシクリブなど)、セリシクリブ、UCN-01、P1446A-05、PD-0332991、ディナシクリブ、P27-00、AT-7519、RGB286638、及びSCH727965)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン(BCNU)及び類似体、ならびにストレプトゾシン)、トラゼン-ダカルバジニン(DTIC)、抗増殖性/抗有糸分裂性代謝拮抗剤(葉酸類似体、ピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、及びシタラビン)、プリン類似体及び関連阻害剤(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及び2-クロロデオキシアデノシン)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、及びレトロゾール)、ならびに白金配位錯体(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン)など)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤(例えば、トリコスタチン、酪酸ナトリウム、アピシダン(apicidan)、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、ボリノスタット、LBH589、ロミデプシン、ACY-1215、及びパノビノスタット)、mTOR阻害剤(例えば、ビスツセルチブ、テムシロリムス、エベロリムス、リダホロリムス、及びシロリムス)、KSP(Eg5)阻害剤(例えば、Array520)、DNA結合剤(例えば、Zalypsis(登録商標))、PI3K阻害剤(PI3Kデルタ阻害剤(例えば、GS-1101及びTGR-1202)、PI3Kデルタ阻害剤及びPI3Kガンマ阻害剤(例えば、CAL-130)、コパンリシブ、アルペリシブ、及びイデラリシブなど)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、TG02及びソラフェニブ)、ホルモン(例えば、エストロゲン)及びホルモンアゴニスト(黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプロリド、及びトリプトレリン)など)、BAFF-中和抗体(例えば、LY2127399)、IKK阻害剤、p38MAPK阻害剤、抗IL-6(例えば、CNT0328)、テロメラーゼ阻害剤(例えば、GRN163L)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、細胞表面モノクローナル抗体(例えば、抗CD38(HUMAX-CD38)、抗CSl(例えば、エロツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、17AAG及びKOS953)、P13K/Akt阻害剤(例えば、ペリホシン)、Akt阻害剤(例えば、GSK-2141795)、PKC阻害剤(例えば、エンザスタウリン)、FTI(例えば、Zarnestra(商標))、抗CD138(例えば、BT062)、Torcl/2特異的キナーゼ阻害剤(例えば、INK128)、ER/UPRを標的とする薬剤(例えば、MKC-3946)、cFMS阻害剤(例えば、ARRY-382)、JAK1/2阻害剤(例えば、CYT387)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ及びベリパリブ(ABT-888))、ならびにBCL-2アンタゴニストが挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、Navelbine(登録商標)、ソラフェニブ、または前述のものの任意の類似体または誘導体から選択される。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、HER2阻害剤である。HER2阻害剤の例としては、限定されないが、モノクローナル抗体(トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))及びペルツズマブ(Perjeta(登録商標))など)、小分子チロシンキナーゼ阻害剤(アファチニブ、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、ピリチニブ(pilitinib)、CP-654577、CP-724714、カネルチニブ(CI1033)、HKI-272、ラパチニブ(GW-572016)、Tykerb(登録商標))、PKI-166、AEE788、BMS-599626、HKI-357、BIBW2992、ARRY-334543、JNJ-26483327、及びJNJ-26483327など)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、ALK阻害剤である。ALK阻害剤の例としては、限定されないが、セリチニブ、TAE-684(NVP-TAE694)、PF02341066(クリゾチニブまたは1066)、アレクチニブ、ブリガチニブ、エヌトレクチニブ、エンサルチニブ(X-396)、ロルラチニブ、ASP3026、CEP-37440、4SC-203、TL-398、PLB1003、TSR-011、CT-707、TPX-0005、及びAP26113が挙げられる。ALKキナーゼ阻害剤の追加の例は、WO05016894の実施例3~39に記載されている。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)/増殖因子受容体の下流のメンバーの阻害剤(例えば、SHP2阻害剤(例えば、SHP099、TNO155、RMC-4550、RMC-4630、JAB-3068)、SOS1阻害剤(例えば、BI-1701963、BI-3406)、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、またはmTOR阻害剤(例えば、mTORC1阻害剤もしくはmTORC2阻害剤)である。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、JAB-3312である。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、追加のRas阻害剤(例えば、AMG510、MRTX1257、MRTX849、JNJ4699157、LY3499446、ARS-3248、もしくはARS-1620)であるか、またはRasワクチンであるか、またはRasの発がん活性を直接的もしくは間接的に低減するように設計された別の治療モダリティである。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物と併用され得る治療剤は、MAPキナーゼ(MAPK)経路の阻害剤(すなわち、「MAPK阻害剤」)である。MAPK阻害剤には、限定されないが、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載のMAPK阻害剤の1つ以上が含まれる。例えば、MAPK阻害剤は、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、LErafAON(NeoPharm)、ISIS5132、ベムラフェニブ、ピマセルチブ、TAK733、RO4987655(CH4987655)、CI-1040、PD-0325901、CH5126766、MAP855、AZD6244、レファメチニブ(RDEA119/BAY86-9766)、GDC-0973/XL581、AZD8330(ARRY-424704/ARRY-704)、RO5126766(Roche、PLoS One.2014 Nov 25;9(11)に記載のもの)、及びGSK1120212(すなわちJTP-74057、Clin Cancer Res.2011 Mar 1;17(5):989-1000に記載のもの)のうちの1つ以上から選択され得る。MAPK阻害剤は、PLX8394、LXH254、GDC-5573、またはLY3009120であり得る。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、RAS-RAF-ERKシグナル伝達経路またはPI3K-AKT-TORシグナル伝達経路またはPI3K-AKTシグナル伝達経路のかく乱物質または阻害剤である。PI3K/AKT阻害剤には、限定されないが、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載のPI3K/AKT阻害剤の1つ以上が含まれ得る。例えば、PI3K/AKT阻害剤は、NVP-BEZ235、BGT226、XL765/SAR245409、SF1126、GDC-0980、PI-103、PF-04691502、PKI-587、GSK2126458のうちの1つ以上から選択され得る。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、PD-1アンタゴニストまたはPD-L1アンタゴニストである。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤には、ALK阻害剤、HERファミリー阻害剤、EGFR阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、TOR阻害剤、MCL-1阻害剤、BCL-2阻害剤、SHP2阻害剤、プロテアソーム阻害剤、及び免疫療法が含まれる。いくつかの実施形態では、治療剤は、pan-RTK阻害剤(アファチニブなど)であり得る。
IGF-1R阻害剤には、リンシチニブまたはその医薬的に許容可能な塩が含まれる。
EGFR阻害剤には、限定されないが、小分子アンタゴニスト、抗体阻害剤、または特異的なアンチセンスヌクレオチドもしくはsiRNAが含まれる。EGFRの有用な抗体阻害剤には、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及びマツズマブが含まれる。抗体ベースの別のEGFR阻害剤には、EGFRの天然のリガンドによるEGFRの活性化を部分的または完全に遮断し得る任意の抗EGFR抗体または抗体断片が含まれる。抗体ベースのEGFR阻害剤の例としては、限定されないが、Modjtahedi et al.,Br.J.Cancer 1993,67:247-253、Teramoto et al.,Cancer 1996,77:639-645、Goldstein et al.,Clin.Cancer Res.1995,1:1311-1318、Huang et al.,1999,Cancer Res.15:59(8):1935-40、及びYang et al.,Cancer Res.1999,59:1236-1243に記載のものが挙げられる。EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体であるMab E7.6.3(前掲のYang,1999)もしくはMab C225(ATCC受入番号HB-8508)であるか、またはその結合特異性を有する抗体もしくは抗体断片であり得る。
EGFRの小分子アンタゴニストには、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、及びラパチニブ(TykerB(登録商標))が含まれる。例えば、Yan et al.,Pharmacogenetics and Pharmacogenomics In Oncology Therapeutic Antibody Development,BioTechniques 2005,39(4):565-8、及びPaez et al.,EGFR Mutations In Lung Cancer Correlation With Clinical Response To Gefitinib Therapy,Science 2004,304(5676):1497-500を参照のこと。小分子EGFR阻害剤の別の例としては、限定されないが、下記の特許公開公報に記載のEGFR阻害剤、及びそのようなEGFR阻害剤のすべての医薬的に許容可能な塩のいずれもが挙げられる:EP0520722、EP0566226、WO96/33980、米国特許第5,747,498号、WO96/30347、EP0787772、WO97/30034、WO97/30044、WO97/38994、WO97/49688、EP837063、WO98/02434、WO97/38983、WO95/19774、WO95/19970、WO97/13771、WO98/02437、WO98/02438、WO97/32881、DE19629652、WO98/33798、WO97/32880、WO97/32880、EP682027、WO97/02266、WO97/27199、WO98/07726、WO97/34895、WO96/31510、WO98/14449、WO98/14450、WO98/14451、WO95/09847、WO97/19065、WO98/17662、米国特許第5,789,427号、米国特許第5,650,415号、米国特許第5,656,643号、WO99/35146、WO99/35132、WO99/07701、及びWO92/20642。小分子EGFR阻害剤の追加の例としては、限定されないが、Traxler et al.,Exp.Opin.Ther.Patents 1998,8(12):1599-1625に記載のEGFR阻害剤のいずれもが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療剤は、ラパチニブ、ネラチニブ、またはアファチニブである。
MEK阻害剤には、限定されないが、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ(Cotellic(登録商標))、トラメチニブ(Mekinist(登録商標))、及びビニメチニブ(Mektovi(登録商標))が含まれる。いくつかの実施形態では、MEK阻害剤は、D67N、P124L、P124S、及びL177Vから選択されるクラスIのMEK1変異であるMEK変異を標的とする。いくつかの実施形態では、MEK変異は、ΔE51~Q58、ΔF53~Q58、E203K、L177M、C121S、F53L、K57E、Q56P、及びK57Nから選択されるクラスIIのMEK1変異である。
PI3K阻害剤には、限定されないが、ウォルトマンニン、WO06/044453に記載の17-ヒドロキシウォルトマンニン類似体、4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(ピクチリシブまたはGDC-0941としても知られ、WO09/036082及びWO09/055730に記載されている)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ235またはNVP-BEZ235としても知られ、WO06/122806に記載されている)、(S)-1-(4-((2-(2-アミノピリミジン-5-イル)-7-メチル-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1-オン(WO08/070740に記載されている)、LY294002(2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン(Axon Medchemから入手可能である)、PI103塩酸塩(3-[4-(4-モルホリニルピリド-[3’,2’:4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]フェノール塩酸塩(Axon Medchemから入手可能である)、PIK75(2-メチル-5-ニトロ-2-[(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチレン]-1-メチルヒドラジド-ベンゼンスルホン酸、一塩酸塩)(Axon Medchemから入手可能である)、PIK90(N-(7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-イミダゾ[1,2-c]キナゾリン-5-イル)-ニコチンアミド(Axon Medchemから入手可能である)、AS-252424(5-[1-[5-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-フラン-2-イル]-メタ-(Z)-イリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン(Axon Medchemから入手可能である)、TGX-221(7-メチル-2-(4-モルホリニル)-9-[1-(フェニルアミノ)エチル]-4H-ピリド-[1,2-a]ピリニジン-4-オン(Axon Medchemから入手可能である)、XL-765、ならびにXL-147が含まれる。他のPI3K阻害剤には、デメトキシビリジン、ペリホシン、CAL101、PX-866、BEZ235、SF1126、INK1117、IPI-145、BKM120、XL147、XL765、Palomid529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、IC87114、TGI00-115、CAL263、PI-103、GNE-477、CUDC-907、及びAEZS-136が含まれる。
AKT阻害剤には、限定されないが、Akt-1-1(Akt1を阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408)、Akt-1-1,2(Ak1及び2を阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408)、API-59CJ-Ome(例えば、Jin et al.,Br.J.Cancer 2004,91:1808-12)、1-H-イミダゾ[4,5-c]ピリジニル化合物(例えば、WO05/011700)、インドール-3-カルビノール及びその誘導体(例えば、米国特許第6,656,963号、Sarkar and Li J Nutr.2004,134(12 Suppl):3493S-3498S)、ペリホシン(例えば、Aktの膜局在化を妨害する;Dasmahapatra et al.Clin.Cancer Res.2004,10(15):5242-52)、ホスファチジルイノシトールエーテル脂質類似体(例えば、Gills and Dennis Expert.Opin.Investig.Drugs 2004,13:787-97)、ならびにトリシリビン(TCNまたはAPI-2またはNCI識別子:NSC154020、Yang et al.,Cancer Res.2004,64:4394-9)が含まれる。
mTOR阻害剤には、限定されないが、ATP競合性のmTORC1/mTORC2阻害剤が含まれ、こうした阻害剤は、例えば、PI-103、PP242、PP30、トリン1、FKBP12エンハンサー、4H-1-ベンゾピラン-4-オン誘導体、ならびにラパマイシン(シロリムスとしても知られる)及びその誘導体であり、ラパマイシンの誘導体には、テムシロリムス(Torisel(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標)、WO94/09010)、リダホロリムス(デホロリムスまたはAP23573としても知られる)、ラパログ(例えば、WO98/02441及びWO01/14387に開示のものであり、例えばAP23464及びAP23841)、40-(2-ヒドロキシエチル)ラパマイシン、40-[3-ヒドロキシ(ヒドロキシメチル)メチルプロパノエート]-ラパマイシン(CC1779としても知られる)、40-エピ-(テトラゾリル)-ラパマイシン(ABT578とも呼ばれる)、32-デオキソラパマイシン、16-ペンチニルオキシ-32(S)-ジヒドロラパナイシン、WO05/005434に開示の誘導体、米国特許第5,258,389号、同第5,118,677号、同第5,118,678号、同第5,100,883号、同第5,151,413号、同第5,120,842号、及び同第5,256,790号に開示の誘導体、ならびにWO94/090101、WO92/05179、WO93/111130、WO94/02136、WO94/02485、WO95/14023、WO94/02136、WO95/16691、WO96/41807、WO96/41807、及びWO2018204416に開示の誘導体、ならびにリン含有ラパマイシン誘導体(例えば、WO05/016252)が含まれる。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、二価の阻害剤(RMC-5552など)である。
本発明の化合物と併用され得るBRAF阻害剤には、例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、及びエンコラフェニブが含まれる。BRAFは、クラス3のBRAF変異を含み得る。いくつかの実施形態では、クラス3のBRAF変異は、ヒトBRAF中の下記のアミノ酸置換のうちの1つ以上から選択される:D287H、P367R、V459L、G466V、G466E、G466A、S467L、G469E、N581S、N581I、D594N、D594G、D594A、D594H、F595L、G596D、G596R、及びA762E。
MCL-1阻害剤には、限定されないが、AMG-176、MIK665、及びS63845が含まれる。骨髄細胞白血病-1(MCL-1)タンパク質は、B細胞リンパ腫-2(BCL-2)タンパク質ファミリーの重要な抗アポトーシスメンバーの1つである。MCL-1の過剰発現は、腫瘍進行ならびに抵抗性と密接に関連しており、この抵抗性は、従来の化学療法に対してだけでなく、BCL-2阻害剤(ABT-263など)を含む、標的指向型の治療剤に対するものでもある。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、HER2ファミリー阻害剤、SHP2阻害剤、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、SOS1阻害剤、またはPD-L1阻害剤からなる群から選択される。例えば、Hallin et al.,Cancer Discovery,DOI:10.1158/2159-8290(October 28,2019)及びCanon et al.,Nature,575:217(2019)を参照のこと。
プロテアソーム阻害剤には、限定されないが、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、及びオプロゾミブが含まれる。
免疫療法には、限定されないが、モノクローナル抗体、免疫調節イミド(IMiD)、GITRアゴニスト、遺伝子操作されたT細胞(例えば、CAR-T細胞)、二重特異性抗体(例えば、BiTE)、ならびに抗PD-1剤、抗PDL-1剤、抗CTLA4剤、抗LAG1剤、及び抗OX40剤)が含まれる。
免疫調節剤(IMiD)は、イミド基を含むクラスの免疫調節剤(免疫応答を調節する薬剤)である。IMiDクラスには、サリドマイドならびにその類似体(レナリドミド、ポマリドミド、及びアプレミラスト)が含まれる。
抗PD-1抗体及びその使用方法の例は、Goldberg et al.,Blood 2007,110(1):186-192、Thompson et al.,Clin.Cancer Res.2007,13(6):1757-1761、及びWO06/121168 A1)、ならびに本明細書の他の箇所に記載されている。
GITRアゴニストには、限定されないが、GITR融合タンパク質及び抗GITR抗体(例えば、二価抗GITR抗体)(米国特許第6,111,090号、米国特許第8,586,023号、WO2010/003118、及びWO2011/090754に記載のGITR融合タンパク質など)、または例えば、米国特許第7,025,962号、EP1947183、米国特許第7,812,135号、米国特許第8,388,967号、米国特許第8,591,886号、米国特許第7,618,632号、EP1866339、ならびにWO2011/028683、WO2013/039954、WO05/007190、WO07/133822、WO05/055808、WO99/40196、WO01/03720、WO99/20758、WO06/083289、WO05/115451、及びWO2011/051726に記載の抗GITR抗体が含まれる。
本発明の化合物と併用され得る治療剤の別の例は、抗血管新生剤である。抗血管新生剤には、限定されないが、インビトロで合成的に調製された化学的組成物、抗体、抗原結合領域、放射性核種、ならびにそれらの組み合わせ及び複合体が含まれる。抗血管新生剤は、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリック調節因子、毒素であり得るか、またはより一般には、その標的を阻害もしくは刺激(例えば、受容体もしくは酵素を活性化もしくは阻害)するように作用し、それによって細胞死を促進するか、もしくは細胞増殖を抑止するものであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、抗血管新生剤を含む。
抗血管新生剤は、MMP-2(マトリックスメタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP-9(マトリックスメタロプロテイナーゼ9)阻害剤、及びCOX-II(シクロオキシゲナーゼ11)阻害剤であり得る。抗血管新生剤の例としては、限定されないが、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、及びベバシズマブが挙げられる。有用なCOX-II阻害剤の例としては、アレコキシブ(alecoxib)、バルデコキシブ、及びロフェコキシブが挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、WO96/33172、WO96/27583、WO98/07697、WO98/03516、WO98/34918、WO98/34915、WO98/33768、WO98/30566、WO90/05719、WO99/52910、WO99/52889、WO99/29667、WO99007675、EP0606046、EP0780386、EP1786785、EP1181017、EP0818442、EP1004578、及びUS20090012085、ならびに米国特許第5,863,949号及び同第5,861,510号に記載されている。好ましいMMP-2阻害剤及びMMP-9阻害剤は、MMP-1を阻害する活性をほとんど有さないか、または全く有さないものであり、より好ましくは、その他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、及びMMP-13)と比較してMMP-2またはAMP-9を選択的に阻害するものである。MMP阻害剤の具体例のいくつかは、AG-3340、RO32-3555、及びRS13-0830である。
抗血管新生剤の別の例としては、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(例えば、キナーゼドメイン受容体に特異的に結合する抗体及び抗原結合領域)、抗VEGF剤(例えば、VEGFに特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域(ベバシズマブなど)または可溶性VEGF受容体もしくはそのリガンド結合領域)(VEGF-TRAP(商標)など))及び抗VEGF受容体剤(例えば、VEGF受容体に特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、EGFR阻害剤(例えば、EGFRに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)(Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標)など)、抗Ang1剤及び抗Ang2剤(例えば、それに特異的に結合するか、またはその受容体(例えば、Tie2/Tek)に特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、ならびに抗Tie2キナーゼ阻害剤(例えば、Tie2キナーゼに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が挙げられる。他の抗血管新生剤には、Campath、IL-8、B-FGF、Tekアンタゴニスト(US2003/0162712、US6,413,932)、抗TWEAK剤(例えば、特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域または可溶性TWEAK受容体アンタゴニスト;US6,727,225を参照のこと)、インテグリンがそのリガンドに結合することをアンタゴナイズするADAMディスインテグリンドメイン(US2002/0042368)、特異的に結合する抗eph受容体及び/または抗エフリン抗体もしくは抗原結合領域(米国特許第5,981,245号、同第5,728,813号、同第5,969,110号、同第6,596,852号、同第6,232,447号、同第6,057,124号、及びそれらの特許ファミリーメンバー)、ならびに抗PDGF-BBアンタゴニスト(例えば、特異的に結合する抗体または抗原結合領域)ならびにPDGF-BBリガンドに特異的に結合する抗体または抗原結合領域、及びPDGFRキナーゼ阻害剤(例えば、PDGFRキナーゼに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が含まれる。追加の抗血管新生剤には、SD-7784(Pfizer,USA)、シレンギチド(Merck KGaA,Germany,EPO 0770622)、ペガプタニブオクタナトリウム(Gilead Sciences,USA)、アルファスタチン(BioActa,UK)、M-PGA(Celgene,USA,US 5712291)、イロマスタット(Arriva,USA,US5892112)、エマキサニブ(emaxanib)(Pfizer,USA,US 5792783)、バタラニブ(Novartis,Switzerland)、2-メトキシエストラジオール(EntreMed,USA)、TLC ELL-12(Elan,Ireland)、酢酸アネコルタブ(Alcon,USA)、アルファ-D148 Mab(Amgen,USA)、CEP-7055(Cephalon,USA)、抗Vn Mab(Crucell,Netherlands)、DAC抗血管新生剤(ConjuChem,Canada)、アンギオシジン(InKine Pharmaceutical,USA)、KM-2550(Kyowa Hakko,Japan)、SU-0879(Pfizer,USA)、CGP-79787(Novartis,Switzerland,EP 0970070)、ARGENT technology(Ariad,USA)、YIGSR-Stealth(Johnson & Johnson,USA)、フィブリノゲン-E断片(BioActa,UK)、血管新生阻害剤(Trigen,UK)、TBC-1635(Encysive Pharmaceuticals,USA)、SC-236(Pfizer,USA)、ABT-567(Abbott,USA)、メタスタチン(EntreMed,USA)、マスピン(Sosei,Japan)、2-メトキシエストラジオール(Oncology Sciences Corporation,USA)、ER-68203-00(IV AX,USA)、BeneFin(Lane Labs,USA)、Tz-93(Tsumura,Japan)、TAN-1120(Takeda,Japan)、FR-111142(Fujisawa,Japan,JP 02233610)、血小板第4因子(RepliGen,USA,EP 407122)、血管内皮増殖因子アンタゴニスト(Borean,Denmark)、ベバシズマブ(pINN)(Genentech,USA)、血管新生阻害剤(SUGEN,USA)、XL784(Exelixis,USA)、XL647(Exelixis,USA)、MAb,アルファ5ベータ3インテグリン,第二世代(Applied Molecular Evolution,USA and Medlmmune,USA)、エンザスタウリン塩酸塩(Lilly,USA)、CEP7055(Cephalon,USA及びSanofi-Synthelabo,France)、BC1(Genoa Institute of Cancer Research,Italy)、rBPI21及びBPI由来の抗血管新生剤(XOMA,USA)、PI88(Progen,Australia)、シレンギチド(Merck KGaA,German;Munich Technical University,Germany,Scripps Clinic and Research Foundation,USA)、AVE8062(Ajinomoto,Japan)、AS1404(Cancer Research Laboratory,New Zealand)、SG292(Telios,USA)、エンドスタチン(Boston Childrens Hospital,USA)、ATN161(Attenuon,USA)、2-メトキシエストラジオール(Boston Childrens Hospital,USA)、ZD6474(AstraZeneca,UK)、ZD6126(Angiogene Pharmaceuticals,UK)、PPI2458(Praecis,USA)、AZD9935(AstraZeneca,UK)、AZD2171(AstraZeneca,UK)、バタラニブ(pINN)(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany)、組織因子経路阻害剤(EntreMed,USA)、ペガプタニブ(Pinn)(Gilead Sciences,USA)、キサントリゾール(Yonsei University,South Korea)、ワクチン,遺伝子ベース,VEGF-2(Scripps Clinic and Research Foundation,USA)、SPV5.2(Supratek,Canada)、SDX103(University of California at San Diego,USA)、PX478(ProlX,USA)、メタスタチン(EntreMed,USA)、トロポニンI(Harvard University,USA)、SU6668(SUGEN,USA)、OXI4503(OXiGENE,USA)、o-グアニジン(Dimensional Pharmaceuticals,USA)、モツポラミンC(British Columbia University,Canada)、CDP791(Celltech Group,UK)、アチプリモド(pINN)(GlaxoSmithKline,UK)、E7820(Eisai,Japan)、CYC381(Harvard University,USA)、AE941(Aeterna,Canada)、ワクチン,血管新生剤(EntreMed,USA)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(Dendreon,USA)、オグルファニド(pINN)(Melmotte,USA)、HIF-1アルファ阻害剤(Xenova,UK)、CEP5214(Cephalon,USA)、BAY RES 2622(Bayer,Germany)、アンギオシジン(InKine,USA)、A6(Angstrom,USA)、KR31372(Korea Research Institute of Chemical Technology,South Korea)、GW2286(GlaxoSmithKline,UK)、EHT0101(ExonHit,France)、CP868596(Pfizer,USA)、CP564959(OSI,USA)、CP547632(Pfizer,USA)、786034(GlaxoSmithKline,UK)、KRN633(Kirin Brewery,Japan)、薬物送達系,眼内,2-メトキシエストラジオール;アンギネックス(Maastricht University,Netherlands,及びMinnesota University,USA)、ABT510(Abbott,USA)、AAL993(Novartis,Switzerland)、VEGI(ProteomTech,USA)、腫瘍壊死因子-アルファ阻害剤;SU11248(Pfizer,USA及びSUGEN USA)、ABT518(Abbott,USA)、YH16(Yantai Rongchang,China)、S-3APG(Boston Childrens Hospital,USA及びEntreMed,USA)、MAb,KDR(ImClone Systems,USA)、MAb,アルファ5ベータ(Protein Design,USA)、KDRキナーゼ阻害剤(Celltech Group,UK,及びJohnson & Johnson,USA)、GFB116(South Florida University,USA及びYale University,USA)、CS706(Sankyo,Japan)、コンブレタスタチンA4プロドラッグ(Arizona State University,USA)、コンドロイチナーゼAC(IBEX,Canada)、BAY RES 2690(Bayer,Germany)、AGM1470(Harvard University,USA,Takeda,Japan,及びTAP,USA)、AG13925(Agouron,USA)、テトラチオモリブデート(University of Michigan,USA)、GCS100(Wayne State University,USA)CV247(Ivy Medical,UK)、CKD732(Chong Kun Dang,South Korea)、イルソグラジン(Nippon Shinyaku,Japan)、RG13577(Aventis,France)、WX360(Wilex,Germany)、スクアラミン(Genaera,USA)、RPI4610(Sirna,USA)、ヘパラナーゼ阻害剤(InSight,Israel)、KL3106(Kolon,South Korea)、ホノキオール(Emory University,USA)、ZK CDK(Schering AG,Germany)、ZK Angio(Schering AG,Germany)、ZK229561(Novartis,Switzerland,及びSchering AG,Germany)、XMP300(XOMA,USA)、VGA1102(Taisho,Japan)、VE-カドヘリン-2アンタゴニスト(ImClone Systems,USA)、バソスタチン(National Institutes of Health,USA)、Flk-1(ImClone Systems,USA)、TZ93(Tsumura,Japan)、タムスタチン(Beth Israel Hospital,USA)、短縮型可溶性FLT1(血管内皮増殖因子受容体1)(Merck & Co,USA)、Tie-2リガンド(R
egeneron,USA)、ならびにトロンボスポンジン1阻害剤(Allegheny Health,Education and Research Foundation,USA)が含まれる。
本発明の化合物と併用され得る治療剤の別の例としては、増殖因子に特異的に結合し、その活性を阻害する薬剤(例えば、抗体、抗原結合領域、または可溶性受容体)(肝細胞増殖因子(HGF(散乱因子としても知られる))のアンタゴニスト、及びその受容体(c-Met)に特異的に結合する抗体または抗原結合領域など)が挙げられる。
本発明の化合物と併用され得る治療剤の別の例は、オートファジー阻害剤である。オートファジー阻害剤には、限定されないが、クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型または1型のタンパク質ホスファターゼを阻害するオートファジー抑制性藻類毒素、cAMPの類似体、ならびにcAMPレベルを上昇させる薬物(アデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシド、及びビンブラスチンなど)が含まれる。さらに、タンパク質の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNA(限定されないが、ATG5(オートファジーに関与する)を含む)も使用され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、オートファジー阻害剤を含む。
本発明の化合物と併用され得る治療剤の別の例は、抗新生物剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療は、抗新生物剤を含む。抗新生物剤の例としては、限定されないが、エースマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンサー(ancer)、アンセスチム、アルグラビン、三酸化ヒ素、BAM-002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビンオクホスファート、DA3030(Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エキシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、ホテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフール併用、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、(イミキモド、インターフェロンアルファ、天然のインターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-Nl、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンアルファコン-1、天然のインターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、インターフェロンガンマ、天然のインターフェロンガンマ-1a、インターフェロンガンマ-1b、インターロイキン-1ベータ、ヨーベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC9018(Yakult)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球アルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規の赤血球生成促進剤、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペグアスパラガーゼ、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ-2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリエンボディメント(rasburiembodiment)、エチドロン酸レニウムRe186、RIIレチンアミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム-89、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、サイマルファシン、チロトロピンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ-ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、天然の腫瘍壊死因子アルファ、ウベニメクス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、メラノーマ溶解物ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビルリジン、ジノスタチンスチマラマー、またはゾレドロン酸、アバレリックス、AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2(Genta)、APC8015(Dendreon)、デシタビン、デキサアミノグルテチミド、ジアジコン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチムSD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン(galocitabine)、ガストリン17免疫原、HLA-B7遺伝子治療(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキン-2、イプロキシフェン、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA125MAb(Biomira)、がんMAb(Japan Pharmaceutical Development)、HER-2及びFc MAb(Medarex)、イディオタイプ105AD7 MAb(CRC Technology)、イディオタイプCEA MAb(Trilex)、LYM-1-ヨウ素131MAb(Techni clone)、多形性上皮性ムチン-イットリウム90MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィンガドリニウム、MX6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキシド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルフォス酸、SRL172(SR Pharma)、SU5416(SUGEN)、TA077(Tanabe)、テトラチオモリブデート、タリブラスチン、トロンボポエチン、エチルエチオプルプリンスズ、チラパザミン、がんワクチン(Biomira)、メラノーマワクチン(New York University)、メラノーマワクチン(Sloan Kettering Institute)、メラノーマ腫瘍溶解物ワクチン(New York Medical College)、ウイルスメラノーマ細胞溶解物ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダールが挙げられる。
本発明の化合物と併用され得る治療剤の追加の例としては、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、トレメリムマブ、ガリキシマブ、ニボルマブ(BMS-936558(Opdivo(登録商標))としても知られる)、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、アベルマブ(Bavencio(登録商標))、AMP224、BMS-936559、MPDL3280A(RG7446としても知られる)、MEDI-570、AMG557、MGA271、IMP321、BMS-663513、PF-05082566、CDX-1127、抗OX40(Providence Health Services)、huMAbOX40L、アタシセプト、CP-870893、ルカツムマブ、ダセツズマブ、ムロモナブ-CD3、イピルムマブ(ipilumumab)、MEDI4736(Imfinzi(登録商標))、MSB0010718C、AMP224、アダリムマブ(Humira(登録商標))、ado-トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(登録商標))、アフリベルセプト(Eylea(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標))、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))、ベリムマブ(Benlysta(登録商標))、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))、ベリムマブ(Benlysta(登録商標))、ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標))、カナキヌマブ(Ilaris(登録商標))、セルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標))、ダクリズマブ(Zenapax(登録商標))、ダラツムマブ(Darzalex(登録商標))、デノスマブ(Prolia(登録商標))、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、エファリズマブ(Raptiva(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標))、ゴリムマブ(Simponi(登録商標))、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、モタビズマブ(Numax(登録商標))、ナタリズマブ(Tysabri(登録商標))、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オマリズマブ(Xolair(登録商標))、パリビズマブ(Synagis(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ラキシバクマブ(Abthrax(登録商標))、トシリズマブ(Actemra(登録商標))、トシツモマブ、トシツモマブ-i-131、トシツモマブ及びトシツモマブ-i-131(Bexxar(登録商標))、ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))、AMG102、AMG386、AMG479、AMG655、AMG706、AMG745、ならびにAMG951が挙げられる。
本明細書に記載の化合物は、治療される状態に応じて、本明細書に開示の薬剤または他の適切な薬剤と併用され得る。したがって、いくつかの実施形態は、本開示の化合物の1つ以上は、本明細書に記載の他の治療と共に施されることになる。併用療法において使用される場合、本明細書に記載の化合物は、第2の薬剤と同時に投与されるか、または第2の薬剤とは別に投与され得る。この併用投与には、同じ剤形に含めた2つの薬剤を同時に投与するもの、別々の剤形において同時に投与を行うもの、及び別々に投与を行うものが含まれ得る。すなわち、本明細書に記載の化合物と、本明細書に記載の薬剤のいずれかとを、同じ剤形において一緒に製剤化し、同時に投与することができる。代替的には、本発明の化合物と、本明細書に記載の治療のいずれかとを、同時に施すことができ、これら両方の薬剤は、別々の製剤に存在する。別の代替法では、本開示の化合物を投与し、その後に、本明細書に記載の治療のいずれかを施すことができる。逆もまた同様である。別々に投与を行うプロトコールの実施形態のいくつかでは、本発明の化合物と、本明細書に記載の治療のいずれかとは、数分または数時間または数日の間隔をあけて投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態のいくつかでは、第1の治療(例えば、本発明の化合物)と、1つ以上の追加の治療とは、いずれかの順序で同時または別々に施される。第1の治療剤は、1つ以上の追加の治療の直前または直後に投与されるか、1時間前または1時間後までに投与されるか、2時間前または2時間後までに投与されるか、3時間前または3時間後までに投与されるか、4時間前または4時間後までに投与されるか、5時間前または5時間後までに投与されるか、6時間前または6時間後までに投与されるか、7時間前または7時間後までに投与されるか、8時間前または8時間後までに投与されるか、9時間前または9時間後までに投与されるか、10時間前または10時間後までに投与されるか、11時間前または11時間後までに投与されるか、12時間前または12時間後までに投与されるか、13時間前または13時間後までに投与されるか、14時間前または14時間後までに投与されるか、16時間前または16時間後までに投与されるか、17時間前または17時間後までに投与されるか、18時間前または18時間後までに投与されるか、19時間前または19時間後までに投与されるか、20時間前または20時間後までに投与されるか、21時間前または21時間後までに投与されるか、22時間前または22時間後までに投与されるか、23時間前または23時間後までに投与されるか、24時間前または24時間後までに投与されるか、あるいは1~7日前もしくは1~7日後までに投与されるか、1~14日前もしくは1~14日後までに投与されるか、1~21日前もしくは1~21日後までに投与されるか、または1~30日前もしくは1~30日後までに投与され得る。
材料及び方法
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載の中間体、実施例、及び合成方法を、それらの実施形態のすべてにおいて含む。
式Iの化合物は、後述の方法によって調製することができ、こうした方法では、有機化学分野で知られる合成方法が併用されるか、または当業者に知られる改変及び誘導体化が併用され得る。本明細書で使用される出発物質は、商業的に利用可能であるか、または当該技術分野で知られる通常の方法によって調製することができ、こうした通常の方法は、例えば、標準的な参考書籍(Compendium of Organic Synthetic Methods,Vol.I-Vl(Wiley-lnterscience)またはComprehensive Organic Transformations,by R.C.Larock(Wiley-lnterscience)など)に開示の方法である。好ましい方法には、限定されないが、後述のものが含まれる。
後述の合成順序のいずれかの中では、問題の分子のいずれかに存在する不安定(sensitive)基または反応基を保護することが必要であり、及び/または望ましくあり得る。このことは、従来の保護基の手段によって達成することができ、こうした保護基は、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons(1981)、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons(1991)、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons(1999)、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons(2006)、及びT.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons(2014)に記載の保護基などであり、これらの文献は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
式Iの化合物またはその医薬的に許容可能な塩、及び本発明の化合物の合成において使用される中間体は、本明細書で後に論じられる反応スキーム、及び当該技術分野の一般技能に沿って調製され得る。
別段の指定がない限り、スキーム中の置換基は、上に定義したものである。生成物の単離及び精製は、標準的な手順によって達成され、こうした手順は、通常の技能を有する化学者に知られるものである。
一般的または例示的な合成手順への言及がある場合、仮に示されていないとしても、そうした一般的または例示的な手順から推定することで、当業者なら適切な試薬を容易に決定することができる。特定の化合物の調製については、一般手順のいくつかが例として提供される。当業者なら、そのような手順を他の化合物の合成に容易に適用することができる。一般手順において示される構造または一般手順で言及される構造では非置換位置が示されるが、こうした位置が非置換で示されるのは簡便性を得るためであり、本明細書の他の箇所に記載の置換を排除するものではない。一般手順においてR基として存在し得る特定の基、または示されない任意選択の置換基として存在し得る特定の基は、特許請求の範囲、概要、及び詳細な説明を含めて、この文書のその他の部分に記載されるものを指す。
本発明の化合物を調製するためのプロセスは、大気圧付近で実施することが好ましいが、望まれる場合は大気圧超の圧力または大気圧未満の圧力が使用され得る。実質的に等モル量の反応物を使用することが好ましいが、それを超える量またはそれ未満の量も使用され得る。
別段の記載がない限り、材料及び試薬はすべて、商業的な供給業者から入手し、追加精製せずに使用した。反応は、アルミ箔またはガラス基材にプレコートされたシリカゲル60 F254(0.2mm)での薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視し、UV光または適切なTLC染色を使用して可視化した。フラッシュクロマトグラフィーは、Agela Technologies CombiFlash with CHEETAH Purification SystemまたはISCO CombiFlash Rf 200 Organic Purification Systemのいずれかを使用して実施した。分取TLCは、Xinnuo Silica Gel 10~40μm、サイズ20×20cmのプレート(1000pm相当の厚さを有する)で実施した。
H NMR(300MHzまたは400MHz)スペクトルは、室温でBruker機器またはVarian機器で記録し、TMSまたは残存溶媒ピークを内部標準として使用した。一重線または多重線の位置は(δ)で与えられ、カップリング定数(J)は、ヘルツ(Hz)での絶対値で与えられる。H NMRスペクトルでの多重度は、下記のように略される:(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、quint(五重線)、m(多重線)、mc(中央に集中した多重線)、brまたはブロード(ブロード化したもの)。
NMRデータは、一般に、重水素化溶媒(DMSO-d、CD3OD、CDCl3、またはアセトニトリル-dなど)において収集されるが、溶媒の重水素化状態は、NMRデータセクション中に明示的に示されることも、示されないこともあり得る。
分取HPLC精製は、2545バイナリーグラジエントモジュールまたは2525バイナリーグラジエントモジュール、2767サンプルマネージャー、カラムフルイディクスオーガナイザー(CFO)、2489フォトダイオードアレイ検出器、検出器への希釈流(makeup flow)を創出するための515ポンプ、試薬マネージャー、アット・カラム・ディリューションのための515ポンプ、Z-sprayエレクトロスプレーインターフェースを備えたZspray(商標)シングル四重極質量検出器を備え、FractionLynx(商標)ソフトウェアを含むMassLynx(商標)バージョン4.1によって制御されるWaters(登録商標)Mass-Directed Purification Systemで実施した。移動相は、別段の記載がない限り、0.1%のギ酸または0.01MのNHHCOを含む水及びアセトニトリルとした。流速は、25mL/分とした。カラム通液後に1:1000LC packingsフロースプリッターによって、溶出液のごく一部がUV検出器に移行し、その後に10%部がZQ MSに移行するようにした。エレクトロスプレー源のキャピラリー電圧を3.0kV、コーン電圧を30V、イオン源温度を110℃、脱溶媒温度を350℃、脱溶媒ガス流を600L/時、コーンガス流を60L/時に設定した。分析計については、増倍管の設定を分取調整法向けに550にした。
分析LCMSデータは、LCMS01装置、LCMS02装置、UPLC01装置、またはUPLC0装置で記録し、別段の記載がない限り、アセトニトリル(B)及びHPLCグレード水(A)を移動相とし、当該移動相中には0.05%のギ酸または0.05%のTFAのいずれかを存在させた。
LCMS01は、SPD-M20A検出器及びイオン化用のLCMS-2020を備えたShimadzu LC-20ADXR HPLCである。このシステムでは、実行時間を5分または3分として下記の条件が使用される。
実行時間5分:Ascentis Express C18カラム、2μm、3.0×50mm。流速は1.5mL/分であり、実行時間は5分であり、グラジエントプロファイルは、0.01分 B5%、3.00分 B100%、4.60分 B100%、4.90分 B5%、5.00分 B0%である。LCMS-2020装置では、ポジティブ(ES+)モードまたはネガティブ(ES-)モードでエレクトロスプレーイオン化を実施した。
実施時間3分:Ascentis Express C18カラム、2μm、3.0×50mm。流速は1.5mL/分であり、実行時間は3分であり、グラジエントプロファイルは、0.01分 B5%、2.00分 B100%、2.70分 B100%、2.75分 B5%、3.00分 B0%である。
Agilent LCMSは、6120/6125シングル四重極質量検出器、イオン化用ESIを備えたAgilent 1260HPLCである。このシステムでは、実行時間を2.5分として下記の条件が使用される。
条件:Waters CORTECS C18+カラム、2.7μm、4.6×30mm。流速は1.8mL/分であり、実行時間は2.5分であり、グラジエントプロファイルは、0.00分 B5%、1.00分 B95%、2.0分 B95%、2.1分 B5%、2.5分 B5%である。Premier XE MSでは、ポジティブ(ES+)モードまたはネガティブ(ES-)モードでエレクトロスプレーイオン化を実施した。
UPLC01は、Agilent Technologies 1260 Infinity IIをDAD(G4212-60008)検出器と組み合わせたものである。Waters T3カラム(4.6×100mm)を60℃に加熱し、検出は254nm及び220nmで実施し、ポジティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を使用した。以下の表2には、分析UPLCプログラムのための移動相グラジエント(溶媒A:0.05%のTFA水溶液;溶媒B:0.05%のTFAを含むアセトニトリル)及び流速が示される。
Figure 2022520154000140
UPLC02は、ACQUITYサンプルマネージャーをPDA検出器と組み合わせたものである。ACQUITYUPLC(登録商標)BEH C18 1.7pm 2.1×50mmを45℃に加熱し、検出は254/214nmで実施した。以下の表3には、分析UPLCプログラムのための移動相グラジエント(溶媒A:0.05%のTFA水溶液;溶媒B:0.05%のTFAを含むアセトニトリル)及び流速が示される。
Figure 2022520154000141
実施例1-中間体の合成
A.メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート
Figure 2022520154000142
ステップA
(S)-メチル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-(3-ヒドロキシフェニル)プロパノエート(10.0g、33.9mmol)をジクロロメタン(100mL)中に含む溶液に、イミダゾール(4.6g、67.8mmol)及びTIPSCl(7.8g、40.7mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌した後、ジクロロメタン(200mL)で希釈し、HOで洗浄(150mLで3回)した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル濃度0→10%)によって精製することで、メチル(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノエート(収率98%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 474.2 [M+Na]
ステップB
メチル(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノエート(7.5g、16.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(6.3g、24.9mmol)、[Ir(OMe)(COD)](1.1g、1.66mmol)、及び4-tert-ブチル-2-(4-tert-ブチル-2-ピリジル)ピリジン(1.3g、4.98mmol)をフラスコ中に混合した。アルゴンでのパージ後、テトラヒドロフラン(75mL)を添加した。フラスコを密封し、80℃に加熱し、16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル濃度0→20%)によって精製することで、メチル(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノエート(収率78%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 600.4 [M+Na]
ステップC
メチル(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノエート(4.95g、6.88mmol)をメタノール(53mL)中に含む0℃の溶液に、水酸化リチウム(840mg、34.4mmol)水溶液(35mL)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、1Mの塩酸水溶液で酸性化して混合物のpHを約5にした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(250mLで2回)し、ブラインで洗浄(100mLで3回)した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮することで、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパン酸を白色の固体として得た。この固体を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。ESI-MS m/z = 581.4 [M+NH
ステップD
メチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレートのトリフルオロ酢酸塩(6.48g、45.0mmol)をジクロロメタン(200mL)中に含む0℃の溶液に、N-メチルモルホリン(40.99g、405.2mmol)、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパン酸(24.0g、42.6mmol)を含むジクロロメタン(50mL)、HOBt(1.21g、9.01mmol)、及びEDCI(12.9g、67.55mmol)を添加した。混合物を20℃で16時間撹拌した後、ジクロロメタン(200mL)で希釈し、水で洗浄(150mLで3回)した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル濃度0→20%)によって精製することで、メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(収率71%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 690.5 [M+H]
B.メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート
Figure 2022520154000143
ステップA
(R)-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メトキシ-3-オキソプロピル)ヨウ化亜鉛(II)(20.0mL、25mmol、1.0当量)、Pd(PPhCl(1.75g、2.5mmol、0.1当量)、及び3-ブロモ-5-ヨードピリジン(7.1g、25mmol、1.0当量)をDMF(10mL)中に含む溶液を50℃で15時間撹拌した。反応液に氷水(300mL)を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出(200mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE→石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製することで、メチル(S)-3-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート(3.1g、収率35%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z= 359.1 [M+H]
ステップB
メチル(S)-3-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート(1.8g、5.0mmol、1.0当量)をMeOH(20mL)中に含む溶液に、LiOH(600mg、25.0mmol、5.0当量)を含むHO(5mL)を0℃で添加した。混合物を0℃で5時間撹拌した。1MのHClで酸性化して混合物のpHを約5にし、混合物を酢酸エチルで抽出(100mLで2回)した。有機層をブラインで洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して残留物を得た。粗生成物(未精製物1.73g)を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 345.0 [M+H]
ステップC
(S)-3-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(1.73g、5.0mmol、1.0当量)、HATU(2.85g、7.5mmol、1.5当量)、及びDIPEA(3.23g、25mmol、5.0当量)をDMF(15mL)中に含む溶液を0℃で30分間撹拌した。次に、メチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(2.23g、6.0mmol、1.2当量、TFA塩)を含むDMF(5mL)を滴下して添加した。2時間後、反応液に氷水(100mL)を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH=20:1)によって精製することで、メチル(S)-1-((S)-3-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(1.51g、収率64%)を油として得た。ESI-MS m/z= 471.1 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体Bの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000144
C.メチル(S)-1-((S)-3-(6-ブロモ-4-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート
Figure 2022520154000145
ステップA
(R)-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メトキシ-3-オキソプロピル)ヨウ化亜鉛(II)(20.0mL、24mmol、2.0当量)、Pd(PPhCl(1.68g、2.4mmol、0.2当量)、及び2,6-ジブロモ-4-メトキシピリジン(3.2g、12mmol、1.0当量)をDMF(10mL)中に含む溶液を65℃で2時間撹拌した。反応液に氷水(300mL)を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出(200mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH=40:1)によって精製することで、メチル(S)-3-(6-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート(2.4g、収率51%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z= 389.0 [M+H]
ステップB
メチル(S)-3-(6-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート(2.4g、6.17mmol、1.0当量)をHBr(40%水溶液)(20mL)中に含む130℃の溶液を16時間撹拌した。混合物を濃縮することで、粗残留物(2.1g)を黄色の固体として得た。この固体を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。ESI-MS m/z = 261.0 [M+H]
ステップC
(S)-2-アミノ-3-(6-ブロモ-4-ヒドロキシピリジン-2-イル)プロパン酸(2.1g、6.17mmol、1.0当量)をTHF(100mL)中に含む撹拌溶液に、DMAP(753mg、6.17mmol、1.0当量)及びTEA(1.2g、12.34mmol、2.0当量)を添加した後、(Boc)O(2.69g、12.34mmol、2.0当量)を添加した。混合物を5時間撹拌した後、溶液を濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH=20:1)によって精製することで、(S)-3-(6-ブロモ-4-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(2.15g、収率76%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z= 460.1 [M+H]
ステップD
(S)-3-(3-ブロモ-5-(ジフルオロメチル)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(2.15g、4.66mmol、1.0当量)、HATU(2.66g、6.99mmol、1.5当量)、及びDIEA(3.00g、23.3mmol、5.0当量)をDMF(15mL)中に含む溶液を5℃で30分間撹拌した。メチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(1.44g、5.6mmol、1.2当量、TFA塩)を含むDMF(5mL)を滴下して添加した。2時間後、反応液に氷水(100mL)を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH=40:1)によって精製することで、メチル(S)-1-((S)-3-(6-ブロモ-4-((tert-ブトキシカルボニル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(2.05g、収率75%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z= 587.1 [M+H]
D.2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル
Figure 2022520154000146
ステップA
tert-ブチル6-ブロモ-3-(シアノメチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(1.3g、3.88mmol、1.0当量)をTHF(25mL)中に含む溶液に、LiHMDS(9.7mL、9.7mmol、2.5当量)を-78℃で添加した。その後、MeI(1.38g、9.72mmol、2.51当量)を-78℃で滴下して添加した。得られた混合物を徐々に室温に温めた後、16時間撹拌した。反応液に飽和NHCl水溶液(10mL)を添加することによってその反応を停止した。得られた混合物を水(200mL)で希釈した後、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(100mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/ジクロロメタン(5:1)を用いた)によって精製することで、tert-ブチル6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(1.2g、81%)を白色の固体として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 8.41 (s, 1H), 7.69 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.51-7.39 (m, 2H), 1.85 (s, 6H), 1.70 (s, 9H)。
ステップB
