JP2022514943A - 半芳香族ポリアミド樹脂及びその製造方法 - Google Patents

半芳香族ポリアミド樹脂及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、半芳香族ポリアミド及びその製造方法に関する。前記半芳香族ポリアミドは、ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸を主原料とし、特定のブロッキング剤を添加して重合反応させて得たものである。本発明で製造された半芳香族ポリアミドは、熱安定性が良好であり、イエローインデックスが20未満であり、ガラス転移温度が90℃以上であり、融点が300℃以上であり、自動車燃料管路用部品、LEDパネル等の電子電気業界に適用できる。

Description

本発明は半芳香族ポリアミド樹脂及びその製造方法に関し、特に特定のブロッキング剤を添加した熱安定性を有する半芳香族ポリアミド樹脂及びその製造方法を提供し、自動車用部品及び電器用部品、特にLEDパネルに適用できる。
ポリアミドはナイロン(Nylon)とも呼ばれ、高分子主鎖の繰り返し基にアミド基(-NHCO-)を含有するポリマーの総称であり、エンジニアリングプラスチックのうち生産量が最も高く、品種が最も多く、最も広く使われているものである。ナイロン6、ナイロン6,6などの脂肪族ポリアミドは、各綜合性能が良好であるが、熱特性が高温作業環境での要求を満たすことができず、ハイテク分野での使用は制限されている。
半芳香族ポリアミドは、ポリアミド分子鎖に芳香環が導入されているため、一般的に使用されているPA6及びPA66と比較して、耐熱性、力学的特性、吸水率、および耐薬品性などが大幅に向上している。半芳香族ポリアミドは主に、(1)高いガラス転移温度と優れた耐熱性を有し、(2)耐熱酸化エージング特性に優れ、(3)電気絶縁特性に優れ、(4)吸水率が低く、製品の寸法安定性が良好であるという特徴を持っている。よって、現代のハイテクの急速な発展に伴い、半芳香族ポリアミドがますます広く使われるようになっている。半芳香族ポリアミドは、電気や電子部品、及び自動車部品などの分野で広く使用されている。具体的には、自動車業界では、エンジンルームの周辺部品(すなわち、ボンネットの下の部品)が長期間高温(120℃より高い温度)環境にさらされているため、ポリアミドの長期的な熱安定性についてより高く求められている。LEDハウジングの製造時に、一般にリフローはんだ付け(SMT)方法を利用して回路基板を約260℃ではんだ付ける必要があるため、用いるポリマーは、十分な耐熱性を有し、かつブリスターがなくリフローはんだ付けに耐え得ることに加え、高いUV光安定性と熱安定性、および作動条件下における良好な長期安定性を備える必要がある。
ポリアミドの合成について多く報告されている。たとえば、文献GB543843A、US3173898では、重合プロセスの触媒として、リン酸、2価のリン酸塩類を使用することが報告されている。文献CN1238790には、露点30℃未満の超乾燥ガスをリン含有SPP触媒(2(2’-ピリジル)エチルホスホン酸または次亜リン酸塩)と併用することで、比較的低い反応温度で固相重合速度を大幅に向上させ、PA66の高重合体を得たことが報告されている。
文献EP0475400、CA2248123、US2010055455A1では、今まで知られている熱安定剤、ヒンダードフェノール系などの酸化防止剤を添加してポリアミド組成物を調製することで、ポリアミドの熱安定性及び酸化防止性を向上させ、航空機エンジンの複合部品に適用することが報告されている。
文献EP0827976では、熱安定性が改善された部分芳香族ポリアミド組成物が報告されている。熱安定剤は、ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化銅(I)との混合物であり、重量比は、最も好ましくは約8:1~約10:1である。銅含有安定剤の量は、ポリアミドに対して50~約1000ppmである。220℃における熱エージング試験から、銅含有熱安定剤を添加した場合、機械強度が50%低下までの時間は、熱安定剤を添加しなかった場合に比べて、2~3倍長くなったことが確認された。
文献CN107325548Aでは、熱安定剤として、2質量%以下の一価または二価の銅化合物、脂肪族カルボン酸の銅塩、第二級芳香族アミン及び立体障害フェノール系またはそれらのいくつかの混合物を添加することで、樹脂の熱安定性が向上したことが報告されている。文献WO2018049808A1、CN103694693Aでは、PA66ポリアミド組成物の熱安定剤として、ヒンダードフェノール系、ハイドロキノン系、ホスファイト系及びその置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物などを使用したことで、PA66ポリアミド組成物の熱安定性及び耐エージング性が向上したことが報告されている。
文献WO2005/007727A1では、ポリアミドに元素鉄の熱安定剤を添加すると、高温でより良好な機械的特性の保持率を示せることが報告されている。文献CN103890040Aでは、金属酸化物を添加する方法によりポリアミド樹脂を変質させ、ポリアミド組成物に高い機械強度、長期耐酸化性及び高い耐熱性を維持できることを提案しており、主にLED製品に使用される。
文献CN101180342A、WO02083345A1、US5744433A及びUS5154881Aでは、一般的なポリアミドオリゴマーが報告されている。このポリアミドオリゴマーは異なる構造から構成され、非反応性フェノール又はアミン末端基を有し、分子量が800~5000g/molであり、よくポリアミド樹脂とブレンドされて使用され、ポリアミド樹脂の流動性、粘度安定性、加水分解安定性を向上させることができる。
それにもかかわらず、今までの熱安定性ポリアミドの製造プロセスには依然として下記の問題が存在している。
(1)ほとんどのポリアミド樹脂の製造に使用される触媒は、無機亜リン酸、次亜リン酸、及びそれらの金属塩化合物である。ポリアミドの熱安定性と耐エージング性の向上は主に、熱安定剤、酸化防止剤などを添加しブレンドしてポリアミド組成物を製造することで実現される。製造される部品は、高温条件下で長期間使用すると、触媒、熱安定剤、酸化防止剤などが移動しやすく、長期的な酸化防止の目的や熱安定性の目的を達成できない。
(2)添加される熱安定剤は重金属塩を含有するので、環境被害の可能性がある。
(3)ポリアミドオリゴマーの添加によって、ポリアミド樹脂組成物の熱変形温度が低下し、耐高温分野でのその適用範囲が影響されてしまう。
したがって、当分野において、優れた特性を有するポリアミドに対する研究は、まだまだ改善の余地があることが明らかである。
本発明は従来技術に存在する上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的としては、長期的熱安定性を維持することができ、使用中に熱安定剤、酸化防止剤などの添加剤が移動することを回避できるとともに、環境被害の可能性がある熱安定性添加剤の使用も回避できる半芳香族ポリアミドを提供することにある。
本発明のもう1つの目的としては、長期的熱安定性を維持することができ、かつ熱安定剤、酸化防止剤などが移動しない半芳香族ポリアミドの製造方法、および該半芳香族ポリアミドを含む樹脂組成物及びその製品を提供することにある。
本発明者らは、研究を重ねた結果、半芳香族ポリアミドを製造する重合反応プロセスにおいて、特定のブロッキング剤を添加することによって上記課題が解決できることを見出した。
このブロッキング剤は、下記式(I)で表される反応性基含有縮合触媒と、式(II)で表される反応性基含有ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、を含む。本発明者らは、次の上記触媒が重合反応に関与して重合反応速度を高めることだけでなく、触媒自体がアミン末端基と反応することができ、反応完了後にポリマーの低価ホスフィン含有末端基になり、そして、このような構造は改善された酸化防止作用をもたらすことができることと、反応性基含有立体障害フェノール系酸化防止剤もアミン末端基と反応することができ、これにより酸化防止剤はin situで反応するようにポリマー中に均一に分散し、固定することができ、熱を受けると表面へ移動することに起因する機能損失を避けることができることを見出した。したがって、本発明の上記ブロッキング剤は、ポリマーの長期的熱安定性を維持できると共に、加工や使用中において従来の小分子添加剤(熱安定剤、酸化防止剤など)が基体樹脂の外まで移動してしまう問題を防止できる。
本発明の主旨は下記[1]~[20]に示す。
[1]本発明はまず、ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸に由来する構成単位と、下記式(I)及び式(II)に由来するブロッキング構造とを有し、
前記式(I)は、下記式(I-1)及び/又は式(I-2)
Figure 2022514943000001
