JP2022500549A

JP2022500549A - タイヤ部分用のゴムコンパウンド

Info

Publication number: JP2022500549A
Application number: JP2021538928A
Authority: JP
Inventors: キエフィジャンパオロ; サイキアヤ; プリヴィテーラダヴィデ
Original assignee: / Bridgestone Europe Nv/sa; Bridgestone Europe NV SA
Current assignee: / Bridgestone Europe Nv/sa; Bridgestone Europe NV SA
Priority date: 2018-09-18
Filing date: 2019-09-17
Publication date: 2022-01-04
Also published as: US11732114B2; EP3853302B1; CN112739760A; US20210347967A1; EP3853302A1; WO2020058259A1; CN112739760B

Abstract

架橋可能な不飽和鎖を有するポリマー基材、フィラー系、及び加硫系を含む、タイヤ部分の製造用のゴムコンパウンドである。前記フィラー系は、（ａ）２５ｐｈｒ以上の量の、１７０ｍ２／ｇｒ以下の表面積を有する第１カーボンブラック；（ｂ）前記第１カーボンブラックの量と第２カーボンブラックの量との比が５以上１３以下となる量の、３００ｍ２／ｇｒ以上の表面積を有する第２カーボンブラック；及び（ｃ）０．５〜２．０ｐｈｒの範囲の量の、芳香族アミドの分類に含まれ、前記架橋可能な不飽和鎖を有するポリマー基材と相互作用するのに適した不飽和を有する分散剤、を含む。

Description

本発明は、転がり抵抗を悪化させることなく、コンパウンド自体に対して低電気抵抗性を確保するような、補強フィラー系を含むゴムコンパウンドに関する。

タイヤ産業においては、トレッド部分に低電気抵抗性を確実に具備させるという長年の要求があった。実際、タイヤは、車両に必然的に蓄積する静電荷が地面に放出され、乗客に起こり得る事故を回避するような電気抵抗値を有することが重要である。タイヤにとって通常許容可能と考えられる限界抵抗値は、１０^１０Ｏｈｍである。

タイヤの低抵抗を確保するために、タイヤのトレッド部分が１つ又は複数の導体要素を含み、そのそれぞれが、一般に導体化合物からなり、トレッドの転がり面の一部を画定する表面を有する、という解決策が知られている。当業者には既知のように、これら導体要素の存在は、トレッド全体の不規則な摩耗の可能性と、トレッドの準備における特定の複雑さの両方に起因する一連の欠点をもたらし、これが更に、通常使用されるものとは異なる生産手段の使用を、製造者に強い得る。

別の解決策は、カーボンブラックの量を増やす、又はその表面積を増やすというものである。しかしながら、この解決策は、コンパウンドの導電性の増加を確実にするにもかかわらず、転がり抵抗の点での悪化をもたらす。

従って、転がり抵抗及びコンパウンド自体の特性を悪化させることなく、電気抵抗が低いトレッド部分用のゴムコンパウンドを確実に作製できる解決策を自由に使えるという強い要求がある。

本発明者らは、特定のクラスの分散剤の存在下におけるカーボンブラックの特定の組み合わせが、転がり抵抗の点での悪化を引き起こすことなく、電気抵抗の大幅な減少を確保できることを見出した。

本発明の対象は、架橋可能な不飽和鎖を有するポリマー基材、フィラー系、及び加硫系を含む、タイヤ部分の製造用のゴムコンパウンドであって、前記フィラー系は、（ａ）２５ｐｈｒ以上の量の、１７０ｍ^２／ｇｒ以下の表面積を有する第１カーボンブラック；（ｂ）前記第１カーボンブラックの量及び第２カーボンブラックの量間の比が５以上１３以下となる量の、３００ｍ^２／ｇｒ以上の表面積を有する第２カーボンブラック；及び（ｃ）０．５〜２．０ｐｈｒの範囲の量の、芳香族アミドの分類に含まれ、前記架橋可能な不飽和鎖を有するポリマー基材と相互作用するのに適した不飽和を有する分散剤、を含むことを特徴とする、コンパウンドである。

