JP2022518759A - 半芳香族半結晶性ポリアミドポリマー並びに対応するポリマー組成物及び物品 - Google Patents

半芳香族半結晶性ポリアミドポリマー並びに対応するポリマー組成物及び物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2022518759A
JP2022518759A JP2021542376A JP2021542376A JP2022518759A JP 2022518759 A JP2022518759 A JP 2022518759A JP 2021542376 A JP2021542376 A JP 2021542376A JP 2021542376 A JP2021542376 A JP 2021542376A JP 2022518759 A JP2022518759 A JP 2022518759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide polymer
polyamide
polymer
repeating unit
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021542376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7467483B2 (ja
Inventor
ジョエル フロレス,
ステファン ジェオル,
Original Assignee
ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー filed Critical ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Publication of JP2022518759A publication Critical patent/JP2022518759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7467483B2 publication Critical patent/JP7467483B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G69/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
    • C08G69/02Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/26Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/265Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids from at least two different diamines or at least two different dicarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/32Phosphorus-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/32Phosphorus-containing compounds
    • C08K2003/329Phosphorus containing acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L77/06Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids

Abstract

本明細書において述べるのは、ガラス転移温度(「Tg」)が向上し、且つTm-Tgの値が相対的に小さいポリアミドポリマーであり、ここでTmは上記ポリアミドポリマーの融点である。上記ポリアミドポリマーは、(1)直鎖脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンと、(2)芳香族ジカルボン酸との重縮合により形成される繰り返し単位を含む半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーである。向上したTgに少なくとも部分的により、上記ポリアミドポリマーは、限定されないが、携帯電子機器、自動車、航空宇宙、建設及び建築、石油及びガス、工業、電気及び電子機器、消費財、医療及びヘルスケア等の用途設定に望ましくは組み込まれ得る。更に、上記ポリアミドポリマーはTm-Tgが相対的に小さく、そのため、サイクルタイムが比較的少ないことによりポリアミドポリマーを含有する物品をより効率的に製造することができる。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月22日に出願された米国仮特許出願第62/795324号明細書及び2019年2月18日に出願された欧州特許出願第19157834.3号明細書に対する優先権を主張し、これらの出願それぞれの全内容は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、ガラス転移温度が向上した半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーに関する。本発明は更に、ポリアミドポリマー組成物及び半結晶性ポリアミドポリマーを含有する物品に関する。
半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーは、広範囲な用途設定において理想的である。その耐薬品性、高い機械的性能及び寸法安定性に少なくとも部分的により、半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーは少なくとも携帯機器及び自動車用途において広く用いられている。それにも関わらず、多くの半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーはガラス転移温度(Tg)が相対的に低いために、その使用を高温用途設定、特に半芳香族半結晶性ポリアミドに対し高温(例えば150℃以上)でも高弾性率が維持されることが求められる用途にまで拡張することは困難である。それに加えて、部分的に又は完全に生物原料由来で且つ高温で上述の機械的要求を満たす半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーは、環境に優しいソリューションを提供することから、更により望ましい。更に、相対的に高い凝固速度を有する半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーは、凝固速度が低いポリアミドポリマーと比較して、ポリアミドポリマーから物品を(例えば射出成形により)速やかに製造できることから望ましい。
第1の態様においては、本発明は繰り返し単位RPA1及びRPA2を含むポリマーに関し、ここで繰り返し単位RPA1は以下の式で表される。