Figure 2022514943000002
(式中、Rはカルボキシル基、又はカルボキシル基で置換されたC~C10のアルキル基であり、好ましくはカルボキシル基で置換されたC~Cのアルキル基であり;RはC~Cのアルキル基又はHであり、好ましくはHであり;RはC~Cのアリール基又はHから選ばれ、好ましくはC~Cのアリール基であり;Mn+は+1価、+2価の金属カチオンから選ばれる。)で表される化合物から選ばれ、
前記式(II)は、
Figure 2022514943000003
(式中、RはC~C10のアルキル基から選ばれ、好ましくはC~Cのアルキル基である。)である半芳香族ポリアミドを提供する。
[2]前記金属カチオンはNa又はKである[1]に記載の半芳香族ポリアミド。
[3]単位質量あたりの前記半芳香族ポリアミド樹脂における合計リン量は200ppm以下であり、好ましくは150ppm以下であり、より好ましくは90ppm以下である[1]または[2]に記載の半芳香族ポリアミド。
[4]式(I-1)で表される化合物と式(I-2)で表される化合物のモル比は10:0~2:8であり、好ましくは10:0~5:5である[1]~[3]のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
[5]前記式(II)に由来する構造のモル量は二塩基酸に由来する構造のモル量の0.1~2.0%であり、好ましくは0.3~1.5%である[1]~[4]のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
[6]前記二塩基酸に由来する構造の合計モル数に対する前記一塩基酸に由来する構造のモル数が1~5%であり、好ましくは2~3%である[1]~[5]のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
[7]前記二塩基酸は芳香族二塩基酸、任意の脂肪族二塩基酸の1種以上を含み、前記芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸とのモル比は100:0~50:50であり、好ましくは80:20~55:45である[1]~[6]のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
[8]前記半芳香族ポリアミド樹脂は活性末端基を有し、かつ活性末端基の濃度が[NH]/[COOH]>5を満たし、且つ、前記半芳香族ポリアミド樹脂において、[COOH]濃度が20mmol/kg以下であり、好ましくは10mmol/kg以下である[1]~[7]のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
[9]MV30/MVが95%より大きい熱安定性指数を有し、イエローインデックスが20未満であり、ガラス転移温度が90℃以上であり、融点が300℃以上である[1]~[8]のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
[10]さらに、本発明は、ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸を主原料とし、ブロッキング剤の存在下で重合を行う方法であって、前記ブロッキング剤は下記式(I)及び式(II)の構造であり、
前記式(I)は、下記式(I-1)及び/又は式(I-2)
Figure 2022514943000004
Figure 2022514943000005
(式中、Rはカルボキシル基、又はカルボキシル基で置換されたC~C10のアルキル基であり、好ましくはカルボキシル基で置換されたC~Cのアルキル基であり;RはC~Cのアルキル基又はHであり、好ましくはHであり;RはC~Cのアリール基又はHから選ばれ、好ましくはC~Cのアリール基であり;Mn+は+1価、+2価の金属カチオンから選ばれる。)で表される化合物から選ばれ、
前記式(II)は、
Figure 2022514943000006
(式中、RはC~C10のアルキル基から選ばれ、好ましくはC~Cのアルキル基である。)である半芳香族ポリアミドの製造方法も提供する。
[11]ジアミンと二塩基酸を、アミン/酸のモル比が1未満となるように初期供給し、水と塩溶液を形成する造塩反応と、ジアミン、一塩基酸及びブロッキング剤により、反応系におけるアミン/酸のモル比を1.03より大きくなるように調整し、予備重合反応を行い、予備重合反応液を得る予備重合反応と、予備重合反応液を用いて重縮合反応を行う重縮合反応と、を含む[10]に記載の方法。
[12]前記造塩反応における初期供給のアミン/酸のモル比は0.90~0.99であり、好ましくは0.92~0.98である[11]に記載の方法。
[13]前記造塩反応は、前記塩溶液における二塩基酸の組成を測定し、芳香族二塩基酸及び/又は脂肪族二塩基酸を添加することにより二塩基酸の組成/含有量を一定に維持する工程をさらに含み、前記予備重合反応は、前記予備重合反応系の組成を測定する工程をさらに含み、前記測定はいずれもインラインラマン分光法により行われる[11]または[12]に記載の方法。
[14]前記予備重合反応におけるアミン/酸のモル比は1.03~1.07であり、好ましくは1.04~1.06である[11]~[13]のいずれか1項に記載の方法。
[15]前記予備重合反応の前に、前記造塩溶液に対する脱水処理をさらに含み、前記脱水の温度が180~240℃であり、圧力が0.8~1.5MPaであり、脱水時間が10~30minであり、前記予備重合反応の温度が280~350℃であり、圧力が15~30MPaであり、反応時間が1~15minであり、重縮合反応の反応温度が290~350℃であり、反応時間が0.5~7minである[11]~[14]のいずれか1項に記載の方法。
[16]前記脱水処理で発生した水蒸気は熱源として前記スラリーの昇温、溶解に使用でき、残りの水蒸気は凝縮後、昇温工程で発生した凝縮水と合流して補充水として前記スラリー形成工程に使用できる[15]に記載の方法。
[17]さらに、本発明は、[1]~[9]のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミドもしくは[10]~[16]のいずれか1項に記載の方法で得られる半芳香族ポリアミド、及び任意のその他の樹脂、補強成分もしくは添加剤を含む樹脂組成物をさらに提供する。
[18]また、本発明は、[17]に記載の組成物で製造される製品をさらに提供する。
[19]自動車用部品または電器業界用部品である[18]に記載の製品。
[20]自動車燃料管路用部品またはLEDパネルである[18]に記載の製品。
本発明の半芳香ポリアミド樹脂は、特定のブロッキング剤を含むものまたは特定のブロッキング剤により製造されたものである。このブロッキング剤は、式(I)で表される反応性基含有縮合触媒と、式(II)で表される反応性基含有ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、を含むブロッキング剤である。上記触媒が重合反応に関与して重合反応速度を高めると共に、触媒自体がアミン末端基とin situでブロッキング反応することができ、反応完了後、ポリマーの低価ホスフィン含有末端基となり、一定の酸化防止作用を有する。そして、反応性基含有立体障害フェノール系酸化防止剤もアミン末端基とin situでブロッキング反応することができ、これにより酸化防止剤はポリマー中に均一に分散し、固定することができ、熱を受けると表面へ移動することに起因する機能損失を避けることができる。したがって、本発明の特別なブロッキング剤は、ポリマーの長期的熱安定性を維持することができる。
また、本発明は、ポリマーのカルボキシル官能基の含有量を制御することにより、ポリマーが熱を受けると、アミン末端基と反応することを効果的に制御することができ、これにより熱を受ける時のポリマーの粘度および分子量の安定性が改善される。
各種ナイロン塩の正規化ラマンスペクトル(600~1200cm-1)を示す。 各種ナイロン塩の正規化ラマンスペクトル(1200~1800cm-1)を示す。 本発明にかかるポリアミドを製造するフローチャートを示す。 本発明の別形態にかかるポリアミドを製造するフローチャートを示す。
以下、本発明に記載のポリアミド、その製造方法及びその使用を詳しく説明する。なお、特に断りがない場合、本発明で使用される単位の名称は、いずれも当分野で一般的に使用されている国際的な単位名称である。また、本発明における数値の個別値または数値範囲は、工業上で許容される誤差を含むものとして理解されるべきである。
<本発明の第1の側面>
本発明の第1の側面は、ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸を主原料とし、更にブロッキング剤を添加して重合させて得る半芳香族ポリアミドを提供する。すなわち、本発明の半芳香族ポリアミドの構造は、ブロッキング構造に加え、主に上記のジアミン、二塩基酸及び一塩基酸に由来する構成単位を含む。
ジアミン/二塩基酸/一塩基酸
