JP2022503353A

JP2022503353A - 折畳み可能なトラスブーム部、トラスブーム、及びクレーン

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Publication number: JP2022503353A
Application number: JP2020560231A
Authority: JP
Inventors: ツイ，ダンダン; スン，リー; ユー，チンウェイ; ヤン，ヨン; ヂュ，ファハオ
Original assignee: シューヂョウコンストラクションマシーナリーグループカンパニーリミテッド
Priority date: 2018-09-30
Filing date: 2019-07-03
Publication date: 2022-01-12
Anticipated expiration: 2039-07-03
Also published as: WO2020063007A1; US20210253408A1; DE112019004917T5; JP7372262B2; CN110963426A; US11396444B2

Abstract

本開示は、折畳み可能なトラスブーム部、トラスブーム、及びクレーンに関する。折畳み可能なトラスブーム部は、相互に交差しない２つの弦（１）と、２つの弦（１）の各々に固定して配置され、各々が２以上の摺動路固定点を有する２以上の摺動路（３）と、２つの弦（１）を連結する２以上の長尺ウェブ部材（２）を備え、２以上の長尺ウェブ部材（２）の各々が、摺動路（３）に対して相対的に摺動可能であり、２以上の摺動路固定点に選択的に連結された１以上の摺動端部を有することにより、トラスブーム部が異なる断面状態となる。本開示の実施形態においては、トラスブーム部の断面積を適切に調整できる。
【選択図】図３

Description

［関連出願との相互参照］
本出願は、２０１８年９月３０日に出願された中国特許出願第２０１８１１１５３８０９．２号に基づくものであり、開示内容の全体が、本明細書に参照により組み込まれている。
［技術分野］

本開示は、工学的な機械の分野に関するものであり、特に、折畳み可能なトラスブーム部、トラスブーム、及びクレーンに関する。

複数のトラスブーム部からなるトラスブーム（ジブ）は、クレーンの巻上工程時に重要な応力許容構造部材である。特に振幅の小さい長尺アームの吊上性能については、より直接的にブームの性能によって影響を受ける。吊上性能を向上させるために、従来技術のトラスブームは、通常、ブーム部の断面積を増加させることがある。しかしながら、断面積の増加により、トラスブームの組立／分解及び運搬が、極めて不便になる場合がある。特に、道路運搬の場合は、運搬部材の幅、高さ、及び長さが全て厳しく制限されるため、トラスブーム部の断面積の増加は制限される。したがって、トラスブームの吊上性能を十分に確保するだけでなく、トラスブームの運搬寸法に関する運搬規制の制限にも対応するクローラクレーンの開発を制限する重要な課題となっている。

従来技術においては、トラスブーム部は、一般的には、部分的又は完全な分解によって運搬要件を満たし、運転中に再度トラスブームに組立てる必要があることにより、時間及び労力が消費され、組立てと分解との反復により部品が破損する可能性があり、それによって、トラスブーム又はクレーンの運転の安全性に影響を与える。また、従来技術におけるトラスブーム部の組立後の断面積は、運転状態において一定であり、運転状況に応じて柔軟に変更することができないことにより、適用範囲が相対的に限定される。

上述の観点から、本開示は、トラスブーム部の断面積を適切に調整可能な折畳み可能なトラスブーム部、トラスブーム、及びクレーンを提供する。本開示によって提供される技術的解決のうち、好適な技術的解決によって得られる技術的効果は、以下に詳細に記載する。

本開示の一態様においては、折畳み可能なトラスブーム部が提供される。折畳み可能なトラスブーム部は、相互に交差しない２つの弦と、２つの弦の各々に固定して配置され、各々が２以上の摺動路固定点を有する２以上の摺動路と、２つの弦を連結する２以上の長尺ウェブ部材とを備え、２以上の長尺ウェブ部材の各々が、摺動路に対して相対的に摺動可能であり、２以上の摺動路固定点に選択的に連結された１以上の摺動端部を有することにより、トラスブーム部が異なる断面状態となる。