Figure 2022518759000001
式中、R及びRは、それぞれの位置で、水素、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ若しくはアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;R~Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ若しくはアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択される。繰り返し単位RPA2は、以下の式の群から選択される式で表される。
Figure 2022518759000002
Figure 2022518759000003
ここで、R~R10は、それぞれの位置で、及びR11~R24は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;n及びnは、1~10、好ましくは1~2から独立して選択された整数であり、最も好ましくはn及びnは両方とも1である。
一部の実施形態においては、繰り返し単位RPA1は式(1)で表され、RPA2は式(3)で表される。代替の実施形態においては、繰り返し単位RPA1は式(1)で表され、RPA2は式(5)で表される。一部の実施形態においては、R、R及びR~R10は、それぞれの位置で、水素であり、R~R及びR11~R24は、すべて水素である。一部の実施形態においては、ポリアミドポリマーは、PA5,T/1,3-BAC,Tか、PA5,T/1,4-BAC,Tの何れかである。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、合計で、少なくとも90モル%の繰り返し単位RPA1及びRPA2を含む。一部の実施形態においては、繰り返し単位RPA1のRPA2に対するモル数の比は少なくとも1である。
一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、繰り返し単位RPA3と繰り返し単位RPA4とを更に含み、ここで繰り返し単位RPA3は、繰り返し単位RPA1と区別され、式(1)によって表されるか、又は下記式によって表される。
Figure 2022518759000004
繰り返し単位RPA4は、繰り返し単位RPA2と区別され、式(3)~(6)から選択される式で表される。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、PA5,T/5,I/1,3-BAC,T/1,3-BAC,Iか、PA5,T/5,I/1,4-BAC,T/1,4-BAC,Iの何れかである。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、合計で、少なくとも90モル%の繰り返し単位RPA1~RPA4を含有する。
一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのガラス転移温度(Tg)は少なくとも150℃である。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーの融点(Tm)と上記ポリアミドポリマーのTgとの差(Tm-Tg)は170℃以下である。
別の態様においては、本発明は、上記ポリアミドポリマーと、強化繊維と、紫外線(UV)安定剤、熱安定剤、顔料、染料、難燃剤、耐衝撃性改質剤、加工助剤、核形成剤、無機充填剤、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせからなる群から任意選択的に選択される添加剤と、並びに別のポリアミドポリマー、ポリエステルポリマー、ポリアリールエーテルスルホンポリマー、ポリアリールエーテルケトンポリマー、ポリアリーレンスルフィドポリマー、ポリアリールエーテルポリマー、液晶ポリマー、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせからなる群から任意選択的に選択される追加のポリマーと、を含有するポリアミドポリマー組成物に関する。
更に別の態様においては、本発明は、上記ポリアミドポリマー組成物のポリアミドポリマーを含む物品に関し、ここで上記物品は、コネクタ、チュービング、ハウジング、パン、スイッチ、ソケット、キャップ、リング、フランジ、インペラ、ブラケット、バルブ、カバー、構造支持材、ワッシャ、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される、携帯電子機器部品又は自動車部品の何れかである。
更に別の態様においては、本発明は、請求項1~12の何れか1項に記載のポリアミドポリマーを作成する方法に関し、上記方法は、(1)直鎖脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンを、(2)芳香族ジカルボン酸と重縮合することを含み、ここで上記直鎖脂肪族ジアミンは下記式によって表される。
N-(RC)-NH (7)
脂環式ジアミンは、下記式の群から選択される式で表される。
Figure 2022518759000005
芳香族ジカルボン酸は、下記式で表される。
Figure 2022518759000006
ここで、R25~R28は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択される。
本明細書において述べるのは、ガラス転移温度(Tg)が向上し、且つTm-Tgの値が相対的に小さいポリアミドポリマーである。ここでTmは上記ポリアミドポリマーの融点である。上記ポリアミドポリマーは、(1)直鎖脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンと、(2)芳香族ジカルボン酸との重縮合により形成される繰り返し単位を含む半芳香族半結晶性ポリアミドポリマーである。向上したTgに少なくとも部分的により、上記ポリアミドポリマーは、限定されないが、携帯電子機器、自動車、航空宇宙、建設及び建築、石油及びガス、工業、電気及び電子機器、消費財、医療及びヘルスケア等の用途設定に望ましくは組み込まれ得る。更に、上記ポリアミドポリマーはTm-Tgが相対的に小さく、そのため、サイクルタイムが比較的少ないことによりポリアミドポリマーを含有する物品をより効率的に製造することができる。
