JP4089562B2 - 熱硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性組成物、その硬化物、およびその用途に関する。
3員環の環状エーテルであるオキシラン類(エポキシ化合物)が幅広い用途で使用されているのに対して、4員環を構成するオキセタン類は、近年、樹脂分野への工業的応用が進展しつつある。
オキセタン類と他の活性水素を有する化合物との重付加系においては、他の活性水素を有する化合物として多官能カルボン酸を用いた熱硬化性組成物(特許文献1)が開示されており、また、酸無水物を用いた熱硬化性組成物(特許文献2)が開示されている。しかし、オキシラン類に比較して、オキセタン類のほうが重付加反応における開始反応の速度が遅く、実用的な利用の際に様々な改良が重ねられている。例えば、反応を速くするために、特定のルイス酸触媒を使用する方法(特許文献3および4)や、一液保存安定性を損なわないで反応を速くするために潜在性触媒を使用する方法(特許文献5および6)が開示されている。しかし、これら多官能カルボン酸または酸無水物とオキセタン類との反応を速くするためには、多量の触媒を使用することが必要であり、この触媒反応は系内では微視的には不均一な速度で起こるために十分満足できる機械的諸物性、特に靭性(粘り強さ)が得られなかった。
一方、本発明者らは、先に、ジカルボン酸化合物のカルボキシル基とジビニルエーテルとを反応させたポリへミアセタールエステル樹脂、およびそれとエポキシ化合物とを含有する熱硬化性組成物を提案している(特許文献7および8)。上記ポリへミアセタールエステル樹脂は、比較的低い温度において遊離カルボキシル基を再生して、化学性能、物理性能、さらには耐候性などに優れる硬化物を与えるが、上記化合物と主剤であるエポキシ化合物等の樹脂組成物は、高強度・高耐候性等の要求特性に対しては、ベンゼン環骨格を含有した高融点化合物の使用が不可欠であり、多量の有機溶剤を樹脂中に配合し粘度調整をしなければならない。すなわち、封止剤、TAB用オーバーコート材、接着剤等の電気・電子部材に用いる樹脂組成物は、低粘度で、かつ温度変化による膨張、収縮に対する追随性の点からも、さらに硬度と靭性(粘り強さ)に優れた材料が必要とされていたが、十分満足できるものが得られていない。
特開平11−43540号公報 特開平11−60702号公報 特開平11−116663号公報 特開平11−140171号公報 特開2002−249560号公報 特開2002−275250号公報 特開平7−82351号公報 国際公開(WO)第00/40641号パンフレット
本発明の第1の目的は、良好な貯蔵安定性を有し、低粘度・高固形分1液型であって、比較的低い温度において硬化可能であり、化学性能、機械的諸物性、特に靭性(粘り強さ)、さらには耐候性などに優れる硬化物を与える熱硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、熱硬化性組成物を硬化してなる硬化物を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、熱硬化性組成物を硬化して用いる用途を提供することにある。
本発明者らは、前記の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定のカルボキシル基含有化合物とビニル(チオ)エーテル基含有化合物との反応生成物と、オキセタン化合物とを含有する熱硬化性組成物が、低粘度で、熱硬化後は、優れた物性を示す硬化物を与えることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[9]である。
[1]1分子中にカルボキシル基を2個以上有する化合物(a1)と1分子中にビニル(チオ)エーテル基を2個以上有する化合物(a2)との反応により得られる化合物(A)と、1分子中にオキセタン基を2個以上有する化合物(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性組成物。
[2](A)成分が、下記式(1)で示される化合物である前記の[1]に記載の熱硬化性組成物。
Figure 0004089562
(式中のR、Rは炭素数1〜50の2価の有機基であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。mは1〜500の整数である。)
[3](B)成分が、下記式(2)または(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種以上である前記の[1]または[2]に記載の熱硬化性組成物。
Figure 0004089562
(ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を示し、Rは、2価の置換または無置換の炭化水素基を示す。)
Figure 0004089562
(ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を示し、Rは、3または4価の置換または無置換の炭化水素基を示す。また、nは3または4である。)
[4]さらに、触媒(C)を含有してなる前記の[1]〜[3]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
[5](C)成分の触媒が、熱潜在性触媒である前記の[4]に記載の熱硬化性組成物。
[6](C)成分の触媒が、アルミニウム錯体から誘導される化合物である前記の[4]または[5]に記載の熱硬化性組成物。
[7](C)成分の触媒が、第4オニウム塩である前記の[4]に記載の熱硬化性組成物。
[8]前記の[1]〜[7]のいずれかに記載の熱硬化性組成物を硬化してなる樹脂硬化物。
[9]前記の[1]〜[7]のいずれかに記載の熱硬化性組成物を硬化して用いることを特徴とする電子部品。
本発明によれば、低粘度で高固形分化できる熱硬化性樹脂組成物が提供される。また、熱硬化性樹脂組成物を硬化することにより、優れた耐酸性、耐衝撃性、硬度、靭性(粘り強さ)、および耐候性を有する硬化物が提供される。さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化した靱性の優れた硬化樹脂を用いた電子部品が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化性組成物は、1分子中にカルボキシル基を2個以上、好ましくは2〜4個有する化合物(a1)と1分子中にビニル(チオ)エーテル基を2個以上、好ましくは2〜4個有する化合物(a2)との反応により得られる化合物(A)と、1分子中にオキセタン基を2個以上有する化合物(B)を含有することを特徴とする。ここで、ビニル(チオ)エーテルは、ビニルエーテルおよび/またはビニルチオエーテルを意味する。本発明で用いられる(A)成分は、下記式(1)で示される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004089562