一部の実施形態においては、２以上の長尺ウェブ部材は、２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群を含み、２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群の各々は、交差点を連接点とした２つの長尺ウェブ部材が交差配置されており、２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群における、隣接する２つのＸ字形状の長尺ウェブ部材群は、２つの弦上の各々の長尺ウェブ部材の非摺動端部を介して相互に連接することにより、４つの連接点を頂点とする平行四辺形支持構造を形成し、平行四辺形支持構造の形状は、トラスブーム部の断面状態に応じて変更可能である。

一部の実施形態においては、平行四辺形支持構造の形状は菱形である。

一部の実施形態においては、トラスブーム部は、両端が、２つの弦上の摺動路に摺動路固定点でそれぞれ連結された閉止ウェブ部材を更に備える。

一部の実施形態においては、閉止ウェブ部材は、トラスブーム部の断面状態に応じて閉止ウェブ部材の長さを変更する伸縮スリーブを含む。

一部の実施形態においては、閉止ウェブ部材は、伸縮スリーブを固定するクランプ部材を更に含む。

一部の実施形態においては、閉止ウェブ部材は、伸縮スリーブの伸縮動作を駆動する伸縮駆動装置を更に含む。

一部の実施形態においては、閉止ウェブ部材は、屈曲連結部を更に含み、屈曲連結部を中心として閉止ウェブ部材が折畳み可能であり、トラスブーム部の断面状態に応じて所定の屈曲角度で閉止ウェブ部材が屈曲する。

一部の実施形態においては、トラスブーム部は、各々の両端が、弦と閉止ウェブ部材とに着脱可能にそれぞれ連結された２以上の短尺ウェブ部材であって、短尺ウェブ部材と弦と閉止ウェブ部材とによって包囲された三角形の支持構造を形成する２以上の短尺ウェブ部材を更に備える。

一部の実施形態においては、２以上の短尺ウェブ部材の各々は、一端が摺動路に摺動可能に連結され、他端が、同じ閉止ウェブ部材に連結された他の短尺ウェブ部材と連接されていて、閉止ウェブ部材が脱離されたときに、トラスブーム部の断面状態に応じて、２以上の短尺ウェブ部材において連接した２つの短尺ウェブ部材の間の角度が変化する。

一部の実施形態においては、２以上の摺動路の各々は、長尺ウェブ部材の摺動端部に連結され、摺動端部を駆動して摺動路に沿って摺動させる摺動路駆動機構を含む。

本開示においては、トラスブームが更に提供される。トラスブームは、２以上の折畳み可能な前述のトラスブーム部を備え、２以上のトラスブーム部は、トラスブームの長手方向に沿って順次連結されている。

一部の実施形態においては、２以上のトラスブーム部は、２以上の断面状態を有する。

一部の実施形態においては、トラスブームは、異なる断面状態にある２つの隣接するトラスブーム部を連結する遷移ブーム部を更に備える。

本開示においては、クレーンが更に提供される。クレーンは、前述のトラスブームを備える。

上述の技術的解決により、本開示の実施形態においては、以下の技術的効果を少なくとも得ることができる。

弦に摺動路を設け、長尺ウェブ部材の摺動端部を摺動路に対して相対的に摺動可能にすることにより、長尺ウェブ部材が弦に対して相対的に摺動することでトラスブーム部の断面状態が変化し、トラスブーム部を分解しないとの前提下での運搬状態及び運転状態における様々な要求に適応すべく、トラスブーム部の断面積を簡易かつ迅速に変化させることができる。

本明細書に記載の図面は、本開示の更なる理解を提供するために用いられ、本開示の一部を構成する。本開示の例示的な実施形態は、本開示の説明のために用いられ、本開示において不適切な定義を構成するものではない。添付の図面については、以下のとおりである。

図１は、従来技術におけるトラスブームの運転状態を示す概略図である。図２は、従来技術におけるトラスブームの運搬状態を示す概略図である。図３は、本開示のトラスブーム部の一実施形態における、運転時の断面状態を示す概略図である。図４は、本開示のトラスブーム部の一実施形態における、運搬時の断面状態の概略図である。図５は、本開示のトラスブーム部の一実施形態における、弦の構造の概略図である。図６は、本開示のトラスブーム部の別の実施形態における、運転の断面状態を示す概略図である。図７は、本開示のトラスブーム部の別の実施形態における、運搬の断面状態への折畳み方法の概略図である。図８は、本開示のトラスブーム部の別の実施形態における、運搬の断面状態への別の折畳み方法の概略図である。図９は、本開示のトラスブーム部の更に別の実施形態における、運転状態の概略図である。図１０は、本開示のトラスブーム部の更に別の実施形態における、運搬の断面状態への折畳み方法の概略図である。図１１は、本開示のトラスブーム部の更に別の実施形態における、運搬の断面状態への別の折畳み方法の概略図である。図１２（ａ）及び図１２（ｂ）は、それぞれ、本開示のトラスブームの２つの実施形態における構造の概略図である。