本明細書に記載の上記ポリアミドポリマーは、Tg及び融点(Tm)が相対的に高い。Tgが高くなることにより、用途、特に高温用途の範囲がより広がる。例えば、選択された用途設定における使用温度にTgが近い場合、上記使用温度を十分に上回るTgを有する、対応するポリアミドポリマー組成物と比較して、上記ポリアミドポリマーの剛性と寸法安定性は一般的に低い。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTgは少なくとも150℃である。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTgは200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、又は165℃以下である。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTgは150℃~200℃、150℃~190℃、150℃~180℃、150℃~170℃、又は150℃~165℃である。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTmは少なくとも250℃、少なくとも260℃、270℃、又は少なくとも280℃である。それに加えて又はその代わりに、上記ポリアミドポリマーのTmは350℃以下、340℃以下、330℃以下、又は320℃以下である。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTmは250℃~350℃、260℃~340℃、270℃~330℃、又は280℃~320℃である。
それに加えて、上記ポリアミドポリマーのTm-Tgの値は比較的小さい。TmとTgとの差が減少すると、Tm-Tgがより大きいポリアミドポリマーと比較して固化時間が減ることに少なくとも部分的により、ポリマー成形時のサイクルタイムがより短くなる。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTm-Tgの値は100℃以下、少なくとも115℃、又は少なくとも120℃である。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTm-Tgは170℃以下、160℃以下、又は155℃以下である。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのTm-Tgは100℃~170℃、100℃~160℃、115℃~160℃、115℃~155℃、又は120℃~155℃である。
ポリアミドポリマー
上記ポリアミドポリマーは、合計で、少なくとも50モルパーセント(モル%)の繰り返し単位RPA1及び繰り返し単位RPA2を含む。本明細書で使用される場合、モル%は、別途明記しない限り、ポリアミドポリマー中の繰り返し単位の全モル数に対しての割合である。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、合計で、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも99モル%、又は少なくとも99.9モル%の繰り返し単位RPA1及びRPA2を含む。
繰り返し単位RPA1は、以下の式で表される。
Figure 2022518759000007
式中、R及びRは、それぞれの位置で、水素、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;R~Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択される。一部の実施形態においては、R及びRは、それぞれの位置で水素であり、R~Rは、すべて水素であるか、その両方である。明確化のため、本明細書で使用される場合、破線で表される結合(---)は、描かれた構造の外側の原子への結合(例えば、隣接する繰り返し単位内の原子への結合)を表す。更に、表記-(RC)-において、n個の炭素が一つの鎖の中で結合しており、各炭素は独立して選択されたRa及びR置換基を有していることは、当業者であれば理解できるであろう。
繰り返し単位RPA2は、以下の式の群から選択される式で表される。
Figure 2022518759000008
Figure 2022518759000009
ここで、R~R10は、それぞれの位置で、及びR11~R24は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;n及びnは独立して選択される1~10の整数である。一部の実施形態においては、n=nであってn及びnは1~2から独立して選択される整数であるか、又はその両方の何れかである。好ましくはn及びnは、両方とも1である。一部の実施形態においては、R~Rは、R21~R24とそれぞれ同じである。一部の実施形態においては、R~Rは、全て水素であり、R~R12は全て水素であるか、又はその両方である。
一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、PA5,T/1,3-BAC,Tか、PA5,T/1,4-BAC,Tの何れかであり、ここでBACとは、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのことを指す。
一部の実施形態においては、RPA1のRPA2に対するモル数の比(RPA1のモル数/RPA2のモル数)が少なくとも1である。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、繰り返し単位RPA1の、RPA2に対するモル数の比は、2.3以下、又は1.5以下である。一部の実施形態においては、繰り返し単位RPA1の、RPA2に対するモル数の比は1~2.3又は1~1.5である。
一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、繰り返し単位RPA1及び繰り返し単位RPA2に加えて繰り返し単位を有する。一部のそのような実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、繰り返し単位RPA3と繰り返し単位RPA4とを更に有し、これらはそれぞれ互いに区別され、且つ繰り返し単位RPA1及び繰り返し単位RPA2と区別される。一部の実施形態においては、繰り返し単位RPA3は式(1)又は以下の式によって表され、
Figure 2022518759000010
且つ、繰り返し単位RPA4は式(3)~(6)からなる群から選択される式で表される。一部のそのような実施形態においては、上記ポリアミドポリマーはPA5,T/5,I/1,3-BAC,T/1,3-BAC,Iか、PA5,T/5,I/1,4-BAC,T/1,4-BAC,Iの何れかである。上記ポリアミドポリマーが繰り返し単位RPA3及び繰り返し単位RPA4を含有する一部の実施形態においては、繰り返し単位RPA1~RPA4の総濃度は、繰り返し単位RPA1及びRPA2の総濃度に対して上で特定された範囲内である。
一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのインヘレント粘度は、少なくとも1グラム当たり0.3デシリットル(dL/g)、少なくとも0.4dL/g、又は少なくとも0.5dL/gである。一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーのインヘレント粘度は1.6dL/g以下である。一部の実施形態においては、ポリアミドポリマーのインヘレント粘度は、0.3dL/g~1.6dL/g、0.4dL/g~1.6dL/g、又は0.5dL/g~1.6dL/gである。インヘレント粘度は、ASTM D5255の標準法に従い、フェノール-テトラクロロエタン(PTCE)を溶媒として用いた溶液粘度により測定することができる。
ポリアミドポリマーの合成