tert-ブチル6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(1.1g、3.03mmol、1.0当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む撹拌溶液に、TFA(10mL、134.63mmol、44.5当量)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物を水(200mL)で希釈した。混合物を飽和NaHCO水溶液で塩基性化してpH8にした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(200mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(100mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗2-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(750mg、収率89%)を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 263.1 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体Dの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000147
E.3-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-3-メチルブタン-2-オン
Figure 2022520154000148
2-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(3.5g、0.013mmol、1.0当量)をTHF(50mL)中に含む撹拌撹拌溶液に、MeLi(1M、10当量、35mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃で3時間撹拌した。混合物に、HCl水溶液(1L)を室温で添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応液にNaHCO水溶液(500mL)を室温で添加することによってその反応を停止した。混合物を水(300mL)で希釈した後、酢酸エチルで抽出(300mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(200mLで2回)してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出にEA/PE(1:20→1:12)を用いた)によって精製することで、3-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-3-メチルブタン-2-オン(2g、収率48%)を褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 280.1 [M+H]
F:6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボキサミド
Figure 2022520154000149
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボン酸(2.88g、12.0mmol、1.0当量)をジクロロメタン(10mL)及びDMF(10mL)中に含む0℃の溶液に対して、二塩化オキサリル(4.57g、36.0mmol、3.0当量)を滴下して添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。この混合物を次のステップにおいて直接使用した。
ステップB
NH O(8.16g、120.0mmol、10.0当量、25%NH)をHO(20mL)中に含む溶液に、6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボニルクロリド(ステップAから得られた反応溶媒)を0℃で滴下して添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH=20:1)によって精製することで、6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボキサミド(2.45g、収率85%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 241.0 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体Fの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000150
G:6-ブロモ-3-(メチルスルホニル)-1H-インドール
Figure 2022520154000151
6-ブロモ-1H-インドール(1.0g、5.13mmol、1.0当量)及びtert-BuOK(1.15g、10.3mmol、2.0当量)を含むTHF(15mL)を室温で30分間撹拌した。EtB溶液(10.3mL、10.3mmol、2当量、THF中1M)を30分かけて滴下して添加した。塩化メタンスルホニル(1.2g、10.3mmol、2.0当量)を-15℃で添加し、そのままの温度で溶液を24時間維持した。反応液に飽和NHCl水溶液を30mL添加することによってその反応を停止した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(30mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮した。粗生成物を分取HPLC(0.05%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度5%→95%)によって精製することで、6-ブロモ-3-(メチルスルホニル)-1H-インドール(620mg、収率44%)を淡緑色の固体として得た。ESI-MS m/z = 274.0, 276.0 [M+H]
H:6-ブロモ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000152
6-ブロモ-2-メチル-1H-インドール-3-カルバルデヒド(3.2g、13.4mmol、1.0当量)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.0g、14.8mmol、1.1当量)、及びEtN(1.5g、14.8mmol、1.1当量)をDMF(30mL)中に含む混合物に、TP(登録商標)(4.7g、14.8mmol、1.1当量、酢酸エチル中50%)を添加した。混合物を100℃で3時間撹拌した後、飽和NaHCO水溶液(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、HO(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮することで、6-ブロモ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.5g、収率45%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 235.0 [M+H]
I:6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000153
ステップA
6-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(6.0g、30mmol、1.0当量)をDMF(10mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、酸化塩化リン(90mmol、8.4mL、3.0当量)を添加し、得られた混合物を室温で撹拌した。1時間撹拌後、反応混合物を冷飽和NaHCO水溶液に注ぎ入れ、30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出(3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮することで、6-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルバルデヒド(6.0g、収率87%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 225.0 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 12.91 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.34 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.49 - 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 1H)。
ステップB
6-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルバルデヒド(2.24g、10mmol、1.0当量)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(764mg、11mmol、1.1当量)、及びトリエチルアミン(1.11g、11mmol、1.1当量)をDMF(30mL)中に含む混合物に、TP(登録商標)(3.5g、11mmol、1.1当量、酢酸エチル中50%溶液)を添加した。混合物を100℃で3時間撹拌した。混合物を冷却し、重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮することで、生成物6-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニトリル(2.0g、収率91%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 222.1 [M+H]
J:6-ブロモ-4-ヒドロキシ-1-ナフトニトリル
Figure 2022520154000154
ステップA
7-ブロモナフタレン-1-オール(100mg、0448mmol、1当量)、MeCN(10mL)、pTsOH(77.0mg、0.45mmol、1.0当量)、及びN-ヨードスクシンイミド(101.0mg、0.45mmol1.0当量)を含む溶液を25℃で14時間撹拌した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(5:1))によって精製することで、7-ブロモ-4-ヨードナフタレン-1-オール(130mg、収率83%)を得た。ESI-MS m/z = 347.0 [M-H]
ステップB
7-ブロモ-4-ヨードナフタレン-1-オール(2.20g、6.30mmol、1.0当量)、アセトニトリル(40mL)、亜鉛ジカルボニトリル(1.10g、9.46mmol、1.5当量)、及びPd(dba)(220mg、0.383mmol、0.06当量)を含む溶液を70℃で16時間撹拌した。残留物をシリカゲルカラムに供し、酢酸エチル/ヘキサン(5:1)で溶出することで、6-ブロモ-4-ヒドロキシナフタレン-1-カルボニトリル(700mg、収率45%)を得た。ESI-MS m/z = 246.0 [M-H]
K:8-ブロモ-5-エチル-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2-オン
Figure 2022520154000155
ステップA
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(5.0g、22.7mmol、1.0当量)をDMF(50mL)中に含む撹拌溶液に、KCO(6.33g、45.5mmol、2.0当量)及びメチル3-(エチルアミノ)プロパノエート(3.9g、29.7mmol、1.3当量)を滴下して添加した。得られた混合物を16時間撹拌した後、混合物を100mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル(20:1→12:1)を用いた)によって精製することで、メチル3-((4-ブロモ-2-ニトロフェニル)(エチル)アミノ)プロパノエート(6.53g、収率85%)を赤色の油として得た。ES m/z = 333.1 [M+H]
ステップB
3-((4-ブロモ-2-ニトロフェニル)(エチル)アミノ)プロパノエート(6.52g、19.688mmol、1当量)をメタノール(60mL)中に含む撹拌溶液に、酢酸(23.7g、394.6mmol、20当量)及び亜鉛(6.4g、99mmol、5.0当量)を室温で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。沈殿した固体をろ過によって収集し、MeOH(160mL)で洗浄した。得られたろ液を80℃で一晩撹拌した。混合物を飽和NaHCO水溶液で中和してpH7にした。沈殿した固体をろ過して除去し、酢酸エチルで洗浄(10mLで3回)した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(50mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(10:1→3:1)を用いた)によって精製することで、8-ブロモ-5-エチル-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2-オン(2.8g、収率50%)を褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 269.0 [M+H]
L:6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール
Figure 2022520154000156
ステップA
NaH(油中60%分散液、0.4g、16.67mmol、1.25当量)をDMF(40mL)中に含む撹拌溶液に、6-ブロモ-3-ヨード-1H-インドール(4.3g、13.36mmol、1当量)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した後、4-メチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(5.6g、29.38mmol、2.2当量)を0℃で滴下して添加した。混合物を室温でさらに16時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ入れた。水層を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、6-ブロモ-3-ヨード-1-トシル-1H-インドールを、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 8.17 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.44 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H)。
ステップB
6-ブロモ-3-ヨード-1-トシル-1H-インドール(3.0g、6.30mmol、1当量)、2-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(4.0g、18.90mmol、3当量)、Pd(dppf)Cl(0.3g、0.41mmol、0.07当量)、及びKCO(4.4g、31.84mmol、5.05当量)をジオキサン(30mL)及びHO(6mL)中に含む溶液を60℃で3時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(30mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(10:1)を用いた)によって精製することで、6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-トシル-1H-インドール(2.1g、収率77%)を黄色の固体として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 8.21 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.42-7.37 (m, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 4.37 (q, J = 2.6 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.53 (dd, J = 4.8, 2.2 Hz, 2H), 2.39 (s, 3H)。
ステップC
6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-トシル-1H-インドール(2.1g、4.86mmol、1当量)及びKOH(2.7g、48.12mmol、9.91当量)をMeOH(40mL)及びHO(10mL)中に含む溶液を65℃で3時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)し、有機層を混合し、ブラインで洗浄(10mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドールを得た。これを、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 278.0 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体Lの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000157
M:6-ブロモ-2-(2-(メトキシメチル)フェニル)-1H-インドール
Figure 2022520154000158
ステップA
(2-(メトキシメチル)フェニル)ボロン酸(1.66g、10.0mmol、1.0当量)、tert-ブチル6-ブロモ-2-ヨード-1H-インドール-1-カルボキシレート(4.2g、10.0mmol、1.0当量)、Pd(dppf)Cl・CHCl(408mg、0.5mmol、0.05当量)、及びKCO(4.14g、30mmol、3.0当量)をジオキサン(20mL)及び水(4mL)中に含む溶液を80℃で5時間撹拌した。濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製することで、tert-ブチル6-ブロモ-2-(2-(メトキシメチル)フェニル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(2.95g、収率71%)を得た。ESI-MS m/z : 438.0 [M+Na]
ステップB
tert-ブチル6-ブロモ-2-(2-(メトキシメチル)フェニル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(2.95g、7.1mmol、1.0当量)をジクロロメタン(10mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、TFA(10mL)を滴下して添加した。得られた混合物を15℃で1.5時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られた混合物を水(100mL)で希釈した。混合物を飽和NaCOで塩基性化してpH8にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルを充填したフラッシュカラム(石油エーテル/酢酸エチル(10:1))によって精製することで、6-ブロモ-2-(2-(メトキシメチル)フェニル)-1H-インドール(1.25g、収率55%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z : 316.0 [M+H]
N:6-ブロモ-3-シクロプロピル-1H-インドール
Figure 2022520154000159
ステップA
5-ブロモ-2-ヨードアニリン(5.0g、16.8mmol、1.0当量)、NaCO(4.5g、42.5mmol、2.5当量)、Pd(PPhCl(1.3g、2.0mmol、0.1当量)、及び(シクロプロピルエチニル)トリメチルシラン(3.9g、28.3mmol、1.7当量)を含む溶液を80℃で15時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄(40mLで3回)した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル/酢酸エチル(20:1)を用いた)に供すことで、3.6g(収率70%)の6-ブロモ-3-シクロプロピル-2-(トリメチルシリル)-1H-インドールを黄色の油として得た。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 10.66 (s, 1H), 7.58 - 7.38 (m, 2H), 7.05 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 1.88 (tt, J = 8.4, 5.2 Hz, 1H), 0.98 - 0.84 (m, 2H), 0.72 - 0.59 (m, 2H), 0.39 (s, 9H)。
ステップB
6-ブロモ-3-シクロプロピル-2-(トリメチルシリル)-1H-インドール(1.8g、5.9mmol、1当量)をTHF(18mL)中に含む溶液に、TBAF/THF(1M)を添加した。得られた溶液を70℃で1時間撹拌した。濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 1:1)によって精製することで、1.30g(収率94%)の6-ブロモ-3-シクロプロピル-1H-インドールを黄色の固体として得た。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 10.89 (s, 1H), 7.71 - 7.31 (m, 2H), 7.21 - 6.96 (m, 2H), 1.90 (ddd, J = 13.4, 8.5, 5.0 Hz, 1H), 0.95 - 0.73 (m, 2H), 0.58 (h, J = 3.7 Hz, 2H)。
O:6-ブロモ-3-シクロブチル-1H-インドール
Figure 2022520154000160
6-ブロモ-1H-インドール(4.0g、20.40mmol、1当量)をトルエン(20mL)中に含む撹拌溶液に、シクロブタノン(1.5g、21.40mmol、1.05当量)少量ずつ添加した。次に、この溶液を、2,2,2-トリクロロ酢酸(5.0g、30.60mmol、1.50当量)及びEtSiH(7.1g、61.06mmol、2.99当量)をトルエン(20mL)中に含む70℃の撹拌溶液に30分かけて添加した。得られた混合物を70℃でさらに16時間撹拌し、その温度で混合物を減圧下で濃縮した。残留物を10%のNaCO水溶液で塩基性化して約pH8にした。次に、混合物を酢酸エチルで抽出(200mLで3回)した。有機層を混合し、水(100mL)及び飽和NaCl(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/ジクロロメタン(20:1)を用いた)によって精製することで、6-ブロモ-3-シクロブチル-1H-インドール(1.9g、収率32%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 250.3 [M+H]。
P:2-ブロモ-5-メトキシ-9H-カルバゾール
Figure 2022520154000161
ステップA
(2-メトキシフェニル)ボロン酸(1.0g、6.58mmol、1.0当量)、4-ブロモ-1-ヨード-2-ニトロベンゼン(2.59g、7.90mmol、1.2当量)、Pd(PPhCl(100mg、0.142mmol、0.02当量)、及びKCO(4.55g、32.9mmol、5.00当量)をジオキサン(10mL)及び水(2mL)中に含む溶液を60℃で15時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(3:1)を用いた)によって精製することで、4-ブロモ-2’-メトキシ-2-ニトロ-1,1’-ビフェニル(1.3g、収率64%)を黄色の固体として得た。
ステップB
4-ブロモ-2’-メトキシ-2-ニトロ-1,1’-ビフェニル(1.2g、3.89mmol、1.0当量)、PPh(3.58g、13.63mmol、3.5当量)、及び1,2-ジクロロベンゼン(10mL)を含む溶液。反応混合物に対してマイクロ波を180℃で12時間照射した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、100:1→10:1)によって精製することで、2-ブロモ-5-メトキシ-9H-カルバゾール(890mg、収率83%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 276.1 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体Pの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000162
Q:6-ブロモ-3-(ピリジン-2-イルメチル)-1H-インドール
Figure 2022520154000163
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール(1.0g、5.10mmol、1.0当量)及びピリジン-2-カルバルデヒド(546mg、5.10mmol、1.0当量)をMeOH(10mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、NaOH(224mg、5.61mmol、1.1当量)を少量ずつ少量ずつ添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、室温でさらに5時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、混合物を水(30mL)で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出(30mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノール(1.5g)を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。
ステップB
粗(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)(ピリジン-2-イル)メタノール(1.5g、4.948mmol、1.0当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む溶液をTFA(6.2g、54.4mmol、11当量)で処理した後、EtSiH(633mg、5.44mmol、1.10当量)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、水を40mL添加した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(40mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過及び減圧下での濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル/石油エーテル(1:4)を用いた)によって精製することで、6-ブロモ-3-[(ピリジン-2-イル)メチル]-1H-インドール(1.1g、2ステップの収率77%)を得た。ESI-MS m/z = 287.0 [M+H]+。
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体Qの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000164
R:6-ブロモ-3-((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)-1H-インドール
Figure 2022520154000165
ステップA
オキソラン-3-カルボン酸(4.39g、37.807mmol、1.21当量)をジクロロメタン(45mL)中に含む0℃の溶液に、塩化オキサリル(9.5g、74.847mmol、2.39当量)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.150mL)を滴下して添加した。得られた混合物をアルゴン雰囲気下、0℃~25℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。6-ブロモ-1H-インドール(6.14g、31.3mmol、1.0当量)をジクロロメタン(70mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、テトラクロロスタンナン(37.3mL)を滴下して添加した。得られた混合物を0℃で10分間撹拌した後、テトラヒドロフラン-3-カルボニルクロリド及びニトロメタン(3.37mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃~25℃で15時間撹拌した。反応液に氷水を添加することによってその反応を停止した。沈殿した固体をろ過によって収集し、酢酸エチルで洗浄(10mLで3回)した。ろ液を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(10:1→2:1)を用いた)によって精製することで、6-ブロモ-3-(オキソラン-3-カルボニル)-1H-インドール(6.13g、収率52%)を褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 294.0 [M+H]
ステップB
6-ブロモ-3-(オキソラン-3-カルボニル)-1H-インドール(6.0g、20.398mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、1NのBHを含むTHF(60mL)を滴下して添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物の反応を、MeOH(20mL)を用いて0℃で停止した。水(100mL)を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(100mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(20:1→6:1)を用いた)によって精製することで、6-ブロモ-3-[(オキソラン-3-イル)メチル]-1H-インドール(2.7g、収率44%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 282.0 [M+H]
S:3-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパンニトリル
Figure 2022520154000166
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール-3-カルバルデヒド(5.0g、22.3mmol、1当量)をTHF(50mL)中に含む0℃の溶液をNaH(60%、535mg、22.3mmol、1.0当量)で処理し、そのままの温度で30分間維持した。ジエチル(シアノメチル)ホスホネート(7.91g、44.632mmol、2.0当量)を滴下して添加した後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、有機溶液を減圧下で除去した。得られた水層を酢酸エチルで抽出(250mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(250mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(1:1)を用いた)によって精製することで、(E)-3-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)アクリロニトリル(2.5g、収率45%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 245.0 [M-H]
ステップB
(E)-3-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)アクリロニトリル(2.5g、10.1mmol、1.0当量)をTHF(15mL)及びEtOH(15mL)中に含む溶液に、Pd/C(10%、500mg、4.7mmol、0.46当量)を添加した。反応液を水素雰囲気下で48時間撹拌した。混合物をろ過し、フィルター上のケーキをEtOHで洗浄(30mLで3回)した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を逆相クロマトグラフィー(0.1%のFAの存在下で水/MeCN45→50%)によって精製することで、3-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパンニトリル(1.1g、収率44%)を暗黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 247.0 [M-H]
T:6-ブロモ-2-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-インドール
Figure 2022520154000167
ステップA
6-ブロモ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール(10.0g、29.8mmol、1.0当量)を含む-78℃のTHF(300mL)をLDA(THF中2M、22.4mL、44.8mmol、1.5当量)で処理した。混合物を-78℃で0.5時間撹拌した後、ピリジン-3-カルバルデヒド(3.8g、35.8mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を-78℃で3時間撹拌した後、水(50mL)を添加した。水(1L)を追加添加後、混合物を酢酸エチルで抽出(500mLで3回)した。有機溶液を混合し、ブライン(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:2)によって精製することで、(6-ブロモ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-2-イル)(ピリジン-3-イル)メタノール(10.8g、収率81%)を黄色の固体として得た。ESI -MS m/z: 443.0 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 8.58 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.50 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.15 - 8.08 (m, 1H), 7.90 - 7.80 (m, 2H), 7.73 - 7.65 (m, 2H), 7.63 - 7.52 (m, 3H), 7.43 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 7.8, 4.8 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.42 (q, J = 5.5 Hz, 2H)。
ステップB
(6-ブロモ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-2-イル)(ピリジン-3-イル)メタノール(10.2g、23.0mmol、1.0当量)をTFA(50mL)中に含む溶液に、EtSiH(50mL)を添加した。80℃で10時間撹拌後、反応液を濃縮して乾燥させて残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製することで、6-ブロモ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール(9.3g、収率95%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 427.0 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 8.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.71 (dd, J = 5.3, 1.3 Hz, 1H), 8.17 - 8.13 (m, 1H), 8.13 - 8.09 (m, 1H), 7.92 - 7.85 (m, 2H), 7.73 (ddd, J = 10.3, 5.0, 3.1 Hz, 2H), 7.65 - 7.56 (m, 2H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 8.3, 1.7 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 4.55 (s, 2H)。
ステップC
6-ブロモ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール(9.0g、21.1mmol、1.0当量)をMeOH(300mL)及び水(90mL)中に含む溶液に、KOH(23.6g、42.2mmol、2.0当量)を添加した。90℃で16時間撹拌後、反応液を濃縮して乾燥させて残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製することで、6-ブロモ-2-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-インドール(4.98g、収率82%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 287.0 [M+H]
U:2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インダゾール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル
Figure 2022520154000168
6-ブロモ-1H-インダゾール-3-カルバルデヒド(2.24g、9.95mmol、1.0当量)をホルムアミド(50mL)及びMeOH(50mL)中に含む撹拌溶液に、NaBH(1883mg、49.77mmol、5.0当量)少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した後、KCN(3.241g、49.7mmol、5.00当量)少量ずつ添加した。得られた混合物を60℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチルを用いた)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル(900mg、収率38%)を黄色の固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ = 13.25 (s, 1H), 7.91 - 7.68 (m, 2H), 7.32 (dd, J = 8.7, 1.5 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H)。
ステップB
2-(6-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル(1.1g、4.660mmol、1.0当量)、TEA(0.71g、6.989mmol、1.5当量)、及びDMAP(57mg、0.466mmol、0.1当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む撹拌溶液/混合物に、BocO(1.12g、5.13mmol、1.10当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した後、ジクロロメタンで抽出(30mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(20mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル(5:1))によって精製することで、tert-ブチル6-ブロモ-3-(シアノメチル)-1H-インダゾール-1-カルボキシレート(1.3g、収率83%)を黄色の固体として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ = 8.43 (s, 1H), 7.75 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1H), 4.11 (s, 2H), 1.75 (s, 9H)。
ステップC
tert-ブチル6-ブロモ-3-(シアノメチル)-1H-インダゾール-1-カルボキシレート(2.4g、7.139mmol、1当量)をTHF(50mL)中に含む撹拌溶液に、LiHMDS(21mL)をアルゴン雰囲気下、-78℃で滴下して添加した。得られた混合物を-78℃で1時間撹拌した後、MeI(3.04g、21.418mmol、3.00当量)を-78℃で30分かけて滴下して添加した。得られた混合物を室温でさらに16時間撹拌した。反応液の反応を、飽和NHCl水溶液を用いて0℃で停止した。水層を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(0.1%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度0%→100%)によって精製することで、tert-ブチル6-ブロモ-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1H-インダゾール-1-カルボキシレート(800mg、粗生成物)を黄色の固体として得た。
ステップD
tert-ブチル6-ブロモ-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1H-インダゾール-1-カルボキシレート(800mg、2.2mmol、1当量)をジクロロメタン(12mL)中に含む撹拌溶液に、TFA(6mL)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(0.1%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度を0%→69%とするグラジエント)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(500mg、収率86%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 264.4 [M+H]
V:(2-(ブロモメチル)ブトキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン
Figure 2022520154000169
2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)ブタン-1-オール(2.7g、7.9mmol、1当量)をジクロロメタン(30mL)中に含む溶液をPPh(3.1g、12mmol、1.5当量)で処理した。0℃に冷却後、CBr(3.9g、12mmol、1.5当量)を添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した後、濃縮した。残留物を、石油エーテルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、(2-(ブロモメチル)ブトキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(2.7g、収率85%)を淡黄色の油として得た。H-NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.68 - 7.58 (m, 4H), 7.54 - 7.38 (m, 6H), 3.66 (dqd, J = 16.5, 10.0, 5.4 Hz, 4H), 1.78 (七重線, J = 6.0 Hz, 1H), 1.36 (dq, J = 14.1, 7.2 Hz, 2H), 1.01 (s, 9H), 0.84 (td, J = 7.6, 7.1, 1.8 Hz, 5H)。
W:3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-フルオロプロピルメタンスルホネート
Figure 2022520154000170
ステップA
メチル2-フルオロ-3-ヒドロキシプロパノエート(5.0g、41mmol、1.0当量)をジクロロメタン(100mL)中に含む溶液をイミダゾール(5.576g、82mmol、2.0当量)及びTBDPS-Cl(12.33g、45mmol、1.1当量)を用いて0℃で処理した。溶液を室温で2時間撹拌した後、氷水(100mL)を添加した。溶液をジクロロメタンで抽出(100mLで2回)し、有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで2回)した。混合物を無水硫酸ナトリウムで脱水した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル/石油エーテル(1:20→1:5)を用いた)による精製を行うことで、メチル3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-2-フルオロプロパノエート(16g)を白色の固体として得た。
ステップB
メチル3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-2-フルオロプロパノエート(8g、22.2mmol、1.0当量)をTHF(100mL)中に含む0℃の溶液をLiBH(1.95g、88.8mmol、4.0当量)で処理した。溶液を室温で15時間撹拌した後、その反応を氷水(100mL)で停止した。酢酸エチルでの抽出(100mLで3回)後、有機層を混合した。溶液を無水硫酸ナトリウムで脱水した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル/石油エーテル(1:10→1:3)を用いた)によって精製することで、3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-フルオロプロパン-1-オール(7.0g、収率95%)を無色の油として得た。H-NMR (300 MHz, DMSO-d) δ7.74-7.59 (m, 4H), 7.54-7.35 (m, 6H), 4.94 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.74- 4.59 (m, 1H), 4.56-4.43 (m, 2H), 3.62 (m, 5.3 Hz, 2H), 1.01 (s, 9H)。
ステップC
3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-フルオロプロパン-1-オール(2g、6.024mmol、1当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む0℃の溶液を、EtN(1.22g、12.048mmol、2.0当量)、DMAP(73mg、0.602mmol、0.05当量)、及び塩化メタンスルホニル(0.89g、7.831mmol、1.3当量)で処理した。溶液を室温で3時間撹拌した後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル/石油エーテル(1:10→1:3)を用いた)によって精製することで、3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-フルオロプロピルメタンスルホネート(2.6g、粗生成物)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 433.2 [M+Na]
X:3-ブロモ-2-(シクロプロピルメチル)プロポキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン
Figure 2022520154000171
ステップA
1,3-ジエチル2-(シクロプロピルメチル)プロパンジオエート(2.2g、10.268mmol、1当量)をTHF(40mL)中に含む撹拌溶液に、LiBH(1.36g、62.43mmol、6.08当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を50℃で14時間撹拌した後、水(200mL)で希釈した。酢酸エチルでの抽出(100mLで3回)後、有機層を混合し、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物2-(シクロプロピルメチル)プロパン-1,3-ジオール(1.3g、粗生成物)を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 131.2 [M+H]
ステップB
2-(シクロプロピルメチル)プロパン-1,3-ジオール(1.3g、9.99mmol、1当量)をTHF(30mL)中に含む撹拌溶液に、NaH(480mg、12mmol、1.2当量、鉱物油中60%分散液)を0℃で少量ずつ添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、TBDPSCl(2.87g、10.442mmol、1.05当量)を15分かけて滴下して添加した。得られた混合物を0℃でさらに1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物を水(200mL)で希釈した後、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/EA(5:1)を用いた)によって精製することで、3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2-(シクロプロピルメチル)プロパン-1-オール(3.4g、収率65%)を淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 369.2 [M+H]
ステップC
3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2-(シクロプロピルメチル)プロパン-1-オール(3.4g、9.22mmol、1当量)をジクロロメタン(40mL)中に含む撹拌溶液に、PPh(9.7g、37.0mmol、4.0当量)及びNBS(2.5g、14.1mmol、1.5当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で14時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られた混合物をろ過し、フィルター上のケーキを石油エーテルで洗浄(100mLで3回)した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に100%の石油エーテルを用いた)によって精製することで、[3-ブロモ-2-(シクロプロピルメチル)プロポキシ](tert-ブチル)ジフェニルシラン(2.3g、収率55%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 431.1 [M+H]
Y:(3-ブロモ-2-(シクロプロピルメチル)プロポキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン
Figure 2022520154000172
塩化オキサリル(580mg、4.570mmol、1.5当量)をジクロロメタン(10.0mL)中に含む撹拌溶液に、DMSO(714mg、9.1mmol、3.0当量)を-78℃で滴下して添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、-78℃で30分間撹拌した。この混合物に、(2S)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2-メチルプロパン-1-オール(1.00g、3.044mmol、1.0当量)を-78℃で10分かけて滴下して添加した。得られた混合物を-78℃でさらに30分間撹拌した。この混合物に、TEA(1.23g、12.155mmol、3.99当量)を-78℃で10分かけて滴下して添加した。得られた混合物を-78℃でさらに30分間撹拌した後、室温に温めた。混合物を水(100mL)で希釈した。得られた混合物をジクロロメタンで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いた)によって精製することで、(2R)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2-メチルプロパナール(930mg、収率84%)を無色の油として得た。H-NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 9.69 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.64 - 7.57 (m, 4H), 7.49 - 7.41 (m, 6H), 4.02 - 3.78 (m, 2H), 2.63 (qddd, J = 7.0, 5.8, 4.6, 1.4 Hz, 1H), 1.04 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.98 (s, 9H)。
Z:6-ブロモ-1-((1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)メチル)-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000173
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボキサミド(1.2g、5.0mmol、1.0当量)、KCO(1.38g、10.0mmol、2.0当量)、KI(0.83g、5.0mmol、1.0当量)、及び((1-(ブロモメチル)シクロプロピル)メトキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(2.2g、5.5mmol、1.1当量)をDMSO(15mL)中に含む溶液を150℃で一晩撹拌した。反応溶媒を15℃に冷却し、氷水(100mL)を添加した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン100%→ジクロロメタン/MeOH=20:1)によって精製することで、6-ブロモ-1-((1-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)メチル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(2.18g、収率80%)を透明な油として得た。
ステップB
6-ブロモ-1-((1-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)メチル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(2.18g、4.0mmol、1.0当量)をTHF(20mL)中に含む溶液に、TBAF(8.0mL、THF中1M)を0℃で滴下して添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して粗残留物を得た。この粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル→石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製することで、6-ブロモ-1-((1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)メチル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.05g、収率86%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 307.0 [M+H]
下記の化合物は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体Zの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000174
Figure 2022520154000175
Figure 2022520154000176
Figure 2022520154000177
Figure 2022520154000178
Figure 2022520154000179
Figure 2022520154000180
AA:4-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヨードベンゾ[b]チオフェン-7-カルボニトリル
Figure 2022520154000181
ステップA
1-ベンゾチオフェン-4-オール(2.0g、13.32mmol、1.0当量)をアセトニトリル(20mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、N-ブロモスクシンイミド(2.5g、14.05mmol、1.05当量)を少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:4))によって精製することで、7-ブロモ-1-ベンゾチオフェン-4-オール(2.0g、収率59%)を淡黄色の固体として得た。H-NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.58 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 8.2 Hz, 1H)。
ステップB
7-ブロモ-1-ベンゾチオフェン-4-オール(2.0g、8.73mmol、1当量)、3-ブロモプロピルアセテート(1.89g、10.44mmol、1.2当量)、及びCsCO(4.29g、13.17mmol、1.51当量)をDMF(20mL)中に含む溶液を室温で16時間撹拌した。混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(150mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:4))によって精製することで、3-[(7-ブロモ-1-ベンゾチオフェン-4-イル)オキシ]プロピルアセテート(2.5g、収率78%)を淡黄色の液体として得た。H-NMR (300 MHz, CDCl)) δ 7.60 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.46 - 7.36 (m, 2H), 6.68 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.34 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 4.21 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.24 (h, J = 6.6 Hz, 2H), 2.08 (s, 3H)。
ステップC
3-[(7-ブロモ-1-ベンゾチオフェン-4-イル)オキシ]プロピルアセテート(2.5g、7.59mmol、1.0当量)、N,N-ジメチルホルムアミド(25mL)、Zn(CN)(1.55g、15.07mmol、1.98当量)、及びPd(PPh(1.76g、1.52mmol、0.2当量)を含む溶液を130℃で16時間撹拌した。得られた混合物を水(250mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(150mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル 1:4)によって精製することで、3-[(7-シアノ-1-ベンゾチオフェン-4-イル)オキシ]プロピルアセテート(1.6g、収率69%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 276.1 [M+H]
ステップD
3-[(7-シアノ-1-ベンゾチオフェン-4-イル)オキシ]プロピルアセテート(1.6g、5.81mmol、1当量)をTHF(16mL)中に含む撹拌溶液に、LiOH(698mg、29.2mmol、5.0当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温に温め、室温で16時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(70mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮することで、4-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1-ベンゾチオフェン-7-カルボニトリル(1.5グラム、収率99%)を紫色の固体として得た。H-NMR (300 MHz, メタノール-d) δ 7.76 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.36 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.83 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.13 (p, J = 6.2 Hz, 2H)。
ステップE
4-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1-ベンゾチオフェン-7-カルボニトリル(1.5g、6.43mmol、1当量)をテトラヒドロフラン(15mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、NaH(鉱物油中60%分散液、387mg、9.68mmol、1.50当量)を少量ずつ添加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した後、TBSCl(1.16グラム、7.70mmol、1.20当量)を少量ずつ添加した。得られた混合物を室温でさらに4時間撹拌した。次に、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で中和してpH7.0にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を混合し、ブラインで洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:4))によって精製することで、4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]プロポキシ]-1-ベンゾチオフェン-7-カルボニトリル(2.1g、収率75%)を淡黄色の液体として得た。H-NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.68 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.31 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.88 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.12 (p, J = 6.1 Hz, 2H), 0.91 (s, 9H), 0.06 (s, 6H)。
ステップF
4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]プロポキシ]-1-ベンゾチオフェン-7-カルボニトリル(800mg、2.30mmol、1当量)をTHF中に含む撹拌溶液に、リチウムジイソプロピルアミンを含むTHF(1M、3.4mL、3.4mmol、1.50当量)を-60℃で滴下して添加した。得られた混合物を-30℃で1時間撹拌した後、N-ヨードスクシンイミド(778mg、3.46mmol、1.50当量)を-60℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温でさらに16時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を添加することによってその反応を停止した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:1))によって精製することで、4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]プロポキシ]-2-ヨード-1-ベンゾチオフェン-7-カルボニトリル(800mg、収率62%)を黄色の固体として得た。H-NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.75 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.29 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.86 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.11 (q, J = 7.4, 6.8 Hz, 2H), 0.91 (d, J = 1.8 Hz, 9H), 0.07 (s, J = 1.7 Hz, 6H)。
ステップG
4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]プロポキシ]-2-ヨード-1-ベンゾチオフェン-7-カルボニトリル(800mg、1.69mmol、1当量)をTHF(10mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、TBAF(THF中1.0M、2mL)を滴下して添加した。LC-MSによって反応を監視し、反応完了後に混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル 1:1)によって精製することで、4-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヨード-1-ベンゾチオフェン-7-カルボニトリル(500mg、収率74.14%)を黄色の固体として得た。H-NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.73 (s, 1H), 7.56 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.33 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 4.02 - 3.84 (m, 2H), 2.17 (p, J = 6.2 Hz, 2H)。
AB:3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000182
ステップA
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(1.0g、45.4mmol、1.0当量)をDMSO(5.0mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、KCO(1.25g、90.8mmol、2.0当量)を添加した後、3-アミノ-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(0.70g、68.1mmol、1.5当量)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水で洗浄(30mLで2回)し、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去することで、3-((5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1.3g、収率95%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 303.0 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) d 8.59 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.80 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 5.02 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 3.28 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 3.21 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 0.93 (s, 6H)。
ステップB
3-((5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1.3g、4.3mmol、1.0当量)及び鉄粉(1.2g、21.5mmol、5.0当量)をエタノール(10mL)及び水(10mL)中に含む撹拌懸濁液に、NHCl(690mg、12.9mmol、3.0当量)を添加した。70℃で1時間撹拌後、混合物をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで、粗3-((2-アミノ-5-ブロモフェニル)アミノ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1.2グラム)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 273.1 [M+H]
ステップC
3-((2-アミノ-5-ブロモフェニル)アミノ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(6.0g、22.0mmol、1.2当量)、1,1,1-トリメトキシエタン(20mL)及び濃塩酸(3.0mL)を含む溶液を25℃で16時間撹拌した。濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル=3/1→1/1)によって精製することで、3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(4.1g、収率63%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 297.1 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) d 7.89 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 5.01 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 4.04 (s, 2H), 3.15 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 2.54 (s, 3H), 0.86 (s, 6H)。
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体ABの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000183
AC:3-(6-ブロモ-2-(メトキシメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000184
ステップA
3-((2-アミノ-5-ブロモフェニル)アミノ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(10.0g、37mmol、1.0当量)、イミダゾール(12.6g、185mmol、5.0当量)、及びDMAP(22.0g、183mmol、5.0当量)をジクロロメタン(250mL)中に含む溶液に、TIPSCl(35.0g、183mmol、5.0当量)を添加した。混合物を48時間撹拌した後、この溶液を水(500mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(300mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(300mLで2回)し、ブライン(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、シリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル:1:3→2:1)によって精製することで、5-ブロモ-N-(2,2-ジメチル-3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)プロピル)ベンゼン-1,2-ジアミン(2.5g、収率37%)を黒色の油として得た。ESI-MS m/z = 429.2 [M+H]
ステップB
5-ブロモ-N1-(2,2-ジメチル-3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)プロピル)ベンゼン-1,2-ジアミン(10.0g、9.3mmol、1.0当量)及び2-メトキシ酢酸(922mg、10.2mmol、1.1当量)をDMF(50mL)中に含む撹拌溶液に、DIPEA(6.0g、46.5mmol、5.0当量)を添加した後、HATU(5.3g、13.9mmol、1.5当量)を添加した。得られた溶液を1時間撹拌した後、溶液を酢酸エチル(20mL)及び水(20mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水で洗浄(20mLで3回)し、ブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去することで、N-(4-ブロモ-2-((2,2-ジメチル-3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)プロピル)アミノ)フェニル)-2-メトキシアセトアミド(12.0g)を油として得た。粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。ESI-MS m/z = 501.3[M+H]
ステップC
N-(4-ブロモ-2-((2,2-ジメチル-3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)プロピル)アミノ)-フェニル)-2-メトキシアセトアミド(10.5g、20.9mmol、1.0当量)をAcOH(110mL)中に含む溶液を75℃で16時間撹拌した。濃縮後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル(3:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(2,2-ジメチル-3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)プロピル)-2-(メトキシメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(3.4g、収率57%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 483.2 [M+H]
ステップD
6-ブロモ-1-(2,2-ジメチル-3-((トリイソプロピルシリル)オキシ)プロピル)-2-(メトキシメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(3.4g、7.0mmol、1.0当量)をHCl/MeOH(10M、18mL)中に含む溶液を1時間撹拌した。濃縮後、粗生成物をエーテル(20mL)で洗浄した後、この生成物をろ過することで、3-(6-ブロモ-2-(メトキシメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オールを褐色の固体(1.5g、収率65%)として得た。ESI-MS m/z = 327.1[M+H]H NMR(400 MHz, DMSO-d) δ 7.99 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 5.05 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 4.72 (s, 2H), 4.16 (s, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.14 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 0.86 (s, 6H)。