本開示の内容及び本開示と従来技術との相違点は、以下で、添付図面及び文章内容により理解できる。本開示の技術的解決は、好適な技術的解決を含み、添付図面を介して及び本開示のいくつかの代替的な実施形態を列挙するような状態で、以下で更に詳細に説明される。

本開示の実施形態における任意の技術的特徴又は任意の技術的解決は、複数の代替的な技術的特徴又は代替技術的解決のうちの１つ以上であることに留意すべきである。本明細書は、本開示の全ての代替的な技術的特徴及び代替的な技術的解決を網羅することも、簡潔な説明のために、各々の技術的特徴の実施形態を、複数の代替的な実施形態の１つとして適切に強調こともできないため、当該技術分野の当業者は、新しい技術的解決を得るために、本開示によって提供される任意の技術的手段を置き換えることが可能であること、又は、本開示によって提供される任意の２つ以上の技術的手段又は技術的特徴を相互に組み合わせることが可能であることを認識すべきである。

本実施形態における任意の技術的特徴及び任意の技術的解決は、本開示の保護範囲を限定するものではなく、本開示の保護範囲には、当業者であれば、関係する独創的な努力を伴わずに熟考できる任意の代替的な技術的解決と、本開示によって提供される任意の２つ以上の技術的手段又は技術的特徴を相互に組み合わせることによって得られる新規な技術的解決とを含むべきである。

本開示の実施形態は、折畳み可能なトラスブーム部、トラスブーム、及びクレーンを提供する。本開示によって提供される技術的解決を、図１～図１２と併せて、以下に更に詳細に説明する。

図１及び図２には、従来技術におけるトラスブームの運転状態及び運搬状態におけるそれぞれの概略図が示されている。トラスブームの運転状態では、２つのトラスブームのセットを一体化したブーム部に組立てる必要がある。また、トラスブームの運搬状態では、一体化したブーム部を２つのトラスブームのセットに分解して、ウェブ部材をずらした形状で配置及び運搬する必要がある。上述の構造上の形状を用いたトラスブームは、動作が複雑かつ煩雑であるだけではなく、重要な応力箇所が、運転状態におけるトラスブームのセットの連結位置にあり、構造強度が不十分になる。

図３～図５に示すように、本開示は、折畳み可能なトラスブーム部の一実施形態を提供しており、相互に交差しない２つの弦１を含んでいる。弦は、扇形の単一構造物であり、主にパイプ及び／又はプレートを溶接して形成され、トラスブームの長手方向の引張荷重及び圧縮荷重を支持している。更に、２つの弦１は、相互に交差しない状態、例えば、図３の視角に沿って平行な状態又は図３の視角に沿って非平行かつ交差しない状態など、様々なトラスブーム部の連結の規制に適応するよう設けられている。

トラスブーム部は、２つの弦１の各々に固定された２以上の摺動路３を更に含む。摺動路３は、相互に対向する２つの弦１の内側に配置してもよいし、相互に対向する２つの弦１の方向の側方に配置してもよい。更に、摺動路３は、弦に取り付けられた摺動レールの形態であってもよいし、弦の内部に設けられた摺動溝又は摺動レールの形態であってもよい。各々の摺動路３が２つ以上の摺動路固定部を有することにより、トラスブーム部は、運搬の断面状態と運転の断面状態とに、少なくとも強固に維持できる。更に、トラスブーム部のより多くの断面状態の選択を実装して、様々な荷重状態の要件に合致させるべく、摺動路固定点を３以上にできる。断面状態とは、具体的には、図３の視角において、２つの弦１で包囲された領域の寸法及び形状のことである。