上記ポリアミドポリマーは、当該技術分野において周知の方法により合成することができる。一つのアプローチにおいては、上記ポリアミドポリマーは、(1)直鎖脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンと、(2)芳香族ジカルボン酸との重縮合によって合成する。
上記直鎖脂肪族ジアミンは、以下の式で表される。
N-(RC)-NH (7)
脂環式ジアミンは、下記式の群から選択される式で表される。
Figure 2022518759000011
芳香族ジカルボン酸は、下記式で表される。
Figure 2022518759000012
ここで、R25~R28は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択される。明確化のため、一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマーは、2を超える数のジアミン、1を超える数のジカルボン酸、又は2を超える数のジアミン及び1を超える数のジカルボン酸を用いて合成し得る。上記ポリアミドポリマーが2を超える数のジアミンを用いて合成される一部のそのような実施形態においては、その追加のジアミンはそれぞれ独立して式(8)又は式(9)で表される。それに加えて又はその代わりに、上記ポリアミドポリマーが1を超える数のジカルボン酸を用いて合成される一部の実施形態においては、その追加のカルボン酸はそれぞれ独立して式(10)か、又は下記式によって表される。
Figure 2022518759000013
本明細書での開示に基づいて、当業者であれば、上記ポリアミドポリマーの繰り返し単位(例えば、繰り返し単位RPA1及びRPA2、並びに任意選択的な追加の繰り返し単位RPA3及びRPA4)を形成するのにどのようにして適切なジアミン及びジカルボン酸を選択するか分かるであろう。例えば、式(1)による繰り返し単位は、式(7)によるジアミンと、式(10)によるジカルボン酸との重縮合によって形成することができる。式中、R25~R28は、それぞれR~Rと同じである。別の例としては、式(3)による繰り返し単位は、式(8)によるジアミンと、式(10)によるジカルボン酸との重縮合によって形成することができる。式中、R25~R28は、それぞれR21~R24と同じである。更に別の例としては、ポリアミドポリマーPA5,T/1,3-BAC,Tは、式(7)によるジアミン及び式(8)によるジアミンと、式(10)によるジカルボン酸との重縮合によって形成することができる。式中、R及びRは、それぞれの例において、及びR11~R28は全て水素である。また、更に別の例としては、ポリアミドポリマーPA5,T/5,I/1,4-BAC,T/1,4-BAC,Iは、式(7)によるジアミン及び式(9)によるジアミンと、式(10)によるジカルボン酸と式(11)によるジカルボン酸との重縮合によって形成することができる。式中、R及びRは、それぞれの例において、及びR11~R28は全て水素である。
ポリアミドポリマー組成物
上記ポリアミドポリマーは、望ましくは、ポリアミドポリマー組成物中に配合することができる。一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物中の上記ポリアミドポリマーの濃度は、少なくとも10重量パーセント(重量%)、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%である。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物中の上記ポリアミドポリマーの濃度は、99.9重量%以下、80重量%以下、60重量%以下、又は55重量%以下である。一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物中の上記ポリアミドポリマーの濃度は、10重量%~99.9重量%、20重量%~80重量%、30重量%~60重量%、又は35重量%~55重量%である。本明細書で使用される場合、重量パーセントは、別途明記しない限り、ポリアミドポリマー組成物の総重量に対しての割合である。
ポリアミドポリマー組成物は、ポリアミドポリマーに加えて、強化繊維と、紫外線(UV)安定剤、熱安定剤、顔料、染料、難燃剤、耐衝撃性改質剤、加工助剤、核形成剤、無機充填剤、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせから選択される添加剤と、を含み得る。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物は、追加のポリマーを含む。限定されないが、望ましい追加のポリマーの例には、別のポリアミドポリマー(脂肪族又は半芳香族)、ポリエステルポリマー、ポリアリールエーテルスルホンポリマー、ポリアリールエーテルケトンポリマー、ポリアリーレンスルフィドポリマー、ポリアリールエーテルポリマー、液晶ポリマー、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせが含まれる。
限定されないが、強化繊維には、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、合成ポリマー繊維(例えばアラミド繊維)、アルミニウム繊維、ケイ酸アルミニウム繊維、上記アルミニウム繊維の金属酸化物、チタン繊維、マグネシウム繊維、ロックウール繊維、スチール繊維、炭化ケイ素繊維、及びホウ素繊維が含まれる。好ましくは、補強繊維はカーボンファイバー又はガラス繊維であり、最も好ましくはガラス繊維である。
炭素繊維に関し、炭素繊維のモルフォロジーは特に限定されないが、一部の実施形態においては、炭素繊維の平均長さは4mm~10mmである。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、炭素繊維の平均アスペクト比(最大長さ/最大径)が20~40である。ここで上記径は、上記長さと垂直に交わる。一部の実施形態においては、炭素繊維は、12,000~50,000のトウを有し得る。
一部の実施形態においては、上記ポリアミドポリマー組成物は、少なくとも5重量パーセント(重量%)、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%の炭素繊維を含有する。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物は、60重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、又は40重量%以下の炭素繊維を含有する。一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物は、5重量%~60重量%、10重量%~50重量%、15重量%~45重量%、又は20重量%~40重量%の炭素繊維を含有する。本明細書で使用される場合、重量%は、別途明記しない限り、上記ポリアミドポリマー組成物の総重量に対しての割合である。