前記ジアミンは特に限定されず、当分野においてポリアミドの製造に一般的に使用されるジアミンを選択すればよい。例えば、本発明に適するジアミンは、炭素数4~15の脂肪族または芳香族ジアミンであってもよい。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、このようなジアミンは、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、キシリレンジアミンから選ばれる1種以上であってもよい。合成効率の観点から、本発明のジアミンは、好ましくは、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミンである。
前記二塩基酸は、1種以上の芳香族二塩基酸を含有し、また、必要に応じて、1種以上の脂肪族二塩基酸を含有してもよく。芳香族二塩基酸および脂肪族二塩基酸は特に限定されず、当分野における通常の二塩基酸を使用すればよく。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記芳香族二塩基酸は、炭素数8~20の芳香族二塩基酸から選ばれ、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸から選択される1種以上であり、より好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸のいずれか1種または両者の任意の混合物である。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記脂肪族二塩基酸は、炭素数4~15の脂肪族二塩基酸から選択され、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸から選ばれる1種以上であってもよく、より好ましくはアジピン酸である。本発明において、芳香族二塩基酸は必須成分であり、また、必要に応じて、上記脂肪族二塩基酸を使用することができる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、前記芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸とのモル比は、100:0~50:50であり、好ましくは80:20~55:45である。
前記一塩基酸も特に限定されず、当分野でポリアミドを製造するためによく使用される一塩基酸から選択することができる。炭素数2~30の一塩基酸から選ばれるものであればよく。脂肪族一塩基酸及び/又は芳香族一塩基酸であってもよく。好ましくは酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、セチル酸、ステアリン酸、安息香酸又はフェニル酢酸から選ばれる1種以上であり、より好ましくは酢酸、安息香酸である。
本発明において、各酸の使用量は調整できるものである。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、ポリアミドの熱安定性を向上させる観点から、二塩基酸の合計モル数に対する前記一塩基酸のモル数は1~5%であり、好ましくは2~3%である。
ブロッキング剤
本発明で使用する前記ブロッキング剤は、重縮合反応においてポリアミド分子の末端にブロッキング構造を生成させることができる。
本発明において、前記ブロッキング剤は、式(I)で表される反応性基含有重縮合反応触媒と、式(II)で表される反応性基含有ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、を含む。
前記式(I)で表される反応性基含有重縮合反応触媒は、下記式(I-1)及び/又は式(I-2)
Figure 2022514943000007
Figure 2022514943000008
(式中、Rはカルボキシル基、又はカルボキシル基で置換されたC~C10のアルキル基であって、カルボキシル基又はカルボキシル基で置換されたC~C10のシクロアルキル基を含み、好ましくはカルボキシル基で置換されたC~Cのアルキル基であり;RはC~Cのアルキル基又はHであり、好ましくはHであり;RはC~Cのアリール基又はHから選ばれ、好ましくはC~Cのアリール基であり;Mn+は+1価、+2価の金属カチオンから選ばれ、好ましくはNa、Kである)で表される化合物からなる。
上記式(I-1)及び式(I-2)で表される化合物は、その1種または同時に2種を使用することができる。本発明の好ましい実施形態において、上記式(I-1)の化合物は必須成分である。さらに好ましい実施形態において、式(I-1)で表される化合物と式(I-2)で表される化合物のモル比は10:0~2:8であり、より好ましくは10:0~5:5である。
式(I-1)で表される化合物と式(I-2)で表される化合物のモル比は10:0~2:8であり、好ましくは10:0~5:5である。
式(I)の構造の化合物の使用量について、単位質量あたりの前記半芳香族ポリアミド樹脂における合計リン含有量が200ppm以下であり、好ましくは150ppm以下であり、より好ましくは90ppm以下であることを満たせばよく。
前記式(II)で表される反応性基含有ヒンダードフェノール系酸化防止剤の構造は下記のとおりである。
Figure 2022514943000009
式中、RはC~C10のアルキル基から選ばれ、C~C10のシクロアルキル基を含み、好ましくはC~Cのアルキル基である。
前記式(II)で表される反応性基含有ヒンダードフェノール系酸化防止剤のモル量は二塩基酸のモル量の0.1~2.0%であり、好ましくは0.3~1.5%である。
その他の成分
本発明の効果に影響しない限り、上記した成分に加え、触媒、様々な重縮合補助剤、機能性成分、または分子量調節剤などをさらに使用することができる。
その他の利用可能な触媒としては、上記式(I)以外のリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、リン酸、亜リン酸或いは次亜リン酸;又は、リン酸、亜リン酸或いは次亜リン酸とナトリウム、カリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、スズ、タングステン、ゲルマニウム、チタン或いはアンチモンとの塩などのリン酸、亜リン酸、次亜リン酸の塩;リン酸アンモニウム、亜リン酸アンモニウム及びリン酸二アンモニウム;リン酸、亜リン酸又は次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、オクタデカノイルエステル又はフェニルエステルなどのリン酸、亜リン酸或いは次亜リン酸のエステル誘導体が挙げられる。好ましい実施形態において、触媒として、本発明の上記式(I)で表される触媒のみを使用することが好ましい。
ポリマーの物性
本発明の半芳香族ポリアミドは、重縮合反応後に得られた活性末端基を有するポリマーである。いくつかの好ましい実施形態において、前記活性末端基の濃度は、[NH]/[COOH]>5を満たし、且つ、前記半芳香族ポリアミド樹脂において、[COOH]濃度は20mmol/kg以下であり、好ましくは10mmol/kg以下である。
また、従来技術と比較して、本発明に係る半芳香族ポリアミドは、改善された熱安定性、優れた耐黄変性、及び高いガラス転移温度と融点を有する。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、本発明に係る半芳香族ポリアミドは、MV30/MVが95%より大きく、好ましくは96%より大きい熱安定性指数を有し、イエローインデックスが20未満であり、好ましくは19未満であり、ガラス転移温度が90℃以上であり、好ましくは95℃超であり、融点が300℃以上である。
<第2の側面>
本発明の第2の側面は、半芳香族ポリアミドの製造方法をさらに提供する。
本発明の第2目的は、上記熱的に安定な半芳香族ポリアミドを製造する方法を提供することにある。この方法は、例えば、溶融法、溶液法、固相法など、本発明に記載の態様のいずれか1つを実現できる従来技術に存在する方法であってもよい。
ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸を主原料とし、上述したような特定なブロッキング剤を添加し、予備重合、重縮合を経て作成することが好ましい。ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸を主原料とし、特定なブロッキング剤を添加し、造塩反応、予備重合反応、重縮合反応を経て作成することがより好ましい。ここで、前記重縮合は、溶融重縮合又は固相重縮合であり、好ましくは溶融重縮合である。
前記一塩基酸及び特定なブロッキング剤は、造塩反応、予備重合反応又は重縮合反応の段階で添加され、好ましくは予備重合反応の段階で添加される。
より具体的には、本発明に係る方法において、ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸を主原料とし、且つブロッキング剤の存在下で重合を行う。前記ブロッキング剤は式(I)及び(II)で表される構造である。