トラスブーム部は、２つの弦１を連結する２以上の長尺ウェブ部材２を更に含み、各々の長尺ウェブ部材２は、１以上の摺動端部を有している。長尺ウェブ部材２の摺動端部は、摺動路３に対して相対的に摺動可能であり、２以上の摺動路固定部と選択的に連結可能とすることにより、トラスブーム部は異なる断面状態となる。長尺ウェブ部材２の両端は、摺動路３に摺動可能に連結され、更に良好な変形効果を達成できる。他の実施形態においては、トラスブーム部の安定許容性を更に良好にし、運転の断面状態での固定困難性を低減することを確保すべく、一端で連接し、かつ、一端で摺動可能に連結されるような方法を用いることが更に可能である。長尺ウェブ部材２の数は、選択的に４つ以上であってもよい。長尺ウェブ部材２の数が４個である場合、各長尺ウェブ部材２は、一端で連接され、一端で摺動可能に連結されるような方法を用いることができる。長尺ウェブ部材２の数が４を超える場合、例えば、長尺ウェブ部材２の数が６である場合、変形可能なトラスブーム部の機能を確保すべく、２つの長尺ウェブ部材２は、一端で連接され、一端で摺動可能に連結されるような方法を用いることができるが、他の４つの長尺ウェブ部材２は、両端が摺動可能に連結されるような方法をとる必要がある。当業者は、複数の長尺ウェブ部材２と、同一の弦１との間の連接点は１つのみとすべきことを理解できよう。そうでない場合、過剰な位置決めとなり、トラスブーム部を折畳むことができなくなる。

図３に示すように、長尺ウェブ部材２の摺動端部は、弦１の長手方向に沿って移動させることができ、摺動路３が設けられる方向は、弦１の長手方向となる。２以上の長尺ウェブ部材２が弦１に連接する方法で連結されている場合、摺動路３を弦１の両端に配置して、摺動路３の設定長さを節約し、製造コスト及びメンテナンスコストを低減することができる。他の実施形態においては、２以上の長尺ウェブ部材２の全ては、弦１に摺動可能に連結されており、摺動路３は、弦１の長手方向に沿って全長にわたり分布するよう設けることができる。この場合、長尺ウェブ部材２の全ては摺動路３に沿って摺動し、トラスブーム部の折畳み変形の度合を最大化できる。

更に、摺動路３は、弦１の長手方向に沿わないように設けることができる。当業者、トラスブーム部が三次元構造物であることを理解できよう。摺動路３が弦１の長手方向に直交する方向に沿って配置されている場合、長尺ウェブ部材２は、摺動端部を介して摺動路３に沿って更に摺動でき、トラスブーム部を折畳んだり、展開したりできる。

図３に示すように、２以上の長尺ウェブ部材２は、２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群を含む。各々のＸ字形状の長尺ウェブ部材群は、交差点を連接点とした２つの長尺ウェブ部材２が交差配置されており、２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群における、隣接する２つのＸ字形状の長尺ウェブ部材群は、２つの弦１上の各々の長尺ウェブ部材の非摺動端部を介して相互に連接することにより、４つの連接点を頂点とする平行四辺形支持構造を形成し、平行四辺形支持構造の形状は、前記トラスブーム部の断面状態に応じて変更可能である。平行四辺形支持構造により、平行四辺形の変形性が有効利用され、平行四辺形支持構造及び弦１が複数の三角形の支持体群を構成することにより、トラスブーム部の全体的な強度を補強できる。

別の実施形態においては、２以上の長尺ウェブ部材２は、２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群を含み、隣接する２つのＸ字形状の長尺ウェブ部材群における２つの長尺ウェブ部材２は、それぞれ異なる平面に位置している。この場合、一方のＸ字形状の長尺ウェブ部材群における長尺ウェブ部材２と、他方の隣接するＸ字形状の長尺ウェブ部材群における長尺ウェブ部材２とは、相互に交差していないため、群の間で長尺ウェブ部材２が相互に連接するような関係を形成することは不可能である。図３の視角に沿って、隣接する２つのＸ字形状の長尺ウェブ部材群は、平行四辺形支持構造と同様の折畳み構造を更に形成できる。この場合、非共有平面の折畳み構造の四辺により、トラスブーム部が良好な折畳み性及び変形性能を有することが確保でき、Ｘ字形状の長尺ウェブ部材群及び弦１によって形成された三角支持構造により、支持性能が良好となる。