一部の実施形態において、上記ポリアミドポリマー組成物は、ガラス繊維を含む。ガラス繊維は、異なるタイプのガラスを生み出すように調整することができる数種の金属酸化物を含むシリカ系ガラス化合物である。主な酸化物は、ケイ砂の形態のシリカであり、カルシウム、ナトリウム及びアルミニウムなどの他の酸化物が、溶融温度を低下させ、及び結晶化を妨げるために組み込まれる。ガラス繊維は、エンドレス繊維として又はチョップドガラス繊維として添加し得る。ガラス繊維は、一般に5~20、好ましくは5~15μm、より好ましくは5~10μmの相当直径を有する。ガラス繊維タイプのすべて、例えば、A、C、D、E、M、S、R、Tガラス繊維(Additives for Plastics Handbook,2nd ed, John Murphyのchapter 5.2.3,pages 43-48に記載されるとおりの)、又はそれらの任意の混合物若しくはそれらの混合物が使用されてもよい。
E、R、S及びTガラス繊維は、当該技術分野で周知である。それらは特に、Fiberglass and Glass Technology,Wallenberger,Frederick T.;Bingham, Paul A.(Eds.), 2010,XIV,chapter 5,pages 197-225に記載されている。R、S及びTガラス繊維は、ケイ素、アルミニウム及びマグネシウムの酸化物から本質的に構成される。特に、それらのガラス繊維は、典型的には62~75重量%のSiO2、16~28重量%のAl2O3、及び5~14重量%のMgOを含む。一方、R、S及びTガラス繊維は、10重量%未満のCaOを含む。
一部の実施形態においては、ガラス繊維は、高弾性ガラス繊維である。高弾性ガラス繊維の弾性率は、ASTM D2343に準じて測定して、少なくとも76、好ましくは少なくとも78、より好ましくは少なくとも80、最も好ましくは少なくとも82GPaである。高弾性ガラス繊維の例としては、限定されないが、S、R、及びTガラス繊維が挙げられる。高弾性繊維の市販の供給源は、それぞれTaishanとAGYから提供されるS-1及びS-2ガラス繊維である。
ガラス繊維のモルフォロジーは特に限定されない。上述したように、ガラス繊維は、円形断面(ラウンドガラス繊維)又は非円形断面(扁平ガラス繊維)を有していてもよい。限定されないが、好適な扁平ガラス繊維の例には、長円形、楕円形及び長方形の断面を有するガラス繊維が含まれる。ポリマー組成物が扁平ガラス繊維を含む一部の実施形態においては、扁平ガラス繊維の断面最長径は、少なくとも15μm、好ましくは少なくとも20μm、より好ましくは少なくとも22μm、更により好ましくは少なくとも25μmである。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、扁平ガラス繊維の断面最長径は、多くとも40μm、好ましくは多くとも35μm、より好ましくは多くとも32μm、更により好ましくは多くとも30μmである。一部の実施形態においては、扁平ガラス繊維の断面直径は15~35μmの、好ましくは20~30μmの、より好ましくは25~29μmの範囲であった。一部の実施形態においては、扁平ガラス繊維の断面最短径は、少なくとも4μm、好ましくは少なくとも5μm、より好ましくは少なくとも6μm、更により好ましくは少なくとも7μmである。それに加えて又はその代わりに、扁平ガラス繊維の断面最短径は、多くとも25μm、好ましくは多くとも20μm、より好ましくは多くとも17μm、更により好ましくは多くとも15μmである。一部の実施形態においては、扁平ガラス繊維の最短径は、5μm~20μm、好ましくは5μm~15μm、より好ましくは7μm~11μmである。
一部の実施形態においては、扁平ガラス繊維のアスペクト比は、少なくとも2、好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、更により好ましくは少なくとも3である。アスペクト比は、ガラス繊維の断面における最長径の、同じ断面における最短径に対する比として定義される。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、ガラス繊維のアスペクト比は、多くとも8、好ましくは多くとも6、より好ましくは多くとも4である。一部の実施形態においては、扁平ガラス繊維のアスペクト比は、2~6、好ましくは2.2~4である。ガラス繊維がラウンドガラス繊維である一部の実施形態においては、ガラス繊維のアスペクト比は、2未満、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.2未満、更により好ましくは1.1未満、最も好ましくは1.05未満である。当然ながら、当業者であれば、ガラス繊維のモルフォロジー(例えばラウンドか扁平か)に関わらず、定義により、アスペクト比が1未満になることはあり得ないことを理解するであろう。
一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物は、少なくとも5重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%のガラス繊維を含む。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物は、50重量%以下を有する。一部の実施形態においては、ポリアミドポリマー組成物は、5重量%~50重量%、20重量%~50重量%、25重量%~50重量%、又は30重量%~50重量%のガラス繊維を有する。
添加剤及び追加のポリマーに関し、一部の実施形態においては、添加剤及び追加のポリマーの総濃度は、少なくとも0.5重量%、又は少なくとも1重量%である。それに加えて又はその代わりに、一部の実施形態においては、添加剤及び追加のポリマーの総濃度は、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、又は3重量%以下である。一部の実施形態においては、添加剤の総濃度は、0.5重量%~30重量%、0.5重量%~25重量%、0.5重量%~20重量%、0.5重量%~15重量%、0.5重量%~10重量%、0.5重量%~5重量%、1重量%~5重量%、1重量%~4重量%、又は1重量%~3重量%である。
ポリアミドポリマー組成物の形成
ポリアミドポリマー組成物は、当該技術分野において周知の方法によって作製され得る。例えば、ある実施形態においては、上記ポリアミドポリマー組成物は、上記ポリマー、及び何れかの強化繊維又は添加剤の溶融混合により作成し得る。任意の溶融混合方法を、上記ポリアミドポリマー組成物の上記成分を混合するのに使用することができる。例えば、ある実施形態においては、上記ポリアミドポリマー組成物の全ての成分(例えば上記ポリアミドポリマー、及び何れかの強化繊維及び添加剤)を、単軸押出機若しくは二軸押出機、攪拌機、単軸若しくは二軸混練機、又はバンバリーミキサー等のメルトミキサーに仕込む。成分は全てを一度にメルトミキサーに添加してもよく、又は数回に分けて徐々に添加してもよい。成分が数回に分けて徐々に添加される場合、その成分の一部をまず添加し、次に残りの成分を引き続き添加しながら溶融混合し、十分に混合された組成物が得られるまで溶融混合を行う。補強剤が長い物理的形状(例えば、長い炭素繊維や長いガラス繊維)を有する強化繊維を上記ポリアミドポリマー組成物が含む場合、延伸押出成形を用いて上記ポリアミドポリマー組成物を調製してもよい。