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬比、温度、カップリング条件、及び反応時間など)を改変して、中間体ACについて記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000185
AD:3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタン-1-オール
Figure 2022520154000186
3-((2-アミノ-5-ブロモフェニル)アミノ)プロパン-1-オール(3.0g、12.3mmol、1.0当量)及び3-メトキシベンズアルデヒド(1.7g、12.3mmol、1.0当量)を含む溶液をDMSO(15mL)中、40℃で16時間撹拌した。水(10mL)を添加し、溶液を酢酸エチルで抽出(20mLで3回)した。有機層を混合し、減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(3/1→1/1))によって精製することで、生成物3-(6-ブロモ-2-(3-メトキシフェニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)プロパン-1-オール(2.5g、収率57%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 361.0 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬比、温度、カップリング条件、及び反応時間など)を改変して、中間体ADの合成について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000187
AE:(S)-2-(4-(2-クロロアセチル)-2-オキソピペラジン-1-イル)-3-メチルブタン酸
Figure 2022520154000188
ステップA
5-ブロモ-2-ニトロアニリン(1g、4.61mmol、1当量)をDMF(12mL)中に含む0℃の溶液をNaH(60%、222mg、9.25mmol、2.01当量)で処理した。30分後、二炭酸ジ-tert-ブチル(1.2g、5.53mmol、1.2当量)を添加した。得られた溶液を0℃で2時間撹拌した後、水を添加した。溶液を酢酸エチルで抽出(250mLで3回)し、有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:2)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチルN-(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)カルバメート(1.4g、収率96%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 316.9 [M+H]
ステップB
tert-ブチルN-(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)カルバメート(600mg、1.89mmol、1当量)、(2R)-3-ブロモ-2-メチルプロピルアセテート(443mg、2.27mmol、1.2当量)、MeCN(10mL)、KI(31mg、0.19mmol、0.1当量)、及びCsCO(1232.8mg、3.78mmol、2.0当量)を含む溶液を65℃で15時間撹拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(酢酸エチル/石油エーテル(1:5)を用いた)に供すことで、(2S)-3-[(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-2-メチルプロピルアセテート(580mg、64%)を黄色の油として得た。
ステップC
(2S)-3-[(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-2-メチルプロピルアセテート(580mg、1.34mmol、1当量)、ジクロロメタン(6mL)、及びTFA(3mL)を含む溶液を0℃で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮することで、(2S)-3-[(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-2-メチルプロピルアセテート(600mg)を赤色の油として得た。ESI-MS m/z = 289.1 [M+H]
ステップD
(2S)-3-[(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-2-メチルプロピルアセテート(600mg、1.81mmol、1当量)、CHCOOH(3mL)、HO(3mL、166.53mmol、91.91当量)、及び亜鉛(592.3mg、9.06mmol、5当量)を含む溶液を0℃で1時間撹拌した。室温に温め、110℃でさらに2時間撹拌した後、NaCO水溶液で溶液を中和して約pH7にした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(80mLで3回)し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮した。残留物を、シリカゲルカラム(酢酸エチル/石油エーテル(1:2)を用いた)に供すことで、(2S)-3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(260mg、収率51%)を黒色の油として得た。ESI-MS m/z = 283.1 [M+H]
AF:(R)-3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2-メチルプロピルアセテート
Figure 2022520154000189
ステップA
tert-ブチル(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)カルバメート(630mg、1.99mmol、1.0当量)、CsCO(1.3g、3.99mmol、1.0当量)、及びKI(67.4mg、0.41mmol、0.18当量)をMeCN(10mL)中に含む撹拌溶液に、(S)-3-ブロモ-2-メチルプロピルアセテート(440mg、2.26mmol、1.2当量)を室温で添加した。得られた混合物を65℃で3時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(3:1)を用いた)によって精製することで、(R)-3-((5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2-メチルプロピルアセテート(400mg、収率54%)を淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 331.0 [M+H]
ステップB
(R)-3-((5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2-メチルプロピルアセテート(400mg、1.21mmol、1当量)を酢酸(5mL)及び水(5mL)中に含む撹拌溶液に、亜鉛(380mg、5.81mmol、4.81当量)を室温で添加した。得られた混合物を110℃で2時間撹拌した後、水(100mL)で希釈した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和してpH7にした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで2回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(1:1)を用いた)によって精製することで、(R)-3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2-メチルプロピルアセテート(280mg、収率64%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 325.1 [M+H]
AG:3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタン-1-オール
Figure 2022520154000190
ステップA
5-ブロモ-1,3-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン(5.0g、21mmol、1.0当量)、3-アミノプロパン-1-オール(1.6g、21mmol、2当量)、及びKCO(8.7g、63mmol、3.0当量)をDMF(70mL)中に含む溶液を室温で3時間撹拌した。得られた溶液を100mLのHOで希釈した。溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機溶液をブラインで洗浄(100mLで3回)した。混合物を無水硫酸ナトリウムで脱水し、残留物をシリカゲルカラムに供し、酢酸エチル/石油エーテル(3:2)で溶出することで、5.5g(収率89%)の3-((5-ブロモ-3-フルオロ-2-ニトロフェニル)アミノ)プロパン-1-オールを黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 293.0 [M+H]
ステップB
3-[(5-ブロモ-3-フルオロ-2-ニトロフェニル)アミノ]プロパン-1-オール(2.5g、8.56mmol、1.0当量)及びテトラエチルアンモニウムシアニド(1.6g、10.3mmol、1.2当量)をMeCN(30mL)中、55℃で20分間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムに供し、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)で溶出することで、2.6gの5-ブロモ-3-((3-ヒドロキシプロピル)アミノ)-2-ニトロベンゾニトリルを黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 300.0 [M+H]
ステップC
5-ブロモ-3-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]-2-ニトロベンゾニトリル(900mg、3mmol、1.0当量)及び亜鉛(960mg、15mmol、5.0当量)をAcOH(9mL)及びHO(9mL)中に含む溶液を室温で1時間撹拌した。溶液をNaHCO水溶液で塩基性化してpH8にした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(20mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮することで、720mg(収率89%)の2-アミノ-5-ブロモ-3-((3-ヒドロキシプロピル)アミノ)ベンゾニトリルを褐色の油として得た。この油を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 270.0 [M+H]
ステップD
2-アミノ-5-ブロモ-3-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ベンゾニトリル(600mg、2.23mmol、1.0当量)をギ酸(2mL)及びHCl水溶液(9mL)中に含む溶液を110℃で2時間撹拌した。溶液をNaCO水溶液で塩基性化してpH8にした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(20mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムに供し、酢酸エチル/石油エーテル(7:3)で溶出することで、376mg(収率60%)の6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボニトリルを褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 280.0 [M+H]
AH:3-(6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-1-イル)プロピルアセテート
Figure 2022520154000191
6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール(1.4g、4.89mmol、1.0当量)、3-ブロモプロピルアセテート(1.2g、6.36mmol、1.3当量)、及びCsCO(3.2g、9.82mmol、2.01当量)をDMF(20mL)中に含む溶液を室温で16時間撹拌した。反応液を水(100mL)に注ぎ入れた後、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(50mLで5回)してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル 4:1)によって精製することで、3-(6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-1-イル)プロピルアセテート(1.7g、収率92%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 380.1 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体AHの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000192
AI:3-(6-ブロモ-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000193
ステップA
(3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(3.7g、18.9mmol、1.0当量)、6-ブロモ-1H-インダゾール(7.9mg、28.3mmol、1.5当量)、KCO(5.2mg、37.8mmol、2.0当量)、及びKI(6.3g、37.8mmol、2.0当量)をDMF(20mL)中に含む混合物を150℃で24時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈した後、水で洗浄(50mLで2回)し、ブライン(80mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:10))によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インダゾール(6.3g、収率84%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 397.2[M+H]
ステップB
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インダゾール(6.7g、16.9mmol、1.0当量)をTHF(40mL)中に含む溶液にTBAF(8.8g、33.8mmol、2.0当量、THF中1.0M)を添加した後、この混合物を20℃で6時間撹拌した。混合物をEA(100mL)で希釈した後、水で洗浄(20mLで6回)し、ブライン(80mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:5))によって精製することで、3-(6-ブロモ-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(2.1g、収率44%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 283.1 [M+H]H-NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 8.10 (d, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.24 (m, 1H), 4.79 (s, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.16 (d, 2H), 0.84 (s, 6H)。
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、上記の中間体AIに沿って合成した。
Figure 2022520154000194
AJ:(S)-3-(6-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)-1H-インダゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000195
ステップA
6-ブロモ-1H-インダゾール-3-カルバルデヒド(2.25g、10mmol、1当量)を含むDMSO(30mL)を100mLフラスコに入れ、このフラスコに、(R)-(3-ブロモ-2-メチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(5.0g、13mmol、1.3当量)、KI(1.66g、10mmol、1当量)、及びKCO(2.76g、20mmol、2当量)を添加した。混合物を150℃で16時間撹拌した。混合物を冷却し、水(150mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(25mLで3回)した。有機層を混合し、HO(50mL)で洗浄し、ブラインで洗浄(25mLで3回)した後、硫酸ナトリウムで脱水してからろ過した。濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インダゾール-3-カルバルデヒド(4.3g、収率80%)を無色の油として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 10.18 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.63 (ddd, J = 15.5, 7.9, 1.3 Hz, 4H), 7.52 - 7.29 (m, 7H), 4.65 (dd, J = 13.8, 6.5 Hz, 1H), 4.28 (dd, J = 13.8, 7.3 Hz, 1H), 3.61 - 3.49 (m, 2H), 2.40 (tp, J = 13.4, 6.8 Hz, 1H), 1.12 (s, 9H), 0.95 (d, J = 6.9 Hz, 3H)。
ステップB
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インダゾール-3-カルバルデヒド(3.6g、6.74mmol、1.0当量)をジクロロメタン(30mL)中に含む溶液に、DAST(15mL)を20℃で添加した。溶液を室温で16時撹拌した。反応液を氷水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(30mLで3回)した。有機層を水で洗浄し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過及び濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル(10:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(ジフルオロメチル)-1H-インダゾール(2.1g、収率56%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 557.1 [M+H]
ステップC
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(ジフルオロメチル)-1H-インダゾール(2.1g、3.78mmol、1.0当量)をTHF(15mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1M、3.8mL、3.8mmol、1.0当量)を20℃で添加した。溶液を室温で0.5時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水で洗浄(5mLで5回)した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過した。濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル(1:1))によって精製することで、3-(6-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)-1H-インダゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(1.0g、収率84%)を白色の固体として得た。
AK:(S)-3-(6-ブロモ-3-(メトキシメチル)-1H-インダゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000196
ステップA
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インダゾール-3-カルバルデヒド(5.0g、9.3mmol、1.0当量)をMeOH(25mL)及びTHF(50mL)中に含む撹拌溶液に、NaBH(700mg、18.7mmol、2.0当量)を15℃で添加した。混合物を15℃で2時間撹拌した。溶液を水(300mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(150mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(200mLで2回)し、ブラインで洗浄(200mLで1回)し、硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(5:1))によって精製することで、(S)-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インダゾール-3-イル)メタノール(4.3g、収率86%)を油として得た。ESI-MS m/z = 537.3 [M+H]
ステップB
(S)-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インダゾール-3-イル)メタノール(500mg、0.93mmol、1.0当量)をTHF(10mL)に0℃で溶解し、NaH(油中60%分散液、74mg、1.86mmol、2.0当量)を少量ずつ添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した後、MeI(264mg、1.86mmol、2.0当量)を添加した。反応混合物を0℃~15℃で16時間撹拌した後、反応混合物を50mLの氷水に注ぎ入れた。溶液を酢酸エチルで抽出(30mLで3回)した。有機相を濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(10:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(メトキシメチル)-1H-インダゾール(400mg、収率78%)を油として得た。ESI-MS m/z = 551.3 [M+H]H-NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.70 - 7.57 (m, 6H), 7.45 - 7.31 (m, 6H), 7.27 - 7.23 (m, 1H), 4.77 (s, 2H), 4.50 (dd, J = 14.0, 6.6 Hz, 1H), 4.19 - 4.13 (m, 1H), 3.51 (qd, J = 10.3, 5.1 Hz, 2H), 3.37 (s, 3H), 2.34 (dt, J = 12.1, 6.2 Hz, 1H), 1.11 (s, 9H), 0.91 (d, J = 6.9 Hz, 3H)。
ステップC
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(メトキシメチル)-1H-インダゾール(4.5g、8.2mmol、1.0当量)をTHF(30mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(THF中1M、16.4mL、16.4mmol、2.0当量)を0℃で添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を酢酸エチル(250mL)で希釈し、水で洗浄(30mLで5回)した。有機層を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物を、シリカゲルを充填したフラッシュカラム(石油/酢酸エチル=3:1)によって精製することで、(S)-3-(6-ブロモ-3-(メトキシメチル)-1H-インダゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(2.5g、収率88%)を油として得た。ESI-MS m/z = 313.0 [M+H]
AL:3-(6-ブロモ-3-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000197
3-(6-ブロモ-3-ヨード-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(700mg、1.71mmol、1当量)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(458.2mg、2.05mmol、1.2当量)、KCO(591.2mg、4.28mmol、2.5当量)、Pd(dppf)Cl(150mg、0.21mmol、0.12当量)、及びジオキサン/HO(10mL)を40mLのバイアルに入れた。得られた溶液を60℃で2時間撹拌した。固体をろ過して除去し、得られた混合物を濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(15:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、3-(6-ブロモ-3-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(634mg、収率93%)を暗黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 378.0 [M+H]
AM:(S)-3-(6-ブロモ-3-(プロパ-1-イン-1-イル)-1H-インダゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000198
(2S)-3-(6-ブロモ-3-ヨード-1H-インダゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(1.5g、3.80mmol、1当量)及びトリブチル(プロパ-1-イン-1-イル)スタンナン(1.38g、4.18mmol、1.1当量)をTHF中に含む撹拌溶液に、Pd(PPh(439mg、0.38mmol、0.1当量)及びLiCl(483mg、11.4mmol、3.0当量)を少量ずつ添加した。得られた混合物を2時間撹拌してから減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(3:1)を用いた)によって精製することで、(2S)-3-[6-ブロモ-3-(プロパ-1-イン-1-イル)-1H-インダゾール-1-イル]-2-メチルプロパン-1-オール(680mg、収率53%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 307.1 [M+H]
AN:4-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インダゾール-3-イル)-2-メチルブタ-3-イン-2-オール
Figure 2022520154000199
3-(6-ブロモ-3-ヨード-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(470mg、1.15mmol、1当量)をTHF(16mL)中に含む0℃の溶液をEtN(4mL)、2-メチルブタ-3-イン-2-オール(116mg、1.38mmol、1.20当量)、CuI(23mg、0.11mmol、0.10当量)、及びPdCl(PPh(120.6mg、0.17mmol、0.15当量)で処理した。溶液を0℃で2時間撹拌した後、濃縮した。残留物を20mLの水で希釈した後、酢酸エチルで抽出(40mLで2回)した。有機溶液を30mLの水で洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いた)によって精製することで、4-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インダゾール-3-イル)-2-メチルブタ-3-イン-2-オール(収率88%)を暗黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 365.1 [M+H]
AO:3-(6-ブロモ-3-((トリメチルシリル)エチニル)-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000200
表題化合物は、4-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インダゾール-3-イル)-2-メチルブタ-3-イン-2-オールの合成について記載したものと同様の手順を使用して合成した。これによって所望の生成物を収率83%で得た。ESI-MS m/z = 379.1 [M+H]
AP:6-ブロモ-1-(2-(ヒドロキシメチル)アリル)-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000201
6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.0g、4.5mmol、1.0当量)をDMF(30mL)中に含む撹拌溶液に、2-(ブロモメチル)プロパ-2-エン-1-オール(910mg、6.0mmol、1.5当量)を添加した後、KCO(1.2g、9.0mmol、2.0当量)を添加した。混合物を70℃で16時間撹拌した。次に、この溶液を水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(100mLで2回)し、ブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して粗残留物を得た。この粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(5:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(2-(ヒドロキシメチル)アリル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.1g、収率78%)を油として得た。ESI-MS m/z = 291.0 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体APの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000202
AQ:(S)-6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3,3-ジメチルインドリン-2-オン
Figure 2022520154000203
6-ブロモ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-オン(800mg、3.33mmol、1.0当量)、DMF(10mL)、(2R)-3-ブロモ-2-メチルプロパン-1-オール(560.8mg、3.67mmol、1.1当量)、及びCsCO(3.26グラム,10.00mmol、3.0当量)を含む溶液を室温で15時間撹拌した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(2:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3,3-ジメチルインドリン-2-オン(850mg、収率82%)を黄色の油として得た。
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、上記の中間体AQに沿って合成した。
Figure 2022520154000204
AR:2-(6-ブロモキノリン-4-イル)エタン-1-オール
Figure 2022520154000205
ステップA
tert-ブチルメチルマロネート(6.5g、0.0374mol、3.0当量)をDMF中に含む溶液に、水素化ナトリウム(1.0g、0.0436mol、3.5当量)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した後、室温に冷却し、6-ブロモ-4-クロロキノリン(3g、0.0124mol、1.0当量)を添加した。反応液を100℃で15時間撹拌した。反応液をNaHSO(10%水溶液)で処理した後、酢酸エチルで抽出(50mLで4回)し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、溶液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(1:4))によって精製することで、1-(tert-ブチル)3-メチル2-(6-ブロモキノリン-4-イル)マロネート(2.7g、収率57%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 380.1 [M+H]
ステップB
1-(tert-ブチル)3-メチル2-(6-ブロモキノリン-4-イル)マロネート(2.7g、0.0071mol、1.0当量)をジクロロメタン中に含む溶液に、TFA(10ml)を0℃で添加した。混合物を室温で6時間撹拌した。水を添加し、溶液を中和してpH7にした。酢酸エチルでの抽出(3回)後、有機溶液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水してからろ過した。最終的に、有機相を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(1:4))によって精製することで、メチル2-(6-ブロモキノリン-4-イル)アセテート(600mg、収率30%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 280.1 [M+H]
ステップC
メチル2-(6-ブロモキノリン-4-イル)アセテート(600mg、0.0021mol、1.0当量)をTHF中に含む0℃の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(163mg、0.0042mol、2.0当量)を少量ずつ添加した。混合物を室温で一晩撹拌した後、水を添加し、溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮し、分取HPLCによって精製することで、2-(6-ブロモキノリン-4-イル)エタン-1-オール(220mg、収率41%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 252.0 [M+H]
AS:3-(6-ブロモ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)プロパン-1-オール
Figure 2022520154000206
ステップA
6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(9.0g、42.0mmol、1.0当量)をDMF(90.0mL)中に含む撹拌溶液に、NaH(60%分散液、2.5g、62.5mmol、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を1時間撹拌した後、(3-ブロモプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(16.0g、62.5mmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物を20℃で16時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(700mL)及び水(700mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水で洗浄(300mLで3回)し、ブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去して粗残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製することで、6-ブロモ-4-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(9.5g、収率59%)を得た。ESI-MS m/z = 386.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.78 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 9.0, 4.5 Hz, 2H), 3.72 - 3.65 (m, 4H), 3.38 - 3.30 (m, 4H), 0.92 (d, J = 3.1 Hz, 9H), 0.07 (d, J = 3.2 Hz, 6H)。
ステップB
6-ブロモ-4-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(500mg、1.29mmol、1.0当量)をMeOH(0.5mL)中に含む撹拌溶液に、HCl/MeOH(10N、5.0mL)を20℃で添加した。得られた混合物を20℃で0.5時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮することで、3-(6-ブロモ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)プロパン-1-オール(250mg、71%)を得た。ESI-MS m/z = 272.0 [M+H]
AT:3-(6-ブロモ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000207
ステップA
6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(7.0g、32.7mmol、1.0当量)をDCE(100mL)中に含む撹拌溶液に、10℃で、3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロパナール(10.6g、32.7mmol、1.0当量)及びNaBHCN(3.1g、49.0mmol、1.5当量)を添加した後、AcOH(2.9g、49.0mmol、1.5当量)を添加した。混合物を60℃で16時間撹拌した後、酢酸エチル(500mL)及び水(500mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水で洗浄(300mLで3回)し、ブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去して残留物を得た。この残留物を、シリカゲルを充填したフラッシュカラム(石油エーテル)によって精製することで、6-ブロモ-4-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(5.8g、収率34%)を油として得た。ESI-MS m/z = 523.9 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.70 - 7.62 (m, 4H), 7.47 - 7.35 (m, 6H), 6.75 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.10 - 3.98 (m, 2H), 3.62 (dd, J = 10.1, 4.6 Hz, 1H), 3.53 (dd, J = 10.1, 5.5 Hz, 1H), 3.41 (dd, J = 14.5, 7.1 Hz, 1H), 3.27 (td, J = 5.3, 3.4 Hz, 2H), 2.97 (dd, J = 14.4, 7.4 Hz, 1H), 2.11 (dd, J = 12.0, 5.2 Hz, 1H), 1.10 (s, 9H), 0.97 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
ステップB
6-ブロモ-4-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(5.8g、11.0mmol、1.0当量)をTHF(50mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(THF中1M、28.0mL、28.0mmol、2.5当量)を0℃で添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。減圧下で濃度後、粗生成物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄(10mLで5回)した。有機相を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:2)によって精製することで、3-(6-ブロモ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(3.2g、収率100%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 286.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 6.80 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 6.8, 2.5 Hz, 2H), 3.68 - 3.56 (m, 2H), 3.37 (dd, J = 9.2, 4.7 Hz, 2H), 3.28 (dd, J = 14.5, 8.1 Hz, 1H), 3.05 (dd, J = 14.5, 6.5 Hz, 1H), 2.14 (ddd, J = 13.4, 6.7, 1.3 Hz, 1H), 0.99 (d, J = 6.9 Hz, 3H)。
AU:(S)-8-ブロモ-5-エチル-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2-オン
Figure 2022520154000208
(S)-8-ブロモ-5-エチル-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2-オン(2.1g、6.154mmol、1.0当量)をTHF中に含む撹拌溶液に、BH・THF(1N、25mL)をアルゴン雰囲気下、25℃で滴下して添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、1mLのMeOHでその反応を停止した。混合物を飽和NaHCO水溶液で中和してpH7にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(10:1→5:1)を用いた)によって精製することで、(S)-8-ブロモ-5-エチル-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2-オン(1.6g、収率75%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 329.1 [M+H]H-NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 6.90 - 6.81 (m, 2H), 6.65 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.48 (dd, J = 5.8, 4.7 Hz, 1H), 4.08 - 3.96 (m, 1H), 3.38 (dt, J = 10.4, 5.2 Hz, 1H), 3.28 (dd, J = 10.5, 5.6 Hz, 1H), 3.21 - 3.00 (m, 7H), 2.84 (dd, J = 13.1, 7.4 Hz, 1H), 2.36 (s, 1H), 1.87 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 1.69 (p, J = 6.0 Hz, 2H), 1.08 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.7 Hz, 3H)。
AV:(S)-7-ブロモ-1-エチル-5-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-2-オン
Figure 2022520154000209
ステップA
7-ブロモ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2-オン(4g、16.6mmol、1当量)をDMF(40mL)中に含む撹拌溶液に、NaH(60%分散液、0.80g、19.9mmol、1.2当量)を窒素雰囲気下、-15℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を-15℃で20分間撹拌した後、ヨードエタン(2.85g、18.2mmol、1.1当量)を-15℃で滴下して添加した。得られた混合物を室温でさらに2時間撹拌した。溶液の反応を飽和NHCl水溶液で停止した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(150mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、7-ブロモ-1-エチル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2-オン(3.5g、収率71%)を黄色の固体として得た。H-NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.31 - 7.11 (m, 2H), 7.05 (dq, J = 8.7, 2.0 Hz, 1H), 5.52 - 5.31 (m, 1H), 3.72 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.55 (tt, J = 6.2, 2.7 Hz, 2H), 2.34 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 0.98 (ddd, J = 9.1, 6.5, 2.3 Hz, 3H)。
ステップB
AcOH(80mL)、7-ブロモ-1-エチル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2-オン(800mg、2.972mmol、1当量)及び(2R)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2-メチルプロパナール(1.946g、5.960mmol、2.01当量)を含む溶液を室温で10分間撹拌した。この混合物に、NaBHCN(282mg、4.487mmol、1.51当量)を室温で少量ずつ添加した。得られた混合物をさらに16時間撹拌した。得られた混合物を飽和NaHCO水溶液で希釈した後、酢酸エチルで抽出(200mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、7-ブロモ-5-[(2S)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2-メチルプロピル]-1-エチル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2-オン(2.3g、粗生成物)を黄色の油として得た。粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 579.1 [M+H]
ステップC
7-ブロモ-5-[(2S)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2-メチルプロピル]-1-エチル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2-オン(2.3g、3.968mmol、1.0当量)をTHF(30mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(THF中1M、10mL、10.0mmol、2.52当量)を室温で滴下して添加した。混合物を室温で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル(1:4))によって精製することで、7-ブロモ-1-エチル-5-[(2S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル]-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2-オン(600mg、収率40%)を黄色の固体として得た。H-NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.27 - 7.17 (m, 2H), 7.11 - 7.03 (m, 1H), 3.52 (d, J = 5.6 Hz, 4H), 3.16 - 2.77 (m, 2H), 2.40 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.12 - 1.88 (m, J = 6.0, 5.3 Hz, 1H), 1.41 - 1.18 (m, 2H), 1.11 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
AW:5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン
Figure 2022520154000210
ステップA
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(2g、9.1mmol、1.0当量)をDMF(20mL)中に含む撹拌溶液に、KCO(2.52g、18.23mmol、2.0当量)及び3-アミノ-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1.41g、13.7mmol、1.5当量)を25℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を一晩撹拌し、得られた混合物を150mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(10:1→3:1)を用いた)によって精製することで、3-[(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(2.7g、収率96%)を赤色の固体として得た。ESI-MS m/z = 303.1 [M+H]
ステップB
3-[(5-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ]-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(2.7g、8.91mmol、1当量)、水(27mL)、及び酢酸(27mL)を含む溶液を0℃で亜鉛(2.9g、44.36mmol、4.98当量)で処理した。得られた溶液を、室温に温めながら1時間撹拌した。溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和してpH7にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(50mLで3回)し、飽和塩化ナトリウムで洗浄(50mLで3回)した。混合物を無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮した。得られた混合物を減圧下で濃縮することで、3-[(2-アミノ-5-ブロモフェニル)アミノ]-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(2.4g、収率91%)を褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 273.1 [M+H]
ステップC
3-[(2-アミノ-5-ブロモフェニル)アミノ]-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(2.0g、7.32mmol、1.0当量)、N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)、及びイミダゾール(1.0g、14.69mmol、2.01当量)を含む溶液を、tert-ブチル(クロロ)ジメチルシラン(1.2g、7.96mmol、1.1当量)を25℃で滴下して処理した。得られた溶液を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を150mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出(25mLで3回)し、有機層を混合した。有機溶液をブラインで洗浄(15mLで3回)した。混合物を無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル/石油エーテル(3:8)を用いた)によって精製することで、2.33g(収率82%)の5-ブロモ-N1-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]ベンゼン-1,2-ジアミンを褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 389.1 [M+H]
ステップD
5-ブロモ-N1-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]ベンゼン-1,2-ジアミン(2.98g、7.692mmol、1当量)をTHF(20mL)中に含む撹拌溶液に、CDI(1.5g、9.25mmol、1.2当量)を25℃で少量ずつ添加した。混合物を60℃で一晩撹拌した。得られた混合物を150mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(20:1→10:1)を用いた)によって精製することで、6-ブロモ-1-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-オン(1.27g、収率37%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 415.2 [M+H]
ステップE
6-ブロモ-1-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-オン(1.27g、3.072mmol、1.0当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中に含む撹拌溶液に、炭酸セシウム(2.0g、6.12mmol、2.0当量)及びヨードメタン(0.86g、6.06mmol、1.97当量)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を室温に温めてから一晩撹拌した。得られた混合物を100mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(50mLで2回)し、ブラインで洗浄(100mLで1回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(20:1→6:1)を用いた)によって精製することで、5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-オン(1.26g、収率92%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 429.2 [M+H]
ステップF
5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-オン(1.23g、2.877mmol、1.0当量)をTHF(10mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(THF中1N、3.4mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル(1:2))によって精製することで、5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-オン(875mg、収率94%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 315.1 [M+H]
AX:(S)-5-ブロモ-1-シクロブチル-3-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン
Figure 2022520154000211
ステップA
4-ブロモ-1-フルオロ-2-ニトロベンゼン(3.00g、13.6mmol、1.0当量)、シクロブタンアミン(1.16g、16.4mmol、1.2当量)、及びKCO(5.65g、40.9mmol、3.0当量)をDMF(60mL)中に含む溶液を25℃で2時間撹拌した。反応液を0℃に冷却した後、水を添加した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(250mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(250mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いた)によって精製することで、4-ブロモ-N-シクロブチル-2-ニトロアニリン(3.7g、収率90.07%)を赤色の油として得た。ESI-MS m/z = 271.1 [M+H]
ステップB
4-ブロモ-N-シクロブチル-2-ニトロアニリン(3.70g、13.7mmol、1.0当量)及び亜鉛(4.46g、68.2mmol、5.0当量)をAcOH(40ml)及びHO(40mL)中に含む溶液を室温で1時間撹拌した。沈殿した固体をろ過によって収集し、AcOHで洗浄(10mLで3回)した。ろ液を1NのNaOHで塩基性化してpH9にした。溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、4-ブロモ-N1-シクロブチルベンゼン-1,2-ジアミン(2.7g、収率82%)を赤色の油として得た。ESI-MS m/z = 241.3 [M+H]
ステップC
4-ブロモ-N1-シクロブチルベンゼン-1,2-ジアミン(2.70g、11.2mmol、1.0当量)及びCDI(3.63g、22.4mmol、2.0当量)をTHF(30ml)中に含む溶液を60℃で15時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(1:1)を用いた)によって精製することで、5-ブロモ-1-シクロブチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(2.4g、収率80%)を褐色の固体として得た。ES-MS m/z = 267.0 [M+H]
ステップD
5-ブロモ-1-シクロブチル-2,3-ジヒドロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-オン(2.40g、8.99mmol、1.0当量)、(2R)-3-ブロモ-2-メチルプロパン-1-オール(2.06g、13.5mmol、1.5当量)、及びCsCO(5.85g、18.0mmol、2.0当量)をDMF(30mL)中に含む溶液を室温で5時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(250mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(250mLで3回)してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(2:1)を用いた)によって精製することで、5-ブロモ-1-シクロブチル-3-[(2S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-オン(3.0g、収率98%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 339.3 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、上記の中間体AXに沿って合成した。
Figure 2022520154000212
AY:(S)-5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1-(ピリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン
Figure 2022520154000213
ステップA
(R)-(3-ブロモ-2-メチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(3.75g、9.6mmol、1.0当量)、CsCO(6.24g、19.2mmol、2.0当量)、及びNH(Boc)(2.3g、10.6mmol、1.1当量)をDMF(20mL)中に含む溶液を80℃で3時間撹拌した。溶液を氷水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル→石油エーテル/酢酸エチル(5:1))によって精製することで、所望の生成物(4.5g、85%)を透明な油として得た。ESI-MS m/z= 550.3 [M+Na]
ステップB
出発アミン(4.5g、10.5mmol、1.0当量)をジクロロメタン(12mL)中に含む溶液に、TFA(4mL)を滴下して添加した。混合物を3時間撹拌してから濃縮することで、(S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロパン-1-アミンを得た。この粗生成物を、追加精製せずに次のステップに直接使用した。ESI-MS m/z = 328.3 [M+H]
ステップC
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(2.31g、10.5mmol、1.0当量)、KCO(2.9g、21.0mmol、2.0当量)、及び(S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロパン-1-アミン(TFA塩、4.63g)を含む溶液を撹拌した後、水(100mL)を添加し、溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル→石油エーテル/酢酸エチル(3:1))によって精製することで、(S)-5-ブロモ-N-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-2-ニトロアニリン(3.15g、70%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z= 527.2 [M+H]
ステップD
(S)-5-ブロモ-N-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-2-ニトロアニリン(3.15g、5.97mmol、1.0当量)をEtOH(100mL)中に含む撹拌溶液に、鉄(3.34g、59.7mmol、10.0当量)及びNHCl(3.2g、59.7mmol、10.0当量)をHO溶液(100mL)として添加した。次に反応液を90℃で2時間撹拌した。混合物を室温に冷却した後、水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮することで、粗(S)-5-ブロモ-N1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)ベンゼン-1,2-ジアミン(2.55g、収率86%)を得た。これを次のステップに使用した。ESI-MS m/z= 497.2 [M+H]
ステップE
(S)-5-ブロモ-N1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)ベンゼン-1,2-ジアミン(2.35g、4.7mmol、1.0当量)及びCDI(2.28g、14.1mmol、3.0当量)をTHF(30mL)中に含む溶液を70℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(100mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル→石油エーテル/酢酸エチル(1:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(1.56g、収率63%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z= 523.1 [M+H]
ステップF
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(1.52g、2.9mmol、1.0当量)、CuI(55mg、0.29mmol、0.1当量)、4-ヨードピリジン(1.19g、5.8mmol、1.0当量)、KCO(1.2g、8.7mmol、3.0当量)、及びN1,N1-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(51mg、0.58mmol、0.2当量)をジオキサン(20mL)中に含む溶液を110℃で5時間撹拌した。反応液に氷水(100mL)を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH(50:1))によって精製することで、(S)-5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1-(ピリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(1.37g、収率78%)を白色の固体として得た。
ステップG
(S)-5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1-(ピリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(1.37g、2.28mmol、1.0当量)をTHF(15mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1N、4.56mL、1M)を20℃で滴下して添加した。混合物を20℃で5時間撹拌した後、水に注ぎ入れ、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して粗残留物を得た。この粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH=20:1)によって精製することで、(S)-5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1-(ピリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン(215mg、収率60.7%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 362.0 [M+H]
AZ:(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)ピロリジン-2-オン
Figure 2022520154000214
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール(5.0g、25.6mmol、1.0当量)をDMSO(100mL)中に含む撹拌溶液に、(3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(10.7g、37.8mmol、1.5当量)を添加した後、KCO(10.7g、77.8mmol、3.0当量)及びKI(4.3g、25.6mmol、1.0当量)を添加した。混合物を120℃で16時間撹拌した。溶液を水(500mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(250mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(300mLで2回)し、ブラインで洗浄(300mLで1回)し、硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(100:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール(3.4g、収率34%)を油として得た。
ステップB
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール(2.9g、7.3mmol、1.0当量)を0℃でDMF(30mL)に溶解し、NIS(1.6g、7.3mmol、1.0当量)を少量ずつ添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を200mLの氷水及びNaSO(5.0g)に注ぎ入れた。有機層を分離し、脱水してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-ヨード-1H-インドール(3.2g、収率84%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.58 (s, 1H), 7.25 (d, J = 1.4 Hz, 2H), 7.19 (s, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.23 (s, 2H), 1.01 - 0.96 (m, 9H), 0.90 (s, 6H), 0.14 - 0.10 (m, 6H)。
ステップC
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-ヨード-1H-インドール(3.2g、6.1mmol、1.0当量)を含むジオキサン(60mL)をピロリジン-2-オン(1.0g、12.2mmol、2.0当量)、CuI(230mg、1.2mmol、0.2当量)、エチレンジアミン(72mg、1.2mmol、0.2当量)、及びCsCO(4.0mg、12.2mmol、2.0当量)で処理した。混合物を100℃で16時間撹拌した。濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル=3/1)によって精製することで、1-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)ピロリジン-2-オン(750mg、収率27%)を油として得た。
ステップD
1-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)ピロリジン-2-オン(1.4g、2.9mmol、1.0当量)をTHF(18mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(THF中1M、8.7mL、8.7mmol、3.0当量)を0℃で添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄(10mLで5回)した。有機相を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル(2:1))によって精製することで、1-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)ピロリジン-2-オン(790mg、収率75%)を油として得た。ESI-MS m/z = 316.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.60 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.17 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1H), 3.98 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.32 (s, 2H), 2.60 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 2.29 - 2.19 (m, 2H), 0.96 (s, 6H)。
BA:6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)インドリン-2-オン
Figure 2022520154000215
ステップA
6-ブロモ-3-クロロ-1H-インドール(3.0g、13.0mmol、1.0当量)をDMSO(100mL)中に含む撹拌溶液に、3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(8.0g、28.6mmol、2.2当量)を添加した後、KCO(5.4g、39.1mmol、2.0当量)及びKI(2.2g、13.0mmol、1.0当量)を添加した。混合物を120℃で16時間撹拌した。溶液を水(500mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(250mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(300mLで2回)し、ブライン(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 100:1)によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-クロロ-1H-インドール(5.1g、収率89%)を油として得た。
ステップB
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-クロロ-1H-インドール(4.0g、8.7mmol、1.0当量)をTHF(50mL)中に含む溶液を6NのHCl水溶液(50mL)で処理した。反応混合物を70℃で16時間撹拌した。混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)し、有機層を濃縮して乾燥させて残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル(10:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)インドリン-2-オン(2.0g、収率64%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 298.0 [M+H]H-NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 7.44 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.23 - 7.12 (m, 2H), 4.78 (s, 1H), 3.56 (s, 2H), 3.50 (s, 2H), 3.12 (s, 2H), 0.84 (d, J = 11.8 Hz, 6H)。
BB:2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリルの合成
Figure 2022520154000216
ステップA