以下、「架橋可能な不飽和鎖を有するポリマー基材」の語は、硫黄ベースの系との架橋（加硫）後のエラストマーによって通常想定される全ての化学的物理的及び機械的特徴を得ることのできる、任意の天然又は合成の非架橋ポリマーを特定する。

以下、加硫系の語は、少なくとも硫黄及び促進剤を含む成分の集合体を指し、これらは、コンパウンドの調製において、最終混練ステップで追加され、また、コンパウンドが加硫温度に晒されると、上記ポリマー基材の加硫をサポートするという目的を果たす。

好ましくは、上記分散剤は、１．０〜１．５ｐｈｒの範囲の量で上記コンパウンドに含まれる。

好ましくは、上記分散剤は、（２Ｚ）−４−［（４−アミノフェニル）アミノ］−４−オキソ−２−ブテン酸ナトリウム塩である。

好ましくは、上記第１カーボンブラックは、１００ｍ^２／ｇｒ以下の表面積を有する。

好ましくは、上記第１カーボンブラックの量と上記第２カーボンブラックの量との比が、７以上１１以下である。

本発明の更なる対象は、本発明に係るコンパウンドを用いて製造されたタイヤ部分である。

本発明の更なる対象は、本発明に係るコンパウンドを用いて製造された部分を備えるタイヤである。

以下は、いくつかの説明的で非限定的な例である。

６種のコンパウンドを作製した。このうちの５種は比較のコンパウンドであり、このうちの１種は本発明に従うコンパウンドである。

特に、第１のコンパウンド（コンパウンドＡ）は、第１比較例であり、カーカス部分の製造に用いられる標準的コンパウンドである。コンパウンドＡは、フィラーとして、表面積が５０ｍ^２／ｇｒであるカーボンブラック（添付のクレームによる「第１カーボンブラック」の定義内に入る）を含み、その一方で、いかなる種類の可塑剤も含まない。第２のコンパウンド（コンパウンドＢ）は、別の比較例であり、表面積が１５０ｍ^２／ｇｒであるカーボンブラック（添付のクレームによる「第１カーボンブラック」の定義内に入る）の更なる追加を伴うので、コンパウンドＡとは異なる。第３のコンパウンド（コンパウンドＣ）は、更なる比較のコンパウンドであり、添付のクレームに記載の特徴を満たす分散剤の更なる追加を伴うので、コンパウンドＢとは異なる。第４のコンパウンド（コンパウンドＤ）は、更なる比較のコンパウンドであり、表面積が３００ｍ^２／ｇｒであるカーボンブラック（添付のクレームによる「第２カーボンブラック」の定義内に入る）の更なる追加を伴うので、コンパウンドＡとは異なる。第５のコンパウンド（コンパウンドＥ）は、本発明に従うコンパウンドであり、添付のクレームに記載の特徴を満たす分散剤の更なる追加を伴うので、コンパウンドＤとは異なる。第６のコンパウンド（コンパウンドＦ）は、更なる比較のコンパウンドであり、使用する分散剤が添付のクレームに記載の特徴を満たさないので、コンパウンドＥとは異なる。

これらの例のコンパウンドを、本発明の目的には関係のない、標準的な手順に従って調製した。

−コンパウンドの調製−

（第１混練ステップ）
混練の開始前に、タンジェンシャルローターを備えるとともに２３０〜２７０リットルの範囲の内容積を有するミキサーに、架橋可能なポリマー基材、カーボンブラック、及び提供される場合の分散剤を投入して、６６〜７２％の範囲の充填率に到達させた。

ミキサーを４０〜６０回転／分の範囲の速度で作動し、１４０〜１６０℃の範囲の温度に達した後、得られた混合物を取り出した。

（第２混練ステップ）
前ステップから得られた混合物を、４０〜６０回転／分の範囲の速度で作動するミキサーで新たに処理し、続いて、１３０〜１５℃の範囲の温度に達した後に取り出した。