物品
上記ポリマー組成物は、限定されないが、自動車部品や携帯電子機器部品等の多くの物品に望ましくは組み込むことができる。自動車部品に関し、高くなったTg(及び、それ故高くなった高温での向上した機械的特性)に少なくとも部分的により、本明細書で述べる上記ポリマー組成物は、望ましくはフード付きの自動車用途に組み込むことができる。一部の実施形態においては、上記自動車部品は、コネクタ、チュービング、ハウジング、パン、スイッチ、ソケット、キャップ、リング、フランジ、インペラ、ブラケット、バルブ、カバー、構造支持材、ワッシャ、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される。
用語「携帯電子機器」は、便利に持ち運ばれ、様々な場所で使用されるように設計された電子機器を示すことを意図している。携帯電子機器の代表的な例は、携帯電子電話、個人用携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラジオ、カメラ及びカメラ付属品、時計、計算器、音楽プレーヤー、グローバル・ポジショニング・システム受信機、携帯ゲーム機、ハード・ドライブ並びに他の電子記憶装置からなる群から選択されてもよい。好ましい携帯電子機器には、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電子電話、及び時計が含まれる。
限定されないが、本明細書において対象とする携帯電子機器部品には、取付け部品、スナップ嵌め部品、相互可動式部品、機能素子、作動要素、トラッキング素子、調整素子、キャリア素子、フレーム素子、スイッチ、コネクタ、ケーブル、ハウジング、及び例えばスピーカー部品などの、携帯電子機器で使用されるようなハウジング以外の任意の他の構造部品が含まれる。上記携帯電子機器部品はとりわけ、射出成形、押出成形又は他の成形技術によって製造することができる。
「携帯電子機器ハウジング」は、携帯用電子機器の裏面カバー、前面カバー、アンテナハウジング、フレーム及び/又は骨格の1つ以上を指す。ハウジングは、単一の物品であってもよく、2つ以上の構成部品を含んでもよい。「骨格」は、機器の他の構成部品、例えば、電子機器、マイクロプロセッサ、スクリーン、キーボード及びキーパッド、アンテナ、バッテリーソケットなど、機器の他の構成部品が取り付けられる構造部品をいう。骨格は、携帯電子機器の外部からは見えないか又は部分的に見えるに過ぎない内部部品であってもよい。ハウジングは、衝撃並びに環境作用剤(液体、ちりなど)による汚染及び/又は損傷から機器の内部部品を保護するものであってもよい。また、カバーなどのハウジング構成部品は、スクリーン及び/又はアンテナなどの機器の外部に露出している特定の構成部品に対する実質的な又は主要な構造支持と、衝撃に対する保護とを提供することができる。
好ましい実施形態では、携帯電子機器のハウジングは、携帯電話ハウジング、アンテナハウジング、タブレットハウジング、ラップトップコンピュータハウジング、タブレットコンピュータハウジング、及び時計ハウジングからなる群から選択される。
上記携帯電子デバイスなどの物品は、任意の好適な溶融加工方法を用いて上記ポリマー組成物から製造することができる。例えば、携帯電子機器部品の形成には、上記ポリマー組成物の射出成形又は押出成形が含まれる。射出成形が、好ましい方法である。
以下の実施例は、上記ポリアミドポリマーの合成と熱的特性を実証するものである。
実施例1:PA5,T/1,3-BAC,T/5,I/1,3-BAC,Iの合成
本実施例では、PA5,T/1,3-BAC,T/5,I/1,3-BAC,I(55/35/5/5)の合成を実際に行う。明確化のために、一般的表記PA R’PA1/R’PA2/…/R’PAn(X/X/…/X)(式中、R’PA1~R’PAnは繰り返し単位である)において、X~Xは、対応する繰り返し単位の相対モル数を表す。例えば、PA5,T/1,3-BAC,T/5,I/1,3-BAC,I(55/35/5/5)は、55モル%の繰り返し単位5,Tと、35モル%の繰り返し単位1,3-BAC,Tと、5モル%の繰り返し単位5,Iと、5モル%の繰り返し単位1,3-BAC,Iとを含む。類似の表記法を下記で使用する。
モル当量のペンタメチレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テレフタル酸、及びイソフタル酸を、攪拌した反応器に仕込み、脱イオン水(50重量%)を添加した。リン酸(120P換算重量ppm)を、重合における添加剤として使用した。本明細書で用いるところでは、「ppm」は、別途明記しない限り、重量ppmをいう。混合物を335℃に加熱した。生成した蒸気を解放し、この温度で60分間、大気圧で反応混合液を更に加熱した。加熱を止める前に10分間真空にした。形成されたポリマーを払い出し、その熱的特性を分析した。
実施例2:PA5,T/1,4-BAC,Tの合成
本実施例ではPA5,T/1,4-BAC,T(50/50)の合成を行った。モル当量のペンタメチレンジアミン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、及びテレフタル酸を用いて、実施例1で述べたものと同様の手順を行った。
実施例3:PA5,T/1,3-BAC,Tの合成
本実施例ではPA5,T/1,3-BAC,T(50/50)の合成を行った。モル当量のペンタメチレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、及びテレフタル酸を用いて、実施例1で述べたものと同様の手順を行った。
実施例4:ポリアミドポリマーの熱的特性評価
本実施例では、ポリアミドポリマーの熱的特性の評価を行う。
熱的特性の評価を行うために、ASTM D3418標準に従い、Tg及びTmを測定した。結果を下表1に示す。表1においては、「」で示したポリアミドは、2009年11月30日に出願されたKatsuhisaらの特開2011-111576号公報から得られた値をいい、「」で示したポリアミドは、2015年7月14日に発行されたRulkensらの米国特許第9,080,029号明細書から得られた値をいい、「」で示したポリアミドは、2010年11月10日に出願されたYukiらの特開2012-102232号公報から得られた値である。
Figure 2022518759000014
表に記載された他のPA5,Tポリマーと比較して、本明細書に記載のポリアミドポリマーは有意に改善されている。例えば、E1~E3を少なくともCE1~CE9と比較すると、脂環式基を含む繰り返し単位を導入することによりポリアミドポリマーのTgが高くなることが実証されている。更に、表1ではE1~E3に対するTm-TgがCE1~CE9に対するものよりも低いことも実証されている。E3とCE10とは同じTm-Tgではあるものの、E3に対するTgとTmは、CE10に対するものよりも有意に高い。