上記ジアミン、二塩基酸、一塩基酸及びブロッキング剤の構造及び種類については、本発明の上記第1の側面と同様である。
本発明の好ましい実施形態において、前記半芳香族ポリアミドの製造方法は、具体的には、ジアミンと二塩基酸を、アミン/酸のモル比が1未満となるように初期供給し、水と塩溶液を形成する造塩反応と、ジアミン、一塩基酸及びブロッキング剤により、反応系におけるアミン/酸のモル比を1.03より大きくなるように調整し、予備重合反応を行い、予備重合反応液を得る予備重合反応と、予備重合反応液を用いて重縮合反応を行う重縮合反応と、を含む。
本発明の更なる好ましい実施形態において、前記半芳香族ポリアミドの製造方法は具体的には以下のとおりである。
造塩反応(工程1)において、ジアミンと二塩基酸を、アミン/酸のモル比が1未満となるように初期供給し、水とスラリーを形成し、スラリーを昇温、溶解させて塩溶液とする。好ましくは、初期供給におけるアミン/酸のモル比が0.90~0.99であり、より好ましくは0.92~0.98である。
予備重合反応(工程2)において、前記塩溶液の組成を測定した後、前記塩溶液を脱水させ、脱水装置から出た蒸気凝縮水中のジアミンの含有量を測定し、ジアミン、分子量調節剤である一塩基酸及びブロッキング剤により、アミン/酸のモル比を1.03より大きくなるように調整し、予備重合反応を行う。
重縮合反応(工程3)において、予備重合反応液を減圧させてフラッシュ蒸留した後、重縮合反応を行う。
本発明の好ましい一実施形態において、前記工程1は、さらに、前記塩溶液における二塩基酸の組成を測定し、芳香族二塩基酸及び/又は脂肪族二塩基酸を添加することにより二塩基酸の組成を一定に維持する工程を含む。例えば、インラインラマン分光法により、得られた塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、測定結果に応じて、脂肪族二塩基酸及び/または芳香族二塩基酸スラリーを用いて塩溶液中の二塩基酸の組成を調整して一定に維持する。
本発明の好ましい一実施形態において、インラインラマン分光法により脱水前の塩溶液におけるアミン/酸のモル比及び脱水装置から出た蒸気凝縮水中のジアミンの含有量を測定し、測定結果に応じて、ジアミン、分子量調節剤である一塩基酸及び上記ブロッキング剤により、アミン/酸のモル比を1.03より大きくなるように調整する。上述の「ジアミン、分子量調節剤である一塩基酸及び上記ブロッキング剤により、アミン/酸のモル比を1.03より大きくなるように調整する」とは、調整後の脂肪族ジアミンと、脂肪族二塩基酸、芳香族二塩基酸、分子量調節剤である一塩基酸及びブロッキング剤の合計とのアミン/酸のモル比は、1.03より大きく、好ましくは1.035~1.07、より好ましくは1.04~1.06に制御することを意味する。
本発明の具体的な一実施形態において、半芳香族ポリアミドの製造方法は連続製造方法である。例えば、インラインラマン分光法により塩溶液における二塩基酸の組成を測定し、測定結果に応じて、脂肪族二塩基酸及び/又は芳香族二塩基酸スラリーを用いて塩溶液中の二塩基酸の組成を調整して一定に維持する。また、インラインラマン分光法により脱水前の材料におけるアミン/酸のモル比及び脱水装置から出た蒸気凝縮水中のジアミンの含有量を測定し、測定結果に応じて、ジアミン、分子量調節剤である一塩基酸及びブロッキング剤により、アミン/酸のモル比を1.03より大きくなるように調整する。
また、予備重合反応において、脱水段階で排出された水蒸気は熱源として造塩反応(工程1)におけるスラリーの昇温、溶解に使用でき、残りの水蒸気は凝縮後、昇温工程で生成した凝縮水と合流して補充水として前記スラリー形成工程に使用できる。
本発明の好ましい一実施形態において、造塩反応における前記スラリーの形成時に、系の水分含有量は10~50%であってもよく、好ましくは15~30%であり、温度は50~95℃であってもよく、好ましくは60~90℃である。溶解造塩の温度は120~170℃であってもよく、好ましくは130~160℃である。脱水工程において、脱水の温度は180~240℃であってもよく、圧力は0.8~1.5MPaであってもよく、脱水時間は10~30minであってもよく、好ましくは15~30minである。脱水後の水分含有量は5~20%であり、好ましくは7~15%である。
本発明の好ましい一実施形態において、前記予備重合反応温度は280~350℃であってもよく、好ましくは280~340℃であり、圧力は15~30MPaであってもよく、好ましくは15~25MPaであり、反応時間は1~15minであってもよく、好ましくは2~10minである。予備重合反応後、減圧フラッシュ蒸留の圧力は0.15~0.9MPaであってもよく、好ましくは0.2~0.6MPaであり、温度は予備重合反応の温度と同じであってもよい。フラッシュ蒸留後、予備重合体は溶融状態で二軸押出機に投入し、重縮合反応を行う。反応温度は290~350℃であってもよく、好ましくは310~340℃であり、反応時間は0.5~7minであってもよく、好ましくは1~6minである。
また、本発明の上記方法を実施するための装置は特に限定されず、当分野で既存の様々な装置及び補助設備を使用して上述の製造方法を実現することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、例えば図3又は図4に示すフロー又は装置を使用できる。
<第3の側面>
本発明の第3の側面において、樹脂組成物、その製品及び当該製品の使用を提供する。
本発明の樹脂組成物は、本発明の第1の側面にかかる半芳香族ポリアミド、又は本発明の第2の側面にかかる製造方法で得られる半芳香族ポリアミドを含む。また、本発明の組成物はさらに、必要に応じて任意のその他の樹脂、補強成分、添加剤などを限定なく含むことができる。
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であってもよい。例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル系樹脂、オレフィン系エラストマーなどであってもよい。特に、ポリアミド樹脂を基体とする樹脂組成物は、別の成分を使用してポリアミド樹脂の靭性を改善させることができる。このような成分は、エチレン及び/又はジエン系のコポリマーなど上述のようなエラストマーであってもよい。また、場合によっては、これらのエラストマーは極性基を持つ置換基によって変性されてもよい。典型的には、これらの置換基は、例えば無水マレイン酸などの酸無水物系モノマーに由来するものであってもよい。
補強成分について、本発明の樹脂組成物は、繊維で強化するか又は無機フィラーで強化することができる。前記繊維は、樹脂繊維、炭素繊維、無機繊維、鉱物繊維などであってもよい。前記無機フィラーは、シリカ、二酸化チタン、モンモリロナイトなどであってもよい。また、上記した成分中の無機成分の表面は、相溶化剤で処理して、ポリアミド基体との相溶性を増加させることが好ましい。
他の添加剤等として、当分野における様々な加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤等を限定なく使用することができる。
本発明の樹脂組成物の混合方法は特に限定されず、各種成分の溶融混合であってもよく、インターナルミキサー又はロールミルを用いてブレンドしてもよく、あるいは押出機で直接共押出してもよい。
また、組成物中に繊維補強成分が存在する場合、溶媒を用いたディッピング法により組成物を得ることができる。前記ディッピング法は当分野の通常の方法を用いることができる。
さらに、本発明は、上記組成物に基づく製品をさらに提供する。これらの製品は、射出成形、押出、ディッピングなどの方法によって得られる。好ましくは、これらの製品は、自動車用部品または電器業界用部品であってもよい。具体的には、自動車燃料管路用部品またはLEDパネルなどであってもよい。
当業者に本発明の態様をより良く理解してもらうために、以下、実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。なお、下記実施例は本発明の具体的な形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。実施例における百分率は、特段の規定がなければ、質量百分率を指す。
実施例及び比較例における諸特性は、いずれも以下の方法により測定する。
1.固有粘度(Intrinsic Viscosity)
試料をフェノール-テトラクロロエタン(質量比3:2)の混合溶媒に溶解して濃度それぞれ0.1、0.5、1.0g/dLの溶液とし、30℃の恒温水槽中で、ウベローデ粘度計を用いて試料の対数粘度ηlnを測定する。
(数1)
ηln=[ln(t/t)]/C(dL/g)
式中、tは溶媒の流下時間(秒)、tは溶液の流下時間(秒)、Cは試料溶液の濃度(g/dL)である。
試料の固有粘度[η]は、濃度がゼロとなるようにηlnのデータを外挿することで求められる。
2.熱安定性の表現