ここで、R、Rは炭素数1〜50の2価の有機基であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。mは1〜500の整数である。
また、(A)成分の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、通常500〜100,000の範囲のものであり、好ましくは、1000〜50,000の範囲のものである。
(A)成分の化合物の反応末端基は、2個以上のビニル(チオ)エーテル基を有する化合物の少なくとも1個のビニル基が反応し、残りのビニル基が二重結合のまま残存していてもよく、また、ブロック化されていないカルボキシル基が一部残存していてもよい。
従って、(A)成分の樹脂酸価は、特に制限されるものではないが、通常5〜30mgKOH/gの範囲のものである。
次に本発明の必須成分である(A)成分の製造方法について説明する。(A)成分は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物(a1)と、2個以上のビニル(チオ)エーテル基を有する化合物(a2)との反応により得られるが、ここでは、ジカルボン酸化合物(a1)とジビニルエーテル化合物またはジビニルチオエーテル化合物(a2)を用いての(A)成分の製造方法を説明する。すなわち、下記式(4)で表されるジカルボン酸化合物(a1)と下記式(5)で表されるジビニル(チオ)エーテル化合物(a2)を、場合により用いられる酸触媒の存在下、好ましくは室温ないし200℃の温度で反応させることにより、容易に得ることができる。
Figure 0004089562
(式中のR1は、炭素数1〜50の2価の有機基である。)
Figure 0004089562
(式中のR2は、炭素数1〜50の2価の有機基であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。)
前記式(4)で表わされるジカルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、塩素化マレイン酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、デカメチレンジカルボン酸などの炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジクロロフタル酸、ジクロロイソフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロイソフタル酸、テトラクロロテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
また、このジカルボン酸の代わりに1モルのジオールと2モルの酸無水物との付加反応によって得られるジカルボン酸のハーフエステル体を使用することができる。そのようなジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。ハーフエステル体に使用される酸無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、フタル酸、マレイン酸、ジクロロフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などのジカルボン酸の酸無水物が挙げられる。その他、ポリエステル構造、ポリブタジエン構造を持つ末端ジカルボン酸など、ジカルボン酸構造を有するものであればいかなる化合物も使用し得る。
前記のジカルボン酸化合物は1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
また、前記式(5)で表されるジビニルエーテル化合物の具体例としては、例えば、トリメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ビスビニルオキシメチルシクロヘキセン、エチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル等の脂肪族ジビニルエーテル;1,4−ベンゼンジビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル等の芳香族ジビニルエーテル、およびこれらの対応するジビニルチオエーテル、並びに2,2−ビス(ビニルチオ)プロパンなどが挙げられる。
前記のジビニルエーテル化合物は1種単独で、または2種以上を混合して使用できる。
前記の脂肪族ジビニルエーテル、脂肪族ジビニルチオエーテル、芳香族ジビニルエーテル、芳香族ジビニルチオエーテルの中でも、脂肪族ジビニルエーテルが入手性およびカルボキシル基との反応性の点から好ましく挙げられる。
(A)成分の分子量の調整と、熱硬化性組成物の硬化後の物性の調整のために前記ジカルボン酸化合物またはハーフエステル体の他に1官能性のカルボン酸化合物またはフェノール類あるいはモノアルコールを併用してもよい。そのような化合物としては、例えば、炭素数1〜30の合成樹脂酸、炭素数10〜40の天然脂肪酸、ロジン、炭素数1〜30のフェノール類、アルコール類などが挙げられる。
前記式(4)で表されるジカルボン酸化合物またはハーフエステル体と前記式(5)で表されるジビニルエーテル化合物との反応における反応温度は、通常室温ないし200℃の範囲の温度であればよく、好ましくは50℃〜150℃である。また、この反応の反応時間は、反応進行状況に応じて適宜選定すればよいが、通常1〜100時間でよい。この際、反応を促進させる目的で酸触媒を使用することができる。そのような触媒としては、例えば、式(6)で表される酸性リン酸エステルが挙げられる。
Figure 0004089562
(ここで、Rは炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、qは1または2である。)
より具体的には、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール等の第一級アルコール類、およびイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。