更に、平行四辺形の支持構造は、トラスブーム部が更に良好なせん断耐力及び曲げ耐力を得るようにすべく、菱形形状となっている。

運転の断面状態及び運搬の断面状態における本開示のトラスブーム部の一実施形態の概略図を、それぞれ図３及び図４で示す。運転の断面状態では、長尺ウェブ部材２の摺動端部は、運転の断面状態に対応する摺動路３上の摺動路固定点に固定されている。固定方法としては、ボルト連結や他の実現可能な連結方法が用いられうる。この場合、トラスブーム部は、許容支持荷重が強化された更に大きな断面積を取得できるよう、２つの弦１の間の距離が大きくなる。運搬の断面状態においては、長尺ウェブ部材２の摺動端部は、運搬の断面状態に対応する摺動路３上の摺動路固定点に固定されている。この場合、長距離運搬環境下での被運搬物のサイズ要求を満たすことができるよう、２つの弦１の間の距離は小さくなる。当業者であれば、様々な荷重条件又は環境条件に対応するために、摺動路３は、トラスブーム部の断面積の柔軟な調整及び固定を実装すべく、前述の運転の断面状態及び運搬の断面状態とは別の断面状態（例えば、複数の断面高さに対応する複数段階の運転の断面状態又は複数段階の運搬の断面状態）に対応する摺動路固定点を設けることができることが理解できよう。特に、摺動路３上の任意の位置での長尺ウェブ部材２の摺動端部の固定を実装して、柔軟な調整の要求を満たすべく、摺動路３には、動的固定方法（例えば、くさびピンやバックル）を用いることができる。

図６ないし図８に示すように、本開示によって提供されるトラスブーム部の別の実施形態は、両端がそれぞれ、２つの弦１上の摺動路３の摺動路固定点に連結された閉止ウェブ部材４を更に含む。一態様においては、閉止ウェブ部材４は、弦１を支持するように構成され、トラスブームにかかる曲げ荷重を負担し、大きな曲げ荷重を受けたときに、トラスブーム部が長尺ウェブ部材上の摺動路固定点の拘束力に打ち勝って構造物の故障を引き起こさないようにすることを確保する。一方、長尺ウェブ部材２がトラスブーム部の外部に横方向に更に摺動することを防止することを可能にし、図７及び図８に示すように、トラスブーム部が運搬状態にあるときに、運搬状態におけるトラスブーム部の構造を安定させることができる。

図７に示すように、閉止ウェブ部材４は、伸縮スリーブを含む。伸縮スリーブは、トラスブーム部の断面状態に応じて、閉止ウェブ部材４の長さを変更させることができる。一部の実施形態においては、閉止ウェブ部材はクランプ部材４１を更に含み、伸縮スリーブを固定するように構成できる。クランプ部材は、ピンシャフト又はクリップの形態にでき、複数のクランプ状態は、トラスブーム部の異なる断面状態に対して実現できる。

一部の実施形態においては、トラスブーム部の断面状態は、クランプ部材４１のみによって決定できる。例えば、運転の断面状態では、クランプ部材４１は、運転断面に対応するクランプ状態にある。この場合、閉止ウェブ部材４の距離は、閉止ウェブ部材４に連結された２つの弦１の間の距離が最大となるようにすべく、最大となり、このことにより、運転の断面状態における断面積の要件を満たしている。他の実施形態においては、クランプ部材４１の長さは、閉止ウェブ部材４に連結された２つの弦１の間の距離が更に小さくなるようにすべく、閉止ウェブ部材４を更に短くして、それによって好適な運搬性能を取得する。

伸縮スリーブの自動伸縮性能を更に改善し、変形時のトラスブームの動作性及び変形率を改良するために、閉止ウェブ部材４は、伸縮スリーブの伸縮動作を駆動することが可能な伸縮駆動装置を更に含めることができる。伸縮駆動装置は、代替的に、油圧又は電気制御スイッチによって制御されるオイルシリンダ構造にでき、トラスブームの変形を更に適切に制御できる。特に、より重いトラスブーム部については、伸縮駆動装置は、トラスブームの変形率をより大きく改善することができる。更に、トラスブーム部の適用範囲が広くなるため、伸縮駆動装置は、動作状態における異なる断面状態の間でのトラスブーム部の断面状態のより柔軟な移動を実装ができる。