2-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(3.2g、12.2mmol、1.0当量)、DMF(40mL)、(2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチルメタンスルホネート(4.1g、18.282mmol、1.50当量)、及びCsCO(11.9g、36.5mmol、3.0当量)を100mL管に入れた。得られた混合物を50℃で16時間撹拌した後、水(400mL)で希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(300mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(200mLで2回)し、ブライン(50mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いた)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(3.3g、収率62%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 391.1 [M+H]
ステップB
2-(6-ブロモ-1-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(3.3g、8.433mmol、1当量)をTHF(30mL)中に含む撹拌溶液に、濃HCl(6mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した後、飽和NaHCO水溶液で中和してpH7にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(150mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(100mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(2.8g、収率85%)を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 351.0 [M+H]
BC:2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル
Figure 2022520154000217
ステップA
2-[6-ブロモ-1-[3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル]-1H-インドール-3-イル]-2-メチルプロパンニトリル(7.0g、19.929mmol、1.0当量)をTHF(70mL)中に含む溶液をNaH(957mg、23.9mmol、1.2当量、60%分散液)を用いて0℃で処理した。得られた混合物を、そのままの温度で1時間維持した後、TBSCl(3.15g、20.9mmol、1.05当量)を添加した。得られた溶液を0℃で2時間撹拌した後、反応液の反応を氷水で停止した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(30mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル15%→30%)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(6.0g、収率64%)及び2-[6-ブロモ-1-(2-[[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル]-3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-3-イル]-2-メチルプロパンニトリルをオレンジ色の油として得た。ESI-MS m/z = 465.2, 467.2 [M+H]
ステップB
2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(900mg、1.933mmol、1当量)をTHF(10mL)中に含む撹拌溶液に、NaH(油中60%、69.6mg、2.9mmol、1.5当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物に、ヨードメタン(1.372g、9.667mmol、5当量)を0℃で30分かけて滴下して添加した。得られた混合物を室温でさらに16時間撹拌した。反応液の反応を、水を用いて0℃で停止した後、この溶液を水(200mL)でさらに希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(200mLで2回)し、有機層を混合し、水で洗浄(100mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(メトキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(700mg、粗生成物)を得た。これを、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。
ステップC
2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(メトキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(700mg、1.460mmol、1当量)をTHF(10mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、TBAF(1.75mL)を滴下して添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。残留物を分取TLC(EA/PE=1:2)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(437mg、収率74%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 365.1 [M+H]
BD:3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2-メトキシプロパン-1-オール
Figure 2022520154000218
ステップA
3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)プロパン-1,2-ジオール(1.4g、4.91mmol、1.0当量)、TBSCl(1.48g、9.820mmol、2.0当量)、及びイミダゾール(1.34g、19.6mmol、4.0当量)をDMF(10mL)中に含む溶液を室温で2時間撹拌した。次に、反応液に水を100mL添加することによってその反応を停止した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、1-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン-2-オール(1.0g、収率44%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 399.2 [M+H]
ステップB
1-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン-2-オール(1.0g、2.504mmol、1.0当量)をTHF(10mL)中に含む-5℃の溶液をNaH(0.07g、2.754mmol、1.1当量、鉱物油中60%分散液)で処理し、そのままの温度で30分間維持した。MeI(0.39g、2.748mmol、1.10当量)を反応液に添加し、-5℃で30分間撹拌した。次に、反応液に水を100mL添加することによってその反応を停止した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮した。残留物を酢酸エチル/石油エーテル(1:2)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、500mg(収率38%)の6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシプロピル)-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾールを黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 413.1 [M+H]
ステップC
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシプロピル)-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(500mg、1.209mmol、1当量)及びTBAF(1mL、THF中1.0M)をTHF(5mL)中に含む溶液を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、300mg(収率64%)の3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2-メトキシプロパン-1-オールを白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 299.0 [M+H]
BE:2-(6-ブロモ-1-(3-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル
Figure 2022520154000219
ステップA
2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.7g、3.652mmol、1当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む撹拌溶液に、炭酸ナトリウム(1.5g、14.019mmol、3.84当量)及びDAST(2.3g、14.269mmol、3.91当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温に温め、15時間撹拌した。反応液に氷水を100mL添加することによってその反応を停止した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)し、有機層を混合し、ブライン(100mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(20:1→13:1)を用いた)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(フルオロメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(699mg、収率39%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 469.0 [M+H]
ステップB
2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(フルオロメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(752mg、1.609mmol、1.0当量)をTHF(10mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(THF中1N、1.9mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃~25℃で1時間撹拌した。残留物を減圧下で濃縮し、分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル1:1)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-(3-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(522mg、収率90%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 355.1 [M+H]H-NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.79 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.27 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 4.86 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.51 (qd, J = 9.3, 4.8 Hz, 1H), 4.35 (qd, J = 9.3, 4.9 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 7.2, 2.7 Hz, 2H), 3.40 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 2.40 - 2.19 (m, 1H), 1.76 (s, 6H)。
BF:2-(6-ブロモ-1-(3,3-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル
Figure 2022520154000220
ステップA
2-[6-ブロモ-1-(2-[[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル]-3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-3-イル]-2-メチルプロパンニトリル(2.0g、4.30mmol、1当量)、ジクロロメタン(20mL)、及びデス・マーチンペルヨージナン(2.73g、6.45mmol、1.5当量)を含む溶液を室温で2時間撹拌した。反応液の反応をNaHCO水溶液で停止した。得られた混合物をろ過し、フィルター上のケーキを酢酸エチルで洗浄した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(150mLで3回)し、有機層を混合し、ブラインで洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(2:1)を用いた)によって精製することで、2-[6-ブロモ-1-(2-[[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル]-3-オキソプロピル)-1H-インドール-3-イル]-2-メチルプロパンニトリル(1.5g、収率68%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 463.1, 465.1 [M+H]
ステップB
2-[6-ブロモ-1-(2-[[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル]-3-オキソプロピル)-1H-インドール-3-イル]-2-メチルプロパンニトリル(1.5g、3.236mmol、1当量)、ジクロロメタン(15mL)、NaCO(1.37g、12.945mmol、4当量)、及びDAST(3.13g、19.418mmol、6当量)を含む溶液を16時間撹拌した。混合物を水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、2-(6-ブロモ-1-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-(ジフルオロメチル)プロピル]-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.8g)を黄色の油として得た。粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 485.0 [M+H]
ステップC
2-(6-ブロモ-1-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-(ジフルオロメチル)プロピル]-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.8g、3.708mmol、1当量)をTHF(20mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(11mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(PE/酢酸エチル1:1)によって精製することで、2-[6-ブロモ-1-[2-(ジフルオロメチル)-3-ヒドロキシプロピル]-1H-インドール-3-イル]-2-メチルプロパンニトリル(600mg、収率39%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 371.0 [M+H]
BG:4-(6-ブロモ-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1H-インドール-1-イル)-3-(ヒドロキシメチル)ブタンニトリル
Figure 2022520154000221
ステップA
2-[6-ブロモ-1-(2-[[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル]-3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-3-イル]-2-メチルプロパンニトリル(1.5g、3.222mmol、1当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む撹拌溶液に、TEA(855mg、8.45mmol、2.62当量)及びMsCl(480mg、4.190mmol、1.30当量)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。反応液の反応を水で停止し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を分取TLC(PE/酢酸エチル2:1)によって精製することで、2-[[6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-イル]メチル]-3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]プロピルメタンスルホネート(1.5g、収率77%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 565.1, [M+Na]
ステップB
2-[[6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-イル]メチル]-3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]プロピルメタンスルホネート(1.5g、2.759mmol、1当量)、DMF(15mL)、HO(1.5mL)、及びKCN(900mg、13.822mmol、5.01当量)を含む溶液を50℃で5時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、ブラインで洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、4-[6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-イル]-3-[[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル]ブタンニトリル(1.6g)を黄色の油として得た。この油を、追加精製せずに次に使用した。ESI-MS m/z = 474.2 [M+H]
ステップC
4-[6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-イル]-3-[[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル]ブタンニトリル(1.6g、3.372mmol、1当量)、THF(20mL)、及びTBAF(THF中1.0M、6.74mmol、2当量)を含む溶液を室温で調製した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(PE/酢酸エチル1:2)によって精製することで、3-[[6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-イル]メチル]-4-ヒドロキシブタンニトリル(700mg、収率58%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 360.1 [M+H]
BH:3-(6-ブロモ-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1H-インドール-1-イル)-2-クロロプロピルアセテート
Figure 2022520154000222
ステップA
2-(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.4g、5.34mmol、1.0当量)をDMF(20mL)中に含む撹拌混合物に、(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルメタンスルホネート(2.3g、8.01mmol、1.5当量)、CsCO(4.35g、13.35mmol、2.5当量)、及びKI(88.6mg、0.534mmol、0.1当量)を添加した。反応液を45℃で48時間撹拌した。得られた混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(8:1)を用いた)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.7g、収率84%)を黄色の油として得た。ESI-MSm/z=377.3[M+H]
ステップB
2-(6-ブロモ-1-((2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.7g、4.50mmol、1.0当量)をTHF(10mL)及び水(10mL)中に含む撹拌混合物に、TsOH(1.78g、10.37mmol、2.3当量)を添加した。反応液を30℃で15時間撹拌した。得られた混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(1:1)を用いた)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.4g、収率92%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 337.1 [M+H]
ステップC
3-[6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-イル]-2-(メタンスルホニルオキシ)プロピルアセテート(120mg、0.262mmol、1当量)及びLiCl(111mg、2.62mmol、10当量)をDMF(2mL)中に含む溶液を80℃で4時間撹拌した。反応液に水を20mL添加することによってその反応を停止し、得られた溶液を酢酸エチルで抽出(20mLで3回)した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:4)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、3-[6-ブロモ-3-(1-シアノ-1-メチルエチル)-1H-インドール-1-イル]-2-クロロプロピルアセテート(100mg、収率96%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 397.1/399.1 [M+H]
BI:1-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000223
ステップA
6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(5.0g、16.3mmol、1.0当量)、イソインドリン-1,3-ジオン、及びPPh(8.6g、32.7mmol、2.0当量)をTHF(100mL)中に含む0℃の溶液に、DIAD(6.6g、32.7mmol、2.0当量)を添加した。得られた溶液を室温で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した後、水で洗浄(100mLで2回)し、ブライン(150mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/5)によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル及びトリフェニルホスフィンオキシドの混合物(12.0g)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 436.0 [M+H]
ステップB
6-ブロモ-1-(3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(5.0g、11.5mmol、1.0当量)及びヒドラジド水和物(5.75g、115.0mmol、10.0当量)をEtOH(150mL)中に含む混合物を85℃で6時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水で洗浄(50mLで2回)し、ブライン(80mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して粗残留物を得た。この粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(2:1))によって精製することで、1-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボニトリル(3.0g、収率60%)を褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 306.0 [M+H]
BJ:6-ブロモ-1-(2,2-ジメチル-3-(メチルアミノ)プロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000224
ステップA
1-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボニトリル(500mg、1.64mmol、1.0当量)、BocO(429mg、1.968mmol、1.2当量)、及びEtN(331mg、3.28mmol、2.0当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む混合物を室温で16時撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した後、飽和NaHCO(35mL)で洗浄し、水で洗浄(50mLで2回)し、ブライン(50mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:5))によって精製することで、tert-ブチル(3-(6-ブロモ-3-シアノ-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル)カルバメート(550mg、収率80%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 406.1 [M+H]
ステップB
tert-ブチル(3-(6-ブロモ-3-シアノ-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル)カルバメート(530mg、1.31mmol、1.0当量)をDMF(10mL)中に含む0℃の溶液に、NaH(63mg、鉱物油中60%分散液、2.62mmol、2.0当量)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌した後、ヨードメタン(223mg、1.57mmol、1.2当量)を0℃で添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に水(100uL)を添加した後、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水で洗浄(100mLで2回)し、ブライン(150mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:5))によって精製することで、tert-ブチル(3-(6-ブロモ-3-シアノ-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル)(メチル)カルバメート(400mg、収率73%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 420.1 [M+H]
ステップC
tert-ブチル(3-(6-ブロモ-3-シアノ-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル)(メチル)カルバメート(400mg、0.95mmol、1.0当量)をメタノール性HCl(4M、10mL)に溶解し、室温で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(2:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(2,2-ジメチル-3-(メチルアミノ)プロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(300mg、収率99%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 320.1 [M+H]
BK:1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000225
6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(2.0g、6.6mmol、1.0当量)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.48g、9.8mmol、1.5当量)、Pd(dppf)Cl(600mg、1.98mmol、0.3当量)、及び酢酸カリウム(1.9g、19.8mmol、3.0当量)をジオキサン(100mL)中に含む溶液を90℃で2時間撹拌した。濃縮後、混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(30mLで3回)した。層を分離し、有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル(5:1→3:1))によって精製することで、1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(2.0g、収率87%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 355.2 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体BKの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000226
BL:7-ブロモ-9-[(2S)-3-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]-4-メチル-1,3-ジヒドロピラノ[3,4-b]インドール-4-カルボニトリル
Figure 2022520154000227
ステップA
テトラヒドロピラン-3,5-ジオン(400mg、3.51mmol、1.0当量)及び5-ブロモ-2-ヨード-アニリン(1149mg、3.86mmol、1.1当量)をトルエン(11.7mL)中に含む溶液に、PTSA一水和物(67mg、0.35mmol、0.1当量)を添加し、反応混合物を、ディーン・スタークトラップを使用して還流しながら8時間撹拌した。次に、混合物を室温に冷却し、その反応を1NのNaOHで停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮した。粗混合物を、追加精製せずに次のステップに使用した。
3-(5-ブロモ-2-ヨード-アニリノ)-2H-ピラン-5-オン(1300mg、3.3mmol、1当量)をDMSO(13.2mL)中に含む溶液に、L-プロリン(76mg、0.66mmol、0.2当量)、KOH(740mg、13.2mmol、4当量)、及びCuI(63mg、0.33mmol、0.1当量)を添加し、反応混合物を90℃で14時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水/酢酸エチルを添加した。1NのHCl水溶液を徐々に添加し、有機相を混合し、ブラインで洗浄してから硫酸マグネシウムで脱水した。粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することで、7-ブロモ-1,9-ジヒドロピラノ[3,4-b]インドール-4-オン(640mg、2ステップにわたる収率73%)を得た。ESI-MS m/z = 266.0 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 12.09 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1H), 4.99 (s, 2H), 4.15 (s, 2H)。
ステップB
7-ブロモ-1,9-ジヒドロピラノ[3,4-b]インドール-4-オン(600mg、2.25mmol、1当量)及び[(2R)-3-ブロモ-2-メチル-プロポキシ]-tert-ブチル-ジフェニル-シラン(1.324g、3.38mmol、1.5当量)をDMF(35mL)中に含む溶液に、炭酸カリウム(935mg、6.76mmol、3当量)及びNaI(34mg、0.23mmol、0.1当量)を室温で添加し、反応混合物を70℃で16時間撹拌した。反応液を冷却し、その反応を水で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。有機溶液を分離し、硫酸マグネシウムで脱水してから濃縮して乾燥させた。次に、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製することで、7-ブロモ-9-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-1H-ピラノ[3,4-b]インドール-4-オン(900mg、収率69%)を得た。ESI-MSm/z=575.7[M+H]H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.05 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.66 - 7.62 (m, 4H), 7.55 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.49 - 7.36 (m, 7H), 4.92 (s, 2H), 4.31 (dd, J = 14.5, 6.2 Hz, 1H), 4.27 - 4.16 (m, 2H), 3.76 (dd, J = 14.5, 8.5 Hz, 1H), 3.61 (dd, J = 10.5, 4.0 Hz, 1H), 3.51 (dd, J = 10.6, 6.5 Hz, 1H), 2.29 - 2.12 (m, 1H), 1.13 (s, 9H), 0.87 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
ステップC
7-ブロモ-9-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-1H-ピラノ[3,4-b]インドール-4-オン(305mg、0.53mmol、1当量)をTHF(7.5mL)中に含む溶液に、MeMgBr(エーテル中3M、0.44mL、1.32mmol、2.5当量)を0℃で添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応液の反応を塩化アンモニウム(水溶液)で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。次に、有機溶液を硫酸マグネシウムで脱水してから濃縮して乾燥させた。粗混合物を、追加精製せずに次のステップに迅速に使用した。
ステップD
7-ブロモ-9-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-4-メチル-1,3-ジヒドロピラノ[3,4-b]インドール-4-オール(300mg、0.51mmol、1当量)をジクロロメタン(8.4mL)中に含む溶液に、TMSCN(0.25mL、2.02mmol、4当量)及びBF・OEt(0.16mL、1.27mmol、2.5当量)を-78℃で連続的に添加し、反応混合物を90分間撹拌した。反応液の反応を、重炭酸ナトリウム水溶液を用いて-78℃で停止し、この溶液をジクロロメタンで希釈した。有機層を分離し、飽和ブライン溶液で洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。次に、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製することで、7-ブロモ-9-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-4-メチル-1,3-ジヒドロピラノ[3,4-b]インドール-4-カルボニトリル(284mg、2ステップにわたる収率93%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.64 (m, 8H), 7.58 (d, J = 8.5 Hz, 2), 7.54 - 7.49 (m, 2H), 7.48 - 7.36 (m, 12H), 7.28 (dd, J = 8.6, 1.4 Hz, 2H), 4.84 - 4.70 (m, 2H), 4.19 (dd, J = 6.0, 2.8 Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 6.4, 3.0 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.04 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.83 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.79 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.69 - 3.61 (m, 2H), 3.60 - 3.54 (m, 2H), 3.53 - 3.43 (m, 2H), 2.19 - 2.08 (m, 2H), 1.75 (s, 3H), 1.73 (s, 3H), 0.86 (d, J = 3.7 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 3.7 Hz, 3H)。
ステップD
7-ブロモ-9-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-4-メチル-1,3-ジヒドロピラノ[3,4-b]インドール-4-カルボニトリル(284mg、0.47mmol、1当量)をTHF(7.8mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1M、0.57mL、0.57mmol、1.2当量)を室温で添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応液の反応を塩化アンモニウム水溶液で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、飽和ブライン溶液で洗浄した。次に、有機溶液を分離し、硫酸マグネシウムで脱水してから濃縮して乾燥させた。次に、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製した。所望の画分を減圧下で濃縮して乾燥させることで、7-ブロモ-9-[(2S)-3-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]-4-メチル-1,3-ジヒドロピラノ[3,4-b]インドール-4-カルボニトリル(167mg、97%)を得た。ESI-MS m/z = 363.0 [M+H]H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.61 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 2H), 4.98 - 4.88 (m, 2H), 4.88 - 4.77 (m, 2H), 4.20 - 4.11 (m, 2H), 4.12 - 4.02 (m, 2H), 3.93 - 3.85 (m, 2H), 3.79 - 3.68 (m, 2H), 3.57 - 3.40 (m, 2H), 2.31 - 2.15 (m, 2H), 1.78 (s, 3H), 1.78 (s, 3H), 1.02 (d, J = 3.6 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 3.5 Hz, 3H)。
BM:6-ブロモ-4-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-1-カルボニトリル
Figure 2022520154000228
ステップA
5-ブロモ-2-ヨードアニリン(5.0g、16.8mmol、1.0当量)及びシクロペンタン-1,3-ジオン(1.65g、16.8mmol、1.0当量)をトルエン(50mL)中に含む混合物を120℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/MeOH=40/1)によって精製することで、3-((5-ブロモ-2-ヨードフェニル)アミノ)シクロペンタ-2-エン-1-オン(4.3g、収率68%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 377.9 [M+H]
ステップB
3-((5-ブロモ-2-ヨードフェニル)アミノ)シクロペンタ-2-エン-1-オン(1.0g、2.56mmol、1.0当量)、CuI(100mg、0.529mmol、0.2当量)、KOH(594mg、10.6mmol、4.0当量)、及びL-プロリン(122mg、1.06mmol、0.4当量)をDMSO(100mL)中に含む混合物を90℃で18時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(1.5L)で希釈し、水で洗浄(500mLで2回)し、ブライン(500mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。この残留物を、追加精製せずに次のステップに使用した。ESI-MS m/z = 250.1 [M+H]
ステップC
6-ブロモ-3,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-1(2H)-オン(500mg、2mmol、1.0当量)、KCO(828mg、6mmol、3.0当量)、KI(332mg、2mmol、1.0当量)、及び(R)-(3-ブロモ-2-メチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(782mg、2mmol、1.0当量)をDMSO(7mL)中に含む混合物を110℃で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した後、水で洗浄(50mLで2回)し、ブライン(50mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/30)によって精製することで、(S)-6-ブロモ-4-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-1(2H)-オン(700mg、収率63%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 560.2 [M+H]
ステップD
(S)-6-ブロモ-4-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-1(2H)-オン(700mg、1.25mmol、1.0当量)をTHF(10mL)中に含む0℃の溶液に、LAH(THF中1M、3.1mL、3.0当量)を添加した。得られた溶液を0~5℃で0.5時間撹拌した。硫酸ナトリウム・10HOを反応混合物に添加し、混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、celiteに通してろ過した。ろ液を濃縮して粗残留物を得た。この粗残留物を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 544.1 [M-HO+H]
ステップE
TMSCN(123mg、1.24mmol、2.0当量)をジクロロメタン(8mL)中に含む溶液を、N下でInBr(22mg、0.062mmol、0.1当量)に添加し、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。次に、6-ブロモ-4-((S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-1-オール(350mg、0.62mmol、1.0当量)をジクロロメタン(2mL)中に含む溶液を0℃~5℃で添加し、最終的な混合物を15℃で1時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液(20mL)を反応混合物に添加し、有機相を収集し、水で洗浄(20mLで2回)し、ブライン(20mL)で洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:10))によって精製することで、6-ブロモ-4-((S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-1-カルボニトリル(200mg、収率28%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 593.2 [M+Na]
ステップF
6-ブロモ-4-((S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-1-カルボニトリル(250mg、0.44mmol、1.0当量)をTHF(5mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1M、0.88mL、2.0当量)を添加した。得られた溶液を20℃で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水で洗浄(20mLで6回)し、ブライン(20mL)で洗浄した。有機層を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:1))によって精製することで、6-ブロモ-4-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-1-カルボニトリル(100mg、収率94%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 333.1 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体BMの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000229
BN:3-(6-ブロモ-3-(3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル)-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000230
ステップA
3-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-3-メチルブタン-2-オン(900mg、1.87mmol、1.0当量)をMeOH(10mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、NaBH(354mg、9.36mmol、5.0当量)を少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。得られた混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(200mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(100mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル/石油エーテル(1:12→1:7)を用いた)によって精製することで、3-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-3-メチルブタン-2-オール(900mg、収率90%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 483.2 [M+H]
ステップB
3-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-3-メチルブタン-2-オール(900mg、1.483mmol、1.0当量)をジクロロメタン(10mL)中に含む撹拌溶液に、テトラフルオロホウ酸(240mg、1.48mmol、1.0当量)及びTMSCHN(9mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃で5分間撹拌した後、水(200mL)で希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(200mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(100mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-(3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル)-1H-インドール(600mg、粗生成物)を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 496.3 [M+H]
ステップC
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-(3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル)-1H-インドール(600mg、0.705mmol、1.0当量)をTHF(7mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、TBAF(THF中1N、1.5mL)を滴下して添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。溶媒を除去後、残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル(2:1))によって精製することで、3-(6-ブロモ-3-(3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル)-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(350mg、収率68%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 382.1 [M+H]
BO:2-(6-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロプロピルアセトニトリル
Figure 2022520154000231
ステップA
[(2R)-3-ブロモ-2-メチルプロポキシ](tert-ブチル)ジフェニルシラン(4.67g、11.9mmol、1.2当量)及びCsCO(4.86g、14.9mmol、1.5当量)をDMF(50mL)中に含む撹拌溶液に、6-ブロモ-1H-インドール-3-カルバルデヒド(2.23g、9.9mmol、1.0当量)を滴下して添加した。混合物を室温で3日間撹拌した。水(500mL)及び酢酸エチル(300mL)を添加した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(200mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いた)によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(4.8g、収率90%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 534.1 [M+H]
ステップB
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(2.13g、3.99mmol、1.0当量)をTHF(30mL)中に含む撹拌溶液に、シクロプロピルマグネシウムブロミド(1M、9.2mL)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。反応液に飽和NHCl水溶液(30mL)を0℃で添加することによってその反応を停止した。酢酸エチル(30mL)を添加し、有機層をブラインで洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 598.2 [M+Na]
ステップC
(6-ブロモ-1-((S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)(シクロプロピル)メタノール(2.3g、3.989mmol、1.0当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む-78℃の撹拌溶液に、TMSCN(1980mg、19.9mmol、5.0当量)及びBF・EtO(1.415g、9.97mmol、2.5当量)を滴下して添加した。得られた混合物を-78℃で1.5時間撹拌した。反応液に飽和NaCO水溶液(30mL)を添加することによってその反応を停止した後、この溶液をジクロロメタン(30mL)で希釈した。有機層をブラインで洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いた)によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-((S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロプロピルアセトニトリル(1.5g、収率64%)を黄色の油として得た。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 7.76 (s, 1H), 7.58 (t, J = 7.0 Hz, 5H), 7.47 - 7.39 (m, 7H), 7.24 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.25 (t, J = 10.5 Hz, 1H), 4.08 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.49 (d, J = 5.4 Hz,2H), 2.17 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 1.37 (s, 1H), 1.04 (s, 9H), 0.87 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.63 (s, 1H), 0.54 (s, 1H), 0.47 - 0.30 (m, 2H)。
ステップD
2-(6-ブロモ-1-((S)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロプロピルアセトニトリル(1.0g、1.707mmol、1当量)をTHF(10mL)中に含む撹拌溶液に、HF-ピリジン(1mL、40%)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を16時間撹拌した後、反応液を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。混合物を酢酸エチルで抽出(30mLで3回)し、有機層を混合し、ブラインで洗浄(10mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル(2:1))によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロプロピルアセトニトリル(580mg、収率99%)を黄色の油として得た。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ= 7.78 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.23 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 4.75 - 4.60 (m, 1H), 4.20 (dd, J = 14.5, 6.3 Hz, 1H), 4.10 (d,J = 8.1 Hz, 1H), 3.99 (dd, J = 13.8, 7.1 Hz, 1H), 3.25 (dq, J = 10.7, 5.5 Hz, 2H), 2.05 (dt, J = 13.2, 6.4 Hz, 1H), 1.51 - 1.39 (m, 1H), 0.81 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.71 - 0.56 (m, 2H), 0.43 (ddt,J = 22.4, 9.5, 4.7 Hz, 2H)。
BP:6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000232
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボキサミド(2.39g、10.0mmol、1.0当量)、KCO(2.76g、20.0mmol、2.0当量)、KI(1.66g、10.0mmol、1.0当量)、及び(3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(4.22g、15.0mmol、1.5当量)をDMSO(15mL)中に含む溶液を150℃で一晩撹拌した。室温に冷却後、氷水(100mL)を添加し、溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH(20:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボキサミド(3.25g、収率74%)を油として得た。ESI-MS m/z= 439.1 [M+H]
ステップB
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボキサミド(3.0g、6.83mmol、1.0当量)をピリジン(30mL)中に含む0℃の溶液に、POCl(5.23g、34.2mmol)を滴下して添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲル(石油エーテル→石油エーテル/酢酸エチル(5:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(2.18g、収率76%)を白色の固体として得た。
ステップC
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(2.11g、5.0mmol、1.0当量)をTHF(20mL)中に含む0℃の溶液に、TBAF(7.5mL、THF中1M)を滴下して添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲル(石油エーテル→石油エーテル/酢酸エチル(3:1))によって精製することで、6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.25g、収率81%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 309.0 [M+H]
BQ:(S)-6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000233
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボニトリル(2.0g、9.1mmol、1.0当量)、(R)-(3-ブロモ-2-メチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(5.3g、13.6mmol、1.5当量)、KI(1.5g、9.1mmol、1.0当量)、KCO(3.8g、27.3mmol、3.0当量)、及びDMSO(80mL)を含む溶液を130℃で16時間撹拌した。HO(100mL)を添加し、得られた溶液を酢酸エチルで抽出(200mLで3回)した。有機層を混合し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル→石油エーテル/酢酸エチル(95:5))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(4.6g、収率90%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 553.2 [M+Na]
ステップB
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.0g、2.20mmol、1.0当量)及びボロンイソプロポキシド(752mg、4.0mmol、1.8当量)をTHF(10mL)中に含む溶液に、LDA(THF/ヘキサン中2M、2.2mL、4.4mmol、2.0当量)を-78℃で滴下して添加した。混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。10mLの氷水を混合物に添加した。室温に温めた後、層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出(20mLで3回)した。有機層を混合し、減圧下で濃縮することで、6-ブロモ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)ボロン酸を無色のガムとして得た。この残留物を、追加精製せずに次のステップに使用した。ESI-MS m/z = 596.8 [M+Na]
ステップC
(6-ブロモ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)ボロン酸(2.14g、3.70mmol、1.0当量)、1-ヨード-2-メトキシベンゼン(1.30g、5.6mmol、1.5当量)、Pd(dppf)Cl(410mg、0.1当量)、及びKCO(1.5g、11.1mmol、3.0当量)をトルエン(20mL)及びHO(12mL)中に含む溶液を60℃で2時間撹拌した。混合物を分離し、水相を酢酸エチルで抽出(20mLで3回)した。有機層を混合し、脱水してから減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル(3:1→1:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(812mg、収率19%、2ステップ)を淡黄色のガムとして得た。ESI-MS m/z = 658.9 [M+Na]
ステップD
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.5g、2.36mmol、1.0当量)をTHF(10mL)中に含む溶液に、TBAF(3.5mL、THF中1.0M、3.5mmol、1.5当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した後、250mLの酢酸エチルを混合物に注ぎ入れた。次に、得られた溶液を水で洗浄(10mLで8回)した。有機層を減圧下で濃縮することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(1.4g)を無色のガムとして得た。粗生成物を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 398.9 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体BQの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000234
BR:(S)-3-(6-ブロモ-3-エチル-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000235
ステップA
(S)-3-(6-ブロモ-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(1.1g、2.9mmol、1.0当量)及びNIS(980mg、4.3mmol、1.5当量)をCHCN(50mL)中に含む混合物を20℃で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(30mL)に溶解し、水で洗浄(20mLで3回)した。有機層を脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1/3)によって精製することで、(S)-3-(6-ブロモ-3-ヨード-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(1.3g)を白色の固体として得た。
ステップB
(S)-3-(6-ブロモ-3-ヨード-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(850mg、1.7mmol、1.0当量)、KCO(705mg、5.1mmol、3.0当量)、及びビニルトリフルオロホウ酸カリウム(455mg、3.4mmol、2.0当量)をトルエン/HO(5/1、20mL)中に含む混合物に、Pd(dppf)Cl・CHCl(140mg、0.1当量)を添加した。110℃で3時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却してからろ過した。ろ液を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄してから減圧下で濃縮することで、(S)-3-(6-ブロモ-2-(2-メトキシフェニル)-3-ビニル-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(900mg、粗生成物)を暗褐色の固体を得た。この残留物を、追加精製せずに次のステップに使用した。ESI-MS m/z = 400.1 [M+H]
ステップC
(S)-3-(6-ブロモ-2-(2-メトキシフェニル)-3-ビニル-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(900mg、粗生成物)、ジルジン(860mg、3.4mmol)、及びTsOH・HO(30mg)をジクロロメタン(30mL)中に含む混合物を20℃で4時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(40%の酢酸エチルを含む石油エーテル溶液)によって精製することで、(S)-3-(6-ブロモ-3-エチル-2-(2-メトキシフェニル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(410mg、収率60%、2ステップ)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 402.1 [M+H]
BS:(S)-6-ブロモ-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-カルボニトリル
Figure 2022520154000236
ステップA
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(1.06g、2.0mmol、1.0当量)をDMSO(脱水、30mL)中に含む撹拌溶液に、0℃でジエチルホスホリルシアニド(2.0g、11.9mmol、6.0当量)を添加した後、NaCN(0.6g、11.9mmol、6.0当量)を添加した。混合物を0℃~10℃で1時間撹拌した。溶液を氷水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、脱水してから濃縮して乾燥させて残留物を得た。残留物を逆相クロマトグラフィー(90%CHCN/水)によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(シアノメチル)-1H-インドール-2-カルボニトリル(810mg、収率75%)を油として得た。ESI-MS m/z = 592.2 [M+Na]
ステップB
-78℃の(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(シアノメチル)-1H-インドール-2-カルボニトリル(2.0g、3.5mmol、1.0当量)を含むTHF(50mL)をNaHMDS(THF中2M、5.25mL、10.5mmol、3.0当量)で処理した。混合物を-78℃で1時間撹拌した後、MeI(1.5g、10.5mmol、3.0当量)を添加した。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。溶液を水(1L)に注ぎ入れ、溶液を酢酸エチルで抽出(300mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(100mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(20:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボニトリル(2.4g、収率57%)を油として得た。ESI-MS m/z = 620.1 [M+Na]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.66 (ddd, J = 6.4, 3.4, 1.8 Hz, 5H), 7.47 - 7.35 (m, 7H), 4.51 (dd, J = 14.7, 5.7 Hz, 1H), 4.06 (dd, J = 14.7, 8.7 Hz, 1H), 3.63 (dd, J = 10.5, 4.4 Hz, 1H), 3.52 (dd, J = 10.5, 6.9 Hz, 1H), 2.33 - 2.23 (m, 1H), 1.98 (d, J = 8.1 Hz, 6H), 1.11 (d, J = 11.4 Hz, 9H), 0.86 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
ステップC
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボニトリル(1.6g、2.67mmol、1.0当量)をTHF(25mL)中に含む撹拌溶液に、AcOH(321mg、5.34mmol、2.0当量)及びTBAF(THF中1M、5.34mL、5.34mmol、2.0当量)を0℃~5℃で添加した。得られた混合物を0℃~5℃で6時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄(10mLで5回)した。有機層を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(3:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-3-(2-シアノプロパン-2-イル)-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-カルボニトリル(870mg、収率90%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 360.1 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 8.03 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 8.8, 1.7 Hz, 1H), 4.76 (s, 1H), 4.38 (dd, J = 14.8, 6.5 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 14.8, 8.3 Hz, 1H), 3.32 (s, 2H), 2.12 (dd, J = 13.7, 6.5 Hz, 1H), 1.94 (s, 6H), 0.82 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
BT:2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロペンチルプロパンニトリル
Figure 2022520154000237
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール(5.0g、25.5mmol、1.0当量)をジクロロメタン(50mL)中に含む0℃の溶液に、SnCl(ジクロロメタン中1M、30.6mL、1.2当量)を添加した。混合物を15℃で30分間撹拌した。シクロペンタンカルボン酸(2.91g、25.5mmol、1.0当量)をSOCl(0.5mL)中に含む溶液を90℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して残留物を得た。この残留物をジクロロメタン(20mL)に溶解した後、上記の混合物に添加した後、最終的な混合物を15℃で30分間撹拌した。反応液に飽和NaHCO(20mL)を添加することによってその反応を停止した後、溶液を酢酸エチル(20mL)で希釈した。有機相を分離し、水で洗浄(20mLで2回)し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過及び濃縮後、粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:10))によって精製することで、(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)(シクロペンチル)メタノン(1.98g、収率27%)を褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 292.0 [M+H]
ステップB
(6-ブロモ-1H-インドール-3-イル)(シクロペンチル)メタノン(2.0g、6.85mmol、1.0当量)、CsCO(6.7g、20.6mmol、3.0当量)、及び(3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(3.85g、13.7mmol、2.0当量)をDMSO(20mL)中に含む混合物を100℃で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水で洗浄(100mLで2回)し、ブライン(100mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:20))によって精製することで、(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)(シクロペンチル)メタノン(1.4g、収率42%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 492.2 [M+H]
ステップC
(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)(シクロペンチル)メタノン(900mg、1.83mmol、1.0当量)をTHF(20mL)中に含む0℃の溶液に、MeMgBr(THF中3M、1.53mL、2.5当量)を添加した。溶液を0℃~5℃で1時間撹拌した。反応液に飽和NHCl(2mL)を0℃で添加することによってその反応を慎重に停止した。混合物を酢酸エチル(25mL)で希釈した後、ブライン(15mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。ESI-MS m/z = 490.2 [M-HO+H]