本発明に記載の熱安定性は、溶融粘度保持率によって表される。溶融粘度保持率が高いほど、樹脂の熱安定性が良好となる。逆に、溶融粘度保持率が低いほど、樹脂の熱安定性が悪くなる。
(1)溶融粘度保持率
溶融粘度の測定は、Dynisco社のLCR-7000キャピラリーレオメーターで行われ、ダイはCZ394-20ダイを採用する。せん断速度は1000s-1、測定温度は(T+15)℃である。溶融時間それぞれ6分と30分での溶融粘度を測定し、MVとMV30として記録し、溶融粘度保持率=MV30/MVである。
(2)黄変の測定
イエローインデックスYIは、国際照明委員会の標準を光源とし、酸化マグネシウムを基準とする場合に測定される高分子材料の黄色値である。具体的な測定方法は、黄色度計を用い、試料を異なる温度で24時間放置した後のイエローインデックス、及び60℃で異なる時間放置した後のイエローインデックスを測定する。その計算方法は下記式に示すとおりである。
(数2)
YI=100(1.28X-1.06Z)/Y
式中、X、Y、Zはそれぞれ測定された三刺激値である。
3.融点の測定
融点は、HG/T2235-1991(2012)に従って測定される。20~330℃の温度範囲で、10℃/minの加熱速度で330℃に昇温し、5分間維持し、20℃/minの降温速度で測定し、昇温中の吸熱ピークの頂点温度を融点とする。
4.活性末端アミノ基の濃度測定
自動電位差滴定装置を用い、試料のアミン末端基の含有量を滴定することで測定する。ポリマーを0.5g取り、フェノール45ml及び無水メタノール3mlを加え、加熱して還流し、試料が完全に溶解するのを観察した後、室温まで冷却し、標定済みの0.1N塩酸標準液でアミン末端基の含有量を滴定することで測定する。
5.活性末端カルボキシル基の含有量
自動電位差滴定装置を用い、試料の末端カルボキシル基の含有量を滴定することで測定する。ポリマーを0.5g取り、o-クレゾールを50ml加え、還流して溶解し、放冷後すぐにホルムアルデヒド溶液を400μL加え、標定済みのKOH-エタノール溶液で末端カルボキシル基の含有量を滴定することで測定する。
6.ラマン分光
テレフタル酸(TA)、イソフタル酸(IA)、アジピン酸(AA)、ヘキサメチレンジアミン(HDA)の混合造塩後のラマンスペクトル(図1、2)を分析した上、本発明は以下のラマン分光情報により各成分の含有量を特定する。
(1)イソフタル酸(IA)及びその塩(6I)の含有量は、1005cm-1及び762cm-1の特徴ピークにより特定する。
(2)テレフタル酸(TA)及びその塩(6T)の含有量は、1128cm-1及び854cm-1の特徴ピークにより特定する。
(3)アジピン酸(AA)及びその塩(66)の含有量は、920cm-1及び936cm-1の特徴ピークにより特定する。
(4)ヘキサメチレンジアミン(HDA)の含有量は1485cm-1の特徴ピークにより特定する。
実施例1~4、比較例1~4ははいずれも図3の流れで実施し、実施例5の予備重合は図3の流れで実施し、重縮合は固相重縮合を採用した。実施例6は図4の流れで実施した。製造工程において、すべての物質はいずれも高純度の窒素ガスで脱酸素処理し、製造工程におけるすべての装置は高純度の窒素ガスにより置換して保護する。
実施例1
初期供給のアミン/酸のモル比が0.92の比率となるように、4.66Kg/h(27.5mol/h)のテレフタル酸、3.29Kg/h(22.5mol/h)のアジピン酸、5.34Kg/h(46.0mol/h)のヘキサメチレンジアミンを3.2Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、70℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により160℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.0MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を180℃に制御し、水分含有量を13%に制御し、脱水時間が30minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融ヘキサメチレンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融ヘキサメチレンジアミン及び0.06Kg/h(1mol/h)の分子量調節剤である酢酸、0.153Kg/h(0.5mol/h)3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)の吉草酸、0.0114Kg/h(90ppmP)のP-(4-カルボキシブチルフェニル)及びP-フェニル-ホスフィン酸を用いてアミン/酸のモル比が1.04になるように調整した。その後、ポンプ32で15MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、290℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で290℃に維持して15min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.3MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度290~320℃、反応時間6minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約12.4Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
実施例2
初期供給のアミン/酸のモル比が0.98の比率となるように、4.98Kg/h(30mol/h)のテレフタル酸、1.66Kg/h(10mol/h)のイソフタル酸、1.46Kg/h(10mol/h)のアジピン酸、8.43Kg/h(49.0mol/h)のデカンジアミンを5.0Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、90℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により170℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.5MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を240℃に制御し、水分含有量を10%に制御し、脱水時間が10minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融デカンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融デカンジアミン、0.122Kg/h(1.0mol/h)の分子量調節剤である安息香酸、0.0393Kg/h(0.15mol/h)の2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、0.0079Kg/h(70ppmのP)のP-(4-カルボキシエチルフェニル)及びP-(4-メチルフェニル)ホスフィン酸を用いてアミン/酸のモル比が1.06になるように調整した。その後、ポンプ32で30MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、350℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で350℃に維持して1min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.5MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度320~330℃、反応時間1minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約15.4Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
実施例3