図８に示すように、閉止ウェブ部材４は、屈曲連結部４２を更に含む。閉止ウェブ部材４は、屈曲連結部４２の周りに屈曲して、トラスブーム部の断面状態に応じた所定の屈曲角度を形成できる。例えば、屈曲連結部４２により、運搬の断面状態での更に小さな断面を実現すべく、閉止ウェブ部材４はトラスブーム部の内側に向かって屈曲できる。また、屈曲連結部４２により、更に大きな屈曲角度を実現すべく、閉止ウェブ部材４は、トラスブームの外側に向かって屈曲でき、２つの弦１の間の距離を更に小さくできる。更に、屈曲連結部４２は、異なる断面状態下で、トラスブーム部の構造安定性を改善すべく、閉止ウェブ部材４を所定の屈曲角度に維持するための、フックのような固定装置を更に含むことができる。

図９から図１１に示すように、本開示によって提供されるトラスブーム部の更に別の実施形態は、２以上の短尺ウェブ部材５を更に含んでいる。各々の短尺ウェブ部材５の両端は、それぞれ、弦１及び閉止ウェブ部材４に脱離可能に連結されており、トラスブーム部の安定性を更に高めるように、短尺ウェブ部材５、弦１及び閉止ウェブ部材４によって囲まれた三角形の支持構造を形成している。

短尺ウェブ部材５は、それぞれ、弦１及び閉止ウェブ部材４と２つの位置決め関係を形成しているため、トラスブーム部の断面状態がずれると、短尺ウェブ部材５の、弦１及び閉止ウェブ部材４との一方の位置決め関係を除去することを選択する必要がある。例えば、図１０に示すように、短尺ウェブ部材５を除去する方法は、トラスブーム部を変形できるように、弦１と閉止ウェブ部材４との間の相対位置関係における制約を除去するために用いられる。また、別の例として、図１１に示すように、短尺ウェブ部材５の各々の一端が摺動路３に摺動可能に連結され、他端が同じ閉止ウェブ部材４に連結された他の短尺ウェブ部材５と連接されるようにして、閉止ウェブ部材４を除去する方法を用いることも可能である。このようにして、閉止ウェブ部材４を除去した場合、トラスブーム部の断面状態に応じて、端部に連接した２つの短尺ウェブ部材５の間の角度を変更できる。

更に、トラスブーム部の変形をより良好に実装するために、各々の摺動路３は、摺動路駆動機構を有することができ、長尺ウェブ部材２の摺動端部に連結し、長尺ウェブ部材２の摺動端部を駆動して摺動路３に沿って摺動できる。摺動路駆動機構は、ピストン、オイルシリンダ等の形態にでき、トラスブーム部の変形性を向上させるために、油圧又は電子制御のモータによって駆動できる。

図１２（ａ）及び図１２（ｂ）に示すように、本開示は、上述したように、２以上のトラスブーム部を含む折畳み可能なトラスブームを更に提供し、２以上のトラスブーム部は、トラスブームの長手方向に沿って順次連結されている。２以上のトラスブーム部を組み立てることにより形成され組み立てられたトラスブームは、制御可能な断面形状を有しており、様々な運動条件に適応できる。更に、その長さを柔軟に選択でき、トラスブーム部が故障した場合でも、迅速にトラスブームを保守できる。具体的には、モジュール設計を用いているため、トラスブーム部を継手を介して相互に連結できる。また、異なる断面状態のブーム部を連結するための遷移ブーム部を除いて、同じ断面状態のブーム部同士を任意の順序で連結できる。このようにすれば、トラスブームが故障した場合に、標的の保守又は交換を実現することができ、保守コストの低減と保守効率の向上を図ることができる。