上記の実施形態は、例示的であり、限定的でないことが意図される。更なる実施形態は、本発明の概念内である。加えて、本発明は特定の実施形態に関連して記載されているが、当業者は、変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形式上及び詳細になされ得ることを認める。上記の文書の参照によるいかなる援用も、本明細書での明確な開示に反している主題はまったく援用されないように限定される。

Claims (11)

  1. 繰り返し単位RPA1、RPA2、RPA3及びRPA4を含有するポリマーであって、
    ここで、
    a)繰り返し単位RPA1は、下記式によって表され、
    Figure 2022518759000015
    式中、
    -R及びRは、それぞれの位置で、水素、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;
    -R~Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;
    b)繰り返し単位RPA2は、以下の式の群から選択される式で表され、
    Figure 2022518759000016
    Figure 2022518759000017
    式中、R~R10は、それぞれの位置で、及びR11~R24は、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;n及びnは、1~10、好ましくは1~2から独立して選択された整数であり、最も好ましくはn及びnは両方とも1であり、
    c)繰り返し単位RPA3は、繰り返し単位RPA1とは区別され、式(1)又は下記式で表され、
    Figure 2022518759000018
    d)繰り返し単位RPA4は、繰り返し単位RPA2と区別され、式(3)~(6)から選択される式で表される、ポリマー。
  2. 繰り返し単位RPA1は式(1)で表され、RPA2は式(3)で表される、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
  3. 繰り返し単位RPA1が、式(1)によって表され、繰り返し単位RPA2が、式(5)によって表される、請求項1に記載のポリアミドポリマー。
  4. 、R及びR~R10は、それぞれの位置で、水素であり、R~R及びR11~R24は、すべて水素である、請求項1~3の何れか一項に記載のポリアミドポリマー。
  5. ポリアミドポリマーはPA5,T/5,I/1,3-BAC,T/1,3-BAC,Iか、PA5,T/5,I/1,4-BAC,T/1,4-BAC,Iの何れかである、請求項1~4の何れか一項に記載のポリアミドポリマー。
  6. ポリアミドポリマーは、合計で、少なくとも90モル%の繰り返し単位RPA1~RPA4を含有する、請求項1~5の何れか一項に記載のポリアミドポリマー。
  7. ポリアミドポリマーのガラス転移温度(「Tg」)は少なくとも150℃である、請求項1~6の何れか一項に記載のポリアミドポリマー。
  8. ポリアミドポリマーの融点(「Tm」)とポリアミドポリマーのTgとの差(Tm-Tg)は170℃以下である、請求項1~7の何れか一項に記載のポリアミドポリマー。
  9. -請求項1~9の何れか1項で定義されたポリアミドポリマーと、
    -強化繊維と、
    -任意選択的に、紫外線(「UV」)安定剤、熱安定剤、顔料、染料、難燃剤、耐衝撃性改質剤、加工助剤、核形成剤、無機充填剤、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される添加剤と、
    -任意選択的に、別のポリアミドポリマー、ポリエステルポリマー、ポリアリールエーテルスルホンポリマー、ポリアリールエーテルケトンポリマー、ポリアリーレンスルフィドポリマー、ポリアリールエーテルポリマー、液晶ポリマー、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される追加のポリマーと、を含むポリアミドポリマー組成物。
  10. -請求項1~8の何れか1項に記載のポリアミドポリマーか、
    -請求項9記載のポリアミドポリマー組成物か、の何れかを含む物品であって、
    物品は、
    -携帯電子機器の構成部品か、
    -コネクタ、チュービング、ハウジング、パン、スイッチ、ソケット、キャップ、リング、フランジ、インペラ、ブラケット、バルブ、カバー、構造支持材、ワッシャ、及びそれらの1つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される自動車部品か、の何れかである物品。
  11. 請求項1~8の何れか1項に記載のポリアミドポリマーを作成する方法であって、方法は、(1)直鎖脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンを、(2)芳香族ジカルボン酸と重縮合することを含み、
    -直鎖脂肪族ジアミンは、以下の式で表され、
    N-(RC)-NH;(7)
    -脂環式ジアミンは、下記式の群から選択される式で表され、
    Figure 2022518759000019
    -芳香族ジカルボン酸は、以下の式で表され、
    Figure 2022518759000020
    式中、R25~R28は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキルエステル、アルカリ又はアルカリ土類金属リン酸塩、リン酸アルキルエステル、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択される、方法。
JP2021542376A 2019-01-22 2020-01-21 半芳香族半結晶性ポリアミドポリマー並びに対応するポリマー組成物及び物品 Active JP7467483B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201962795324P 2019-01-22 2019-01-22
US62/795,324 2019-01-22
EP19157834.3 2019-02-18
EP19157834 2019-02-18
PCT/EP2020/051444 WO2020152185A1 (en) 2019-01-22 2020-01-21 Semi-aromatic, semi-crystalline polyamide polymers and corresponding polymer compositions and articles

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022518759A true JP2022518759A (ja) 2022-03-16
JP7467483B2 JP7467483B2 (ja) 2024-04-15

Family