また、反応系を均一にし、反応を容易にする目的で有機溶媒も使用することができる。そのような有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフサ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ#100(エクソン化学(株)登録商標)、ソルベッソ#150(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、モノメチルエーテル、酢酸メトキシブチル等のエステルおよびエーテルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メシチルオキサイド、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、エチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール誘導体が挙げられる。
より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。
有機溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記有機溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応原料100重量部に対して、通常、5〜95重量部、好ましくは、20〜80重量部である。
本発明に用いるオキセタン化合物(B)としては、式(2)または(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004089562
(ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を示し、Rは、炭素数1〜50の2価の有機基を示す。)
Figure 0004089562
(ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を示し、Rは、3または4価の置換または無置換の炭化水素基を表示す。また、nは3または4である。)
具体的には、以下の化合物が好ましく挙げられる。
Figure 0004089562
Figure 0004089562
Figure 0004089562
(A)成分は、加熱下において、遊離カルボキシル基を再生し、(B)成分のオキセタン基と化学結合を形成する。この反応の他に、さらに分子内分極構造に基づく、いわゆる活性エステルとして(B)成分の反応性官能基に付加反応を起こし得る。この際には、架橋反応時に脱離反応を伴わないため、揮発性有機物質の排出低減にも貢献することができる。
(A)成分と(B)成分の混合比については、(A)成分が加熱下において生じる遊離カルボキシル基と、これらの官能基と加熱により化学結合する(B)成分の官能基との配合割合の当量比1:9〜9:1であり、さらに好ましくは3:7〜7:3である。前記の(A)成分と(B)成分の当量比が範囲外であると、熱硬化が不十分となり、得られる硬化物および成型品の機械特性が低下する恐れがあるので好ましくない。
本発明の熱硬化性組成物においては、前記(A)成分の化合物は、1種類単独で用いてもよいし、2種類以上を組合わせてもよいし、また、前記(B)成分の化合物は、1種類単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明においては、これらの組成物に、場合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際に、硬化反応を促進し、硬化物に良好な化学性能および物理性能を付与する目的で、(C)成分として加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有させることができる。
この熱潜在性酸触媒は、60℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合物が望ましい。この熱潜在性酸触媒が60℃未満の温度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来する恐れがある。該C成分の熱潜在性酸触媒としては、プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物(i)、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物(ii)、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物(iii)、スルホン酸エステル類(iv)、リン酸エステル類(v)、オニウム化合物類(vi)、アルミニウム錯体から誘導される化合物(vii)、および第4オニウム塩(viii)が好ましく挙げられる。
該プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物(i)としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノおよびジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノおよびジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロへキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエチノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミンもしくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには、酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500、X49−110、3525、5225(商品名、キングインダストリーズ社製)などが挙げられる。
また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物(ii)としては、例えばBF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
さらに上記ルイス酸とトリアルキルホスフェートとの混合物(iii)も挙げられる。該スルホン酸エステル類(iv)としては、例えば式(21)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004089562