ステップD
TMSCN(363mg、3.66mmol、2.0当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む溶液を、N下でInBr(130mg、0.2mmol、0.2当量)に添加し、混合物を15℃で30分間撹拌した。次に、1-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-1-シクロペンチルエタン-1-オール(930mg、1.83mmol、1.0当量)をジクロロメタン(10mL)中に含む溶液を0℃~5℃で添加し、混合物を15℃で1時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液(20mL)を反応混合物に添加した。有機相を収集し、水で洗浄(50mLで2回)し、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:30))によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロペンチルプロパンニトリル(300mg、収率34%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 539.2 [M+Na]
ステップE
2-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロペンチルプロパンニトリル(600mg、1.16mmol、1.0当量)をTHF(20mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1M、2.32mL、2.0当量)を添加した。得られた溶液を20℃で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈した後、水で洗浄(20mLで3回)し、ブライン(20mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(3:1))によって精製することで、2-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)-2-シクロペンチルプロパンニトリル(380mg、収率97%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 425.1 [M+Na]
BU:3-(6-ブロモ-3-エチル-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000238
ステップA
6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(2g、4.72mmol、1.0当量)をTHF(無水、15mL)中に含む-20℃の溶液に、MeMgBr(9.5mL、9.5mmol、THF中1M、2.0当量)を滴下して添加した。そのままの温度で2時間撹拌した後、飽和NHCl水溶液(20mL)を添加し、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮することで、粗1-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)エタン-1-オール(1.99g、粗生成物)を得た。これを、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。
ステップB
1-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)エタン-1-オール(1.99g、粗生成物、1.0当量)及びトシル酸水和物(163mg、0.86mmol、0.2当量)をジクロロメタン(20mL)中に含む混合物に、ジエチル2,6-ジメチル-1,4-ジヒドロピリジン-3,5-ジカルボキシレート(1.09g、4.30mmol、1.0当量)を添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(1:8))による精製を行うことで、6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-エチル-1H-インドール(1.22g、2ステップでの収率61%)を得た。
ステップC
3-(6-ブロモ-3-エチル-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オールは、6-ブロモ-1-((1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)メチル)-1H-インドール-3-カルボニトリルの合成について記載したものと同様の条件を使用して6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-3-エチル-1H-インドールから合成した。ESI-MS m/z = 310.1 [M+H]
BV:(S)-6-ブロモ-3-シクロプロピル-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-カルボニトリルの合成
Figure 2022520154000239
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール-2-カルボニトリル(3.5g、15.8mmol、1.0当量)をDMF(50mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、NIS(3.8g、16.8mmol、1.05当量)を少量ずつ添加した。得られた混合物を20℃で1時間撹拌した後、水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、ブライン(100mL)で洗浄してから無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(20:1))によって精製することで、6-ブロモ-3-ヨード-1H-インドール-2-カルボニトリル(5.1g、収率92%)を油として得た。
ステップB
6-ブロモ-3-ヨード-1H-インドール-2-カルボニトリル(5.1g、14.7mmol、1.0当量)をDMF(100mL)中に含む撹拌溶液に、(R)-(3-ブロモ-2-メチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(7.2g、22.0mmol、1.5当量)を添加した後、KCO(6.1g、44.1mmol、3.0当量)を添加した。混合物を100℃で16時間撹拌した後、溶液を水(800mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(250mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(300mLで2回)し、ブラインで洗浄(300mLで1回)し、硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(100:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-ヨード-1H-インドール-2-カルボニトリル(8.2g、収率84%)を油として得た。ESI-MS m/z = 679.0[M+Na]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.72 - 7.60 (m, 5H), 7.49 - 7.30 (m, 8H), 4.54 (dd, J = 14.6, 5.8 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 14.6, 8.6 Hz, 1H), 3.61 (dd, J = 10.5, 4.3 Hz, 1H), 3.51 (dd, J = 10.5, 7.0 Hz, 1H), 2.27 (dd, J = 4.2, 2.6 Hz, 1H), 1.12 (s, 9H), 0.85 (t, J = 6.0 Hz, 3H)。
ステップC
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-ヨード-1H-インドール-2-カルボニトリル(2.0g、3.03mmol、1.0当量)、シクロプロピルトリフルオロホウ酸カリウム(540mg、3.64mmol、1.2当量)、Pd(dppf)Cl・CHCl(400mg、0.49mmol、0.16当量)、及びKCO(1.25g、9.05mmol、3.0当量)を含むトルエン(80mL)及び水(15mL)を80℃で16時間撹拌した。濃縮後、前のバッチと混合してから残留物をC18逆相クロマトグラフィー(95%CHCN/水)によって精製することで、(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-シクロプロピル-1H-インドール-2-カルボニトリル(1.8g、収率51%)を得た。
ステップD
(S)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-3-シクロプロピル-1H-インドール-2-カルボニトリル(1.7g、3.0mmol、1.0当量)をTHF(30mL)中に含む撹拌溶液に、TBAF(THF中1M、6.0mL、6.0mmol、2.0当量)を0℃~5℃で添加した。得られた混合物を0℃~10℃で1時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄(10mLで5回)した。有機層を脱水し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(10:1))によって精製することで、(S)-6-ブロモ-3-シクロプロピル-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-カルボニトリル(950mg、収率99%)を油として得た。ESI-MS m/z = 333.1 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 7.89 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 4.73 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.28 (dd, J = 14.7, 6.5 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 14.7, 8.3 Hz, 1H), 3.28 (dd, J = 9.2, 5.3 Hz, 2H), 2.09 (ddd, J = 8.5, 5.3, 3.3 Hz, 2H), 1.10 - 1.02 (m, 2H), 0.92 (ddd, J = 6.2, 5.2, 3.7 Hz, 2H), 0.78 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
BW:(R)-3-(6-ブロモ-2-(((3-(トリメチルシリル)プロパ-2-イン-1-イル)オキシ)メチル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000240
ステップA
6-ブロモ-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.600g、2.25mmol)及び[(2R)-3-ブロモ-2-メチル-プロポキシ]-tert-ブチル-ジフェニル-シラン(1.3g、3.38mmol)をDMF(35mL)中に含む溶液に、KCO(0.935g、6.76mmol)及びNaI(33.8mg、0.2300mmol)を添加し、反応混合物を70℃で16時間撹拌した。反応液の反応を水で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、飽和ブライン溶液で洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。次に、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製することで、(R)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.900g、収率69%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.85 (s, 1H), 7.74 - 7.55 (m, 8H), 7.46 - 7.33 (m, 8H), 7.28 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1H), 4.67 - 4.44 (m, 3H), 3.66 - 3.45 (m, 3H), 2.23 (ddd, J = 8.0, 6.3, 4.6 Hz, 1H), 1.12 (s, 11H), 0.83 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
ステップB
(R)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-カルバルデヒド(0.650g、1.2mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、NaBH(0.092g、2.4mmol、2当量)を少量ずつ添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、その反応を水で徐々に停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出した。有機溶液をMgSOで脱水し、ろ過してから濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出にヘキサン及び酢酸エチルを用いた)によって精製することで、(R)-(6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-イル)メタノール(0.556g、収率85%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.65 (ddd, J = 8.0, 4.9, 1.6 Hz, 4H), 7.47 - 7.31 (m, 6H), 7.19 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 4.40 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 3.97 (s, 0H), 2.31 (ddd, J = 8.4, 6.5, 4.4 Hz, 1H), 1.12 (s, 9H), 0.84 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。ESI-MS m/z = 536.1 [M+H]
ステップC
1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-2-イル)メタノール(0.175g、0.783mmol)を0℃に冷却し、NaH(0.094g、2.35mmol、3当量)を一度に添加した。反応液を30分間撹拌した後、プロパルギルブロミド(0.131mL、1.17mmol、1.5当量)を添加した。反応液の反応をNHCl水溶液で停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出した。次に、有機溶液をMgSOで脱水し、ろ過してから蒸発させて粗生成物を得た。ヘキサン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーを行うことで、(R)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)-1H-インドール(0.410g、収率91%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.71 - 7.59 (m, 4H), 7.59 - 7.50 (m, 1H), 7.49 - 7.35 (m, 5H), 7.19 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.71 (s, 2H), 4.38 (dd, J = 14.7, 6.2 Hz, 1H), 4.07 (dd, J = 2.3, 1.2 Hz, 2H), 3.61 (dd, J = 10.3, 4.7 Hz, 1H), 3.52 (dd, J = 10.3, 6.2 Hz, 1H), 2.41 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 2.32 (ddd, J = 8.9, 6.8, 5.1 Hz, 1H), 1.12 (s, 9H), 0.84 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。ESI-MS m/z = 574.1 [M+H]
ステップD
(R)-6-ブロモ-1-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)-1H-インドール(0.410g、0.7135mmol)をTHF(10mL)に溶解した後、1MのTBAFを含むTHF(0.856mL、0.856mmol、1.2当量)を添加し、溶液を1時間撹拌した。反応液の反応をNHCl水溶液で停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出した。次に、有機溶液をMgSOで脱水し、ろ過してから蒸発させて粗生成物を得た。ヘキサン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーを行うことで、(R)-3-(6-ブロモ-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(0.223g、収率92%)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.53 - 7.49 (m, 1H), 7.44 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 4.86 - 4.68 (m, 3H), 4.31 - 4.20 (m, 1H), 4.17 (dd, J = 5.5, 2.4 Hz, 2H), 3.96 (dd, J = 14.7, 6.5 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 6.8, 4.4 Hz, 2H), 2.51 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 2.34 (dddd, J = 9.0, 6.7, 4.4, 2.3 Hz, 1H), 1.04 (d, J = 7.0 Hz, 4H)。ESI-MS m/z = 336.0 [M+H]
ステップE
(R)-3-(6-ブロモ-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(0.188g、0.559mmol)をTHF(5mL)に溶解し、-78℃に冷却した。1MのLiHMDSを含むTHF(1.17mL、1.17mmol、2.1当量)を15分間かけて徐々に添加した。溶液を-78℃で30分間撹拌した。次に、TMSCl(0.156mL、1.23mmol、2.2当量)を5分間かけて滴下して添加し、反応液を-78℃で1時間撹拌した。反応液の反応を水で停止し、この溶液を室温に温めた。1MのHCl水溶液及び酢酸エチルを添加し、反応液を10分間撹拌した。溶液を酢酸エチルで3回抽出し、MgSO4で脱水し、ろ過してから蒸発させた。ヘキサン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーを行うことで、(R)-3-(6-ブロモ-2-(((3-(トリメチルシリル)プロパ-2-イン-1-イル)オキシ)メチル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(0.203g、収率89%)を得た。ESI-MS m/z = 408.1 [M+H]
BX:(8-ブロモ-4,5-ジヒドロ-1H,3H-[1,4]オキサゼピノ[4,3-a]インドール-4-イル)メタノール
Figure 2022520154000241
ステップA
(6-ブロモ-1H-インドール-2-イル)メタノール(4.0g、17.7mmol)を含むDMF(165mL)をNaH(60%分散液、1.77,g、44.2mmol、2.5当量)で一度に処理した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した後、ジブロモアルケン(2.6mL、23mmol、1.3当量)を滴下して処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した後、水を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルへの抽出に供した。有機層を混合し、水及びブラインで洗浄した後、脱水(MgSO)し、ろ過してから減圧下で濃縮した。粗物質を、ヘキサン/酢酸エチルを用いてシリカゲルで精製することで、8-ブロモ-4-メチレン-4,5-ジヒドロ-1H,3H-[1,4]オキサゼピノ[4,3-a]インドール(1.65g、収率34%)を白色の固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.52 - 7.47 (m, 1H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.18 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 6.34 (t, J = 0.8 Hz, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.26 (t, J = 1.0 Hz, 1H), 4.81 (d, J = 0.7 Hz, 2H), 4.73 (d, J = 0.7 Hz, 2H), 4.42 (d, J = 1.0 Hz, 2H)。ESI-MS m/z = 278.0 [M+H]
ステップB
8-ブロモ-4-メチレン-4,5-ジヒドロ-1H,3H-[1,4]オキサゼピノ[4,3-a]インドール(1.65g、5.93mmol)をTHF(60mL)中に含む撹拌溶液に、氷/メタノール浴上で冷却した2Mのボラン・MeSを含むTHF(2.97mL、5.93mmol、1当量)をアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物を25℃に温め、そのままの温度で2時間撹拌した。次に、反応混合物を氷/メタノール浴中で冷却し、そのままの温度で3Nの水酸化ナトリウム(2mL)及び30%の過酸化水素(0.788mL)で連続的に徐々に処理した。得られた均一混合物を一晩撹拌した後、ヘキサンで処理し、炭酸カリウムで脱水した。有機層をデカントして沈殿物から分離し、この沈殿物をジクロロメタンで洗浄した。有機層を減圧下で蒸発させ、残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって迅速に精製することで、(8-ブロモ-4,5-ジヒドロ-1H,3H-[1,4]オキサゼピノ[4,3-a]インドール-4-イル)メタノール(0.698g、40%)を無色の油として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.50 (s, 1H), 7.42 (dd, J = 8.5, 0.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 4.82 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.65 - 4.47 (m, 2H), 4.28 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.12 (dd, J = 10.4, 2.2 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.55 (dd, J = 10.5, 5.8 Hz, 1H), 3.41 - 3.25 (m, 1H), 2.22 - 2.06 (m, 1H)。ESI-MS m/z = 296.1 [M+H]
BY:3-(6-ブロモ-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロスピロ[インドリン-3,4’-ピラン]-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000242
ステップA
6-ブロモ-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-オキサン]-2-オン(800mg、2.836mmol、1.0当量)、(3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(1.20g、4.25mmol、1.5当量)、CsCO(2.21g,7.10mmol、2.5当量)、及びDMF(8.0mL)を含む溶液を130℃で13時間撹拌した。混合物を室温に冷却した後、TBAF(THF中1.0M、8.5mL)を滴下して添加した。得られた混合物を室温でさらに2時間撹拌した後、酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機層をブライン40mLで3回洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(1:2)を用いた)による精製を行うことで、6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロスピロ[インドリン-3,4’-ピラン]-2-オン(600mg、収率57%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 368.2 [M+H]
ステップB
6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロスピロ[インドリン-3,4’-ピラン]-2-オン(600mg、1.63mmol、1当量)、THF(6.0mL)、及びBH・THF(6.0mL)を含む溶液を室温で15時間撹拌した。反応液に水(20mL)を0℃で添加することによってその反応を停止し、水層を酢酸エチルで抽出(30mLで3回)した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(1:1)を用いた)によって精製することで、3-(6-ブロモ-2’,3’,5’,6’-テトラヒドロスピロ[インドリン-3,4’-ピラン]-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(350mg、収率61%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 354.2 [M+H]
CA:3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
Figure 2022520154000243
ステップA
5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-カルバルデヒド(5.2g、20.63mmol、1.0当量)、メチル2-(トリフェニル-λ-5-ホスファニリデン)プロパノエート(17.96g、51.57mmol、2.5当量)、及びジクロロメタン(50mL)を100mLの丸底フラスコに入れた。得られた混合物を35℃で15時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した後、得られた残留物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、ブライン50mLで3回洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(2:1)を用いた)によって精製することで、エチル3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2-メチルアクリレート(6.1g、収率90%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 336.1 [M+H]
ステップB
エチル3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2-メチルアクリレート(5.70g、16.95mmol、1.0当量)、4-メチルベンゼン-1-スルホノヒドラジド(15.79g、84.764mmol、5.0当量)、及びDMF(50mL)を250mLの丸底フラスコに入れた。混合物を110℃で15時間撹拌した後、酢酸エチル(100mL)で希釈した。得られた混合物をブライン100mLで3回洗浄し、水層を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(1:2)を用いた)によって精製することで、エチル3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパノエート(3.2g、収率56%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 338.1 [M+H]
ステップC
エチル3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパノエート(2.00g、5.91mmol、1.0当量)、LiBH(515.22mg、23.65mmol、4.0当量)、及びTHF(10mL)を40mLのバイアルに入れた。混合物を55℃で15時間撹拌した。0℃に冷却後、反応液の反応を飽和NHCl水溶液で停止した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、得られた水層を酢酸エチルで抽出(30mLで3回)した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相クロマトグラフィー(MeCN水溶液濃度20→80%)によって精製することで、3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(1.7g、収率97%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 296.1 [M+H]
CB:2-(5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)アセトニトリル
Figure 2022520154000244
ステップA
tert-ブチル5-ブロモ-3-ホルミル-1H-インドール-1-カルボキシレート(13.4g、41.3mmol、1.0当量)をジクロロメタン(140ml)中に含む溶液をエチル2-(トリフェニル-λ-5-ホスファニリデン)プロパノエート(37.45g、103.3mmol、2.5当量)で処理し、35℃で24時間撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=10%→20%)によって精製することで、16.4g(収率97%)のtert-ブチル5-ブロモ-3-(3-エトキシ-2-メチル-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレートを黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 408.3 [M+H]
ステップB
tert-ブチル5-ブロモ-3-[(1Z)-3-エトキシ-2-メチル-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-1H-インドール-1-カルボキシレート(16.4g、40.2mmol、1.0当量)、DMF(164mL)、及びTsNHNH(74.80g、401.7mmol、10当量)を含む溶液を110℃で5日間撹拌した。冷却後、酢酸エチル(200mL)を添加し、溶液を水で洗浄(100mLで3回)した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(40分かけて10%→20%に増加))によって精製することで、6.8g(収率55%)のエチル3-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパノエートを黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 310.1 [M+H]
ステップC
エチル3-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパノエート(5.8g、18.7mmol、1.0当量)、THF(60mL)、及びLiBH(1.63g、74.8mmol、4.0当量)を含む溶液を40℃で6時間撹拌した。反応液に飽和NHCl水溶液を30mL添加することによってその反応を停止した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)し、有機層を混合した。有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(35%→55%))によって精製することで、4.85g(収率97%)の3-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパン-1-オールを淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 268.1 [M+H]
ステップD
3-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(2.0g、7.46mmol、1当量)、DMF(20mL)、及び2,6-ジメチルピリジン(3.20g、29.834mmol、4当量)を-20℃で100mLの三つ口フラスコに入れた。最終的に、TBSOTf(5.91g、22.375mmol、3当量)を-20℃で滴下して添加し、得られた溶液を-20℃で8時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(100mL)に注ぎ入れ、HOで洗浄(30mLで3回)した。有機層を濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(10%→20%))によって精製することで、2.2g(収率77%)の5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドールを黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 382.0 [M+H]
ステップE
5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール(2.5g、6.537mmol、1当量)をDMF(25mL)中に含む0℃の溶液をNaH(787mg、19.7mmol、3.01当量、鉱物油中60%分散液)で処理した。そのままの温度で30分間撹拌後、2-ブロモアセトニトリル(1.57g、13.1mmol、2.00当量)を0℃で添加した。得られた溶液を室温で30時間撹拌した。反応液の反応を氷水で停止し、混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合してから濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(5%→15%))によって精製することで、968mg(収率35%)の2-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)アセトニトリルを黄色の油として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.80 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.24-4.08 (m, 1H), 3.56-3.44 (m, 2H), 2.91 (dd, J = 14.3, 5.7 Hz, 1H), 2.45 (dd, J = 14.3, 8.0 Hz, 1H), 2.07 (s, 1H), 2.03-1.90 (m, 1H), 1.57 (s, 2H), 1.28 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 0.94 (d, J = 11.0 Hz, 14H)。
ステップF
2-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)アセトニトリル(1.0g、2.373mmol、1当量)、THF(10mL)、及びTBAF(THF中1M、4.75mL)を含む溶液を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲル(石油エーテル/酢酸エチル(30%→45%))によって精製することで、460mg(収率63%)の2-(5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)アセトニトリルを黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 307.0 [M+H]
下記の化合物は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体CBの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000245
CC:2-(5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパンニトリル
Figure 2022520154000246
ステップA
5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール(2.2g、5.75mmol、1.0当量)、2-ブロモ-2-メチルプロパンアミド(2.87g、17.259mmol、3当量)、PPh(301mg、1.151mmol、0.2当量)、KPO(2.44g、11.506mmol、2当量)、NaOH(230mg、5.75mmol、1.0当量)、及びCuBr(SMe)(237mg、1.151mmol、0.2当量)をトルエン(12mL)中に含む溶液を55℃で15時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(10%→40%))によって精製することで、2-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド(1.7g、収率63.21%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 489.3 [M+Na]
ステップB
2-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド(1.7g、3.64mmol、1.0当量)をジクロロメタン(34mL)中に含む0℃の溶液をEtN(1.47g、14.55mmol、4.0当量)で処理した後、TFAA(1.91g、9.090mmol、2.5当量)で処理した。得られた溶液を室温で一晩撹拌した後、溶液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(4%→15%))によって精製することで、1.15g(収率70%)の2-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパンニトリルを淡黄色の油として得た。H NMR (300 MHz, CDCl-d) δ 7.78 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 3.48 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.89 (dd, J = 14.4, 5.9 Hz, 1H), 2.44 (dd, J = 14.3, 7.9 Hz, 1H), 2.06 (d, J = 1.8 Hz, 6H), 2.00-1.89 (m, 1H), 0.96 (s, 9H), 0.91 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.09 (s, 6H)。
ステップC
2-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパンニトリル(1.15g、2.558mmol、1当量)をTHF(12mL)中に含む0℃の溶液をTBAF(THF中1M、5.12mL)で処理した。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(10%→60%))によって精製することで、840mg(収率98%)の2-(5-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパンニトリルを黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 335.1 [M+H]
CD:(E)-3-(6-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-メチルインドリン-3-イル)アクリロニトリル
Figure 2022520154000247
ステップA
ジエチルプロパンジオエート(4.1mL、27.3mmol、1.2当量)をDMF(32mL)中に含む溶液に、炭酸カリウム(4.71g、34.09mmol、1.5当量)及び4-ブロモ-1-フルオロ-2-ニトロ-ベンゼン(2.8mL、22.73mmol、1.0当量)を室温で添加し、反応混合物を70℃で20時間撹拌した。次に、反応液を50℃に冷却し、追加の炭酸カリウム(3.14g、22.73mmol、1当量)及びヨードメタン(4.24mL、68.18mmol、3当量)を添加し、1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、水及び酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、飽和ブライン溶液で洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。粗混合物を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 374.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.16 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 8.5, 2.2 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.29 - 4.12 (m, 4H), 1.98 (s, 3H), 1.23 (t, J = 7.1 Hz, 6H)。
ジエチル2-(4-ブロモ-2-ニトロ-フェニル)-2-メチル-プロパンジオエート(8.5g、22.7mmol、1.0当量)を酢酸(51mL)中に含む溶液に、鉄(5.08g、90.91mmol、4.0当量)を室温で添加し、反応混合物を95℃で1時間撹拌した。粗混合物を室温に冷却し、celiteのパッドに通してろ過し、酢酸エチルで洗浄してから減圧下で濃縮した。粗混合物を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 298.0 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 10.80 (s, 1H), 7.16 (s, 2H), 7.02 (s, 1H), 4.09 - 3.99 (m, 2H), 1.48 (s, 3H), 1.04 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
ステップB
エチル(3R)-6-ブロモ-3-メチル-2-オキソ-インドリン-3-カルボキシレート(1g、3.35mmol、1.0当量)をDMF(22mL)中に含む溶液に、炭酸カリウム(1.39g、10.06mmol、3.0当量)、[(2R)-3-ブロモ-2-メチル-プロポキシ]-tert-ブチル-ジフェニル-シラン(1.84g、4.7mmol、1.4当量)、及びNaI(50mg、0.34mmol、0.1当量)を室温で添加し、反応混合物を65℃で2日間撹拌した。反応液を室温に冷却し、その反応を水で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。次に、この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製することで、エチル(3R)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-2-オキソ-インドリン-3-カルボキシレート(1.2g、3ステップにわたる収率59%)を得た。ESI-MS m/z = 630.2 [M+Na]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.72 - 7.62 (m, 8H), 7.48 - 7.32 (m, 12H), 7.23 - 7.16 (m, 2H), 7.17 - 7.11 (m, 2H), 7.12 - 7.06 (m, 2H), 4.19 - 3.97 (m, 4H), 3.87 (dd, J = 14.0, 5.3 Hz, 1H), 3.75 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 3.71 - 3.60 (m, 2H), 3.58 - 3.46 (m, 2H), 2.27 - 2.14 (m, 2H), 1.62 (s, 3H), 1.59 (s, 3H), 1.12 (s, 18H), 1.11 - 1.07 (m, 6H), 0.91 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
ステップC
エチル(3R)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-2-オキソ-インドリン-3-カルボキシレート(1.05g、1.73mmol、1.0当量)をTHF(3.4mL)中に含む溶液に、ボランジメチルスルフィド(THF中2M、12.9mL、25.88mmol、15当量)を室温で添加し、反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、MeOHを慎重に滴下して添加し、ガスが観察されなくなるまで撹拌した。粗混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、[(3R)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-イル]メタノール(740mg、収率78%)を得た。ESI-MS m/z = 552.3 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.71 - 7.57 (m, 8H), 7.46 - 7.31 (m, 12H), 6.87 - 6.80 (m, 2H), 6.83 - 6.74 (m, 2H), 6.60 (bs, 2H), 3.68 - 3.39 (m, 10H), 3.28 (dd, J = 13.5, 7.4 Hz, 1H), 3.12 (dd, J = 13.5, 6.6 Hz, 1H), 3.10 - 3.02 (m, 2H), 2.95 (dd, J = 13.5, 7.5 Hz, 1H), 2.80 (dd, J = 13.5, 6.9 Hz, 1H), 1.26 (s, 6H), 1.08 (s, 18H), 1.00 (d, J = 4.3 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 4.3 Hz, 3H)。
ステップD
[(3R)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-イル]メタノール(710mg、1.28mmol)をジクロロメタン(16.0mL)中に含む溶液に、デス・マーチンペルヨージナン(708mg、1.67mmol)を室温で少量ずつ添加し、反応混合物を2時間撹拌した。反応液の反応を重炭酸ナトリウム(水溶液)及びチオ硫酸ナトリウム(水溶液)で停止し、この溶液をジクロロメタンで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製することで、(3R)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-カルバルデヒド(595mg、収率84%)を得た。ESI-MS m/z = 550.1 [M+H]
ステップE
2-ジエトキシホスホリルアセトニトリル(0.28mL、1.73mmol、1.6当量)をTHF(9.1mL)中に含む溶液に、NaH(65mg、1.62mmol、1.5当量、鉱物油中60%分散液)を室温で添加し、反応混合物を5分間撹拌した。次に、(3R)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-カルバルデヒド(595mg、1.08mmol、1当量)を含むTHF(9.0812mL)を添加し、室温で30分間撹拌した。反応液の反応を塩化アンモニウム(水溶液)で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、飽和ブライン溶液で洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製することで、(E)-3-[(3R)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-イル]プロパ-2-エンニトリル(430mg、69.366%)を得た。ESI-MS m/z = 573.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.68 - 7.62 (m, 8H), 7.46 - 7.31 (m, 12H), 6.83 - 6.76 (m, 2H), 6.75 - 6.70 (m, 2H), 6.67 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 6.64 - 6.58 (m, 2H), 5.20 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 3.66 - 3.51 (m, 5H), 3.31 - 3.23 (m, 2H), 3.22 (dd, J = 13.3, 7.2 Hz, 1H), 3.18 - 3.09 (m, 2H), 2.89 (dd, J = 13.6, 7.2 Hz, 1H), 2.80 (dd, J = 13.5, 6.7 Hz, 1H), 1.95 (dtq, J = 19.7, 13.4, 7.2 Hz, 2H), 1.37 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 1.11 - 1.05 (m, 18H), 0.99 (d, J = 3.6 Hz, 3H), 0.97 (d, J = 3.5 Hz, 3H)。
ステップF
(E)-3-[6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-イル]プロパ-2-エンニトリル(430mg、0.75mmol、1.0当量)をTHF(10.7mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1M、0.9mL、0.9mmol、1.2当量)を室温で添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応液の反応を塩化アンモニウム(水溶液)で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、飽和ブライン溶液で洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製した。所望の画分を減圧下で濃縮して乾燥させることで、(E)-3-[6-ブロモ-1-[(2S)-3-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-イル]プロパ-2-エンニトリル(250mg、収率99%)を得た。ESI-MS m/z = 335.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 6.89 - 6.85 (m, 2H), 6.81 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 16.5 Hz, 1H)6.78 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.75 - 6.69 (m, 2H), 5.28 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 3.68 - 3.57 (m, 4H), 3.49 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.40 - 3.31 (m, 2H), 3.22 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 13.7, 8.2 Hz, 1H), 3.11 (dd, J = 13.6, 7.7 Hz, 1H), 2.96 (dd, J = 13.6, 6.6 Hz, 1H), 2.88 (dd, J = 13.6, 6.1 Hz, 1H), 2.11 - 1.97 (m, 1H), 1.45 (s, 3H), 1.44 (s, 3H), 0.98 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
CE:6-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-メチルインドリン-3-カルボニトリル
Figure 2022520154000248
ステップA
6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-カルバルデヒド(290mg、0.53mmol、1.0当量)をエタノール(5.3mL)中に含む溶液に、NHOH・HCl(110mg、1.58mmol、3.0当量)及びピリジン(0.21mL、2.63mmol、5.0当量)を室温で添加し、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、1NのHCl水溶液を添加した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。粗混合物を、追加精製せずに次のステップに使用した。
(3E)-6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-カルバルデヒドオキシム(298mg、0.53mmol、1当量)をジクロロメタン(3.5mL)中に含む溶液に、ジ(イミダゾール-1-イル)メタノン(171mg、1.05mmol、2.0当量)を室温で添加し、反応混合物を20時間撹拌した。粗混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって直接精製することで、6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-カルボニトリル(255mg、収率88%)を得た。ESI-MS m/z = 547.2 [M+H]
ステップB
6-ブロモ-1-[(2S)-3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-カルボニトリル(255mg、0.47mmol、1.0当量)をTHF(6.5mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1M、0.56mL、0.56mmol、1.2当量)を室温で添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応液の反応を塩化アンモニウム(水溶液)で停止し、この溶液を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。次に、有機溶液を分離し、脱水(硫酸マグネシウム)してから濃縮して乾燥させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に酢酸エチル及びヘキサンを用いた)によって精製することで、6-ブロモ-1-[(2S)-3-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル]-3-メチル-インドリン-3-カルボニトリル(105mg、収率73%)を得た。ESI-MS m/z = 309.1 [M+H]
CG:tert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-2-メトキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート
Figure 2022520154000249
tert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートを、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用して6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-3-カルボニトリルから合成した。
tert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(300mg、0.50mmol、1.0当量)をMeOH/THF(1:4)(5.0mL)中に含む撹拌溶液に、TMS-ジアゾメタン(853g、7.5mmol、15当量)を0℃で添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水で洗浄(30mLで2回)し、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相クロマトグラフィー(ギ酸を含むMeCN/水)によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-2-メトキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(180mg、収率60%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 616.1 [M+H]
CH:メチル(S)-1-((S)-3-(3-(1-(3-アセトキシプロピル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート
Figure 2022520154000250
メチル(S)-1-((S)-3-(3-(1-(3-アセトキシプロピル)-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-アミノプロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレートを、方法Bに記載のものと同様の条件を使用して3-(6-ブロモ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-1-イル)プロピルアセテートから合成した。
メチル(S)-1-((S)-3-(3-(1-(3-アセトキシプロピル)-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-アミノプロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(230mg、0.227mmol、1当量)をMeOH(10mL)中に含む溶液をPd/C(炭素への担持率10%、50mg)で処理した。混合物をHで3回パージした後、水素雰囲気下で15時間撹拌した。固体をろ過して除去し、溶媒を減圧下で除去することで、メチル(S)-1-((S)-3-(3-(1-(3-アセトキシプロピル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(202mg)を得た。これを、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 863.6 [M+H]
CI:tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-ブロモ-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート
Figure 2022520154000251
ステップA
6-ヨード-1H-インドール(7.00g、28.80mmol、1.0当量)、[(2R)-3-ブロモ-2-メチルプロポキシ](tert-ブチル)ジフェニルシラン(12.40g、31.68mmol、1.1当量)、及びCsCO(23.46g、72.00mmol、2.5当量)をDMF中に含む溶液を80℃で14時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(8:1)を用いた)によって精製することで、(S)-3-(6-ヨード-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(4.0g、収率44%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 316.0 [M+H]
ステップB
(S)-3-(6-ヨード-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(4.00g、12.69mmol、1.0当量)をDMF(40.0ml)中に含む溶液に、NBS(2.48g、13.96mmol、1.1当量)を含むDMF(10mL)を0℃で滴下して添加した。そのままの温度で溶液を1時間維持した。水を添加し、溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いた)によって精製することで、(S)-3-(3-ブロモ-6-ヨード-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(3.2g、収率60%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 392.0 [M-H]
ステップC
(S)-3-(3-ブロモ-6-ヨード-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(3.20g、4.64mmol、1.0当量)及び(2S)-3-(3-ブロモ-6-ヨード-1H-インドール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(1.83g、4.64mmol、1.0当量)をジオキサン(25mL)及びHO(5.0mL)中に含む撹拌溶液に、KCO(1.60g、11.60mmol、2.5当量)及びPd(DTBPF)Cl(0.30g、0.46mmol、0.1当量)を少量ずつ添加した。溶液を50℃で3時間撹拌してから濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いた)によって精製することで、メチル(S)-1-((S)-3-(3-(3-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(2.9g、収率75%)を油として得た。ESI-MS m/z = 829.4 [M+H]
ステップD
メチル(S)-1-((S)-3-(3-(3-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(2.90g、3.49mmol、1.0当量)をDCE(30mL)中に含む撹拌溶液に、トリメチルスタンナノール(3.16g、17.47mmol、5.0当量)を滴下して添加した。60℃で14時間撹拌後、溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(2:1)を用いた)によって精製することで、(S)-1-((S)-3-(3-(3-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(2.7g、収率95%)を油として得た。ESI-MS m/z = 815.3 [M+H]
ステップE
(S)-1-((S)-3-(3-(3-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(4.00g、4.90mmol、1.0当量)及びDIEA(15.84g、122.56mmol、25.0当量)をジクロロメタン(40mL)中に含む撹拌溶液に、HOBT(3.97g、29.42mmol、6.0当量)及びEDCI(15.04g、78.439mmol、16当量)を0℃で少量ずつ添加した。室温で16時間撹拌後、溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いた)によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-ブロモ-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(2.3g、収率59%)を褐色の固体として得た。ESI-MS m/z = 797.3 [M+H]
CJ:tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート
Figure 2022520154000252
tert-ブチル((6S,4S,10S)-10-メチル-1-(2-メチル-3-オキソブタン-2-イル)-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートを、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用して(S)-3-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1-インドール-3-イル)-3-メチルブタン-2-オンから合成した。
tert-ブチル((6S,4S,10S)-10-メチル-1-(2-メチル-3-オキソブタン-2-イル)-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(400mg、0.498mmol、1.0当量)をMeOH(10mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、NaBH(75mg、1.99mmol、4.0当量)を少量ずつ添加した。混合物を室温で4時間撹拌した後、水(200mL)を添加した。得られた混合物をEAで抽出(200mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(100mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(350mg、収率70%)を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 805.4 [M+H]
CK:tert-ブチル-((6S,4S,10S)-1-((E)-1-(メトキシイミノ)エチル)-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート
Figure 2022520154000253
tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-アセチル-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートを、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用して(S)-1-(6-ブロモ-1-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-1H-インドール-3-イル)エタン-1-オンから合成した。
tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-アセチル-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(350mg、0.46mmol、1.0当量)をMeOH(3.0mL)に溶解し、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(385mg、4.6mmol、10当量)を添加した。混合物を15℃で10分間撹拌した後、NaHCO(386mg、4.6mmol、10当量)を少量ずつ添加した。反応混合物を8時間撹拌した。ろ過及び濃縮後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油/酢酸エチル=1:1)によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-((E)-1-(メトキシイミノ)エチル)-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(330mg、収率90%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 790.4[M+Na]
CL:tert-ブチル((6S,4S)-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート
Figure 2022520154000254
tert-ブチル((6S,4S)-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートを、(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミドの合成について記載したものと同様の手順を使用して3-(6-ブロモ-3-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オールから合成した。
tert-ブチル((6S,4S)-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(78mg、0.12mmol、1当量)及びPd/C(50mg、0.47mmol、4.05当量)をMeOH(1mL)中に含む溶液をHで3回パージした。得られた溶液をH雰囲気下で2時間撹拌した。固体をろ過して除去し、得られた混合物を濃縮することで、tert-ブチル((6S,4S)-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(55mg)を暗黄色の油として得た。この油を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 675.5 [M+H]
CM:tert-ブチル((6S,4S)-1-エチニル-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート
Figure 2022520154000255
tert-ブチル((6S,4S)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-1-((トリメチルシリル)エチニル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートを、(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミドの合成について記載したものと同様のプロトコールを使用して3-(6-ブロモ-3-((トリメチルシリル)エチニル)-1H-インダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オールから合成した。
tert-ブチル((6S,4S)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-1-((トリメチルシリル)エチニル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(220mg、0.26mmol、1.0当量)をTHF(3mL)中に含む0℃の溶液をTBAF(1M、0.132mL、0.13mmol、0.5当量)で処理した。得られた溶液を0℃で2時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(3/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチル((6S,4S)-1-エチニル-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(150mg、収率85%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 602.3 [M+H]
CN:tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(2-シアノエチル)-2-ヒドロキシ-13,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-8-オキサ-1(6,1)-インドリナ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート
Figure 2022520154000256
tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-((E)-2-シアノビニル)-2-ヒドロキシ-13,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-8-オキサ-1(6,1)-インドリナ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートを、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用して(E)-3-(6-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-メチルインドリン-3-イル)アクリロニトリルから合成した。
(E)-3-(6-ブロモ-1-((S)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-メチルインドリン-3-イル)アクリロニトリルから合成したtert-ブチル((6S,4S,10S)-1-((E)-2-シアノビニル)-2-ヒドロキシ-13,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-8-オキサ-1(6,1)-インドリナ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(73mg、0.12mmol、1.0当量)をTHF(2.3mL)含む溶液に、Pd/C(10wt%、37mg、0.03mmol、0.3当量)を添加し、1atmのH下で20時間撹拌した。粗混合物をceliteのパッドに通してろ過し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル及びヘキサンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(2-シアノエチル)-2-ヒドロキシ-13,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-8-オキサ-1(6,1)-インドリナ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(51mg、収率70%)を得た。ESI-MS m/z = 654.2 [M+Na]
CO:(S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-メチルブタン酸
Figure 2022520154000257
ステップA