（最終混練ステップ）
前ステップから得られた混合物に加硫系を追加し、６３〜６７％の範囲の充填率に到達させた。

ミキサーを２０〜４０回転／分の範囲の速度で作動し、１００〜１１０℃の範囲の温度に達した後、得られた混合物を取り出した。

表１に、上述した６種のコンパウンドの組成をｐｈｒで示す。

ＮＲは、天然由来の１，４−シスポリイソプレンゴムである。

ＢＲは、少なくとも４０％の１，４シス量を有するブタジエンゴムである。

Ｎ５５０は、５０ｍ^２／ｇｒに等しいカーボンブラックの表面積を示す。

Ｎ１３４は、１５０ｍ^２／ｇｒに等しいカーボンブラックの表面積を示す。

ＣＢ＊は、３００ｍ^２／ｇｒに等しいカーボンブラックの表面積を示す。

分散剤＊は、（２Ｚ）−４−［（４−アミノフェニル）アミノ］−４−オキソ−２−ブテン酸ナトリウム塩であり、その構造は下記に示される。

分散剤＊＊は、Ｎ’−（１，３−ジメチルブチリデン）−３−ヒドロキシ−２−ナフトイドラジド（ＢＭＨ）である。

表１に示すコンパウンドを、加硫後に、電気抵抗及び転がり抵抗の測定に供した。

転がり抵抗値は、規格ＩＳＯ４６６４に従い、動的機械特性として測定される、６０℃でのＴａｎＤ値（６０℃でのＴａｎＤ値が小さいほど、転がり抵抗に優れる）と密接に関連する。

表２に、上記の試験結果を示す。

本発明に由来する利点をより明確に示すため、表２の転がり抵抗値は、比較のコンパウンド（コンパウンドＡ）の相対値に指数化している。

表２に示される値から、クレームされた技術的特徴を満たすコンパウンドＥのみが、この理由で転がり抵抗のレベルを悪化させることなく、低レベルの電気抵抗を確保できていることが明確に指し示される。

特に、次の点に留意すべきである：

−コンパウンドＣは、クレームに記載の仕様の分散剤と、表面積が異なる２つのカーボンブラックの混合物とを含むとしても、追加されたカーボンブラックがクレームされた条件を満たさないので、転がり抵抗値の悪化を回避できていない。

−コンパウンドＤは、クレームされた特徴を満たすカーボンブラックの混合物を含むとしても、分散剤がないため、転がり抵抗値の悪化を回避できていない。

−コンパウンドＦは、クレームされた特徴を満たすカーボンブラックの混合物を含むにもかかわらず、添付のクレームに記載の特徴を満たさない分散剤を含むため、転がり抵抗を改善することも電気抵抗を低減することもできていない。

Claims

架橋可能な不飽和鎖を有するポリマー基材、フィラー系、及び加硫系を含む、タイヤ部分の製造用のゴムコンパウンドであって、
前記フィラー系は、
（ａ）２５ｐｈｒ以上の量の、１７０ｍ^２／ｇｒ以下の表面積を有する第１カーボンブラック；
（ｂ）前記第１カーボンブラックの量と第２カーボンブラックの量との比が５以上１３以下となる量の、３００ｍ^２／ｇｒ以上の表面積を有する第２カーボンブラック；及び
（ｃ）０．５〜２．０ｐｈｒの範囲の量の、芳香族アミドの分類に含まれ、前記架橋可能な不飽和鎖を有するポリマー基材と相互作用するのに適した不飽和を有する分散剤、
を含むことを特徴とする、コンパウンド。
前記分散剤が１．０〜１．５ｐｈｒの範囲の量で含まれる、請求項１に記載のコンパウンド。
前記分散剤が、

である、請求項１又は２に記載のコンパウンド。
前記第１カーボンブラックが、１００ｍ^２／ｇｒ以下の表面積を有する、請求項１〜３のいずれかに記載のコンパウンド。
前記第１カーボンブラックの量と前記第２カーボンブラックの量との比が、７以上１１以下である、請求項１〜４のいずれかに記載のコンパウンド。
請求項１〜５のいずれかに記載のコンパウンドを用いて製造されたことを特徴とする、タイヤ部分。
請求項６に記載の部分を備えることを特徴とする、タイヤ。