更に、同一条件下でのトラスブーム部の全体的な安定性を向上させ、ブーム長が長く振幅が小さい条件での同一積量でのクレーンの性能及び揚重高さを向上させるために、２以上のトラスブーム部は、２以上の断面状態を有している。例えば、本開示は、より大きな断面積を有するトラスブーム部と、元の断面状態のトラスブーム部との組み合わせを提供することにより、トラスブームの全体的な安定性を有効に向上させることができる。

図１２（ｂ）を参照すると、本開示により提供されるトラスブームは、上述した２つの断面状態のトラスブーム部を連結するために、異なる断面状態の隣接する２つのトラスブーム部、例えば、図１２（ｂ）のブーム部Ａとブーム部Ｂとを連結するための遷移ブーム部Ｃを更に含む。遷移ブーム部Ｃは、前述のトラスブーム部と同様の構造形態を用いることができる。すなわち、折畳み可能な構造として提供されることにより、トラスブームの全体的な寸法が、動作状態及び環境要因の機能に応じて変化させることができる。他の実施形態においては、遷移ブーム部は、より簡易な構造とより安定した連結効果を得るために、非折畳み可能な構造を用いることができる。

本開示は、上述のトラスブームを含むクレーンを更に提供する。図１～図２に示す従来技術分野のトラスブームと比較して、以下の有利な技術的効果のうちの１以上がある。

動作効率の向上：当該産業における現存の可変な断面の解決と比較して、本開示の断面全体の変更工程は、人手の介入が少なく、簡易かつ便利であり、効果的に労働強度を低減し、動作効率を向上させることができる。

装置の投資コストの低減：クローラクレーンが工場を出る際に、ブームの断面が固定されているので、より大きな揚重性能を得ることを目的とする場合には、より大きな揚重性能を有するクローラクレーンを購入する必要性があり、装置の投資コストが高くなる。本開示によれば、装置の他の構造を変更することなく、一部の中間ブームを交換するのみで、小さな動作半径でクレーンの吊上性能を向上させることができ、同時に、交換に必要な投資コストも少なくなる。

モジュラー設計と便利な保守：モジュラー設計を用いている本開示は、一体型ブームを複数の脱離可能なモジュールに分割することにより、後の保守を容易にする。

大きな断面を有するブームが交通運搬規制を満たさないという問題の解決：本開示は、ブームの寸法が交通運搬規制の要件を満たすように、運搬中のブームの断面寸法を小さくできる。

同時に、上述した本開示が、相互に固定的に連結されている部品又は構造部材を開示又は包含する場合、別段の記載がない限り、固定的な連結は、着脱可能な固定連結（例えば、ボルト又はねじ連結を用いたもの）、又は非着脱可能な固定連結（例えば、リベットリング及び溶接）として理解される。当然ながら、相互固定的な連結は、一体構造（例えば、鋳造工程を用いて一体成形によって製造されたもの）に置換できる（ただし、一体成形工程を用いることは明らかに不可能である場合を除く）。

更に、上述に開示された本開示の技術的解決のいずれかにおいて適用される位置関係又は形状を示す用語の意味は、別段の記載がない限り、近似した、類似した、又は近い状態又は形状を含む。本開示によって提供される任意の構成要素は、複数の別個の構成要素を組み立てることによって形成してもよいし、一体成形工程によって製造された別個の構成要素であってもよい。

本開示の説明において、「中央」、「横」、「縦」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「内」、「外」という用語が使用されている場合、上述の用語によって示される方位関係又は位置関係は、図面によって図示される方位関係又は位置関係に基づくものであり、本開示の記載を容易にし、当該記載を簡略化するためのものに過ぎず、本開示の装置、機構、部材又は要素が特定の方位に存在すること、かつ、特定の方位で構成及び動作しなければならないことを示したり、暗示したりするものではなく、本開示の保護範囲を制限するものと理解すべきではない。

最後に、前述の実施形態は、本開示の技術的解決を限定するのではなく、本開示の技術的解決を説明するように構成されているだけであることを説明する。好適な実施形態によって、本開示の詳細な説明はなされているが、当技術分野の一般的な技術者は、本開示の実施形態を修正すること、又は技術的特徴の一部に同等の置換を行うことは更に可能であり、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、それらはすべて、本開示において保護が求められている技術的解決の範囲内に包含されるべきであることを理解すべきである。