ベンジルN-(2-オキソエチル)カルバメート(11.88g、1.2当量)をメタノール(120mL)中に含む溶液に、tert-ブチル(2S)-2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(10.70g、1当量)を添加した。0℃に冷却後、反応温度を0℃~10℃に維持しながらシアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.6g、3.0当量)を少量ずつ添加した。得られた混合物に無水酢酸(3.1g、1.0当量)を添加した。得られた溶液を25℃で4時間撹拌した。次に、反応液に氷水を200mL添加することによってその反応を停止した。得られた溶液をジクロロメタンで抽出(200mLで3回)した。有機溶液をブライン(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮した。粗生成物をC18逆相クロマトグラフィー(0.1%のギ酸の存在下でアセトニトリル水溶液濃度85→95%)によって精製することで、所望の生成物(5g)を得た。ESI-MS m/z = 351.2 [M+H]
ステップB
tert-ブチル(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)エチル)-L-バリネート(2.4g、6.9mmol)をメタノール(10mL)中に含む溶液に、窒素下で10%炭素担持パラジウム(1.2g)を添加した。懸濁液を減圧下で脱気し、水素で3回パージした。混合物を水素下で14時間撹拌した。反応混合物をろ過してから濃縮することで、所望の生成物(収率74%)を白色の固体として得た。この固体を、精製せずに次のステップ反応に使用した。計算MW: 216.2;ESI-MS m/z = 217 [M+H]
ステップC
tert-ブチル(2-アミノエチル)-L-バリネート(1.1g、5.09mmol)をDMF(10mL)に溶解し、ビス(4-ニトロフェニル)カーボネート(1.9g、1.2当量)で処理した。得られた溶液を60℃で14時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、50mLの氷水を添加した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出(50mLで2回)し、有機溶液を水で洗浄(100mlで2回)し、脱水してから濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中のメタノール濃度0→10%)によって精製することで、所望の生成物(収率49%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 243.1 [M+H]
ステップD
tert-ブチル(S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-メチルブタノエート(0.05g、206umol)をジクロロメタン(1mL)中に含む0℃の混合物に、トリエチルアミン(57uL、410umol)を添加した後、アクリロイルクロリド(20uL、250umol)を添加した。混合物を1時間撹拌した後、ジクロロメタン(2mL)で希釈し、水(2mL)及びブライン(4mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから15℃、減圧下で濃縮して粗生成物を黄色の油として得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル濃度15→25%)によって精製することで、所望の生成物(収率83%)を白色の固体として得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ 7.61 (dd, J=10.5, 17.1 Hz, 1H), 6.49 (dd, J=2.0, 17.0 Hz, 1H), 5.79 (dd, J=2.0, 10.4 Hz, 1H), 4.21 (d, J=9.7 Hz, 1H), 3.98 - 3.76 (m, 3H), 3.47 (dt, J=6.5, 9.1 Hz, 1H), 2.25 - 2.13 (m, 1H), 1.53 - 1.45 (m, 9H), 1.04 (d, J=6.6 Hz, 3H), 0.96 (d, J=6.6 Hz, 3H)。
ステップE
tert-ブチル(S)-3-メチル-2-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ブタノエート(0.05g、168umol)をジクロロメタン(0.5mL)中に含む溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を0℃で添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮することで、所望の生成物(0.041g)を黄色の固体として得た。この固体を、追加精製せずに使用した。
CP:(S)-3-メチル-2-(2-オキソ-3-(ビニルスルホニル)イミダゾリジン-1-イル)ブタン酸
Figure 2022520154000258
ステップA
tert-ブチル(S)-3-メチル-2-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ブタノエート(80mg、0.33mmol、1.0当量)をジクロロメタン(4mL)中に含む溶液に、ピリジン(1mL)及びエテンスルホニルクロリド(54mg、0.43mmol、1.3当量)を0℃で添加した。反応液を0℃で2時間撹拌してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を、精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 333.1 [M+H]
ステップB
tert-ブチル(S)-3-メチル-2-(2-オキソ-3-(ビニルスルホニル)イミダゾリジン-1-イル)ブタノエート(60mg、0.18mmol、1.0当量)を、トリフルオロ酢酸(2mL)及びジクロロメタン(4mL)の混合物を用いて0℃で処理した。反応液を0℃で2時間撹拌した。残留物を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を、追加精製しなかった。
CQ:(S)-3-メチル-2-(2-オキソ-4-(ビニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)ブタン酸
Figure 2022520154000259
ステップA
tert-ブチルグリシル-L-バリネート(2.3g、10.0mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(3.03g、30.0mmol、3.0当量)を含む0℃のジクロロメタン(30ml)に、2-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(2.43g、11.0mmol、1.1当量)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。0℃に冷却後、得られた混合物の反応を氷水(30mL)で停止した。混合物をジクロロメタンで抽出(60mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(40mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、ろ液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%の酢酸エチルを含む石油エーテル)による精製を行うことで、所望の生成物(収率84%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 416.1 [M+H]H NMR (300 MHz, CDCl) δ 8.16-8.13 (m, 1H), 7.96-7.93 (m, 1H), 7.81-7.76 (m, 2H), 6.67 (d, J=6.0 Hz, 1H), 6.26-6.22 (m, 1H), 4.43-4.38 (m, 1H), 3.86 (d, J=6.0 Hz, 2H), 2.19-2.12 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 0.92-0.88 (m, 6H)。
ステップB
tert-ブチル((2-ニトロフェニル)スルホニル)グリシル-L-バリネート(3.8g、9.15mmol、1.0当量)をDMF(50mL)中に含む0℃の溶液に、1,2-ジブロモエタン(17.0g、91.5mmol、10.0当量)及び炭酸カリウム(12.6g、91.5mmol、10.0当量)を添加した。混合物を50℃で18時間撹拌した後、氷水(60mL)に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出(120mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(50mlで2回)し、脱水し、ろ過してから濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(30%の酢酸エチルを含む石油エーテル)によって精製することで、所望の生成物(収率60%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 442.1 [M+H]
ステップC
tert-ブチル(S)-3-メチル-2-(4-((2-ニトロフェニル)スルホニル)-2-オキソピペラジン-1-イル)ブタノエート(2.3g、5.21mmol、1.0当量)、炭酸カリウム(3.6g、10.42mmol、2.0当量)、及びチオフェノール(1.15g、10.42mmol、5.0当量)をDMF(30mL)中に含む溶液を4時間撹拌した。固体をろ過して除去し、ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製を行うことで、所望の生成物(収率90%)を透明な油として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 4.9(d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.63(s, 2H), 3.54-3.48(m, 1H), 3.31-3.25(m, 1H), 3.11-3.05(m, 2H), 2.51-2.35(m, 1H), 1.48(s, 9H), 1.15-0.85(m, 6H)。
ステップD
tert-ブチル(S)-3-メチル-2-(2-オキソピペラジン-1-イル)ブタノエート(300mg、1.17mmol、1.0当量)をジクロロメタン(10mL)中に含む溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(453mg、3.1mmol、3.0当量)及びエテンスルホニルクロリド(221mg、1.75mmol、1.5当量)を0℃で添加した。反応液を0℃で2時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を逆相HPLC(0.05%のギ酸の存在下でアセトニトリル水溶液濃度5→95%)によって精製することで、所望の生成物(収率40%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 347.4 [M+H]H NMR (300 MHz, CDOD) δ 6.79-6.69 (m, 1H), 6.32-6.18 (m, 2H), 4.62 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.90 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 3.68-3.40 (m, 4H), 2.31-2.23 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.07-0.91 (m, 6H)。
ステップE
tert-ブチル(S)-3-メチル-2-(2-オキソ-4-(ビニルスルホニル)ピペラジン-1-イル)ブタノエート(50mg、0.16mmol、1.0当量)及びトリフルオロ酢酸(1mL)をジクロロメタン(3mL)中に含む0℃の溶液を2時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮して表題化合物を得た。この化合物を、追加精製せずに使用した。
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体CQの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000260
CR:tert-ブチル(S)-2-((R)-3-アミノ-2-オキソピロリジン-1-イル)-3-メチルブタノエートの合成
Figure 2022520154000261
ステップA
(2R)-2-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-4-(メチルスルファニル)ブタン酸(15g、52.940mmol、1当量)をDMF(200mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、tert-ブチル(2S)-2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(12.21g、58.2mmol、1.10当量)、DIEA(17.11g、132.3mmol、2.5当量)、及びHATU(24.16g、63.5mmol、1.2当量)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した後、水(1L)で希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(500mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(500mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出にEA/PE(1:5→1:4)を用いた)によって精製することで、tert-ブチル((ベンジルオキシ)カルボニル)-D-メチオニル-L-バリネート(20g、収率78%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 439.3 [M+H]
ステップB
tert-ブチル((ベンジルオキシ)カルボニル)-D-メチオニル-L-バリネート(20g、45.602mmol、1当量)をアセトン(200mL)中に含む撹拌溶液に、ヨードメタン(30mL)を添加した。得られた混合物を室温で48時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。この粗生成物をアセトニトリル(200mL)中に含めた混合物に、CsCO(44.57g、136.8mmol、3.0当量)を添加した。60℃で4時間撹拌後、水(1L)を添加した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(500mLで2回)した。有機層を混合し、水で洗浄(500mLで2回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相クロマトグラフィー(0.1%のFAの存在下でアセトニトリル水溶液濃度70→75%)によって精製することで、tert-ブチル(S)-2-((R)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-3-メチルブタノエート(11g、収率55.60%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 391.3 [M+H]
ステップC
tert-ブチル(2S)-2-[(3R)-3-[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]-2-オキソピロリジン-1-イル]-3-メチルブタノエート(1.5g、3.841mmol、1当量)を酢酸エチル(15mL)中に含む撹拌溶液に、Pd/C(10%、500mg、4.7mmol、1.22当量)を少量ずつ添加した。溶液をHでパージし、水素雰囲気下、40℃で16時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、フィルター上のケーキを酢酸エチルで洗浄(10mLで3回)した。ろ液を減圧下で濃縮することで、tert-ブチル(2S)-2-[(3R)-3-アミノ-2-オキソピロリジン-1-イル]-3-メチルブタノエート(800mg、収率73%)を淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 257.2 [M+H]
CS:tert-ブチル(S)-3-メチル-2-((R)-3-(メチルアミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)ブタノエート
Figure 2022520154000262
ステップA
tert-ブチル(S)-2-((R)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-3-メチルブタノエート(1.5g、3.841mmol、1当量)をTHF(15mL)中に含む撹拌溶液に、NaH(232mg、5.8mmol、1.5当量、60%)を数回のバッチに分けて0℃で添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した後、ヨードメタン(821mg、5.784mmol、1.51当量)を滴下して添加した。得られた混合物を0℃でさらに1.5時間撹拌した後、飽和NHCl水溶液(10mL)を添加し、減圧下で濃縮した。得られた混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(200mLで3回)した。有機層を混合し、水で洗浄(100mLで2回)し、ブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、tert-ブチル(S)-2-((R)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-3-メチルブタノエート(1.6g、収率87%)を淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 405.3 [M+H]
ステップB
tert-ブチル(S)-2-((R)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)-3-メチルブタノエート(800mg、1.978mmol、1当量)を酢酸エチル(15mL)中に含む撹拌溶液に、Pd/C(10mol%、320mg、3.007mmol、1.52当量)を少量ずつ添加した。溶液を水素ガスでパージし、水素雰囲気下、40℃で24時間撹拌した。懸濁液をろ過し、フィルター上のケーキを酢酸エチルで洗浄(10mLで3回)した。ろ液を減圧下で濃縮することで、tert-ブチル(S)-3-メチル-2-((R)-3-(メチルアミノ)-2-オキソピロリジン-1-イル)ブタノエート(460mg、収率73%)を淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 271.2 [M+H]
CT:tert-ブチルN-(アゼチジン-3-カルボニル)-N-エチル-L-バリネート
Figure 2022520154000263
ステップA
N-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N-エチル-L-バリン(880mg、3.15mmol、1.0当量)及びtert-ブチル3,3,3-トリクロロ-2-イミノプロパノエート(3.09g、12.53mmol、4.0当量)をTHF/ジクロロメタン(1:4、10mL)中に含む溶液を室温で6日間撹拌した。粗生成物を、以下の条件(MeCN濃度0%→100%)で逆相クロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチルN-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N-エチル-L-バリネート(520mg、収率49%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 336.4 [M+H]
ステップB
tert-ブチルN-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N-エチル-L-バリネート(500mg、1.49mmol、1.0当量)及びPd/C(10%、50mg、0.47mmol、0.3当量)をMeOH(5.0mL)中に含む溶液を水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。混合物をceliteに通してろ過した。ろ液を濃縮することで、tert-ブチルエチル-L-バリネート(270mg、収率90%)を油として得た。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 2.77 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 2.65 - 2.52 (m, 1H), 2.38 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 1.78 (dt, J = 13.3, 6.8 Hz, 1H), 1.43 (t, J = 1.5 Hz, 9H), 0.99 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.88 (dt, J = 6.2, 2.7 Hz, 6H)。
ステップC
tert-ブチルエチル-L-バリネート(265mg、1.32mmol、1.0当量)、DIEA(510mg、3.95mmol、3.0当量)、1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼチジン-3-カルボン酸(371mg、1.58mmol、1.2当量)、及びHATU(751mg、1.98mmol、1.5当量)をCHCl(3.0mL)中に含む溶液を0℃で1時間撹拌した。残留物を分取TLC(PE/酢酸エチル 1:1)によって直接精製することで、ベンジル(S)-3-((1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(エチル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレート(500mg、収率91%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 419.4 [M+H]
ステップD
ベンジル(S)-3-((1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(エチル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレート(460mg、1.10mmol、1.0当量)及びPd/C(10%、150mg、1.41mmol、1.28当量)を酢酸エチル/MeOH(1:1、8mL)中に含む溶液をH雰囲気下、室温で3時間撹拌した。得られた混合物をceliteに通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで、tert-ブチルN-(アゼチジン-3-カルボニル)-N-エチル-L-バリネート(300mg、収率96%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 285.2 [M+H]
CU:tert-ブチル(S)-3-シクロブチル-2-(メチルアミノ)プロパノエート
Figure 2022520154000264
ステップA
(2S)-2-アミノ-3-シクロブチルプロパン酸(3.0g、20.9mmol、1当量)をTHF(30mL)及びHO(30mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、重炭酸ナトリウム(5.28g、62.9mmol、3.0当量)及びベンジル2,5-ジオキソピロリジン-1-イルカーボネート(7.83g、31.4mmol、1.5当量)を少量ずつ添加した。混合物を室温で16時間撹拌した後、1NのHCl水溶液で酸性化してpH5にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(150mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(2:1)を用いた)によって精製することで、(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-シクロブチルプロパン酸(5.4g、収率74%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 278.1 [M+H]
ステップB
(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-シクロブチルプロパン酸(5.4g、19.5mmol、1当量)、トルエン(55mL)、パラホルムアルデヒド(5.84g、194.721mmol、10.0当量)、及びTsOH(0.34g、1.95mmol、0.10当量)を含む溶液を100℃で16時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いた)によって精製することで、ベンジル(S)-4-(シクロブチルメチル)-5-オキソオキサゾリジン-3-カルボキシレート(2.5g、収率35%)を黄色の油として得た。H-NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 7.45 - 7.35 (m, 5H), 5.45 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.24 - 5.06 (m, 2H), 4.27 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 2.32 (h, J = 8.3 Hz, 1H), 2.10 - 1.90 (m, 3H), 1.89 - 1.46 (m, 5H)。
ステップC
ベンジル(S)-4-(シクロブチルメチル)-5-オキソオキサゾリジン-3-カルボキシレート(2.5g、8.641mmol、1当量)をトリクロロメタン(30mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、EtSiH(6.98mL)を添加した後、TFA(15mL)を滴下して添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(PE/酢酸エチル 2:1)によって精製することで、(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-シクロブチルプロパン酸(2.2g、収率79%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 292.2 [M+H]
ステップD
(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-シクロブチルプロパン酸(2.2g、7.551mmol、1当量)及びtert-ブチル3,3,3-トリクロロ-2-イミノプロパノエート(14.89g、60.409mmol、8当量)を含むTHF(5mL)を室温で2日間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をろ過し、フィルター上のケーキをジクロロメタンで洗浄(50mLで3回)した。ろ液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いた)によって精製することで、tert-ブチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-シクロブチルプロパノエート(2.3g、収率70%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 370.2 [M+Na]
ステップE
tert-ブチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-シクロブチルプロパノエート(2.3g、6.620mmol、1当量)をトルエン(30mL)中に含む溶液をPd/C(500mg、炭素への担持率5%)で処理した。溶液を水素でパージし、反応混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、フィルター上のケーキを酢酸エチルで洗浄(100mLで3回)した。ろ液を減圧下で濃縮することで、tert-ブチル(S)-3-シクロブチル-2-(メチルアミノ)プロパノエート(1.9g、粗生成物)を黄色の油として得た。粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 214.3 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体CUの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000265
CV:N-(1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(PH-SF-42H)
Figure 2022520154000266
ステップA
tert-ブチル(2S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタノエート(1.5g、8.01mmol、1.0当量)及びDIEA(2.1g、16.02mmol、2.0当量)をジクロロメタン(15mL)中に含む撹拌溶液に、1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼチジン-3-カルボン酸(1.9g、8.01mmol、1当量)及びCIP(3.3g、12.01mmol、1.5当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した後、溶液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(0.1%のTEAを含む石油エーテル/酢酸エチル=5:1)によって精製することで、ベンジル3-[[(2S)-1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル](メチル)カルバモイル]アゼチジン-1-カルボキシレート(1.2g、37%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 427.40 [M+Na]
ステップB
ベンジル3-[[(2S)-1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル](メチル)カルバモイル]アゼチジン-1-カルボキシレート(1.2mg、1当量)をアセトニトリル(20mL)中に含む溶液に、Pd/C(10%、120mg)を窒素雰囲気下で添加した。混合物を水素雰囲気下で4時間撹拌し、celiteに通してろ過してから減圧下で濃縮した。粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 271.20 [M+H]
ステップC
tert-ブチルN-(アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(6g、22.19mmol、1.0当量)をジクロロメタン(50mL)中に含む0℃の溶液に、トリエチルアミン(3.4g、33.29mmol、1.5当量)を添加した後、2-クロロ塩化アセチル(2.8g、24.41mmol、1.10当量)を滴下して添加した。得られた溶液を0℃で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(0.1%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度を10→50%)によって精製することで、tert-ブチルN-(1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(2.03g、収率26%)を淡褐色の油として得た。H-NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 4.57-4.51 (m, 1H), 4.42-4.37 (m, 1H), 4.35-4.24 (m, 1H), 5.30-4.12 (s, 3H), 3.96-3.81 (m, 2H), 2.81-2.76 (m, 3H), 2.17-2.08 (m, 1H), 1.42 (s, 9H), 0.95 (d, J = 6.6Hz, 3H), 0.79 (d, J= 4.4Hz, 3H)。
ステップD
tert-ブチルN-(1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(200mg、0.58mmol、1当量)をジクロロメタン(4mL)中に含む0℃の溶液をトリフルオロ酢酸(2mL)で処理した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌した後、室温で3時間撹拌した。得られた混合物を濃縮することで、N-(1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(220mg)を粗固体として得た。この粗固体を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 291.1 [M+H]
下記の化合物は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体CVの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000267
Figure 2022520154000268
CW:N-(1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン
Figure 2022520154000269
ステップA
tert-ブチルN-(アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(1g、3.70mmol、1当量)、MeCN(10mL)、DIEA(1.4g、11.10mmol、3当量)、ブタ-2-イン酸(373.1mg、4.44mmol、1.2当量)、及びCIP(1.5g、5.55mmol、1.5当量)を含む溶液を0℃で1時間撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(2:3))によって精製することで、tert-ブチルN-(1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(1.0g、収率80%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 337.4 [M+H]
ステップB
N-(1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリンは、N-(1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリンの合成について記載したものと同様の手順を使用してtert-ブチルN-(1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリネートから調製した。ESI-MS m/z = 281.2 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体CWの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000270
CX:N-(1-アクリロイル-3-フルオロアゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン
Figure 2022520154000271
ステップA
1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-3-フルオロアゼチジン-3-カルボン酸(220mg、1.004mmol、1.0当量)、tert-ブチル(2S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタノエート(225.55mg、1.204mmol、1.2当量)、及びDIEA(389mg、3.01mmol、3当量)をアセトニトリル(3.0mL)中に含む0℃の溶液に、HATU(763mg、2.01mmol、2当量)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。溶液を100mLの酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水層を50mlのNHClで2回洗浄し、50mLのブラインで2回洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(0.1%のFAの存在下でアセトニトリル水溶液濃度5→95%)によって精製することで、tert-ブチル(S)-3-((1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)-3-フルオロアゼチジン-1-カルボキシレート(360mg、収率92%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 411.2 [M+Na]
ステップB
tert-ブチル(S)-3-((1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)-3-フルオロアゼチジン-1-カルボキシレート(360mg、0.927mmol、1.0当量)及びTFA(2mL)をジクロロメタン(4mL)中に含む溶液を0℃で2時間撹拌した。固体を減圧下で濃縮することで、N-(3-フルオロアゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(220mg)(粗生成物)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 233.4 [M+H]
ステップC
N-(1-アクリロイル-3-フルオロアゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(220mg、0.947mmol、1.0当量)及びDIEA(367.27mg、2.842mmol、3当量)をジクロロメタン(4.0mL)中に含む0℃の溶液に、プロパ-2-エノイルクロリド(103mg、1.14mmol、1.2当量)を添加した。得られた溶液を0℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(0.1%FAの存在下でアセトニトリル水溶液濃度5→95%)によって精製することで、N-(1-アクリロイル-3-フルオロアゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(収率37%)を淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 287.1 [M+H]
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体CXの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000272
CY:N-((R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボニル)-N-メチル-L-バリン
Figure 2022520154000273
ステップA
tert-ブチル(R)-アゼチジン-2-カルボキシレートを酢酸エチル(30mL)中に含む溶液に、アクリロイルクロリド(2.2g、25mmol、1.0当量)を0℃で滴下して添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した後、水を添加した。層を分離し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル濃度33→50%)によって精製することで、tert-ブチル(R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボキシレート(3.5g)を白色の油として得た。ESI-MS m/z = 212.1 [M+H]
ステップB
tert-ブチル(R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボキシレート(3.5g、16.5mmol、1.0当量)をジクロロメタン(16.0mL)中に含む溶液に、TFA(48.0mL)を20℃で添加した。得られた溶液を20℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去することで、(R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボン酸(4.0g)を白色の固体として得た。この粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。ESI-MS m/z = 156.1 [M+H]
ステップC
(R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボン酸(粗物質4.0g、13.2mmol、1.0当量)及びtert-ブチルメチル-L-バリネート(5g、26.4mmol、2.0当量)をDMF(30mL)中に含む撹拌溶液に、20℃で、DIEA(8g、66mmol、5.0当量)を添加した後、HATU(7.4mg、19.8mmol、1.5当量)を添加した。得られた溶液を1時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(100mL)及び水(40mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水で洗浄(30mLで3回)し、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相クロマトグラフィー(0.1%のギ酸を含むMeCN/水)によって精製することで、tert-ブチルN-((R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(1.2g、P:98%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 325.2 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 6.33 (ddd, J = 17.0, 10.3, 2.9 Hz, 0.5H), 6.17 - 5.77 (m, 2H), 5.69 (dd, J = 10.3, 1.7 Hz, 0.5H), 5.62 - 5.42 (m, 1.5H), 5.33 - 5.06 (m, 0.5H), 4.42 (dd, J = 10.3, 3.7 Hz, 0.5H), 4.12 (dt, J = 11.3, 6.3 Hz, 1H), 3.96 - 3.75 (m, 1.5H), 3.69 (d, J = 10.4 Hz, 0.5H), 2.91 (d, J = 15.0 Hz, 0.5H), 2.83 (s, 1H), 2.75 (d, J = 13.1 Hz, 0.5H), 2.72 (s, 1.5H), 2.16 (ddd, J = 10.3, 8.7, 5.3 Hz, 1H), 2.10 - 1.89 (m, 1H), 1.41 (d, J = 4.6 Hz, 9H), 0.95 (t, J = 5.8 Hz, 3H), 0.86 (dd, J = 6.6, 3.4 Hz, 1.5H), 0.82 - 0.73 (m, 1.5H)。
ステップD
tert-ブチルN-((R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(38mg、0.116mmol、1.0当量)をジクロロメタン(1.0mL)中に含む溶液を、TFA(0.5mL)を用いて20℃で処理した。得られた溶液を20℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去することで、N-((R)-1-アクリロイルアゼチジン-2-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(40mg)を黄色の油として得た。この粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。ESI-MS m/z = 269.1 [M+H]
下記の化合物は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体CYの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000274
CZ:(R)-3-メチル-2-(ビニルスルホンアミドメチル)ブタン酸
Figure 2022520154000275
ステップA
tert-ブチルメチル-L-バリネート(350mg、1.86mmol、1.0当量)及び[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシン(587mg、2.8mmol、1.5当量)をDMF(5mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、DIEA(2400mg、18.7mmol、10当量)を0℃で滴下して添加した。5分後、COMU(1600mg、3.7mmol、2当量)を5分かけて少量ずつ添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。得られた混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出(20mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をC18逆相クロマトグラフィー(0.05%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度0%→100%)によって精製することで、tert-ブチルN-(((ベンジルオキシ)カルボニル)グリシル)-N-メチル-L-バリネート(469mg、収率66%)をオレンジ色の油として得た。ESI-MS m/z = 401.3 [M+Na]
ステップB
tert-ブチルN-(((ベンジルオキシ)カルボニル)グリシル)-N-メチル-L-バリネート(459mg、1.21mmol、1.0当量)及びPd/C(150mg、1.41mmol、1.16当量)を酢酸エチル(5mL)中に含む溶液を水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、フィルター上のケーキを酢酸エチルで洗浄(20mLで3回)した。ろ液を減圧下で濃縮することで、tert-ブチルグリシル-L-バリネート(281mg、収率95%)を黄色の油として得た。粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 231.3 [M+H]
ステップC
tert-ブチルグリシル-L-バリネート(120mg、0.49mmol、1.0当量)及びTEA(149mg、1.47mmol、3.0当量)をジクロロメタン(2.5mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、2-クロロ塩化アセチル(83mg、0.73mmol、1.50当量)を滴下して添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。ろ過後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物をC18逆相クロマトグラフィー(0.5%のNHHCOの存在下でMeCN濃度0%→100%)によって精製することで、tert-ブチルN-((2-クロロアセチル)グリシル)-N-メチル-L-バリネート(104mg、収率66%)を褐色の油として得た。ESI-MS m/z = 321.2 [M+H]
ステップD
tert-ブチルN-((2-クロロアセチル)グリシル)-N-メチル-L-バリネート(100mg、0.31Mmol、1.0当量)をジクロロメタン(0.8mL)中に含む撹拌溶液に、TFA(0.5mL)を0℃で滴下して添加した。2時間後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を5mLのトルエンで希釈し、再び減圧下で濃縮した。上記の手順をさらにもう一回繰り返し、(R)-3-メチル-2-(ビニルスルホンアミドメチル)ブタン酸(148mg)を褐色の油として得た。この油を、精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 265.2 [M+H]
DA:(S)-2-(2-アクリロイル-5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-3-メチルブタン酸
Figure 2022520154000276
ステップA
1-tert-ブチル3-メチル3-(2-オキソエチル)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(1.4g、5.44mmol、1.0当量)、tert-ブチル(2S)-2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(1.37g、6.530mmol、1.2当量)、及びZnCl(0.74g、5.441mmol、1当量)をMeOH(30mL)中に含む撹拌混合物に、NaBHCN(0.34g、5.44mmol、1.0当量)を0℃で添加した。2時間撹拌後、反応液の反応を、水(50mL)を用いて0℃で停止し、減圧下でメタノールを除去した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)し、有機層を混合し、ブラインで洗浄(30mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで、1-tert-ブチル3-メチル3-(2-[[(2S)-1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]アミノ]エチル)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(1.2g、収率53%)を油として得た。粗生成物混合物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 4.32 - 4.07 (m, 4H), 3.76 (s, 4H), 2.88 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.69 (ddd, J = 11.8, 7.5, 5.6 Hz, 1H), 2.55 - 2.40 (m, 1H), 2.26 - 2.06 (m, 2H), 1.91 (dq, J = 13.2, 6.7 Hz, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.45 (s, 10H), 0.94 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
ステップB
1-tert-ブチル3-メチル3-(2-[[(2S)-1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]アミノ]エチル)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(1.2g、2.89mmol、1.0当量)及びLiOH-HO(607mg、14.5mmol、5.0当量)をMeOH/H2O(5/1)(40mL)中に含む溶液を1時間撹拌した。メタノールを減圧下で除去し、水溶液を酢酸エチル(50mL)で希釈した。層を分離し、有機溶液を25mLのブラインで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物3-(2-[[(2S)-1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]アミノ]エチル)-1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]アゼチジン-3-カルボン酸を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ = 4.01 (d, J = 8.4 Hz, 3H), 3.73 (d, J = 11.8 Hz, 4H), 2.85 (s, 2H), 2.25 (dd, J = 18.1, 6.8 Hz, 1H), 1.48 (s, 8H), 1.39 (d, J = 1.5 Hz, 13H), 1.04 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.94 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
ステップC
3-(2-[[(2S)-1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]アミノ]エチル)-1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]アゼチジン-3-カルボン酸(1.2g、2.99mmol、1.0当量)、COMU(2.56g、6.0mmol、2.0当量)、及びDIEA(1.94g、15mmol、5.0当量)をDMF(30mL)中に含む溶液を0℃で1時間撹拌した。混合物を水(80mL)で希釈し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出(50mLで3回)した。有機層を混合し、ブラインで洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、以下の条件(アセトニトリル水溶液濃度を25分かけて10%→50%とするグラジエント)で逆相クロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチル6-[(2S)-1-(tert-ブトキシ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]-5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(800mg、収率70%)を黄色の固体として得た。H NMR (300 MHz, CDCl) δ 4.39 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 10.4, 8.3 Hz, 2H), 3.78 (dd, J = 8.3, 3.5 Hz, 2H), 3.62 (dt, J = 10.0, 6.6 Hz, 1H), 3.31 (dt, J = 10.0, 6.8 Hz, 1H), 2.39 - 2.23 (m, 2H), 2.18 (dp, J = 9.6, 6.7 Hz, 1H), 1.46 (d, J = 4.0 Hz, 17H), 1.01 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
ステップD
tert-ブチル6-[(2S)-3-メチル-1-オキソ-1-(プロパン-2-イルオキシ)ブタン-2-イル]-5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(200mg、0.543mmol、1.0当量)及びTFA(2mL)をジクロロメタン(2mL)中に含む溶液を1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮することで、(2S)-3-メチル-2-[5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル]ブタン酸(120mg、収率98%)を得た。粗生成物を、追加精製せずに次に使用した。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ 9.00 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 4.18 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.99 (s, 1H), 3.50 - 3.37 (m, 1H), 3.31 (dt, J = 9.8, 6.8 Hz, 1H), 2.36 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.21 - 2.03 (m, 1H), 0.94 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 6.7 Hz, 3H)。
ステップE
(2S)-3-メチル-2-[5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル]ブタン酸(120mg、0.53mmol、1.0当量)及びDIEA(342mg、2.65mmol、5.0当量)をジクロロメタン(3mL)中に含む撹拌溶液に、プロパ-2-エノイルクロリド(144mg、1.59mmol、3.0当量)を0℃で添加した後、そのままの温度で3時間維持した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、逆相クロマトグラフィー(30分かけて濃度を10%→25%とするグラジエント)によって精製することで、(2S)-3-メチル-2-[5-オキソ-2-(プロパ-2-エノイル)-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル]ブタン酸(140mg、収率94%)を白色の固体として得た。H NMR (300 MHz, DMSO-d) δ = 6.32 (ddd, J = 17.0, 10.2, 1.9 Hz, 1H), 6.11 (dd, J = 17.0, 2.3 Hz, 1H), 5.74 - 5.63 (m, 1H), 4.30 - 4.09 (m, 2H), 4.09 - 3.78 (m, 4H), 3.65 (s, 1H), 3.22 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 2.20 (tq, J = 24.8, 9.4, 7.7 Hz, 2H), 0.93 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.76 (d, J = 6.7 Hz, 3H)。
下記の中間体は、適切なビルディングブロックを使用すると共に、必要に応じて反応条件(試薬、試薬比、温度、及び反応時間など)を改変して、中間体DAの調製について記載した手順に従って合成した。
Figure 2022520154000277
DB:(S)-2-(2-アクリロイル-5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-3-メチルブタン酸
Figure 2022520154000278
ステップA
(2S)-2-(メチルアミノ)プロパン酸(600mg、5.82mmol、1.0当量)及びDIEA(2.26g、17.46mmol、3.0当量)をジクロロメタン(50mL)中に含む撹拌溶液に、ベンジル3-(カルボキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(1.77g、6.982mmol、1.2当量)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を、そのままの温度で2時間撹拌した後、混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈した。有機層を混合し、水で洗浄(50mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相クロマトグラフィー(0.05%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度0→100%)によって精製することで、(2S)-2-(1-[1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼチジン-3-イル]-N-メチルホルムアミド)プロパン酸(700mg、収率22%)を淡黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 321.2 [M+H]
ステップB
(2S)-2-(1-[1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]アゼチジン-3-イル]-N-メチルホルムアミド)プロパン酸(700mg、2.185mmol、1当量)をメタノール(50mL)中に含む溶液をPd/C(100mg、炭素への担持率5%)で処理した。溶液に水素ガスを通気した後、水素雰囲気下で溶液をさらに3時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、フィルター上のケーキをMeOHで洗浄(30mLで2回)した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 187.1 [M+H]
ステップC
(2S)-2-[1-(アゼチジン-3-イル)-N-メチルホルムアミド]プロパン酸(400mg、1.074mmol、1当量)及びDIEA(416mg、3.222mmol、3.0当量)をTHF(30mL)中に含む撹拌溶液に、2-クロロ塩化アセチル(145mg、1.29mmol、1.2当量)を0℃で滴下して添加した。得られた混合物を20℃で2時間撹拌し、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(0.05%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度0→100%)によって精製することで、(2S)-2-[1-[1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル]-N-メチルホルムアミド]プロパン酸(100mg、収率24.81%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 263.2 [M+H]
DC:N-(2-(3,4-ジメチル-2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)アセチル)-N-メチル-L-バリン
Figure 2022520154000279
ステップA
ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-2,5-ジオン(2.0g、15.86mmol、1.0当量)、2-アミノ酢酸(1.2g、15.86mmol、1.0当量)、及び酢酸(20mL)を含む溶液に、マイクロ波を120℃で2時間照射した。粗生成物をC18逆相クロマトグラフィー(MeCN水溶液濃度2→4%(10mmol/L TFA))によって精製することで、2-(3,4-ジメチル-2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)酢酸(1.06g、34%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 182.0 [M-H]
ステップB
2-(3,4-ジメチル-2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)酢酸(200mg、1.09mmol、1.0当量)、ジクロロメタン(2.0mL)、DIEA(0.9mL、6.98mmol、5当量)、tert-ブチル(2S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタノエート(245mg、1.31mmol、1.2当量)、及びHATU(830mg、2.18mmol、2.0当量)を40mLのバイアルに入れた。得られた溶液を0℃で2時間撹拌した後、得られた混合物を濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、tert-ブチル(2S)-2-[2-(3,4-ジメチル-2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-メチルアセトアミド]-3-メチルブタノエート(260mg、収率68%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 353.3 [M+H]
ステップC
tert-ブチル(2S)-2-[2-(3,4-ジメチル-2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-メチルアセトアミド]-3-メチルブタノエート(35mg)、ジクロロメタン(1.5mL)、及びTFA(1mL)を含む溶液を0℃で2時間撹拌した。得られた混合物を濃縮することで、30mgの(2S)-2-[2-(3,4-ジメチル-2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-メチルアセトアミド]-3-メチルブタン酸を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 297.2 [M+H]
実施例2-(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミド(化合物1)の合成
Figure 2022520154000280
ステップA
メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(1.0g、1.4mmol、1.0当量)、3-(6-ブロモ-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(430mg、1.4mmol、1.0当量)、Pd(dppf)Cl(100mg、10mol%)、及びKCO(500mg、3.6mmol、2.5当量)をジオキサン(30mL)中に含む溶液を75℃で16時間撹拌した。濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(5/1→1/3))によって精製することで、メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(330mg、27%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 780.5 [M+H]
ステップB
メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(450mg、0.58mmol、1.0当量)をジクロロエタン(5.0mL)中に含む溶液を水酸化トリメチルスズ(522mg、2.88mmol、5.0当量)で処理した。得られた溶液を60℃で6時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮することで、(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(400mg)を灰色の泡沫として得た。この泡沫を、追加精製せずに次のステップに直接使用した。ESI-MS m/z = 766.4 [M+H]
ステップC
粗(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(360mg、1.0当量)をトルエン(55mL)中に含む溶液に、1,2-ジ(ピリジン-2-イル)ジスルファン(610mg、2.76mmol、6.0当量)及びトリフェニルホスフィン(610mg、2.32mmol、5.0当量)を添加した。溶液を85℃で3時間撹拌した。濃縮後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(100%の酢酸エチル)によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S)-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(250mg、収率64%)を白色の泡沫として得た。ESI-MS m/z = 748.4 [M+H]H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.80 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 7.60 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 5.24 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.51 - 4.36 (m, 2H), 4.08 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 3.74 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.49 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 2.91 - 2.69 (m, 3H), 2.65 (d, J = 4.1 Hz, 3H), 2.17 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 1.92 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 1.78 - 1.54 (m, 2H), 1.41 (d, J = 16.5 Hz, 9H), 1.31 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.20 - 1.11 (m, 24H)。
ステップD
tert-ブチル((6S,4S)-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(230mg、0.31mmol、1.0当量)をTHF(5mL)中に含む溶液に、TBAF(THF中1M、0.31mmol、1.0当量)を添加した。溶液を室温で0.5時間撹拌した。濃縮後、粗生成物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水で洗浄(5mLで5回)した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去することで、tert-ブチル((6S,4S)-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(220mg)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 592.3[M+H]
ステップE
tert-ブチル((6S,4S)-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(200mg、0.34mmol、1.0当量)をジクロロメタン(10mL)中に含む溶液に、トリフルオロ酢酸(2.0mL)を添加した。得られた溶液を2時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去することで、(6S,4S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンのTFA塩(200mg)を白色の固体として得た。この固体を、追加精製せずに使用した。ESI-MS m/z = 492.1 [M+H]
ステップF
(S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-メチルブタン酸(48mg、0.20mmol、1.0当量)をDMF(6mL)中に含む撹拌溶液に、HATU(114mg、0.30mmol、1.5当量)及びジエチルイソプロピルアミン(130mg、1.0mmol、5.0当量)を添加した。室温で10分間撹拌後、(6S,4S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンのTFA塩(120mg,0.20mmol、1.0当量)を含むDMF(1mL)を添加した。得られた溶液を1時間撹拌した後、酢酸エチル(10mL)及び水(10mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水で洗浄(10mLで3回)し、ブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を逆相分取HPLC(0.1%のギ酸を含むMeCN/水)によって精製することで、(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-1,10,10-トリメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミド(15.5mg、収率11%)を白色の固体として得た。
化合物1の合成は、本発明の化合物を調製するために実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用する代表例である。
実施例3-(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-8,11-ジオキサ-1(6,4)-キノリナ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミド(化合物2)の合成
Figure 2022520154000281
ステップA
メチル(3S)-1-[(2S)-2-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-3-[3-(テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-[[トリス(プロパン-2-イル)シリル]オキシ]フェニル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(500mg、0.72mmol、1当量)を1,4-ジオキサン(5mL)中に含む溶液を2-[(6-ブロモキノリン-4-イル)オキシ]酢酸エチル(246mg、0.79mmol、1.1当量)、KCO(1.31g、9.50mmol、13.1当量)、及びPd(dppf)Cl(52.6mg、0.07mmol、0.1当量)で処理した。得られた溶液を65℃で6時間撹拌した。固体をろ過して除去し、溶媒を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(3:1))によって精製することで、メチル(3S)-1-[(2S)-3-(3-[4-[2-(アセチルオキシ)エトキシ]キノリン-6-イル]-5-[[トリス(プロパン-2-イル)シリル]オキシ]フェニル)-2-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(400mg、収率69%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 793.4 [M+H]
ステップB
メチル(3S)-1-[(2S)-3-(3-[4-[2-(アセチルオキシ)エトキシ]キノリン-6-イル]-5-[[トリス(プロパン-2-イル)シリル]オキシ]フェニル)-2-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(400mg、0.50mmol、1当量)をDCE(4mL)中に含む溶液をMeSnOH(551mg、3.03mmol、6.0当量)で処理した。得られた溶液を80℃で一晩撹拌した後、混合物を濃縮した。溶液を100mLの酢酸エチルで希釈してから100mlの0.01NのKHSO水溶液で3回洗浄した後、100mLのブラインで洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで脱水してからろ過することで、(3S)-1-[(2S)-2-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-3-[3-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)キノリン-6-イル]-5-[[トリス(プロパン-2-イル)シリル]オキシ]フェニル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(370mg、収率99%)を黄色の固体として得た。この固体を、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用して(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-8,11-ジオキサ-1(6,4)-キノリナ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミドに変換した。化合物2の合成は、本発明の化合物を調製するために方法Bを使用する代表例である。