(ここで、Rはフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基またはアルキル基、Rは一級炭素または二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基、飽和もしくは不飽和のシクロアルキルまたはヒドロキシシクロアルキル基である。)
前記の化合物としては、具体的には例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類とn−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ルなどの第一級アルコール類またはイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノールなどの第二級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られるβ‐ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが挙げられる。
前記のリン酸エステル類(v)としては、例えば下記式(22)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004089562
(ここで、R10は、炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、sは1または2である)で表される化合物が挙げられる。
前記の化合物としては、具体的には例えば、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル等の第一級アルコール類、およびイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。
また該オニウム化合物(vi)としては、例えば式(23)〜(26)
[R11 NR12 + -・・・・・(23)
[R13 PR14 + -・・・・・(24)
[R15 OR16 + -・・・・・(25)
[R17 SR18 + -・・・・・(26)
(式(23)〜(26)中のR11、R13、R15、R17は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基またはシクロアルキル基であって、2個のR11、R13、R15、R17は互いに結合してN、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、R12、R14、R16、R18は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、X-はSbF -、AsF -、PF -またはBF -である)で表される化合物などが挙げられる。
また、アルミニウム錯体から誘導される化合物(vii)としては、具体的には例えば、β−ジケトネートアルミニウム錯体、β−ジケトエステラートアルミニウム錯体、o−カルボニルフェノレートアルミニウム錯体が挙げられる。上記アルミニウム錯体の配位子として用いられるβ−ジケトンとしては、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、2,4−ペンタンジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、5−ジメチル−2,4−へキサンジオン、5−フェニル−2,4−ペンタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−へプタンジオン、2,6−テトラメチル−3,5−ペンタンジオン等が挙げられる。
また、β−ジケトエステルとしては、エチルアセトアセテート、プロピルアセトアセテート、ブチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、エチルベンゾイルアセテート等が挙げられ、o−カルボニルフェノールとしては、2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド、2’−ヒドロキシ−アセトフェノン、メチル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
さらに、活性力を高めるために、上記アルミニウム錯体にさらにシラノ−ル化合物を混合したアルミニウム錯体を用いてもよい。そのようなシラノ−ル化合物としては、トリフェニルシラノ−ル、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン、へキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。
また、第4オニウム塩(viii)としては、具体的には例えば、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド等のテトラブチルアンモニウムハライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムアイオダイド等のテトラブチルホスホニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド等のテトラフェニルホスホニウムハライド等が挙げられる。
前記の(C)成分の中でも、アルミニウム錯体、第4オニウム塩がより好ましいと考えられる。
本発明の熱硬化性組成物において、(C)成分の触媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよく、またその添加量は本発明の熱硬化性組成物の総固形分量100重量部あたり、通常0.01〜10重量部の範囲で選ばれる。触媒の量が0.01重量部未満では触媒効果が十分に発揮されなく、10重量部を超える場合には、最終的に得られる硬化物が着色したり、耐水性が低下することがあり、好ましくない。
本発明の熱硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、公知の各種添加剤、例えば、着色剤、無機充填剤、強化剤、熱安定性向上剤や耐候性改良剤などの安定剤、増量剤、粘度調節剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤、抗菌剤、防カビ剤、老化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、発泡剤、離型剤、エラストマーなどを添加し配合することができる。