ID=69187790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021542376A Active JP7467483B2 (ja) 2019-01-22 2020-01-21 半芳香族半結晶性ポリアミドポリマー並びに対応するポリマー組成物及び物品

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220127420A1 (ja)
EP (1) EP3914636A1 (ja)
JP (1) JP7467483B2 (ja)
CN (1) CN113330052A (ja)
WO (1) WO2020152185A1 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009012936A1 (en) 2007-07-23 2009-01-29 Dsm Ip Assets B.V. E/e connector and polymer composition used therein
EP2305735B1 (en) * 2008-06-30 2017-09-06 Toray Industries, Inc. Polyamide resin, composition containing the polyamide resin, and molded articles of the polyamide resin and the composition
JP5504812B2 (ja) * 2008-10-22 2014-05-28 東レ株式会社 ポリアミド樹脂およびポリアミド樹脂組成物
WO2010139369A1 (de) * 2009-06-05 2010-12-09 Ems-Patent Ag Flammgeschützte, teilaromatische polyamidformmassen
JP2011111576A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Toyobo Co Ltd 共重合ポリアミド
JP5630286B2 (ja) * 2010-01-29 2014-11-26 東レ株式会社 ポリアミド樹脂の製造方法
JP2012102232A (ja) 2010-11-10 2012-05-31 Toyobo Co Ltd 共重合ポリアミド
EP2727951A1 (en) * 2012-11-06 2014-05-07 Solvay Specialty Polymers USA, LLC. Mobile electronic devices made of amorphous polyamides
CN103387667A (zh) * 2013-07-31 2013-11-13 上海凯赛生物技术研发中心有限公司 一种半芳香族尼龙及其制备方法
FR3064272A1 (fr) 2017-03-24 2018-09-28 Arkema France Composition de polyamide semi-cristallin de haute temperature de transition vitreuse a base de diamine courte pour materiau thermoplastique, son procede de fabrication et ses utilisations

Also Published As

Publication number Publication date
EP3914636A1 (en) 2021-12-01
WO2020152185A1 (en) 2020-07-30
CN113330052A (zh) 2021-08-31
JP7467483B2 (ja) 2024-04-15
US20220127420A1 (en) 2022-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI239973B (en) Flame retardant epoxy resin modified with phosphorus and silicon
WO2016039486A1 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPWO2018025799A1 (ja) 包接化合物及びその製造方法並びにその用途
JP2014015603A (ja) シアネートエステル系組成物及びその用途
JP2022518759A (ja) 半芳香族半結晶性ポリアミドポリマー並びに対応するポリマー組成物及び物品
JP6156638B2 (ja) シアネートエステル樹脂組成物
WO2020104412A1 (en) Polyamide/polyolefin blends and corresponding mobile electronic device components
JP2018100365A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品及び製造方法
JP2009073875A (ja) 難燃性ポリイミドシリコーン樹脂組成物
TWI701274B (zh) 樹脂組成物及成形體
KR102629765B1 (ko) 설폰화 폴리아미드 중합체 블렌드 및 상응하는 물품
JPH01118567A (ja) 難燃性ポリエステル組成物
JP2018100364A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品及び製造方法
JPH0238414A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2021187934A (ja) ポリアミド酸、ポリイミド及びポリイミドフィルム
EP3696220A1 (en) Polymer compositions including polyurethane sized carbon fibers
JP4089562B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP2004035638A (ja) 新規ゴム変性ポリアミドおよびその製造法
JP2006233101A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP6179720B2 (ja) シアネートエステル樹脂組成物
JPS6343918A (ja) 難燃性の付与されたエポキシ樹脂組成物
CN114430764A (zh) 热塑性聚合物组合物
JP6919178B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および成形品
JP2008019310A (ja) ポリアリレートおよびその製造方法
JPS6341526A (ja) 難燃化された半導体封止用エポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240403

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7467483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150