実施例4-1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-シアノ-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-アザ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(化合物3)の合成
Figure 2022520154000282
ステップA
(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(980mg、1.5mmol、1.0当量)、1-(3-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-6-ブロモ-1H-インドール-3-カルボニトリル(549mg、1.8mmol、1.2当量)、及びDIPEA(580mg、4.5mmol、3.0当量)をDMF(20mL)中に含む0℃の溶液に、HATU(684mg、1.8mmol、1.2当量)を添加した。混合物を0℃~5℃で1時間撹拌した後、酢酸エチル(200mL)で希釈し、水で洗浄(150mLで2回)し、ブライン(150mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(2:1))によって精製することで、tert-ブチル((S)-1-((S)-3-((3-(6-ブロモ-3-シアノ-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル)カルバモイル)テトラヒドロピリダジン-1(2H)-イル)-1-オキソ-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパン-2-イル)カルバメート(530mg、収率36%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 963.3 [M+H]
ステップB
tert-ブチル((S)-1-((S)-3-((3-(6-ブロモ-3-シアノ-1H-インドール-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル)カルバモイル)テトラヒドロピリダジン-1(2H)-イル)-1-オキソ-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)プロパン-2-イル)カルバメート(530mg、0.55mmol、1.0当量)、KCO(190mg、1.375mmol、2.5当量)、及びPd(dppf)Cl・CHCl(45mg、0.055mmol、0.1当量)をジオキサン(20mL)及びHO(4mL)中に含む混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈した後、水で洗浄(50mLで2回)し、ブライン(80mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物をクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-アザ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(220mg、収率53%)を淡黄色の固体として得た。ESI-MS m/z = 757.5 [M+H]
1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-シアノ-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-アザ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミドは、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用してtert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-アザ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートから合成した。化合物3の合成は、本発明の化合物を調製するために方法Cを使用する代表例である。
実施例5-(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-12-エチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,5)-ピリジナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミド(化合物4)の合成
Figure 2022520154000283
ステップA
メチル(S)-1-((S)-3-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(1.41g、3.0mmol、1.0当量)、Pd(dppf)Cl(245mg、0.3mmol、0.1当量)、3-(2-エチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)プロパン-1-オール(990mg、3.0mmol、1.0当量)、及びKCO(1.24g、9.0mmol、3.0当量)をジオキサン(30mL)及び水(50mL)中に含む溶液を90℃で5時間撹拌した。反応液に氷水(100mL)を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH=20:1)によって精製することで、メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(5-(2-エチル-1-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(940mg、収率53%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z= 595.3 [M+H]
ステップB
メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(5-(2-エチル-1-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(594mg、1.0mmol、1.0当量)をMeOH(10mL)中に含む溶液に、LiOH(120mg、5.0mmol、5.0当量)を含むHO(2mL)を0℃で添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物を1MのHClで酸性化して約pH5にしてから酢酸エチルで抽出(100mLで2回)した。有機相をブラインで洗浄(100mLで3回)し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。粗生成物(580mg、未精製)を、追加精製せずに次のステップにおいて直接使用した。ESI-MS m/z = 582.3 [M+H]
ステップC
(S)-1-((S)-3-(3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5-(1-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(580mg、1.0mmol、1.0当量)、PySSPy(2.2g、10.0mmol、10.0当量)、PPh(2.62g、10.0mmol、10.0当量)をトルエン(120mL)中に含む撹拌溶液を80℃で15時間撹拌した。反応液に氷水(100mL)を添加することによってその反応を停止し、この溶液を酢酸エチルで抽出(100mLで3回)した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで脱水してから減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン→ジクロロメタン/MeOH(20:1))によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S)-12-エチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,5)-ピリジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(260mg、収率46%)を黄色の固体として得た。ESI-MS m/z= 564.3 [M+H]
ステップD
tert-ブチル((6S,4S)-12-エチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,5)-ピリジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(56mg、0.1mmol、1.0当量)をジクロロメタン(30mL)中に含む溶液に、TFA(1mL)を0℃で滴下して添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮することで、粗生成物(6S,4S)-4-アミノ-12-エチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,5)-ピリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(46.3mg)を黄色の油として得た。この油を、追加精製せずに次のステップにおいて使用した。ESI-MS m/z = 463.3 [M+H]
ステップE
(6S,4S)-4-アミノ-12-エチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,5)-ピリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(46mg、0.1mmol、1.0当量)、(S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-メチルブタン酸(24.1g、0.1mmol、1.0当量)、HATU(41.8mg、0.11mmol、1.1当量)、及びDIEA(64.5mg、0.5mmol、5.0当量)をDMF(5mL)中に含む溶液を0℃で2時間撹拌した。混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(20mL)で抽出し、ブラインで洗浄(20mLで2回)した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水してから濃縮して残留物を得た。この残留物を分取HPLC(ギ酸を含むMeCN/水)によって精製することで、(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-12-エチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,5)-ピリジナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミド(6.2mg、収率9.0%)を白色の固体として得た。化合物4の合成は、本発明の化合物を調製するために方法Dを使用する代表例である。
実施例6-1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S,10S)-1-(2-シアノフェニル)-2-ヒドロキシ-10-メチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(化合物5)の合成
Figure 2022520154000284
ステップA
tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-ブロモ-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(250mg、0.31mmol、1.0当量)及び2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(215.34mg、0.94mmol、3.0当量)をジオキサン(2.5mL)及びHO(0.5mL)中に含む撹拌溶液に、Pd(DTBPf)Cl(41mg、0.063mmol、0.2当量)及びKCO(108mg、0.783mmol、2.5当量)を少量ずつ添加した。80℃で4時間撹拌後、溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(5:1)を用いた)によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(2-シアノフェニル)-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(200mg、収率77%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 820.4 [M+H]
ステップB
tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(2-シアノフェニル)-10-メチル-5,7-ジオキソ-2-((トリイソプロピルシリル)オキシ)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(200mg、0.244mmol、1.0当量)をTHF(2.0mL)中に含む0℃の溶液にTBAF(64mg、0.244mmol、1.00当量、THF中1M)を添加した。1時間撹拌後、溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いた)によって精製することで、tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(2-シアノフェニル)-2-ヒドロキシ-10-メチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(190mg、収率94%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z =664.3 [M+H]
ステップC
tert-ブチル((6S,4S,10S)-1-(2-シアノフェニル)-2-ヒドロキシ-10-メチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(190mg、0.29mmol、1.0当量)をジクロロメタン(2.0mL)中に含む0℃の撹拌溶液に、TFA(1.00mL)を添加した。3時間撹拌後、溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出に石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を用いた)によって精製することで、2-((6S,4S,10S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-10-メチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-1-イル)ベンゾニトリル(150mg、84%)を白色の固体として得た。ESI-MS m/z =564.2 [M+H]
ステップD
2-((6S,4S,10S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-10-メチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-1-イル)ベンゾニトリル(60mg、0.11mmol、1.0当量)及び(2S)-2-[1-[1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル]-N-メチルホルムアミド]-3-メチルブタン酸(34mg、0.12mmol、1.1当量)をDMF(1mL)中に含む撹拌溶液に、DIEA(27mg、0.213mmol、2当量)及びCOMU(68mg、0.160mmol、1.5当量)を0℃で少量ずつ添加した。2時間撹拌後、溶液を濃縮し、得られた残留物を逆相クロマトグラフィー(MeCN水溶液濃度10→50%)によって精製することで、1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S,10S)-1-(2-シアノフェニル)-2-ヒドロキシ-10-メチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(9.5mg、収率11%)を白色の固体として得た。化合物5の合成は、本発明の化合物を調製するために方法Eを使用する代表例である。
実施例7-(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミドの合成(化合物229)の合成
Figure 2022520154000285
(2S)-2-(3-アクリロイル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-N-((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチルブタンアミドは、方法Bに記載のものと同様の手順を使用してメチル(S)-1-((S)-3-(3-(1-(3-アセトキシプロピル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-6-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレートから合成した。
実施例8-N-((2S)-1-(((6S,4S)-2-アミノ-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-1-(2-クロロアセチル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(化合物230)の合成
Figure 2022520154000286
ステップA
ベンジルtert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-25,4-ジイル)ジカルバメートを、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用して1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-カルボニトリル及びメチル1-(3-(3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-5-ブロモフェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレートから合成した。
ベンジルtert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-2,4-ジイル)ジカルバメート(100mg、0.14mmol、1.0当量)をジクロロメタン(1.5mL)中に含む0℃の溶液にTFA(0.3mL)を添加した後、0℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮して粗生成物((6S,4S)-4-アミノ-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-2-イル)カルバメートを得た。この残留物を追加精製せずに次のステップに使用した。ESI-MS m/z = 635.3 [M+H]
ステップB
((6S,4S)-4-アミノ-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-2-イル)カルバメート(89mg、0.14mmol、1.0当量)、N-(1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(41mg、0.14mmol、1.0当量)及びDIPEA(54mg、0.42mmol、3.0当量)をDMF(2mL)中に含む0℃の溶液に、HATU(53mg、0.14mmol、1.0当量)を添加した。そのままの温度で混合物を1時間維持した。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈した後、水で洗浄(15mLで2回)し、ブライン(10mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して残留物を得た。残留物を分取TLC(ジクロロメタン/MeOH=20/1)によって精製することで、ベンジル((6S,4S)-4-((S)-2-(1-(2-クロロアセチル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド)-3-メチルブタンアミド)-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-2-イル)カルバメート(85.0mg、収率67%)を灰白色の固体として得た。ESI-MS m/z = 907.1 [M+H]
ステップC
BCl(2mL、ジクロロメタン中1M)を含む0℃の溶液に、ベンジル((6S,4S)-4-((S)-2-(1-(2-クロロアセチル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド)-3-メチルブタンアミド)-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-2-イル)カルバメート(70mg、0.077mmol、1.0当量)を添加した。次に、混合物を室温で4時間撹拌した。MeOH(2mL)を添加し、反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水で洗浄(15mLで2回)し、ブライン(10mL)で洗浄した。有機相を収集し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過してから濃縮して粗残留物を得た。残留物を分取TLC(EA/MeOH=8/1)によって精製することで、N-((2S)-1-(((6S,4S)-2-アミノ-1-シアノ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-1-(2-クロロアセチル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(13.2mg、収率10%)を灰白色の固体として得た。
実施例9-1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-シアノ-2-メトキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(化合物231)の合成
Figure 2022520154000287
表題化合物は、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用してtert-ブチル((6S,4S)-1-シアノ-2-メトキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートから合成した。
実施例10-1-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(化合物232)
Figure 2022520154000288
(6S,4S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンを、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用してtert-ブチル((6S,4S)-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートから合成した。
表題化合物は、方法Aに記載のものと同様の手順に従って(6S,4S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンから合成した。
実施例11-1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチニル-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(化合物233)
Figure 2022520154000289
(6S,4S)-4-アミノ-1-エチニル-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンを、方法Aに記載のものと同様の手順を使用してtert-ブチル((6S,4S)-1-エチニル-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートから合成した。
表題化合物は、方法Aに記載のものと同様の手順に従って(6S,4S)-4-アミノ-1-エチニル-2-ヒドロキシ-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-インダゾーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンから合成した。
実施例12-1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(化合物234)の合成
Figure 2022520154000290
ステップA
(6S,4S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンを、実施例1の適切な中間体及び方法Aに記載のものと同様の手順を使用して3-(6-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)プロパン-1-オールから合成した。
(6S,4S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(45mg、0.10mmol、1.0当量)、1-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アゼチジン-3-カルボン酸(43.7mg、0.10mmol、1.0当量)、及びDIEA(65mg、0.50mmol、5当量)をDMF(2mL)中に含む撹拌溶液に、COMU(64mg、0.15mmol、1.5当量)を0℃で添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。水溶液での後処理を行った後、残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル(1:1))によって精製することで、(9H-フルオレン-9-イル)メチル3-(((2S)-1-(((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレート(60mg、収率69%)を黄色の油として得た。ESI-MS m/z = 868.3 [M+H]
ステップB
(9H-フルオレン-9-イル)メチル3-(((2S)-1-(((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレート(35mg、0.04mmol、1当量)をMeCN(0.3mL)中に含む撹拌溶液に、TEA(0.3mL)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した後、HATU(18.4mg、0.05mmol、1.20当量)及び2-クロロ酢酸(4.6mg、0.05mmol、1.21当量)を0℃で少量ずつ添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を、以下の条件(0.1%のFAの存在下でMeCN水溶液濃度を10.5分かけて5%→39%))で分取HPLCによって精製することで、1-(2-クロロアセチル)-N-((2S)-1-(((6S,4S)-2-ヒドロキシ-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(6,1)-ベンゾ[d]イミダゾラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド(3.8mg、収率13%)を白色の固体として得た。
実施例13-SPRによるCYPA-化合物二元複合体形成の決定
シクロフィリンA(CYPA)に対する本発明の化合物の親和性を決定するために、本発明者らは、装置製造者によって供給される下記の試薬、装置、及びプロトコールを使用して表面プラズモン共鳴結合分析を実施した。
試薬及び装置
1.装置:Biacore S200(GE Healthcare Life Sciences)
2.ランニング緩衝液:1×HBS-P+(Tween20が0.05%添加された1×HBS)、pH7.4、及び2%のDMSO。
3.リガンド:CypA-Avi
4.アナライト:WDB化合物の2倍段階希釈液(10点、50μM~0μM)(ストック溶液濃度10mM)。
5.センサーキット:ビオチンCAPtureキット(BR28-9202-34、GE Healthcare Life Sciences)
6.再生緩衝液:1倍体積量の1MのNaOH及び3倍体積量の8Mのグアニジン塩酸塩(CAPtureキットによって供給されるもの、BR28-9202-34、GE Healthcare Life Sciences)
実験手順
1.CAP試薬の補足:2μl/分で60秒間実施する。
2.リガンドCypAの固定化:Fc1を参照セルとして使用する;CypA(4μg/ml)を流速5μl/分でFc2、Fc3、及びFc4にそれぞれ60秒間、80秒間、及び80秒間固定化する。
3.アナライトの結合:希釈したWDB化合物を50μl/分で60秒間連続注入して結合させた後、緩衝液を用いて50μl/分でWDB化合物を60秒間解離させる。
4.再生:再生緩衝液を30μl/分で60秒間注入することを2回実施してチップ表面を再生する。
5.溶媒補正:ランの開始時点及び終了時点で溶媒補正を実施する。測定化合物数が6を超える場合、6つの化合物ごとに溶媒補正を追加で実施する。
6.付属のBiacore Evaluation Softwareを用いるデータフィッティング:定常状態フィッティング。
実施例14-CYPA-化合物との競合によるKRAS-BRAF複合体の崩壊のTR-FRETによる決定
この実施例では、化合物が促進するKRAS-BRAF複合体の崩壊を測定するためにTR-FRETを使用した。タグなしのシクロフィリンA、His6-KRAS G12C-GMP-PNP、及びGST-BRAF RAS結合ドメインを含む混合物を、本発明の化合物を含む384ウェルアッセイプレートに添加し、3時間インキュベートした。次に、抗His Eu-W1024及び抗GSTアロフィコシアニンの混合物を添加し、反応液をさらに1.5時間インキュベートした。TR-FRETシグナルをEnVisionマイクロプレートリーダー(Perkin Elmer、Ex320nm、Em665/615nm)で読み込んだ。KRAS_BRAF複合体の崩壊を促進する化合物を、DMSO対照ウェルと比較してTR-FRET比の減少を誘発するものとして同定した。結果は、以下の表4に示される。化合物介在性のKRAS-BRAF複合体の崩壊がプレゼンター依存性であることを決定するために、最初のインキュベートからシクロフィリンAを除外した(表5を参照のこと)。化合物介在性のKRAS-BRAF複合体の崩壊がG12C特異的なものであることを決定するために、G12C KRASの代わりに野生型KRASを使用した(表5を参照のこと)。
試薬及び装置
・タグなしのCYPA;PBS緩衝液中519μM(pH7.4)
・GST BRAF;PBS緩衝液中110μM(pH7.4)
・His6-KRASG12C-GMP-PNP;PBS緩衝液中50μM(pH7.4)
・His6-KRASWT-GMP-PNP;PBS緩衝液中40μM(pH7.4)
・抗His Eu-W1024(LANCE(登録商標)Eu-W1024;Perkin Elmer)
・抗GSTアロフィコシアニン(SureLight(登録商標)-Allophycocyanin結合型の抗GST IgG;Perkin Elmer;製品番号AD0059G)
・試験化合物(100%のDMSO中10mM)
・EnVision(Perkin Elmer)
・8チャネル少量カセットを備えたCombi MultiDrop液体ディスペンサー
・384ウェルProxiPlate(黒)
実験プロトコール
1.Mosquitoを使用して化合物(DMSO-d中の濃度が異なるもの)を100nL/ウェルで384ウェル黒色ProxiPlateに分注することでアッセイ準備の整ったプレート(ARP)を調製する。
2.Hepes含量25mM(pH7.3)、NaCl含量100mM、MgCl含量5mM、BSA含量0.05%、Tween-20含量0.002%のアッセイ緩衝液を調製する。
3.PRE-MIX Aの調製:His6-KRas G12C-GTP(1~169)を最終濃度50nM、タグなしのCypA(1~165)を最終濃度500nMでアッセイ緩衝液に含める。
a.プレゼンター依存性実験については、タグなしのCypAの添加を行わない
b.G12C/wt特異性実験については、His6-KRas G12C-GTP(1~169)の代わりにHis6-KRas WT-GTP(1~169)を使用する
4.MultiDrop Combiを使用してPRE-MIX Aを7μl/ウェルでARPに分注する。室温で3時間インキュベートする。
5.PRE-MIX Bの調製:抗His Eu-W1024を最終濃度10nM、抗GST APCを最終濃度50nMで含める。
6.MultiDrop Combiを使用してPRE-MIX Bを3μl/ウェルでARPに分注する。Combi上で手短に振動させ、室温で1.5時間インキュベートする。
7.EnVisionでの読み取り(Ex:320nm;Em1:615nm;Em2:665nm)を行う。
8.Dotmaticsを使用してデータを処理する。4パラメーター非線形フィッティングを使用して曲線のフィッティングを行って三元複合体形成のEC50値を決定する。
実施例15-H358細胞におけるpERK阻害の決定
ヒト肺癌由来のH358細胞(5500個の細胞)を、培地(100uL、10%のFBSを含むRPMI)を入れた96ウェルプレートに播種した。24時間後、化合物またはDMSOで細胞を4時間処理した。室温のTBS(200uL)で細胞を2回洗浄し、TBSで希釈した4%のパラホルムアルデヒド(150uL)で細胞を20分間固定化した。0.1%TritonX/TBS(150uL)での5分間の洗浄に細胞を4回供して膜の透過処理を行った。TBSブロッキング緩衝液(100uL)と共に細胞を室温で60分間インキュベートした。一次抗体(リン酸化p44/42MAPK(Erk1/2)(Thr202/Tyr204)(D13.14.4E)XP(登録商標)ウサギmAb番号4370、Cell Signaling Technology;1:200)を添加し、細胞を4Cで一晩インキュベートした。0.1%Tween20/TBS(150uL)での5分間の洗浄に細胞を4回供した。二次抗体(IRDye(登録商標)800CWヤギ抗ウサギIgG、Li-Cor Biosciences;1:1000)及びDRAQ5(商標)(Invitrogen;1:2000)を添加し、細胞を室温で1時間インキュベートした。0.1%Tween20/TBS(150uL)での5分間の洗浄に細胞を4回供し、LICOR(700nm及び800nm)を使用してスキャンした。
表4には、SPRでのCypAに対するK、生化学的なBRAF-KRAS G12C-GTP崩壊アッセイでのEC50、及び細胞でのpERK阻害に対する本明細書に記載の化合物のIC50が示される。CYPAに対する結合親和性については、K≦5.0μMをA、5.0μM<K≦15μMをB、K>15μMをCとした。BRAF-GTP-KRAS-G12Cの崩壊については、EC50≦0.5μMをA、0.5μM<EC50≦5.0μMをB、EC50>5.0μMをCとした。細胞でのpERK阻害については、IC50≦1.0μMをA、1.0μM<IC50≦10μMをB、IC50>10.0μMをCとした。表中の空白は、指定のアッセイにおいて化合物が試験されていないことを表す。
Figure 2022520154000291
Figure 2022520154000292
Figure 2022520154000293
Figure 2022520154000294
Figure 2022520154000295
Figure 2022520154000296
表5には、シクロフィリンAの非存在下でBRAF-KRAS崩壊アッセイを行った結果、またはKRAS-G12Cの代わりに野生型(WT)KRASを使用してBRAF-KRAS崩壊アッセイを行った結果が例示化合物について示される。こうした結果は、試験した化合物が(1)BRAF-GTP-KRAS-G12C複合体の崩壊誘発にCYPAの存在を必要とすること、及び(2)野生型KRASを使用するとBRAF-GTP-KRAS複合体を崩壊させる能力を有さないこと、を実証するものである。
Figure 2022520154000297
実施例16-BMEの存在下でのKRAS-G12Cへの架橋パーセントの決定
材料及び試薬
1.10×インキュベート緩衝液:125mMのHEPES(pH7.4)、750mMのNaCl、10mMのMgCl
2.インキュベート緩衝液に含めた50μMのタンパク質A(CypA)ストック溶液
3.インキュベート緩衝液に含めた5μMのタンパク質B(G12C-GMPNP)ストック溶液
4.10%のDMSOを含む1×インキュベート緩衝液に含めた20μMの化合物ストック溶液
5.25mMのBMEストック溶液(BMEストック溶液をMilliQ水で希釈することによって調製する)
手順:
CypA1-165(最終濃度5μM)、試験化合物(最終濃度2μM)、及びG12C-GMPNP(最終濃度0.5μM)をインキュベート緩衝液(125mMのHEPES(pH7.4)、750mMのNaCl、10mMのMgCl)中、室温で必要時間インキュベートした。最終濃度0.5%のギ酸で試料をクエンチした。10μL分量をTOF-MSに供した。
最終的なインキュベート体積を50μLとする添加順序
1.10×インキュベート緩衝液5μL
2.HO 28ul
3.25mMのBMEストック液 2μL
4.50uMのCypA 5μL
5.5μMのG12C-GMPNP 5μL
6.20μMの化合物ストック液の化合物5μL
TOF-MS分析:
LC-MSは、エレクトロスプレープローブを備えたAgilent6230 TOF-LC質量分析計で実施し、エレクトロスプレープローブはポジティブイオン化モードで操作する。試料10μLをSepaxBio-C4カラム(300Å、2.1×100mm)に注入する。(A)ギ酸0.1%(体積/体積)、1mMのギ酸アンモニウム0.1%、水95%、アセトニトリル4.8%、及び(B)ギ酸0.1%(体積/体積)、1mMのギ酸アンモニウム0.1%、アセトニトリル95%、水4.8%を移動相とする。分離は、B濃度を5分かけて25%→50%とする直線グラジエントからなる全部で9分のグラジエントによって実施し、洗浄はB濃度100%で1.25分間行い、流速はすべて0.6mL/分とする(以下に添付されるタイムテーブルを参照のこと)。質量分析計のイオン源条件は、キャピラリー電圧を4,000V、コーン電圧を120V、イオン源温度を275℃、スキャン範囲100~2,000a.m.u.(サイクル時間1秒)とした。
計算:
観察質量は、トータルイオンカレント(TIC)において主要ピークを平均化することによって得られる。種の荷電状態シリーズのデコンボリューションは、最大エントロピー設定(範囲を17000~23000Daに設定する)を用いてAgilent MassHunter Bioconfirmを使用して実施する。デコンボリューションされたタンパク質ピーク(結合種及び非結合種)を積分することで、以下の式を使用して結合%を計算することが可能になる:
Figure 2022520154000298
表6には、本明細書に記載の化合物の生化学的架橋アッセイの結果が示される。
Figure 2022520154000299
こうした結果は、例示化合物がCYPAの存在下でKRAS-G12Cと架橋する能力を有しており、したがって、インビボでKRAS-G12C中のアミノ酸12に位置するシステインと例示化合物が共有結合を形成するであろうことを示している。
他の実施形態
本発明は、その特定の実施形態と関連付けて説明されているが、さらに改変することが可能であり、本出願は、本発明の任意の変形、使用、または適応(一般に、本発明の原理に従って行われる)を包含することを意図するものであり、そうした変形、使用、または適応には、本発明が属する技術分野での既知または通例の慣行に含まれる本開示からのそのような逸脱が含まれると共に、ここまでに本明細書に示されている不可欠な特徴にもそうした変形、使用、または適応が適用され得ることが理解されよう。
刊行物、特許、及び特許出願はすべて、個々の刊行物、特許、または特許出願がそれぞれ、その全体が参照によって組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明は、以下に列挙される項によっても説明される。
1.式I:
Figure 2022520154000300
の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体であって、式中:
Qが、二環式アリーレン、二環式ヘテロアリーレン、または二環式ヘテロシクリレンであり、Q中の第1の環が、Xと結合され、Q中の第2の環が、Zと結合され、Qが、任意選択で置換され、
Xが、結合;フルオロ、-CN、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1~3つの置換基によって任意選択で置換された直鎖C-Cアルキレン;-O-;-S(O)0-2-;-CH-O-;-CH-S(O)0-2-;-O-CH-;または-CH-S(O)0-2-であり、「」が、Xが-C(R)(R)-と結合される部分を表し、
Yが、-O-、-NH-、または-N(C-Cアルキル)-であり、
Z環が、フェニルまたは6員のヘテロアリールであり、
が、任意選択で置換されたC-Cアルキル、-(CH0-1-(任意選択で置換されたC-Cシクロアルキル)、-(CH0-1-(任意選択で置換されたアリール)、または任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、
が、
Figure 2022520154000301
であり、
A環が、4~8員のシクロアルキルまたは4~8員のヘテロシクリルであり、
Wが、-N(R12)-、-O-、または-C(R12a)(R12b)-であり、
各Rがそれぞれ、独立して、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、もしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;または-NH-C-Cアルキルであり、
が、存在する場合、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、Rの各アルキレン部分が、1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、各置換基が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
10が、存在する場合、1つ以上の置換基によって任意選択で置換されたC-Cアルキレンであり、各置換基が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
11が、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-、または窒素含有飽和ヘテロシクリルであり、R11の各アルキレン部分が、1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、各置換基が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
12が、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、または
12が、1つのR、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、A環と縮合もしくはスピロ縮合した任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成するか、または
12が、R10中の任意のメチレン単位もしくはR11中の任意のメチレン単位、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成し、
12a及びR12bがそれぞれ、独立して、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、またはR12a及びR12bが、それらが結合している炭素原子と一緒になることで、3~6員のシクロアルキル環を形成し、
13が、O、S、N-CN、またはN-O-C-Cアルキルであり、
WHが、
Figure 2022520154000302
であり、
各R14が、独立して、水素;-CN;または-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、
15が、-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、または任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、
16が、水素;または-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、あるいは
14が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、または
16が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、
が、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルであり、
が、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
が、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-O-(任意選択で置換されたC-Cアルキル)、任意選択で置換されたC-Cアルキル、任意選択で置換されたC-Cアルケニル、任意選択で置換されたC-Cアルキニル、-(CH0-1-アリール、-(CH0-1-ヘテロアリール、-(CH0-1-シクロアルキル、または-(CH0-1-ヘテロシクリルであり、あるいは
及びRが、一緒になることで、=CH、任意選択で置換されたC-Cシクロアルキル、もしくは3~7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、または
が、Q中の環原子、Rが結合している炭素原子、及びXと一緒になることで、Qと縮合した4~9員の飽和ヘテロシクリルもしくは不飽和ヘテロシクリルを形成し、
が、水素または-CHであり、
各Rが、独立して、ハロ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-OH、-O-C-Cアルキル、-O-C-Cハロアルキル、-NRn1n2、-NRn1ORn2、-ONRn1n2、または-NRn1NRn2n3であり、
n1が、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn1のメチレン単位のうちの1つが、
Figure 2022520154000303
によって任意選択で置き換えられ、
n2が、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn2のメチレン単位のうちの1つが、
Figure 2022520154000304
によって任意選択で置き換えられ、
n3が、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn3のメチレン単位のうちの1つが、
Figure 2022520154000305
によって任意選択で置き換えられ、
各Rが、独立して、ハロ、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルであり、
nが、0、1、2、3、4、5、または6であり、
pが、0、1、2、または3であり、
rが、0、1、2、3、または4である、
前記化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
2.Yが、-O-である、項1に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
3.Yが、-NH-である、項1に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
4.Yが、-N(C-Cアルキル)-である、項1に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
5.WHが、
Figure 2022520154000306
である、項1~4のいずれか1項に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
6.WHが、
Figure 2022520154000307
である、項1~4のいずれか1項に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
7.WHが、
Figure 2022520154000308
である、項1~4のいずれか1項に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
8.WHが、
Figure 2022520154000309
である、項1~4のいずれか1項に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
9.WHが、
Figure 2022520154000310
である、項1~4のいずれか1項に記載の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
10.Zが、フェニルである、項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
11.Zが、3-ヒドロキシフェン-1,5-ジイルである、項10に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
12.Zが、6員のヘテロアリールである、項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
13.Zが、ピリジルである、項12に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
14.nが、0である、項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
15.nが、1である、項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
16.nが、2である、項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
17.nが、3である、項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
18.nが、4である、項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
19.nが、5である、項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
20.nが、6である、項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
21.pが、0である、項1~20のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
22.pが、1である、項1~20のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
23.pが、2である、項1~20のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
24.pが、3である、項1~20のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
25.rが、0である、項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
26.rが、1である、項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
27.rが、2である、項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
28.rが、3である、項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
29.rが、4である、項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
30.Rが、Hである、項1~29のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
31.Rが、ハロゲンである、項1~29のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
32.Rが、C-Cアルキルである、項1~29のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
33.Rが、C-Cヒドロキシアルキルである、項1~29のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
34.Xが、-CH-である、項1~33のいずれか1項に記載の化合物。
35.Xが、結合である、項1~33のいずれか1項に記載の化合物。
36.前記化合物が、式(Ia):
Figure 2022520154000311
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、
式中:
Xが、結合、-O-、-CH-、-CH(CH)-、-CH-O-、または-CH-CH-であり、「」が、XがC(R)(R)と結合される部分を表し、
Yが、-O-または-NH-であり、
が、-C-Cアルキル、-(CH0-1-(C-Cシクロアルキル)、または-C-Cシクロアルキルであり、
が、
Figure 2022520154000312
であり、
A環が、4~8員のシクロアルキルまたは4~8員の飽和ヘテロシクリルであり、
各Rがそれぞれ、独立して、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、もしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;または-NH-C-Cアルキルであり、
nが、0、1、2、3、4、5、または6であり、
が、存在する場合、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、Rの各アルキレン部分が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、
10が、存在する場合、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換されたC-Cアルキレンであり、
11が、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、R11の各アルキレン部分が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、
12が、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、または
12が、1つのR、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、A環と縮合した任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成するか、または
12が、R10中の任意のメチレン単位もしくはR11中の任意のメチレン単位、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成し、
WHが、
Figure 2022520154000313
であり、
各R14が、独立して、水素、-CN、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、-O-C-Cアルキルであり、
15が、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、または-C-Cアルキレン-O-C-Cアルキルであり、
16が、水素、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、または-C-Cアルキレン-O-C-Cアルキルであり、あるいは
14が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、または
16が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、
が、水素、ハロ、またはC-Cアルキルであり、
が、水素、ハロ、-OH、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアルキレン-O-C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-(CH0-1-C-Cシクロアルキル、C-Cシアノアルキル、または-(CH0-1-アリール(ベンジル)であり、あるいは
及びRが、一緒になることで、=CHもしくはC-Cシクロアルキルを形成し、または
が、Qの環原子、それが結合している炭素原子、及びXと一緒になることで、5~7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、
が、-OH、-NH、またはC-Cハロアルキルであり、
Qが、二環式アリーレン、二環式ヘテロアリーレン、または二環式ヘテロシクリレンであり、
Q中の第1の環が、Xと結合され、Q中の第2の環が、Zと結合され、
Qが、=O;-CN;1つ以上の独立して選択されるハロ、CN、OH、-O-(C-Cアルキル)、-C(O)-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルキニル)、-(C-Cシクロアルキル)、または4~7員の飽和ヘテロシクリルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロによって任意選択で置換された-O-(C-Cアルキル);1つ以上の独立して選択される-CNまたは-OHによって任意選択で置換されたC-Cアルケニル;C-Cアルキニル;-S(O)-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-C-Cシクロアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロアリール;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロシクリル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-アリール;-C(O)-NH-(C-Cアルキル);-C(O)-N(C-Cアルキル);C-Cシクロアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルケニレン=N-O-(C-Cアルキル);から選択される1つ以上の独立して選択される置換基によって任意選択で置換され、あるいは
Qの同じ環原子または隣接環原子上の2つの置換基が、一緒になることで、1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、C-Cアルキル、または-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された5~7員の単環式環または6~12員の二環式環を形成し、Qと縮合する、項1~11、項14~20、項30、項34、及び項35のいずれか1項に記載の化合物。
37.前記化合物が、式(Ib):
Figure 2022520154000314
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である、項36に記載の化合物。
38.前記化合物が、式(Ic):
Figure 2022520154000315
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である、項36に記載の化合物。
39.Qが、5,6二環式ヘテロアリーレン、5,6二環式ヘテロシクリレン、6,6二環式ヘテロアリーレン、または6,6二環式ヘテロシクリレンであり、Qが、任意選択で置換される、項1~38のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
40.Qが、5,6二環式ヘテロアリーレンであり、Qが、任意選択で置換される、項1~38のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
41.Qが、5,6二環式ヘテロシクリレンであり、Qが、任意選択で置換される、項1~38のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
42.Qが、6,6二環式ヘテロアリーレンであり、Qが、任意選択で置換される、項1~38のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
43.Qが、6,6二環式ヘテロシクリレンであり、Qが、任意選択で置換される、項1~38のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
44.Qが、
Figure 2022520154000316
からなる群から選択され、
式中:
、V、V、及びVがそれぞれ、独立して、C、CH、またはNであり、
Q1が、-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、または
Q1が、それが結合している窒素原子、及び隣接環原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
Q11及びRQ12がそれぞれ、独立して、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、RQ11及びRQ12がそれぞれ、任意選択で置換され、または
Q11及びRQ12が、それらが共に結合している窒素原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RQ11及びRQ12が一緒になることによって形成される前記環が、別の5~6員の環と任意選択で縮合する、項43に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
45.Qが、
Figure 2022520154000317
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
46.Qが、
Figure 2022520154000318
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
47.Qが、
Figure 2022520154000319
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
48.Qが、
Figure 2022520154000320
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
49.Qが、
Figure 2022520154000321
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
50.Qが、
Figure 2022520154000322
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
51.Qが、
Figure 2022520154000323
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
52.Qが、
Figure 2022520154000324
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
53.Qが、
Figure 2022520154000325
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
54.Qが、
Figure 2022520154000326
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
55.Qが、
Figure 2022520154000327
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
56.Qが、
Figure 2022520154000328
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
57.Qが、
Figure 2022520154000329
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
58.Qが、
Figure 2022520154000330
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
59.Qが、
Figure 2022520154000331
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
60.Qが、
Figure 2022520154000332
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
61.Qが、
Figure 2022520154000333
である、項44に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
62.Qが、
Figure 2022520154000334
からなる群から選択され、
式中:
、V、V、及びVがそれぞれ、独立して、C、CH、N、C(F)、C(CH)、C(OH)、C(OCH)、またはC(CN)であり、
、V、及びVがそれぞれ、独立して、C(R17a)(R17b)またはC(=O)であり、R17a及びR17bがそれぞれ、水素、ハロ、-C-Cアルキル、-C-Cハロアルキル、-O-C-Cアルキル、-O-C-Cハロアルキルから独立して選択され、V、V、及びVのうちの2つ以下がC(=O)であり、
NQ1が、水素、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、
各RQ2が、独立して、水素、CN、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、または
NQ1及び1つのRQ2が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RNQ1及び1つのRQ2が一緒になることによって形成される前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
各RQ3が、独立して、水素、CN、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、または
同じ原子に結合した2つのRQ3が、一緒になることで、=CH、=O、=S、もしくは=NRV4を形成し、または
同じ原子に結合した2つのRQ3が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、各RQ3が一緒になることによって形成される前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、または
NQ1及び1つのRQ3が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RNQ1及びRQ3が一緒になることによって形成される前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
Q11及びRQ12がそれぞれ、独立して、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、RQ11及びRQ12がそれぞれ、任意選択で置換され、または
Q11及びRQ12が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RQ11及びRQ12が一緒になることによって形成される前記環が、別の5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
**」が、QがZ環と結合される部分を表す、項43に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
63.Qが、
Figure 2022520154000335
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
64.Qが、
Figure 2022520154000336
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
65.Qが、
Figure 2022520154000337
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
66.Qが、
Figure 2022520154000338
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
67.Qが、
Figure 2022520154000339
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
68.Qが、
Figure 2022520154000340
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
69.Qが、
Figure 2022520154000341
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
70.Qが、
Figure 2022520154000342
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
71.Qが、
Figure 2022520154000343
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
72.Qが、
Figure 2022520154000344
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
73.Qが、
Figure 2022520154000345
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
74.Qが、
Figure 2022520154000346
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
75.Qが、
Figure 2022520154000347
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
76.Qが、
Figure 2022520154000348
である、項62に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
77.Qが、
Figure 2022520154000349
からなる群から選択される、項43に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
78.Qが、
Figure 2022520154000350
である、項77に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
79.Qが、
Figure 2022520154000351
である、項77に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
80.Qが、
Figure 2022520154000352
である、項77に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
81.Qが、
Figure 2022520154000353
である、項77に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
82.Qが、
Figure 2022520154000354
である、項77に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
83.Qが、
Figure 2022520154000355
である、項77に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
84.前記化合物が、式(Id):
Figure 2022520154000356
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である、項77に記載の化合物。
85.前記化合物が、式(Ie):
Figure 2022520154000357
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である、項84に記載の化合物。
86.前記化合物が、式(Ig):
Figure 2022520154000358
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、Qが、4~9員の飽和ヘテロシクリルである、項85に記載の化合物。
87.前記化合物が、式(Ij):
Figure 2022520154000359
の構造を有するものであるか、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体である、項77に記載の化合物。
88.前記化合物が、式(Ik):
Figure 2022520154000360
の構造を有するものであるか、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体である、項87に記載の化合物。
89.前記化合物が、式(Ik`):
Figure 2022520154000361
の構造を有するものであるか、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体である、項87に記載の化合物。
90.Rが、存在せず、A環が、4~8員のヘテロシクリルであり、または
11が、-N(C-Cアルキレン-H)-もしくは-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-であり、R11の各アルキレン部分が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換される、項1~89のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
91.Wが、-N(R12)-であり、R13が、=Oである、項1~90のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
92.前記化合物が、式(IL):
Figure 2022520154000362
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、R18が、BrまたはClである、項1~35及び項39~83のいずれか1項に記載の化合物。
93.前記化合物が、式(Im):
Figure 2022520154000363
の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、R14が、Hである、項1~35及び項39~83のいずれか1項に記載の化合物。
94.Qが、
Figure 2022520154000364
からなる群から選択され、
式中:
「1」が、QがXと結合される部分を示し、