初期供給のアミン/酸のモル比が0.96の比率となるように、4.98Kg/h(30mol/h)のテレフタル酸、2.92Kg/h(20mol/h)のアジピン酸、5.57Kg/h(48.0mol/h)のヘキサメチレンジアミンを4.0Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、80℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により165℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.3MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を220℃に制御し、水分含有量を12%に制御し、脱水時間が20minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融ヘキサメチレンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融ヘキサメチレンジアミン及び0.09Kg/h(1.5mol/h)分子量調節剤である酢酸、0.0725Kg/h(0.25mol/h)の2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、0.0063Kg/h(50ppmのP)のP-(4-カルボキシブチルフェニル)及びP-(3,4-ジメチルフェニル)ホスフィン酸を用いてアミン/酸のモル比が1.05になるように調整した。その後、ポンプ32で25MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、320℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で320℃に維持して3min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.4MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度310~320℃、反応時間3minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約12.2Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
実施例4
初期供給のアミン/酸のモル比が0.94の比率となるように、4.66Kg/h(27.5mol/h)のテレフタル酸、3.29Kg/h(22.5mol/h)のアジピン酸、5.45Kg/h(47.0mol/h)のヘキサメチレンジアミンを3.2Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、70℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により160℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.0MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を180℃に制御し、水分含有量を13%に制御し、脱水時間が30minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融ヘキサメチレンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融ヘキサメチレンジアミン、0.045Kg/h(0.75mol/h)の分子量調節剤である酢酸、0.153Kg/h(0.5mol/h)の3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)吉草酸、0.0118Kg/h(90ppmP)のP-(4-カルボキシブチルフェニル)及びP-フェニル-ホスフィン酸(NaOHで50%中和)を用いてアミン/酸のモル比が1.04になるように調整した。その後、ポンプ32で15MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、290℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で290℃に維持して15min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.3MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度290~320℃、反応時間6minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約12.4Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
実施例5
初期供給のアミン/酸のモル比が0.92の比率となるように、4.66Kg/h(27.5mol/h)のテレフタル酸、3.29Kg/h(22.5mol/h)のアジピン酸、5.34Kg/h(46.0mol/h)のヘキサメチレンジアミンを3.2Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、70℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により160℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.0MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を180℃に制御し、水分含有量を13%に制御し、脱水時間が30minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融ヘキサメチレンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融ヘキサメチレンジアミン及び0.06Kg/h(1mol/h)の分子量調節剤である酢酸、0.153Kg/h(0.5mol/h)の3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)吉草酸、0.0118Kg/hのP-(4-カルボキシブチルフェニル)及びP-フェニル-ホスフィン酸(NaOHで50%中和、90ppmのP)を用いてアミン/酸のモル比が1.04になるように調整した。その後、ポンプ32で15MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、290℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で290℃に維持して15min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.7MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は噴霧乾燥させて、プレポリマーを得た。プレポリマーをレーキドライヤー内で200~250℃で20時間固相重縮合させ、約12.4Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
実施例6
初期供給のアミン/酸のモル比が1.04の比率となるように、49.8Kg(300mol)のテレフタル酸、16.6Kg(100mol)のイソフタル酸、14.6Kg(100mol)のアジピン酸、92.2Kg(536mol)のデカンジアミン、0.6Kg(10mol)の分子量調節剤である酢酸、1.53Kg(5mol)の3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)吉草酸、0.118KgのP-(4-カルボキシブチルフェニル)及びP-フェニル-ホスフィン酸(NaOHで50%中和、90ppmのP)を50Kgの水とともに造塩器41または42に投入し(5時間ごとに切り替える)、170℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。上記塩溶液は19.0Kg/hの流量でポンプ43で2.0MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器44に搬送する前に、循環ポンプ45で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置46内で、脱水温度を260℃に制御し、水分含有量を5%に制御し、脱水時間が10minであるように脱水した。脱水済みの材料は、ポンプ48で27MPaまで増圧させ、材料を予熱器49内に搬送し、320℃に予熱昇温し、予備重合反応器50内で320℃に維持して3min反応させた。予備重合反応液は減圧弁51で0.9MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器52に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁53で大気圧まで減圧した後、二軸押出機54に投入して、反応温度320~330℃、反応時間3minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー55内で造粒し、そして乾燥機56で乾燥させて、約12.6Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
比較例1