上記着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、金属錯塩染料などの染料、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカなどの無機顔料およびカップリングアゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、チオインジゴ系、ジオキサゾン系、フタロシアニン系などの有機顔料などが挙げられる。また、上記安定剤としては、ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系、オキザリックアシッドアニリド系などの化合物が挙げられる。
また、上記無機充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、ホウ素繊維、ステンレス鋼繊維、アルミニウム、チタン、銅、真鍮、マグネシウムなどの無機質ないし金属繊維;銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、鉛、ステンレス鋼、アルミニウム、金および銀などの金属粉末;木粉;マグネシア、カルシアなどの酸化物;珪素アルミニウム、ケイソウ土、石英粉末、タルク、クレイ、各種金属の水酸化物;炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ホウ珪酸塩、アルミノ珪酸塩、チタン酸塩、塩基性硫酸塩、塩基性炭酸塩およびその他の塩基性塩などの塩類、ガラス中空球、ガラスフレークなどのガラス材料;炭化珪素、窒化アルミ、ムライト、コージェライトなどのセラミック;およびフライアッシュやミクロシリカなどが挙げられる。
また、本発明の熱硬化性組成物は、熱硬化後の物性調整の為に、エポキシ樹脂やオキサゾリン化合物のような反応性官能基を1分子中に2個以上有する化合物を一部配合してもよい。配合量としては、オキセタン基とその他反応性官能基の比が、9:1〜5:5になるように配合する事が好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、熱硬化することによって、好ましい樹脂硬化物を得ることができる。その硬化に要する温度および時間については、(A)成分が遊離カルボキシル基を再生する温度、(B)成分の種類、触媒の種類などにより異なるが、通常50〜300℃の範囲の温度で30分ないし10時間程度加熱することにより、硬化が完了する。より好ましい反応条件としては、反応温度として80℃〜250℃の範囲の温度、反応時間として1時間ないし5時間程度加熱する条件が挙げられる。
このようにして得られた熱硬化性組成物は、低粘度であり、少量の有機溶剤で希釈すればよいので、低VOC化に貢献することができ、さらに、充填材の含有量を増やすことができる。また、上記組成物を硬化させた樹脂は、優れた機械特性、電気的特性、接着性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、特に優れた靱性を示す。
さらに、該熱硬化性組成物を加熱することで、優れた機械特性、電気特性、接着性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、特に優れた靱性などを示し、かつ、三次元網目構造を有する新規な硬化物が得られる。
したがって、本発明の新規な硬化物は、上述の特性を利用して、塗料やコーティング剤、接着剤、電気絶縁材料、ICや超LSI封止材料、積層板およびその他の電気・電子機器、コンクリート構造物の補修、新旧コンクリートの打継、補強鋼板の接着、各種ライニングなどの土木建築用途、注型用硬化物、印刷インキ、シーラント、フォトレジスト、織物被覆剤、含浸テープ、印刷プレートなどのエポキシ樹脂代替品として適用が可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されない。
次に用いた測定方法、試験方法を示す。
1、<酸価>
酸価は、JIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬としてKOH/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
2、<ガラス転移温度>
ガラス転移温度は、セイコーインスツルメント(株)製「DSC220」により、昇温速度;10℃/分、窒素流量;50mL/分の条件で測定した。
3、<分解開始温度>
分解開始温度は、セイコーインスツルメント(株)製「TG/DTA220」により、昇温速度;10℃/分、窒素流量;50mL/分の条件で測定した。
4、<重量平均分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)は東ソー(株)製、ゲル浸透クロマトグラフィーSC-8010を用い、カラムとして昭和電工(株)製SHODEX K-801を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算により求めた。
また、合成例および表1に用いた材料は次のとおりである。BDDVEは日本カーバイド工業(株)製の1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、CHDMは長瀬産業(株)製の1,4−シクロへキサンジメタノール、製品名「SR−16HL」は、阪本薬品工業(株)製の1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、製品名「エポトートYDCN−704」は、東都化成(株)製のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、製品名「アロンオキセタンOXT−121」は、東亞合成(株)製のキシリレンビスオキセタン、製品名「エピコート828」は、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、PMAは協和発酵工業(株)製のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、製品名「リカシッドHHPA」は新日本理化(株)製のヘキサヒドロフタル酸無水物をそれぞれ示す。
合成例1
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、アジピン酸:34.6g、BDDVE:40.4g、PMA:25.0gをそれぞれ仕込み、30分かけて常温から100℃まで昇温させた。続いて、100℃を維持して反応を続け、混合液の酸価が10mgKOH/g以下である事を確認して反応を停止させた。この後、ヘキサン/アセトン=9/1(重量比)の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去した後、真空乾燥して、酸価:4.6mgKOH/g、粘度:3000mPa・s、分子量(Mw):10000、分解開始温度:200℃の特性を有する淡黄色透明の樹脂(A)60.3gを得た。