Qが、任意選択でさらに置換される、項1~39のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
95.Qが、
Figure 2022520154000365
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
96.Qが、
Figure 2022520154000366
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
97.Qが、
Figure 2022520154000367
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
98.Qが、
Figure 2022520154000368
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
99.Qが、
Figure 2022520154000369
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
100.Qが、
Figure 2022520154000370
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
101.Qが、
Figure 2022520154000371
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
102.Qが、
Figure 2022520154000372
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
103.Qが、
Figure 2022520154000373
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
104.Qが、
Figure 2022520154000374
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
105.Qが、
Figure 2022520154000375
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
106.Qが、
Figure 2022520154000376
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
107.Qが、
Figure 2022520154000377
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
108.Qが、
Figure 2022520154000378
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
109.Qが、
Figure 2022520154000379
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
110.Qが、
Figure 2022520154000380
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
111.Qが、
Figure 2022520154000381
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
112.Qが、
Figure 2022520154000382
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
113.Qが、
Figure 2022520154000383
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
114.Qが、
Figure 2022520154000384
である、項94に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
115.Qが、
Figure 2022520154000385
からなる群から選択され、
式中:
Rが、-CHCH、-CHCH-OCH、-CHCHF、-CH-CN、-C(CH-CN、-C(CH-CHCN、-CHCH-CN、シクロヘキシル、シクロブチル、シクロプロピル、ピリジン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イルメチル、オキセタン-3-イルメチル、2-シアノ-5-メトキシフェニル、2-シアノ-5-メトキシメチルフェニル、2-シアノ-6-(メトキシメチル)フェニル、2-シアノ-6-ブロモフェニル、2-メトキシエタン-1-イル、2-シアノプロパン-2-イル、2-テトラヒドロピラン-4-イルエタン-1-イル、3-シアノペンタン-3-イル、もしくは2-シアノ-4-メトキシブタン-2-イルであるか、または
Rが、
Figure 2022520154000386
であり、
23が、水素またはフルオロであり、
24が、水素、クロロ、-CN、-CH、-CHCH、-CHF、-CF、-CH-CN、-CH(CN)-CH、--C(CH-CN、-C(CHCH-CN、-CH-CH-CN、-C(CH)=N-O-CH(CH、-C(CH)=N-O-CH、-C(O)-N(CH、-C(O)-NH-CH、-OCH、-CH-O-CH、-C≡CH、-C≡C-CH、-S(O)CH、1-(シクロペンチル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1,3-ジメトキシ-2-シアノプロパン-2-イル、1,4-ジメチルピラゾール-5-イル、1-シアノシクロブチル、1-シアノシクロプロピル、1-シアノシクロペンチル、1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル、1-メチルピラゾール-3-イル、1-メチルピラゾール-4-イルシアノメチル、1-メチルピペリジン-4-イル、1-メチルピラゾール-5-イル、1-オキソインドリン-5-イル、1-オキソイソインドリン-4-イル、1-オキソイソインドリン-6-イル、2-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、2-(メトキシメチル)フェニル、2-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2,2-ジフルオロ-ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジシアノプロパン-2-イル、2-クロロフェニル、2-シアノ-3-(テトラヒドロピラン-4-イル)プロパン-2-イル、2-シアノ-3-クロロフェニル、2-シアノ-3-フルオロフェニル、2-シアノ-3-メトキシフェニル、2-シアノ-4-フルオロフェニル、2-シアノ-4-クロロフェニル、2-シアノ-5-クロロフェニル、2-シアノ-5-フルオロフェニル、2-シアノ-5-メトキシフェニル、2-シアノ-6-クロロフェニル、2-シアノ-6-フルオロフェニル、2-シアノ-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2-シアノメチルフェニル、2-シアノフェニル、2-シアノプロパン-2-イル、2-シクロペンチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、2-フルオロフェニル、2-メトキシ-6-シアノフェニル、2-メトキシフェニル、2-メトキシカルボニルフェニル、2-ニトロフェニル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-フェノキシフェニル、3-(1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イルメチル)フェニル、3-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、3,5-ジフルオロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)フェニル、3-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル、3-シアノメチルフェニル、3-シアノペンタン-3-イル、3-シアノフェニル、3-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-1-イン-1-イル、3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-メトキシメチル-5-メチルイソオキサゾール-4-イル、3-メトキシフェニル、3-メトキシカルボニルフェニル、3-オキソ-2-メチルブタン-2-イル、4-シアノフェニル、4-シアノテトラヒドロピラン-4-イル、4-メトキシフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、ベンゾ[d]オキサゾール-7-イル、ベンゾ[d]チアゾール-2-イル、ベンゾ[d]チアゾール-4-イル、ベンゾ[d]チアゾール-5-イル、ベンゾ[d]チアゾール-6-イル、ベンゾ[d]チアゾール-7-イル、シクロブチル、シクロプロピル、シクロプロピルシアノメチル、N-メトキシシクロプロパンカルビミドイル、フェニル、ピリジン-2-イルメチル、ピリジン-3-イル、ピリジン-3-イルメチル、ピリジン-4-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルシアノメチル、テトラヒドロピラン-4-イル、もしくはテトラヒドロピラン-4-イルシアノメチルであり、
27が、水素、-CH、-CHF、-CHCH、-CH-O-CH、CHCN、-CN、-CH-O-CH-CN、-C(O)-N(CH、-C(O)-NH-CH、-CH-O-CH-C≡CH、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2-シアノフェニル、3-シアノフェニル、フェニル、2-ベンジルメチルエーテル、2-(2-メトキシエチル)ベンゼン、2-(2-ジフルオロメトキシエチル)ベンゼン、2-(2-ジメチルメトキシエチル)ベンゼン、ピリジン-3-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルメチル、もしくはテトラヒドロピリジン-4-イルであり、または
24及びR27が、一緒になることで、4-シアノベンゼン-1,2-ジイル、3-シアノベンゼン-1,2-ジイル、5-メチル-5-シアノテトラヒドロピラン-3,4-ジイル、3-シアノシクロヘキサン-1,2-ジイル、3-メトキシベンゼン-1,2-ジイル、ベンゼン-1,2-ジイル、3-オキソシクロヘキシル-1,2-ジイル、3-シアノシクロペンタン-1,2-ジイル、もしくはピリジン-3,4-ジイルを形成し、
28が、水素、-CH、もしくは-CH-O-CHであり、
29が、水素、アセチル、CN、-CH-CN、-CH-CH-CN、-CH-O-CH、-CH=CH-CN、-CH-O-C(O)-N(CH、モルホリン-4-イルメチル、ピラゾール-1-イルメチル、ピリジン-3-イル、ピリジン-3-イルエチニル、ピリジン-2-イルオキシメチル、もしくは2-シアノプロパン-2-イルであり、または
28及びR29が、一緒になることで、2,3-ジヒドロベンゾフラン-3,3-ジイル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン-3,3-ジイル、テトラヒドロピラン-3,3-ジイル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[c]ピリジン-6-イル、テトラヒドロピラン-4,4-ジイル、もしくは4-メトキシシクロヘキサンを形成する、項1~39のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
116.Qが、
Figure 2022520154000387
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
117.Qが、
Figure 2022520154000388
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
118.Qが、
Figure 2022520154000389
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
119.Qが、
Figure 2022520154000390
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
120.Qが、
Figure 2022520154000391
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
121.Qが、
Figure 2022520154000392
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
122.Qが、
Figure 2022520154000393
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
123.Qが、
Figure 2022520154000394
である、項115に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
124.Rが、-CH、-CHCH、-(CHCH、-CH(CH、-CH(CH)CHCH、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、4-メトキシベンジル、またはテトラヒドロピラン-4-イルである、項1~123のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
125.Rが、存在せず、A環が、窒素含有飽和ヘテロシクリルである、項1~89のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
126.Rのうちで、
Figure 2022520154000395
によって表される部分が、
Figure 2022520154000396
からなる群から選択され、R中の各環系が、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、または-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;及び-NH-C-Cアルキル;から独立して選択される最大で4つの置換基によって任意選択で置換される、項1~89及び項94~124のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
127.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000397
によって表される、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
128.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000398
によって表される、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
129.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000399
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
130.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000400
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
131.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000401
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
132.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000402
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
133.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000403
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
134.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000404
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
135.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000405
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
136.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000406
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
137.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000407
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
138.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000408
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
139.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000409
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
140.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000410
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
141.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000411
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
142.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000412
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
143.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000413
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
144.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000414
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
145.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000415
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
146.Rの前記部分が、
Figure 2022520154000416
である、項126に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
147.Rのうちで、WHによって表される部分が、-C(O)-C≡C-CH、-C(O)-CH=CH、-S(O)-CH=CH、-C(O)-CHCl、-C(O)-CH(CH)Cl、もしくは-C(O)-CH(Cl)-CH-O-CHであり、または
のうちで、-R11-WHによって表される部分が、R11が1つのR14と一緒になる場合、
Figure 2022520154000417
である、項1~89及び項94~124のいずれか1項に記載の化合物。またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
148.Rが、1-(2-クロロ-3-メトキシプロパノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル-N-エチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピペリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピペリジン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)-ピペリジン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)-3-フルオロアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)ピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)-4-フルオロピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)-ピペリジン-3-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)-ピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-2-イルカルボニル-N-メチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イルカルボニル-N-メチルアミノ、1-アクリロイル-2-オキソ-イミダゾリジン-3-イル、1-アクリロイル-3-フルオロアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-3-フルオロピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-4-フルオロピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイルアゼチジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイルアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-ピペリジン-3-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイル-ピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイルピロリジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイルピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-2-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-7-(2-クロロプロパノイル)-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-(ブタ-2-イノイル)-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-(2-クロロアセチル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-(ブタ-2-イノイル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-アクリロイル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-ビニルスルホニル-2-オキソイミダゾリジン-3-イル、1-ビニルスルホニルアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、2-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-N-メチルアセトアミド、2-(ブタ-2-イノイル)-5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、2,5-ジオキソ-3,4-ジメチル-2,5-ジヒドロピロール-1-イル-N-メチルアセトアミド、2-アクリロイル-2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、2-クロロアセトアミドメチル-N-メチルカルボキサミド、2-オキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル-N-メチルアセトアミド、2-オキソ-3-(2-クロロアセトアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-(N-メチル-2-クロロアセトアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-(N-メチルアクリルアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-アクリルアミドピロリジン-1-イル、2-オキソ-4-(2-クロロアセチル)ピペラジン-1-イル、2-オキソ-4-アクリロイルピペラジン-1-イル、2-オキソ-4-ビニルスルホニルピペラジン-1-イル、2-オキソシクロペンタ-3-エン-1-イル-N-メチルアセトアミド、3-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド)フェニル-N-メチルカルボキサミド、4-(ブタ-2-イノイル)-ピペラジン-1-イル-N-メチルカルボキサミド、4-アクリロイルピペラジン-1-イル-N-メチルカルボキサミド、6-オキソ-2-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル、及び6-オキソ-2-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イルからなる群から選択される、項1~147のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
149.Rが、水素、フルオロ、または-CHであり、
が、水素、フルオロ、クロロ、-OH、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHOH、-CHOCH、-CHF、-CHF、CHCN、-CH-シクロプロピル、シクロプロピル、ピリジル、フェニル、または-CH-フェニルであり、Rの任意のフェニル部分が、ハロ、-CN、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される最大で4つの置換基によって任意選択で置換され、あるいは
及びRが、一緒になることで、=CHもしくはシクロプロピルもしくはシクロブチルもしくはシクロペンチルもしくはシクロヘキシルを形成し、または
が、それが結合している炭素原子、Qの環原子、及びXと一緒になってオキサゼパンを形成する、項1~85、項87、項88、及び項90~148のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
150.Rが、-OH、-NH、または-CHFである、項1~37及び項39~149のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
151.Rが、-OHである、項150に記載の化合物。
152.図1から選択される化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
153.項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体と、医薬的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物。
154.プレゼンタータンパク質と、RASタンパク質と、項1~152のいずれか1項に記載の化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩または項123に記載の医薬組成物と、を含む複合体。
155.前記RASタンパク質が、KRASである、項154に記載の複合体。
156.前記RASタンパク質が、KRAS G12Cである、項154または項155に記載の複合体。
157.前記プレゼンタータンパク質が、シクロフィリンである、項154~156のいずれか1項に記載の複合体。
158.前記プレゼンタータンパク質が、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、またはPPWD1である、項154~157のいずれか1項に記載の複合体。
159.前記プレゼンタータンパク質が、CYPAである、項154~158のいずれか1項に記載の複合体。
160.複合体の生成方法であって、前記方法が、プレゼンタータンパク質及びKRAS G12Cタンパク質を、複合体形成を可能にする上で適した条件の下で、項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体と接触させることを含む、前記方法。
161.前記プレゼンタータンパク質が、シクロフィリンタンパク質である、項160に記載の方法。
162.前記プレゼンタータンパク質が、PP1A、CYPA、CYPB、CYPC、CYP40、CYPE、CYPD、NKTR、SRCyp、CYPH、CWC27、CYPL1、CYP60、CYPJ、PPIL4、PPIL6、RANBP2、またはPPWD1である、項160または項161に記載の方法。
163.前記プレゼンタータンパク質が、CYPAである、項160~162のいずれか1項に記載の方法。
164.がんの治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記方法が、項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、または項153に記載の医薬組成物を有効量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
165.細胞においてKRAS G12Cタンパク質を阻害する方法であって、前記方法が、項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、または項153に記載の医薬組成物を有効量で前記細胞と接触させることを含む、前記方法。
166.KRAS G12Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記方法が、項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、項153に記載の医薬組成物を有効量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
167.細胞におけるRAF-RAS結合を阻害する方法であって、前記方法が、項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、または項153に記載の医薬組成物を有効量で前記細胞と接触させることを含む、前記方法。
168.前記細胞が、がん細胞である、項165または項167に記載の方法。
169.前記がん細胞が、結腸直腸癌細胞、膵癌細胞、または非小細胞肺癌細胞である、項168に記載の方法。
170.がんの治療を、それを必要とする対象において行うための、項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体の使用。
171.前記がんが、膵癌、結腸直腸癌、または非小細胞肺癌である、項164または項170に記載の方法または使用。
172.KRAS G12Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行うための、項1~152のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体の使用。
173.前記方法または前記使用が、追加の治療剤を投与することをさらに含む、項164~172のいずれか1項に記載の方法または使用。
174.前記追加の治療剤が、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、第2のRas阻害剤、SHP2阻害剤、SOS1阻害剤、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、mTORC1阻害剤、BRAF阻害剤、PD-L1阻害剤、PD-1阻害剤、CDK4/6阻害剤、またはそれらの組み合わせである、項173に記載の方法。
175.前記追加の治療剤が、SHP2阻害剤である、項174に記載の方法。
176.前記SHP2阻害剤が、TNO155、JAB-3068、またはRMC-4630である、項175に記載の方法。

Claims (30)

  1. 式I:
    Figure 2022520154000418
    の化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体であって、式中:
    Qが、二環式アリーレン、二環式ヘテロアリーレン、または二環式ヘテロシクリレンであり、Q中の第1の環が、Xと結合され、Q中の第2の環が、Zと結合され、Qが、任意選択で置換され、
    Xが、結合;フルオロ、-CN、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1~3つの置換基によって任意選択で置換された直鎖C-Cアルキレン;-O-;-S(O)0-2-;-CH-O-;-CH-S(O)0-2-;-O-CH-;または-CH-S(O)0-2-であり、「」が、Xが-C(R)(R)-と結合される部分を表し
    Yが、-O-、-NH-、または-N(C-Cアルキル)-であり、
    Z環が、フェニルまたは6員のヘテロアリールであり、
    が、任意選択で置換されたC-Cアルキル、-(CH0-1-(任意選択で置換されたC-Cシクロアルキル)、-(CH0-1-(任意選択で置換されたアリール)、または任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、
    が、
    Figure 2022520154000419
    であり、
    A環が、4~8員のシクロアルキルまたは4~8員のヘテロシクリルであり、
    Wが、-N(R12)-、-O-、または-C(R12a)(R12b)-であり、
    各Rがそれぞれ、独立して、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、もしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;または-NH-C-Cアルキルであり、
    が、存在する場合、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、Rの各アルキレン部分が、1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、各置換基が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
    10が、存在する場合、1つ以上の置換基によって任意選択で置換されたC-Cアルキレンであり、各置換基が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
    11が、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-、または窒素含有飽和ヘテロシクリルであり、R11の各アルキレン部分が、1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、各置換基が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択され、
    12が、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、または
    12が、1つのR、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、A環と縮合もしくはスピロ縮合した任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成するか、または
    12が、R10中の任意のメチレン単位もしくはR11中の任意のメチレン単位、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成し、
    12a及びR12bがそれぞれ、独立して、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、またはR12a及びR12bが、それらが結合している炭素原子と一緒になることで、3~6員のシクロアルキル環を形成し、
    13が、O、S、N-CN、またはN-O-C-Cアルキルであり、
    WHが、
    Figure 2022520154000420
    であり、
    各R14が、独立して、水素;-CN;または-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、
    15が、-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、または任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、
    16が、水素;または-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは任意選択で置換された4~7員の飽和ヘテロシクリルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換された-C-Cアルキルであり、あるいは
    14が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、または
    16が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、
    が、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルであり、
    が、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたC-Cアルキルであり、
    が、水素、ハロゲン、-OH、-CN、-O-(任意選択で置換されたC-Cアルキル)、任意選択で置換されたC-Cアルキル、任意選択で置換されたC-Cアルケニル、任意選択で置換されたC-Cアルキニル、-(CH0-1-アリール、-(CH0-1-ヘテロアリール、-(CH0-1-シクロアルキル、または-(CH0-1-ヘテロシクリルであり、あるいは
    及びRが、一緒になることで、=CH、任意選択で置換されたC-Cシクロアルキル、もしくは3~7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、または
    が、Q中の環原子、Rが結合している炭素原子、及びXと一緒になることで、Qと縮合した4~9員の飽和ヘテロシクリルもしくは不飽和ヘテロシクリルを形成し、
    が、水素または-CHであり、
    各Rが、独立して、ハロ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-OH、-O-C-Cアルキル、-O-C-Cハロアルキル、-NRn1n2、-NRn1ORn2、-ONRn1n2、または-NRn1NRn2n3であり、
    n1が、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn1のメチレン単位のうちの1つが、
    Figure 2022520154000421
    によって任意選択で置き換えられ、
    n2が、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn2のメチレン単位のうちの1つが、
    Figure 2022520154000422
    によって任意選択で置き換えられ、
    n3が、H、C-Cアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、Rn3のメチレン単位のうちの1つが、
    Figure 2022520154000423
    によって任意選択で置き換えられ、
    各Rが、独立して、ハロ、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルであり、
    nが、0、1、2、3、4、5、または6であり、
    pが、0、1、2、または3であり、
    rが、0、1、2、3、または4である、前記化合物、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体。
  2. 前記化合物が、式(Ia):
    Figure 2022520154000424
    の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、
    式中:
    Xが、結合、-O-、-CH-、-CH(CH)-、-CH-O-、または-CH-CH-であり、「」が、XがC(R)(R)と結合される部分を表し、
    Yが、-O-または-NH-であり、
    が、-C-Cアルキル、-(CH0-1-(C-Cシクロアルキル)、または-C-Cシクロアルキルであり、
    が、
    Figure 2022520154000425
    であり、
    A環が、4~8員のシクロアルキルまたは4~8員の飽和ヘテロシクリルであり、
    各Rがそれぞれ、独立して、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、もしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;または-NH-C-Cアルキルであり、
    nが、0、1、2、3、4、5、または6であり、
    が、存在する場合、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、Rの各アルキレン部分が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、
    10が、存在する場合、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換されたC-Cアルキレンであり、
    11が、-N(C-Cアルキレン-H)-、-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-、-C(C-Cアルキレン-H)(C-Cアルキレン-H)-、または-C(C-Cアルキレン-H)(C(O)-C-Cアルキレン-H)-であり、R11の各アルキレン部分が、ハロ、-CN、-OH、-C-Cアルキル、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意選択で置換され、
    12が、水素もしくは-C-Cアルキルであるか、または
    12が、1つのR、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、A環と縮合した任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成するか、または
    12が、R10中の任意のメチレン単位もしくはR11中の任意のメチレン単位、それらがそれぞれ結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員のヘテロシクリルを形成し、
    WHが、
    Figure 2022520154000426
    であり、
    各R14が、独立して、水素、-CN、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、-O-C-Cアルキルであり、
    15が、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、または-C-Cアルキレン-O-C-Cアルキルであり、
    16が、水素、-C-Cアルキル、-C-Cヒドロキシアルキル、または-C-Cアルキレン-O-C-Cアルキルであり、あるいは
    14が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、または
    16が、RもしくはR11のいずれか、それらが結合している原子、及び任意の介在原子と一緒になることで、任意選択で置換された5~8員の環系を形成し、
    が、水素、ハロ、またはC-Cアルキルであり、
    が、水素、ハロ、-OH、C-Cアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアルキレン-O-C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-(CH0-1-C-Cシクロアルキル、C-Cシアノアルキル、または-(CH0-1-アリール(ベンジル)であり、あるいは
    及びRが、一緒になることで、=CHもしくはC-Cシクロアルキルを形成し、または
    が、Qの環原子、それが結合している炭素原子、及びXと一緒になることで、5~7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、
    が、-OH、-NH、またはC-Cハロアルキルであり、
    Qが、二環式アリーレン、二環式ヘテロアリーレン、または二環式ヘテロシクリレンであり、
    Q中の第1の環が、Xと結合され、Q中の第2の環が、Zと結合され、
    Qが、=O;-CN;1つ以上の独立して選択されるハロ、CN、OH、-O-(C-Cアルキル)、-C(O)-(C-Cアルキル)、-O-(C-Cアルキニル)、-(C-Cシクロアルキル)、または4~7員の飽和ヘテロシクリルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロによって任意選択で置換された-O-(C-Cアルキル);1つ以上の独立して選択される-CNまたは-OHによって任意選択で置換されたC-Cアルケニル;C-Cアルキニル;-S(O)-C-Cアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-C-Cシクロアルキル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロアリール;1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-ヘテロシクリル;1つ以上の独立して選択されるハロ、-CN、-CNもしくは-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル、-C(O)-飽和ヘテロシクリル、-O-飽和ヘテロシクリル、O-シクロアルキル、または-O-アリールによって任意選択で置換された-(CH0-1-アリール;-C(O)-NH-(C-Cアルキル);-C(O)-N(C-Cアルキル);C-Cシクロアルキルによって任意選択で置換されたC-Cアルケニレン=N-O-(C-Cアルキル);から選択される1つ以上の独立して選択される置換基によって任意選択で置換され、あるいは
    Qの同じ環原子または隣接環原子上の2つの置換基が、一緒になることで、1つ以上の独立して選択されるハロ、=O、-CN、C-Cアルキル、または-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された5~7員の単環式環または6~12員の二環式環を形成し、Qと縮合する、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物が、式(Ib):
    Figure 2022520154000427
    の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、あるいは
    前記化合物が、式(Ic):
    Figure 2022520154000428
    の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体である、請求項2に記載の化合物。
  4. Qが、5,6二環式ヘテロアリーレン、5,6二環式ヘテロシクリレン、6,6二環式ヘテロアリーレン、または6,6二環式ヘテロシクリレンであり、Qが、任意選択で置換される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  5. Qが、
    Figure 2022520154000429
    からなる群から選択され、
    式中:
    、V、V、及びVがそれぞれ、独立して、C、CH、またはNであり、
    Q1が、-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、または
    Q1が、それが結合している窒素原子、及び隣接環原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
    Q11及びRQ12がそれぞれ、独立して、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、RQ11及びRQ12がそれぞれ、任意選択で置換され、または
    Q11及びRQ12が、それらが共に結合している窒素原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RQ11及びRQ12が一緒になることによって形成される前記環が、別の5~6員の環と任意選択で縮合する、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  6. Qが、
    Figure 2022520154000430
    からなる群から選択され、
    式中:
    、V、V、及びVがそれぞれ、独立して、C、CH、N、C(F)、C(CH)、C(OH)、C(OCH)、またはC(CN)であり、
    、V、及びVがそれぞれ、独立して、C(R17a)(R17b)またはC(=O)であり、R17a及びR17bがそれぞれ、水素、ハロ、-C-Cアルキル、-C-Cハロアルキル、-O-C-Cアルキル、-O-C-Cハロアルキルから独立して選択され、V、V、及びVのうちの2つ以下がC(=O)であり、
    NQ1が、水素、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、
    各RQ2が、独立して、水素、CN、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、または
    NQ1及び1つのRQ2が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RNQ1及び1つのRQ2が一緒になることによって形成される前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
    各RQ3が、独立して、水素、CN、任意選択で置換された-S(O)-RQ11、-C(O)-RQ11、-S(O)-N(RQ11)RQ12、-C(O)-N(RQ11)RQ12、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールが、任意選択で置換され、または
    同じ原子に結合した2つのRQ3が、一緒になることで、=CH、=O、=S、もしくは=NRV4を形成し、または
    同じ原子に結合した2つのRQ3が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、各RQ3が一緒になることによって形成される前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、または
    NQ1及び1つのRQ3が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RNQ1及びRQ3が一緒になることによって形成される前記環が、5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
    Q11及びRQ12がそれぞれ、独立して、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、4~14員のヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、RQ11及びRQ12がそれぞれ、任意選択で置換され、または
    Q11及びRQ12が、それらが結合している原子と一緒になることで、任意選択で置換された4~8員の環を形成し、RQ11及びRQ12が一緒になることによって形成される前記環が、別の5~6員の環と任意選択でさらに縮合し、
    **」が、QがZ環と結合される部分を表す、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  7. Qが、
    Figure 2022520154000431
    からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  8. 前記化合物が、式(Id):
    Figure 2022520154000432
    の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、あるいは
    前記化合物が、式(Ij):
    Figure 2022520154000433
    の構造を有するものであるか、その医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、または互変異性体である、請求項7に記載の化合物。
  9. 前記化合物が、式(IL):
    Figure 2022520154000434
    の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、R18が、BrまたはClであり、あるいは
    前記化合物が、式(Im):
    Figure 2022520154000435
    の構造を有するものであるか、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体であり、各R14が、Hである、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. Qが、
    Figure 2022520154000436
    からなる群から選択され、
    式中:
    「1」が、QがXと結合される部分を示し、
    Qが、任意選択でさらに置換される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  11. Qが、
    Figure 2022520154000437
    からなる群から選択され、
    式中:
    Rが、-CHCH、-CHCH-OCH、-CHCHF、-CH-CN、-CCH-CN、-C(CH-CHCN、-CHCH-CN、シクロヘキシル、シクロブチル、シクロプロピル、ピリジン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イルメチル、オキセタン-3-イルメチル、2-シアノ-5-メトキシフェニル、2-シアノ-5-メトキシメチルフェニル、2-シアノ-6-(メトキシメチル)フェニル、2-シアノ-6-ブロモフェニル、2-メトキシエタン-1-イル、2-シアノプロパン-2-イル、2-テトラヒドロピラン-4-イルエタン-1-イル、3-シアノペンタン-3-イル、もしくは2-シアノ-4-メトキシブタン-2-イルであるか、または
    Rが、
    Figure 2022520154000438
    であり、
    23が、水素またはフルオロであり、
    24が、水素、クロロ、-CN、-CH、-CHCH、-CHF、-CF、-CH-CN、-CH(CN)-CH、--C(CH-CN、-C(CHCH-CN、-CH-CH-CN、-C(CH)=N-O-CH(CH、-C(CH)=N-O-CH、-C(O)-N(CH、-C(O)-NH-CH、-OCH、-CH-O-CH、-C≡CH、-C≡C-CH、-S(O)CH、1-(シクロペンチル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1-シアノエタン-1-イル、1,3-ジメトキシ-2-シアノプロパン-2-イル、1,4-ジメチルピラゾール-5-イル、1-シアノシクロブチル、1-シアノシクロプロピル、1-シアノシクロペンチル、1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル、1-メチルピラゾール-3-イル、1-メチルピラゾール-4-イルシアノメチル、1-メチルピペリジン-4-イル、1-メチルピラゾール-5-イル、1-オキソインドリン-5-イル、1-オキソイソインドリン-4-イル、1-オキソイソインドリン-6-イル、2-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、2-(メトキシメチル)フェニル、2-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2,2-ジフルオロ-ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジシアノプロパン-2-イル、2-クロロフェニル、2-シアノ-3-(テトラヒドロピラン-4-イル)プロパン-2-イル、2-シアノ-3-クロロフェニル、2-シアノ-3-フルオロフェニル、2-シアノ-3-メトキシフェニル、2-シアノ-4-フルオロフェニル、2-シアノ-4-クロロフェニル、2-シアノ-5-クロロフェニル、2-シアノ-5-フルオロフェニル、2-シアノ-5-メトキシフェニル、2-シアノ-6-クロロフェニル、2-シアノ-6-フルオロフェニル、2-シアノ-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)フェニル、2-シアノメチルフェニル、2-シアノフェニル、2-シアノプロパン-2-イル、2-シクロペンチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、2-フルオロフェニル、2-メトキシ-6-シアノフェニル、2-メトキシフェニル、2-メトキシカルボニルフェニル、2-ニトロフェニル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-フェノキシフェニル、3-(1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イルメチル)フェニル、3-(2-メトキシエタン-1-イル)フェニル、3,5-ジフルオロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)フェニル、3-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル、3-シアノメチルフェニル、3-シアノペンタン-3-イル、3-シアノフェニル、3-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタ-1-イン-1-イル、3-メトキシ-2-メチルブタン-2-イル、3-メトキシメチル-5-メチルイソオキサゾール-4-イル、3-メトキシフェニル、3-メトキシカルボニルフェニル、3-オキソ-2-メチルブタン-2-イル、4-シアノフェニル、4-シアノテトラヒドロピラン-4-イル、4-メトキシフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、ベンゾ[d]オキサゾール-7-イル、ベンゾ[d]チアゾール-2-イル、ベンゾ[d]チアゾール-4-イル、ベンゾ[d]チアゾール-5-イル、ベンゾ[d]チアゾール-6-イル、ベンゾ[d]チアゾール-7-イル、シクロブチル、シクロプロピル、シクロプロピルシアノメチル、N-メトキシシクロプロパンカルビミドイル、フェニル、ピリジン-2-イルメチル、ピリジン-3-イル、ピリジン-3-イルメチル、ピリジン-4-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルシアノメチル、テトラヒドロピラン-4-イル、もしくはテトラヒドロピラン-4-イルシアノメチルであり、
    27が、水素、-CH、-CHF、-CHCH、-CH-O-CH、CHCN、-CN、-CH-O-CH-CN、-C(O)-N(CH、-C(O)-NH-CH、-CH-O-CH-C≡CH、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2-シアノフェニル、3-シアノフェニル、フェニル、2-ベンジルメチルエーテル、2-(2-メトキシエチル)ベンゼン、2-(2-ジフルオロメトキシエチル)ベンゼン、2-(2-ジメチルメトキシエチル)ベンゼン、ピリジン-3-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルメチル、もしくはテトラヒドロピリジン-4-イルであり、または
    24及びR27が、一緒になることで、4-シアノベンゼン-1,2-ジイル、3-シアノベンゼン-1,2-ジイル、5-メチル-5-シアノテトラヒドロピラン-3,4-ジイル、3-シアノシクロヘキサン-1,2-ジイル、3-メトキシベンゼン-1,2-ジイル、ベンゼン-1,2-ジイル、3-オキソシクロヘキシル-1,2-ジイル、3-シアノシクロペンタン-1,2-ジイル、もしくはピリジン-3,4-ジイルを形成し、
    28が、水素、-CH、もしくは-CH-O-CHであり、
    29が、水素、アセチル、CN、-CH-CN、-CH-CH-CN、-CH-O-CH、-CH=CH-CN、-CH-O-C(O)-N(CH、モルホリン-4-イルメチル、ピラゾール-1-イルメチル、ピリジン-3-イル、ピリジン-3-イルエチニル、ピリジン-2-イルオキシメチル、もしくは2-シアノプロパン-2-イルであり、または
    28及びR29が、一緒になることで、2,3-ジヒドロベンゾフラン-3,3-ジイル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン-3,3-ジイル、テトラヒドロピラン-3,3-ジイル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[c]ピリジン-6-イル、テトラヒドロピラン-4,4-ジイル、もしくは4-メトキシシクロヘキサンを形成する、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  12. が、-CH、-CHCH、-(CHCH、-CH(CH、-CH(CH)CHCH、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、4-メトキシベンジル、またはテトラヒドロピラン-4-イルである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  13. が、存在せず、A環が、窒素含有飽和ヘテロシクリルである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  14. のうちで、
    Figure 2022520154000439
    によって表される部分が、
    Figure 2022520154000440
    からなる群から選択され、R中の各環系が、フルオロ;クロロ;-CN;-OH;-NH;CN、OH、NH、または-O-C-Cアルキルによって任意選択で置換された-C-Cアルキル;-O-C-Cアルキル;及び-NH-C-Cアルキル;から独立して選択される最大で4つの置換基によって任意選択で置換される、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  15. のうちで、WHによって表される部分が、-C(O)-C≡C-CH、-C(O)-CH=CH、-S(O)-CH=CH、-C(O)-CHCl、-C(O)-CH(CH)Cl、もしくは-C(O)-CH(Cl)-CH-O-CHであり、または
    のうちで、-R11-WHによって表される部分が、R11が1つのR14と一緒になる場合、
    Figure 2022520154000441
    である、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  16. が、1-(2-クロロ-3-メトキシプロパノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル-N-エチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピペリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピペリジン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロアセチル)ピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)-ピペリジン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)-3-フルオロアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(2-クロロプロパノイル)ピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)-4-フルオロピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)アゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-(ブタ-2-イノイル)-ピペリジン-3-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)-ピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-2-イルカルボニル-N-メチルアミノ、1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-3-イルカルボニル-N-メチルアミノ、1-アクリロイル-2-オキソ-イミダゾリジン-3-イル、1-アクリロイル-3-フルオロアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-3-フルオロピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-4-フルオロピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイルアゼチジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイルアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイル-ピペリジン-3-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイル-ピペリジン-4-イルカルボニルメチルアミノ、1-アクリロイルピロリジン-2-イル-N-メチルカルボキサミド、1-アクリロイルピロリジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-2-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル、1-オキソ-7-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-7-(2-クロロプロパノイル)-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-(ブタ-2-イノイル)-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.3]オクタン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、1-オキソ-7-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-(2-クロロアセチル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-(ブタ-2-イノイル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-オキソ-8-アクリロイル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、1-ビニルスルホニル-2-オキソイミダゾリジン-3-イル、1-ビニルスルホニルアゼチジン-3-イル-N-メチルカルボキサミド、2-(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)-N-メチルアセトアミド、2-(ブタ-2-イノイル)-5-オキソ-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、2,5-ジオキソ-3,4-ジメチル-2,5-ジヒドロピロール-1-イル-N-メチルアセトアミド、2-アクリロイル-2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-イル-N-メチルカルボキサミド、2-クロロアセトアミドメチル-N-メチルカルボキサミド、2-オキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル-N-メチルアセトアミド、2-オキソ-3-(2-クロロアセトアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-(N-メチル-2-クロロアセトアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-(N-メチルアクリルアミド)ピロリジン-1-イル、2-オキソ-3-アクリルアミドピロリジン-1-イル、2-オキソ-4-(2-クロロアセチル)ピペラジン-1-イル、2-オキソ-4-アクリロイルピペラジン-1-イル、2-オキソ-4-ビニルスルホニルピペラジン-1-イル、2-オキソシクロペンタ-3-エン-1-イル-N-メチルアセトアミド、3-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド)フェニル-N-メチルカルボキサミド、4-(ブタ-2-イノイル)-ピペラジン-1-イル-N-メチルカルボキサミド、4-アクリロイルピペラジン-1-イル-N-メチルカルボキサミド、6-オキソ-2-(2-クロロアセチル)-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル、及び6-オキソ-2-アクリロイル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イルからなる群から選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  17. が、水素、フルオロ、または-CHであり、
    が、水素、フルオロ、クロロ、-OH、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHOH、-CHOCH、-CHF、-CHF、CHCN、-CH-シクロプロピル、シクロプロピル、ピリジル、フェニル、または-CH-フェニルであり、Rの任意のフェニル部分が、ハロ、-CN、及び-O-C-Cアルキルから独立して選択される最大で4つの置換基によって任意選択で置換され、あるいは
    及びRが、一緒になることで、=CHもしくはシクロプロピルもしくはシクロブチルもしくはシクロペンチルもしくはシクロヘキシルを形成し、または
    が、それが結合している炭素原子、Qの環原子、及びXと一緒になってオキサゼパンを形成する、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  18. が、-OH、-NH、または-CHFである、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  19. 図1から選択される化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体。
  20. 請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体と、医薬的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物。
  21. プレゼンタータンパク質と、RASタンパク質と、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩または請求項20に記載の医薬組成物と、を含む複合体。
  22. 複合体の生成方法であって、前記方法が、プレゼンタータンパク質及びKRAS G12Cタンパク質を、複合体形成を可能にする上で適した条件の下で、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体と接触させることを含む、前記方法。
  23. がんの治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記方法が、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、または請求項20に記載の医薬組成物を有効量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
  24. 細胞においてKRAS G12Cタンパク質を阻害する方法であって、前記方法が、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、または請求項20に記載の医薬組成物を有効量で前記細胞と接触させることを含む、前記方法。
  25. KRAS G12Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記方法が、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、請求項20に記載の医薬組成物を有効量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
  26. 細胞におけるRAF-RAS結合を阻害する方法であって、前記方法が、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体、または請求項20に記載の医薬組成物を有効量で前記細胞と接触させることを含む、前記方法。
  27. がんの治療を、それを必要とする対象において行うための、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体の使用。
  28. KRAS G12Cタンパク質関連障害の治療を、それを必要とする対象において行うための、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩、エナンチオマー、立体異性体、もしくは互変異性体の使用。
  29. 前記方法または前記使用が、追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項22~28のいずれか1項に記載の方法または使用。
  30. 前記追加の治療剤が、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、第2のRas阻害剤、SHP2阻害剤、SOS1阻害剤、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、mTORC1阻害剤、BRAF阻害剤、PD-L1阻害剤、PD-1阻害剤、CDK4/6阻害剤、またはそれらの組み合わせである、請求項29に記載の方法。
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