初期供給のアミン/酸のモル比が0.92の比率となるように、4.66Kg/h(27.5mol/h)のテレフタル酸、3.29Kg/h(22.5mol/h)のアジピン酸、5.34Kg/h(46.0mol/h)のヘキサメチレンジアミン、0.0024Kg/hの次亜リン酸(NaOHで50%中和、90ppmP相当)を3.2Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、70℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により160℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.0MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を180℃に制御し、水分含有量を13%に制御し、脱水時間が30minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融ヘキサメチレンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融ヘキサメチレンジアミン及び0.03Kg/h(0.5mol/h)の分子量調節剤である酢酸を用いてアミン/酸のモル比が1.04になるように調整した。その後、ポンプ32で15MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、290℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で290℃に維持して15min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.3MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度290~320℃、反応時間6minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約12.4Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
比較例2
初期供給のアミン/酸のモル比が0.98の比率となるように、4.98Kg/h(30mol/h)のテレフタル酸、1.66Kg/h(10mol/h)のイソフタル酸、1.46Kg/h(10mol/h)のアジピン酸、8.43Kg/h(49.0mol/h)のデカンジアミン、0.0019Kg/hの次亜リン酸(70ppmのP)を5.0Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、90℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により170℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.5MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を240℃に制御し、水分含有量を10%に制御し、脱水時間が10minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融デカンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融デカンジアミン及び0.122Kg/h(1.0mol/h)の分子量調節剤である安息香酸を用いてアミン/酸のモル比が1.06になるように調整した。その後、ポンプ32で30MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、350℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で350℃に維持して1min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.5MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度320~330℃、反応お時間1minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約15.3Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
比較例3
初期供給のアミン/酸のモル比が0.92の比率となるように、4.66Kg/h(27.5mol/h)のテレフタル酸、3.29Kg/h(22.5mol/h)のアジピン酸、5.34Kg/h(46.0mol/h)のヘキサメチレンジアミンを3.2Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、70℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により160℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.0MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を180℃に制御し、水分含有量を13%に制御し、脱水時間が30minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融ヘキサメチレンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融ヘキサメチレンジアミン及び0.03Kg/h(0.5mol/h)の分子量調節剤である酢酸、0.153Kg/h(0.5mol/h)の3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)吉草酸を用いてアミン/酸のモル比が1.04になるように調整した。その後、ポンプ32で15MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、290℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で290℃に維持して15min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.3MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度290~320℃、反応時間6minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約12.4Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
比較例4
初期供給のアミン/酸のモル比が0.92の比率となるように、4.66Kg/h(27.5mol/h)のテレフタル酸、3.29Kg/h(22.5mol/h)のアジピン酸、5.34Kg/h(46.0mol/h)のヘキサメチレンジアミンを3.2Kg/hの水とともに撹拌機9に投入し、70℃で連続的に撹拌してスラリーとした。スラリーはポンプ10を介して多段撹拌溶解釜14内へ搬送し、脱水段階で生じた蒸気により160℃に加熱昇温して溶解造塩を行った。インラインラマン分光装置18により塩溶液中の二塩基酸の組成を測定し、計量ポンプ23により溶融アジピン酸を用いて脂肪族二塩基酸の量を調整し、溶解造塩器19における芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸の比率を一定に維持した。上記塩溶液はインラインラマン分光装置20により組成を測定した後、ポンプ24で1.0MPaまで増圧させ、その後、脱水装置の予熱器(熱交換装置)27に搬送する前に、循環ポンプ28で搬送される材料と混合してから昇温し、脱水装置29内で、脱水温度を180℃に制御し、水分含有量を13%に制御し、脱水時間が30minであるように脱水した。脱水装置から出た蒸気は、多段撹拌溶解釜14の熱源として、熱交換装置15で冷却した後、インラインラマン分光装置16によってアミン含有量を測定した。ラマン分光装置16及び20の測定結果を加味して、制御装置21によりポンプ32の前に補充すべき溶融ヘキサメチレンジアミンの量を決定した。脱水済みの材料は、それぞれポンプ17、ポンプ30により溶融ヘキサメチレンジアミン及び0.03Kg/h(0.5mol/h)の分子量調節剤である酢酸、0.0118Kg/hのP-(4-カルボキシブチルフェニル)、P-フェニル-ホスフィン酸(NaOHで50%中和、90ppmのP)を用いてアミン/酸のモル比が1.04になるように調整した。その後、ポンプ32で15MPaまで増圧させ、材料を予熱器(熱交換装置)33内に搬送して、290℃に予熱昇温し、予備重合反応器34内で290℃に維持して15min反応させた。予備重合反応液は減圧弁35で0.3MPaまで減圧してからフラッシュ蒸留器36に投入した。フラッシュ蒸留した溶融液体材料は減圧弁37で大気圧まで減圧した後、二軸押出機38に投入して、反応温度290~320℃、、反応時間6minで重縮合反応を行った。重縮合反応した材料を水中ペレタイザー39内で造粒し、そして乾燥機40で乾燥させて、約12.4Kg/hで半芳香族ポリアミド製品を得た。
Figure 2022514943000010

実施例、比較例、固有粘度、ガラス転移温度、融点、樹脂のリン含有量、末端アミノ基、末端カルボキシル基、イエローインデックス