合成例2
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、リカシッドHHPA:38.7g、CHDM:16.6g、PMA:25.0gをそれぞれ仕込み、30分かけて常温から140℃まで昇温させた。ついで、同温度を維持しながら反応を続け、反応率が98%以上になった時点で混合液の温度を100℃に冷却した。この後、1時間かけてBDDVEを滴下し、混合液の酸価が10mgKOH/g以下であることを確認して反応を停止した。次に、ヘキサン/アセトン=9/1の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターを用い、混合液から溶剤を留去し、その後、真空乾燥することにより、酸価:8.6mgKOH/g、ガラス転移温度:15℃、分子量(Mw):10000、分解開始温度:220℃の特性を有する淡黄色透明の樹脂(B)62.2gを得た。
実施例1〜4、比較例1〜4
合成例1、2で得られたポリへミアセタールエステル樹脂A、Bを用いて、表1に示した配合組成で、熱硬化性組成物を製造した。
5、<硬化膜の物性測定方法>
試験片の作成は、陽極酸化されたブラシ研磨アルミニウム板上に、表1に記載した実施例1〜4、比較例1〜4の組成物を用いて、乾燥膜厚で30μmになるようにバーコーターにて塗装し、80℃で30分間プリベイクした後、200℃、60分間硬化させて試験片を作成した。
硬化膜性能については、上記の方法により作成した試験板を用い、下記に示す試験方法により行った。
5.1 耐酸性−1
40wt%硫酸2mLを試験片上にスポット上に載せ、20℃で48時間放置後、硬化膜の異常を目視にて判定した。
5.2 耐酸性−2
40wt%硫酸2mLを試験片上にスポット上に載せ、60℃で30分間加熱後、硬化膜の異常を目視にて判定した。
5.3 耐酸性−3
試験片を0.1規定硫酸中に浸漬し、60℃で24時間保った後、硬化膜の異常を目視にて判定した。
5.4 耐衝撃性
衝撃変形試験器[JIS K−5400(1979)613.3 B法]を用い、半径6.35mmの撃ち型に試験片をはさみ、500gのおもりを40cmの高さから落下させた際の硬化膜の損傷を目視にて判定した。
5.5 引張強度、弾性率
(株)島津製作所製オートグラフAGS−Hを用いて測定した。
5.6 硬化膜Tg(℃)
TMA(セイコーインスツルメント(株)社製TMA/SS150)を用い、10℃/分で昇温した時の硬化物の伸び率が急変する温度を硬化膜Tg(℃)とした。
5.7 ヌープ硬度
(株)島津製作所製のM型微小硬度計にて20℃で測定した。数値の大きいほど硬く粘り強いことを示す。
5.8 折り曲げ試験
ブリキ板上に、乾燥膜厚で30μmになるようにバーコーターにて塗装し、80℃で30分間プリベイクした後、200℃、60分間硬化させて試験片を作成した。その後、ブリキ板を約90度曲げることで硬化膜の割れの有無を目視で確認した。
5.9 熱衝撃試験
ブリキ板上に、乾燥膜厚で30μmになるようにバーコーターにて塗装し、80℃で30分間プリベイクした後、200℃、60分間硬化させて試験片を作成した。その後、125℃×30分、−55℃×30分、合計60分を1サイクルとする雰囲気下に放置し、1000時間後の硬化膜の状態を確認した。
5.10 貯蔵安定性試験
表1で得られた組成物をキシレンで10dPa・s(E型粘度計による20℃での測定値)に希釈した後、50℃で密封貯蔵した。50℃で30日間貯蔵後、再び粘度測定した。
諸性能の評価結果を表1に示す。
Figure 0004089562
表1中の硬化触媒A、B、Cは、以下のものを示す。
*1) アセチルアセトネートアルミニウム錯体とトリフェニルシラノ−ルを等モルで反応させたアルミニウム錯体の60重量%トルエン溶液
*2) テトラブチルアンモニウムブロマイド
*3) オクチル酸亜鉛とトリエタノールアミンを等モルで反応させた亜鉛錯体の80重量%シクロヘキサノン溶液
以上の結果から本発明の熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物を使用することなく、優れた耐酸性、耐衝撃性、高硬度、高靭性(粘り強さ)を有する硬化膜が得られることがわかる。さらに、比較例1〜3のエポキシ樹脂を用いた場合の熱硬化性樹脂組成物と比較し、本発明の実施例1〜4のオキセタン化合物を用いた場合は、組成物自体が低粘度であることがわかる。

Claims (7)

  1. 1分子中にカルボキシル基を2個以上有する化合物(a1)と1分子中にビニル(チオ)エーテル基を2個以上有する化合物(a2)との反応により得られ、下記式(1)で示される化合物(A)と、1分子中にオキセタン基を2個以上有し、下記式(2)または(3)で示される化合物(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性組成物。
    Figure 0004089562
    (式中のR、Rは炭素数1〜50の2価の有機基であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。mは1〜500の整数である。)
    Figure 0004089562
    (ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を示し、Rは、2価の置換または無置換の炭化水素基を示す。)
    Figure 0004089562
    (ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基を示し、Rは、3または4価の置換または無置換の炭化水素基を示す。また、nは3または4である。)
  2. さらに、触媒(C)を含有してなる請求項に記載の熱硬化性組成物。
  3. (C)成分の触媒が、熱潜在性触媒である請求項に記載の熱硬化性組成物。
  4. (C)成分の触媒が、アルミニウム錯体から誘導される化合物である請求項2または3に記載の熱硬化性組成物。
  5. (C)成分の触媒が、第4オニウム塩である請求項2に記載の熱硬化性組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化してなる樹脂硬化物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化して用いることを特徴とする電子部品。
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