Claims

折畳み可能なトラスブーム部であって、
相互に交差しない２つの弦（１）と、
前記２つの弦（１）の各々に固定して配置され、各々が２以上の摺動路固定点を有する２以上の摺動路（３）と、
前記２つの弦（１）を連結する２以上の長尺ウェブ部材（２）と
を備え、
前記２以上の長尺ウェブ部材（２）の各々が、前記摺動路（３）に対して相対的に摺動可能であり、前記２以上の摺動路固定点に選択的に連結された１以上の摺動端部を有することにより、前記トラスブーム部が異なる断面状態となる
トラスブーム部。
前記２以上の長尺ウェブ部材（２）は、２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群を含み、
前記２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群の各々は、交差点を連接点とした２つの長尺ウェブ部材（２）が交差配置されており、
前記２以上のＸ字形状の長尺ウェブ部材群における、隣接する２つのＸ字形状の長尺ウェブ部材群は、前記２つの弦（１）上の各々の長尺ウェブ部材の非摺動端部を介して相互に連接することにより、４つの連接点を頂点とする平行四辺形支持構造を形成し、
前記平行四辺形支持構造の形状は、前記トラスブーム部の断面状態に応じて変更可能である
請求項１に記載のトラスブーム部。
前記平行四辺形支持構造の形状は菱形である
請求項２に記載のトラスブーム部。
両端が、前記２つの弦上の前記摺動路に摺動路固定点でそれぞれ連結された閉止ウェブ部材
を更に備える
請求項１に記載のトラスブーム部。
前記閉止ウェブ部材（４）は、前記トラスブーム部の断面状態に応じて前記閉止ウェブ部材（４）の長さを変更する伸縮スリーブを含む
請求項４に記載のトラスブーム部。
前記閉止ウェブ部材（４）は、前記伸縮スリーブを固定するクランプ部材（４１）を更に含む
請求項５に記載のトラスブーム部。
前記閉止ウェブ部材（４）は、前記伸縮スリーブの伸縮動作を駆動する伸縮駆動装置を更に含む
請求項５に記載のトラスブーム部。
前記閉止ウェブ部材（４）は、屈曲連結部（４２）を更に含み、前記屈曲連結部（４２）を中心として前記閉止ウェブ部材（４）が折畳み可能であり、前記トラスブーム部の断面状態に応じて所定の屈曲角度で前記閉止ウェブ部材（４）が屈曲する
請求項４に記載のトラスブーム部。
各々の両端が、前記弦（１）と前記閉止ウェブ部材（４）とに着脱可能にそれぞれ連結された２以上の短尺ウェブ部材（５）であって、前記短尺ウェブ部材（５）と前記弦（１）と前記閉止ウェブ部材（４）とによって包囲された三角形の支持構造を形成する２以上の短尺ウェブ部材（５）
を更に備える
請求項４に記載のトラスブーム部。
前記２以上の短尺ウェブ部材（５）の各々は、一端が前記摺動路（３）に摺動可能に連結され、他端が、同じ前記閉止ウェブ部材（４）に連結された他の短尺ウェブ部材（５）と連接されていて、前記閉止ウェブ部材（４）が脱離されたときに、前記トラスブーム部の断面状態に応じて、前記２以上の短尺ウェブ部材（５）において連接した２つの短尺ウェブ部材（５）の間の角度が変化する
請求項９に記載のトラスブーム部。
前記２以上の摺動路（３）の各々は、前記長尺ウェブ部材（２）の摺動端部に連結され、前記摺動端部を駆動して前記摺動路（３）に沿って摺動させる摺動路駆動機構を含む
請求項１に記載のトラスブーム部。
折畳み可能な２以上の、請求項１から１１のいずれか一項に記載のトラスブーム部
を備えるトラスブームであって、
２以上の前記トラスブーム部は、前記トラスブームの長手方向に沿って順次連結されるトラスブーム。
２以上の前記トラスブーム部は、２以上の断面状態を有する
請求項１２に記載のトラスブーム。
異なる断面状態にある２つの隣接するトラスブーム部を連結する遷移ブーム部
を更に備える
請求項１３に記載のトラスブーム。
請求項１２～１４のいずれか一項に記載のトラスブーム
を備えるクレーン。