表1の結果から、次亜リン酸触媒を単独で添加する場合、またはリン含有触媒を添加しない場合に得られた半芳香族ポリアミドと比較して、本発明のブロッキング剤を添加して得られたポリアミドは良好な熱安定性を維持でき、イエローインデックスが低いことが分かる。また、特別なブロッキング剤と反応性基含有ヒンダードフェノール系酸化防止剤の両方を添加する場合は、そのいずれか1種のみを添加する場合よりも熱安定性に優れたポリアミドが得られることがわかる。
1 脂肪酸二塩基酸ホッパー
2、4、6 フィードスクリュー搬送装置
3 テレフタル酸ホッパー
5 イソフタル酸(又は他の二塩基酸)ホッパー
7 触媒水溶液ボンベ
8、10、12、13、17、23、24、26、28、30、32 ポンプ
9 撹拌器
11 溶融ジアミンボンベ
14 多段撹拌溶解釜
15、27、33、44、49 熱交換装置
16、18、20 インラインラマン分光測定装置
19 溶解造塩器
21 制御装置
22 溶融脂肪族二塩基酸ボンベ
25 イソフタル酸(又は他の二塩基酸)スラリーボンベ
29、46 脱水装置
31 溶融一塩基酸ボンベ
34、50 予備重合反応器
35、37、51、53 減圧弁
36、52 フラッシュ蒸留器
38、54 重縮合反応器(二軸押出機)
39、55 造粒機
40、56 乾燥機
41、42 造塩機
43 塩溶液搬送ポンプ
45 循環ポンプ
47 コンデンサー
48 脱水物質フィードポンプ

Claims (20)

  1. ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸に由来する構成単位を有し、かつ下記式(I)及び式(II)に由来するブロッキング構造を有し、
    前記式(I)は、下記式(I-1)及び/又は式(I-2)
    Figure 2022514943000011
    Figure 2022514943000012
    (式中、Rはカルボキシル基、又はカルボキシル基で置換されたC~C10のアルキル基であり、好ましくはカルボキシル基で置換されたC~Cのアルキル基であり;RはC~Cのアルキル基又はHであり、好ましくはHであり;RはC~Cのアリール基又はHから選ばれ、好ましくはC~Cのアリール基であり;Mn+は+1価、+2価の金属カチオンから選ばれる)で表される化合物から選ばれ、
    前記式(II)は、
    Figure 2022514943000013
    (式中、RはC~C10のアルキル基から選ばれ、好ましくはC~Cのアルキル基である)であることを特徴とする半芳香族ポリアミド。
  2. 前記金属カチオンはNa又はKであることを特徴とする請求項1に記載の半芳香族ポリアミド。
  3. 単位質量あたりの前記半芳香族ポリアミド樹脂における合計リン量は200ppm以下であり、好ましくは150ppm以下であり、より好ましくは90ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半芳香族ポリアミド。
  4. 前記式(I-1)で表される化合物と式(I-2)で表される化合物とのモル比は10:0~2:8であり、好ましくは10:0~5:5であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
  5. 前記式(II)に由来する構造のモル量は二塩基酸に由来する構造のモル量の0.1~2.0%であり、好ましくは0.3~1.5%であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
  6. 前記二塩基酸に由来する構造の合計モル数に対する前記一塩基酸に由来する構造のモル数が1~5%であり、好ましくは2~3%であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
  7. 前記二塩基酸は、芳香族二塩基酸と、含まれてもよい脂肪族二塩基酸との1種以上を含み、前記芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸とのモル比は100:0~50:50であり、好ましくは80:20~55:45であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
  8. 前記半芳香族ポリアミド樹脂は活性末端基を有し、かつ活性末端基の濃度が[NH]/[COOH]>5を満たし、且つ、前記半芳香族ポリアミド樹脂において、[COOH]濃度が20mmol/kg以下であり、好ましくは10mmol/kg以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
  9. MV30/MVが95%より大きい熱安定性指数を有し、イエローインデックスが20未満であり、ガラス転移温度が90℃以上であり、融点が300℃以上であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミド。
  10. ジアミン、二塩基酸及び一塩基酸を主原料とし、ブロッキング剤の存在下で重合を行う方法であって、前記ブロッキング剤は下記式(I)及び式(II)の構造であり、
    前記式(I)は、下記式(I-1)及び/又は式(I-2)
    Figure 2022514943000014
    Figure 2022514943000015
    (式中、Rはカルボキシル基、又はカルボキシル基で置換されたC~C10のアルキル基であり、好ましくはカルボキシル基で置換されたC~Cのアルキル基であり;RはC~Cのアルキル基又はHであり、好ましくはHであり;RはC~Cのアリール基又はHから選ばれ、好ましくはC~Cのアリール基であり;Mn+は+1価、+2価の金属カチオンから選ばれる)で表される化合物から選ばれ、
    前記式(II)は、
    Figure 2022514943000016
    (式中、RはC~C10のアルキル基から選ばれ、好ましくはC~Cのアルキル基である)であることを特徴とする半芳香族ポリアミドの製造方法。
  11. ジアミンと二塩基酸を、アミン/酸のモル比が1未満となるように初期供給し、水と塩溶液を形成する造塩反応と、
    ジアミン、一塩基酸及びブロッキング剤により、反応系におけるアミン/酸のモル比を1.03より大きくなるように調整し、予備重合反応を行い、予備重合反応液を得る予備重合反応と、
    予備重合反応液を用いて重縮合反応を行う重縮合反応と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記造塩反応における初期供給のアミン/酸のモル比は0.90~0.99であり、好ましくは0.92~0.98であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記造塩反応は、前記塩溶液における二塩基酸の組成を測定し、芳香族二塩基酸及び/又は脂肪族二塩基酸を添加することにより二塩基酸の組成を一定に維持する工程をさらに含み、前記予備重合反応は、前記予備重合反応系の組成を測定する工程をさらに含み、前記測定はいずれもインラインラマン分光法により行われることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記予備重合反応におけるアミン/酸のモル比は1.03~1.07であり、好ましくは1.04~1.06であることを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記予備重合反応の前に、前記造塩溶液に対する脱水処理をさらに含み、前記脱水の温度が180~240℃であり、圧力が0.8~1.5MPaであり、脱水時間が10~30minであり、予備重合反応の温度が280~350℃であり、圧力が15~30MPaであり、反応時間が1~15minであり、重縮合反応の反応温度が290~350℃であり、反応時間が0.5~7minであることを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記脱水処理で発生した水蒸気は、熱源として前記スラリーの昇温、溶解に使用でき、残りの水蒸気は凝縮後、昇温工程で発生した凝縮水と合わせて補充水として前記スラリー形成工程に使用できることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 請求項1~9のいずれか1項に記載の半芳香族ポリアミドもしくは請求項10~16のいずれか1項に記載の方法で得られる半芳香族ポリアミド、及び含まれてもよいその他の樹脂、補強成分もしくは添加剤を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  18. 請求項17に記載の組成物で製造されることを特徴とする製品。
  19. 自動車用部品または電器業界用部品である請求項18に記載の製品。
  20. 自動車燃料管路用部品またはLEDパネルである請求項18に記載の製品。
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